説明

画像形成装置、制御方法およびプログラム

【課題】印刷データの格納先に従って、画像入力装置から入力されたサインデータを付与した印刷物と、サインデータを付与しない印刷物を出力させることで、真正性を確保した印刷物と真正性を確保する必要のない印刷物を簡易的に得ることができる仕組みを提供する。
【解決手段】画像形成装置に備える第一の記憶領域又は第2の記憶領域に印刷データを格納し、前記第一の記憶領域に前記印刷データの格納された場合、当該画像入力装置からサインデータを取得し、取得したサインデータを前記印刷データに合成し、前記第2の記憶領域に前記印刷データが格納された場合、当該第2の記憶領域に格納された印刷データを取得し、前記合成された印刷データ、又は前記取得した印刷データを出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真正性を確保した印刷物を出力する画像形成装置と制御方法とプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
コピー機(複合機)がネットワークにつながり、用途が拡大しているため、様々な場所に複合機が設置されるようになってきた。
【0003】
そのため、人の少ないところ等で簡単にコピーやプリントができてしまい、印刷物が改ざんや機密情報が印刷されるなどセキュリティ上の問題があった。
【0004】
例えば、近年では、薬品業界で使用しているGMP(Good Manufacturing Practiceの略で、薬事法に基づいて厚生労働大臣が定めた、医薬品等の品質管理基準。)文書など紙文書で保存することが決められているドキュメントの改ざんが問題になってきている。
【0005】
GMP文書は、ドキュメントに変更や追加が発生した場合は、その保存した紙文書に変更追加箇所を書き加えていく運用である。このような運用の場合、原本をコピーしておき、すりかえる方法や、原本と同じドキュメントを印字してすりかえる方法などで改ざんが行われる。
【0006】
GMP文書などの特殊文書の場合、改ざんを防止しするために、
1.コピー禁止文字による対策
2.地紋印刷による対策(例えば、特許文献1)
3.タイムスタンプ印刷による対策
4.複合機のコピー禁止機能
5.手書きによるサイン(署名)
の記載などを用いて、改ざん防止を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−317015号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の仕組みでは、以下の課題が考えられる。
【0009】
1.コピー禁止文字による対策については、ドキュメント事態や印刷時のスタンプ機能にて、「コピー禁止」や「機密文書」などの文言を明記する方法である。この防止策は、コピー禁止であることを示しているだけで、コピーが禁止されるかどうかは個々の判断に任せられており、決して防止効果が高いとは言えない。
【0010】
2.地紋印刷による対策については、コピーされたものかの区別には有効な方法であるが、原本と同じドキュメントを印刷した場合のすりかえ防止は防ぐことができない。地紋印刷とは印刷データと一緒に地紋を印字することで、その原本をコピーやスキャンした場合に、予め設定しておいた地紋の文言が浮かびかがる仕組みである。コピー時の防止は可能であるが、原本と同じドキュメントを印刷した場合には、複製ができ改ざんされてしまう可能がある。
【0011】
3.タイムスタンプ印刷による対策については、印刷物にタイムスタンプを埋め込み印刷された日時を証明する方法である。タイムスタンプを埋め込む方法としては、ドキュメントに埋め込む、プリンタドライバで設定する、複合機(プリンタ)で設定する方法などがあるが、何れの設定も変更は可能である。特に、ドキュメントに埋め込む、プリンタドライバで設定する方法では、ユーザが簡単に時刻の設定を変更できてしまう。
【0012】
4.複合機のコピー禁止機能については、近年では、複合機にて、コピーを禁止させたい印刷ドキュメントに固有の情報を埋め込み、コピー時にその情報を読み取り判別することで、コピーを禁止させないことが可能である。しかし、コピー機制限の仕様は、メーカー独自のため、別メーカーのコピー機では、コピーが行えてしまうため、容易にコピーができてしまう。
【0013】
また、一般的に企業での印刷は、GMP文書のような特殊文書以外に、オフィスで利用する改ざん等の不正印刷を抑止する必要のない一般文書の印刷もあり、特殊文書には改ざんを抑止する仕組み、一般文書には改ざんを抑止しない仕組みを用いたプリントシステムが望まれている。
【0014】
5.手書きによるサインの記載については、紙のすりかえが行われていないことを証明する一番有力な方法である。サインの後に承認印などを捺印することで、その印刷物が原本であることを視覚的にも容易に確認できる。ただし、GMP文書のように一つの印刷物が何十枚にもなる文書の一枚一枚に手書きと捺印をする作業は、非常に手間のかかる作業である。また筆跡をまねて署名することで、必ずしもすりかえを防止できているとは言えない。
【0015】
そこで、本発明の目的は、画像入力装置にサインされた電子サインデータを用いて、そのサインデータを付与した印刷物を一つの印刷物全てに印字させることで、一つの印刷物の全ページの真正性を確保した印刷物を、簡易的に作成することができる仕組みを提供する。
さらに、電子署名を付与しない印刷物も作成可能とすることで、真正性を確保した印刷物と真正性を確保する必要のない印刷物を簡易的に得ることができる仕組みも提供する。
【課題を解決するための手段】
【0016】
すなわち、本発明は、情報処理装置から印刷データを受け付ける画像形成装置であって、前記情報処理装置から受け付ける印刷データを記憶部に記憶する記憶手段と、ユーザからのログイン要求に応じて、当該ユーザにより情報処理装置から送信された印刷データの一覧画面を表示部に表示する一覧画面表示手段と、前記一覧画面表示手段で表示された前記印刷データの一覧画面より前記印刷データを出力するための指示を受け付ける出力指示受付手段と、前記出力指示受付手段で出力指示を受け付けた前記印刷データが、前記ユーザの操作による署名情報を必要とする印刷データであるか否かを判定する第一の判定手段と、前記第一の判定手段で前記印刷データが前記ユーザの署名情報を必要とすると判定された場合に、前記ユーザから署名情報の入力を受け付けるべく、表示部に入力受付画面を表示する署名情報入力受付手段と、前署名情報入力受付手段で受け付けた署名情報を前記印刷データの予め定められた領域に合成する署名情報合成手段と、前記署名情報合成手段で前記署名情報を予め定められた領域に合成した印刷データ、を出力する出力手段とを備えることを特徴とする。
また本発明の画像形成装置において、前記記憶手段は、前記署名情報を合成する前記印刷データを記憶するための第一の記憶領域と、前記署名情報を合成しない前記印刷データを記憶するための第二の記憶領域を備え、前記情報処理装置から送信される印刷データが前記第一の記憶領域に格納するための印刷データであるか否かを、所定の条件を用いることにより判定する第二の判定手段を更に備え、前記第二の判定手段により前記印刷データが前記第一の記憶領域に格納するための印刷データであると判定された場合には、前記第一の記憶領域に記憶し、一方、前記印刷データが前記第一の記憶領域に格納するための印刷データではないと判定された場合には、前記第二の記憶領域に記憶することを特徴とする。
また本発明の画像形成装置において、前記出力手段は、前記第一の判定手段で前記印刷データが前記ユーザの署名情報を必要としないと判定された場合、当該署名情報を合成することなく、印刷データを出力することを特徴とする。
また本発明の画像形成装置において、前記署名情報入力受付手段は、前記第二の記憶領域に印刷データが格納された場合、前記第一の判定手段で前記印刷データが前記ユーザの署名情報を必要としないと判定された場合であっても、当該画像形成装置でユーザの指示を受け付けることにより、前記署名情報入力を受け付けることを特徴とする。
また本発明の画像形成装置は、前記第二の記憶領域に前記印刷データが格納された場合に、当該印刷データが前記第一の記憶領域に格納されるべき印刷データか否かを判定する記憶領域判定手段と、前記記憶領域判定手段で前記第一の記憶領域に格納されるべき印刷データであると判定された場合に、前記印刷データを前記第一の記憶領域に格納する記憶領域変更手段とを更に備えることを特徴とする。
また本発明の画像形成装置において、前記情報処理装置からの要求に従って、前記第一の記憶領域及び前記第二の記憶領域の記憶領域識別情報を前記情報処理装置に送信する記憶領域識別情報送信手段を備え、前記記憶手段は、前記情報処理装置での前記記憶領域識別情報の指定に従って受信した印刷データを、前記指定された記憶領域識別情報に対応する第一の記憶領域又は第二の記憶領域に格納することを特徴とする。
また本発明の画像形成装置において、前記出力手段で出力された前記印刷データと、前記署名情報入力受付手段で受け付けた前記署名情報とを関連付けて記憶管理する履歴管理手段と前記履歴管理手段で記憶管理する前記印刷データと、前記署名情報とを検索する検索手段とを更に備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、印刷データの格納先に従って、画像入力装置から取得したサインデータを付与した印刷物と、サインデータを付与しない印刷物を出力させることで、真正性を確保した印刷物と真正性を確保する必要のない印刷物を簡易的に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】画像形成システム(情報処理システム)の一例を示すシステム構成図
【図2】クライアントPC103、認証サーバ102に適用可能な情報処理装置のハードウエア構成例を示すブロック図
【図3】複合機100のハードウエア構成例を示すブロック図
【図4】認証サーバ102、クライアントPC103、複合機100の機能の一例を示す機能ブロック図
【図5】画像形成システム(情報処理システム)における処理概略を説明する一例を示した図
【図6】印刷データ送信と保存処理のフローチャート
【図7】複合機利用処理のフローチャート
【図8】印刷実行処理のフローチャート
【図9】認証制御アプリケーションが提供するICカード認証要求画面
【図10】本体制御プラットフォームが提供するキーボード認証画面
【図11】認証制御アプリケーション又は本体制御プラットフォームが提供する認証エラーダイアログ
【図12】プリント制御アプリケーションが提供する印刷データ一覧画面
【図13】プリント制御アプリケーションが提供するサイン入力画面
【図14】プリント制御アプリケーションが提供するサイン入力エラーダイアログ
【図15】プリント制御アプリケーションが提供するプレビュー確認画面
【図16】認証サーバ102で管理するICカード認証DBの一例を示す図
【図17】印刷データ(ジョブ)を管理するためのジョブ情報DBの一例を示す図
【図18】印刷データ(ジョブ)から取得される書誌情報の一例を示す図
【図19】印刷データ(ジョブ)の構成の一例を示す図
【図20】サイン情報を管理するためにサイン情報DBの一例を示す図
【図21】複合機100のHDD304で管理されるボックス415のイメージ図
【図22】プリンタドライバで設定するボックス表示画面
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る画面形成システムの好適な実施形態について詳細に説明する。
【0020】
図1は、本実施形態の画像形成システム(情報処理システム)の一例を示すシステム構成図である。
【0021】
図1に示すように、画像形成システム(情報処理システム)は、例えば、1又は複数の複合機(画像形成装置)100、認証サーバ102、1又は複数のクライアントPC103がローカルエリアネットワーク(LAN)110(通信媒体)を介して接続された構成をとる。
【0022】
複合機100は、後述するカードリーダ319にかざされたカードから読み取られたカード番号を認証依頼として認証サーバ102に送信する。また、これも後述する複合機の操作部308で入力されたユーザ名とパスワードを認証サーバ102に認証依頼として送信する。
【0023】
認証サーバ102は、後述する認証情報(図16)を格納しており、複合機100からのICカードによる認証依頼、または、ユーザ名とパスワードによる認証依頼に応じて、認証情報を用いて認証処理を行う。
【0024】
尚、認証サーバ102を、例えば、ディレクトリサーバ(不図示)と通信可能に構成し、ユーザ名とパスワードによる認証依頼があった場合には、ディレクトリサーバに問い合わせて、ユーザ名がディレクトリサーバ内に記憶されていれば認証成功と判断し、認証結果を認証サーバ102から複合機100へ送信することも可能である。つまり、認証サーバ102はディレクトリサーバの機能を備える装置である。
【0025】
クライアントPC103は、複合機100へ出力するためのプリンタドライバがインストールされており、プリンタドライバで設定された印刷設定で印刷データの生成を行う。また、プリンタドライバで設定された出力先に印刷データを出力する。
【0026】
クライアントPC103にインストールされているプリンタドライバは、複合機100に備える印刷データを格納するプリンタボックスを指定することを可能とし、指定したプリンタボックスに印刷データを格納させることが可能である。
【0027】
次に、図2を用いて、図1に示したクライアントPC103、認証サーバ102のハードウエア構成について説明する。図2は、クライアントPC103、認証サーバ102に適用可能な情報処理装置のハードウエア構成例を示すブロック図である。なお、図2は、クライアントPC103を例にして説明する。
【0028】
図2に示すように、クライアントPC103は、システムバス204を介してCPU(Central Processing Unit)201、RAM(Random Access Memory)203、ROM(Read Only Memory)202、入力コントローラ205、ビデオコントローラ206、メモリコントローラ207、通信I/Fコントローラ208等が接続された構成を採る。
【0029】
CPU201は、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。また、ROM202あるいは外部メモリ211には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(Basic Input/Output System)やOS(Operating System)や、各サーバあるいは各PCが実行する機能を実現するために必要な後述する各種プログラム等が記憶されている。
【0030】
また、本発明を実施するために必要な情報(例えば、プリンタドライバ)が記憶されている。なお外部メモリはデータベースであってもよい。認証サーバ102の場合には、図15のICカード認証情報DBが記憶されている。
【0031】
RAM203は、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をROM202あるいは外部メモリ211からRAM203にロードし、ロードしたプログラムを実行することで各種動作を実現する。
【0032】
また、入力コントローラ205は、キーボード(KB)209や不図示のマウス(等のポインティングデバイス等からの入力を制御する。ビデオコントローラ206は、ディスプレイ210等の表示器への表示を制御する。尚、表示器は液晶ディスプレイ等の表示器でもよい。これらは、必要に応じて管理者が使用する。
【0033】
メモリコントローラ207は、ブートプログラム、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、各種データ等を記憶する外部記憶装置(ハードディスク(HD))や、フレキシブルディスク(FD)、あるいは、PCMCIA(Personal Computer Memory Card International Association)カードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等の外部メモリ211へのアクセスを制御する。
【0034】
通信I/Fコントローラ208は、ネットワーク(例えば、図1に示したLAN110)を介して外部機器と接続・通信し、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)を用いた通信等が可能である。
【0035】
尚、CPU201は、例えばRAM203内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、ディスプレイ210上に表示することが可能である。また、CPU201は、ディスプレイ210上のマウスカーソル(図示しない)等によるユーザ指示を可能とする。
【0036】
本発明を実現するための後述する各種プログラムは、外部メモリ211に記録されており、必要に応じてRAM203にロードされることによりCPU201によって実行されるものである。さらに、上記プログラムの実行時に用いられる定義ファイル及び各種情報テーブル等も、外部メモリ211に格納されており、これらについての詳細な説明についても後述する。
【0037】
次に、図3を用いて、本発明の情報処理装置としての複合機100のハードウエア構成について説明する。図3は、複合機100のハードウエア構成例を示すブロック図である。
【0038】
図3において、コントローラユニット316は、画像入力デバイスとして機能するスキャナ314や、画像出力デバイスとして機能するプリンタ部312と接続されるとともに、図1に示したLAN110のようなローカルエリアネットワークや、例えばPSTNまたはISDN等の公衆回線(WAN)と接続することで、画像データやデバイス情報の入出力を行う。
【0039】
図3に示すように、コントローラユニット316は、CPU301、RAM302、ROM303、外部記憶装置(ハードディスクドライブ(HDD))304、ネットワークインタフェース(Network I/F)305、モデム(Modem)306、操作部インタフェース(操作部I/F)307、外部インタフェース(外部I/F)318、イメージバスインタフェース(IMAGE BUS I/F)320、ラスタイメージプロセッサ(RIP)310、プリンタインタフェース(プリンタI/F)311、スキャナインタフェース(スキャナI/F)313、画像処理部317等で構成される。
【0040】
CPU301は、システム全体を制御するプロセッサである。RAM302は、CPU301が動作するためのシステムワークメモリであり、プログラムを記録するためのプログラムメモリや、画像データを一時記憶するための画像メモリである。ROM303は、システムのブートプログラムや各種制御プログラムが格納されている。
【0041】
外部記憶装置(ハードディスクドライブHDD)304は、システムを制御するための各種プログラム、画像データ等を格納する。また、HDD304は、プリントボックスを備えている。このプリントボックスは、複合機の機能が予め有しているパスワードによるアクセス制限を設けることが出来る複数の記憶領域(ボックス)である。このプリントボックスは、複合機100に任意にインストールすることができるアプリケーションにより参照可能な領域として設定することができ、本実施形態の複合機100のフローチャートのステップを実行するアプリケーションが参照可能なプリントボックスである。
【0042】
操作部インタフェース(操作部I/F)307は、操作部(UI)308とのインタフェース部であり、操作部308に表示する画像データを操作部308に対して出力する。
【0043】
また、操作部I/F307は、操作部308から本システム使用者が入力した情報(例えば、ユーザ情報等)をCPU301に伝える役割をする。なお、操作部308はタッチパネルを有する表示部を備え、該表示部に表示されたボタンを、ユーザが押下(指等でタッチ)することにより、各種指示を行うことができる。また、操作部308はタッチパネルでは、タッチペン1301などでタッチパネルに描かれた文字や絵を認識して、画像データに変換することが可能である。
操作部I/F307および操作部308などは、複合機100以外のコンピュータやタブレットPCでも代替できるものとする。
【0044】
ネットワークインタフェース(Network I/F)305は、ネットワーク(LAN)に接続し、データの入出力を行なう。モデム(MODEM)306は公衆回線に接続し、FAXの送受信等のデータの入出力を行う。
【0045】
外部インタフェース(外部I/F)318は、USB、IEEE1394、プリンタポート、RS−232C等の外部入力を受け付けるインタフェース部であり、本実施形態においては、認証で必要となるICカード読み取り用のカードリーダ319が接続されている。
【0046】
そして、CPU301は、この外部I/F318を介してカードリーダ319によるICカードからの情報読み取りを制御し、該ICカードから読み取られた情報を取得可能である。尚、ICカードに限らず、ユーザを特定することが可能な記憶媒体であればよい。
【0047】
この場合、記憶媒体には、ユーザを識別するための識別情報が記憶される。この識別情報は、記憶媒体の製造番号でも、ユーザが企業内で与えられるユーザコードであってもよい。
以上のデバイスがシステムバス309上に配置される。
【0048】
一方、イメージバスインタフェース(IMAGE BUS I/F)320は、システムバス309と画像データを高速で転送する画像バス315とを接続し、データ構造を変換するバスブリッジである。
【0049】
画像バス315は、PCIバスまたはIEEE1394で構成される。画像バス315上には以下のデバイスが配置される。ラスタイメージプロセッサ(RIP)310は、例えば、PDLコード等のベクトルデータをビットマップイメージに展開する。
【0050】
プリンタインタフェース(プリンタI/F)311は、プリンタ部312とコントローラユニット316を接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。また、スキャナインタフェース(スキャナI/F)313は、スキャナ314とコントローラユニット316を接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。
【0051】
画像処理部317は、入力画像データに対し、補正、加工、編集を行ったり、プリント出力画像データに対して、プリンタの補正、解像度変換等を行う。また、これに加えて、画像処理部317は、画像データの回転や、多値画像データに対してはJPEG、2値画像データはJBIG、MMR、MH等の圧縮伸張処理を行う。
【0052】
スキャナI/F313に接続されるスキャナ314は、原稿となる紙上の画像を照明し、CCDラインセンサで走査することで、ラスタイメージデータとして電気信号に変換する。原稿用紙は原稿フィーダのトレイにセットし、装置使用者が操作部308から読み取り起動指示することにより、CPU301がスキャナに指示を与え、フィーダは原稿用紙を1枚ずつフィードし、原稿画像の読み取り動作を行う。
【0053】
プリンタI/F311に接続されるプリンタ部312は、ラスタイメージデータを用紙上の画像に変換する部分であり、その方式は感光体ドラムや感光体ベルトを用いた電子写真方式、微小ノズルアレイからインクを吐出して用紙上に直接画像を印字するインクジェット方式等があるが、どの方式でも構わない。プリント動作の起動は、CPU301からの指示によって開始する。尚、プリンタ部312には、異なる用紙サイズまたは異なる用紙向きを選択できるように複数の給紙段を持ち、それに対応した用紙カセットがある。
【0054】
操作部I/F307に接続される操作部308は、液晶ディスプレイ(LCD)表示部を有する。LCD上にはタッチパネルシートが貼られており、システムの操作画面を表示するとともに、表示してあるキーが押されると、その位置情報を操作部I/F307を介してCPU301に伝える。また、操作部308は、各種操作キーとして、例えば、スタートキー、ストップキー、IDキー、リセットキー等を備える。
【0055】
ここで、操作部308のスタートキーは、原稿画像の読み取り動作を開始する時などに用いる。スタートキーの中央部には、緑と赤の2色のLEDがあり、その色によってスタートキーが使える状態であるか否かを示す。また、操作部308のストップキーは、稼動中の動作を止める働きをする。また、操作部308のIDキーは、使用者のユーザIDを入力する時に用いる。リセットキーは、操作部308からの設定を初期化する時に用いる。
【0056】
外部I/F318に接続されるカードリーダ319は、CPU301からの制御により、ICカード(例えば、ソニー社のFelica(登録商標))内に記憶されている情報を読み取り、読み取った情報を外部I/F318を介してCPU301へ通知する。
【0057】
次に、図4を用いて、本発明の認証サーバ102、クライアントPC103、情報処理装置としての複合機100の機能について説明する。図4は、本発明の認証サーバ102、クライアントPC103、複合機100の機能の一例を示す機能ブロック図である。
【0058】
クライアントPC103の出力先指定部は、プリンタドライバでボックス415の格納先を指定する。この指定は、プリンタドライバからユーザが任意にプリントボックスを選択させる形式でも、出力先のプリントボックスがそれぞれ指定されているプリンタオブジェクトをクライアントPC103上に生成しておき、このプリンタオブジェクトを指定することも含む。
【0059】
印刷データ生成部404は、出力先指定部403で出力先を指定した後、クライアントPC103にインストールされるアプリケーションからOSを介してデータを受け付け、印刷データを生成する。
【0060】
印刷データ出力部405は、印刷データ生成部404で生成された印刷データを複合機100へ出力する。
【0061】
複合機100は、複合機100の基本機能を制御する本体制御プラットフォームと認証制御アプリケーションと、プリント制御アプリケーションを備え、認証制御アプリケーションで認証成功が判定されると、本体制御プラットフォームが制御可能な機能や、プリント制御アプリケーションが制御するプリントを実行する。
【0062】
複合機100の印刷データ受付部413は、クライアントPC103から印刷データを受け付け、クライアントPC103の要求に含まれる印刷データ格納先に従って、印刷データ格納部414が受け付けた印刷データをボックス415に格納する。
【0063】
クライアントPC103から印刷データは、複合機100ではなく他のパーソナルコンピュータやサーバの指定フォルダへ保存することも可能である。この場合、ジョブ情報DB(図17)、書誌情報DB(図18)、ジョブDB(図19)は、そのコンピュータ内のデータベースに保存される。
【0064】
プリントボックス監視部407は、プリント制御アプリケーションが管理するボックス415を監視しており、ボックスに印刷データが格納されたことを検知すると、印刷データからユーザ名や印刷ドキュメント名などの書誌情報を取得する。印刷データ管理部408は、取得した書誌情報を含むジョブ情報を管理する。
【0065】
複合機100の認証制御部406は、カードリーダ319で読み取られたICカードのカード番号を認証サーバ102へ送信する。認証制御部406は、認証サーバ102の認証管理部401が認証DB(図15のICカード認証情報DB)を検索し、検索した結果(認証OK・ユーザ名等/認証NG)を受け付け、本体制御プラットフォームのログイン部412へユーザ名等を通知する。
【0066】
ログイン部412は、ユーザ名等を受け付けると、複合機100が予め備えるプリント機能やスキャン機能を実行可能にするべく、ログイン処理を行う。ログイン処理とは、例えば機能のロックを外す、或いは各機能を実行するための画面に推移可能にするなどである。
【0067】
ログイン部412でログイン処理がなされると、本体制御プラットフォームは、プリント制御アプリケーションにログインしたことを通知する。通知を受けたプリント制御アプリケーションは、印刷データ管理部408が管理する印刷データの中からログインしたユーザ名に対応する印刷データを抽出して、複合機100の操作部308に印刷データの一覧を表示する。印刷データ選択部409によって、ユーザによって選択された印刷データを決定する。
【0068】
印刷データ取得部410は、印刷データ選択部で決定された印刷データをボックス415から取得し、プリンタ部312で印刷を行う。
【0069】
印刷データ取得部410は、プリントボックス監視部407で特殊文書となる印刷データもしくは、一般文書でサインを印字すると指示のあった印刷データに対して、印刷データ加工部411が操作部308のタッチパネルから入力された電子サインの画像データを生成する。
【0070】
印刷データ加工部411は、印刷データ取得部410で取得した印刷データに電子サインを合成する。なお、一般文書をクライアントPC103で印刷指示した場合であって、印刷一覧表示画面(図12)にてサインを行う指示をしなかった印刷データに対しては、サイン画像データを印字することなく印刷が行われる。
【0071】
印刷データ取得部410と、印刷データ加工部411の処理をより具体的に説明する。プリント制御アプリケーションは、ボックス415に印刷データが格納されると、その印刷データのハンドルを本体制御プラットフォームから受け取る。そのハンドルを用いて、印刷データ取得部410は、印刷データのハンドルを指定して本体制御プラットフォームに受け渡すことで、ボックス415から印刷データを取得する。
【0072】
印刷データ加工部411は、ハンドルを用いて、本体制御プラットフォームにサインデータ(署名情報)を含む合成指示をすることで、印刷データ取得部410で指示された印刷データと、サインデータを合成させる。この合成は、本体制御プラットフォームが行う。
【0073】
次に、図5を用いて、本実施形態の概略を説明する。図5は、本実施形態における画像形成システム(情報処理システム)における処理概略を説明する一例を示した図である。
【0074】
1−1では、クライアントPC103のプリンタドライバを介して、複合機100に印刷データを出力する。複合機100は、印刷データを受信した際に受け取れるボックス番号に従って、複合機100のボックスに印刷データを格納する。なお、特殊文書である場合には、特殊文書用のボックス2101に格納され、一般文書である場合には、一般文書用のボックス2102へ印刷データを格納する。
【0075】
また、1−1でのボックスの指定は、プリンタドライバのボックス設定画面でユーザが特殊文書用ボックス2201又は一般文書用ボックス2202を選択することで行う。
【0076】
1−2では、複合機100が特殊文書用ボックス(第一の記憶領域)2201又は一般文書用ボックス(第二の記憶領域)2202に格納されたことを検知する。この検知は、複合機の本体制御プラットフォームに対して、印刷データが格納された場合に通知するように通知予約を行って検知するか、或いはボックスを一定間隔でポーリングして監視するようにして検知する。
【0077】
1−3では、検知した印刷データが特殊文書用ボックス2201に格納された印刷データか、一般文書用ボックス2202に格納された印刷データかによって印刷処理が変わる。
【0078】
特殊文書用ボックス2201に格納された印刷データについては、サイン画像データを合成して印刷を行い、一般文書用ボックス2202に格納された印刷データは何も合成せずに印刷を行う。また一般文書ボックス2202に格納された印刷データであっても印刷一覧表示画面(図12)にてサインを行う指示をした印刷データに対しては、サイン画像データを合成して印刷を行う。なお、印刷処理については、後述のフローチャートで詳細に説明する。
【0079】
次に、2−1では、カードリーダ319にICカードがかざされ、複合機100がカードリーダ319からカード情報(カード番号など)を受け付けると、2−2で認証サーバ102へ認証するべくカード情報を含む認証要求を送信する。認証サーバ102では、認証要求を受け付けると、2−3で認証DBを検索して認証を行う。2−4では、認証要求2−3の認証結果を返信する。複合機100では、認証結果に従ってログイン処理を行う。
【0080】
次に、図6〜図8を用いて、本実施形態の詳細な説明を行う。なお、本実施形態の特徴的な構成は、例えば、ステップS608、ステップS609、ステップS715、ステップS716である。また、ステップS802、ステップS806である。
【0081】
図6は本発明にかかる実施形態の印刷データ送信と保存処理について説明する。ステップS601〜S606の処理はクライアントPC103の処理であり、CPU201にて実行される。また、ステップS607〜S617の処理は複合機100の処理であり、CPU301にて実行される。
【0082】
ステップS601では、クライアントPC103は、ユーザの操作によって印刷設定変更指示があったか否かを判断する。印刷設定変更指示は、クライアントPC103からプリンタドライバで指示を行うものである。印刷設定の変更は、プリンタのプロパティから「印刷属性」の「出力方法」2203にて、通常は [ 印刷 ] となっている設定を [保存 ]に変更する。この変更があった場合に変更指示があったと判定してステップS602へ処理を移行する。
【0083】
次に、ステップS602では、クライアントPC103は、プリンタのプロパティから「印刷属性」の「出力方法」の設定にて、[ 保存 ]するユーザボックスの保存先ボックス場所を選択する指示があったか否かを判断する。具体的には、[ 保存先 ]などのボタン2204の押下を判断する。この指示があった場合に、ステップS603へ処理を移行する。
【0084】
次に、ステップS603では、複合機100から、クライアントPC103にボックス番号やボックス名が送信される(記憶領域識別情報送信)。クライアントPC103はボックス番号やボックス名の一覧情報を複合機100から受信する。一覧情報を受信すると、クライアントPC103のプリンタドライバのプロパティ画面では、図22の2205のように、ボックス番号やボックス名2201・2202(記憶領域識別情報)などの情報を表示するサブダイアログ画面が表示される。
【0085】
次に、ステップS604では、図22の2205で表示されているサブダイアログ画面のボックスの一覧情報表示部から、保存したいボックスの指定を受け付け(図22の2201のように、指定されたボックスの背景色が反転する)、保存先のボックスを設定する。
【0086】
次に、ステップS605では、文書作成アプリケーションや文書表示アプリケーションやブラウザなどから印刷指示を行う。印刷指示があった場合にステップS606へ処理を移行する。
【0087】
なお、予め保存先ボックスの指定などをしておいたプリンタ(プリンタオブジェクトともいう)をクライアントPC103に生成しておき、このプリンタを指定する場合には、ステップS601〜ステップS604の処理を省略することも可能である。この場合、特殊文書用ボックス2201が設定されたプリンタと、一般文書用ボックス2202が設定されたプリンタの2つがクライアントPC103には生成されている。このほかのプリンタがクライアントPC103に生成されていてもよい。
【0088】
ステップS606では、クライアントPC103は、プリンタドライバで設定された印刷設定に従って、ステップS604にて設定したボックスに対して、印刷したデータを送信する。なお、送信する際には、ボックスを識別するためのボックス番号(ボックス識別情報)を送信する。
【0089】
ステップS607では、複合機100が送信された印刷データを受信する。ステップS608では、ステップS604で指定されたボックス番号に対応するボックスにステップS606でクライアントPC103より送信された印刷データを保存する(格納)。本実施形態のボックスは、特殊文書用ボックス2101(第一の記憶領域)と一般文書用ボックス2102(第2の記憶領域)である。
【0090】
なお、特殊文書用ボックス2101(第一の記憶領域)と一般文書用ボックス2102(第2の記憶領域)については後述するが、特殊文書用ボックス2101(第一の記憶領域)は印刷データに印刷する際のサインデータ(署名情報)を合成して出力するための特殊文書(例えば、GMP文書)を格納するためのボックスで、一般文書用ボックス2102(第2の記憶領域)は、印刷データを印刷する際のサインデータを合成することなく出力するためのボックスである。
【0091】
ステップS609では、本体制御プラットフォームから印刷データが格納されたことの通知を受けて、通知を受けたボックスが特殊文書用ボックスか一般文書用ボックスかを判断し、一般文書用ボックスに印刷データが格納された場合にはステップS610へ処理を移行する。また特殊文書用ボックスに印刷データが格納された場合にはステップS616へ処理を移す。
【0092】
ステップS610では、ボックスに保存された印刷データの書誌情報を取得する。書誌情報から、図12の印刷一覧表示画面にて表示に必要な、ジョブオーナ、ジョブ名、ページ数、印刷日付と印刷時刻などを取得する。また、この情報を含むジョブ情報を複合機100内の一時記憶領域またはデータベースに保存する(管理情報記憶)。印刷ジョブと共に複合機100に送信される書誌情報の一例は図18で、書誌情報を含むジョブ情報を管理するジョブ情報DBの一例は図17である。つまり、ジョブ情報DBによって、印刷データを管理するための書誌情報を含む情報が管理されている。
【0093】
ステップS611では、書誌情報を取得した印刷データとするために、別のボックスである一時保存用ボックスに印刷データを移動し保存させる。なお、書誌情報を取得した印刷データと判断できるように、識別情報を付与し、一般文書用ボックス2202にそのまま保存させておいてもよい。
【0094】
次に、ステップS612にて、ステップS611で保存された文書が、特種文書かどうかを判断する(印刷データ判定)。言い換えると、特殊文書用ボックス2101に格納するべき印刷データか否かを判定する処理である。特種文書かどうかの判断基準は、予め本アプリケーションの設定情報として、変更可能とする。設定変更には、ブラウザ経由にて、プリント制御アプリケーションに接続し、設定できる方法を提供する。あるいは、印刷一覧表示画面(図12)において、サインチェック項目1207にて設定変更も可能である。
アプリケーションの設定変更には管理者のパスワードを設定し、一般ユーザが容易に変更できないようなセキュリティがかけられているものとする。
【0095】
特種文書かどうかの判断基準には、ドキュメント名や印刷データをOCR処理(図示しない)して、特定キーワードが入っている印刷データを特種文書と判断する場合(例えば、ドキュメント名に「GMP」や「極秘」の文字列が含まれているもの)や、特定アプリケーションからの印刷や地紋設定がされている印刷の場合(例えば、地紋印刷の設定が「極秘」であるもの)などが存在する。また、OCR処理にて、判定を行う場合にも、特定キーワードが検出されれば特殊文書として判断する。
特種文書と判断した場合は、ステップS616に移行する。一般文書と判断した場合は、ステップS613に移行する。また、特殊文書と判断した場合には、一般文書用ボックス2102から特殊文書用ボックス2101へ印刷データの格納先を変更する(記憶領域変更)。
【0096】
なお、特殊文書か一般文書か判定した場合には、図17のジョブ情報DBの特殊文書判定(区分)1710に特殊文書を示す情報、又は一般文書を示す情報を記録する。
【0097】
次にステップS613にて、直接印刷か保存印刷かを判断する。直接印刷か保存印刷かどうかの判断基準は、予め本アプリケーションの設定情報として、変更可能とする。設定変更には、ブラウザ経由にて、アプリケーションに接続し、設定できる方法を提供する。あるいは、複合機の操作画面より設定変更も可能である。直接印刷の場合は、ステップS614に移行する。保存印刷の場合は、[ A ]の処理に移行する。
【0098】
ステップS614では、ボックスにある一般文書の印刷データを取得する(印刷データ取得)。そして取得した印刷データを印刷するために出力する。ステップS615では、印刷完了後にボックスにある印刷データを削除し、この処理は、終了となる。
【0099】
ステップS609にて特種文書と判断された場合は、ステップS616に移行する。ステップS616では、ステップS610と同様に、ボックスに保存された印刷データの書誌情報を取得する。書誌情報から、図12の印刷一覧表示画面にて表示に必要な、ジョブオーナ、ジョブ名、ページ数、印刷日付と印刷時刻などを取得する。
【0100】
また、この情報を含むジョブ情報を複合機100内の一時記憶領域またはデータベースに保存する(管理情報記憶)。書誌情報の一例は図18で、書誌情報を含むジョブ情報を管理するジョブ情報DBの一例は図17である。つまり、ジョブ情報DBによって、印刷データを管理するための書誌情報を含む情報が管理されている。
【0101】
次に、図7を用いて、本発明にかかる実施形態の複合機利用処理について説明する。[ A ]から始まる処理では、複合機の利用処理と印刷データの実行処理を行う。
【0102】
ステップS704、ステップS705、ステップS708、ステップS709、ステップS711〜ステップS718は、複合機100のCPU301が処理を実行する。ステップS706、ステップS707、ステップS710は認証サーバ102のCPU201が処理を実行する。
【0103】
ステップS701にて、カードリーダ319にICカードがかざされた場合に取得できるカードかざしイベントを検知する。なお、ICカードには、カード情報(カードの製造番号や任意に記憶させる一意の識別番号)が記憶されている。ステップS702にて、ICカードがカードリーダ319にかざされることによって得られるカードかざしイベントに含まれるカード情報を取得する。ステップS703にて、取得したカード情報および読み取りイベントを複合機100に通知する。
【0104】
ステップS704にて、複合機100は、読み取ったカード情報を受け付ける。ステップS705にて、ネットワークI/F305を介してカード情報を含む認証情報を認証サーバ102に送信する。
【0105】
ステップS706にて、認証サーバ102が複合機100より送信された認証情報を受信する。ステップS706にて、認証情報の認証判定を行う。認証情報であるICカードの製造番号や任意に記憶させる一意の識別番号を、事前に認証サーバ102の記憶領域に保存されている情報(図16のICカード認証情報DB)を検索し、該当の情報が存在するかどうかで判定を行う。該当の情報が存在した場合は認証成功とし、存在しない場合は認証失敗とする。また、認証判定は、ICカードの情報以外に、別途ユーザのログイン情報(ユーザ名、パスワード)を入力して、判定させる方法でも可能であるとする。認証判定に失敗した場合は、認証失敗である結果情報を認証サーバ102が複合機100に対して送信する。
【0106】
ステップS708では、その結果を受信する。そして、ステップS709では、複合機100のCPU301がHDD304に予め記憶している、認証失敗画面(図11)を操作部308に表示させ、終了とする。ステップS707の判定で認証成功の場合は、ステップS710にて認証成功結果と認証情報(図16のICカード認証情報DBのユーザ名1602)を送信する。
【0107】
ステップS711では、送られてきた認証成功結果および認証情報を受信する(ユーザ情報受付)。認証成功である場合には、本体制御プラットフォームにユーザ名を通知し、複合機100へログインを行う。
【0108】
ステップS712では、複合機100の記憶領域に保存されている印刷データの図17のジョブ情報DBから、ログインしたユーザ名に一致するジョブ情報を取得し、ジョブ一覧情報を生成する。ジョブ一覧で取得する情報は、例えば、ステップS711にて取得したユーザ名に合致する印刷データのジョブ情報のうち、印刷ドキュメント名1702、印刷ページ数1703、受信時刻1705、区分1711等を取得する。
【0109】
ステップS713では、取得したジョブ一覧の情報を複合機100のパネルに表示する(一覧表示)。表示例は、図12の印刷一覧表示画面である。
【0110】
ステップS714では、ジョブ一覧でユーザによって選択された印刷データを指定し(印刷データ指定)、[ 印刷 ]ボタン1208の押下(印刷指示)を検知する。
【0111】
ステップS715では、印刷指示を受け付けた印刷データが特種文書かどうかを判断する。特殊文書かどうかは、図17のジョブ情報DBの特殊文書判定(区分)1710を参照して判定する。もしくは、図17のジョブ情報DBの特殊文書判定(区分)1710が一般文書であっても、印刷一覧表示画面(図12)のジョブのサインチェック項目1207にチェックがされているかどうかで判断する。
特種文書の場合は、[ B ]処理に移行する。また、一般文書の場合は、ステップS716に移行する。
【0112】
ステップS716では、一般文書に対して、サインを印字するかどうかの確認を行う。確認は、複合機100のパネルにサインを行うかどうかの確認メッセージ(図示しない)を表示させる。サインを印字する場合は、[ B ]処理に移行する。サインを印字しない場合は、ステップ717に移行する。
【0113】
サインを印字するかどうかの確認を表示するかどうかについては、予め本アプリケーションの設定情報として、変更可能とする。設定変更には、ブラウザ経由にて、プリント制御アプリケーションに接続し、設定できる方法を提供する。アプリケーションの設定変更には管理者のパスワードを設定し、一般ユーザが容易に変更できないようなセキュリティがかけられているものとする。
【0114】
ステップS717では、一般文書の印刷データをボックス(例えば、一般文書用ボックス2102)から取得して(印刷データ取得)、プリンタ部312で印刷を行う。ステップS718にて、印刷完了後に印刷データをボックスから削除し終了する。
【0115】
次に、図8を用いて、本発明にかかる実施形態の印刷実行処理について説明する。[ B ]処理では、特種文書と判断された、原本性を保証するための印刷データの印刷処理の実行を行う。ステップS801〜S809の処理は複合機100の処理であり、CPU301にて実行される。
【0116】
ステップS801では、複合機100のパネルにサイン記入を促すメッセージと入力画面(図13のサイン入力画面)を表示させる。
【0117】
ステップS802では、図13の1305のサイン受付領域にサイン(署名情報)が記入されたかの確認を行う。図13のサイン入力画面の1304の[ 決定 ]ボタンが押下された場合に記入されたと判断しステップS804へ移行する。
【0118】
ステップS802にてサインが記入されない場合はステップS803へ移行し、予め設定しておいたタイムアウト時間が経過したかどうか確認を行う。タイムアウト時間が経過した場合は、 [ A ]処理に戻り、複合機100の利用画面へ移行させる。タイムアウト時間が経過していな場合は、ステップS801へ戻り、サイン記入画面を表示し続ける。
【0119】
タイムアウトの設定は、予め本アプリケーションの設定情報として、変更可能とする。設定変更には、ブラウザ経由にて、アプリケーションに接続し、設定できる方法を提供する。あるいは、複合機の操作画面より設定変更も可能である。
【0120】
ステップS804では、サインのデータが認識できるかどうかを判断する。認識できない場合は、ステップS805へ移行する。サインのデータが認識できるかどうかは、操作部I/F307および操作部308から入力されたサイン画像データを本アプリケーションが判断する。
【0121】
ステップS805では、サイン入力エラー画面(図14サイン入力エラーダイアログ)を表示する。[ OK ]ボタンを押下することで、ステップS801のサイン記入画面へ移行する。
【0122】
ステップS804で、サインデータが認識できた場合は、ステップS806へ移行する。ステップS806では、サインデータと印刷データを合成する。印刷するデータ全てに同じサインデータを合成する。合成するための設定(例えば、印刷データのどの位置にサインデータを合成するか、印字濃度、サイズ、色等)は、予め設定できるものとする。
【0123】
サインとは別に複合機で取得したタイムスタンプの日付日時データなど、および地紋印刷を付与することも可能とする。これにより印刷データの真正性(原本性)が保証することができる。なお、地紋印刷に設定する地紋情報は、クライアントPC103からプリンタドライバのプロパティから設定を行うことができる。また本アプリケーションでも地紋印字の設定を行うことも可能である。
【0124】
ステップS807では、ステップS806でサインデータが合成された印刷データをプリンタ部312で印刷する。ステップS808では、ステップS807の印刷が完了するとボックスに保存されている印刷データを削除する。
【0125】
ステップS809では、印刷のログを複合機100内の保存記憶領域に保存する。なおログとしては、図17のジョブ情報DBから印刷した印刷データのジョブ情報とステップS802で取得したサインデータを取得し、HDD304に記憶する。このとき、印刷結果1706には値が入っていないので、印刷結果に成功情報を記録するものとする。
【0126】
次に、複合機100の操作部308に表示される図9〜図15の画面例について説明する。図9は、認証制御アプリケーションが提供するICカード認証要求画面である。このICカード認証要求画面が表示されている際に、ICカードがカードリーダ319にかざされることで、ICカードによる認証要求が認証サーバ102に送信される。
【0127】
図10は、図9のキーボード入力ボタン1001が押下された際に表示される、本体制御プラットフォームが提供するキーボード認証画面である。ユーザ名、パスワード、ログイン先を指定し、ログインボタン1101が押下されることによって、ユーザ名とパスワードによる認証要求が認証サーバ102に送信される。
【0128】
図11は、認証制御アプリケーション又は本体制御プラットフォームが提供する認証エラーダイアログであり、認証サーバ102で認証失敗した場合に表示される。本図は、図7のステップS709で表示される。
【0129】
図12は、プリント制御アプリケーションが提供する印刷データ一覧(ジョブ一覧)画面であり、複合機100にログインしたユーザがクライアントPC103で印刷指示した印刷データの一覧が表示される。本図は、図7のステップS713で表示される。
【0130】
ユーザ名表示欄1201には、複合機100にログインしたユーザ名が表示される。文書名表示列1202には、印刷データの文書名が表示される。ページ数表示列1203には、印刷データのページ数が表示される。日付表示列1204には、印刷データが印刷されたクライアントPC103で印刷指示した日付が表示される。この日付には、時間分までの時刻を表示してもよい。
【0131】
区分表示列1205には、特殊文書か一般文書かが表示される。特殊文書の場合には、残時間1206が表示されるようになっており、この残時間1206は、受信時刻1705から、アプリケーションに設定してある所定時間(例えば、印刷時刻から3時間まで印刷可)までの残りの時間が算出され、表示されている。
【0132】
サインチェック項目1207には、印刷データにサインを行うかどうかのチェックボックスが表示される。特殊文書には、強制的にチェックが入り、変更することができないものとする。
一般文書については、このチェックをつけた場合にサインを印字することができる。
【0133】
一覧から印刷データ(ジョブ)を選択され、[ 印刷 ]ボタン1208が押下されると、選択された印刷データ(ジョブ)がボックスから取得して、印刷が実行される。
【0134】
図13は、プリント制御アプリケーションが提供するサイン入力画面であり、複合機100にログインしたユーザが、タッチペン1301などを使用して、操作部308のタッチパネルのサイン記入エリア1305へサインを行う。本図は、図8のS801で表示される。
【0135】
[ クリア ]ボタン1302は、サイン記入エリア1305に表示された情報を削除する時に押下する。[ プレビュー ]1303は、サイン記入後にプレビューを表示したい場合に押下する。押下した場合は、図15プレビュー確認画面に移行する。[ 決定 ]ボタン1304は、サイン記入後に印刷を実行する場合に押下する。ボタンが押下されると、サインを合成した印刷データ(ジョブ)の印刷が実行される。
【0136】
図14は、プリント制御アプリケーションが提供するサイン入力エラーダイアログであり、記入されたサインの情報が正しく認識できない(何も記入されていないなど)場合に表示する。本図は、図8のS805で表示される。
【0137】
図15は、プリント制御アプリケーションが提供するプレビュー確認画面であり、図13サイン入力画面の[ 決定 ]ボタンが押下されることで移行する。図13サイン入力画面にてサインされたサインデータを予め設定されている合成するための設定(例えば、印刷データのどの位置にサインデータを合成するか、印字濃度、サイズ、色等)にしたがい、印刷データに合成されたサイン情報のプレビュー表示を行う。本画面には、プレビュー表示機能として拡大や縮小、スクロールによる表示画面の遷移などや印刷表示ページの切り替えなどが行える。本図は、図8のS804で表示される。
【0138】
[ 設定変更 ]ボタンを押下することでサインを合成するための設定変更が行える(設定画面は、不図示)。[ 決定 ]ボタン1502は、印刷を実行する場合に押下する。ボタンが押下されると、サインを合成した印刷データ(ジョブ)の印刷が実行される。
【0139】
次に、認証サーバ102で記憶するICカード認証情報DBについて図16について説明する。図16は、認証サーバ102で管理するICカード認証DBの一例を示す図である。
【0140】
ICカード認証情報DBは、複合機100からの認証要求(認証情報)に含まれるカードID(カード番号などのカード情報)やユーザ名とパスワードによる認証をするために参照するテーブルであり、カードID1601、ユーザ名1602、特殊印刷権限1603、パスワード1604を記憶している。
【0141】
特殊印刷権限1603とは、一般文書に対してサインデータを印字するかどうかの権限情報である。権限がある場合は、サインを印字することが可能であり、権限がない場合は、サインを印字することができない。
【0142】
次に、図17〜図20を用いて、複合機100で記憶管理するデータについて説明する。
これらの記憶データは、複合機100にて一時記憶後、他のサーバにて管理をおこなうことも可能とする。
【0143】
特に、図20のサイン情報DBおよびそのサイン画像は、他のサーバで情報を一元管理しておいた方が運用に適している。サイン情報を蓄積しておき、印刷後にそのサイン画像を確認することで、いつ誰がどのような印刷物にどのようなサインを記載して印刷したかの追跡が可能である。
【0144】
図17は印刷データ(ジョブ)を管理するためのジョブ情報DBの一例を示す図である。ジョブ情報DBに格納されるジョブ情報は各印刷データと対応付いて記憶されている。また、ジョブ情報には、後述する図18の書誌情報を含んでいる。
【0145】
ジョブ情報は、ユーザ名1701は、書誌情報のジョブオーナ1801が記憶される。印刷ドキュメント名1702は書誌情報のジョブ名1802が記憶される。印刷ページ数1703は、書誌情報のページ数1805が記憶される。受信時刻1705は、印刷完了となった時の時間が記憶される。受信時刻1705は、複合機100で印刷データを受信した際の時間が記憶される。この受信時刻1705は、プリンタドライバで印刷データが生成された時間であってもよい。
【0146】
印刷結果1706は、印刷データを印刷した結果が記憶される。つまり、印刷データが印刷されるまでは、結果は記憶されていない。印刷方法1707は、書誌情報の印刷方法1803が記憶される。カラーモード1708は、書誌情報のカラーモード1804が記憶される。
【0147】
地紋印刷1710に設定する地紋情報は、クライアントPC103からプリンタドライバで指示を行うものである。印刷設定の変更は、プリンタのプロパティから地紋印刷の設定を行うことができる。また本アプリケーションでも地紋印字の設定を行うことも可能である。地紋情報には、地紋印字を行う文字を設定する。その他、地紋位置や地紋濃度、地紋文字の大きさ、色、向き、地紋の模様なども設定が可能である。
【0148】
特殊文書判定(区分)1710は、印刷データを解析することで得られるデータから判定される。同じく、特殊文書用ボックス2101か一般文書用ボックス2102のどちらに保存されたかからも判別される。
【0149】
図18は印刷データ(ジョブ)から取得される書誌情報の一例を示す図である。
書誌情報には、ジョブオーナ1801、ジョブ名1802、印刷方法1803、カラーモード1804、ページ数1805、部数1806で構成されている。
【0150】
ジョブオーナ1801は、クライアントPC103にログインしたユーザ名が記憶され、認証サーバ102から得られたユーザ名と一致するように構成されている。
【0151】
ジョブ名1802は、クライアントPC103にインストールされているアプリケーション(例えば、文書作成アプリケーション)で作成されたドキュメントのドキュメント名が記憶される。なお、ジョブ名1802は、プリンタドライバで付与された名称であってもよい。
【0152】
印刷方法1803は、プリンタドライバで設定された両面や片面の設定が記憶され、カラーモード1804は、プリンタドライバで設定されたカラー印刷やモノクロ印刷やオート印刷の設定が記憶される。ページ数1805は、印刷データのページ数が記憶される。部数1806は、印刷データの部数が記憶される。
【0153】
図19は、印刷データ(ジョブ)の構成の一例を示す図である。
印刷データには、図18の書誌情報DBで管理するデータである書誌情報1901と、描画するPDLデータ1902とが含まれている。なお、PDLデータ1902は、書誌情報1901の印刷設定に従って描画されるものである。
【0154】
図20は、サイン情報の構成の一例を示す図である。サイン情報DBに格納されるサイン情報は、各印刷データおよびサインデータと対応付いて記憶されている。
【0155】
ユーザ名2001は、書誌情報のジョブオーナ1801が記憶される。印刷ドキュメント名2002は書誌情報のジョブ名1802が記憶される。印刷ページ数2003は、書誌情報のページ数1805が記憶される。印刷時刻2004は、印刷完了となった時の時間が記憶される。
【0156】
サイン時刻2005は、ステップS804にてサインが記入された時間が記憶される。
サイン画像2006は、サイン画像のデータ名が記憶される。
サイン画像は、JPEGなどの画像データでの保存の他、TIFFやPDF画像であってもよい。またファイル名は、任意の数字の羅列でも構わない。サイン情報DBにてサイン画像が紐付いて管理されている状態を示している。
【0157】
印刷結果2007は、印刷データを印刷した結果が記憶される。つまり、印刷データが印刷されるまでは、結果は記憶されていない。印刷方法2008は、書誌情報の印刷方法1803が記憶される。カラーモード2009は、書誌情報のカラーモード1804が記憶される。部数2010は、書誌情報の部数1806が記載される。
【0158】
地紋印刷2011に設定する地紋情報は、クライアントPC103からプリンタドライバで指示を行うものである。印刷設定の変更は、プリンタのプロパティから地紋印刷の設定を行うことができる。また本アプリケーションでも地紋印字の設定を行うことも可能である。地紋情報には、地紋印字を行う文字を設定する。その他、地紋位置や地紋濃度、地紋文字の大きさ、色、向き、地紋の模様なども設定が可能である。
【0159】
特殊文書判定(区分)2011は、印刷データを解析することで得られるデータから判定される。同じく、特殊文書用ボックス2101か一般文書用ボックス2102のどちらに保存されたかからも判別される。
【0160】
次に、図21を用いて複合機100のHDD304で管理されるボックスについて説明する。図21は、複合機100のHDD304で管理されるボックス415のイメージ図である。
【0161】
HDD304の記憶領域が、本体制御プラットフォームが管理可能なボックスが00、01、02・・・と複数に分けられている。このボックスをプリント制御アプリケーションがアクセス可能なように設定され、このボックスに格納された印刷データをプリント制御アプリケーションは取得して、印刷を行うことができる。
【0162】
なお、ボックス00はプリント制御アプリケーションがアクセス可能な特殊文書用ボックス2101で、ボックス01はプリント制御アプリケーションがアクセス可能な一般文書用ボックス2102である。また、ボックス02は、他のアプリケーションがアクセス可能なボックス2103である。ボックスにはボックス名を設定することができる。
【0163】
次に図22を用いてプリンタドライバで設定するボックス表示画面について説明する。図22のボックス表示画面が表示される際に、複合機100から取得したボックス名(例えば、特殊文書用ボックス2101、一般文書用ボックス2102、その他のボックス2103)のボックス名を、2205に2201や2202のように表示させる。
【0164】
このように本発明の実施の形態によれば、複合機100(画像形成装置)における印刷データの格納先に従って、画像形成装置からサイン入力されたデータを付与した印刷物を簡単に作成することができる。
【0165】
また、画像形成装置からサイン入力されたデータを付与した印刷物と、サインデータを付与しない印刷物を別フォルダで管理し出力させることで、真正性を確保した印刷物と真正性を確保する必要のない印刷物を簡易的に得ることができる。
【0166】
本アプリケーションによって出力された印刷物は、印刷物のコピーによるすり替える改ざんの防止に加え、原本と同じドキュメントを印字してすり替える改ざんの防止を実現することができる。
【0167】
さらに、一つの印刷物で同じ印刷データが印字されているため、視覚的にも容易に真正性を確保した印刷物であることを確認できる。
【0168】
また、サイン情報を一元管理しておき、一度印刷された紙文書のサイン情報と保存されているサイン画像の照合を行うことで、追跡確認による真正性を確保することもができる。
【0169】
なお、上述した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
【0170】
すなわち、本発明は、情報処理装置から印刷データを受け付ける画像形成装置であって、前記情報処理装置から受け付ける印刷データを記憶部に記憶する記憶手段と、ユーザからのログイン要求に応じて、当該ユーザにより情報処理装置から送信された印刷データの一覧画面を表示部に表示する一覧画面表示手段と、前記一覧画面表示手段で表示された前記印刷データの一覧画面より前記印刷データを出力するための指示を受け付ける出力指示受付手段と、前記出力指示受付手段で出力指示を受け付けた前記印刷データが、前記ユーザの操作による署名情報を必要とする印刷データであるか否かを判定する第一の判定手段と、前記第一の判定手段で前記印刷データが前記ユーザの署名情報を必要とすると判定された場合に、前記ユーザから署名情報の入力を受け付けるべく、表示部に入力受付画面を表示する署名情報入力受付手段と、前署名情報入力受付手段で受け付けた署名情報を前記印刷データの予め定められた領域に合成する署名情報合成手段と、前記署名情報合成手段で前記署名情報を予め定められた領域に合成した印刷データ、を出力する出力手段とを備えることを特徴とする。
【0171】
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記録媒体等としての実施態様をとることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0172】
また、本発明におけるプログラムは、図6〜図8に示すフローチャートの処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムであり、本発明の記憶媒体は図6〜図8の処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムが記憶されている。なお、本発明におけるプログラムは図6〜図8の各装置の処理方法ごとのプログラムであってもよい。
【0173】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0174】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0175】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,DVD−ROM,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROM,EEPROM,シリコンディスク等を用いることができる。
【0176】
また、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0177】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0178】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0179】
さらに、本発明を達成するためのプログラムをネットワーク上のサーバ,データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0180】
なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0181】
100 複合機
102 認証サーバ
103 クライアントPC
110 LAN
201 CPU
203 RAM
301 CPU
302 RAM
304 HDD
308 操作部
319 カードリーダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置から印刷データを受け付ける画像形成装置であって、
前記情報処理装置から受け付ける印刷データを記憶部に記憶する記憶手段と、
ユーザからのログイン要求に応じて、当該ユーザにより情報処理装置から送信された印刷データの一覧画面を表示部に表示する一覧画面表示手段と、
前記一覧画面表示手段で表示された前記印刷データの一覧画面より前記印刷データを出力するための指示を受け付ける出力指示受付手段と、
前記出力指示受付手段で出力指示を受け付けた前記印刷データが、前記ユーザの操作による署名情報を必要とする印刷データであるか否かを判定する第一の判定手段と、
前記第一の判定手段で前記印刷データが前記ユーザの署名情報を必要とすると判定された場合に、前記ユーザから署名情報の入力を受け付けるべく、表示部に入力受付画面を表示する署名情報入力受付手段と、
前署名情報入力受付手段で受け付けた署名情報を前記印刷データの予め定められた領域に合成する署名情報合成手段と、
前記署名情報合成手段で前記署名情報を予め定められた領域に合成した印刷データ、を出力する出力手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記記憶手段は、前記署名情報を合成する前記印刷データを記憶するための第一の記憶領域と、前記署名情報を合成しない前記印刷データを記憶するための第二の記憶領域を備え、
前記情報処理装置から送信される印刷データが前記第一の記憶領域に格納するための印刷データであるか否かを、所定の条件を用いることにより判定する第二の判定手段を更に備え、
前記第二の判定手段により前記印刷データが前記第一の記憶領域に格納するための印刷データであると判定された場合には、前記第一の記憶領域に記憶し、一方、前記印刷データが前記第一の記憶領域に格納するための印刷データではないと判定された場合には、前記第二の記憶領域に記憶することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記出力手段は、前記第一の判定手段で前記印刷データが前記ユーザの署名情報を必要としないと判定された場合、当該署名情報を合成することなく、印刷データを出力することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記署名情報入力受付手段は、前記第二の記憶領域に印刷データが格納された場合、前記第一の判定手段で前記印刷データが前記ユーザの署名情報を必要としないと判定された場合であっても、当該画像形成装置でユーザの指示を受け付けることにより、前記署名情報入力を受け付けることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第二の記憶領域に前記印刷データが格納された場合に、当該印刷データが前記第一の記憶領域に格納されるべき印刷データか否かを判定する記憶領域判定手段と、
前記記憶領域判定手段で前記第一の記憶領域に格納されるべき印刷データであると判定された場合に、前記印刷データを前記第一の記憶領域に格納する記憶領域変更手段
とを更に備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記情報処理装置からの要求に従って、前記第一の記憶領域及び前記第二の記憶領域の記憶領域識別情報を前記情報処理装置に送信する記憶領域識別情報送信手段を備え、
前記記憶手段は、前記情報処理装置での前記記憶領域識別情報の指定に従って受信した印刷データを、前記指定された記憶領域識別情報に対応する第一の記憶領域又は第二の記憶領域に格納することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記出力手段で出力された前記印刷データと、前記署名情報入力受付手段で受け付けた前記署名情報とを関連付けて記憶管理する履歴管理手段と
前記履歴管理手段で記憶管理する前記印刷データと、前記署名情報とを検索する検索手段とを更に備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
情報処理装置から受け付ける印刷データを記憶部に記憶する記憶手段を備える画像形成装置の制御方法であって、
前記画像形成装置において、
前記画像形成装置の一覧画面表示手段が、ユーザからのログイン要求に応じて、当該ユーザにより情報処理装置から送信された印刷データの一覧画面を表示部に表示する一覧画面表示ステップと、
前記画像形成装置の出力指示受付手段が、前記一覧画面表示ステップで表示された前記印刷データの一覧画面より前記印刷データを出力するための指示を受け付ける出力指示受付ステップと、
前記画像形成装置の第一の判定手段が、前記出力指示受付ステップで出力指示を受け付けた前記印刷データが、前記ユーザの操作による署名情報を必要とする印刷データであるか否かを判定する第一の判定ステップと、
前記画像形成装置の署名情報入力受付手段が、前記第一の判定ステップで前記印刷データが前記ユーザの署名情報を必要とすると判定された場合に、前記ユーザから署名情報の入力を受け付けるべく、表示部に入力受付画面を表示する署名情報入力受付ステップと、
前記画像形成装置の署名情報合成手段が、前署名情報入力受付ステップで受け付けた署名情報を前記印刷データの予め定められた領域に合成する署名情報合成ステップと、
前記画像形成装置の出力手段が、前記署名情報合成ステップで前記署名情報を予め定められた領域に合成した印刷データ、を出力する出力ステップ
とを含むことを特徴とする制御方法。
【請求項9】
情報処理装置から受け付ける印刷データを記憶部に記憶する記憶手段を備える画像形成装置を制御するプログラムであって、
前記画像形成装置を、
前記印刷データに画像入力装置に入力された署名情報を合成して出力するための ユーザからのログイン要求に応じて、当該ユーザにより情報処理装置から送信された印刷データの一覧画面を表示部に表示する一覧画面表示手段と、
前記一覧画面表示手段で表示された前記印刷データの一覧画面より前記印刷データを出力するための指示を受け付ける出力指示受付手段と、
前記出力指示受付手段で出力指示を受け付けた前記印刷データが、前記ユーザの操作による署名情報を必要とする印刷データであるか否かを判定する第一の判定手段と、
前記第一の判定手段で前記印刷データが前記ユーザの署名情報を必要とすると判定された場合に、前記ユーザから署名情報の入力を受け付けるべく、表示部に入力受付画面を表示する署名情報入力受付手段と、
前署名情報入力受付手段で受け付けた署名情報を前記印刷データの予め定められた領域に合成する署名情報合成手段と、
前記署名情報合成手段で前記署名情報を予め定められた領域に合成した印刷データ、を出力する出力手段
として機能させることを特徴とするコンピュータで読み取り実行可能なプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2012−131085(P2012−131085A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−283846(P2010−283846)
【出願日】平成22年12月20日(2010.12.20)
【出願人】(390002761)キヤノンマーケティングジャパン株式会社 (656)
【Fターム(参考)】