説明

画像形成装置、情報処理システム、課金方法、プログラム、及び記録媒体

【課題】Webページの定義に基づいて実行される処理について柔軟性のある課金を行うこと。
【解決手段】画像形成装置であって、Webページを操作パネルに表示させる表示制御手段と、前記Webページに含まれているスクリプトに応じた処理を当該画像形成装置に実行させる実行手段と、課金対象となる前記スクリプトを示す情報を記憶した記憶手段とを有し、前実行手段は、前記情報に基づいて課金対象であると判定される場合に、前記スクリプトに応じた処理の実行に関して課金情報を更新させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、情報処理システム、課金方法、プログラム、及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の画像形成装置には、ネットワークを介して又は機器内から取得したHTML(Hyper Text Markup Language)データ等のWebページを機器の操作パネルに表示させるブラウザ機能が搭載されたものも存在する。このようなブラウザ機能の中には、Webページを表示するだけでなく、機器制御用に拡張されたスクリプトを解釈して機器制御(例えば、印刷等)を実行することが可能なものも有る。このようなブラウザ機能によれば、スクリプト等のブラウザベースのAPIをカスタマイズ用に提供することができる(例えば、特許文献1)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
他方において、画像形成装置は、課金機能を有する。例えば、印刷又はスキャン等の実行に応じて、画像形成装置内で管理されている課金情報が更新され、当該課金情報に基づいて、ユーザに対して課金が行われる。
【0004】
Webページのスクリプトに基づいて画像形成装置の機能が利用される場合も、予め組み込まれた標準のアプリケーションを利用して画像形成装置の機能が実行される場合と同様の課金が行われることも考えられるが、より柔軟な課金体系を設けることができれば便利である。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであって、Webページの定義に基づいて実行される処理について柔軟性のある課金を行うことのできる画像形成装置、情報処理システム、課金方法、プログラム、及び記録媒体の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで上記課題を解決するため、本発明は、画像形成装置であって、Webページを操作パネルに表示させる表示制御手段と、前記Webページに含まれているスクリプトに応じた処理を当該画像形成装置に実行させる実行手段と、課金対象となる前記スクリプトを示す情報を記憶した記憶手段とを有し、前実行手段は、前記情報に基づいて課金対象であると判定される場合に、前記スクリプトに応じた処理の実行に関して課金情報を更新させる。
【0007】
このような画像形成装置では、Webページの定義に基づいて実行される処理について柔軟性のある課金を行うことができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、Webページの定義に基づいて実行される処理について柔軟性のある課金を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態におけるシステム構成例を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態における画像形成装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態における画像形成装置のソフトウェア構成例を示す図である。
【図4】機器ブラウザの機能構成例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態におけるWebサーバ装置のソフトウェア構成例を示す図である。
【図6】本実施の形態の処理概要を説明するための図である。
【図7】本実施の形態の画像形成装置が実行する処理手順を説明するためのシーケンス図である。
【図8】機器ブラウザによる文書一覧ページの記述内容の解析の一例を説明するための図である。
【図9】文書一覧ページの表示例を示す図である。
【図10】課金要否情報記憶部の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の実施の形態におけるシステム構成例を示す図である。同図において、画像形成装置10とWebサーバ装置20とは、LAN(Local Area Network)又はインターネット等のネットワーク30(有線又は無線の別は問わない。)を介して通信可能に接続されている。
【0011】
画像形成装置10は、印刷、スキャン、コピー、及びFAX送受信等のうちのいずれか二以上の機能を一台の筐体によって実現する複合機である。但し、いずれか一つの機能を単体で有する機器が画像形成装置10として用いられてもよい。
【0012】
Webサーバ装置20は、Webページの取得要求に応じて、当該取得要求において指定されたWebページの識別情報(例えば、URL(Uniform Resource Locator))に対応するWebページを返信するコンピュータである。Webサーバ装置20によって返信されるWebページは、Webサーバ装置20又はWebサーバ装置20の外部の記憶装置に予め保存されているものでもよいし、Webサーバ装置20又はWebサーバ装置20と通信可能なコンピュータが、動的に生成したものでもよい。本実施の形態において、Webページとは、HTTP(HyperText Transfer Protocol)通信によって、画像形成装置10の内部又は外部(Webサーバ装置20等)より取得される表示用のデータをいう。Webページの代用的なデータ形式としてHTML(HyperText Markup Language)等が挙げられる。
【0013】
なお、図1において、画像形成装置10とWebサーバ装置20とは、それぞれ一台ずつ示されているが、両者の関係が一対一に限定される趣旨ではない。両者の関係は、一対多、多対一、又は多対多であってもよい。
【0014】
図2は、本発明の実施の形態における画像形成装置のハードウェア構成例を示す図である。同図において、画像形成装置10は、コントローラ11、スキャナ12、プリンタ13、モデム14、操作パネル15、ネットワークインタフェース16、及びSDカードスロット17等のハードウェアを有する。
【0015】
コントローラ11は、CPU111、RAM112、ROM113、HDD114、及びNVRAM115等を有する。ROM113には、各種のプログラムやプログラムによって利用されるデータ等が記録されている。RAM112は、プログラムをロードするための記憶領域や、ロードされたプログラムのワーク領域等として用いられる。CPU111は、RAM112にロードされたプログラムを処理することにより、各種の機能を実現する。HDD114には、プログラムやプログラムが利用する各種のデータ等が記録される。NVRAM115には、各種の設定情報等が記録される。
【0016】
スキャナ12は、原稿より画像データを読み取るためのハードウェア(画像読取手段)である。プリンタ13は、印刷データを印刷用紙に印刷するためのハードウェア(印刷手段)である。モデム14は、電話回線に接続するためのハードウェアであり、FAX通信による画像データの送受信を実行するために用いられる。操作パネル15は、ユーザからの入力の受け付けを行うためのボタン等の入力手段や、液晶パネル等の表示手段等を備えたハードウェアである。液晶パネルは、タッチパネル機能を有していてもよい。この場合、当該液晶パネルは、入力手段の機能をも兼ねる。ネットワークインタフェース16は、LAN等のネットワーク(有線又は無線の別は問わない。)に接続するためのハードウェアである。SDカードスロット17は、SDカード80に記録されたプログラムを読み取るために利用される。すなわち、画像形成装置10では、ROM113に記録されたプログラムだけでなく、SDカード80に記録されたプログラムもRAM112にロードされ、実行されうる。なお、他の記録媒体(例えば、CD−ROM又はUSB(Universal Serial Bus)メモリ等)によってSDカード80が代替されてもよい。すなわち、SDカード80の位置付けに相当する記録媒体の種類は、所定のものに限定されない。この場合、SDカードスロット17は、記録媒体の種類に応じたハードウェアによって代替されればよい。
【0017】
図3は、本発明の実施の形態における画像形成装置のソフトウェア構成例を示す図である。同図において、画像形成装置10は、標準アプリ151、機器ブラウザ152、課金管理部153、コントロールサービス154、及びOS155等を有する。
【0018】
標準アプリ151は、画像形成装置10に標準的に(出荷時に予め)実装されているアプリケーションの集合である。同図では、スキャンアプリ1511、印刷アプリ1512、コピーアプリ1513、及びFAXアプリ1514が例示されている。スキャンアプリ1511は、スキャンジョブを実行する。印刷アプリ1512は印刷ジョブを実行する。コピーアプリ1513は、コピージョブを実行する。FAXアプリ1514は、FAXの送信ジョブ又は受信ジョブを実行する。
【0019】
コントロールサービス154は、各種のハードウェアリソース等を制御するための機能を上位アプリケーション等に対して提供したり、画像形成装置10の基盤的な機能等を実行したりするソフトウェアモジュール群である。
【0020】
機器ブラウザ152は、Webサーバ装置20よりWebページを取得し、当該Webページを操作パネル15に表示させるプログラムである。機器ブラウザ152は、Webページに記述されたスクリプト(スクリプト言語によるプログラム)を解釈することができ、当該スクリプトに応じた処理を画像形成装置10に実行させる。すなわち、機器ブラウザ152は、汎用的なWebブラウザが解釈可能なスクリプトだけでなく、画像形成装置10を制御するために拡張されたスクリプト(例えば、スキャンの実行命令等)を解釈することができる。なお、機器ブラウザ152は、例えば、SDカード80から又はネットワークを介して画像形成装置10にインストールされる。
【0021】
課金管理部153は、画像形成装置10における所定の機能の利用又は実行に応じて更新される課金情報を管理する。例えば、NVRAM115に記録されている、機能毎のカウンタ(実行回数)が課金情報を構成する。各カウンタは、対応する機能(印刷、スキャン等)の実行に応じて、カウントアップされる。
【0022】
OS155は、いわゆるOS(Operating System)である。画像形成装置10上の各ソフトウェアは、OS155上においてプロセス又はスレッドとして動作する。
【0023】
機器ブラウザ152について更に詳しく説明する。図4は、機器ブラウザの機能構成例を示す図である。同図において、機器ブラウザ152は、通信制御部161、HTMLパーサ162、描画部163、スクリプト実行部164、ローカル機能実行部165、画像処理部166、通信処理部167、及び課金要否情報記憶部168等を有する。
【0024】
通信制御部161は、HTTP通信においてクライアントとしての通信を制御する。例えば、通信制御部161は、Webサーバ装置20に要求(HTTPリクエスト)を送信し、Webサーバ装置20より返信される応答(HTTPレスポンス)を受信する。
【0025】
HTMLパーサ162は、受信された応答に含まれているWebページ内のHTML及びスクリプト(例えばJava(登録商標)Script)等を解釈(パース)する。HTMLパーサ162パーサは、パース結果に基づいて、HTMLによって定義されている画面の描画を描画部163に指示したり、スクリプトの実行をスクリプト実行部164に指示したりする。
【0026】
スクリプト実行部164は、スクリプトに対する実装である。すなわち、スクリプト実行部164は、Webページに記述されているスクリプトに応じた処理を実行する。なお、スクリプト実行部164は、汎用的なWebブラウザが解釈可能な、いわゆる標準のスクリプト(例えば、標準のJava(登録商標)スクリプト等)のみならず、画像形成装置10用に拡張されたスクリプト(以下、「拡張スクリプト」という。)に対する実装をも含む。拡張スクリプトの一例としては、印刷の実行命令やスキャンの実行命令等が挙げられる。スクリプト実行部164は、拡張スクリプトに応じた処理について、ローカル機能実行部165に実行を要求する。
【0027】
ローカル機能実行部165は、スクリプト実行部164からの拡張スクリプトに応じた処理の実行要求に応じ、要求された処理の実行を制御する。
【0028】
画像処理部166は、コピー、スキャン、又は印刷といった画像処理単位での関数インタフェースを提供するライブラリである。例えば、ローカル機能実行部165は、画像処理部166を利用して、コピー、スキャン、又は印刷等を画像形成装置10に実行させる。
【0029】
通信処理部167は、ネットワーク通信に関する処理の関数インタフェースを提供するライブラリである。例えば、ローカル機能実行部165は、通信処理部167を利用して、印刷対象とする文書データのダウンロード等を画像形成装置10に実行させる。
【0030】
課金要否情報記憶部168は、拡張スクリプトごとに、当該拡張スクリプトの実行による画像形成装置10の利用に関して課金の要否を示す情報を記憶する。換言すれば、課金要否情報記憶部168は、課金対象となるスクリプトを示す情報を記憶する。なお、課金要否情報記憶部168は、例えば、HDD114又はNVRAM15等を用いて実現される。
【0031】
図5は、本発明の実施の形態におけるWebサーバ装置のソフトウェア構成例を示す図である。
【0032】
同図において、Webサーバ装置20は、Webサーバ21及び一以上のWebアプリ22等を有する。
【0033】
Webサーバ21は、HTTP通信においてサーバとしての通信を制御する。例えば、Webサーバ21は、クライアント(機器ブラウザ152)からの要求(HTTPリクエスト)を受信し、当該要求に指定されているURLに対応するWebアプリ22を起動させる。Webサーバ21は、Webアプリ22による処理結果(例えば、Webページ)を含む応答を、要求元のクライアントに返信する。
【0034】
Webアプリ22は、ネットワークを介してサービスを提供するアプリケーションプログラムである。
【0035】
本実施の形態では、Webアプリ22を用いて、図6に示されるような処理が実現される。図6は、本実施の形態の処理概要を説明するための図である。
【0036】
本実施の形態において、Webアプリ22aは、Webサーバ装置20に蓄積(又は保存)されている文書データを提供する機能を有する。具体的には、機器ブラウザ152は、当該Webアプリ22aによって生成されたWebページに記述された拡張スクリプトに従って、文書データのダウンロード(取得)を画像形成装置10に実行させる。機器ブラウザ152は、当該Webページが含む拡張スクリプトに従って、ダウンロードされた文書データの印刷の実行を、コントロールサービス154に要求する。この際、機器ブラウザ152は、当該拡張スクリプトが課金の対象となるスクリプトであれば、課金が必要であることをコントロールサービス154に通知する。コントロールサービス154は、文書データの印刷を画像形成装置10に実行させる。また、コントロールサービス154は、課金が必要である場合、課金情報の更新を課金管理部153に要求する。
【0037】
以下、画像形成装置10が実行する処理手順について説明する。図7は、本実施の形態の画像形成装置が実行する処理手順を説明するためのシーケンス図である。
【0038】
ステップS101において、ユーザによって、Webページの表示要求が操作パネル15を介して入力されると、当該表示要求は、コントロールサービス154を介して機器ブラウザ152に入力される(伝達される)(S102、S103)。当該Webページの表示要求は、例えば、操作パネル15に既に表示されている画面において、所定の表示部品(ボタン等)が操作されることにより入力される。当該表示要求には、操作対象とされた表示部品に関連付けられているURLが指定される。
【0039】
機器ブラウザ152は、Webページの表示要求に応じ、当該表示要求に指定されているURL宛に対して、HTTPリクエストを送信する(S104)。なお、当該URLは、Webサーバ装置10のWebアプリ22aを示すものであるとする。したがって、当該HTTPリクエストは、Webサーバ装置20のWebサーバ21によって受信される。Webサーバ21は、当該HTTPリクエストに指定されているURLに対応するWebアプリ22aを起動する。
【0040】
Webアプリ22aは、起動されると、Webサーバ装置20に蓄積されている文書データの一覧情報を取得し、当該一覧情報を含むWebページ(以下、「文書一覧ページ」という。)を生成する。Webサーバ21は、生成された文書一覧ページを含むHTTPレスポンスを、機器ブラウザ152に返信する(S105)。
【0041】
文書一覧ページが受信されると、機器ブラウザ152は、文書一覧ページの記述内容を解析する(S106)。
【0042】
図8は、機器ブラウザによる文書一覧ページの記述内容の解析の一例を説明するための図である。
【0043】
HTMLパーサ162は、文書一覧ページの記述内容の全体を解析する。HTMLパーサ162は、文書一覧ページの記述内容のうち、描画(又は表示)に関する記述に関して、描画部163に描画を要求する。また、HTMLパーサ162は、文書一覧ページの記述内容のうち、スクリプトに関する記述に関して、スクリプト実行部164にスクリプトの実行を要求する。スクリプトのうち、標準のスクリプトについては、スクリプト実行部164によって処理の実行が制御される。一方、拡張スクリプト(同図では、「doDownload」及び「doPrint」)について、スクリプト実行部164は、拡張スクリプトに応じた処理の実行をローカル機能実行部165に要求する。ローカル機能実行部165は、「doDownload」(ダウンロード要求)については、通信処理部167を用いて、当該スクリプトに応じた処理の実行を制御する。ローカル機能実行部165は、また、「doPrint」(印刷要求)については、画像処理部166を用いて、当該スクリプトに応じた処理の実行を制御する。
【0044】
なお、文書一覧ページの受信に応じて(受信と同期して)実行されるのは、描画処理である。そこで、機器ブラウザ152の描画部163は、文書一覧ページの描画に関する記述に基づいて、コントロールサービス154が解釈可能な画像情報を生成し、当該画像情報の表示をコントロールサービス154に要求する(S107)。コントロールサービス154は、当該画像情報に基づいて、文書一覧ページを操作パネル15に表示させる(S108)。
【0045】
図9は、文書一覧ページの表示例を示す図である。同図において、文書一覧ページ510は、文書一覧表示領域511及び印刷ボタン512等を含む。文書一覧表示領域511は、文書データの一覧を表示させる領域である。印刷ボタン512は、文書一覧表示領域511において選択状態とされた文書データの印刷指示を受け付けるためのボタンである。なお、文書一覧ページ510は、印刷ジョブの属性情報(印刷部数、集約、両面又は片面、カラーモード等)を設定させるための領域を有していてもよい。
【0046】
文書一覧ページ510において、いずれかの文書データが選択され、印刷ボタン512が押下(タッチ)されると(S111)、その旨は、操作パネル15及びコントロールサービス154を介して機器ブラウザ152に通知される(S112、S113)。続いて、機器ブラウザ152のスクリプト実行部164等は、文書一覧ページにおいて、印刷ボタン512の押下に対して定義されているスクリプトを実行する。スクリプト実行部164は、まず、文書一覧ページにおいて選択状態とされている文書データの識別子(以下、「文書ID」という。)を指定して、拡張スクリプト「doDownload」に応じた処理の実行をローカル機能実行部165に要求する。
【0047】
当該要求に応じ、ローカル機能実行部165は、課金要否情報記憶部168を参照して、「doDownload」に関して課金の要否(課金対象であるか否か)を判定する。
【0048】
図10は、課金要否情報記憶部の構成例を示す図である。同図において、課金要否情報記憶部168は、拡張スクリプトごと、かつ、拡張スクリプトに係るジョブの属性情報(ジョブ属性)ごとに、課金の要否(課金対象であるか否か)を記憶する。同図では、「doDownload」については、ジョブ属性に拘わらず(例えば、ダウンロード対象やダウンロード先等に拘わらず)、課金は不要であることが示されている。そこで、ローカル機能実行部165は、ダウンロードに関して課金は不要であると判定する。したがって、ローカル機能実行部165は、課金を行うための処理(課金情報の更新)は実行せずに、指定された文書IDに係る文書データのダウンロードを、通信部及びコントロールサービス154等を利用して実行する(S114)。
【0049】
続いて、スクリプト実行部164は、ダウンロードされた文書データに関して、拡張スクリプト「doPrint」に応じた処理の実行をローカル機能実行部165に要求する。当該要求に応じ、ローカル機能実行部165は、課金要否情報記憶部168を参照して、「doPrint」に関して課金の要否を判定する。図10において、「doPrint」に関しては、ジョブ属性に応じて課金の要否が異なる。例えば、文書データのデータ形式がPDF(Portable Document Format)である場合(documentType=pdf)は、課金は必要であり、文書データのデータ形式がBITMAPである場合(documentType=bmp)は、課金は不要であることが示されている。また、ページ数が1枚である場合(page=1)である場合は、課金は不要であることが示されている。
【0050】
したがって、ローカル機能実行部165は、印刷ジョブの属性情報(ここでは、印刷対象の文書データの属性情報)と、課金要否情報記憶部168とを照合して、課金の要否を判定する。ここでは、課金は必要であると判定されたこととする。
【0051】
なお、ジョブ属性が、課金が必要である場合と不要である場合との双方に該当する場合(例えば、図10では、1ページのPDFデータである場合)を考慮して、課金の要否のいずれが優先されるかについて、予め定めておけばよい。
【0052】
また、文書データのデータ形式及びページ数以外の分類に基づいて課金の要否が定義されてもよい。更に、集約の有無等、文書データ自体の属性情報ではないが、印刷ジョブの属性情報に基づく分類に関して、課金の要否が定義されてもよい。
【0053】
「doPrint」に関して課金が必要であると判定した場合、ローカル機能実行部165は、課金が必要であることが指定された印刷要求(課金対象印刷要求)を、画像処理部166を利用してコントロールサービス154に入力する(S116)。課金対象印刷要求に応じ、コントロールサービス154は、課金管理部153に対して、印刷ジョブに関する課金情報の更新(課金カウンタのカウントアップ)を要求する(S117)。課金管理部153は、当該課金情報を更新し、更新処理の結果(課金の成否)をコントロールサービス154に応答する(S118)。
【0054】
課金情報の更新に成功した場合、コントロールサービス154は、印刷対象の文書データの印刷をプリンタ13に実行させる(S119)。プリンタ13より印刷結果(印刷の成否)が応答されると(S120)、コントロールサービス154は、印刷結果を示すポップアップ画面を、例えば、文書一覧ページ510に重畳させて操作パネル15に表示させる(S121)。
【0055】
ステップS131以降は、文書一覧ページ510において、課金対象とならない文書データ(例えば、図10の例ではBITMAPデータ)が選択されて、印刷ボタン512が押下された場合の処理手順を示す。
【0056】
ステップS131〜S135は、上述したステップS111〜S115と同様である。但し、ステップS135において、ローカル機能実行部165は、課金要否情報記憶部168に基づいて、課金は不要であることを判定する。そこで、ローカル機能実行部165は、課金が不要であることが指定された印刷要求(課金対象外印刷要求)を、画像処理部166を利用してコントロールサービス154に入力する(S136)。
【0057】
課金対象外印刷に応じ、コントロールサービス154は、課金情報の更新を課金管理部153に要求することなく、印刷対象の文書データの印刷をプリンタ13に実行させる(S137)。ステップS138以降は、上述したステップS120以降と同様である。
【0058】
上述したように、本実施の形態によれば、スクリプトごと、また、スクリプトに応じて実行される処理(ジョブ)の属性情報に応じて、課金の要否(課金対象であるか否か)を区別することができる。したがって、スクリプトに基づいて実行される処理について柔軟性のある課金を実現することができる。
【0059】
なお、スキャン、コピー、又はFAX送信等、印刷以外のジョブ(処理)の実行に関しても、本実施の形態は有効である。
【0060】
また、本実施の形態では、画像形成装置10とWebサーバ装置20とが、別々の装置である例を示したが、画像形成装置10が、Webサーバ21及びWebアプリ22等を有していてもよい。
【0061】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は斯かる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0062】
10 画像形成装置
11 コントローラ
12 スキャナ
13 プリンタ
14 モデム
15 操作パネル
16 ネットワークインタフェース
17 SDカードスロット
20 Webサーバ装置
21 Webサーバ
22 Webアプリ
30 ネットワーク
80 SDカード
111 CPU
112 RAM
113 ROM
114 HDD
115 NVRAM
151 標準アプリ
152 機器ブラウザ
153 課金管理部
154 コントロールサービス
155 OS
161 通信制御部
162 HTMLパーサ
163 描画部
164 スクリプト実行部
165 ローカル機能実行部
166 画像処理部
167 通信処理部
168 課金要否情報記憶部
1511 スキャンアプリ
1512 印刷アプリ
1513 コピーアプリ
1514 FAXアプリ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0063】
【特許文献1】特開2006−352845号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置であって、
Webページを操作パネルに表示させる表示制御手段と、
前記Webページに含まれているスクリプトに応じた処理を当該画像形成装置に実行させる実行手段と、
課金対象となる前記スクリプトを示す情報を記憶した記憶手段とを有し、
前実行手段は、前記情報に基づいて課金対象であると判定される場合に、前記スクリプトに応じた処理の実行に関して課金情報を更新させる画像形成装置。
【請求項2】
前記記憶手段は、前記スクリプトに応じた処理の属性情報に応じて課金対象となるスクリプトを示す情報を記憶し、
前記実行手段は、前記スクリプトに応じた処理の属性情報に基づいて課金対象であると判定される場合に、該処理の実行に関して課金情報を更新させる請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記実行手段は、前記スクリプトに応じた印刷ジョブの属性情報に基づいて課金対象であると判定される場合に、該印刷ジョブの実行に関して課金情報を更新させる請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
画像形成装置とWebページを前記画像形成装置に送信する情報処理装置とを有する情報処理システムであって、
前記画像形成装置は、
前記Webページを操作パネルに表示させる表示制御手段と、
前記Webページに含まれているスクリプトに応じた処理を当該画像形成装置に実行させる実行手段と、
課金対象となる前記スクリプトを示す情報を記憶した記憶手段とを有し、
前実行手段は、前記情報に基づいて課金対象であると判定される場合に、前記スクリプトに応じた処理の実行に関して課金情報を更新させる情報処理システム。
【請求項5】
画像形成装置が、
Webページを操作パネルに表示させる表示制御手順と、
前記Webページに含まれているスクリプトに応じた処理を当該画像形成装置に実行させる実行手順とを実行し、
前実行手順は、記憶手段が記憶する、課金対象となる前記スクリプトを示す情報に基づいて課金対象であると判定される場合に、前記スクリプトに応じた処理の実行に関して課金情報を更新させる課金方法。
【請求項6】
前記記憶手段は、前記スクリプトに応じた処理の属性情報に応じて課金対象となるスクリプトを示す情報を記憶し、
前記実行手順は、前記スクリプトに応じた処理の属性情報に基づいて課金対象であると判定される場合に、該処理の実行に関して課金情報を更新させる請求項5記載の課金方法。
【請求項7】
前記実行手順は、前記スクリプトに応じた印刷ジョブの属性情報に基づいて課金対象であると判定される場合に、該印刷ジョブの実行に関して課金情報を更新させる請求項6記載の課金方法。
【請求項8】
画像形成装置に、
Webページを操作パネルに表示させる表示制御手順と、
前記Webページに含まれているスクリプトに応じた処理を当該画像形成装置に実行させる実行手順とを実行させ、
前実行手順は、記憶手段が記憶する、課金対象となる前記スクリプトを示す情報に基づいて課金対象であると判定される場合に、前記スクリプトに応じた処理の実行に関して課金情報を更新させるプログラム。
【請求項9】
前記記憶手段は、前記スクリプトに応じた処理の属性情報に応じて課金対象となるスクリプトを示す情報を記憶し、
前記実行手順は、前記スクリプトに応じた処理の属性情報に基づいて課金対象であると判定される場合に、該処理の実行に関して課金情報を更新させる請求項8記載のプログラム。
【請求項10】
前記実行手順は、前記スクリプトに応じた印刷ジョブの属性情報に基づいて課金対象であると判定される場合に、該印刷ジョブの実行に関して課金情報を更新させる請求項8記載のプログラム。
【請求項11】
請求項8乃至10いずれか一項記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−171269(P2012−171269A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−36882(P2011−36882)
【出願日】平成23年2月23日(2011.2.23)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】