画像形成装置、画像形成方法およびその制御プログラム
【課題】MICRジョブ等の特殊印刷ジョブの不正使用ができない範囲で画像形成装置の蓄積機能を使用可能にする。
【解決手段】プリンタエンジンと、記憶手段と、印刷データを解釈し、特殊トナーを用いる特殊印刷ジョブおよび通常トナーを用いる通常ジョブのいずれかを特定する第1のジョブ種別と、使用される印刷機能を特定する第2のジョブ種別とを識別する印刷データ解釈手段と、第1のジョブ種別と第2のジョブ種別とに応じて印刷データの蓄積可否についてセキュリティを考慮した決定をし、蓄積可と決定された場合は印刷データを記憶手段に蓄積させ、蓄積不可と決定された場合は印刷データの蓄積を禁止する印刷制御手段とを備える。
【解決手段】プリンタエンジンと、記憶手段と、印刷データを解釈し、特殊トナーを用いる特殊印刷ジョブおよび通常トナーを用いる通常ジョブのいずれかを特定する第1のジョブ種別と、使用される印刷機能を特定する第2のジョブ種別とを識別する印刷データ解釈手段と、第1のジョブ種別と第2のジョブ種別とに応じて印刷データの蓄積可否についてセキュリティを考慮した決定をし、蓄積可と決定された場合は印刷データを記憶手段に蓄積させ、蓄積不可と決定された場合は印刷データの蓄積を禁止する印刷制御手段とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小切手印刷等のセキュリティ印刷に対応した画像形成装置、画像形成方法およびその制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、セキュリティ印刷に対応した画像形成装置として、例えば、小切手印刷用のMICR(Magnetic ink character recognition)プリンタがある。このMICRプリンタでは、小切手が金券になってしまうため、不正使用や偽造、複製されてしまうことを防ぐ必要がある。そのための代表的な対策として、以下のような対応がとられる。
【0003】
(1)小切手として成立するために、MICR用トナー(磁性体トナー)、MICRフォント、小切手台紙が必要であることから、それぞれのリソースを不正に使用できなくする。
【0004】
(2)小切手を印刷するジョブは特殊な専用コマンドが埋め込まれ、この専用コマンドを含むジョブをMICRジョブと呼び、MICRジョブでのみ上記リソースを使用できるようにする。
【0005】
(3)MICRジョブがHDDに残っていると不正使用、偽造に使われる可能性があるため、この場合には蓄積文書印刷機能は使えなくする。
【0006】
従来は、上記のような対応を実施し、その結果、MICRプリンタはMICR印刷しかできない専用プリンタとして運用されていた。
【0007】
また、小切手印刷は銀行(支店含む)の根幹業務であるため、トラブルに備えるために、MICR印刷が可能なプリンタをバックアップ用を含め少なくとも2台設置する必要があった。しかし、通常の業務では1台で十分であるため、ユーザから以下のことを要求されている。
【0008】
(1)バックアップ用にはMICR印刷しかできない専用プリンタではなく通常のオフィス業務も行えるMFP(Multi Function Printer)として、通常はオフィス業務に使いたい。バックアップ用のMFPは必要に応じてトナーAIO(All−in−One)カートリッジを交換してMICR印刷に使用する。
【0009】
(2)MICR印刷用プリンタでは、セキュリティのため蓄積文書印刷機能が使えなかったので、バックアップ用のMFPでは蓄積文書印刷機能が使いたい。
【0010】
これらの要望にこたえるために、例えば、以下の手法が知られている。
【0011】
(1)既存製品に採用されている手法として、HDDへの蓄積印刷機能(機密印刷、試し印刷、保留印刷、保存印刷)を非搭載とし、MICRジョブも通常ジョブも蓄積しようとするとジョブキャンセルする。さらに、MICRジョブを印刷出力する前に必ず機器パネルからパスワード入力を行った後印刷させるモードを持つ。このような製品では、機器に入力されたジョブ順の処理となる(つまり、文書選択はできず先頭のジョブからひとつずつ出力される)。
【0012】
なお、機密印刷とは、プリンタの操作パネルから入力されたパスワードにより本人認証を行なうことで印刷を許可する印刷機能であり、試し印刷とは、ユーザが、設定した条件で1部のみを印刷し、印刷結果を確認した後に、残り部数を設定した条件で印刷する印刷機能であり、保留印刷とは、ホストからプリンタに印刷指示した文書をハードディスクに一時的に保存し、その後ユーザがプリンタの操作パネルから印刷の開始を指示することで印刷を行う印刷機能であり、保存印刷とは、印刷後も印刷データを保存しつづける印刷機能である。
【0013】
(2)特許文献1では、MICRジョブを蓄積可能としてユーザの利便性を向上させる目的で、MICRジョブを、印刷前に機器パネルからパスワード入力が必要なMICRジョブと、パスワード入力が不要なMICRジョブの2種類に別け、パスワード入力が必要なMICRジョブはHDDに蓄積して後続のジョブが印刷できるようにし、パスワード入力不要なMICRジョブはそのまま印刷させる。HDDに蓄積してあるMICRジョブは任意のタイミングで機器パネルから選択することにより印刷できるようにした画像形成装置が提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、上記のようにMICRジョブも通常ジョブも蓄積しようとするとジョブキャンセルする方法では、通常印刷でも蓄積機能が使えないという欠点がある。また、特許文献1に開示の手法では、HDDにデータを蓄積するので何度でも印刷が可能であり、パスワードの漏洩と蓄積ジョブの消し忘れが重なると不正に印刷されるリスクがある。また、プリンタ本体や、HDDまたは蓄積されたデータの盗難・流出により、それらが小切手等の偽造に使用されるリスクもある。
【0015】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、MICRジョブ等の特殊印刷ジョブの不正使用ができない範囲で画像形成装置の蓄積機能を使用可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の画像形成装置は、プリンタエンジンと、記憶手段と、印刷データを解釈し、特殊トナーを用いる特殊印刷ジョブおよび通常トナーを用いる通常ジョブのいずれかを特定する第1のジョブ種別と、使用される印刷機能を特定する第2のジョブ種別とを識別する印刷データ解釈手段と、前記第1のジョブ種別と前記第2のジョブ種別とに応じて印刷データの蓄積可否についてセキュリティを考慮した決定をし、蓄積可と決定された場合は印刷データを前記記憶手段に蓄積させ、蓄積不可と決定された場合は印刷データの蓄積を禁止する印刷制御手段とを備えることを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、画像形成装置における画像形成方法であって、印刷データ解釈手段が、印刷データを解釈し、特殊トナーを用いる特殊印刷ジョブおよび通常トナーを用いる通常ジョブのいずれかを特定する第1のジョブ種別と、使用される印刷機能を特定する第2のジョブ種別とを識別するステップと、印刷制御手段が、前記第1のジョブ種別と前記第2のジョブ種別とに応じて印刷データの蓄積可否についてセキュリティを考慮した決定をし、蓄積可と決定された場合は印刷データを記憶手段に蓄積させ、蓄積不可と決定された場合はプリンタエンジンに印刷を実行させるステップとを含むことを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、画像形成装置の制御手段を、印刷データを解釈し、特殊トナーを用いる特殊印刷ジョブおよび通常トナーを用いる通常ジョブのいずれかを特定する第1のジョブ種別と、使用される印刷機能を特定する第2のジョブ種別とを識別する印刷データ解釈手段、および、前記第1のジョブ種別と前記第2のジョブ種別とに応じて印刷データの蓄積可否についてセキュリティを考慮した決定をし、蓄積可と決定された場合は印刷データを記憶手段に蓄積させ、蓄積不可と決定された場合は前記プリンタエンジンに印刷を実行させる印刷制御手段として機能させる制御プログラムである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、MICR用トナー等の特殊トナーを用いる特殊印刷ジョブか通常トナーを用いる通常ジョブかを示す第1のジョブ種別と使用される印刷機能(印刷データの蓄積を伴う印刷機能および蓄積を伴わない印刷機能)の種別を示す第2のジョブ種別とに応じて印刷データの蓄積の可否を決定することにより、印刷データの蓄積を伴う印刷機能を使用する特殊印刷ジョブの不正使用ができない範囲で、特殊印刷ジョブおよび通常ジョブにおいて蓄積機能が使用可能となるという効果を奏する。
【0020】
また、特殊印刷ジョブに係るデータを揮発性メモリ上に蓄積または一時保存させることにより、HDDに蓄積させた場合のような、不正印刷のリスクがなくなり、また、データの盗難・流出により偽造に使われる可能性も防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、レーザープリンタのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、画像形成処理に係るプリンタ1の第1の機能構成を概略的に示す模式図である。
【図3】図3は、画像形成処理に係るプリンタ1の第2の機能構成を概略的に示す模式図である。
【図4】図4は、印刷データ蓄積処理制御部による印刷データの蓄積先の切替えを模式的に示す図である。
【図5】図5は、ジョブ種別が、MICRジョブと通常ジョブの2種類、蓄積ジョブ種別が通常印刷と蓄積印刷の2種類とした場合の印刷データの蓄積可否を決定するためのテーブル(蓄積可否テーブル)を示す図である。
【図6】図6は、ジョブ種別が、MICRジョブと通常ジョブの2種類、蓄積ジョブ種別が通常印刷と、機密印刷、試し印刷、保留印刷および保存印刷の5種類とした場合の印刷データの蓄積可否を決定するための蓄積可否テーブルの一例を示す図である。
【図7】図7は、第1の機能構成における、図5または図6に示した蓄積可否テーブルで規定された内容に従った印刷制御を行う場合の動作を説明するフローチャートである。
【図8】図8は、蓄積文書管理情報の一例を示す図である。
【図9】図9は、ジョブ種別が、MICRジョブと通常ジョブの2種類、蓄積ジョブ種別が通常印刷と、機密印刷、試し印刷、保留印刷および保存印刷の5種類とした場合の印刷データの蓄積可否を決定するための蓄積可否テーブルの他の例を示す図である。
【図10】図10は、第1の機能構成において、図9に例示した蓄積可否テーブルで規定された内容に従った印刷制御を行う場合の実施例2における動作を説明するフローチャートである。
【図11】図11は、蓄積されたMICRジョブまたは通常ジョブの印刷データ(文書)を、ユーザが操作パネルを操作して印刷する場合の実施例2における印刷制御を説明するフローチャートである。
【図12】図12は、印刷可否テーブルの一例を示す図である。
【図13】図13は、第2の機能構成において、図9に例示した蓄積可否テーブルで規定された内容に従った印刷制御を行う場合の実施例3における動作を説明するフローチャートである。
【図14】図14は、蓄積されたMICRジョブまたは通常ジョブの印刷データ(文書)を、ユーザが操作パネルを操作して印刷する場合の実施例3における印刷制御を説明するフローチャートである。
【図15】図15は、操作パネル上の蓄積文書選択画面の一例を示す図である。
【図16】図16は、操作パネル上のパスワード入力画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる画像形成装置の実施の形態を詳細に説明する。
【0023】
以下に説明する実施形態(諸実施例)は、MCIR印刷が可能な画像形成装置でホストコンピュータから印刷データを蓄積させるジョブを受け付けたときの処理において、従来技術のように蓄積ジョブを蓄積可否設定だけで無条件に蓄積するかジョブキャンセルするかを決定するのではなく、ジョブ種別と蓄積ジョブ種別に従って、印刷データの蓄積の可否を決定する点が基本的な(共通する)特徴となっている。
【0024】
はじめに、本実施形態のレーザープリンタのハードウェア構成について、図1を用いて説明する。図1は、レーザープリンタのハードウェア構成を示すブロック図である。
【0025】
レーザープリンタ1(以下、プリンタ1と記す)は、コントローラ101、操作パネル102およびプリンタエンジン103を含んで構成される。なお、プリンタ1は、PC(パーソナルコンピュータ)等のホストコンピュータ2と接続され、このホストコンピュータ2から印刷ジョブ等を受ける。なお、ホストコンピュータ2は、プリンタ1に対し印刷データを送信して印刷要求を行うが、特にMICR印刷を行う際は、その印字データ、およびMICR印刷を指示するコマンドや各種設定値を含む印字制御データ等からなる印刷データを生成し、これをMICRジョブとしてプリンタ1に送信する。
【0026】
コントローラ101は、その動作時点に設定されている動作モードおよびホストコンピュータ2からの印字制御データに従って、ホストコンピュータ2からの印字データを画像データ(ビットマップデータ)に変換(レンダリング)しプリンタエンジン103へ出力する制御手段である。このコントローラ101はさらに、後述するモジュールで構成される。
【0027】
操作パネル102は、プリンタ1の状態を示す液晶パネル等を用いた表示部と、ユーザがプリンタ1の動作モードやフォント等の切替えやパスワードの入力等を行うためのタッチパネルなどを用いた入力部とから構成される。
【0028】
プリンタエンジン103は、プロセスカートリッジ120を備える。プロセスカートリッジ120は、感光体を内蔵し、他に帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段等を含んだ1つの部品であり、プリンタ1に対し着脱可能としたものである。プリンタエンジン103は、コントローラ101からの制御信号および画像データに従ってプロセスカートリッジ120の感光体上に静電潜像を生成してそれを現像し、さらに給紙部より転写紙を給紙して、現像した画像をこの転写紙に転写および定着することにより、転写紙上に画像を形成する、いわゆる電子写真方式の画像形成手段である。なお、プリンタエンジン103は、プロセスカートリッジ120ではなく、トナーカートリッジを用いる構成とすることもできる。その場合、感光体、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段等は、トナーカートリッジとは別の部品としてプリンタエンジン103が備える。
【0029】
ここで、コントローラ101に備わる各モジュールについて説明する。
【0030】
ホストI/F110は、ホストコンピュータ2からプリンタ1への印刷ジョブとして送られる印刷データ(印字制御データおよび印字データを含む)およびプリンタ1からホストコンピュータ2へのステータス信号を送受信するためのインタフェースである。なお、本実施形態では、印刷データの一例としてPDL(Page Description Language)データを用いるものとする。
【0031】
CPU111は、プログラムROM112に格納された制御プログラムに従ってホストコンピュータ2からの印刷データを処理する。
【0032】
プログラムROM112は、CPU111が、コントローラ101内でのデータの管理や、周辺モジュールを統括的に制御するための制御プログラムが格納されている。
【0033】
RAM113は、CPU111が各種処理を実行する際のワークメモリ等として使用され、またホストコンピュータ2からの印刷データをページ単位に管理して一時記憶するバッファとして、また印字データから変換された画像データ(印字パターン)を記憶するビットマップメモリ(画像メモリ、展開メモリ)としても使用される。
【0034】
フォントROM114は、印字に使用されるさまざまな種類のフォントデータが格納されている。
【0035】
NV−RAM115は、電源を切っても保持したいデータ、例えば、印刷制御に用いられる、操作パネル102を介して設定された所定の設定値や、所定の印刷制御情報や、後述の蓄積文書管理情報等の情報を格納しておくための不揮発性RAMである。
【0036】
操作パネルI/F116は、操作パネル102を介してユーザが、プリンタ1の状態の表示や、動作モードおよびフォント等の切替え等を行えるように、コントローラ101が操作パネル102との間で信号のやりとりをするためのインタフェースである。
【0037】
エンジンI/F117は、コントローラ101からプリンタエンジン103への制御信号、およびプリンタエンジン103からコントローラ101へのステータス信号のやりとりをするためのインタフェースである。
【0038】
HDD118は、不揮発性記憶手段としてのハードディスクであり、ホストコンピュータ2からの印刷データの蓄積や、印字データから変換されたビットマップデータの蓄積や保存のため、また一時記憶のためのバッファやワーク用領域等として、様々な用途で使用する。
【0039】
オプションRAM119は、RAM113を補完する着脱自在なRAMである。
【0040】
このように構成されるプリンタ1において、ホストI/F110を通してホストコンピュータ2から送られてきた印刷データ(PDLデータ)は、CPU111により印字データおよび印字制御データとその他に分けられ、印字データおよび印字制御データはそれぞれ、画像データ(ビットマップデータ)およびプリンタ1内部で使用される制御コードに変換されてHDD118またはRAM113に記憶される。その際、ホストコンピュータ2からの印刷ジョブまたはデータが1ページ分を超えた時、コントローラ101はまず、印字データから生成した中間コードを画像データに変換し、それが終了すると、エンジンI/F117を通してプリンタエンジン103にプリントスタートの命令を出す。そして、この命令に応じてプリンタエンジン103が印刷を開始する。
【0041】
以上の一連の流れで、ホストコンピュータ2からの印刷データがプリンタ1のプリンタエンジン103により印字される。
【0042】
続いて、制御プログラムに従って機能するプリンタ1の機能構成について説明する。
【0043】
図2は、画像形成処理に係るプリンタ1の第1の機能構成を概略的に示す模式図である。図2に示すように、プリンタ1に備わるCPU111は、制御プログラムによって、通信制御部201、印刷データ解釈部202、印刷データ描画部203、印刷制御部204、カートリッジ判別部205、印刷データ蓄積処理制御部206、操作パネル制御部207、および認証処理部208として機能し、各機能部は、プリンタ1を構成する各構成要素と協働する。
【0044】
通信制御部201は、LAN(Local Area Network)やUSB(Universal Serial Bus)ケーブル等の通信回線を介したプリンタ1およびホストコンピュータ2間の信号のやりとりを制御する。
【0045】
印刷データ解釈部202は、ホストコンピュータ2から送信されたPDLによる印刷データの解釈を行い、ジョブ種別および蓄積ジョブ種別の判別を行う。印刷データに含まれるMICRジョブを示すコマンドを認識し、このコマンドが含まれる場合は、MICRジョブとして識別し、含まれない場合は通常ジョブとして識別する。また、蓄積文書(機密印刷文書、試し印刷文書、保留印刷文書、保存印刷文書)の指定コマンドを認識し、蓄積ジョブ種別(機密印刷、試し印刷、保留印刷、保存印刷)を識別する。各識別結果は印刷制御部204へ通知する。また、下記の印刷データ蓄積処理制御部206により印刷データの蓄積処理が行われる場合は、印刷データが印刷データ蓄積処理制御部206へ渡される。
【0046】
印刷データ描画部203は、印刷データ(PDLデータ)から、最終的に印刷するビットマップデータ(画像データ)を生成する。
【0047】
印刷制御部204は、プリンタエンジン103に対し、印刷データ描画部203により生成されたビットマップデータを、転写紙に画像形成させ印刷物を出力させる印刷制御を行う。その際、印刷データ解釈部202から渡されるジョブ種別、蓄積ジョブ種別に従い、下記の印刷データ蓄積処理制御部206やプリンタエンジン103に対し、印刷データの蓄積(以下、文書蓄積とも記す)や印刷を制御する。また、下記のカートリッジ判別部205により判別された、現在装着されているプロセスカートリッジ120のトナーの種別に従い、印刷やエラー停止を制御する。この印刷制御部204による制御の詳細は後述する。
【0048】
カートリッジ判別部205は、プリンタエンジン103からプロセスカートリッジ120の属性(この情報は、例えば、プロセスカートリッジ120に備わるIDチップから取得することができる)を取得し、このプロセスカートリッジ120に充填されたトナーの種別の判別を行う。
【0049】
印刷データ蓄積処理制御部206は、HDD118への印刷データの蓄積(文書蓄積)、HDD118からの印刷データの読み出し、およびHDD118に蓄積されている印刷データの消去を行う。
【0050】
操作パネル制御部207は、蓄積文書の選択画面やパスワード入力画面などの操作パネル102への画面表示制御、および操作パネル102を介して設定された各設定値をNV−RAM115に保存する制御を行う。
【0051】
認証処理部208は、印刷データ解釈部202により解釈された蓄積ジョブ種別が機密印刷または保留印刷の印刷データに含まれるパスワードと、操作パネル102からユーザが入力したパスワードとを照合し、一致した場合に機密印刷または保留印刷を許可する認証処理を行う。
【0052】
図3は、画像形成処理に係るプリンタ1の第2の機能構成を概略的に示す模式図である。図3の構成は、図2に示した機能構成に対し、図4に示すように、印刷データ蓄積処理制御部206が、通常ジョブについては、印刷データ(例えば、図4の文書Aデータ、文書Cデータ)をHDD118に蓄積するが、MICRジョブについては、HDD118ではなく揮発性メモリ(RAM113)に印刷データ(例えば、図4の文書Bデータ)を蓄積し、揮発性メモリからの印刷データの読み出しおよび揮発性メモリに蓄積されている印刷データの消去を行う構成となっている。それ以外は、図2を用いて説明した前述の第1の機能構成と同様であり、本構成の詳細な説明は省略する。なお、本構成における動作の詳細は後述する。
【0053】
続いて、プリンタ1の動作について、諸実施例を例示し説明する。
【0054】
(実施例1)
図5は、ジョブ種別が、MICRジョブと通常ジョブの2種類、蓄積ジョブ種別が通常印刷と蓄積印刷の2種類とした場合の印刷データの蓄積可否を決定するためのテーブル(蓄積可否テーブルと称す)を示している。同図に示すように、MICRジョブについては、蓄積ジョブ種別が通常印刷の場合および蓄積印刷の場合ともに蓄積不可と規定し、通常ジョブについては、蓄積ジョブ種別が通常印刷の場合は蓄積不可と規定し、一方、蓄積ジョブ種別が蓄積印刷の場合は、蓄積可と規定している。
【0055】
図6は、ジョブ種別が、MICRジョブと通常ジョブの2種類、蓄積ジョブ種別が通常印刷と、機密印刷、試し印刷、保留印刷および保存印刷の5種類とした場合の印刷データの蓄積可否を決定するための蓄積可否テーブルを示している。同図に示すように、MICRジョブについては、蓄積ジョブ種別が通常印刷、機密印刷、試し印刷、保留印刷および保存印刷の場合のいずれの場合も蓄積不可と規定している。一方、通常ジョブについては、蓄積ジョブ種別が通常印刷の場合は蓄積不可と規定し、機密印刷、試し印刷、保留印刷および保存印刷の場合は、蓄積可と規定している。図6の例は、機密印刷、試し印刷、保留印刷および保存印刷を、図5に示した蓄積印刷に相当するものとして規定している。
【0056】
本実施例は、前述の第1の機能構成における、図5または図6に示した蓄積可否テーブルで規定された内容に従った印刷制御を行う場合の実施例である。以下に、その印刷制御の詳細について、図7のフローチャートを用いて説明する。なお、図7のフローチャートでは、図6の蓄積可否テーブルに示す機密印刷、試し印刷、保留印刷および保存印刷をまとめて蓄積印刷として扱う。
【0057】
はじめに、通信制御部201が、ホストコンピュータ2から送信された印刷データをホストI/F110を介して受信する(ステップS701)。
【0058】
次いで、印刷データ解釈部202が、通信制御部201が受信した印刷データを解釈し、ジョブ種別と蓄積ジョブ種別を識別する(ステップS702)。識別結果は、印刷データ解釈部202から印刷制御部204へ通知される。
【0059】
印刷制御部204は、印刷データ解釈部202から通知されたジョブ種別と蓄積ジョブ種別に従って印刷データの蓄積や印刷を制御するために、蓄積可否決定処理を実行する。この処理ではまず、ジョブ種別がMICRジョブであるか通常ジョブであるかを判定する(ステップS703)。
【0060】
ステップS703で通常ジョブであると判定されると、ステップS704でさらに蓄積ジョブ種別が蓄積印刷であるか否かを判定する。
【0061】
蓄積ジョブ種別が蓄積印刷である場合(ステップS704でYes)、印刷制御部204は印刷データ蓄積処理制御部206に印刷データをHDD118に蓄積・保存させる(ステップS706)。このとき図8に一例を示す蓄積文書管理情報をNV−RAM115に保存する。図8に例示する蓄積文書管理情報には、HDD118に蓄積保存する文書名と、ジョブ種別と、蓄積ジョブ種別に対応する蓄積文書種別(機密印刷文書、試し印刷文書、保留印刷文書および保存印刷文書)と、パスワード(機密印刷文書および保留印刷文書の場合に該当の印刷データに設定されているパスワード)、蓄積印刷データファイル名等が含まれている。なお、蓄積文書種別として、蓄積ジョブ種別そのものを設定するようにしてもよい。印刷データを蓄積する際、このような蓄積文書管理情報をNV−RAM115に保存することによって、文書名、ジョブ種別、蓄積ジョブ種別およびパスワード等を蓄積される印刷データに関連付けて管理する。
【0062】
一方、蓄積ジョブ種別が蓄積印刷でない場合(ステップS704でNo)、印刷制御部204は、印刷データ描画部203からの画像データをプリンタエンジン103に印刷させる印刷処理を実行する(ステップS707)。
【0063】
また、上記ステップS703でMICRジョブと判定された場合は、印刷制御部204は、印刷データの蓄積を禁止し、印刷データ描画部203からの画像データをプリンタエンジン103に印刷させる印刷処理を実行する(ステップS707)。なお、図7のステップS705の判断処理は、図5および図6の蓄積可否テーブルの規定に対応させ記述したものであり、実際の処理では不要である。また、図7では、蓄積可否決定処理を一連の処理(ステップS703〜S705)として行うよう図示しているが、図5または図6に例示した蓄積可否テーブルを参照して、印刷データ解釈部202から通知されたジョブ種別および蓄積ジョブ種別に対応する蓄積可/蓄積不可の情報を取得することにより、印刷データの蓄積の可否を決定する構成とすることもできる。
【0064】
(実施例2)
図9は、ジョブ種別が、MICRジョブと通常ジョブの2種類、蓄積ジョブ種別が通常印刷と、機密印刷、試し印刷、保留印刷および保存印刷の5種類とした場合の印刷データの蓄積可否を決定するための蓄積可否テーブルを示している。同図の例は前述の図6の例と異なり、MICRジョブについて、蓄積ジョブ種別が通常印刷、試し印刷および保存印刷の場合は蓄積不可と規定し、蓄積ジョブ種別が機密印刷および保留印刷の場合は蓄積可としている。一方、通常ジョブについては、蓄積ジョブ種別が通常印刷の場合は蓄積不可と規定し、機密印刷、試し印刷、保留印刷および保存印刷の場合は、蓄積可と規定している。
【0065】
本実施例は、前述の第1の機能構成において、図9に例示した蓄積可否テーブルで規定された内容に従った印刷制御を行う場合の実施例である。以下に、本実施例における印刷制御の詳細について、図10のフローチャートを用いて説明する。なお、図10のフローチャートでは、MICRジョブに対する印刷処理を行う際、その前にカートリッジ判別部205による判別結果(プロセスカートリッジ120のトナーがMICRトナーであるか通常トナーであるか)を反映させる処理を含めている。なお、図10では、プリンタ1の通常の状態で通常トナーのプロセスカートリッジが装着され、MICR印刷の際、MICRトナーのプロセスカートリッジに交換されるものとする。また、通常ジョブに対しては、図9の蓄積可否テーブルに示す機密印刷、試し印刷、保留印刷および保存印刷をまとめて蓄積印刷として扱う。
【0066】
はじめに、通信制御部201が、ホストコンピュータ2から送信された印刷データをホストI/F110を介して受信する(ステップS1001)。
【0067】
次いで、印刷データ解釈部202が、通信制御部201が受信した印刷データを解釈し、ジョブ種別と蓄積ジョブ種別を識別する(ステップS1002)。識別結果は、印刷データ解釈部202から印刷制御部204へ通知される。
【0068】
印刷制御部204は、印刷データ解釈部202から通知されたジョブ種別と蓄積ジョブ種別に従って文書蓄積や印刷を制御するために、蓄積可否決定処理を実行する。この処理ではまず、ジョブ種別がMICRジョブであるか通常ジョブであるかを判定する(ステップS1003)。
【0069】
ステップS1003で通常ジョブであると判定されると、ステップS1004でさらに蓄積ジョブ種別が蓄積印刷(ここでは、機密印刷、試し印刷、保留印刷および保存印刷)であるか否かを判定する。
【0070】
蓄積ジョブ種別が蓄積印刷である場合(ステップS1004でYes)、印刷制御部204は印刷データ蓄積処理制御部206に印刷データをHDD118に蓄積・保存させる(ステップS1006)。このとき前述の図8に一例を示す蓄積文書管理情報をNV−RAM115に保存する。文書データ(印刷データ)を蓄積する際、このような蓄積文書管理情報をNV−RAM115に保存することによって、ジョブ種別(MICRジョブ/通常ジョブ)を印刷データに関連付けて管理する。
【0071】
一方、蓄積ジョブ種別が蓄積印刷でない場合(ステップS1004でNo)、印刷制御部204は、印刷データ描画部203からの画像データをプリンタエンジン103に印刷させる印刷処理を実行する(ステップS1007)。
【0072】
また、上記ステップS1003でジョブ種別がMICRジョブと判定された場合は、印刷制御部204は、さらに、蓄積ジョブ種別が機密印刷または保留印刷であるか、通常印刷または試し印刷または保存印刷であるか、を判定する(ステップS1005)。
【0073】
ステップS1005で蓄積ジョブ種別が機密印刷または保留印刷であると判定された場合、ステップS1008へ移行し、印刷制御部204は、印刷データ蓄積処理制御部206に印刷データをHDD118に蓄積・保存させる。
【0074】
一方、ステップS1005で蓄積ジョブ種別が通常印刷または試し印刷または保存印刷であると判定された場合は、印刷データの蓄積を禁止することとして、さらに、ステップS1009において、印刷制御部204は、プリンタ1に装着されているプロセスカートリッジ120に対するカートリッジ判別部205の判別結果(トナー種別:MICRトナー/通常トナー)を取得し、ステップS1010において、カートリッジ判別部205による判別結果から、MICRトナーであるか通常トナーであるかの判定をする。
【0075】
ステップS1010でMICRトナーであると判定された場合、印刷制御部204は、印刷データ描画部203からの画像データをプリンタエンジン103に印刷させる印刷処理を実行する(ステップS1011)。なお、ステップS1005で蓄積ジョブ種別が通常印刷または試し印刷または保存印刷であると判定された場合で、特に蓄積ジョブ種別が試し印刷または保存印刷の場合は、当該ジョブをキャンセルする制御をする、つまり、MICRジョブで、試し印刷または保存印刷の場合は、蓄積も印刷もせずにキャンセルするようにしてもよい。
【0076】
一方、ステップS1010で通常トナーであると判定された場合、ステップS1012へ移行し、印刷制御部204は、ユーザにプロセスカートリッジ交換を促すエラー表示を操作パネル102に表示するよう、操作パネル制御部207を制御し、プロセスカートリッジ交換を待つ(ステップS1009に戻る)。その後、ユーザによりMICRトナーのプロセスカートリッジに交換されたことがカートリッジ判別部205により検出されると、ステップS1009のトナー種別の取得後、ステップS1010でMICRトナーであると判定され、ステップS1011にて印刷処理が実行されることとなる。
【0077】
なお、図10では、蓄積可否決定処理を一連の判断処理(ステップS1003〜S1005)として行うよう図示しているが、図9に例示した蓄積可否テーブルを参照し、印刷データ解釈部202から通知されたジョブ種別および蓄積ジョブ種別に対応する蓄積可/蓄積不可の情報を取得することにより、印刷データの蓄積の可否を決定する構成とすることもできる。その場合、所定の権限をもつプリンタ1の管理者は、蓄積可否テーブルの内容を追加・変更するだけで、蓄積可否決定処理を適宜にかつ任意に変更することができるようになる。
【0078】
次に、蓄積されたMICRジョブまたは通常ジョブの印刷データ(文書)を、ユーザが操作パネル102を操作して印刷する場合の印刷制御を、図11のフローチャートを用いて説明する。
【0079】
はじめに、ユーザが操作パネル102から、蓄積された文書を選択し、印刷指示を行うと(ステップS1101;例えば、図15に示す操作パネル102上の蓄積文書選択画面から選択することができる)、選択された文書の情報(文書名)と印刷指示が操作パネル制御部207から印刷制御部204に通知される。なお、このとき蓄積されている印刷データは、図10のステップS1006およびステップS1008で蓄積されたデータである。
【0080】
印刷制御部204は、操作パネル制御部207から通知された文書名を基に、NV−RAM115に格納されている蓄積文書管理情報から印刷対象の文書のジョブ種別を取得する(ステップS1102)。
【0081】
次いで、印刷制御部204は、ステップS1102で取得したジョブ種別がMICRジョブであるのか、通常ジョブであるのか判定する(ステップS1103)。
【0082】
通常ジョブである場合はステップS1103からステップS1105へ移行し、MICRジョブである場合は、ユーザにより選択された文書の蓄積ジョブ種別が機密印刷または保留印刷であるので、続くステップS1104にて認証処理を行う。
【0083】
ステップS1104の認証処理では、例えば図16に示すパスワード入力画面を操作パネル102に表示させ、入力されたパスワード入力情報と文書管理情報にある該当の印刷データに設定されているパスワードとを照合し一致した場合にはMICR印刷を許可しステップS1105へ移行する。不一致の場合は、再度パスワード入力画面を表示したりエラー表示をするなどの処理を行う。
【0084】
ステップS1105では、印刷制御部204は、プリンタ1に装着されているプロセスカートリッジ120に対するカートリッジ判別部205の判別結果(トナー種別:MICRトナー/通常トナー)を取得する。
【0085】
次に、印刷制御部204は、取得したジョブ種別とカートリッジ判別部205の判別結果(MICRトナー/通常トナー)に従って印刷の可否を決定する印刷可否決定処理を実行する。この処理ではまず、印刷制御部204が、ステップS1102で取得したジョブ種別の情報から、印刷対象の文書のジョブ種別が通常ジョブであるのか、MICRジョブであるのか判定を行う(ステップS1106)。
【0086】
ステップS1106でジョブ種別が通常ジョブであると判定された場合、印刷制御部204は、さらにステップS1107において、カートリッジ判別部205による判別結果から、プロセスカートリッジ120のトナーがMICRトナーであるのか通常トナーであるのかの判定をする。
【0087】
ステップS1107で通常トナーであると判定された場合、印刷制御部204は、印刷データ描画部203からの画像データをプリンタエンジン103に印刷させる印刷処理(通常トナーを用いた通常印刷)を実行する(ステップS1109)。
【0088】
一方、ステップS1107でMICRトナーであると判定された場合、ステップS1110へ移行し、印刷制御部204は、ユーザにプロセスカートリッジ交換を促すエラー表示を操作パネル102に表示するよう、操作パネル制御部207を制御し、さらにステップS1111で、プリンタ1に装着されているプロセスカートリッジ120に対するカートリッジ判別部205の判別結果(トナー種別:MICRトナー/通常トナー)を取得し、プロセスカートリッジ交換を待つ(ステップS1107に戻る)。その後、ユーザにより通常トナーのプロセスカートリッジに交換されたことがカートリッジ判別部205により検出されると、ステップS1111のトナー種別の取得後、ステップS1107で通常トナーであると判定され、ステップS1109にて印刷処理(通常トナーを用いた通常印刷)が実行されることとなる。このように、通常ジョブではMICR用トナーを使用できないようにすることで、偽造防止を行える。
【0089】
また、上記ステップS1106でMICRジョブと判定された場合は、印刷制御部204は、さらに、カートリッジ判別部205による判別結果から、プロセスカートリッジ120のトナーがMICRトナーであるか通常トナーであるかの判定をする(ステップS1108)。
【0090】
ステップS1108でMICRトナーであると判定された場合、印刷制御部204は、印刷データ描画部203からの画像データをプリンタエンジン103に印刷させる印刷処理(MICRトナーを用いたMICR印刷)を実行する(ステップS1109)。なお、MICRジョブに対する本印刷処理では、印刷が完了すると、HDD118に保存されている印刷済みの印刷データを削除し、複数回印刷できないようにする。
【0091】
一方、ステップS1108で通常トナーであると判定された場合、ステップS1112へ移行し、印刷制御部204は、ユーザにプロセスカートリッジ交換を促すエラー表示を操作パネル102に表示するよう、操作パネル制御部207を制御し、さらにステップS1113で、プリンタ1に装着されているプロセスカートリッジ120に対するカートリッジ判別部205の判別結果(トナー種別:MICRトナー/通常トナー)を取得し、プロセスカートリッジ交換を待つ(ステップS1108に戻る)。その後、ユーザによりMICRトナーのプロセスカートリッジに交換されたことがカートリッジ判別部205により検出されると、ステップS1113のトナー種別の取得後、ステップS1108でMICRトナーであると判定され、ステップS1109にて印刷処理(MICRトナーを用いたMICR印刷)が実行されることとなる。これにより、誤って通常トナーで印刷を行い、無効な印刷物が出力されてしまうことを防げる。
【0092】
なお、図11では、印刷可否決定処理を一連の処理(ステップS1106〜S1108)として行うよう図示しているが、図12に例示する印刷可否テーブルを参照して、ステップS1102およびステップS1105で取得したジョブ種別およびカートリッジ判別部205の判別結果(MICRトナー/通常トナー)に対応する印刷可/印刷不可の情報を取得することにより、印刷の可否を決定する構成とすることもできる。
【0093】
(実施例3)
本実施例は、前述の第2の機能構成における、図9に示した蓄積可否テーブルで規定された内容に従った印刷制御を行う場合の実施例である。以下では、本実施例における印刷制御の詳細について、図13および図14のフローチャートを用いて説明する。
【0094】
図13に示すフローチャートが、前述した図10のフローチャートと異なる点は、図10では、ジョブ種別がMICRジョブであり、かつ蓄積ジョブ種別が機密印刷または保留印刷である場合に、ステップS1008においてHDD118に印刷データを蓄積・保存する制御を行っていたのに対し、本実施例では、図10のステップS1008に対応するステップS1308において、HDD118ではなく揮発性メモリ(RAM113等)に、対象の印刷データを蓄積・保存する点である。その他は図10の処理の流れと同様であり、ここでは同一の処理についてはその説明を省略する。なお、図10および図13において、同一の処理には同一の符号を附している。
【0095】
また、図14に示すフローチャートが、前述した図11のフローチャートと異なる点は、ジョブ種別がMICRジョブであり、かつ装置に装着されているプロセスカートリッジ120のトナーがMICRトナーである場合に行う印刷処理(図11ではステップS1109に相当)において、図14のフローチャートでは、ステップS1409において、印刷処理としてHDD118ではなく展開メモリとしての揮発性メモリ(RAM113等)上で印刷データをビットマップに展開し、これを印刷する。そして、印刷処理後、ステップS1410において、揮発性メモリ上の印刷済みMICRジョブの印刷データと、展開後の画像データとをクリアするようにした点である。
【0096】
本実施例では、図13に示すように、機密印刷または保留印刷を行うMICRジョブについては、その印刷データを揮発性メモリに蓄積・保存し、また、図14に示すように、揮発性メモリ上の領域を展開メモリとして印刷データから画像データへの展開を行うようにしたことで、前述の実施例2のようにHDD118に蓄積・保存した場合に起こりうる、装置の廃棄時等におけるデータ流出を防止することができる。また、MICRジョブの印刷が一度完了すると、その印刷データと展開メモリはクリアされるので、従来のようにいずれかの記憶手段に残ったデータから不正にMICR印刷をされることを防止することができる。
【0097】
以上、発明を実施するための実施の形態について説明を行ったが、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではない。本発明の主旨を損なわない範囲で変更することが可能である。上記実施形態では、画像形成装置の一例として、レーザープリンタを例に説明したが、これに限らず、その構成・動作を、その他の種類のプリンタや、複写機や、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有する複合機等に適用することが可能である。
【0098】
また、上記実施形態のコントローラ101のCPU111で実行される制御プログラムは、プログラムROM112に予め組み込まれるものとして説明したが、この制御プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルとしてCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。また、この制御プログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、インターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【符号の説明】
【0099】
1 レーザープリンタ
2 ホストコンピュータ
101 コントローラ
102 操作パネル
103 プリンタエンジン
110 ホストI/F
111 CPU(制御手段)
112 プログラムROM
113 RAM(記憶手段、揮発性メモリ)
114 フォントROM
115 NV−RAM(管理情報保持手段)
116 操作パネルI/F
117 エンジンI/F
118 HDD(記憶手段)
119 オプションRAM
120 プロセスカートリッジ
201 通信制御部
202 印刷データ解釈部
203 印刷データ描画部
204 印刷制御部
205 カートリッジ判別部
206 印刷データ蓄積処理制御部
207 操作パネル制御部
208 認証処理部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0100】
【特許文献1】特開2009−269292号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、小切手印刷等のセキュリティ印刷に対応した画像形成装置、画像形成方法およびその制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、セキュリティ印刷に対応した画像形成装置として、例えば、小切手印刷用のMICR(Magnetic ink character recognition)プリンタがある。このMICRプリンタでは、小切手が金券になってしまうため、不正使用や偽造、複製されてしまうことを防ぐ必要がある。そのための代表的な対策として、以下のような対応がとられる。
【0003】
(1)小切手として成立するために、MICR用トナー(磁性体トナー)、MICRフォント、小切手台紙が必要であることから、それぞれのリソースを不正に使用できなくする。
【0004】
(2)小切手を印刷するジョブは特殊な専用コマンドが埋め込まれ、この専用コマンドを含むジョブをMICRジョブと呼び、MICRジョブでのみ上記リソースを使用できるようにする。
【0005】
(3)MICRジョブがHDDに残っていると不正使用、偽造に使われる可能性があるため、この場合には蓄積文書印刷機能は使えなくする。
【0006】
従来は、上記のような対応を実施し、その結果、MICRプリンタはMICR印刷しかできない専用プリンタとして運用されていた。
【0007】
また、小切手印刷は銀行(支店含む)の根幹業務であるため、トラブルに備えるために、MICR印刷が可能なプリンタをバックアップ用を含め少なくとも2台設置する必要があった。しかし、通常の業務では1台で十分であるため、ユーザから以下のことを要求されている。
【0008】
(1)バックアップ用にはMICR印刷しかできない専用プリンタではなく通常のオフィス業務も行えるMFP(Multi Function Printer)として、通常はオフィス業務に使いたい。バックアップ用のMFPは必要に応じてトナーAIO(All−in−One)カートリッジを交換してMICR印刷に使用する。
【0009】
(2)MICR印刷用プリンタでは、セキュリティのため蓄積文書印刷機能が使えなかったので、バックアップ用のMFPでは蓄積文書印刷機能が使いたい。
【0010】
これらの要望にこたえるために、例えば、以下の手法が知られている。
【0011】
(1)既存製品に採用されている手法として、HDDへの蓄積印刷機能(機密印刷、試し印刷、保留印刷、保存印刷)を非搭載とし、MICRジョブも通常ジョブも蓄積しようとするとジョブキャンセルする。さらに、MICRジョブを印刷出力する前に必ず機器パネルからパスワード入力を行った後印刷させるモードを持つ。このような製品では、機器に入力されたジョブ順の処理となる(つまり、文書選択はできず先頭のジョブからひとつずつ出力される)。
【0012】
なお、機密印刷とは、プリンタの操作パネルから入力されたパスワードにより本人認証を行なうことで印刷を許可する印刷機能であり、試し印刷とは、ユーザが、設定した条件で1部のみを印刷し、印刷結果を確認した後に、残り部数を設定した条件で印刷する印刷機能であり、保留印刷とは、ホストからプリンタに印刷指示した文書をハードディスクに一時的に保存し、その後ユーザがプリンタの操作パネルから印刷の開始を指示することで印刷を行う印刷機能であり、保存印刷とは、印刷後も印刷データを保存しつづける印刷機能である。
【0013】
(2)特許文献1では、MICRジョブを蓄積可能としてユーザの利便性を向上させる目的で、MICRジョブを、印刷前に機器パネルからパスワード入力が必要なMICRジョブと、パスワード入力が不要なMICRジョブの2種類に別け、パスワード入力が必要なMICRジョブはHDDに蓄積して後続のジョブが印刷できるようにし、パスワード入力不要なMICRジョブはそのまま印刷させる。HDDに蓄積してあるMICRジョブは任意のタイミングで機器パネルから選択することにより印刷できるようにした画像形成装置が提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、上記のようにMICRジョブも通常ジョブも蓄積しようとするとジョブキャンセルする方法では、通常印刷でも蓄積機能が使えないという欠点がある。また、特許文献1に開示の手法では、HDDにデータを蓄積するので何度でも印刷が可能であり、パスワードの漏洩と蓄積ジョブの消し忘れが重なると不正に印刷されるリスクがある。また、プリンタ本体や、HDDまたは蓄積されたデータの盗難・流出により、それらが小切手等の偽造に使用されるリスクもある。
【0015】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、MICRジョブ等の特殊印刷ジョブの不正使用ができない範囲で画像形成装置の蓄積機能を使用可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の画像形成装置は、プリンタエンジンと、記憶手段と、印刷データを解釈し、特殊トナーを用いる特殊印刷ジョブおよび通常トナーを用いる通常ジョブのいずれかを特定する第1のジョブ種別と、使用される印刷機能を特定する第2のジョブ種別とを識別する印刷データ解釈手段と、前記第1のジョブ種別と前記第2のジョブ種別とに応じて印刷データの蓄積可否についてセキュリティを考慮した決定をし、蓄積可と決定された場合は印刷データを前記記憶手段に蓄積させ、蓄積不可と決定された場合は印刷データの蓄積を禁止する印刷制御手段とを備えることを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、画像形成装置における画像形成方法であって、印刷データ解釈手段が、印刷データを解釈し、特殊トナーを用いる特殊印刷ジョブおよび通常トナーを用いる通常ジョブのいずれかを特定する第1のジョブ種別と、使用される印刷機能を特定する第2のジョブ種別とを識別するステップと、印刷制御手段が、前記第1のジョブ種別と前記第2のジョブ種別とに応じて印刷データの蓄積可否についてセキュリティを考慮した決定をし、蓄積可と決定された場合は印刷データを記憶手段に蓄積させ、蓄積不可と決定された場合はプリンタエンジンに印刷を実行させるステップとを含むことを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、画像形成装置の制御手段を、印刷データを解釈し、特殊トナーを用いる特殊印刷ジョブおよび通常トナーを用いる通常ジョブのいずれかを特定する第1のジョブ種別と、使用される印刷機能を特定する第2のジョブ種別とを識別する印刷データ解釈手段、および、前記第1のジョブ種別と前記第2のジョブ種別とに応じて印刷データの蓄積可否についてセキュリティを考慮した決定をし、蓄積可と決定された場合は印刷データを記憶手段に蓄積させ、蓄積不可と決定された場合は前記プリンタエンジンに印刷を実行させる印刷制御手段として機能させる制御プログラムである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、MICR用トナー等の特殊トナーを用いる特殊印刷ジョブか通常トナーを用いる通常ジョブかを示す第1のジョブ種別と使用される印刷機能(印刷データの蓄積を伴う印刷機能および蓄積を伴わない印刷機能)の種別を示す第2のジョブ種別とに応じて印刷データの蓄積の可否を決定することにより、印刷データの蓄積を伴う印刷機能を使用する特殊印刷ジョブの不正使用ができない範囲で、特殊印刷ジョブおよび通常ジョブにおいて蓄積機能が使用可能となるという効果を奏する。
【0020】
また、特殊印刷ジョブに係るデータを揮発性メモリ上に蓄積または一時保存させることにより、HDDに蓄積させた場合のような、不正印刷のリスクがなくなり、また、データの盗難・流出により偽造に使われる可能性も防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、レーザープリンタのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、画像形成処理に係るプリンタ1の第1の機能構成を概略的に示す模式図である。
【図3】図3は、画像形成処理に係るプリンタ1の第2の機能構成を概略的に示す模式図である。
【図4】図4は、印刷データ蓄積処理制御部による印刷データの蓄積先の切替えを模式的に示す図である。
【図5】図5は、ジョブ種別が、MICRジョブと通常ジョブの2種類、蓄積ジョブ種別が通常印刷と蓄積印刷の2種類とした場合の印刷データの蓄積可否を決定するためのテーブル(蓄積可否テーブル)を示す図である。
【図6】図6は、ジョブ種別が、MICRジョブと通常ジョブの2種類、蓄積ジョブ種別が通常印刷と、機密印刷、試し印刷、保留印刷および保存印刷の5種類とした場合の印刷データの蓄積可否を決定するための蓄積可否テーブルの一例を示す図である。
【図7】図7は、第1の機能構成における、図5または図6に示した蓄積可否テーブルで規定された内容に従った印刷制御を行う場合の動作を説明するフローチャートである。
【図8】図8は、蓄積文書管理情報の一例を示す図である。
【図9】図9は、ジョブ種別が、MICRジョブと通常ジョブの2種類、蓄積ジョブ種別が通常印刷と、機密印刷、試し印刷、保留印刷および保存印刷の5種類とした場合の印刷データの蓄積可否を決定するための蓄積可否テーブルの他の例を示す図である。
【図10】図10は、第1の機能構成において、図9に例示した蓄積可否テーブルで規定された内容に従った印刷制御を行う場合の実施例2における動作を説明するフローチャートである。
【図11】図11は、蓄積されたMICRジョブまたは通常ジョブの印刷データ(文書)を、ユーザが操作パネルを操作して印刷する場合の実施例2における印刷制御を説明するフローチャートである。
【図12】図12は、印刷可否テーブルの一例を示す図である。
【図13】図13は、第2の機能構成において、図9に例示した蓄積可否テーブルで規定された内容に従った印刷制御を行う場合の実施例3における動作を説明するフローチャートである。
【図14】図14は、蓄積されたMICRジョブまたは通常ジョブの印刷データ(文書)を、ユーザが操作パネルを操作して印刷する場合の実施例3における印刷制御を説明するフローチャートである。
【図15】図15は、操作パネル上の蓄積文書選択画面の一例を示す図である。
【図16】図16は、操作パネル上のパスワード入力画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる画像形成装置の実施の形態を詳細に説明する。
【0023】
以下に説明する実施形態(諸実施例)は、MCIR印刷が可能な画像形成装置でホストコンピュータから印刷データを蓄積させるジョブを受け付けたときの処理において、従来技術のように蓄積ジョブを蓄積可否設定だけで無条件に蓄積するかジョブキャンセルするかを決定するのではなく、ジョブ種別と蓄積ジョブ種別に従って、印刷データの蓄積の可否を決定する点が基本的な(共通する)特徴となっている。
【0024】
はじめに、本実施形態のレーザープリンタのハードウェア構成について、図1を用いて説明する。図1は、レーザープリンタのハードウェア構成を示すブロック図である。
【0025】
レーザープリンタ1(以下、プリンタ1と記す)は、コントローラ101、操作パネル102およびプリンタエンジン103を含んで構成される。なお、プリンタ1は、PC(パーソナルコンピュータ)等のホストコンピュータ2と接続され、このホストコンピュータ2から印刷ジョブ等を受ける。なお、ホストコンピュータ2は、プリンタ1に対し印刷データを送信して印刷要求を行うが、特にMICR印刷を行う際は、その印字データ、およびMICR印刷を指示するコマンドや各種設定値を含む印字制御データ等からなる印刷データを生成し、これをMICRジョブとしてプリンタ1に送信する。
【0026】
コントローラ101は、その動作時点に設定されている動作モードおよびホストコンピュータ2からの印字制御データに従って、ホストコンピュータ2からの印字データを画像データ(ビットマップデータ)に変換(レンダリング)しプリンタエンジン103へ出力する制御手段である。このコントローラ101はさらに、後述するモジュールで構成される。
【0027】
操作パネル102は、プリンタ1の状態を示す液晶パネル等を用いた表示部と、ユーザがプリンタ1の動作モードやフォント等の切替えやパスワードの入力等を行うためのタッチパネルなどを用いた入力部とから構成される。
【0028】
プリンタエンジン103は、プロセスカートリッジ120を備える。プロセスカートリッジ120は、感光体を内蔵し、他に帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段等を含んだ1つの部品であり、プリンタ1に対し着脱可能としたものである。プリンタエンジン103は、コントローラ101からの制御信号および画像データに従ってプロセスカートリッジ120の感光体上に静電潜像を生成してそれを現像し、さらに給紙部より転写紙を給紙して、現像した画像をこの転写紙に転写および定着することにより、転写紙上に画像を形成する、いわゆる電子写真方式の画像形成手段である。なお、プリンタエンジン103は、プロセスカートリッジ120ではなく、トナーカートリッジを用いる構成とすることもできる。その場合、感光体、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段等は、トナーカートリッジとは別の部品としてプリンタエンジン103が備える。
【0029】
ここで、コントローラ101に備わる各モジュールについて説明する。
【0030】
ホストI/F110は、ホストコンピュータ2からプリンタ1への印刷ジョブとして送られる印刷データ(印字制御データおよび印字データを含む)およびプリンタ1からホストコンピュータ2へのステータス信号を送受信するためのインタフェースである。なお、本実施形態では、印刷データの一例としてPDL(Page Description Language)データを用いるものとする。
【0031】
CPU111は、プログラムROM112に格納された制御プログラムに従ってホストコンピュータ2からの印刷データを処理する。
【0032】
プログラムROM112は、CPU111が、コントローラ101内でのデータの管理や、周辺モジュールを統括的に制御するための制御プログラムが格納されている。
【0033】
RAM113は、CPU111が各種処理を実行する際のワークメモリ等として使用され、またホストコンピュータ2からの印刷データをページ単位に管理して一時記憶するバッファとして、また印字データから変換された画像データ(印字パターン)を記憶するビットマップメモリ(画像メモリ、展開メモリ)としても使用される。
【0034】
フォントROM114は、印字に使用されるさまざまな種類のフォントデータが格納されている。
【0035】
NV−RAM115は、電源を切っても保持したいデータ、例えば、印刷制御に用いられる、操作パネル102を介して設定された所定の設定値や、所定の印刷制御情報や、後述の蓄積文書管理情報等の情報を格納しておくための不揮発性RAMである。
【0036】
操作パネルI/F116は、操作パネル102を介してユーザが、プリンタ1の状態の表示や、動作モードおよびフォント等の切替え等を行えるように、コントローラ101が操作パネル102との間で信号のやりとりをするためのインタフェースである。
【0037】
エンジンI/F117は、コントローラ101からプリンタエンジン103への制御信号、およびプリンタエンジン103からコントローラ101へのステータス信号のやりとりをするためのインタフェースである。
【0038】
HDD118は、不揮発性記憶手段としてのハードディスクであり、ホストコンピュータ2からの印刷データの蓄積や、印字データから変換されたビットマップデータの蓄積や保存のため、また一時記憶のためのバッファやワーク用領域等として、様々な用途で使用する。
【0039】
オプションRAM119は、RAM113を補完する着脱自在なRAMである。
【0040】
このように構成されるプリンタ1において、ホストI/F110を通してホストコンピュータ2から送られてきた印刷データ(PDLデータ)は、CPU111により印字データおよび印字制御データとその他に分けられ、印字データおよび印字制御データはそれぞれ、画像データ(ビットマップデータ)およびプリンタ1内部で使用される制御コードに変換されてHDD118またはRAM113に記憶される。その際、ホストコンピュータ2からの印刷ジョブまたはデータが1ページ分を超えた時、コントローラ101はまず、印字データから生成した中間コードを画像データに変換し、それが終了すると、エンジンI/F117を通してプリンタエンジン103にプリントスタートの命令を出す。そして、この命令に応じてプリンタエンジン103が印刷を開始する。
【0041】
以上の一連の流れで、ホストコンピュータ2からの印刷データがプリンタ1のプリンタエンジン103により印字される。
【0042】
続いて、制御プログラムに従って機能するプリンタ1の機能構成について説明する。
【0043】
図2は、画像形成処理に係るプリンタ1の第1の機能構成を概略的に示す模式図である。図2に示すように、プリンタ1に備わるCPU111は、制御プログラムによって、通信制御部201、印刷データ解釈部202、印刷データ描画部203、印刷制御部204、カートリッジ判別部205、印刷データ蓄積処理制御部206、操作パネル制御部207、および認証処理部208として機能し、各機能部は、プリンタ1を構成する各構成要素と協働する。
【0044】
通信制御部201は、LAN(Local Area Network)やUSB(Universal Serial Bus)ケーブル等の通信回線を介したプリンタ1およびホストコンピュータ2間の信号のやりとりを制御する。
【0045】
印刷データ解釈部202は、ホストコンピュータ2から送信されたPDLによる印刷データの解釈を行い、ジョブ種別および蓄積ジョブ種別の判別を行う。印刷データに含まれるMICRジョブを示すコマンドを認識し、このコマンドが含まれる場合は、MICRジョブとして識別し、含まれない場合は通常ジョブとして識別する。また、蓄積文書(機密印刷文書、試し印刷文書、保留印刷文書、保存印刷文書)の指定コマンドを認識し、蓄積ジョブ種別(機密印刷、試し印刷、保留印刷、保存印刷)を識別する。各識別結果は印刷制御部204へ通知する。また、下記の印刷データ蓄積処理制御部206により印刷データの蓄積処理が行われる場合は、印刷データが印刷データ蓄積処理制御部206へ渡される。
【0046】
印刷データ描画部203は、印刷データ(PDLデータ)から、最終的に印刷するビットマップデータ(画像データ)を生成する。
【0047】
印刷制御部204は、プリンタエンジン103に対し、印刷データ描画部203により生成されたビットマップデータを、転写紙に画像形成させ印刷物を出力させる印刷制御を行う。その際、印刷データ解釈部202から渡されるジョブ種別、蓄積ジョブ種別に従い、下記の印刷データ蓄積処理制御部206やプリンタエンジン103に対し、印刷データの蓄積(以下、文書蓄積とも記す)や印刷を制御する。また、下記のカートリッジ判別部205により判別された、現在装着されているプロセスカートリッジ120のトナーの種別に従い、印刷やエラー停止を制御する。この印刷制御部204による制御の詳細は後述する。
【0048】
カートリッジ判別部205は、プリンタエンジン103からプロセスカートリッジ120の属性(この情報は、例えば、プロセスカートリッジ120に備わるIDチップから取得することができる)を取得し、このプロセスカートリッジ120に充填されたトナーの種別の判別を行う。
【0049】
印刷データ蓄積処理制御部206は、HDD118への印刷データの蓄積(文書蓄積)、HDD118からの印刷データの読み出し、およびHDD118に蓄積されている印刷データの消去を行う。
【0050】
操作パネル制御部207は、蓄積文書の選択画面やパスワード入力画面などの操作パネル102への画面表示制御、および操作パネル102を介して設定された各設定値をNV−RAM115に保存する制御を行う。
【0051】
認証処理部208は、印刷データ解釈部202により解釈された蓄積ジョブ種別が機密印刷または保留印刷の印刷データに含まれるパスワードと、操作パネル102からユーザが入力したパスワードとを照合し、一致した場合に機密印刷または保留印刷を許可する認証処理を行う。
【0052】
図3は、画像形成処理に係るプリンタ1の第2の機能構成を概略的に示す模式図である。図3の構成は、図2に示した機能構成に対し、図4に示すように、印刷データ蓄積処理制御部206が、通常ジョブについては、印刷データ(例えば、図4の文書Aデータ、文書Cデータ)をHDD118に蓄積するが、MICRジョブについては、HDD118ではなく揮発性メモリ(RAM113)に印刷データ(例えば、図4の文書Bデータ)を蓄積し、揮発性メモリからの印刷データの読み出しおよび揮発性メモリに蓄積されている印刷データの消去を行う構成となっている。それ以外は、図2を用いて説明した前述の第1の機能構成と同様であり、本構成の詳細な説明は省略する。なお、本構成における動作の詳細は後述する。
【0053】
続いて、プリンタ1の動作について、諸実施例を例示し説明する。
【0054】
(実施例1)
図5は、ジョブ種別が、MICRジョブと通常ジョブの2種類、蓄積ジョブ種別が通常印刷と蓄積印刷の2種類とした場合の印刷データの蓄積可否を決定するためのテーブル(蓄積可否テーブルと称す)を示している。同図に示すように、MICRジョブについては、蓄積ジョブ種別が通常印刷の場合および蓄積印刷の場合ともに蓄積不可と規定し、通常ジョブについては、蓄積ジョブ種別が通常印刷の場合は蓄積不可と規定し、一方、蓄積ジョブ種別が蓄積印刷の場合は、蓄積可と規定している。
【0055】
図6は、ジョブ種別が、MICRジョブと通常ジョブの2種類、蓄積ジョブ種別が通常印刷と、機密印刷、試し印刷、保留印刷および保存印刷の5種類とした場合の印刷データの蓄積可否を決定するための蓄積可否テーブルを示している。同図に示すように、MICRジョブについては、蓄積ジョブ種別が通常印刷、機密印刷、試し印刷、保留印刷および保存印刷の場合のいずれの場合も蓄積不可と規定している。一方、通常ジョブについては、蓄積ジョブ種別が通常印刷の場合は蓄積不可と規定し、機密印刷、試し印刷、保留印刷および保存印刷の場合は、蓄積可と規定している。図6の例は、機密印刷、試し印刷、保留印刷および保存印刷を、図5に示した蓄積印刷に相当するものとして規定している。
【0056】
本実施例は、前述の第1の機能構成における、図5または図6に示した蓄積可否テーブルで規定された内容に従った印刷制御を行う場合の実施例である。以下に、その印刷制御の詳細について、図7のフローチャートを用いて説明する。なお、図7のフローチャートでは、図6の蓄積可否テーブルに示す機密印刷、試し印刷、保留印刷および保存印刷をまとめて蓄積印刷として扱う。
【0057】
はじめに、通信制御部201が、ホストコンピュータ2から送信された印刷データをホストI/F110を介して受信する(ステップS701)。
【0058】
次いで、印刷データ解釈部202が、通信制御部201が受信した印刷データを解釈し、ジョブ種別と蓄積ジョブ種別を識別する(ステップS702)。識別結果は、印刷データ解釈部202から印刷制御部204へ通知される。
【0059】
印刷制御部204は、印刷データ解釈部202から通知されたジョブ種別と蓄積ジョブ種別に従って印刷データの蓄積や印刷を制御するために、蓄積可否決定処理を実行する。この処理ではまず、ジョブ種別がMICRジョブであるか通常ジョブであるかを判定する(ステップS703)。
【0060】
ステップS703で通常ジョブであると判定されると、ステップS704でさらに蓄積ジョブ種別が蓄積印刷であるか否かを判定する。
【0061】
蓄積ジョブ種別が蓄積印刷である場合(ステップS704でYes)、印刷制御部204は印刷データ蓄積処理制御部206に印刷データをHDD118に蓄積・保存させる(ステップS706)。このとき図8に一例を示す蓄積文書管理情報をNV−RAM115に保存する。図8に例示する蓄積文書管理情報には、HDD118に蓄積保存する文書名と、ジョブ種別と、蓄積ジョブ種別に対応する蓄積文書種別(機密印刷文書、試し印刷文書、保留印刷文書および保存印刷文書)と、パスワード(機密印刷文書および保留印刷文書の場合に該当の印刷データに設定されているパスワード)、蓄積印刷データファイル名等が含まれている。なお、蓄積文書種別として、蓄積ジョブ種別そのものを設定するようにしてもよい。印刷データを蓄積する際、このような蓄積文書管理情報をNV−RAM115に保存することによって、文書名、ジョブ種別、蓄積ジョブ種別およびパスワード等を蓄積される印刷データに関連付けて管理する。
【0062】
一方、蓄積ジョブ種別が蓄積印刷でない場合(ステップS704でNo)、印刷制御部204は、印刷データ描画部203からの画像データをプリンタエンジン103に印刷させる印刷処理を実行する(ステップS707)。
【0063】
また、上記ステップS703でMICRジョブと判定された場合は、印刷制御部204は、印刷データの蓄積を禁止し、印刷データ描画部203からの画像データをプリンタエンジン103に印刷させる印刷処理を実行する(ステップS707)。なお、図7のステップS705の判断処理は、図5および図6の蓄積可否テーブルの規定に対応させ記述したものであり、実際の処理では不要である。また、図7では、蓄積可否決定処理を一連の処理(ステップS703〜S705)として行うよう図示しているが、図5または図6に例示した蓄積可否テーブルを参照して、印刷データ解釈部202から通知されたジョブ種別および蓄積ジョブ種別に対応する蓄積可/蓄積不可の情報を取得することにより、印刷データの蓄積の可否を決定する構成とすることもできる。
【0064】
(実施例2)
図9は、ジョブ種別が、MICRジョブと通常ジョブの2種類、蓄積ジョブ種別が通常印刷と、機密印刷、試し印刷、保留印刷および保存印刷の5種類とした場合の印刷データの蓄積可否を決定するための蓄積可否テーブルを示している。同図の例は前述の図6の例と異なり、MICRジョブについて、蓄積ジョブ種別が通常印刷、試し印刷および保存印刷の場合は蓄積不可と規定し、蓄積ジョブ種別が機密印刷および保留印刷の場合は蓄積可としている。一方、通常ジョブについては、蓄積ジョブ種別が通常印刷の場合は蓄積不可と規定し、機密印刷、試し印刷、保留印刷および保存印刷の場合は、蓄積可と規定している。
【0065】
本実施例は、前述の第1の機能構成において、図9に例示した蓄積可否テーブルで規定された内容に従った印刷制御を行う場合の実施例である。以下に、本実施例における印刷制御の詳細について、図10のフローチャートを用いて説明する。なお、図10のフローチャートでは、MICRジョブに対する印刷処理を行う際、その前にカートリッジ判別部205による判別結果(プロセスカートリッジ120のトナーがMICRトナーであるか通常トナーであるか)を反映させる処理を含めている。なお、図10では、プリンタ1の通常の状態で通常トナーのプロセスカートリッジが装着され、MICR印刷の際、MICRトナーのプロセスカートリッジに交換されるものとする。また、通常ジョブに対しては、図9の蓄積可否テーブルに示す機密印刷、試し印刷、保留印刷および保存印刷をまとめて蓄積印刷として扱う。
【0066】
はじめに、通信制御部201が、ホストコンピュータ2から送信された印刷データをホストI/F110を介して受信する(ステップS1001)。
【0067】
次いで、印刷データ解釈部202が、通信制御部201が受信した印刷データを解釈し、ジョブ種別と蓄積ジョブ種別を識別する(ステップS1002)。識別結果は、印刷データ解釈部202から印刷制御部204へ通知される。
【0068】
印刷制御部204は、印刷データ解釈部202から通知されたジョブ種別と蓄積ジョブ種別に従って文書蓄積や印刷を制御するために、蓄積可否決定処理を実行する。この処理ではまず、ジョブ種別がMICRジョブであるか通常ジョブであるかを判定する(ステップS1003)。
【0069】
ステップS1003で通常ジョブであると判定されると、ステップS1004でさらに蓄積ジョブ種別が蓄積印刷(ここでは、機密印刷、試し印刷、保留印刷および保存印刷)であるか否かを判定する。
【0070】
蓄積ジョブ種別が蓄積印刷である場合(ステップS1004でYes)、印刷制御部204は印刷データ蓄積処理制御部206に印刷データをHDD118に蓄積・保存させる(ステップS1006)。このとき前述の図8に一例を示す蓄積文書管理情報をNV−RAM115に保存する。文書データ(印刷データ)を蓄積する際、このような蓄積文書管理情報をNV−RAM115に保存することによって、ジョブ種別(MICRジョブ/通常ジョブ)を印刷データに関連付けて管理する。
【0071】
一方、蓄積ジョブ種別が蓄積印刷でない場合(ステップS1004でNo)、印刷制御部204は、印刷データ描画部203からの画像データをプリンタエンジン103に印刷させる印刷処理を実行する(ステップS1007)。
【0072】
また、上記ステップS1003でジョブ種別がMICRジョブと判定された場合は、印刷制御部204は、さらに、蓄積ジョブ種別が機密印刷または保留印刷であるか、通常印刷または試し印刷または保存印刷であるか、を判定する(ステップS1005)。
【0073】
ステップS1005で蓄積ジョブ種別が機密印刷または保留印刷であると判定された場合、ステップS1008へ移行し、印刷制御部204は、印刷データ蓄積処理制御部206に印刷データをHDD118に蓄積・保存させる。
【0074】
一方、ステップS1005で蓄積ジョブ種別が通常印刷または試し印刷または保存印刷であると判定された場合は、印刷データの蓄積を禁止することとして、さらに、ステップS1009において、印刷制御部204は、プリンタ1に装着されているプロセスカートリッジ120に対するカートリッジ判別部205の判別結果(トナー種別:MICRトナー/通常トナー)を取得し、ステップS1010において、カートリッジ判別部205による判別結果から、MICRトナーであるか通常トナーであるかの判定をする。
【0075】
ステップS1010でMICRトナーであると判定された場合、印刷制御部204は、印刷データ描画部203からの画像データをプリンタエンジン103に印刷させる印刷処理を実行する(ステップS1011)。なお、ステップS1005で蓄積ジョブ種別が通常印刷または試し印刷または保存印刷であると判定された場合で、特に蓄積ジョブ種別が試し印刷または保存印刷の場合は、当該ジョブをキャンセルする制御をする、つまり、MICRジョブで、試し印刷または保存印刷の場合は、蓄積も印刷もせずにキャンセルするようにしてもよい。
【0076】
一方、ステップS1010で通常トナーであると判定された場合、ステップS1012へ移行し、印刷制御部204は、ユーザにプロセスカートリッジ交換を促すエラー表示を操作パネル102に表示するよう、操作パネル制御部207を制御し、プロセスカートリッジ交換を待つ(ステップS1009に戻る)。その後、ユーザによりMICRトナーのプロセスカートリッジに交換されたことがカートリッジ判別部205により検出されると、ステップS1009のトナー種別の取得後、ステップS1010でMICRトナーであると判定され、ステップS1011にて印刷処理が実行されることとなる。
【0077】
なお、図10では、蓄積可否決定処理を一連の判断処理(ステップS1003〜S1005)として行うよう図示しているが、図9に例示した蓄積可否テーブルを参照し、印刷データ解釈部202から通知されたジョブ種別および蓄積ジョブ種別に対応する蓄積可/蓄積不可の情報を取得することにより、印刷データの蓄積の可否を決定する構成とすることもできる。その場合、所定の権限をもつプリンタ1の管理者は、蓄積可否テーブルの内容を追加・変更するだけで、蓄積可否決定処理を適宜にかつ任意に変更することができるようになる。
【0078】
次に、蓄積されたMICRジョブまたは通常ジョブの印刷データ(文書)を、ユーザが操作パネル102を操作して印刷する場合の印刷制御を、図11のフローチャートを用いて説明する。
【0079】
はじめに、ユーザが操作パネル102から、蓄積された文書を選択し、印刷指示を行うと(ステップS1101;例えば、図15に示す操作パネル102上の蓄積文書選択画面から選択することができる)、選択された文書の情報(文書名)と印刷指示が操作パネル制御部207から印刷制御部204に通知される。なお、このとき蓄積されている印刷データは、図10のステップS1006およびステップS1008で蓄積されたデータである。
【0080】
印刷制御部204は、操作パネル制御部207から通知された文書名を基に、NV−RAM115に格納されている蓄積文書管理情報から印刷対象の文書のジョブ種別を取得する(ステップS1102)。
【0081】
次いで、印刷制御部204は、ステップS1102で取得したジョブ種別がMICRジョブであるのか、通常ジョブであるのか判定する(ステップS1103)。
【0082】
通常ジョブである場合はステップS1103からステップS1105へ移行し、MICRジョブである場合は、ユーザにより選択された文書の蓄積ジョブ種別が機密印刷または保留印刷であるので、続くステップS1104にて認証処理を行う。
【0083】
ステップS1104の認証処理では、例えば図16に示すパスワード入力画面を操作パネル102に表示させ、入力されたパスワード入力情報と文書管理情報にある該当の印刷データに設定されているパスワードとを照合し一致した場合にはMICR印刷を許可しステップS1105へ移行する。不一致の場合は、再度パスワード入力画面を表示したりエラー表示をするなどの処理を行う。
【0084】
ステップS1105では、印刷制御部204は、プリンタ1に装着されているプロセスカートリッジ120に対するカートリッジ判別部205の判別結果(トナー種別:MICRトナー/通常トナー)を取得する。
【0085】
次に、印刷制御部204は、取得したジョブ種別とカートリッジ判別部205の判別結果(MICRトナー/通常トナー)に従って印刷の可否を決定する印刷可否決定処理を実行する。この処理ではまず、印刷制御部204が、ステップS1102で取得したジョブ種別の情報から、印刷対象の文書のジョブ種別が通常ジョブであるのか、MICRジョブであるのか判定を行う(ステップS1106)。
【0086】
ステップS1106でジョブ種別が通常ジョブであると判定された場合、印刷制御部204は、さらにステップS1107において、カートリッジ判別部205による判別結果から、プロセスカートリッジ120のトナーがMICRトナーであるのか通常トナーであるのかの判定をする。
【0087】
ステップS1107で通常トナーであると判定された場合、印刷制御部204は、印刷データ描画部203からの画像データをプリンタエンジン103に印刷させる印刷処理(通常トナーを用いた通常印刷)を実行する(ステップS1109)。
【0088】
一方、ステップS1107でMICRトナーであると判定された場合、ステップS1110へ移行し、印刷制御部204は、ユーザにプロセスカートリッジ交換を促すエラー表示を操作パネル102に表示するよう、操作パネル制御部207を制御し、さらにステップS1111で、プリンタ1に装着されているプロセスカートリッジ120に対するカートリッジ判別部205の判別結果(トナー種別:MICRトナー/通常トナー)を取得し、プロセスカートリッジ交換を待つ(ステップS1107に戻る)。その後、ユーザにより通常トナーのプロセスカートリッジに交換されたことがカートリッジ判別部205により検出されると、ステップS1111のトナー種別の取得後、ステップS1107で通常トナーであると判定され、ステップS1109にて印刷処理(通常トナーを用いた通常印刷)が実行されることとなる。このように、通常ジョブではMICR用トナーを使用できないようにすることで、偽造防止を行える。
【0089】
また、上記ステップS1106でMICRジョブと判定された場合は、印刷制御部204は、さらに、カートリッジ判別部205による判別結果から、プロセスカートリッジ120のトナーがMICRトナーであるか通常トナーであるかの判定をする(ステップS1108)。
【0090】
ステップS1108でMICRトナーであると判定された場合、印刷制御部204は、印刷データ描画部203からの画像データをプリンタエンジン103に印刷させる印刷処理(MICRトナーを用いたMICR印刷)を実行する(ステップS1109)。なお、MICRジョブに対する本印刷処理では、印刷が完了すると、HDD118に保存されている印刷済みの印刷データを削除し、複数回印刷できないようにする。
【0091】
一方、ステップS1108で通常トナーであると判定された場合、ステップS1112へ移行し、印刷制御部204は、ユーザにプロセスカートリッジ交換を促すエラー表示を操作パネル102に表示するよう、操作パネル制御部207を制御し、さらにステップS1113で、プリンタ1に装着されているプロセスカートリッジ120に対するカートリッジ判別部205の判別結果(トナー種別:MICRトナー/通常トナー)を取得し、プロセスカートリッジ交換を待つ(ステップS1108に戻る)。その後、ユーザによりMICRトナーのプロセスカートリッジに交換されたことがカートリッジ判別部205により検出されると、ステップS1113のトナー種別の取得後、ステップS1108でMICRトナーであると判定され、ステップS1109にて印刷処理(MICRトナーを用いたMICR印刷)が実行されることとなる。これにより、誤って通常トナーで印刷を行い、無効な印刷物が出力されてしまうことを防げる。
【0092】
なお、図11では、印刷可否決定処理を一連の処理(ステップS1106〜S1108)として行うよう図示しているが、図12に例示する印刷可否テーブルを参照して、ステップS1102およびステップS1105で取得したジョブ種別およびカートリッジ判別部205の判別結果(MICRトナー/通常トナー)に対応する印刷可/印刷不可の情報を取得することにより、印刷の可否を決定する構成とすることもできる。
【0093】
(実施例3)
本実施例は、前述の第2の機能構成における、図9に示した蓄積可否テーブルで規定された内容に従った印刷制御を行う場合の実施例である。以下では、本実施例における印刷制御の詳細について、図13および図14のフローチャートを用いて説明する。
【0094】
図13に示すフローチャートが、前述した図10のフローチャートと異なる点は、図10では、ジョブ種別がMICRジョブであり、かつ蓄積ジョブ種別が機密印刷または保留印刷である場合に、ステップS1008においてHDD118に印刷データを蓄積・保存する制御を行っていたのに対し、本実施例では、図10のステップS1008に対応するステップS1308において、HDD118ではなく揮発性メモリ(RAM113等)に、対象の印刷データを蓄積・保存する点である。その他は図10の処理の流れと同様であり、ここでは同一の処理についてはその説明を省略する。なお、図10および図13において、同一の処理には同一の符号を附している。
【0095】
また、図14に示すフローチャートが、前述した図11のフローチャートと異なる点は、ジョブ種別がMICRジョブであり、かつ装置に装着されているプロセスカートリッジ120のトナーがMICRトナーである場合に行う印刷処理(図11ではステップS1109に相当)において、図14のフローチャートでは、ステップS1409において、印刷処理としてHDD118ではなく展開メモリとしての揮発性メモリ(RAM113等)上で印刷データをビットマップに展開し、これを印刷する。そして、印刷処理後、ステップS1410において、揮発性メモリ上の印刷済みMICRジョブの印刷データと、展開後の画像データとをクリアするようにした点である。
【0096】
本実施例では、図13に示すように、機密印刷または保留印刷を行うMICRジョブについては、その印刷データを揮発性メモリに蓄積・保存し、また、図14に示すように、揮発性メモリ上の領域を展開メモリとして印刷データから画像データへの展開を行うようにしたことで、前述の実施例2のようにHDD118に蓄積・保存した場合に起こりうる、装置の廃棄時等におけるデータ流出を防止することができる。また、MICRジョブの印刷が一度完了すると、その印刷データと展開メモリはクリアされるので、従来のようにいずれかの記憶手段に残ったデータから不正にMICR印刷をされることを防止することができる。
【0097】
以上、発明を実施するための実施の形態について説明を行ったが、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではない。本発明の主旨を損なわない範囲で変更することが可能である。上記実施形態では、画像形成装置の一例として、レーザープリンタを例に説明したが、これに限らず、その構成・動作を、その他の種類のプリンタや、複写機や、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有する複合機等に適用することが可能である。
【0098】
また、上記実施形態のコントローラ101のCPU111で実行される制御プログラムは、プログラムROM112に予め組み込まれるものとして説明したが、この制御プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルとしてCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。また、この制御プログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、インターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【符号の説明】
【0099】
1 レーザープリンタ
2 ホストコンピュータ
101 コントローラ
102 操作パネル
103 プリンタエンジン
110 ホストI/F
111 CPU(制御手段)
112 プログラムROM
113 RAM(記憶手段、揮発性メモリ)
114 フォントROM
115 NV−RAM(管理情報保持手段)
116 操作パネルI/F
117 エンジンI/F
118 HDD(記憶手段)
119 オプションRAM
120 プロセスカートリッジ
201 通信制御部
202 印刷データ解釈部
203 印刷データ描画部
204 印刷制御部
205 カートリッジ判別部
206 印刷データ蓄積処理制御部
207 操作パネル制御部
208 認証処理部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0100】
【特許文献1】特開2009−269292号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリンタエンジンと、
記憶手段と、
印刷データを解釈し、特殊トナーを用いる特殊印刷ジョブおよび通常トナーを用いる通常ジョブのいずれかを特定する第1のジョブ種別と、使用される印刷機能を特定する第2のジョブ種別とを識別する印刷データ解釈手段と、
前記第1のジョブ種別と前記第2のジョブ種別とに応じて印刷データの蓄積可否についてセキュリティを考慮した決定をし、蓄積可と決定された場合は印刷データを前記記憶手段に蓄積させ、蓄積不可と決定された場合は印刷データの蓄積を禁止する印刷制御手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記特殊印刷ジョブは、印刷にMICR(Magnetic ink character recognition)用トナーを用いる印刷ジョブであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1のジョブ種別と第2のジョブ種別とから蓄積可否を決定するためのテーブルを保持し、
前記印刷制御手段は、前記テーブルを基に前記蓄積可否の決定を行う
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
印刷データを蓄積する際、少なくとも第1のジョブ種別を含む情報を前記印刷データに関連付ける管理情報を保持する管理情報保持手段を備え、
前記印刷制御手段は、蓄積された印刷データを対象に印刷する際、前記管理情報を基に印刷制御を行う
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第2のジョブ種別として、特殊印刷ジョブおよび通常ジョブについて蓄積不可とされる通常印刷機能と通常ジョブについては蓄積可とされるその他の印刷機能とを特定する種別を含み、
前記印刷制御手段は、前記印刷データ解釈手段により識別された第1のジョブ種別が特殊印刷ジョブを特定するものであってかつ第2のジョブ種別が蓄積可とされる印刷機能の場合は印刷データを蓄積するように制御し、前記識別された第1のジョブ種別が特殊印刷ジョブを特定するものであってかつ第2のジョブ種別が蓄積不可とされる印刷機能の場合は印刷データの蓄積を禁止する
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
通常ジョブについては蓄積可とされ、特殊印刷ジョブについては蓄積可または蓄積不可とされる前記印刷機能には、機密印刷、試し印刷、保留印刷、および保存印刷のうち少なくとも1つが含まれ、機密印刷および保留印刷については蓄積可とし、試し印刷および保存印刷については蓄積不可とすることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
印刷データの蓄積を禁止する場合、前記印刷制御手段は、対象の印刷データを前記プリンタエンジンに印刷させるか、印刷ジョブをキャンセルすることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
当該画像形成装置に装着されたカートリッジに充填されたトナーの種別を識別するカートリッジ判別手段をさらに備え、
前記印刷制御手段は、前記第1のジョブ種別と、前記第2のジョブ種別と、前記カートリッジ判別手段により識別されたトナーの種別とを基に、印刷対象の印刷ジョブが蓄積不可の特殊印刷ジョブである場合に、識別された前記トナーの種別が特殊印刷用トナーである場合は、印刷対象の印刷ジョブについて前記プリンタエンジンに印刷を実行させ、一方、識別された前記トナーの種別が通常トナーである場合、エラー処理を実行する
ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記印刷制御手段は、印刷対象の印刷ジョブが通常ジョブである場合に、前記カートリッジ判別手段により識別されたトナーの種別が通常トナーである場合は、前記印刷対象の印刷ジョブについて前記プリンタエンジンに印刷を実行させ、一方、識別された前記トナーの種別が特殊印刷用トナーである場合、エラー処理を実行する
ことを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
揮発性メモリを備え、
特殊印刷ジョブの印刷データを蓄積する場合は、前記印刷制御手段が、前記揮発性メモリに保存するようにしたことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
印刷データを展開し画像データを生成する印刷データ描画手段を備え、
前記印刷データ描画手段は、特殊印刷ジョブの印刷データを前記揮発性メモリ上で展開することを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
蓄積されている特殊印刷ジョブの印刷データを印刷する場合、当該印刷データについての第2のジョブ種別によらず、印刷後、保存されている印刷データおよび関連するデータを削除することを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項13】
画像形成装置における画像形成方法であって、
印刷データ解釈手段が、印刷データを解釈し、特殊トナーを用いる特殊印刷ジョブおよび通常トナーを用いる通常ジョブのいずれかを特定する第1のジョブ種別と、使用される印刷機能を特定する第2のジョブ種別とを識別するステップと、
印刷制御手段が、前記第1のジョブ種別と前記第2のジョブ種別とに応じて印刷データの蓄積可否についてセキュリティを考慮した決定をし、蓄積可と決定された場合は印刷データを記憶手段に蓄積させ、蓄積不可と決定された場合はプリンタエンジンに印刷を実行させるステップと
を含むことを特徴とする画像形成方法。
【請求項14】
画像形成装置の制御手段を、
印刷データを解釈し、特殊トナーを用いる特殊印刷ジョブおよび通常トナーを用いる通常ジョブのいずれかを特定する第1のジョブ種別と、使用される印刷機能を特定する第2のジョブ種別とを識別する印刷データ解釈手段、および、
前記第1のジョブ種別と前記第2のジョブ種別とに応じて印刷データの蓄積可否についてセキュリティを考慮した決定をし、蓄積可と決定された場合は印刷データを記憶手段に蓄積させ、蓄積不可と決定された場合は前記プリンタエンジンに印刷を実行させる印刷制御手段として機能させる制御プログラム。
【請求項1】
プリンタエンジンと、
記憶手段と、
印刷データを解釈し、特殊トナーを用いる特殊印刷ジョブおよび通常トナーを用いる通常ジョブのいずれかを特定する第1のジョブ種別と、使用される印刷機能を特定する第2のジョブ種別とを識別する印刷データ解釈手段と、
前記第1のジョブ種別と前記第2のジョブ種別とに応じて印刷データの蓄積可否についてセキュリティを考慮した決定をし、蓄積可と決定された場合は印刷データを前記記憶手段に蓄積させ、蓄積不可と決定された場合は印刷データの蓄積を禁止する印刷制御手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記特殊印刷ジョブは、印刷にMICR(Magnetic ink character recognition)用トナーを用いる印刷ジョブであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1のジョブ種別と第2のジョブ種別とから蓄積可否を決定するためのテーブルを保持し、
前記印刷制御手段は、前記テーブルを基に前記蓄積可否の決定を行う
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
印刷データを蓄積する際、少なくとも第1のジョブ種別を含む情報を前記印刷データに関連付ける管理情報を保持する管理情報保持手段を備え、
前記印刷制御手段は、蓄積された印刷データを対象に印刷する際、前記管理情報を基に印刷制御を行う
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第2のジョブ種別として、特殊印刷ジョブおよび通常ジョブについて蓄積不可とされる通常印刷機能と通常ジョブについては蓄積可とされるその他の印刷機能とを特定する種別を含み、
前記印刷制御手段は、前記印刷データ解釈手段により識別された第1のジョブ種別が特殊印刷ジョブを特定するものであってかつ第2のジョブ種別が蓄積可とされる印刷機能の場合は印刷データを蓄積するように制御し、前記識別された第1のジョブ種別が特殊印刷ジョブを特定するものであってかつ第2のジョブ種別が蓄積不可とされる印刷機能の場合は印刷データの蓄積を禁止する
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
通常ジョブについては蓄積可とされ、特殊印刷ジョブについては蓄積可または蓄積不可とされる前記印刷機能には、機密印刷、試し印刷、保留印刷、および保存印刷のうち少なくとも1つが含まれ、機密印刷および保留印刷については蓄積可とし、試し印刷および保存印刷については蓄積不可とすることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
印刷データの蓄積を禁止する場合、前記印刷制御手段は、対象の印刷データを前記プリンタエンジンに印刷させるか、印刷ジョブをキャンセルすることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
当該画像形成装置に装着されたカートリッジに充填されたトナーの種別を識別するカートリッジ判別手段をさらに備え、
前記印刷制御手段は、前記第1のジョブ種別と、前記第2のジョブ種別と、前記カートリッジ判別手段により識別されたトナーの種別とを基に、印刷対象の印刷ジョブが蓄積不可の特殊印刷ジョブである場合に、識別された前記トナーの種別が特殊印刷用トナーである場合は、印刷対象の印刷ジョブについて前記プリンタエンジンに印刷を実行させ、一方、識別された前記トナーの種別が通常トナーである場合、エラー処理を実行する
ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記印刷制御手段は、印刷対象の印刷ジョブが通常ジョブである場合に、前記カートリッジ判別手段により識別されたトナーの種別が通常トナーである場合は、前記印刷対象の印刷ジョブについて前記プリンタエンジンに印刷を実行させ、一方、識別された前記トナーの種別が特殊印刷用トナーである場合、エラー処理を実行する
ことを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
揮発性メモリを備え、
特殊印刷ジョブの印刷データを蓄積する場合は、前記印刷制御手段が、前記揮発性メモリに保存するようにしたことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
印刷データを展開し画像データを生成する印刷データ描画手段を備え、
前記印刷データ描画手段は、特殊印刷ジョブの印刷データを前記揮発性メモリ上で展開することを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
蓄積されている特殊印刷ジョブの印刷データを印刷する場合、当該印刷データについての第2のジョブ種別によらず、印刷後、保存されている印刷データおよび関連するデータを削除することを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項13】
画像形成装置における画像形成方法であって、
印刷データ解釈手段が、印刷データを解釈し、特殊トナーを用いる特殊印刷ジョブおよび通常トナーを用いる通常ジョブのいずれかを特定する第1のジョブ種別と、使用される印刷機能を特定する第2のジョブ種別とを識別するステップと、
印刷制御手段が、前記第1のジョブ種別と前記第2のジョブ種別とに応じて印刷データの蓄積可否についてセキュリティを考慮した決定をし、蓄積可と決定された場合は印刷データを記憶手段に蓄積させ、蓄積不可と決定された場合はプリンタエンジンに印刷を実行させるステップと
を含むことを特徴とする画像形成方法。
【請求項14】
画像形成装置の制御手段を、
印刷データを解釈し、特殊トナーを用いる特殊印刷ジョブおよび通常トナーを用いる通常ジョブのいずれかを特定する第1のジョブ種別と、使用される印刷機能を特定する第2のジョブ種別とを識別する印刷データ解釈手段、および、
前記第1のジョブ種別と前記第2のジョブ種別とに応じて印刷データの蓄積可否についてセキュリティを考慮した決定をし、蓄積可と決定された場合は印刷データを記憶手段に蓄積させ、蓄積不可と決定された場合は前記プリンタエンジンに印刷を実行させる印刷制御手段として機能させる制御プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−128026(P2012−128026A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−277296(P2010−277296)
【出願日】平成22年12月13日(2010.12.13)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月13日(2010.12.13)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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