説明

画像形成装置、情報処理方法及びプログラム

【課題】サービスセンタとの無用なやり取りやサービスマンの不要な訪問を減らすことを目的とする。
【解決手段】保守依頼の指示を受け付ける受付手段と、画像形成装置を特定するデバイス情報を受付手段で受け付けた指示の保守依頼に付加してネットワークを介して通信可能な管理装置へ送信する保守依頼送信手段と、外部接続機器の接続を検知する検知手段と、検知手段で外部接続機器の接続が検知された場合、外部接続機器から送信対象のデータを取得する取得手段と、デバイス情報を取得手段で取得されたデータに付加して管理装置に送信する保守追加情報送信手段と、を有することによって課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
LAN(Local Area Network)に接続された複写機やプリンタ等の画像形成装置の稼動状態を遠隔地から管理するシステムが存在している。このようなシステムでは、複数の画像形成装置とそれらを管理する管理装置とが、LANやWAN(Wide Area Network)、インターネットを介して互いに通信を行う。画像形成装置は、管理装置に対して、画像形成回数(カウンタ)等の情報を定期的に通知すると共に、ジャムやエラーといった事象の情報をそれらが発生したタイミングで通知する。通知を受けた管理装置は、これら通知の内容を蓄積管理して、画像形成装置の稼働状況をいつでも閲覧できるように構成されている。更に、画像形成装置上のボタン操作により顧客ユーザーが任意のタイミングで修理や保守を依頼できるよう構成されたシステムも知られている(特許文献1参照)。このシステムを用いれば、出力画像の異常やトナー飛散等、画像形成装置に内蔵するセンサ情報からでは検出できない異常を通知することができる。
【0003】
一方、出力画像の異常の場合には、画像形成装置から実際に出力された画像が、画像形成装置で起きている問題を把握するための重要な情報となる。そこで特許文献2では、出力画像の異常が発生した場合の異常画像を画像形成装置に備わっているスキャナで読み込み、その読み込んだ画像データと異常画像に関する付帯情報とを管理装置へ送信する技術が開示されている。これにより、管理装置が蓄積した異常画像の画像データより分析し、対処方法を画像形成装置へ提示できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−092008号公報
【特許文献2】特開2008−061187号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の顧客ユーザー操作で保守の依頼が行えるシステムでは、依頼内容を詳細に管理装置へ伝達することができず、画像形成装置で起こっている問題を管理装置に送信された内容からでは十分に把握することができなかった。画像形成装置で起こっている問題によっては、設定の変更等で顧客ユーザーが対処可能な場合もあるが、情報が十分でないためにサービスセンタとの無用なやり取りが発生したり、サービスマンの訪問を行ってしまったりする場合もあった。顧客ユーザーへ負担をかけるだけでなく、画像形成装置を正常に使用できない時間が長くなったり、顧客ユーザーへのサービスにかかるコストも無用に増加してしまったりしていた。
出力画像の異常が理由で保守を依頼する場合に、異常画像を画像形成装置に備わっているスキャナで読み込み、読み取った画像データを管理装置へ送信するシステムでは、スキャナが使用できる場合には有用である。しかしながら、スキャナの備わっていない単一機能型画像形成装置SFP(Single Function Peripheral)の場合や、エラー等の発生によりスキャナが使用できない場合には、対応できなかった。同様に、トナー飛散等、出力画像の異常ではない理由で保守を依頼する場合も、画像形成装置で起こっている問題の把握にはスキャナで画像を読み込んでも参考にならないため、対応できなかった。
【0006】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたもので、サービスセンタとの無用なやり取りやサービスマンの不要な訪問を減らすことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、本発明の画像形成装置は、保守依頼の指示を受け付ける受付手段と、画像形成装置を特定するデバイス情報を前記受付手段で受け付けた指示の保守依頼に付加してネットワークを介して通信可能な管理装置へ送信する保守依頼送信手段と、外部接続機器の接続を検知する検知手段と、前記検知手段で前記外部接続機器の接続が検知された場合、前記外部接続機器から送信対象のデータを取得する取得手段と、前記デバイス情報を前記取得手段で取得された前記データに付加して前記管理装置に送信する保守追加情報送信手段と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、サービスセンタとの無用なやり取りやサービスマンの不要な訪問を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】保守システムのシステム構成の一例を示す図である。
【図2】画像形成装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図3】実施形態1の画像形成装置100のソフトウェア構成の中で、特に本システムに係る部分のソフトウェア構成の一例を示す図である。
【図4】実施形態1の画像形成装置100が保守依頼操作を受け付けたときの、画像形成装置100の情報処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】実施形態2の画像形成装置100のソフトウェア構成の中で、特に本システムに係る部分のソフトウェア構成の一例を示す図である。
【図6】画像形成装置100が保守の依頼を送信して処理を終了した後に、外部接続機器130が接続されるときの画像形成装置100の情報処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】実施形態3の画像形成装置100が保守依頼操作を受け付けたときの、画像形成装置100の情報処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
【0011】
<実施形態1>
図1は、保守システムのシステム構成の一例を示す図である。画像形成装置100と管理装置110とは、互いにネットワーク120を介して通信可能に接続されている。このとき、ネットワーク120は、LANやWAN、インターネット等が想定され、有線であっても無線であってもよい。画像形成装置100は、複合機能型画像形成装置MFP(Multi Function Peripheral)や単一機能型画像形成装置SFP(Single Function Peripheral)等が想定されるが、これに限らない。管理装置110は、1台以上の画像形成装置100の稼動情報を画像形成装置100からネットワーク120を介してHTTP形式やメール形式等で受信し、画像形成装置100の保守を行うための情報として管理する。画像形成装置100は、また、外部接続機器130を接続可能な外部接続I/Fを備えており、外部機器接続手段140を介して外部接続機器130と接続できる。外部機器接続手段140は、有線での接続の他、無線での接続が想定される。有線の例としては、USB(Universal Serial Bus)やRS−232規格の通信ケーブル等がある。無線の例としては、BluetoothやRFID(Radio Frequency Identification)等がある。外部接続機器130は、撮影した画像データを保持するデジタルカメラや、画像データや文書ファイル等の電子データを記録できる外部記憶装置の他、マイクや温度センサ等の拡張機器が想定される。
【0012】
図2は、画像形成装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。画像形成部201は、プリンタ、ファクシミリ等の一部、又は全部が含まれる。画像読込部202は、画像を読み取って画像形成装置100に取り込むスキャナを示す。但し、本実施形態においては画像形成装置100が画像読込部202を有していなくてもよい。操作部203は、ハードキーやタッチパネル等の入力機器を備え、画像形成部の操作や通信設定の操作等を受け付ける。画像形成装置100に内蔵するセンサ情報からでは検出できない異常を通知するための修理や保守の依頼操作も、操作部203で受け付ける。制御部204は、操作部203からの入力を受けて画像形成部201や画像読込部202の制御を行う画像形成制御、画像形成部201や画像読込部202の保守に関わる機器管理制御等、画像形成装置100全体の制御を行う。記憶部205は、ROMやRAM、HDD等を備え、画像読込部202で読み込んだりネットワーク120経由で受信したりした画像データの記憶領域として使われる。また、記憶部205は、機器管理制御に必要な画像形成装置の管理情報としてカウンタ情報やステータス情報、ユーザー管理情報、設定情報、修理依頼状況等を記憶する領域としても使われる。通信I/F部206は、画像データの受信や管理装置110への管理情報の送信のため、ネットワーク120と接続されるネットワークインターフェイスである。外部接続I/F部207は、外部接続機器130と接続して電子データを送受信するため、外部機器接続手段140と接続される外部機器接続インターフェイスである。
制御部204が、記憶部205等に記憶されているプログラムに基づき処理を実行することによって、後述するソフトウェア構成及びフローチャートの各ステップの処理が実現される。
【0013】
図3は、画像形成装置100のソフトウェア構成の中で、特に本システムに係る部分のソフトウェア構成の一例を示す図である。保守依頼受付部301は、操作部203を介してユーザーによる保守依頼操作や保守依頼解除操作を受け付けると共に、保守依頼内容の選択や入力を受け付け、保守依頼時刻を保守依頼時刻保持部302に記憶し、保守依頼状況を管理する。保守依頼送信部303は、保守依頼受付部301で受け付けた保守依頼操作や保守依頼解除操作に基づき、保守の依頼や依頼内容を通信I/F部206を介して管理装置110へ送信する。外部接続可否判断部304は、保守依頼操作に伴う付加情報の送信必要性や付加情報の取得可否状況を判断し、外部接続機器130の接続要否を判断する。外部接続検知部305は、外部接続I/F部207を制御して外部接続機器130と接続可能な状態にして接続を待機すると共に、外部接続機器130が接続された場合に外部接続機器130が接続されたことを検知する。外部機器データ取得部306は、外部接続I/F部207を介して、外部接続機器130の保持する画像データ等の電子データを選択して取得する。保守追加情報送信部307は、外部機器データ取得部306で取得した電子データをネットワーク120で送信可能な形式に変換し、保守依頼操作に関する付加情報として通信I/F部206を介して管理装置110へ送信する。
【0014】
図4は、画像形成装置100が保守依頼操作を受け付けたときの、画像形成装置100の情報処理の一例を示すフローチャートである。以下、図4のフローチャートに従って、本実施形態における画像形成装置100の保守依頼情報の送信処理を説明する。
画像形成装置100に内蔵するセンサ情報からでは検出できない異常が発生し、保守の依頼が必要となったとき、保守依頼受付部301は、画像形成装置100の操作部203で保守依頼の操作(又は指示)を受け付ける(ステップS401)。センサ情報からでは検出できない異常には、例えば出力画像の異常や、トナーの飛散等がある。また、ジャムの発生は、センサ情報で検出可能であるが、通常はユーザーにて解消可能な異常である。しかし、特定の条件でジャムが頻発する等の場合には保守作業が必要であり、そのときも同様に操作部203で保守依頼の操作を受け付ける。このとき、保守依頼受付部301は、操作部203に依頼項目の選択リスト、或いは入力フォームを表示し、ユーザーに依頼内容を選択或いは入力させるようにするとよい。
ステップS401で保守依頼の操作を受けると、保守依頼受付部301は保守依頼の情報として、特に保守依頼操作が行われた時刻の情報を保守依頼時刻保持部302に記憶する(ステップS402)。
続いて、保守依頼送信部303が、保守依頼受付部301で受けた保守の依頼を管理装置110へ送信する(ステップS403)。このとき、保守の依頼を受信した管理装置110にて依頼元の画像形成装置100を特定するため、管理装置110へ送信する内容には画像形成装置100を特定するデバイス情報を付加しておく。
【0015】
外部接続可否判断部304は、保守依頼受付部301で受けた保守の依頼に対して、依頼内容を補足するための付加情報を外部接続機器130から取得する必要があるかを判断する(ステップS404)。付加情報とは例えば、出力画像の異常の場合の実際の出力画像や、トナーの飛散の場合のトナーの飛散状況等である。これらの情報は、言葉で伝えるより、その状況をデジタルカメラで撮影する等して、その撮影画像データを送信して伝えた方が、画像形成装置で発生している異常の具体的な状況を把握できる。そのため、外部接続可否判断部304は、外部接続I/F部207の使用可能状況や、保守依頼受付部301の保守依頼で選択された依頼項目等により、外部接続機器130から付加情報を取得することが可能、かつ、有用であるかを判断する。ここで、外部接続機器130とは例えば、外部接続可能なデジタルカメラ、或いはデジタルカメラで記録された撮影画像データを有する外部記憶装置等が想定されるが、当然のことながらこれに限らない。
なお、デジタルカメラ等は、撮像装置の一例である。
ステップS404で外部接続機器130から取得する必要があると判断した場合、外部接続検知部305は、外部接続機器130と接続可能な状態にして接続を待機する(ステップS405)。このとき、外部接続機器130の用意や接続を促すガイダンスを操作部203に表示するようにするとよい。
【0016】
外部接続機器130が接続され、外部接続検知部305が外部接続機器130の接続を検知する(ステップS406)。すると、外部機器データ取得部306が外部接続機器130にアクセスし、外部接続機器130が保持する送信対象のデータを取得する(ステップS407)。このとき外部機器データ取得部306は、外部接続機器130が保持する送信対象のデータの一覧を操作部203に表示し、保守依頼の付加情報として送信するデータをユーザーに選択させるようにしてもよい。或いは、付加情報としてデジタルカメラで撮影した画像を採用する場合、ユーザーは保守依頼操作後の操作部203への表示ガイダンスに従って撮影すると考えられる。そのため、外部機器データ取得部306は、保守依頼時刻保持部302の保持する保守依頼時刻以降に撮影された画像データのみを取得するようにしてもよい。保守依頼時刻以降に撮影された画像データかの判別は、画像ファイルに付加されているExif(Exchangeable Image File Format)情報や、画像ファイルの作成日時情報等を基に行う。
外部機器データ取得部306にてデータを取得した結果、保守依頼の付加情報として送信するデータが存在した場合(ステップS408においてYes)、保守追加情報送信部307は、その取得したデータを管理装置110へ送信する(ステップS409)。このとき、保守の依頼を受信した管理装置110にて依頼元の画像形成装置100を特定するため、管理装置110へ送信する内容には画像形成装置100を特定するデバイス情報を付加しておく。なお、本実施形態では保守依頼の送信と、保守依頼の付加情報の送信と、を別々のタイミングで送信したが、ステップS409のタイミングでまとめて送信するようにしてもよい。
【0017】
以上、詳細に説明した本実施形態では、ユーザー操作で保守の依頼が行えるシステムにおいて、撮影画像データ等を外部接続機器から取得することにより、画像形成装置100で起こっている問題に関する情報を管理装置110へ送信できる。それにより、サービスセンタとの無用なやり取りやサービスマンの不要な訪問を減らすことができる。特に、出力画像の異常が理由で保守を依頼する場合において、スキャナの備わっていない画像形成装置100や、エラー等の発生によりスキャナが使用できない場合であっても、異常画像の情報を管理装置110へ送信することができる。
【0018】
<実施形態2>
実施形態1では、保守依頼の操作を行った際に外部接続機器130を接続し、外部接続機器130の保持する送信対象のデータを保守依頼の付加情報として送信した。しかし、ユーザーが外部接続機器130を保守依頼の操作後すぐに用意できるとも限らない。この場合は、保守の依頼を送信したところで一旦保守依頼情報の送信処理を終了し、外部接続機器130を用意できたタイミングで外部接続機器130を接続し、付加情報を送信するようにするとよい。本実施形態では、保守の依頼を送信して処理を終了した後に、外部接続機器130が接続されるときの実施の形態を例示する。
機器構成、ハードウェア構成は、実施形態1における図1及び図2と同様である。
【0019】
図5は、画像形成装置100のソフトウェア構成の中で、特に本システムに係る部分のソフトウェア構成の一例を示す図である。保守依頼受付部501から保守追加情報送信部507までは、実施形態1における保守依頼受付部301から保守追加情報送信部307までと同様である。保守依頼有無判断部508は、保守依頼受付部501で保守の依頼を受け付けた状態にあるか否か、又は保守依頼中か否かを判断する。例えば、保守依頼受付部501で保守依頼操作を受けていてもその後に保守依頼解除操作を受けていれば、保守依頼有無判断部508は、「保守の依頼を受け付けた状態にない」、又は「保守依頼中ではない」と判断する。
例えば、保守依頼受付部501は、保守依頼操作を受け付けると、受け付けた旨のフラグをONに設定し、保守依頼解除操作を受けつけると、前記フラグをOFFに設定する。保守依頼有無判断部508は、このフラグに基づいて、で保守の依頼を受け付けた状態にあるか否か、又は保守依頼中か否かを判断する。
【0020】
図6は、画像形成装置100が保守の依頼を送信して処理を終了した後に、外部接続機器130が接続されるときの画像形成装置100の情報処理の一例を示すフローチャートである。以下、図6のフローチャートに従って、本実施形態における画像形成装置100の保守依頼に関する追加情報の送信処理を説明する。なお、保守依頼送信部503が保守の依頼を送信するまでの処理は実施形態1におけるステップS403までの処理と同様である。
保守依頼送信部503が保守の依頼を送信すると、外部接続検知部505は、外部接続機器130と接続可能な状態にして接続を待機する(ステップS601)。
画像形成装置100の通常の使用において、画像形成装置100は外部接続機器130を、画像形成部201で出力するための画像データの記憶領域として使うことがある。そのため、外部接続機器130が接続され、外部接続検知部505が外部接続機器130の接続を検知する(ステップS602)と、保守依頼有無判断部508が保守の依頼を受け付けた状態にあるか否かを判断する(ステップS603)。保守の依頼を受け付けた状態にあるとき、画像形成装置100は、接続された外部接続機器130から保守依頼に関するデータを取得し、管理装置110へ送信する。このとき、保守依頼ザに関するデータを外部接続機器130から取得するか否かを操作部203に表示し、ユーザーに選択させるようにしてもよい。保守依頼有無判断部508が保守の依頼を受け付けた状態にあると判断すると(ステップS603においてYes)、ステップS604に処理を進める。ステップS604において、外部機器データ取得部506は、外部接続機器130にアクセスし、外部接続機器130が保持する送信対象のデータを取得する。外部機器データ取得部506にてデータを取得した結果、保守依頼の付加情報として送信するデータが存在した場合(ステップS605においてYes)、保守追加情報送信部507は、その取得したデータを管理装置110へ送信する(ステップS606)。
【0021】
以上、詳細に説明した本実施形態では、ユーザー操作で保守の依頼が行えるシステムにおいて、保守依頼の有無を判別してから撮影画像データ等を外部接続機器から取得する。これにより、保守の依頼を送信して処理を終了した後であっても、画像形成装置100で起こっている問題に関する情報を管理装置110へ送信でき、サービスセンタとの無用なやり取りやサービスマンの不要な訪問を減らすことができる。
【0022】
<実施形態3>
実施形態1では、依頼内容を補足するための付加情報として外部接続機器130が保持する送信対象のデータを取得し、送信した。しかし、画像形成装置100が画像読込部202を有し、保守依頼時に使用可能な状態にあれば、画像読込部202で読み込んだ画像データを付加情報として送信することもできる。本実施形態では、画像読込部202も活用して依頼内容を補足するための付加情報を管理装置110へ送信する実施の形態を例示する。
機器構成及びハードウェア構成、ソフトウェア構成は、実施形態1における図1から図3までと同様である。
【0023】
図7は、画像形成装置100が保守依頼操作を受け付けたときの、画像形成装置100の情報処理の一例を示すフローチャートである。以下、図7のフローチャートに従って、本実施形態における画像形成装置100の保守依頼情報の送信処理を説明する。
画像形成装置100に内蔵するセンサ情報からでは検出できない異常が発生し、保守の依頼が必要となったとき、保守依頼受付部301は、画像形成装置100の操作部203で保守依頼の操作を受け付ける(ステップS701)。
ステップS701で保守依頼の操作を受けると、保守依頼受付部301は、保守依頼の情報として、特に保守依頼操作が行われた時刻の情報を保守依頼時刻保持部302に記憶する(ステップS702)。
続いて、保守依頼送信部303が、保守依頼受付部301で受けた保守の依頼を管理装置110へ送信する(ステップS703)。
【0024】
そして、外部接続可否判断部304は、保守依頼受付部301で受けた保守の依頼に対して、依頼内容を補足するのに適した付加情報の取得方法を判別する(ステップS704)。付加情報の取得方法には例えば、外部接続機器130が保持する送信対象のデータを取得する方法以外にも、画像読込部202で画像を読み込む方法等がある。また外部接続機器130が保持する送信対象のデータについても、デジタルカメラの撮影画像データだけでなく、マイクから取得できる音声データ、温度センサや湿度センサ等の各種センサから取得できるセンサ計測データ等がある。例えばジャムの頻発で温度データや湿度データの情報が参考になる等、保守の依頼内容によっては、画像データ以外の情報が有用である場合がある。また、付加情報の取得方法の他の例として、外部接続機器130が保持する送信対象のデータを取得する方法以外に、画像形成装置100の記憶部205等に保持されているジョブのログ(ジョブログ)を取得する方法等がある。ジョブログには、原稿サイズや、出力用紙サイズ、印刷の向き、ページレイアウト、倍率、印刷方法等の情報が含まれる。
【0025】
外部接続可否判断部304は、画像読込部202や外部接続I/F部207の使用可能状況や、保守依頼受付部301の保守依頼で選択された依頼項目等により、それらの付加情報の取得方法の中でどの取得方法が有用であるかを判断する。ステップS704で、画像読込部202が使用できない状況である等の理由により外部接続機器130から取得する必要があると判断した場合、外部接続検知部305は、外部接続機器130と接続可能な状態にして接続を待機する(ステップS705)。
外部接続機器130が接続され、外部接続検知部305が外部接続機器130の接続を検知する(ステップS706)。すると、外部機器データ取得部306が外部接続機器130にアクセスし、外部接続機器130が保持する送信対象のデータを取得する(ステップS707)。
外部機器データ取得部306にてデータを取得した結果、保守依頼の付加情報として送信するデータが存在した場合(ステップS708においてYes)、保守追加情報送信部307は、その取得したデータを管理装置110へ送信する(ステップS709)。
【0026】
一方、ステップS704で、画像読込部202で読み込んだ画像を送信することが有用であると判断した場合、画像読込部202は、スキャナの動作を待機する(ステップS710)。スキャナに画像がセットされ、その画像を読み込む(ステップS711)と、保守追加情報送信部707は、その取得した画像データを管理装置110へ送信する(ステップS712)。このとき、保守の依頼を受信した管理装置110にて依頼元の画像形成装置100を特定するため、管理装置110へ送信する内容には画像形成装置100を特定する情報を付加しておく。なお、本実施形態では保守の依頼と、保守依頼の付加情報の送信と、を別々のタイミングで送信したが、実施形態1と同様にステップS708やステップS712のタイミングでまとめて送信するようにしてもよい。
【0027】
以上、詳細に説明した本実施形態では、撮影画像データ等を外部接続機器から取得したり、スキャナで異常画像を読み込んだりすることにより、画像形成装置100で起こっている問題に関する情報を管理装置110へ送信できる。これにより、サービスセンタとの無用なやり取りやサービスマンの不要な訪問を減らすことができる。特に本実施形態では、保守の依頼内容や機器状態に応じて、依頼内容を補足するのに適した付加情報の取得方法を選択し、取得した付加情報を管理装置110へ送信することができる。
【0028】
<その他の実施形態>
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【0029】
以上、上述した各実施形態によれば、顧客ユーザー操作で保守の依頼が行えるシステムにおいて、画像データ等を外部接続機器から取得することにより、画像形成装置で起こっている問題に関する情報を管理装置へ通知することができる。これにより、サービスセンタとの無用なやり取りやサービスマンの不要な訪問を減らすことができる。
特に、出力画像の異常が理由で保守を依頼する場合において、スキャナの備わっていない画像形成装置や、エラー等の発生によりスキャナが使用できない場合であっても、異常画像の情報を管理装置へ送信することができる。
【0030】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
保守依頼の指示を受け付ける受付手段と、
画像形成装置を特定するデバイス情報を前記受付手段で受け付けた指示の保守依頼に付加してネットワークを介して通信可能な管理装置へ送信する保守依頼送信手段と、
外部接続機器の接続を検知する検知手段と、
前記検知手段で前記外部接続機器の接続が検知された場合、前記外部接続機器から送信対象のデータを取得する取得手段と、
前記デバイス情報を前記取得手段で取得された前記データに付加して前記管理装置に送信する保守追加情報送信手段と、
を有する画像形成装置。
【請求項2】
保守依頼の指示を受け付ける受付手段と、
外部接続機器の接続を検知する検知手段と、
前記検知手段で前記外部接続機器の接続が検知された場合、前記外部接続機器から送信対象のデータを取得する取得手段と、
前記受付手段で受け付けた指示の保守依頼に画像形成装置を特定するデバイス情報と前記取得手段で取得された前記データとを付加してネットワークを介して通信可能な管理装置に送信する送信手段と、
を有する画像形成装置。
【請求項3】
前記外部接続機器は、撮像装置であって、
前記取得手段は、前記撮像装置から画像データを取得する請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記外部接続機器は、温度センサ及び湿度センサであって、
前記取得手段は、前記温度センサから温度データを取得し、前記湿度センサから湿度データを取得する請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記取得手段は、前記検知手段で前記撮像装置の接続が検知された場合、前記撮像装置から前記受付手段で保守依頼の指示を受け付けた以降に撮像された画像データを取得する請求項3記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記検知手段で前記外部接続機器の接続が検知された場合、前記管理装置へ保守依頼中か否かを判断する判断手段を更に有し、
前記取得手段は、前記判断手段で前記管理装置へ保守依頼中であると判断された場合、前記外部接続機器から送信対象のデータを取得する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記管理装置へ送信するデータの取得方法を判別する判別手段を更に有し、
前記判別手段において、データを前記外部接続機器より取得すると判別された場合、前記外部接続機器の接続を待機し、前記検知手段で外部接続機器の接続を検知する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記判別手段において、データをスキャナより取得すると判別された場合、前記スキャナの動作を待機し、スキャナが動作すると前記スキャナより読み込みデータを取得する画像読み込み手段を更に有し、
前記保守追加情報送信手段は、画像形成装置を特定するデバイス情報を画像読み込み手段で取得された前記読み込みデータに付加して前記管理装置に送信する請求項7記載の画像形成装置。
【請求項9】
画像形成装置が実行する情報処理方法であって、
保守依頼の指示を受け付ける受付ステップと、
画像形成装置を特定するデバイス情報を前記受付ステップで受け付けた指示の保守依頼に付加してネットワークを介して通信可能な管理装置へ送信する保守依頼送信ステップと、
外部接続機器の接続を検知する検知ステップと、
前記検知ステップで前記外部接続機器の接続が検知された場合、前記外部接続機器から送信対象のデータを取得する取得ステップと、
前記デバイス情報を前記取得ステップで取得された前記データに付加して前記管理装置に送信する保守追加情報送信ステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項10】
画像形成装置が実行する情報処理方法であって、
保守依頼の指示を受け付ける受付ステップと、
外部接続機器の接続を検知する検知ステップと、
前記検知ステップで前記外部接続機器の接続が検知された場合、前記外部接続機器から送信対象のデータを取得する取得ステップと、
前記受付ステップで受け付けた指示の保守依頼に画像形成装置を特定するデバイス情報と前記取得ステップで取得された前記データとを付加してネットワークを介して通信可能な管理装置に送信する送信ステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項11】
コンピュータに、
保守依頼の指示を受け付ける受付ステップと、
コンピュータを特定するデバイス情報を前記受付ステップで受け付けた指示の保守依頼に付加してネットワークを介して通信可能な管理装置へ送信する保守依頼送信ステップと、
外部接続機器の接続を検知する検知ステップと、
前記検知ステップで前記外部接続機器の接続が検知された場合、前記外部接続機器から送信対象のデータを取得する取得ステップと、
前記デバイス情報を前記取得ステップで取得された前記データに付加して前記管理装置に送信する保守追加情報送信ステップと、
を実行させるためのプログラム。
【請求項12】
コンピュータに、
保守依頼の指示を受け付ける受付ステップと、
外部接続機器の接続を検知する検知ステップと、
前記検知ステップで前記外部接続機器の接続が検知された場合、前記外部接続機器から送信対象のデータを取得する取得ステップと、
前記受付ステップで受け付けた指示の保守依頼にコンピュータを特定するデバイス情報と前記取得ステップで取得された前記データとを付加してネットワークを介して通信可能な管理装置に送信する送信ステップと、
を実行させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2013−62602(P2013−62602A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−198509(P2011−198509)
【出願日】平成23年9月12日(2011.9.12)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】