説明

画像形成装置、消耗品発注時期決定装置

【課題】消耗品が着脱可能に装着される画像処理装置において、消耗品の発注の平滑化を図る。
【解決手段】消耗品発注集計期間の情報を、発注集計期間情報記憶部に記憶する(S100)。消耗度合いの監視結果に基づき、消耗品発注時期を推測する(S112)。同一の消耗品発注時期消耗品発注集計期間に複数の消耗品の交換時期が重複する場合は、同一期間内に消耗品交換時期の重複数ができるだけ少なくなるように消耗品発注時期を配置する(S114,116)。推測した消耗品交換時期や決定した消耗品発注時期を使用者に通知する(S198)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置と消耗品発注時期決定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
各種機器においては、交換部品が装置本体に着脱可能に装着されるものがある。たとえば、印刷装置や複写装置などの画像形成装置の中には、感光体(ドラム)カートリッジや現像剤(トナー)カートリッジやインクカートリッジなどの交換部品が装置本体に着脱可能に装着されるものがある。
【0003】
これらの交換部品に関しては、装置側で消耗度合い自動判定して、交換時期に達したら利用者に交換を促す通知をするようになっている(特許文献1〜3を参照)。通常、利用者はこの通知に基づきその交換部品を発注することになる。
【0004】
【特許文献1】特開2003−29584号公報
【特許文献2】特開2008−20536号公報
【特許文献3】特開2002−99184号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、複数の消耗品の交換時期が重複する場合に、発注の平滑化を図ることのできる仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、装置本体に対して着脱可能に装着される消耗品の消耗度合いを監視する消耗状況監視部と、前記消耗状況監視部が監視した前記消耗品の消耗度合いに基づいて、前記消耗品の交換時期を推測する交換時期推測部と、前記交換時期推測部が推測した前記消耗品の交換時期に基づき、前記消耗品の発注時期を決定する発注時期決定部と、前記交換時期推測部が推測した前記消耗品の交換時期の情報および/または前記発注時期決定部が決定した前記消耗品の発注時期の情報を通知する通知部と、を備え、前記発注時期決定部は、同一の発注時期に複数の前記消耗品の交換時期が重複する場合には、重複を緩和するように、各消耗品の発注時期を決定する画像形成装置である。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記発注時期決定部は、同一の発注時期における前記消耗品の数が平滑化するように、各消耗品の発注時期を決定する。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記消耗品の発注を行なう期間的な区切りとしての発注集計期間に関する情報を記憶する発注集計期間情報記憶部をさらに備え、前記発注時期決定部は、前記発注集計期間情報記憶部に記憶されている発注集計期間の何れに、前記交換時期推測部が推測した前記消耗品の交換時期を属させるかを決定する。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記消耗品の発注集計期間に関する情報を受け付ける受付部をさらに備え、前記発注集計期間情報記憶部は、前記受付部が受け付けた前記発注集計期間に関する情報を記憶する。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記発注集計期間情報記憶部は、前記消耗品が装着される装置の出荷後に前記消耗品を販売する側の者から前記受付部を介して受け付けた前記発注集計期間に関する情報を記憶する。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記発注集計期間情報記憶部は、前記消耗品が装着される装置の使用者から前記受付部を介して受け付けた前記発注集計期間に関する情報を記憶する。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記消耗品の交換代金に関する情報を前記消耗品ごとに記憶する金額情報記憶部をさらに備え、前記発注時期決定部は、同一の発注時期における前記消耗品の交換代金の合計が平滑化するように、各消耗品の発注時期を決定する。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の発明において、前記消耗品の交換代金に関する情報を受け付ける受付部をさらに備え、前記金額情報記憶部は、前記受付部が受け付けた前記消耗品の交換代金に関する情報を記憶する。
【0014】
請求項9に記載の発明は、請求項7に記載の発明において、前記金額情報記憶部は、予め取り決めた前記消耗品の交換代金に関する情報を記憶する。
【0015】
請求項10に記載の発明は、請求項7に記載の発明において、前記金額情報記憶部は、前記消耗品が装着される装置の出荷後に前記消耗品を販売する側の者から前記受付部を介して受け付けた前記発注集計期間に関する情報を記憶する。
【0016】
請求項11に記載の発明は、請求項7〜10の内の何れか一項に記載の発明において、前記発注時期決定部は、同一の発注時期における前記消耗品の交換代金の合計が交換代金の上限値内に収まるように、各消耗品の発注時期を決定する。
【0017】
請求項12に記載の発明は、請求項7〜11の内の何れか一項に記載の発明において、前記消耗品の交換代金の上限値に関する情報を受け付ける受付部と、前記消耗品の交換代金の上限値に関する情報を記憶する金額情報記憶部と、をさらに備えている。
【0018】
請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の発明において、前記金額情報記憶部は、予め取り決めた前記交換代金の上限値に関する情報を記憶する。
【0019】
請求項14に記載の発明は、請求項12に記載の発明において、前記金額情報記憶部は、前記消耗品が装着される装置の出荷後に前記消耗品が装着される装置の使用者から前記受付部を介して受け付けた前記交換代金の上限値に関する情報を記憶する。
【0020】
請求項15に記載の発明は、請求項12〜14の内の何れか一項に記載の発明において、前記金額情報記憶部は、前記交換代金の上限値に関する情報を消耗品の発注集計期間ごとに記憶する。
【0021】
請求項16に記載の発明は、請求項12〜15の内の何れか一項に記載の発明において、前記発注時期決定部は、同一の発注時期における前記消耗品の交換代金の合計が前記交換代金の上限値内に収まらないものがあるときには、前記交換代金の上限値を増額し、この増額した交換代金の上限値内に、同一の発注時期における前記消耗品の交換代金の合計が収まるように、各消耗品の発注時期を決定する。
【0022】
請求項17に記載の発明は、請求項16に記載の発明において、前記発注時期決定部は、元の交換代金の上限値に対して自然数倍で増額する。
【0023】
請求項18に記載の発明は、請求項16または17に記載の発明において、前記発注時期決定部が増額した交換代金の上限値の情報を通知する通知部をさらに備えている。
【0024】
請求項19に記載の発明は、装置本体に対して着脱可能に装着される消耗品の消耗度合いを監視する消耗状況監視部と、前記消耗状況監視部が監視した前記消耗品の消耗度合いに基づいて、前記消耗品の交換時期を推測する交換時期推測部と、前記交換時期推測部が推測した前記消耗品の交換時期に基づき、前記消耗品の発注時期を決定する発注時期決定部と、前記交換時期推測部が推測した前記消耗品の交換時期の情報および/または前記発注時期決定部が決定した前記消耗品の発注時期の情報を通知する通知部と、を備え、前記発注時期決定部は、同一の発注時期に複数の前記消耗品の交換時期が重複する場合には、重複を緩和するように、各消耗品の発注時期を決定する消耗品発注時期決定装置である。
【発明の効果】
【0025】
請求項1,19に記載の発明によれば、複数の消耗品の交換時期が重複する場合、重複状態が緩和され、発注の平滑化を図ることができる。
【0026】
請求項2に記載の発明によれば、同一の発注時期における消耗品の数が平滑化される。
【0027】
請求項3に記載の発明によれば、発注集計期間単位で消耗品の数が平滑化される。
【0028】
請求項4に記載の発明によれば、記憶しておいた発注集計期間に基づいて処理を行なうことができる。
【0029】
請求項5に記載の発明によれば、装置の使用者による発注集計期間の設定の手間を煩わせることなく、発注集計期間に基づいて処理を行なうことができる。
【0030】
請求項6に記載の発明によれば、受付部を介して受け付けた発注集計期間に基づいて処理を行なうことができる。
【0031】
請求項7に記載の発明によれば、同一の発注時期における消耗品の交換代金の合計が平滑化される。
【0032】
請求項8に記載の発明によれば、受付部を介して受け付けた交換代金の情報に基づいて処理を行なうことができる。
【0033】
請求項9に記載の発明によれば、交換代金の情報の設定の手間を煩わせることなく、交換代金の情報に基づいて処理を行なうことができる。
【0034】
請求項10に記載の発明によれば、装置出荷後に消耗品販売者側により設定された交換代金の情報に基づいて処理を行なうことができる。
【0035】
請求項11に記載の発明によれば、交換代金の上限値に収まるように、同一の発注時期における消耗品の交換代金の合計が平滑化される。
【0036】
請求項12に記載の発明によれば、記憶しておいた消耗品の交換代金の上限値の情報に基づいて処理を行なうことができる。
【0037】
請求項13に記載の発明によれば、消耗品の交換代金の上限値の設定の手間を煩わせることなく、消耗品の交換代金の上限値に基づいて処理を行なうことができる。
【0038】
請求項14に記載の発明によれば、受付部を介して受け付けた消耗品の交換代金の上限値に基づいて処理を行なうことができる。
【0039】
請求項15に記載の発明によれば、消耗品の発注集計期間ごとに、各別に、消耗品の交換代金の上限値に基づいて処理を行なうことができる。
【0040】
請求項16に記載の発明によれば、消耗品の交換代金の上限値として最初に設定されている値内で平滑化をし切れない場合でも、増額した上限値内で平滑化を行なうことができる。
【0041】
請求項17に記載の発明によれば、上限値の増額値の決定を簡便にできる。
【0042】
請求項18に記載の発明によれば、上限値が増額されたことを知ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0044】
<画像形成装置の構成>
図1は、画像形成装置をプリンタに適用した場合における構成例を示す図である。画像形成装置1は、メインユニット102と給紙部190を備える。
【0045】
画像形成装置1は、図示しない接続ケーブルやネットワークを介して外部機器に接続可能になっている。たとえば、接続ケーブルは、CSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection)型LAN(Local Area Network;たとえばIEEE802.3 )やギガビット(Giga Bit)ベースのLAN(以下纏めて有線LANという)により図示しないパーソナルコンピュータ(パソコン)などの画像入力端末に接続される。
【0046】
なお、画像形成装置1は、ページプリンタ機能を持つプリンタの本体部分として利用されるだけでなく、複写機能を持つ複写装置、ファクシミリ送受信機能を持つFAX装置、ページプリンタ機能、複写機能、およびファクシミリ送受信機能などの複数の機能を備えたいわゆる複合機(マルチファンクション機)としての本体部分としても利用され得る。
【0047】
たとえば、図示を割愛するが、原稿を読み取る画像読取部(スキャナ部)を設けることで、複写機能を持つ複写装置を構成することもできる。一般加入電話網(PSTN:Public Switched Telephone Network )やISDN(Integrated Switched Digital Network )、またはインターネットを含む他の通信媒体を介して、FAX装置やパソコンなどの画像入力端末と接続するようにすることで、通信インタフェースを介して取得したFAXデータに基づいて印刷出力するFAX装置を構成することもできる。
【0048】
[基本構成]
画像形成装置1は、画像入力端末から入力される画像形成データ(たとえばスキャナで読み取られた画像データやパソコンから入力された印刷データなど)により表される画像を、電子写真方式の画像形成処理を利用して、普通紙や感熱紙などの記録媒体上に可視画像を形成する(印刷する)すなわち複写する。このため、画像形成装置1のメインユニット102は、画像形成装置1をデジタル印刷システムとして稼働させる電子写真方式のプリントエンジンを備える。
【0049】
画像形成装置1は、カラー画像形成対応に構成されており、メインユニット102の内部には、記録用紙をプリントエンジンの走査出力系103側に搬入したり、走査出力系103にて印刷された記録紙を排紙させるための、各種のロール部材(回転体)108などからなる標準搬送系107が収容されている。
【0050】
メインユニット102の下部に設けられた給紙部190には、給紙トレイ192とフィーダ部196が配設されている。図示した例では、給紙トレイ192としては、大きめのサイズ(たとえばB4以上)に対応したものが2つ(給紙トレイ192_1,192_2)と、小さめのサイズ(たとえばA4以下)に対応したものが2つ(給紙トレイ192_3,192_4)が用意されている。フィーダ部196は、給紙トレイ192から記録用紙を1枚ずつ捲り出しメインユニット102内の標準搬送系107に送り出す。
【0051】
走査出力系103は、第1の像担持体の一例であって感光性部材であるドラムと一次バイアス転写ロールとで第1の転写材の一例である中間転写体ベルトに画像を転写し、この中間転写体ベルトを第2の像担持体として用いて中間転写体ベルトの転写画像部分と第2の転写材である出力媒体の一例としての記録用紙とを二次バイアス転写ロール対で挟み付けることにより画像を記録用紙に転写することで記録媒体上に画像を印刷(形成)する構成である。
【0052】
走査出力系103は先ず、一方向に順次一定間隔をおいて並置されたY,M,C,Kの各色の印刷実行部130(それぞれにY,M,C,Kを付す;その他の部材についても同様;纏めていうときには色を省略して示す)を有する。
【0053】
中間転写体ベルト136は、図中Xで示すベルト搬送方向に回転するようになっており、全長(周長)Tに対して、各印刷実行部130の間隔は約1/10に設定されている。
【0054】
印刷実行部130は、第1の像担持体である感光体ドラム131上に形成されたトナー像を第1の転写材でありかつ第2の像担持体である中間転写体ベルト136に接触転写する第1転写部として機能するようになっている。
【0055】
印刷実行部130の中央部には、感光体ドラム131が配され、感光体ドラム131の周囲には、感光体ドラム131上に転写されずに残ったトナーを回収する除電器の機能を持つクリーナ132、感光体ドラム131の表面をトナーと同極性電位に均一に帯電する一次帯電器133、感光体ドラム131上に形成された潜像をトナー像として顕像化させる現像器134が配されている。現像器134の近傍にはトナーが充填されたトナーカートリッジ390が配設されており、トナーカートリッジ390から現像器134にトナーが補給される。感光体ドラム131の近傍には、トナー出力信号に基づいて潜像を感光体ドラム131に記録するための図示しないレーザ光源、ポリゴンミラーやその他のミラーなどで構成された露光器(図3参照)を有する書込走査光学系179が配設されている。
【0056】
つまり、画像形成装置1は、Y,M,C,Kの出力色に対応する複数のエンジン(印刷実行部130)を、Y→M→C→Kの順にインライン状に配列し、Y,M,C,Kの画像を4つのエンジンで並列的(同時進行的)に処理する。すなわち、配置位置に応じた時間を隔てて、1色ずつ中間転写体ベルト136に感光体ドラム131のトナー像を転写(特に一次転写という)させ、その後、中間転写体ベルト136上のトナー像を用紙に転写(特に二次転写という)させるように構成した中間転写方式かつタンデム型のカラー画像形成装置にしている。
【0057】
各色用の印刷実行部130の図中上部には、中間転写体ベルト136を挟持するように感光体ドラム131に対向して一次バイアス転写ロール135が配設されている。
【0058】
中間転写体ベルト136のK色の印刷実行部130の後段側にはレジストレーションセンサ182が設けられている。レジストレーションセンサ182は、安定した画像を得るべく、中間転写体ベルト136上に形成された任意の濃度の参照画像(トナーパッチ/Mark On Belt)である未定着トナー像を検知し、その検知結果に基づき露光量や現像バイアスなどのプロセス条件にフィードバックをかけて濃度制御を行なうことで、装置各部の変動が起こっても一定の階調−濃度特性が得られるように制御するために設けられている。
【0059】
中間転写体ベルト136の給紙部190側に、バックアップロール137cと二次バイアス転写ロール138が配設されている。図中右側の中間転写体ベルト136の近傍には、中間転写体ベルト136上に転写されずに残ったトナーを回収するベルトクリーニングユニット140が配されている。
【0060】
バックアップロール137cと二次バイアス転写ロール138とが圧接して、第1の転写材でありかつ第2の像担持体である中間転写体ベルト136上に形成されたトナー像を第2の転写材でありかつ出力媒体である印刷用紙に接触転写する第2転写部が構成される。中間転写体ベルト136の回転につれてトナー像が第2転写部位に到来すると、これにタイミングを合わせて標準搬送系107から第2の転写材である印刷用紙が第2転写部に供給され、同時に図示しない電荷供給源(たとえば転写高圧用電源)によって二次バイアス転写ロール138に転写バイアスが印加されて、中間転写体ベルト136側のトナー像は第2の転写材(出力媒体/印刷用紙)に転写される。
【0061】
メインユニット102内の図中左側には、二次バイアス転写ロール138から送り出された印刷済みの記録用紙を機外に排出するために、二次バイアス転写ロール138の記録用紙の搬送方向下流側に定着部139が配設されている。定着部139は、詳細には、互いに圧接され、定着位置を通過する用紙を加熱加圧する加熱ロール139a1および加圧ロール139a2を有する。
【0062】
メインユニット102内の定着部139の後流側には、両面印刷時や裏面排出時に利用される用紙反転路199が設けられている。
【0063】
ここで、画像形成装置1は、消耗した場合に適宜交換される部品である消耗品(交換部品)が着脱可能に装着される装置本体部であり、実質的に固定的な部分である。画像形成装置1は、装着された消耗品を使用して、画像形成動作を実行する。
【0064】
電子写真方式を採用する本実施形態の画像形成装置1の場合、消耗品としては、次のようなものが挙げられる。感光体ドラム131、クリーナ132、一次帯電器133が、一体化されて感光体カートリッジ380を構成し、この感光体カートリッジ380が、消耗品として、画像形成装置1に着脱可能に装着される。また、現像器134に補給されるトナーが充填されたトナーカートリッジ390が、消耗品として、画像形成装置1に着脱可能に装着される。また、現像器134を現像ユニットとして、二次バイアス転写ロール138を転写ユニットとして、定着部139として定着ユニットとして、それぞれ画像形成装置1に着脱可能に装着されるようにしてもよい。
【0065】
<制御機能>
図2は、画像形成装置1にて消耗品発注判定処理を行なう消耗品発注時期決定装置の制御機構を示すブロック図である。制御部400は、画像形成装置1の全体を制御する主制御部420、走査出力系103(画像形成部)を制御する画像形成制御部430、給紙部190を制御する給紙制御部440を有する。主制御部420は、標準搬送系107を制御する機能も備える。さらに、制御部400は、受付部510と判定情報記憶部520と交換時期判定処理部540と通知処理部580を具備した消耗品発注制御部500(消耗品発注時期決定装置の一態様)を備える。
【0066】
各制御部(主制御部420、画像形成制御部430、給紙制御部440、消耗品発注制御部500)は、コンピュータと同様にCPU(Central Processing Unit :図示せず)を利用した構成のものとなっている。
【0067】
主制御部420が搭載される基板には、各種の情報を記憶する記憶部450が搭載されている。記憶部450は、たとえば、随時書込みおよび読出しが可能であるとともに揮発性の記憶媒体の一例であるRAM452(Random Access Memory:随時書き込み読み出しメモリ)、随時書込みおよび読出しが可能であるとともに不揮発性(Non-Volatility)の記憶部の一例であるNVRAM454、読出し専用の記憶媒体の一例であるROM456(Read Only Memory)などを有する。なお、主制御部420が搭載される基板外に、記憶部450の一例であるハードディスク装置458(HDD)を設けてもよい。
【0068】
“揮発性の記憶媒体”とは、画像形成装置1のメイン電源がオフされた場合には、記憶内容を消滅してしまう形態の記憶部を意味する。一方、“不揮発性の記憶媒体”とは、画像形成装置1のメイン電源がオフされた場合でも、記憶内容を保持し続ける形態の記憶媒体を意味する。記憶内容を保持し続け得るものであればよく、半導体製のメモリ素子自体が不揮発性を有するものに限らず、バックアップ電源を備えることで、揮発性のメモリ素子を“不揮発性”を呈するように構成するものであってもよい。また、半導体製のメモリ素子により構成することに限らず、磁気ディスクや光ディスクなどの媒体(たとえばハードディスク装置458)を利用して構成してもよい。
【0069】
受付部510は、画像形成装置1に設けられる操作部を介して入力される各種の情報やネットワークを介して入力される各種の情報を受け付ける。受付部510は、受け付けた情報を主制御部420や判定情報記憶部520に通知する。
【0070】
判定情報記憶部520は、発注集計期間情報記憶部522と金額情報記憶部524を有する。発注集計期間情報記憶部522は、消耗品発注集計期間に関する情報を不揮発性の記憶媒体に記憶する。その情報は予め装置で決めて記憶しておいてもよいし、使用者ごとにその情報の通知を受付部510を介して受けて記憶してもよい。金額情報記憶部524は、消耗部品の発注金額に関する情報を不揮発性の記憶媒体に記憶する。消耗部品の発注金額に関する情報としては、たとえば、消耗部品ごとの交換代金や合計の交換代金上限値や許容される発注の重複数などが該当する。その情報は予め装置で決めて記憶しておいてもよいし、その情報の通知を受付部510を介して受けて記憶してもよい。発注集計期間情報記憶部522や金額情報記憶部524は、具体的な記憶媒体としては記憶部450のものを利用してよい。
【0071】
交換時期判定処理部540は、消耗状況監視部542、交換時期推測部544、発注時期決定部546を有する。消耗状況監視部542には、画像形成装置1において、トナーカートリッジや用紙などの消耗品に関わる交換対象となる各種部材から消耗度合いを示す情報や消耗度合いの算出に供される情報が通知される。消耗状況監視部542は、それらの情報に基づき各消耗品ユニットの消耗度合いの現状を把握する。
【0072】
交換時期推測部544は、消耗状況監視部542が取得した各消耗品ユニットの現状の消耗度合い(つまり現状の使用状況)に基づき、今後どの程度の使用、または実時間経過後に、新たな消耗品ユニットの交換が必要であるかを下記のようにして推測する。
【0073】
たとえば、「現在の残存膜厚またはトナー残量」と、「直近単位時間(たとえば1週間)の使用累積量と傾向」から、消耗の傾きを求めて推測する。具体的な一例としては、「Y=−ax+b」のような一次式で、xを「今後のある日」、Yを「残存膜厚またはトナー残量」として、「直近単位時間(たとえば1週間)の使用累積量と傾向」の差分よりaを算出、「現在の残存膜厚またはトナー残量」から切片bを算出する、などの方法を用いる。また、その他にも、たとえば、ベイズ推定を用いた推測を行なうなどの方法もある。
【0074】
発注時期決定部546は、交換時期推測部544が推測した消耗品交換時期の情報と判定情報記憶部520に記憶されている発注集計期間情報や発注金額情報に基づいて、消耗品発注時期を決定する。
【0075】
「消耗品交換時期」は、交換時期推測部544による推測により、画像形成が以後不可能になるであろう日時である。「消耗品発注時期」は、交換時期推測部544による推測により、「消耗品交換時期」に対して、消耗品を発注してから交換を行なうまでの余裕期間であり、少なくとも「消耗品交換時期」より前に設定する。その余裕期間をどの程度にするかは、画像形成装置1の消耗品ユニットの「発注→配送→交換」に至るまでの画像形成装置1が設置されている地域・環境、商習慣などの物流の実態に基づいて決定する。たとえば、10日や30日などと設定して推測する。
【0076】
発注時期決定部546は、消耗品発注を行なう期間的な区切りとして消耗品発注集計期間を設け、その情報に基づき「消耗品発注時期」を決定するのがよい。つまり、発注時期決定部546は、交換時期推測部544が推測した消耗品の交換時期を、何れの発注集計期間に属させるかを決定する。「発注集計期間」を設けない場合は、交換時期推測部544が推測した交換時期よりも前倒しで適当な発注時期を決めればよい。
【0077】
消耗品発注集計期間としては、たとえば月次の締めに合わせて25日締めのように毎月25日〜次月の24日のように設定しておく。消耗品発注集計期間は月次に限られるものではなく、たとえば週次であってもよい。これらの情報は、装置で予め取り込めておき発注集計期間情報記憶部522に記憶しておいてもよいし、その情報を使用者ごとに受け付けて発注集計期間情報記憶部522に記憶しておいてもよい。
【0078】
通知処理部580は、消耗品発注に関する情報を通知する。たとえば、通知処理部580は、交換時期推測部544が推測した消耗品交換時期の情報および/または発注時期決定部546が決定した消耗品発注時期の情報を、画像形成装置1の管理者や使用者に通知する。通知を行なう具体的な手段としては、たとえば、画像形成装置1の操作画面が利用される。また、操作画面に限られず、通信回線を用いて、携帯電話(PHSを含む)におけるショートメッセージサービス(SMS:Short Message Service)、電話、FAX、ネットワークを用いた電子メール、コンピュータなどの電子的手段を用いた直接自動発注などでもよい。
【0079】
<消耗品の消耗度合いの監視機構>
図3は、消耗品の消耗度合いを監視する手法を説明する図である。図1に示した電子写真方式の画像形成装置1において、画像形成装置1の全体動作を制御する制御部400に、着脱可能な消耗品ユニットが装着されている。たとえば、ここでの事例として、着脱可能な消耗品ユニットとしては、感光体カートリッジ380とトナーカートリッジ390を例に説明する。
【0080】
たとえば、従来から印刷装置(プリンタ)や複写機などの画像形成装置に対して着脱可能なユニットが存在している。たとえば、電子写真画像形成プロセスを用いた電子写真プリンタにおいては、電子写真感光体に作用するプロセス手段、現像手段、クリーニング手段などを着脱可能なユニットとして一体的にカートリッジ化したプロセスカートリッジ方式が採用されている。または、トナーを装填し、トナー供給機能の一部を含めて一体的にカートリッジ化したトナーカートリッジ方式が採用されている。このカートリッジ方式によれば、電子写真プリンタのメンテナンスをサービスマンによらず、ユーザ自身が行なうことができるので利便性が向上する。現在、このカートリッジ方式は、消耗品として電子写真プリンタにおいて広く用いられている。
【0081】
カラー出力対応の画像形成装置1においては、感光体カートリッジ380およびトナーカートリッジ390は、Y,M,C,Kの4色分各々装着されているものとする。これらの着脱可能な消耗品ユニットの消耗度合いを推測する手段として消耗状況監視部542が消耗品発注制御部500に備えられ、たとえば下記のようにして、消耗度合いの現状を把握する。
【0082】
[感光体カートリッジの監視手法]
たとえば、感光体カートリッジ380には、感光体ドラム131の表面電位を測定する表面電位計382や、感光体ドラム131の累積回転数を記憶する不揮発性メモリ386が設けられている。感光体カートリッジ380は、表面電位計382と不揮発性メモリ386の何れか一方のみを備えるものでもよい。
【0083】
感光体ドラム131の帯電特性や感度には製造上のバラツキが生じる。また、感光体ドラム131は、使用に伴って表層が削れ、その帯電特性や感度が変化する。このような製造上のバラツキや使用に伴う特性の変化は、画像に影響を及ぼす。そこで、消耗状況監視部542は、表面電位計382や不揮発性メモリ386からの情報に基づいて膜厚変化を監視し、その消耗度合いを判断するとともに、感光体ドラム131の製造上のバラツキや特性の変化などを補正する。
【0084】
表面電位計382の情報を利用する感光体カートリッジ380の監視手法としては、たとえば、次の2つの方法が考えられる。第1の方法では、画像形成過程において、感光体カートリッジ380の感光体ドラム131が回転する。一次帯電器133は、回転している感光体ドラム131に対して、基準電位Aを出力して、感光体ドラム131を帯電させる。感光体ドラム131上の帯電した箇所が表面電位計382に達した後に、感光体ドラム131の表面電位を表面電位計382で計測する。消耗状況監視部542は、表面電位計382が計測した表面電位が、基準電位Aに対して低下している度合いにより、感光体ドラム131の膜厚を予測する。
【0085】
第2の方法では、画像形成過程において、感光体カートリッジ380の感光体ドラム131が回転する。一次帯電器133は、回転している感光体ドラム131に対して、幅を持った基準電位A→基準電位Bに連続的に出力して、感光体ドラム131を帯電させる。感光体ドラム131上の帯電した箇所が表面電位計382に達した後に、感光体ドラム131の表面電位が連続して「基準電位A相当のもの」→「基準電位B相当のもの」に遷移する様子を表面電位計382で計測する。消耗状況監視部542は、表面電位計382が計測した表面電位の遷移の様子が、基準電位A→基準電位Bに追従しなくなる電位Cを探索することにより、感光体ドラム131の膜厚を予測する。
【0086】
なお、感光体ドラム131の表面電位の情報に基づいて膜厚を予測する具体的な手法については、たとえば、特開2007−052126号公報(段落13〜14、37〜42)などを参照するとよい。
【0087】
不揮発性メモリ386の情報を利用する感光体カートリッジ380の監視手法としては、たとえば、次の方法が考えられる。画像形成過程において、感光体カートリッジ380の感光体ドラム131が回転する。その感光体ドラム131の累積回転数Rを、不揮発性メモリ386に保持する。感光体ドラム131は、回転するごとに表面が摩耗していくため、感光体ドラム131の回転数に応じて消耗すると仮定する。この場合、感光体ドラム131が使用できなくなるであろう最大回転数Rmax を不揮発性メモリ386や制御部400側の記憶部450に記憶する。消耗状況監視部542は、不揮発性メモリ386に保持された累積回転数Rと最大回転数Rmax の比較により消耗度合いを判断する。
【0088】
消耗状況監視部542は、以上の方法の何れか、または複数の組合せを用いることにより、感光体カートリッジ380の消耗度合いを判断する。なお、感光体カートリッジ380の消耗度合いの判断は、この3種の方法に限られるものではない。
【0089】
[トナーカートリッジの監視手法]
一方、トナーカートリッジ390は搬出管392を介してトナーを現像器134に補給する。搬出管392とトナーカートリッジ390の連結部には流量センサ394が設けられている。また、トナーカートリッジ390には、累積ディスペンス時間の情報を記憶する不揮発性メモリ396や、デジタルスイッチを利用して残量を検知するトナー空センサ398が設けられている。トナーカートリッジ390は、流量センサ394、不揮発性メモリ396、デジタルスイッチ398の何れか1つのみを備えるものでもよい。
【0090】
消耗状況監視部542は、不揮発性メモリ396に保持された累積ディスペンス時間、流量センサ394で計測された流量、または、デジタルスイッチを利用したトナー空センサ398の情報に基づいて、残存するトナーの量を判断する。
【0091】
不揮発性メモリ396の情報を利用するトナーカートリッジ390の監視手法としては、たとえば、次の方法が考えられる。トナーカートリッジ390からトナーを現像器134に搬出する搬出管392を設け、搬出管392の中に渦巻き状にした針金(以下、ディスペンサーと称する)を置き、アルキメデスのポンプ状にトナーを搬出する。その際のディスペンサーの回転数を計測し、それを不揮発性メモリ396に記憶する。消耗状況監視部542は、不揮発性メモリ396に記憶された情報に基づき、どの程度のトナーを搬出したかを1回転当たりのトナー搬送量から計算し、消耗度合いを推測する。
【0092】
流量センサ394の情報を利用するトナーカートリッジ390の監視手法としては、たとえば、次の方法が考えられる。搬出管392を観察するようにトナーの流量を監視する流量センサ394を置く。この場合の流量センサ394は、トナーの磁気を検知して流量を計測するものとする。消耗状況監視部542は、搬出管392の中を流れるトナーを磁気的に流量センサ394で検知し、感光体ドラム131の累積回転数R当たりのトナー搬出量に、流量センサ394で検知した測定流量Fによる補正を行なうことで、より精密にトナー搬送量を計測し、消耗度合いを推測する。
【0093】
トナー空センサ398の情報を利用するトナーカートリッジ390の監視手法としては、たとえば、次の方法が考えられる。トナー空センサ398は、オン/オフのデジタルスイッチを利用したもので、トナー充填時にはオン、トナーがなくなってくるとオフになるように配置する。消耗状況監視部542は、水洗トイレの弁のように、一定周期Tsごと(たとえば2秒ごと)に、トナー空センサ398のデジタルスイッチのオン・オフの状況を計測し、オフになり続けた回数Noff が既定回数Nmax を超えた場合に、トナーカートリッジ390は空になったと判断する。換言すると、オフになり続けた期間(=Ts×回数Noff )が既定期間Tmax (=Ts×Nmax )を超えた場合に、トナーカートリッジ390は空になったと判断する。
【0094】
さらに、消耗状況監視部542は、直近既定回数回におけるデジタルスイッチのオン・オフの計測比率の変化に基づき、消耗の度合いの変化を推測する。たとえば、直近5回を計測する場合に、十分にトナーが残存しているときは「オン−オン−オン−オン−オン−」となるが、消耗経過とともに、「オン−オン−オン−オン−オン−」→「オン−オフ−オン−オフ−オン−」→…→「オフ−オフ−オン−オフ−オフ−」のように「オフ」の比率が高まっていく。消耗状況監視部542は、このようなオン・オフの変化状況に基づいて消耗の度合いを推測する。
【0095】
消耗状況監視部542は、以上の方法の何れか、または複数の組合せを用いることにより、トナーカートリッジ390の消耗度合いを判断する。なお、トナーカートリッジ390の消耗度合いの判断は、この3種の方法に限られるものではない。
【0096】
これらの消耗品は、1枚ごとの印刷チャージにて課金支払いして使用することが一般的である。しかしながら、特にこれらの消耗品を発注ごとに購入/支払いを頂く使用者は、消耗品の交換時期が集中して発生すると、会計上、支払いに支障を来すことがある。また、画像形成装置の使用ができなくなったり、機能が制限されたりすることもある。本実施形態では、その対策として、複数の消耗品の交換時期が重複する場合に、重複を解消して発注の平滑化を図る仕組みを採る。以下、具体的に説明する。
【0097】
<消耗品交換時期自動通知機能:概要>
消耗品発注制御部500は、消耗状況監視部542で取得された消耗品の消耗状況の監視結果に基づき、交換時期推測部544にて消耗品交換時期を推測する。発注時期決定部546は、交換時期推測部544が推測した消耗品交換時期と消耗品交換時期判定情報記憶部520に記憶されている発注集計期間情報や発注金額情報を突き合わせることで、消耗品発注時期を決定する。このとき、発注時期決定部546は、たとえば、予め取り決めておいた消耗品発注集計期間や使用者ごとの消耗品発注集計期間などの情報も勘案して、複数の交換対象部材が同じ発注時期にはできるだけ重ならないように、各交換部材の発注時期を調整する。
【0098】
「複数の交換対象部材が同じ発注時期にはできるだけ重ならないように」とは、「同一発注時期における交換対象部材の重複数が少なくなるように」と言う意味である。たとえば、交換対象部材が3つの場合に、1つの発注時期には、交換対象部材がそれぞれ1つであることが最適であるが、それが担保できないこともあり得る。このような場合でも、たとえば、3つ全てを同一時期に集中させるのではなく、1つと2つに分けるように発注時期を調整することも本実施形態の範囲である。
【0099】
消耗品発注制御部500は、消耗品交換時期に到達した消耗品ユニットが発生した場合、その消耗品ユニットにより構成する画像形成装置1の機能の使用を禁止するように制御する。たとえば、Y色のトナーカートリッジが消耗品交換時期に到達した場合、Y,M,C,K色のトナーを使用して作像するカラー印刷機能は、好適な画像形成が不可であるため使用を禁止する。ただし、K色のトナーのみを用いて行なう白黒印刷機能は、Y色のトナーカートリッジが不要であるから、その印刷機能の使用を許可する。
【0100】
また、K色のトナーカートリッジが消耗品交換時期に到達した場合、カラー印刷、白黒印刷機能の両方の使用を禁止するように制御する。または、画像品質低下が許容される場合は、K色のトナーを使用しないで作像するカラー印刷機能での使用を許可してもよい。
【0101】
消耗品発注制御部500は、機能使用の可否を前述の操作画面(表示パネル)上に表示することが望ましく、誤って使用できない機能の印刷指示が行なわれことを受け付けた場合は、理由を示して印刷不可を表示することが望ましい。消耗品発注制御部500は、使用者の判断の情報を受け付け、その使用に伴うリスクを理解した上で、機能の使用可否を制御するようにしてもよい。
【0102】
以下、具体的な事例に基づき説明する。なお、特段の断りのない限り、消耗品ユニット(以下省略して「消耗品」とも記す)としては、Y,M,C,Kごとに、感光体カートリッジとトナーカートリッジが該当するものとする。発注時期決定部546は、これら8つの消耗品ユニットに対して、各々「消耗品交換時期」と「消耗品発注時期」を算出する。
【0103】
<消耗品交換時期自動決定処理:第1実施形態>
図4は、第1実施形態の消耗品交換時期自動決定処理(発注平滑化処理とも称する)を説明する図である。
【0104】
第1実施形態は、発注集計期間情報記憶部522に記憶した情報を使用して消耗品交換時期を自動的に判断して通知する点に特徴を有する。消耗品発注集計期間内における消耗品の数の合計値ができるだけ少ない状態となるようにすることで、消耗品交換時期の平滑化を図る。同一の発注集計期間に交換対象品が重複した場合に、交換個数の平滑化を図る趣旨である。「できるだけ少ない状態」とは、「1」(つまり重複のない状態)が最適であるのは言うまでもない。
【0105】
[第1処理例:第1実施形態]
図4Aは、第1実施形態における第1処理例の処理手順を説明するフローチャートである。
【0106】
第1実施形態における第1処理例は、装置側で予め取り決めた消耗品発注集計期間の情報を、発注集計期間情報記憶部522に設定・登録しておく場合の事例である。「装置側で予め取り決めた」とは、使用者側(顧客側)でその設定を行なうことを許可するのではなく、製品出荷時や販売後に販売者側(たとえばサービスセンタ側)でその設定を行なう(いわゆる初期設定する)ことを意味する(S100)。
【0107】
発注時期決定部546は、現時点における消耗品発注時期を推測(算出)する(S112)。このとき、発注時期決定部546は、交換時期推測部544が推測した消耗品交換時期や発注集計期間情報記憶部522に登録されている発注集計期間を参照する。たとえば、消耗品1〜消耗品6までの6つの消耗品ユニットの消耗品発注時期を算出する。発注時期決定部546は、それらの算出結果を用いて、同一の消耗品発注時期に複数の消耗品の交換時期が重複しているか否かを判断する(S114)。
【0108】
重複なしであればそのままでよい(S114−NO)。同一の消耗品発注時期に複数の消耗品の交換時期が重複する場合は(S114−YES)、発注時期決定部546は、現在から消耗品交換時期までの各々の消耗品発注集計期間に消耗品交換時期に近い側から、同一期間内に消耗品交換時期の重複数ができるだけ少なくなるように、消耗品発注時期を配置する(S116)。
【0109】
つまり、交換時期判定処理部540は、消耗品発注時期が同一の消耗品発注集計期間内に複数個存在した場合は、現在から消耗品交換時期までの各々の消耗品発注集計期間に消耗品交換時期に近い側から、同一期間内の消耗品交換時期の重複個数ができるだけ少なくなるように消耗品発注時期を調整する。
【0110】
発注時期決定部546は、対象となる全ての消耗品交換時期について同様の処理を繰り返す(S180)。
【0111】
全ての消耗品交換時期についての処理が完了したら(S180−YES)、通知処理部580は、交換時期推測部544が推測した消耗品交換時期の情報や発注時期決定部546が決定した消耗品発注時期の情報を操作画面などで通知する(S198)。
【0112】
図4の事例では、消耗品2と消耗品3の発注時期が重なっている。また、消耗品4、消耗品5、消耗品6の発注時期も重なっている。そこで、発注時期決定部546は、先ず、消耗品2と消耗品3の内の消耗品交換時期がより前にある方(この例では消耗品2)を、それ以前で空きのある時期(この例では1つ前の消耗品発注時期)に割り当てることで、消耗品2と消耗品3の発注時期の重複を緩和・解消する。
【0113】
また、発注時期決定部546は、消耗品4、消耗品5、消耗品6の内の消耗品交換時期がより前にある方(この例では消耗品4)を、それ以前で空きのある時期(この例では1つ前の消耗品発注時期)に割り当てることで、3つの消耗品4,5,6の発注時期の重複を緩和・解消する。
【0114】
この状態では、まだ消耗品5と消耗品6の発注時期が重複しているので、発注時期決定部546は、この重複の解消を試みる。この場合、発注時期決定部546は、消耗品5と消耗品6の内の消耗品交換時期がより前にある方(この例では消耗品5)を、それ以前で空きのある時期に割り当てることを考えてみる。この例では、空きの時期がないので、何れかとの重複は避けられない。つまり、消耗品5は、それ以前のどの消耗品発注期間に割り付けても重複数は「2」で変わらない。そこで、発注時期決定部546は、消耗品5の発注に関しては、そのまま現状を維持する。
【0115】
第1実施形態の第1処理例によれば、装置側で予め取り決めておいた消耗品発注集計期間の情報に従って消耗品発注集計期間ごとの発注個数が平滑化される。
【0116】
[第2処理例:第1実施形態]
図4Bは、第1実施形態における第2処理例の処理手順を説明するフローチャートである。
【0117】
第1実施形態における第2処理例は、使用者の要望を受け付けた消耗品発注集計期間の情報を、発注集計期間情報記憶部522に設定・登録しておく場合の事例である。つまり、消耗品発注集計期間を、使用者ごとの要望に合わせるようにするものである。装置側で予め取り決めるだけ(いわゆる初期設定する)でなく、画像形成装置1を使用する側にも、その初期設定の更新または初期設定とは別の設定の使用を許可する事例である。
【0118】
消耗品発注制御部500は、受付部510を介して消耗品発注集計期間の情報を使用者から受け付けたときは(S102−YES)、その受け付けた情報を発注集計期間情報記憶部522に設定・登録する(S104)。たとえば、消耗品発注制御部500は、画像形成装置1の操作画面を介してその入力を受付部510で受け付けるようにする。または、消耗品発注制御部500は、ネットワークを通じて画像形成装置1の外部から消耗品発注集計期間の情報を使用者ごとに受付部510で受け付けるようにしてもよい。以前に受け付けて登録済みの場合は、既存の初期設定の情報の更新として処理するか、または別の設定情報として記憶する。
【0119】
消耗品発注集計期間の設定(入力)の仕方としては、次のようなことが考えられる。たとえば、月毎の締め日を入力してもよいし、たとえば、四半期ごとの締め日を入力してもよいし、30日ごとのように日数で指定してもよい。または、第1の消耗品発注集計期間は特定の日時Aに、第2の消耗品発注集計期間はBに、以下第Nの消耗品発注集計期間まで各々個別に設定するようにしてもよい。
【0120】
発注時期決定部546は、消耗品発注時期が同一の消耗品発注集計期間内に複数個存在した場合は、現在から消耗品交換時期までの各々の消耗品発注集計期間に消耗品交換時期に近い側から、同一期間内の消耗品交換時期の重複個数ができるだけ少なくなるように消耗品発注時期を配置する。この際、消耗品発注集計期間は、使用者(使用者)ごとの要望に合わせるようにする(S113)。つまり、使用者により入力された消耗品発注集計期間に基づき、消耗品発注集計期間ごとの発注個数を平滑化するように試みる。
【0121】
第1実施形態の第2処理例によれば、使用者から受け付けた消耗品発注集計期間の情報に従って消耗品発注集計期間ごとの発注個数が平滑化される。使用者の会計状況や決裁状況に合わせた消耗品発注集計期間が設定される。たとえば、金銭出納が好適に指定されるようになる。
【0122】
なお、前記第1実施形態の説明では、第1処理例および第2処理例の何れにおいても、発注集計期間情報記憶部522を備える構成で説明したが、第1処理例では、消耗品発注を行なう期間的な区切りとしての消耗品発注集計期間を設け、その設けた消耗品発注集計期間を発注集計期間情報記憶部522へ記憶することは必須でない。この場合、「発注集計期間」を設けない場合と同様に、交換時期推測部544が推測した交換時期よりも前倒しで適当な発注時期を決め、それに基づいて処理すればよい。
【0123】
<消耗品交換時期自動決定処理:第2実施形態>
図5は、第2実施形態の消耗品交換時期自動通知処理を説明する図である。第2実施形態は、金額情報記憶部524に記憶した情報も使用して消耗品交換時期を自動的に判断して通知する点に特徴を有する。消耗品発注集計期間内における消耗品の金額の合計値を判断して、消耗品交換時期の平滑化を図る。同一の発注集計期間に交換対象品が重複した場合に、交換個数ではなく、交換代金の平滑化を図る趣旨である。
【0124】
[第1処理例:第2実施形態]
図5Aは、第2実施形態における第1処理例の処理手順を説明するフローチャートである。
【0125】
第2実施形態における第1処理例は、装置側(サービスセンタ側)で予め取り決めた各消耗品の交換代金や交換代金上限値の情報を、金額情報記憶部524に設定・登録しておく場合の事例である。第2処理例とは異なり、販売者と使用者との間の取引条件は考慮せずに、装置側(サービスセンタ側)で予め取り決めた金額(消耗品の販売金額や交換代金上限値)の設定に基づくものである。換言すると、画像形成装置1を使用する側にその設定を行なうことを許可するのではなく、製品出荷時や販売後に販売者側(たとえばサービスセンタ側)でその設定を行なう(いわゆる初期設定する)ことで、全ての使用者について、交換代金や交換代金上限値を同一に設定する事例である(S200)。
【0126】
消耗品発注制御部500は、個々の消耗品に消耗品金額を付与し、その情報を金額情報記憶部524に記憶する。たとえば、Y色,M色,C色の各感光体カートリッジ380は4.5万円、K色の感光体カートリッジ380は5万円、Y色,M色,C色の各トナーカートリッジ390は3.5万円、K色のトナーカートリッジ390は1万円、などのように、各消耗品の交換代金を金額情報記憶部524に設定・登録する。また、各消耗品発注時期における交換代金の上限値も金額情報記憶部524に設定・登録する。たとえば、消耗品発注期間を月度ごとに設定した場合、交換金額上限値を7万円とする。
【0127】
発注時期決定部546は、現時点における消耗品発注時期を推測(算出)し、各消耗品ユニットの消耗品発注時期を算出する。発注時期決定部546は、それらの算出結果を用いて、現在から消耗品交換時期までの各々の消耗品発注集計期間に消耗品交換時期に近い側から、消耗品発注時期を配置する。
【0128】
この際には、交換時期判定処理部540は、同一の消耗品発注時期に複数の消耗品の交換時期が重複しているか否かを判断する(S214)。重複なしであればそのままでよい(S214−NO)。同一の消耗品発注時期に複数の消耗品の交換時期が重複する場合は(S214−YES)、現在から消耗品交換時期までの各々の消耗品発注集計期間に消耗品交換時期に近い側から、同一期間内の消耗品交換合計金額ができるだけ少なくなるように消耗品発注時期を配置する(S216)。つまり、消耗品の交換代金合計の平滑化を図る。
【0129】
このとき、交換代金上限値が設定されていれば、その交換代金上限値を判定指標として、同一の発注時期における消耗品の交換代金合計が交換代金上限値内に収まるように、各消耗品の発注時期を決定する。以下では交換代金上限値を判定指標として使用する場合で説明する。
【0130】
図示しないが、消耗品発注集計期間は、第1実施形態の第2処理例のように使用者(使用者)ごとの要望に合わせるようにするとよい。つまり、使用者の希望する消耗品発注集計期間に合わせて、消耗品発注集計期間に対して設定されている交換代金上限値を超えないように発注合計金額を平滑化するように試みる。
【0131】
図5の事例では、現時点にて消耗品発注時期を推測し、消耗品1〜消耗品5までの5つの消耗品ユニットの消耗品発注時期を算出する。算出結果を用いて、現在から消耗品交換時期までの各々の消耗品発注集計期間に消耗品交換時期に近い側から、各々の消耗品交換時期の消耗品金額が、交換代金上限値を超えないように消耗品発注時期に対して、各々の消耗品発注を割り当てる。
【0132】
図5の事例では、消耗品1=感光体K色(交換代金5万円)、消耗品2=トナーカートリッジM色(交換代金3.5万円)、消耗品3=トナーカートリッジC色(交換代金3.5万円)、消耗品4=感光体Y色(交換代金4.5万円)、消耗品5=感光体M色(交換代金4.5万円)とする。
【0133】
消耗品1〜消耗品5の内、消耗品2と消耗品3の発注時期が重なっているが交換代金上限値(7万円)を超えていない。消耗品4と消耗品5の発注時期が重なっており、合計交換金額が9万であり交換代金上限値(7万円)を超えている。そこで、発注時期決定部546は、消耗品4と消耗品5の内の消耗品交換時期がより前にある方(この例では消耗品4)を、それ以前で空きのある時期(この例では1つ前の消耗品発注時期)に割り当てることで、2つの消耗品4,5の発注時期の重複を緩和・解消する。
【0134】
なお、この例では、消耗品発注集計期間に対して交換代金上限値を設定し、その交換代金上限値を超えないように、交換合計金額の平滑化を図ったが、交換代金上限値を設定することは必須ではない。交換代金上限値を参照せずに、発注金額(交換代金合計値)の平滑化を図る変形例を採り得る。
【0135】
たとえば、図5の事例において、消耗品2と消耗品3の発注時期が重なっているので、交換代金上限値を超えていなくても、発注時期決定部546は、消耗品2と消耗品3の内の消耗品交換時期がより前にある方(この例では消耗品2)を、それ以前で空きのある時期(この例では1つ前の消耗品発注時期)に割り当てることで、2つの消耗品2,3の発注時期の重複を緩和・解消するようにしてもよい。
【0136】
交換代金上限値を参照する仕組みの方が処理が変形例より簡便であるが、発注金額の平滑化の効果は変形例よりも低い。逆に、変形例は、処理が基本例より煩雑になるが、発注金額の平滑化の効果は基本例よりも高い。
【0137】
なお、前記第2実施形態の説明では、第1〜第3処理例の何れにおいても、金額情報記憶部524を備える構成で説明したが、第1処理例では、発注平滑化処理に供される消耗品ごとの消耗品金額を設定し、その設定した消耗品ごとの消耗品金額を金額情報記憶部524へ記憶することは必須でない。この場合、予め装置で決めた値に基づいて処理すればよい。
【0138】
[第2処理例:第2実施形態]
図5Bは、第2実施形態における第2処理例の処理手順を説明するフローチャートである。
【0139】
第2実施形態における第2処理例は、販売者と使用者の間の取引条件を考慮して、使用者ごとに、各消耗品の交換代金や交換代金上限値を設定し、その情報を金額情報記憶部524に設定・登録しておく(いわゆる登録更新する)場合の事例である。装置側で予め取り決める(いわゆる初期設定する)だけでなく、画像形成装置1の使用者との間の取引条件に応じて、初期設定の更新または初期設定とは別の設定の使用を許可する事例である。
【0140】
なお、第1実施形態の第2処理例における発注集計期間とは異なり、交換代金は販売者側がその設定登録を行なうものとする。使用者側が勝手に販売金額を変更するのは好ましくないからである。一方、交換代金上限値に関しては、第1実施形態の第2処理例における発注集計期間と同様に、使用者側がその設定登録を行なうものとしてよい。
【0141】
消耗品発注制御部500は、受付部510を介して、各消耗品の交換代金や交換代金上限値の情報を使用者ごとに受け付けたときは(S202−YES)、その受け付けた情報を金額情報記憶部524に設定・登録する(S204)。たとえば、消耗品発注制御部500は、画像形成装置1の操作画面を介してその入力を受付部510で受け付けるようにする。または、消耗品発注制御部500は、ネットワークを通じて画像形成装置1の外部から各消耗品の交換代金や交換代金上限値の情報を使用者ごとに受付部510で受け付けるようにしてもよい。以前に受け付けて登録済みの場合は、既存の初期設定の情報の更新として処理するか、または別の設定情報として記憶する。
【0142】
たとえば、装置側で、使用者Aについては、Y色,M色,C色の各感光体カートリッジ380は5万円、K色の感光体カートリッジ380は3万円、Y色,M色,C色の各トナーカートリッジ390は2万円、K色のトナーカートリッジ390は1万円、などのように、各消耗品の交換代金を金額情報記憶部524に設定・登録(いわゆる初期設定)しておく。また、装置側で、各消耗品発注時期における使用者Aについての交換代金の上限値も金額情報記憶部524に設定・登録しておく。
【0143】
これに対して、その後の使用者Aとの取引条件を勘案して、たとえばサービスエンジニアは、その使用者Aについては、Y色,M色,C色の各感光体カートリッジ380は5万円、K色の感光体カートリッジ380は4万円、Y色,M色,C色の各トナーカートリッジ390は2万円、K色のトナーカートリッジ390は1万円、などのように、各消耗品の交換代金を金額情報記憶部524に設定・登録する。各消耗品発注時期における使用者Bについての交換代金の上限値も金額情報記憶部524に設定・登録する。
【0144】
発注時期決定部546は、消耗品発注時期が同一の消耗品発注集計期間内に複数個存在した場合は、消耗品発注集計期間に合わせて、発注合計金額を平滑化するように試みる。この際、使用者別の取引条件に基づく設定があれば、そこで設定されている各消耗品の交換代金や交換代金上限値を判定指標として、同一期間内の消耗品交換時期の合計金額ができるだけ少なくなるように消耗品発注時期を配置する(S117)。各消耗品の交換代金や交換代金上限値は、使用者との間の取引条件により個々に変わり得る値であるので、使用者別にその情報を設定することで、使用者と使用者との間の取引条件に応じた消耗品発注時期が設定されるようになる。
【0145】
第2実施形態の第2処理例によれば、販売者と使用者との間の取引条件を反映した各消耗品の交換代金や交換代金上限値の情報に従って消耗品発注集計期間ごとの発注金額が平滑化される。使用者の取引条件に応じた消耗品発注が設定される。
【0146】
[第3処理例:第2実施形態]
図5Cは、第2実施形態における第3処理例の処理手順を説明するフローチャートである。
【0147】
第2実施形態における第3処理例は、交換代金上限値を消耗品発注集計期間ごとに設定し、その情報を金額情報記憶部524に設定・登録しておく場合の事例である。使用者の予算状況に応じた消耗品発注を行なう趣旨である。販売者と使用者との間の取引条件を考慮して、使用者ごとに、各消耗品の交換代金を設定し、その情報を金額情報記憶部524に設定・登録しておく第2処理例と併用してもよい。
【0148】
消耗品発注制御部500は、製品出荷時や販売後に販売者側(たとえばサービスセンタ側)で、各消耗品の交換代金や交換代金上限値の情報を、消耗品発注集計期間別に金額情報記憶部524に設定・登録しておく(S201)。
【0149】
消耗品発注制御部500は、画像形成装置1の操作画面やネットワークを介して消耗品発注集計期間ごとの交換代金上限値の情報を受付部510で受け付けたときは(S203−YES)、その受け付けた情報を金額情報記憶部524に消耗品発注集計期間別に設定・登録する(S205)。
【0150】
消耗品発注集計期間ごとの交換代金上限値としては、たとえば、第1の消耗品発注集計期間では10万円、第2の消耗品発注集計期間では15万円、のように、消耗品発注集計期間ごとに個別に交換代金上限値を設定する。
【0151】
発注時期決定部546は、消耗品発注時期が同一の消耗品発注集計期間内に複数個存在した場合は、消耗品発注集計期間に合わせて、発注合計金額を平滑化するように試みる。この際、消耗品発注集計期間別に設定されている交換代金上限値を判定指標として、同一期間内の消耗品交換時期の合計金額ができるだけ少なくなるように消耗品発注時期を配置する(S218)。
【0152】
たとえば、全ての消耗品発注集計期間において、予算との関係で、特定の時期だけ、交換代金上限値を少なくしたくなることがある。このような場合に好適な事例である。たとえば、期末の残存予算から上限値を設けるなど、使用者の会計状況に応じて、消耗品発注集計期間別に交換代金上限値を設定する。使用者の会計状況に応じた消耗品発注が設定される。
【0153】
<消耗品交換時期自動決定処理:第3実施形態>
図6〜図6Aは、第3実施形態を説明する図である。ここで図6は、第3実施形態の消耗品交換時期自動通知処理を説明する図である。図6Aは、第3実施形態の処理手順を説明するフローチャートである。
【0154】
第3実施形態は、第2実施形態を適用して、同一期間内の消耗品交換時期の合計金額ができるだけ少なくなるように消耗品発注時期を配置しても、交換代金上限値内での対処ができない場合に対する対処の仕組みである。
【0155】
その対処として、第3実施形態の消耗品発注制御部500は、第2実施形態で採用している交換代金上限値(第1の交換代金上限値と記す)とは別の第2の交換代金上限値(>第1の交換代金上限値)を金額情報記憶部524に自動的に設定して、第1の交換代金上限値に代えて第2の交換代金上限値を使用して第2実施形態の手法を適用する点に特徴がある。
【0156】
つまり、現在から消耗品交換時期までの各々の消耗品発注集計期間に設定されている第1の交換代金上限値の合算を配置済みの消耗品発注金額の合計が超過したときに、新たに、第2の交換上限値を設定して、消耗品発注金額の平滑化をやり直す(S390,S392)。1回目のやり直しでもダメな場合は、さらに、別の第2の交換代金上限値(>1回目の第2の交換代金上限値)を設定して、同じようにやり直す。
【0157】
消耗品発注制御部500が第2の交換代金上限値を使用した処理に自動的に切り替えたときには、使用者に対して第2の交換上限値の情報を通知処理部580を介して通知するのがよい(S396)。
【0158】
ここで、各回における第2の交換代金上限値をどのように設定するかは、少なくとも第1の交換代金上限値よりも大きいことが必要である、つまり第2の交換代金上限値は第1の交換代金上限値を増額したものであればよく、その限りにおいて自由に設定してよい。一例としては、金額情報記憶部524に設定されている第1の交換代金上限値の倍数を順次設定するのがよい。
【0159】
たとえば、図6に示す事例では、発注時期決定部546は、現時点にて消耗品発注時期を推測し、消耗品1〜消耗品9までの9つの消耗品ユニットの消耗品発注時期を算出する。そして、発注時期決定部546は、算出結果を用いて、各々の発注金額を算出する。
【0160】
図6の事例では、消耗品1〜消耗品9の内、消耗品1と消耗品2の発注時期が重なっており、第1の交換代金上限値を超えている。そこで、発注時期決定部546は、消耗品1と消耗品2の内の消耗品交換時期がより前にある方(この例では消耗品1)を、それ以前で空きのある時期に割り当てることを試みる。この例では1つ前に配置換え可能な消耗品交換時期が存在するので、2つの消耗品1,2の発注時期の重複を緩和・解消する。
【0161】
また、消耗品4と消耗品5の発注時期が重なっており、第1の交換代金上限値を超えている。そこで、発注時期決定部546は、消耗品4と消耗品5の内の消耗品交換時期がより前にある方(この例では消耗品4)を、それ以前で空きのある時期に割り当てることを試みる。この例では、空きの時期がないので、何れかとの重複は避けられない。つまり、消耗品4は、それ以前のどの消耗品発注期間に割り付けても第1の交換代金上限値の解消には至らない。そこで、発注時期決定部546は、消耗品4の発注に関しては、そのまま現状を維持する。
【0162】
また、消耗品6と消耗品7と消耗品8と消耗品9の発注時期が重なっており、第1の交換代金上限値を超えている。そこで、発注時期決定部546は、消耗品6と消耗品7と消耗品8と消耗品9の内の消耗品交換時期がより前にある方(この例では消耗品6)を、それ以前で空きのある時期に割り当てることを試みる。この例では1つ前に配置換え可能な消耗品交換時期が存在するので、先ず、消耗品6を配置換えして、他の消耗品7,8,9との発注時期の重複を緩和・解消する。
【0163】
この状態では、まだ消耗品7と消耗品8と消耗品9の発注時期が重複しており第1の交換代金上限値を超えているので、発注時期決定部546は、この重複の解消を試みる。この場合、発注時期決定部546は、消耗品7と消耗品8と消耗品9の内の消耗品交換時期がより前にある方(この例では消耗品7)を、それ以前で空きのある時期に割り当てることを考えてみる。この例では、空きの時期がないので、何れかとの重複は避けられない。つまり、消耗品7は、それ以前のどの消耗品発注期間に割り付けても交換代金上限値の解消には至らない。そこで、発注時期決定部546は、消耗品7の発注に関しては、そのまま現状を維持する。
【0164】
以上のように、第2実施形態を適用した1回目の発注時期の発注平滑化処理では、一部については解消されるが、配置替えを行なったとしても、交換合計値計が第1の交換代金上限値を超えている時期が存在し、全てを第1の交換代金上限値以下にするには至っていない。
【0165】
そこで、第3実施形態では、発注時期決定部546は、新たに既存の各消耗品発注集計期間ごとに設定されている第1の交換代金上限値のN倍(Nは自然数)に、第2の交換代金上限値を設定し、第2実施形態を適用した2回目の発注時期の発注平滑化処理を行なう。このとき、たとえば先ずN=2として、第1の交換代金上限値に対して2倍の第2の交換代金上限値を設定し、その値を超えないように配置替えを行なう。
【0166】
また、さらに新たに設定した2倍の交換代金上限値を越えた場合は、同じ手順を繰り返して、3倍、4倍と交換代金上限値を積み増していってもよい。
【0167】
また、2回目の発注時期の発注平滑化処理を行なう際のNの値は、2に限定されることはなく、3倍、4倍でもよい。
【0168】
消耗品発注制御部500は、このように、交換代金上限値を新たに再設定して発注平滑化処理を行なうときには、使用者に対して第2の交換上限値を使用することを通知処理部580にて通知する。
【0169】
たとえば、図6の事例では、1回目の処理で対処し切れていないのが、消耗品4と消耗品5の発注時期の重複、および、消耗品7と消耗品8と消耗品9の発注時期の重複である。そこで、発注時期決定部546は、交換金額上限値を1回目の2倍にした第2の交換上限値に基づいて、この重複の解消を試みる。
【0170】
この場合、発注時期決定部546は、1回目の2倍にした第2の交換上限値との関係で、消耗品4と消耗品5の交換時期の重複はその範囲内に収まるので処理対象とせず、消耗品7と消耗品8と消耗品9の交換時期の重複はその範囲内に収まらないので処理対象とする。
【0171】
発注時期決定部546は、消耗品7と消耗品8と消耗品9の内の消耗品交換時期がより前にある方(この例では消耗品7)を、それ以前に割り当てることを考えてみる。この場合、発注時期決定部546は、消耗品7と消耗品8と消耗品9の内の消耗品交換時期がより前にある方(この例では消耗品7)を、それ以前に割り当てることを考えてみる。この例では、空きの時期がなく重複は避けられないが、1回目の2倍にした第2の交換上限値の範囲内であれば移動が可能な時期が存在する。そこで、一例として、発注時期決定部546は、消耗品7の発注時期を消耗品6の発注時期と重複させることで、3つの消耗品7,8,9の発注時期の重複を緩和・解消する。
【0172】
第2実施形態の場合には、第1の交換代金上限値での処理では金額面での重複の問題が解消されずに消耗品交換時期に到達した消耗品ユニットが発生した場合、その消耗品ユニットにより構成する画像形成装置の機能は使用が禁止されるので、画像形成装置1の使用が止められてしまう。
【0173】
これに対して、第3実施形態によれば、第1の交換代金上限値での処理では金額面での重複の問題が解消されていない場合に、増額した第2の交換代金上限値で同様の処理を繰り返すようにしている。このため、画像形成装置1の使用を止めずに、使用許可が継続される。加えて、増額した第2の交換代金上限値で同様の処理を繰り返すときには、使用者への通知をすることで、使用者が想定している支払い金額を超えたことが使用者に事前に通知される。また、使用者が想定している支払い金額を超えたときに、新たに平滑化する支払い金額の上限値を消耗品発注制御部500にて自動設定しているので、使用者が設定を変更する手間は省かれる。
【0174】
<消耗品発注時期決定装置;計算機構成>
図7は、前記実施形態で説明した発注平滑化処理を行なう消耗品発注時期決定装置の他の構成例を示すブロック図である。この構成は、ソフトウェアを実行するマイクロプロセッサなどから構築されるパーソナルコンピュータなどの電子計算機を利用したもので、消耗品発注時期決定装置のより現実的なハードウェア構成を示している。
【0175】
すなわち、本実施形態において、発注平滑化処理(消耗品交換時期自動決定処理)に関わる制御機構の仕組みは、ハードウェア処理回路により構成することに限らず、その機能を実現するプログラムコードに基づき電子計算機(コンピュータ)を用いてソフトウェア的に実現される。よって、本実施形態に係る仕組みを、電子計算機(コンピュータ)を用いてソフトウェアで実現するために好適なプログラムあるいはこのプログラムを格納したコンピュータ読取可能な記憶媒体が抽出される。ソフトウェアにより実行させる仕組みとすることで、ハードウェアの変更を伴うことなく、処理手順などが容易に変更されることとなる。
【0176】
たとえば、発注平滑化処理に関わる制御機構を構築するコンピュータシステム900は、CPU(Central Processing Unit )やマイクロプロセッサ(microprocessor)で構成された中央制御部910、読出専用の記憶部であるROM(Read Only Memory)、随時読出し・書込みが可能なメモリであるRAM(Random Access Memory)などを具備する記憶部912、操作部914、図示を割愛したその他の周辺部材を有している。
【0177】
中央制御部910は、コンピュータが行なう演算と制御の機能を超小型の集積回路に集約させたCPUを代表例とする電子計算機の中枢をなすものと同様のものである。ROMには発注平滑化処理用の制御プログラムなどが格納される。記憶部612のROMがその機能を備えるものとしてもよい。操作部914は、利用者による操作を受け付けるためのユーザインタフェースである。
【0178】
コンピュータシステム900の制御系としては、メモリカードなどの図示を割愛した外部記録媒体を挿脱可能に構成し、またインターネットなどの通信網との接続が可能に構成するとよい。このためには、制御系は、中央制御部910や記憶部912の他に、可搬型の記録媒体の情報を読み込むメモリ読出部920や外部との通信インタフェース手段としての通信I/F922を備えるようにするとよい。メモリ読出部920を備えることで外部記録媒体からプログラムのインストールや更新ができる。通信I/F922を備えることで、通信網を介しプログラムのインストールや更新ができる。発注平滑化処理の仕組みは前記実施形態と同様である。
【0179】
ここでは、発注平滑化処理に関わる制御機構をコンピュータにてソフトウェア上で実現する構成例で説明しているが、本実施形態の発注平滑化処理を実現するための制御機構の各部(機能ブロックを含む)の具体的手段は、ハードウェア、ソフトウェア、通信手段、これらの組み合わせ、その他の手段を用いることができ、このこと自体は当業者において自明である。また、機能ブロック同士が複合して1つの機能ブロックに集約されてもよい。また、コンピュータにプログラム処理を実行させるソフトウェアは、組合せの態様に応じて分散してインストールされる。
【0180】
以上、本発明について実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は前記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で前記実施形態に多様な変更または改良を加えることができ、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0181】
また、前記の実施形態は、クレーム(請求項)にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組合せの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜の組合せにより種々の発明を抽出できる。実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0182】
前記実施形態では、電子写真方式の画像形成装置を例に説明したが、インクジェット方式などの他の方式のものでもよい。たとえば、インクジェット方式であれば消耗品としてはインクカートリッジが該当し、このインクカートリッジの発注管理について前記実施形態の仕組みが同様に適用される。
【0183】
また、前記実施形態では、画像形成装置1における感光体カートリッジやトナーカートリッジなどの交換部品に関して具体的に説明したが、前記実施形態の仕組みの適用対象となるのは画像形成装置に限定されない。各種機器において、装置本体に着脱可能に装着される交換部品であれば、それらも適用対象となり得る。
【図面の簡単な説明】
【0184】
【図1】画像形成装置の構成例を示す図である。
【図2】消耗品発注時期決定装置の制御機構を示すブロック図である。
【図3】消耗品の消耗度合いを監視する手法を説明する図である。
【図4】第1実施形態の消耗品交換時期自動決定処理を説明する図である。
【図4A】第1実施形態・第1処理例の処理手順を説明するフローチャートである。
【図4B】第1実施形態・第2処理例の処理手順を説明するフローチャートである。
【図5】第2実施形態の消耗品交換時期自動通知処理を説明する図である。
【図5A】第2実施形態・第1処理例の処理手順を説明するフローチャートである。
【図5B】第2実施形態・第2処理例の処理手順を説明するフローチャートである。
【図5C】第2実施形態・第3処理例の処理手順を説明するフローチャートである。
【図6】第3実施形態の消耗品交換時期自動通知処理を説明する図である。
【図6A】第3実施形態の処理手順を説明するフローチャートである。
【図7】消耗品発注時期決定装置を、電子計算機を用いて構成する場合のハードウェア構成の一例を示した図である。
【符号の説明】
【0185】
1…画像形成装置、130…印刷実行部、131…感光体ドラム、380…感光体カートリッジ、382…表面電位計、386…不揮発性メモリ、390…トナーカートリッジ、392…搬出管、394…流量センサ、396…不揮発性メモリ、398…トナー空センサ、400…制御部、420…主制御部、430…画像形成制御部、440…給紙制御部、500…消耗品発注制御部、510…受付部、520…判定情報記憶部、522…発注集計期間情報記憶部、524…金額情報記憶部、540…交換時期判定処理部、542…消耗状況監視部、544…交換時期推測部、546…発注時期決定部、580…通知処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体に対して着脱可能に装着される消耗品の消耗度合いを監視する消耗状況監視部と、
前記消耗状況監視部が監視した前記消耗品の消耗度合いに基づいて、前記消耗品の交換時期を推測する交換時期推測部と、
前記交換時期推測部が推測した前記消耗品の交換時期に基づき、前記消耗品の発注時期を決定する発注時期決定部と、
前記交換時期推測部が推測した前記消耗品の交換時期の情報および/または前記発注時期決定部が決定した前記消耗品の発注時期の情報を通知する通知部と、
を備え、
前記発注時期決定部は、同一の発注時期に複数の前記消耗品の交換時期が重複する場合には、重複を緩和するように、各消耗品の発注時期を決定する
画像形成装置。
【請求項2】
前記発注時期決定部は、同一の発注時期における前記消耗品の数が平滑化するように、各消耗品の発注時期を決定する
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記消耗品の発注を行なう期間的な区切りとしての発注集計期間に関する情報を記憶する発注集計期間情報記憶部をさらに備え、
前記発注時期決定部は、前記発注集計期間情報記憶部に記憶されている発注集計期間の何れに、前記交換時期推測部が推測した前記消耗品の交換時期を属させるかを決定する
請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記消耗品の発注集計期間に関する情報を受け付ける受付部をさらに備え、
前記発注集計期間情報記憶部は、前記受付部が受け付けた前記発注集計期間に関する情報を記憶する
請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記発注集計期間情報記憶部は、前記消耗品が装着される装置の出荷後に前記消耗品を販売する側の者から前記受付部を介して受け付けた前記発注集計期間に関する情報を記憶する
請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記発注集計期間情報記憶部は、前記消耗品が装着される装置の使用者から前記受付部を介して受け付けた前記発注集計期間に関する情報を記憶する
請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記消耗品の交換代金に関する情報を前記消耗品ごとに記憶する金額情報記憶部をさらに備え、
前記発注時期決定部は、同一の発注時期における前記消耗品の交換代金の合計が平滑化するように、各消耗品の発注時期を決定する
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記消耗品の交換代金に関する情報を受け付ける受付部をさらに備え、
前記金額情報記憶部は、前記受付部が受け付けた前記消耗品の交換代金に関する情報を記憶する
請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記金額情報記憶部は、予め取り決めた前記消耗品の交換代金に関する情報を記憶する
請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記金額情報記憶部は、前記消耗品が装着される装置の出荷後に前記消耗品を販売する側の者から前記受付部を介して受け付けた前記発注集計期間に関する情報を記憶する
請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記発注時期決定部は、同一の発注時期における前記消耗品の交換代金の合計が交換代金上限値内に収まるように、各消耗品の発注時期を決定する
請求項7〜10の内の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記消耗品の交換代金の上限値に関する情報を受け付ける受付部と、
前記消耗品の交換代金の上限値に関する情報を記憶する金額情報記憶部と、
をさらに備えている
請求項7〜11の内の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記金額情報記憶部は、予め取り決めた前記交換代金の上限値に関する情報を記憶する
請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記金額情報記憶部は、前記消耗品が装着される装置の出荷後に前記消耗品が装着される装置の使用者から前記受付部を介して受け付けた前記交換代金の上限値に関する情報を記憶する
請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記金額情報記憶部は、前記交換代金の上限値に関する情報を消耗品の発注集計期間ごとに記憶する
請求項12〜14の内の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記発注時期決定部は、
同一の発注時期における前記消耗品の交換代金の合計が前記交換代金の上限値内に収まらないものがあるときには、前記交換代金の上限値を増額し、
この増額した交換代金の上限値内に、同一の発注時期における前記消耗品の交換代金の合計が収まるように、各消耗品の発注時期を決定する
請求項12〜15の内の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項17】
前記発注時期決定部は、元の交換代金の上限値に対して自然数倍で増額する
請求項16に記載の画像形成装置。
【請求項18】
前記発注時期決定部が増額した交換代金の上限値の情報を通知する通知部
をさらに備えた
請求項16または17に記載の画像形成装置。
【請求項19】
装置本体に対して着脱可能に装着される消耗品の消耗度合いを監視する消耗状況監視部と、
前記消耗状況監視部が監視した前記消耗品の消耗度合いに基づいて、前記消耗品の交換時期を推測する交換時期推測部と、
前記交換時期推測部が推測した前記消耗品の交換時期に基づき、前記消耗品の発注時期を決定する発注時期決定部と、
前記交換時期推測部が推測した前記消耗品の交換時期の情報および/または前記発注時期決定部が決定した前記消耗品の発注時期の情報を通知する通知部と、
を備え、
前記発注時期決定部は、同一の発注時期に複数の前記消耗品の交換時期が重複する場合には、重複を解消するように、各消耗品の発注時期を決定する
消耗品発注時期決定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6】
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【図6A】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−151908(P2010−151908A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−327328(P2008−327328)
【出願日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】