画像形成装置、画像形成システム
【課題】課金装置を無駄なく効率的に共用して、設置数を減らし、課金装置付き画像形成装置の導入コスト、ランニングコスト、設置スペースを減らす。
【解決手段】親機としての画像形成装置は、通信可能に取り付けられ、金銭の投入を受け付け、投入された金額を認識しジョブの内容に応じ料金を徴収し、残金を払い戻しする課金装置と、子機としての他の画像形成装置と通信を行う通信部と、課金装置に投入された金銭のうち、自機のために投入された金銭の金額を認識し、自機でのジョブ実行にあわせて、課金装置に料金の徴収を行わせるとともに、子機のために投入された金銭の金額を認識し、子機でのジョブ実行にあわせて、課金装置に料金の徴収を行わせる課金処理部と、を含む。
【解決手段】親機としての画像形成装置は、通信可能に取り付けられ、金銭の投入を受け付け、投入された金額を認識しジョブの内容に応じ料金を徴収し、残金を払い戻しする課金装置と、子機としての他の画像形成装置と通信を行う通信部と、課金装置に投入された金銭のうち、自機のために投入された金銭の金額を認識し、自機でのジョブ実行にあわせて、課金装置に料金の徴収を行わせるとともに、子機のために投入された金銭の金額を認識し、子機でのジョブ実行にあわせて、課金装置に料金の徴収を行わせる課金処理部と、を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、課金装置とともに設置される複写機、複合機、プリンタ、ファクシミリ機の等の画像形成装置に関する。又、課金装置が装着された画像形成装置を含む画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
課金装置付き画像形成装置(コピーや複合機など)が、設置されることがある。課金装置は、コインベンダと呼ばれることも多い。例えば、課金装置付き画像形成装置は、コンビニエンスストア、ショッピングセンター、図書館、大学といった場所に設置される。利用者は、課金装置に金銭を投入する。そして、画像形成装置で実行したジョブの内容(用紙サイズやサービス内容等)に応じ、料金が、投入済金額から徴収される(差し引かれる)。このような課金装置付き画像形成装置の一例が、特許文献1に記載されている。
【0003】
具体的に、特許文献1には、実行するプリントジョブの量に応じた料金を徴収する画像形成装置であり、プリントジョブを受け付けるジョブ受付手段と、受け付けたプリントジョブの実行に必要な料金を演算する料金演算手段と、投入された金額と必要料金とを精算する精算手段と、精算手段により料金の精算が完了したか否かを判定する判定手段と、判定手段により料金の精算が完了したと判定された後に、プリントジョブを実行する画像形成手段とを備える画像形成装置が記載されている。これにより、先の利用者のプリントジョブの終了を待たずに、次の利用者のプリントジョブを受け付けて、次の利用者のプリントジョブが受付可能になるまでの待ち時間を短縮しようとする(特許文献1:請求項1、段落[0052]等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−202701
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
課金装置は、画像形成装置と通信ケーブルで接続され、画像形成装置と、一対一の通信のみ可能である。例えば、課金装置に投入された金額を示すデータや、残金を示すデータや、コピーの実行により残金から減らすべき金額を示すデータなどが、必要に応じて画像形成装置と課金装置間でやり取りされる。このように、従来、課金装置は、画像形成装置一台に対し、一台設けられる。
【0006】
そして、複数台の課金装置付き画像形成装置を並べて設置することがある。このとき、画像形成装置と同じ台数分だけの課金装置が設置される。例えば、コンビニエンスストアでは、カラー印刷用の画像形成装置とモノクロ(白黒)印刷用の画像形成装置を、それぞれ1台ずつ設置する営業形態が増えつつある。
【0007】
そうすると、設置のとき、画像形成装置と同じ台数分だけの課金装置を購入する必要があり、導入コスト(初期費用)が大きくなるという問題がある。又、課金装置の設置スペースも必要となるという問題がある。又、課金装置が多いほど、消費電力は大きくなり、メンテナンスの手間も増え、ランニングコストも大きくなるという問題もある。
【0008】
尚、特許文献1記載の発明は、次の利用者のプリントジョブが受付可能になるまでの待ち時間を短縮しようとするものである。そのため、上述した課金装置付きの画像形成装置を複数台導入するときの問題点に関し、言及した記載はない。従って、特許文献1記載の発明では、上記問題を解決できない。又、現状、課金装置には、1台で、複数の画像形成装置と通信するものもない。
【0009】
本発明は、上記問題点を鑑み、複数台の画像形成装置で課金装置を無駄なく効率的に共用して、設置数を減らし、課金装置付き画像形成装置の導入コスト、ランニングコスト、設置スペースを減らすことを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために請求項1に係る画像形成装置は、親機としての画像形成装置であって、通信可能に取り付けられ金銭の投入を受け付け投入された金額を認識しジョブの内容に応じ料金を徴収し残金を払い戻しする課金装置と、子機としての他の画像形成装置と通信を行う通信部と、前記課金装置に投入された金銭のうち自機のために投入された金銭の金額を認識し、自機でのジョブ実行にあわせて、前記課金装置に料金の徴収を行わせるとともに、前記子機のために投入された金銭の金額を認識し、前記子機でのジョブ実行にあわせて、前記課金装置に料金の徴収を行わせる課金処理部と、を含むこととした。
【0011】
この構成によれば、課金処理部は、課金装置に投入された金銭のうち、自機のために投入された金銭の金額を認識し、自機でのジョブ実行にあわせて、課金装置に料金の徴収を行わせるとともに、子機のために投入された金銭の金額を認識し、子機でのジョブ実行にあわせて、課金装置に料金の徴収を行わせる。これにより、金銭の混同が生ずること無く1台の課金装置を複数の画像形成装置で共用することができる。又、画像形成装置と同じ台数分だけ課金装置を購入せずにすみ、設置スペースも少なくて済む、又、消費電力の大きさやメンテナンスの手間が、画像形成装置と同じ数だけ課金装置を設置する場合に比べて少なくて済む。従って、複数台の画像形成装置を設置するとき、導入コストや設置スペースやランニングコストを減らすことができる。
【0012】
又、従来の課金装置(画像形成装置と一対一で設置されるタイプの課金装置)でも、課金装置を複数の画像形成装置で共用することができる。従って、課金装置を改良、新開発せずに済ますことができる。例えば、課金装置のメーカが、画像形成装置のメーカと異なる場合もあり、課金装置の仕様変更を行うことが難しく、従来、課金装置の共用が難しかった。しかし、本発明によれば、従来の課金装置を改良せずとも効果が得られる。
【0013】
又、請求項2に係る発明は、請求項1の発明において、ジョブに関する設定入力を受け付けるとともに、前記課金装置に金銭を投入する権限である投入権を確保するための投入権確保入力を受け付ける入力部を含み、前記課金処理部は、前記投入権確保入力が前記入力部になされると、自機の前記投入権を確保し、確保中に前記課金装置に投入された金銭の金額を、自機分の残金としてカウントすることとした。
【0014】
この構成によれば、課金処理部は、投入権確保入力が入力部になされると、自機の投入権を確保し、確保中に課金装置に投入された金銭の金額を、自機分の残金としてカウントする。これにより、親機の利用ための金銭投入か、子機の利用のための金銭投入か区別され、親機は自機の利用のために投入された金銭の金額を認識できる。従って、課金装置へ投入した金銭は、親機の利用者と子機の利用者の間で混ざらず(混同せず)、残金は、画像形成装置単位で明確に管理される。
【0015】
又、請求項3に係る発明は、請求項1又は2の発明において、前記通信部が前記子機から前記投入権の確保要求を受信したとき、前記課金処理部は、前記子機のための前記投入権を確保し、確保中に前記課金装置に投入された金銭の金額を示すデータを前記子機に転送することとした。
【0016】
この構成によれば、課金処理部は、子機のための投入権を確保し、確保中に課金装置に投入された金銭の金額を示すデータを子機に転送する。これにより、親機の利用ための金銭投入か、子機の利用のための金銭投入か区別され、子機は、子機の利用のために投入された金銭の金額を認識できる。
【0017】
又、請求項4に係る発明は、請求項1乃至3の発明において、前記入力部がジョブの実行開始指示を受け付けたとき、前記課金処理部は、自機の残金から金額を減額するとともに、前記課金装置に、ジョブの内容に応じて予め定められた料金の徴収を行わせることとした。
【0018】
この構成によれば、課金処理部は、自機の残金から金額を減額するとともに、課金装置に、ジョブの内容に応じて予め定められた料金の徴収を行わせる。これにより、同じ課金装置を共用しても、自機(親機)は、自機分の残金管理と料金徴収を行い、子機と混同することがない。従って、料金徴収と残金の管理は、画像形成装置単位で明確に区別され管理される。
【0019】
又、請求項5に係る発明は、請求項1乃至4の発明において、前記通信部が、前記子機が実行したジョブの内容、及び/又は、徴収すべき金額を示す子機用課金データを前記子機から受信したとき、前記課金処理部は、前記課金装置に、前記子機用課金データに基づき料金の徴収を行わせることとした。
【0020】
この構成によれば、課金処理部は、課金装置に、子機用課金データに基づき料金の徴収を行わせる。これにより、子機分の残金管理と料金徴収は、親機と区別され、親機と子機間で混同は生じない。従って、料金徴収と残金の管理は、画像形成装置単位で明確に区別され管理される。
【0021】
又、請求項6に係る発明は、請求項1乃至5の発明において、前記入力部が自機分の残金の払い戻しを指示する払い戻し入力を受け付けたとき、前記課金処理部は、前記課金装置に投入された金銭のうち、自機の残金分のみを前記課金装置に払い戻しさせることとした。
【0022】
この構成によれば、課金処理部は、課金装置に投入された金銭のうち、自機の残金分のみを課金装置に払い戻しさせる。これにより、同じ課金装置を共用しても、自機と、子機間での金銭払い戻しでの混同は生じない。従って、金銭の払い戻しにおいても、画像形成装置単位で明確に区別される。
【0023】
又、請求項7に係る発明は、請求項1乃至6の発明において、前記通信部が、前記子機から、前記子機分の残金の払い戻しを求める払い戻し要求を受信したとき、前記課金処理部は、前記課金装置に投入された金銭のうち、前記子機分の残金のみを前記課金装置に払い戻しさせることとした。
【0024】
この構成によれば、課金処理部は、課金装置に投入された金銭のうち、子機分の残金のみを課金装置に払い戻しさせる。これにより、同じ課金装置を共用しても、自機と、子機間での金銭払い戻しでの混同は生じない。従って、金銭の払い戻しにおいても、画像形成装置単位で明確に区別される。
【0025】
又、請求項8に係る発明は、請求項1乃至7の発明において、データを記憶する記憶部を含み、前記記憶部は、自機で実行されたジョブの内容を示すデータと、前記通信部で受信された前記子機が実行したジョブの内容を示すデータと、を記憶することとした。
【0026】
この構成によれば、記憶部は、自機で実行されたジョブの内容を示すデータと、通信部で受信された子機が実行したジョブの内容を示すデータと、を記憶する。課金装置に接続された画像形成装置には、子機で実行されたジョブの内容が知らされる。ジョブの実行履歴は、メンテナンスや管理上必要なものであるところ、ジョブの実行内容を記憶しておけば、自機(課金装置に接続された画像形成装置)の記憶部を確認するだけで、設置された全画像形成装置でのジョブの実行履歴を取得することができる。従って、画像形成装置を一台一台操作する場合に比べて、迅速、容易に、全画像形成装置でのジョブの実行履歴を取得することができる。
【0027】
又、請求項9に係る画像形成システムは、複数の画像形成装置を含む画像形成システムであり、複数の画像形成装置のうち、1台の画像形成装置は親機としての画像形成装置であり、他の画像形成装置は、子機として前記親機に通信可能に接続され、前記親機としての画像形成装置は、金銭の投入を受け付け、投入された金額を認識し、ジョブの内容に応じ料金を徴収し、残金を払い戻しし、通信可能に取り付けられる課金装置と、子機としての画像形成装置と通信を行い、前記子機が実行したジョブの内容を受信する通信部と、自機と前記子機ごとに、前記課金装置に投入された金銭の残金を管理し、自機と前記子機ごとに、ジョブの内容に応じて前記課金装置に料金を徴収させる課金処理部と、を含むこととした。
【0028】
この構成は、課金装置に通信可能に接続される親機として画像形成装置と、親機と通信可能に接続される子機を1つの画像形成システムの発明として捉えたものであり、請求項1の発明と同様の効果を得ることができる。
【0029】
又、請求項10に係る発明は、請求項9の発明において、前記親機と前記子機は、自機の残金を表示する表示部を含む。
【0030】
この構成によれば、親機と子機は、自機の残金を表示する表示部を含む。これにより、同じ課金装置を用いて、課金装置では合計金額が表示されているとしても、各画像形成装置で、残金が表示される。これにより、使用者は、残金がいくらであるか、あと何枚印刷できるか、を確認することができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、複数台の画像形成装置で課金装置を無駄なく効率的に共用して、設置数を減らし、課金装置付き画像形成装置の導入コスト、ランニングコスト、設置スペースを減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】実施形態に係る画像形成システムの一例を示す説明図である。
【図2】実施形態に係る親機の概略構成を示す模型的断面図である。
【図3】実施形態に係る子機の概略構成を示す模型的断面図である。
【図4】実施形態に係る画像形成システムのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図5】実施形態に係る親機、子機で表示されるモード選択画面の一例を示す説明図である。
【図6】実施形態に係る親機の投入権確保の手順の一例を示すフローチャートである。
【図7】実施形態に係る子機の投入権確保の手順の一例を示すフローチャートである。
【図8】実施形態に係る親機、子機で投入権確保に関し表示される画面の一例を示す説明図である。
【図9】実施形態に係る親機、子機で表示される設定項目選択画面の一例を示す説明図である。
【図10】実施形態に係る親機の料金徴収の流れの一例を示すフローチャートである。
【図11】実施形態に係る子機の料金徴収の流れの一例を示すフローチャートである。
【図12】実施形態に係る親機の料金徴収の流れの一例を示すフローチャートである。
【図13】実施形態に係る親機、子機で表示される払い戻し画面の一例を示す説明図である。
【図14】実施形態に係る子機の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の実施形態を図1〜図14を用いて説明する。本説明では、近接して、画像形成装置としての複合機1を2台設け、1台の課金装置2で画像形成システム100を構成する例を説明する。尚、画像形成装置は3台以上で課金装置2を共用する画像形成システム100としてもよい。
【0034】
(画像形成システム100の概要)
まず、図1を用いて、本発明の実施形態に係る画像形成システム100の概要を説明する。図1は本発明の実施形態に係る画像形成システム100の一例を示す説明図である。
【0035】
画像形成システム100に含まれる複合機1のうち、1台の複合機1は、課金装置2と通信ケーブルCBを用い、通信可能に接続される。本発明では、課金装置2を備えた複合機1が、課金制御の中心となり統括する。そこで、便宜上、以下では、課金装置2が取り付けられた複合機1を「親機1A」と称する。
【0036】
更に、図1に示すように、親機1Aに対して、1又は複数の複合機1が通信可能に接続される。以下では、親機1Aと通信可能に接続される(課金装置2とは通信可能に接続されない)複合機1を「子機1B」と称する。子機1Bは、親機1Aと、ケーブルやネットワークにより通信可能に接続される。尚、詳細は後述するが、本実施形態での親機1Aはカラー印刷可能な複合機1である。一方、子機1Bは白黒印刷用の複合機1である。
【0037】
そして、図1では、上方の複合機1が親機1Aとなる。親機1Aに付随する課金装置2には、例えば、金銭の投入口21や、投入金額の総額を表示する金額表示部22などが設けられる。そして、利用者は、金銭を課金装置2に投入する。そうすると、金銭が投入された旨が課金装置2から親機1Aに伝達される。そして、親機1Aや子機1Bは、使用可能な(印刷可能な)状態となる。そして、印刷など、ジョブが実行されるごとに、課金装置2の金額表示部22は、残金表示Pを減らす(例えば、白黒A3コピーなら20円徴収、白黒A4コピーなら10円徴収等)。そして、金銭が精算されて(返却口23から払い戻しされて)、投入金額が0円となった親機1Aや子機1Bは、使用できない状態となる。
【0038】
このように、親機1Aと子機1Bの2台の画像形成装置が、近い位置に並べられて設置されることがある。例えば、従来所有する白黒印刷用の複合機1に、カラー印刷可能な複合機1を買い足す場合がある。又、例えば、コンビニエンスストア、図書館、大学などでの複合機1利用者の待ち時間を減らす目的で、複数台の画像形成装置が並べて設置されることもある。
【0039】
(親機1Aの概略構成)
次に、図2を用い、本発明の実施形態に係る親機1Aの概略を説明する。図2は、本発明の実施形態に係る親機1Aの概略構成を示す模型的断面図である。
【0040】
図2に示すように、本実施形態の親機1Aは、最上部に原稿カバー11Aが設けられ、その下方に画像読取部3A(スキャナ)が設けられる。又、正面上部に操作パネル4A(図2で破線で図示、入力部)が設けられる。又、本体内に、給紙部51A、搬送路52A、画像形成部61A、中間転写部62A、定着部63A等が設けられる。
【0041】
操作パネル4Aは、親機1Aの正面上方に設けられる。そして、操作パネル4Aは、親機1Aの状態や各種メッセージを表示する液晶表示部7A(表示部に相当)を備える。液晶表示部7Aは、機能の選択、設定や文字入力等を行うためのキーを複数表示できる。又、液晶表示部7Aにタッチパネル部70A(例えば、抵抗膜方式、入力部に相当)が設けられる。タッチパネル部70Aは、液晶表示部7Aで押下された部分の位置、座標を検出するためのものである。又、操作パネル4Aには、コピー等の各種機能の実行開始を指示するためのスタートキー41Aや数字等の入力用のテンキー部42Aも設けられる。
【0042】
原稿カバー11Aは、図2の紙面奥側に支点が設けられ持ち上げ可能である。使用者は、原稿カバー11Aを持ち上げ、画像読取部3Aの上面のコンタクトガラス31Aに原稿を載置する。画像読取部3A内には露光ランプ、ミラー、レンズ、イメージセンサ(例えば、CCD)等の光学系部材(不図示)が設けられる。画像読取部3Aは、これらの光学系部材を用い、原稿に光を照射し、原稿の反射光を受けたイメージセンサの各画素の出力値をA/D変換し画像データを生成する。そして、親機1Aは、読み取りで得られた画像データに基づき印刷できる(コピー機能)。
【0043】
次に、給紙部51Aは、各種(コピー用紙、ラベル用紙等)、各サイズ(A判、B判用紙等)の用紙を複数枚収容する。そして、給紙部51Aは、用紙を搬送路52Aに送り出す。搬送路52Aは、給紙部51Aから供給された用紙を搬送する通路である。更に、親機1Aは形成すべき画像の画像データに基づきトナー像を形成する画像形成部61Aを有する。
【0044】
画像形成部61Aは、4色(ブラック、イエロー、シアン、マゼンタ)分のトナー像を生成するためのユニットを有し、各色のトナー像を形成する。又、親機1Aは、用紙に各色のトナー像を転写する部分として、中間転写部62Aを備える。中間転写部62Aは、各色のトナー像を重畳してベルトに1次転写し、重ね合わされたトナー像を用紙に転写する。定着部63Aは、用紙に2次転写されたトナー像を加熱・加圧して定着させる。尚、定着後の用紙は排出され印刷が完了する。このように、親機1Aは、カラー印刷に対応した複合機1である。
【0045】
(子機1Bの概略構成)
次に、図3を用い、本発明の実施形態に係る子機1Bの概略を説明する。図3は、本発明の実施形態に係る子機1Bの概略構成を示す模型的断面図である。
【0046】
図3に示すように、本実施形態の子機1Bには、正面上部に操作パネル4B(図3で破線で図示)が設けられる。最上部に原稿カバー11B、その下方に画像読取部3B(スキャナ)が設けられる。又、本体内に、給紙部51B、搬送路52B、画像形成部61B、定着部63B等が設けられる。
【0047】
親機1Aと同様に、子機1Bでも、操作パネル4Bは、子機1Bの正面上方に設けられる。そして、操作パネル4Bは、子機1Bの状態や各種メッセージを表示する液晶表示部7B(表示部に相当)を備える。液晶表示部7Bは、機能の選択、設定や文字入力等を行うためのキーを1又は複数表示できる。又、液晶表示部7Bにタッチパネル部70B(例えば、抵抗膜方式)が設けられる。タッチパネル部70Bは、液晶表示部7Bで押下された部分の位置、座標を検出するためのものである。又、操作パネル4Bには、コピー等の各種機能の実行開始を指示するためのスタートキー41Bや数字等の入力用のテンキー部42Bも設けられる。
【0048】
親機1Aと同様に、子機1Bでも、原稿カバー11Bは、図2の紙面奥側に支点が設けられ持ち上げ可能である。使用者は、原稿カバー11Bを持ち上げ、画像読取部3Bの上面のコンタクトガラス31Bに原稿を載置する。画像読取部3B内には露光ランプ、ミラー、レンズ、イメージセンサ(例えば、CCD)等の光学系部材(不図示)が設けられる。画像読取部3Bは、これらの光学系部材を用い、原稿に光を照射し、原稿の反射光を受けたイメージセンサの各画素の出力値をA/D変換し画像データを生成する。そして、親機1Aは、読み取りで得られた画像データに基づき印刷できる
【0049】
親機1Aと同様に、子機1Bも、給紙部51Bは、各種(コピー用紙、ラベル用紙等)、各サイズ(A判、B判用紙等)の用紙を複数枚収容する。そして、給紙部51Bは、用紙を搬送路52Bに送り出す。搬送路52Bは、給紙部51Bから供給された用紙を搬送する通路である。更に、親機1Aは形成すべき画像の画像データに基づきトナー像を形成する画像形成部61Bを有する。
【0050】
子機1Bの画像形成部61Bは、親機1Aと異なり、ブラックのトナー像のみを生成する。そして、搬送される用紙にトナー像を転写する。各色のトナー像を重ね合わせたうえで用紙に転写する必要が無いので、子機1Bでは、中間転写部62Aが存在しない。定着部63Bは、用紙に転写されたトナー像を加熱・加圧して定着させる。尚、定着後の用紙は排出され印刷が完了する。このように、子機1Bは、モノクロ印刷に対応した複合機1である。
【0051】
(画像形成システム100のハードウェア構成)
次に、図4に基づき、本発明の実施形態に係る画像形成システム100のハードウェア構成を説明する。図4は、本発明の実施形態に係る画像形成システム100のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0052】
図4に示すように、本実施形態に係る画像形成システム100には、親機1Aと子機1Bを含む。言い換えると、画像形成システム100は、複数の画像形成装置を含む。
【0053】
まず、親機1Aを説明する。親機1Aは、制御基板や各種素子、回路等を組み合わせて構成される制御部8A(課金処理部に相当)を有する。制御部8Aは、親機1Aの各部の制御を司る。例えば、制御部8Aは、中央演算処理装置としてのCPU81Aや、コピーやスキャンやFAX送信に関する画像データに対し画像処理を施す画像処理部82Aを含む。尚、制御部8Aは、全体制御や画像処理を行うメイン制御部と、印刷処理を行う部分(印刷のため各種回転体を回転させるモータ等)を制御し、印刷エンジンを統括するエンジン制御部等、機能ごとに分割して複数種設けられてもよい。
【0054】
記憶部83Aは、例えば、ROM、RAM、HDDを含み、不揮発性と揮発性の記憶用の装置を組み合わせて構成される。そして、記憶部83Aは、親機1Aの制御用等の各種のプログラムやデータ、設定データ、画像データ等の各種データを記憶する。本発明に関し、記憶部83Aは、課金制御用の制御用プログラムや、子機1Bとの通信用プログラムを記憶する。そして、親機1Aの制御部8Aは、課金制御用の制御用プログラムなどに基づき、課金装置2を共用できるように、制御を行う。
【0055】
又、制御部8Aは、画像読取部3A、給紙部51A、搬送路52A、画像形成部61A、中間転写部62A、定着部63A等の各部とバスや信号線等で接続され、各部、各装置を制御して親機1Aの動作を制御する。又、制御部8Aは、操作パネル4Aとバスや信号線等で接続され、操作パネルでなされた設定入力の内容を認識し、設定内容に沿って、親機1A1の動作を制御する。
【0056】
又、制御部8Aは、通信部9Aと接続される。制御部8Aは、通信部9Aを介して子機1Bと通信を行える。そのため、通信部9Aは、通信用のチップ、回路、コネクタ、ソケットを含む。尚、スキャンした画像データの保存や、メモリから画像データを取得するため、通信部9Aに携帯型メモリ(例えば、USBメモリや、各種メモリカード)用のコネクタを設けてもよい。
【0057】
又、制御部8Aは、I/F部90Aと接続される。制御部8Aは、I/F部90Aを介して課金装置2と通信を行える。そのため、I/F部90Aは、通信用のチップ、回路、コネクタ、ソケットを含む。
【0058】
ここで、課金装置2の構成を説明しておく。課金装置2には、課金装置2の動作制御のため、中央演算処理装置としてCPU24や、ROM25やRAM26が設けられる。ROM25には、課金装置2を制御するためのデータやプログラムが格納される。RAM26は、課金装置2を制御する上で必要なデータやプログラムが展開される。
【0059】
課金装置2内の機構部27は、投入口21や、金銭が投入されたことを認識するためのセンサ(投入検知センサ)や、投入された金銭の種別(例えば、10円硬貨、50円硬貨、100円硬貨、500円硬貨)を識別するセンサ(種別識別センサ)などを含む。尚、課金装置2内の投入検知センサや種別識別センサの出力は、CPU24に入力される。そして、CPU24は金銭を投入されたこと、投入された金銭の金額を認識する。又、CPU24は、親機1Aからの指示に応じて、機構部27に料金を徴収させる(例えば、徴収した金銭を、徴収済金銭を入れる金銭箱に移す)。又、機構部27は、親機1Aからの指示に応じて、金銭の払い戻し(お釣りの支払い)のため、各種モータやソレノイドを備えた払い戻し機構を含む。このように、機構部27は、金銭の投入を受け付ける、金銭を返却口23に出す、等の機械的な機構に関する部分である。
【0060】
又、CPU24は、使用者が親機1Aや子機1Bで印刷などのジョブを行うごとに、金額を減算しつつ、残金の総額を金額表示部22に表示させる。又、CPU24は、機構部27の動作を制御する。又、金額表示部22は、例えば、金銭の投入額や、残金の金額表示を行ってもよいし、例えば、「金銭を投入してください」といった金額以外のメッセージ表示を行っても良い。
【0061】
又、制御部8Aとデータの通信を行うため、課金装置2内のI/F部28は、親機1AのI/F部90Aと接続される。課金装置2の電源装置29は、例えば、商用電源と接続され、課金装置2内の各構成への供給用電圧を生成する。又、例えば、電源装置29は、機構部27内のモータや各種センサに供給する電圧も生成する。
【0062】
次に、子機1Bを説明する。子機1Bも親機1Aと同様、制御基板や各種素子、回路等を組み合わせて構成される制御部8Bを有する。制御部8Bは、子機1Bの各部の制御を司る。例えば、制御部8Bは、中央演算処理装置としてのCPU81Bや、コピーやスキャンやFAX送信に関する画像データに対し画像処理を施す画像処理部82Bを含む。尚、制御部8Bは、全体制御や画像処理を行うメイン制御部と、印刷処理を行う部分(印刷のため各種回転体を回転させるモータ等)を制御し、印刷エンジンを統括するエンジン制御部等、機能ごとに分割して複数種設けられてもよい。
【0063】
記憶部83Bは、例えば、ROM、RAM、HDDを含み、不揮発性と揮発性の記憶用の装置を組み合わせて構成される。そして、記憶部83Bは、子機1Bの制御用等の各種のプログラムやデータ、設定データ、画像データ等の各種データを記憶する。又、制御部8Bは、画像読取部3B、給紙部51B、搬送路52B、画像形成部61B、定着部63B等の各部とバスや信号線等で接続され、各部、各装置を制御して子機1Bの動作を制御する。又、制御部8Bは、操作パネル4Bとバスや信号線等で接続され、操作パネルでなされた設定入力の内容を認識し、設定内容に沿って、子機1Bの動作を制御する。
【0064】
又、制御部8Bは、通信部9Bと接続される。制御部8Bは、通信部9Bを介して親機1Aと通信を行える。そのため、通信部9Bも、通信用のチップ、回路、コネクタ、ソケットを含む。尚、スキャンした画像データの保存や、メモリから画像データを取得するため、通信部9Bにも、携帯型メモリ(例えば、USBメモリや、各種メモリカード)用のコネクタを設けてもよい。
【0065】
(親機1A・子機1Bの利用)
次に、本発明の実施形態に係る親機1A、子機1Bの利用における概要を説明する。
【0066】
本実施形態の各複合機1(親機1A、子機1B)の利用者は、金銭を課金装置2に投入する。そして、投入した金額の範囲内で、複合機1を利用できる。又、利用が終われば払い戻しを受ける点は、従来と同様である。
【0067】
しかし、本実施形態では、親機1Aと子機1Bが1つの課金装置2を共用する。そのため、課金装置2に投入された金銭が、親機1Aを利用するために投入されたものか、子機1Bを利用するために投入されたものかを区別する必要がある。言い換えると、親機1Aの利用者の金銭と、子機1Bの利用者の金銭の混同を防ぐ必要がある。
【0068】
そこで、本実施形態の画像形成システム100では、課金装置2への金銭の投入権が設けられる。利用される画像形成装置は、投入権を取得する。これにより、金銭の投入者が、親機1Aの利用者か、子機1Bの利用者であるかが明確にされる。
【0069】
又、課金装置2は一台であるので、課金装置2に投入された金銭の総額のうち、親機1Aの残金分と子機1Bの残金分を区別して認識される必要がある。そこで、本実施形態では、親機1Aと子機1Bが、それぞれ残金を管理し、料金分の減額を行いつつ、残金のカウントを行う。そして、親機1Aと子機1Bでの、それぞれのジョブ実行に合わせて、残金から実行されたジョブの料金が課金装置2で徴収される。
【0070】
又、親機1Aや子機1Bで、利用完了に伴う精算で、残金を払い戻しする必要がある。しかし、課金装置2は一台であるので、親機1Aと子機1Bで区別して残金を払い戻しする必要がある。そこで、本実施形態では、払い戻しを行う画像形成装置は、払戻権を取得する。そして、払戻権を取得した画像形成装置は、払い戻しすべき額を課金装置2に指示する。この指示を受けて、課金装置2は、払い戻しを行う。
【0071】
このように、課金装置2を共有し、親機1Aと子機1Bでの金銭の混同を生じさせず、問題なく親機1Aと子機1Bが利用される。そして、子機1Bは、課金装置2に直接接続されないので、子機1Bの要求や通知は、親機1Aを介して、課金装置2に伝えられる。そこで、以下、本実施形態に係る画像形成システム100での課金に関する制御を説明する。
【0072】
(投入権の確保)
次に、図5〜図8を用いて、本発明の実施形態に係る親機1Aや子機1Bを利用するための金銭の投入権の確保を説明する。図5は、本発明の実施形態に係る親機1A、子機1Bで表示されるモード選択画面S1の一例を示す説明図である。図6は、本発明の実施形態に係る親機1Aの投入権確保の手順の一例を示すフローチャートである。図7は、本発明の実施形態に係る子機1Bの投入権確保の手順の一例を示すフローチャートである。図8は、本発明の実施形態に係る親機1A、子機1Bで投入権確保に関し表示される画面の一例を示す説明図である。
【0073】
まず、親機1A、子機1Bともに、投入された金銭が無く待機している状態では、図5に示すようなモード選択画面S1を表示する。言い換えると、親機1Aの制御部8Aは、待機している状態では、液晶表示部7Aにモード選択画面S1を表示させる。又、子機1Bの制御部8Bも、待機している状態では、液晶表示部7Bにモード選択画面S1を表示させる。尚、親機1Aと子機1Bのモード選択画面S1の内容や、デザインは、異なっていてもよい。
【0074】
例えば、モード選択画面S1には、親機1Aや子機1Bで用いる(実行する)ジョブの種類を選択するため、コピーキーK1や、FAXキーK2や、スキャンキーK3が配される。コピーキーK1は、コピージョブを実行するときに押される。FAXキーK2は、FAXジョブを実行するときに押される。スキャンキーK3は、スキャンジョブを実行するときに押される。又、モード選択画面S1には、親機1Aや子機1Bに搭載される機能に従って、ジョブの種類を選択するためのキーが更に複数個設けられてもよい(例えば、メモリカードを利用したデジタルカメラの画像データを用いた写真プリントなど)。又、モード選択画面S1に表示されるキーは、親機1Aや子機1Bに搭載される機能に従って、図5に示す例よりも少なくてもよい(例えば、コピーキーK1のみなど)。
【0075】
モード選択画面S1で、実行するジョブの種類が選択されると、投入権の確保が行われる。言い換えると、モード選択画面S1でのキーを押す入力は、投入権を確保するための入力でもある。そこで、図6を用いて、親機1Aでの投入権確保の流れを説明する。
【0076】
(親機1Aの投入権確保)
まず、図6のスタートは、親機1Aで、実行するジョブの種類が選択され、投入権の確保をしようとする時点である。そして、親機1Aの制御部8Aは、投入権を確保している子機1Bが存在するかを確認する(ステップ♯11)。尚、投入権の付与の制御は、基本的に親機1Aが行う(詳細は後述)。
【0077】
もし、投入権を確保している子機1Bが存在すれば(ステップ♯11)、制御部8Aは、子機1Bが投入権を放棄したかを確認する(ステップ♯12)。具体的に、制御部8Aは、通信部9Aが子機1Bから投入権を放棄した旨の通知を受けたか否かを確認する。本実施形態の親機1A、子機1Bが投入権を放棄する時点は、適宜設定できる。例えば、親機1Aや子機1Bで、スタートキーが押され、ジョブの実行指示がなされたとき、親機1Aや子機1Bは、投入権を放棄してもよい。又、最後に課金装置2に金銭が投入されてから、所定時間(例えば、数秒〜数分程度)が経過し、いったん金銭投入が終了したと考えられる時間が経過したとき、親機1Aや子機1Bは、投入権を放棄してもよい。そして、子機1Bが投入権を放棄すると、子機1Bの制御部8Bは、通信部9Bに、親機1Aの通信部9Aに向け、子機1Bが投入権を放棄した旨の通知を送信させる。
【0078】
子機1Bが投入権を確保している状態では(ステップ♯12のNo)、課金装置2に料金を投入すると、子機1Bの利用のために金銭が投入されたと扱われてしまう。そこで、制御部8Aは液晶表示部7Aに、図8(a)に示すような投入権確保中画面S2を表示させる(ステップ♯13)。そして、フローはステップ♯12に戻る。
【0079】
一方、投入権を確保している子機1Bが存在しないとき(ステップ♯11のNo)、子機1Bから投入権を放棄した旨の通知を受けたとき(ステップ♯12のYes)、親機1Aの制御部8Aは、親機1Aの投入権を確保する(ステップ♯14)。そして、又、親機1Aの制御部8Aは、液晶表示部7Aに、図8(b)に示すような投入権確保画面S3を表示させる(ステップ♯15)。
【0080】
更に、親機1Aの制御部8Aは、通信部9Aに、子機1B(の通信部9B)に向けて、親機1Aが投入権を確保している旨を通知する(ステップ♯16)。これにより、親機1Aが投入権を確保している間、子機1Bで投入権を確保しようとしても、子機1Bの液晶表示部7Bには、図8(a)に示すような、投入権確保中画面S2が表示される。
【0081】
そして、親機1Aの制御部8Aは、親機1AのI/F部90Aが、課金装置2のI/F部28から、投入金額を示すデータを受信したかを確認する(ステップ♯17)。尚、金銭が投入され、金額を認識すると、CPU24は、課金装置2のI/F部28に、親機1Aの通信部9Aに向けて、投入金額を示すデータを送信させる。これにより、親機1Aの制御部8Aは、課金装置2に投入された金額を認識する。
【0082】
もし、金額を示すデータを受信していれば(ステップ♯17のYes)、親機1Aの制御部8Aは、受信したデータに基づき金額を認識し、投入された金額を親機1A分の残金としてカウントする(積算する。ステップ♯18)。又、制御部8Aは、液晶金額表示部22の何れかの場所(例えば、右下隅)に表示される残金表示Pを、カウント後の残金に更新させる(ステップ♯19。例えば、200円→250円など)。その後、次の金銭投入に備え、フローはステップ17に戻る。
【0083】
一方、金額を示すデータを受信していなければ(ステップ♯17のNo)、親機1Aの制御部8Aは、親機1Aの投入権を放棄してよいか確認する(ステップ♯110)。例えば、制御部8Aは、例えば、親機1Aで、スタートキーが押され、ジョブの実行指示がなされたとき、最後に課金装置2に金銭が投入されてから所定時間経過したとき(ステップ♯110のYes)、親機1Aの投入権を放棄する(ステップ♯111)。尚、制御部8Aは、通信部9Aに、親機1Aの投入権の放棄を子機1Bの通信部9Bに向けて通知させてもよい。一方、まだ、親機1Aの投入権を放棄すべきでなければ(ステップ♯110のNo)、フローはステップ17に戻る。
【0084】
(子機1Bの投入権確保)
次に、図7を用いて、子機1Bの投入権確保の流れを説明する。図7のスタートは、子機1Bのモード選択画面S1で実行するジョブの種類が選択され、投入権の確保をしようとする時点である。そして、子機1Bの制御部8Bは、通信部9Bから、親機1Aの通信部9Aに向けて、投入権の確保を要求する(ステップ♯21)。
【0085】
この要求を受けて、親機1Aの制御部8Aは、子機1Bの投入権を確保できるか否かを確認する(ステップ♯22)。例えば、親機1Aが投入権を確保していれば、子機1Bの投入権は確保できない。尚、子機1Bが複数設置されている場合、他の子機1Bが投入権を確保していれば、要求を行った子機1Bの投入権は確保できない。又、払い戻し中であるとき、課金装置2に同時に異なる動作を行わせ、又、人が集中することを避けるため、投入権を確保しないようにすることが好ましい。
【0086】
もし、子機1Bの投入権を確保できれば(ステップ♯22のYes)、親機1Aの制御部8Aは、子機1Bの投入権確保を行う(ステップ♯23)。一方、子機1Bの投入権を確保できない間(ステップ♯22のNo)、子機1Bの制御部8Bは、液晶表示部7Bに、図8(a)に示すような投入権確保中画面S2を表示させる(ステップ♯24)。そして、フローはステップ♯22に戻る。
【0087】
子機1Bの投入権が確保されると(ステップ♯23)、親機1Aの制御部8Aは、通信部9Aから子機1Bのための投入権を確保した旨のデータを送信させ、子機1Bの通信部9Bは、受信する(ステップ♯25)。これにより、子機1Bの制御部8Bは、自己の投入権が確保されたことを認識する。そして、子機1Bの制御部8Bは、液晶表示部7Bに、図8(b)に示すような投入権確保画面S3を表示させる(ステップ♯26)。
【0088】
そして、子機1Bの制御部8Bは、子機1Bの通信部9Bが、親機1Aの通信部9Aから、投入金額を示すデータを受信したかを確認する(ステップ♯27)。ここで、金銭が投入されると、課金装置2のI/F部28は、親機1Aの通信部9Aに向けて、投入金額を示すデータを送信する。これにより、親機1Aの制御部8Aは、子機1Bのために投入された金額を認識する。更に、親機1Aの制御部8Aは、通信部9Aに、子機1Bの通信部9Bに向けて、投入金額を示すデータを転送させる。言い換えると、親機1Aは、投入権を確保している子機1Bに向けて、課金装置2からの投入金額を示すデータを転送する。これにより、子機1Bの制御部8Bは、課金装置2に投入された金額を認識する。
【0089】
もし、金額を示すデータを受信していれば(ステップ♯27のYes)、子機1Bの制御部8Bは、受信したデータに基づき金額を認識し、投入金額を子機1Bの残金としてカウントする(ステップ♯28)。又、制御部8Bは、液晶表示部7Bの何れかの場所(例えば、右下隅)に表示される残金表示Pを、カウント後の残金に更新させる(ステップ♯29。例えば、50円→60円など)。その後、次の金銭投入に備え、フローはステップ27に戻る。
【0090】
一方、金額を示すデータを受信していなければ(ステップ♯27のNo)、子機1Bの制御部8Bは、子機1Bの投入権を放棄してよいか確認する(ステップ♯210)。例えば、制御部8Bは、例えば、子機1Bで、スタートキーが押されジョブの実行指示がなされたときや、最後に課金装置2に金銭が投入されてから所定時間経過したとき(ステップ♯210のYes)、子機1Bの制御部8Bは、通信部9Bに、親機1Aの通信部9Aに向けて、子機1Bの投入権放棄を通知させる(ステップ♯211)。一方、まだ、親機1Aの投入権を放棄すべきでなければ(ステップ♯210のNo)、フローはステップ27に戻る。
【0091】
即ち、親機1Aは、ジョブに関する設定入力を受け付けるとともに、課金装置2に金銭を投入する権限である投入権を確保するための投入権確保入力を受け付ける入力部(操作パネル4A)を含み、課金処理部(制御部8A)は、投入権確保入力が入力部(操作パネル4A)になされると、自機の投入権を確保し、確保中に課金装置2に投入された金銭の金額を、自機分の残金としてカウントする。又、親機1Aは、通信部9Aが子機1Bから投入権の確保要求を受信したとき、課金処理部(制御部8A)は、子機1Bのための投入権を確保し、確保中に課金装置2に投入された金銭の金額を示すデータを子機1Bに転送する。
【0092】
(料金徴収)
次に、図9〜図11を用いて、本発明の実施形態に係る親機1Aや子機1Bを利用するための金銭の投入権の確保を説明する。図9は、本発明の実施形態に係る親機1A、子機1Bで表示される設定項目選択画面S4の一例を示す説明図である。図10は、本発明の実施形態に係る親機1Aの料金徴収の流れの一例を示すフローチャートである。図11は本発明の実施形態に係る子機1Bの料金徴収の流れの一例を示すフローチャートである。
【0093】
使用者は、金銭を投入し、親機1Aや子機1Bにジョブを実行させることができる。例えば、図9は、コピー用の設定項目(機能)を選択するための設定項目選択画面S4の一例を示す。設定項目選択画面S4に表示されたキーが押されると、対応する設定画面が開かれ、機能の設定を行うことができる。このように、使用者は、各種設定を行った上で、ジョブを実行することができる。
【0094】
尚、親機1Aや子機1Bの設定項目選択画面S4や、各種設定画面内では、ジョブが完了したので払い戻しを受け、精算を行うときに押される精算キーK4が設けられる。精算キーK4が押されると、課金装置2から、残金分の金額が払い戻される。
【0095】
そして、例えば、コピーでは、白黒印刷とカラーコピーで、料金に差を設けることが多い(例えば、カラー50円、白黒10円など)。又、用紙のサイズに合わせて料金に差を設けることも多い(例えば、A4用紙10円、A3用紙は、A4用紙+20円など)。又、FAX機能やスキャナ機能が提供される場合、原稿のサイズにより、原稿1枚あたりの料金に差が設けられる場合もあれば、一律とされる場合もある。
【0096】
そして、親機1Aと子機1Bで実行されたジョブに応じ、課金装置2は料金を徴収する。そして、親機1Aで実行されたジョブに関し、親機1A分の残金を減らし、子機1Bで実行されたジョブに関し、子機1B分の残金を減らす必要がある。
【0097】
(料金徴収・親機1A)
そこで、図10に基づき、まず、親機1Aでのジョブ実行と料金徴収の流れを説明する。図10のスタートは、親機1Aでジョブを実行しようとする時点である。
【0098】
親機1Aの制御部8Aは、親機1Aで実行しようとするジョブの料金を確認する(ステップ♯31)。例えば、親機1Aの記憶部83Aに、親機1Aのジョブの内容に対して、料金データ(例えば、料金テーブル)が予め記憶される。例えば、A4カラーコピーは1枚50円、A4白黒コピーは1枚10円、FAX送信は原稿1枚に付き50円などが料金データとして定められる。
【0099】
次に、親機1Aの制御部8Aは、実行しようとするジョブの料金と親機1Aの残金と比較し、料金不足であるか否かを確認する(ステップ♯32)。料金不足であれば(ステップ♯32のYes)、ジョブを実行させる訳にはいかないので、本制御を終了する(エンド)。そして、図6を用いて説明したように、親機1Aでの投入権確保が行われる。
【0100】
料金不足で無ければ(ステップ♯32のNo)、親機1Aの制御部8Aは、I/F部90Aに、課金装置2のI/F部28に向けて、料金分の減額要求を行わせる(ステップ♯33)。減額要求に対し、課金装置2のCPU24は、徴収を行い、I/F部28に投入されている金銭から料金分の金額を徴収した旨の徴収済通知を、親機1Aの通信部9Aに向けて返信させる(ステップ♯34)。又、料金徴収に伴い、課金装置2の金額表示部22に表示された投入合計金額が更新される(ステップ♯35)。
【0101】
親機1Aの制御部8Aは、徴収済通知を受信すると、ジョブを実行させる(ステップ♯36)。そして、親機1Aの制御部8Aは、親機1A分として管理している残金(残金データ)から料金分を減らす(ステップ♯37)。そして、制御部8Aは、液晶表示部7Aの何れかの場所(例えば、右下隅)に表示される残金表示Pを、減算後の残金に更新させる(ステップ♯38。例えば、250円→200円など)
【0102】
そして、親機1Aの制御部8Aは、再度、ジョブの実行が指示されたかを確認する(ステップ♯39)。例えば、親機1Aの制御部8Aは、スタートキーが押されたことを確認する。もし、再度、ジョブの実行が指示されれば(ステップ♯39のYes)、フローは、ステップ♯31に戻る。
【0103】
一方、再度のジョブの実行が指示されなければ(ステップ♯39のNo)、親機1Aの制御部8Aは、精算すべきかを確認する(ステップ♯310)。例えば、親機1Aの制御部8Aは、設定項目選択画面S4で精算キーK4が押されると、精算すべきと認識する。尚、精算キーK4は、操作パネル1Aにハードキーとして設けられてもよい。又、親機1Aの制御部8Aは、最後のジョブ実行から、予め定められたタイムアウト時間(例えば、数分〜十数分)経過したときも精算すべきと認識してもよい。
【0104】
精算すべきで無ければ(ステップ♯310のNo)、例えば、フローは、ステップ♯39に戻る。一方、精算すべきであれば(ステップ♯310のYes)、本制御は終了し、払い戻し制御に移行する(エンド)。
【0105】
(料金徴収・子機1B)
次に、図11に基づき、まず、子機1Bでのジョブ実行と料金徴収の流れを説明する。図11のスタートは、子機1Bでジョブを実行しようとする時点である。
【0106】
まず、子機1Bの制御部8Bは、子機1Bで実行しようとするジョブの料金を確認する(ステップ♯41)。例えば、子機1Bの記憶部83Bに、親機1Aのジョブの内容に対して、料金データ(例えば、料金テーブル)が予め記憶される。例えば、A4コピーは1枚10円、A3コピーは1枚20円、FAX送信は原稿1枚に付き50円などといったジョブ内容に対する料金がデータとして定められる。
【0107】
次に、親機1Aの制御部8Bは、実行しようとするジョブの料金と子機1Bの残金と比較し、料金不足であるか否かを確認する(ステップ♯42)。料金不足であれば(ステップ♯42のYes)、本制御を終了する(エンド)。そして、図7を用いて説明したように、子機1Bでの投入権確保が行われる。
【0108】
料金不足で無ければ(ステップ♯42のNo)、子機1Bの制御部8Bは、通信部9Bに親機1Aの通信部9Aに向けて料金分の減額要求を行わせる(ステップ♯43)。親機1Aの制御部8Aは、I/F部90Aに、課金装置2のI/F部28に向けて、子機1Bの減額要求を転送する(ステップ♯44)。減額要求に対し、課金装置2のCPU24は、徴収を行わせ、I/F部28に、投入されている金銭から料金分の金額を徴収した旨の徴収済通知を、親機1Aの通信部9Aに向けて返信させる(ステップ♯45)。又、料金徴収に伴い、課金装置2の金額表示部22に表示された投入合計金額が更新される(ステップ♯46)。
【0109】
徴収済通知を受信すると、親機1Aの制御部8Aは、通信部9Aに、子機1Bの通信部9Bに向けて徴収済通知を転送する(ステップ♯47)。子機1Bの制御部8Bは、徴収済通知を受信すると、ジョブを実行させる(ステップ♯48)。そして、子機1Bの制御部8Bは、子機1B分の残金から料金分を減らす(ステップ♯49)。そして、制御部8Bは、液晶表示部7Bの何れかの場所(例えば、右下隅)に表示される残金表示Pを、減算後の残金に更新させる(ステップ♯410。例えば、70円→60円など)
【0110】
そして、親機1Aと同様に、子機1Bの制御部8Bは、ジョブの再実行が指示されたかを確認する(ステップ♯411)。例えば、子機1Bの制御部8Bは、スタートキー41Bが押されたことを確認する。もし、ジョブの再実行が指示されれば(ステップ♯411のYes)、フローは、ステップ♯41に戻る。一方、ジョブの再実行が指示されなければ(ステップ♯411のNo)、子機1Bの制御部8Bは、精算すべきかを確認する(ステップ♯412)。精算すべきかの確認方法は、親機1Aと同様でよいので説明を省略する。精算すべきで無ければ(ステップ♯412のNo)、例えば、フローは、ステップ♯411に戻る。一方、精算すべきであれば(ステップ♯412のYes)、本制御は終了し、払い戻し制御に移行する(エンド)。
【0111】
即ち、本発明に係る画像形成装置(例えば、複合機1)は、親機1Aとしての画像形成装置であって、親機1Aに通信可能に取り付けられ、金銭の投入を受け付け、投入された金額を認識しジョブの内容に応じ料金を徴収し、残金を払い戻しする課金装置2と、子機1Bとしての他の画像形成装置(例えば、複合機1)と通信を行う通信部9Aと、課金装置2に投入された金銭のうち、自機のために投入された金銭の金額を認識し、自機でのジョブ実行にあわせて、課金装置2に料金の徴収を行わせるとともに、子機1Bのために投入された金銭の金額を認識し、子機1Bでのジョブ実行にあわせて、課金装置2に料金の徴収を行わせる課金処理部(制御部8A)と、を含む。
【0112】
具体的に、入力部(操作パネル4A)がジョブの実行開始指示を受け付けたとき、課金処理部(制御部8A)は、自機の残金から金額を減額するとともに、課金装置2に、ジョブの内容に応じて予め定められた料金の徴収を行わせる。又、通信部9Aが、子機1Bが実行したジョブの内容、及び/又は、徴収すべき金額を示す子機1B用課金データを子機1Bから受信したとき、課金処理部(制御部8A)は、課金装置2に、子機1B用課金データに基づき料金の徴収を行わせる。
【0113】
(払い戻し処理)
次に、図12〜図14を用いて、本発明の実施形態に係る親機1Aや子機1Bを利用するための金銭の投入権の確保を説明する。図12は、本発明の実施形態に係る親機1Aの料金徴収の流れの一例を示すフローチャートである。図13は、本発明の実施形態に係る親機1A、子機1Bで表示される払い戻し画面S5の一例を示す説明図である。図14は本発明の実施形態に係る子機1Bの流れの一例を示すフローチャートである。
【0114】
使用者が親機1Aや子機1Bを利用して目的を達すると、残金(お釣り)を払い戻す必要がある。しかし、本実施形態では、複数の複合機1に対し、課金装置2は1台である。そのため、親機1Aと子機1Bで同時に払い戻すと、親機1Aの利用者と子機1Bの利用者間で混乱が生ずる。そこで、本実施形態の画像形成システム100では、払い戻しの権利(払戻権)を確保した上で、課金装置2からの払い戻しがなされる。
【0115】
(親機1Aでの払い戻し処理)
まず、図12に基づき、親機1Aでの払い戻し処理の流れを説明する。図12のスタートは、親機1Aの設定項目選択画面S4や、各種設定画面内で、目的達成に伴い、払い戻しを受けるため、精算キーK4が押された時点である。そして、親機1Aの制御部8Aは、払戻権を確保している子機1Bが存在するか(払戻中の子機1Bが存在するか)を確認する(ステップ♯51)。
【0116】
もし、払戻権を確保している子機1Bが存在すれば(ステップ♯51)、制御部8Aは、払戻権を放棄したかを確認する(ステップ♯52)。具体的に、制御部8Aは、通信部9Aが子機1Bから払戻権を放棄した旨の通知を受けたか否かを確認する。本実施形態の親機1A、子機1Bでは、払戻権は、課金装置2からの残金払い出し実行をトリガとして放棄される。子機1Bの払戻権放棄がなされるまで、子機1Bの払戻権の放棄の確認が続けられる(ステップ♯52のNo→ステップ♯52)。
【0117】
一方、払戻権を確保している子機1Bが存在しないとき(ステップ♯51のNo)、子機1Bが投入権を放棄した旨の通知を受けたとき(ステップ♯52のYes)、親機1Aの制御部8Aは払戻権を確保するとともに(ステップ♯53)、I/F部90Aに、課金装置2のI/F部28に向けて、払戻額(親機1Aの残金)を通知する(ステップ♯54)。
【0118】
この通知を受けて、課金装置2のCPU24は、機構部27に親機1A分の残金の払い戻しを行わせる(ステップ♯55)。そして、課金装置2のI/F部28は、親機1Aの通信部9Aに向けて払戻完了通知を送信し(ステップ♯56)、親機1Aの制御部8Aは払戻完了通知に基づき、親機1Aの払戻が完了したことを認識する(ステップ♯57)。
【0119】
そして、親機1Aの制御部8Aは、液晶表示部7Aに、図13に示すような払い戻し画面S5を、表示させる(ステップ♯58)。更に、親機1Aの制御部8Aは、親機1Aの払戻権を放棄する(ステップ♯58)。そして、本制御は完了する(エンド)。
【0120】
(子機1Bでの払い戻し処理)
次に、図14に基づき、子機1Bでの払い戻し処理の流れを説明する。図14のスタートは、子機1Bの設定項目選択画面S4や、各種設定画面内で、目的達成に伴い、払い戻しを受けるため、精算キーK4が押された時点である。そして、子機1Bの制御部8Bは、通信部9Bに、親機1Aの通信部9Aに向けて、払戻権確保要求を送信させる(ステップ♯61)。
【0121】
この要求を受けて、親機1Aの制御部8Aは、子機1Bの払戻権を確保できるか否かを確認する(ステップ♯62)。例えば、親機1Aが払戻処理中であれば、子機1Bの払戻権は確保できない。尚、子機1Bが複数設置されている場合、他の子機1Bについて払戻処理中であれば(他の子機1Bが払戻権投入権を確保していれば)、子機1Bの払戻権確保要求は認められない。
【0122】
子機1Bの払戻権を確保ができるまで、親機1Aの制御部8Aは確認を続ける(ステップ♯62のNo→ステップ♯62)。一方、子機1Bの払戻権を確保できれば(ステップ♯62のYes)、親機1Aの制御部8Aは、子機1Bの払戻権確保を行う(ステップ♯63)。
【0123】
子機1Bの払戻権が確保されると、親機1Aの制御部8Aは、通信部9Aから子機1Bのための払戻権を確保した旨の通知を送信させ、子機1Bの通信部9Bは、受信する(ステップ♯64)。これにより、子機1Bの制御部8Bは、投入権を確保したことを認識する。
【0124】
そして、子機1Bの制御部8Bは、通信部9Bに、親機1Aの通信部9Aに向けて子機1Bの払戻額(子機1B分の残金)を示すデータを通知する(ステップ♯65)。親機1Aの制御部8Aは、I/F部90Aに、払戻額(子機1B親機1Aの残金)を示すデータを課金装置2のI/F部28に向けて転送させる(ステップ♯66)。
【0125】
そして、課金装置2で、子機1Bの残金の払い戻しがなされる(ステップ♯67)。そして、課金装置2のI/F部28は、親機1AのI/F部90Aに向けて払戻完了通知を送信する(ステップ♯68)。親機1Aの制御部8Aは、通信部9Aに、子機1Bの通信部9Bに向けて、払戻完了通知を転送する(ステップ♯69)。子機1Bの制御部8Bは、払戻完了通知に基づき、子機1Bの払戻が完了したことを認識する(ステップ♯610)。
【0126】
そして、子機1Bの制御部8Bは、液晶表示部7Bに、図13に示すような払い戻し画面S5を、表示させる(ステップ♯611)。更に、子機1Bの制御部8Bは、子機1Bの払戻権を放棄する(ステップ♯612)。そして、本制御は完了する(エンド)。
【0127】
即ち、親機1Aは、入力部(操作パネル4A)が自機分の残金の払い戻しを指示する払い戻し入力を受け付けたとき、課金処理部(制御部8A)は、課金装置2に投入された金銭のうち、自機の残金分のみを課金装置2に払い戻しさせる。又、通信部9Aが、子機1Bから、子機1B分の残金の払い戻しを求める払い戻し要求を受信したとき、課金処理部(制御部8A)は、課金装置2に投入された金銭のうち、子機1B分の残金のみを課金装置2に払い戻しさせる。
【0128】
このようにして、課金処理部(制御部8A)は、課金装置2に投入された金銭のうち、自機のために投入された金銭の金額を認識し、自機でのジョブ実行にあわせて、課金装置2に料金の徴収を行わせるとともに、子機1Bのために投入された金銭の金額を認識し、子機1Bでのジョブ実行にあわせて、課金装置2に料金の徴収を行わせる。これにより、金銭の混同が生ずること無く1台の課金装置2を複数の画像形成装置(例えば、複合機1)で共用することができる。又、画像形成装置と同じ台数分だけ課金装置2を購入せずにすみ、設置スペースも少なくて済む、又、消費の電力の大きさやメンテナンスの手間が、画像形成装置(例えば、複合機1)と同じ数だけ課金装置2を設置する場合に比べて少なくて済む。従って、複数台の画像形成装置(例えば、複合機1)を設置するとき、導入コストや設置スペースやランニングコストを減らすことができる。
【0129】
又、従来の課金装置2(画像形成装置と一対一で設置されるタイプの課金装置2)でも、課金装置2を複数の画像形成装置で共用することができる。従って、課金装置2を改良、新開発せずに済ますことができる。例えば、課金装置2のメーカが、画像形成装置のメーカと異なる場合もあり、課金装置2の仕様変更を行うことが難しく、従来、課金装置2の共用が難しかった。しかし、本発明によれば、従来の課金装置2を改良せずとも効果が得られる。
【0130】
又、課金処理部(制御部8A)は、投入権確保入力が入力部(操作パネル4A)になされると、自機の投入権を確保し、確保中に課金装置2に投入された金銭の金額を、自機分の残金としてカウントする。これにより、親機1Aの利用ための金銭投入か、子機1Bの利用のための金銭投入か区別され、親機1Aは自機の利用のために投入された金銭の金額を認識できる。従って、課金装置2へ投入した金銭は、親機1Aの利用者と子機1Bの利用者の間で混ざらず(混同せず)、残金は、画像形成装置(例えば、複合機1)単位で明確に管理される。又、課金処理部(制御部8A)は、子機1Bのための投入権を確保し、確保中に課金装置2に投入された金銭の金額を示すデータを子機1Bに転送する。これにより、親機1Aの利用ための金銭投入か、子機1Bの利用のための金銭投入か区別され、子機1Bは、子機1Bの利用のために投入された金銭の金額を認識できる。
【0131】
又、課金処理部は、自機の残金から金額を減額するとともに、課金装置2に、ジョブの内容に応じて予め定められた料金の徴収を行わせる。これにより、同じ課金装置2を共用しても、自機(親機)は、自機分の残金管理と料金徴収を行い、子機1Bと混同することがない。従って、料金徴収と残金の管理は、画像形成装置(例えば、複合機1)単位で明確に区別され管理される。又、課金処理部(制御部8A)は、課金装置2に、子機1B用課金データに基づき料金の徴収を行わせる。これにより、子機1B分の残金管理と料金徴収は、親機1Aと区別され、親機1Aと子機1B間で混同は生じない。従って、料金徴収と残金の管理は、画像形成装置(例えば、複合機1)単位で明確に区別され管理される。
【0132】
又、課金処理部(制御部8A)は、課金装置2に投入された金銭のうち、自機の残金分のみを課金装置2に払い戻しさせる。これにより、同じ課金装置2を共用しても、自機と、子機1B間での金銭払い戻しでの混同は生じない。従って、金銭の払い戻しにおいても、画像形成装置(例えば、複合機1)単位で明確に区別される。又、課金処理部(制御部8A)は、課金装置2に投入された金銭のうち、子機1B分の残金のみを課金装置2に払い戻しさせる。これにより、同じ課金装置2を共用しても、自機と、子機1B間での金銭払い戻しでの混同は生じない。従って、金銭の払い戻しにおいても、画像形成装置単位で明確に区別される。
【0133】
又、本発明は、画像形成システム100として捉えることもできる。即ち、本発明の画像形成システム100は、複数の画像形成装置(例えば、複合機1)を含む画像形成システム100であり、複数の画像形成装置(例えば、複合機1)のうち、1台の画像形成装置(例えば、複合機1)は親機1Aとしての画像形成装置(例えば、複合機1)であり、金銭の投入を受け付け、投入された金額を認識し、ジョブの内容に応じ料金を徴収し、残金を払い戻しし、通信可能に取り付けられる課金装置2と、子機1Bとしての画像形成装置(例えば、複合機1)と通信を行い、子機1Bが実行したジョブの内容を受信する通信部9Aと、自機と子機1Bごとに、課金装置2に投入された金銭の残金を管理し、自機と子機1Bごとに、ジョブの内容に応じて課金装置2に料金を徴収させる課金処理部(制御部8A)と、を含む。
【0134】
そして、親機1Aと子機1Bは、自機の残金を表示する金額表示部22(液晶表示部7A、液晶表示部7B)を含む。これにより、同じ課金装置2を用いて、課金装置2では合計金額が表示されているとしても、各画像形成装置で、残金が表示される。これにより、使用者は、残金がいくらであるか、あと何枚印刷できるか、を確認することができる。
【0135】
次に、他の実施形態を説明する。上記の実施形態では、子機1Bの制御部8Bは、通信部9Bに親機1Aの通信部9Aに向けて料金分の減額要求を行わせる例を説明した。言い換えると、子機1Bは、徴収すべき金額を親機1Aに知らせる。通知に合わせ、子機1Bで実行されたジョブの内容を示すデータを親機1Aに送信する。例えば、コピーで用いられた用紙サイズなどの子機1Bでのジョブの実行履歴が、親機1Aに送信される。
【0136】
そして、親機1Aは、子機1Bからのジョブ実行内容を示すデータを記憶部83Aに記憶、蓄積する。一方で、親機1Aの記憶部83Aは、親機1Aでのジョブ実行内容を示すデータも記憶する。このように、子機1Bでのジョブの実行履歴を親機1Aに送信し、親機1Aに、親機1Aと子機1Bのジョブの実行履歴を蓄積させる。
【0137】
即ち、親機1A1は、データを記憶する記憶部83Aを含み、記憶部83Aは、自機で実行されたジョブの内容を示すデータと、通信部9Aで受信された子機1Bが実行したジョブの内容を示すデータと、を記憶する。これにより、課金装置2に接続された画像形成装置(例えば、複合機1)には、子機1Bで実行されたジョブの内容が知らされる。ジョブの実行履歴は、メンテナンスや管理上必要なものであるところ、ジョブの実行内容を記憶しておけば、自機(課金装置2に接続された画像形成装置)の記憶部83Aを確認するだけで、設置された全画像形成装置でのジョブの実行履歴を取得することができる。従って、画像形成装置を一台一台操作して、実行履歴を確認する場合に比べて、迅速、容易に、全画像形成装置でのジョブの実行履歴を取得することができる。又、ジョブの実行履歴を印刷すれば、一度に、親機1A、子機1Bを含む全ての画像形成装置の履歴を示す印刷物を入手することができる。
【0138】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0139】
本発明は、課金装置が取り付けられた画像形成装置などに利用可能である。
【符号の説明】
【0140】
100 画像形成システム 1 複合機(画像形成装置)
2 課金装置
1A 親機(複合機、画像形成装置) 4A 操作パネル(入力部、親機)
7A 液晶表示部(表示部、親機) 8A 制御部(課金処理部、親機)
83A 記憶部(親機) 9A 通信部(親機)
1B 子機(複合機1、画像形成装置) 4B 操作パネル(子機、入力部)
7B 液晶表示部(表示部、子機) 8B 制御部(子機)
83B 記憶部(子機) 9B 通信部(子機)
【技術分野】
【0001】
本発明は、課金装置とともに設置される複写機、複合機、プリンタ、ファクシミリ機の等の画像形成装置に関する。又、課金装置が装着された画像形成装置を含む画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
課金装置付き画像形成装置(コピーや複合機など)が、設置されることがある。課金装置は、コインベンダと呼ばれることも多い。例えば、課金装置付き画像形成装置は、コンビニエンスストア、ショッピングセンター、図書館、大学といった場所に設置される。利用者は、課金装置に金銭を投入する。そして、画像形成装置で実行したジョブの内容(用紙サイズやサービス内容等)に応じ、料金が、投入済金額から徴収される(差し引かれる)。このような課金装置付き画像形成装置の一例が、特許文献1に記載されている。
【0003】
具体的に、特許文献1には、実行するプリントジョブの量に応じた料金を徴収する画像形成装置であり、プリントジョブを受け付けるジョブ受付手段と、受け付けたプリントジョブの実行に必要な料金を演算する料金演算手段と、投入された金額と必要料金とを精算する精算手段と、精算手段により料金の精算が完了したか否かを判定する判定手段と、判定手段により料金の精算が完了したと判定された後に、プリントジョブを実行する画像形成手段とを備える画像形成装置が記載されている。これにより、先の利用者のプリントジョブの終了を待たずに、次の利用者のプリントジョブを受け付けて、次の利用者のプリントジョブが受付可能になるまでの待ち時間を短縮しようとする(特許文献1:請求項1、段落[0052]等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−202701
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
課金装置は、画像形成装置と通信ケーブルで接続され、画像形成装置と、一対一の通信のみ可能である。例えば、課金装置に投入された金額を示すデータや、残金を示すデータや、コピーの実行により残金から減らすべき金額を示すデータなどが、必要に応じて画像形成装置と課金装置間でやり取りされる。このように、従来、課金装置は、画像形成装置一台に対し、一台設けられる。
【0006】
そして、複数台の課金装置付き画像形成装置を並べて設置することがある。このとき、画像形成装置と同じ台数分だけの課金装置が設置される。例えば、コンビニエンスストアでは、カラー印刷用の画像形成装置とモノクロ(白黒)印刷用の画像形成装置を、それぞれ1台ずつ設置する営業形態が増えつつある。
【0007】
そうすると、設置のとき、画像形成装置と同じ台数分だけの課金装置を購入する必要があり、導入コスト(初期費用)が大きくなるという問題がある。又、課金装置の設置スペースも必要となるという問題がある。又、課金装置が多いほど、消費電力は大きくなり、メンテナンスの手間も増え、ランニングコストも大きくなるという問題もある。
【0008】
尚、特許文献1記載の発明は、次の利用者のプリントジョブが受付可能になるまでの待ち時間を短縮しようとするものである。そのため、上述した課金装置付きの画像形成装置を複数台導入するときの問題点に関し、言及した記載はない。従って、特許文献1記載の発明では、上記問題を解決できない。又、現状、課金装置には、1台で、複数の画像形成装置と通信するものもない。
【0009】
本発明は、上記問題点を鑑み、複数台の画像形成装置で課金装置を無駄なく効率的に共用して、設置数を減らし、課金装置付き画像形成装置の導入コスト、ランニングコスト、設置スペースを減らすことを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために請求項1に係る画像形成装置は、親機としての画像形成装置であって、通信可能に取り付けられ金銭の投入を受け付け投入された金額を認識しジョブの内容に応じ料金を徴収し残金を払い戻しする課金装置と、子機としての他の画像形成装置と通信を行う通信部と、前記課金装置に投入された金銭のうち自機のために投入された金銭の金額を認識し、自機でのジョブ実行にあわせて、前記課金装置に料金の徴収を行わせるとともに、前記子機のために投入された金銭の金額を認識し、前記子機でのジョブ実行にあわせて、前記課金装置に料金の徴収を行わせる課金処理部と、を含むこととした。
【0011】
この構成によれば、課金処理部は、課金装置に投入された金銭のうち、自機のために投入された金銭の金額を認識し、自機でのジョブ実行にあわせて、課金装置に料金の徴収を行わせるとともに、子機のために投入された金銭の金額を認識し、子機でのジョブ実行にあわせて、課金装置に料金の徴収を行わせる。これにより、金銭の混同が生ずること無く1台の課金装置を複数の画像形成装置で共用することができる。又、画像形成装置と同じ台数分だけ課金装置を購入せずにすみ、設置スペースも少なくて済む、又、消費電力の大きさやメンテナンスの手間が、画像形成装置と同じ数だけ課金装置を設置する場合に比べて少なくて済む。従って、複数台の画像形成装置を設置するとき、導入コストや設置スペースやランニングコストを減らすことができる。
【0012】
又、従来の課金装置(画像形成装置と一対一で設置されるタイプの課金装置)でも、課金装置を複数の画像形成装置で共用することができる。従って、課金装置を改良、新開発せずに済ますことができる。例えば、課金装置のメーカが、画像形成装置のメーカと異なる場合もあり、課金装置の仕様変更を行うことが難しく、従来、課金装置の共用が難しかった。しかし、本発明によれば、従来の課金装置を改良せずとも効果が得られる。
【0013】
又、請求項2に係る発明は、請求項1の発明において、ジョブに関する設定入力を受け付けるとともに、前記課金装置に金銭を投入する権限である投入権を確保するための投入権確保入力を受け付ける入力部を含み、前記課金処理部は、前記投入権確保入力が前記入力部になされると、自機の前記投入権を確保し、確保中に前記課金装置に投入された金銭の金額を、自機分の残金としてカウントすることとした。
【0014】
この構成によれば、課金処理部は、投入権確保入力が入力部になされると、自機の投入権を確保し、確保中に課金装置に投入された金銭の金額を、自機分の残金としてカウントする。これにより、親機の利用ための金銭投入か、子機の利用のための金銭投入か区別され、親機は自機の利用のために投入された金銭の金額を認識できる。従って、課金装置へ投入した金銭は、親機の利用者と子機の利用者の間で混ざらず(混同せず)、残金は、画像形成装置単位で明確に管理される。
【0015】
又、請求項3に係る発明は、請求項1又は2の発明において、前記通信部が前記子機から前記投入権の確保要求を受信したとき、前記課金処理部は、前記子機のための前記投入権を確保し、確保中に前記課金装置に投入された金銭の金額を示すデータを前記子機に転送することとした。
【0016】
この構成によれば、課金処理部は、子機のための投入権を確保し、確保中に課金装置に投入された金銭の金額を示すデータを子機に転送する。これにより、親機の利用ための金銭投入か、子機の利用のための金銭投入か区別され、子機は、子機の利用のために投入された金銭の金額を認識できる。
【0017】
又、請求項4に係る発明は、請求項1乃至3の発明において、前記入力部がジョブの実行開始指示を受け付けたとき、前記課金処理部は、自機の残金から金額を減額するとともに、前記課金装置に、ジョブの内容に応じて予め定められた料金の徴収を行わせることとした。
【0018】
この構成によれば、課金処理部は、自機の残金から金額を減額するとともに、課金装置に、ジョブの内容に応じて予め定められた料金の徴収を行わせる。これにより、同じ課金装置を共用しても、自機(親機)は、自機分の残金管理と料金徴収を行い、子機と混同することがない。従って、料金徴収と残金の管理は、画像形成装置単位で明確に区別され管理される。
【0019】
又、請求項5に係る発明は、請求項1乃至4の発明において、前記通信部が、前記子機が実行したジョブの内容、及び/又は、徴収すべき金額を示す子機用課金データを前記子機から受信したとき、前記課金処理部は、前記課金装置に、前記子機用課金データに基づき料金の徴収を行わせることとした。
【0020】
この構成によれば、課金処理部は、課金装置に、子機用課金データに基づき料金の徴収を行わせる。これにより、子機分の残金管理と料金徴収は、親機と区別され、親機と子機間で混同は生じない。従って、料金徴収と残金の管理は、画像形成装置単位で明確に区別され管理される。
【0021】
又、請求項6に係る発明は、請求項1乃至5の発明において、前記入力部が自機分の残金の払い戻しを指示する払い戻し入力を受け付けたとき、前記課金処理部は、前記課金装置に投入された金銭のうち、自機の残金分のみを前記課金装置に払い戻しさせることとした。
【0022】
この構成によれば、課金処理部は、課金装置に投入された金銭のうち、自機の残金分のみを課金装置に払い戻しさせる。これにより、同じ課金装置を共用しても、自機と、子機間での金銭払い戻しでの混同は生じない。従って、金銭の払い戻しにおいても、画像形成装置単位で明確に区別される。
【0023】
又、請求項7に係る発明は、請求項1乃至6の発明において、前記通信部が、前記子機から、前記子機分の残金の払い戻しを求める払い戻し要求を受信したとき、前記課金処理部は、前記課金装置に投入された金銭のうち、前記子機分の残金のみを前記課金装置に払い戻しさせることとした。
【0024】
この構成によれば、課金処理部は、課金装置に投入された金銭のうち、子機分の残金のみを課金装置に払い戻しさせる。これにより、同じ課金装置を共用しても、自機と、子機間での金銭払い戻しでの混同は生じない。従って、金銭の払い戻しにおいても、画像形成装置単位で明確に区別される。
【0025】
又、請求項8に係る発明は、請求項1乃至7の発明において、データを記憶する記憶部を含み、前記記憶部は、自機で実行されたジョブの内容を示すデータと、前記通信部で受信された前記子機が実行したジョブの内容を示すデータと、を記憶することとした。
【0026】
この構成によれば、記憶部は、自機で実行されたジョブの内容を示すデータと、通信部で受信された子機が実行したジョブの内容を示すデータと、を記憶する。課金装置に接続された画像形成装置には、子機で実行されたジョブの内容が知らされる。ジョブの実行履歴は、メンテナンスや管理上必要なものであるところ、ジョブの実行内容を記憶しておけば、自機(課金装置に接続された画像形成装置)の記憶部を確認するだけで、設置された全画像形成装置でのジョブの実行履歴を取得することができる。従って、画像形成装置を一台一台操作する場合に比べて、迅速、容易に、全画像形成装置でのジョブの実行履歴を取得することができる。
【0027】
又、請求項9に係る画像形成システムは、複数の画像形成装置を含む画像形成システムであり、複数の画像形成装置のうち、1台の画像形成装置は親機としての画像形成装置であり、他の画像形成装置は、子機として前記親機に通信可能に接続され、前記親機としての画像形成装置は、金銭の投入を受け付け、投入された金額を認識し、ジョブの内容に応じ料金を徴収し、残金を払い戻しし、通信可能に取り付けられる課金装置と、子機としての画像形成装置と通信を行い、前記子機が実行したジョブの内容を受信する通信部と、自機と前記子機ごとに、前記課金装置に投入された金銭の残金を管理し、自機と前記子機ごとに、ジョブの内容に応じて前記課金装置に料金を徴収させる課金処理部と、を含むこととした。
【0028】
この構成は、課金装置に通信可能に接続される親機として画像形成装置と、親機と通信可能に接続される子機を1つの画像形成システムの発明として捉えたものであり、請求項1の発明と同様の効果を得ることができる。
【0029】
又、請求項10に係る発明は、請求項9の発明において、前記親機と前記子機は、自機の残金を表示する表示部を含む。
【0030】
この構成によれば、親機と子機は、自機の残金を表示する表示部を含む。これにより、同じ課金装置を用いて、課金装置では合計金額が表示されているとしても、各画像形成装置で、残金が表示される。これにより、使用者は、残金がいくらであるか、あと何枚印刷できるか、を確認することができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、複数台の画像形成装置で課金装置を無駄なく効率的に共用して、設置数を減らし、課金装置付き画像形成装置の導入コスト、ランニングコスト、設置スペースを減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】実施形態に係る画像形成システムの一例を示す説明図である。
【図2】実施形態に係る親機の概略構成を示す模型的断面図である。
【図3】実施形態に係る子機の概略構成を示す模型的断面図である。
【図4】実施形態に係る画像形成システムのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図5】実施形態に係る親機、子機で表示されるモード選択画面の一例を示す説明図である。
【図6】実施形態に係る親機の投入権確保の手順の一例を示すフローチャートである。
【図7】実施形態に係る子機の投入権確保の手順の一例を示すフローチャートである。
【図8】実施形態に係る親機、子機で投入権確保に関し表示される画面の一例を示す説明図である。
【図9】実施形態に係る親機、子機で表示される設定項目選択画面の一例を示す説明図である。
【図10】実施形態に係る親機の料金徴収の流れの一例を示すフローチャートである。
【図11】実施形態に係る子機の料金徴収の流れの一例を示すフローチャートである。
【図12】実施形態に係る親機の料金徴収の流れの一例を示すフローチャートである。
【図13】実施形態に係る親機、子機で表示される払い戻し画面の一例を示す説明図である。
【図14】実施形態に係る子機の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の実施形態を図1〜図14を用いて説明する。本説明では、近接して、画像形成装置としての複合機1を2台設け、1台の課金装置2で画像形成システム100を構成する例を説明する。尚、画像形成装置は3台以上で課金装置2を共用する画像形成システム100としてもよい。
【0034】
(画像形成システム100の概要)
まず、図1を用いて、本発明の実施形態に係る画像形成システム100の概要を説明する。図1は本発明の実施形態に係る画像形成システム100の一例を示す説明図である。
【0035】
画像形成システム100に含まれる複合機1のうち、1台の複合機1は、課金装置2と通信ケーブルCBを用い、通信可能に接続される。本発明では、課金装置2を備えた複合機1が、課金制御の中心となり統括する。そこで、便宜上、以下では、課金装置2が取り付けられた複合機1を「親機1A」と称する。
【0036】
更に、図1に示すように、親機1Aに対して、1又は複数の複合機1が通信可能に接続される。以下では、親機1Aと通信可能に接続される(課金装置2とは通信可能に接続されない)複合機1を「子機1B」と称する。子機1Bは、親機1Aと、ケーブルやネットワークにより通信可能に接続される。尚、詳細は後述するが、本実施形態での親機1Aはカラー印刷可能な複合機1である。一方、子機1Bは白黒印刷用の複合機1である。
【0037】
そして、図1では、上方の複合機1が親機1Aとなる。親機1Aに付随する課金装置2には、例えば、金銭の投入口21や、投入金額の総額を表示する金額表示部22などが設けられる。そして、利用者は、金銭を課金装置2に投入する。そうすると、金銭が投入された旨が課金装置2から親機1Aに伝達される。そして、親機1Aや子機1Bは、使用可能な(印刷可能な)状態となる。そして、印刷など、ジョブが実行されるごとに、課金装置2の金額表示部22は、残金表示Pを減らす(例えば、白黒A3コピーなら20円徴収、白黒A4コピーなら10円徴収等)。そして、金銭が精算されて(返却口23から払い戻しされて)、投入金額が0円となった親機1Aや子機1Bは、使用できない状態となる。
【0038】
このように、親機1Aと子機1Bの2台の画像形成装置が、近い位置に並べられて設置されることがある。例えば、従来所有する白黒印刷用の複合機1に、カラー印刷可能な複合機1を買い足す場合がある。又、例えば、コンビニエンスストア、図書館、大学などでの複合機1利用者の待ち時間を減らす目的で、複数台の画像形成装置が並べて設置されることもある。
【0039】
(親機1Aの概略構成)
次に、図2を用い、本発明の実施形態に係る親機1Aの概略を説明する。図2は、本発明の実施形態に係る親機1Aの概略構成を示す模型的断面図である。
【0040】
図2に示すように、本実施形態の親機1Aは、最上部に原稿カバー11Aが設けられ、その下方に画像読取部3A(スキャナ)が設けられる。又、正面上部に操作パネル4A(図2で破線で図示、入力部)が設けられる。又、本体内に、給紙部51A、搬送路52A、画像形成部61A、中間転写部62A、定着部63A等が設けられる。
【0041】
操作パネル4Aは、親機1Aの正面上方に設けられる。そして、操作パネル4Aは、親機1Aの状態や各種メッセージを表示する液晶表示部7A(表示部に相当)を備える。液晶表示部7Aは、機能の選択、設定や文字入力等を行うためのキーを複数表示できる。又、液晶表示部7Aにタッチパネル部70A(例えば、抵抗膜方式、入力部に相当)が設けられる。タッチパネル部70Aは、液晶表示部7Aで押下された部分の位置、座標を検出するためのものである。又、操作パネル4Aには、コピー等の各種機能の実行開始を指示するためのスタートキー41Aや数字等の入力用のテンキー部42Aも設けられる。
【0042】
原稿カバー11Aは、図2の紙面奥側に支点が設けられ持ち上げ可能である。使用者は、原稿カバー11Aを持ち上げ、画像読取部3Aの上面のコンタクトガラス31Aに原稿を載置する。画像読取部3A内には露光ランプ、ミラー、レンズ、イメージセンサ(例えば、CCD)等の光学系部材(不図示)が設けられる。画像読取部3Aは、これらの光学系部材を用い、原稿に光を照射し、原稿の反射光を受けたイメージセンサの各画素の出力値をA/D変換し画像データを生成する。そして、親機1Aは、読み取りで得られた画像データに基づき印刷できる(コピー機能)。
【0043】
次に、給紙部51Aは、各種(コピー用紙、ラベル用紙等)、各サイズ(A判、B判用紙等)の用紙を複数枚収容する。そして、給紙部51Aは、用紙を搬送路52Aに送り出す。搬送路52Aは、給紙部51Aから供給された用紙を搬送する通路である。更に、親機1Aは形成すべき画像の画像データに基づきトナー像を形成する画像形成部61Aを有する。
【0044】
画像形成部61Aは、4色(ブラック、イエロー、シアン、マゼンタ)分のトナー像を生成するためのユニットを有し、各色のトナー像を形成する。又、親機1Aは、用紙に各色のトナー像を転写する部分として、中間転写部62Aを備える。中間転写部62Aは、各色のトナー像を重畳してベルトに1次転写し、重ね合わされたトナー像を用紙に転写する。定着部63Aは、用紙に2次転写されたトナー像を加熱・加圧して定着させる。尚、定着後の用紙は排出され印刷が完了する。このように、親機1Aは、カラー印刷に対応した複合機1である。
【0045】
(子機1Bの概略構成)
次に、図3を用い、本発明の実施形態に係る子機1Bの概略を説明する。図3は、本発明の実施形態に係る子機1Bの概略構成を示す模型的断面図である。
【0046】
図3に示すように、本実施形態の子機1Bには、正面上部に操作パネル4B(図3で破線で図示)が設けられる。最上部に原稿カバー11B、その下方に画像読取部3B(スキャナ)が設けられる。又、本体内に、給紙部51B、搬送路52B、画像形成部61B、定着部63B等が設けられる。
【0047】
親機1Aと同様に、子機1Bでも、操作パネル4Bは、子機1Bの正面上方に設けられる。そして、操作パネル4Bは、子機1Bの状態や各種メッセージを表示する液晶表示部7B(表示部に相当)を備える。液晶表示部7Bは、機能の選択、設定や文字入力等を行うためのキーを1又は複数表示できる。又、液晶表示部7Bにタッチパネル部70B(例えば、抵抗膜方式)が設けられる。タッチパネル部70Bは、液晶表示部7Bで押下された部分の位置、座標を検出するためのものである。又、操作パネル4Bには、コピー等の各種機能の実行開始を指示するためのスタートキー41Bや数字等の入力用のテンキー部42Bも設けられる。
【0048】
親機1Aと同様に、子機1Bでも、原稿カバー11Bは、図2の紙面奥側に支点が設けられ持ち上げ可能である。使用者は、原稿カバー11Bを持ち上げ、画像読取部3Bの上面のコンタクトガラス31Bに原稿を載置する。画像読取部3B内には露光ランプ、ミラー、レンズ、イメージセンサ(例えば、CCD)等の光学系部材(不図示)が設けられる。画像読取部3Bは、これらの光学系部材を用い、原稿に光を照射し、原稿の反射光を受けたイメージセンサの各画素の出力値をA/D変換し画像データを生成する。そして、親機1Aは、読み取りで得られた画像データに基づき印刷できる
【0049】
親機1Aと同様に、子機1Bも、給紙部51Bは、各種(コピー用紙、ラベル用紙等)、各サイズ(A判、B判用紙等)の用紙を複数枚収容する。そして、給紙部51Bは、用紙を搬送路52Bに送り出す。搬送路52Bは、給紙部51Bから供給された用紙を搬送する通路である。更に、親機1Aは形成すべき画像の画像データに基づきトナー像を形成する画像形成部61Bを有する。
【0050】
子機1Bの画像形成部61Bは、親機1Aと異なり、ブラックのトナー像のみを生成する。そして、搬送される用紙にトナー像を転写する。各色のトナー像を重ね合わせたうえで用紙に転写する必要が無いので、子機1Bでは、中間転写部62Aが存在しない。定着部63Bは、用紙に転写されたトナー像を加熱・加圧して定着させる。尚、定着後の用紙は排出され印刷が完了する。このように、子機1Bは、モノクロ印刷に対応した複合機1である。
【0051】
(画像形成システム100のハードウェア構成)
次に、図4に基づき、本発明の実施形態に係る画像形成システム100のハードウェア構成を説明する。図4は、本発明の実施形態に係る画像形成システム100のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0052】
図4に示すように、本実施形態に係る画像形成システム100には、親機1Aと子機1Bを含む。言い換えると、画像形成システム100は、複数の画像形成装置を含む。
【0053】
まず、親機1Aを説明する。親機1Aは、制御基板や各種素子、回路等を組み合わせて構成される制御部8A(課金処理部に相当)を有する。制御部8Aは、親機1Aの各部の制御を司る。例えば、制御部8Aは、中央演算処理装置としてのCPU81Aや、コピーやスキャンやFAX送信に関する画像データに対し画像処理を施す画像処理部82Aを含む。尚、制御部8Aは、全体制御や画像処理を行うメイン制御部と、印刷処理を行う部分(印刷のため各種回転体を回転させるモータ等)を制御し、印刷エンジンを統括するエンジン制御部等、機能ごとに分割して複数種設けられてもよい。
【0054】
記憶部83Aは、例えば、ROM、RAM、HDDを含み、不揮発性と揮発性の記憶用の装置を組み合わせて構成される。そして、記憶部83Aは、親機1Aの制御用等の各種のプログラムやデータ、設定データ、画像データ等の各種データを記憶する。本発明に関し、記憶部83Aは、課金制御用の制御用プログラムや、子機1Bとの通信用プログラムを記憶する。そして、親機1Aの制御部8Aは、課金制御用の制御用プログラムなどに基づき、課金装置2を共用できるように、制御を行う。
【0055】
又、制御部8Aは、画像読取部3A、給紙部51A、搬送路52A、画像形成部61A、中間転写部62A、定着部63A等の各部とバスや信号線等で接続され、各部、各装置を制御して親機1Aの動作を制御する。又、制御部8Aは、操作パネル4Aとバスや信号線等で接続され、操作パネルでなされた設定入力の内容を認識し、設定内容に沿って、親機1A1の動作を制御する。
【0056】
又、制御部8Aは、通信部9Aと接続される。制御部8Aは、通信部9Aを介して子機1Bと通信を行える。そのため、通信部9Aは、通信用のチップ、回路、コネクタ、ソケットを含む。尚、スキャンした画像データの保存や、メモリから画像データを取得するため、通信部9Aに携帯型メモリ(例えば、USBメモリや、各種メモリカード)用のコネクタを設けてもよい。
【0057】
又、制御部8Aは、I/F部90Aと接続される。制御部8Aは、I/F部90Aを介して課金装置2と通信を行える。そのため、I/F部90Aは、通信用のチップ、回路、コネクタ、ソケットを含む。
【0058】
ここで、課金装置2の構成を説明しておく。課金装置2には、課金装置2の動作制御のため、中央演算処理装置としてCPU24や、ROM25やRAM26が設けられる。ROM25には、課金装置2を制御するためのデータやプログラムが格納される。RAM26は、課金装置2を制御する上で必要なデータやプログラムが展開される。
【0059】
課金装置2内の機構部27は、投入口21や、金銭が投入されたことを認識するためのセンサ(投入検知センサ)や、投入された金銭の種別(例えば、10円硬貨、50円硬貨、100円硬貨、500円硬貨)を識別するセンサ(種別識別センサ)などを含む。尚、課金装置2内の投入検知センサや種別識別センサの出力は、CPU24に入力される。そして、CPU24は金銭を投入されたこと、投入された金銭の金額を認識する。又、CPU24は、親機1Aからの指示に応じて、機構部27に料金を徴収させる(例えば、徴収した金銭を、徴収済金銭を入れる金銭箱に移す)。又、機構部27は、親機1Aからの指示に応じて、金銭の払い戻し(お釣りの支払い)のため、各種モータやソレノイドを備えた払い戻し機構を含む。このように、機構部27は、金銭の投入を受け付ける、金銭を返却口23に出す、等の機械的な機構に関する部分である。
【0060】
又、CPU24は、使用者が親機1Aや子機1Bで印刷などのジョブを行うごとに、金額を減算しつつ、残金の総額を金額表示部22に表示させる。又、CPU24は、機構部27の動作を制御する。又、金額表示部22は、例えば、金銭の投入額や、残金の金額表示を行ってもよいし、例えば、「金銭を投入してください」といった金額以外のメッセージ表示を行っても良い。
【0061】
又、制御部8Aとデータの通信を行うため、課金装置2内のI/F部28は、親機1AのI/F部90Aと接続される。課金装置2の電源装置29は、例えば、商用電源と接続され、課金装置2内の各構成への供給用電圧を生成する。又、例えば、電源装置29は、機構部27内のモータや各種センサに供給する電圧も生成する。
【0062】
次に、子機1Bを説明する。子機1Bも親機1Aと同様、制御基板や各種素子、回路等を組み合わせて構成される制御部8Bを有する。制御部8Bは、子機1Bの各部の制御を司る。例えば、制御部8Bは、中央演算処理装置としてのCPU81Bや、コピーやスキャンやFAX送信に関する画像データに対し画像処理を施す画像処理部82Bを含む。尚、制御部8Bは、全体制御や画像処理を行うメイン制御部と、印刷処理を行う部分(印刷のため各種回転体を回転させるモータ等)を制御し、印刷エンジンを統括するエンジン制御部等、機能ごとに分割して複数種設けられてもよい。
【0063】
記憶部83Bは、例えば、ROM、RAM、HDDを含み、不揮発性と揮発性の記憶用の装置を組み合わせて構成される。そして、記憶部83Bは、子機1Bの制御用等の各種のプログラムやデータ、設定データ、画像データ等の各種データを記憶する。又、制御部8Bは、画像読取部3B、給紙部51B、搬送路52B、画像形成部61B、定着部63B等の各部とバスや信号線等で接続され、各部、各装置を制御して子機1Bの動作を制御する。又、制御部8Bは、操作パネル4Bとバスや信号線等で接続され、操作パネルでなされた設定入力の内容を認識し、設定内容に沿って、子機1Bの動作を制御する。
【0064】
又、制御部8Bは、通信部9Bと接続される。制御部8Bは、通信部9Bを介して親機1Aと通信を行える。そのため、通信部9Bも、通信用のチップ、回路、コネクタ、ソケットを含む。尚、スキャンした画像データの保存や、メモリから画像データを取得するため、通信部9Bにも、携帯型メモリ(例えば、USBメモリや、各種メモリカード)用のコネクタを設けてもよい。
【0065】
(親機1A・子機1Bの利用)
次に、本発明の実施形態に係る親機1A、子機1Bの利用における概要を説明する。
【0066】
本実施形態の各複合機1(親機1A、子機1B)の利用者は、金銭を課金装置2に投入する。そして、投入した金額の範囲内で、複合機1を利用できる。又、利用が終われば払い戻しを受ける点は、従来と同様である。
【0067】
しかし、本実施形態では、親機1Aと子機1Bが1つの課金装置2を共用する。そのため、課金装置2に投入された金銭が、親機1Aを利用するために投入されたものか、子機1Bを利用するために投入されたものかを区別する必要がある。言い換えると、親機1Aの利用者の金銭と、子機1Bの利用者の金銭の混同を防ぐ必要がある。
【0068】
そこで、本実施形態の画像形成システム100では、課金装置2への金銭の投入権が設けられる。利用される画像形成装置は、投入権を取得する。これにより、金銭の投入者が、親機1Aの利用者か、子機1Bの利用者であるかが明確にされる。
【0069】
又、課金装置2は一台であるので、課金装置2に投入された金銭の総額のうち、親機1Aの残金分と子機1Bの残金分を区別して認識される必要がある。そこで、本実施形態では、親機1Aと子機1Bが、それぞれ残金を管理し、料金分の減額を行いつつ、残金のカウントを行う。そして、親機1Aと子機1Bでの、それぞれのジョブ実行に合わせて、残金から実行されたジョブの料金が課金装置2で徴収される。
【0070】
又、親機1Aや子機1Bで、利用完了に伴う精算で、残金を払い戻しする必要がある。しかし、課金装置2は一台であるので、親機1Aと子機1Bで区別して残金を払い戻しする必要がある。そこで、本実施形態では、払い戻しを行う画像形成装置は、払戻権を取得する。そして、払戻権を取得した画像形成装置は、払い戻しすべき額を課金装置2に指示する。この指示を受けて、課金装置2は、払い戻しを行う。
【0071】
このように、課金装置2を共有し、親機1Aと子機1Bでの金銭の混同を生じさせず、問題なく親機1Aと子機1Bが利用される。そして、子機1Bは、課金装置2に直接接続されないので、子機1Bの要求や通知は、親機1Aを介して、課金装置2に伝えられる。そこで、以下、本実施形態に係る画像形成システム100での課金に関する制御を説明する。
【0072】
(投入権の確保)
次に、図5〜図8を用いて、本発明の実施形態に係る親機1Aや子機1Bを利用するための金銭の投入権の確保を説明する。図5は、本発明の実施形態に係る親機1A、子機1Bで表示されるモード選択画面S1の一例を示す説明図である。図6は、本発明の実施形態に係る親機1Aの投入権確保の手順の一例を示すフローチャートである。図7は、本発明の実施形態に係る子機1Bの投入権確保の手順の一例を示すフローチャートである。図8は、本発明の実施形態に係る親機1A、子機1Bで投入権確保に関し表示される画面の一例を示す説明図である。
【0073】
まず、親機1A、子機1Bともに、投入された金銭が無く待機している状態では、図5に示すようなモード選択画面S1を表示する。言い換えると、親機1Aの制御部8Aは、待機している状態では、液晶表示部7Aにモード選択画面S1を表示させる。又、子機1Bの制御部8Bも、待機している状態では、液晶表示部7Bにモード選択画面S1を表示させる。尚、親機1Aと子機1Bのモード選択画面S1の内容や、デザインは、異なっていてもよい。
【0074】
例えば、モード選択画面S1には、親機1Aや子機1Bで用いる(実行する)ジョブの種類を選択するため、コピーキーK1や、FAXキーK2や、スキャンキーK3が配される。コピーキーK1は、コピージョブを実行するときに押される。FAXキーK2は、FAXジョブを実行するときに押される。スキャンキーK3は、スキャンジョブを実行するときに押される。又、モード選択画面S1には、親機1Aや子機1Bに搭載される機能に従って、ジョブの種類を選択するためのキーが更に複数個設けられてもよい(例えば、メモリカードを利用したデジタルカメラの画像データを用いた写真プリントなど)。又、モード選択画面S1に表示されるキーは、親機1Aや子機1Bに搭載される機能に従って、図5に示す例よりも少なくてもよい(例えば、コピーキーK1のみなど)。
【0075】
モード選択画面S1で、実行するジョブの種類が選択されると、投入権の確保が行われる。言い換えると、モード選択画面S1でのキーを押す入力は、投入権を確保するための入力でもある。そこで、図6を用いて、親機1Aでの投入権確保の流れを説明する。
【0076】
(親機1Aの投入権確保)
まず、図6のスタートは、親機1Aで、実行するジョブの種類が選択され、投入権の確保をしようとする時点である。そして、親機1Aの制御部8Aは、投入権を確保している子機1Bが存在するかを確認する(ステップ♯11)。尚、投入権の付与の制御は、基本的に親機1Aが行う(詳細は後述)。
【0077】
もし、投入権を確保している子機1Bが存在すれば(ステップ♯11)、制御部8Aは、子機1Bが投入権を放棄したかを確認する(ステップ♯12)。具体的に、制御部8Aは、通信部9Aが子機1Bから投入権を放棄した旨の通知を受けたか否かを確認する。本実施形態の親機1A、子機1Bが投入権を放棄する時点は、適宜設定できる。例えば、親機1Aや子機1Bで、スタートキーが押され、ジョブの実行指示がなされたとき、親機1Aや子機1Bは、投入権を放棄してもよい。又、最後に課金装置2に金銭が投入されてから、所定時間(例えば、数秒〜数分程度)が経過し、いったん金銭投入が終了したと考えられる時間が経過したとき、親機1Aや子機1Bは、投入権を放棄してもよい。そして、子機1Bが投入権を放棄すると、子機1Bの制御部8Bは、通信部9Bに、親機1Aの通信部9Aに向け、子機1Bが投入権を放棄した旨の通知を送信させる。
【0078】
子機1Bが投入権を確保している状態では(ステップ♯12のNo)、課金装置2に料金を投入すると、子機1Bの利用のために金銭が投入されたと扱われてしまう。そこで、制御部8Aは液晶表示部7Aに、図8(a)に示すような投入権確保中画面S2を表示させる(ステップ♯13)。そして、フローはステップ♯12に戻る。
【0079】
一方、投入権を確保している子機1Bが存在しないとき(ステップ♯11のNo)、子機1Bから投入権を放棄した旨の通知を受けたとき(ステップ♯12のYes)、親機1Aの制御部8Aは、親機1Aの投入権を確保する(ステップ♯14)。そして、又、親機1Aの制御部8Aは、液晶表示部7Aに、図8(b)に示すような投入権確保画面S3を表示させる(ステップ♯15)。
【0080】
更に、親機1Aの制御部8Aは、通信部9Aに、子機1B(の通信部9B)に向けて、親機1Aが投入権を確保している旨を通知する(ステップ♯16)。これにより、親機1Aが投入権を確保している間、子機1Bで投入権を確保しようとしても、子機1Bの液晶表示部7Bには、図8(a)に示すような、投入権確保中画面S2が表示される。
【0081】
そして、親機1Aの制御部8Aは、親機1AのI/F部90Aが、課金装置2のI/F部28から、投入金額を示すデータを受信したかを確認する(ステップ♯17)。尚、金銭が投入され、金額を認識すると、CPU24は、課金装置2のI/F部28に、親機1Aの通信部9Aに向けて、投入金額を示すデータを送信させる。これにより、親機1Aの制御部8Aは、課金装置2に投入された金額を認識する。
【0082】
もし、金額を示すデータを受信していれば(ステップ♯17のYes)、親機1Aの制御部8Aは、受信したデータに基づき金額を認識し、投入された金額を親機1A分の残金としてカウントする(積算する。ステップ♯18)。又、制御部8Aは、液晶金額表示部22の何れかの場所(例えば、右下隅)に表示される残金表示Pを、カウント後の残金に更新させる(ステップ♯19。例えば、200円→250円など)。その後、次の金銭投入に備え、フローはステップ17に戻る。
【0083】
一方、金額を示すデータを受信していなければ(ステップ♯17のNo)、親機1Aの制御部8Aは、親機1Aの投入権を放棄してよいか確認する(ステップ♯110)。例えば、制御部8Aは、例えば、親機1Aで、スタートキーが押され、ジョブの実行指示がなされたとき、最後に課金装置2に金銭が投入されてから所定時間経過したとき(ステップ♯110のYes)、親機1Aの投入権を放棄する(ステップ♯111)。尚、制御部8Aは、通信部9Aに、親機1Aの投入権の放棄を子機1Bの通信部9Bに向けて通知させてもよい。一方、まだ、親機1Aの投入権を放棄すべきでなければ(ステップ♯110のNo)、フローはステップ17に戻る。
【0084】
(子機1Bの投入権確保)
次に、図7を用いて、子機1Bの投入権確保の流れを説明する。図7のスタートは、子機1Bのモード選択画面S1で実行するジョブの種類が選択され、投入権の確保をしようとする時点である。そして、子機1Bの制御部8Bは、通信部9Bから、親機1Aの通信部9Aに向けて、投入権の確保を要求する(ステップ♯21)。
【0085】
この要求を受けて、親機1Aの制御部8Aは、子機1Bの投入権を確保できるか否かを確認する(ステップ♯22)。例えば、親機1Aが投入権を確保していれば、子機1Bの投入権は確保できない。尚、子機1Bが複数設置されている場合、他の子機1Bが投入権を確保していれば、要求を行った子機1Bの投入権は確保できない。又、払い戻し中であるとき、課金装置2に同時に異なる動作を行わせ、又、人が集中することを避けるため、投入権を確保しないようにすることが好ましい。
【0086】
もし、子機1Bの投入権を確保できれば(ステップ♯22のYes)、親機1Aの制御部8Aは、子機1Bの投入権確保を行う(ステップ♯23)。一方、子機1Bの投入権を確保できない間(ステップ♯22のNo)、子機1Bの制御部8Bは、液晶表示部7Bに、図8(a)に示すような投入権確保中画面S2を表示させる(ステップ♯24)。そして、フローはステップ♯22に戻る。
【0087】
子機1Bの投入権が確保されると(ステップ♯23)、親機1Aの制御部8Aは、通信部9Aから子機1Bのための投入権を確保した旨のデータを送信させ、子機1Bの通信部9Bは、受信する(ステップ♯25)。これにより、子機1Bの制御部8Bは、自己の投入権が確保されたことを認識する。そして、子機1Bの制御部8Bは、液晶表示部7Bに、図8(b)に示すような投入権確保画面S3を表示させる(ステップ♯26)。
【0088】
そして、子機1Bの制御部8Bは、子機1Bの通信部9Bが、親機1Aの通信部9Aから、投入金額を示すデータを受信したかを確認する(ステップ♯27)。ここで、金銭が投入されると、課金装置2のI/F部28は、親機1Aの通信部9Aに向けて、投入金額を示すデータを送信する。これにより、親機1Aの制御部8Aは、子機1Bのために投入された金額を認識する。更に、親機1Aの制御部8Aは、通信部9Aに、子機1Bの通信部9Bに向けて、投入金額を示すデータを転送させる。言い換えると、親機1Aは、投入権を確保している子機1Bに向けて、課金装置2からの投入金額を示すデータを転送する。これにより、子機1Bの制御部8Bは、課金装置2に投入された金額を認識する。
【0089】
もし、金額を示すデータを受信していれば(ステップ♯27のYes)、子機1Bの制御部8Bは、受信したデータに基づき金額を認識し、投入金額を子機1Bの残金としてカウントする(ステップ♯28)。又、制御部8Bは、液晶表示部7Bの何れかの場所(例えば、右下隅)に表示される残金表示Pを、カウント後の残金に更新させる(ステップ♯29。例えば、50円→60円など)。その後、次の金銭投入に備え、フローはステップ27に戻る。
【0090】
一方、金額を示すデータを受信していなければ(ステップ♯27のNo)、子機1Bの制御部8Bは、子機1Bの投入権を放棄してよいか確認する(ステップ♯210)。例えば、制御部8Bは、例えば、子機1Bで、スタートキーが押されジョブの実行指示がなされたときや、最後に課金装置2に金銭が投入されてから所定時間経過したとき(ステップ♯210のYes)、子機1Bの制御部8Bは、通信部9Bに、親機1Aの通信部9Aに向けて、子機1Bの投入権放棄を通知させる(ステップ♯211)。一方、まだ、親機1Aの投入権を放棄すべきでなければ(ステップ♯210のNo)、フローはステップ27に戻る。
【0091】
即ち、親機1Aは、ジョブに関する設定入力を受け付けるとともに、課金装置2に金銭を投入する権限である投入権を確保するための投入権確保入力を受け付ける入力部(操作パネル4A)を含み、課金処理部(制御部8A)は、投入権確保入力が入力部(操作パネル4A)になされると、自機の投入権を確保し、確保中に課金装置2に投入された金銭の金額を、自機分の残金としてカウントする。又、親機1Aは、通信部9Aが子機1Bから投入権の確保要求を受信したとき、課金処理部(制御部8A)は、子機1Bのための投入権を確保し、確保中に課金装置2に投入された金銭の金額を示すデータを子機1Bに転送する。
【0092】
(料金徴収)
次に、図9〜図11を用いて、本発明の実施形態に係る親機1Aや子機1Bを利用するための金銭の投入権の確保を説明する。図9は、本発明の実施形態に係る親機1A、子機1Bで表示される設定項目選択画面S4の一例を示す説明図である。図10は、本発明の実施形態に係る親機1Aの料金徴収の流れの一例を示すフローチャートである。図11は本発明の実施形態に係る子機1Bの料金徴収の流れの一例を示すフローチャートである。
【0093】
使用者は、金銭を投入し、親機1Aや子機1Bにジョブを実行させることができる。例えば、図9は、コピー用の設定項目(機能)を選択するための設定項目選択画面S4の一例を示す。設定項目選択画面S4に表示されたキーが押されると、対応する設定画面が開かれ、機能の設定を行うことができる。このように、使用者は、各種設定を行った上で、ジョブを実行することができる。
【0094】
尚、親機1Aや子機1Bの設定項目選択画面S4や、各種設定画面内では、ジョブが完了したので払い戻しを受け、精算を行うときに押される精算キーK4が設けられる。精算キーK4が押されると、課金装置2から、残金分の金額が払い戻される。
【0095】
そして、例えば、コピーでは、白黒印刷とカラーコピーで、料金に差を設けることが多い(例えば、カラー50円、白黒10円など)。又、用紙のサイズに合わせて料金に差を設けることも多い(例えば、A4用紙10円、A3用紙は、A4用紙+20円など)。又、FAX機能やスキャナ機能が提供される場合、原稿のサイズにより、原稿1枚あたりの料金に差が設けられる場合もあれば、一律とされる場合もある。
【0096】
そして、親機1Aと子機1Bで実行されたジョブに応じ、課金装置2は料金を徴収する。そして、親機1Aで実行されたジョブに関し、親機1A分の残金を減らし、子機1Bで実行されたジョブに関し、子機1B分の残金を減らす必要がある。
【0097】
(料金徴収・親機1A)
そこで、図10に基づき、まず、親機1Aでのジョブ実行と料金徴収の流れを説明する。図10のスタートは、親機1Aでジョブを実行しようとする時点である。
【0098】
親機1Aの制御部8Aは、親機1Aで実行しようとするジョブの料金を確認する(ステップ♯31)。例えば、親機1Aの記憶部83Aに、親機1Aのジョブの内容に対して、料金データ(例えば、料金テーブル)が予め記憶される。例えば、A4カラーコピーは1枚50円、A4白黒コピーは1枚10円、FAX送信は原稿1枚に付き50円などが料金データとして定められる。
【0099】
次に、親機1Aの制御部8Aは、実行しようとするジョブの料金と親機1Aの残金と比較し、料金不足であるか否かを確認する(ステップ♯32)。料金不足であれば(ステップ♯32のYes)、ジョブを実行させる訳にはいかないので、本制御を終了する(エンド)。そして、図6を用いて説明したように、親機1Aでの投入権確保が行われる。
【0100】
料金不足で無ければ(ステップ♯32のNo)、親機1Aの制御部8Aは、I/F部90Aに、課金装置2のI/F部28に向けて、料金分の減額要求を行わせる(ステップ♯33)。減額要求に対し、課金装置2のCPU24は、徴収を行い、I/F部28に投入されている金銭から料金分の金額を徴収した旨の徴収済通知を、親機1Aの通信部9Aに向けて返信させる(ステップ♯34)。又、料金徴収に伴い、課金装置2の金額表示部22に表示された投入合計金額が更新される(ステップ♯35)。
【0101】
親機1Aの制御部8Aは、徴収済通知を受信すると、ジョブを実行させる(ステップ♯36)。そして、親機1Aの制御部8Aは、親機1A分として管理している残金(残金データ)から料金分を減らす(ステップ♯37)。そして、制御部8Aは、液晶表示部7Aの何れかの場所(例えば、右下隅)に表示される残金表示Pを、減算後の残金に更新させる(ステップ♯38。例えば、250円→200円など)
【0102】
そして、親機1Aの制御部8Aは、再度、ジョブの実行が指示されたかを確認する(ステップ♯39)。例えば、親機1Aの制御部8Aは、スタートキーが押されたことを確認する。もし、再度、ジョブの実行が指示されれば(ステップ♯39のYes)、フローは、ステップ♯31に戻る。
【0103】
一方、再度のジョブの実行が指示されなければ(ステップ♯39のNo)、親機1Aの制御部8Aは、精算すべきかを確認する(ステップ♯310)。例えば、親機1Aの制御部8Aは、設定項目選択画面S4で精算キーK4が押されると、精算すべきと認識する。尚、精算キーK4は、操作パネル1Aにハードキーとして設けられてもよい。又、親機1Aの制御部8Aは、最後のジョブ実行から、予め定められたタイムアウト時間(例えば、数分〜十数分)経過したときも精算すべきと認識してもよい。
【0104】
精算すべきで無ければ(ステップ♯310のNo)、例えば、フローは、ステップ♯39に戻る。一方、精算すべきであれば(ステップ♯310のYes)、本制御は終了し、払い戻し制御に移行する(エンド)。
【0105】
(料金徴収・子機1B)
次に、図11に基づき、まず、子機1Bでのジョブ実行と料金徴収の流れを説明する。図11のスタートは、子機1Bでジョブを実行しようとする時点である。
【0106】
まず、子機1Bの制御部8Bは、子機1Bで実行しようとするジョブの料金を確認する(ステップ♯41)。例えば、子機1Bの記憶部83Bに、親機1Aのジョブの内容に対して、料金データ(例えば、料金テーブル)が予め記憶される。例えば、A4コピーは1枚10円、A3コピーは1枚20円、FAX送信は原稿1枚に付き50円などといったジョブ内容に対する料金がデータとして定められる。
【0107】
次に、親機1Aの制御部8Bは、実行しようとするジョブの料金と子機1Bの残金と比較し、料金不足であるか否かを確認する(ステップ♯42)。料金不足であれば(ステップ♯42のYes)、本制御を終了する(エンド)。そして、図7を用いて説明したように、子機1Bでの投入権確保が行われる。
【0108】
料金不足で無ければ(ステップ♯42のNo)、子機1Bの制御部8Bは、通信部9Bに親機1Aの通信部9Aに向けて料金分の減額要求を行わせる(ステップ♯43)。親機1Aの制御部8Aは、I/F部90Aに、課金装置2のI/F部28に向けて、子機1Bの減額要求を転送する(ステップ♯44)。減額要求に対し、課金装置2のCPU24は、徴収を行わせ、I/F部28に、投入されている金銭から料金分の金額を徴収した旨の徴収済通知を、親機1Aの通信部9Aに向けて返信させる(ステップ♯45)。又、料金徴収に伴い、課金装置2の金額表示部22に表示された投入合計金額が更新される(ステップ♯46)。
【0109】
徴収済通知を受信すると、親機1Aの制御部8Aは、通信部9Aに、子機1Bの通信部9Bに向けて徴収済通知を転送する(ステップ♯47)。子機1Bの制御部8Bは、徴収済通知を受信すると、ジョブを実行させる(ステップ♯48)。そして、子機1Bの制御部8Bは、子機1B分の残金から料金分を減らす(ステップ♯49)。そして、制御部8Bは、液晶表示部7Bの何れかの場所(例えば、右下隅)に表示される残金表示Pを、減算後の残金に更新させる(ステップ♯410。例えば、70円→60円など)
【0110】
そして、親機1Aと同様に、子機1Bの制御部8Bは、ジョブの再実行が指示されたかを確認する(ステップ♯411)。例えば、子機1Bの制御部8Bは、スタートキー41Bが押されたことを確認する。もし、ジョブの再実行が指示されれば(ステップ♯411のYes)、フローは、ステップ♯41に戻る。一方、ジョブの再実行が指示されなければ(ステップ♯411のNo)、子機1Bの制御部8Bは、精算すべきかを確認する(ステップ♯412)。精算すべきかの確認方法は、親機1Aと同様でよいので説明を省略する。精算すべきで無ければ(ステップ♯412のNo)、例えば、フローは、ステップ♯411に戻る。一方、精算すべきであれば(ステップ♯412のYes)、本制御は終了し、払い戻し制御に移行する(エンド)。
【0111】
即ち、本発明に係る画像形成装置(例えば、複合機1)は、親機1Aとしての画像形成装置であって、親機1Aに通信可能に取り付けられ、金銭の投入を受け付け、投入された金額を認識しジョブの内容に応じ料金を徴収し、残金を払い戻しする課金装置2と、子機1Bとしての他の画像形成装置(例えば、複合機1)と通信を行う通信部9Aと、課金装置2に投入された金銭のうち、自機のために投入された金銭の金額を認識し、自機でのジョブ実行にあわせて、課金装置2に料金の徴収を行わせるとともに、子機1Bのために投入された金銭の金額を認識し、子機1Bでのジョブ実行にあわせて、課金装置2に料金の徴収を行わせる課金処理部(制御部8A)と、を含む。
【0112】
具体的に、入力部(操作パネル4A)がジョブの実行開始指示を受け付けたとき、課金処理部(制御部8A)は、自機の残金から金額を減額するとともに、課金装置2に、ジョブの内容に応じて予め定められた料金の徴収を行わせる。又、通信部9Aが、子機1Bが実行したジョブの内容、及び/又は、徴収すべき金額を示す子機1B用課金データを子機1Bから受信したとき、課金処理部(制御部8A)は、課金装置2に、子機1B用課金データに基づき料金の徴収を行わせる。
【0113】
(払い戻し処理)
次に、図12〜図14を用いて、本発明の実施形態に係る親機1Aや子機1Bを利用するための金銭の投入権の確保を説明する。図12は、本発明の実施形態に係る親機1Aの料金徴収の流れの一例を示すフローチャートである。図13は、本発明の実施形態に係る親機1A、子機1Bで表示される払い戻し画面S5の一例を示す説明図である。図14は本発明の実施形態に係る子機1Bの流れの一例を示すフローチャートである。
【0114】
使用者が親機1Aや子機1Bを利用して目的を達すると、残金(お釣り)を払い戻す必要がある。しかし、本実施形態では、複数の複合機1に対し、課金装置2は1台である。そのため、親機1Aと子機1Bで同時に払い戻すと、親機1Aの利用者と子機1Bの利用者間で混乱が生ずる。そこで、本実施形態の画像形成システム100では、払い戻しの権利(払戻権)を確保した上で、課金装置2からの払い戻しがなされる。
【0115】
(親機1Aでの払い戻し処理)
まず、図12に基づき、親機1Aでの払い戻し処理の流れを説明する。図12のスタートは、親機1Aの設定項目選択画面S4や、各種設定画面内で、目的達成に伴い、払い戻しを受けるため、精算キーK4が押された時点である。そして、親機1Aの制御部8Aは、払戻権を確保している子機1Bが存在するか(払戻中の子機1Bが存在するか)を確認する(ステップ♯51)。
【0116】
もし、払戻権を確保している子機1Bが存在すれば(ステップ♯51)、制御部8Aは、払戻権を放棄したかを確認する(ステップ♯52)。具体的に、制御部8Aは、通信部9Aが子機1Bから払戻権を放棄した旨の通知を受けたか否かを確認する。本実施形態の親機1A、子機1Bでは、払戻権は、課金装置2からの残金払い出し実行をトリガとして放棄される。子機1Bの払戻権放棄がなされるまで、子機1Bの払戻権の放棄の確認が続けられる(ステップ♯52のNo→ステップ♯52)。
【0117】
一方、払戻権を確保している子機1Bが存在しないとき(ステップ♯51のNo)、子機1Bが投入権を放棄した旨の通知を受けたとき(ステップ♯52のYes)、親機1Aの制御部8Aは払戻権を確保するとともに(ステップ♯53)、I/F部90Aに、課金装置2のI/F部28に向けて、払戻額(親機1Aの残金)を通知する(ステップ♯54)。
【0118】
この通知を受けて、課金装置2のCPU24は、機構部27に親機1A分の残金の払い戻しを行わせる(ステップ♯55)。そして、課金装置2のI/F部28は、親機1Aの通信部9Aに向けて払戻完了通知を送信し(ステップ♯56)、親機1Aの制御部8Aは払戻完了通知に基づき、親機1Aの払戻が完了したことを認識する(ステップ♯57)。
【0119】
そして、親機1Aの制御部8Aは、液晶表示部7Aに、図13に示すような払い戻し画面S5を、表示させる(ステップ♯58)。更に、親機1Aの制御部8Aは、親機1Aの払戻権を放棄する(ステップ♯58)。そして、本制御は完了する(エンド)。
【0120】
(子機1Bでの払い戻し処理)
次に、図14に基づき、子機1Bでの払い戻し処理の流れを説明する。図14のスタートは、子機1Bの設定項目選択画面S4や、各種設定画面内で、目的達成に伴い、払い戻しを受けるため、精算キーK4が押された時点である。そして、子機1Bの制御部8Bは、通信部9Bに、親機1Aの通信部9Aに向けて、払戻権確保要求を送信させる(ステップ♯61)。
【0121】
この要求を受けて、親機1Aの制御部8Aは、子機1Bの払戻権を確保できるか否かを確認する(ステップ♯62)。例えば、親機1Aが払戻処理中であれば、子機1Bの払戻権は確保できない。尚、子機1Bが複数設置されている場合、他の子機1Bについて払戻処理中であれば(他の子機1Bが払戻権投入権を確保していれば)、子機1Bの払戻権確保要求は認められない。
【0122】
子機1Bの払戻権を確保ができるまで、親機1Aの制御部8Aは確認を続ける(ステップ♯62のNo→ステップ♯62)。一方、子機1Bの払戻権を確保できれば(ステップ♯62のYes)、親機1Aの制御部8Aは、子機1Bの払戻権確保を行う(ステップ♯63)。
【0123】
子機1Bの払戻権が確保されると、親機1Aの制御部8Aは、通信部9Aから子機1Bのための払戻権を確保した旨の通知を送信させ、子機1Bの通信部9Bは、受信する(ステップ♯64)。これにより、子機1Bの制御部8Bは、投入権を確保したことを認識する。
【0124】
そして、子機1Bの制御部8Bは、通信部9Bに、親機1Aの通信部9Aに向けて子機1Bの払戻額(子機1B分の残金)を示すデータを通知する(ステップ♯65)。親機1Aの制御部8Aは、I/F部90Aに、払戻額(子機1B親機1Aの残金)を示すデータを課金装置2のI/F部28に向けて転送させる(ステップ♯66)。
【0125】
そして、課金装置2で、子機1Bの残金の払い戻しがなされる(ステップ♯67)。そして、課金装置2のI/F部28は、親機1AのI/F部90Aに向けて払戻完了通知を送信する(ステップ♯68)。親機1Aの制御部8Aは、通信部9Aに、子機1Bの通信部9Bに向けて、払戻完了通知を転送する(ステップ♯69)。子機1Bの制御部8Bは、払戻完了通知に基づき、子機1Bの払戻が完了したことを認識する(ステップ♯610)。
【0126】
そして、子機1Bの制御部8Bは、液晶表示部7Bに、図13に示すような払い戻し画面S5を、表示させる(ステップ♯611)。更に、子機1Bの制御部8Bは、子機1Bの払戻権を放棄する(ステップ♯612)。そして、本制御は完了する(エンド)。
【0127】
即ち、親機1Aは、入力部(操作パネル4A)が自機分の残金の払い戻しを指示する払い戻し入力を受け付けたとき、課金処理部(制御部8A)は、課金装置2に投入された金銭のうち、自機の残金分のみを課金装置2に払い戻しさせる。又、通信部9Aが、子機1Bから、子機1B分の残金の払い戻しを求める払い戻し要求を受信したとき、課金処理部(制御部8A)は、課金装置2に投入された金銭のうち、子機1B分の残金のみを課金装置2に払い戻しさせる。
【0128】
このようにして、課金処理部(制御部8A)は、課金装置2に投入された金銭のうち、自機のために投入された金銭の金額を認識し、自機でのジョブ実行にあわせて、課金装置2に料金の徴収を行わせるとともに、子機1Bのために投入された金銭の金額を認識し、子機1Bでのジョブ実行にあわせて、課金装置2に料金の徴収を行わせる。これにより、金銭の混同が生ずること無く1台の課金装置2を複数の画像形成装置(例えば、複合機1)で共用することができる。又、画像形成装置と同じ台数分だけ課金装置2を購入せずにすみ、設置スペースも少なくて済む、又、消費の電力の大きさやメンテナンスの手間が、画像形成装置(例えば、複合機1)と同じ数だけ課金装置2を設置する場合に比べて少なくて済む。従って、複数台の画像形成装置(例えば、複合機1)を設置するとき、導入コストや設置スペースやランニングコストを減らすことができる。
【0129】
又、従来の課金装置2(画像形成装置と一対一で設置されるタイプの課金装置2)でも、課金装置2を複数の画像形成装置で共用することができる。従って、課金装置2を改良、新開発せずに済ますことができる。例えば、課金装置2のメーカが、画像形成装置のメーカと異なる場合もあり、課金装置2の仕様変更を行うことが難しく、従来、課金装置2の共用が難しかった。しかし、本発明によれば、従来の課金装置2を改良せずとも効果が得られる。
【0130】
又、課金処理部(制御部8A)は、投入権確保入力が入力部(操作パネル4A)になされると、自機の投入権を確保し、確保中に課金装置2に投入された金銭の金額を、自機分の残金としてカウントする。これにより、親機1Aの利用ための金銭投入か、子機1Bの利用のための金銭投入か区別され、親機1Aは自機の利用のために投入された金銭の金額を認識できる。従って、課金装置2へ投入した金銭は、親機1Aの利用者と子機1Bの利用者の間で混ざらず(混同せず)、残金は、画像形成装置(例えば、複合機1)単位で明確に管理される。又、課金処理部(制御部8A)は、子機1Bのための投入権を確保し、確保中に課金装置2に投入された金銭の金額を示すデータを子機1Bに転送する。これにより、親機1Aの利用ための金銭投入か、子機1Bの利用のための金銭投入か区別され、子機1Bは、子機1Bの利用のために投入された金銭の金額を認識できる。
【0131】
又、課金処理部は、自機の残金から金額を減額するとともに、課金装置2に、ジョブの内容に応じて予め定められた料金の徴収を行わせる。これにより、同じ課金装置2を共用しても、自機(親機)は、自機分の残金管理と料金徴収を行い、子機1Bと混同することがない。従って、料金徴収と残金の管理は、画像形成装置(例えば、複合機1)単位で明確に区別され管理される。又、課金処理部(制御部8A)は、課金装置2に、子機1B用課金データに基づき料金の徴収を行わせる。これにより、子機1B分の残金管理と料金徴収は、親機1Aと区別され、親機1Aと子機1B間で混同は生じない。従って、料金徴収と残金の管理は、画像形成装置(例えば、複合機1)単位で明確に区別され管理される。
【0132】
又、課金処理部(制御部8A)は、課金装置2に投入された金銭のうち、自機の残金分のみを課金装置2に払い戻しさせる。これにより、同じ課金装置2を共用しても、自機と、子機1B間での金銭払い戻しでの混同は生じない。従って、金銭の払い戻しにおいても、画像形成装置(例えば、複合機1)単位で明確に区別される。又、課金処理部(制御部8A)は、課金装置2に投入された金銭のうち、子機1B分の残金のみを課金装置2に払い戻しさせる。これにより、同じ課金装置2を共用しても、自機と、子機1B間での金銭払い戻しでの混同は生じない。従って、金銭の払い戻しにおいても、画像形成装置単位で明確に区別される。
【0133】
又、本発明は、画像形成システム100として捉えることもできる。即ち、本発明の画像形成システム100は、複数の画像形成装置(例えば、複合機1)を含む画像形成システム100であり、複数の画像形成装置(例えば、複合機1)のうち、1台の画像形成装置(例えば、複合機1)は親機1Aとしての画像形成装置(例えば、複合機1)であり、金銭の投入を受け付け、投入された金額を認識し、ジョブの内容に応じ料金を徴収し、残金を払い戻しし、通信可能に取り付けられる課金装置2と、子機1Bとしての画像形成装置(例えば、複合機1)と通信を行い、子機1Bが実行したジョブの内容を受信する通信部9Aと、自機と子機1Bごとに、課金装置2に投入された金銭の残金を管理し、自機と子機1Bごとに、ジョブの内容に応じて課金装置2に料金を徴収させる課金処理部(制御部8A)と、を含む。
【0134】
そして、親機1Aと子機1Bは、自機の残金を表示する金額表示部22(液晶表示部7A、液晶表示部7B)を含む。これにより、同じ課金装置2を用いて、課金装置2では合計金額が表示されているとしても、各画像形成装置で、残金が表示される。これにより、使用者は、残金がいくらであるか、あと何枚印刷できるか、を確認することができる。
【0135】
次に、他の実施形態を説明する。上記の実施形態では、子機1Bの制御部8Bは、通信部9Bに親機1Aの通信部9Aに向けて料金分の減額要求を行わせる例を説明した。言い換えると、子機1Bは、徴収すべき金額を親機1Aに知らせる。通知に合わせ、子機1Bで実行されたジョブの内容を示すデータを親機1Aに送信する。例えば、コピーで用いられた用紙サイズなどの子機1Bでのジョブの実行履歴が、親機1Aに送信される。
【0136】
そして、親機1Aは、子機1Bからのジョブ実行内容を示すデータを記憶部83Aに記憶、蓄積する。一方で、親機1Aの記憶部83Aは、親機1Aでのジョブ実行内容を示すデータも記憶する。このように、子機1Bでのジョブの実行履歴を親機1Aに送信し、親機1Aに、親機1Aと子機1Bのジョブの実行履歴を蓄積させる。
【0137】
即ち、親機1A1は、データを記憶する記憶部83Aを含み、記憶部83Aは、自機で実行されたジョブの内容を示すデータと、通信部9Aで受信された子機1Bが実行したジョブの内容を示すデータと、を記憶する。これにより、課金装置2に接続された画像形成装置(例えば、複合機1)には、子機1Bで実行されたジョブの内容が知らされる。ジョブの実行履歴は、メンテナンスや管理上必要なものであるところ、ジョブの実行内容を記憶しておけば、自機(課金装置2に接続された画像形成装置)の記憶部83Aを確認するだけで、設置された全画像形成装置でのジョブの実行履歴を取得することができる。従って、画像形成装置を一台一台操作して、実行履歴を確認する場合に比べて、迅速、容易に、全画像形成装置でのジョブの実行履歴を取得することができる。又、ジョブの実行履歴を印刷すれば、一度に、親機1A、子機1Bを含む全ての画像形成装置の履歴を示す印刷物を入手することができる。
【0138】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0139】
本発明は、課金装置が取り付けられた画像形成装置などに利用可能である。
【符号の説明】
【0140】
100 画像形成システム 1 複合機(画像形成装置)
2 課金装置
1A 親機(複合機、画像形成装置) 4A 操作パネル(入力部、親機)
7A 液晶表示部(表示部、親機) 8A 制御部(課金処理部、親機)
83A 記憶部(親機) 9A 通信部(親機)
1B 子機(複合機1、画像形成装置) 4B 操作パネル(子機、入力部)
7B 液晶表示部(表示部、子機) 8B 制御部(子機)
83B 記憶部(子機) 9B 通信部(子機)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
親機としての画像形成装置であって、
通信可能に取り付けられ、金銭の投入を受け付け、投入された金額を認識しジョブの内容に応じ料金を徴収し、残金を払い戻しする課金装置と、
子機としての他の画像形成装置と通信を行う通信部と、
前記課金装置に投入された金銭のうち、自機のために投入された金銭の金額を認識し、自機でのジョブ実行にあわせて、前記課金装置に料金の徴収を行わせるとともに、前記子機のために投入された金銭の金額を認識し、前記子機でのジョブ実行にあわせ、前記課金装置に料金の徴収を行わせる課金処理部と、を含むことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
ジョブに関する設定入力を受け付けるとともに、前記課金装置に金銭を投入する権限である投入権を確保するための投入権確保入力を受け付ける入力部を含み、
前記課金処理部は、前記投入権確保入力が前記入力部になされると、自機の前記投入権を確保し、確保中に前記課金装置に投入された金銭の金額を、自機分の残金としてカウントすることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記通信部が前記子機から前記投入権の確保要求を受信したとき、
前記課金処理部は、前記子機のための前記投入権を確保し、確保中に前記課金装置に投入された金銭の金額を示すデータを前記子機に転送することを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記入力部がジョブの実行開始指示を受け付けたとき、
前記課金処理部は、自機の残金から金額を減額するとともに、前記課金装置に、ジョブの内容に応じて予め定められた料金の徴収を行わせることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記通信部が、前記子機が実行したジョブの内容、及び/又は、徴収すべき金額を示す子機用課金データを前記子機から受信したとき、
前記課金処理部は、前記課金装置に、前記子機用課金データに基づき料金の徴収を行わせることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記入力部が自機分の残金の払い戻しを指示する払い戻し入力を受け付けたとき、
前記課金処理部は、前記課金装置に投入された金銭のうち、自機の残金分のみを前記課金装置に払い戻しさせることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記通信部が、前記子機から、前記子機分の残金の払い戻しを求める払い戻し要求を受信したとき、
前記課金処理部は、前記課金装置に投入された金銭のうち、前記子機分の残金のみを前記課金装置に払い戻しさせることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
データを記憶する記憶部を含み、
前記記憶部は、自機で実行されたジョブの内容を示すデータと、前記通信部で受信された前記子機が実行したジョブの内容を示すデータと、を記憶することを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
複数の画像形成装置を含む画像形成システムであり、複数の画像形成装置のうち、1台の画像形成装置は親機としての画像形成装置であり、他の画像形成装置は、子機として前記親機に通信可能に接続され、
前記親機としての画像形成装置は、金銭の投入を受け付け、投入された金額を認識し、ジョブの内容に応じ料金を徴収し、残金を払い戻しし、通信可能に取り付けられる課金装置と、子機としての画像形成装置と通信を行い、前記子機が実行したジョブの内容を受信する通信部と、自機と前記子機ごとに、前記課金装置に投入された金銭の残金を管理し、自機と前記子機ごとに、ジョブの内容に応じて前記課金装置に料金を徴収させる課金処理部と、を含むことを特徴とする画像形成システム。
【請求項10】
前記親機と前記子機は、自機の残金を表示する表示部を含むことを特徴とする請求項9に記載の画像形成システム。
【請求項1】
親機としての画像形成装置であって、
通信可能に取り付けられ、金銭の投入を受け付け、投入された金額を認識しジョブの内容に応じ料金を徴収し、残金を払い戻しする課金装置と、
子機としての他の画像形成装置と通信を行う通信部と、
前記課金装置に投入された金銭のうち、自機のために投入された金銭の金額を認識し、自機でのジョブ実行にあわせて、前記課金装置に料金の徴収を行わせるとともに、前記子機のために投入された金銭の金額を認識し、前記子機でのジョブ実行にあわせ、前記課金装置に料金の徴収を行わせる課金処理部と、を含むことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
ジョブに関する設定入力を受け付けるとともに、前記課金装置に金銭を投入する権限である投入権を確保するための投入権確保入力を受け付ける入力部を含み、
前記課金処理部は、前記投入権確保入力が前記入力部になされると、自機の前記投入権を確保し、確保中に前記課金装置に投入された金銭の金額を、自機分の残金としてカウントすることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記通信部が前記子機から前記投入権の確保要求を受信したとき、
前記課金処理部は、前記子機のための前記投入権を確保し、確保中に前記課金装置に投入された金銭の金額を示すデータを前記子機に転送することを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記入力部がジョブの実行開始指示を受け付けたとき、
前記課金処理部は、自機の残金から金額を減額するとともに、前記課金装置に、ジョブの内容に応じて予め定められた料金の徴収を行わせることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記通信部が、前記子機が実行したジョブの内容、及び/又は、徴収すべき金額を示す子機用課金データを前記子機から受信したとき、
前記課金処理部は、前記課金装置に、前記子機用課金データに基づき料金の徴収を行わせることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記入力部が自機分の残金の払い戻しを指示する払い戻し入力を受け付けたとき、
前記課金処理部は、前記課金装置に投入された金銭のうち、自機の残金分のみを前記課金装置に払い戻しさせることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記通信部が、前記子機から、前記子機分の残金の払い戻しを求める払い戻し要求を受信したとき、
前記課金処理部は、前記課金装置に投入された金銭のうち、前記子機分の残金のみを前記課金装置に払い戻しさせることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
データを記憶する記憶部を含み、
前記記憶部は、自機で実行されたジョブの内容を示すデータと、前記通信部で受信された前記子機が実行したジョブの内容を示すデータと、を記憶することを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
複数の画像形成装置を含む画像形成システムであり、複数の画像形成装置のうち、1台の画像形成装置は親機としての画像形成装置であり、他の画像形成装置は、子機として前記親機に通信可能に接続され、
前記親機としての画像形成装置は、金銭の投入を受け付け、投入された金額を認識し、ジョブの内容に応じ料金を徴収し、残金を払い戻しし、通信可能に取り付けられる課金装置と、子機としての画像形成装置と通信を行い、前記子機が実行したジョブの内容を受信する通信部と、自機と前記子機ごとに、前記課金装置に投入された金銭の残金を管理し、自機と前記子機ごとに、ジョブの内容に応じて前記課金装置に料金を徴収させる課金処理部と、を含むことを特徴とする画像形成システム。
【請求項10】
前記親機と前記子機は、自機の残金を表示する表示部を含むことを特徴とする請求項9に記載の画像形成システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
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【図11】
【図12】
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【図14】
【公開番号】特開2012−155151(P2012−155151A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−14432(P2011−14432)
【出願日】平成23年1月26日(2011.1.26)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月26日(2011.1.26)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】
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