説明

画像形成装置、代理プリント方法および代理プリントプログラム

【課題】 データの出力を他人に容易に依頼すること。
【解決手段】 MFPは、HDD116が有する複数の記憶領域それぞれに設定されたアクセス権に基づいて、アクセスを制御するアクセス制御部71と、ユーザーを認証する認証部55と、HDD116にアクセスする指示を受け付ける指示受付部59と、複数の記憶領域のうち第1のユーザーに割り当てられた代理記憶領域に、任意のユーザーにアクセスを許可する第1アクセス権が設定されている状態で、第2のユーザーが入力する指示によって代理記憶領域にデータが記憶されることに応じて、所定のユーザーのみにアクセスを許可する第2アクセス権を設定する制限状態変更部83と、代理記憶領域がデータを記憶する状態からデータを記憶しない状態に変化すると、第1アクセス権を代理記憶領域に設定する初期状態変更部83と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は画像形成装置、代理プリント方法および代理プリントプログラムに関し、特に、複数人によりアクセス可能な記憶領域を有する画像形成装置、その画像形成装置により実行される代理プリント方法および代理プリントプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータ(以下「PC」という)から送信したプリントデータを、複合機で代表される画像形成装置に直ちにプリントさせるのではなく、ユーザーが画像形成装置にログインした時点でプリントさせるプリントシステムが知られている(例えば、特許文献1)。このプリントシステムにおいては、PCから画像形成装置にプリントデータとユーザー識別情報とを送信し、画像形成装置では、プリントデータとユーザー識別情報とを一時記憶する。その後、画像形成装置は、ユーザーがログインすると、ログインしたユーザーのユーザー識別情報と同じユーザー識別情報とともに記憶されたプリントデータの画像を形成する。
【0003】
しかしながら、従来のプリントシステムにおいては、プリントデータの送信を指示した第1のユーザーのみが、画像形成装置にプリントデータの画像を形成させることができるが、第1のユーザーとは別の第2のユーザーに、そのプリントデータの画像の形成を依頼するためには、第2のユーザーが第1のユーザーに代わって画像形成装置にログインしなければならない。このため、第1のユーザーは、セキュリティを維持するために、第2のユーザーに対して画像形成装置にログインするためのパスワード等を教えることはできないので、他人にプリントデータの画像の形成を依頼することができなかった。
【特許文献1】特開2010−3006号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明は上述した問題点を解決するためになされたもので、この発明の目的の1つは、データの出力を他人に容易に依頼することが可能な画像形成装置を提供することである。
【0005】
この発明の他の目的は、データの出力を他人に容易に依頼することが可能な代理プリント方法を提供することである。
【0006】
この発明のさらに他の目的は、データの出力を他人に容易に依頼することが可能な代理プリントプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した目的を達成するためにこの発明のある局面によれば、画像形成装置は、複数の記憶領域を含むデータ記憶手段と、複数の記憶領域それぞれに設定されたアクセス権に基づいて、複数の記憶領域それぞれへのアクセスを制御するアクセス制御手段と、ユーザーを認証する認証手段と、認証手段による認証が成功することを条件に、データ記憶手段にアクセスする指示を受け付ける指示受付手段と、複数の記憶領域ごとに設定されたアクセス権を変更するアクセス権変更手段と、を備え、アクセス権変更手段は、複数の記憶領域のうち第1のユーザーに割り当てられた代理記憶領域に、任意のユーザーにアクセスを許可する第1アクセス権が設定されている状態で、第1のユーザーとは別の第2のユーザーが入力する指示によって代理記憶領域にデータが記憶されることに応じて、所定のユーザーのみにアクセスを許可する第2アクセス権を代理記憶領域に設定する制限状態変更手段と、代理記憶領域に第2アクセス権が設定されている状態で、代理記憶領域がデータを記憶する状態からデータを記憶しない状態に変化すると、第1アクセス権を代理記憶領域に設定する初期状態変更手段と、を含む。
【0008】
この局面に従えば、第1のユーザーに割り当てられた代理記憶領域に第1アクセス権が設定されている状態で、第2のユーザーが代理記憶領域にデータを記憶することができ、その後、代理記憶領域に第2アクセス権が設定されるので、代理記憶領域にアクセス可能なユーザーが所定のユーザーに制限される。このため、代理記憶領域に記憶されたデータを、所定のユーザーのみがアクセスできるので、データの内容を知ることのできるユーザーを制限することができる。また、第1のユーザーは、代理記憶領域に記憶されたデータをアクセスできるので、第2のユーザーは、第1のユーザーにデータの出力を依頼することができる。その結果、データの出力を他人に容易に依頼することが可能な画像形成装置を提供することができる。
【0009】
好ましくは、認証手段により第1のユーザーが認証される場合、代理記憶領域に記憶されているデータの画像を形成する認証出力手段と、認証出力手段により代理記憶領域に記憶されているデータの画像が形成されことに応じて、代理記憶領域からデータを消去する消去手段と、をさらに備える。
【0010】
この局面に従えば、第1のユーザーが認証されると、代理記憶領域に第2のユーザーが記憶したデータの画像が形成されるので、第2のユーザーは、第1のユーザーに画像形成する処理を依頼することができる。また、代理記憶領域に記憶されているデータの画像が形成されると、代理記憶領域からデータが消去されるので、代理記憶領域に第1アクセス権が設定される。このため、第1のユーザーは、代理記憶領域のアクセス権を設定する必要がなく、操作が容易となる。
【0011】
好ましくは、代理記憶領域に第1アクセス権が設定されている状態で、第2のユーザーが入力する指示によって代理記憶領域にデータが記憶される場合、第2のユーザーを識別するためのユーザー識別情報とデータとを関連付ける関連付手段と、認証出力手段により代理記憶領域に記憶されているデータの画像が形成されることに応じて、データと関連付けられたユーザー識別情報を表示する代理出力通知手段と、をさらに備える。
【0012】
この局面に従えば、第1のユーザーが認証されて、代理記憶領域に記憶されているデータの画像が形成されると、代理記憶領域にデータを記憶する指示をした第2のユーザーのユーザー識別情報が表示される。このため、第1のユーザーは、第2のユーザーから画像形成処理の実行を依頼されたことを知ることができる。
【0013】
好ましくは、原稿を読み取り、画像データを出力する原稿読取手段と、ユーザーの操作を受け付ける操作受付手段と、操作受付手段により受け付けられた認証情報に基づいて認証手段が認証した後に、代理記憶領域に認証されたユーザーがアクセス可能な場合、代理記憶領域を識別するための記憶領域識別情報を選択可能に配置した設定画面を表示する設定画面表示手段と、代理記憶領域を選択する操作が操作受付手段により受け付けられる場合、代理記憶領域に、原稿読取手段が出力する画像データを記憶する原稿読取制御手段と、をさらに備える。
【0014】
この局面に従えば、第2のユーザーは、原稿を読み取った画像データを、第1のユーザーに割り当てられた代理記憶領域に記憶させることができる。
【0015】
好ましくは、情報処理装置と通信可能な通信手段と、通信手段により情報処理装置から受信された認証情報に基づいて認証手段が認証した後に、代理記憶領域に認証されたユーザーがアクセス可能な場合、通信手段を制御して、代理記憶領域を識別するための記憶領域識別情報を情報処理装置に送信する代理記憶領域通知手段と、代理記憶領域の記憶領域識別情報とデータとの組が通信手段により情報処理装置から受信される場合、受信されたデータを代理記憶領域に記憶するデータ記憶制御手段と、をさらに備える。
【0016】
この局面に従えば、第2のユーザーは、情報処理装置に記憶されたデータを、第1のユーザーに割り当てられた代理記憶領域に記憶させることができる。
【0017】
好ましくは、代理記憶領域の記憶領域識別情報は、第1のユーザーを識別するための情報を含む。
【0018】
この局面に従えば、第2のユーザーは、第1のユーザーの代理記憶領域を、記憶領域識別情報に基づいて選択することができる。
【0019】
好ましくは、所定のユーザーは、第1のユーザーと第2のユーザーとを含む。
【0020】
この局面に従えば、第2のユーザーが記憶させたデータの内容を、第1のユーザー以外のユーザーに知られるのを防止することができる。
【0021】
この発明の他の局面によれば、代理プリント方法は、 複数の記憶領域を含むデータ記憶手段と、複数の記憶領域それぞれに設定されたアクセス権に基づいて、複数の記憶領域それぞれへのアクセスを制御するアクセス制御手段とを備えた画像形成装置で実行される代理プリント方法であって、ユーザーを認証する認証ステップと、認証ステップにおいて認証が成功することを条件に、データ記憶手段にアクセスする指示を受け付ける指示受付ステップと、複数の記憶領域ごとに設定されたアクセス権を変更するアクセス権変更ステップと、を含み、アクセス権変更ステップは、複数の記憶領域のうち第1のユーザーに割り当てられた代理記憶領域に、任意のユーザーにアクセスを許可する第1アクセス権が設定されている状態で、第1のユーザーとは別の第2のユーザーが入力する指示によって代理記憶領域にデータが記憶されることに応じて、所定のユーザーのみにアクセスを許可する第2アクセス権を代理記憶領域に設定する制限状態変更ステップと、代理記憶領域に第2アクセス権が設定されている状態で、データを記憶する状態からデータを記憶しない状態に変化すると、第1アクセス権を代理記憶領域に設定する初期状態変更ステップと、を含む。
【0022】
この局面に従えば、データの出力を他人に容易に依頼することが可能な代理プリント方法を提供することができる。
【0023】
この発明のさらに他の局面によれば、代理プリントプログラムは、複数の記憶領域を含むデータ記憶手段と、複数の記憶領域それぞれに設定されたアクセス権に基づいて、複数の記憶領域それぞれへのアクセスを制御するアクセス制御手段とを備えた画像形成装置を制御するコンピュータで実行される代理プリントプログラムであって、ユーザーを認証する認証ステップと、認証ステップにおいて認証が成功することを条件に、データ記憶手段にアクセスする指示を受け付ける指示受付ステップと、複数の記憶領域ごとに設定されたアクセス権を変更するアクセス権変更ステップと、をコンピュータに実行させ、アクセス権変更ステップは、複数の記憶領域のうち第1のユーザーに割り当てられた代理記憶領域に、任意のユーザーにアクセスを許可する第1アクセス権が設定されている状態で、第1のユーザーとは別の第2のユーザーが入力する指示によって代理記憶領域にデータが記憶されることに応じて、所定のユーザーのみにアクセスを許可する第2アクセス権を代理記憶領域に設定する制限状態変更ステップと、代理記憶領域に第2アクセス権が設定されている状態で、データを記憶する状態からデータを記憶しない状態に変化すると、第1アクセス権を代理記憶領域に設定する初期状態変更ステップと、を含む。
【0024】
この局面に従えば、データの出力を他人に容易に依頼することが可能な代理プリントプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施の形態の1つにおけるプリントシステムの全体概要を示す図である。
【図2】MFPのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【図3】PCのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【図4】MFPが備えるCPUが有する機能の一例をHDDの記憶領域とともに示すブロック図である。
【図5】HDDが有する複数のBOXの状態を示す状態テーブルの一例を示す図である。
【図6】設定画面の一例を示す第1の図である。
【図7】設定画面の一例を示す第2の図である。
【図8】PCが備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。
【図9】登録処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図10】直接操作受付処理の流れの一例を示す第1のフローチャートである。
【図11】直接操作受付処理の流れの一例を示す第2のフローチャートである。
【図12】遠隔操作受信処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図13】プリントジョブ送信処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。従ってそれらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0027】
図1は、本発明の実施の形態の1つにおけるプリントシステムの全体概要を示す図である。図1を参照して、プリントシステム1は、5台のパーソナルコンピュータ(以下「PC」という)200,200A〜200Dと、4台の複合機(以下、「MFP」という)100,100A〜100Cと、を含む。PC200,200A〜200DおよびMFP100,100A〜100Cは、ネットワーク3にそれぞれ接続されている。
【0028】
MFP(Multi Function Peripheral)100,100A〜100Cそれぞれは、画像形成装置の一例であり、原稿を読み取るためのスキャナ、画像データに基づいて紙などの記録媒体に画像を形成するための画像形成部、ファクシミリを含み、画像読取機能、複写機能、ファクシミリ送受信機能を備えている。なお、本実施の形態においては、画像形成装置としてMFP100,100A〜100Cを例に説明するが、MFP100,100A〜100Cに代えて、例えば、画像形成機能を備えたプリンター、ファクシミリ等であってもよい。また、MFP100,100A〜100Cのハードウエア構成および機能は同じなので、ここでは、特に言及しない限りMFP100を例に説明する。
【0029】
ネットワーク3は、ローカルエリアネットワーク(LAN)であり、接続形態は有線または無線を問わない。またネットワーク3は、LANに限らず、ワイドエリアネットワーク(WAN)、インターネット等であってもよい。PC200,200A〜200DおよびMFP100は、ネットワーク3を介して互いに通信可能である。
【0030】
PC200,200A〜200Dは、一般的なパーソナルコンピュータであり、それぞれは、MFP100,100A〜100Cを制御するためのプリンタードライバープログラムがインストールされている。PC200,200A〜200Dそれぞれは、プリンタードライバープログラムを実行することより、プリントジョブを生成し、生成したプリントジョブをMFP100,100A〜100Cのいずれかに送信する。プリントジョブは、プリントデータの他にプリント条件を含む。プリント条件は、プリント枚数などの画像形成条件を含む。プリントデータは、アプリケーションプログラムが実行されることにより生成されたデータを、例えばPCL(Printer Control Language)等のPDL(Page Description Language)で記述されたデータに変換したデータである。
【0031】
アプリケーションプログラムは、PC200,200A〜200D各々で実行可能であればよく、限定するものではないが、例えば、文書編集プログラム、図形編集プログラム、表計算プログラムを含む。ジョブ情報は、例えばPJL(Printer Job Language)で記述したデータである。PC200,200A〜200Dのうち例えばPC200が、プリントジョブをMFP100に送信すれば、MFP100は、プリントジョブのプリント条件に従って、プリントデータの画像を形成する。PC200,200A〜200Dは、それらの構成および機能は同じなので、ここでは特に言及しない限りPC200を例に説明する。
【0032】
本実施の形態におけるプリントシステム1において、ユーザーは、MFP100,100A〜100Cのうちから選択した操作MFPを操作して、原稿を読み取らせて記憶する読取記憶指示を入力すれば、操作MFPは、原稿を読み取って得られる画像データを一時記憶する機能を有する。読取記憶指示は、第1出力依頼指示を含む。MFP100,100A〜100Cそれぞれは、第1出力依頼指示が入力される場合、第1出力依頼指示を指示したユーザーとは別のユーザーであって、第1出力依頼指示により特定されるユーザーがログインすると、一時記憶した画像データの画像を形成する機能を有する。このため、ユーザーは、操作MFPに原稿を読み取らせて記憶する操作をすることによって、その原稿を読み取って得られる画像データを画像形成する処理の実行を他人に依頼することができる。読取記憶指示および第1出力依頼指示の詳細は後述する。
【0033】
本実施の形態におけるプリントシステム1において、PC200,200A〜200Dそれぞれは、プリントジョブを含む送信記憶指示を、MFP100,100A〜100Cのうちユーザーにより指定された指定MFPに送信する機能を有する。送信記憶指示を受信する指定MFPにおいては、送信記憶指示に含まれるプリントジョブを直ちに実行することなく、プリントジョブを一時記憶し、送信記憶指示を指示したユーザーがログインすると、プリントジョブを実行する。
【0034】
送信記憶指示は、第2出力依頼指示を含む。PC200,200A〜200Dは、第2出力依頼指示をMFP100,100A〜100Cのうちユーザーにより指定された指定MFPに送信する。第2出力依頼指示を受信する指定MFPは、第2出力依頼指示に含まれるプリントジョブを直ちに実行することなく、プリントジョブを一時記憶し、第2出力依頼指示の送信を指示したユーザーとは別のユーザーであって、第2出力依頼指示により特定されるユーザーがログインすると、プリントジョブを実行する。このため、PC200,200A〜200Dのユーザーは、MFP100,100A〜100Cのいずれかにプリントジョブを記憶させる操作をすることによって、そのプリントジョブの実行を他人に依頼することができる。送信記憶指示および第2出力依頼指示の詳細は後述する。
【0035】
図2は、MFPのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。図2を参照して、MFP100は、メイン回路110と、原稿を読み取るための原稿読取部130と、原稿を原稿読取部130に搬送するための自動原稿搬送装置120と、原稿読取部130が原稿を読み取って出力する静止画像を用紙等に形成するための画像形成部140と、画像形成部140に用紙を供給するための給紙部150と、ユーザーインターフェースとしての操作パネル160と、を含む。
【0036】
自動原稿搬送装置120は、原稿給紙トレイ上にセットされた複数枚の原稿を1枚ずつ自動的に原稿読取部130のプラテンガラス上に設定された所定の原稿読み取り位置まで搬送し、原稿読取部130により原稿画像が読み取られた原稿を原稿排紙トレイ上に排出する。
【0037】
原稿読取部130は、原稿読取位置に搬送されてきた原稿に光を照射する光源と、原稿で反射した光を受光する光電変換素子とを含み、原稿のサイズに応じた原稿画像を走査する。光電変換素子は、受光した光を電気信号である画像データに変換し、画像データをCPU111に出力する。
【0038】
画像形成部140は、周知の電子写真方式により画像を形成するものであって、原稿読取部130から入力される画像データ、またはHDD116に記憶された画像データの画像を給紙部150により搬送される用紙に画像を形成する。画像形成部140は、画像が形成された用紙を排紙トレイに排紙する。また、画像形成部140は、外部から受信されるプリントデータまたはHDD116に記憶されたプリントデータに従って、給紙部150により搬送される用紙に画像を形成する。
【0039】
メイン回路110は、CPU111と、通信インターフェース(I/F)部112と、ROM(Read Only Memory)113と、RAM(Random Access Memory)114と、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)115と、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)116と、ファクシミリ部117と、CD−ROM(Compact Disc−Read Only Memory)119Aが装着される外部記憶装置119と、を含む。
【0040】
CPU111は、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150および操作パネル160と接続され、MFP100の全体を制御する。ROM113は、CPU111が実行するプログラム、およびそのプログラムを実行するために必要なデータを記憶する。RAM114は、CPU111がプログラムを実行する際の作業領域として用いられる。また、RAM114は、原稿読取部130から連続的に送られてくる静止画像を一時的に記憶する。
【0041】
操作パネル160は、MFP100の上面に設けられ、表示部160Aと操作部160Bとを含む。表示部160Aは、液晶表示装置(LCD)、有機ELD(Electroluminescence Display)等の表示装置であり、ユーザーに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。操作部160Bは、複数のキーを備え、キーに対応するユーザーの操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受け付ける。操作部160Bは、表示部160A上に設けられたタッチパネルをさらに含む。
【0042】
通信I/F部112は、MFP100をネットワーク3に接続するためのインターフェースである。CPU111は、通信I/F部112を介して、MFP100A〜100CおよびPC200,200A〜200Dそれぞれとの間で通信し、データを送受信する。通信I/F部112は、ネットワーク3を介してインターネットに接続された他のコンピュータと通信し、データを送受信する。
【0043】
ファクシミリ部117は、公衆交換電話網(PSTN)に接続され、ファクシミリデータを送受信する。ファクシミリ部117は、原稿読取部130により読み取られた画像データまたはHDD116に記憶されたデータをファクシミリデータに変換して、PSTNに接続されたファクシミリ装置に送信する。また、ファクシミリ部117は、受信されたファクシミリデータをHDD116に記憶するか、画像形成部140にファクシミリデータの画像を用紙に形成させる。
【0044】
外部記憶装置119は、CD−ROM119Aが装着される。CPU111は、外部記憶装置119を介してCD−ROM119Aにアクセス可能である。CPU111は、外部記憶装置119に装表されたCD−ROM119Aに記録されたプログラムをRAM114にロードして実行する。
【0045】
なお、CPU111が実行するプログラムは、CD−ROM119Aに記録されたプログラムに限られず、EEPROM115またはHDD116に記憶されたプログラムをRAM114にロードして実行するようにしてもよい。この場合、ネットワーク3に接続された他のコンピュータが、MFP100のEEPROM115またはHDD116に記憶されたプログラムを書き換える、または、新たなプログラムを追加して書き込むようにしてもよい。さらに、MFP100が、ネットワーク3に接続された他のコンピュータからプログラムをダウンロードして、そのプログラムをEEPROM115またはHDD116に記憶するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、CPU111が直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0046】
図3は、PCのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。図3を参照して、PC200は、それぞれがバス217に接続され、PC200の全体を制御するためのCPU201と、CPU201が実行するプログラム等を記憶するためのROM203と、CPU201の作業領域として用いられるRAM205と、大容量記憶装置としてのHDD207と、表示部209と、ユーザーの操作の入力を受け付ける操作部211と、PC200をネットワーク3に接続するための通信I/F213と、外部記憶装置215と、を含む。
【0047】
外部記憶装置215は、プログラムを記憶したCD−ROM(Compact Disc−ROM)215Aが装着される。CPU201は、外部記憶装置215を介してCD−ROM215Aに記憶されたプログラムをRAM205にロードし、実行する。
【0048】
なお、プログラムを記憶する記録媒体としては、CD−ROM119A,215Aに限られず、フレキシブルディスク、カセットテープ、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)などの半導体メモリ等でもよい。
【0049】
図4は、MFPが備えるCPUが有する機能の一例をHDDの記憶領域とともに示すブロック図である。図4に示す機能は、MFP100,100A〜100Cそれぞれが備えるCPU111が、ROM113、EEPROM115、HDD116、またはCD−ROM119Aに記憶された代理プリントプログラムをRAM114にロードして実行することにより、CPU111に形成される機能である。ここでは、MFP100が備えるCPU111に形成される機能を説明する。
【0050】
HDD116は、複数の記憶領域を有する。記憶領域を、ここではBOXという。BOXは、MFP100の使用が許可されたユーザーに割り当てられた代理BOX91および個人BOX93を含む。代理BOX91および個人BOX93は、MFP100にユーザーが登録される際に、HDD116に生成され、登録されたユーザーに割り当てられる。
【0051】
CPU111は、操作パネル160に接続された操作受付部51と、通信I/F部112を制御する通信制御部53と、MFP100を操作するユーザーを認証する認証部55と、ユーザーによる指示を受け付ける指示受付部59と、設定画面を表示する設定画面表示部57と、代理BOX通知部61と、認証されたユーザーに関連するデータの画像を形成する認証出力部63と、代理出力通知部64と、HDD116からデータを消去する消去部65と、原稿読取部130から出力される画像データをHDD116に記憶する原稿読取制御部67と、通信I/F部112により受信されたデータをHDD116に記憶するデータ記憶制御部69と、代理BOX91のアクセス権を変更するアクセス権変更部73と、HDD116の代理BOX91および個人BOX93それぞれのデータの入出力を制御するアクセス制御部71と、を含む。
【0052】
操作受付部51は、操作パネル160に接続され、ユーザーにより操作部160Bに入力された操作を受け付ける。操作受付部51は、受け付けられた操作を、認証部55または指示受付部59に出力する。
【0053】
通信制御部53は、通信I/F部112を制御し、通信I/F部112がPC200,200A〜200Dのいずれかから受信するデータを受け付け、通信I/F部112を介してPC200,200A〜200Dのいずれかにデータを送信する。通信制御部53は、通信I/F部112がPC200,200A〜200Dのいずれかから受信するデータを、認証部55または指示受付部59に出力する。
【0054】
認証部55は、MFP100を操作するユーザーを認証する。MFP100は、その使用が許可されたユーザーを識別するためのユーザー識別情報とパスワードとを含むユーザーレコードを予め記憶している。具体的には、MFP100は、MFP100の使用が許可されたユーザーを登録する際に、そのユーザーのユーザー識別情報とパスワードとを含むユーザーレコードを、HDD116に記憶されたユーザーデータに追加する。
【0055】
認証部55は、ユーザーが操作パネル160を使用する場合、表示部160Aにログイン画面を表示する。ログイン画面は、ユーザー識別情報とパスワードとを入力する領域を含む。ユーザーが、ログイン画面に従って操作部160Bにユーザー識別情報とパスワードとを入力すれば、操作受付部51からユーザー識別情報とパスワードとの組を受け付ける。認証部55は、操作受付部51からユーザー識別情報とパスワードとの組を受け付けると、受け付けられたユーザー識別情報とパスワードとの組と予めHDD116に記憶されているユーザーデータに含まれるユーザーレコードと比較する。認証部55は、ユーザー識別情報とパスワードとの組と一致するユーザーレコードがユーザーデータに含まれていれば認証成功と判断し、そうでなければ認証失敗と判断する。
【0056】
認証部55は、認証成功と判断する場合、直接ログイン期間を開始し、直接ログイン期間に操作部160Bに入力される操作を、認証したユーザーにより入力された操作として扱う。直接ログイン期間は、操作部160Bを操作するユーザーがログインした状態の期間であり、操作部160Bにログアウト指示が入力されることにより、また、操作部160Bに操作が入力されることなく所定の時間が経過することにより、終了する。認証部55は、認証成功と判断してから開始するログイン期間中、操作パネル160を操作するユーザーのユーザー識別情報とMFP100の装置識別情報の組を指示受付部59に出力し、ユーザー識別情報を認証出力部63に出力する。
【0057】
認証部55は、ユーザーがPC200,200A〜200Dのいずれかを用いてMFP100を制御する場合、通信I/F部112を介してログイン画面を、PC200,200A〜200Dのうちログイン要求を送信してきたPCに送信する。ここでは、説明のために、PC200からログイン要求が送信される場合を例に説明する。PC200は、ログイン画面を受信すると、ログイン画面を表示部209に表示し、ユーザーが、ログイン画面に従って入力するユーザー識別情報とパスワードとの組を送信する。通信制御部53は、通信I/F部112がPC200からユーザー識別情報とパスワードとの組を受信すると、PC200から送信されたユーザー識別情報とパスワードとの組を認証部55に出力する。認証部55は、PC200から送信されたユーザー識別情報とパスワードとの組が通信制御部53から入力されると、ユーザー識別情報とパスワードとの組と予めHDD116に記憶されているユーザーデータに含まれるユーザーレコードと比較する。認証部55は、ユーザー識別情報とパスワードとの組と一致するユーザーレコードがユーザーデータに含まれていれば認証成功と判断し、そうでなければ認証失敗と判断する。
【0058】
認証部55は、認証成功と判断する場合、通信I/F部112を介してPC200に認証成功信号を送信するとともに遠隔ログイン期間を開始する。認証部55は、遠隔ログイン期間に通信I/F部112がPC200から受信する操作を、認証したユーザーにより入力された操作として扱う。遠隔ログイン期間は、PC200を操作するユーザーのログインが許可された状態の期間であり、通信I/F部112がPC200からログアウト指示を受信することにより、また、通信I/F部112がPC200からデータを受信することなく所定の時間が経過することにより、終了する。認証部55は、認証成功と判断してから開始する遠隔ログイン期間中、PC200を操作するユーザーのユーザー識別情報とPC200の装置識別情報との組を指示受付部59に出力する。
【0059】
なお、ここでは、ユーザー識別情報とパスワードとの組を用いて認証する場合を例に示すが、ユーザーの指紋、静脈パターン、虹彩等の生体情報を用いて認証するようにしてもよい。この場合、MFP100、PC200,200A〜200Dに、生体情報を読み取るための読取装置を接続し、MFP100に記憶されるユーザーデータは、ユーザー識別情報と生体情報とを含む。そして、MFP100、PC200,200A〜200Dそれぞれは、読取装置により読み取られた生体情報が入力される。MFP100は、読取装置から入力される生体情報、または、PC200,200A〜200Dのいずれかの読取装置で読み取られ送信される生体情報に基づいて認証する。また、ユーザーに割り当てられたカード番号等の認証情報を記憶する磁気カードまたはICカードを用いて認証してもよい。この場合、MFP100、PC200,200A〜200Dに、認証情報を読み取るための読取装置を接続し、MFP100に記憶されるユーザーデータは、ユーザー識別情報と認証情報とを含む。そして、MFP100、PC200,200A〜200Dそれぞれは、読取装置により読み取られた認証情報が入力される。MFP100は、読取装置から入力される認証情報、または、PC200,200A〜200Dのいずれかの読取装置で読み取られ送信される認証情報に基づいて認証する。
【0060】
認証出力部63は、認証部55からユーザー識別情報が入力されると、HDD116が有する複数のBOXのうちユーザー識別情報で特定されるユーザーに割り当てられた代理BOX91および個人BOX93にそれぞれ記憶されたデータの画像を形成する。代理BOX91および個人BOX93にそれぞれ記憶されるデータは、画像データおよびプリントデータを含む。なお、代理BOX91および個人BOX93にそれぞれ記憶されるデータは、PC200,200A〜200Dがアプリケーションプログラムを実行することにより生成されるアプリケーションデータを含んでもよい。この場合には、MFP100にもアプリケーションプログラムまたは、アプリケーションデータを解釈することの可能なプログラムがインストールされている必要がある。
【0061】
認証出力部63に、認証部55からユーザー識別情報が入力される場合は、ユーザーが操作パネル160を操作してMFP100にログインした場合である。代理BOX91および個人BOX93それぞれには、後述する原稿読取制御部67またはデータ記憶制御部69により画像データまたはプリントデータが記憶される。
【0062】
認証出力部63は、認証部55から入力されるユーザー識別情報で特定されるユーザーに割り当てられた代理BOX91および個人BOX93それぞれからデータを読み出す際に、ユーザー識別情報と、代理BOX91および個人BOX93それぞれのBOX識別情報とを含む読出指示を、アクセス制御部71に出力し、アクセス制御部71を介して、HDD116からデータを読み出す。
【0063】
アクセス制御部71は、HDD116が有する複数のBOXへのアクセスを制御する。具体的には、複数のBOXそれぞれに設定されているアクセス権に基づいて、BOXに記憶されているデータを読み出す処理、BOXに記憶されているデータを変更する処理、BOXにデータを記憶する処理それぞれの実行を許可する。データを変更する処理は、データを削除する処理を含む。
【0064】
ここで、アクセス権について説明する。代理BOX91および個人BOX93には、アクセス権がそれぞれ設定される。アクセス権は、代理BOX91および個人BOX93に、アクセスする権限を定める。アクセスは、代理BOX91および個人BOX93に記憶されているデータを読み出す処理、代理BOX91および個人BOX93に記憶されているデータを変更する処理、および代理BOX91および個人BOX93にデータを記憶する処理を含む。代理BOX91および個人BOX93に記憶されているデータを読み出す処理を実行する権限を「読出し権限」といい、代理BOX91および個人BOX93に記憶されているデータを変更する処理を実行する権限を「変更権限」といい、代理BOX91および個人BOX93にデータを記憶する処理を実行する権限を「書き込み権限」という。
【0065】
アクセス権は、代理BOX91および個人BOX93それぞれに処理の実行を指示したユーザーの種類ごとに設定される。ユーザーの種類は、個人BOX93および代理BOXが割り当てられた所有ユーザーと、所有ユーザー以外のアクセスユーザーとを含む。個人BOX93には、所有ユーザーのみに読出し権限、変更権限および書き込み権限のすべてを与えるアクセス権が設定される。代理BOX91には、第1アクセス権と第2アクセス権とのいずれかが設定される。第1アクセス権は、所有ユーザーと、任意のアクセスユーザーに対して読出し権限、変更権限および書き込み権限のすべてを与えるアクセス権である。第2アクセス権は、所有ユーザーと、特定のアクセスユーザーに対してのみ読出し権限、変更権限および書き込み権限のすべてを与えるアクセス権である。特定のアクセスユーザーは、その代理BOX91にデータを記憶する指示をしたアクセスユーザーである。第1アクセス権が設定されている代理BOX91の状態を「パブリック状態」といい、第2アクセス権が設定されている代理BOX91の状態を「制限状態」という。
【0066】
従って、第1アクセス権が設定された代理BOX91は、パブリック状態であり、任意のユーザーに対して読出し権限、変更権限および書き込み権限が与えられる。また、第2アクセス権が設定された代理BOX91は、制限状態であり、所有ユーザーと、その代理BOX91にデータを記憶する指示をしたアクセスユーザーに対してのみ読出し権限、変更権限および書き込み権限が与えられる。なお、2アクセス権を、所有ユーザーに対してのみ読出し権限、変更権限および書き込み権限のすべてを与えるアクセス権としてもよい。
【0067】
アクセス制御部71は、認証出力部63から読出指示が入力される場合、読出指示に含まれるBOX識別情報で特定される代理BOX91および個人BOX93それぞれに設定されているアクセス権に基づいて、読出指示に含まれるユーザー識別情報で特定されるユーザーに対して代理BOX91および個人BOX93にアクセスが可能か否かを判断する。認証出力部63から入力される読出指示に含まれるユーザー識別情報で特定されるユーザーは、読出指示に含まれるBOX識別情報で特定される代理BOX91および個人BOX93の所有ユーザーなので、代理BOX91に第1アクセス権および第2アクセス権のいずれが設定されている場合であっても、読み出し可能である。このため、アクセス制御部71は、読出指示が入力されることに応じて、読出指示に含まれるユーザー識別情報で特定されるユーザーに割り当てられた代理BOX91および個人BOX95それぞれに記憶されたデータのすべてを、認証出力部63に出力する。
【0068】
認証出力部63は、認証部55から入力されるユーザー識別情報で特定されるユーザーに割り当てられた代理BOX91および個人BOX93にそれぞれ記憶されたデータの画像を、画像形成部140に出力し、画像形成部140に画像形成させる。従って、ユーザーが、操作パネル160を操作してMFP100にログインすると、操作パネル160を操作するユーザーに割り当てられた代理BOX91および個人BOX95それぞれに記憶されたすべてのデータの画像が、画像形成部140により用紙に形成され、出力される。
【0069】
認証出力部63は、代理BOX91に記憶されたデータの画像を形成する場合、そのデータを代理BOX91に記憶する処理の実行を指示したユーザーのユーザー識別情報を、代理出力通知部64に出力する。後述する原稿読取制御部67またはデータ記憶制御部69により代理BOX91にデータが記憶される際に、データとともに、データを代理BOX91に記憶する処理の実行を指示したユーザーのユーザー識別情報が関連付けられて記憶される。認証出力部63は、代理BOX91に記憶されたデータに関連付けられたユーザー識別情報を、代理出力通知部64に出力する。
【0070】
代理出力通知部64は、認証出力部63からユーザー識別情報が入力されることに応じて、入力されるユーザー識別情報で特定されるユーザーによる依頼であることをMFP100を操作するユーザーに通知する。具体的には、代理出力通知部64は、認証出力部63から入力されるユーザー識別情報を含み、代理プリントであることを示すメッセージを表示部160Aに表示する。メッセージは、例えば「○○さんからプリントを依頼されたデータをプリント中です。」である。これにより、MFP100を操作するユーザーは、MFP100が画像形成して出力する用紙が、別のユーザによりプリントを依頼されたデータが画像形成された用紙であることを知ることができる。
【0071】
認証出力部63は、画像形成部140による画像形成が終了すると、画像形成の対象となったデータのデータ識別情報と、そのデータが記憶されている代理BOX91または個人BOX93を識別するためのBOX識別情報と、ユーザー識別情報との組を、消去部65に出力する。
【0072】
消去部65は、認証出力部63から入力されるデータ識別情報で特定されるデータをHDD116から消去する。消去部65は、認証出力部63から入力されるデータ識別情報で特定されるデータを消去する際に、認証出力部63から入力されるデータ識別情報と、BOX識別情報と、ユーザー識別情報とを含む消去指示(変更処理を実行する指示)を、アクセス制御部71に出力し、アクセス制御部71を介して、HDD116からデータを消去する。
【0073】
アクセス制御部71は、認証出力部63から消去指示が入力される場合、消去指示に含まれるBOX識別情報で特定される代理BOX91または個人BOX93に設定されているアクセス権に基づいて、消去指示に含まれるユーザー識別情報で特定されるユーザーに対して代理BOX91または個人BOX93にアクセスが可能か否かを判断する。消去指示に含まれるユーザー識別情報で特定されるユーザーは、消去指示に含まれるBOX識別情報で特定される代理BOX91または個人BOX93の所有ユーザーなので、代理BOX91が第1アクセス権および第2アクセス権のいずれが設定されている場合であっても、消去可能である。このため、アクセス制御部71は、消去指示が入力されることに応じて、消去指示に含まれるBOX識別情報で特定される代理BOX91または個人BOX95に記憶され、消去指示に含まれるデータ識別情報で特定されるデータを消去する。認証出力部63により、操作パネル160を操作してMFP100にログインしたユーザーに割り当てられた代理BOX91および個人BOX95それぞれに記憶されたすべてのデータの画像が、画像形成部140により用紙に形成されるので、操作パネル160を操作するユーザーに割り当てられた代理BOX91および個人BOX95それぞれに記憶されたすべてのデータが、消去される。
【0074】
消去部65は、消去指示をアクセス制御部71に出力し、アクセス制御部71によって操作パネル160を操作するユーザーに割り当てられた代理BOX91および個人BOX95それぞれに記憶されたすべてのデータが消去されると、消去完了通知を初期状態変更部81に出力する。消去完了通知は、認証出力部63から入力されるユーザー識別情報と、BOX識別情報と、を含む。
【0075】
指示受付部59は、認証部55から、直接ログイン期間中、操作パネル160を操作するユーザーのユーザー識別情報とMFP100の装置識別情報の組が入力され、遠隔ログイン期間中、PC200を操作するユーザーのユーザー識別情報とPC200の装置識別情報との組が入力され、操作受付部51から操作部160Bに入力される操作が入力され、通信制御部53からPC200から受信される操作およびデータが入力される。
【0076】
指示受付部59は、直接指示受付部75と、遠隔指示受付部77と、を含む。直接指示受付部75は、認証部55から操作パネル160を操作するユーザーのユーザー識別情報とMFP100の装置識別情報の組が入力される直接ログイン期間中に、操作受付部51から入力される操作を受け付ける。操作受付部51は、操作部160Bが有するボタンであって、MFP100を原稿読取モードに設定するための指示が割り当てられたボタンが押下されると、原稿読取指示を受け付け、原稿読取指示を直接指示受付部75に出力する。直接指示受付部75は、操作受付部51から原稿読取指示を受け付ける場合、設定画面表示部57に設定画面表示指示を出力する。設定画面表示指示は、認証部55から入力される操作パネル160を操作するユーザーのユーザー識別情報を含む。
【0077】
設定画面表示部57は、設定画面表示指示が入力されると、HDD116が有する複数のBOXのうち、設定画面表示指示に含まれるユーザー識別情報で特定されるユーザーによるアクセスが許可されるBOXのBOX識別情報を選択可能に配置した設定画面を生成し、生成された設定画面を表示部160Aに表示する。設定画面表示部57は、アクセス権変更部73から複数のBOXそれぞれに設定されているアクセス権を取得し、取得された複数のBOXごとに、アクセス権に基づいてユーザー識別情報で特定されるユーザーによるアクセスが許可されているか否かを判断し、アクセスが許可されているBOXを特定する。ここで、認証部55から入力されるユーザー識別情報は、操作パネル160を操作してログインしたログインユーザーである。このため、ログインユーザーによるアクセスが許可されるBOXは、そのログインユーザーに割り当てられた個人BOX93および代理BOX91の他に、別のユーザーに割り当てられた代理BOX91であって第2アクセス権が設定されたパブリック状態の代理BOX91を含む。
【0078】
ユーザーが設定画面に配置された複数のBOX識別情報のうちから1つを選択する指示を操作部160Bに入力すれば、操作受付部51は、選択されたBOX識別情報を直接指示受付部75に出力する。直接指示受付部75は、操作受付部51からBOX識別情報が入力されることに応じて、原稿読取制御部67に、読取記憶指示を出力する。読取記憶指示は、操作受付部51から入力されるBOX識別情報と、認証部55から直接ログイン期間に入力されるユーザー識別情報とを含む。読取記憶指示のうち、それに含まれるBOX識別情報が代理BOX91を特定する読取記憶指示が、第1出力依頼指示である。
【0079】
原稿読取制御部67は、直接指示受付部75から読取記憶指示が入力されると、原稿読取部130を制御し、原稿読取部130に原稿の画像を読み取らせ、原稿読取部130が出力する原稿の画像データを取得する。そして、原稿読取制御部67は、画像データを、HDD116が有する複数のBOXのうち読取記憶指示に含まれるBOX識別情報で特定される代理BOX91または個人BOX93に記憶する。原稿読取制御部67は、画像データを、読取記憶指示に含まれるBOX識別情報で特定される代理BOX91または個人BOX93に記憶する際に、画像データと、原稿読取記憶指示に含まれるユーザー識別情報と、BOX識別情報とを含む記憶指示を、アクセス制御部71に出力し、アクセス制御部71を介して、HDD116に画像データを記憶する。また、原稿読取制御部67は、直接指示受付部75から入力される読取記憶指示が第1出力依頼指示の場合、第1出力依頼指示に含まれるユーザー識別情報を画像データに関連付けて記憶する。これにより、代理BOX91に記憶される画像データが、それを記憶する指示をしたユーザーのユーザー識別情報と関連付けられる。
【0080】
アクセス制御部71は、原稿読取制御部67から記憶指示が入力される場合、記憶指示に含まれるBOX識別情報で特定される代理BOX91または個人BOX93に設定されているアクセス権に基づいて、記憶指示に含まれるユーザー識別情報で特定されるユーザーに対して代理BOX91または個人BOX93にアクセスが可能か否かを判断する。記憶指示に含まれるBOX識別情報が個人BOX93を特定する場合、記憶指示に含まれるユーザー識別情報で特定されるユーザーは所有ユーザーなので、画像データを記憶可能である。また、記憶指示に含まれるBOX識別情報が代理BOX91を特定する場合、その代理BOX91には第2アクセス権が設定されているので、画像データを記憶可能である。
【0081】
このため、アクセス制御部71は、記憶指示が入力されることに応じて、記憶指示に含まれるBOX識別情報で特定される代理BOX91または個人BOX93に、記憶指示に含まれる画像データを記憶する。操作パネル160を操作してMFP100にログインしたログインユーザーが、原稿読取指示を指示する場合、MFP100は、原稿読取部130が原稿の画像を読み取って出力する画像データを、ログインユーザーの個人BOX93または、ログインユーザーとは別のユーザーの代理BOX91であって第2アクセス権が設定されているものに記憶する。
【0082】
原稿読取制御部67は、記憶指示をアクセス制御部71に出力し、アクセス制御部71によってHDD116に画像データが記憶されると、記憶完了通知を制限状態変更部83に出力する。記憶完了通知は、原稿読取記憶指示に含まれるユーザー識別情報と、BOX識別情報と、を含む。
【0083】
遠隔指示受付部77は、認証部55からPC200を操作するユーザーのユーザー識別情報とPC200の装置識別情報との組が入力される遠隔ログイン期間中に、PC200から送信されたデータを、通信制御部53から受け付ける。通信制御部53は、通信I/F部112がPC200から送信されるデータを受信すると、受信されたデータを遠隔指示受付部77に出力する。遠隔指示受付部77は、PC200が送信するデータとしてBOX通知要求を受け付ける場合、代理BOX通知部61に通知指示を出力する。通知指示は、認証部55から入力されるPC200を操作するユーザーのユーザー識別情報と、PC200の装置識別情報と、を含む。
【0084】
代理BOX通知部61は、通知指示が入力されると、HDD116が有する複数のBOXのうち、通知指示に含まれるユーザー識別情報で特定されるユーザーによるアクセスが許可されるBOXのBOX識別情報を、認証部55から入力される装置識別情報で特定されるPC200に送信する。代理BOX通知部61は、アクセス権変更部73から複数のBOXそれぞれに設定されているアクセス権を取得し、取得された複数のBOXごとに、アクセス権に基づいてユーザー識別情報で特定されるユーザーによるアクセスが許可されているか否かを判断し、アクセスが許可されているBOXを特定する。ここで、認証部55から入力されるユーザー識別情報は、PC200を操作してMFP100にログインしたユーザーである。このため、PC200を操作してログインしたログインユーザーによるアクセスが許可されるBOXは、そのログインユーザーに割り当てられた個人BOX93の他に、別のユーザーに割り当てられた代理BOX91であって第2アクセス権が設定されたパブリック状態の代理BOX91を含む。
【0085】
PC200においては、後述するように、MFP100を制御するドライバプログラムが実行されており、MFP100にBOX通知要求を送信した後に、MFP100からBOX識別情報を受信し、受信されたBOX識別情報を選択可能に配置した設定画面を表示する。PC200のユーザーが、設定画面に選択可能に配置された複数のBOX識別情報のうちから1つを選択する指示をPC200に入力すれば、PC200は、選択されたBOX識別情報と、プリントジョブとを含む送信記憶指示をMFP100に返信する。通信I/F部112がPC200から送信記憶指示を受信すると、遠隔指示受付部77は、通信制御部53から送信記憶指示を取得する。送信記憶指示のうち、それに含まれるBOX識別情報が代理BOX91を特定する送信記憶指示が、第2出力依頼指示である。
【0086】
遠隔指示受付部77は、通信制御部53により送信記憶指示が受信されことに応じて、受信された送信記憶指示と、認証部55から遠隔ログイン期間に入力されるユーザー識別情報とをデータ記憶制御部69に出力する。
【0087】
データ記憶制御部69は、遠隔指示受付部77から送信記憶指示とユーザー識別情報とが入力されると、送信記憶指示に含まれるプリントジョブを、HDD116が有する複数のBOXのうち送信記憶指示に含まれるBOX識別情報で特定される代理BOX91または個人BOX93に記憶する。データ記憶制御部69は、プリントジョブを、送信記憶指示に含まれるBOX識別情報で特定される代理BOX91または個人BOX93に記憶する際に、プリントジョブと、送信記憶指示に含まれるユーザー識別情報と、BOX識別情報と、を含む記憶指示を、アクセス制御部71に出力し、アクセス制御部71を介して、HDD116にプリントジョブを記憶する。また、データ記憶制御部69は、遠隔指示受付部77から入力される送信記憶指示が第2出力依頼指示の場合、第2出力依頼指示に含まれるユーザー識別情報をプリントジョブに関連付けて記憶する。これにより、代理BOX91に記憶されるプリントジョブが、それを記憶する指示をしたユーザーのユーザー識別情報と関連付けられる。
【0088】
アクセス制御部71は、データ記憶制御部69から記憶指示が入力される場合、記憶指示に含まれるBOX識別情報で特定される代理BOX91または個人BOX93に設定されているアクセス権に基づいて、記憶指示に含まれるユーザー識別情報で特定されるユーザーに対して代理BOX91または個人BOX93にアクセスが可能か否かを判断する。記憶指示に含まれるBOX識別情報が個人BOX93を特定する場合、記憶指示に含まれるユーザー識別情報で特定されるユーザーは所有ユーザーなので、プリントジョブを記憶可能である。
【0089】
また、記憶指示に含まれるBOX識別情報が代理BOX91を特定する場合、その代理BOX91には第2アクセス権が設定されているので、プリントジョブを記憶可能である。このため、アクセス制御部71は、記憶指示が入力されることに応じて、記憶指示に含まれるBOX識別情報で特定される代理BOX91または個人BOX95に、記憶指示に含まれるプリントジョブを記憶する。
【0090】
PC200を操作してMFP100にログインしたユーザーが、プリントジョブをMFP100に記憶する送信記憶指示をPC200に入力すれば、MFP100は、PC200から受信されるプリントジョブを、ログインユーザーの個人BOX93または、ログインユーザーとは別のユーザーの代理BOX91であって第2アクセス権が設定されている代理BOX91に記憶する。
【0091】
データ記憶制御部69は、記憶指示をアクセス制御部71に出力し、アクセス制御部71によってHDD116にプリントジョブが記憶されると、記憶完了通知を制限状態変更部83に出力する。記憶完了通知は、送信記憶指示に含まれるユーザー識別情報と、BOX識別情報と、を含む。
【0092】
アクセス権変更部73は、HDD116が有する代理BOX91に設定されているアクセス権を変更する。代理BOX91は、複数のユーザーそれぞれに対応して複数存在する場合、アクセス権変更部73は、複数の代理BOX91ごとにアクセス権を変更する。本実施の形態においては、ユーザーがMFP100に使用を許可されたユーザーとして登録される段階で、HDD116に登録されたユーザーに割り当てられた代理BOX91が生成され、その代理BOX91に第1アクセス権が設定される。
【0093】
アクセス権変更部73は、制限状態変更部83と、初期状態変更部81とを含む。制限状態変更部83は、代理BOX91に第1アクセス権が設定されている場合に、第2アクセス権に変更する。初期状態変更部81は、代理BOX91に第2アクセス権が設定されている場合に、第1アクセス権に変更する。より具体的に説明する。
【0094】
制限状態変更部83は、原稿読取制御部67またはデータ記憶制御部69から記憶完了通知が入力される。制限状態変更部83は、記憶完了通知が入力されると、記憶完了通知に含まれるBOX識別情報で特定されるBOXが、代理BOX91であって、かつ記憶完了通知に含まれるユーザー識別情報のユーザーに割り当てられた代理BOX91でない場合、その代理BOX91に設定されている第1アクセス権を、第2アクセス権に変更する。記憶完了通知に含まれるBOX識別情報は、代理BOX91と個人BOX93とのいずれかの場合がある。また、記憶完了通知に含まれるBOX識別情報が代理BOX91を特定する場合、記憶完了通知に含まれるユーザー識別情報が、代理BOX91の所有ユーザーの場合と、所有ユーザーでない場合がある。記憶完了通知に含まれるユーザー識別情報が、代理BOX91の所有ユーザーでない場合、アクセス制御部71によってデータの記憶が許可されるためには、その代理BOX91に第1アクセス権が設定されている場合である。このため、制限状態変更部83は、記憶完了通知に含まれるBOX識別情報で特定される代理BOX91に第1アクセス権が設定されているパブリック状態の場合に、原稿読取制御部67により代理BOX91の所有ユーザー以外のアクセスユーザーによる指示に基づいて画像データが記憶される場合、またはデータ記憶制御部69によって代理BOX91の所有ユーザー以外のアクセスユーザーによる指示に基づいてプリントジョブが記憶される場合、代理BOX91に第2アクセス権を設定し、制限状態に変更する。
【0095】
このため、代理BOX91に記憶されたデータには、代理BOX91の所有ユーザーと、代理BOX91にデータを記憶する処理の実行を指示した指示ユーザーのみがアクセス可能となるので、第三者にデータの内容が知られるのを防止することができる。また、代理BOX91の所有ユーザーが認証されると、認証出力部63によってデータの画像が形成されるので、代理BOX91にデータを記憶する処理の実行を指示した指示ユーザーは、代理BOX91の所有ユーザにデータの画像を形成する処理の実行を依頼することができる。
【0096】
初期状態変更部81は、消去部65から消去完了通知が入力される。初期状態変更部81は、消去完了通知が入力されると、消去完了通知に含まれるBOX識別情報で特定されるBOXが代理BOX91の場合、その代理BOX91に設定されている第2アクセス権を、第1アクセス権に変更する。消去完了通知に含まれるBOX識別情報は、代理BOX91と個人BOX93とのいずれかの場合がある。消去完了通知に含まれるBOX識別情報が代理BOX91の場合、その代理BOX91は、画像データまたはプリントジョブが消去されたにも係わらず、制限状態変更部83により第2アクセス権が設定された制限状態である。このため、初期状態変更部81は、消去完了通知に含まれるBOX識別情報で特定される代理BOX91に第2アクセス権が設定されている制限状態の場合に、代理BOX91から画像データまたはプリントジョブが消去され、データを記憶しない状態に変化すると、代理BOX91に第1アクセス権を設定し、パブリック状態に変更する。このため、代理BOX91に記憶されていたデータが消去されると、第1アクセス権が設定されるので、代理BOX91が割り当てられたユーザーは、代理BOX91のアクセス権を設定する必要がなく、操作が容易である。
【0097】
図5は、HDDが有する複数のBOXの状態を示す状態テーブルの一例を示す図である。状態テーブルは、HDD116に記憶され、アクセス制御部71により参照され、アクセス権変更部73によって更新される。ここでは、ユーザー識別情報が「USER−A」のユーザーA、ユーザー識別情報が「USER−B」のユーザーBおよびユーザー識別情報が「USER−A」のユーザーCそれぞれに対して代理BOXと個人BOXが割り当てられる場合の状態テーブルを示している。
【0098】
図5を参照して、状態テーブルは、HDD116が有する複数のBOXそれぞれに対応する状態レコードを含む。状態レコードは、「BOX名」の項目と、「種別」の項目と、「所有ユーザー」の項目と、「アクセス許可者」の項目と、「データ数」の項目と、「アクセス権」の項目と、を含む。「BOX名」の項目は、BOX識別情報が設定される。「種別」の項目は、個人BOXと代理BOXとの別を示し、個人BOXの場合に「個人」が設定され、代理BOXの場合に「代理」が設定される。「所有ユーザー」の項目は、BOXが割り当てられるユーザーのユーザー識別情報が設定される。「アクセス許可者」の項目は代理BOXへのアクセスが許可されるユーザーであって、所有ユーザー以外のユーザーのユーザー識別情報が設定される。「データ数」の項目は、BOXに記憶されるデータの数が設定される。「アクセス権」の項目は、代理BOXに設定されるアクセス権を示し、第1アクセス権または第2アクセス権のいずれかが設定される。
【0099】
「BOX名」の項目がBOX識別情報「BOX−1」の状態レコードは、「種別」の項目に「個人」が設定され、「所有ユーザー」の項目に「USER−A」が設定され、「データ数」の項目に「1」が設定され、ユーザー識別情報「USER−A」のユーザーAに対して割り当てられたBOX識別情報「BOX−1」の個人BOXであって、1つのデータが記憶されていることを示している。「BOX名」の項目がBOX識別情報「USER−A」の状態レコードは、「種別」の項目に「代理」が設定され、「所有ユーザー」の項目に「USER−A」が設定され、「アクセス許可者」の項目に「USER−B」が設定され、「データ数」の項目に「1」が設定され、「アクセス権」の項目に「第2アクセス権」が設定される。このため、「BOX名」の項目がBOX識別情報「USER−A」の状態レコードは、ユーザー識別情報「USER−A」のユーザーAに対して割り当てられたBOX識別情報「USER−A」の代理BOXであって、ユーザーBによって記憶された1つのデータが記憶されており、所有ユーザーであるユーザーAおよびデータの記憶を指示したユーザーBのみがアクセス可能な第2アクセス権が設定されていることを示している。
【0100】
「BOX名」の項目がBOX識別情報「BOX−2」の状態レコードは、「種別」の項目に「個人」が設定され、「所有ユーザー」の項目に「USER−B」が設定され、「データ数」の項目に「1」が設定され、ユーザー識別情報「USER−B」のユーザーBに対して割り当てられたBOX識別情報「BOX−2」の個人BOXであって、1つのデータが記憶されていることを示している。「BOX名」の項目がBOX識別情報「USER−B」の状態レコードは、「種別」の項目に「代理」が設定され、「所有ユーザー」の項目に「USER−B」が設定され、「データ数」の項目に「0」が設定され、「アクセス権」の項目に「第1アクセス権」が設定される。「アクセス許可者」の項目になにも設定されない。このため、「BOX名」の項目がBOX識別情報「USER−B」の状態レコードは、ユーザー識別情報「USER−B」のユーザーBに対して割り当てられたBOX識別情報「USER−B」の代理BOXであって、所有ユーザーであるユーザーBのみがアクセス可能な第1アクセス権が設定されていることを示している。また、「アクセス許可者」の項目になにも設定されないのは、代理BOXにデータが記憶されておらず、代理BOXにデータの記憶を指示したユーザーが存在しないからである。
【0101】
「BOX名」の項目がBOX識別情報「BOX−3」の状態レコードは、「種別」の項目に「個人」が設定され、「所有ユーザー」の項目に「USER−C」が設定され、「データ数」の項目に「0」が設定され、ユーザー識別情報「USER−C」のユーザーCに対して割り当てられたBOX識別情報「BOX−3」の個人BOXであって、データが記憶されていないことを示している。「BOX名」の項目がBOX識別情報「USER−C」の状態レコードは、「種別」の項目に「代理」が設定され、「所有ユーザー」の項目に「USER−C」が設定され、「データ数」の項目に「0」が設定され、「アクセス権」の項目に「第1アクセス権」が設定される。このため、「BOX名」の項目がBOX識別情報「USER−C」の状態レコードは、ユーザー識別情報「USER−C」のユーザーCに対して割り当てられたBOX識別情報「USER−C」の代理BOXであって、所有ユーザーであるユーザーCのみがアクセス可能な第1アクセス権が設定されていることを示している。また、「アクセス許可者」の項目になにも設定されないのは、代理BOXにデータが記憶されておらず、代理BOXにデータの記憶を指示したユーザーが存在しないからである。
【0102】
図6は、設定画面の一例を示す第1の図である。設定画面は、設定画面表示部57により表示部160Aに表示される画面である。ここでは、図5に示した状態テーブルがHDD116に記憶されている状態で、ユーザー識別情報「ユーザーB」のユーザーBが、操作部160Bを操作してMFP100にログインした場合に表示される設定画面を示している。図6を参照して、設定画面300は、データを記憶するBOXを指定する領域301と、HDD116が有する6つのBOXのうち、ユーザーBがアクセス可能な4つのBOXを選択可能に配置した領域303と、を含む。
【0103】
領域303には、ユーザーBに割り当てられた個人BOXのBOX識別情報「BOX−2」と、ユーザーAに割り当てられた代理BOXのBOX識別情報「USER−A」と、ユーザーBに割り当てられた代理BOXのBOX識別情報「USER−B」と、ユーザーCに割り当てられた代理BOXのBOX識別情報「USER−C」と、が表示される。図では、BOX識別情報「USER−A」が選択されている状態を、ハッチングで示しているが、実際にはBOX識別情報「USER−A」は反転表示、または、他のBOX識別情報と異なる表示形態で表示される。また、領域301に、領域303で選択されたBOXのBOX識別情報「USER−A」が表示される。
【0104】
代理BOX93のBOX識別情報を、その代理BOX93の所有ユーザーのユーザー識別情報としたので、設定画面において、データの出力を依頼するユーザーに割り当てられた代理BOX93を容易に選択することができる。例えば、ユーザーBは、図6に示す設定画面を見て、ユーザーAにデータの出力を依頼する場合には、ユーザーAのユーザー識別情報「USER−A」と同じBOX識別情報「USER−A」を選択すればよく、ユーザーCにデータの出力を依頼する場合には、ユーザーCのユーザー識別情報「USER−C」と同じBOX識別情報「USER−C」を選択すればよい。
【0105】
図7は、設定画面の一例を示す第2の図である。図7に示す設定画面は、図5に示した状態テーブルがHDD116に記憶されている状態で、ユーザー識別情報「ユーザーC」のユーザーCが、操作部160Bを操作してMFP100にログインした場合に表示される設定画面を示している。図6に示した設定画面と異なる点は、領域303に配置されるBOX識別情報が異なる点である。図7に示す設定画面300において、領域303には、ユーザーCに割り当てられた個人BOXのBOX識別情報「BOX−3」と、ユーザーBに割り当てられた代理BOXのBOX識別情報「USER−B」と、ユーザーCに割り当てられた代理BOXのBOX識別情報「USER−C」と、が表示される。図では、BOX識別情報「USER−B」が選択されている状態を、ハッチングで示しているが、実際にはBOX識別情報「USER−B」は反転表示、または、他のBOX識別情報と異なる表示形態で表示される。また、BOX識別情報「USER−A」のBOXは、ユーザーAに割り当てられた代理BOXであって、ユーザーBによる指示によってデータが記憶されており、所有ユーザーであるユーザAとユーザーBのみにアクセスが許可される第2アクセス権が設定されているので、領域303にBOX識別情報「USER−B」は表示されない。
【0106】
なお、本実施の形態においては、1人のユーザーに対して、1つの代理BOXを割り当てる場合を例に説明するが、1人のユーザーに対して複数の代理BOXを割り当てるようにしてもよい。例えば、ユーザーAに対して第1の代理BOXと第2の代理BOXとの2つを割り当てるようにすれば、第1の代理BOXにユーザーBによる指示によりデータが記憶されている場合であっても、ユーザーCは第2の代理BOXにアクセス可能である。このため、ユーザーCが、操作部160Bを操作してMFP100にログインした場合に表示される設定画面に、第2の代理BOXのBOX識別情報が領域303に選択可能に配置される。
【0107】
図5に示す状態テーブルがHDD116に記憶されている状態で、ユーザー識別情報「ユーザーA」のユーザーAが、操作部160Bを操作してMFP100にログインすると、MFP100は、BOX識別情報「BOX−1」の個人BOX93に記憶されている1つのデータ、および、BOX識別情報「USER−A」の代理BOX91に記憶されている1つのデータそれぞれの画像を画像形成した用紙を出力する。また、BOX識別情報「USER−A」の代理BOX93に記憶されている1つのデータの画像を画像形成した用紙を出力中は、表示部160AにユーザーBにより記憶されたデータの画像を形成していることをユーザーAに通知するために、「USER−Bさんからプリントを依頼されたデータをプリント中です。」のメッセージを表示部160Aに表示する。そして、画像形成が終了すると、BOX識別情報「BOX−1」の個人BOX93に記憶されている1つのデータと、BOX識別情報「USER−A」の代理BOX91に記憶されている1つのデータと、をHDD116から消去するとともに、BOX識別情報「USER−A」の代理BOXに第1アクセス権を設定する。このため、ユーザーAがMFP100に操作部160Bを操作してログインした後に、ユーザーBまたはユーザーCが、操作部160Bを操作してMFP100にログインすれば、ユーザーAの代理BOX91のBOX識別情報「USER−A」を選択可能に配置した設定画面が表示される。換言すれば、ユーザーBまたはユーザーCは、ユーザーAに割り当てられたBOX識別情報「USER−A」の代理BOXにデータを記憶するための指示を操作部160Bに入力することができる。
【0108】
図8は、PCが備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。図8に示す機能は、PC200,200A〜200DそれぞれのCPU201が、ROM203、HDD207またはCD−ROM215Aに記憶されたドライバプログラムを実行することによりCPU201により実現される機能である。ここでは、PC100のCPU201が有する機能を例に説明する。
【0109】
図8を参照して、CPU201は、プリント条件を受け付けるプリント条件受付部251と、プリントジョブを生成するプリントジョブ生成部257と、出力先を特定する指示を受け付ける出力先受付部253と、認証情報を受け付ける認証情報受付部255と、PC200を操作するユーザーをMFP100に認証させる認証部259と、設定画面を表示する設定画面表示部261と、プリントジョブを記憶するBOXの設定を受け付ける記憶BOX設定部265と、遠隔指示をMFP100に送信する遠隔指示送信部263と、を含む。
【0110】
プリント条件受付部251は、プリント条件を受け付けるためのプリント条件設定画面を表示部209に表示し、ユーザーがプリント条件設定画面に従って操作部211に入力するプリント条件を受け付ける。プリント条件は、画像形成の対象となるアプリケーションデータの指定、画像形成するための画像形成条件を含む。画像形成条件は、MFP100が画像を形成するための条件であり、例えば、部数、モノクロおよびカラーの別、1枚の用紙に画像形成するページ数、ソート等の後処理の条件を含む。なおプリント条件のすべてがユーザーにより操作部211に入力される必要はなく、予め設定されたデフォルト値が設定されてもよい。プリント条件受付部251は、ユーザーにより受け付けられたプリント条件を、プリントジョブ生成部257に出力する。
【0111】
プリントジョブ生成部257は、プリント条件受付部251から入力されるプリント条件に従ってプリントジョブを生成し、生成したプリントジョブを遠隔指示送信部263に出力する。
【0112】
出力先受付部253は、出力先選択画面を表示部209に表示する。PC200には、プリントデータの出力先として、MFP100,100A〜100Dが登録されており、出力先選択画面は、MFP100,100A〜100Dそれぞれを識別するための装置識別情報を選択可能に表示するための画面である。PC200を操作するユーザーが、操作部211を操作して、MFP100,100A〜100Dそれぞれを識別するための装置識別情報のいずれか1つを選択すれば、出力先受付部253は、MFP100,100A〜100Dのうちユーザーにより選択された装置識別情報の装置を、出力先の装置として受け付ける。ここでは、MFP100が出力先の装置としてユーザーにより選択された場合を例に説明する。出力先受付部253は、ユーザーにより出力先の装置として選択されたMFP100の装置識別情報を、認証情報受付部255および認証部259に出力する。
【0113】
認証情報受付部255は、出力先受付部253からMFP100の装置識別情報が入力される。認証情報受付部255は、出力先受付部253から入力される装置識別情報で特定されるMFP100に、通信I/F213を介してログイン要求を送信する。上述したように、MFP100は、PC200からログイン要求を受信すると、ログイン画面を送信するので、認証情報受付部255は、ログイン要求を送信したMFP100から通信I/F213が受信するログイン画面を取得し、表示部209に表示する。そして、認証情報受付部255は、ユーザーがログイン画面に従って操作部211に入力するユーザー識別情報とパスワードとの組を受け付ける。認証情報受付部255は、PC200を操作するユーザーにより入力されたユーザー識別情報とパスワードとの組を、認証部259に出力する。
【0114】
認証部259は、出力先受付部253から装置識別情報が入力され、認証情報受付部255からユーザー識別情報とパスワードとの組が入力される。認証部259は、装置識別情報で特定されるMFP100に、通信I/F213を介してユーザー識別情報とパスワードとの組を送信し、MFP100に認証させる。MFP100は、認証成功と判断する場合、PC200に認証成功信号を送信するので、認証部259は、通信I/F213がMFP100が送信する認証成功信号を受信する場合、設定画面表示部261に設定指示を出力するとともに、遠隔指示送信部263に、出力先受付部253から入力される装置識別情報を出力する。
【0115】
設定画面表示部261は、設定指示が入力されることに応じて、換言すれば、PC200を操作するユーザーがMFP100において認証されることに応じて、MFP100に通信I/F213を介して、BOX通知要求を送信する。BOX通知要求を受信するMFP100は、認証したユーザー、ここでは、PC200を操作するユーザーにアクセスが許可されているBOXのBOX識別情報を送信するので、設定画面表示部261は、通信I/F213がMFP100から受信するBOX識別情報を取得する。設定画面表示部261は、取得されたBOX識別情報を選択可能に配置した設定画面を生成し、生成された設定画面を表示部209に表示する。設定画面表示部261は、設定画面を表示部209に表示すると、表示完了通知を記憶BOX設定部265に出力する。
【0116】
設定画面は、図6または図7に示した設定画面と同じである。より具体的に説明すると、図5に示した状態テーブルがMFP100の備えるHDD116に記憶されている状態で、ユーザー識別情報「ユーザーB」のユーザーBが、操作部211を操作してPC200にログインした場合に図6に示した設定画面が表示部209に表示される。また、図5に示した状態テーブルがMFP100の備えるHDD116に記憶されている状態で、ユーザー識別情報「ユーザーC」のユーザーCが、操作部211を操作してPC200にログインした場合に図7に示した設定画面が表示部209に表示される。
【0117】
記憶BOX設定部265は、表示完了通知が入力されると、ユーザーが設定画面に配置されたBOX識別情報を選択する操作を操作部211に入力すると、ユーザーにより選択されたBOX識別情報を受け付ける。記憶BOX設定部265は、ユーザーにより選択されたBOX識別情報を遠隔指示送信部263に出力する。
【0118】
遠隔指示送信部263は、プリントジョブ生成部257からプリントジョブが入力され、認証部259から装置識別情報が入力され、記憶BOX設定部265からBOX識別情報が入力される。遠隔指示送信部263は、プリントジョブとBOX識別情報とを含む送信記憶依頼を、通信I/F213を介して、装置識別情報で特定されるMFP100に送信する。
【0119】
図9は、登録処理の流れの一例を示すフローチャートである。登録処理は、MFP100,100A〜100Cそれぞれが備えるCPU111が、ROM113、EEPROM115、HDD116、またはCD−ROM119Aに記憶された代理プリントプログラムをRAM114にロードして実行することにより、CPU111により実行される処理である。ここでは、MFP100が備えるCPU111により実行される登録処理について説明する。また、登録処理は、MFP100を使用することが許可されたユーザーを登録する処理である。この登録処理がMFP100で実行される際に、MFP100を操作するユーザーは、例えば、MFP100の管理者である。従って、CPU111において、登録処理が実行されるときは、MFP100の管理者であるユーザーが、認証された後である。
【0120】
図9を参照して、CPU111は、ユーザー登録指示を受け付けたか否かを判断する(ステップS01)。操作部160Bが有するボタンであって、ユーザー登録指示が予め割り当てられたボタンが、ユーザーにより押下されると、ユーザー登録指示を受け付ける。ユーザー登録指示を受け付けるまで待機状態となり(ステップS01でNO)、ユーザー登録指示を受け付けたならば(ステップS01でYES)、処理をステップS02に進める。
【0121】
ステップS02においては、認証情報を受け付ける。認証情報は、ユーザー識別情報とパスワードとを含む。表示部160Aに、ユーザー識別情報とパスワードとを入力する2つの領域を含むユーザー登録画面を表示し、ユーザーが、ユーザー登録画面に従って操作部160Bに入力するユーザー識別情報およびパスワードを受け付ける。次のステップS03においては、ユーザーを登録する。ステップS02において受け付けられた認証情報を、HDD116に記憶することによりユーザーを登録する。具体的には、認証情報に認証情報に含まれるユーザー識別情報とパスワードとを含むユーザーレコードを生成し、HDD116に記憶されているユーザーデータにユーザーレコードを追加する。
【0122】
次のステップS04においては、個人BOXを生成する。HDD116にステップS03において登録されたユーザに割り当てた個人BOX93を生成する。HDD116に記憶領域としての個人BOX93を生成し、生成された個人BOX93にステップS03において登録されたユーザーのユーザー識別情報と関連付ける。
【0123】
次のステップS05においては、代理BOX生成指示を受け付けたか否かを判断する。代理BOX生成指示を受け付けたならば処理をステップS06に進めるが、そうでなければユーザー登録処理を終了する。ステップS06においては、代理BOXを生成する。HDD116にステップS03において登録されたユーザに割り当てた代理BOX91を生成する。HDD116に記憶領域としての代理BOX91を生成し、生成された代理BOX91にステップS03において登録されたユーザーのユーザー識別情報と関連付ける。次のステップS07においては、代理BOXに第1アクセス権を設定し、ユーザー登録処理を終了する。
【0124】
図10および図11は、直接操作受付処理の流れの一例を示すフローチャートである。直接操作受付処理は、MFP100,100A〜100Cそれぞれが備えるCPU111が、ROM113、EEPROM115、HDD116、またはCD−ROM119Aに記憶された代理プリントプログラムをRAM114にロードして実行することにより、CPU111により実行される処理である。ここでは、MFP100が備えるCPU111により実行される登録処理について説明する。
【0125】
図10および図11を参照して、CPU111は、操作パネル160から認証情報を受け付けたか否かを判断する(ステップS21)。操作部160Bにユーザーが認証情報を入力すると、操作パネル160から認証情報を受け付けたと判断する。操作パネル160から認証情報を受け付けるまで待機状態となり(ステップS21でNO)、操作パネル160から認証情報を受け付けたならば処理をステップS22に進める。ステップS22においては、認証に成功したか否かを判断する。ステップS21において受け付けられた認証情報に基づいて認証した結果、認証に成功したならば、処理をステップS23に進めるが、そうでなければ処理をステップS21に戻す。認証情報と同じユーザー識別情報とパスワードとを含むユーザーレコードが、HDD116に記憶されっているユーザーデータに含まれているか否かを判断し、そのようなユーザーレコードが記憶されているならば認証に成功したと判断する。すなわち、直接操作受付処理は、操作パネル160により受け付けられた認証情報に基づく認証が成功することを条件に実行される処理である。また、以下、ステップS22において認証されたユーザーをログインユーザーという。
【0126】
ステップS23においては、直接ログイン期間を開始する。直接ログイン期間は、操作パネル160を操作するログインユーザーが、ステップS22において認証されてからログアウトするまでの期間である。CPU111は、直接ログイン期間に操作パネル160に入力される指示を、ステップS22において認証したユーザーにより入力された指示として取り扱う。
【0127】
次のステップS24においては、ステップS22において認証されたログインユーザーに割り当てられた代理BOX91にデータが記録されているか否かを判断する。代理BOX91にデータが記憶されていれば処理ステップS25に進めるが、そうでなければ処理をステップS32に進める。ステップS25においては、代理BOX91からデータと、そのデータに関連付けられたユーザー識別情報と、を読み出す。そして、データに関連付けられたユーザー識別情報がログインユーザーのユーザー識別情報か否かを判断する(ステップS26)。データに関連付けられたユーザー識別情報がログインユーザーのユーザー識別情報ならばステップS27をスキップして処理をステップS28に進め、そうでなければ処理をステップS27に進める。ステップS27においては、代理プリントであることを通知する。ステップS25において、データとともに読み出されたユーザー識別情報を含み、代理プリントであることを示すメッセージを表示部160Aに表示する。メッセージは、例えば「○○さんからプリントを依頼されたデータをプリント中です。」である。他人により画像形成が依頼されたデータが画像形成されていることを、MFP100を操作するログインユーザーに通知するためである。
【0128】
次のステップS28においては、ステップS25において読み出されたデータの画像を形成する。ステップS25において読み出されたデータを、画像形成部140に出力し、画像形成部140にデータの画像を用紙に形成させる。そして、ステップS28において画像形成の対象とされたデータを代理BOX91から消去する(ステップS29)。次のステップS30においては、代理BOX91にデータが記憶されているか否かを判断する。代理BOX91にデータが記憶されていれば処理をステップS25に戻し、そうでなければ処理をステップS31に進める。代理BOXに複数のデータが記憶されている場合には、ステップS25〜ステップS30の処理を、複数のデータごとに実行する。これにより、代理BOXに記憶されている複数のデータそれぞれの画像が用紙に形成され、代理BOXに記憶されていたすべてのデータが消去される。
【0129】
ステップS31においては、代理BOX91に第1アクセス権を設定し、処理をステップS32に進める。第1アクセス権は、代理BOX91に割り当てられた所有ユーザーと他の任意のユーザーに対して、読出し権限、変更権限および書き込み権限のすべてを与えるアクセス権である。
【0130】
ステップS32においては、ステップS22において認証されたユーザーに割り当てられた個人BOX93にデータが記録されているか否かを判断する。個人BOX93にデータが記憶されていれば処理ステップS33に進めるが、そうでなければ処理をステップS36に進める。ステップS33においては、個人BOX93からデータを読み出す。そして、読み出されたデータの画像を形成し(ステップS34)、処理をステップS35に進める。ステップS33において読み出されたデータを、画像形成部140に出力し、画像形成部140にデータの画像を用紙に形成させる。ステップS35においては、ステップS34において画像が形成されたデータを、個人BOX93から消去し、処理をステップS36に進める。個人BOX93に複数のデータが記憶されている場合には、ステップS32〜ステップS35を、複数のデータごとに実行する。従って、個人BOXに記憶されている複数のデータそれぞれの画像が用紙に形成され、個人BOXに記憶されていたすべてのデータが消去される。
【0131】
ステップS36においては、原稿読取モード切換指示を受け付けたか否かを判断する。操作部160Bが有するボタンであって、MFP100を原稿読取モードに設定するための原稿読取モード切換指示が割り当てられたボタンが押下されると、原稿読取モード切換指示を受け付ける。原稿読取モード切換指示を受け付けたならば処理をステップS37に進めるが、そうでなければ処理をステップS45に進める。
【0132】
ステップS37においては、設定画面を表示部160Aに表示し、処理をステップS38に進める。設定画面は、HDD116が有する複数のBOXのうちステップS22において認証されたユーザーによるアクセスが許可されたBOXのBOX識別情報を選択可能に配置した画面である。HDD116に記憶された複数のBOXそれぞれに設定されているアクセス権を取得し、取得された複数のBOXごとのアクセス権に基づいて、認証されたログインユーザーによるアクセスが許可されるBOXを特定することにより設定画面を生成する。
【0133】
ステップS38においては、記憶BOXを選択する指示を受け付けたか否かを判断する。設定画面に選択可能に配置された複数のBOX識別情報のうちから1つを選択する操作がユーザーにより操作部160Bに入力されると、記憶BOXを選択する指示を受け付ける。設定記憶BOXを選択する指示を受け付けたならば、選択されたBOX識別情報のBOXを記憶BOXに設定し、処理をステップS39に進めるが、そうでなければ処理をステップS37に戻す。
【0134】
ステップS39においては、読取記憶指示を受け付けたか否かを判断する。ユーザーが、操作部160Bが備えるスタートボタンを押下すれば、読取記憶指示を受け付ける。読取記憶指示は、原稿読取部130が原稿を読み取って出力する画像データを取得する指示と、ステップS38において選択されたBOXに記憶する指示とを含む。
【0135】
ステップS40においては、原稿を読み取る。原稿読取部130を制御し、原稿読取部130に原稿の画像を読み取らせ、原稿読取部130が出力する原稿の画像データを取得する。次のステップS41においては、ステップS40において、原稿を読み取って取得された画像データを、HDD116が有する複数のBOXのうちステップS38において選択された記憶BOXに記憶する。
【0136】
次のステップS42においては、ステップS39において受け付けられた読取記憶指示が、第1出力依頼指示か否かを判断する。ステップS38において選択された記憶BOXが、ログインユーザー以外のユーザーに割り当てられた代理BOX91ならば読取記憶指示が第1出力依頼指示と判断する。読取記憶指示が第1出力依頼指示ならば処理をステップS43に進めるが、そうでなければ処理をステップS36に戻す。
【0137】
ステップS43においては、ログインユーザーのユーザー識別情報をステップS41において記憶された画像データと関連付ける。そして、画像データが記憶された記憶BOX(代理BOX91)に第2アクセス権を設定し(ステップS44)、処理をステップS36に戻す。第2アクセス権は、代理BOX91である記憶BOXの所有ユーザーと、ステップS22において認証されたログインユーザーのみに、読出し権限、変更権限および書き込み権限のすべてを与えるアクセス権である。
【0138】
一方、ステップS45においては、ログアウト指示を受け付けたか否かを判断する。操作部160Bが有するボタンであって、ログアウト指示が予め割り当てられたボタンがユーザーにより押下されるとログアウト指示を受け付ける。ログアウト指示を受け付けたならば、処理をステップS46に進めるが、そうでなければ処理をステップS47に進める。ステップS47においては、他の操作を受け付けたが否かを判断する。MFP100を動作させるために、予め定められた別の操作を受け付けたか否かを判断する。他の操作を受け付けたならば処理をステップS48に進めるが、そうでなければ処理をステップS36に戻す。ステップS48においては、ステップS47において受け付けられた操作に対応する処理を実行し、処理をステップS36に戻す。一方、ステップS46においては、ログアウトし、直接操作受付処理を終了する。
【0139】
図12は、遠隔操作受信処理の流れの一例を示すフローチャートである。遠隔操作受信処理は、MFP100,100A〜100Cそれぞれが備えるCPU111が、ROM113、EEPROM115、HDD116、またはCD−ROM119Aに記憶された代理プリントプログラムをRAM114にロードして実行することにより、CPU111により実行される処理である。ここでは、MFP100が備えるCPU111により実行される遠隔操作受信処理について説明する。
【0140】
図12を参照して、CPU111は、通信I/F部112が、PC200,200A〜200Dのいずれかから認証情報を受信したか否かを判断する。認証情報を受信するまで待機状態となり(ステップS10でNO)、認証情報を受信したならば(ステップS10でYES)、処理をステップS11に進める。具体的には、通信I/F部112が、PC200,200A〜200Dのいずれか、例えばPC200からログイン要求を受信すると、PC200にログイン画面を送信する。ログイン画面を受信するPC200は、ユーザーがログイン画面に従って入力するユーザー識別情報とパスワードとからなる認証情報を送信するので、通信I/F部112は、PC200により送信される認証情報を受信する。
【0141】
ステップS11においては、認証に成功したか否かを判断する。ステップS10において受信された認証情報と同じユーザー識別情報とパスワードとを含むユーザーレコードが、HDD116に記憶されっているユーザーデータに含まれているか否かを判断する。そのようなユーザーレコードがユーザーデータに記憶されているならば認証に成功したと判断する。認証に成功したならば、処理をステップS12に進めるが、そうでなければ処理をステップS10に戻す。すなわち、遠隔操作受信処理は、PC200,200A〜200Dのいずれかから受信された認証情報に基づく認証が成功することを条件に実行される処理である。以下のステップS12以降の処理の説明では、ステップS10においてPC200から認証情報が受信され、ステップS11において認証された場合を例に説明し、認証されたユーザーをログインユーザーという。
【0142】
ステップS12においては、遠隔ログイン期間を開始する。遠隔ログイン期間は、PC200を操作するログインユーザーが、ステップS11において認証されてからログアウトするまでの期間である。CPU111は、遠隔ログイン期間に通信I/F部112が、PC200から受信される指示を、ステップS11において認証したログインユーザーにより入力された指示として取り扱う。
【0143】
次のステップS13においては、BOX通知要求を受信したか否かを判断する。通信I/F部112がPC200からBOX通知要求を受信するまで待機状態となり(ステップS13でNO)、BOX通知要求を受信すると(ステップS13でYES)、処理をステップS14に進める。ステップS14においては、ログインユーザーがアクセス可能なBOX識別情報を送信する。HDD116が有する複数のBOXそれぞれに設定されたアクセス権に基づいて、ログインユーザーがアクセス可能なBOXを特定する。そして、特定されたBOXすべてのBOX識別情報を、通信I/F部112を介して、認証情報を送信してきたPC200に送信する。BOX識別情報を受信するPC200が実行する処理の詳細は後述するが、PC200は、受信されたBOX識別情報のうちからログインユーザーにより選択された1つのBOX識別情報と、プリントジョブとを含む送信記憶指示を返信する。
【0144】
ステップS15においては、PC200により送信される送信記憶指示を受信したか否かを判断する。通信I/F部112がPC200から送信記憶指示を受信したならば処理をステップS16に進めるが、そうでなければ処理をステップS20に進める。ステップS16においては、プリントジョブを記憶BOXに記憶する。ステップS15においてPC200から受信された送信記憶指示に含まれるプリントジョブを、HDD116が有する複数のBOXのうちPC200から受信される送信記憶指示に含まれるBOX識別情報で特定される記憶BOXに記憶する。そして、送信記憶指示が第2出力依頼指示か否かを判断する。送信記憶指示に含まれるBOX識別情報が代理BOX91を特定するならば、送信記憶指示が第2出力依頼指示と判断する。送信記憶指示が第2出力依頼指示ならば処理をステップS18に進めるが、そうでなければ処理をステップS20に進める。
【0145】
ステップS18においては、ログインユーザーのユーザー識別情報をステップS16において記憶されたプリントジョブと関連付ける。次のステップS19においては、ステップS16においてプリントジョブが記憶された記憶BOX(代理BOX91)に第2アクセス権を設定し、処理をステップS20に進める。第2アクセス権は、代理BOX91である記憶BOXの所有ユーザーと、ステップS11において認証されたユーザーのみに、読出し権限、変更権限および書き込み権限のすべてを与えるアクセス権である。ステップS20においては、ステップS11において認証されたユーザーをロックアウトさせ、遠隔操作受信処理を終了する。
【0146】
図13は、プリントジョブ送信処理の流れの一例を示すフローチャートである。プリントジョブ送信処理は、PC200,200A〜200DそれぞれのCPU201が、ROM203、HDD207またはCD−ROM215Aに記憶されたドライバプログラムを実行することによりCPU201により実行される処理である。ここでは、PC200が備えるCPU201により実行されるプリントジョブ送信処理について説明する。
【0147】
図13を参照して、CPU201は、プリント条件を受け付けたか否かを判断する(ステップS51)。プリント条件を受け付けるためのプリント条件設定画面を表示部209に表示し、ユーザーがプリント条件設定画面に従って操作部211に入力するプリント条件を受け付ける。プリント条件を受け付けるまで待機状態となり(ステップS51でNO)、プリント条件を受け付けたならば(ステップS51でYES)、処理をステップS52に進める。プリント条件は、画像形成の対象となるアプリケーションデータの指定、画像形成するための画像形成条件を含む。画像形成条件は、MFP100,100A〜100Dのいずれかが画像を形成するための条件であり、例えば、部数、モノクロ、カラーの別、1枚の用紙に画像形成するページ数、ソート等の後処理の条件を含む。
【0148】
ステップS52においては、プリントジョブを生成する。ステップS51において受け付けられたプリント条件に従って、アプリケーションデータの画像を形成するためのプリントジョブを生成する。次のステップS53においては、出力先の指定を受け付けたか否かを判断する。出力先の指定を受け付けるまで待機状態となり(ステップS53でNO)、出力先の指定を受け付けたならば(ステップS53でYES)、処理をステップS54に進める。プリントデータの出力先として、MFP100,100A〜100Dを予め登録しており、MFP100,100A〜100Dそれぞれを識別するための装置識別情報を選択可能に表示するための出力先選択画面を表示部209に表示し、ユーザーがいずれか1つの装置識別情報を選択する指示を、出力先を指定する指示として受け付ける。ここでは、MFP100が出力先として指定された場合を例に説明する。
【0149】
ステップS54においては、認証に成功したか否かを判断する。具体的には、通信I/F213を介して、ステップS53において出力先に指定されたMFP100に、ログイン要求を送信する。ログイン要求を受信するMFP100は、PC200にログイン画面を返信するので、通信I/F213がログイン画面を受信すると、ログイン画面を表示部209に表示する。そして、ユーザーがログイン画面に従って入力するユーザー識別情報とパスワードとを認証情報として受け付け、受け付けられた認証情報を、ステップS53において出力先に指定されたMFP100に通信I/F213を介して送信する。認証情報を受信するMFP100は、認証に成功すると、認証成功を示す認証結果を返信するので、通信I/F213が認証成功を示す認証結果を受信すると、認証に成功したと判断する。認証に成功したならば処理をステップS55に進めるが、そうでなければ処理を終了する。
【0150】
ステップS54においては、BOX通知要求をMFP100に送信する。ステップS53において出力先に指定されたMFP100に通信I/F213を介してBOX通知要求を送信する。BOX通知要求を受信するMFP100は、HDD116が有する複数のBOXのうちPC200のユーザーがアクセス可能なBOXすべてのBOX識別情報を返信するので、CPU201は、通信I/F213がMFP100が送信するBOX識別情報を受信するまで待機状態となり(ステップS56でNO)、BOX識別情報を受信すると(ステップS56でYES)、処理をステップS57に進める。
【0151】
ステップS57においては、ステップS56において受信されたBOX識別情報を選択可能に配置した設定画面を生成し、生成された設定画面を表示部209に表示する。そして、記憶BOXが選択されたか否かを判断する(ステップS58)。記憶BOXが選択されるまで待機状態となり(ステップS58でNO)、記憶BOXが選択されると処理をステップS59に進める。ユーザーが設定画面に配置された少なくとも1つのBOX識別情報のうちから1つを選択する操作を操作部211に入力すると、ユーザーにより選択されたBOX識別情報を記憶BOXのBOX識別情報として受け付ける。
【0152】
次のステップS30においては、送信記憶指示を送信する。具体的には、ステップS52において生成されたプリントジョブと、ステップS58において記憶BOXとして選択されたBOXのBOX識別情報とを含む送信記憶指示を、ステップS53において出力先に指定されたMFP100に通信I/F213を介して送信する。
【0153】
MFP100,100A〜100C、例えばMFP100において、第1アクセス権が設定される代理BOX91は、任意のユーザーに対して読出し処理、記憶処理および変更処理を実行する権限が与えられる。複数のユーザー各々に対して割り当てられる代理BOX91は、初期状態において第1アクセス権が設定されるパブリック状態である。このため、MFP100にログインしたユーザーは、他人に割り当てられた代理BOX91に画像データを記憶する第1出力依頼指示、および他人に割り当てられた代理BOX91にプリントジョブを記憶する第2出力依頼指示を入力することができる。このため、MFP100にログインしたユーザーは、自己に代わって画像形成出力を依頼する代理ユーザーを複数のユーザーのうちから任意に選択することができる。さらに、4台のMFP100,100A〜100Cのうちから代理ユーザーに画像形成してもらう装置を選択することができる。
【0154】
また、MFP100において、第2アクセス権が設定される代理BOX91は、制限状態となり、代理BOX91の所有ユーザーと、その代理BOX91に画像データまたはプリントデータを記憶させる第1出力依頼指示または第2出力依頼指示を入力した指示ユーザーに、読出し処理、記憶処理および変更処理を実行する権限が与えられる。このため、その代理BOX91に記憶された画像データおよびプリントデータは、所有ユーザーと指示ユーザーとの2人のみが知ることのできるデータである。従って、代理BOX91に記憶された画像データおよびプリントデータが機密情報を含んでいる場合であっても、その機密情報が、所有ユーザーおよび指示ユーザー以外の別の第3者に知られることがない。また、第2アクセス権は、代理BOX91に記憶されたデータを読み出す処理を実行する権限が、上記2人以外の第3者には与えられないので、代理BOX91に記憶された画像データおよびプリントデータが存在することも、第3者は知ることができない。このため、セキュリティを確保することができる。
【0155】
また、第2アクセス権は、代理BOX91に記憶されたデータを読み出す処理を実行する権限が指示ユーザーに与えられるので、指示ユーザーは、別の画像データまたはプリントデータを、追加して記憶することができる。また、誤って記憶させた画像データまたはプリントデータを代理BOX91から消去することができる。さらに、その代理BOX91に記憶させた画像データまたはプリントデータを、確認することができる。
【0156】
なお、上述した実施の形態においては、プリントシステム1について説明したが、図10〜図12に示した処理をMFP100,100A〜100Cそれぞれに実行させ、図13に示した処理をPC200,10A〜10Dそれぞれに実行させる代理プリント方法として、また、図10〜図12に示した処理をMFP100,100A〜100Cそれぞれを制御するCPU111に実行させ、図13に示した処理をPC200,10A〜10Dそれぞれを制御するCPU201に実行させる代理プリントプログラムとして発明を捉えることができるのは言うまでもない。
【0157】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0158】
100,100A〜100C MFP、51 操作受付部、53 通信制御部、55 認証部、57 設定画面表示部、59 指示受付部、61 代理BOX通知部、63 認証出力部、64 代理出力通知部、65 消去部、67 原稿読取制御部、69 データ記憶制御部、71 アクセス制御部、73 アクセス権変更部、75 直接指示受付部、77 遠隔指示受付部、81 初期状態変更部、83 制限状態変更部、110 メイン回路、111 CPU、112 通信I/F部、113 ROM、114 RAM、115 EEPROM、116 HDD、117 ファクシミリ部、119 外部記憶装置、120 自動原稿搬送装置、130 原稿読取部、140 画像形成部、150 給紙部、160 操作パネル、160A 表示部、160B 操作部、200,200A〜200D PC、201 CPU、203 ROM、205 RAM、207 HDD、209 表示部、211 操作部、213 通信I/F、215 外部記憶装置、251 プリント条件受付部、253 出力先受付部、255 認証情報受付部、257 プリントジョブ生成部、259 認証部、261 設定画面表示部、263 遠隔指示送信部、265 設定部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の記憶領域を含むデータ記憶手段と、
前記複数の記憶領域それぞれに設定されたアクセス権に基づいて、前記複数の記憶領域それぞれへのアクセスを制御するアクセス制御手段と、
ユーザーを認証する認証手段と、
前記認証手段による認証が成功することを条件に、前記データ記憶手段にアクセスする指示を受け付ける指示受付手段と、
前記複数の記憶領域ごとに設定されたアクセス権を変更するアクセス権変更手段と、を備え、
前記アクセス権変更手段は、前記複数の記憶領域のうち第1のユーザーに割り当てられた代理記憶領域に、任意のユーザーにアクセスを許可する第1アクセス権が設定されている状態で、前記第1のユーザーとは別の第2のユーザーが入力する指示によって前記代理記憶領域にデータが記憶されることに応じて、所定のユーザーのみにアクセスを許可する第2アクセス権を前記代理記憶領域に設定する制限状態変更手段と、
前記代理記憶領域に前記第2アクセス権が設定されている状態で、前記代理記憶領域がデータを記憶する状態からデータを記憶しない状態に変化すると、前記第1アクセス権を前記代理記憶領域に設定する初期状態変更手段と、を含む、画像形成装置。
【請求項2】
前記認証手段により前記第1のユーザーが認証される場合、前記代理記憶領域に記憶されているデータの画像を形成する認証出力手段と、
前記認証出力手段により前記代理記憶領域に記憶されているデータの画像が形成されことに応じて、前記代理記憶領域からデータを消去する消去手段と、をさらに備えた請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記代理記憶領域に前記第1アクセス権が設定されている状態で、前記第2のユーザーが入力する指示によって前記代理記憶領域にデータが記憶される場合、前記第2のユーザーを識別するためのユーザー識別情報と前記データとを関連付ける関連付手段と、
前記認証出力手段により前記代理記憶領域に記憶されているデータの画像が形成されることに応じて、前記データと関連付けられたユーザー識別情報を表示する代理出力通知手段と、をさらに備えた、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
原稿を読み取り、画像データを出力する原稿読取手段と、
ユーザーの操作を受け付ける操作受付手段と、
前記操作受付手段により受け付けられた認証情報に基づいて前記認証手段が認証した後に、前記代理記憶領域に前記認証されたユーザーがアクセス可能な場合、前記代理記憶領域を識別するための記憶領域識別情報を選択可能に配置した設定画面を表示する設定画面表示手段と、
前記代理記憶領域を選択する操作が前記操作受付手段により受け付けられる場合、前記代理記憶領域に、前記原稿読取手段が出力する画像データを記憶する原稿読取制御手段と、をさらに備えた、請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
情報処理装置と通信可能な通信手段と、
前記通信手段により前記情報処理装置から受信された認証情報に基づいて前記認証手段が認証した後に、前記代理記憶領域に前記認証されたユーザーがアクセス可能な場合、前記通信手段を制御して、前記代理記憶領域を識別するための記憶領域識別情報を前記情報処理装置に送信する代理記憶領域通知手段と、
前記代理記憶領域の記憶領域識別情報とデータとの組が前記通信手段により前記情報処理装置から受信される場合、前記受信されたデータを前記代理記憶領域に記憶するデータ記憶制御手段と、をさらに備えた、請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記代理記憶領域の記憶領域識別情報は、前記第1のユーザーを識別するための情報を含む、請求項4または5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記所定のユーザーは、前記第1のユーザーと前記第2のユーザーとを含む、請求項1〜6のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
複数の記憶領域を含むデータ記憶手段と、前記複数の記憶領域それぞれに設定されたアクセス権に基づいて、前記複数の記憶領域それぞれへのアクセスを制御するアクセス制御手段とを備えた画像形成装置で実行される代理プリント方法であって、
ユーザーを認証する認証ステップと、
前記認証ステップにおいて認証が成功することを条件に、前記データ記憶手段にアクセスする指示を受け付ける指示受付ステップと、
前記複数の記憶領域ごとに設定されたアクセス権を変更するアクセス権変更ステップと、を含み、
前記アクセス権変更ステップは、前記複数の記憶領域のうち第1のユーザーに割り当てられた代理記憶領域に、任意のユーザーにアクセスを許可する第1アクセス権が設定されている状態で、前記第1のユーザーとは別の第2のユーザーが入力する指示によって前記代理記憶領域にデータが記憶されることに応じて、所定のユーザーのみにアクセスを許可する第2アクセス権を前記代理記憶領域に設定する制限状態変更ステップと、
前記代理記憶領域に前記第2アクセス権が設定されている状態で、前記代理記憶領域がデータを記憶する状態からデータを記憶しない状態に変化すると、前記第1アクセス権を前記代理記憶領域に設定する初期状態変更ステップと、を含む代理プリント方法。
【請求項9】
複数の記憶領域を含むデータ記憶手段と、前記複数の記憶領域それぞれに設定されたアクセス権に基づいて、前記複数の記憶領域それぞれへのアクセスを制御するアクセス制御手段とを備えた画像形成装置を制御するコンピュータで実行される代理プリントプログラムであって、
ユーザーを認証する認証ステップと、
前記認証ステップにおいて認証が成功することを条件に、前記データ記憶手段にアクセスする指示を受け付ける指示受付ステップと、
前記複数の記憶領域ごとに設定されたアクセス権を変更するアクセス権変更ステップと、を前記コンピュータに実行させ、
前記アクセス権変更ステップは、前記複数の記憶領域のうち第1のユーザーに割り当てられた代理記憶領域に、任意のユーザーにアクセスを許可する第1アクセス権が設定されている状態で、前記第1のユーザーとは別の第2のユーザーが入力する指示によって前記代理記憶領域にデータが記憶されることに応じて、所定のユーザーのみにアクセスを許可する第2アクセス権を前記代理記憶領域に設定する制限状態変更ステップと、
前記代理記憶領域に前記第2アクセス権が設定されている状態で、前記代理記憶領域がデータを記憶する状態からデータを記憶しない状態に変化すると、前記第1アクセス権を前記代理記憶領域に設定する初期状態変更ステップと、を含む代理プリントプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−89054(P2013−89054A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−229328(P2011−229328)
【出願日】平成23年10月19日(2011.10.19)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】