説明

画像形成装置、及びプロセスカートリッジ

【課題】特定の小径の球形トナーに対するクリーニング性を簡易に改善した画像形成装置をすること。
【解決手段】トナーとして、平均円形度0.97以上1以下、体積平均粒子径3μm以上7μm以下、数平均粒子径3μm以下のトナーの割合0質量%以上20質量%以下のトナーを適用すると共に、クリーニング手段のクリーニングブレードに堆積する前記潜像保持体の磨耗粉量が、0.1mg/cm以上1.0mg/cm以下とする画像形成装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、及びプロセスカートリッジに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真法など静電潜像を経て画像情報を可視化する方法は、現在様々の分野で利用されている。電子写真法においては、帯電、露光工程により感光体上に形成される静電潜像がトナーを含む現像剤により現像されて、転写、定着工程を経て可視化される。
この画像形成装置としては、従来より、感光体上の転写残トナーを除去するのにブレードクリーニングシステムが用いられている。
【0003】
近年、トナーの製法が開発されてきて、高画質化が実現される小径の球形トナーが使用されてきている。一方で、クリーニング性に劣る球形トナーに対する当該クリーニング性を改善するために、数々の提案がなされている。例えば、大別するとクリーニングブレードのパラメータを規定したもの、潤滑剤を感光体表面に塗布したもの、転写残トナーを再帯電してクリーニングしやすくしたもの、不定形トナーと球形トナーを混在させたもの、トナーを塞き止める粉体やクリーニング助剤を使ったものなどがある(特許文献1乃至)。
【特許文献1】特開2006−243248公報
【特許文献2】特開2006−258989公報
【特許文献3】特開2007−153919公報
【特許文献4】特開2007−187797公報
【特許文献5】特開2002−6710公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、特定の小径の球形トナーに対するクリーニング性を簡易に改善した画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、
像保持体と、
前記像保持体を帯電する帯電手段と、
帯電した像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体上に転写する転写手段と、
前記像保持体上の転写残トナーをクリーニングブレードによりクリーニングするクリーニング手段と、
を具備し、
前記トナーが、平均円形度0.97以上1以下、体積平均粒子径3μm以上7μm以下、数平均粒子径3μm以下のトナーの割合0質量%以上20質量%以下のトナーであり、
前記クリーニング手段のクリーニングブレードに堆積する前記潜像保持体の磨耗粉量が、0.1mg/cm以上1.0mg/cm以下である、
ことを特徴とする画像形成装置。
【0006】
請求項2に係る発明は、
前記像保持体が、単層型感光層又は積層型感光層を最表面層として有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【0007】
請求項3に係る発明は、
画像形成装置本体に脱着され、像保持体と、像保持体上の転写残トナーをクリーニングブレードによりクリーニングするクリーニング手段と。を少なくとも具備し、
前記トナーが、平均円形度0.97以上1以下、体積平均粒子径3μm以上7μm以下、数平均粒子径3μm以下のトナーの割合0質量%以上20質量%以下のトナーであり、
前記クリーニング手段のクリーニングブレードに堆積する前記潜像保持体の磨耗粉量が、0.1mg/cm以上1.0mg/cm以下である、
ことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【0008】
請求項4に係る発明は、
前記像保持体が、単層型感光層又は積層型感光層を最表面層として有することを特徴とする請求項3に記載のプロセスカートリッジ。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に係る発明によれば、他の方式に比べ、特定の小径の球形トナーに対するクリーニング性が簡易に改善される。
請求項2に係る発明によれば、像保持体が最表層として保護層を有する場合に比べ、潜像保持体の磨耗粉量が調整し易くなる。
請求項3に係る発明によれば、他の方式に比べ、特定の小径の球形トナーに対するクリーニング性が簡易に改善される。
請求項4に係る発明によれば、像保持体が最表層として保護層を有する場合に比べ、潜像保持体の磨耗粉量が調整し易くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1は、実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。本実施形態に係る画像形成装置は、4連タンデム方式のフルカラー画像形成装置を示す概略構成図である。無論、本実施形態に係る画像形成装置は、当該構成に限られるものではなく、公知の構成が採用される。
【0011】
本実施形態に係る画像形成装置は、図1に示すように、色分解された画像データに基づくイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1乃至第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する)10Y、10M、10C、10Kは、水平方向に互いに所定距離離間して並設されている。なお、これら画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置本体に対して脱着可能なプロセスカートリッジであってもよい。
【0012】
各ユニット10Y、10M、10C、10Kの図面における上方には、各ユニットを通して中間転写体としての中間転写ベルト20が延設されている。中間転写ベルト20は、図における左から右方向に互いに離間して配置された駆動ローラ22及び中間転写ベルト20内面に接する支持ローラ24に巻回されて設けられ、第1ユニット10Yから第4ユニット10Kに向う方向に走行されるようになっている。尚、支持ローラ24は、図示しないバネ等により駆動ローラ22から離れる方向に付勢されており、両者に巻回された中間転写ベルト20に所定の張力が与えられている。また、中間転写ベルト20の潜像保持体側面には、駆動ローラ22と対向して中間転写体クリーニング装置30が備えられている。
また、各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収容されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーが供給可能である。
【0013】
上述した第1乃至第4ユニット10Y、10M、10C、10Kは、同等の構成を有しているため、ここでは中間転写ベルト走行方向の上流側に配設されたイエロー画像を形成する第1ユニット10Yについて代表して説明する。尚、第1ユニット10Yと同等の部分に、イエロー(Y)の代わりに、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を付した参照符号を付すことにより、第2乃至第4ユニット10M、10C、10Kの説明を省略する。
【0014】
第1ユニット10Yは、潜像保持体として作用する感光体1Yを有している。感光体1Yの周囲には、感光体1Yの表面を所定の電位に帯電させる帯電ローラ2Y、帯電された表面を色分解された画像信号に基づくレーザ光線3Yよって露光して静電潜像を形成する露光装置3、静電潜像に帯電したトナーを供給して静電潜像を現像する現像装置(現像手段)4Y、現像したトナー像を中間転写ベルト20上に転写する1次転写ローラ(1次転写手段)5Y、及び1次転写後に感光体1Yの表面に残存するトナーを除去する感光体クリーニング装置(クリーニング手段)6Yが順に配設されている。
尚、1次転写ローラ5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。更に、各1次転写ローラ5Y、5M、5C、5Kには、1次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各1次転写ローラに印加する転写バイアスを可変する。
【0015】
以下、第1ユニット10Yにおいてイエロー画像を形成する動作について説明する。
まず、画像形成に先立って、シーケンス(例えば、画像形成装置の始動シーケンス、M/C電源投入時の復帰シーケンス、又は待機状態からの復帰シーケンス)により、感光体1Yを回転駆動させ、クリーニング装置6Yのクリーニングブレードと感光体1Yの表面とを摺擦させる。これにより、感光体1Yの表面が削られ当該クリーニングブレード60Yに感光体1Yの磨耗粉44Yを堆積させる(図2参照)。この感光体1Yの磨耗粉44Yは、クリーニングブレード60Yの先端(感光体1Yとの接触領域)、より具体的には、クリーニングブレード60Yの先端と感光体1Yの表面との接触部(ブレードニップ最深部)に堆積される(図2参照)。
【0016】
次に、帯電ローラ2Yによって感光体1Yの表面が−600V以上−800V以下程度の電位に帯電される。
【0017】
感光体1Yは、導電性(20℃における体積抵抗率:1×10−6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂程度の抵抗)であるが、レーザ光線3Yが照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、感光体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー印字パターンの静電潜像が感光体1Yの表面に形成される。
【0018】
静電潜像とは、帯電によって感光体1Yの表面に形成される像であり、レーザ光線3Yによって、感光層の被照射部分の比抵抗が低下し、感光体1Yの表面の帯電した電荷が流れ、一方、レーザ光線3Yが照射されなかった部分の電荷が残留することによって形成される、いわゆるネガ潜像である。
このようにして感光体1Y上に形成された静電潜像は、感光体1Yの走行に従って所定の現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電潜像が、現像装置4Yによって可視像(現像像)化される。
【0019】
現像装置4Y内には、例えば、イエロー着色剤を含むイエロートナー(現像剤)が収容されている。イエロートナーは、現像装置4Yの内部で攪拌されることで摩擦帯電される。摩擦帯電したトナーは感光体1Y上に帯電した帯電荷と同極性(負極性)の電荷を有して現像剤ロール(現像剤保持体)上に保持される。そして、感光体1Yの表面が現像装置4Yを通過していくことにより、感光体1Y表面上の除電された潜像部に該トナーが静電的に付着し、潜像が現像される。結果、トナー像が形成される。
【0020】
感光体1Y上に残留した、トナー40Yは、クリーニング装置6Yで除去されて回収される。その際、クリーニング装置6Yにおけるクリーニングブレード60Yと感光体1Yとが接触する接触部(クリーニングブレードニップ部)では、予め感光体1Yの磨耗粉44Yが堆積しており、この磨耗粉44Yを利用してクリーニングが行われる(図2参照)。
【0021】
また、第2ユニット10M以降の1次転写ローラ5M、5C、5Kに印加される1次転写バイアスも、第1ユニットに準じて制御されている。
こうして、第1ユニット10Yにてイエローのトナー像の転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第4ユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー像が重ねられて多重転写される。
【0022】
第1乃至第4ユニットを通して4色のトナー像が多重転写された中間転写ベルト20は、中間転写ベルト20と中間転写ベルト20内面に接する支持ローラ24と中間転写ベルト20の像保持面側に配置された2次転写ローラ(2次転写手段)26とから構成された2次転写部へと至る。一方、記録紙(記録媒体)Pが供給機構を介して2次転写ローラ26と中間転写ベルト20とが圧接されている隙間に所定のタイミングで給紙され、所定の2次転写バイアスが2次転写ローラ26に印加される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と逆極性の(+)極性であり、中間転写ベルト20から記録紙Pに向う静電気力がトナー像に作用され、中間転写ベルト20上のトナー像が記録紙P上に転写される。尚、この際の2次転写バイアスは2次転写部の抵抗を検出する抵抗検出手段(図示せず)により検出された抵抗に応じて決定されるものであり、電圧制御されている。
【0023】
この後、記録紙Pは定着装置(定着手段)28へと送り込まれトナー像が加熱され、色重ねしたトナー像が溶融されて、記録紙P上へ定着される。カラー画像の定着が完了した記録紙Pは、排出部へ向けて搬出され、一連のカラー画像形成動作が終了される。一方、トナー像を転写した中間転写ベルト20の表面は、中間転写体クリーニング装置30によりクリーニングされる。
【0024】
上記構成・動作が行われる本実施形態に係る画像形成装置では、トナーとして、特定の小径の球形トナー(詳細は後述する)を適用する一方で、クリーニング装置のクリーニングブレードに堆積する感光体の磨耗粉量を0.1mg/cm以上1.0mg/cm以下と設定する。
【0025】
ここで、特定の小径球形トナーは、一般的にクリーニングブレードニップ(クリーニングブレードと感光体との接触部)での粒度偏析によりニップ(接触部)奥に入り込みやすく、次第にクリーングブレードを通過し、クリーニング不良が発生し易い。従来では、例えば、球形トナーを塞き止めるための塞き止め用粉体や、不定形トナーなどによってクリーニングダムを構成し、球形トナーのクリーニング性を改善していた。しかし、これらの方法では、例えば、画像履歴による軸方向のクリーニング性のばらつきや、装置の複雑化、コストアップ、また長期使用時におけるクリーニング性の確保が困難であるのが現状である。
【0026】
これに対し、本実施形態に係る画像形成装置では、上記クリーニング装置のクリーニングブレードに堆積する感光体(像保持体)の磨耗粉量を特定の範囲とすることで、クリーニングブレードと感光体とが接触する接触部(クリーニングブレードニップ部)では、感光体の磨耗粉が堆積され易くさせる。そして、この磨耗粉を利用してクリーニングが行われることで、特定の小径の球形トナーに対するクリーニング性が簡易に改善される、即ち、当該トナーがクリーニングブレードを通過(すり抜け)してしまうことが抑制され、良好にクリーニングがなされる。
【0027】
そして、感光体の磨耗粉が、その形状が円柱状もしくは薄片状であることに由来するものと考えられる。従来での塞き止め粉体やトナーダムなどは、形状が不定形のため小さな隙間が存在し、そこに小径の球形トナーが転がり込むことで、クリーニング不良を発生させていた。感光体の摩耗粉は、発生場所がブレードニップ最深部であること、形状が円柱状もしくは薄片状であるため小径の球形トナーをもらさず捕らえ、凝集体を形成しつつクリーニングされることで改善されると考えられる。
【0028】
上記如く、クリーニング装置のクリーニングブレードに堆積する感光体の磨耗粉量は、0.1mg/cm以上1.0mg/cm以下と設定することがよいが、望ましくは0.3mg/cm以上0.7mg/cm以下であり、さらに望ましくは0.5mg/cm以上0.6mg/cm以下である。磨耗粉量を上記範囲とすることで、上記如く、クリーニングブレードニップ部に感光体の磨耗粉が堆積され易くなり、クリーニング性が改善されると共に、感光体寿命の低減も抑制される。
【0029】
この感光体の磨耗粉量は、次の如く測定される。フロー式形状係数測定装置(FPIA3000シスメックス社製)において予め、トナーの平均円形度を測定しておき、次にブレードニップ部に堆積した摩耗分量を含む粉体の平均円形度を測定し、円形度0.95以下の粒子の割合を求め、その値から摩耗粉量を算出した。
【0030】
また、感光体の磨耗粉量の制御は、感光体の材料種(最表面層に位置する層の材料種)、クリーニングブレード素材、クリーングブレード設定パラメータ(例えば、ブレード圧接力、ブレード設定アングル(ブレードと感光体との接触角度)等)等を選択することで行われる。
【0031】
例えば、クリーニングブレードの素材としては、例えば、ポリウレタンゴム、シリコーンゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム等が固好適に挙げられる。
クリーングブレード設定パラメータは、ブレード圧接力が4g/mm以上12g/mm以下(望ましくは6g/mm以上10g/mm以上)、ブレード設定アングル(非圧接時の接触角度)が8°以上18°以下(望ましくは10°以上16°以下)とすることがよい。
【0032】
以下、本実施形態に係る画像形成装置に適用されるトナーについて詳細に説明する。
【0033】
トナーとしては、平均円形度0.97以上1以下、体積平均粒子径3μm以上7μm以下、数平均粒子径3μm以下のトナーの割合0質量%以上20質量%以下のトナー(特定の小径の球形トナー)が適用される。本トナーは、トナー中の高帯電化されるトナーが少なく、感光体に対する静電付着力が低減されると共に、高画質化が実現されるものである。
【0034】
トナーの平均円形度としては、0.97以上1以下であるが、望ましくは0.98以上1以下であり、より望ましくは0.99以上1以下である。
【0035】
この平均円形度の測定方法は、次の通りである。FPIA−3000(シスメックス社製)を使用し、撮影された少なくとも5000個以上各々のトナーに対して画像解析を行い、統計処理することによって、平均円形度を求めた。個々の円形度は下記式に基づいて求めた。
式: 円形度=円相当径周囲長/周囲長=[2×(A×π)1/2]/PM
(上記式において、Aはトナー(トナー粒子)の投影面積、PMはトナー(トナー粒子)の周囲長を表す。)
なお、測定はHPFモード(高分解能モード)、希釈倍率10倍で行った。また、データの解析に当たっては、測定ノイズ除去の目的で、個数粒径解析範囲を3μm以上80μm以下の範囲、円形度解析範囲を0.850乃至1.000の範囲で実施した。
【0036】
トナーの体積平均粒子径としては、3μm以上7μm以下であるが、望ましくは4μm以上6μm以下である。当該体積平均粒子径が上記範囲未満であると、トナーが高帯電化し過ぎて、感光体との静電的付着力が増加することがあり、当該体積平均粒子径が上記範囲を超えると、高画質化が損なわれることがある。
【0037】
ここで、体積平均粒子径は、以下の通り測定される。まず、粒度分布(体積粒度分布、個数粒度分布)の測定装置として、コールターカウンターTA−II又はコールターマルチサイザーII(コールター社製)を用いる。電解液は、1級塩化ナトリウムを用いて、1%NaCl水溶液を調製する。例えば、ISOTON−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)を用いる。測定方法としては、電解水溶液100ml以上150ml以下中に分散剤として、界面活性剤(望ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩)を、0.1ml以上5ml以下加え、さらに測定試料を2mg以上20mg以下加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で1分間以上3分間以下分散処理を行ない、測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー(トナー粒子)の体積又は個数を各チヤンネルごとに測定して、トナーの体積粒度分布又は個数粒度分布を算出する。また、上記測定はトナーを電解質水溶液(アイソトン水溶液)に分散させ、超音波により30秒以上分散させた後に行う。
【0038】
そして、測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積16%となる粒子径を体積平均粒子径D16v、数平均粒子径D16P、累積50%となる粒子径を体積平均粒子径D50v、数平均粒子径D50P、累積平均粒子径84%となる粒子径を体積平均粒子径D84v、数平均粒子径D84Pと定義する。そして、上記体積平均粒子径は、体積平均粒子径D50に相当する。また、体積平均粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16V1/2として算出される。
なお、チャンネルとしては、2.00μm以上2.52μm以下;2.52μm以上3.17μm以下;3.17μm以上4.00μm以下;4.00μm以上5.04μm以下;5.04μm以上6.35μm以下;6.35μm以上8.00μm以下;8.00μm以上10.08μm以下;10.08μm以上12.70μm以下;12.70μm以上16.00μm以下;16.00μm以上20.20μm以下;20.20μm以上25.40μm以下;25.40μm以上32.00μm以下;32.00μm以上40.30μm以下の13チャンネルを用いる。
【0039】
トナーの数平均粒子径3μm以下のトナーの割合は、0質量%以上20質量%であるが、望ましくは0質量%以上15質量%以下であり、より望ましくは0質量%以上10質量%以下である。上記特定の粒子径を持つトナーの割合を上記範囲を超えると、高帯電トナーの割合が増加することがある。
【0040】
ここで、上記測定される粒度分布を基にして、数平均粒子径3μm以下のトナーの割合は、以下の通り測定される。上記体積平均粒子径を測定する方法と同様の方法にて粒子径3μm以下の粒子の割合を求める
【0041】
上記特性のトナーは、例えば、特に製造方法により限定されるものではなく、例えば、結着樹脂と着色剤、離型剤、帯電制御剤等を混練、粉砕、分級する混練粉砕法;混練粉砕法にて得られた粒子を機械的衝撃力又は熱エネルギーにて形状を変化させる方法;結着樹脂の重合性単量体を乳化重合させ、形成された分散液と、着色剤、離型剤、帯電制御剤等の分散液とを混合し、凝集、加熱融着させ、トナーを得る乳化重合凝集法;結着樹脂を得るための重合性単量体と着色剤、離型剤、帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて重合する懸濁重合法;結着樹脂と着色剤、離型剤、帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて造粒する溶解懸濁法;等により製造される。
【0042】
また、上記方法で得られたトナーをコアにして、さらに被覆層を形成してコアシェル構造をもたせる製造方法など、公知の方法を使用してもよいが、形状制御、粒度分布制御の観点から水系溶媒にて製造する懸濁重合法、乳化重合凝集法、溶解懸濁法が好ましく、乳化重合凝集法が特に好ましい。
【0043】
そして、上記製法において、例えば、乳化重合凝集法を用いた場合、平均円形度については、例えば、溶液の温度とPHを制御したり、キレート剤を添加することで調整される。
体積平均粒子径については、例えば、凝集剤の量を制御することで調整される。
粒子径3μm以下のトナーの割合は、例えば、ラテックスの粒度分布をシャープ化することで調整される。
【0044】
トナーは、例えば、結着樹脂や着色剤などを含み、その他、離型剤、帯電制御剤等を含んで構成される。また、トナーは、上記各成分で構成されるトナー粒子と、その外部に外添された外添剤とで構成されていてもよい(所謂、外添トナー)。以下、各成分について説明する。
【0045】
結着樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;等の単独重合体及び共重合体を例示することができ、特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。さらに、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等が挙げられる。
【0046】
着色剤としては、マグネタイト、フェライト等の磁性粉、カーボンブラック、アニリンブルー、カルイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等を代表的なものとして例示される。
【0047】
着色剤の含有量としては、結着樹脂100質量部に対して1質量部以上30質量部以下の範囲が望ましい。また、表面処理された着色剤を使用したり、顔料分散剤を使用することも有効である。前記着色剤の種類を選択することにより、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナー等が得られる。
【0048】
離型剤としては、低分子ポリエチレン、低分子ポリプロピレン、フィッシャートロプシュワックス、モンタンワックス、カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等を代表的なものとして例示される。
さらに内添剤として、例えば、フェライト、マグネタイト、還元鉄、コバルト、ニッケル、マンガン等の金属、合金、又はこれら金属を含む化合物などの磁性体等が挙げられる。
【0049】
帯電制御剤としては、公知のものが使用されるが、アゾ系金属錯化合物、サリチル酸の金属錯化合物、極性基を含有するレジンタイプの帯電制御剤が挙げられる。上記トナーは、磁性材料を内包する磁性トナー、及び磁性材料を含有しない非磁性トナーのいずれであってもよい。
【0050】
外添剤としては、例えば、無機粒子が代表的に挙げられる。無機粒子としては、例えば、Si、Ti、Al、Mg、Ca、Sr、Ba、In、Ga、Ni、Mn、W、Fe、Co、Zn、Cr、Mo、Cu、Ag、V、Zr、Ceなどの酸化物や複合酸化物の粒子が挙げられ、特にシリカ、チタニア、アルミナ、ジルコニア、セリウムなどの粒子が好適である。また、これらの酸化物は、トナー粒子同士あるいはトナー粒子と感光体表面、帯電部材、クリーニングブレードなどの間に存在して接点での圧力を低下させる役割を果たすことから、潤滑材料を含んでいることが望ましい。潤滑材料として代表的なのがフッ素処理であり、フッ素含有無機粒子としては酸化セリウムのように原料鉱石(バネストサイト)を粉砕、湿式で処理、ろ過、焼成、解砕、分級し得られる。
【0051】
一方、トナーを含む現像剤は、トナー単独の一成分現像剤であってもよいし、トナーとキャリアとを含む二成分現像剤であってもよい。
【0052】
二成分現像剤に使用し得るキャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアを用いてもよい。例えば酸化鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物や、これら芯材表面に樹脂被覆層を有する樹脂コートキャリア、磁性分散型キャリア等が挙げられる。またマトリックス樹脂に導電材料などが分散された樹脂分散型キャリアであってもよい。
【0053】
キャリアに使用される被覆樹脂・マトリックス樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、オルガノシロキサン結合を含んで構成されるストレートシリコーン樹脂又はその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が例示されるが、これらに限定されるものではない。
【0054】
導電材料としては、金、銀、銅といった金属やカーボンブラック、更に酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、酸化スズ、等が例示されるが、これらに限定されるものではない。
【0055】
またキャリアの芯材としては、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物、ガラスビーズ等が挙げられるが、キャリアを磁気ブラシ法に用いるためには、磁性材料であることが望ましい。キャリアの芯材の体積平均粒径としては、一般的には10μm以上500μm以下の範囲にあり、望ましくは30μm以上100μm以下の範囲にある。
【0056】
またキャリアの芯材の表面に樹脂被覆するには、前記被覆樹脂、及び各種添加剤を適当な溶媒に溶解した被覆層形成用溶液により被覆する方法等が挙げられる。溶媒としては、特に限定されるものではなく、使用する被覆樹脂、塗布適性等を勘案して選択すればよい。
【0057】
具体的な樹脂被覆方法としては、キャリアの芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液をキャリアの芯材表面に噴霧するスプレー法、キャリアの芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。
また、キャリアの心材に粒子状のコート樹脂や添加物を混合・付着させたのちに、加熱処理や、高せん断処理を施すことで、コート膜を形成させることもよい。
【0058】
前記二成分現像剤におけるトナーとキャリアとの混合比(質量比)は、トナー:キャリア=1:100乃至30:100の範囲が望ましく、3:100乃至20:100の範囲がより望ましい。
【0059】
以下、本実施形態に係る画像形成装置に適用される感光体(像保持体)について詳細に説明する。
【0060】
感光体は、例えば、基材上と、導電性基体(例えば円筒状導電性基体)上に配設された感光層とで構成される。感光体は、上記感光体の磨耗粉量を上記範囲とするには、感光体所謂、架橋物で構成される保護層を最表面層として持たない感光体であることがよい。
【0061】
感光体は、具体的には、導電性基体上に単層型感光層が配設された形態、及び導電性基体上積層型感光層が配設された形態が挙げられる。当該導電性基体上積層型感光層が配設された形態として、具体的には、例えば、導電性基体上に積層型感光層として電荷発生層と電荷輸送層とが順次配設された形態が挙げられる。また、導電性基体と感光層との間には下引層を配設してもよい。
【0062】
ここで、感光体の最表面層に位置する層の膜厚としては、以下とすることが感光体の磨耗粉量を上記範囲とすると共に感光体寿命と画像形成能を確保との両立の点から好適である。
1)感光体の最表面層が単層型感光層の場合、当該単層型感光層の厚み:10μm以上40μm以下、望ましくは20μm以上35μm以下、より望ましくは25μm以上30μm以下
2)感光体の最表面層が電荷輸送層(積層型感光層)の場合、当該電荷輸送層の厚み:5μm以上30μm以下、望ましくは10μm以上25μm以下、より望ましくは15μm以上20μm以下
【0063】
以下、各層について説明する。
まず、導電性基体について説明する。導電性基体としては、例えば、アルミニウム、銅、亜鉛、ステンレス、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等の金属又は合金を用いて構成される金属板、金属ドラム、及び金属ベルト、又は、導電性ポリマー、酸化インジウム等の導電性化合物やアルミニウム、パラジウム、金等の金属又は合金を塗布、蒸着又はラミネートした紙、プラスチックフィルム、ベルト等が挙げられる。ここで、「導電性」とは体積抵抗率が1013Ωcm未満であることをいう。
【0064】
電子写真感光体がレーザープリンターに使用される場合、レーザー光を照射する際に生じる干渉縞を防止するために、導電性基体の表面は、中心線平均粗さRaで0.04μm以上0.5μm以下に粗面化することが望ましい。Raが0.04μm未満であると、鏡面に近くなるので干渉防止効果が不十分となる傾向があり、Raが0.5μmを越えると、被膜を形成しても画質が粗くなる傾向がある。なお、非干渉光を光源に用いる場合には、干渉縞防止の粗面化は特に必要なく、導電性基体表面の凹凸による欠陥の発生が防げるため、より長寿命化に適する。
【0065】
粗面化の方法としては、研磨剤を水に懸濁させて支持体に吹き付けることによって行う湿式ホーニング、又は回転する砥石に支持体を圧接し、連続的に研削加工を行うセンタレス研削、陽極酸化処理等が望ましい。
【0066】
また、他の粗面化の方法としては、導電性基体表面を粗面化することなく、導電性又は半導電性粉体を樹脂中に分散させて、支持体表面上に層を形成し、その層中に分散させる粒子により粗面化する方法も望ましく用いられる。
【0067】
ここで、陽極酸化による粗面化処理は、アルミニウムを陽極とし電解質溶液中で陽極酸化することによりアルミニウム表面に酸化膜を形成するものである。電解質溶液としては、硫酸溶液、シュウ酸溶液等が挙げられる。しかし、陽極酸化により形成された多孔質陽極酸化膜は、そのままの状態では化学的に活性であり、汚染され易く、環境による抵抗変動も大きい。そこで、陽極酸化膜の微細孔を加圧水蒸気又は沸騰水中(ニッケル等の金属塩を加えてもよい)で水和反応による体積膨張でふさぎ、より安定な水和酸化物に変える封孔処理を行うことが望ましい。
【0068】
陽極酸化膜の膜厚については、0.3μm以上15μm以下が望ましい。この膜厚が0.3μm未満であると、注入に対するバリア性が乏しく効果が不十分となる傾向がある。他方、15μmを超えると、繰り返し使用による残留電位の上昇を招く傾向にある。
【0069】
また、導電性基体には、酸性水溶液による処理又はベーマイト処理を施してもよい。リン酸、クロム酸及びフッ酸を含む酸性処理液による処理は以下のようにして実施される。先ず、酸性処理液を調整する。酸性処理液におけるリン酸、クロム酸及びフッ酸の配合割合は、リン酸が10質量%以上11質量%以下の範囲、クロム酸が3質量%以上5質量%以下の範囲、フッ酸が0.5質量%以上2質量%以下の範囲であって、これらの酸全体の濃度は13.5質量%以上18質量%以下の範囲が望ましい。処理温度は42℃以上48℃以下が望ましいが、処理温度を高く保つことにより、当該処理温度の範囲よりも低い場合に比べ一層速く、かつ厚い被膜が形成される。被膜の膜厚は、0.3μm以上15μm以下が望ましい。0.3μm未満であると、注入に対するバリア性が乏しく効果が不十分となる傾向がある。他方、15μmを超えると、繰り返し使用による残留電位の上昇を招く傾向がある。
【0070】
ベーマイト処理は、90℃以上100℃以下の純水中に5分間以上60分間以下浸漬すること、又は90℃以上120℃以下の加熱水蒸気に5分間以上60分間以下接触させることにより行われる。被膜の膜厚は、0.1μm以上5μm以下が望ましい。これをさらにアジピン酸、硼酸、硼酸塩、燐酸塩、フタル酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩等の他種に比べ被膜溶解性の低い電解質溶液を用いて陽極酸化処理してもよい。
【0071】
次に、下引層について説明する。下引層は、例えば、結着樹脂に無機粒子を含有して構成される。
【0072】
無機粒子としては、粉体抵抗(体積抵抗率)102Ω・cm以上1011Ω・cm以下のものが望ましく用いられる。これは下引層はリーク耐性、キャリアブロック性獲得のために適切な抵抗を得ることが必要でるためである。なお、上記範囲の下限よりも無機粒子の抵抗値が低いと十分なリーク耐性が得られず、この範囲の上限よりも高いと残留電位上昇を引き起こしてしまう懸念がある。
【0073】
中でも上記抵抗値を有する無機粒子としては、酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム等の無機粒子(導電性金属酸化物)を用いるのが望ましく、特に酸化亜鉛は望ましく用いられる。
【0074】
また、無機粒子は表面処理を行ったものでもよく、表面処理の異なるもの、又は、粒子径の異なるものなど2種以上混合して用いてもよい。無機粒子の体積平均粒径は50nm以上2000nm以下(望ましくは60以上1000以下)の範囲であることが望ましい。
【0075】
また、無機粒子としては、BET法による比表面積が10m2/g以上のものが望ましく用いられる。比表面積値が10m2/g未満のものは帯電性低下を招きやすく、良好な電子写真特性を得にくい傾向がある。
【0076】
さらに無機粒子とアクセプター性化合物を含有させることで電気特性の長期安定性、キャリアブロック性に優れたものが得られる。アクセプター性化合物としては所望の特性が得られるものならばいかなるものでも使用可能であるが、クロラニル、ブロモアニル等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物、2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールや2,5−ビス(4−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物、キサントン系化合物、チオフェン化合物、3,3’,5,5’テトラ−t−ブチルジフェノキノン等のジフェノキノン化合物等の電子輸送性物質などが望ましく、特にアントラキノン構造を有する化合物が望ましい。さらに、ヒドロキシアントラキノン系化合物、アミノアントラキノン系化合物、アミノヒドロキシアントラキノン系化合物等、アントラキノン構造を有するアクセプター性化合物が望ましく用いられ、具体的にはアントラキノン、アリザリン、キニザリン、アントラルフィン、プルプリン等が挙げられる。
【0077】
これらのアクセプター性化合物の含有量は所望の特性が得られる範囲であれば任意に設定してもよいが、望ましくは無機粒子に対して0.01質量%以上20質量%以下含有される。さらに電荷蓄積防止と無機粒子の凝集を防止する観点から0.05質量%以上10質量%以下が望ましい。無機粒子の凝集は、導電路形成にバラツキが生じやすくなり、繰り返し使用時に残留電位の上昇など維持性の悪化を招きやすくなるだけでなく、黒点などの画質欠陥も引き起こしやすくなる。
【0078】
アクセプター化合物は、下引層の塗布時に添加するだけでも良いし、無機粒子表面にあらかじめ付着させておいてもよい。無機粒子表面にアクセプター化合物を付与させる方法としては、乾式法、又は、湿式法が挙げられる。
【0079】
乾式法にて表面処理を施す場合には無機粒子をせん断力の大きなミキサ等で攪拌しながら、直接又は有機溶媒に溶解させたアクセプター化合物を滴下、乾燥空気や窒素ガスとともに噴霧させることによってバラツキが生じることなく処理される。添加又は噴霧する際には溶剤の沸点以下の温度で行われることが望ましい。溶剤の沸点以上の温度で噴霧すると、バラツキが生じることなく攪拌される前に溶剤が蒸発し、アクセプター化合物が局部的にかたまってしまいバラツキのない処理ができにくい欠点があり、望ましくない。添加又は噴霧した後、さらに100℃以上で焼き付けを行ってもよい。焼き付けは所望の電子写真特性が得られる温度、時間であれば任意の範囲で実施される。
【0080】
湿式法としては、無機粒子を溶剤中で攪拌、超音波、サンドミルやアトライター、ボールミル等を用いて分散し、アクセプター化合物を添加し攪拌又は分散したのち、溶剤除去することでバラツキが生じることなく処理される。溶剤除去方法はろ過又は蒸留により留去される。溶剤除去後にはさらに100℃以上で焼き付けを行ってもよい。焼き付けは所望の電子写真特性が得られる温度、時間であれば任意の範囲で実施される。湿式法においては表面処理剤を添加する前に無機粒子含有水分を除去することもでき、その例として表面処理に用いる溶剤中で攪拌加熱しながら除去する方法、溶剤と共沸させて除去する方法を用いてもよい。
【0081】
また、無機粒子はアクセプター化合物を付与する前に表面処理を施してもよい。表面処理剤としては所望の特性が得られるものであればよく、公知の材料から選択される。例えば、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、界面活性材等が挙げられる。特に、シランカップリング剤は良好な電子写真特性を与えるため望ましく用いられる。さらにアミノ基を有するシランカップリング剤は下引層に良好なブロッキング性を与えるため望ましく用いられる。
【0082】
アミノ基を有するシランカップリング剤としては所望の電子写真感光体特性を得られるものであればいかなる物でも用いてもよいが、具体的例としてはγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0083】
また、シランカップリング剤は2種以上混合して使用してもよい。前記アミノ基を有するシランカップリング剤と併用して用いてもよいシランカップリング剤の例としてはビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロルプロピルトリメトキシシラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0084】
表面処理方法は公知の方法であればいかなる方法でも使用可能であるが、乾式法又は湿式法を用いることがよい。また、アクセプター付与とカップリング剤等による表面処理を同時に行ってもよい。
【0085】
下引層中の無機粒子に対するシランカップリング剤の量は所望の電子写真特性が得られる量であれば任意に設定されるが分散性向上の観点から、無機粒子に対して0.5質量%以上10質量%以下が望ましい。
【0086】
下引層に含有される結着樹脂としては、良好な膜が形成されるもので、かつ所望の特性が得られるものであれば公知のいかなるものでも使用可能であるが、例えばポリビニルブチラール等のアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂等の公知の高分子樹脂化合物、また電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂やポリアニリン等の導電性樹脂等を用いられる。中でも上層の塗布溶剤に不溶な樹脂が望ましく用いられ、特にフェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等が望ましく用いられる。これらを2種以上組み合わせて使用する場合には、その混合割合は、必要に応じて設定される。
【0087】
下引層形成用塗布液中のアクセプター性を付与した金属酸化物とバインダー樹脂、又は無機粒子とバインダー樹脂との比率は所望する電子写真感光体特性を得られる範囲で任意に設定される。
【0088】
下引層中には電気特性向上、環境安定性向上、画質向上のために種々の添加物を用いてもよい。添加物としては、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料を用いられる。シランカップリング剤は金属酸化物の表面処理に用いられるが、添加剤としてさらに塗布液に添加して用いてもよい。ここで用いられるシランカップリング剤の具体例としてはビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロルプロピルトリメトキシシラン等である。ジルコニウムキレート化合物の例として、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセト酢酸エチル、ジルコニウムトリエタノールアミン、アセチルアセトネートジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチルジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムオキサレート、ジルコニウムラクテート、ジルコニウムホスホネート、オクタン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、イソステアリン酸ジルコニウム、メタクリレートジルコニウムブトキシド、ステアレートジルコニウムブトキシド、イソステアレートジルコニウムブトキシド等が挙げられる。
【0089】
チタニウムキレート化合物の例としてはテトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレート等が挙げられる。
【0090】
アルミニウムキレート化合物の例としてはアルミニウムイソプロピレート、モノブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムブチレート、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)等が挙げられる。
【0091】
これらの化合物は単独に若しくは複数の化合物の混合物又は重縮合物として用いてもよい。
【0092】
下引層形成用塗布液を調整するための溶媒としては公知の有機溶剤、例えばアルコール系、芳香族系、ハロゲン化炭化水素系、ケトン系、ケトンアルコール系、エーテル系、エステル系等から任意で選択される。溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤を用いられる。
【0093】
また、これらの分散に用いる溶剤は単独又は2種以上混合して用いてもよい。混合する際、使用される溶剤としては、混合溶剤としてバインダー樹脂を溶かし得る溶剤であれば、いかなるものでも使用される。
【0094】
分散方法としては、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、コロイドミル、ペイントシェーカーなどの公知の方法を用いられる。さらにこの下引層を設けるときに用いる塗布方法としては、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法を用いられる。
【0095】
このようにして得られた下引層形成用塗布液を用い、導電性基体上に下引層が成膜される。
【0096】
また、下引層は、ビッカース硬度が35以上とされていることが望ましい。
さらに、下引層は、所望の特性が得られるのであれば、いかなる厚さに設定されるが、厚さが15μm以上が望ましく、さらに望ましくは15μm以上50μm以下とされていることが望ましい。
【0097】
下引層の厚さが15μm未満であるときには、充分な耐リーク性能を得ることができず、また50μm以上であるときには長期使用した場合に残留電位が残りやすくなるため画像濃度異常を招きやすい欠点がある。
【0098】
また、下引層の表面粗さ(十点平均粗さ)はモアレ像防止のために、使用される露光用レーザー波長λの1/4n(nは上層の屈折率)から1/2λまでに調整される。表面粗さ調整のために下引層中に樹脂などの粒子を添加してもよい。樹脂粒子としてはシリコーン樹脂粒子、架橋型ポリメタクリル酸メチル樹脂粒子等を用いられる。
【0099】
また、表面粗さ調整のために下引層を研磨してもよい。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、湿式ホーニング、研削処理等を用いられる。
【0100】
塗布したものを乾燥させて下引層を得るが、通常、乾燥は溶剤を蒸発させ、製膜可能な温度で行われる。
【0101】
次に、電荷発生層について説明する。電荷発生層は、例えば電荷発生材料及び結着樹脂を含有する層である。
【0102】
電荷発生材料としては、ビスアゾ、トリスアゾ等のアゾ顔料、ジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料、ペリレン顔料、ピロロピロール顔料、フタロシアニン顔料、酸化亜鉛、三方晶系セレン等が挙げられる。これらの中でも、近赤外域のレーザー露光に対しては、金属及又は無金属フタロシアニン顔料が望ましく、特に、特開平5−263007号公報、特開平5−279591号公報等に開示されたヒドロキシガリウムフタロシアニン、特開平5−98181号公報等に開示されたクロロガリウムフタロシアニン、特開平5−140472号公報、特開平5−140473号公報等に開示されたジクロロスズフタロシアニン、特開平4−189873号公報、特開平5−43823号公報等に開示されたチタニルフタロシアニンがより望ましい。また、近紫外域のレーザー露光に対してはジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料、チオインジゴ系顔料、ポルフィラジン化合物、酸化亜鉛、三方晶系セレン等がより望ましい。電荷発生材料としては、380nm以上500nmの露光波長の光源を用いる場合には無機顔料が望ましく、700nm以下800nmの露光波長の光源を用いる場合には、金属及び無金属フタロシアニン顔料が望ましい。
【0103】
電荷発生材料としては、600nm以上900nm以下の波長域での分光吸収スペクトルにおいて、810nm以上839nm以下の範囲に最大ピーク波長を有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を用いることが望ましい。このヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、従来のV型ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料とは異なるものであり、より優れた分散性が得られるため望ましい。このように、分光吸収スペクトルの最大ピーク波長を従来のV型ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料よりも短波長側にシフトさせることにより、顔料粒子の結晶配列が好適に制御された微細なヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料となり、電子写真感光体の材料として用いた場合に、優れた分散性と、十分な感度、帯電性及び暗減衰特性とが得られる。
【0104】
また、上記の810nm以上839nm以下の範囲に最大ピーク波長を有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、平均粒径が特定の範囲であり、且つ、BET比表面積が特定の範囲であることが望ましい。具体的には、平均粒径が0.20μm以下であることが望ましく、0.01μm以上0.15μm以下であることがより望ましく、一方、BET比表面積が45m/g以上であることが望ましく、50m/g以上であることがより望ましく、55m/g以上120m/g以下であることが特に望ましい。平均粒径は、体積平均粒径(d50平均粒径)でレーザ回折散乱式粒度分布測定装置(LA−700、堀場製作所社製)にて測定した値である。また、BET式比表面積測定器(島津製作所製:フローソープII2300)を用い窒素置換法にて測定した値である。
【0105】
平均粒径が0.20μmより大きい場合、又は比表面積値が45m/g未満である場合は、顔料粒子が粗大化しているか、又は顔料粒子の凝集体が形成されており、電子写真感光体の材料として用いた場合の分散性や、感度、帯電性及び暗減衰特性といった特性に欠陥が生じやすい傾向にあり、それにより画質欠陥を生じやすい傾向にある。
【0106】
また、上記ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の最大粒径(一次粒子径の最大値)は、1.2μm以下であることが望ましく、1.0μm以下であることがより望ましく、より望ましくは0.3μm以下である。かかる最大粒径が上記範囲を超えると、微小黒点が発生しやすい傾向にある。
【0107】
更に、感光体が蛍光灯などに暴露されたことに起因する濃度ムラをより確実に抑制する観点から、上記ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、平均粒径が0.2μm以下、最大粒径が1.2μm以下であり、且つ、比表面積値が45m/g以上であることが望ましい。
【0108】
また、上記のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、CuKα特性X線を用いたX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角度(2θ±0.2°)7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°及び28.3°に回折ピークを有するものであることが望ましい。
【0109】
電荷発生層に使用される結着樹脂としては、広範な絶縁性樹脂から選択され、また、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン、ポリシラン等の有機光導電性ポリマーから選択してもよい。望ましい結着樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノール類と芳香族2価カルボン酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等が挙げられる。これらの結着樹脂は1種を単独で又は2種以上を混合して用いられる。電荷発生材料と結着樹脂の配合比は質量比で10:1から1:10までの範囲内であることが望ましい。ここで、「絶縁性」とは、ここで、「絶縁性」とは体積抵抗率が1013Ωcm以上であることをいう。
【0110】
電荷発生層は、上記電荷発生材料及び結着樹脂を所定の溶剤中に分散した塗布液を用いて形成される。
【0111】
分散に用いる溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等が挙げられ、これらは1種を単独で又は2種以上を混合して用いられる。
【0112】
また、電荷発生材料及び結着樹脂を溶剤中に分散させる方法としては、ボールミル分散法、アトライター分散法、サンドミル分散法等の通常の方法を用いられる。これらの分散方法により、分散による電荷発生材料の結晶型の変化が防止される。さらにこの分散の際、電荷発生材料の平均粒径を0.5μm以下、望ましくは0.3μm以下、さらに望ましくは0.15μm以下にすることが有効である。
【0113】
また、電荷発生層を形成する際には、ブレード塗布法、マイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法を用いられる。
【0114】
このようにして得られる電荷発生層の膜厚は、望ましくは0.1μm以上5.0μm以下、さらに望ましくは0.2μm以上2.0μm以下である。
【0115】
次に、電荷輸送層について説明する。電荷輸送層は、電荷輸送材料と結着樹脂を含有して、又は高分子電荷輸送材を含有して形成される。
【0116】
電荷輸送材料としては、p−ベンゾキノン、クロラニル、ブロマニル、アントラキノン等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン等のフルオレノン化合物、キサントン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノビニル系化合物、エチレン系化合物等の電子輸送性化合物、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物などの正孔輸送性化合物があげられる。これらの電荷輸送材料は1種を単独で又は2種以上を混合して用いられるが、これらに限定されるものではない。
【0117】
電荷輸送材料としては電荷移動度の観点から、下記構造式(a−1)で示されるトリアリールアミン誘導体、及び下記構造式(a−2)で示されるベンジジン誘導体が望ましい。
【0118】
【化1】



【0119】
(構造式(a−1)中、Rは、水素原子又はメチル基を示す。nは1又は2を示す。Ar及びArは各々独立に置換若しくは未置換のアリール基、−C−C(R)=C(R10)(R11)、又は−C−CH=CH−CH=C(R12)(R13)を示し、R乃至R13はそれぞれ独立に水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基、又は置換若しくは未置換のアリール基を表す。置換基としてはハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、又は炭素数1以上3以下のアルキル基で置換された置換アミノ基を示す。)
【0120】
【化2】



【0121】
(構造式(a−2)中、R14及びR14’は同一でも異なってもよく、各々独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、を示す。R15、R15’、R16、及びR16’は同一でも異なってもよく、各々独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、炭素数1以上2以下のアルキル基で置換されたアミノ基、置換若しくは未置換のアリール基、−C(R17)=C(R18)(R19)、又は−CH=CH−CH=C(R20)(R21)を示し、R17乃至R21は各々独立に水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基、又は置換若しくは未置換のアリール基を表す。m及びnは各々独立に0以上2以下の整数を示す。)
【0122】
ここで、上記構造式(a−1)で示されるトリアリールアミン誘導体、及び上記構造式(a−2)で示されるベンジジン誘導体のうち、特に、上記構造式(a−1)で示されるトリアリールアミン誘導体が好適である。
【0123】
電荷輸送層に用いる結着樹脂は、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーンアルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等が挙げられる。また、上述のように、特開平8−176293号公報、特開平8−208820号公報に開示されているポリエステル系高分子電荷輸送材等高分子電荷輸送材を用いてもよい。これらの結着樹脂は1種を単独で又は2種以上を混合して用いられる。電荷輸送材料と結着樹脂との配合比は質量比で10:1から1:5までが望ましい。
【0124】
特に、結着樹脂としては、特に限定しないが、粘度平均分子量50000以上80000以下のポリカーボネート樹脂、及び粘度平均分子量50000以上80000以下のポリアリレート樹脂の少なくとも1種が良好な成膜が得やすいことから望ましい。
【0125】
また、電荷輸送材料として高分子電荷輸送材を用いてもよい。高分子電荷輸送材としては、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシランなどの電荷輸送性を有する公知のものを用いられる。特に、特開平8−176293号公報、特開平8−208820号公報等に開示されているポリエステル系高分子電荷輸送材は、他種に比べ高い電荷輸送性を有しており、特に望ましいものである。高分子電荷輸送材はそれだけでも成膜可能であるが、後述する結着樹脂と混合して成膜してもよい。
【0126】
電荷輸送層は、上記構成材料を含有する電荷輸送層形成用塗布液を用いて形成される。電荷輸送層形成用塗布液に用いる溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベンゼン等の芳香族炭化水素類、アセトン、2−ブタノン等のケトン類、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロンゲン化脂肪族炭化水素類、テトラヒドロフラン、エチルエーテル等の環状もしくは直鎖状のエーテル類等の通常の有機溶剤を単独又は2種以上混合して用いられる。また、上記各構成材料の分散方法としては、公知の方法が使用される。
【0127】
電荷輸送層形成用塗布液を電荷発生層の上に塗布する際の塗布方法としては、ブレード塗布法、マイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。
【0128】
次に、単層型感光層について説明する。単層型感光層は、例えば、例えば、電荷発生材料と電荷輸送材料と結着樹脂を含有して、又は電荷発生材料と高分子電荷輸送材を含有して形成される。これら各材料は、上記各層で説明したものと同様なものが用いられる。
【0129】
ここで、本実施形態に係る画像形成装置では、上記画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置本体に対して脱着可能なプロセスカートリッジであってもよいが、その具体的形態としては、例えば、図3に示すように、感光体107の外周表面において、図における時計回り方向に帯電ローラ108、現像装置111、感光体クリーニング装置(クリーニング手段)113を有しており、また帯電ローラ108の下流側(感光体107の駆動方向下流側)であって現像装置111の上流側の感光体107表面に露光を行うための開口部118と、感光体クリーニング装置113の下流側であって帯電ローラ108の上流側の感光体107表面に除電露光を行うための開口部117と、を取り付けレール116を用いて組み合わせ、一体化したプロセスカートリッジ200が挙げられる。このプロセスカートリッジ200は、転写装置112と、定着装置115と、図示しない他の構成部分とから構成される画像形成装置本体に対して着脱自在としたものであり、画像形成装置本体とともに画像形成装置を構成するものである。なお、符号300は記録媒体(記録紙)である。
【0130】
プロセスカートリッジ200では、帯電装置108、現像装置111、クリーニング装置(クリーニング手段)113、露光のための開口部118、及び除電露光のための開口部117を備えているが、これら装置は選択的に組み合わせることが可能である。即ち、感光体107のほかには、帯電装置108、現像装置111、クリーニング装置(クリーニング手段)113、露光のための開口部118、及び除電露光のための開口部117から構成される群から選択される少なくとも1種を備える。プロセスカートリッジ200には図示しないトナーカートリッジや、トナーカートリッジから現像装置111へ補給トナーを搬送する、トナー搬送装置を備えていても構わない。
【実施例】
【0131】
以下、実施例及び比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下において特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を表す。
【0132】
[実施例1]
画像形成装置(Docu Centre Colorf450)に対して、以下に示すクリーニングブレード、現像剤、感光体に変更し、評価を行った。
【0133】
(クリーニングブレード)
ブレード素材:ポリウレタン
ブレード圧接力(ニップフォース:NF):8g/mm
ブレード設定アングル(非圧接時の接触角度:BSA[ブレードセティングアングル])14°
【0134】
(現像剤)
―樹脂粒子分散液の調整―
・スチレン 308質量部
・n−ブチルアクリレート 100質量部
・アクリル酸 4質量部
・ドデカンチオール 6質量部
・プロパンジオールアクリレート 1.5質量部
【0135】
上記の成分を混合溶解し、他方、アニオン性界面活性剤ダウファックス(ダウケミカル(株)製)4質量部をイオン交換水550質量部に溶解したものをフラスコ中に収容し、上記の混合溶液を添加して分散し乳化して、10分間ゆっくりと攪拌・混合しながら、過硫酸アンモニウム6質量部を溶解したイオン交換水溶液50質量部を投入した。
次いで、系内を窒素で置換した後、フラスコを攪拌しながらオイルバスで加熱し、乳化重合を行った。
これにより、樹脂粒子の中心粒径(体積平均粒径)178nm、ガラス転移温度52℃、重量平均分子量Mw32000の樹脂粒子分散液を得た。
【0136】
―着色剤粒子分散液の調整―
・マゼンダ顔料(C.I.ピグメント・レッド57) 40質量部
・アニオン性界面活性剤(ネオゲンSC、第一工業製薬社製) 5質量部
・イオン交換水 200質量部
【0137】
上記成分を混合溶解し、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックス)と超音波照射により分散して、着色剤粒子の中心粒径(体積平均粒径)167nmの着色剤粒子分散液を得た。
【0138】
―離型剤粒子分散液の調整―
・ポリエチレンワックス(炭化水素系ワックス、融点88℃) 50質量部
・アニオン性界面活性剤
(ネオゲンSC、第一工業製薬社製 固形分65%) 2.3質量部
・イオン交換水 200質量部
【0139】
上記組成物を95℃に加熱して、IKA社製ウルトラタラックスT50で分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、離型剤粒子の中心粒径(体積平均粒径)270nmの離型剤粒子分散液を得た。
【0140】
−トナー粒子の作製−
・樹脂粒子分散液 187質量部
・着色剤粒子分散液 42.7質量部
・離型剤粒子分散液 60.0質量部
・ポリ塩化アルミニウム(10%水溶液) 2.6質量部
・イオン交換水 375質量部
【0141】
上記の成分を丸型ステンレス製フラスコ中でIKA社製のウルトラタラックスT50を用い混合・分散した後、加熱用オイルバスでフラスコを攪拌しながら52℃まで加熱した。52℃(初期加熱温度)で保持した後、ここにさらに樹脂粒子分散液を緩やかに92質量部追加した。
【0142】
その後、濃度0.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を用いて系内のpHを6.5に調整した後、ステンレス製フラスコを密閉し、攪拌軸のシールを磁力シールして攪拌を継続しながら97℃まで加熱した。反応終了後、冷却し、濾過、イオン交換水で洗浄した後、ヌッチェ式吸引濾過により固液分離を行った。これをさらに40℃のイオン交換水3Lを用いて再分散し、15分間300rpmで攪拌・洗浄した。この洗浄操作をさらに5回繰り返し、ヌッチェ式吸引濾過によりNo.5Aろ紙を用いて固液分離を行った。次いで真空乾燥を12時間継続してトナー粒子を得た。
【0143】
得られたトナー粒子は、平均円形度が0.97、体積平均粒径が5.0μm、数平均粒子径3μm以下のトナーの割合が0質量%であった。
【0144】
−外添トナーの作製−
上記のトナー粒子50質量部に対し、疎水性シリカ(キャボット社製、TS720)1.6質量部を添加し、サンプルミルで混合して外添トナーを得た。
【0145】
−現像剤の作製−
ポリメチルメタアクリレート(綜研化学社製:重量平均分子量:60000)を1%被覆した体積平均粒径50μmのフェライトキャリアを用い、トナー濃度が5%になるように得られた外添トナーを秤量し、両者をボールミルで5分間攪拌・混合して現像剤を得た。
【0146】
(感光体)
まず、導電性支持体として、円筒状のアルミニウム基材を準備した。
次に、酸化亜鉛(SMZ−017N、テイカ製)100質量部をトルエン500質量部と攪拌混合し、シランカップリング剤(A1100:日本ユニカー社製)2質量部を添加し、5時間攪拌した。その後トルエンを減圧蒸留にて留去し、120℃で2時間焼き付けを行った。得られた表面処理酸化亜鉛を蛍光X線により分析した結果、Si元素強度の亜鉛元素強度に対する比は1.8×10−4であった。
【0147】
表面処理を施した酸化亜鉛35質量部を、硬化剤(ブロック化イソシアネート スミジュール3175、住友バイエルンウレタン社製)15質量部、ブチラール樹脂(BM−1、積水化学社製)6質量部及びメチルエチルケトン44質量部と混合し、直径1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて2時間の分散処理を行い分散液を得た。得られた分散液に触媒としてジオクチルスズジラウレート0.005質量部、シリコーン粒子(トスパール130、GE東芝シリコン社製)17質量部を添加し、下引層塗布用液を得た。この塗布液を浸漬塗布法にてAl基材上に塗布し、160℃、100分の乾燥硬化を行い厚さ20μmの下引層を得た。下引層の表面粗さを、東京精密社製表面粗さ形状測定器サーフコム570Aを使用し、測定距離2.5mm、走査速度0.3mm/secで測定したところ、十点平均粗さ(Rz)は0.24μmであった。
【0148】
次いで、X線回折スペクトルにおけるブラッグ角(2θ±0.2°)が7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°、28.3°に強い回折ピークを持つヒドロキシガリウムフタロシアニンの1質量部をポリビニルブチラール(エスレックBM−S、積水化学)1質量部及び酢酸n−ブチル100質量部と混合し、ガラスビーズとともにペイントシェーカーで1時間分散処理して電荷発生層形成用塗布液を得た。この塗布液を上記の下引層上に浸漬塗布し、100℃で10分間加熱乾燥して膜厚0.15μmの電荷発生層を形成した。
【0149】
次に、下記式(CT−1)で表わされるベンジジン化合物2質量部、及び、下記式(B−1)で表わされる構造単位を有する高分子化合物(粘度平均分子量80,000)2.5質量部をクロロベンゼン35質量部に溶解させ、電荷輸送層形成用塗布液を得た。
【0150】
【化3】

【0151】
得られた塗布液を、上記電荷発生層上に浸漬塗布法で塗布し、120℃で40分間加熱乾燥し、膜厚23μmの電荷輸送層を形成した。
【0152】
[実施例2乃至9、比較例1乃至6]
表1に従って、各値を変更した以外は実施例1と同様にして、評価を行った。
なお、トナーの各値は、上記作製方法において、例えば温度、PH、キレート剤、凝集剤を変えることで調整した。
また、磨耗粉量は、クリーニングブレードの素材、圧接力及びブレード設定アングルを変えることで調整した。
【0153】
[評価]
−クリーニング評価−
まず、予め感光体を回転駆動させ、摩耗粉をクリーングブレードニップ部に堆積(量は表に記載)させた後、その後、転写電流を切った状態で画像密度100%のA3サイズ画像を30枚連続流し、ブレードの下流側に発生するクリーニング不良を官能評価した。評価基準は以下の通りである。
○:クリーニング不良が発生しない。
△:クリーニング不良が僅かに発生。
×:クリーニング不良が明瞭に発生。
【0154】
−画質評価−
まず、予め感光体のを回転駆動させ、摩耗粉をクリーングブレードニップ部に堆積(量は表に記載)させた後、50万枚のプリントテストを行い、50万枚後の画質を官能評価で判定した。基準は以下に順ずる。△までが許容範囲。
○:画質維持性が良い
△:やや画質が劣化
×:画質劣化が著しい
【0155】
−感光体寿命評価−
画質評価と同様に、プリントテストを行った後の感光体を、レーザーフォーカス顕微鏡(キーエンス斜線)で摩耗状態を調べて、感光体寿命を評価した。
【0156】
【表1】

【0157】
以上の結果から、本実施例は、比較例に比べ、クリーニング性、画質、感光体寿命について優れた結果が得られることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【0158】
【図1】本実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。
【図2】本実施形態に係る画像形成装置の作用を説明するための模式図である。
【図3】本実施形態に係るプロセスカートリッジを示す概略構成図である。
【符号の説明】
【0159】
1Y、1M、1C、1K、107 感光体(像保持体)
2Y、2M、2C、2K、108 帯電ローラ
3Y、3M、3C、3K レーザ光線
3 露光装置
4Y、4M、4C、4K、111 現像装置(現像手段)
5Y、5M、5C、5K 1次転写ローラ
6Y、6M、6C、6K、113 クリーニング装置(クリーニング手段)
8Y、8M、8C、8K トナーカートリッジ
10Y、10M、10C、10K ユニット
20 中間転写ベルト
22 駆動ローラ
24 支持ローラ
26 2次転写ローラ(転写手段)
28、115 定着装置(定着手段)
30 中間転写体クリーニング装置
40Y イエローのトナー(トナー粒子)
44Y 感光体の磨耗粉
60Y クリーングブレード
112 転写装置
116 取り付けレール
117 除電露光のための開口部
118 露光のための開口部
200 プロセスカートリッジ、
P、300 記録紙(記録媒体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像保持体と、
前記像保持体を帯電する帯電手段と、
帯電した像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体上に転写する転写手段と、
前記像保持体上の転写残トナーをクリーニングブレードによりクリーニングするクリーニング手段と、
を具備し、
前記トナーが、平均円形度0.97以上1以下、体積平均粒子径3μm以上7μm以下、数平均粒子径3μm以下のトナーの割合0質量%以上20質量%以下のトナーであり、
前記クリーニング手段のクリーニングブレードに堆積する前記潜像保持体の磨耗粉量が、0.1mg/cm以上1.0mg/cm以下である、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記像保持体が、単層型感光層又は積層型感光層を最表面層として有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
画像形成装置本体に脱着され、像保持体と、像保持体上の転写残トナーをクリーニングブレードによりクリーニングするクリーニング手段と。を少なくとも具備し、
前記トナーが、平均円形度0.97以上1以下、体積平均粒子径3μm以上7μm以下、数平均粒子径3μm以下のトナーの割合0質量%以上20質量%以下のトナーであり、
前記クリーニング手段のクリーニングブレードに堆積する前記潜像保持体の磨耗粉量が、0.1mg/cm以上1.0mg/cm以下である、
ことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項4】
前記像保持体が、単層型感光層又は積層型感光層を最表面層として有することを特徴とする請求項3に記載のプロセスカートリッジ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−78827(P2010−78827A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−246213(P2008−246213)
【出願日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】