画像形成装置、画像処理方法および画像処理プログラム
【課題】本発明では、料金体系の変更を容易にし、ユーザの料金変更の自由度の向上させる画像処理装置を提供することを目的とする。
【解決手段】開示する画像処理装置の一形態では、画像読取装置と接続される画像処理装置であって、前記画像読取装置が印刷媒体から読み取った画像情報であって、当該画像処理装置が施す処理に応じてユーザに課す料金を表す文字情報を含む該画像情報を取得する画像情報取得手段と、前記画像情報取得手段により取得した前記画像情報に対し文字認識処理を施し、前記印刷媒体上に記載された文字及び該文字の記載位置を特定する記載情報特定手段と、前記記載情報特定手段により特定した前記文字及び前記記載位置について、前記料金を表す文字情報に関する記入規則に基づき解釈した結果を、該料金を設定するための料金設定情報として取得する料金情報取得手段と、前記料金情報取得手段により取得した前記料金設定情報に基づき、前記料金を設定する料金設定手段と、を有することを特徴とする。
【解決手段】開示する画像処理装置の一形態では、画像読取装置と接続される画像処理装置であって、前記画像読取装置が印刷媒体から読み取った画像情報であって、当該画像処理装置が施す処理に応じてユーザに課す料金を表す文字情報を含む該画像情報を取得する画像情報取得手段と、前記画像情報取得手段により取得した前記画像情報に対し文字認識処理を施し、前記印刷媒体上に記載された文字及び該文字の記載位置を特定する記載情報特定手段と、前記記載情報特定手段により特定した前記文字及び前記記載位置について、前記料金を表す文字情報に関する記入規則に基づき解釈した結果を、該料金を設定するための料金設定情報として取得する料金情報取得手段と、前記料金情報取得手段により取得した前記料金設定情報に基づき、前記料金を設定する料金設定手段と、を有することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置の制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
コンビニエンスストアでは、コピーサービスとしてデジタルフルカラーの複合機によるカラーコピーのサービスなどを提供している。最近の傾向として、ネットワーク対応の複合機をコンビニエンスストアのネットワークシステムに接続して、マルチメディア・コンテンツの出力サービスなどを提供する場合も多い。このような、環境の変化に対応したシステムの提案は、例えば、特許文献1に開示されている。
【0003】
このような複合機を利用したコピー、ファックスその他のサービス利用には、そのサービス利用に対する課金について、現金投入型の課金装置(コインラック)を用い、あるいは、サービスの利用分をレジにて清算するといった方法が一般的である。また、その料金の計算は提供サービスにより異なる。例えば、コピーサービスであれば「カラー/モノクロ」、「紙サイズ」、「枚数」などの要素を合計し課金する。印刷及びファックスの組み合わせのときは、画像読み取り動作が1回で済むので、画像読み取り動作が少ない分割安な課金をする。
【0004】
各サービスの課金情報はシステムまたは課金装置に備えられた課金テーブル(料金体系マトリクス)で管理する手法が一般的である。料金体系についてはコンビニエンスストア経営者が所望する特別料金を設定できるようにして、近傍の他店と差別化したい場合などもある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のようなニーズに対し、従来は機器販売元のサービスマンに依頼し課金テーブルを変更するなどサービス開始まで時間が掛かるという問題点、あるいは予め備えられた複数の課金テーブルから選択するしか無いという自由度の低さの問題点があった。
【0006】
本発明では、上記問題点に鑑み、料金体系の変更を容易にし、ユーザによる料金変更の自由度を向上させる画像処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
開示する画像処理装置の一形態では、設定したい料金体系を記載した印刷媒体をスキャナで読み取らせ、読み取った画像データに対し文字認識処理を施すことで所望の料金体系を抽出するため、料金設定を自動でかつ素早く行うことができる。
【発明の効果】
【0008】
開示する画像処理装置は、料金体系の変更を容易にし、ユーザによる料金変更の自由度を向上させることができる。また、開示の画像処理装置は、料金体系の変更時間を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施の形態に係る複合機をコンビニエンスストアなどに設置した場合の外観斜視図である。
【図2】本実施の形態に係る複合機の接続関係を示す図である。
【図3】本実施の形態に係る複合機の内部構造を示す構成図である。
【図4】本実施の形態に係るコインラックの構成を説明するブロック図である。
【図5】本実施の形態に係るコインラックあるいは複合機に設けられた課金テーブル概念図である。
【図6】本実施の形態に係る複合機の動作フローを示す図である。
【図7】本実施の形態に係る印刷媒体上に記載された料金体系の例である。
【図8】本実施の形態に係る料金体系を記載する専用フォーマットの例である。
【図9】表示装置に表示される認識された設定料金の確認画面の例である。
【図10】本実施の形態に係る複合機の動作フローを示す図である。
【図11】本実施の形態に係る複合機の動作フローを示す図である。
【図12】本実施の形態に係る料金体系管理データベースとの料金照合の例を示す図である。
【図13】本実施の形態に係る警告画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態について説明する。図1は、複合機本体1とコインラック60とを接続した本実施の形態の複合機をコンビニエンスストアなどに設置した場合の外観斜視図である。本実施の形態の複合機は、本発明の画像処理装置を実施するものである。
【0011】
実際には、図2で示すように、課金装置となるコインラック60は、シリアル信号線69を介して複合機本体1の各種インタフェース43と接続される。また、複合機本体1は、店内のLAN51にHUB19を介して接続される。他には、店舗端末52、バーコード装置53がLAN51に接続されている。LAN51は、ADSLルータモデム50を介してインターネット56に接続されている。その結果、複合機本体1は、コンテンツサーバ54などと通信することが可能である。
【0012】
図3は、複合機本体1の内部構造を示す構成図である。複合機本体1のストラクチャとしては、図3で示すように、画像処理ユニット部Aと情報処理ユニット部Bとに大別されており、印刷装置7及び画像読取装置8は画像処理ユニット部Aに属し、操作パネルP及び外部メディア入出力装置9は情報処理ユニット部Bに属している。
【0013】
画像処理ユニット部Aは、画像に関する所定の処理を実行する画像処理装置となるもので、情報処理ユニット部Bは、情報処理装置となるものである。 まず、画像処理ユニット部Aについて説明する。
【0014】
印刷装置7及び画像読取装置8を備える画像処理ユニット部Aは、画像処理ユニット部Aにおける画像処理全般の制御を行う画像処理制御ユニット10を備えており、この画像処理制御ユニット10には、印刷装置7を制御する印刷制御ユニット11と、画像読取装置8を制御する画像読取制御ユニット12とが接続されている。
【0015】
印刷制御ユニット11は、画像処理制御ユニット10の制御に従って印刷装置7に対して画像データを含む印刷指示を出力し、印刷装置7に転写紙などの媒体に画像を形成して出力させる。印刷装置7はフルカラー印刷可能とされており、その印刷方式は、電子写真方式のほか、インクジェット方式、昇華型熱転写方式、銀塩写真方式、直接感熱記録方式、溶融型熱転写方式など、さまざまな方式を用いることができる。
【0016】
画像読取制御ユニット12は、画像処理制御ユニット10の制御により画像読取装置8を駆動し、原稿の表面に対するランプ照射の反射光をミラー及びレンズにより受光素子(例えば、CCD(Charge Coupled Device))に集光して読み取り、A/D変換してRGB各8bitのデジタル画像データを生成する。
【0017】
このような画像処理制御ユニット10は、メインプロセッサであるCPU(Central Processing Unit)13と、画像読取装置8から読み込んだ画像データを印刷装置7による作像に供すべく一旦格納しておくSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)14と、制御プログラム等を記憶したROM(Read Only Memory)15と、システムログ/システム設定/ログ情報等を記録しておく電源OFF時にもデータの保持が可能なNVRAM16とを有する。
【0018】
また、画像処理制御ユニット10には、多量の画像データの蓄積やジョブ履歴等の記憶装置となるHDD(Hard Disk Drive)17、装置内部に設けられた集線装置であるHUB19を介して画像処理ユニット部AをLAN2に接続するためのLAN制御部18、FAX制御を行うFAX制御ユニット20が接続されている。
【0019】
このFAX制御ユニット20は、公衆電話網21に通じる構内交換器(PBX)22に接続されており、複合機本体1は、遠隔のファクシミリと交信することができる。加えて、画像処理制御ユニット10には、表示制御ユニット23及び操作入力制御ユニット24が接続されている。
【0020】
表示制御ユニット23は、画像処理制御ユニット10のコントロールによって制御パネルI/F25に接続された通信ケーブル26を介して情報処理ユニット部Bに対して画像表示制御信号を出力し、情報処理ユニット部Bの操作パネルPに対して画像表示の制御を行う。
【0021】
また、操作入力制御ユニット24は、情報処理ユニット部Bの操作パネルPからのオペレータによる機能設定や入力操作に応じた入力制御信号を、画像処理制御ユニット10のコントロールによって制御パネルI/F25に接続された通信ケーブル26を介して入力する。 すなわち、画像処理ユニット部Aは、情報処理ユニット部Bの操作パネルPを通信ケーブル26を介して直接モニタすることができる構成になっている。
【0022】
したがって、画像処理ユニット部Aは、従来の画像処理装置が備える画像処理ユニットに対して通信ケーブル26を接続し、情報処理ユニット部Bの操作パネルPを利用するようにしたものである。すなわち、画像処理ユニット部Aの表示制御ユニット23及び操作入力制御ユニット24は、操作パネルPに接続されているものとして動作している。
【0023】
このような構成により、画像処理ユニット部Aは、外部(サーバコンピュータ3、クライアントコンピュータ4、ファクシミリ等)からの画像情報である印刷データ及びプリント指示するコマンドを解析し、印刷データを出力画像データとして印刷できる状態にビットマップ展開し、印刷モードをコマンドから解析し動作を決定している。その印刷データ及びコマンドをLAN制御部18あるいはFAX制御ユニット20を通じて受信し動作する。
【0024】
また、画像処理ユニット部Aは、SDRAM14やHDD17に記憶されている印刷データ、原稿読取りデータ、これらを出力用に処理した出力画像データ、および、それらを圧縮した圧縮データを外部(サーバコンピュータ3、クライアントコンピュータ4、ファクシミリ等)に転送することができる。
【0025】
さらに、画像処理ユニット部Aは、画像読取装置8の読取り画像データを画像処理制御ユニット10に転送し、光学系及びデジタル信号への量子化に伴う信号劣化を補正し、該画像データをSDRAM14に書込む。
【0026】
このようにしてSDRAM14に格納された画像データは、印刷制御ユニット11で出力画像データに変換されて、印刷装置7に出力される。
【0027】
次に、操作パネルPを備える情報処理ユニット部Bについて説明する。 情報処理ユニット部Bは、一般にパーソナルコンピュータといわれるような情報処理装置に用いられる汎用のOS(Operating System)によって制御されるマイクロコンピュータ構成とされている。情報処理ユニット部Bは、メインプロセッサであるCPU31を有しており、このCPU31には、CPU31の作業用領域となるRAMや起動プログラムなどを記憶した読出し専用メモリであるROMで構成されるメモリユニット32と、OS(Operating System)やアプリケーションプログラムを記憶するHDD等の記憶装置34に対するデータの入出力を制御する記憶装置制御ユニット35とが、バス接続されている。
【0028】
また、CPU31には、情報処理ユニット部BをHUB19を介してLAN2に接続するためのLAN制御部33が接続されている。このLAN制御部33に割り当てられるネットワークアドレスであるIPアドレスは、前述した画像処理ユニット部AのLAN制御部18に割り当てられるIPアドレスとは異なるものである。すなわち、本実施の形態の複合機本体1には、2つのIPアドレスが割り当てられていることになる。
【0029】
つまり、画像処理ユニット部Aと情報処理ユニット部BとはLAN2に接続されていることになり、画像処理ユニット部Aと情報処理ユニット部Bとの間においてはデータ交換が可能な構成になっている。なお、複合機本体1はHUB19を介してLAN2に接続されていることから、見かけ上は、1つのIPアドレスのみが割り当てられているように見える。したがって、美観を損ねることはなく、結線等の取り扱いを容易にすることが可能になっている。
【0030】
さらに、CPU31には、操作パネルPを制御する表示制御ユニット36及び操作入力制御ユニット37が接続されている。操作パネルPは、例えばLCD(Liquid Crystal Display)である表示装置40と、操作入力装置41とで構成されている。表示制御ユニット36は、画像表示制御信号を制御パネルI/F38を介して表示装置40に出力し、画像表示制御信号に応じた所定事項を表示装置40に表示させる。 一方、操作入力制御ユニット37は、操作入力装置41におけるオペレータによる機能設定や入力操作に応じた入力制御信号を、制御パネルI/F38を介して受信する。
【0031】
加えて、CPU31には、画像処理ユニット部Aの制御パネルI/F25と通信ケーブル26を介して接続されている制御パネル通信ユニット39が接続されている。制御パネル通信ユニット39は、画像処理ユニット部Aから出力された画像表示制御信号を受信し、また、操作パネルPからのオペレータによる機能設定や入力操作に応じた入力制御信号を画像処理ユニット部Aに転送する。なお、詳細は後述するが、制御パネル通信ユニット39で受信した画像処理ユニット部Aからの画像表示制御信号は操作パネルPの表示装置40用にデータ変換処理されてから表示制御ユニット36に出力され、また、操作パネルPからのオペレータによる機能設定や入力操作に応じた入力制御信号は画像処理ユニット部Aでの仕様に応じた形式にデータ変換処理されてから制御パネル通信ユニット39に入力される。
【0032】
上述したように記憶装置34には、CPU31が実行するOS(Operating System)やアプリケーションプログラムが格納されている。この意味で、記憶装置34は、アプリケーションプログラムを記憶する記憶媒体として機能する。
【0033】
この複合機本体1では、ユーザが電源を投入するとCPU31がメモリユニット32内の起動プログラムを起動させ、記憶装置34よりOSをメモリユニット32内のRAMに読み込み、このOSを起動させる。このようなOSは、ユーザの操作に応じてプログラムを起動したり、情報を読み込んだり、保存を行ったりする。OSのうち代表的なものとしては、Windows(登録商標)等が知られている。これらのOS上で走る動作プログラムをアプリケーションプログラムと呼んでいる。
【0034】
情報処理ユニット部BのOSは、情報処理装置(サーバコンピュータ3やクライアントコンピュータ4等)と同様のOS、すなわち汎用のOS(例えば、Windows(登録商標)等)とされている。なお、前述したように、本実施の形態の複合機本体1には、OS、デバイスドライバや各種アプリケーションプログラム等の各種のプログラムコード(制御プログラム)や画像データ等を記憶した記憶媒体M、すなわち、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク(CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−R、DVD+R,DVD−RW、DVD+RWなど)、光磁気ディスク(MO)、半導体メディアなどの記憶媒体Mに記憶されているプログラムコードや画像データ等を読み取る。または、このような外部メディア入出力装置9は、CPU31にバス接続されている入出力デバイス制御ユニット42により制御される。
【0035】
したがって、記憶装置34に記憶されているアプリケーションプログラムは、この記憶媒体Mに記録されたアプリケーションプログラムがインストールされたものであっても良い。このため、記憶媒体Mも、アプリケーションプログラムを記憶する記憶媒体となり得る。さらには、アプリケーションプログラムは、例えばインターネット網6及びLAN2を介して外部から取り込まれ、記憶装置34にインストールされても良い。
【0036】
なお、入出力デバイス制御ユニット42には、USB,IEEE1394,SCSI等の各種インタフェース43も接続されており、各種インタフェース43を介して様々な機器(デジタルカメラ等)が接続可能とされている。
【0037】
図4は、コインラック60の構成を説明するブロック図である。図4に示すように、硬貨投入口61は、使用者が硬貨を投入する部分である。返却ボタン62は、使用者が操作を終了したときに投入硬貨の残金があるときに返却のために押し下げられる。制御回路63は、コインラック60の内部動作の制御を行う。硬貨返却部64は、残金の硬貨を返却し、操作者に受け渡すための返却口である。硬貨計数ユニット65は、硬貨投入口か投入された硬貨の種類を判別し投入された硬貨の金額を計数する。メモリ66は、硬貨計数ユニット65が計算した値を保持する。
【0038】
ポート67は、ホスト側との通信に用いられる一時記憶装置である。コインラックI/F68は、ホスト装置と接続するためのインタフェースであり、シリアル信号とパラレル信号を相互に変換することができる。シリアル信号69は、コインラック60とホスト側装置との間で相互に情報伝達を行うための信号線である。
【0039】
図5は、コインラック60あるいは複合機本体1に設けられた課金テーブル概念図である。利用するサービス、出力される紙サイズによりその料金が定義されており、その料金をコインラック60に入金することでサービスを受けることが可能となる。例えば、コピーサービスをカラー、A3で出力するとその料金は"C_C_A3"円、メディア印刷をモノクロ:B5サイズで出力するとその料金は"M_B_B5"円となる。図5においては、一部のサービスあるいは出力サイズを記載しているが、設定パラメータはこれに限ったものではない。
【0040】
図6は本実施の形態に係る画像処理装置の動作フローである。画像読取装置8により課金テーブル設定を記載した画像を読み取る(S101)、読み取り結果は画像処理制御ユニット10に搭載された図示しない文字認識処理部にて課金テーブル設定のパラメータであるか判断され(S102)、課金テーブル設定パラメータであれば記載されている料金を設定する(S103)。
【0041】
上記のように、開示の画像処理装置では、設定したい料金体系を記載し画像を読み取らせることで簡単に料金設定を変更することができるので、設定時間の短縮・ユーザの利便性が向上される。また、開示の画像処理装置では、あらかじめ複数の課金テーブルを備える必要がないので課金テーブルに必要なメモリ容量が削減できる。
【0042】
図7を用いて、文字認識処理部における課金テーブル設定パラメータの判断に関して説明する。ユーザがフリーで記載した文字に対し、図5で示されるキーワードを認識しその料金を設定する。図7においては「カラー」、「コピー」、「A4」、「50円」、「ファックス」、「30円」がキーワードに相当する。設定パラメータ及び料金は通常水平方向で対応づける。
【0043】
図8は料金体系を記載する専用フォーマットの例である。料金を記載する部分が破線部に限られるので文字認識される部分は破線部に限られ、さらに設定パラメーラの順番も規定されているため、認識精度及び認識速度が向上する。動作フローに関しては図6で示すものと同様である。ただし、認識率が向上しているのでS102で「YES」になる確率が高くなる。
【0044】
読み取らせる料金体系の記載方法が明確でない場合、文字認識手段における処理が複雑、且つ誤った認識になる可能性が高い。そこで、開示の画像処理装置では、上記のように料金体系を記載した画像が専用フォーマットであるので、文字認識位置が特定でき、認識精度を向上させることができる。
【0045】
図9は表示装置40に表示される認識された設定料金の確認画面の例である。図10の動作フローを用いて説明する。料金情報取得手段により取得(認識)された設定パラメータ(S102、ここでは設定料金)を表示装置40に表示する(S301)。ユーザは設定しようとする料金体系に間違いが無いかを判定し(S302)、間違いが無ければ(S302:YES)、図9の確認画面上の「はい」を選択することで課金テーブルに料金が設定される。
【0046】
記載した料金体系と認識した料金体系が相違なく課金テーブルに設定されたか不明である場合であっても、開示の画像処理装置では、上記のように設定したい料金を確認した上で課金テーブルを設定するので、料金体系の誤りが無い。
【0047】
図2でインターネット56上に設置されているコンテンツサーバ54を料金体系管理データベースで置き換えた場合の動作フローについて、図11を用いて説明する。ユーザによる認識確認結果より料金体系を設定する場合(S302:YES)、料金体系管理データベースへの照合が行われる(S401)。図12は料金体系管理データベースでの料金照合の例である。管理データベースには図12(b)に示すように各サービスの料金体系の上限・下限が設定されている。ユーザ側で設定された料金(図12(a))と料金体系管理データベース内の各料金テーブルとを比較照合し、その有効性を判定する(図12(c))。設定しようとしている料金が許可範囲内である場合のみ(S402:YES)、課金テーブルに料金設定が実施される。表示装置40に図13で示すような警告画面を表示する。
【0048】
ユーザが任意に料金体系を設定できるので、コンビニエンスストア等の大規模店舗の場合、その料金体系が本部の方針に合致しない可能性がある。そこで、開示の画像処理装置では、上記のようにすることで、設定する料金体系を全グループ方針の範囲内での設定とすることができる。
【0049】
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0050】
1 複合機
19 HUB
43 各種インタフェース
50 ADSLルータモデム
51 LAN
52 店舗端末
53 バーコード装置
54 コンテンツサーバ
56 インターネット
60 コインラック
【先行技術文献】
【特許文献】
【0051】
【特許文献1】特開2006−48282号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置の制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
コンビニエンスストアでは、コピーサービスとしてデジタルフルカラーの複合機によるカラーコピーのサービスなどを提供している。最近の傾向として、ネットワーク対応の複合機をコンビニエンスストアのネットワークシステムに接続して、マルチメディア・コンテンツの出力サービスなどを提供する場合も多い。このような、環境の変化に対応したシステムの提案は、例えば、特許文献1に開示されている。
【0003】
このような複合機を利用したコピー、ファックスその他のサービス利用には、そのサービス利用に対する課金について、現金投入型の課金装置(コインラック)を用い、あるいは、サービスの利用分をレジにて清算するといった方法が一般的である。また、その料金の計算は提供サービスにより異なる。例えば、コピーサービスであれば「カラー/モノクロ」、「紙サイズ」、「枚数」などの要素を合計し課金する。印刷及びファックスの組み合わせのときは、画像読み取り動作が1回で済むので、画像読み取り動作が少ない分割安な課金をする。
【0004】
各サービスの課金情報はシステムまたは課金装置に備えられた課金テーブル(料金体系マトリクス)で管理する手法が一般的である。料金体系についてはコンビニエンスストア経営者が所望する特別料金を設定できるようにして、近傍の他店と差別化したい場合などもある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のようなニーズに対し、従来は機器販売元のサービスマンに依頼し課金テーブルを変更するなどサービス開始まで時間が掛かるという問題点、あるいは予め備えられた複数の課金テーブルから選択するしか無いという自由度の低さの問題点があった。
【0006】
本発明では、上記問題点に鑑み、料金体系の変更を容易にし、ユーザによる料金変更の自由度を向上させる画像処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
開示する画像処理装置の一形態では、設定したい料金体系を記載した印刷媒体をスキャナで読み取らせ、読み取った画像データに対し文字認識処理を施すことで所望の料金体系を抽出するため、料金設定を自動でかつ素早く行うことができる。
【発明の効果】
【0008】
開示する画像処理装置は、料金体系の変更を容易にし、ユーザによる料金変更の自由度を向上させることができる。また、開示の画像処理装置は、料金体系の変更時間を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施の形態に係る複合機をコンビニエンスストアなどに設置した場合の外観斜視図である。
【図2】本実施の形態に係る複合機の接続関係を示す図である。
【図3】本実施の形態に係る複合機の内部構造を示す構成図である。
【図4】本実施の形態に係るコインラックの構成を説明するブロック図である。
【図5】本実施の形態に係るコインラックあるいは複合機に設けられた課金テーブル概念図である。
【図6】本実施の形態に係る複合機の動作フローを示す図である。
【図7】本実施の形態に係る印刷媒体上に記載された料金体系の例である。
【図8】本実施の形態に係る料金体系を記載する専用フォーマットの例である。
【図9】表示装置に表示される認識された設定料金の確認画面の例である。
【図10】本実施の形態に係る複合機の動作フローを示す図である。
【図11】本実施の形態に係る複合機の動作フローを示す図である。
【図12】本実施の形態に係る料金体系管理データベースとの料金照合の例を示す図である。
【図13】本実施の形態に係る警告画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態について説明する。図1は、複合機本体1とコインラック60とを接続した本実施の形態の複合機をコンビニエンスストアなどに設置した場合の外観斜視図である。本実施の形態の複合機は、本発明の画像処理装置を実施するものである。
【0011】
実際には、図2で示すように、課金装置となるコインラック60は、シリアル信号線69を介して複合機本体1の各種インタフェース43と接続される。また、複合機本体1は、店内のLAN51にHUB19を介して接続される。他には、店舗端末52、バーコード装置53がLAN51に接続されている。LAN51は、ADSLルータモデム50を介してインターネット56に接続されている。その結果、複合機本体1は、コンテンツサーバ54などと通信することが可能である。
【0012】
図3は、複合機本体1の内部構造を示す構成図である。複合機本体1のストラクチャとしては、図3で示すように、画像処理ユニット部Aと情報処理ユニット部Bとに大別されており、印刷装置7及び画像読取装置8は画像処理ユニット部Aに属し、操作パネルP及び外部メディア入出力装置9は情報処理ユニット部Bに属している。
【0013】
画像処理ユニット部Aは、画像に関する所定の処理を実行する画像処理装置となるもので、情報処理ユニット部Bは、情報処理装置となるものである。 まず、画像処理ユニット部Aについて説明する。
【0014】
印刷装置7及び画像読取装置8を備える画像処理ユニット部Aは、画像処理ユニット部Aにおける画像処理全般の制御を行う画像処理制御ユニット10を備えており、この画像処理制御ユニット10には、印刷装置7を制御する印刷制御ユニット11と、画像読取装置8を制御する画像読取制御ユニット12とが接続されている。
【0015】
印刷制御ユニット11は、画像処理制御ユニット10の制御に従って印刷装置7に対して画像データを含む印刷指示を出力し、印刷装置7に転写紙などの媒体に画像を形成して出力させる。印刷装置7はフルカラー印刷可能とされており、その印刷方式は、電子写真方式のほか、インクジェット方式、昇華型熱転写方式、銀塩写真方式、直接感熱記録方式、溶融型熱転写方式など、さまざまな方式を用いることができる。
【0016】
画像読取制御ユニット12は、画像処理制御ユニット10の制御により画像読取装置8を駆動し、原稿の表面に対するランプ照射の反射光をミラー及びレンズにより受光素子(例えば、CCD(Charge Coupled Device))に集光して読み取り、A/D変換してRGB各8bitのデジタル画像データを生成する。
【0017】
このような画像処理制御ユニット10は、メインプロセッサであるCPU(Central Processing Unit)13と、画像読取装置8から読み込んだ画像データを印刷装置7による作像に供すべく一旦格納しておくSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)14と、制御プログラム等を記憶したROM(Read Only Memory)15と、システムログ/システム設定/ログ情報等を記録しておく電源OFF時にもデータの保持が可能なNVRAM16とを有する。
【0018】
また、画像処理制御ユニット10には、多量の画像データの蓄積やジョブ履歴等の記憶装置となるHDD(Hard Disk Drive)17、装置内部に設けられた集線装置であるHUB19を介して画像処理ユニット部AをLAN2に接続するためのLAN制御部18、FAX制御を行うFAX制御ユニット20が接続されている。
【0019】
このFAX制御ユニット20は、公衆電話網21に通じる構内交換器(PBX)22に接続されており、複合機本体1は、遠隔のファクシミリと交信することができる。加えて、画像処理制御ユニット10には、表示制御ユニット23及び操作入力制御ユニット24が接続されている。
【0020】
表示制御ユニット23は、画像処理制御ユニット10のコントロールによって制御パネルI/F25に接続された通信ケーブル26を介して情報処理ユニット部Bに対して画像表示制御信号を出力し、情報処理ユニット部Bの操作パネルPに対して画像表示の制御を行う。
【0021】
また、操作入力制御ユニット24は、情報処理ユニット部Bの操作パネルPからのオペレータによる機能設定や入力操作に応じた入力制御信号を、画像処理制御ユニット10のコントロールによって制御パネルI/F25に接続された通信ケーブル26を介して入力する。 すなわち、画像処理ユニット部Aは、情報処理ユニット部Bの操作パネルPを通信ケーブル26を介して直接モニタすることができる構成になっている。
【0022】
したがって、画像処理ユニット部Aは、従来の画像処理装置が備える画像処理ユニットに対して通信ケーブル26を接続し、情報処理ユニット部Bの操作パネルPを利用するようにしたものである。すなわち、画像処理ユニット部Aの表示制御ユニット23及び操作入力制御ユニット24は、操作パネルPに接続されているものとして動作している。
【0023】
このような構成により、画像処理ユニット部Aは、外部(サーバコンピュータ3、クライアントコンピュータ4、ファクシミリ等)からの画像情報である印刷データ及びプリント指示するコマンドを解析し、印刷データを出力画像データとして印刷できる状態にビットマップ展開し、印刷モードをコマンドから解析し動作を決定している。その印刷データ及びコマンドをLAN制御部18あるいはFAX制御ユニット20を通じて受信し動作する。
【0024】
また、画像処理ユニット部Aは、SDRAM14やHDD17に記憶されている印刷データ、原稿読取りデータ、これらを出力用に処理した出力画像データ、および、それらを圧縮した圧縮データを外部(サーバコンピュータ3、クライアントコンピュータ4、ファクシミリ等)に転送することができる。
【0025】
さらに、画像処理ユニット部Aは、画像読取装置8の読取り画像データを画像処理制御ユニット10に転送し、光学系及びデジタル信号への量子化に伴う信号劣化を補正し、該画像データをSDRAM14に書込む。
【0026】
このようにしてSDRAM14に格納された画像データは、印刷制御ユニット11で出力画像データに変換されて、印刷装置7に出力される。
【0027】
次に、操作パネルPを備える情報処理ユニット部Bについて説明する。 情報処理ユニット部Bは、一般にパーソナルコンピュータといわれるような情報処理装置に用いられる汎用のOS(Operating System)によって制御されるマイクロコンピュータ構成とされている。情報処理ユニット部Bは、メインプロセッサであるCPU31を有しており、このCPU31には、CPU31の作業用領域となるRAMや起動プログラムなどを記憶した読出し専用メモリであるROMで構成されるメモリユニット32と、OS(Operating System)やアプリケーションプログラムを記憶するHDD等の記憶装置34に対するデータの入出力を制御する記憶装置制御ユニット35とが、バス接続されている。
【0028】
また、CPU31には、情報処理ユニット部BをHUB19を介してLAN2に接続するためのLAN制御部33が接続されている。このLAN制御部33に割り当てられるネットワークアドレスであるIPアドレスは、前述した画像処理ユニット部AのLAN制御部18に割り当てられるIPアドレスとは異なるものである。すなわち、本実施の形態の複合機本体1には、2つのIPアドレスが割り当てられていることになる。
【0029】
つまり、画像処理ユニット部Aと情報処理ユニット部BとはLAN2に接続されていることになり、画像処理ユニット部Aと情報処理ユニット部Bとの間においてはデータ交換が可能な構成になっている。なお、複合機本体1はHUB19を介してLAN2に接続されていることから、見かけ上は、1つのIPアドレスのみが割り当てられているように見える。したがって、美観を損ねることはなく、結線等の取り扱いを容易にすることが可能になっている。
【0030】
さらに、CPU31には、操作パネルPを制御する表示制御ユニット36及び操作入力制御ユニット37が接続されている。操作パネルPは、例えばLCD(Liquid Crystal Display)である表示装置40と、操作入力装置41とで構成されている。表示制御ユニット36は、画像表示制御信号を制御パネルI/F38を介して表示装置40に出力し、画像表示制御信号に応じた所定事項を表示装置40に表示させる。 一方、操作入力制御ユニット37は、操作入力装置41におけるオペレータによる機能設定や入力操作に応じた入力制御信号を、制御パネルI/F38を介して受信する。
【0031】
加えて、CPU31には、画像処理ユニット部Aの制御パネルI/F25と通信ケーブル26を介して接続されている制御パネル通信ユニット39が接続されている。制御パネル通信ユニット39は、画像処理ユニット部Aから出力された画像表示制御信号を受信し、また、操作パネルPからのオペレータによる機能設定や入力操作に応じた入力制御信号を画像処理ユニット部Aに転送する。なお、詳細は後述するが、制御パネル通信ユニット39で受信した画像処理ユニット部Aからの画像表示制御信号は操作パネルPの表示装置40用にデータ変換処理されてから表示制御ユニット36に出力され、また、操作パネルPからのオペレータによる機能設定や入力操作に応じた入力制御信号は画像処理ユニット部Aでの仕様に応じた形式にデータ変換処理されてから制御パネル通信ユニット39に入力される。
【0032】
上述したように記憶装置34には、CPU31が実行するOS(Operating System)やアプリケーションプログラムが格納されている。この意味で、記憶装置34は、アプリケーションプログラムを記憶する記憶媒体として機能する。
【0033】
この複合機本体1では、ユーザが電源を投入するとCPU31がメモリユニット32内の起動プログラムを起動させ、記憶装置34よりOSをメモリユニット32内のRAMに読み込み、このOSを起動させる。このようなOSは、ユーザの操作に応じてプログラムを起動したり、情報を読み込んだり、保存を行ったりする。OSのうち代表的なものとしては、Windows(登録商標)等が知られている。これらのOS上で走る動作プログラムをアプリケーションプログラムと呼んでいる。
【0034】
情報処理ユニット部BのOSは、情報処理装置(サーバコンピュータ3やクライアントコンピュータ4等)と同様のOS、すなわち汎用のOS(例えば、Windows(登録商標)等)とされている。なお、前述したように、本実施の形態の複合機本体1には、OS、デバイスドライバや各種アプリケーションプログラム等の各種のプログラムコード(制御プログラム)や画像データ等を記憶した記憶媒体M、すなわち、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク(CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−R、DVD+R,DVD−RW、DVD+RWなど)、光磁気ディスク(MO)、半導体メディアなどの記憶媒体Mに記憶されているプログラムコードや画像データ等を読み取る。または、このような外部メディア入出力装置9は、CPU31にバス接続されている入出力デバイス制御ユニット42により制御される。
【0035】
したがって、記憶装置34に記憶されているアプリケーションプログラムは、この記憶媒体Mに記録されたアプリケーションプログラムがインストールされたものであっても良い。このため、記憶媒体Mも、アプリケーションプログラムを記憶する記憶媒体となり得る。さらには、アプリケーションプログラムは、例えばインターネット網6及びLAN2を介して外部から取り込まれ、記憶装置34にインストールされても良い。
【0036】
なお、入出力デバイス制御ユニット42には、USB,IEEE1394,SCSI等の各種インタフェース43も接続されており、各種インタフェース43を介して様々な機器(デジタルカメラ等)が接続可能とされている。
【0037】
図4は、コインラック60の構成を説明するブロック図である。図4に示すように、硬貨投入口61は、使用者が硬貨を投入する部分である。返却ボタン62は、使用者が操作を終了したときに投入硬貨の残金があるときに返却のために押し下げられる。制御回路63は、コインラック60の内部動作の制御を行う。硬貨返却部64は、残金の硬貨を返却し、操作者に受け渡すための返却口である。硬貨計数ユニット65は、硬貨投入口か投入された硬貨の種類を判別し投入された硬貨の金額を計数する。メモリ66は、硬貨計数ユニット65が計算した値を保持する。
【0038】
ポート67は、ホスト側との通信に用いられる一時記憶装置である。コインラックI/F68は、ホスト装置と接続するためのインタフェースであり、シリアル信号とパラレル信号を相互に変換することができる。シリアル信号69は、コインラック60とホスト側装置との間で相互に情報伝達を行うための信号線である。
【0039】
図5は、コインラック60あるいは複合機本体1に設けられた課金テーブル概念図である。利用するサービス、出力される紙サイズによりその料金が定義されており、その料金をコインラック60に入金することでサービスを受けることが可能となる。例えば、コピーサービスをカラー、A3で出力するとその料金は"C_C_A3"円、メディア印刷をモノクロ:B5サイズで出力するとその料金は"M_B_B5"円となる。図5においては、一部のサービスあるいは出力サイズを記載しているが、設定パラメータはこれに限ったものではない。
【0040】
図6は本実施の形態に係る画像処理装置の動作フローである。画像読取装置8により課金テーブル設定を記載した画像を読み取る(S101)、読み取り結果は画像処理制御ユニット10に搭載された図示しない文字認識処理部にて課金テーブル設定のパラメータであるか判断され(S102)、課金テーブル設定パラメータであれば記載されている料金を設定する(S103)。
【0041】
上記のように、開示の画像処理装置では、設定したい料金体系を記載し画像を読み取らせることで簡単に料金設定を変更することができるので、設定時間の短縮・ユーザの利便性が向上される。また、開示の画像処理装置では、あらかじめ複数の課金テーブルを備える必要がないので課金テーブルに必要なメモリ容量が削減できる。
【0042】
図7を用いて、文字認識処理部における課金テーブル設定パラメータの判断に関して説明する。ユーザがフリーで記載した文字に対し、図5で示されるキーワードを認識しその料金を設定する。図7においては「カラー」、「コピー」、「A4」、「50円」、「ファックス」、「30円」がキーワードに相当する。設定パラメータ及び料金は通常水平方向で対応づける。
【0043】
図8は料金体系を記載する専用フォーマットの例である。料金を記載する部分が破線部に限られるので文字認識される部分は破線部に限られ、さらに設定パラメーラの順番も規定されているため、認識精度及び認識速度が向上する。動作フローに関しては図6で示すものと同様である。ただし、認識率が向上しているのでS102で「YES」になる確率が高くなる。
【0044】
読み取らせる料金体系の記載方法が明確でない場合、文字認識手段における処理が複雑、且つ誤った認識になる可能性が高い。そこで、開示の画像処理装置では、上記のように料金体系を記載した画像が専用フォーマットであるので、文字認識位置が特定でき、認識精度を向上させることができる。
【0045】
図9は表示装置40に表示される認識された設定料金の確認画面の例である。図10の動作フローを用いて説明する。料金情報取得手段により取得(認識)された設定パラメータ(S102、ここでは設定料金)を表示装置40に表示する(S301)。ユーザは設定しようとする料金体系に間違いが無いかを判定し(S302)、間違いが無ければ(S302:YES)、図9の確認画面上の「はい」を選択することで課金テーブルに料金が設定される。
【0046】
記載した料金体系と認識した料金体系が相違なく課金テーブルに設定されたか不明である場合であっても、開示の画像処理装置では、上記のように設定したい料金を確認した上で課金テーブルを設定するので、料金体系の誤りが無い。
【0047】
図2でインターネット56上に設置されているコンテンツサーバ54を料金体系管理データベースで置き換えた場合の動作フローについて、図11を用いて説明する。ユーザによる認識確認結果より料金体系を設定する場合(S302:YES)、料金体系管理データベースへの照合が行われる(S401)。図12は料金体系管理データベースでの料金照合の例である。管理データベースには図12(b)に示すように各サービスの料金体系の上限・下限が設定されている。ユーザ側で設定された料金(図12(a))と料金体系管理データベース内の各料金テーブルとを比較照合し、その有効性を判定する(図12(c))。設定しようとしている料金が許可範囲内である場合のみ(S402:YES)、課金テーブルに料金設定が実施される。表示装置40に図13で示すような警告画面を表示する。
【0048】
ユーザが任意に料金体系を設定できるので、コンビニエンスストア等の大規模店舗の場合、その料金体系が本部の方針に合致しない可能性がある。そこで、開示の画像処理装置では、上記のようにすることで、設定する料金体系を全グループ方針の範囲内での設定とすることができる。
【0049】
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0050】
1 複合機
19 HUB
43 各種インタフェース
50 ADSLルータモデム
51 LAN
52 店舗端末
53 バーコード装置
54 コンテンツサーバ
56 インターネット
60 コインラック
【先行技術文献】
【特許文献】
【0051】
【特許文献1】特開2006−48282号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像読取装置と接続される画像処理装置であって、
前記画像読取装置が印刷媒体から読み取った画像情報であって、当該画像処理装置が施す処理に応じてユーザに課す料金を表す文字情報を含む該画像情報を取得する画像情報取得手段と、
前記画像情報取得手段により取得した前記画像情報に対し文字認識処理を施し、前記印刷媒体上に記載された文字及び該文字の記載位置を特定する記載情報特定手段と、
前記記載情報特定手段により特定した前記文字及び前記記載位置について、前記料金を表す文字情報に関する記入規則に基づき解釈した結果を、該料金を設定するための料金設定情報として取得する料金情報取得手段と、
前記料金情報取得手段により取得した前記料金設定情報に基づき、前記料金を設定する料金設定手段と、を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
通信ネットワークを介して、前記料金の許容値を規定するデータベースに接続され、
前記料金設定手段により設定した前記料金が、前記データベースで規定される前記許容値に適合するか否かを判定する判定手段を有することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記ユーザに課す料金を表す文字情報は、前記印刷媒体上に所定のフォーマットで記載されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記料金情報取得手段により取得した前記料金設定情報を表示し、表示した該料金設定情報に関する承認を受け付ける表示手段を有し、
前記表示手段により前記承認が受け付けられた場合、
前記料金設定手段は、前記料金を設定することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一に記載の画像処理装置。
【請求項5】
画像読取装置と接続される画像処理装置における画像処理方法であって、
画像情報取得手段が、前記画像読取装置が印刷媒体から読み取った画像情報であって、前記画像処理装置が施す処理に応じてユーザに課す料金を表す文字情報を含む該画像情報を取得するステップと、
記載情報特定手段が、前記画像情報取得手段により取得した前記画像情報に対し文字認識処理を施し、前記印刷媒体上に記載された文字及び該文字の記載位置を特定するステップと、
料金情報取得手段が、前記記載情報特定手段により特定した前記文字及び前記記載位置について、前記料金を表す文字情報に関する記入規則に基づき解釈した結果を、該料金を設定するための料金設定情報として取得するステップと、
料金設定手段が、前記料金情報取得手段により取得した前記料金設定情報に基づき、前記料金を設定するステップと、を有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項6】
画像読取装置と接続される画像処理装置に、
画像情報取得手段が、前記画像読取装置が印刷媒体から読み取った画像情報であって、前記画像処理装置が施す処理に応じてユーザに課す料金を表す文字情報を含む該画像情報を取得するステップと、
記載情報特定手段が、前記画像情報取得手段により取得した前記画像情報に対し文字認識処理を施し、前記印刷媒体上に記載された文字及び該文字の記載位置を特定するステップと、
料金情報取得手段が、前記記載情報特定手段により特定した前記文字及び前記記載位置について、前記料金を表す文字情報に関する記入規則に基づき解釈した結果を、該料金を設定するための料金設定情報として取得するステップと、
料金設定手段が、前記料金情報取得手段により取得した前記料金設定情報に基づき、前記料金を設定するステップと、を実行させるための画像処理プログラム。
【請求項1】
画像読取装置と接続される画像処理装置であって、
前記画像読取装置が印刷媒体から読み取った画像情報であって、当該画像処理装置が施す処理に応じてユーザに課す料金を表す文字情報を含む該画像情報を取得する画像情報取得手段と、
前記画像情報取得手段により取得した前記画像情報に対し文字認識処理を施し、前記印刷媒体上に記載された文字及び該文字の記載位置を特定する記載情報特定手段と、
前記記載情報特定手段により特定した前記文字及び前記記載位置について、前記料金を表す文字情報に関する記入規則に基づき解釈した結果を、該料金を設定するための料金設定情報として取得する料金情報取得手段と、
前記料金情報取得手段により取得した前記料金設定情報に基づき、前記料金を設定する料金設定手段と、を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
通信ネットワークを介して、前記料金の許容値を規定するデータベースに接続され、
前記料金設定手段により設定した前記料金が、前記データベースで規定される前記許容値に適合するか否かを判定する判定手段を有することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記ユーザに課す料金を表す文字情報は、前記印刷媒体上に所定のフォーマットで記載されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記料金情報取得手段により取得した前記料金設定情報を表示し、表示した該料金設定情報に関する承認を受け付ける表示手段を有し、
前記表示手段により前記承認が受け付けられた場合、
前記料金設定手段は、前記料金を設定することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一に記載の画像処理装置。
【請求項5】
画像読取装置と接続される画像処理装置における画像処理方法であって、
画像情報取得手段が、前記画像読取装置が印刷媒体から読み取った画像情報であって、前記画像処理装置が施す処理に応じてユーザに課す料金を表す文字情報を含む該画像情報を取得するステップと、
記載情報特定手段が、前記画像情報取得手段により取得した前記画像情報に対し文字認識処理を施し、前記印刷媒体上に記載された文字及び該文字の記載位置を特定するステップと、
料金情報取得手段が、前記記載情報特定手段により特定した前記文字及び前記記載位置について、前記料金を表す文字情報に関する記入規則に基づき解釈した結果を、該料金を設定するための料金設定情報として取得するステップと、
料金設定手段が、前記料金情報取得手段により取得した前記料金設定情報に基づき、前記料金を設定するステップと、を有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項6】
画像読取装置と接続される画像処理装置に、
画像情報取得手段が、前記画像読取装置が印刷媒体から読み取った画像情報であって、前記画像処理装置が施す処理に応じてユーザに課す料金を表す文字情報を含む該画像情報を取得するステップと、
記載情報特定手段が、前記画像情報取得手段により取得した前記画像情報に対し文字認識処理を施し、前記印刷媒体上に記載された文字及び該文字の記載位置を特定するステップと、
料金情報取得手段が、前記記載情報特定手段により特定した前記文字及び前記記載位置について、前記料金を表す文字情報に関する記入規則に基づき解釈した結果を、該料金を設定するための料金設定情報として取得するステップと、
料金設定手段が、前記料金情報取得手段により取得した前記料金設定情報に基づき、前記料金を設定するステップと、を実行させるための画像処理プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−268070(P2010−268070A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−115814(P2009−115814)
【出願日】平成21年5月12日(2009.5.12)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月12日(2009.5.12)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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