説明

画像形成装置、画像形成方法、および画像形成プログラム

【課題】特殊原稿の複写禁止処理を行う場合に、無駄なトナーを消費しない画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像読取部102は、原稿から画像情報を読取り、地紋認識部104は、画像読取部102によって読み取られた画像情報が出力を禁止された禁止画像であるか否かを判定し、制御部105は、地紋認識部104によって画像情報が禁止画像であると判定された場合に、画像情報が書き込まれる感光体への画像情報の書込みを禁止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成方法、および画像形成プログラムに関するものであり、特に複写禁止画像の複写時における画像情報書込制御に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複写禁止画像を含む特殊原稿をパターンマッチング法によって判別し、特殊原稿であると判別された場合には複写を禁止して違法複写を未然に防ぐ画像形成装置が一般に知られている。かかる画像形成装置では、複写対象である原稿が特殊原稿であるか否かの判別には類似度を用いるが、類似度の設定によっては特殊原稿が通常の原稿と判断されて特殊原稿の複写禁止が行えない場合や、通常の原稿が特殊原稿と判断されて複写できない場合があるという問題があった。
【0003】
このような問題を解決するものとして、通常の原稿の複写を妨げることなく、特殊原稿の複写を禁止するとともに、特殊原稿が複写された場合であっても追跡可能である画像形成装置が開示されている(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平6−125459号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1では、特殊原稿であると判別された場合には動作中の画像形成処理を停止してコピーができない旨を通知することによって特殊原稿の複写を停止するものである。したがって、画像形成装置が出力時間を短縮するために特殊原稿か否かの判断が終了する前に感光体への画像情報の書込みを開始している場合には、停止が通知されるまでは不要な書込みを行われることとなり、無駄なトナーが消費されてしまうという問題があった。
【0006】
また、途中まで特殊原稿が書き込まれている感光体または特殊原稿が出力されている転写紙に対しては、特殊原稿の複写を禁止するために既に書き込まれている部分または出力している部分を塗りつぶす必要があり、さらに多くの無駄なトナーが消費されるという問題があった。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、特殊原稿の複写禁止処理を行う場合に、無駄なトナーを消費しない画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1にかかる発明は、原稿から画像情報を読取る画像読取手段と、前記画像読取手段によって読み取られた前記画像情報が出力を禁止された禁止画像であるか否かを判定する禁止画像判定手段と、前記禁止画像判定手段によって前記画像情報が前記禁止画像であると判定された場合に、前記画像情報が書き込まれる感光体への前記画像情報に対するトナーの吹きつけを禁止する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記画像読取手段によって前記画像情報の読取りが開始された場合に、前記画像情報を転写する転写紙を待機位置まで搬送することを指示する転写紙搬送制御手段、をさらに備え、前記制御手段は、さらに前記感光体への前記画像情報に対するトナーの吹きつけが禁止された場合に、前記転写紙搬送制御手段によって待機位置まで搬送することを指示された、前記画像情報が転写されていない前記転写紙の排紙を指示すること、を特徴とする。
【0010】
また、請求項3にかかる発明は、請求項1または請求項2に記載の画像形成装置において、前記禁止画像判定手段によって前記禁止画像でないと判定された場合に、前記画像読取手段によって読取られた前記画像情報を出力する画像出力手段、をさらに備えることを特徴とする。
【0011】
また、請求項4にかかる発明は、請求項1〜3のいずれか一つに記載の画像形成装置において、前記禁止画像判定手段によって前記画像情報が前記禁止画像であるか否かを判定する状態を示す禁止画像判定モードが設定されているか否かを判定する判定手段と、前記判定手段によって前記禁止画像判定モードが設定されていると判定された場合には、前記画像読取手段によって読取られた前記画像情報を格納する画像記憶手段と、をさらに備え、前記制御手段は、前記禁止画像判定手段によって前記画像情報が前記禁止画像であると判定された場合に、前記画像記憶手段によって格納されている前記画像情報に対するトナーの吹きつけを禁止すること、を特徴とする。
【0012】
また、請求項5にかかる発明は、請求項4に記載の画像形成装置において、前記判定手段によって前記禁止画像判定モードが設定されていないと判定された場合には、前記制御手段は、前記画像読取手段が前記画像情報を読取るごとに、読取った部分に対するトナーの吹きつけを指示すること、を特徴とする。
【0013】
また、請求項6にかかる発明は、請求項4に記載の画像形成装置において、前記禁止画像判定手段によって前記画像情報が前記禁止画像であると判断された場合に、前記画像記憶手段に格納されている前記画像情報を判別不能に書換える画像変更手段と、をさらに備え、前記制御手段は、さらに前記画像変更手段によって書換えられた前記画像情報が書き込まれる感光体への前記画像情報に対するトナーの吹きつけを禁止すること、を特徴とする。
【0014】
また、請求項7にかかる発明は、請求項6に記載の画像形成装置において、前記禁止画像判定手段は、さらに前記画像読取手段によって読取られた前記画像情報のうち読取られた部分ごとに前記禁止画像であるか否かを判定し、前記画像変更手段は、さらに前記禁止画像判定手段によって前記読取られた部分が前記禁止画像であると判定された場合に、前記読取られた部分ごとに前記画像情報を判別不能に書換えること、を特徴とする。
【0015】
また、請求項8にかかる発明は、請求項6または請求項7に記載の画像形成装置において、前記画像変更手段は、さらに前記画像情報が前記禁止画像であると判断された場合に、前記画像記憶手段に格納されている前記画像情報を黒色に塗りつぶすこと、を備えることを特徴とする。
【0016】
また、請求項9にかかる発明は、請求項4に記載の画像形成装置において、前記画像読取手段によって読取られた前記画像情報を記憶する画像記憶手段と、前記禁止画像判定手段によって前記画像情報が前記禁止画像であると判断された場合に、前記画像記憶手段に格納している前記画像情報を消去する画像消去手段、をさらに備え、前記制御手段は、さらに前記画像消去手段によって消去された前記画像情報が書き込まれる感光体への前記画像情報に対するトナーの吹きつけを禁止すること、を特徴とする。
【0017】
また、請求項10にかかる発明は、請求項9に記載の画像形成装置において、前記禁止画像判定手段は、さらに前記画像読取手段によって読取られた前記画像情報のうち読取られた部分ごとに前記禁止画像であるか否かを判定し、前記画像消去手段は、さらに前記禁止画像判定手段によって前記読取られた部分が前記禁止画像であると判定された場合に、前記読取られた部分ごとに前記画像情報を消去すること、を特徴とする。
【0018】
また、請求項11にかかる発明は、原稿から画像情報を読取る画像読取手段と、前記画像読取手段によって読み取られた前記画像情報が出力を禁止された禁止画像であるか否かを判定する禁止画像判定手段と、前記禁止画像判定手段によって前記画像情報が前記禁止画像であると判定された場合に、前記画像情報が書き込まれる感光体への前記画像情報に対する潜像画像の形成を禁止する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0019】
また、請求項12にかかる発明は、原稿から画像情報を読取る画像読取ステップと、前記画像読取ステップによって読取られた前記画像情報が出力を禁止された禁止画像であるか否かを判定する禁止画像判定ステップと、前記禁止画像判定ステップによって前記画像情報が前記禁止画像であると判定された場合に、前記画像情報が書き込まれる感光体への前記画像情報に対するトナーの吹きつけを禁止する制御ステップと、を有することを特徴とする。
【0020】
また、請求項13にかかる発明は、原稿から画像情報を読取る画像読取ステップと、前記画像読取ステップによって読み取られた前記画像情報が出力を禁止された禁止画像であるか否かを判定する禁止画像判定ステップと、前記禁止画像判定ステップによって前記画像情報が前記禁止画像であると判定された場合に、前記画像情報が書き込まれる感光体への前記画像情報に対する潜像画像の形成を禁止する制御ステップと、を備えることを特徴とする。
【0021】
また、請求項14にかかる発明は、請求項12または請求項13に記載された画像形成方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
請求項1にかかる発明によれば、禁止画像判定手段によって、画像読取手段によって読み取られた画像情報が出力を禁止された禁止画像であるか否かを判定し、制御手段によって、禁止画像判定手段によって画像情報が禁止画像であると判定された場合に、画像情報が書き込まれる感光体への画像情報に対するトナーの吹きつけを禁止することにより、画像情報を出力するための現像処理が行われないため、無駄なトナーが消費されないという効果を奏する。
【0023】
また、請求項2にかかる発明によれば、転写紙搬送制御手段によって、画像読取手段によって画像情報の読取りが開始された場合に、画像情報を転写する転写紙を待機位置まで搬送することを指示し、制御手段は、さらに感光体への画像情報に対するトナーの吹きつけが禁止された場合に、転写紙搬送制御手段によって待機位置まで搬送することを指示された、画像情報が転写されていない転写紙の排紙を指示することにより、禁止画像を印刷することなく転写紙が排紙されるため、無駄な転写紙が消費されないという効果を奏する。
【0024】
また、請求項3にかかる発明によれば、画像出力手段によって、禁止画像判定手段によって禁止画像でないと判定された場合に、画像読取手段によって読取られた画像情報を出力することにより、禁止画像以外の原稿を出力することができるため、無駄なトナーを消費することなく通常の原稿を複写することができるという効果を奏する。
【0025】
また、請求項4にかかる発明によれば、判定手段によって、禁止画像判定手段によって画像情報が禁止画像であるか否かを判定する状態を示す禁止画像判定モードが設定されているか否かを判定し、画像記憶手段によって、判定手段によって禁止画像判定モードが設定されていると判定された場合には、画像読取手段によって読取られた画像情報を格納し、制御手段は、禁止画像判定手段によって画像情報が禁止画像であると判定された場合に、画像記憶手段によって格納されている画像情報に対するトナーの吹きつけを禁止することにより、操作者が禁止画像を判定したい場合のみに禁止画像判定を行うことができるため、無駄な処理時間を削減することができるという効果を奏する。
【0026】
また、請求項5にかかる発明によれば、判定手段によって禁止画像判定モードが設定されていないと判定された場合には、制御手段は、画像読取手段が画像情報を読取るごとに、読取った部分に対するトナーの吹きつけを指示することにより、操作者が禁止画像の判定を設定しない場合には、画像読取処理後に禁止画像判定をせずに、画像形成処理を行うことができるため、迅速な画像出力を行うことができるという効果を奏する。
【0027】
また、請求項6にかかる発明によれば、画像変更手段によって、禁止画像判定手段によって画像情報が禁止画像であると判断された場合に、画像記憶手段に格納されている画像情報を判別不能に書換えることにより、画像記憶手段から直接画像情報を取得しても機密情報を判別することができないため、高度なセキュリティ管理を行うことができるという効果を奏する。
【0028】
また、請求項7にかかる発明によれば、禁止画像判定手段は、さらに画像読取手段によって読取られた画像情報のうち読取られた部分ごとに禁止画像であるか否かを判定し、画像変更手段は、さらに禁止画像判定手段によって読取られた部分が禁止画像であると判定された場合に、読取られた部分ごとに画像情報を判別不能に書換えることにより、禁止画像であると判断された時点において画像記憶手段から直接画像情報を取得しても機密情報を判別することができないため、より高度なセキュリティ管理を行うことができるという効果を奏する。
【0029】
また、請求項8にかかる発明によれば、画像変更手段は、さらに画像情報が禁止画像であると判断された場合に、画像記憶手段に格納されている画像情報を黒色に塗りつぶすことにより、画像記憶手段から直接画像情報を取得しても機密情報を判別することができないため、高度なセキュリティ管理を行うことができるという効果を奏する。
【0030】
また、請求項9にかかる発明によれば、画像消去手段によって、禁止画像判定手段によって画像情報が禁止画像であると判断された場合に、画像記憶手段に格納している画像情報を消去することにより、画像記憶手段において禁止画像が存在せず、いかなる手段でも取得することができないため、高度なセキュリティ管理を行うことができるという効果を奏する。
【0031】
また、請求項10にかかる発明によれば、禁止画像判定手段は、さらに画像読取手段によって読取られた画像情報のうち読取られた部分ごとに禁止画像であるか否かを判定し、画像消去手段は、さらに禁止画像判定手段によって読取られた部分が禁止画像であると判定された場合に、読取られた部分ごとに画像情報を消去することにより、禁止画像であると判断された時点において禁止画像が消去されることとなるため、より高度なセキュリティ管理を行うことができるという効果を奏する。
【0032】
また、請求項11にかかる発明によれば、禁止画像判定手段によって、画像読取手段によって読み取られた画像情報が出力を禁止された禁止画像であるか否かを判定し、制御手段によって、禁止画像判定手段によって画像情報が禁止画像であると判定された場合に、画像情報が書き込まれる感光体への画像情報に対する潜像画像の形成を禁止することにより、画像情報を出力するための感光体への潜像画像の形成が行われないため、無駄なトナーが消費されないという効果を奏する。
【0033】
また、請求項12にかかる発明によれば、禁止画像判定ステップによって、画像読取ステップによって読取られた画像情報が出力を禁止された禁止画像であるか否かを判定し、制御ステップによって、禁止画像判定ステップによって画像情報が禁止画像であると判定された場合に、画像情報が書き込まれる感光体への画像情報に対するトナーの吹きつけを禁止することにより、画像情報を出力するための現像処理が行われないため、無駄なトナーが消費されないという効果を奏する。
【0034】
また、請求項13にかかる発明によれば、禁止画像判定ステップによって、画像読取ステップによって読み取られた画像情報が出力を禁止された禁止画像であるか否かを判定し、制御ステップによって、禁止画像判定ステップによって画像情報が禁止画像であると判定された場合に、画像情報が書き込まれる感光体への画像情報に対する潜像画像の形成を禁止することにより、画像情報を出力するための感光体への潜像画像の形成が行われないため、無駄なトナーが消費されないという効果を奏する。
【0035】
また、請求項14にかかる発明によれば、請求項12または請求項13に記載された画像形成方法をコンピュータに実行させることにより、画像情報を出力するための現像処理または感光体への潜像画像の形成が行われないため、無駄なトナーが消費されないという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる画像形成装置、画像形成方法、および画像形成プログラムの最良な実施の形態を詳細に説明する。
【0037】
本実施の形態について、添付図面を参照して説明する。本実施の形態にかかる画像形成装置は、複写対象の原稿が禁止原稿であると判断した場合に、感光体にトナーによる潜像画像を生成することなく、転写紙を排紙するものである。
【0038】
まず、本発明が適用される画像形成装置の構成例について説明する。図1は、本発明の実施の形態にかかる画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【0039】
本実施の形態にかかる画像形成装置は、操作部101と、画像読取部102と、画像処理部103と、地紋認識部104と、制御部105と、画像記憶部106と、画像出力部107と、転写紙搬送制御部108とを備える。
【0040】
操作部101は、コピーボタンの押下を受付けるものである。また、予め地紋認識モードまたは地紋認識解除モードの入力を受付けるものである。ここで、地紋認識モードとは、後述する地紋認識部104において地紋認識処理を行う状態であることを示し、特許請求の範囲に記載した禁止画像判定モードに対応する。また、地紋認識解除モードとは、画像読取処理後、地紋認識処理を行わず、読取られた画像データに対して後述する画像出力部107による画像形成処理を行う状態であることを示すものである。
【0041】
画像読取部102は、スキャナによって原稿を読取り、読取られた画像をディジタル画像データに変換するものである。また、画像読取部102は、現在地紋認識モードであるか地紋認識解除モードであるかを判定するものであり、本発明にかかる判定手段を構成する。
【0042】
画像処理部103は、画像読取部102によって読取られた画像データをγ補正やMTF補正等を行った後、スライス処理やディザ処理のような階調処理を行って2値(または多値)化処理をするものである。
【0043】
地紋認識部104は、操作部101によって地紋認識モードが設定されている場合に、画像処理部103によって2値化された画像データから複写禁止などの文字による地紋パターンをマッチングして、読込まれた原稿が印刷禁止画像であるか否かを判断するものである。地紋認識部104は、本発明にかかる禁止画像判定手段を構成する。なお、地紋認識部104は、地紋だけではなく紙幣などの違法複写となる原稿であるか否かを認識してもよい。
【0044】
地紋認識部104は、さらに孤立画素検出部201と、位相情報記憶部202と、パターンマッチング部203と、地紋検出部204とを備える。図2は、地紋認識部の構成を示すブロック図である。
【0045】
孤立画素検出部201は、一定の領域内に存在する孤立画素を検出するものである。位相情報記憶部202は、孤立画素検出部201によって検出された孤立画素の位置情報と画像データを記憶するものである。
【0046】
パターンマッチング部203は、位相情報記憶部202によって記憶された孤立画素の位置情報に基づいて、予め設定されている地紋パターンとのパターンマッチングを行い、パターンマッチングの結果を送信するものである。地紋検出部204は、パターンマッチング部203によって送信されたパターマッチングの結果に基づいて地紋を認識したか否かを判断するものである。
【0047】
図1において、制御部105は、操作部101によって地紋認識モードが設定されている場合には、後述する画像記憶部106に画像データを記憶するものである。さらに、地紋認識部104によって原稿が印刷禁止原稿であると判断された場合には、後述する画像出力部107に対して感光体への潜像画像の書込みを禁止するように制御し、地紋認識部104によって原稿が印刷禁止原稿でないと判断された場合には、感光体へ画像データを書込み、画像データを出力するよう制御するものである。
【0048】
画像記憶部106は、操作部101によって地紋認識モードが設定されている場合に、画像処理部103によって画像処理された画像データなどを一時的に保存しておくものである。
【0049】
画像出力部107は、操作部101によって地紋認識モードが設定されている場合において、画像処理部103によって処理された画像データに地紋を認識しないと判断された場合に画像記憶部106に格納されている画像データに基づいて画像データを出力するものである。また、操作部101によって地紋認識解除モードが設定されている場合には、画像読取部102によって読取られ、画像処理部103によって処理された画像データを出力するように制御する。
【0050】
具体的に、画像データの出力とは、まず画像処理部103によって処理された画像データに基づいて光ビームを偏向走査させ、感光体上に静電潜像を形成する。次に、感光体上に形成された静電潜像をトナーによって現像する。さらに、現像されたトナー画像を転写紙に転写して定着処理を行うことにより、転写紙に画像を印刷するものである。かかる出力処理には、電子写真技術などを用いている。
【0051】
転写紙搬送制御部108は、上述の画像出力部107においてトナー画像を転写紙に転写するために、転写紙の運搬を制御するものである。具体的には、転写紙搬送制御部108の制御によって、後述する図6の原稿搬送制御ユニット634が動作し、転写紙の搬送が行われる。
【0052】
次に、以上のように構成されている画像形成装置による画像形成処理について説明する。図3−1、図3−2、図3−3は、操作部、画像読取部、転写紙搬送制御部、地紋認識部、制御部、画像出力部が行う画像形成処理手順を示すフローチャートである。
【0053】
まず、操作者によって画像形成装置に原稿がセットされる。操作部101は、コピーボタンが押下されたか否かを判断する(ステップS301)。コピーボタンが押下されていないと判断した場合には(ステップS301:No)、ステップS301に戻り、コピーボタンが押下されるまで待機する。
【0054】
コピーボタンが押下されたと判断した場合には(ステップS301:Yes)、画像読取部102は、現在地紋認識モードが設定されているか否かを判断する(ステップS302)。現在地紋認識モードが設定されていると判断した場合には(ステップS302:Yes)、画像読取部102は、認識フラグをリセットする(ステップS303)。ここで、認識フラグとは、画像読取部102によって読取られた画像データに地紋パターンが認識されたか否かを示すフラグである。例えば、地紋認識ありの場合には“ON”、地紋認識なしの場合には“OFF”の値をとる。
【0055】
次に、転写紙搬送制御部108は、転写紙の待機位置への移動を指示する(ステップS304)。これにより、転写紙は待機位置に移動することとなる。次に、画像読取部102は、原稿から画像データを読取る(ステップS305)。画像処理部103は、読取った画像データに対して画像処理する(ステップS306)。画像処理部103は、画像処理された画像データを画像記憶部106に格納する(ステップS307)。また、画像処理された画像データに基づいて地紋認識処理を行う(ステップS308)。地紋認識処理は、画像データの読込まれた部分ごとに行うものであり、画像データの読込まれた部分ごととは、画像読込部102によって読込まれた単位、地紋が認識できる単位、または複数の原稿が読込まれた場合は原稿1枚の単位などをいい、かかる単位で地紋認識処理を行うものである。地紋認識処理の詳細は、図4を用いて後述する。
【0056】
地紋認識部104は、地紋を検出したか否かを判断する(ステップS309)。地紋を検出したと判断した場合には(ステップS309:Yes)、認識フラグにONを設定する(ステップS310)。地紋を検出していないと判断した場合には(ステップS309:No)、認識フラグに新たな設定をせず、ステップS311に進む。画像読取部102は、原稿の読取を終了したか否かを判断する(ステップS311)。原稿の読取を終了していないと判断した場合には(ステップS311:No)、ステップS305に戻り、画像データをさらに読取る。
【0057】
原稿の読取を終了したと判断した場合には(ステップS311:Yes)、制御部105は認識フラグがONであるか否かを判断する(ステップS312)。認識フラグがONでないと判断した場合には(ステップS312:No)、すなわち読取られた原稿が印刷禁止原稿でないと判断した場合には、画像出力部107は画像記憶部から画像データを取得する(ステップS313)。画像出力部107は、取得した画像データを印刷する(ステップS314)。
【0058】
画像出力部107は、画像データの出力が終了したか否かを判断する(ステップS315)。画像データの出力が終了していないと判断した場合には(ステップS315:No)、ステップS313に戻り画像データを取得する。画像データの出力が終了したと判断した場合には(ステップS315:Yes)、処理を終了する。
【0059】
ステップS312において、認識フラグがONであると判断した場合には(ステップS312:Yes)、すなわち読取られた原稿が印刷禁止原稿であると判断した場合には、制御部105は感光体へのトナーの吹きつけを禁止する(ステップS316)。なお、他の例としては、感光体へのトナーの吹きつけを禁止することに換えて、後述する感光体への潜像画像の形成を禁止することとしてもよい。この場合であっても、結果として感光体へのトナーの吹きつけは行われないこととなる。転写紙搬送制御部108は待機位置に移動している転写紙を排紙し(ステップS317)、処理を終了する。
【0060】
このように、地紋認識モードが設定されている場合には、総ての画像データが読込まれ、禁止画像であるか否かを判断されるまでは、画像データは画像記憶部106に格納され、後述する画像書き込みユニット623には送信されない。よって、総ての画像データが読込まれた時点において、読込まれた総ての画像データが禁止画像でないと判断された場合に、初めて書き込みユニット623への送信が行われ、画像データが印刷されることとなる。
【0061】
また、原稿が印刷禁止原稿である場合には、感光体に静電潜像を生成し、トナーを吹付けて現像するという工程が行われないため、無駄なトナーを使用することがない。なお、転写紙は画像データの出力処理を迅速に行うため、待機位置まで移動しているが、待機位置への移動を原稿が印刷禁止原稿であるか否かの判断後に行うこととすれば、転写紙は待機位置に移動していないため、転写紙を排紙する必要はない。
【0062】
ステップS302において、現在地紋認識モードが設定されていないと判断した場合には(ステップS302:No)、転写紙搬送制御部108は転写紙の待機位置への移動を指示する(ステップS318)。これにより、転写紙は待機位置まで移動する。
【0063】
画像読取部102は、原稿から画像データを読取る(ステップS319)。画像処理部103は、画像読取部102によって読取られた画像データを画像処理する(ステップS320)。画像出力部107は、画像処理された画像データを印刷する(ステップS321)。画像出力部107は、印刷が終了したか否かを判断する(ステップS322)。
【0064】
印刷が終了したと判断した場合には(ステップS322:Yes)、処理を終了する。印刷が終了していないと判断した場合には(ステップS322:No)、ステップS319に戻り、画像データを読込む。
【0065】
このように、地紋認識モードが設定されていない場合には、画像読取部102によって読取られた画像データが総て読込まれる前に、順次画像データは書き込みユニット623に送信されることとなり、送信された画像データは順次印刷されることとなる。よって、地紋認識モードが設定されていない場合には、画像データを読取った直後に印刷処理が行われるため、迅速に画像データを印刷することができる。
【0066】
次に、ステップS308における地紋認識部104による地紋認識処理について説明する。図4は、地紋認識部が行う地紋認識処理手順を示すフローチャートである。
【0067】
まず、孤立画素検出部201は、孤立画素を検出する(ステップS401)。図5−1は、画像データの主走査方向のd画素×副走査方向のlラインのブロックに存在する孤立画素の検出例を示す説明図である。孤立画素検出部201は、具体的には画像処理部103によって2値画像となった画像データの主走査方向のd画素×副走査方向のlラインのブロックごとに存在する孤立画素を検出するものである。
【0068】
次に、孤立画素検出部201は、検出された孤立画素の位置情報および画像データを位相情報記憶部202に格納する(ステップS402)。孤立画素検出部201は、所定の画像データのブロックの検出が終了したか否かを判断する(ステップS403)。図5−2は、Bd×Llの画素での孤立画素の検出例を示す説明図である。孤立画素検出部201は、具体的には画像データの主走査方向のd画素×副走査方向のlライン分からなるブロックが主走査方向のB個分、副走査方向にL個分でBd×Llの画素の孤立画素の検出が終了したか否かを判断するものである。
【0069】
所定の画像データのブロックの検出が終了していないと判断した場合には(ステップS403:No)、ステップS401に戻り、孤立画素を検出する。所定の画像データのブロックの検出が終了したと判断した場合には(ステップS403:Yes)パターンマッチング部203は所定のブロックと地紋パターンとのパターンマッチングを行う(ステップS404)。図5−3は、地紋パターンの一例を示す説明図である。パターンマッチング部203は、例えばBd×Llの領域の孤立画素と図5−3に示す3つの地紋パターンとをパターンマッチングすることによって、Bd×Llの領域に地紋パターンが存在するか否かを判断する。
【0070】
パターンマッチング部203は、さらに所定の数のブロックについてパターンマッチングを行ったか否かを判断する(ステップS405)。所定の数のブロックについてパターンマッチングを行っていないと判断した場合には(ステップS405:No)、ステップS401に戻る。所定の数のブロックについてパターンマッチングを行ったと判断した場合には(ステップS405:Yes)、地紋検出部104は、所定の数の地紋パターンを検出したか否かを判断する(ステップS406)。
【0071】
次に、上述した画像形成処理を実現するための画像形成装置のハードウェア構成、外観を説明する。図6は、本実施の形態を実現するための画像形成装置のハードウェア構成の一例を示す説明図である。
【0072】
画像形成装置100は、システムコントローラ630と、操作パネル制御部631と、画像入出力制御部632とから構成されており、システムコントローラ630と、操作パネル制御部631と、画像入出力制御部632は、画像データバス/制御コマンドバス620によってデータのやり取りを行っている。
【0073】
システムコントローラ630は、スキャナアプリケーション、コピーアプリケーション、FAXアプリケーション、プリンタアプリケーション等の複数及び単体アプリケーションの機能を持ち、システム全体の制御を行うものである。操作パネル制御装置631は、本システムの設定の入力とその状態内容を表示するものである。画像入出力制御装置632は、原稿画像の読み取り、公知の電子写真技術による転写用紙への画像書き込みを行うものである。
【0074】
画像データバス/制御コマンドバス620は、画像データと制御コマンドが時分割で転送されるバスである。システムコントローラ630、操作パネル制御装置631、および画像入出力制御装置632との画像データと制御コマンドなどのやりとりは、画像データバス/制御コマンドバス620を介して行われ、各装置のバス制御611、612、613、619、621、622によって制御される。
【0075】
システムコントローラ630についてさらに詳細に説明する。CPU605は、システムコントローラ630の制御を行う。ROM604にはシステムコントローラ630の制御プログラムが書かれている。RAM603は、CPU605が使用する作業用メモリである。NVRAM602は、不揮発性メモリでありシステム全体の情報の保管を行う。ネットワークI/Fコントローラ606は、ネットワークとの接続制御を行う。
【0076】
システムI/F607は、CPU605の命令によりシステム内で処理される、FAXデータ、プリンタデータの転送制御を行う。ワークメモリ600は、プリンタで使用する画像展開の作業用メモリである。フレームメモリ601は、読み取り画像や書き込み画像のイメージデータを蓄える作業用メモリであり、イメージデータは、符号化されたデータまたはドットイメージである。
【0077】
FIFOバッファ609は、入力画像をフレームメモリへの書き込み時のデータ転送速度変換を行う。同様にFIFOバッファ608は、フレームメモリの画像データを出力画像としてデータ転送する時の速度変換を行う。
【0078】
メモリコントローラ610は、CPU605によって制御されることなくフレームメモリ及び、HDDC650とバス間の画像の入出力をコントロールする。HDDC650は、内部に周知のHDDを持ちHDDへ画像データの入出力制御を行う。HDDには画像読み取りユニット624で読み取られた画像及び、ネットワーク経由で取得した画像が保存される。
【0079】
操作パネル制御装置631についてさらに詳細に説明する。CPU617は、操作パネル制御装置631の制御を行う。ROM616は、操作パネル制御装置631の制御プログラムが書かれている。RAM618は、CPU617で使用する作業用メモリである。入力装置614は、使用者がシステム設定の入力を行う装置である。表示装置615は、使用者がシステムの設定内容、状態を確認するためにそれらを表示する装置である。
【0080】
画像入出力制御装置632についてさらに詳細に説明する。CPU625は、画像入出力制御装置632の制御を行う。ROM629には、画像入出力制御装置632の制御プログラムが書かれている。RAM628は、CPU625で使用する作業用メモリである。
【0081】
画像書き込みユニット623は、レーザー光を画素周波数で点灯しポリゴンスキャナでスキャンする公知の光学書き込み装置の制御ユニットである。画像読み取りユニット624は、ランプ光を原稿で反射しCCDで読み取る、公知の光学式スキャナの制御を行うユニットである。また、画像読み取りユニット624は、画像処理を行い可視及び不可視の識別子を画像データから分離する。画像読み取りユニット624によって分離された識別子は、CPU625でコード化されシステムコントローラ630に送られネットワーク上に存在する画像処理装置及びコンピュータを特定する。
【0082】
原稿搬送制御ユニット634は、複数枚積載された原稿から画像読み取りユニット624が読み取る原稿を1枚ずつ搬送する。また、原稿搬送制御ユニット634は、原稿のサイズの検出を行う。電子写真プロセスユニット626は、感光体上にレーザー光で書きこまれた潜像画像をトナーで実像化し用紙に転写、定着する周知の電子写真技術を制御するユニットである。
【0083】
転写紙搬送制御ユニット627は、電子写真ユニット626で画像が転写される用紙の搬送制御を行う。課金装置I/Fユニット633は、画像入出力制御装置632と課金装置を接続するため、CPU625の命令を課金装置の専用I/Fへ変換し、課金装置と印刷条件、課金、印刷可否信号の送受信を行う。
【0084】
地紋認識ユニット635は、地紋パターン認識を行う。画像読み取りユニット624から2値化された画像データが地紋認識ユニット635に送られる。地紋認識ユニット635は、地紋検出結果を画像読み取りユニット624に送る。画像読み取りユニット624は、地紋認識ユニット635から送られる地紋検出結果と、CPU625の指示により画像データを所定の階調と位相に固定化し、原稿画像の判読ができないように画像加工を施すものである。
【0085】
図7は、本実施の形態を実現する複写機の外観の一例を示す説明図である。複写機100は、スキャナ10と、操作ボード20と、ADF(オート・ドキュメント・フィーダ)30と、両面ドライブユニット33と、フィニッシャ34と、給紙バンク35と、大容量給紙トレイ36と、プリンタ部400とを備える。
【0086】
さらに、プリンタ部400について詳細に説明する。図8は、プリンタ部の一例を示す説明図である。プリンタ部400は、画像書き込みユニット402と、第1給紙トレイ403と、第2給紙トレイ404と、胴内排紙部408と、感光体411と、現像ユニット420と、搬送ベルト460などを備える。まず、上述の転写紙搬送制御部108の指示によって、転写紙搬送制御ユニット627は転写紙を待機位置Aまで移動する。次に、CUPから指示によって、画像書き込みユニット402は潜像画像を感光体411上に形成する。その後、現像ユニット420からトナーが吹きつけられ、転写紙待機位置Aまで移動していた転写紙は搬送ベルト460上を移動し、転写紙に画像が形成される。
【0087】
なお、本実施形態の画像形成装置で実行される画像形成プログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。
【0088】
本実施形態の画像形成装置で実行される画像形成プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0089】
さらに、本実施形態の画像形成装置で実行される画像形成プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、本実施形態の画像形成装置で実行される画像形成プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
【0090】
本実施の形態の画像形成装置で実行される画像形成プログラムは、上述した各部(操作部、画像読取部、転写紙搬送制御部、地紋認識部、制御部、画像出力部など)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMから画像形成プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、操作部、画像読取部、転写紙搬送制御部、地紋認識部、制御部、画像出力部などが主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0091】
また、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではない。他の実施の形態として、地紋パターンが認識された場合に画像記憶部に記憶されている画像データに上書きするように塗りつぶしパターンを格納する場合について説明する。ここで、制御部105は、上述の機能、構成に加え、地紋認識部104が地紋パターンを検出した場合には、画像記憶部106に格納されている画像データを塗りつぶしパターンで上書きするものである。制御部105は、本発明における画像変更手段を構成する。
【0092】
本実施の形態にかかる画像形成装置による画像形成処理について説明する。図9は、画像読取部、地紋認識部が行う画像形成処理手順を示すフローチャートである。
【0093】
図9の前後の処理は、上述した図3−1および図3−3と同様であるため、図3−1、図3−3およびそれらの説明を参照し、ここでの説明を省略する。また、図9のステップS901〜ステップS906、ステップS908の処理は、上述した図3−2のステップS305〜ステップS311の処理と同様であるので、図3−2での説明を参照し、ここでの説明を省略する。
【0094】
地紋認識部104において地紋を検出した場合に、制御部105は、塗りつぶしパターンを画像記憶部106に格納する(ステップS907)。すなわち、地紋を検出し、読込まれた原稿が印刷禁止原稿であると判断された場合には、原稿が印刷禁止原稿であると判断するごとに既に画像記憶部106に格納している画像データに上書きして黒色などの塗りつぶしパターンを格納するものである。
【0095】
これにより、画像記憶部106に格納された画像データについて、地紋パターンが認識された時点で塗りつぶしパターンが格納されるため、印刷禁止原稿の画像データを画像記憶部106から直接取得したとしても、有効な画像データを得ることができず、高度なセキュリティ管理を行うことができる。また、原稿が印刷禁止原稿である場合には認識フラグがONであるため、感光体に静電潜像を生成し、トナーを吹きつけて現像するという工程が行われないため、無駄なトナーを使用することがない。
【0096】
さらに、他の実施の形態として、地紋パターンが認識された場合に画像記憶部106に記憶されている画像データを消去する場合について説明する。ここで、制御部105は、上述の機能、構成に加え、地紋認識部104が地紋パターンを検出した場合には、画像記憶部106に格納されている画像データを消去するものである。制御部105は、本発明における画像消去手段を構成する。
【0097】
本実施の形態にかかる画像形成装置による画像形成処理について説明する。図10は、画像読取部、地紋認識部が行う画像形成処理手順を示すフローチャートである。
【0098】
図10の前後の処理は、上述した図3−1および図3−3と同様であるため、図3−1、図3−3およびそれらの説明を参照し、ここでの説明を省略する。また、図10のステップS1001〜ステップS1006、ステップS1008の処理は、上述した図3−2のステップS305〜ステップS311の処理と同様であるので、図3−2での説明を参照し、ここでの説明を省略する。
【0099】
地紋認識部104において地紋を検出した場合に、制御部105は、画像記憶部106に格納された画像データを消去する(ステップS1007)。すなわち、地紋を検出し、読込まれた原稿が印刷禁止原稿であると判断された場合には、原稿が印刷禁止原稿であると判断するごとに既に画像記憶部106に格納している画像データを消去するものである。
【0100】
これにより、画像記憶部106に格納された画像データについて、地紋パターンが認識された時点で消去されるため、印刷禁止原稿を画像記憶部106から直接取得したとしても、有効な画像データを得ることができず、高度なセキュリティ管理を行うことができる。また、原稿が印刷禁止原稿である場合には認識フラグがONであるため、感光体に静電潜像を生成し、トナーを吹きつけて現像するという工程が行われないため、無駄なトナーを使用することがない。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明の実施の形態にかかる画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図2】地紋認識部の構成を示すブロック図である。
【図3−1】操作部、画像読取部、転写紙搬送制御部、地紋認識部、制御部、画像出力部が行う画像形成処理手順を示すフローチャートである。
【図3−2】操作部、画像読取部、転写紙搬送制御部、地紋認識部、制御部、画像出力部が行う画像形成処理手順を示すフローチャートである。
【図3−3】操作部、画像読取部、転写紙搬送制御部、地紋認識部、制御部、画像出力部が行う画像形成処理手順を示すフローチャートである。
【図4】地紋認識部が行う地紋認識処理手順を示すフローチャートである。
【図5−1】画像データの主走査方向のd画素×副走査方向のlラインのブロックに存在する孤立画素の検出例を示す説明図である。
【図5−2】Bd×Llの画素での孤立画素の検出例を示す説明図である。
【図5−3】地紋パターンの一例を示す説明図である。
【図6】本実施の形態を実現するための画像形成装置のハードウェア構成の一例を示す説明図である。
【図7】本実施の形態を実現する複写機の外観の一例を示す説明図である。
【図8】プリンタ部の一例を示す説明図である。
【図9】画像読取部、地紋認識部が行う画像形成処理手順を示すフローチャートである。
【図10】画像読取部、地紋認識部が行う画像形成処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0102】
100 画像形成装置
101 操作部
102 画像読取部
103 画像処理部
104 地紋認識部
105 制御部
106 画像記憶部
107 画像出力部
108 転写紙搬送制御部
201 孤立画素検出部
202 位相情報記憶部
203 パターンマッチング部
204 地紋検出部
630 システムコントローラ
600 ワークメモリ
601 フレームメモリ
602 NVRAM
603 RAM
604 ROM
605 CPU
606 ネットワークI/Fコントローラ
607 システムI/F
608 609 FIFO
610 メモリコントローラ
611 612 613 バス制御
650 HDDC
631 操作パネル制御装置
614 入力装置
615 表示装置
616 ROM
617 CPU
618 RAM
619 バス制御
632 画像入出力制御装置
621 622 バス制御
623 画像書き込みユニット
624 画像読み取りユニット
625 CPU
626 電子写真プロセスユニット
627 転写紙搬送制御ユニット
628 RAM
629 ROM
633 課金装置I/Fユニット
634 原稿搬送制御ユニット
635 地紋認識ユニット
620 画像データバス/制御コマンドバス
10 スキャナ
20 操作ボード
30 ADF
33 両面ドライブユニット
34 フィニッシャ
35 給紙バンク
36 大容量給紙トレイ
400 プリンタ部
402 画像書き込みユニット
403 第1給紙トレイ
404 第2給紙トレイ
408 胴内排紙部
411 感光体
420 現像ユニット
460 搬送ベルト
A 転写紙待機位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿から画像情報を読取る画像読取手段と、
前記画像読取手段によって読み取られた前記画像情報が出力を禁止された禁止画像であるか否かを判定する禁止画像判定手段と、
前記禁止画像判定手段によって前記画像情報が前記禁止画像であると判定された場合に、前記画像情報が書き込まれる感光体への前記画像情報に対するトナーの吹きつけを禁止する制御手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記画像読取手段によって前記画像情報の読取りが開始された場合に、前記画像情報を転写する転写紙を待機位置まで搬送することを指示する転写紙搬送制御手段、をさらに備え、
前記制御手段は、さらに前記感光体への前記画像情報に対するトナーの吹きつけが禁止された場合に、前記転写紙搬送制御手段によって待機位置まで搬送することを指示された、前記画像情報が転写されていない前記転写紙の排紙を指示すること、を特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記禁止画像判定手段によって前記禁止画像でないと判定された場合に、前記画像読取手段によって読取られた前記画像情報を出力する画像出力手段、をさらに備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記禁止画像判定手段によって前記画像情報が前記禁止画像であるか否かを判定する状態を示す禁止画像判定モードが設定されているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって前記禁止画像判定モードが設定されていると判定された場合には、前記画像読取手段によって読取られた前記画像情報を格納する画像記憶手段と、をさらに備え、
前記制御手段は、前記禁止画像判定手段によって前記画像情報が前記禁止画像であると判定された場合に、前記画像記憶手段によって格納されている前記画像情報に対するトナーの吹きつけを禁止すること、を特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記判定手段によって前記禁止画像判定モードが設定されていないと判定された場合には、前記制御手段は、前記画像読取手段が前記画像情報を読取るごとに、読取った部分に対するトナーの吹きつけを指示すること、を特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記禁止画像判定手段によって前記画像情報が前記禁止画像であると判断された場合に、前記画像記憶手段に格納されている前記画像情報を判別不能に書換える画像変更手段と、をさらに備え、
前記制御手段は、さらに前記画像変更手段によって書換えられた前記画像情報が書き込まれる感光体への前記画像情報に対するトナーの吹きつけを禁止すること、を特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記禁止画像判定手段は、さらに前記画像読取手段によって読取られた前記画像情報のうち読取られた部分ごとに前記禁止画像であるか否かを判定し、
前記画像変更手段は、さらに前記禁止画像判定手段によって前記読取られた部分が前記禁止画像であると判定された場合に、前記読取られた部分ごとに前記画像情報を判別不能に書換えること、を特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記画像変更手段は、さらに前記画像情報が前記禁止画像であると判断された場合に、前記画像記憶手段に格納されている前記画像情報を黒色に塗りつぶすこと、を備えることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記禁止画像判定手段によって前記画像情報が前記禁止画像であると判断された場合に、前記画像記憶手段に格納している前記画像情報を消去する画像消去手段、をさらに備え、
前記制御手段は、さらに前記画像消去手段によって消去された前記画像情報が書き込まれる感光体への前記画像情報に対するトナーの吹きつけを禁止すること、を特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記禁止画像判定手段は、さらに前記画像読取手段によって読取られた前記画像情報のうち読取られた部分ごとに前記禁止画像であるか否かを判定し、
前記画像消去手段は、さらに前記禁止画像判定手段によって前記読取られた部分が前記禁止画像であると判定された場合に、前記読取られた部分ごとに前記画像情報を消去すること、を特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
原稿から画像情報を読取る画像読取手段と、
前記画像読取手段によって読み取られた前記画像情報が出力を禁止された禁止画像であるか否かを判定する禁止画像判定手段と、
前記禁止画像判定手段によって前記画像情報が前記禁止画像であると判定された場合に、前記画像情報が書き込まれる感光体への前記画像情報に対する潜像画像の形成を禁止する制御手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
原稿から画像情報を読取る画像読取ステップと、
前記画像読取ステップによって読取られた前記画像情報が出力を禁止された禁止画像であるか否かを判定する禁止画像判定ステップと、
前記禁止画像判定ステップによって前記画像情報が前記禁止画像であると判定された場合に、前記画像情報が書き込まれる感光体への前記画像情報に対するトナーの吹きつけを禁止する制御ステップと、
を有することを特徴とする画像形成方法。
【請求項13】
原稿から画像情報を読取る画像読取ステップと、
前記画像読取ステップによって読取られた前記画像情報が出力を禁止された禁止画像であるか否かを判定する禁止画像判定ステップと、
前記禁止画像判定ステップによって前記画像情報が前記禁止画像であると判定された場合に、前記画像情報が書き込まれる感光体への前記画像情報に対する潜像画像の形成を禁止する制御ステップと、
を備えることを特徴とする画像形成方法。
【請求項14】
請求項12または請求項13に記載された画像形成方法をコンピュータに実行させることを特徴とする画像形成プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3−1】
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【図3−2】
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【図3−3】
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【図4】
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【図5−1】
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【図5−2】
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【図5−3】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−325026(P2006−325026A)
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−147101(P2005−147101)
【出願日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】