説明

画像形成装置、画像形成制御方法及び画像形成制御プログラム

【課題】本発明は、カラー画像データからモノクロ画像をカラーで復元可能に画像形成する。
【解決手段】画像形成システム1は、デジタル複写装置DUの画像処理部35が、カラー画像データを白黒画像データに変換するとともに、該カラー画像データからカラー画像を復元するためのカラー情報を取得し、該カラー情報を追跡パターンTgや2次元バーコードTb等の所定のカラー情報画像に画像化して、書き込み部34が、該白黒画像データに基づいて白黒画像を用紙に記録出力するとともに、該用紙に該カラー情報画像を記録出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成制御方法及び画像形成プログラムに関し、詳細には、カラー画像データからモノクロ画像をカラーで復元可能に画像形成する画像形成装置、画像形成制御方法及び画像形成制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、文書のカラー化が進み、例えば、個人や企業等の作成する文書の印刷出力やコンピュータのディスプレイへの表示出力、ウェブ(Web)上に公開するウェブページの表示出力等においても、色つき文字やカラー画像等の文書が作成されて、カラーで印刷出力されたり、カラーで表示出力されるようになってきている。
【0003】
ところが、一般的に、カラー印刷はモノクロ印刷よりも印刷コストが高いことから、印刷コストを低減させるために、モノクロで印刷されることが多い。
【0004】
しかし、カラーで作成されて色そのものに重要な情報が含まれている文書であっても、モノクロ印刷されることで、色により表現されている情報が失われてしまう場合があるため、再度、カラーで印刷出力を行いたい場合がある。
【0005】
そこで、従来、カラー画像信号を複数の色信号に分離して、繰り返しパターンの出力位相をシフトさせて、該色信号のうち黒信号からなる画像信号中に、該繰り返しパターンを合成することで、カラー画像を白黒画像として複写させる技術が提案されている(特許文献1参照)。
【0006】
また、従来、白黒の入力画像情報カラー画像のエッジを検知して、基準位相信号と該エッジの位相との位相差を検出し、該位相差に基づいて色信号を発生して、白黒の該入力画情報から特定のパターンを消去するとともに、消去した後の画情報に、発生した色信号を合成することで、白黒画像をカラー画像として複写させる技術が提案されている(特許文献2参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記2つの公報記載の従来技術を組み合わせることで、カラー画像を白黒のパターン画像として複写し、該白黒パターン画像をカラー画像として複写することができるが、カラー画像を白黒で出力する際に、パターン画像となってしまい、通常のカラー画像を白黒画像として出力する場合とは、画質が異なった結果となるとともに、カラー画像全体が白黒のパターン画像として出力され画質が劣化するおそれがある。
【0008】
そこで、本発明は、カラー画像を元のカラー画像に復元可能な状態で、かつ、画像品質の劣化を抑制しつつ白黒画像として出力することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記目的を達成するために、カラー画像データを白黒画像データに変換するとともに、該カラー画像データからカラー画像を復元するためのカラー情報を取得し、該カラー情報を白黒画像への影響を抑制した所定のカラー情報画像に画像化して、該白黒画像データに基づいて白黒画像を被画像形成媒体に記録出力するとともに、該画像形成媒体に該カラー情報画像を記録出力することを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、カラー画像を元のカラー画像に復元可能な状態で、かつ、画像品質の劣化を抑制しつつ白黒画像として出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施例を適用した画像形成システムの外観斜視図。
【図2】デジタル複写装置の要部ブロック構成図。
【図3】カラー原稿のカラー情報を追跡パターン化して白黒出力した後にカラー画像に復元して出力する場合の説明図。
【図4】カラー原稿のカラー情報を2次元バーコード化して白黒出力した後にカラー画像に復元して出力する場合の説明図。
【図5】カラー原稿の減色したカラー情報を2次元バーコード化して白黒出力した後にカラー画像に復元して出力する場合の説明図。
【図6】カラー原稿のより詳細なカラー情報を2次元バーコード化して白黒画像に復元して出力する場合の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施例は、本発明の好適な実施例であるので、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明によって不当に限定されるものではなく、また、本実施の形態で説明される構成の全てが本発明の必須の構成要件ではない。
【実施例1】
【0013】
図1〜図6は、本発明の画像形成装置、画像形成制御方法及び画像形成制御プログラムの一実施例を示す図であり、図1は、本発明の画像形成装置、画像形成制御方法及び画像形成制御プログラムの一実施例を適用した画像形成システム1の外観斜視図である。
【0014】
図1において、画像形成システム1は、デジタル複写装置(画像形成装置)DF、大容量給紙ユニットKU及び後処理ユニットGU等を備えており、後処理ユニットGUは、例えば、ソート、穴あけ、ステイプル等の後処理を画像記録済みの用紙に行って、排紙トレイP1、P2に排出する。
【0015】
大容量給紙ユニットKUは、複数の給紙トレイを備え、各給紙トレイには、それぞれ用紙サイズ、用紙厚等の用紙種別の異なる複数枚の用紙を収納可能である。大容量給紙ユニットKUは、画像形成に際して指定された給紙トレイ内の用紙を1枚ずつデジタル複写装置DUに搬送する。
【0016】
デジタル複写装置DUは、本体部2、給紙ユニット3、ARDF(自動両面反転原稿送り装置)4、原稿排紙トレイ(排紙トレイ)5及び操作表示部6等を備えている。
【0017】
給紙ユニット3は、複数の給紙トレイを備え、各給紙トレイには、それぞれ用紙サイズ、用紙厚等の用紙種別の異なる複数枚の用紙を収納可能である。給紙ユニット3は、画像形成に際して指定された給紙トレイ内の用紙を1枚ずつデジタル複写装置DUの本体部2に搬送する。
【0018】
ARDF4は、原稿給紙トレイ(原稿トレイ)11、原稿搬送部12及び図示しない表裏反転部等を備えているとともに、原稿給紙トレイ11の下方に、表面が上になる表面原稿排出トレイ(排紙トレイ)を備えており、原稿読み取りモードとして、原稿片面読み取りモードと原稿両面読み取りモードを、原稿排出モードとして、原稿表面排出モードと原稿裏面排出モードを備えている。ARDF4は、原稿表面読み取りモードで原稿表面排出モードのときには、原稿給紙トレイ11上にセットされた複数枚の原稿を1枚ずつ原稿搬送部12によって、原稿給紙トレイ11上で上側にセットされた面を表面として、該表面が本体部2内に設けられている読み取り部33(図2参照)側に面するように反転させながら該読み取り部33に搬送して、原稿の表面を読み取り部33が読み取ると、そのまま原稿の表面が上になるように表面原稿排出トレイに排出する。ARDF4は、原稿表面読み取りモードで原稿裏面排出モードのときには、原稿給紙トレイ11上にセットされた複数枚の原稿を1枚ずつ原稿搬送部12によって、原稿給紙トレイ11上で上側にセットされた面を表面として、表裏反転部に搬送して、表裏反転部で用紙の表裏を反転させて、原稿の裏面が本体部2内に設けられている読み取り部33側に面するように該読み取り部33に搬送して、原稿の裏面を読み取り部33が読み取ると、表裏反転部で原稿の表裏を反転させて、原稿の裏面が上になるように原稿排出トレイ5に排出する。ARDF4は、原稿両面読み取りモードで原稿表面排出モードのときには、原稿給紙トレイ11上で上側にセットされた面を表面として、該表面が本体部2内に設けられている読み取り部33側に面するように反転させながら該読み取り部33に搬送して、原稿の表面を読み取り部33が読み取ると、表裏反転部で原稿の表裏面を反転させて、再度、読み取り部33に搬送して、原稿の裏面を読み取り部33が読み取ると、そのまま原稿の表面が上になるように表面原稿排出トレイに排出する。ARDF4は、原稿両面読み取りモードで原稿裏面排出モードのときには、原稿給紙トレイ11上で上側にセットされた面を表面として、該表面が本体部2内に設けられている読み取り部33側に面するように反転させながら該読み取り部33に搬送して、原稿の表面を読み取り部33が読み取ると、表裏反転部で原稿の表裏面を反転させて、再度読み取り部33に搬送して、原稿の裏面を読み取り部33が読み取ると、表裏反転部で原稿の表裏を反転させて、原稿の裏面が上になるように原稿排出トレイ5に排出する。
【0019】
操作表示部6は、画像形成システム1を操作するのに必要な各種キーを備えるとともに、ディスプレイ(例えば、液晶ディスプレイ)やLED(Light Emitting Diode)等のランプを備え、操作キーからは、画像形成システム1を利用した複写処理、プリント処理、データ転送処理、スキャナ処理及び本発明のカラー画像データを白黒画像として印刷するとともに、カラー画像データを復元可能にするカラー情報画像を印刷する画像形成制御処理等に必要な各種操作が行われ、ディスプレイには、操作キーから入力された命令内容や画像形成システム1からオペレータに通知する各種情報が表示される。
【0020】
本体部2は、図2に示すように、システム制御部20、ハードディスク(HDD)31、ハードディスクコントローラ(HDDコントローラ)32、読み取り部33、書き込み部34、画像処理部35、画像用RAM36、通信部37、センサ38及びその他負荷39等を備えており、システム制御部20は、CPU(Central Processing Unit )21、ROM(Read Only Memory)22、RAM(Random Access Memory)23、不揮発RAM24及びI/O制御部25等を備えている。
【0021】
ROM22は、デジタル複写装置DU及び画像形成システム1の基本プログラムや後述するカラー画像データを白黒画像として印刷するとともに、カラー画像データを復元可能にするカラー情報画像を印刷する画像形成制御プログラム及びこれらの各プログラムを実行するのに必要な各種データを予め記憶している。
【0022】
RAM23は、制御に必要な各種パラメータ等を記憶するとともに、CPU21のワークメモリとして利用される。
【0023】
CPU21は、ROM22内のプログラムに基づいて、RAM23をワークメモリとして利用しつつ、デジタル複写装置DU及び画像形成システム1の各部を制御して、デジタル複写装置DU及び画像形成システム1としての基本処理を実行するとともに、本発明のカラー画像データを白黒画像として印刷するとともに、カラー画像データを復元可能にするカラー情報画像を印刷する画像形成制御処理を実行する。
【0024】
不揮発RAM24は、デジタル複写装置DUの電源がオフ(OFF)のときも記憶内容を保持し、制御、タイミング等の調整値及び登録した複写モード設定等の各種データを記憶する。特に、不揮発RAM24は、画像記録面へ再度画像を記録可能か否かの判定情報である再記録可能性情報が含まれているカラー情報画像の画像データを複数記憶している。なお、このカラー情報画像の画像データは、不揮発RAM24に記憶するものに限るものではなく、ハードディスク31に記憶してもよい。
【0025】
I/O制御部25は、例えば、用紙センサや各種ドライバ等の各種外部部品であるセンサ38、ドライバ等の負荷39及び上記大容量給紙ユニットKU及び後処理ユニットGUが接続され、センサ38、負荷39、大容量給紙ユニットKU及び後処理ユニットGUとの間でデータやコマンドの授受を行う。
【0026】
ハードディスクコントローラ32は、ハードディスク31へのリード/ライトの制御を行い、ハードディスク31は、各種画像データの蓄積やCPU21の一時記憶領域に使用される。
【0027】
画像処理部35は、操作表示部6の操作で設定されたモードに応じて、MTF(Modulation Transfer Function)補正処理、変倍処理、画質補正等の画像処理を行い、画像処理した後で画像用RAM36及びハードディスクコントローラ32を介してハードディスク31に格納する。ここで、画像用RAM36及びハードディスク31の両方に画像データを蓄積するのは、画像用RAM36がA4原稿にして5枚程度の容量しか有していないが、コピー開始時には原稿の枚数はまだ分かっておらず、複数部のソートコピー行う場合等の原稿が5枚を超えてしまう場合に、2部目以降のコピー動作を行うときに、ハードディスク31から画像データを画像用RAM36にコピーしてコピー動作を行うことでソート動作等の処理を実現するため、及び、用紙にジャムが発生した場合のリカバリ動作にもハードディスク31内の画像データを利用するためである。
【0028】
画像処理部35は、カラー画像データからカラー画像を復元するためのカラー情報を取得するカラー情報取得処理を行い、さらに、該カラー情報を白黒画像への影響を抑制した所定のカラー情報画像に画像化するカラー情報画像化処理を行う。
【0029】
また、画像処理部35は、読み取り部33の読み取ったカラー情報画像からカラー情報を抽出して、読み取り部33の読み取った白黒画像の白黒画像データを該カラー情報に基づいてカラー画像データを復元する。
【0030】
さらに、画像処理部35は、カラー画像データや白黒画像データを、書き込み部34で印刷可能な描画データに変換して、書き込み部34に出力する。
【0031】
読み取り部33は、例えば、CCD(Charge Coupled Device )を利用したイメージスキャナまたはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor )を用いたスキャナ等が利用されており、ARDF4によってコンタクトガラス上に搬送されてきた原稿や人手でコンタクトガラス上にセットされた原稿を主走査及び副走査して、原稿のカラー画像を所定の解像度で読み取ってRGB(赤(Red)、緑(Green)、青(Blue))のカラー画像データとして画像処理部35に出力する。
【0032】
書き込み部34は、所定の画像形成方式、例えば、電子写真方式やインク噴射方式等によって所定の解像度で画像形成し、電子写真方式の場合には、例えば、回転駆動される感光体を中心に、光書き込み部、現像部及び転写部、定着部、帯電部及びクリーニング部等が配設されている。このような電子写真方式の書き込み部34は、帯電部で一様に帯電された感光体上に、光書き込み部が読み取り部33で読み取られた原稿の画像データや外部から受信した画像データに基づいて変調した書き込み光を照射して、静電潜像を形成する。書き込み部34は、この静電潜像の形成された感光体に現像部からトナー(現像剤)を供給して現像し、感光体上のトナー画像を転写部と感光体との間に大容量給紙ユニットKUや給紙ユニット3から搬送されてきた用紙に転写して、トナー画像の転写の完了した用紙を定着部に搬送して、定着部で定着させる。書き込み部34は、カラーで印刷出力する機能と白黒で印刷出力する機能を有している。
【0033】
通信部37は、LAN(Local Area Network)等のネットワークに接続されて、ネットワーク上のコンピュータ等との間でコマンドやデータの授受を行う。
【0034】
そして、デジタル複写装置DUは、ROM、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory )、EPROM、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory )、CD−RW(Compact Disc Rewritable )、DVD(Digital Versatile Disk)、SD(Secure Digital)カード、MO(Magneto-Optical Disc)等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されている本発明の画像形成制御方法を実行する画像形成制御プログラムを読み込んでROM22やハードディスク31に導入することで、後述するカラー画像データを白黒画像として印刷するとともに、カラー画像データを復元可能にするカラー情報画像を印刷する画像形成制御方法を実行する画像形成装置として構築されている。この画像形成制御プログラムは、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)等のレガシープログラミング言語やオブジェクト指向ブログラミング言語等で記述されたコンピュータ実行可能なプログラムであり、上記記録媒体に格納して頒布することができる。
【0035】
また、上述のように、不揮発RAM24またはハードディスク31には、このカラー画像データを白黒画像として印刷するとともに、カラー画像データを復元可能にするカラー情報画像を印刷する画像形成制御方法を実行するのに用いるパターン画像、2次元バーコード等のカラー情報画像が格納されており、CPU21は、書き込み部34で用紙にカラー画像データに基づいて白黒画像を印刷出力する際に、不揮発RAM24またはハードディスク31から基本カラー情報画像を読み出して、画像処理部35に渡して、画像処理部35が、カラー情報に基づいて該基本カラー情報画像を調整して、該白黒画像データの適宜の位置にカラー情報画像として埋め込んで、または、白黒画像から切り離した追加画像として組み込み、該カラー情報画像を埋め込んだ白黒画像データまたは追加画像の組み込まれた白黒画像データに基づいて、書き込み部34が用紙に白黒画像を印刷出力するとともに、カラー情報画像を印刷出力する。
【0036】
次に、本実施例の作用を説明する。本実施例の画像形成システム1は、デジタル複写装置DUが、カラー画像データに基づいて白黒画像を書き込み部34で用紙に印刷出力する際に、該印刷済み白黒画像を読み取ったときに、元のカラー画像データに復元可能なカラー情報画像を追加して記録する。
【0037】
画像形成システム1は、読み取り部33で読み取ったカラー原稿のカラー画像データを一旦ハードディスク31に保管し、また、通信部37を介してネットワーク上のコンピュータや他の画像形成システムから送られてきたカラー画像データをハードディスク31に保管する。
【0038】
画像形成システム1は、操作表示部6で、カラー画像データを指定して、白黒での印刷出力と復元用カラー情報画像の印刷指定及びその他の必要な印刷設定が指示操作されると、CPU21が、ハードディスク31から指定されたカラー画像データを読み出して、印刷設定に応じて画像処理部35に、画像処理を行わせるとともに、カラー画像データの白黒画像データへの変換処理と、該白黒画像データに、該白黒画像データに基づいて印刷された印刷物を読み取ったときに、元のカラー画像データに戻すのに必要なカラー情報の生成及び該カラー情報を画像化したカラー情報画像を組み込む画像処理を行わせる。
【0039】
例えば、画像形成システム1は、いま、図3(a)に示すように、赤色、黄色、青色の画像の存在するカラー原稿G1を、読み取り部33で読み取って白黒印刷出力するとき、画像処理部35に、読み取り部33の読み取ったカラー原稿G1のカラー画像データを白黒画像データに変換させるとともに、視認性の抑制されている該カラー原稿G1のカラー情報を画像処理部35に抽出して取得させ、さらに、例えば、図3(b)に示すような追跡パターンTgに画像化させて、該白黒画像データの画像面に組み込ませる。
【0040】
CPU21は、画像処理部35でカラー画像データから白黒変換され追跡パターンTgの組み込まれた白黒画像データを書き込み部34で印刷可能な描画データに変換して、書き込み部34に渡し、書き込み部34が追跡パターンTgの組み込まれた白黒描画データに基づいて用紙に白黒画像及び追跡パターンTgを、図3(b)に示すように、白黒印刷用紙Pnとして印刷出力する。この追跡パターンTgは、図3(b)では、眼に見える状態で示されているが、実際には、人の目には、殆ど見えないように視認性の抑制されているパターン画像であり、画像形成システム1の読み取り部33や他の画像読み取り装置(例えば、スキャナ装置、複写装置等)で読み取ったときに、認識することのできる画像である。
【0041】
そして、画像形成システム1は、追跡パターンTgの記録されている白黒印刷用紙Pnを読み取ると、白黒画像とともに、追跡パターンTgを読み取ることとなって、この追跡パターンTgを画像処理部35で解析して、元のカラー画像データのカラー情報を取得し、読み取った白黒画像データをカラー情報に基づいてカラー画像データに変換する。画像形成システム1は、白黒画像データをから情報に基づいて変換したカラー画像データを描画データに変換して、書き込み部34に送って書き込み部34で、図3(c)に示すように、カラー画像をカラー印刷用紙Pc1として示すように印刷出力する。図3(a)と図3(c)を比較して分かるように、追跡パターンTgに埋め込まれているカラー情報に基づいて、白黒画像の印刷された白黒印刷用紙Pnを読み取ることで、カラー画像データに変換して、元のカラー画像と同様のカラー印刷用紙Pc1を印刷出力することができる。
【0042】
また、画像形成システム1は、元のカラー画像データを読み取ったときのカラー情報を画像化する方法としては、追跡パターンTgに限るものではなく、例えば、図4に示すように、カラー情報を記号化した2次元バーコードTbを用いてもよい。
【0043】
すなわち、画像形成システム1は、いま、図4(a)に示すように、赤色、黄色、青色の画像の存在するカラー原稿G1を、読み取り部33で読み取って白黒印刷出力するとき、画像処理部35に、読み取り部33の読み取ったカラー原稿G1のカラー画像データを白黒画像データに変換させるとともに、該カラー原稿G1のカラー情報を抽出させて、例えば、図4(b)に示すような2次元バーコードTbに画像化させて、該白黒画像データの画像面の片隅等に組み込ませる。
【0044】
CPU21は、画像処理部35でカラー画像データから白黒変換され2次元バーコードTbの組み込まれた白黒画像データを書き込み部34で印刷可能な描画データに変換して、書き込み部34に渡し、書き込み部34が2次元バーコードTbの組み込まれた白黒描画データに基づいて用紙に白黒画像及び2次元バーコードTbを、図4(b)に示すように、白黒印刷用紙Pn2として印刷出力する。この2次元バーコードTbは、カラー原稿G1のカラー情報が、バーコードとして画像化されたものであり、画像形成システム1の読み取り部33や他の画像読み取り装置(例えば、スキャナ装置、複写装置等)で読み取ったときに、カラー情報を認識することのできるバーコードである。
【0045】
そして、画像形成システム1は、2次元バーコードTbの記録されている白黒印刷用紙Pn2を読み取ると、白黒画像とともに、2次元バーコードTbを読み取ることとなって、この2次元バーコードTbを画像処理部35で解析して、元のカラー画像データのカラー情報を取得し、読み取った白黒画像データをカラー情報に基づいてカラー画像データに変換する。画像形成システム1は、白黒画像データをカラー情報に基づいて変換したカラー画像データを描画データに変換して、書き込み部34に送って書き込み部34で、図4(c)に示すように、カラー画像をカラー印刷用紙Pc1として示すように印刷出力する。図4(a)と図4(c)を比較して分かるように、2次元バーコードTbに埋め込まれているカラー情報に基づいて、白黒画像の印刷された白黒印刷用紙Pn2を読み取ることで、カラー画像データに変換して、カラー印刷用紙Pc1として示すように、元のカラー画像と同様のカラー画像を印刷出力することができる。
【0046】
さらに、カラー原稿G1を読み取ったときのカラー情報を、画像情報化する場合に、減色したカラー情報を画像情報化してもよい。
【0047】
すなわち、画像形成システム1は、いま、図5(a)に示すように、濃赤色、黄金色、濃青色の画像の存在するカラー原稿G2を、読み取り部33で読み取って白黒印刷出力するとき、読み取り部33の読み取ったカラー原稿G2のカラー画像データを画像処理部35に白黒画像データに変換させるとともに、該カラー原稿G2のカラー画像の色数を所定の色数に削減させたカラー情報として画像処理部35に取得させて、例えば、図5(b)に示すような2次元バーコードTbに画像化させて、該白黒画像データの画像面の片隅等に組み込ませる。
【0048】
CPU21は、画像処理部35でカラー画像データから白黒変換され2次元バーコードTbの組み込まれた白黒画像データを書き込み部34で印刷可能な描画データに変換して、書き込み部34に渡し、書き込み部34が2次元バーコードTbの組み込まれた白黒描画データに基づいて用紙に白黒画像及び2次元バーコードTbを、図5(b)に示すように、白黒印刷用紙Pn2として印刷出力する。この2次元バーコードTbは、図3の2次元バーコードTbと同様のバーコードである。
【0049】
そして、画像形成システム1は、2次元バーコードTbの記録されている白黒印刷用紙Pn2を読み取ると、白黒画像とともに、2次元バーコードTbを読み取ることとなって、この2次元バーコードTbを画像処理部35で解析して、元のカラー画像データのカラー情報を取得し、読み取った白黒画像データをカラー情報に基づいてカラー画像データに変換する。画像形成システム1は、白黒画像データをカラー情報に基づいて変換したカラー画像データを描画データに変換して、書き込み部34に送って書き込み部34で、図5(c)に示すように、カラー画像をカラー印刷用紙Pc2として示すように印刷出力する。図5(a)と図5(c)を比較して分かるように、減色されたカラー情報が2次元バーコードTbに埋め込まれているカラー情報に基づいて、白黒画像の印刷された白黒印刷用紙Pn2を読み取ることで、カラー画像データに変換して、カラー印刷用紙Pc2を印刷出力することができる。このときのカラー印刷用紙Pc2には、色数が削減された状態のカラー画像が復元されて印刷出力される。
【0050】
また、カラー原稿G1を読み取ったときのカラー情報を、画像情報化する場合に、カラー画像のエッジ情報、その境界内の色情報とその濃度等を含むカラー情報を取得して画像化してもよい。
【0051】
すなわち、画像形成システム1は、いま、図6(a)に示すように、濃赤色、黄金色、濃青色の画像の存在するカラー原稿G2を、読み取り部33で読み取って白黒印刷出力するとき、読み取り部33の読み取ったカラー原稿G2のカラー画像データを画像処理部35に白黒画像データに変換させるとともに、該カラー原稿G2のカラー画像のエッジ情報、その境界内の色情報とその濃度等のより一層詳細なカラー情報を画像処理部35に取得させて、例えば、図6(b)に示すような2次元バーコードTbに変換させて、該白黒画像データの画像面の片隅等に組み込ませる。
【0052】
CPU21は、画像処理部35でカラー画像データから白黒変換され2次元バーコードTbの組み込まれた白黒画像データを書き込み部34で印刷可能な描画データに変換して、書き込み部34に渡し、書き込み部34が2次元バーコードTbの組み込まれた白黒描画データに基づいて用紙に白黒画像及び2次元バーコードTbを、図6(b)に示すように、白黒印刷用紙Pn2として印刷出力する。この2次元バーコードTbは、図3の2次元バーコードTbと同様のバーコードであるが、より詳細な画像情報を表現している。
【0053】
そして、画像形成システム1は、2次元バーコードTbの記録されている白黒印刷用紙Pn2を読み取ると、白黒画像とともに、2次元バーコードTbを読み取ることとなって、この2次元バーコードTbを画像処理部35で解析して、元のカラー画像データのカラー情報を取得し、読み取った白黒画像データをカラー情報に基づいてカラー画像データに変換する。画像形成システム1は、白黒画像データをカラー情報に基づいて変換したカラー画像データを描画データに変換して、書き込み部34に送って書き込み部34で、図6(c)に示すように、カラー画像をカラー印刷用紙Pc2として示すように印刷出力する。図6(a)と図6(c)を比較して分かるように、より詳細なカラー情報が2次元バーコードTbに埋め込まれているカラー情報に基づいて、白黒画像の印刷された白黒印刷用紙Pn2を読み取ることで、カラー画像データに変換して、カラー印刷用紙Pc2を印刷出力することができる。このときのカラー印刷用紙Pc2には、より一層正確にカラー画像が復元されて印刷出力される。
【0054】
さらに、画像形成システム1は、カラー画像データに基づいて白黒画像を印刷出力する際に、該カラー画像データのカラー情報を取得して画像化して用紙に印刷出力し、白黒画像を読み取ったときに、元のカラー画像データを再現可能とするカラー再現可能化処理を行うか否かを、操作表示部6の操作で選択可能としてもよく、この場合、CPU21は、操作表示部6でカラー再現可能化処理の実行が選択されている場合にのみ、カラー再現可能化処理を実行する。
【0055】
このように、本実施例の画像形成システム1は、デジタル複写装置DUの画像処理部(白黒変換手段、カラー情報取得手段、カラー情報画像化手段)35が、カラー画像データを白黒画像データに変換するとともに、該カラー画像データからカラー画像を復元するためのカラー情報を取得し、該カラー情報を所定のカラー情報画像に画像化して、書き込み部(記録出力手段)34が、該白黒画像データに基づいて白黒画像を用紙(被画像形成媒体)に記録出力するとともに、該用紙に該カラー情報画像を記録出力している。
【0056】
したがって、カラー画像データを白黒画像データに変換するとともに、カラー画像データからカラー画像を復元可能なカラー情報を取得して白黒画像への影響を抑制したカラー情報画像を生成して、白黒画像とともに該白黒画像から簡単かつ高精度に元のカラー画像を復元可能な状態で、かつ、画像品質の劣化を抑制しつつ白黒画像を出力することができる。
【0057】
また、本実施例の画像形成システム1は、デジタル複写装置DUの画像処理部(カラー情報画像化手段)35が、カラー画像データのカラー情報を視認性の抑制されている所定の追跡パターンTgとして画像化し、書き込み部34が、該追跡パターンTgを用紙の白黒画像の形成面と同じ面に形成している。
【0058】
したがって、カラー情報を目立ちにくい追跡パターンTgとして白黒画像とともに用紙に記録出力することができ、該白黒画像から簡単かつ高精度に元のカラー画像を復元可能な状態で、かつ、画像品質の劣化を抑制しつつ安価に白黒画像を出力することができる。
【0059】
さらに、本実施例の画像形成システム1は、デジタル複写装置DUの画像処理部(カラー情報画像化手段)35が、カラー画像データのカラー情報を2次元バーコードTbとして画像化し、書き込み部34が、該2次元バーコードTbを用紙の白黒画像の記録領域から外れた領域に形成している。
【0060】
したがって、カラー情報を目立ちにくい2次元バーコードTbとして白黒画像とともに用紙に記録出力することができ、該白黒画像から簡単かつ高精度に元のカラー画像を復元可能な状態で、かつ、画像品質の劣化を抑制しつつ安価に白黒画像を出力することができる。
【0061】
また、本実施例の画像形成システム1は、デジタル複写装置DUの画像処理部(カラー情報取得手段)35が、前記カラー画像データのカラー画像の色数を所定の色数に削減させたカラー画像に復元するためのカラー情報を取得して、2次元バーコードTbまたは追跡パターンTg等のカラー情報画像に変換している。
【0062】
したがって、カラー情報画像により多くのデータを盛り込むことができ、より精細なカラー画像を復元することができる。
【0063】
さらに、本実施例の画像形成システム1は、デジタル複写装置DUの画像処理部(カラー情報取得手段)35は、前記カラー情報として、前記カラー画像データのカラー画像の少なくともエッジ情報、カラー画像領域内の色情報及び色濃度を含むカラー情報を取得している。
【0064】
したがって、カラー画像の情報を復元するためのカラー情報の情報量を少なくしつつ、より精細なカラー画像を復元することができる。
【0065】
また、本実施例の画像形成システム1は、用紙に白黒画像とともにカラー情報画像を記録出力するか否かを操作表示部6で選択できるようになっている。
【0066】
したがって、カラー画像を白黒画像として出力する際に、ユーザの必要性に応じてカラー情報画像の記録出力を行うか否か選択することができ、利用性をより一層向上させることができる。
【0067】
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例で説明したものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0068】
1 画像形成システム
DF デジタル複写装置
KU 大容量給紙ユニット
GU 後処理ユニット
P1、P2 排紙トレイ
2 本体部
3 給紙ユニット
4 ARDF
5 原稿排紙トレイ
6 操作表示部
11 原稿給紙トレイ
12 原稿搬送部
20 システム制御部
21 CPU
22 ROM
23 RAM
24 不揮発RAM
25 I/O制御部
31 ハードディスク
32 ハードディスクコントローラ
33 読み取り部
34 書き込み部
35 画像処理部
36 画像用RAM
37 通信部
38 センサ
39 負荷
G1、G2 カラー原稿
Tg 追跡パターン
Pn 白黒印刷用紙
Pc1、Pn2 カラー印刷用紙
Tb 2次元バーコード
【先行技術文献】
【特許文献】
【0069】
【特許文献1】特開平8−116457号公報
【特許文献2】特開平8−125877号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラー画像データを白黒画像データに変換する白黒変換手段と、
前記カラー画像データからカラー画像を復元するためのカラー情報を取得するカラー情報取得手段と、
前記カラー情報を前記白黒変換手段の変換した白黒画像への影響を抑制した所定のカラー情報画像に画像化するカラー情報画像化手段と、
前記白黒画像データに基づいて白黒画像を被画像形成媒体に記録出力するとともに、該画像形成媒体に前記カラー情報画像を記録出力する記録出力手段と、
を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記カラー情報画像化手段は、
前記カラー情報を視認性の抑制されている所定の追跡パターンとして画像化し、
前記記録出力手段は、
前記追跡パターンを前記被画像形成媒体の前記白黒画像の形成面と同じ面に形成することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記カラー情報画像化手段は、
前記カラー情報を2次元バーコードとして画像化し、
前記記録出力手段は、
前記2次元バーコードを前記被画像形成媒体の前記白黒画像の記録領域から外れた領域に形成することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記カラー情報取得手段は、
前記カラー画像データのカラー画像の色数を所定の色数に削減させたカラー画像に復元するためのカラー情報を取得することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記カラー情報取得手段は、
前記カラー情報として、前記カラー画像データのカラー画像の少なくともエッジ情報、カラー画像領域内の色情報及び色濃度を含むカラー情報を取得することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記画像形成装置は、
前記被画像形成媒体に前記白黒画像とともに前記カラー情報画像を記録出力するか否かを選択する選択手段を備えていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
カラー画像データを白黒画像データに変換する白黒変換処理ステップと、
前記カラー画像データからカラー画像を復元するためのカラー情報を取得するカラー情報取得処理ステップと、
前記カラー情報を前記白黒変換処理ステップで変換された白黒画像への影響を抑制した所定のカラー情報画像に画像化するカラー情報画像化処理ステップと、
前記白黒画像データに基づいて白黒画像を被画像形成媒体に記録出力するとともに、該画像形成媒体に前記カラー情報画像を記録出力する記録出力処理ステップと、
を有していることを特徴とする画像形成制御方法。
【請求項8】
コンピュータに、
カラー画像データを白黒画像データに変換する白黒変換処理と、
前記カラー画像データからカラー画像を復元するためのカラー情報を取得するカラー情報取得処理と、
前記カラー情報を前記白黒変換処理で変換された白黒画像への影響を抑制した所定のカラー情報画像に画像化するカラー情報画像化処理と、
前記白黒画像データに基づいて白黒画像を被画像形成媒体に記録出力するとともに、該画像形成媒体に前記カラー情報画像を記録出力する記録出力処理と、
を実行させることを特徴とする画像形成制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−253636(P2012−253636A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−125881(P2011−125881)
【出願日】平成23年6月4日(2011.6.4)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】