説明

画像形成装置、画像形成システム、画像形成方法、画像形成プログラム及び記録媒体

【課題】本発明は、印刷文書を閲覧する各閲覧者の視覚特性に適応した印刷文書を印刷する画像形成装置、画像形成システム、画像形成方法、画像形成プログラム及び記録媒体に関する。
【解決手段】画像形成システム1は、ホスト装置HSから送信されてきた文書の印刷データと該印刷データで印刷される印刷文書を閲覧する全ての閲覧者を特定する閲覧者IDを含む印刷ジョブをプリンタPrが取得すると、プリンタPrが、予めサーバSVから取得してプリンタ用閲覧者アドレス帳に登録されている閲覧者情報から、取得した印刷ジョブの閲覧者IDに対応する全ての閲覧者の色覚特性を取得して、印刷ジョブから得られる画像データに対して、該閲覧者の分だけ視覚特性に応じた画像処理を施して印刷用画像データを生成し、該印刷用画像データに基づいて印刷文書を印刷出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成システム、画像形成方法、画像形成プログラム及び記録媒体に関し、詳細には、印刷文書を閲覧するそれぞれの閲覧者の視覚特性に適応した印刷文書を印刷する画像形成装置、画像形成システム、画像形成方法、画像形成プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カラーの画像形成技術(印刷技術)が発達し、個人や企業等において多種多様なカラー文書が作成されて印刷されるようになってきている。
【0003】
しかし、画像形成出力された文書の閲覧者には、色覚異常者がいることもあり、色覚異常者は、色を誤認するため、色そのものに重要な情報が含まれていると、全ての内容を正しく理解することができない場合がある。このような問題は、カラー文書の発行部数が急増している今日、日常的に起こり得る。
【0004】
そして、従来、ユーザの色覚特性を調べ、その結果に基づいて画像処理の内容を最適化して、ユーザにとって視認性が良く、好ましいと感じる文書を作成する技術が種々提案されている。
【0005】
例えば、従来、少なくとも明度方向の色弁別に関する色覚特性が入力されると、入力された情報を基に、色補正パラメータを生成するとともに、色弱の有無を判定し、色弱であると判定すると、該色補正パラメータを用いて入力カラー画像信号に対して色補正を行う技術が提案されている(特許文献1参照)。この従来技術は、1つの入力画像信号から色覚補正処理を行った画像形成出力(印刷出力)用の1つの印刷データを生成して、色覚異常者にとっても見やすい画像形成(印刷出力)を可能としている。すなわち、1つの印刷ジョブに対して、色覚異常者に対応した色覚補正処理を行った1つの印刷データを生成している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来技術にあっては、1つの印刷ジョブに対して、色覚異常者に対応した色覚補正処理を行った1つの印刷データを生成しているため、印刷ジョブと印刷結果の関係が1対1となっており、色覚異常の程度や色覚健常者それぞれに対応した印刷結果を得ることができず、種々の色覚程度に対して汎用性、利用性の良好な画像出力結果を得る上で、改良の必要があった。
【0007】
そこで、本発明は、画像データに対して種々の色覚特性に対応した印刷出力を得ることのできるデータ処理を施す画像形成装置、画像形成システム、画像形成方法、画像形成プログラム及び記録媒体を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するために、文書の印刷データと該印刷データによって印刷される印刷文書を閲覧する全ての閲覧者を特定する閲覧者特定情報を含む印刷ジョブを取得すると、取得した前記印刷ジョブの前記閲覧者特定情報に基づいて、閲覧者毎に該閲覧者特定情報に対応させて該閲覧者の色覚特性を含む閲覧者情報の登録されている閲覧者情報記憶手段から該閲覧者特定情報に対応する全ての閲覧者の色覚特性を取得して、該印刷ジョブから得られる画像データに対して、該閲覧者の分だけ該視覚特性に応じた画像処理を施して印刷用画像データを生成し、該印刷用画像データに基づいて印刷文書を印刷出力することを特徴としている。
【0009】
また、本発明は、前記閲覧者毎に該閲覧者の氏名が前記閲覧者情報として登録されている前記閲覧者情報記憶手段から該氏名を取得して、該氏名を前記印刷用画像データに付加することを特徴としてもよい。
【0010】
さらに、本発明は、取得した前記印刷ジョブの前記閲覧者特定情報に対応する閲覧者の色覚特性または/及び氏名の前記閲覧者情報記憶手段からの取得に失敗すると、所定の通信回線によって前記閲覧者特定情報に対応させて色覚特性または/及び氏名を管理用閲覧者情報として管理用閲覧者情報記憶手段に記憶して管理する管理装置から該閲覧者特定情報に対応する閲覧者の色覚特性または/及び氏名を取得し、取得した該色覚特性に応じた画像処理を行い、または/及び、取得した該氏名を前記印刷用画像データに付加することを特徴としてもよい。
【0011】
また、本発明は、ネットワークに情報処理装置、管理装置及び画像形成装置が接続された画像形成システムにおいて、前記管理装置が、印刷文書の閲覧者毎に該閲覧者を特定する閲覧者特定情報及び該閲覧者の色覚特性を含む閲覧者情報を記憶する管理側閲覧者情報記憶手段を有して、前記情報処理装置または/及び前記画像形成装置からの閲覧者取得要求に応じて、前記管理側閲覧者情報記憶手段に記憶されている閲覧者情報を該閲覧者取得要求を行ってきた該情報処理装置または/及び該画像形成装置に送信し、前記情報処理装置が、印刷文書の閲覧者毎に少なくとも該閲覧者を特定する閲覧者特定情報を含む閲覧者情報の登録される依頼側閲覧者情報記憶手段を有し、前記管理装置に閲覧者情報の取得要求を行って、該閲覧者情報取得要求に応じて該管理装置から送信されてきた閲覧者情報を前記依頼側閲覧者情報記憶手段に登録し、前記印刷データによって印刷される印刷文書を閲覧する全ての閲覧者の前記閲覧者特定情報を該依頼側閲覧者情報記憶手段から取得して文書の印刷データに該閲覧者特定情報を付加した印刷ジョブを生成して前記画像形成装置に送信し、前記画像形成装置が、閲覧者毎に前記閲覧者特定情報に対応させて該閲覧者の色覚特性を含む前記閲覧者情報の登録される画像形成側閲覧者情報記憶手段を有し、前記管理装置に閲覧者情報の取得要求を行って、該閲覧者情報取得要求に応じて該管理装置から送信されてきた閲覧者情報を該画像形成側閲覧者情報記憶手段に登録して、前記情報処理装置から送信されてくる前記印刷データと前記閲覧者特定情報を含む前記印刷ジョブを取得して、取得した該印刷ジョブの閲覧者特定情報に基づいて、前記画像形成側閲覧者情報記憶手段から該閲覧者特定情報に対応する全ての閲覧者の色覚特性を取得して、該印刷ジョブから得られる画像データに対して、該閲覧者の分だけ該視覚特性に応じた画像処理を施して印刷用画像データを生成し、該印刷用画像データに基づいて印刷文書を印刷出力することを特徴としている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施例を適用した画像形成システムのシステム構成図。
【図2】ホスト装置の閲覧者アドレス帳の一例を示す図。
【図3】サーバ用閲覧者アドレス帳の一例を示す図。
【図4】サーバの個人情報管理テーブルの一例を示す図。
【図5】プリンタのブロック構成図。
【図6】プリンタ用閲覧者アドレス帳の一例を示す図。
【図7】プリンタの印刷データの処理に対する機能モジュールと印刷データの流れを示す図。
【図8】プリンタにおける閲覧者関連情報の流れと機能モジュールを示す図。
【図9】ホスト装置による閲覧者情報取得処理を示すフローチャート。
【図10】サーバによるホスト装置への閲覧者情報送信処理を示すフローチャート。
【図11】プリンタによる全閲覧者の閲覧者情報取得処理を示すフローチャート。
【図12】ホスト装置による印刷要求処理を示すフローチャート。
【図13】サーバによるプリンタへの閲覧者情報送信処理を示すフローチャート。
【図14】印刷ジョブのデータ構成の一例を示す図。
【図15】プリンタによる画像形成制御処理を示すフローチャート。
【図16】図15の続きの処理を示すフローチャート。
【図17】プリンタによるサーバへの色覚特性取得処理を示すフローチャート。
【図18】プリンタからの色覚特性取得要求に対するサーバによる閲覧者情報送信処理を示すフローチャート。
【図19】プリンタによる閲覧者氏名取得処理を示すフローチャート。
【図20】プリンタからの氏名取得要求に対するサーバによる閲覧者情報送信処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施例は、本発明の好適な実施例であるので、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明によって不当に限定されるものではなく、また、本実施の形態で説明される構成の全てが本発明の必須の構成要件ではない。
【実施例1】
【0014】
図1〜図20は、本発明の画像形成装置、画像形成システム、画像形成方法、画像形成プログラム及び記録媒体の一実施例を示す図であり、図1は、本発明の画像形成装置、画像形成システム、画像形成方法、画像形成プログラム及び記録媒体の一実施例を適用した画像形成システム1のシステム構成図である。
【0015】
図1において、画像形成システム1は、イーサネット(Ethernet:登録商標)等のネットワークNWに、プリンタPr、サーバSV及びホスト装置HS等が接続されており、ホスト装置HS及びプリンタPrは、それぞれ複数台接続されていてもよい。
【0016】
ホスト装置HSは、通常のハードウェア構成及びソフトウェア構成のコンピュータ等が用いられ、一般的に、ハードディスク、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等のメモリ、CPU(Central Processing Unit )、ディスプレイ、キーボード、マウス等の入力部等のハードウェアを備えていて、該ハードウェアのメモリに、ウィンドウズ(登録商標)等のOS(Operating System)上に、本発明の閲覧者情報を含む画像データを、サーバSVを介してプリンタPrに送って印刷要求するホスト用画像形成プログラムやプリンタドライバ及び文書作成ソフトウェア等のソフトウェアが搭載されている。
【0017】
ホスト装置HSは、ハードウェア等のメモリ上に、プリンタPrで印刷出力(画像形成出力)させる印刷文書を利用する閲覧者に関する閲覧者情報をホスト用閲覧者アドレス帳として保管しており、ホスト用閲覧者アドレス帳は、例えば、図2に示すように、閲覧者毎に、ユーザID、氏名、所属部署、e-mailアドレス等の各情報がテーブル形式で登録されている。なお、所属部署やe-mailアドレス等は、文書の閲覧者を選択する場合に、氏名だけでは、同姓同名の人がいて区別できない場合などに使用される。
【0018】
ホスト装置HSは、ホスト用画像形成プログラムを実行することで、ホスト用閲覧者アドレス帳への閲覧者情報の登録制御処理、閲覧者情報の印刷ジョブへの登録処理等を伴う印刷依頼処理を行う。
【0019】
なお、ホスト装置HSは、ROM、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory )、EPROM、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory )、CD−RW(Compact Disc Rewritable )、DVD(Digital Versatile Disk)、SD(Secure Digital)カード、MO(Magneto-Optical Disc)等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されている本発明のホストでの画像形成方法である印刷依頼方法を実行するホスト用画像形成プログラムを読み込んでハードディスク等に導入することで、後述するホスト用閲覧者アドレス帳への閲覧者情報の登録制御処理、閲覧者情報の印刷ジョブへの登録処理等を伴う印刷依頼処理を実行する情報処理装置として構築されている。このホスト用画像形成プログラムは、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)等のレガシープログラミング言語やオブジェクト指向ブログラミング言語等で記述されたコンピュータ実行可能なプログラムであり、上記記録媒体に格納して頒布することができる。
【0020】
サーバSVは、通常のハードウェア構成及びソフトウェア構成のプリントサーバが用いられており、一般的に、ハードディスク、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等のメモリ、CPU(Central Processing Unit )、ディスプレイ、キーボード、マウス等の入力部等のハードウェアを備えていて、該ハードウェアのメモリに、ウィンドウズ等のOS上に、本発明の閲覧者情報を含む画像データと印刷要求を含む印刷ジョブがホスト装置HSから送られてくると、一旦、ハードディスク等に保管した後、該印刷ジョブの閲覧者情報に対応する閲覧者の視覚特性情報を付加した閲覧者視覚関連情報をプリンタPrに送って印刷要求するサーバ用画像形成プログラム等のソフトウェアが搭載されている。
【0021】
サーバSVは、ハードウェア等のメモリ上に、プリンタPrで印刷出力(画像形成出力)させる印刷文書を利用する閲覧者と閲覧者の視覚特性と該視覚特性に基づくカラー印刷可否情報に関する閲覧者情報をサーバ用閲覧者アドレス帳として保管しており、サーバ用閲覧者アドレス帳は、例えば、図3に示すように、閲覧者毎に、ユーザID、氏名、視覚特性、所属部署、e-mailアドレス及びカラー印刷可否等の各情報がテーブル形式で登録されている。また、サーバSVは、図4に示すような個人情報管理テーブル(管理情報記憶手段)をハードウェア等のメモリ上に格納しており、個人情報管理テーブルは、サーバ用閲覧者アドレス帳に登録されている閲覧者情報の各項目、すなわち、ユーザID、氏名、カラー印刷可否、色覚特性、所属部署及びe-mailアドレス毎に、ホスト装置HSのホスト用閲覧者アドレス帳への登録可否情報及びプリンタPrのアドレス帳への登録可否情報が登録されている。なお、この個人情報管理テーブルは、閲覧者情報項目毎に登録可否を管理するものに限るものではなく、閲覧者毎にかつ閲覧者情報項目毎に登録可否を管理するものであってもよい。
【0022】
サーバSVは、CPU(前記閲覧者情報提供手段)が、プリントサーバ用画像形成プログラムを実行することで、サーバ用閲覧者アドレス帳への閲覧者情報の登録制御処理、閲覧者情報の印刷ジョブへの登録処理及び閲覧者関連情報のホスト装置HS及びプリンタPrへの登録制御処理等を伴う印刷サーバ処理を行う。
【0023】
なお、サーバSVは、ROM、EEPROM、EPROM、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD−ROM、CD−RW、DVD、SDカード、MO等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されている本発明のプリントサーバでの画像形成方法である印刷サーバ方法を実行するプリントサーバ用画像形成プログラムを読み込んでハードディスク等に導入することで、後述するサーバ用閲覧者アドレス帳への閲覧者情報、閲覧者の視覚特性等のような視覚関連情報の登録制御処理、閲覧者視覚情報の印刷ジョブへの登録処理等を伴う印刷サーバ処理を実行するプリントサーバ装置として構築されている。このプリントサーバ用画像形成プログラムは、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)等のレガシープログラミング言語やオブジェクト指向ブログラミング言語等で記述されたコンピュータ実行可能なプログラムであり、上記記録媒体に格納して頒布することができる。
【0024】
プリンタPrは、図5に示すように、コントローラ10、本体エンジン20、フィニッシャ21、操作パネル22及びプログラム記録媒体30等を備えており、コントローラ10は、通信制御部11、RAM12、NV−RAM13、操作パネル制御部14、CPU15、ROM16、ハードディスク(HDD)17、エンジン制御部18及び媒体制御部19等を備えている。
【0025】
プリントエンジン20は、用紙搬送部、感光体、感光体を中心にその周囲に配設された帯電部、光書き込み部、現像部、転写部、除電部及びクリーニング部、トナー画像の転写された用紙を加熱・加圧して定着させる定着部及び排紙部等を備えており、フィニッシャ21が接続されている。プリントエンジン20は、光書き込み部が、コントローラ10から渡される描画データに基づいて変調したレーザ光を帯電部によって一様に帯電されて所定速度で回転駆動される感光体上に照射して感光体上に静電潜像を形成し、現像部によって感光体にトナーを付与して感光体上の静電潜像を現像してトナー画像を形成する。プリントエンジン20は、感光体上に形成されたトナー画像を用紙搬送部から感光体と転写部との間に搬送されてきた用紙に、転写部によって転写し、トナー画像の転写の完了した感光体上の残留トナーを除電部及びクリーニング部によって清浄にして、再度、画像形成に供する。プリントエンジン20は、トナー画像の転写された用紙を定着部に搬送し、定着部で、用紙上のトナー画像を用紙に定着させた後、フィニッシャ21に送り込んだり、または、排紙部に排出する。
【0026】
フィニッシャ21は、複数の排紙トレイを備えているとともに、印刷済の用紙束にステイプル処理を行うステイプル機構部、パンチ処理を行うパンチ機構部等の後処理機構部を備えて、プリントエンジン20で画像の印刷された用紙束に指定された後処理を行って、排紙トレイ上に排紙し、また、複数の排紙トレイ上にページ毎に複数部数を順次排紙するソート機能を実行する。
【0027】
操作パネル22は、スタートキー、ストップキー、テンキー、画質設定キー等のプリンタPrの操作を行うのに必要な各種操作キーを備えるとともに、ディスプレイ(例えば、液晶ディスプレイ)を備え、上記各操作キーからは、プリンタPrを動作させるための各種操作が行われる。操作パネル22は、ディスプレイに、操作キーから入力された命令内容やプリンタPrからユーザに通知する各種情報、特に、本発明の閲覧者のそれぞれの色覚特性に適した画像補正を行った画像の印刷出力において必要な各種情報を表示する。
【0028】
通信制御部11は、上記ホスト装置HSやサーバSVの接続されているネットワークNWに接続され、サーバSVやホスト装置HSから受け取った印刷ジョブを解析して、画像データや閲覧者情報を取り出してCPU15に渡したり、印刷結果等のプリント情報を、ネットワークNWを介してホスト装置HSやサーバSVに送信する。
【0029】
エンジン制御部18は、通信制御部11がサーバSVから受信してCPU15で必要な画像処理の行われた描画データを受け取ってエンジン20に送り、エンジン20を制御して、該画像データに基づいた画像の印刷を行わせる。
【0030】
ROM16は、プリンタPrのエンジン20を制御して印刷動作を行わせる基本プログラムや必要なシステムデータ及び後述する本発明の閲覧者情報に基づく全ての閲覧者の色覚特性に対応した画像処理を施してプリントエンジン20で印刷させる画像形成制御方法を実行する画像形成制御プログラムと必要なデータが格納されており、CPU( 手段)15は、ROM16内のプログラムに基づいてRAM12をワークメモリとして利用しつつ、プリンタPrの各部を制御して、プリンタPrとしての基本処理を実行するとともに、後述する画像形成制御処理を実行する。
【0031】
NV−RAM13は、プリンタPrの電源がOFFの場合にも記憶内容を保持する不揮発性メモリであり、操作パネル22からのモード指示の内容、動作履歴等のプリンタPrの動作に関する各種情報及び後述する画像形成制御処理に必要な各種情報、例えば、印刷出力する印刷文書の閲覧者に関する閲覧者情報等を格納する。
【0032】
操作パネル制御部14には、上記操作パネル22が接続されており、操作パネル22での操作の監視を行って操作内容をCPU15に通知する。操作パネル制御部14は、また、CPU15からの表示データを操作パネル22のディスプレイに表示させたり、操作パネル22に設けられているLED(Light Emitting Diode)の点灯、消灯及び点滅等を制御する。
【0033】
ハードディスク17は、大容量のデータ記憶媒体であり、CPU15の制御下で、大容量のデータ、特に、印刷データを印刷ジョブ毎に記憶し、また、必要なプログラムやその他のデータ等を記憶する。特に、ハードディスク17は、本発明における個々の閲覧者の色覚特性に応じた画像処理を施した印刷データによる印刷出力を行う画像形成制御プログラム及び該画像形成制御プログラムを実行するのに必要なデータ、特に、例えば、図6に示すようなプリンタ用閲覧者アドレス帳を記憶している。このプリンタ用閲覧者アドレス帳は、図6に示すように、閲覧者毎に、ユーザID、カラー印刷可否、所属部署及びe-mailアドレスがテーブル形式で登録される。
【0034】
媒体制御部19には、プログラム記録媒体(記録媒体)30が着脱可能に装着され、プログラム記録媒体30は、ROM、EEPROM、EPROM、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD−ROM、CD−RW、DVD、SDカード、MO等のプリンタPrが読み取り可能な記録媒体であって、本発明の画像形成制御方法を実行する画像形成制御プログラムを読み込んでROM16やハードディスク17に導入することで、後述するMICR印刷における画像形成方法を実行する画像形成装置として構築されている。この画像形成制御プログラムは、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)等のレガシープログラミング言語やオブジェクト指向ブログラミング言語等で記述されたコンピュータ実行可能なプログラムであり、上記プログラム記録媒体30に格納して頒布することができる。
【0035】
そして、プリンタPrは、上記基本プログラムと画像形成制御プログラムを読み込んでハードディスク17等に導入されることで、図7及び図8に示すような機能モジュールが構築される。すなわち、プリンタPrは、印刷データの処理においては、図7に示すように、印刷パラメータ解釈モジュール41、印刷データ描画モジュール42、印刷制御モジュール43及び画像データ処理モジュール44等が構築され、閲覧者関連情報の処理においては、図8に示すように、印刷パラメータ解釈モジュール41、印刷制御モジュール43及び画像データ処理モジュール44の他に、アドレス帳管理モジュール45が構築されている。
【0036】
図7においては、プリンタPrは、通信制御部11が、通信I/F23を介してホスト装置HSから受け取ると、印刷ジョブを印刷パラメータ解釈モジュール41に渡して、印刷パラメータ解釈モジュール41が、印刷ジョブの印刷パラメータを解釈して、RGBの印刷データを印刷データ描画モジュール42に渡す。印刷データ描画モジュール42は、印刷パラメータ解釈モジュール41カラー受け取った印刷データを、印刷パラメータ解釈モジュール41の解釈した印刷パラメータに基づいてプリントエンジン20に適したCMYK等の描画データである画像データAに変換して、印刷制御モジュール43に渡し、印刷制御モジュール43は、画像データAを一旦ハードディスク17に保存した後、画像データAと印刷パラメータ及び閲覧者の色覚特性を画像データ処理モジュール44に渡して、色覚特性に応じて、色覚特性の相異する閲覧者毎の画像データBに画像処理させるとともに、プリンタエンジン20に応じた画像データBに画像変換させて、画像データ処理モジュール44から渡された画像データBをエンジン制御部18に渡す。
【0037】
なお、画像データ処理モジュール44における色覚特性に対応した画像処理については、種々の方法を用いることができ、適切な画像処理方法であれば、何ら限定されるものではない。例えば、色相を変化させることなく、明度を変化させる等の方法を用いることができ、また、色覚特性の型に応じた画像処理を施してもよい。
【0038】
エンジン制御部18は、印刷制御モジュール43から渡された画像データBに基づいてプリントエンジン20を制御して、色覚特性の相異する閲覧者毎の印刷結果(印刷文書)Pbを出力させる。
【0039】
そして、図8において、プリンタPrは、印刷パラメータ解釈モジュール41が、印刷ジョブから印刷パラメータを取得してRAM12に保存すると、印刷制御モジュール43が、閲覧者関連情報に応じて色覚特性の相異する閲覧者毎の画像データBに画像処理させるのに際して、通信制御部11に色覚特性取得、氏名取得、登録可否取得の閲覧者関連情報取得要求を行い、通信制御部11が、通信I/F23を介してサーバSVに対して閲覧者関連情報取得要求を行う。
【0040】
通信制御部11は、サーバSVから閲覧者関連情報が送られてくると、印刷制御モジュール43に閲覧者関連情報を渡し、印刷制御モジュール43が、RAM12から印刷パラメータを取得して、該閲覧者関連情報とともに画像データ処理モジュール44に渡す。画像データ処理モジュール44は、画像データAに対して、印刷パラメータと閲覧者関連情報の色覚特性に応じた画像処理を施して、画像データBとして印刷制御モジュールに渡す。
【0041】
印刷制御部モジュール43は、画像データ処理モジュール44で画像処理された画像データBを印刷パラメータとともにエンジン制御部18に渡して、エンジン制御部18が、プリントエンジン20を制御して、画像データBと印刷パラメータに対応した画像を用紙に印刷して、印刷文書(印刷結果)Pbを出力する。
【0042】
なお、本実施例において用いている色覚特性に関する用語は、Color Universal Design Organization (カラーユニバーサルデザイン機構)の色覚分類用語に準拠しており、色覚特性に適した印刷結果(印刷文書)Pbとは、色覚特性によって判断できない色(例えば、P型やD型における赤色と緑色が該当する)を、色相、彩度、明度等の色に関するパラメータを変更(補正)して、色弱者でも区別できる色に変換した印刷結果をいうものとする。なお、カラーユニバーサルデザイン機構によると、人の色覚特性には、C型、P型(Protanope)、D型(Deuteranope)、T型(Tritanope)及びA型(Achromat)があり、以下のような特性となっている。
【0043】
C型:3種類の錐体(L錐体、M錐体、S錐体)が全て揃っている人の色覚(一般型)。
【0044】
P型:赤い光を主に感じるL錐体が無い人(P型強度)と、L錐体の分光感度がずれてM錐体と似通ってしまっている人(P型弱度)の色覚。
【0045】
D型:緑の光を主に感じるM錐体が無い人(D型強度)と、M錐体の分光感度がずれてL錐体と似通ってしまった人(D型弱度)の色覚。
【0046】
T型:青い光を主に感じるS錐体が無い人の色覚。
【0047】
A型:3種類の錐体のうち1種類しか持たない人や錐体が全く無く杆体しか持たない人、つまり、色を明暗でしか感じることができない人の色覚。
【0048】
次に、本実施例の作用を説明する。本実施例の画像形成システム1は、印刷結果である印刷文書の閲覧者を特定する閲覧者情報を付加した印刷ジョブをホスト装置HSからプリンタPrに送信し、プリンタPrにおいて、該閲覧者それぞれの色覚特性に応じた画像処理を該印刷ジョブの印刷データに施した後に、印刷文書を出力する。
【0049】
本実施例の画像形成システム1は、ホスト装置HSで指定された閲覧者の色覚特性情報を少なくとも印刷段階においてプリンタPrで分かっている必要がある。ところが、閲覧者情報、特に、色覚特定情報は、機密情報であり、慎重な取り扱いが要求される。
【0050】
そこで、本実施例の画像形成システム1は、サーバSVが、図3に示したように、閲覧者の色覚特性情報を含んだ閲覧者情報であるサーバ用閲覧者アドレス帳を、そのハードディスク等のメモリ上に記憶するとともに、視覚特性情報のホスト装置HSやプリンタPrでの登録を許可するか否かを、閲覧者情報項目毎に管理する個人情報管理テーブルを記憶して、閲覧者毎の視覚特性に応じた印刷出力を可能とするとともに、閲覧者の色覚特性の管理を適切なものとしている。そして、画像形成システム1は、基本的に、閲覧者情報をサーバSVのサーバ用閲覧者アドレス帳及び個人情報管理テーブルによって管理し、閲覧者情報の取得要求がホスト装置HSやプリンタPrからあると、サーバ用閲覧者アドレス帳の登録情報のうち、個人情報管理テーブルの管理情報で許可されている情報をホスト装置HSやプリンタPrに提供して、ホスト装置HSやプリンタPrでの登録を許可し、また、プリンタPrでの印刷処理に供することを許可する。
【0051】
まず、ホスト装置HSからサーバSVに閲覧者情報を取得する閲覧者取得処理について、図9に基づいて説明する。ホスト装置HSは、ホスト用画像形成プログラムが起動されて、氏名の取得要求等の閲覧者情報取得要求があると、図9に示すように、ネットワークNWを介してサーバSVに対して、全閲覧者(以下、適宜、閲覧者をユーザという。)の氏名の取得要求を行い(ステップS101)、まず、アドレス帳への登録可否情報を取得して(ステップS102)、アドレス帳への登録が可能であるかチェックする(ステップS103)。
【0052】
ホスト装置HSは、ステップS103で、閲覧者情報のアドレス帳への登録が許可されていないときには、後述するように、サーバSVから閲覧者情報を取得するが、取得した閲覧者情報を閲覧者を特定した印刷ジョブの生成に使用すると、取得した閲覧者情報をハードディスク等のホスト用閲覧者アドレス帳に登録することなく、削除する。
【0053】
ホスト装置HSは、ステップS103で、閲覧者情報のアドレス帳への登録が許可されていると、サーバSVから送信されてくる全閲覧者のユーザID、氏名等の閲覧者情報(所属部署やe-mailアドレスがあるときには、これらの情報も含む)を取得し(ステップS104)、取得した閲覧者情報をハードディスク等のホスト用閲覧者アドレス帳に登録して、閲覧者を特定した印刷ジョブの生成に利用する(ステップS105)。
【0054】
そして、サーバSVは、図10に示すように、プリントサーバ用画像形成プログラムが、ホスト装置HSから閲覧者取得要求である全閲覧者の氏名取得要求があると(ステップS201)、個人情報管理テーブルを参照して(ステップS202)、ホスト装置HSのホスト用閲覧者アドレス帳(ホスト用閲覧者アドレス帳)への登録可否情報を取得する(ステップS203)。サーバSVは、個人情報管理テーブルから取得したアドレス帳への登録可否情報を、閲覧者取得要求を行ってきたホスト装置HSに送信(通知)し(ステップS204)、該アドレス帳への登録可否情報が登録可能であるかチェックする(ステップS205)。
【0055】
ステップS205で、アドレス帳への登録が許否されていると、サーバSVは、サーバ用閲覧者アドレス帳の閲覧者情報のうち、視覚特性情報以外のユーザID、氏名等のみを読み出してホスト装置HSへ送信するか、サーバ用閲覧者アドレス帳からの閲覧者情報の送信を中止して処理を終了する。
【0056】
ステップS205で、アドレス帳への登録が許可されていると、サーバ用閲覧者アドレス帳から全閲覧者の氏名等の閲覧者情報を取得し(ステップS206)、閲覧者取得要求を行ってきたホスト装置HSに全閲覧者の閲覧者情報を送信(通知)して、処理を終了する(ステップS207)。
【0057】
また、プリンタPrは、図11に示すように、ネットワークNWを介してサーバSVに対して、全閲覧者(以下、適宜、閲覧者をユーザという。)のカラー印刷可否の取得要求を予め行い(ステップS301)、サーバSVからアドレス帳への登録可否情報を取得して(ステップS302)、アドレス帳への登録が可能であるかチェックする(ステップS303)。
【0058】
ステップS303で、プリンタPrは、アドレス帳への登録が許可されていないときには、サーバSVから閲覧者情報が送信されないため、そのまま処理を終了する。
【0059】
ステップS303で、閲覧者情報のアドレス帳への登録が許可されていると、サーバSVから送信されてくる全閲覧者のユーザID、氏名等の閲覧者情報(所属部署やe-mailアドレスがあるときには、これらの情報も含む)及びカラー印刷可否情報を取得し(ステップS304)、取得したカラー印刷可否情報を含む閲覧者情報をハードディスク等のプリンタ用閲覧者アドレス帳に登録して、閲覧者の視覚特性に応じた画像データBの生成及び該画像データBに基づく印刷出力に利用する(ステップS305)。
【0060】
そして、サーバSVは、図12に示すように、プリントサーバ用画像形成プログラムが、プリンタPrから全閲覧者に関するカラー印刷可否の取得要求である全閲覧者のカラー印刷可否の取得要求があると(ステップS401)、個人情報管理テーブルを参照して(ステップS402)、プリンタPrのプリンタ用閲覧者アドレス帳への登録可否情報を取得する(ステップS403)。サーバSVは、個人情報管理テーブルから取得したアドレス帳へのカラー印刷可否情報の登録可否情報を、閲覧者取得要求を行ってきたプリンタPrに送信(通知)し(ステップS404)、該アドレス帳へのカラー印刷可否の登録可否情報が登録可能であるかチェックする(ステップS405)。
【0061】
サーバSVは、ステップS405で、アドレス帳への登録が許否されていると、閲覧者情報の通知を行うことなく、処理を終了する。
【0062】
サーバSVは、ステップS405で、アドレス帳への登録が許可されていると、サーバ用閲覧者アドレス帳から全閲覧者のユーザID及びカラー印刷可否情報を含む情報(閲覧者情報)を取得し(ステップS206)、閲覧者取得要求を行ってきたプリンタPrに全閲覧者の閲覧者情報を送信(通知)して、処理を終了する(ステップS407)。
【0063】
そして、ホスト装置HSは、上述のようにホスト用閲覧者アドレス帳に閲覧者情報が登録されている状態で、アプリケーションで作成されたり、外部から受信したりした文書に対する印刷要求が発生すると、複数人または1人の閲覧者を特定した印刷ジョブを生成して、プリンタPrに送信する。
【0064】
すなわち、ホスト装置HSは、印刷要求が発生すると、ホスト用画像形成プログラムが、ホスト用閲覧者アドレス帳に登録されている全閲覧者の情報を拾得し(ステップS501)、全閲覧者のリストを閲覧者選択画面としてディスプレイに表示して、印刷文書の閲覧者を選択可能とする(ステップS502)。このとき、ホスト装置HSは、閲覧者情報のうち、印刷文書の閲覧者として選択するのに必要な情報(例えば、氏名、所属部署、e-mailアドレス等)のみを表示し、機密を必要とする情報(例えば、ユーザID)については、表示しない。
【0065】
ホスト装置HSは、キーボードやマウス等の入力デバイスを使用して、閲覧者選択画面で印刷文書の閲覧者が選択されると(ステップS503)、閲覧者選択画面の表示をディスプレイから消して(ステップS504)、選択された閲覧者情報(選択閲覧者情報)をRAM等に保存する(ステップS505)。この選択閲覧者情報は、実体としては、印刷文書の閲覧者を特定することのできる最小の情報として、1人または複数人の閲覧者のユーザIDの集合体である。
【0066】
その後、入力デバイスによって印刷開始が指示操作されると(ステップS506)、印刷ジョブの作成を開始し(ステップS507)、指定された文書データを印刷データに変換した後、該印刷データに選択閲覧者情報を付加して(ステップS508)、図14に示すように、印刷ジョブ開始コマンド、印刷パラメータ部、印刷データ及び印刷ジョブ終了コマンドからなる印刷ジョブを生成する(ステップS509)。この印刷ジョブの印刷パラメータ部は、給紙先、排紙先、部数等の印刷パラメータが格納されるが、この印刷パラメータ部に、選択閲覧者情報が付加される。
【0067】
ホスト装置HSは、印刷ジョブの生成を完了すると、生成した印刷ジョブをネットワークNWを介してプリンタPrに送信する(ステップS510)。
【0068】
そして、プリンタPrは、図15及び図16に示すようにホスト装置HSから送信されてきた印刷ジョブに基づいて、個々の閲覧者の色覚特性に応じた画像処理を施した後に、印刷出力する画像形成制御処理を行う。すなわち、プリンタPrは、図15に示すように、通信制御部11が印刷ジョブを受信すると(ステップS601)、印刷パラメータ解釈モジュール41が、印刷ジョブの印刷パラメータ部に付加されている選択閲覧者情報を解析し(ステップS602)、選択閲覧者情報をRAM12に保存する(ステップS603)。
【0069】
次に、プリンタPrは、印刷パラメータ解釈モジュール41が、印刷ジョブから印刷データを取得して印刷データ描画モジュール42に渡し、印刷データ描画モジュール42が印刷データから画像データAを作成して(ステップS604)、印刷制御モジュール43を介してハードディスク16に該画像データAを保存する(ステップS605)。
【0070】
プリンタPrは、印刷制御モジュール43が、RAM12から閲覧者情報を取得して(ステップS606)、印刷ジョブで指定されている閲覧者の数Nを算出し(ステップS607)、処理済みの閲覧者数をカウントする閲覧者数カウンタn(n=1、2、3・・・、N)のカウント値を「1」に、印刷完了部数をカウントするカウンタのカウント値を「0」に設定して(ステップS608)、図16に示すように、印刷完了部数が閲覧者数Nになったかチェックする(ステップS609)。
【0071】
図16のステップS609で、印刷完了部数が閲覧者数Nになっていないときには、印刷制御モジュール43が、アドレス帳管理部45に閲覧者nの色覚特性をハードディスク12のプリンタ用閲覧者アドレス帳から取得するように依頼し、アドレス帳管理部45がプリンタ用閲覧者アドレス帳から指定された閲覧者nの色覚特性を取得して印刷制御モジュール43に渡す(ステップS610)。印刷制御モジュール43は、プリンタ用閲覧者アドレス帳に閲覧者nの色覚特性が登録されておらず、アドレス帳管理部45が該閲覧者nの色覚特性を取得できないときには、後述するように、サーバSVから該閲覧者nの色覚特性を取得する。
【0072】
印刷制御モジュール43は、閲覧者nの色覚特性を取得すると、該閲覧者nの色覚特性がC型(一般色覚者)であるかチェックし(ステップS611)、C型のときには、ハードディスク17に保存した画像データAを画像データ処理モジュール44に渡して、画像データ処理モジュール44に画像データAをプリントエンジン20での印刷に適した画像データBに変換(例えば、RGBの画像データAをCMYKの画像データBに変換)させて(ステップS612)、変換後の画像データBのヘッダに、閲覧者nの氏名等の閲覧者情報を付加する(ステップS614)。なお、この画像データBのヘッダに対する閲覧者nの氏名等のような閲覧者情報の付加処理については、印刷制御モジュール43が行ってもよいし、画像データ処理モジュール44が行ってもよい。
【0073】
印刷制御モジュール43は、ステップS611で、閲覧者nの視覚特性がC型でないときには、画像データAと閲覧者nの視覚特性を画像データ処理モジュール44に渡し、画像データ処理モジュール44に閲覧者nの視覚特性に適した画像補性を画像データAに対して行わせた後(ステップS613)、プリントエンジン20での印刷に適した画像データBに変換させて(ステップS612)、変換後の画像データBのヘッダに、閲覧者nの氏名等の閲覧者情報を付加する(ステップS614)。
【0074】
印刷制御モジュール43は、閲覧者nの氏名等の閲覧者情報を付加した画像データBと印刷パラメータをエンジン制御部18を介してプリンタエンジン20に送って(ステップS615)、プリンタエンジン20で用紙に画像データBの画像を印刷出力させる(ステップS616)。なお、閲覧者情報の画像データBへの付加については、必ず付加する必要はなく、例えば、プリンタ用閲覧者アドレス帳やサーバSVのサーバ用閲覧者アドレス帳の閲覧者情報に、閲覧者毎に予め閲覧者情報(氏名等)の画像データBへの付加を許可するか否かの付加可否情報を登録して、この付加可否情報に応じて画像データBへ閲覧者情報を付加するか否か制御するようにしてもよい。
【0075】
そして、印刷制御モジュール43は、閲覧者情報を付加しない場合には、付加前の画像データBと印刷パラメータをエンジン制御部18に渡す。
【0076】
印刷制御モジュール43は、閲覧者nの印刷データBの印刷を行わせると、印刷完了部数及び閲覧者数カウンタnのカウント値を「1」だけインクリメント(加算)して(ステップS617)、ステップS609に戻って、印刷完了部数が閲覧者数Nになったかのチェックから上記同様に処理する(ステップS609〜617)。
【0077】
上記ステップS609〜ステップS617の処理を繰り返し行って、全ての閲覧者に対する画像データBを生成して、印刷処理を行わせてステップS609で印刷完了部数がNになると、RAM12に保存されている閲覧者情報を削除し(ステップS619)、ハードディスク17に保存されている画像データAを削除して処理を終了する(ステップS619)。
【0078】
そして、上記図16のステップS610で、ハードディスク12のプリンタ用閲覧者アドレス帳に閲覧者nの視覚特性情報が登録されておらず、アドレス帳管理部45が閲覧者nの視覚特性を取得できなかったときには、印刷制御モジュール43は、図17に示すように、サーバSVに色覚特性取得要求処理を行う。
【0079】
すなわち、印刷制御モジュール43は、アドレス帳管理部45に閲覧者nの色覚特性をハードディスク12のプリンタ用閲覧者アドレス帳から取得するように依頼し(ステップS701)、アドレス帳管理部45がプリンタ用閲覧者アドレス帳から閲覧者nの色覚特性を取得できたかチェックする(ステップS702)。ステップS702で、プリンタ用閲覧者アドレス帳から閲覧者nの視覚特性が取得できたときには、視覚特性取得要求処理を終了して、上記図16に示した画像形成制御処理を行う。ステップS702で、プリンタ用閲覧者アドレス帳から閲覧者nの視覚特性が取得できないときには、印刷制御モジュール43は、通信制御部11を介して閲覧者nの視覚特性の取得要求(閲覧者IDを指定した視覚特性要求)をサーバSVに対して行い(ステップS703)、サーバSVから送信されてきた閲覧者nの色覚特性を含む閲覧者情報を通信制御部11が受信すると、該閲覧者情報から色覚特性を取得する(ステップS704)。次に、印刷制御モジュール43は、該閲覧者情報から登録可否情報を取得し(ステップS705)、プリンタPrのプリンタ用閲覧者アドレス帳に対する閲覧者nの閲覧者情報の登録が許可されているかチェックする(ステップS706)。
【0080】
印刷制御モジュール43は、ステップS706で、登録が許可されていないときには、上記画像形成制御処理に閲覧者nの閲覧者情報、特に、色覚特性を使用すると、その後、RAM12から消去する。
【0081】
印刷制御モジュール43は、ステップS706で、登録が許可されていると、上記画像形成制御処理において閲覧者nの閲覧者情報、特に、色覚特性を使用するとともに、閲覧者nの色覚特性を含む閲覧者情報をRAM12のプリンタ用閲覧者アドレス帳に登録して、色覚特性取得処理を終了する(ステップS707)。
【0082】
そして、サーバSVは、上述のように、プリンタPrから閲覧者nの色覚特性取得要求があると、図18に示すように、閲覧者情報送信処理を行う。すなわち、サーバSVは、プリンタPrから色覚特性取得要求を受信すると(ステップS801)、該色覚特性取得要求に閲覧者IDの指定があるかチェックし(ステップS802)、閲覧者IDの指定がないときには、視覚特性取得要求に対して不適切である旨の通知(NG通知)を該色覚特性取得要求を行ってきたプリンタPrに対して返して、処理を終了する(ステップS803)。
【0083】
サーバSVは、ステップS802で、閲覧者IDの指定があると、閲覧者IDによってサーバ用閲覧者アドレス帳を検索し(ステップS804)、サーバ用閲覧者アドレス帳からの色覚特性の取得に成功したかチェックする(ステップS805)。
【0084】
サーバSVは、ステップS805で、指定された閲覧者IDの閲覧者情報がサーバ用閲覧者アドレス帳に登録されていない等の理由によって色覚特性の取得に失敗すると、色覚特性取得要求を行ってきたプリンタPrに対して該視覚特性取得要求がNGである旨の通知を返して、処理を終了する(ステップS803)。
【0085】
サーバSVは、ステップS805で、色覚特性の取得に成功すると、取得した該色覚特性を、色覚特性取得要求を行ってきたプリンタPrに対して送信し(ステップS806)、個人情報管理テーブルを検索して、色覚特性のプリンタPrのプリンタ用閲覧者アドレス帳への登録可否情報を取得する(ステップS807)。サーバSVは、色覚特性の登録可否情報を取得すると、該色覚特性のアドレス帳への登録可否情報を色覚特性取得要求を行ってきたプリンタPrに送信して、処理を終了する(ステップS808)。
【0086】
また、プリンタPrは、図16のステップS614で画像データBのヘッダに閲覧者氏名を付加する場合に、閲覧者氏名をプリンタ用閲覧者アドレス帳から取得することができなかったときには、図19に示すように、サーバSVに対して氏名を取得するために色覚特性取得要求を行って氏名を取得する。
【0087】
すなわち、プリンタPrの印刷制御モジュール43は、画像形成制御処理において、印刷文書のヘッダに氏名を印刷するかチェックし(ステップS901)、印刷を行わないときには、氏名取得処理を行う必要がないため、そのまま氏名取得処理を終了する。この印刷文書のヘッダに氏名を印刷するか否かを判断するための情報(氏名印刷要否情報)は、ホスト装置HSから印刷パラメータに付加されていて、該印刷パラメータの氏名印刷要否情報を印刷制御モジュール43が調べることで氏名印刷要否を判断してもよいし、予めプリンタPrの操作パネル22のキー操作等によって設定入力された氏名印刷要否情報をNV−RAM13等に保存して、印刷制御モジュール43がNV−RAMの氏名印刷要否情報を取得して判断してもよい。
【0088】
印刷制御モジュール43は、ステップS901で、ヘッダに氏名を印刷するときには、閲覧者nの氏名をハードディスク17のプリンタ用閲覧者アドレス帳からの取得をアドレス帳管理モジュール45に要求し(ステップS902)、プリンタ用閲覧者アドレス帳から閲覧者nの氏名を取得することに成功したかチェックする(ステップS903)。
【0089】
印刷制御モジュール43は、ステップS903で、プリンタ用閲覧者アドレス帳から閲覧者nの氏名の取得に成功すると、画像データBのヘッダに閲覧者nの氏名を付加して、処理を終了する(ステップS904)。
【0090】
印刷制御モジュール43は、ステップS903で、プリンタ用閲覧者アドレス帳からの閲覧者nの氏名取得に失敗すると、閲覧者nの色覚特性の取得要求((閲覧者IDを指定した視覚特性要求)をサーバSVに行い(ステップS905)、サーバSVから送信されてきた閲覧者nの色覚特性を含む閲覧者情報を通信制御部11が受信すると、該閲覧者情報から氏名を取得する(ステップS906)。次に、印刷制御モジュール43は、該閲覧者情報から登録可否情報を取得し(ステップS907)、プリンタPrのプリンタ用閲覧者アドレス帳に対する閲覧者nの閲覧者情報、特に、氏名の登録が許可されているかチェックする(ステップS908)。
【0091】
印刷制御モジュール43は、ステップS908で、氏名の登録が許可されていないときには、上記画像形成制御処理において、閲覧者nの氏名を画像データBのヘッダに付加すると、その後、RAM12から該閲覧者nの氏名を消去する(ステップS904)。
【0092】
印刷制御モジュール43は、ステップS908で、氏名の登録が許可されていると、上記画像形成制御処理において閲覧者nの氏名を画像データBのヘッダに付加するとともに、閲覧者nの氏名を含む閲覧者情報をRAM12のプリンタ用閲覧者アドレス帳に登録して、閲覧者氏名取得処理を終了する(ステップS909)。
【0093】
そして、サーバSVは、上述のように、プリンタPrから閲覧者nの氏名を取得するための色覚特性取得要求(氏名取得要求)があると、図20に示すように、閲覧者情報送信処理を行う。すなわち、サーバSVは、プリンタPrから氏名取得要求を受信すると(ステップS1001)、該氏名取得要求に閲覧者IDの指定があるかチェックし(ステップS1002)、閲覧者IDの指定がないときには、氏名取得要求に対して不適切である旨の通知(NG通知)を該氏名取得要求を行ってきたプリンタPrに対して返して、処理を終了する(ステップS1003)。
【0094】
サーバSVは、ステップS1002で、閲覧者IDの指定があると、閲覧者IDによってサーバ用閲覧者アドレス帳を検索し(ステップS1004)、サーバ用閲覧者アドレス帳からの氏名の取得に成功したかチェックする(ステップS1005)。
【0095】
サーバSVは、ステップS1005で、指定された閲覧者IDの閲覧者情報がサーバ用閲覧者アドレス帳に登録されていない等の理由によって氏名の取得に失敗すると、氏名取得要求を行ってきたプリンタPrに対して該氏名取得要求がNGである旨の通知を返して、処理を終了する(ステップS1003)。
【0096】
サーバSVは、ステップS1005で、氏名の取得に成功すると、取得した該氏名を、氏名取得要求を行ってきたプリンタPrに対して送信し(ステップS1006)、個人情報管理テーブルを検索して、氏名のプリンタPrのプリンタ用閲覧者アドレス帳への登録可否情報を取得する(ステップS1007)。サーバSVは、氏名の登録可否情報を取得すると、該氏名のアドレス帳への登録可否情報を氏名取得要求を行ってきたプリンタPrに送信して、処理を終了する(ステップS1008)。
【0097】
このように、本実施例の画像形成システム1は、プリンタPrが、文書の印刷データと該印刷データによって印刷される印刷文書を閲覧する全ての閲覧者を特定する閲覧者特定情報を含む印刷ジョブを取得すると、印刷データから得られる画像データAに対して色覚特性に応じた画像処理を施して印刷用画像データである画像データBを生成するのに際して、通信制御部11が取得した印刷ジョブの閲覧者特定情報である閲覧者IDに基づいて、閲覧者毎に該閲覧者IDに対応させて該閲覧者の色覚特性を含む閲覧者情報の登録されているハードディスク17のプリンタ用閲覧者アドレス帳から該閲覧者IDに対応する全ての閲覧者の色覚特性を取得して、印刷ジョブから得られる画像データAに対して、該閲覧者の分だけ視覚特性に応じた画像処理を施して画像データBを生成し、プリンタエンジン20で画像データBに基づいて印刷文書を印刷出力している。
【0098】
したがって、画像データに対して該画像データに基づいて印刷出力される印刷文書を閲覧する全ての閲覧者の色覚特性に対応した画像処理を施した後に印刷出力することができ、閲覧者それぞれの視覚特性に対応した印刷文書を印刷出力することができる。
【0099】
また、本実施例の画像形成システム1は、ネットワークNWにホスト装置、サーバSV及びプリンタPrが接続され、サーバSVが、印刷文書の閲覧者毎に該閲覧者を特定する閲覧者ID及び該閲覧者の色覚特性を含む閲覧者情報をサーバ用閲覧者アドレス帳に記憶して、ホスト装置やプリンタPrからの閲覧者取得要求に応じて、サーバ用閲覧者アドレス帳に記憶している閲覧者情報を該閲覧者取得要求を行ってきたホスト装置やプリンタPrに送信する。また、ホスト装置HSが、印刷文書の閲覧者毎に少なくとも該閲覧者を特定する閲覧者IDを含む閲覧者情報の登録されるホスト用閲覧者アドレス帳を有し、サーバSVに閲覧者情報の取得要求を行って、該閲覧者情報取得要求に応じてサーバSVから送信されてきた閲覧者情報をホスト用閲覧者アドレス帳に登録し、印刷データによって印刷される印刷文書を閲覧する全ての閲覧者の閲覧者IDをホスト用閲覧者アドレス帳から取得して文書の印刷データに該閲覧者IDを付加した印刷ジョブを生成してプリンタPrに送信する。そして、プリンタPrが、閲覧者毎に閲覧者IDに対応させて該閲覧者の色覚特性を含む閲覧者情報の登録されるプリンタ用閲覧者アドレス帳を有し、サーバSVに閲覧者情報の取得要求を行って、該閲覧者情報取得要求に応じてサーバSVから送信されてきた閲覧者情報をプリンタ用閲覧者アドレス帳に登録して、ホスト装置HSから送信されてくる印刷データと閲覧者IDを含む印刷ジョブを取得して、取得した該印刷ジョブの閲覧者IDに基づいて、プリンタ用閲覧者アドレス帳から該閲覧者IDに対応する全ての閲覧者の色覚特性を取得して、該印刷ジョブから得られる画像データAに対して、該閲覧者の分だけ該視覚特性に応じた画像処理を施して画像データB(印刷用画像データ)を生成し、画像データBに基づいてプリンタエンジン20で印刷文書を印刷出力している。
【0100】
したがって、画像データに対して該画像データに基づいて印刷出力される印刷文書を閲覧する全ての閲覧者の色覚特性に対応した画像処理を施した後に印刷出力することができ、閲覧者それぞれの視覚特性に対応した印刷文書を印刷出力することができる。
【0101】
さらに、本実施例の画像形成システム1は、プリンタPrが、ハードディスク17のプリンタ用閲覧者アドレス帳に、閲覧者毎に該閲覧者の氏名を閲覧者情報として記憶し、印刷制御モジュール43が、プリンタ用閲覧者アドレス帳から閲覧者の氏名を取得して、画像データ処理モジュール44に該氏名を画像データBに付加させている。
【0102】
したがって、どの印刷文書がどの閲覧者用の印刷文書であるかを知ることができ、印刷文書を配布する際の便宜性を向上させることができるとともに、閲覧者の色覚特性に適した印刷文書を配布することができる。
【0103】
また、本実施例の画像形成システム1は、プリンタPrが、ネットワークNWによって閲覧者IDに対応させて色覚特性や氏名等をサーバ用閲覧者アドレス帳(管理用閲覧者情報)に記憶して管理するサーバSVに接続されており、印刷制御モジュール43が、印刷ジョブの閲覧者IDに対応する閲覧者の色覚特性や氏名のプリンタ用閲覧者アドレス帳から取得したからの取得に失敗すると、サーバSVから該閲覧者IDに対応する閲覧者の色覚特性や氏名を取得する。そして、画像形成システム1は、画像データ処理モジュール44に、取得した該色覚特性に応じた画像処理を行わせ、また、取得した該氏名を画像データBに付加させている。
【0104】
したがって、個人情報保護等からプリンタPrのプリンタ用閲覧者アドレス帳に色覚特性や氏名が登録されていない場合にも、サーバSVから取得して閲覧者の色覚特性に適した印刷文書を印刷出力することができ、また、印刷文書に氏名を印刷して、配布上の利便性、適切性を確保することができる。
【0105】
さらに、本実施例の画像形成システム1は、サーバSVが、サーバ用閲覧者アドレス帳の閲覧者情報をホスト装置HSのホスト用閲覧者アドレス帳及びプリンタPrのプリンタ用閲覧者アドレス帳への登録を許可するか否かの情報登録可否情報をホスト装置HS及びプリンタPr毎に登録される個人情報管理テーブルを備えており、閲覧者情報取得要求に対して、個人情報管理テーブルの情報登録可否情報に基づいて閲覧者情報の送信制御を行うとともに、送信する閲覧者情報に対する情報登録可否情報を送信している。そして、ホスト装置HS及びプリンタPrは、サーバSVから閲覧者情報と登録不可の情報登録可否情報が送信されてくると、該閲覧者情報のホスト用閲覧者アドレス帳及びプリンタ用閲覧者アドレス帳への登録を不許可とし、該閲覧者情報の使用が完了した時点で、該閲覧者情報を削除している。
【0106】
したがって、閲覧者の個人情報、特に、視覚特性に関する情報の漏洩を防止することができ、個人情報を保護しつつ、視覚特性に対応した印刷出力を適切に行うことができる。
【0107】
また、本実施例の画像形成システム1は、サーバSVが、個人情報管理テーブルに、情報登録可否情報が閲覧者情報の情報項目毎に登録されており、閲覧者情報取得要求に対して、該情報項目毎の情報登録可否情報に基づいて閲覧者情報の送信制御、送信する閲覧者情報項目の選択制御を行うとともに、送信する閲覧者情報項目それぞれに対する情報登録可否情報を送信している。
【0108】
したがって、閲覧者の個人情報が漏洩することを、きめ細かく防止することができ、個人情報をより一層適切に保護しつつ、視覚特性により一層適切に対応した印刷出力を適切に行うことができる。
【0109】
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例で説明したものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0110】
本発明は、印刷文書を閲覧する個々の閲覧者の色覚特性に応じた画像処理を行った印刷文書を生成するプリンタ装置、複合装置、複写装置等の画像形成装置、画像形成システム、画像形成方法、画像形成プログラム及び記録媒体に利用することができる。
【符号の説明】
【0111】
1 画像形成システム
NW ネットワーク
Pr プリンタ
SV サーバ
HS ホスト装置
10 コントローラ
11 通信制御部
12 RAM
13 NV−RAM
14 操作パネル制御部
15 CPU
16 ROM
17 ハードディスク(HDD)
18 エンジン制御部
19 媒体制御部
20 本体エンジン
21 フィニッシャ
22 操作パネル
23 通信I/F
30 プログラム記録媒体
41 印刷パラメータ解釈モジュール
42 印刷データ描画モジュール
43 印刷制御モジュール
44 画像データ処理モジュール
45 アドレス帳管理モジュール
【先行技術文献】
【特許文献】
【0112】
【特許文献1】特開2005−4664号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
文書の印刷データと該印刷データによって印刷される印刷文書を閲覧する全ての閲覧者を特定する閲覧者特定情報を含む印刷ジョブを取得する印刷ジョブ取得手段と、
閲覧者毎に前記閲覧者特定情報に対応させて該閲覧者の色覚特性を含む閲覧者情報の登録される閲覧者情報記憶手段と、
印刷データから得られる画像データに対して色覚特性に応じた画像処理を施して印刷用画像データを生成する印刷画像生成処理手段と、
前記印刷用画像データに基づいて印刷文書を印刷出力する印刷手段と、
前記印刷ジョブ取得手段の取得した前記印刷ジョブの前記閲覧者特定情報に基づいて、前記閲覧者情報記憶手段から該閲覧者特定情報に対応する全ての閲覧者の色覚特性を取得して、該印刷ジョブから得られる画像データに対して、該閲覧者の分だけ該視覚特性に応じた画像処理を前記印刷画像生成処理手段に施させて印刷用画像データを生成させ、該印刷用画像データに基づいて前記印刷手段に印刷文書を印刷出力させる制御手段と、
を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記閲覧者情報記憶手段は、前記閲覧者毎に該閲覧者の氏名が前記閲覧者情報として登録され、
前記制御手段は、前記閲覧者情報記憶手段から前記氏名を取得して、前記印刷画像生成処理手段に該氏名を前記印刷用画像データに付加させることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像形成装置は、所定の通信回線によって前記閲覧者特定情報に対応させて色覚特性または/及び氏名を管理用閲覧者情報として管理用閲覧者情報記憶手段に記憶して管理する管理装置に接続され、
前記制御手段は、前記印刷ジョブ取得手段の取得した前記印刷ジョブの前記閲覧者特定情報に対応する閲覧者の色覚特性または/及び氏名の前記閲覧者情報記憶手段からの取得に失敗すると、前記管理装置から該閲覧者特定情報に対応する閲覧者の色覚特性または/及び氏名を取得し、前記印刷画像生成処理手段に、取得した該色覚特性に応じた画像処理を行わせ、または/及び、取得した該氏名を前記印刷用画像データに付加させることを特徴とする請求項1または請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
ネットワークに情報処理装置、管理装置及び画像形成装置が接続された画像形成システムにおいて、
前記管理装置は、
印刷文書の閲覧者毎に該閲覧者を特定する閲覧者特定情報及び該閲覧者の色覚特性を含む閲覧者情報を記憶する管理側閲覧者情報記憶手段と、
前記情報処理装置または/及び前記画像形成装置からの閲覧者情報取得要求に応じて、前記管理側閲覧者情報記憶手段に記憶されている閲覧者情報を該閲覧者取得要求を行ってきた該情報処理装置または/及び該画像形成装置に送信する閲覧者情報提供手段と、
を備え、
前記情報処理装置は、
印刷文書の閲覧者毎に少なくとも該閲覧者を特定する閲覧者特定情報を含む閲覧者情報の登録される依頼側閲覧者情報記憶手段と、
前記管理装置に閲覧者情報の取得要求を行い、該閲覧者情報取得要求に応じて該管理装置から送信されてきた閲覧者情報を前記依頼側閲覧者情報記憶手段に登録する閲覧者情報取得手段と、
前記印刷データによって印刷される印刷文書を閲覧する全ての閲覧者の前記閲覧者特定情報を前記依頼側閲覧者情報記憶手段から取得して文書の印刷データに該閲覧者特定情報を付加した印刷ジョブを生成して前記画像形成装置に送信する印刷依頼手段と、
を備え、
前記画像形成装置は、
前記情報処理装置から送信されてくる前記印刷データと前記閲覧者特定情報を含む前記印刷ジョブを取得する印刷ジョブ取得手段と、
閲覧者毎に前記閲覧者特定情報に対応させて該閲覧者の色覚特性を含む前記閲覧者情報の登録される画像形成側閲覧者情報記憶手段と、
前記管理装置に閲覧者情報の取得要求を行い、該閲覧者情報取得要求に応じて該管理装置から送信されてきた閲覧者情報を前記画像形成側閲覧者情報記憶手段に登録する閲覧者情報取得手段と、
前記印刷データから得られる画像データに対して色覚特性に応じた画像処理を施して印刷用画像データを生成する印刷画像生成処理手段と、
前記画像データに基づいて印刷文書を印刷出力する印刷手段と、
前記印刷ジョブ取得手段の取得した前記印刷ジョブの前記閲覧者特定情報に基づいて、前記画像形成側閲覧者情報記憶手段から該閲覧者特定情報に対応する全ての閲覧者の色覚特性を取得して、該印刷ジョブから得られる画像データに対して、該閲覧者の分だけ該視覚特性に応じた画像処理を前記印刷画像生成処理手段に施させて印刷用画像データを生成させ、該印刷用画像データに基づいて前記印刷手段に印刷文書を印刷出力させる制御手段と、
を備えていることを特徴とする画像形成システム。
【請求項5】
前記画像形成装置の前記制御手段は、前記画像形成側閲覧者情報記憶手段から前記閲覧者情報に含まれている前記閲覧者の氏名を取得して、前記印刷画像生成処理手段に該氏名を前記印刷用画像データに付加させることを特徴とする請求項5記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記画像形成装置の前記制御手段は、前記印刷ジョブ取得手段の取得した前記印刷ジョブの前記閲覧者特定情報に対応する閲覧者の色覚特性または/及び氏名の前記画像形成側閲覧者情報記憶手段からの取得に失敗すると、前記閲覧者情報取得手段に前記管理装置から該閲覧者特定情報に対応する閲覧者の色覚特性または/及び氏名を取得させ、前記印刷画像生成処理手段に、該閲覧者情報取得手段の取得した該色覚特性に応じた画像処理を行わせ、または/及び、取得した該氏名を前記印刷用画像データに付加させることを特徴とする請求項5または請求項6記載の画像形成システム。
【請求項7】
前記管理装置は、
前記管理側閲覧者情報記憶手段の前記閲覧者情報を前記情報処理装置の依頼側閲覧者情報記憶手段及び前記画像形成装置の前記画像形成側閲覧者情報記憶手段への登録を許可するか否かの情報登録可否情報を該情報処理装置及び該画像形成装置毎に登録される管理情報記憶手段を備え、
前記閲覧者情報提供手段は、前記閲覧者情報取得要求に対して前記管理情報記憶手段の情報登録可否情報に基づいて前記閲覧者情報の送信制御を行うとともに、送信する閲覧者情報に対する情報登録可否情報を送信し、
前記情報処理装置及び前記画像形成装置は、前記管理装置から閲覧者情報と登録不可の情報登録可否情報が送信されてくると、該閲覧者情報の前記依頼側閲覧者情報記憶手段及び前記画像形成側閲覧者情報記憶手段への登録を不許可とし、該閲覧者情報の使用が完了した時点で、該閲覧者情報を削除することを特徴とする請求項5から請求項7のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項8】
前記管理情報記憶手段は、前記情報登録可否情報が前記閲覧者情報の情報項目毎に登録され、
前記閲覧者情報提供手段は、前記閲覧者情報取得要求に対して前記管理情報記憶手段の情報登録可否情報に基づいて前記閲覧者情報の送信制御、送信する閲覧者情報項目の選択制御を行うとともに、送信する閲覧者情報項目それぞれに対する情報登録可否情報を送信することを特徴とする請求項8記載の画像形成システム。
【請求項9】
文書の印刷データと該印刷データによって印刷される印刷文書を閲覧する全ての閲覧者を特定する閲覧者特定情報を含む印刷ジョブを取得する印刷ジョブ取得処理ステップと、
印刷データから得られる画像データに対して色覚特性に応じた画像処理を施して印刷用画像データを生成する印刷画像生成処理ステップと、
前記印刷用画像データに基づいて印刷文書を印刷出力する印刷処理ステップと、
前記印刷ジョブ取得処理ステップの取得した前記印刷ジョブの前記閲覧者特定情報に基づいて、閲覧者毎に閲覧者特定情報に対応させて該閲覧者の色覚特性を含む閲覧者情報の登録されている閲覧者情報記憶手段から該閲覧者特定情報に対応する全ての閲覧者の色覚特性を取得して、該印刷ジョブから得られる画像データに対して、該閲覧者の分だけ該視覚特性に応じた画像処理を前記印刷画像生成処理処理ステップで施させて印刷用画像データを生成させ、該印刷用画像データに基づいて前記印刷処理ステップで印刷文書を印刷出力させる制御処理ステップと、
を有していることを特徴とする画像形成方法。
【請求項10】
ネットワークに情報処理装置、管理装置及び画像形成装置が接続された画像形成システムにおける画像形成方法であって、
前記管理装置は、
印刷文書の閲覧者毎に該閲覧者を特定する閲覧者特定情報及び該閲覧者の色覚特性を含む閲覧者情報を管理側閲覧者情報記憶手段に記憶する閲覧者情報記憶処理ステップと、
前記情報処理装置または/及び前記画像形成装置からの閲覧者取得要求に応じて、前記管理側閲覧者情報記憶手段に記憶されている閲覧者情報を該閲覧者取得要求を行ってきた該情報処理装置または/及び該画像形成装置に送信する閲覧者情報提供処理ステップと、
を有し、
前記情報処理装置は、
前記管理装置に閲覧者情報の取得要求を行い、該閲覧者情報取得要求に応じて該管理装置から送信されてきた少なくとも閲覧者を特定する閲覧者特定情報を含む閲覧者情報を、依頼側閲覧者情報記憶手段に登録する閲覧者情報取得処理ステップと、
前記印刷データによって印刷される印刷文書を閲覧する全ての閲覧者の前記閲覧者特定情報を前記依頼側閲覧者情報記憶手段から取得して文書の印刷データに該閲覧者特定情報を付加した印刷ジョブを生成して前記画像形成装置に送信する印刷依頼処理ステップと、
を有し、
前記画像形成装置は、
前記情報処理装置から送信されてくる前記印刷データと前記閲覧者特定情報を含む前記印刷ジョブを取得する印刷ジョブ取得処理ステップと、
前記管理装置に閲覧者情報の取得要求を行い、該閲覧者情報取得要求に応じて該管理装置から送信されてきた閲覧者の色覚特性を含む閲覧者情報を、閲覧者毎に前記閲覧者特定情報に対応させて前記画像形成側閲覧者情報記憶手段に登録する閲覧者情報取得処理ステップと、
前記印刷データから得られる画像データに対して色覚特性に応じた画像処理を施して印刷用画像データを生成する印刷画像生成処理ステップと、
前記印刷用画像データに基づいて印刷文書を印刷出力する印刷処理ステップと、
前記印刷ジョブ取得処理ステップで取得された前記印刷ジョブの前記閲覧者特定情報に基づいて、前記画像形成側閲覧者情報記憶手段から該閲覧者特定情報に対応する全ての閲覧者の色覚特性を取得して、該印刷ジョブから得られる画像データに対して、該閲覧者の分だけ該視覚特性に応じた画像処理を前記印刷画像生成処理ステップで施させて印刷用画像データを生成させ、該印刷用画像データに基づいて前記印刷処理ステップで印刷文書を印刷出力させる制御処理ステップと、
を有していることを特徴とする画像形成方法。
【請求項11】
コンピュータに、
文書の印刷データと該印刷データによって印刷される印刷文書を閲覧する全ての閲覧者を特定する閲覧者特定情報を含む印刷ジョブを取得する印刷ジョブ取得処理と、
印刷データから得られる画像データに対して色覚特性に応じた画像処理を施して印刷用画像データを生成する印刷画像生成処理と、
前記印刷用画像データに基づいて印刷文書を印刷出力する印刷処理と、
前記印刷ジョブ取得処理で取得された前記印刷ジョブの前記閲覧者特定情報に基づいて、閲覧者毎に閲覧者特定情報に対応させて該閲覧者の色覚特性を含む閲覧者情報の登録されている閲覧者情報記憶手段から該閲覧者特定情報に対応する全ての閲覧者の色覚特性を取得して、該印刷ジョブから得られる画像データに対して、該閲覧者の分だけ該視覚特性に応じた画像処理を前記印刷画像生成処理で施させて印刷用画像データを生成させ、該印刷用画像データに基づいて前記印刷処理で印刷文書を印刷出力させる制御処理と、
を実行させることを特徴とする画像形成プログラム。
【請求項12】
ネットワークに情報処理装置、管理装置及び画像形成装置が接続された画像形成システムで実行される画像形成プログラムであって、
前記管理装置のコンピュータに、
印刷文書の閲覧者毎に該閲覧者を特定する閲覧者特定情報及び該閲覧者の色覚特性を含む閲覧者情報を管理側閲覧者情報記憶手段に記憶する閲覧者情報記憶処理と、
前記情報処理装置または/及び前記画像形成装置からの閲覧者取得要求に応じて、前記管理側閲覧者情報記憶手段に記憶されている閲覧者情報を該閲覧者取得要求を行ってきた該情報処理装置または/及び該画像形成装置に送信する閲覧者情報提供処理と、
を実行させ、
前記情報処理装置のコンピュータに、
前記管理装置に閲覧者情報の取得要求を行い、該閲覧者情報取得要求に応じて該管理装置から送信されてきた少なくとも閲覧者を特定する閲覧者特定情報を含む閲覧者情報を、依頼側閲覧者情報記憶手段に登録する閲覧者情報取得処理と、
前記印刷データによって印刷される印刷文書を閲覧する全ての閲覧者の前記閲覧者特定情報を前記依頼側閲覧者情報記憶手段から取得して文書の印刷データに該閲覧者特定情報を付加した印刷ジョブを生成して前記画像形成装置に送信する印刷依頼処理と、
を実行させ、
前記画像形成装置のコンピュータに、
前記情報処理装置から送信されてくる前記印刷データと前記閲覧者特定情報を含む前記印刷ジョブを取得する印刷ジョブ取得処理と、
前記管理装置に閲覧者情報の取得要求を行い、該閲覧者情報取得要求に応じて該管理装置から送信されてきた閲覧者の色覚特性を含む閲覧者情報を、閲覧者毎に前記閲覧者特定情報に対応させて前記画像形成側閲覧者情報記憶手段に登録する閲覧者情報取得処理と、
前記印刷データから得られる画像データに対して色覚特性に応じた画像処理を施して印刷用画像データを生成する印刷画像生成処理と、
前記印刷用画像データに基づいて印刷文書を印刷出力する印刷処理と、
前記印刷ジョブ取得処理で取得された前記印刷ジョブの前記閲覧者特定情報に基づいて、前記画像形成側閲覧者情報記憶手段から該閲覧者特定情報に対応する全ての閲覧者の色覚特性を取得して、該印刷ジョブから得られる画像データに対して、該閲覧者の分だけ該視覚特性に応じた処理を前記印刷画像生成処理で施させて印刷用画像データを生成させ、該印刷用画像データに基づいて前記印刷処理で印刷文書を印刷出力させる制御処理と、
を実行させることを特徴とする画像形成プログラム。
【請求項13】
請求項10または請求項11記載の画像形成プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータが読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2011−126041(P2011−126041A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−284593(P2009−284593)
【出願日】平成21年12月15日(2009.12.15)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】