説明

画像形成装置、給電装置およびプログラム

【課題】携帯端末装置から画像形成装置へ出力データを送信する際に、携帯端末装置の電力が不足することを防止する。
【解決手段】携帯端末装置から出力データを受信するデータ入出力部140と、媒体に出力データに基づく画像を形成する画像出力部120と、携帯端末装置に給電する給電部150と、データ入出力部140によるデータ受信が行われることを条件として、給電部150に給電を行わせるシステム制御部160と、を備える。給電部150は、ユーザ操作に応じて給電を開始し、データ転送が終了したことを条件として給電を停止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、給電装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
プリントのためのデータを送信する入力機器において、電力残量が不十分な場合でもプリントのためのデータ転送を完了する従来技術がある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載された技術は、電力を供給するための電源部を有し、画像データの記録媒体への記録の注文を送信する入力機器と、電源部を使用し情報伝達を行う無線方式と、電源部を使用せず情報伝達を行う外部電源使用方式と、無線方式又は外部電源使用方式を介して通信接続され、入力機器から受信した注文に基づいて当該画像データの記録媒体への記録の注文を受け付ける受信機器と、を備え、入力機器は、記憶部と、通信部と、を備え、受信機器は、通信部と、HDDと、電池残量と消費電力に基づいて、通信部及び通信部で用いる無線方式又は外部電源使用方式を選択する選択手段と、を備える。
【0003】
また、プリンタ装置からデジタルカメラへ電力供給を行う従来技術がある(例えば、特許文献2参照)。特許文献2に記載された技術は、プリンタ装置と通信手段を介してダイレクトに接続可能なデジタルカメラであって、プリンタ装置と接続した初期段階において、通信手段を介してダイレクトプリント機能の有無を示す認証情報をプリンタ装置へと通知する通知手段と、認証情報の通知に対するプリンタ装置側における認証に基づいて、プリンタ装置側より電力供給を受ける電力受信手段とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−156735号公報
【特許文献2】特開2004−70610号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、携帯端末装置から画像形成装置へ出力データを送信する際に、携帯端末装置の電力が不足することを防止する手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、
携帯端末装置から出力データを受信する受信手段と、
媒体に前記出力データに基づく画像を形成する画像形成手段と、
前記携帯端末装置に給電する給電手段と、
前記受信手段によるデータ受信が行われることを条件として、前記給電手段に給電を行わせる給電制御手段と、
を備えることを特徴とする、画像形成装置である。
請求項2に記載の発明は、
前記給電制御手段は、前記受信手段によるデータ受信が終了したことを条件として、給電を停止することを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置である。
請求項3に記載の発明は、
使用者の操作を受け付ける操作受け付け手段をさらに備え、
前記給電制御手段は、前記操作受け付け手段が給電停止を指示する操作を受け付けたことを条件として、給電を停止することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の画像形成装置である。
請求項4に記載の発明は、
前記給電制御手段は、給電開始後、予め定められた時間が経過したことを条件として、給電を停止することを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像形成装置である。
請求項5に記載の発明は、
使用者の操作を受け付ける操作受け付け手段をさらに備え、
前記給電制御手段は、前記操作受け付け手段が給電開始を指示する操作を受け付けたことを条件として、給電を開始することを特徴とする、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の画像形成装置である。
請求項6に記載の発明は、
画像形成装置から電力の供給を受けて、携帯端末装置に給電する給電手段と、
前記携帯端末装置から前記画像形成装置への出力データの転送が行われることを条件として、前記給電手段に給電を行わせる給電制御手段と、
を備えることを特徴とする、給電装置である。
請求項7に記載の発明は、
前記給電制御手段は、前記携帯端末装置から前記画像形成装置への出力データの転送が終了したことを条件として、給電を停止することを特徴とする、請求項6に記載の給電装置である。
請求項8に記載の発明は、
携帯端末装置から出力データを受信する受信手段と、媒体に当該出力データに基づく画像を形成する画像形成手段と、当該携帯端末装置に給電する給電手段と、を備えた画像形成装置を制御するコンピュータに、
利用者による操作を受け付ける処理と、
前記出力データを受信するための操作および給電開始を指示する操作を受け付けたことを条件として、前記給電手段に前記携帯端末装置への給電を開始させる処理と、
を実行させることを特徴とする、プログラムである。
請求項9に記載の発明は、
前記コンピュータに、前記携帯端末装置からの前記出力データの受信が終了したことを条件として、前記給電手段に前記携帯端末装置への給電を停止させる処理を、さらに実行させることを特徴とする、請求項8に記載のプログラムである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明によれば、携帯端末装置から画像形成装置へ出力データが転送される場合に、携帯端末装置への電力供給を行い、携帯端末装置の電力不足を防止できる。
請求項2の発明によれば、データ転送終了後にまで無駄に携帯端末装置への給電を行うことを防止できる。
請求項3の発明によれば、使用者の判断に基づいて携帯端末装置への給電を終了することができる。
請求項4の発明によれば、時間的に無制限に携帯端末装置に給電してしまうことを防止することができる。
請求項5の発明によれば、使用者の操作を受け付けた時点で、データの転送開始前であっても給電を開始することができる。
請求項6の発明によれば、携帯端末装置から画像形成装置へ出力データが転送される場合に、携帯端末装置への電力供給を行い、携帯端末装置の電力不足を防止できる。
請求項7の発明によれば、データ転送終了後にまで無駄に携帯端末装置への給電を行うことを防止できる。
請求項8の発明によれば、携帯端末装置から画像形成装置へ出力データが転送される場合に、携帯端末装置への電力供給を行い、携帯端末装置の電力不足を防止できる。
請求項9の発明によれば、データ転送終了後にまで無駄に携帯端末装置への給電を行うことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本実施の形態が適用される画像形成装置の全体構成例を示した図である。
【図2】図1に示す画像形成装置の機能構成例を示した図である。
【図3】データ入出力部および給電部の構成例を示す図である。
【図4】本実施形態における給電方式の構成例を示す図である。
【図5】画像形成装置と携帯端末装置との間の通信および給電の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
<画像形成装置の構成>
図1は、本実施形態が適用される画像形成装置100の全体構成例を示した図である。図2は、この画像形成装置100の機能構成例を示した図である。
図1に示すように、本実施形態の画像形成装置100は、画像入力部110、画像出力部120(図2参照)、操作受付部130、データ入出力部140、給電部150を備えると共に、これらの各機能による動作を制御するためのシステム制御部160(図2参照)を備えて構成される。また、画像形成装置100には、課金装置170が接続されている。
【0010】
画像入力部110は、例えば、用紙等の媒体に記載された画像(原稿)を光学的に読み取り、入力するスキャナ・ユニットである。
画像出力部120は、例えば、トナー等の画像形成材を用いて用紙等の媒体上に画像を形成して出力する画像形成ユニットである。
なお、画像入力部110および画像出力部120は、装置制御部121(図2参照)を介してシステム制御部160と接続されている。
【0011】
操作受付部130は、ユーザによる種々の指示や設定情報の入力操作を受け付けるユーザ・インターフェイス・ユニットである。この操作受付部130は、例えば、操作ボタンとユーザに操作方法や設定情報等を報知する操作画像を表示するディスプレイとを備えて構成される。また、操作ボタンを液晶パネルに表示し、ユーザが操作画像に表示されたボタン等に触れることで入力を受け付けるタッチパネル等により構成しても良い。
【0012】
データ入出力部140は、種々の通信手段を用いたデータ通信や電子情報記録媒体へのデータの読み書きにより、携帯端末装置200(図3、図4参照)との間でデータ交換を行うユニットである。ここで、携帯端末装置200としては、主として携帯電話やデジタルカメラを想定している。ただし、データ入出力部140とデータ交換を行って画像等の出力データを画像形成装置100に送信できる端末装置であれば良く、機器の種類は特に限定しない。
【0013】
データ入出力部140によるデータ通信は、有線、無線を問わず、種々の方式による通信手段に対応する。例えば、有線による通信方式としては、USB(Universal Serial Bus)通信やIEEE 1394規格のデータ通信等の通信方式等に対応する。無線による通信方式としては、赤外線通信、ブルートゥース等に対応する。また、データ入出力部140によるデータの読み書きは、種々の方式の電子情報記録媒体に対応する。例えば、USBメモリその他のフラッシュメモリ、磁気ディスク、光ディスク等の種々の記録方式による記録媒体に対応する。また、非接触IC(RFID:Radio Frequency IDentification)にも対応する。
【0014】
給電部150は、携帯端末装置200に対する電力供給を行うユニットである。電力の伝送方式としては、例えば、電磁誘導を用いた非接触電力伝送方式や、USB等のバスを介して電力供給を行うバスパワー方式に対応する。ただし、本実施形態の給電機能を利用するためには、携帯端末装置200が給電部150の電力伝送方式に対応する受電機能を有することが必要である。
【0015】
図3は、データ入出力部140および給電部150の構成例を示す図である。
図3に示す構成例では、データ入出力部140および給電部150は、単一の筐体101に設けられている。筐体101の前面(ユーザが画像形成装置100を操作する際にユーザ側を向く面)には、データ入出力部140が対応する各種の有線による通信方式での接続用のコネクタ141と、同じくデータ入出力部140が対応する各種の電子情報記録媒体の挿入口142とが設けられている。筐体101内部には、データ入出力部140が対応する通信方式による無線通信を行うための無線通信部143が設けられている。また、筐体101内部には、携帯端末装置200との間で有線または無線による通信を行うための通信制御手段(図示せず)と、挿入口142に挿入された電子情報記録媒体に対するデータの読み書きを行うリーダー/ライター(図示せず)とが設けられている。この通信制御手段およびリーダー/ライターは、データ入出力部140の機能として実現される。
【0016】
さらにまた、図3に示す筐体101の上面には、携帯端末装置200を載せ置く端末置
場102が形成されている。そして、筐体101内部に、非接触電力伝送方式による給電部150が設けられている。また、給電部150は、筐体101の前面に設けられたコネクタ141に含まれるUSBコネクタ等を介してバスパワー方式による電力供給を行うようにしても良い。
【0017】
システム制御部160は、上記の各機能を実現するユニット(画像入力部110、画像出力部120、操作受付部130、データ入出力部140、給電部150)の動作を制御する制御ユニットである。図2に示すように、システム制御部160は、制御処理を実行するCPU161と、記憶手段としてのメモリ162およびハードディスク装置(HDD)163と、各ユニットと接続してデータ交換を行うための入出力制御部164と、を備える。
【0018】
課金装置170は、上記の各機能を利用するために設定された料金を受け取るための装置である。例えば、操作受付部130のディスプレイに表示された機能選択画面等に基づいてユーザが利用したい機能を選択すると、操作受付部130のディスプレイに課金額が表示される。そして、ユーザが課金装置170に、課金額に相当する金額を投入すると、選択された機能が利用可能となる。
【0019】
上記のように構成された画像形成装置100は、携帯端末装置200から画像その他の出力データを受信し、受信した出力データに基づいて用紙等の媒体に画像を形成し出力する。具体的には、まず、ユーザが操作受付部130を操作して、携帯端末装置200から出力データを取得して印刷出力させる指示を入力する。システム制御部160は、この指示に基づいて、データ入出力部140に出力データを取得させる。データ入出力部140は、システム制御部160の制御に基づき、データ入出力部140の通信機能により携帯端末装置200から出力データを受信する。そして、システム制御部160が、データ入出力部140により受信した出力データを装置制御部121に送り、出力を指示する。装置制御部121は、システム制御部160から取得した出力データに基づいて画像を生成し、画像出力部120を制御して、生成した画像を用紙等の媒体に形成させる。
【0020】
なお、上記の構成例は、本実施形態が適用される画像形成装置100の一つの構成例を示すに過ぎず、本実施形態の適用対象は、上記のように構成された画像形成装置100に限定するものではない。例えば、画像入力部110を有しない画像出力装置として構成しても良いし、課金装置170に接続されていなくても良い。また、上記の機能以外に、ファクシミリ機能や外部ネットワークに接続するためのネットワーク機能を備えた構成としても良い。
【0021】
<給電方式>
図4は、本実施形態における給電方式の構成例を示す図である。
ここでは、非接触電力伝送方式により給電を行う場合の給電部150および携帯端末装置200の機能構成を説明する。図4に示すように、給電部150は、電力変換部151と、通信部152とを備える。また、本方式による給電を行う場合、携帯端末装置200は、受電機能を実現する構成として、電力変換部201と、通信部202とを備える。
【0022】
給電部150の電力変換部151は、画像形成装置100の電源から電力供給を受け、携帯端末装置200へ伝送する。非接触による電力の伝送方式としては、電磁誘導を用いた方式、電波を用いた方式、電磁界の共鳴現象を利用した方式等、既存の種々の方式を用いて良い。
【0023】
通信部152は、携帯端末装置200の通信部202との間で通信接続を行い、携帯端末装置200からの給電要求を受け付ける。この給電要求には、出力電流や出力電圧等の給電に係る設定情報が含まれる。なお、通信部152として、データ入出力部140の通信機能を用いても良い。
【0024】
携帯端末装置200の電力変換部201は、給電部150の電力変換部151から伝送された電力を受け付け、携帯端末装置200の各回路へ供給する。電力変換部201としては、給電部150の電力変換部151の伝送方式に対応した受電方式のものが用いられる。
【0025】
通信部202は、給電部150の通信部152(通信部152としてデータ入出力部140の通信機能を用いられる場合は、データ入出力部140)との間で通信接続を行い、給電要求を送信する。この給電要求には、携帯端末装置200の仕様にしたがって、出力電流や出力電圧等の給電に係る設定情報を含む。
【0026】
<給電動作>
次に、本実施形態による給電動作について説明する。
本実施形態の画像形成装置100は、上記のように、携帯端末装置200から出力データを受信し、この出力データに基づいて画像を形成して出力する機能を有する。ここで、携帯端末装置200の電池の残量が少ない場合等、電力不足のために携帯端末装置200から出力データを円滑に送信できない場合がある。そこで、本実施形態は、上記のように給電部150を備えることにより、携帯端末装置200に対する給電機能を有する。
【0027】
一方、画像形成装置100が店舗等の多数の人に利用され得る場所に設置されている場合、特定の利用者に携帯端末装置200の充電のみを目的として画像形成装置100が使用されると、他の利用者による画像形成装置100の使用が妨げられることとなる。そこで、本実施形態では、画像形成装置100の給電部150は、携帯端末装置200から出力データが受信されることを条件として、給電を行う。以下、フローチャートを参照して、給電動作を具体的に説明する。なお、以下の例では、画像形成装置100は、データの転送方法として無線通信による転送が選択された場合に給電可能となるように設定されているものとする。また、給電方式としては、非接触による給電方式が用いられるものとする。
【0028】
図5は、画像形成装置100と携帯端末装置200との間の通信および給電の動作を示すフローチャートである。
図5に示す動作例では、まず、ユーザが、操作受付部130のディスプレイに表示されたメニュー画面を操作して、携帯端末装置200から画像形成装置100へ出力データを送信して印刷出力(直接印刷)する指示を入力する。操作受付部130は、この操作を受け付けると(ステップ501)、次に、出力データの転送方法を選択させるための操作画像をディスプレイに表示し、ユーザの選択操作を受け付ける(ステップ502)。このとき、給電を行うか否かについてもユーザの選択操作を受け付ける。
【0029】
操作受付部130に対するユーザ操作により、無線通信によるデータ転送が選択され(ステップ503でYes)、さらに給電開始を指示する操作(給電要求)が行われた場合(ステップ504でYes)、システム制御部160は、給電部150を制御して、携帯端末装置200への給電を開始する(ステップ505)。そして、出力データの転送を開始する(ステップ506)。出力データの受信に先立って給電を開始することにより、携帯端末装置200の電力不足により出力データの送信を開始できないという事態の発生を回避することができる。
【0030】
出力データの転送が終了すると(ステップ507)、システム制御部160は、給電部150を制御して、携帯端末装置200への給電を終了(停止)する(ステップ508)。そして、システム制御部160は、取得した出力データに基づいて生成された画像を、操作受付部130のディスプレイに表示させ、(ステップ511)、ユーザによる出力画像の選択操作を受け付ける。転送された出力データにユーザが印刷出力しようとする画像が含まれていない場合は、出力画像を選択せずにデータ転送からやり直しても良い(ステップ512でNo)。なお、特に図示していないが、さらにこのとき、改めて給電要求を受け付けるようにしても良い。
【0031】
出力画像が決定されると(ステップ512でYes)、次に、システム制御部160は、操作受付部130のディスプレイに、印刷出力処理に課される金額を表示させる(ステップ513)。そして、課金装置170に表示金額が投入された(課金完了)ならば(ステップ514)、次に、システム制御部160は、操作受付部130のディスプレイに、印刷出力を開始させるボタン(印刷開始ボタン)を表示させる。ユーザが表示された印刷開始ボタンにより印刷開始の指示を入力すると(ステップ515)、システム制御部160は、この指示を受け付け、装置制御部121に、選択された画像の印刷出力を指示する。そして、装置制御部121の制御により画像出力部120が選択された画像を用紙等の媒体に形成し、画像形成装置100から排出すると、印刷出力の処理が終了する(ステップ516)。
【0032】
次に、給電が行われない場合の動作について説明する。
操作受付部130に対するユーザ操作により、無線通信によるデータ転送が選択されなかった場合(ステップ503でNo)、および無線通信によるデータ転送が選択されたが(ステップ503でYes)、給電開始を指示する操作(給電要求)が行われなかった場合(ステップ504でNo)、システム制御部160は、直ちに携帯端末装置200からの出力データの転送を開始する(ステップ509)。そして、出力データの転送が終了すると(ステップ510)、システム制御部160は、取得した出力データに基づいて生成された画像を、操作受付部130のディスプレイに表示させ、(ステップ511)、ユーザによる出力画像の選択操作を受け付ける。これ以降の動作は、上述した給電を行う場合の動作と同様(ステップ512〜ステップ516)なので、記載を省略する。
【0033】
上記の動作例では、選択されたデータ転送方式が無線通信による方式である場合に給電可能とすることとした。これは、一般に、無線通信によるデータ転送が有線通信によるデータ転送よりも転送速度が遅いために、携帯端末装置200が電力不足となる可能性が高いと考えられるためである。また、給電方式として非接触による給電方式を採用する場合、データ転送を無線通信で行うとすれば、携帯端末装置200と画像形成装置100とをケーブルで接続することなく、例えば図3に示した筐体101の端末置場102に載せ置くことでデータ転送および給電を行うことができるため、ユーザの利便性が高い。しかし、本実施形態は、上記の動作例に限定するものではなく、有線通信によるデータ転送方式が選択された場合にも、給電可能とする構成を採用しても良い。
【0034】
また、上記の動作例では、データ転送の完了を終了条件として、給電を終了(停止)することとした(ステップ507、508参照)。これに加えて、ユーザ操作による給電終了の指示を受け付けたことを終了条件としても良い。ユーザは、例えば操作受付部130のディスプレイに表示された操作画面を操作して、給電終了の指示を入力する。システム制御部160は、この指示を受け付けると、データ転送が完了していなくても、給電を終了(停止)する。
【0035】
さらに、給電を継続的に行う時間の上限を設定しても良い。すなわち、給電の終了条件として、時間条件を加える。この場合、例えばシステム制御部160にタイマー機能を設け、給電を開始すると同時に経過時間の計測を開始する。そして、給電開始からの経過時間が予め設定された時間に達したならば、データ転送が完了していなくても、給電を終了(停止)する。
【0036】
なお、上記の動作例では、給電方式を非接触による給電方式としたが、上記のように給電の開始および終了(停止)を制御できるのであれば、バスパワー方式による給電に本実施形態を適用しても良い。
【0037】
<変形例>
上記の実施形態では、システム制御部160が給電部150による給電の開始および終了(停止)を制御することとした。これに対し、給電部150自身が給電制御部を備え、給電の開始および終了(停止)を制御する構成としても良い。給電制御部は、例えば、プログラムを格納したメモリと、このプログラムを読み込んで処理を実行するプロセッサとにより実現される。このような構成とする場合、給電制御部は、例えば、システム制御部160からユーザ操作に基づく給電開始の指示を取得して給電を開始する。そして、データ入出力部140から出力データの転送が終了したことを示す通知を取得して給電を終了(停止)する。
【0038】
給電部150が給電制御部を備える構成とすれば、給電部150をユニット化して既存の画像形成装置に接続することで、図5に示したような制御による給電を行うことが可能となる。したがって、既に店舗等に設置されている画像形成装置に対しても本実施形態の導入が容易となる。
【符号の説明】
【0039】
100…画像形成装置、110…画像入力部、120…画像出力部、121…装置制御部、130…操作受付部、140…データ入出力部、150…給電部、160…システム制御部、170…課金装置、200…携帯端末装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末装置から出力データを受信する受信手段と、
媒体に前記出力データに基づく画像を形成する画像形成手段と、
前記携帯端末装置に給電する給電手段と、
前記受信手段によるデータ受信が行われることを条件として、前記給電手段に給電を行わせる給電制御手段と、
を備えることを特徴とする、画像形成装置。
【請求項2】
前記給電制御手段は、前記受信手段によるデータ受信が終了したことを条件として、給電を停止することを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
使用者の操作を受け付ける操作受け付け手段をさらに備え、
前記給電制御手段は、前記操作受け付け手段が給電停止を指示する操作を受け付けたことを条件として、給電を停止することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記給電制御手段は、給電開始後、予め定められた時間が経過したことを条件として、給電を停止することを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
使用者の操作を受け付ける操作受け付け手段をさらに備え、
前記給電制御手段は、前記操作受け付け手段が給電開始を指示する操作を受け付けたことを条件として、給電を開始することを特徴とする、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
画像形成装置から電力の供給を受けて、携帯端末装置に給電する給電手段と、
前記携帯端末装置から前記画像形成装置への出力データの転送が行われることを条件として、前記給電手段に給電を行わせる給電制御手段と、
を備えることを特徴とする、給電装置。
【請求項7】
前記給電制御手段は、前記携帯端末装置から前記画像形成装置への出力データの転送が終了したことを条件として、給電を停止することを特徴とする、請求項6に記載の給電装置。
【請求項8】
携帯端末装置から出力データを受信する受信手段と、媒体に当該出力データに基づく画像を形成する画像形成手段と、当該携帯端末装置に給電する給電手段と、を備えた画像形成装置を制御するコンピュータに、
利用者による操作を受け付ける処理と、
前記出力データを受信するための操作および給電開始を指示する操作を受け付けたことを条件として、前記給電手段に前記携帯端末装置への給電を開始させる処理と、
を実行させることを特徴とする、プログラム。
【請求項9】
前記コンピュータに、前記携帯端末装置からの前記出力データの受信が終了したことを条件として、前記給電手段に前記携帯端末装置への給電を停止させる処理を、さらに実行させることを特徴とする、請求項8に記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−218328(P2012−218328A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−87488(P2011−87488)
【出願日】平成23年4月11日(2011.4.11)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】