画像形成装置、画像形成方法およびプログラム
【課題】画質および操作性を低下させることなく、ユーザの意図に沿って再印刷することができる画像形成装置、画像形成方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】印刷データと、変換データとを記憶する記憶部110と、再印刷指示の入力を受け付ける入力制御部102と、再印刷時の印刷条件を取得する取得部104と、再印刷時の印刷条件と、変換データに反映された印刷条件とを比較して、再印刷時の印刷条件により変換データを印刷可能か判断する判断部105と、再印刷時の印刷条件により変換データを印刷不可能と判断された場合に、印刷データを、再印刷時の印刷条件を反映した変換データに変換する変換部106と、変換された変換データを印刷する印刷制御部109と、を備えた。
【解決手段】印刷データと、変換データとを記憶する記憶部110と、再印刷指示の入力を受け付ける入力制御部102と、再印刷時の印刷条件を取得する取得部104と、再印刷時の印刷条件と、変換データに反映された印刷条件とを比較して、再印刷時の印刷条件により変換データを印刷可能か判断する判断部105と、再印刷時の印刷条件により変換データを印刷不可能と判断された場合に、印刷データを、再印刷時の印刷条件を反映した変換データに変換する変換部106と、変換された変換データを印刷する印刷制御部109と、を備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ページ記述言語等の言語で記述された印刷データをRIP(Raster Image Processor)により印刷条件を反映して印刷可能な形式に変換した変換データに変換する技術が知られている。また、従来から、RIPにより変換された変換データを用いることにより再印刷時に印刷処理を高速化する方法が開発されている。
【0003】
例えば、ユーザが印刷した際の印刷データを蓄積し、当該ユーザが蓄積した印刷データを再印刷する場合や、他のユーザが蓄積された印刷データを印刷する場合に、効率的に印刷することを目的として、過去の印刷要求の内容に対応付けて印刷データ実体を管理する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
また、用紙切れや、ホッチキスの芯切れや、インク切れ等によりエラーが発生し、印刷できなかった印刷ジョブをエラー解消後に再印刷可能にすることを目的として、補給品の品切れを検知した場合に、印刷ジョブを保留ジョブとして管理する方法が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の方法では、蓄積文書の再印刷時に蓄積時から変更された印刷に影響する条件を反映することができなかった。また、特許文献2の方法では、印刷が保留された印刷ジョブの再印刷時に印刷に影響する条件の変更を反映することができなかった。
【0006】
特許文献1および特許文献2の方法では、再印刷時において蓄積時または保留時から変更された条件を反映するには、ユーザが逐次適用可能な条件を判別して個別に設定する必要があり操作性が悪かった。一方、蓄積時の印刷条件と同一の条件を一律に自動設定することとすると、出力する機器に適した条件を設定することができないため画質が低下するという問題があった。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、画質および操作性を低下させることなく、ユーザの意図に沿って再印刷することができる画像形成装置、画像形成方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる画像形成装置は、印刷データと、前記印刷データに印刷条件を反映して印刷可能な形式に変換した変換データとを記憶する記憶部と、前記変換データの再印刷指示の入力を受け付ける受付部と、前記変換データの再印刷時の印刷条件を取得する取得部と、前記再印刷指示の入力が受け付けられた場合に、取得された前記再印刷時の印刷条件と、前記変換データに反映された印刷条件とを比較して、取得された前記再印刷時の印刷条件により前記変換データを印刷可能か否かを判断する判断部と、取得された前記再印刷時の印刷条件により前記変換データを印刷不可能と判断された場合に、前記記憶部から前記印刷データを取得し、取得した前記印刷データを、前記印刷データに前記再印刷時の印刷条件を反映した変換データに変換する変換部と、変換された前記変換データを印刷する印刷制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明にかかる画像形成方法は、印刷データと、前記印刷データに印刷条件を反映して印刷可能な形式に変換した変換データとを記憶する記憶ステップと、前記変換データの再印刷指示の入力を受け付ける受付ステップと、前記変換データの再印刷時の印刷条件を取得する取得ステップと、前記再印刷指示の入力が受け付けられた場合に、取得された前記再印刷時の印刷条件と、前記変換データに反映された印刷条件とを比較して、取得された前記再印刷時の印刷条件により前記変換データを印刷可能か否かを判断する判断ステップと、取得された前記再印刷時の印刷条件により前記変換データを印刷不可能と判断された場合に、前記記憶部から前記印刷データを取得し、取得した前記印刷データを、前記印刷データに前記再印刷時の印刷条件を反映した変換データに変換する変換ステップと、変換された前記変換データを印刷する印刷ステップと、を含むことを特徴とする。
【0010】
また、本発明にかかるプログラムは、コンピュータを、印刷データと、前記印刷データに印刷条件を反映して印刷可能な形式に変換した変換データとを記憶する記憶ステップと、前記変換データの再印刷指示の入力を受け付ける受付ステップと、前記変換データの再印刷時の印刷条件を取得する取得ステップと、前記再印刷指示の入力が受け付けられた場合に、取得された前記再印刷時の印刷条件と、前記変換データに反映された印刷条件とを比較して、取得された前記再印刷時の印刷条件により前記変換データを印刷可能か否かを判断する判断ステップと、取得された前記再印刷時の印刷条件により前記変換データを印刷不可能と判断された場合に、前記記憶部から前記印刷データを取得し、取得した前記印刷データを、前記印刷データに前記再印刷時の印刷条件を反映した変換データに変換する変換ステップと、変換された前記変換データを印刷する印刷ステップ、として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、画質および操作性を低下させることなく、ユーザの意図に沿って再印刷することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本実施の形態にかかる画像形成システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、本実施の形態にかかる記憶部の記憶領域の詳細の一例を示す図である。
【図3】図3は、従来の記憶部の記憶領域の詳細の一例を示す図である。
【図4】図4は、画像形成装置によるジョブ蓄積処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】図5は、画像形成装置によるジョブ印刷処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】図6は、印刷制御部による印刷データの取得処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】図7は、他の例1にかかる印刷制御部による印刷データの取得処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】図8は、他の例2にかかる印刷制御部による印刷データの取得処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】図9は、印刷制御部による蓄積ジョブ印刷処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】図10は、他の例にかかる印刷制御部による蓄積ジョブ印刷処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】図11は、ジョブの保留処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】図12は、保留されたジョブの自動再開処理の手順を示すフローチャートである。
【図13】図13は、保留されたジョブの強制再開処理の手順を示すフローチャートである。
【図14】図14は、本実施の形態にかかる画像形成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる画像形成装置、画像形成方法およびプログラムの最良な実施の形態を詳細に説明する。
【0014】
図1は、本実施の形態にかかる画像形成システムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、画像形成システムは、PC(Personal Computer)やServerであるHOST200と、HOST200と接続されたMFP(Multifunction Printer)やLP(Laser Printer)等の画像形成装置100を備える。
【0015】
また、図1に示すように、画像形成装置100は、表示制御部101と、入力制御部102と、受信部103と、取得部104と、判断部105と、変換部106と、検知部107と、通知部108と、印刷制御部109と、操作表示部120と、記憶部110と、エンジン130とを主に備える。
【0016】
受信部103は、HOST200から印刷データを受信し、受信した印刷データを記憶部110に保存する。ここで、印刷データとは、印刷対象となる画像データのことであり、画像データには画像もテキストも含まれる。
【0017】
表示制御部101は、各種表示事項を操作表示部120に表示する。表示制御部101は、例えば、印刷完了通知や、エラー通知を操作表示部120に表示する。
【0018】
入力制御部102は、本発明における受付部や、印刷条件受付部としての機能を有し、ユーザによる各種入力事項の入力を受け付ける。例えば、入力制御部102は、印刷条件、設定印刷条件、再印刷指示、強制印刷指示等の入力を受け付ける。
【0019】
ここで、印刷条件とは、印刷データを印刷するために定められる条件であり、カラー、集約印刷制御部数、両面印刷等がある。
【0020】
また、設定印刷条件とは、ユーザごとに設定された印刷条件であり、エコロジー設定等がある。エコロジー設定とは、印刷に要する資源を削減するための条件としてあらかじめ定められた設定であって、集約印刷、両面印刷、トナーセーブ印刷のうち少なくともいずれか一つである。なお、これらは例示であって、資源を削減可能な設定であればいずれであってもよい。
【0021】
また、再印刷指示とは、既に記憶部110に記憶されている変換データを再印刷する指示のことである。既に記憶部110に記憶されている印刷データとしては、例えば、再印刷指示を入力したユーザとは別のユーザが過去に印刷した際に蓄積されたRIP後データであってもよいし、再印刷指示を入力したユーザが印刷に失敗した印刷データが蓄積されたRIP後データであってもよい。
【0022】
また、強制印刷指示とは、変換データを印刷した場合に機器にエラーが発生し印刷が中断すると判断され、保留された印刷を強制的に再開する指示のことである。
【0023】
取得部104は、変換データの再印刷時の印刷条件を取得する。例えば、取得部104は、記憶部110に記憶されている印刷条件を再印刷時の印刷条件として取得する。
【0024】
ここで、取得部104により取得される印刷条件は、後述する判断部105により、記憶部110に記憶されている印刷条件を再印刷条件として反映して印刷可能な形式に変換可能か否かの判断対象となり得る情報であればよい。そこで、取得部104は、再印刷時の印刷条件として、記憶部110に記憶されている許可印刷条件、設定印刷条件、印刷データの蓄積日時、印刷条件の更新日時等を取得する。
【0025】
判断部105は、入力制御部102により再印刷指示の入力が受け付けられた場合に、再印刷時の印刷条件と、変換データに反映された印刷条件とを比較して、再印刷時の印刷条件により変換データを印刷可能か否かを判断する。
【0026】
例えば、判断部105は、記憶部110に記憶されている許可印刷条件がモノクロであって、変換データにカラーの印刷条件が反映されている場合は、モノクロの許可印刷条件によりカラーが反映された変換データを印刷できないと判断する。なお、許可印刷条件が具体的にどの印刷条件を利用できるかという情報については記憶部110にあらかじめ記憶されている。
【0027】
また、判断部105は、記憶部110に記憶されている設定印刷条件がエコロジー設定であった場合、変換データに反映されている印刷条件がエコロジー設定であるか否かを判断する。
【0028】
例えば、判断部105は、変換データに反映されている印刷条件が集約なしであり、エコロジー設定として集約ありが規定されていた場合、変換データに反映されている印刷条件はエコロジー設定として規定された印刷条件を満たさない。この場合、判断部105は、再印刷時の印刷条件により変換データを印刷できないと判断する。
【0029】
また、判断部105は、取得部104により取得された印刷データの蓄積日時と、印刷条件の更新日時とを比較して、印刷条件の更新日時が印刷データの蓄積日時よりも新しいか否かを判断する。判断部105は、印刷条件の更新日時の方が印刷データの蓄積日時よりも新しいと判断した場合に、再印刷時の印刷条件により変換データを印刷できないと判断する。
【0030】
例えば、印刷データの蓄積時には印刷条件としてステープル機能が設定されていたが、その後機器交換によりステープル機能の設定が解除されたような事態が生じえる。この場合、判断部105は、蓄積日時よりも新しい日時に更新された印刷条件(ステープルなし)により、印刷条件(ステープルあり)が反映された変換データを印刷できないと判断する。なお、蓄積日時および更新日時については、日付だけを示す情報でも、時刻までを示す情報であってもよく、両者の新旧を比較できる情報であればよい。
【0031】
また、判断部105は、再印刷時の印刷条件により変換データを印刷した場合に、エラー発生により印刷が中断されるか否かを判断し、中断されると判断した場合に、再印刷時の印刷条件により変換データを印刷できないと判断する。
【0032】
例えば、判断部105は、印刷条件としてカラーが設定されていて、変換データが30枚であった場合に、画像形成装置100に装填されているカラーのトナータンクのトナー残量が2枚分であったような事態が生じえる。この場合、判断部105は、再印刷時の印刷条件(2枚分のカラー)により、印刷条件(30枚分のカラー)が反映された変換データを印刷できないと判断する。
【0033】
検知部107は、機器状態の変化を検知する。ここで、機器状態とは、画像形成装置100の状態のことであり、例えば、トナータンクへのトナー補充、用紙トレイへの用紙補充、ホッチキスの芯の補充、入力条件の変更の受付等がある。
【0034】
また、検知部107は、入力制御部102により受け付けた印刷条件の変更を機器状態の変化として検知してもよい。
【0035】
通知部108は、記憶部110に記憶されている印刷条件により印刷した場合、エラーにより印刷が停止すると判断された場合に、ユーザにエラーを通知する。例えば、通知部108は、表示制御部101を介して操作表示部120にエラー通知を表示する。ここで、通知部108は、ユーザへのエラー通知とともに、入力制御部102により印刷条件の変更を受け付けることとしてもよい。なお、印刷条件の変更を受け付けるタイミングは、エラー通知とともにでなくてもよく、エラー通知後等いずれであってもよい。
【0036】
変換部106は、印刷データを、印刷データにRIPにより印刷条件を反映して印刷可能な形式に変換して変換データを生成する。例えば、変換部106は、RIPにより、ページ記述言語の1つであるPDL(page description language)で記述された印刷データ(以下、RIP前データという。)を変換し、ビットマップ形式で描画された変換データ(以下、RIP後データという。)を生成する。
【0037】
また、変換部106は、判断部105により、エラーにより印刷が中断されると判断した場合は、RIP前データを変換せず、後述する記憶部110の印刷ジョブ管理領域にRIP前データを未処理の印刷データとして保存する。
【0038】
また、変換部106は、検知部107により、入力制御部102を介して受け付けた変更の入力を機器状態の変化として検知された場合に、RIP前データに変更された入力条件を反映してRIP後データに変換する。
【0039】
記憶部110は、各種情報を記憶する。例えば、記憶部110は、受信部103から受信した印刷データや、スキャナ(不図示)により読み取られたRIP前データを記憶する。また、記憶部110は、変換部106により変換されたRIP後データを記憶する。
【0040】
図2は、本実施の形態にかかる記憶部110の記憶領域の一部の一例を示す図である。図2に示すように、記憶部110は、記憶領域の一部をデータ蓄積領域に割り当てる。ここで、データ蓄積領域111は、図2に示すように、印刷ジョブ管理領域112と、蓄積ジョブ管理領域113とを含む領域であり、RIP前データおよびRIP後データを蓄積する領域である。
【0041】
印刷ジョブ管理領域112は、印刷されていないRIP後データをRIP前データと対応付けて管理する領域である。また、蓄積ジョブ管理領域113は、印刷済みのRIP後データをRIP前データと対応付け、これらを再印刷対象となる蓄積ジョブとして記憶する。図2の蓄積ジョブ管理領域113において、矢印が示すように、ジョブAの管理領域とジョブBの管理領域とが分けられている。また、破線で囲まれたジョブAの管理領域には、破線内の左側に図示されたRIP後データが右側に図示されたRIP前データと並べて配置されている。
【0042】
図3は、従来の記憶部の記憶領域の詳細の一例を示す図である。図3に示すように、従来の記憶部110は、印刷ジョブ管理領域、蓄積管理領域ともに、RIP後データとRIP前データを別個に記憶している。例えば、蓄積ジョブ管理領域では、RIP前データ管理領域と、RIP後データ管理領域とがそれぞれ破線で囲まれている。つまり、従来の記憶部は、RIP後データとRIP前データとを対応付けて記憶していなかった。
【0043】
また、記憶部110は、許可印刷条件、設定印刷条件等を記憶する。記憶部110は、許可印刷条件や設定印刷条件それぞれに対応する印刷条件を記憶する。例えば、記憶部110は、許可印刷条件として、モノクロの利用が許可されている場合に利用できるカラーモードとして、モノクロを対応付けて記憶する。また、カラーの利用が許可されている場合は、記憶部110は、利用できるカラーモードとして、モノクロとカラーを対応付けて記憶する。なお、記憶部110は、設定印刷条件についても同様に具体的な印刷条件を対応付けて記憶する。また、設定印刷条件としては、透かしや地紋印刷などのRGB画像との合成印刷の設定等ユーザにより設定される様々な印刷条件がある。
【0044】
印刷制御部109は、RIP前データ、または変換部106により変換されたRIP後データを記憶部110から取得し、取得したRIP後データをエンジン130に送信し印刷させる。また、印刷制御部109は、検知部107により機器状態の変化が検知された場合に、RIP後データを印刷する。例えば、印刷制御部109は、検知部107により、トナー補給や、印刷条件の変更を機器状態の変化として検知された場合に、RIP後データを印刷する。
【0045】
また、印刷制御部109は、強制印刷指示の入力が受け付けられた場合に、記憶部110に記憶されている印刷条件を、エラー回避可能な設定に変更しRIP後データを印刷する。
【0046】
エンジン130は、印刷制御部109から変換データを受け取り、受け取った変換データを印刷し、排紙する。
【0047】
次に、以上のように構成された画像形成装置100によるジョブ蓄積処理の手順について説明する。図4は、画像形成装置100によるジョブ蓄積処理の手順を示すフローチャートである。
【0048】
受信部103は、ジョブAのRIP前データを受信する(ステップS1)。受信部103は、ジョブAを複製し、複製したRIP前データを記憶部110の蓄積ジョブ管理領域113のジョブAの管理領域に記憶する(ステップS2)。
【0049】
変換部106は、ジョブAのRIP前データに対してRIPしRIP後データを取得する(ステップS3)。変換部106は、RIP後データを記憶部110の蓄積ジョブ管理領域113のジョブAの管理領域に蓄積する(ステップS4)。
【0050】
次に、画像形成装置100によるジョブ印刷処理の手順について説明する。図5は、画像形成装置100によるジョブ印刷処理の手順を示すフローチャートである。
【0051】
ステップS11からステップS13までの処理は、図4のジョブ蓄積処理の手順を示すフローチャートのステップS1からステップS3と同様である。
【0052】
ステップS14において、印刷制御部109は、記憶部110からRIP後データを取得し、取得したRIP後データをエンジン130により印刷し排紙する(ステップS14)。印刷制御部109は、蓄積ジョブ管理領域113からRIP前データおよびRIP後データを破棄する(ステップS15)。
【0053】
次に、印刷制御部109による印刷データの取得処理の手順について説明する。図6は、印刷制御部109による印刷データの取得処理の手順を示すフローチャートである。
【0054】
取得部104は、再印刷指示を入力したユーザの許可印刷条件を取得する(ステップS31)。例えば、取得部104は、記憶部110から再印刷指示とともに入力を受け付けたユーザIDに対応付けられている許可印刷条件を取得する。
【0055】
判断部105は、再印刷時の印刷条件が許可印刷条件を満たすか否かを判断する(ステップS32)。例えば、判断部105は、RIP後データに反映されている印刷条件が許可印刷条件により利用が許可されているか否かを判断する(ステップS32)。
【0056】
印刷制御部109は、判断部105により許可印刷条件を満たすと判断された場合は(ステップS32:Yes)、記憶部110からRIP後データを取得する(ステップS33)。例えば、許可印刷条件がカラーであって、RIP後データに反映されている印刷条件がカラーの場合である。
【0057】
一方、判断部105は許可印刷条件を満たさないと判断した場合(ステップS32:No)、さらに、印刷条件の変更により許可印刷条件を満たすか否かを判断する(ステップS34)。
【0058】
判断部105は、印刷条件の変更により許可印刷条件を満たすと判断した場合(ステップS34:Yes)、RIP前データを取得する(ステップS35)。例えば、許可印刷条件がモノクロであって、RIP後データに反映されている印刷条件がカラーの場合である。この場合、判断部105は、印刷条件をカラーからモノクロに変更することにより許可印刷条件を満たすと判断する。
【0059】
一方、判断部105は、印刷条件の変更によっても許可印刷条件を満たさないと判断した場合(ステップS34:No)、ジョブをリセットする(ステップS36)。例えば、再印刷指示とともに入力されたユーザIDにより識別されるユーザにプリンタの印刷権限がないような場合である。
【0060】
次に、印刷制御部109による印刷データの取得処理の手順の2つの他の例(他の例1と、他の例2)について説明する。まず、印刷制御部109による印刷データの取得処理の手順の他の例1について説明する。図7は、他の例1にかかる印刷制御部109による印刷データの取得処理の手順を示すフローチャートである。
【0061】
判断部105は、記憶部110から設定印刷条件を取得する(ステップS41)。判断部105は、設定印刷条件と再印刷時の印刷条件とが矛盾するか否かを判断する(ステップS42)。
【0062】
印刷制御部109は、判断部105により設定印刷条件と再印刷時の印刷条件とが矛盾しないと判断された場合(ステップS42:No)、RIP後データを取得する(ステップS43)。一方、印刷制御部109は、判断部105により設定印刷条件と再印刷条件とが矛盾すると判断された場合(ステップS42:Yes)、RIP前データを取得する(ステップS44)。
【0063】
次に、印刷制御部109による印刷データの取得処理の手順の他の例2について説明する。図8は、他の例2にかかる印刷制御部109による印刷データの取得処理の手順を示すフローチャートである。
【0064】
判断部105は、印刷条件の記憶部110から最終更新日時を取得する(ステップS51)。判断部105は、RIP前データの蓄積日時が出力条件の更新日時よりも前であるか否かを判断する(ステップS52)。
【0065】
印刷制御部109は、判断部105によりRIP前データの蓄積日時が出力条件の更新日時よりも後であると判断された場合(ステップS52:No)、RIP後データを取得する(ステップS53)。
【0066】
一方、印刷制御部109は、判断部105によりRIP前データの蓄積日時が出力条件の更新日時よりも前であると判断された場合(ステップS52:Yes)、RIP前データを取得する(ステップS54)。
【0067】
次に、印刷制御部109による蓄積ジョブを印刷する蓄積ジョブ印刷処理の手順について説明する。図9は、印刷制御部109による蓄積ジョブ印刷処理の手順を示すフローチャートである。
【0068】
印刷制御部109は、印刷データの取得処理によりRIP前データを取得したか否かを判断する(ステップS61)。印刷制御部109は、RIP後データを取得したと判断した場合(ステップS61:No)、記憶部110から取得したRIP後データをエンジン130により紙へ印刷し排紙する(ステップS62)。印刷制御部109は、記憶部110の蓄積ジョブ管理領域113から蓄積ジョブを破棄する(ステップS63)。
【0069】
ステップS61において、印刷制御部109は、RIP前データを取得したと判断した場合(ステップS61:Yes)、蓄積時の印刷条件を再印刷時の印刷条件に更新する(ステップS64)。
【0070】
印刷制御部109は、RIP前データを複製して記憶部110の蓄積ジョブ管理領域113に複製したRIP前データを蓄積する(ステップS65)。変換部106は、RIP前データをRIPする(ステップS66)。
【0071】
印刷制御部109は、RIP後データをエンジン130により紙へ印刷し排紙する(ステップS67)。印刷制御部109は、記憶部110の蓄積ジョブ管理領域113から蓄積ジョブを破棄する(ステップS68)。
【0072】
次に、他の例にかかる印刷制御部109による蓄積ジョブを印刷する蓄積ジョブ印刷処理の手順について説明する。図10は、他の例にかかる印刷制御部109による蓄積ジョブ印刷処理の手順を示すフローチャートである。
【0073】
ステップS71およびステップS72の処理は、図9の蓄積ジョブ印刷処理のステップS61およびステップS62の処理と同様である。また、ステップS73からステップS76までの処理は、図9の蓄積ジョブ印刷処理のステップS64からステップS67の処理と同様である。
【0074】
この例では、図9の蓄積ジョブ印刷処理のステップのうちステップS63およびステップS68の処理を実行しない。つまり、印刷制御部109は、エンジン130によりRIP後データを印刷し排紙した後、記憶部110の蓄積ジョブ管理領域113から蓄積ジョブを破棄してもよいし、しなくてもよい。
【0075】
次に、ジョブの保留処理の手順について説明する。図11は、ジョブの保留処理の手順を示すフローチャートである。
【0076】
ステップS81からステップS83までの処理は、図5のジョブ印刷処理の手順のステップS11からステップS13までの処理と同様である。
【0077】
ステップS84において、判断部105は、印刷開始後に印刷中断の可能性があるか否かを判断する(ステップS84)。例えば、判断部105は、印刷開始後に、給紙トレイ未セット、用紙切れ、該当トレイなし、トレイミスマッチ、両面印刷不可指定のトレイの指定、トナー切れ、仕上げ不可、排紙先満杯等が発生しないか否かを、機器状態とRIP後データに反映された印刷条件とを比較して判断する。
【0078】
ここで、該当トレイなしとは、自動トレイ選択が指定された場合に原稿サイズに該当するトレイがない場合のことである。また、トレイミスマッチとは、トレイ指定がされた場合に、指定されたトレイに用紙が入っていない場合や、適切な用紙サイズが入っていない場合のことである。
【0079】
また、両面印刷不可指定のトレイの指定とは、あらかじめ両面印刷不可として指定されたトレイである両面印刷不可指定のトレイがある場合であって、両面印刷と当該両面印刷不可指定のトレイが指定された場合のことである。また、トナー切れには、カラーのトナーとモノクロのトナーの二種類がある。
【0080】
また、仕上げ不可とは、ステープルの芯切れ、ステープルの芯が満杯、ステープルユニットの故障、ステープルリソースのビジー状態、ステープルトレイにステープルを実行できない無効な紙あり、ステープル位置指定による該当サイズなし、パンチくず満杯、パンチユニットの故障、パンチ位置指定による該当サイズなし等がある。
【0081】
また、印刷制御部109は、印刷開始後に印刷中断の可能性がないと判断された場合(ステップS84:No)、ジョブAのRIP前データを記憶部110の蓄積ジョブ管理領域113に蓄積する(ステップS85)。印刷制御部109は、記憶部110の蓄積ジョブ管理領域113から蓄積ジョブを破棄する(ステップS86)。
【0082】
一方、印刷制御部109は、印刷開始後に印刷中断の可能性があると判断された場合(ステップS84:Yes)、ジョブAのRIP後データを蓄積する(ステップS87)。
【0083】
次に、保留されたジョブの自動再開処理の手順について説明する。図12は、保留されたジョブの自動再開処理の手順を示すフローチャートである。
【0084】
以下の処理は、印刷制御部109によりジョブが保留された後、検知部107による機器状態の変化検知をトリガーに開始される。例えば、印刷開始後トナー切れにより印刷が中断されると判断されてジョブが保留された場合に、検知部107により機器状態の変化としてトナー補充が検知された場合に、処理が開始される。
【0085】
また、他の例として、印刷制御部109によるジョブの保留直後、または所定期間経過後に以下の処理が開始される。
【0086】
判断部105は、RIP前データが取得されたか否かを判断する(ステップS91)。判断部105は、RIP後データが取得されたと判断した場合(ステップS91:No)、印刷開始後の印刷中断の可能性があるか否かを判断する(ステップS92)。
【0087】
印刷制御部109は、判断部105により印刷開始後の印刷中断の可能性がないと判断された場合(ステップS92:No)、エンジン130によりRIP後データを紙へ印刷し排紙する(ステップS93)。印刷制御部109は、記憶部110の蓄積ジョブ管理領域113から蓄積ジョブを破棄する(ステップS94)。
【0088】
一方、印刷制御部109は、判断部105により印刷開始後の印刷中断の可能性があると判断された場合(ステップS92:Yes)、ジョブのRIP後データを記憶部110の蓄積ジョブ管理領域113に蓄積する(ステップS95)。
【0089】
印刷制御部109は、ステップS91において、判断部105により、RIP前データが取得されたと判断された場合(ステップS91:Yes)、ジョブ保留時の印刷条件を再開時の印刷条件に更新する(ステップS96)。
【0090】
ステップS97およびステップS98の処理は、図10の蓄積ジョブ印刷処理のフローチャートのステップS74およびステップS75と同様である。
【0091】
ステップS99において、判断部105は、印刷開始後の印刷中断の可能性があるか否かを判断する(ステップS99)。印刷制御部109は、判断部105により、印刷開始後の印刷中断の可能性があると判断された場合は(ステップS99:Yes)、ステップS95の処理を行う(ステップS95)。
【0092】
一方、印刷制御部109は、判断部105により、印刷開始後の印刷中断の可能性がないと判断された場合は(ステップS99:No)、エンジン130によりRIP後データを紙に印刷し、排紙する(ステップS100)。印刷制御部109は、記憶部110の蓄積ジョブ管理領域113から蓄積ジョブを破棄する(ステップS101)。
【0093】
次に、保留されたジョブの強制再開処理の手順について説明する。図13は、保留されたジョブの強制再開処理の手順を示すフローチャートである。
【0094】
入力制御部102は、ユーザから強制印刷指示の入力を受け付ける(ステップS111)。ここで、入力制御部102は、強制印刷指示の入力とともに印刷条件の変更の入力を受け付ける。
【0095】
ステップS112からステップS118までの処理は、図12の保留されたジョブの自動再開処理のフローチャートのステップS96からステップS101までと同様である。
【0096】
このように、本実施の形態によれば、再印刷時の印刷条件で蓄積時の印刷条件が反映された変換データを印刷可能か否かを判断し、印刷不可能である場合に印刷データを適切な印刷条件を反映した変換データに再度変換するので、画質および操作性を低下させることなく、ユーザの意図に沿って再印刷することができる。
【0097】
また、このように、本実施の形態によれば、印刷データの蓄積時における印刷条件を再印刷時に変更して蓄積された印刷データを印刷することができる。例えば、印刷データの蓄積時には設定されていなかったエコロジー設定を再印刷時に設定することができるので、蓄積時には資源を節約した印刷を行わなかった場合であっても再印刷時に資源を節約することができる。
【0098】
また、このように、本実施の形態によれば、利用できる印刷条件が制限されているユーザにより、利用できない印刷条件が設定された場合に、利用が許可された印刷条件に変更することができる。このため、本実施の形態によれば、許可設定条件を確実に実行することができる。
【0099】
また、本実施の形態によれば、印刷開始後にエラー発生により印刷が中断されるか否かを判断し、中断されると判断した場合には変換データを蓄積し印刷処理を保留し、エラー解消後に印刷処理を再開するので再印刷処理を確実に実行することができる。
【0100】
図14は、本実施の形態にかかる画像形成装置100のハードウェア構成を示すブロック図である。本図では、画像形成装置100の一例として複合機100として説明する。この複合機100は、コントローラ10とエンジン部(Engine)60とをPCI(Peripheral Component Interface)バスで接続した構成となる。コントローラ10は、複合機100全体の制御と描画、通信、図示しない操作部からの入力を制御するコントローラである。エンジン部60は、PCIバスに接続可能なプリンタエンジンなどであり、たとえば白黒プロッタ、1ドラムカラープロッタ、4ドラムカラープロッタ、スキャナまたはファックスユニットなどである。なお、このエンジン部60には、プロッタなどのいわゆるエンジン部分に加えて、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれる。
【0101】
コントローラ10は、CPU11と、ノースブリッジ(NB)13と、システムメモリ(MEM−P)12と、サウスブリッジ(SB)14と、ローカルメモリ(MEM−C)17と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)16と、ハードディスクドライブ(HDD)110とを有し、ノースブリッジ(NB)13とASIC16との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス15で接続した構成となる。また、MEM−P12は、ROM(Read Only Memory)12aと、RAM(Random Access Memory)12bと、をさらに有する。
【0102】
CPU11は、複合機100の全体制御をおこなうものであり、NB13、MEM−P12およびSB14からなるチップセットを有し、このチップセットを介して他の機器と接続される。
【0103】
NB13は、CPU11とMEM−P12、SB14、AGPバス15とを接続するためのブリッジであり、MEM−P12に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCIマスタおよびAGPターゲットとを有する。
【0104】
MEM−P12は、プログラムやデータの格納用メモリ、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いるシステムメモリであり、ROM12aとRAM12bとからなる。ROM12aは、プログラムやデータの格納用メモリとして用いる読み出し専用のメモリであり、RAM12bは、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いる書き込みおよび読み出し可能なメモリである。
【0105】
SB14は、NB13とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。このSB14は、PCIバスを介してNB13と接続されており、このPCIバスには、ネットワークインターフェース(I/F)部なども接続される。
【0106】
ASIC16は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGP15、PCIバス、HDD110およびMEM−C17をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC16は、PCIターゲットおよびAGPマスタと、ASIC16の中核をなすアービタ(ARB)と、MEM−C17を制御するメモリコントローラと、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などをおこなう複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)と、エンジン部60との間でPCIバスを介したデータ転送をおこなうPCIユニットとからなる。このASIC16には、PCIバスを介してFCU(Facsimile Control Unit)30、USB(Universal Serial Bus)40、IEEE1394(the Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)インターフェース50が接続される。操作表示部120はASIC16に直接接続されている。
【0107】
MEM−C17は、コピー用画像バッファ、符号バッファとして用いるローカルメモリであり、HDD(Hard Disk Drive)110は、画像データの蓄積、プログラムの蓄積、フォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。
【0108】
AGP15は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレーターカード用のバスインターフェースであり、MEM−P12に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレーターカードを高速にするものである。
【0109】
なお、本実施の形態の画像形成装置で実行される画像形成プログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。
【0110】
本実施の形態の画像形成装置で実行される画像形成プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0111】
さらに、本実施の形態の画像形成装置で実行される画像形成プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施の形態の画像形成装置で実行される画像形成プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0112】
本実施の形態の画像形成装置で実行される画像形成プログラムは、上述した各部(表示制御部、入力制御部、受信部、取得部、判断部、変換部、検知部、通知部、印刷制御部)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMから画像形成プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、表示制御部、入力制御部、受信部、取得部、判断部、変換部、検知部、通知部、印刷制御部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0113】
なお、上記実施の形態では、本発明の画像形成装置を、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有する複合機に適用した例を挙げて説明するが、複写機、プリンタ、スキャナ装置、ファクシミリ装置等の画像形成装置であればいずれにも適用することができる。
【符号の説明】
【0114】
100 画像形成装置
101 表示制御部
102 入力制御部
103 受信部
104 取得部
105 判断部
106 変換部
107 検知部
108 通知部
109 印刷制御部
110 記憶部
120 操作表示部
200 HOST
【先行技術文献】
【特許文献】
【0115】
【特許文献1】特開2009−037409号公報
【特許文献2】特開2004−288032号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ページ記述言語等の言語で記述された印刷データをRIP(Raster Image Processor)により印刷条件を反映して印刷可能な形式に変換した変換データに変換する技術が知られている。また、従来から、RIPにより変換された変換データを用いることにより再印刷時に印刷処理を高速化する方法が開発されている。
【0003】
例えば、ユーザが印刷した際の印刷データを蓄積し、当該ユーザが蓄積した印刷データを再印刷する場合や、他のユーザが蓄積された印刷データを印刷する場合に、効率的に印刷することを目的として、過去の印刷要求の内容に対応付けて印刷データ実体を管理する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
また、用紙切れや、ホッチキスの芯切れや、インク切れ等によりエラーが発生し、印刷できなかった印刷ジョブをエラー解消後に再印刷可能にすることを目的として、補給品の品切れを検知した場合に、印刷ジョブを保留ジョブとして管理する方法が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の方法では、蓄積文書の再印刷時に蓄積時から変更された印刷に影響する条件を反映することができなかった。また、特許文献2の方法では、印刷が保留された印刷ジョブの再印刷時に印刷に影響する条件の変更を反映することができなかった。
【0006】
特許文献1および特許文献2の方法では、再印刷時において蓄積時または保留時から変更された条件を反映するには、ユーザが逐次適用可能な条件を判別して個別に設定する必要があり操作性が悪かった。一方、蓄積時の印刷条件と同一の条件を一律に自動設定することとすると、出力する機器に適した条件を設定することができないため画質が低下するという問題があった。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、画質および操作性を低下させることなく、ユーザの意図に沿って再印刷することができる画像形成装置、画像形成方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる画像形成装置は、印刷データと、前記印刷データに印刷条件を反映して印刷可能な形式に変換した変換データとを記憶する記憶部と、前記変換データの再印刷指示の入力を受け付ける受付部と、前記変換データの再印刷時の印刷条件を取得する取得部と、前記再印刷指示の入力が受け付けられた場合に、取得された前記再印刷時の印刷条件と、前記変換データに反映された印刷条件とを比較して、取得された前記再印刷時の印刷条件により前記変換データを印刷可能か否かを判断する判断部と、取得された前記再印刷時の印刷条件により前記変換データを印刷不可能と判断された場合に、前記記憶部から前記印刷データを取得し、取得した前記印刷データを、前記印刷データに前記再印刷時の印刷条件を反映した変換データに変換する変換部と、変換された前記変換データを印刷する印刷制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明にかかる画像形成方法は、印刷データと、前記印刷データに印刷条件を反映して印刷可能な形式に変換した変換データとを記憶する記憶ステップと、前記変換データの再印刷指示の入力を受け付ける受付ステップと、前記変換データの再印刷時の印刷条件を取得する取得ステップと、前記再印刷指示の入力が受け付けられた場合に、取得された前記再印刷時の印刷条件と、前記変換データに反映された印刷条件とを比較して、取得された前記再印刷時の印刷条件により前記変換データを印刷可能か否かを判断する判断ステップと、取得された前記再印刷時の印刷条件により前記変換データを印刷不可能と判断された場合に、前記記憶部から前記印刷データを取得し、取得した前記印刷データを、前記印刷データに前記再印刷時の印刷条件を反映した変換データに変換する変換ステップと、変換された前記変換データを印刷する印刷ステップと、を含むことを特徴とする。
【0010】
また、本発明にかかるプログラムは、コンピュータを、印刷データと、前記印刷データに印刷条件を反映して印刷可能な形式に変換した変換データとを記憶する記憶ステップと、前記変換データの再印刷指示の入力を受け付ける受付ステップと、前記変換データの再印刷時の印刷条件を取得する取得ステップと、前記再印刷指示の入力が受け付けられた場合に、取得された前記再印刷時の印刷条件と、前記変換データに反映された印刷条件とを比較して、取得された前記再印刷時の印刷条件により前記変換データを印刷可能か否かを判断する判断ステップと、取得された前記再印刷時の印刷条件により前記変換データを印刷不可能と判断された場合に、前記記憶部から前記印刷データを取得し、取得した前記印刷データを、前記印刷データに前記再印刷時の印刷条件を反映した変換データに変換する変換ステップと、変換された前記変換データを印刷する印刷ステップ、として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、画質および操作性を低下させることなく、ユーザの意図に沿って再印刷することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本実施の形態にかかる画像形成システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、本実施の形態にかかる記憶部の記憶領域の詳細の一例を示す図である。
【図3】図3は、従来の記憶部の記憶領域の詳細の一例を示す図である。
【図4】図4は、画像形成装置によるジョブ蓄積処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】図5は、画像形成装置によるジョブ印刷処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】図6は、印刷制御部による印刷データの取得処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】図7は、他の例1にかかる印刷制御部による印刷データの取得処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】図8は、他の例2にかかる印刷制御部による印刷データの取得処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】図9は、印刷制御部による蓄積ジョブ印刷処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】図10は、他の例にかかる印刷制御部による蓄積ジョブ印刷処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】図11は、ジョブの保留処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】図12は、保留されたジョブの自動再開処理の手順を示すフローチャートである。
【図13】図13は、保留されたジョブの強制再開処理の手順を示すフローチャートである。
【図14】図14は、本実施の形態にかかる画像形成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる画像形成装置、画像形成方法およびプログラムの最良な実施の形態を詳細に説明する。
【0014】
図1は、本実施の形態にかかる画像形成システムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、画像形成システムは、PC(Personal Computer)やServerであるHOST200と、HOST200と接続されたMFP(Multifunction Printer)やLP(Laser Printer)等の画像形成装置100を備える。
【0015】
また、図1に示すように、画像形成装置100は、表示制御部101と、入力制御部102と、受信部103と、取得部104と、判断部105と、変換部106と、検知部107と、通知部108と、印刷制御部109と、操作表示部120と、記憶部110と、エンジン130とを主に備える。
【0016】
受信部103は、HOST200から印刷データを受信し、受信した印刷データを記憶部110に保存する。ここで、印刷データとは、印刷対象となる画像データのことであり、画像データには画像もテキストも含まれる。
【0017】
表示制御部101は、各種表示事項を操作表示部120に表示する。表示制御部101は、例えば、印刷完了通知や、エラー通知を操作表示部120に表示する。
【0018】
入力制御部102は、本発明における受付部や、印刷条件受付部としての機能を有し、ユーザによる各種入力事項の入力を受け付ける。例えば、入力制御部102は、印刷条件、設定印刷条件、再印刷指示、強制印刷指示等の入力を受け付ける。
【0019】
ここで、印刷条件とは、印刷データを印刷するために定められる条件であり、カラー、集約印刷制御部数、両面印刷等がある。
【0020】
また、設定印刷条件とは、ユーザごとに設定された印刷条件であり、エコロジー設定等がある。エコロジー設定とは、印刷に要する資源を削減するための条件としてあらかじめ定められた設定であって、集約印刷、両面印刷、トナーセーブ印刷のうち少なくともいずれか一つである。なお、これらは例示であって、資源を削減可能な設定であればいずれであってもよい。
【0021】
また、再印刷指示とは、既に記憶部110に記憶されている変換データを再印刷する指示のことである。既に記憶部110に記憶されている印刷データとしては、例えば、再印刷指示を入力したユーザとは別のユーザが過去に印刷した際に蓄積されたRIP後データであってもよいし、再印刷指示を入力したユーザが印刷に失敗した印刷データが蓄積されたRIP後データであってもよい。
【0022】
また、強制印刷指示とは、変換データを印刷した場合に機器にエラーが発生し印刷が中断すると判断され、保留された印刷を強制的に再開する指示のことである。
【0023】
取得部104は、変換データの再印刷時の印刷条件を取得する。例えば、取得部104は、記憶部110に記憶されている印刷条件を再印刷時の印刷条件として取得する。
【0024】
ここで、取得部104により取得される印刷条件は、後述する判断部105により、記憶部110に記憶されている印刷条件を再印刷条件として反映して印刷可能な形式に変換可能か否かの判断対象となり得る情報であればよい。そこで、取得部104は、再印刷時の印刷条件として、記憶部110に記憶されている許可印刷条件、設定印刷条件、印刷データの蓄積日時、印刷条件の更新日時等を取得する。
【0025】
判断部105は、入力制御部102により再印刷指示の入力が受け付けられた場合に、再印刷時の印刷条件と、変換データに反映された印刷条件とを比較して、再印刷時の印刷条件により変換データを印刷可能か否かを判断する。
【0026】
例えば、判断部105は、記憶部110に記憶されている許可印刷条件がモノクロであって、変換データにカラーの印刷条件が反映されている場合は、モノクロの許可印刷条件によりカラーが反映された変換データを印刷できないと判断する。なお、許可印刷条件が具体的にどの印刷条件を利用できるかという情報については記憶部110にあらかじめ記憶されている。
【0027】
また、判断部105は、記憶部110に記憶されている設定印刷条件がエコロジー設定であった場合、変換データに反映されている印刷条件がエコロジー設定であるか否かを判断する。
【0028】
例えば、判断部105は、変換データに反映されている印刷条件が集約なしであり、エコロジー設定として集約ありが規定されていた場合、変換データに反映されている印刷条件はエコロジー設定として規定された印刷条件を満たさない。この場合、判断部105は、再印刷時の印刷条件により変換データを印刷できないと判断する。
【0029】
また、判断部105は、取得部104により取得された印刷データの蓄積日時と、印刷条件の更新日時とを比較して、印刷条件の更新日時が印刷データの蓄積日時よりも新しいか否かを判断する。判断部105は、印刷条件の更新日時の方が印刷データの蓄積日時よりも新しいと判断した場合に、再印刷時の印刷条件により変換データを印刷できないと判断する。
【0030】
例えば、印刷データの蓄積時には印刷条件としてステープル機能が設定されていたが、その後機器交換によりステープル機能の設定が解除されたような事態が生じえる。この場合、判断部105は、蓄積日時よりも新しい日時に更新された印刷条件(ステープルなし)により、印刷条件(ステープルあり)が反映された変換データを印刷できないと判断する。なお、蓄積日時および更新日時については、日付だけを示す情報でも、時刻までを示す情報であってもよく、両者の新旧を比較できる情報であればよい。
【0031】
また、判断部105は、再印刷時の印刷条件により変換データを印刷した場合に、エラー発生により印刷が中断されるか否かを判断し、中断されると判断した場合に、再印刷時の印刷条件により変換データを印刷できないと判断する。
【0032】
例えば、判断部105は、印刷条件としてカラーが設定されていて、変換データが30枚であった場合に、画像形成装置100に装填されているカラーのトナータンクのトナー残量が2枚分であったような事態が生じえる。この場合、判断部105は、再印刷時の印刷条件(2枚分のカラー)により、印刷条件(30枚分のカラー)が反映された変換データを印刷できないと判断する。
【0033】
検知部107は、機器状態の変化を検知する。ここで、機器状態とは、画像形成装置100の状態のことであり、例えば、トナータンクへのトナー補充、用紙トレイへの用紙補充、ホッチキスの芯の補充、入力条件の変更の受付等がある。
【0034】
また、検知部107は、入力制御部102により受け付けた印刷条件の変更を機器状態の変化として検知してもよい。
【0035】
通知部108は、記憶部110に記憶されている印刷条件により印刷した場合、エラーにより印刷が停止すると判断された場合に、ユーザにエラーを通知する。例えば、通知部108は、表示制御部101を介して操作表示部120にエラー通知を表示する。ここで、通知部108は、ユーザへのエラー通知とともに、入力制御部102により印刷条件の変更を受け付けることとしてもよい。なお、印刷条件の変更を受け付けるタイミングは、エラー通知とともにでなくてもよく、エラー通知後等いずれであってもよい。
【0036】
変換部106は、印刷データを、印刷データにRIPにより印刷条件を反映して印刷可能な形式に変換して変換データを生成する。例えば、変換部106は、RIPにより、ページ記述言語の1つであるPDL(page description language)で記述された印刷データ(以下、RIP前データという。)を変換し、ビットマップ形式で描画された変換データ(以下、RIP後データという。)を生成する。
【0037】
また、変換部106は、判断部105により、エラーにより印刷が中断されると判断した場合は、RIP前データを変換せず、後述する記憶部110の印刷ジョブ管理領域にRIP前データを未処理の印刷データとして保存する。
【0038】
また、変換部106は、検知部107により、入力制御部102を介して受け付けた変更の入力を機器状態の変化として検知された場合に、RIP前データに変更された入力条件を反映してRIP後データに変換する。
【0039】
記憶部110は、各種情報を記憶する。例えば、記憶部110は、受信部103から受信した印刷データや、スキャナ(不図示)により読み取られたRIP前データを記憶する。また、記憶部110は、変換部106により変換されたRIP後データを記憶する。
【0040】
図2は、本実施の形態にかかる記憶部110の記憶領域の一部の一例を示す図である。図2に示すように、記憶部110は、記憶領域の一部をデータ蓄積領域に割り当てる。ここで、データ蓄積領域111は、図2に示すように、印刷ジョブ管理領域112と、蓄積ジョブ管理領域113とを含む領域であり、RIP前データおよびRIP後データを蓄積する領域である。
【0041】
印刷ジョブ管理領域112は、印刷されていないRIP後データをRIP前データと対応付けて管理する領域である。また、蓄積ジョブ管理領域113は、印刷済みのRIP後データをRIP前データと対応付け、これらを再印刷対象となる蓄積ジョブとして記憶する。図2の蓄積ジョブ管理領域113において、矢印が示すように、ジョブAの管理領域とジョブBの管理領域とが分けられている。また、破線で囲まれたジョブAの管理領域には、破線内の左側に図示されたRIP後データが右側に図示されたRIP前データと並べて配置されている。
【0042】
図3は、従来の記憶部の記憶領域の詳細の一例を示す図である。図3に示すように、従来の記憶部110は、印刷ジョブ管理領域、蓄積管理領域ともに、RIP後データとRIP前データを別個に記憶している。例えば、蓄積ジョブ管理領域では、RIP前データ管理領域と、RIP後データ管理領域とがそれぞれ破線で囲まれている。つまり、従来の記憶部は、RIP後データとRIP前データとを対応付けて記憶していなかった。
【0043】
また、記憶部110は、許可印刷条件、設定印刷条件等を記憶する。記憶部110は、許可印刷条件や設定印刷条件それぞれに対応する印刷条件を記憶する。例えば、記憶部110は、許可印刷条件として、モノクロの利用が許可されている場合に利用できるカラーモードとして、モノクロを対応付けて記憶する。また、カラーの利用が許可されている場合は、記憶部110は、利用できるカラーモードとして、モノクロとカラーを対応付けて記憶する。なお、記憶部110は、設定印刷条件についても同様に具体的な印刷条件を対応付けて記憶する。また、設定印刷条件としては、透かしや地紋印刷などのRGB画像との合成印刷の設定等ユーザにより設定される様々な印刷条件がある。
【0044】
印刷制御部109は、RIP前データ、または変換部106により変換されたRIP後データを記憶部110から取得し、取得したRIP後データをエンジン130に送信し印刷させる。また、印刷制御部109は、検知部107により機器状態の変化が検知された場合に、RIP後データを印刷する。例えば、印刷制御部109は、検知部107により、トナー補給や、印刷条件の変更を機器状態の変化として検知された場合に、RIP後データを印刷する。
【0045】
また、印刷制御部109は、強制印刷指示の入力が受け付けられた場合に、記憶部110に記憶されている印刷条件を、エラー回避可能な設定に変更しRIP後データを印刷する。
【0046】
エンジン130は、印刷制御部109から変換データを受け取り、受け取った変換データを印刷し、排紙する。
【0047】
次に、以上のように構成された画像形成装置100によるジョブ蓄積処理の手順について説明する。図4は、画像形成装置100によるジョブ蓄積処理の手順を示すフローチャートである。
【0048】
受信部103は、ジョブAのRIP前データを受信する(ステップS1)。受信部103は、ジョブAを複製し、複製したRIP前データを記憶部110の蓄積ジョブ管理領域113のジョブAの管理領域に記憶する(ステップS2)。
【0049】
変換部106は、ジョブAのRIP前データに対してRIPしRIP後データを取得する(ステップS3)。変換部106は、RIP後データを記憶部110の蓄積ジョブ管理領域113のジョブAの管理領域に蓄積する(ステップS4)。
【0050】
次に、画像形成装置100によるジョブ印刷処理の手順について説明する。図5は、画像形成装置100によるジョブ印刷処理の手順を示すフローチャートである。
【0051】
ステップS11からステップS13までの処理は、図4のジョブ蓄積処理の手順を示すフローチャートのステップS1からステップS3と同様である。
【0052】
ステップS14において、印刷制御部109は、記憶部110からRIP後データを取得し、取得したRIP後データをエンジン130により印刷し排紙する(ステップS14)。印刷制御部109は、蓄積ジョブ管理領域113からRIP前データおよびRIP後データを破棄する(ステップS15)。
【0053】
次に、印刷制御部109による印刷データの取得処理の手順について説明する。図6は、印刷制御部109による印刷データの取得処理の手順を示すフローチャートである。
【0054】
取得部104は、再印刷指示を入力したユーザの許可印刷条件を取得する(ステップS31)。例えば、取得部104は、記憶部110から再印刷指示とともに入力を受け付けたユーザIDに対応付けられている許可印刷条件を取得する。
【0055】
判断部105は、再印刷時の印刷条件が許可印刷条件を満たすか否かを判断する(ステップS32)。例えば、判断部105は、RIP後データに反映されている印刷条件が許可印刷条件により利用が許可されているか否かを判断する(ステップS32)。
【0056】
印刷制御部109は、判断部105により許可印刷条件を満たすと判断された場合は(ステップS32:Yes)、記憶部110からRIP後データを取得する(ステップS33)。例えば、許可印刷条件がカラーであって、RIP後データに反映されている印刷条件がカラーの場合である。
【0057】
一方、判断部105は許可印刷条件を満たさないと判断した場合(ステップS32:No)、さらに、印刷条件の変更により許可印刷条件を満たすか否かを判断する(ステップS34)。
【0058】
判断部105は、印刷条件の変更により許可印刷条件を満たすと判断した場合(ステップS34:Yes)、RIP前データを取得する(ステップS35)。例えば、許可印刷条件がモノクロであって、RIP後データに反映されている印刷条件がカラーの場合である。この場合、判断部105は、印刷条件をカラーからモノクロに変更することにより許可印刷条件を満たすと判断する。
【0059】
一方、判断部105は、印刷条件の変更によっても許可印刷条件を満たさないと判断した場合(ステップS34:No)、ジョブをリセットする(ステップS36)。例えば、再印刷指示とともに入力されたユーザIDにより識別されるユーザにプリンタの印刷権限がないような場合である。
【0060】
次に、印刷制御部109による印刷データの取得処理の手順の2つの他の例(他の例1と、他の例2)について説明する。まず、印刷制御部109による印刷データの取得処理の手順の他の例1について説明する。図7は、他の例1にかかる印刷制御部109による印刷データの取得処理の手順を示すフローチャートである。
【0061】
判断部105は、記憶部110から設定印刷条件を取得する(ステップS41)。判断部105は、設定印刷条件と再印刷時の印刷条件とが矛盾するか否かを判断する(ステップS42)。
【0062】
印刷制御部109は、判断部105により設定印刷条件と再印刷時の印刷条件とが矛盾しないと判断された場合(ステップS42:No)、RIP後データを取得する(ステップS43)。一方、印刷制御部109は、判断部105により設定印刷条件と再印刷条件とが矛盾すると判断された場合(ステップS42:Yes)、RIP前データを取得する(ステップS44)。
【0063】
次に、印刷制御部109による印刷データの取得処理の手順の他の例2について説明する。図8は、他の例2にかかる印刷制御部109による印刷データの取得処理の手順を示すフローチャートである。
【0064】
判断部105は、印刷条件の記憶部110から最終更新日時を取得する(ステップS51)。判断部105は、RIP前データの蓄積日時が出力条件の更新日時よりも前であるか否かを判断する(ステップS52)。
【0065】
印刷制御部109は、判断部105によりRIP前データの蓄積日時が出力条件の更新日時よりも後であると判断された場合(ステップS52:No)、RIP後データを取得する(ステップS53)。
【0066】
一方、印刷制御部109は、判断部105によりRIP前データの蓄積日時が出力条件の更新日時よりも前であると判断された場合(ステップS52:Yes)、RIP前データを取得する(ステップS54)。
【0067】
次に、印刷制御部109による蓄積ジョブを印刷する蓄積ジョブ印刷処理の手順について説明する。図9は、印刷制御部109による蓄積ジョブ印刷処理の手順を示すフローチャートである。
【0068】
印刷制御部109は、印刷データの取得処理によりRIP前データを取得したか否かを判断する(ステップS61)。印刷制御部109は、RIP後データを取得したと判断した場合(ステップS61:No)、記憶部110から取得したRIP後データをエンジン130により紙へ印刷し排紙する(ステップS62)。印刷制御部109は、記憶部110の蓄積ジョブ管理領域113から蓄積ジョブを破棄する(ステップS63)。
【0069】
ステップS61において、印刷制御部109は、RIP前データを取得したと判断した場合(ステップS61:Yes)、蓄積時の印刷条件を再印刷時の印刷条件に更新する(ステップS64)。
【0070】
印刷制御部109は、RIP前データを複製して記憶部110の蓄積ジョブ管理領域113に複製したRIP前データを蓄積する(ステップS65)。変換部106は、RIP前データをRIPする(ステップS66)。
【0071】
印刷制御部109は、RIP後データをエンジン130により紙へ印刷し排紙する(ステップS67)。印刷制御部109は、記憶部110の蓄積ジョブ管理領域113から蓄積ジョブを破棄する(ステップS68)。
【0072】
次に、他の例にかかる印刷制御部109による蓄積ジョブを印刷する蓄積ジョブ印刷処理の手順について説明する。図10は、他の例にかかる印刷制御部109による蓄積ジョブ印刷処理の手順を示すフローチャートである。
【0073】
ステップS71およびステップS72の処理は、図9の蓄積ジョブ印刷処理のステップS61およびステップS62の処理と同様である。また、ステップS73からステップS76までの処理は、図9の蓄積ジョブ印刷処理のステップS64からステップS67の処理と同様である。
【0074】
この例では、図9の蓄積ジョブ印刷処理のステップのうちステップS63およびステップS68の処理を実行しない。つまり、印刷制御部109は、エンジン130によりRIP後データを印刷し排紙した後、記憶部110の蓄積ジョブ管理領域113から蓄積ジョブを破棄してもよいし、しなくてもよい。
【0075】
次に、ジョブの保留処理の手順について説明する。図11は、ジョブの保留処理の手順を示すフローチャートである。
【0076】
ステップS81からステップS83までの処理は、図5のジョブ印刷処理の手順のステップS11からステップS13までの処理と同様である。
【0077】
ステップS84において、判断部105は、印刷開始後に印刷中断の可能性があるか否かを判断する(ステップS84)。例えば、判断部105は、印刷開始後に、給紙トレイ未セット、用紙切れ、該当トレイなし、トレイミスマッチ、両面印刷不可指定のトレイの指定、トナー切れ、仕上げ不可、排紙先満杯等が発生しないか否かを、機器状態とRIP後データに反映された印刷条件とを比較して判断する。
【0078】
ここで、該当トレイなしとは、自動トレイ選択が指定された場合に原稿サイズに該当するトレイがない場合のことである。また、トレイミスマッチとは、トレイ指定がされた場合に、指定されたトレイに用紙が入っていない場合や、適切な用紙サイズが入っていない場合のことである。
【0079】
また、両面印刷不可指定のトレイの指定とは、あらかじめ両面印刷不可として指定されたトレイである両面印刷不可指定のトレイがある場合であって、両面印刷と当該両面印刷不可指定のトレイが指定された場合のことである。また、トナー切れには、カラーのトナーとモノクロのトナーの二種類がある。
【0080】
また、仕上げ不可とは、ステープルの芯切れ、ステープルの芯が満杯、ステープルユニットの故障、ステープルリソースのビジー状態、ステープルトレイにステープルを実行できない無効な紙あり、ステープル位置指定による該当サイズなし、パンチくず満杯、パンチユニットの故障、パンチ位置指定による該当サイズなし等がある。
【0081】
また、印刷制御部109は、印刷開始後に印刷中断の可能性がないと判断された場合(ステップS84:No)、ジョブAのRIP前データを記憶部110の蓄積ジョブ管理領域113に蓄積する(ステップS85)。印刷制御部109は、記憶部110の蓄積ジョブ管理領域113から蓄積ジョブを破棄する(ステップS86)。
【0082】
一方、印刷制御部109は、印刷開始後に印刷中断の可能性があると判断された場合(ステップS84:Yes)、ジョブAのRIP後データを蓄積する(ステップS87)。
【0083】
次に、保留されたジョブの自動再開処理の手順について説明する。図12は、保留されたジョブの自動再開処理の手順を示すフローチャートである。
【0084】
以下の処理は、印刷制御部109によりジョブが保留された後、検知部107による機器状態の変化検知をトリガーに開始される。例えば、印刷開始後トナー切れにより印刷が中断されると判断されてジョブが保留された場合に、検知部107により機器状態の変化としてトナー補充が検知された場合に、処理が開始される。
【0085】
また、他の例として、印刷制御部109によるジョブの保留直後、または所定期間経過後に以下の処理が開始される。
【0086】
判断部105は、RIP前データが取得されたか否かを判断する(ステップS91)。判断部105は、RIP後データが取得されたと判断した場合(ステップS91:No)、印刷開始後の印刷中断の可能性があるか否かを判断する(ステップS92)。
【0087】
印刷制御部109は、判断部105により印刷開始後の印刷中断の可能性がないと判断された場合(ステップS92:No)、エンジン130によりRIP後データを紙へ印刷し排紙する(ステップS93)。印刷制御部109は、記憶部110の蓄積ジョブ管理領域113から蓄積ジョブを破棄する(ステップS94)。
【0088】
一方、印刷制御部109は、判断部105により印刷開始後の印刷中断の可能性があると判断された場合(ステップS92:Yes)、ジョブのRIP後データを記憶部110の蓄積ジョブ管理領域113に蓄積する(ステップS95)。
【0089】
印刷制御部109は、ステップS91において、判断部105により、RIP前データが取得されたと判断された場合(ステップS91:Yes)、ジョブ保留時の印刷条件を再開時の印刷条件に更新する(ステップS96)。
【0090】
ステップS97およびステップS98の処理は、図10の蓄積ジョブ印刷処理のフローチャートのステップS74およびステップS75と同様である。
【0091】
ステップS99において、判断部105は、印刷開始後の印刷中断の可能性があるか否かを判断する(ステップS99)。印刷制御部109は、判断部105により、印刷開始後の印刷中断の可能性があると判断された場合は(ステップS99:Yes)、ステップS95の処理を行う(ステップS95)。
【0092】
一方、印刷制御部109は、判断部105により、印刷開始後の印刷中断の可能性がないと判断された場合は(ステップS99:No)、エンジン130によりRIP後データを紙に印刷し、排紙する(ステップS100)。印刷制御部109は、記憶部110の蓄積ジョブ管理領域113から蓄積ジョブを破棄する(ステップS101)。
【0093】
次に、保留されたジョブの強制再開処理の手順について説明する。図13は、保留されたジョブの強制再開処理の手順を示すフローチャートである。
【0094】
入力制御部102は、ユーザから強制印刷指示の入力を受け付ける(ステップS111)。ここで、入力制御部102は、強制印刷指示の入力とともに印刷条件の変更の入力を受け付ける。
【0095】
ステップS112からステップS118までの処理は、図12の保留されたジョブの自動再開処理のフローチャートのステップS96からステップS101までと同様である。
【0096】
このように、本実施の形態によれば、再印刷時の印刷条件で蓄積時の印刷条件が反映された変換データを印刷可能か否かを判断し、印刷不可能である場合に印刷データを適切な印刷条件を反映した変換データに再度変換するので、画質および操作性を低下させることなく、ユーザの意図に沿って再印刷することができる。
【0097】
また、このように、本実施の形態によれば、印刷データの蓄積時における印刷条件を再印刷時に変更して蓄積された印刷データを印刷することができる。例えば、印刷データの蓄積時には設定されていなかったエコロジー設定を再印刷時に設定することができるので、蓄積時には資源を節約した印刷を行わなかった場合であっても再印刷時に資源を節約することができる。
【0098】
また、このように、本実施の形態によれば、利用できる印刷条件が制限されているユーザにより、利用できない印刷条件が設定された場合に、利用が許可された印刷条件に変更することができる。このため、本実施の形態によれば、許可設定条件を確実に実行することができる。
【0099】
また、本実施の形態によれば、印刷開始後にエラー発生により印刷が中断されるか否かを判断し、中断されると判断した場合には変換データを蓄積し印刷処理を保留し、エラー解消後に印刷処理を再開するので再印刷処理を確実に実行することができる。
【0100】
図14は、本実施の形態にかかる画像形成装置100のハードウェア構成を示すブロック図である。本図では、画像形成装置100の一例として複合機100として説明する。この複合機100は、コントローラ10とエンジン部(Engine)60とをPCI(Peripheral Component Interface)バスで接続した構成となる。コントローラ10は、複合機100全体の制御と描画、通信、図示しない操作部からの入力を制御するコントローラである。エンジン部60は、PCIバスに接続可能なプリンタエンジンなどであり、たとえば白黒プロッタ、1ドラムカラープロッタ、4ドラムカラープロッタ、スキャナまたはファックスユニットなどである。なお、このエンジン部60には、プロッタなどのいわゆるエンジン部分に加えて、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれる。
【0101】
コントローラ10は、CPU11と、ノースブリッジ(NB)13と、システムメモリ(MEM−P)12と、サウスブリッジ(SB)14と、ローカルメモリ(MEM−C)17と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)16と、ハードディスクドライブ(HDD)110とを有し、ノースブリッジ(NB)13とASIC16との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス15で接続した構成となる。また、MEM−P12は、ROM(Read Only Memory)12aと、RAM(Random Access Memory)12bと、をさらに有する。
【0102】
CPU11は、複合機100の全体制御をおこなうものであり、NB13、MEM−P12およびSB14からなるチップセットを有し、このチップセットを介して他の機器と接続される。
【0103】
NB13は、CPU11とMEM−P12、SB14、AGPバス15とを接続するためのブリッジであり、MEM−P12に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCIマスタおよびAGPターゲットとを有する。
【0104】
MEM−P12は、プログラムやデータの格納用メモリ、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いるシステムメモリであり、ROM12aとRAM12bとからなる。ROM12aは、プログラムやデータの格納用メモリとして用いる読み出し専用のメモリであり、RAM12bは、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いる書き込みおよび読み出し可能なメモリである。
【0105】
SB14は、NB13とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。このSB14は、PCIバスを介してNB13と接続されており、このPCIバスには、ネットワークインターフェース(I/F)部なども接続される。
【0106】
ASIC16は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGP15、PCIバス、HDD110およびMEM−C17をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC16は、PCIターゲットおよびAGPマスタと、ASIC16の中核をなすアービタ(ARB)と、MEM−C17を制御するメモリコントローラと、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などをおこなう複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)と、エンジン部60との間でPCIバスを介したデータ転送をおこなうPCIユニットとからなる。このASIC16には、PCIバスを介してFCU(Facsimile Control Unit)30、USB(Universal Serial Bus)40、IEEE1394(the Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)インターフェース50が接続される。操作表示部120はASIC16に直接接続されている。
【0107】
MEM−C17は、コピー用画像バッファ、符号バッファとして用いるローカルメモリであり、HDD(Hard Disk Drive)110は、画像データの蓄積、プログラムの蓄積、フォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。
【0108】
AGP15は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレーターカード用のバスインターフェースであり、MEM−P12に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレーターカードを高速にするものである。
【0109】
なお、本実施の形態の画像形成装置で実行される画像形成プログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。
【0110】
本実施の形態の画像形成装置で実行される画像形成プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0111】
さらに、本実施の形態の画像形成装置で実行される画像形成プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施の形態の画像形成装置で実行される画像形成プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0112】
本実施の形態の画像形成装置で実行される画像形成プログラムは、上述した各部(表示制御部、入力制御部、受信部、取得部、判断部、変換部、検知部、通知部、印刷制御部)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMから画像形成プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、表示制御部、入力制御部、受信部、取得部、判断部、変換部、検知部、通知部、印刷制御部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0113】
なお、上記実施の形態では、本発明の画像形成装置を、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有する複合機に適用した例を挙げて説明するが、複写機、プリンタ、スキャナ装置、ファクシミリ装置等の画像形成装置であればいずれにも適用することができる。
【符号の説明】
【0114】
100 画像形成装置
101 表示制御部
102 入力制御部
103 受信部
104 取得部
105 判断部
106 変換部
107 検知部
108 通知部
109 印刷制御部
110 記憶部
120 操作表示部
200 HOST
【先行技術文献】
【特許文献】
【0115】
【特許文献1】特開2009−037409号公報
【特許文献2】特開2004−288032号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷データと、前記印刷データに印刷条件を反映して印刷可能な形式に変換した変換データとを記憶する記憶部と、
前記変換データの再印刷指示の入力を受け付ける受付部と、
前記変換データの再印刷時の印刷条件を取得する取得部と、
前記再印刷指示の入力が受け付けられた場合に、取得された前記再印刷時の印刷条件と、前記変換データに反映された印刷条件とを比較して、取得された前記再印刷時の印刷条件により前記変換データを印刷可能か否かを判断する判断部と、
取得された前記再印刷時の印刷条件により前記変換データを印刷不可能と判断された場合に、前記記憶部から前記印刷データを取得し、取得した前記印刷データを、前記印刷データに前記再印刷時の印刷条件を反映した変換データに変換する変換部と、
変換された前記変換データを印刷する印刷制御部と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記記憶部は、さらに、利用者を識別する識別情報と当該利用者に利用が許可された印刷条件である許可印刷条件とを対応付けて記憶し、
前記受付部は、さらに、前記識別情報の入力を受け付け、
前記取得部は、入力が受け付けられた前記識別情報に対応付けられた前記許可印刷条件を前記記憶部から取得し、
前記判断部は、取得された前記許可印刷条件と、前記変換データに反映された印刷条件とを比較して、取得された前記許可印刷条件により、前記変換データを印刷可能か否かを判断し、
前記変換部は、取得された前記許可印刷条件により前記変換データを印刷不可能と判断された場合に、前記記憶部から前記印刷データを取得し、取得した前記印刷データを前記印刷データに前記許可印刷条件を反映した変換データに変換すること、
を特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記記憶部は、さらに、利用者を識別する識別情報と当該利用者により設定された印刷条件である設定印刷条件とを対応付けて記憶し、
前記受付部は、さらに、前記識別情報の入力を受け付け、
前記取得部は、入力が受け付けられた前記識別情報に対応付けられた前記設定印刷条件を前記記憶部から取得し、
前記判断部は、取得された前記設定印刷条件と、前記変換データに反映された印刷条件とを比較して、前記変換データに反映された印刷条件が前記設定印刷条件に含まれるか否かを判断し、
前記変換部は、取得された前記設定印刷条件と、前記変換データに反映された印刷条件とを比較し、前記変換データに反映された印刷条件が前記設定印刷条件に含まれないと判断された場合に、前記記憶部から前記印刷データを取得し、取得した前記印刷データを前記印刷データに前記設定印刷条件を反映した変換データに変換すること、
を特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記設定印刷条件は、印刷に要する資源を削減するための条件としてあらかじめ定められたエコロジー設定であること、
を特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記エコロジー設定は、集約印刷、両面印刷、トナーセーブ印刷のうち少なくともいずれか一つであること、
を特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記記憶部は、さらに、印刷データの蓄積日時と、印刷条件の更新日時とを記憶し、
前記取得部は、前記記憶部から前記蓄積日時と前記更新日時を取得し、
前記判断部は、取得されたと前記蓄積日時と、前記更新日時とを比較して、取得された前記更新日時が前記蓄積日時よりも新しいか否かを判断し、取得された前記更新日時が前記蓄積日時よりも新しいと判断した場合に、前記再印刷時の印刷条件により前記変換データを印刷不可能と判断し、
前記変換部は、前記再印刷時の印刷条件により前記変換データを印刷不可能と判断された場合に、前記変換データを、前記再印刷時の印刷条件を反映した変換データに変換すること、
を特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記判断部は、取得された前記印刷条件により前記変換データを印刷した場合に、エラーにより印刷が中断されるか否かを判断し、エラーにより印刷が中断されると判断した場合に、前記再印刷時の印刷条件により前記変換データを印刷不可能と判断し、
前記変換部は、前記再印刷時の印刷条件により前記変換データを印刷不可能と判断された場合に、前記印刷データを変換せずに、前記変換データを未処理の変換データとして前記記憶部に保存し、
機器状態の変化を検知する検知部、
をさらに備え、
前記印刷制御部は、前記機器状態の変化が検知された場合に、前記記憶部から前記未処理の変換データとして保存された前記変換データを取得し、印刷すること、
を特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記判断部は、取得された前記印刷条件により前記変換データを印刷した場合に、エラーにより印刷が中断されるか否かを判断し、エラーにより印刷が中断されると判断した場合に、前記再印刷時の印刷条件により前記変換データを印刷不可能と判断し、
前記変換部は、前記再印刷時の印刷条件により前記変換データを印刷不可能と判断された場合に、前記印刷データを変換せずに、前記変換データを未処理の変換データとして前記記憶部に保存し、
前記印刷制御部は、前記変換データが前記未処理の変換データとして前記記憶部に保存されてからあらかじめ定められた所定時間が経過した場合に、前記記憶部から前記未処理の変換データとして保存された前記変換データを取得し、印刷すること、
を特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項9】
取得された前記印刷条件により前記変換データを印刷した場合に、エラーにより印刷が中断されると判断された場合に、エラーを通知する通知部と、
印刷条件の変更の入力を受け付ける印刷条件受付部と、
をさらに備え、
前記検知部は、前記変更の入力を前記機器状態の変化として検知し、
前記判断部は、入力を受け付けた変更後の印刷条件により前記変換データを印刷可能か否かを判断し、
前記変換部は、変更後の印刷条件により前記変換データを印刷可能と判断された場合に、前記印刷データを、入力を受け付けた前記印刷条件を反映した変換データに変換し、
前記印刷制御部は、変換された変換データを印刷すること、
を特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項10】
印刷データと、前記印刷データに印刷条件を反映して印刷可能な形式に変換した変換データとを記憶する記憶ステップと、
前記変換データの再印刷指示の入力を受け付ける受付ステップと、
前記変換データの再印刷時の印刷条件を取得する取得ステップと、
前記再印刷指示の入力が受け付けられた場合に、取得された前記再印刷時の印刷条件と、前記変換データに反映された印刷条件とを比較して、取得された前記再印刷時の印刷条件により前記変換データを印刷可能か否かを判断する判断ステップと、
取得された前記再印刷時の印刷条件により前記変換データを印刷不可能と判断された場合に、前記記憶部から前記印刷データを取得し、取得した前記印刷データを、前記印刷データに前記再印刷時の印刷条件を反映した変換データに変換する変換ステップと、
変換された前記変換データを印刷する印刷ステップと、
を含むことを特徴とする画像形成方法。
【請求項11】
コンピュータを、
印刷データと、前記印刷データに印刷条件を反映して印刷可能な形式に変換した変換データとを記憶する記憶ステップと、
前記変換データの再印刷指示の入力を受け付ける受付ステップと、
前記変換データの再印刷時の印刷条件を取得する取得ステップと、
前記再印刷指示の入力が受け付けられた場合に、取得された前記再印刷時の印刷条件と、前記変換データに反映された印刷条件とを比較して、取得された前記再印刷時の印刷条件により前記変換データを印刷可能か否かを判断する判断ステップと、
取得された前記再印刷時の印刷条件により前記変換データを印刷不可能と判断された場合に、前記記憶部から前記印刷データを取得し、取得した前記印刷データを、前記印刷データに前記再印刷時の印刷条件を反映した変換データに変換する変換ステップと、
変換された前記変換データを印刷する印刷ステップ、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項1】
印刷データと、前記印刷データに印刷条件を反映して印刷可能な形式に変換した変換データとを記憶する記憶部と、
前記変換データの再印刷指示の入力を受け付ける受付部と、
前記変換データの再印刷時の印刷条件を取得する取得部と、
前記再印刷指示の入力が受け付けられた場合に、取得された前記再印刷時の印刷条件と、前記変換データに反映された印刷条件とを比較して、取得された前記再印刷時の印刷条件により前記変換データを印刷可能か否かを判断する判断部と、
取得された前記再印刷時の印刷条件により前記変換データを印刷不可能と判断された場合に、前記記憶部から前記印刷データを取得し、取得した前記印刷データを、前記印刷データに前記再印刷時の印刷条件を反映した変換データに変換する変換部と、
変換された前記変換データを印刷する印刷制御部と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記記憶部は、さらに、利用者を識別する識別情報と当該利用者に利用が許可された印刷条件である許可印刷条件とを対応付けて記憶し、
前記受付部は、さらに、前記識別情報の入力を受け付け、
前記取得部は、入力が受け付けられた前記識別情報に対応付けられた前記許可印刷条件を前記記憶部から取得し、
前記判断部は、取得された前記許可印刷条件と、前記変換データに反映された印刷条件とを比較して、取得された前記許可印刷条件により、前記変換データを印刷可能か否かを判断し、
前記変換部は、取得された前記許可印刷条件により前記変換データを印刷不可能と判断された場合に、前記記憶部から前記印刷データを取得し、取得した前記印刷データを前記印刷データに前記許可印刷条件を反映した変換データに変換すること、
を特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記記憶部は、さらに、利用者を識別する識別情報と当該利用者により設定された印刷条件である設定印刷条件とを対応付けて記憶し、
前記受付部は、さらに、前記識別情報の入力を受け付け、
前記取得部は、入力が受け付けられた前記識別情報に対応付けられた前記設定印刷条件を前記記憶部から取得し、
前記判断部は、取得された前記設定印刷条件と、前記変換データに反映された印刷条件とを比較して、前記変換データに反映された印刷条件が前記設定印刷条件に含まれるか否かを判断し、
前記変換部は、取得された前記設定印刷条件と、前記変換データに反映された印刷条件とを比較し、前記変換データに反映された印刷条件が前記設定印刷条件に含まれないと判断された場合に、前記記憶部から前記印刷データを取得し、取得した前記印刷データを前記印刷データに前記設定印刷条件を反映した変換データに変換すること、
を特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記設定印刷条件は、印刷に要する資源を削減するための条件としてあらかじめ定められたエコロジー設定であること、
を特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記エコロジー設定は、集約印刷、両面印刷、トナーセーブ印刷のうち少なくともいずれか一つであること、
を特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記記憶部は、さらに、印刷データの蓄積日時と、印刷条件の更新日時とを記憶し、
前記取得部は、前記記憶部から前記蓄積日時と前記更新日時を取得し、
前記判断部は、取得されたと前記蓄積日時と、前記更新日時とを比較して、取得された前記更新日時が前記蓄積日時よりも新しいか否かを判断し、取得された前記更新日時が前記蓄積日時よりも新しいと判断した場合に、前記再印刷時の印刷条件により前記変換データを印刷不可能と判断し、
前記変換部は、前記再印刷時の印刷条件により前記変換データを印刷不可能と判断された場合に、前記変換データを、前記再印刷時の印刷条件を反映した変換データに変換すること、
を特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記判断部は、取得された前記印刷条件により前記変換データを印刷した場合に、エラーにより印刷が中断されるか否かを判断し、エラーにより印刷が中断されると判断した場合に、前記再印刷時の印刷条件により前記変換データを印刷不可能と判断し、
前記変換部は、前記再印刷時の印刷条件により前記変換データを印刷不可能と判断された場合に、前記印刷データを変換せずに、前記変換データを未処理の変換データとして前記記憶部に保存し、
機器状態の変化を検知する検知部、
をさらに備え、
前記印刷制御部は、前記機器状態の変化が検知された場合に、前記記憶部から前記未処理の変換データとして保存された前記変換データを取得し、印刷すること、
を特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記判断部は、取得された前記印刷条件により前記変換データを印刷した場合に、エラーにより印刷が中断されるか否かを判断し、エラーにより印刷が中断されると判断した場合に、前記再印刷時の印刷条件により前記変換データを印刷不可能と判断し、
前記変換部は、前記再印刷時の印刷条件により前記変換データを印刷不可能と判断された場合に、前記印刷データを変換せずに、前記変換データを未処理の変換データとして前記記憶部に保存し、
前記印刷制御部は、前記変換データが前記未処理の変換データとして前記記憶部に保存されてからあらかじめ定められた所定時間が経過した場合に、前記記憶部から前記未処理の変換データとして保存された前記変換データを取得し、印刷すること、
を特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項9】
取得された前記印刷条件により前記変換データを印刷した場合に、エラーにより印刷が中断されると判断された場合に、エラーを通知する通知部と、
印刷条件の変更の入力を受け付ける印刷条件受付部と、
をさらに備え、
前記検知部は、前記変更の入力を前記機器状態の変化として検知し、
前記判断部は、入力を受け付けた変更後の印刷条件により前記変換データを印刷可能か否かを判断し、
前記変換部は、変更後の印刷条件により前記変換データを印刷可能と判断された場合に、前記印刷データを、入力を受け付けた前記印刷条件を反映した変換データに変換し、
前記印刷制御部は、変換された変換データを印刷すること、
を特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項10】
印刷データと、前記印刷データに印刷条件を反映して印刷可能な形式に変換した変換データとを記憶する記憶ステップと、
前記変換データの再印刷指示の入力を受け付ける受付ステップと、
前記変換データの再印刷時の印刷条件を取得する取得ステップと、
前記再印刷指示の入力が受け付けられた場合に、取得された前記再印刷時の印刷条件と、前記変換データに反映された印刷条件とを比較して、取得された前記再印刷時の印刷条件により前記変換データを印刷可能か否かを判断する判断ステップと、
取得された前記再印刷時の印刷条件により前記変換データを印刷不可能と判断された場合に、前記記憶部から前記印刷データを取得し、取得した前記印刷データを、前記印刷データに前記再印刷時の印刷条件を反映した変換データに変換する変換ステップと、
変換された前記変換データを印刷する印刷ステップと、
を含むことを特徴とする画像形成方法。
【請求項11】
コンピュータを、
印刷データと、前記印刷データに印刷条件を反映して印刷可能な形式に変換した変換データとを記憶する記憶ステップと、
前記変換データの再印刷指示の入力を受け付ける受付ステップと、
前記変換データの再印刷時の印刷条件を取得する取得ステップと、
前記再印刷指示の入力が受け付けられた場合に、取得された前記再印刷時の印刷条件と、前記変換データに反映された印刷条件とを比較して、取得された前記再印刷時の印刷条件により前記変換データを印刷可能か否かを判断する判断ステップと、
取得された前記再印刷時の印刷条件により前記変換データを印刷不可能と判断された場合に、前記記憶部から前記印刷データを取得し、取得した前記印刷データを、前記印刷データに前記再印刷時の印刷条件を反映した変換データに変換する変換ステップと、
変換された前記変換データを印刷する印刷ステップ、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−61764(P2012−61764A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−208475(P2010−208475)
【出願日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]