説明

画像形成装置および画像処理プログラム

【課題】 オーバーレイの実行前の画像における背景の部分の影響をオーバーレイの実行時に従来より抑えることができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】 画像形成装置は、原稿の画像データおよびフォームの画像データを合成するオーバーレイを実行するオーバーレイ実行手段と、原稿の画像データおよびフォームの画像データの少なくとも一方に対して透過色の指定を受け付ける透過色受付手段とを備えており、オーバーレイ実行手段は、透過色受付手段によって受け付けられた透過色をオーバーレイの実行時に透明として扱う(S155、S156、S157)ことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ページ毎に変化する可変情報である原稿の画像データと、ページ毎に変化しない固定情報であるフォームの画像データとを合成するオーバーレイを実行することができる画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、オーバーレイを実行することができる画像形成装置として、用紙1ページ分のドットパターンデータを記憶することができるフレームメモリと、フレームメモリに書き込まれたドットパターンデータを用紙に印字する印字ヘッドとを備えており、原稿の画像がフォームの画像の前面に配置されるようにオーバーレイを実行する場合には、フォームの画像データをフレームメモリに書き込んだ後で原稿の画像データをフレームメモリに書き込み、原稿の画像がフォームの画像の背面に配置されるようにオーバーレイを実行する場合には、原稿の画像データをフレームメモリに書き込んだ後でフォームの画像データをフレームメモリに書き込むプリンタ装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
特許文献1に記載されたプリンタ装置は、コンピュータによって作成された罫線、枠線、企業ロゴなどの図形の部分が不透明であり、図形以外の部分、すなわち背景の部分が透明である画像をフォームの画像として使用している。
【0004】
ここで、スキャナによって読み取られた画像は、図形の部分だけでなく背景の部分も不透明になる。従来、オーバーレイを実行することができる画像形成装置として、スキャナによって読み取られた画像をフォームの画像として使用する複写装置も知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第2726752号公報
【特許文献2】特開2001−358929号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
背景の部分は、本来、印刷されることを利用者が意図していない部分であるので、透明であるべきである。しかしながら、特許文献2に記載された複写装置は、原稿の画像における背景の部分が透明であるものの、フォームの画像における背景の部分が不透明であるので、フォームの画像データに原稿の画像データを上書き処理によって合成すると、合成画像のうちフォームの画像における背景の部分と原稿の画像における背景の部分とが重なった部分で、フォームの画像における背景の部分を印刷してしまう。つまり、特許文献2に記載された複写装置は、フォームの画像データに原稿の画像データを上書き処理によって合成すると、合成画像のうちフォームの画像における背景の部分と原稿の画像における背景の部分とが重なった部分で、フォームの画像における背景の部分を利用者の意図に反して印刷してしまうという問題がある。
【0007】
また、背景の部分は、本来、合成画像において図形の部分の画質に影響を与えるべきではない部分であるので、透明であるべきである。しかしながら、特許文献2に記載された複写装置は、フォームの画像における背景の部分が不透明であるので、フォームの画像データに原稿の画像データを加算処理によって合成すると、合成画像のうちフォームの画像における背景の部分と原稿の画像における図形の部分とが重なった部分で、原稿の画像における図形の部分の色にフォームの画像における背景の部分の色を加算処理して印刷してしまう。つまり、特許文献2に記載された複写装置は、フォームの画像データに原稿の画像データを加算処理によって合成すると、合成画像のうちフォームの画像における背景の部分と原稿の画像における図形の部分とが重なった部分で、原稿の画像における図形の部分の画質にフォームの画像における背景の部分で影響を与えてしまうという問題がある。
【0008】
そこで、本発明は、オーバーレイの実行前の画像における背景の部分の影響をオーバーレイの実行時に従来より抑えることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の画像形成装置は、原稿の画像データおよびフォームの画像データを合成するオーバーレイを実行するオーバーレイ実行手段と、原稿の画像データおよびフォームの画像データの少なくとも一方に対して透過色の指定を受け付ける透過色受付手段とを備えており、前記オーバーレイ実行手段は、前記透過色受付手段によって受け付けられた前記透過色を前記オーバーレイの実行時に透明として扱うことを特徴とする。
【0010】
この構成により、本発明の画像形成装置は、オーバーレイの実行時に透明として扱われる透過色の指定を原稿の画像データおよびフォームの画像データの少なくとも一方に対して受け付けることができるので、オーバーレイの実行前の画像における背景の部分の影響をオーバーレイの実行時に従来より抑えることができる。
【0011】
また、本発明の画像形成装置は、背景の部分の色とみなす背景色を画像データにおける各色の存在数に基づいて抽出する背景色抽出手段を備えており、前記透過色受付手段は、前記透過色として前記背景色を指定可能であることが好ましい。
【0012】
この構成により、本発明の画像形成装置は、自動的に抽出される背景色を透過色として指定可能であるので、自動的に抽出される背景色を透過色として指定可能でない構成と比較して、利便性を向上することができる。
【0013】
また、本発明の画像形成装置は、前記透過色受付手段によって受け付けられた前記透過色の周囲の色の範囲の指定を受け付ける範囲受付手段を備えており、前記オーバーレイ実行手段は、前記範囲受付手段によって受け付けられた前記範囲内の色を前記オーバーレイの実行時に透明として扱うことが好ましい。
【0014】
この構成により、本発明の画像形成装置は、オーバーレイの実行時に透明として扱われる色の範囲の指定を受け付けることができるので、オーバーレイの実行前の画像における背景の部分の影響を更に抑えることができる。
【0015】
本発明の画像処理プログラムは、原稿の画像データおよびフォームの画像データを合成するオーバーレイを実行するオーバーレイ実行手段と、原稿の画像データおよびフォームの画像データの少なくとも一方に対して透過色の指定を受け付ける透過色受付手段としてコンピュータを機能させ、前記オーバーレイ実行手段は、前記透過色受付手段によって受け付けられた前記透過色を前記オーバーレイの実行時に透明として扱うことを特徴とする。
【0016】
この構成により、本発明の画像処理プログラムを実行するコンピュータは、オーバーレイの実行時に透明として扱われる透過色の指定を原稿の画像データおよびフォームの画像データの少なくとも一方に対して受け付けることができるので、オーバーレイの実行前の画像における背景の部分の影響をオーバーレイの実行時に従来より抑えることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の画像形成装置は、オーバーレイの実行前の画像における背景の部分の影響をオーバーレイの実行時に従来より抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施の形態に係る複合機のブロック図である。
【図2】図1に示す表示部に表示されるオーバーレイ印刷方法設定画面を示す図である。
【図3】図1に示す複合機の動作のフローチャートである。
【図4】図1に示す制御部によって作成されるヒストグラムである。
【図5】図1に示す制御部によって実行されるオーバーレイ処理のフローチャートである。
【図6】(a)は、図1に示す制御部による合成前のフォームの画像の例を示す図である。(b)は、図1に示す制御部による合成前の原稿の画像の例を示す図である。(c)は、図6(a)に示すフォームの画像と、図6(b)に示す原稿の画像とを制御部によって合成した後の画像を示す図である。
【図7】(a)は、図1に示す制御部による合成前のフォームの画像の図6(a)に示す例とは異なる例を示す図である。(b)は、図1に示す制御部による合成前の原稿の画像の図6(b)に示す例とは異なる例を示す図である。(c)は、図7(a)に示すフォームの画像と、図7(b)に示す原稿の画像とを制御部によって合成した後の画像を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0020】
まず、本実施の形態に係る画像形成装置としての複合機の構成について説明する。
【0021】
図1は、本実施の形態に係る複合機10のブロック図である。
【0022】
図1に示すように、複合機10は、複合機10全体を制御するための制御部11と、各種のデータを記憶する記憶部12と、利用者によって種々の操作が入力される図示していない操作パネル上の操作部13と、種々の情報を表示する操作パネル上の表示部14と、用紙に印刷を実行するプリンタ部15と、原稿を読み込んで画像データを生成する読取デバイスであるスキャナ部16と、PC(Personal Computer)などの図示していない外部の装置と通信を行う通信部17とを備えている。
【0023】
制御部11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、本発明の画像処理プログラムを含むプログラムや各種のデータを予め記憶しているROM(Read Only Memory)と、CPUの作業領域として用いられるRAM(Random Access Memory)とによって構成されている。CPUは、ROMに記憶されているプログラムを実行することによって制御部11を動作させる演算処理装置である。RAMは、CPUによってプログラムが実行されるときにプログラムや各種のデータを一時的に記憶するようになっている。
【0024】
制御部11は、画像処理プログラムを実行することによって、後述するように、原稿の画像データおよびフォームの画像データの少なくとも一方に対して透過色の指定を受け付ける透過色受付手段11aと、透過色受付手段11aによって受け付けられた透過色の周囲の色の範囲の指定を受け付ける範囲受付手段11bと、背景の部分の色とみなす背景色を画像データにおける各色の存在数に基づいて抽出する背景色抽出手段11cと、原稿の画像データおよびフォームの画像データを合成するオーバーレイを実行するオーバーレイ実行手段11dとして機能するようになっている。
【0025】
記憶部12は、RAM、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)などの記憶デバイスによって構成されている。
【0026】
操作部13は、表示部14とともにタッチパネルを形成するボタンや、操作パネル上のボタンなどの入力デバイスによって構成されている。
【0027】
表示部14は、LCD(Liquid Crystal Display)などの表示デバイスによって構成されている。
【0028】
プリンタ部15は、外部の装置から受信された印刷データのジョブや、スキャナ部16によって生成された画像データのジョブなどの各種のジョブを印刷する印刷デバイスである。
【0029】
通信部17は、LAN(Local Area Network)などの図示していないネットワークを介して外部の装置と通信を行う通信デバイスである。通信部17は、例えば、プリンタ部15で印刷されるための印刷データを外部の装置から受信したり、スキャナ部16によって生成された画像データを外部の装置に送信したりする。
【0030】
次に、複合機10の動作について説明する。
【0031】
図2は、表示部14に表示されるオーバーレイ印刷方法設定画面を示す図である。
【0032】
複合機10の制御部11は、オーバーレイに関する各種の設定を行うことを利用者から操作部13を介して指示されると、図2に示すオーバーレイ印刷方法設定画面を表示部14に表示させる。
【0033】
図2に示すオーバーレイ印刷方法設定画面は、利用者がフォームの画像データのアドレスを指定するためのボックスであるフォームデータボックス41と、利用者がフォームの画像データおよび原稿の画像データのうち背面側の画像データを指定するためのドロップダウンリストボックスである背面側ボックス42と、利用者がフォームの画像データおよび原稿の画像データの合成方法を指定するためのドロップダウンリストボックスである合成方法ボックス43と、利用者が原稿の画像データ用の透過率を指定するためのスライダである原稿透過率スライダ44と、利用者が原稿の画像データにおける透過色を指定するためのドロップダウンリストボックスである原稿透過色ボックス45と、利用者が原稿の画像データにおける透過色をRGB値のR値、G値、B値で具体的に指定するためのテキストボックスである原稿指定色R値ボックス46a、原稿指定色G値ボックス46b、原稿指定色B値ボックス46cと、利用者が原稿の画像データにおける透過色の周囲の色の範囲を指定するためのスライダである閾値スライダ47と、利用者がフォームの画像データ用の透過率を指定するためのスライダであるフォーム透過率スライダ48と、利用者がフォームの画像データにおける透過色を指定するためのドロップダウンリストボックスであるフォーム透過色ボックス49と、利用者がフォームの画像データにおける透過色をRGB値のR値、G値、B値で具体的に指定するためのテキストボックスであるフォーム指定色R値ボックス50a、フォーム指定色G値ボックス50b、フォーム指定色B値ボックス50cと、利用者がフォームの画像データにおける透過色の周囲の色の範囲を指定するためのスライダである閾値スライダ51とを含んでいる。
【0034】
利用者は、操作部13を介してフォームデータボックス41にフォームの画像データのアドレスを入力することができる。利用者は、記憶部12に記憶されているフォームの画像データのアドレスだけでなく、通信部17を介して複合機10と接続される外部の装置に記憶されているフォームの画像データのアドレスを入力することができる。制御部11は、アドレスがフォームデータボックス41に入力されると、入力されたアドレスを記憶部12に記憶させる。
【0035】
利用者は、操作部13を介して背面側ボックス42によってフォームの画像データおよび原稿の画像データのうち背面側(ディスティネーション側)の画像データを選択することができる。背面側ボックス42によって選択することができる事項は、「フォームの画像データ」および「原稿の画像データ」の何れか一方である。なお、フォームの画像データおよび原稿の画像データのうち背面側ボックス42によって選択されなかった方は、前面側(ソース側)の画像データとなる。制御部11は、背面側ボックス42によって何れかの画像データが選択されると、選択された画像データが背面側の画像データであることを記憶部12に記憶させる。
【0036】
利用者は、操作部13を介して合成方法ボックス43によってフォームの画像データおよび原稿の画像データの合成方法を選択することができる。合成方法ボックス43によって選択することができる合成方法は、「不透明合成(上書き)(CMY)」、「半透明加算(CMY)」、「半透明減算(CMY)」、「比較(明)」、「比較(暗)」および「半透明合成」の何れか1つである。「不透明合成(上書き)(CMY)」とは、背面側の画像データに、前面側の画像データを、CMYの色空間で、上書き処理によって合成することを意味している。「半透明加算(CMY)」とは、背面側の画像データ用の透過率を掛けた背面側の画像データに、前面側の画像データ用の透過率を掛けた前面側の画像データを、CMYの色空間で、加算処理によって合成することを意味している。「半透明減算(CMY)」とは、背面側の画像データ用の透過率を掛けた背面側の画像データに、前面側の画像データ用の透過率を掛けた前面側の画像データを、CMYの色空間で、減算処理によって合成することを意味している。「比較(明)」とは、背面側の画像データの画素と、その画素の合成相手である前面側の画像データの画素とのうち明るい方を採用するように背面側の画像データおよび前面側の画像データを合成することを意味している。「比較(暗)」とは、背面側の画像データの画素と、その画素の合成相手である前面側の画像データの画素とのうち暗い方を採用するように背面側の画像データおよび前面側の画像データを合成することを意味している。「半透明合成」とは、100%から前面側の画像データ用の透過率を引いた値を掛けた背面側の画像データに、前面側の画像データ用の透過率を掛けた前面側の画像データを、加算処理によって合成することを意味している。なお、ここに示した合成方法は、一例である。合成方法ボックス43によって選択することができる合成方法は、ここに示した合成方法に限られるものではない。制御部11は、合成方法ボックス43によって何れかの合成方法が選択されると、選択された合成方法を、オーバーレイにおける合成方法として記憶部12に記憶させる。
【0037】
利用者は、操作部13を介して原稿透過率スライダ44によって原稿の画像データ用の透過率を指定することができる。原稿透過率スライダ44によって指定することができる透過率は、0%から99%までの整数である。なお、制御部11は、合成方法ボックス43によって選択された合成方法によっては、自動的に原稿透過率スライダ44を指定する。例えば、制御部11は、合成方法ボックス43によって選択された合成方法が「不透明合成(上書き)(CMY)」である場合には、自動的に原稿透過率スライダ44を0%に指定する。制御部11は、原稿透過率スライダ44によって透過率が指定されると、指定された透過率を、原稿の画像データ用の透過率として記憶部12に記憶させる。
【0038】
利用者は、操作部13を介して原稿透過色ボックス45によって原稿の画像データにおける透過色を選択することができる。原稿透過色ボックス45によって選択することができる事項は、「無し」、「白色」、「背景色」、「指定色」の何れか1つである。「無し」とは、原稿の画像データにおける透過色がないということを意味している。「白色」とは、原稿の画像データにおける透過色が白色であるということを意味している。「背景色」とは、原稿の画像データにおける透過色が複合機10によって自動的に抽出される背景色であるということを意味している。「指定色」とは、原稿の画像データにおける透過色が原稿指定色R値ボックス46a、原稿指定色G値ボックス46bおよび原稿指定色B値ボックス46cによって指定された色であるということを意味している。制御部11の機能の1つである透過色受付手段11aは、原稿透過色ボックス45によって何れかの事項が選択されると、選択された事項で表される色が原稿の画像データにおける透過色であることを記憶部12に記憶させる。
【0039】
利用者は、操作部13を介して原稿指定色R値ボックス46a、原稿指定色G値ボックス46bおよび原稿指定色B値ボックス46cによって原稿の画像データにおける透過色を具体的にRGB値で指定することができる。透過色受付手段11aは、原稿指定色R値ボックス46a、原稿指定色G値ボックス46bおよび原稿指定色B値ボックス46cによって色が指定されると、指定された色を、原稿の画像データにおける指定色として記憶部12に記憶させる。
【0040】
利用者は、操作部13を介して閾値スライダ47によって原稿の画像データにおける透過色の周囲の色の範囲を指定することができる。閾値スライダ47によって指定された閾値がxであり、透過色のR値、G値、B値がr、g、bであるとき、閾値スライダ47によって指定された範囲は、R値がr−xからr+xまでの値であって、G値がg−xからg+xまでの値であって、B値がb−xからb+xまでの値である色の範囲となる。なお、ここに示した範囲の指定方法は、一例である。範囲の指定方法は、ここに示した方法に限られるものではない。制御部11の機能の1つである範囲受付手段11bは、閾値スライダ47によって範囲が指定されると、指定された範囲を、原稿の画像データにおける透過色の周囲の色の範囲として記憶部12に記憶させる。
【0041】
利用者は、操作部13を介してフォーム透過率スライダ48によってフォームの画像データ用の透過率を指定することができる。フォーム透過率スライダ48によって指定することができる透過率は、0%から99%までの整数である。なお、制御部11は、合成方法ボックス43によって選択された合成方法によっては、自動的にフォーム透過率スライダ48を指定する。例えば、制御部11は、合成方法ボックス43によって選択された合成方法が「不透明合成(上書き)(CMY)」である場合には、自動的にフォーム透過率スライダ48を0%に指定する。制御部11は、フォーム透過率スライダ48によって透過率が指定されると、指定された透過率を、フォームの画像データ用の透過率として記憶部12に記憶させる。
【0042】
利用者は、操作部13を介してフォーム透過色ボックス49によってフォームの画像データにおける透過色を選択することができる。フォーム透過色ボックス49によって選択することができる事項は、「無し」、「白色」、「背景色」、「指定色」の何れか1つである。「無し」とは、フォームの画像データにおける透過色がないということを意味している。「白色」とは、フォームの画像データにおける透過色が白色であるということを意味している。「背景色」とは、フォームの画像データにおける透過色が複合機10によって自動的に抽出される背景色であるということを意味している。「指定色」とは、フォームの画像データにおける透過色がフォーム指定色R値ボックス50a、フォーム指定色G値ボックス50bおよびフォーム指定色B値ボックス50cによって指定された色であるということを意味している。透過色受付手段11aは、フォーム透過色ボックス49によって何れかの事項が選択されると、選択された事項で表される色がフォームの画像データにおける透過色であることを記憶部12に記憶させる。
【0043】
利用者は、操作部13を介してフォーム指定色R値ボックス50a、フォーム指定色G値ボックス50bおよびフォーム指定色B値ボックス50cによってフォームの画像データにおける透過色を具体的にRGB値で指定することができる。透過色受付手段11aは、フォーム指定色R値ボックス50a、フォーム指定色G値ボックス50bおよびフォーム指定色B値ボックス50cによって色が指定されると、指定された色を、フォームの画像データにおける指定色として記憶部12に記憶させる。
【0044】
利用者は、操作部13を介して閾値スライダ51によってフォームの画像データにおける透過色の周囲の色の範囲を指定することができる。閾値スライダ51によって指定された閾値がxであり、透過色のR値、G値、B値がr、g、bであるとき、閾値スライダ51によって指定された範囲は、R値がr−xからr+xまでの値であって、G値がg−xからg+xまでの値であって、B値がb−xからb+xまでの値である色の範囲となる。なお、ここに示した範囲の指定方法は、一例である。範囲の指定方法は、ここに示した方法に限られるものではない。範囲受付手段11bは、閾値スライダ51によって範囲が指定されると、指定された範囲を、フォームの画像データにおける透過色の周囲の色の範囲として記憶部12に記憶させる。
【0045】
なお、以上において、制御部11は、オーバーレイに関する各種の設定の指示が複合機10の操作部13を介して行われているが、オーバーレイに関する各種の設定の指示が通信部17を介して外部の装置から行われるようになっていても良い。
【0046】
図3は、複合機10の動作のフローチャートである。
【0047】
制御部11は、操作部13から、または、通信部17を介して外部の装置から、オーバーレイの指示を受けると、図3に示す処理を開始する。
【0048】
図3に示すように、制御部11は、記憶部12に記憶されているアドレスに基づいてフォームの画像データを取得する(S101)。例えば、フォームの画像データは、スキャナ部16によって読み込まれて記憶部12に記憶されている画像データであっても良いし、通信部17を介して外部の装置から送信されて記憶部12に記憶されている画像データであっても良いし、外部の装置に記憶されている画像データであっても良い。
【0049】
次いで、制御部11は、原稿の画像データを生成する(S102)。例えば、制御部11は、オーバーレイの指示が操作部13から行われている場合には、原稿をスキャナ部16によって読み込んで原稿の画像データを生成しても良いし、オーバーレイの指示が通信部17を介して外部の装置から行われている場合には、オーバーレイの指示とともに通信部17を介して外部の装置から送信されてくる印刷データに基づいて原稿の画像データを生成しても良い。
【0050】
次いで、制御部11の機能の1つである背景色抽出手段11cは、S101において制御部11が取得したフォームの画像データ、S102において制御部11が生成した原稿の画像データのそれぞれから、背景色を抽出する(S103)。具体的な背景色の抽出方法を以下に説明する。
【0051】
図4は、制御部11によって作成されるヒストグラムである。
【0052】
背景色抽出手段11cは、図4に示すように、S101において制御部11が取得したフォームの画像データの全画素のRGB値のヒストグラムを作成する。そして、背景色抽出手段11cは、作成したヒストグラムに基づいて、全画素のR値のうち最も度数が多いR値と、全画素のG値のうち最も度数が多いG値と、全画素のB値のうち最も度数が多いB値とからなる色を、フォームの画像データの背景色として抽出する。なお、背景色抽出手段11cは、フォームの画像データの全画素のRGB値のヒストグラムを作成しても良いが、フォームの画像データの全画素から所定の間隔などの所定の規則で抽出した画素のRGB値のヒストグラムを作成するようにすれば、処理に必要な記憶容量を低減したり、S103の処理の速度を向上したりすることができる。以上においては、S101において制御部11が取得したフォームの画像データについて説明したが、背景色抽出手段11cは、S102において制御部11が生成した原稿の画像データについても同様に背景色を抽出する。なお、背景色抽出手段11cは、画像データが複数のページから構成されている場合には、ページ毎に背景色を抽出する。
【0053】
図3に示すように、背景色抽出手段11cがS103の処理を終了すると、制御部11の機能の1つであるオーバーレイ実行手段11dは、図5に示すオーバーレイ処理を実行する(S104)。
【0054】
図5は、制御部11によって実行されるオーバーレイ処理のフローチャートである。
【0055】
図5に示すように、オーバーレイ実行手段11dは、原稿の画像データ、フォームの画像データのそれぞれについて、記憶部12に記憶されている透過色を取得する(S151)。ここで、オーバーレイ実行手段11dは、記憶部12に記憶されている透過色が「無し」である場合、透過色として何も取得せず、記憶部12に記憶されている透過色が「白色」である場合、透過色として白色を取得し、記憶部12に記憶されている透過色が「背景色」である場合、S103において抽出された背景色を透過色として取得し、記憶部12に記憶されている透過色が「指定色」である場合、記憶部12に記憶されている指定色を透過色として取得する。
【0056】
次いで、オーバーレイ実行手段11dは、原稿の画像データ、フォームの画像データのそれぞれについて、S151において取得した透過色の周囲の色のうち記憶部12に記憶されている範囲の色を、透明として扱う色として取得する(S152)。
【0057】
次いで、オーバーレイ実行手段11dは、記憶部12に記憶されている合成方法に応じて、透明として扱う色を取得する(S153)。例えば、合成方法がCMYの色空間における加算処理である場合、C値、M値、Y値が全て0である白色は、合成の際に透過色と同様の振る舞いをするので、透明として扱う色として判断される。合成方法に応じて透明として扱われるべき色は、合成方法と対応付けられて記憶部12に予め記憶されている。
【0058】
次いで、オーバーレイ実行手段11dは、原稿の画像データおよびフォームの画像データから、互いに合成されるべき画素を1画素ずつ読み出す(S154)。
【0059】
次いで、オーバーレイ実行手段11dは、S154において読み出した2つの画素のうち前面側の画素の色が透明として扱う色であるか否かを判断する(S155)。ここで、オーバーレイ実行手段11dは、記憶部12に原稿の画像データが背面側の画像データであることが記憶されている場合、フォームの画素を前面側の画素として判断し、記憶部12にフォームの画像データが背面側の画像データであることが記憶されている場合、原稿の画素を前面側の画素として判断する。また、透明として扱う色は、S151、S152およびS153において取得された色である。
【0060】
オーバーレイ実行手段11dは、S154において読み出した2つの画素のうち前面側の画素の色が透明として扱う色ではないとS155において判断すると、S154において読み出した2つの画素のうち背面側の画素の色が透明として扱う色であるか否かを判断する(S156)。ここで、オーバーレイ実行手段11dは、記憶部12に原稿の画像データが背面側の画像データであることが記憶されている場合、原稿の画素を背面側の画素として判断し、記憶部12にフォームの画像データが背面側の画像データであることが記憶されている場合、フォームの画素を背面側の画素として判断する。また、透明として扱う色は、S151、S152およびS153において取得された色である。
【0061】
オーバーレイ実行手段11dは、S154において読み出した2つの画素のうち前面側の画素の色が透明として扱う色であるとS155において判断すると、S156の処理と同様に、S154において読み出した2つの画素のうち背面側の画素の色が透明として扱う色であるか否かを判断する(S157)。
【0062】
オーバーレイ実行手段11dは、S154において読み出した2つの画素のうち背面側の画素の色が透明として扱う色ではないとS156において判断すると、記憶部12に記憶されている合成方法で2つの画素を合成する(S158)。
【0063】
次いで、オーバーレイ実行手段11dは、S154において読み出した2つの画素の属性情報から1つを、記憶部12に記憶されている合成方法に応じて選択し、選択した属性情報を、合成後の画素の属性情報として設定する(S159)。ここで、属性情報とは、画像が適切に印刷されるために画素毎に画像データに設定されている情報である。属性情報としては、例えば写真、グラフィック、テキストなどがあるが、これらに限られるものではない。なお、S159における属性情報の選択方法は、設計次第である。例えば、オーバーレイ実行手段11dは、合成方法が「比較(明)」である場合には、S154において読み出した2つの画素の属性情報のうち、明るい画素の属性情報を選択するようになっていても良い。
【0064】
オーバーレイ実行手段11dは、S154において読み出した2つの画素のうち背面側の画素の色が透明として扱う色であるとS156において判断すると、記憶部12に記憶されている透過率に基づいて前面側の画素を半透明化し、この画素を合成後の画素として設定する(S160)。
【0065】
次いで、オーバーレイ実行手段11dは、S154において読み出した2つの画素の属性情報のうち前面側の画素の属性情報を、合成後の画素の属性情報として設定する(S161)。
【0066】
オーバーレイ実行手段11dは、S154において読み出した2つの画素のうち背面側の画素の色が透明として扱う色ではないとS157において判断すると、記憶部12に記憶されている透過率に基づいて背面側の画素を半透明化し、この画素を合成後の画素として設定する(S162)。
【0067】
次いで、オーバーレイ実行手段11dは、S154において読み出した2つの画素の属性情報のうち背面側の画素の属性情報を、合成後の画素の属性情報として設定する(S163)。
【0068】
オーバーレイ実行手段11dは、S154において読み出した2つの画素のうち背面側の画素の色が透明として扱う色であるとS157において判断すると、白色を合成後の画素として設定する(S164)。
【0069】
次いで、オーバーレイ実行手段11dは、合成後の画素の属性情報を無しとして設定する(S165)。
【0070】
オーバーレイ実行手段11dは、S159、S161、S163、S165の処理を終了すると、原稿の画像データおよびフォームの画像データの全画素の合成が終了したか否かを判断する(S166)。
【0071】
オーバーレイ実行手段11dは、原稿の画像データおよびフォームの画像データの全画素の合成が終了していないとS166において判断すると、残りの画素について再びS154の処理を実行する。一方、オーバーレイ実行手段11dは、原稿の画像データおよびフォームの画像データの全画素の合成が終了したとS166において判断すると、図5に示すオーバーレイ処理を終了する。
【0072】
図3に示すように、制御部11は、S104のオーバーレイ処理が終了すると、S104のオーバーレイ処理における合成後の画像データと、その属性情報とに基づいて、色変換処理を行う(S105)。例えば、画像データは、この色変換処理において、RGBからトナーの色であるCMYKに色変換が行われ、その際、属性情報がグラフィックである黒色の画素がCMYの混合色に変換され、属性情報がテキストである黒色の画素がKのみに変換されるようになっていても良い。
【0073】
次いで、制御部11は、S105において色変換処理が行われた画像データと、その属性情報とに基づいて、ハーフトーン処理を行う(S106)。例えば、画像データは、属性情報がテキストである画素において高解像度のハーフトーン処理が実行されるようになっていても良い。
【0074】
最後に、制御部11は、S106においてハーフトーン処理が行われた画像データに基づいてプリンタ部15に印刷を実行させて(S107)、図3に示す処理を終了する。
【0075】
以上に説明したように、複合機10は、オーバーレイの実行時にオーバーレイ実行手段11dによって透明として扱われる透過色の指定を、原稿の画像データおよびフォームの画像データに対して透過色受付手段11aによって受け付けることができるので、オーバーレイの実行前の画像における背景の部分の影響をオーバーレイの実行時に従来より抑えることができる。
【0076】
図6(a)は、制御部11による合成前のフォームの画像の例を示す図である。図6(b)は、制御部11による合成前の原稿の画像の例を示す図である。図6(c)は、図6(a)に示すフォームの画像と、図6(b)に示す原稿の画像とを制御部11によって合成した後の画像を示す図である。
【0077】
図6(b)に示す原稿の画像は、背景の部分が灰色になっている。複合機10は、図6(b)に示す原稿の画像データにおける透過色が灰色に指定されることによって、図6(a)に示すフォームの画像と、図6(b)に示す原稿の画像とをオーバーレイ実行手段11dによって合成して、図6(c)に示す画像を生成することができる。図6(c)に示す画像においては、図6(b)に示す原稿の画像における灰色の背景の部分の影響が抑えられている。
【0078】
なお、複合機10は、利用者が透過色を指定することができるので、図7に示すようなオーバーレイも可能である。
【0079】
図7(a)は、制御部11による合成前のフォームの画像の図6(a)に示す例とは異なる例を示す図である。図7(b)は、制御部11による合成前の原稿の画像の図6(b)に示す例とは異なる例を示す図である。図7(c)は、図7(a)に示すフォームの画像と、図7(b)に示す原稿の画像とを制御部11によって合成した後の画像を示す図である。
【0080】
図7(a)に示すフォームの画像は、図形の部分が白色になっており、背景の部分が灰色になっている。従来のオーバーレイにおいては、白色の部分は、背景の部分として扱われてしまう。しかしながら、複合機10は、利用者が透過色を指定することができるので、図7(a)に示すフォームの画像データにおける透過色が白色ではなく灰色に指定されることによって、図7(a)に示すフォームの画像と、図7(b)に示す原稿の画像とをオーバーレイ実行手段11dによって合成して、図7(c)に示す画像を生成することができる。図7(c)に示す画像においては、図7(a)に示すフォームの画像における白色の部分が背景の部分として扱われずに正しく図形の部分として表れている。
【0081】
複合機10は、利用者に透過色を色値によって具体的に指定させることができる。しかしながら、一般的には、利用者が背景の部分の色値を正確に指定することは困難である。複合機10は、背景色抽出手段11cによって自動的に抽出される背景色を透過色受付手段11aによって透過色として指定可能である。したがって、複合機10は、自動的に抽出される背景色を透過色として指定可能でない構成と比較して、利便性を向上することができる。
【0082】
例えば、複数のページの原稿をスキャナ部16で読み取った場合、読み取られた画像における背景の部分の色は、ページによって差異が生じることがある。複合機10は、背景色抽出手段11cがページ毎に背景色を抽出するので、透過色受付手段11aによって背景色が透過色として指定された場合には、オーバーレイの実行時に各ページに適した透過色が自動的に適用される。したがって、複合機10は、背景色抽出手段11cがページ毎に背景色を抽出しない構成と比較して、合成後の画像の画質を向上することができるとともに、利便性を向上することもできる。
【0083】
原稿をスキャナ部16で読み取った場合、読み取られた画像における背景の部分の色は、一色ではなく、ある程度の範囲に広がることがある。複合機10は、オーバーレイの実行時にオーバーレイ実行手段11dによって透明として扱われる色の範囲の指定を範囲受付手段11bによって受け付けることができるので、オーバーレイの実行前の画像における背景の部分の影響を更に抑えることができる。
【0084】
複合機10は、上述したように、原稿の画像データおよびフォームの画像データの何れを背面側の画像データにするかということや、原稿の画像データおよびフォームの画像データの合成方法や、合成の際の透過色など、オーバーレイに関する各種の設定を利用者に行わせることができるので、利用者の希望するオーバーレイを実行することができる。
【0085】
また、複合機10は、原稿の画像データにおける透過色の画素と、フォームの画像データにおける不透明な画素とを合成した画素や、フォームの画像データにおける透過色の画素と、原稿の画像データにおける不透明な画素とを合成した画素に色変換処理やハーフトーン処理を行う場合、元の画像データにおいて不透明であった画素の属性情報で色変換処理やハーフトーン処理を行うので、元の画像データの画質を維持することができる。
【0086】
なお、本発明の画像形成装置は、本実施の形態において複合機について説明しているが、コピー機、プリンタなど、複合機以外の画像形成装置であっても良い。
【0087】
また、本発明の画像処理プログラムは、本実施の形態において画像形成装置である複合機によって実行されるようになっているが、PCなど、画像形成装置以外のコンピュータによって実行されるようになっていても良い。
【符号の説明】
【0088】
10 複合機(画像形成装置)
11a 透過色受付手段
11b 範囲受付手段
11c 背景色抽出手段
11d オーバーレイ実行手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿の画像データおよびフォームの画像データを合成するオーバーレイを実行するオーバーレイ実行手段と、原稿の画像データおよびフォームの画像データの少なくとも一方に対して透過色の指定を受け付ける透過色受付手段とを備えており、
前記オーバーレイ実行手段は、前記透過色受付手段によって受け付けられた前記透過色を前記オーバーレイの実行時に透明として扱うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
背景の部分の色とみなす背景色を画像データにおける各色の存在数に基づいて抽出する背景色抽出手段を備えており、
前記透過色受付手段は、前記透過色として前記背景色を指定可能であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記透過色受付手段によって受け付けられた前記透過色の周囲の色の範囲の指定を受け付ける範囲受付手段を備えており、
前記オーバーレイ実行手段は、前記範囲受付手段によって受け付けられた前記範囲内の色を前記オーバーレイの実行時に透明として扱うことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
原稿の画像データおよびフォームの画像データを合成するオーバーレイを実行するオーバーレイ実行手段と、原稿の画像データおよびフォームの画像データの少なくとも一方に対して透過色の指定を受け付ける透過色受付手段としてコンピュータを機能させ、
前記オーバーレイ実行手段は、前記透過色受付手段によって受け付けられた前記透過色を前記オーバーレイの実行時に透明として扱うことを特徴とする画像処理プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2011−188267(P2011−188267A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−51805(P2010−51805)
【出願日】平成22年3月9日(2010.3.9)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】