説明

画像形成装置、画像形成項目の調整方法、および画像形成方法

【課題】少ない部品点数で、像担持体上に形成されたトナー像のトナー濃度を測定することが可能な画像形成装置、画像形成項目の調整方法、および画像形成方法を提供する。
【解決手段】透明の感光体ベルト9と、帯電部10と、露光部11と、現像部2と、転写部3と、定着部4と、受光部16と、を有する画像形成装置において、受光部16を、感光体ベルト9を挟んで露光部11と対向する位置に設置し、受光部16によって検知される、露光部11から照射された光の強度を用いて、感光体ベルト9上に形成されたトナー像のトナー濃度を測定するトナー濃度測定手段を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式を用いる、複写機、プリンタ、およびファクシミリ装置等の画像形成装置、画像形成項目の調整方法、および画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式を用いる画像形成装置は、一般に帯電、露光、現像、転写、剥離、クリーニング、除電、および定着の各工程を経て所望の画像を形成する。近年、カラーインクジェット方式の画像形成装置の普及によって、電子写真方式のカラー画像形成装置においても、小型化および低価格化が求められている。
【0003】
画像形成装置の小型化および低価格化を実現するためには、画像形成装置の構成部品の小型化および構成部品点数の削減の少なくとも一方を行う必要がある。そこで、小型化および低価格化の方法の1つとして、1つの感光体上に複数色のトナー像を重ね合わせ、記録媒体(紙)上に一括転写する画像形成装置が提案されている。この画像形成装置は、中間転写体上にトナー像を重ね合わせてから記録媒体にトナー像を転写するという方式ではないので中間転写体を必要としない。また、記録媒体保持体上に保持した記録媒体上にトナー像を重ね合わせるという方式ではないので、記録媒体保持体を必要としない。よって、それらの方式を採用する画像形成装置に比べて、大幅に小型化されている。
【0004】
一方、電子写真方式の画像形成装置は、環境変化および使用条件等によって、記録画像の画像品質が変化し易いという特性を有している。画像品質を安定化させるためにトナー濃度を測定することが可能な画像形成装置は、特許文献1および特許文献2に記載されている。
【0005】
特許文献1および特許文献2に記載の画像形成装置は、感光体または中間転写体等のトナー像担持体表面に画像濃度検知用のトナーパッチを作成し、そのトナーパッチのトナー濃度(トナー付着量)を、発光部と受光部とを備える光学センサを用いて測定する。
【0006】
図9(a1),図9(a2)に示すように、特許文献1に記載の画像形成装置は、発光部50aによって感光体52上のトナーパッチTb,Tcに向けて光を照射し、その光によって生じた反射光を受光部51aで検知して、その受光量からトナーパッチTb,Tcのトナー濃度を測定する。黒色トナーパッチTbのトナー濃度を測定する場合には、図9(a1)に示すように、感光体52による正反射光が検知できるように、発光部50aおよび受光部51aを設置する。黒色トナーは光を吸収するので、トナーによって吸収されることなく感光体へ到達し反射された正反射光を検知する必要があるからである。カラートナーパッチTcのトナー濃度を測定する場合には、図9(a2)に示すように、感光体52による正反射光を検知しないように、発光部50aおよび受光部51aを設置する。カラートナーは特定の波長の光を吸収し、それ以外の波長の光を反射するので、カラートナーパッチTcによる反射光のみによってトナー濃度の測定が可能であり、感光体52による正反射光を検知する必要はなく、また、カラートナーパッチTcによる反射光と感光体52による正反射光とを両方検知してしまうと精度良くトナー濃度の測定ができないからである。特許文献1に記載の画像形成装置では、発光部50aおよび受光部51aの少なくとも一方を移動可能にすることで、一対の光学センサによって黒色トナーパッチTbおよびカラートナーパッチTcの両方のトナー濃度を測定可能になっている。
【0007】
図9(b)に示すように、特許文献2に記載の画像形成装置は、記録媒体保持体53を透明部材とし、記録媒体保持体53を挟んで対向するように発光部50bおよび受光部51bを設置することで、発光部50bによる照射光のうち、トナーパッチTおよび記録媒体保持体53を透過する光を受光部51bによって検知可能にし、検知した光の強度によってトナー濃度を測定することで、黒色トナーパッチおよびカラートナーパッチの両方のトナー濃度を測定可能になっている。
【0008】
【特許文献1】特開昭61−209470号公報
【特許文献2】特開平3−174560号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、画像形成装置による記録画像の画像品質の安定化のために、特許文献1または特許文献2に記載の技術を応用しようとすると、少なくとも発光部50および受光部51の両方を設置する必要があるので、画像形成装置は大型化してしまい、小型化の流れに反してしまう。
【0010】
本発明は、上述した課題を解消するためになされたものであって、少ない部品点数で、像担持体上に形成されたトナー像のトナー濃度を測定することが可能な画像形成装置、画像形成項目の調整方法、および画像形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、透明の像担持体と、
前記像担持体表面を帯電する帯電手段と、
帯電状態の前記像担持体に光を照射して静電潜像を形成する露光手段と、
静電潜像が形成された前記像担持体にトナーを供給する現像手段と、
前記像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
記録媒体上のトナー像を該記録媒体に定着させる定着手段と、
前記像担持体を挟んで前記露光手段と対向する位置に備えられる受光手段と、
前記像担持体上のトナー像のトナー濃度を、前記受光手段によって検知される、前記露光手段から照射された光の強度を用いて測定するトナー濃度測定手段と、を有することを特徴とする画像形成装置である。
【0012】
また本発明は、前記受光手段によって検知される、前記露光手段から照射され、前記像担持体のトナーが担持されていない領域を透過した光の強度に基づいて、前記露光手段が照射する光の強度を変更する発光強度変更手段を有することを特徴とする。
【0013】
また本発明は、透明の像担持体と、
前記像担持体表面を帯電する帯電手段と、
帯電状態の前記像担持体に光を照射して静電潜像を形成する露光手段と、
静電潜像が形成された前記像担持体にトナーを供給する現像手段と、
前記像担持体に光を照射して除電を行う除電手段と、
前記像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
記録媒体上のトナー像を該記録媒体に定着させる定着手段と、
前記像担持体を挟んで前記露光手段と対向する位置に備えられる受光手段と、
前記像担持体上のトナー像のトナー濃度を、前記受光手段によって検知される、前記除電手段から照射された光の強度を用いて測定するトナー濃度測定手段と、を有することを特徴とする画像形成装置である。
【0014】
また本発明は、前記受光手段によって検知される、前記除電手段から照射され、前記像担持体のトナーが担持されていない領域を透過した光の強度に基づいて、前記除電手段が照射する光の強度を変更する発光強度変更手段を有することを特徴とする。
【0015】
また本発明は、前記像担持体上のトナー像のトナー濃度の測定結果に従って、画像形成項目を変更する項目変更手段を有することを特徴とする。
【0016】
また本発明は、前記項目変更手段は、前記像担持体上の特定のトナーパッチのトナー濃度が、特定の値に近づくように画像形成項目を変更することを特徴とする。
【0017】
また本発明は、前記現像手段は、前記像担持体にトナーを供給する際に、現像バイアスを印加する現像手段であり、
前記画像形成項目は、現像バイアスの値であることを特徴とする。
【0018】
また本発明は、前記画像形成項目は、前記露光手段によって照射される光の強度であることを特徴とする。
【0019】
また本発明は、前記像担持体は、移動可能に設けられており、
前記受光手段は、前記像担持体の像担持面に対して平行な方向であって前記像担持体の移動方向に対して垂直な方向に沿って、複数設けられることを特徴とする。
【0020】
また本発明は、像担持体表面を帯電する帯電工程と、
帯電状態の像担持体に光を照射して静電潜像を形成する露光工程と、
静電潜像が形成された像担持体にトナーを供給し、トナー像を形成する現像工程と、
像担持体上のトナー像のトナー濃度を、像担持体を挟んで露光手段と対向する位置に備えられる受光手段によって検知される、露光手段から照射され透明の像担持体を透過した光の強度を用いて測定するトナー濃度測定工程と、
前記トナー濃度測定工程によって得られる測定結果が予め決められた基準値に近づくように画像形成項目を変更する項目変更工程と、を有することを特徴とする調整方法である。
【0021】
また本発明は、前記調整方法によって画像形成項目を変更する工程と、
像担持体表面を帯電する帯電工程と、
帯電状態の像担持体に光を照射して静電潜像を形成する露光工程と、
静電潜像が形成された像担持体にトナーを供給し、トナー像を形成する現像工程と、
像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写工程と、
記録媒体上に転写されたトナー像を該記録媒体に定着させる定着工程と、を有することを特徴とする画像形成方法である。
【0022】
また本発明は、像担持体表面を帯電する帯電工程と、
帯電状態の像担持体に光を照射して静電潜像を形成する露光工程と、
静電潜像が形成された像担持体にトナーを供給し、トナー像を形成する現像工程と、
像担持体上のトナー像のトナー濃度を、像担持体を挟んで除電手段と対向する位置に備えられる受光手段によって検知される、除電手段から照射され透明の像担持体を透過した光の強度を用いて測定するトナー濃度測定工程と、
前記トナー濃度測定工程によって得られる測定結果が予め決められた基準値に近づくように画像形成項目を変更する項目変更工程と、を有することを特徴とする調整方法である。
【0023】
また本発明は、前記調整方法によって画像形成項目を変更する工程と、
像担持体表面を帯電する帯電工程と、
帯電状態の像担持体に光を照射して静電潜像を形成する露光工程と、
静電潜像が形成された像担持体にトナーを供給し、トナー像を形成する現像工程と、
像担持体に光を照射して除電を行う除電工程と、
像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写工程と、
記録媒体上に転写されたトナー像を該記録媒体に定着させる定着工程と、を有することを特徴とする画像形成方法である。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、透明の像担持体と、前記像担持体表面を帯電する帯電手段と、帯電状態の前記像担持体に光を照射して静電潜像を形成する露光手段と、静電潜像が形成された前記像担持体にトナーを供給する現像手段と、前記像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体上のトナー像を該記録媒体に定着させる定着手段と、前記像担持体を挟んで前記露光手段と対向する位置に備えられる受光手段と、前記像担持体上のトナー像のトナー濃度を、前記受光手段によって検知される、前記露光手段から照射された光の強度を用いて測定するトナー濃度測定手段と、を有する画像形成装置が提供される。
【0025】
該装置によれば、前記露光手段によって照射された光を、前記受光手段によって検知し、検知された光の強度によって前記トナー濃度を測定するので、トナー濃度測定のみに用いる発光手段を設けることなく、前記トナー濃度を測定することが可能である。
【0026】
また本発明によれば、前記受光手段によって検知される、前記露光手段から照射され、前記像担持体のトナーが担持されていない領域を透過した光の強度に基づいて、前記露光手段が照射する光の強度を変更する発光強度変更手段を有する。
【0027】
前記像担持体、前記露光手段、および前記受光手段の少なくともいずれか1つに、トナーによる汚染および経時劣化などが生じると、前記露光手段から照射され、前記像担持体のトナーが担持されていない領域を透過した光の強度は変化する。前記装置によれば、そのような汚染および経時劣化などによって、検知される光の強度が変化した場合にも、前記発光強度変更手段によって前記露光手段が照射する光の強度を変更することが可能であるので、前記露光手段によって一定の強度の光を照射することが可能である。
【0028】
また本発明によれば、透明の像担持体と、前記像担持体表面を帯電する帯電手段と、帯電状態の前記像担持体に光を照射して静電潜像を形成する露光手段と、静電潜像が形成された前記像担持体にトナーを供給する現像手段と、前記像担持体に光を照射して除電を行う除電手段と、前記像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体上のトナー像を該記録媒体に定着させる定着手段と、前記像担持体を挟んで前記露光手段と対向する位置に備えられる受光手段と、前記像担持体上のトナー像のトナー濃度を、前記受光手段によって検知される、前記除電手段から照射された光の強度を用いて測定するトナー濃度測定手段と、を有する画像形成装置が提供される。
【0029】
該装置によれば、前記除電手段によって照射された光を、前記受光手段によって検知し、検知された光の強度によって前記トナー濃度を測定するので、トナー濃度測定のみに用いる発光手段を設けることなく、前記トナー濃度を測定することが可能である。
【0030】
また本発明によれば、前記受光手段によって検知される、前記除電手段から照射され、前記像担持体のトナーが担持されていない領域を透過した光の強度に基づいて、前記除電手段が照射する光の強度を変更する発光強度変更手段を有する。
【0031】
前記像担持体、前記露光手段、および前記受光手段の少なくともいずれか1つに、トナーによる汚染および経時劣化などが生じると、前記除電手段から照射され、前記像担持体のトナーが担持されていない領域を透過した光の強度は変化する。前記装置によれば、そのような汚染および経時劣化などによって、検知される光の強度が変化した場合にも、前記発光強度変更手段によって前記除電手段が照射する光の強度を変更することが可能であるので、前記除電手段によって一定の強度の光を照射することが可能である。
【0032】
また本発明によれば、前記像担持体上のトナー像のトナー濃度の測定結果に従って、画像形成項目を変更する項目変更手段を有する。前記装置によれば、前記像担持体上のトナー像のトナー濃度の測定結果に従って、画像形成項目を変更することが可能である。したがって、環境の変化および使用条件の変化などに関わらず、一定の画像品質の画像を得ることが可能である。
【0033】
また本発明によれば、前記項目変更手段は、前記像担持体上の特定のトナーパッチのトナー濃度が、特定の値に近づくように画像形成項目を変更する。前記装置によれば、前記像担持体上のトナー像のトナー濃度の測定結果に従って、画像形成項目を好適に調整することが可能であるので、環境の変化および使用条件の変化などに関わらず、一定の画像濃度の画像を得ることが可能である。
【0034】
また本発明によれば、前記現像手段は、前記像担持体にトナーを供給する際に、現像バイアスを印加する現像手段であり、前記画像形成項目は、現像バイアスの値である。前記装置によれば、前記像担持体上のトナー像のトナー濃度の測定結果に従って、現像バイアスの値を変更することが可能である。
【0035】
また本発明によれば、前記画像形成項目は、前記露光手段によって照射される光の強度である。前記装置によれば、前記像担持体上のトナー像のトナー濃度の測定結果に従って、前記露光手段によって照射される光の強度を変更することが可能である。
【0036】
また本発明によれば、前記像担持体は、移動可能に設けられており、前記受光手段は、前記像担持体の像担持面に対して平行な方向であって前記像担持体の移動方向に対して垂直な方向に沿って、複数設けられる。前記装置によれば、前記像担持体上に形成されたトナー像のトナー濃度を、前記像担持体の幅方向の複数の位置で測定することが可能である。また、前記トナー濃度の測定結果に従って画像形成項目を変更する場合には、幅方向の複数の位置で測定されたトナー濃度の測定結果に従って画像形成項目を変更することが可能であるので、前記像担持体上に形成されたトナー像のトナー濃度に、幅方向でのムラが発生していても、画像形成項目を好適に調整することが可能である。
【0037】
また本発明によれば、像担持体表面を帯電する帯電工程と、帯電状態の像担持体に光を照射して静電潜像を形成する露光工程と、静電潜像が形成された像担持体にトナーを供給し、トナー像を形成する現像工程と、像担持体上のトナー像のトナー濃度を、像担持体を挟んで露光手段と対向する位置に備えられる受光手段によって検知される、露光手段から照射され透明の像担持体を透過した光の強度を用いて測定するトナー濃度測定工程と、前記トナー濃度測定工程によって得られる測定結果が予め決められた基準値に近づくように画像形成項目を変更する項目変更工程と、を有する調整方法が提供される。
【0038】
該調整方法によれば、前記露光手段によって照射された光を、前記受光手段によって検知し、検知された光の強度によって前記トナー濃度を測定するので、トナー濃度測定のみに用いる発光手段を設けることなく、前記トナー濃度を測定することが可能であり、そのトナー濃度の測定結果に従って、画像形成項目を変更することが可能である。
【0039】
また本発明によれば、上記調整方法によって画像形成項目を変更する工程と、像担持体表面を帯電する帯電工程と、帯電状態の像担持体に光を照射して静電潜像を形成する露光工程と、静電潜像が形成された像担持体にトナーを供給し、トナー像を形成する現像工程と、像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写工程と、記録媒体上に転写されたトナー像を該記録媒体に定着させる定着工程と、を有する画像形成方法が提供される。
【0040】
該画像形成方法によれば、前記調整方法によって、変更された画像形成項目を用いて画像形成を行うので、環境の変化および使用条件の変化などに関わらず、一定の画像品質の画像を得ることが可能である。
【0041】
また本発明によれば、像担持体表面を帯電する帯電工程と、帯電状態の像担持体に光を照射して静電潜像を形成する露光工程と、静電潜像が形成された像担持体にトナーを供給し、トナー像を形成する現像工程と、像担持体上のトナー像のトナー濃度を、像担持体を挟んで除電手段と対向する位置に備えられる受光手段によって検知される、除電手段から照射され透明の像担持体を透過した光の強度を用いて測定するトナー濃度測定工程と、前記トナー濃度測定工程によって得られる測定結果が予め決められた基準値に近づくように画像形成項目を変更する項目変更工程と、を有する調整方法が提供される。
【0042】
該調整方法によれば、前記除電手段によって照射された光を、前記受光手段によって検知し、検知された光の強度によって前記トナー濃度を測定するので、トナー濃度測定のみに用いる発光手段を設けることなく、前記トナー濃度を測定することが可能であり、そのトナー濃度の測定結果に従って、画像形成項目を変更することが可能である。
【0043】
また本発明によれば、上記調整方法によって画像形成項目を変更する工程と、像担持体表面を帯電する帯電工程と、帯電状態の像担持体に光を照射して静電潜像を形成する露光工程と、静電潜像が形成された像担持体にトナーを供給し、トナー像を形成する現像工程と、像担持体に光を照射して除電を行う除電工程と、像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写工程と、記録媒体上に転写されたトナー像を該記録媒体に定着させる定着工程と、を有する画像形成方法が提供される。
【0044】
該画像形成方法によれば、前記調整方法によって、変更された画像形成項目を用いて画像形成を行うので、環境の変化および使用条件の変化などに関わらず、一定の画像品質の画像を得ることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
図1は、本発明の第1実施形態である画像形成装置100の断面を概略的に示す模式図である。この画像形成装置100は、感光体ベルトユニット1、現像部2、転写部3、定着部4、給紙部5、搬送路6、および排紙部7などを備えている。ここで、カラー画像情報に含まれるブラック(b)、シアン(c)、マゼンタ(m)およびイエロー(y)の各色の画像情報に対応するために、それぞれ4つずつ設けられる各部材は、各色を表すアルファベットを参照符号の末尾に付して区別し、総称する場合は数字のみで表す。図1に示す画像形成装置100はプリンタ機能のみを有するカラープリンタであるけれども、本発明の実施形態としては、画像読取部を備える複写機であっても、通信部を備えるファクシミリ装置であってもよい。
【0046】
画像形成装置100のキャビネット8のほぼ中心部には、細長い形状の感光体ベルトユニット1が設置される。この感光体ベルトユニット1は、感光体ベルト9と、帯電部10と、露光部11と、除電部12と、転写前除電部13と、転写前帯電部14と、クリーニング部15と、受光部16と、駆動ローラ17と、従動ローラ18と、図示しないテンショナーと、これらを収納して支持する図示しないフレームとを含む。
【0047】
感光体ベルト9の表面に沿って、感光体ベルト9外側に帯電部10、内側に露光部11、外側に現像部2、内側に転写前除電部13、外側に転写前帯電部14、外側にクリーニング部15、内側に除電部12、および除電部12に対向して感光体ベルト外側に受光部16が、この順序で配置される。
【0048】
駆動ローラ17、従動ローラ18、およびテンショナーは、感光体ベルト9の内側に配置され、感光体ベルト9を掛巻する。駆動ローラ17および従動ローラ18は、感光体ベルト9を矢符19方向に回転移動可能に支持し、テンショナーは、感光体ベルト9が弛まないように所定の張力を与える。駆動ローラ17の駆動軸17aおよび従動ローラ18の支持軸18aは、フレームに回転自在にそれぞれ支持されている。駆動軸17aの一端には図示しないギヤが取り付けられ、キャビネット8内に設けられた駆動部に接続されたギヤと噛み合わされ、駆動部の回転によって駆動ローラ17が回転する。
【0049】
像担持体である感光体ベルト9は、透光性を有する透明支持体の表面に透光性導電膜と光導電層とが積層されたものであり、暗所において絶縁性を有し、明所において導電性を有する。ここで、透明および透光性とは、特定の波長の光を吸収および反射せずに透過するということである。本実施形態において、上記透光性導電膜には、500ÅのITO(Indium Tin Oxide)膜と500ÅのSnO膜とを積層したものが使用されている。また上記光導電層には、層厚が0.2μmで5000ppmのホウ素が添加された水素化アモルファス・シリコン(a−Si:H)膜からなるブロッキング層と、層厚が約3μmで5ppmのホウ素が添加されたa−Si:H膜および層厚が0.1μmのa−SiC:H膜からなる表面保護層とを積層したものが使用されている。
【0050】
帯電手段である帯電部10は、感光体ベルト9を臨み、感光体ベルト9表面から間隙を有して離隔するように配置され、感光体ベルト9表面を所定の極性および電位に帯電させる。帯電部10には、チャージャー型帯電器、鋸歯型帯電器、およびイオン発生装置などを使用できる。本実施形態では、帯電部10は感光体ベルト9表面から離隔するように設けられるけれども、各現像剤に対応する複数の感光体を備えており、現像剤ごとに現像を行ってからトナー像を記録媒体に転写する方式を採用する他の実施形態では、帯電部10として帯電ローラを用い、帯電ローラと感光体とが圧接するように帯電ローラを配置しても良く、また、帯電ブラシおよび磁気ブラシなどの接触帯電方式の帯電器を用いても良い。
【0051】
露光手段である露光部11は、画像情報を露光部11内でb,c,m,yの各色情報の光に分離し、帯電部10によって一様な電位に帯電された感光体ベルト9表面の一部を、各色情報のうちの1つの色の光で露光し、静電潜像を形成する。感光体ベルト9は露光された部分のみが導電性を有するので、露光された表面のみ除電され、他の部分とは電位が大きく異なることになる。この電位の異なる表面が静電潜像部であり、静電潜像部が表す像が静電潜像である。露光部11には、たとえば、LED(Light emitting diode)アレイを使用できる。他にもレーザ照射部および複数の反射ミラーを備えるレーザスキャニングユニット、または液晶シャッタと光源とを適宜組み合わせたユニットを用いてもよい。
【0052】
除電手段の1つである除電部12は、帯電状態にある感光体ベルト9に光を照射することで、感光体ベルト9を除電する。除電部12には、ハロゲンランプ等の部材を用いることができる。
【0053】
現像手段である現像部2は、現像剤を収容する現像槽20と、現像剤を撹拌する撹拌ローラ21と、現像剤を担持する現像ローラ22と、現像ローラ22に担持される現像剤量を規制する層厚規制部材23とを含む。現像槽20bにはブラックトナーが、現像槽20cにはシアントナーが、現像槽20mにはマゼンタトナーが、現像槽20yにはイエロートナーがそれぞれ収容される。現像槽20に収容される現像剤は、撹拌ローラ21によって撹拌されることで帯電し、帯電した現像剤は現像ローラ22に担持され、層厚規制部材23によって所定量に規制された上で、感光体ベルト9外側表面付近まで搬送される。現像ローラ22の感光体ベルト9外側表面との近接部と、感光体ベルト9外側表面とは、約200μmの距離があり、現像ローラ22から感光体ベルト9外側表面への現像剤の移動は、現像ローラ22に印加する現像バイアスによって、現像ローラ22と感光体ベルト9の静電潜像部との間に大きな電位差を生じさせることで行う。なお本実施形態では、上記のように、現像バイアスによる電位差によって現像剤を移動させるので、トナーのみからなる一成分現像剤を用いるけれども、各現像剤に対応する複数の感光体を備えており、現像剤ごとに現像を行ってからトナー像を記録媒体に転写する方式を採用する他の実施形態では、二成分現像剤を用いることもできる。
【0054】
上記の駆動ローラ17、従動ローラ18、感光体ベルト9、帯電部10、露光部11、除電部12、および現像部2による感光体ベルト9の外側表面上へのカラートナー像形成プロセスを説明する。
【0055】
はじめに、感光体ベルト9は駆動ローラ17および従動ローラ18によって矢符19方向に回転する。回転開始と合わせて、帯電部10に高電圧が印加され、コロナ放電によって、感光体ベルト9の外側表面が均一に帯電させられる。感光体ベルト9の帯電されたエリアは、感光体ベルト9の内側に備えられた露光部11によって光照射され、b,c,m,yの各色のうちの1色に対応する静電潜像が形成される。
【0056】
次に、感光体ベルト9の回転によって、静電潜像が形成されたエリアは現像部2付近まで移動し、現像部2のうち、静電潜像を形成した光に対応する色のトナーを有する現像部2によって、感光体ベルト9にトナーが供給される。静電潜像が形成されたエリアが現像部2付近を通過するタイミングに合わせて、現像ローラ22によってトナーを搬送させ、現像バイアスを印加することで、1色のトナーのみが感光体ベルト9に供給され、1色のトナー像が形成される。
【0057】
感光体ベルト9の回転によって、この1色のトナー像を担持するエリアは、転写部3およびクリーニング部15付近を通過するが、転写部3およびクリーニング部15は感光体ベルト9の外側表面に離接可能に構成されており、全ての色のトナーが現像されるまでは、感光体ベルト9の外側表面から離間しているので、前記トナー像は乱されることなく転写部3およびクリーニング部15付近を通過する。その後、前記トナー像を担持するエリアは除電部12付近まで移動し、感光体ベルト9の内側からの除電部12による光照射によって、感光体ベルト9は除電される。
【0058】
そして、前記トナー像を担持するエリアは帯電部10付近まで移動し、帯電部10のコロナ放電によって、前記トナー像を担持したまま、感光体ベルト9の外側表面は再度帯電させられる。以降、前述した動作と同様にして、他の色のトナーが感光体ベルト9の外側表面に重ね合わされ、カラートナー像が形成される。以上がカラートナー像形成プロセスである。
【0059】
上記のカラートナー像形成プロセスによって、感光体ベルト9の外側表面にカラートナー像が形成されると、もう1つの除電手段である転写前除電部13は、感光体ベルト9の除電を行う。転写前除電部13には、除電部12と同様の部材を用いることができる。
【0060】
カラートナー像が形成され、転写前除電部13によって除電が行われた後、転写前帯電部14は後述する転写のために、カラートナー像を帯電させる。転写前帯電部14には、帯電部10と同様の部材を用いることができる。カラートナー像の帯電後、カラートナー像を担持するエリアは、転写部3付近へ移動する。
【0061】
転写手段である転写部3は、感光体ベルト9の内側の駆動ローラ17に対向して配置され、感光体ベルト9の外側表面に離接可能に構成された転写ローラ24を含み、図示しない高圧電源によって高電圧が印加されている。転写ローラ24は、キャビネット8に取り付けられた軸受に回転自在に支持されており、上述したように、モータおよびソレノイド等の離接機構によって、カラートナー像形成前は感光体ベルト9の外側表面に対して離間し、形成後は当接するように移動する。転写ローラ24と感光体ベルト9との接触する位置が転写実行位置である。カラートナー像を担持するエリアが転写ローラ24付近へ移動すると、転写前帯電部14によって帯電したカラートナー像は、転写ローラ24に印加された高電圧によって、感光体ベルト9から記録用紙に転写される。
【0062】
本実施形態では、上記のように、1つの感光体によって、中間転写体を用いずに現像および転写を行うけれども、他の実施形態では、複数の感光体、および中間転写体を用いて現像および転写を行うこともできる。
【0063】
なお、感光体ベルト9外側表面に残存した残留トナーは、クリーニング部15によって回収される。上述したように、クリーニング部15は、モータおよびソレノイド等の離接機構によって、カラートナー像形成前は感光体ベルト9の外側表面に対して離間し、形成後は当接するように移動する。この離接のタイミングは、転写ローラ24の離接のタイミングと同期している。
【0064】
給紙部5は、給紙トレイ25、ピックアップローラ26、およびレジストローラ27を含む。キャビネット8の外壁には、記録媒体としての記録用紙を載置する給紙トレイ25が着脱自在に設けられ、給紙トレイ25上に載置された記録用紙が1枚毎にピックアップローラ26で搬送路6に供給される。搬送路6は、給紙トレイ25からキャビネット8上面の排紙部7に至るように形成されている。搬送路6に沿って、搬送方向上流側からピックアップローラ26、レジストローラ27、転写部3、および定着部4が設けられている。給紙トレイ25からピックアップされた記録用紙は、レジストローラ27によって感光体ベルト9上のトナー像の形成タイミングに合わせて転写実行位置に搬送される。転写ローラ24が感光体ベルト9に当接するとともに、レジストローラ27によって記録用紙が転写実行位置に向けて搬送される。
【0065】
カラートナー像が一括転写された記録用紙は、定着手段である定着部4に搬送され、定着部4において、加熱および加圧によって記録用紙上のトナーが溶融および圧接され、カラー画像が記録用紙上に定着される。定着が完了した記録用紙は、搬送路6を通って排紙部7に排紙され、画像形成が完了する。
【0066】
また、画像形成装置100は、図示しない制御ユニットを含む。制御ユニットは、たとえば、画像形成装置100の内部空間における上部に設けられ、記憶部と演算部と制御部とを含む。記憶部には、画像形成装置100の上面に配置される図示しない操作パネルを介する各種設定値、画像形成装置100内部の各所に配置される図示しないセンサなどからの検知結果、および外部機器からの画像情報などが入力される。また、各種プログラムが書き込まれる。記憶部には、この分野で常用されるものを使用でき、たとえば、リードオンリィメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、およびハードディスクドライブ(HDD)などが挙げられる。外部機器には、画像情報の形成または取得が可能であり、かつ画像形成装置に電気的に接続可能な電気・電子機器を使用でき、たとえば、コンピュータ、デジタルカメラ、テレビ、ビデオレコーダ、DVD(Digital Versatile
Disc)レコーダ、HDDVD(High Definition Digital Versatile Disc)、ブルーレイディスクレコーダ、ファクシミリ装置、および携帯端末装置などが挙げられる。演算部は、記憶部に書き込まれる各種データ(画像形成命令、検知結果、および画像情報など)および各種手段実行のプログラムを取り出し、各種判定を行う。制御部は、演算部の判定結果に応じて該当装置に制御信号を送付し、動作制御を行う。制御部および演算部は中央処理装置(CPU、Central Processing Unit)を備えるマイクロコンピュータおよびマイクロプロセッサなどによって実現される処理回路を含む。制御ユニットは、前記処理回路とともに主電源を含み、主電源は制御ユニットだけでなく、画像形成装置100内部における各部材にも電力を供給する。上記の画像形成装置100は、感光体ベルト9上に形成されたトナー像のトナー濃度を測定することが可能であり、さらに、測定されたトナー濃度に基づいて画像形成装置100の画像形成項目を変更して調整し、記録画像の画像品質を安定化させることが可能である。以下では、トナー濃度の測定および画像形成項目の調整について説明する。
【0067】
画像形成装置100は、トナー濃度を測定するために、感光体ベルト9の外側表面上に複数のトナーパッチを形成する。このトナーパッチは、上記カラートナー像形成プロセスにおける1色のみの現像によって、色ごとに形成される。本発明では、1つの色ごとに、一辺Lが20mmの正方形状のトナーパッチが、感光体ベルト9の移動方向において、ピッチP15mmで形成される。たとえば、図2に示すようにトナーパッチが3つ形成される。このトナーパッチT1,T2,T3は感光体ベルト9の回転によって、感光体ベルト9表面から15mm隔離して備えられる除電部12に対向する位置へと移動し、除電部12によって光照射される。感光体ベルト9を挟んで除電部12と対向する位置には、受光手段である受光部16が、感光体ベルト9表面から10mm隔離して備えられており、除電部12によって照射された光は受光部16にて検知される。
【0068】
図3に、除電部12によって照射された光がトナーパッチT1および感光体ベルト9を透過して受光部16で検知される様子を示す。除電部12によって照射された光の一部は、トナーパッチT1中の着色剤粒子に吸収または反射される。トナーパッチT1がブラックトナーパッチであれば照射された光は吸収され、それ以外のカラートナーパッチであれば照射された光は吸収されたり反射されたりする。吸収または反射されなかった光は、感光体ベルト9を透過して受光部16にて検知される。なお本実施形態では、除電部12にはハロゲンランプを用い、受光部16にはフォトダイオードを用いている。ハロゲンランプには、たとえばハリソン東芝ライティング株式会社製ハロゲンランプ(JEタイプ)を用いることができる。フォトダイオードには、たとえば新光電子株式会社製フォトダイオード(型番KD834)を用いることができる。
【0069】
画像形成装置100は、このように検知した光の強度から、トナー像のトナー濃度を測定する。具体的には、除電部12の照射光の強度を統一した上で、感光体ベルト9表面上にトナー像が存在する場合において受光部16が検知する受光強度N、および存在しない場合において受光部16が検知する受光強度Sの比S/Nを計算する。この計算は、トナー濃度測定手段である前記制御部が行う。
【0070】
この受光強度比S/Nは、単位面積当たりのトナー付着量で表されるトナー濃度と1対1に対応しており、比例関係にある。よって、除電部12の照射光を常に一定に保てば、受光強度比S/Nによってトナー濃度を表すことができる。本発明においては、単位面積当たりのトナー付着量によって表されるトナー濃度をトナー濃度(付着量)と呼び、受光強度比S/Nによって表されるトナー濃度をトナー濃度S/Nと呼ぶ。
【0071】
このように本実施形態では、透明な部材から構成される感光体ベルト9と除電部12と受光部16とから、トナー濃度S/Nを測定可能である。また、予めトナー濃度S/Nとトナー濃度(付着量)との対応関係を前記記憶部に記憶させておけば、トナー濃度S/Nからトナー濃度(付着量)を測定することも可能である。よって本発明においては、トナー濃度測定用の発光部を新たに設けることなく、感光体ベルト9上に形成されたトナー像のトナー濃度S/Nおよびトナー濃度(付着量)を測定することが可能であり、画像形成装置を小型化することが可能である。
【0072】
次に、記録画像の画像品質を安定化するための、画像形成項目の調整について説明する。表1は、上記のようにして形成されたブラックトナーパッチ(b)、シアントナーパッチ(c)、マゼンタトナーパッチ(m)、およびイエロートナーパッチ(y)のそれぞれにおける、トナー濃度S/Nと、記録画像の画像濃度(Image Density)との関係を表している。表1に示すように、トナー濃度S/Nと、画像濃度(Image Density)とは1対1に対応している。また、この表1をグラフにしたものが図4である。
【0073】
【表1】

【0074】
図4(a)は、ブラックトナーパッチにおけるトナー濃度S/Nと画像濃度との関係を示すグラフ、図4(b)は、シアントナーパッチにおけるトナー濃度S/Nと画像濃度との関係を示すグラフ、図4(c)は、マゼンタトナーパッチにおけるトナー濃度S/Nと画像濃度との関係を示すグラフ、図4(d)は、イエロートナーパッチにおけるトナー濃度S/Nと画像濃度との関係を示すグラフである。図4における各点は表1の各値を表しており、直線は、それらの各点の値から最小2乗法を用いて線形近似して算出した直線である。図4に示すように、トナー濃度S/Nと画像濃度とは比例関係にあることがわかる。よって、トナー濃度(付着量)の代わりに、トナー濃度S/Nを用いて記録画像の画像品質の調整が可能である。
【0075】
以下では、トナー濃度S/Nの調整による画像品質の調整について説明する。上述したように、電子写真方式の画像形成装置100は、環境変化および使用条件等によって、記録画像の画像品質が変化し易い。よって画像形成装置100には、高濃度の画像を安定して形成できることが求められる。表1および図3から、記録画像の画像濃度を安定させるにはトナー濃度S/Nが一定となるように画像形成項目を調整すればよく、画像形成装置100は、項目変更手段である前記制御部が画像形成項目の調整を行う。
【0076】
トナー濃度S/Nを一定にするためには、画像形成項目を調整する前に、トナー濃度S/Nの基準値を前記記憶部に記憶させておく必要がある。この基準値は、予め画像形成装置100に記憶させておくことができ、ユーザによって変更することもできる。本実施形態では、ブラックトナーパッチにおける基準値は0.33、シアントナーパッチにおける基準値は0.42、マゼンタトナーパッチにおける基準値は0.43、イエロートナーパッチにおける基準値は0.47である。画像形成装置100は、それぞれのトナーパッチにおけるトナー濃度S/Nが基準値から外れると、これらの基準値に近づくように画像形成項目を調整する。たとえば、トナー濃度S/Nが基準値から所定の範囲内にない場合には、トナー濃度S/Nがその範囲内に入るように画像形成項目を調整する。また、この所定の範囲はユーザによって変更することが可能である。
【0077】
画像形成項目には、現像バイアスの値および露光部11の発光強度などがある。現像バイアスは現像ローラ22に印加する電圧であり、現像バイアスによって静電潜像部と現像ローラ22との間に大きな電位差が生じ、帯電したトナーが移動する。この電位差が大きいほどトナー濃度(付着量)は増えるので、現像バイアスの値を調整することでトナー濃度S/Nを基準値に近づけることができる。また、露光部11の発光強度を強くすると、帯電部10による帯電後の、感光体ベルト9表面の除電量が増え、現像バイアスが一定であっても前記電位差は大きくなるので、露光部11の発光強度を調整することでトナー濃度S/Nを基準値に近づけることができる。
【0078】
まず、現像バイアスの値を画像形成項目とする、現像バイアス調整プロセスを説明する。画像形成装置100は、図2に示すように、感光体ベルト9表面上にトナーパッチを3つ形成する。本実施形態では、作成されるトナーパッチの数は3つであるが、2つ以上であればトナー濃度S/Nの調整は可能である。現像バイアス調整プロセスでは、このトナーパッチはそれぞれ異なる電位差によって形成される。以下では、ブラックトナーパッチを用いて行う、現像ローラ22bに印加する現像バイアスの調整プロセスを説明する。
【0079】
現像バイアス調整プロセスでは、たとえば、図5(a)に示すように、帯電部10による帯電後の感光体ベルト9の外側表面電位V1は−850Vであり、均一に帯電している。その後、露光部11によって、3つの潜像パッチが作成される。3つの潜像パッチにおける感光体ベルト9の表面電位V2は、全て−100Vであり、露光部11の発光強度を全て等しくすることによって同一にされている。
【0080】
そして、現像ローラ22に印加する現像バイアスをそれぞれ調整して、各潜像パッチを現像し、トナーパッチT1,T2,T3を形成する。トナーパッチT1は、現像バイアスV3(−700V)を印加することで、潜像パッチと現像ローラとの電位差V6を600Vの状態として形成する。トナーパッチT2は、現像バイアスV4(−650V)を印加することで、潜像パッチと現像ローラとの電位差V7を550Vの状態として形成する。トナーパッチT3は、現像バイアスV5(−600V)を印加することで、潜像パッチと現像ローラとの電位差V8を500Vの状態として形成する。本実施形態では、上記の各電位によってトナーパッチを形成するけれども、実施形態に合わせて、これらの各電位は適宜変更することができる。
【0081】
画像形成装置100は、上記のようにして形成されたトナーパッチのトナー濃度S/Nを除電部12および受光部16によって測定する。トナーパッチT1,T2,T3のトナー濃度S/Nがそれぞれ、0.31,0.36,0.42であるとすると、前記制御部は、これらの値に基づいて、トナー濃度S/Nが基準値0.33に近づくような現像バイアスの値を算出する。具体的には、各トナー濃度S/N、0.31,0.36,0.42と、その値となるそれぞれの現像バイアス、−700V,−650V,−600Vとから、最小2乗法を用いた線形近似を用いて、基準値0.33に近づく現像バイアス−679Vを算出する。前記制御部は、算出された現像バイアス−679Vを現像ローラ22bに印加するように、画像形成装置100の設定を変更する。以上が、現像ローラ22bに対応する現像バイアス調整プロセスである。
【0082】
画像形成装置100は、同様のプロセスによって、現像ローラ22c、22m、22yに印加する現像バイアスをそれぞれ調整する。画像形成装置100は、このような現像バイアスの調整によって、常に安定した画像濃度の画像を形成することができる。
【0083】
次に、露光部11の発光強度を画像形成項目とする、発光強度調整プロセスについて説明する。画像形成装置100は、図2に示すように、感光体ベルト9表面上にトナーパッチを3つ形成する。発光強度調整プロセスでは、このトナーパッチはそれぞれ異なる発光強度によって形成される。以下では、ブラックトナーパッチを用いて行う、ブラックトナーに対応する潜像形成の際の発光強度の調整プロセスを説明する。
【0084】
発光強度調整プロセスでは、たとえば、図5(b)に示すように、帯電部10による帯電後の感光体ベルト9の外側表面電位V11は−850Vであり、均一に帯電している。その後、露光部11によって、3つの潜像パッチが作成される。本実施形態では露光部11としてLEDを使用しており、LEDは印加される電流によって発光強度が変化するので、LEDへの印加電流を調整して発光強度の調整を行い、潜像パッチにおける感光体ベルト9の表面電位を調整する。LEDに1.34mAの電流を印加した場合の、トナーパッチT1に対応する潜像パッチにおける表面電位V12は−100Vである。LEDに1.23mAの電流を印加した場合の、トナーパッチT2に対応する潜像パッチにおける表面電位V15は−150Vである。LEDに1.1mAの電流を印加した場合の、トナーパッチT3に対応する潜像パッチにおける表面電位V14は−200Vである。
【0085】
そして、現像ローラ22に現像バイアスV13(−750V)を印加して、各潜像パッチを現像し、トナーパッチT1,T2,T3を形成する。トナーパッチT1は、潜像パッチと現像ローラとの電位差V16が650Vの状態で形成される。トナーパッチT2は、潜像パッチと現像ローラとの電位差V17が600Vの状態で形成される。トナーパッチT3は、潜像パッチと現像ローラとの電位差V18が550Vの状態で形成される。本実施形態では、上記の各印加電流によって潜像パッチを形成し、上記の各電位によってトナーパッチを形成するけれども、実施形態に合わせて、各印加電流および各電位は適宜変更することができる。
【0086】
画像形成装置100は、上記のようにして形成されたトナーパッチのトナー濃度S/Nを除電部12および受光部16によって測定する。トナーパッチT1,T2,T3のトナー濃度S/Nがそれぞれ、0.24,0.29,0.35であるとすると、前記制御部は、これらの値に基づいて、トナー濃度S/Nが基準値0.33に近づくような印加電流の値を算出する。具体的には、各トナー濃度S/N、0.24,0.29,0.35と、その値となるそれぞれの印加電流、1.34mA,1.23mA,1.1mAとから、最小2乗法を用いた線形近似を用いて、基準値0.33となる印加電流値1.14mAを算出する。また、それぞれの表面電位−100V,−250V,−200Vから、最小2乗法を用いた線形近似を用いて、基準値0.33となる表面電位−183Vを算出し、表面電位が−183Vとなるような印加電流値1.14mAを算出してもよい。前記制御部は、算出された印加電流1.14mAをLEDに印加するように、画像形成装置100の設定を変更する。以上が、ブラックトナーに対応する、露光部11の発光強度調整プロセスである。
【0087】
画像形成装置100は、同様のプロセスを行なって、各色に対応する光の強度をそれぞれ調整する。画像形成装置100は、このような発光強度の調整によって、常に安定した画像濃度の画像を形成することができる。また、本実施形態では露光部11はLEDであるけれども、露光部11としてレーザスキャニングユニットを用いる場合には、レーザパワーを調整することで発光強度を調整でき、上記の発光強度調整プロセスと同様に、トナー濃度S/Nが基準値に近づくように、発光強度を調整することも可能である。
【0088】
画像形成装置100は、このようなトナー濃度S/Nの基準値に基づく画像形成項目の調整以外にも、ユーザによって設定された画像濃度を基準値として画像形成項目の調整を行うことができる。画像濃度を基準値として画像形成項目の調整を行う場合には、画像形成装置100は、前記記憶部に記憶されたトナー濃度S/Nと画像濃度との対応関係を表すデータを用いて、ユーザによって設定された画像濃度の基準値をトナー濃度S/Nの基準値へと換算し、上記の画像形成項目の調整プロセスと同様に、換算されたトナー濃度S/Nの基準値が得られるように、画像形成項目を調整する。トナー濃度S/Nと画像濃度との対応関係を表すデータとは、たとえば、表1および図4などである。
【0089】
また画像形成装置100は、除電部12に所定の電流または電圧を印加することで照射され、感光体ベルト9の外側表面上のトナーが担持されていない領域を透過した光を検知し、その発光強度と所定の電流または電圧の値とを記憶することができる。たとえば、除電部12に所定の電流または電圧を印加して照射される光の発光強度が、記憶された発光強度と異なっていれば、除電部12、感光体ベルト9、および受光部16の少なくともいずれか1つに、トナー汚染および経時劣化等の不具合が生じているということである。画像形成装置100によれば、そのような不具合をすぐに発見することができる。たとえば、画像形成装置100の製造後すぐに、前記発光強度と所定の電流または電圧の値とを記憶すれば、その記憶後に生じた不具合をすぐに発見することができる。
【0090】
また、不具合によって発光強度が変化した場合、画像形成装置100は、記憶した発光強度を基準値として、発光強度変更手段である前記制御部によって、除電部12に印加する電流または電圧の設定を変更することで発光強度を変更して、その基準値へと近づける。よって、画像形成装置100は、トナー濃度S/Nの測定を常に安定して行うことができ、トナー濃度S/Nに基づく画像形成項目の調整も安定して行うことができる。
【0091】
次に、トナー濃度S/Nを複数の位置で測定可能な、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態では、図6に示すように、感光体ベルト9の像を担持する面である像担持面に対して平行であって、矢符19で示される、感光体ベルト9の移動方向に対して垂直な方向に沿って、ピッチP2を100mmとして並んで、複数の受光部16が設けられる。すなわち、図6に示すように、感光体ベルト9の幅方向に受光部16が3つ設けられる。さらに本実施形態では、3つの受光部16は、全て感光体ベルト9表面から10mm隔離して設けられる。受光部16以外の部材については、画像形成装置100と同様の構成である。
【0092】
現像剤は、層厚規制部材23によって、現像ローラ22上に薄層となって担持される。層厚規制部材23には、薄いSUS板およびリン青銅等を使用するけれども、そのような層厚規制部材23を現像ローラ22全面に渡って均一に押し当てることは非常に困難である。したがって局部的に現像剤層の厚みにムラが生じる場合がある。現像剤層の厚みにムラが生じた状態で現像を行うと、感光体ベルト9の上のトナー濃度S/Nにもムラが生じる。本実施形態では、感光体ベルト9の幅方向に受光部16が3つ設けられているので、幅方向に並んだ3カ所の位置でトナー濃度S/Nを測定することが可能であり、幅方向の3つのトナー濃度S/Nの値を平均することで、トナー濃度S/Nの幅方向平均値によって画像形成項目の調整が可能である。
【0093】
たとえば本実施形態では、図6のように9つのトナーパッチT11〜T33を形成する。幅方向にピッチP3を100mmとして並んで形成されたトナーパッチ、たとえばT11〜T13は、共通の画像形成項目(現像バイアスおよび発光強度等)によって形成される。本実施形態は、上述した画像形成項目の調整プロセスと同様に、3つのトナー濃度S/Nの幅方向平均値から好適な画像形成項目(現像バイアスおよび発光強度等)を算出し、その画像形成項目を用いて画像形成を行うように設定する。したがって、本実施形態では、より画像濃度が安定した画像を形成することができる。また除電部12は、幅方向全体に光を照射するので、幅方向のトナーパッチごとに光を照射する必要がなく、短時間でトナー濃度S/Nの測定を行うことができる。
【0094】
また、図7に示す本発明の第3実施形態である画像形成装置200のように、受光部16の設置位置を、感光体ベルト9を挟んで、露光部11と対向する位置にしてもよい。この画像形成装置200は、画像形成装置100と同様のプロセスによって画像を形成する。また画像形成装置200は、露光部11と受光部16とによって、トナー濃度S/Nを測定することが可能である。トナー濃度S/Nの測定は、画像形成装置100と同様に、感光体ベルト9およびトナー像に対して光を照射し、透過してきた光を受光部16によって検知することで行われる。ただし、画像形成装置200においては、露光部11が感光体ベルト9の外側から光を照射する。本実施形態では、受光部16には前述のフォトダイオードを用いることができ、受光部16は感光体ベルト9の内側表面から10mm隔離して設けられる。また露光部11には、LEDを用いることができる。本実施形態では、露光部11が760〜780nmの波長を有する光を照射することによってトナー濃度S/Nの測定を行う。
【0095】
また画像形成装置100と同様に、画像形成装置200は、露光部11に所定の電流または電圧を印加することで照射され、感光体ベルト9の外側表面上のトナーが担持されていない領域を透過した光を検知し、その発光強度と所定の電流または電圧の値とを記憶する。そして、記憶した発光強度を基準値として、発光強度変更手段である前記制御部によって、露光部11に印加する電流または電圧の設定を変更することで発光強度を変更して、その基準値へと近づけることができる。
【0096】
また、第2実施形態のように、幅方向に複数の受光部16を設けて、幅方向に並んだトナーパッチのトナー濃度S/Nを測定することも可能である。
【0097】
このように画像形成装置200は、発光部を新たに設けることなく、露光部11を用いてトナー濃度を測定することが可能であるので、装置の小型化を図ることができる。また、電子写真方式の画像形成装置において露光部11は必須の部材であるので、たとえ除電部12を備えない装置であっても、トナー濃度S/Nを測定することができ、さらに装置を小型化することが可能である。また、画像形成装置200は、測定したトナー濃度S/Nを用いて、画像形成装置100と同様のプロセスによって画像形成項目の変更を行うこともできる。
【0098】
また、図8に示す本発明の第4実施形態である画像形成装置300のように、受光部16の設置位置を、感光体ベルト9を挟んで、転写前除電部13と対向する位置にしてもよい。この画像形成装置300は、画像形成装置100と同様のプロセスによって画像を形成する。また画像形成装置300は、転写前除電部13と受光部16とによって、トナー濃度S/Nを測定することが可能である。トナー濃度S/Nの測定は、画像形成装置100と同様に、感光体ベルト9およびトナー像に対して光を照射し、透過してきた光を受光部16によって検知することで行われる。ただし、画像形成装置300では転写前除電部13が光を照射する。本実施形態では、受光部16には前述のフォトダイオードを用いることができ、受光部16は感光体ベルト9の外側表面から10mm隔離して設けられる。また、転写前除電部13には、前述のハロゲンランプを用いることができ、転写前除電部13は感光体ベルト9の内側表面から10mm隔離して設けられる。
【0099】
また画像形成装置100と同様に、画像形成装置300は、転写前除電部13に所定の電流または電圧を印加することで照射され、感光体ベルト9の外側表面上のトナーが担持されていない領域を透過した光を検知し、その発光強度と所定の電流または電圧の値とを記憶する。そして、記憶した発光強度を基準値として、発光強度変更手段である前記制御部によって、転写前除電部13に印加する電流または電圧の設定を変更することで発光強度を変更して、その基準値へと近づけることができる。
【0100】
また、第2実施形態のように、幅方向に複数の受光部16を設けて、幅方向に並んだトナーパッチのトナー濃度S/Nを測定することも可能である。転写前除電部13は感光体ベルト9の幅方向全体に光を照射するので、除電部12と同様に、複数のトナー濃度S/Nを一度の光照射によって測定することができる。
【0101】
このように画像形成装置300は、発光部を新たに設けることなく転写前除電部13を用いてトナー濃度を測定することが可能であるので、装置の小型化を図ることができる。また、画像形成装置300は、測定したトナー濃度S/Nを用いて、画像形成装置100と同様のプロセスによって画像形成項目の変更を行うこともできる。
【0102】
また、上記の画像形成装置100,200,300のいずれか1つを用いてトナー濃度S/Nを測定し、画像形成項目の調整を行う項目調整方法、および画像形成項目の調整を行なった後に画像形成を行う画像形成方法は、それぞれ本発明の他の実施形態である。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】本発明の画像形成装置100の断面を概略的に示す模式図である。
【図2】感光体ベルト9の上に、3つのトナーパッチT1,T2,T3が形成されることを示す図である。
【図3】除電部12によって照射された光がトナーパッチT1および感光体ベルト9を透過して受光部16で検知される様子を示す図である。
【図4】各トナーパッチにおけるトナー濃度S/Nと画像濃度との関係を示すグラフである。
【図5】現像バイアス調整プロセスおよび発光強度調整プロセスを説明するための図である。
【図6】トナー濃度S/Nを複数の位置で測定可能な本発明の画像形成装置について説明するための図である。
【図7】本発明の画像形成装置200の断面を概略的に示す模式図である。
【図8】本発明の画像形成装置300の断面を概略的に示す模式図である。
【図9】特許文献1および2に記載の画像形成装置における、トナー濃度測定方法を説明するための図である。
【符号の説明】
【0104】
1 感光体ベルトユニット
2 現像部
3 転写部
4 定着部
5 給紙部
6 搬送路
7 排紙部
9 感光体ベルト
10 帯電部
11 露光部
12 除電部
13 転写前除電部
16 受光部
100,200,300 画像形成装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明の像担持体と、
前記像担持体表面を帯電する帯電手段と、
帯電状態の前記像担持体に光を照射して静電潜像を形成する露光手段と、
静電潜像が形成された前記像担持体にトナーを供給する現像手段と、
前記像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
記録媒体上のトナー像を該記録媒体に定着させる定着手段と、
前記像担持体を挟んで前記露光手段と対向する位置に備えられる受光手段と、
前記像担持体上のトナー像のトナー濃度を、前記受光手段によって検知される、前記露光手段から照射された光の強度を用いて測定するトナー濃度測定手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記受光手段によって検知される、前記露光手段から照射され、前記像担持体のトナーが担持されていない領域を透過した光の強度に基づいて、前記露光手段が照射する光の強度を変更する発光強度変更手段を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
透明の像担持体と、
前記像担持体表面を帯電する帯電手段と、
帯電状態の前記像担持体に光を照射して静電潜像を形成する露光手段と、
静電潜像が形成された前記像担持体にトナーを供給する現像手段と、
前記像担持体に光を照射して除電を行う除電手段と、
前記像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
記録媒体上のトナー像を該記録媒体に定着させる定着手段と、
前記像担持体を挟んで前記露光手段と対向する位置に備えられる受光手段と、
前記像担持体上のトナー像のトナー濃度を、前記受光手段によって検知される、前記除電手段から照射された光の強度を用いて測定するトナー濃度測定手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
前記受光手段によって検知される、前記除電手段から照射され、前記像担持体のトナーが担持されていない領域を透過した光の強度に基づいて、前記除電手段が照射する光の強度を変更する発光強度変更手段を有することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記像担持体上のトナー像のトナー濃度の測定結果に従って、画像形成項目を変更する項目変更手段を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記項目変更手段は、前記像担持体上の特定のトナーパッチのトナー濃度が、特定の値に近づくように画像形成項目を変更することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記現像手段は、前記像担持体にトナーを供給する際に、現像バイアスを印加する現像手段であり、
前記画像形成項目は、現像バイアスの値であることを特徴とする請求項5または6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記画像形成項目は、前記露光手段によって照射される光の強度であることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記像担持体は、移動可能に設けられており、
前記受光手段は、前記像担持体の像担持面に対して平行な方向であって前記像担持体の移動方向に対して垂直な方向に沿って、複数設けられることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項10】
像担持体表面を帯電する帯電工程と、
帯電状態の像担持体に光を照射して静電潜像を形成する露光工程と、
静電潜像が形成された像担持体にトナーを供給し、トナー像を形成する現像工程と、
像担持体上のトナー像のトナー濃度を、像担持体を挟んで露光手段と対向する位置に備えられる受光手段によって検知される、露光手段から照射され透明の像担持体を透過した光の強度を用いて測定するトナー濃度測定工程と、
前記トナー濃度測定工程によって得られる測定結果が予め決められた基準値に近づくように画像形成項目を変更する項目変更工程と、を有することを特徴とする画像形成項目の調整方法。
【請求項11】
請求項10に記載の調整方法によって画像形成項目を変更する工程と、
像担持体表面を帯電する帯電工程と、
帯電状態の像担持体に光を照射して静電潜像を形成する露光工程と、
静電潜像が形成された像担持体にトナーを供給し、トナー像を形成する現像工程と、
像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写工程と、
記録媒体上に転写されたトナー像を該記録媒体に定着させる定着工程と、を有することを特徴とする画像形成方法。
【請求項12】
像担持体表面を帯電する帯電工程と、
帯電状態の像担持体に光を照射して静電潜像を形成する露光工程と、
静電潜像が形成された像担持体にトナーを供給し、トナー像を形成する現像工程と、
像担持体上のトナー像のトナー濃度を、像担持体を挟んで除電手段と対向する位置に備えられる受光手段によって検知される、除電手段から照射され透明の像担持体を透過した光の強度を用いて測定するトナー濃度測定工程と、
前記トナー濃度測定工程によって得られる測定結果が予め決められた基準値に近づくように画像形成項目を変更する項目変更工程と、を有することを特徴とする画像形成項目の調整方法。
【請求項13】
請求項12に記載の調整方法によって画像形成項目を変更する工程と、
像担持体表面を帯電する帯電工程と、
帯電状態の像担持体に光を照射して静電潜像を形成する露光工程と、
静電潜像が形成された像担持体にトナーを供給し、トナー像を形成する現像工程と、
像担持体に光を照射して除電を行う除電工程と、
像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写工程と、
記録媒体上に転写されたトナー像を該記録媒体に定着させる定着工程と、を有することを特徴とする画像形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−117534(P2010−117534A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−290402(P2008−290402)
【出願日】平成20年11月12日(2008.11.12)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】