説明

画像形成装置および画像形成方法

【課題】転写材を把持した状態で転写を行う場合、転写材と像担持体との離間位置、転写材解放位置、および転写材吸引開始位置が仮想略三角形に配置されても良好な画像を得る。
【解決手段】中間転写ベルト8の像をグリッパー17で把持された転写材20に二次転写ニップ13aで転写し、この転写材20を転写材搬送部25で、転写画像面を鉛直方向の下方に向けて鉛直方向の上方に吸引するとともに転写材搬送ころ25eにより搬送し、二次転写ニップの終端位置ζと、二次転写ニップの位置より転写材移動方向側で鉛直方向の上方に配置された転写材解放位置εと、転写材解放位置εより転写材移動方向側で鉛直方向の上方に配置され、かつ転写材20の先端が転写材搬送部25に最初に当接する転写材搬送部始点位置ηとが仮想略三角形に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、転写材の把持状態で転写を行う画像形成装置および画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置においては、転写材の先端部を把持する転写材把持部材を有する転写ローラーを用いた画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載の画像形成装置では、転写ローラーが回転することにより、転写材把持部材で転写材の先端部が把持された状態で転写材が転写ニップを通過して像担持体の像が転写材に転写される。この画像形成装置によれば、転写材把持部材で転写材の先端部を把持することで、転写後に像担持体からの転写材の剥離が確実となる。
【0003】
一方、転写ローラーが回転することにより、転写材が転写ニップを通過して像担持体の像が転写材に転写されるとともに、転写材の先端部が転写ニップを通過すると気流発生装置により転写材が像担持体から剥離され、その後、転写材はその転写画像面が鉛直方向の下方に向いた状態で鉛直方向の上方に引き付けられて移動して転写材搬送部の転写材搬送ベルトで定着部の方へ搬送される画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2000−508280号公報。
【特許文献2】特開2009−205131号公報。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献2に記載の画像形成装置に、転写後の像担持体からの転写材の剥離性を向上させるために、特許文献1に記載の転写材先端部を把持する技術を適用することが考えられる。この場合、転写材先端部の把持が転写材搬送部の手前で解除されるため、転写ニップの転写材移動方向のニップ終端位置、転写材解放位置、および転写材先端が最初に当接する転写材搬送ベルトの転写材搬送部始点位置が仮想略三角形に配置される。そして、転写ニップを通過した転写材は、転写ニップでの駆動力で仮想略三角形の二辺にほぼ沿う移動経路で移動する。
【0006】
しかしながら、転写材の先端部が転写材搬送ベルトに到達する前に転写材の把持が解除されるため、転写材の把持解除後、転写材は転写材解放位置から転写材搬送部始点位置まで転写ニップでの駆動力で転写材の腰を利用して移動させる必要がある。このとき、転写材は鉛直方向の上方に寄って移動するため、転写材の姿勢が不安定になる。特に、転写材搬送ベルトでの転写材の移動速度と、転写ニップでの転写材の移動速度とに速度差が存在すると、移動時の転写材の姿勢が更に不安定になる。このため、転写ニップを通過した転写材の転写画像面が転写材の移動経路の鉛直方向の下方の画像形成装置の部材に接触して、転写画像が乱れるおそれがある。また、前述のように転写材の姿勢が不安定になることで、転写ニップ出口での紙の姿勢が維持できなくなるため、転写材の転写画像面が像担持体に接触して画像ずれが生じるおそれがある。すなわち、特許文献2に記載の画像形成装置に特許文献1に記載の転写材の把持技術を単純に適用しただけでは、良好な画像を得ることは難しい。
【0007】
本発明の目的は、転写材を把持した状態で転写を行う場合、像担持体と転写材とが離間
する位置、転写材解放位置、および転写材吸引開始位置が仮想略三角形に配置されても、良好な画像を得ることのできる画像形成装置および画像形成方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述の課題を解決するために、本発明に係る画像形成装置および画像形成方法では、把持部材で転写材が把持されて、転写ニップで像担持体の像が転写材に転写されるとともに、転写後に像担持体と転写材とが離間する。更に、転写材は、把持部材が転写材を解放する位置で解放される。次いで、転写材はその腰を利用して転写ニップで与えられる転写ローラーの駆動力で転写材搬送部に向かって移動する。そして、転写材の先端が転写材を吸引開始する位置に到達すると、転写材は転写画像面を鉛直方向の下方に向けて背面側(転写画像面と反対側)を鉛直方向の上方に寄って移動しようとする。次いで、転写材は転写材搬送部の転写材搬送面によって、転写画像面を鉛直方向の下方に向けて背面側を鉛直方向の上方に吸引されるようになる。その場合、像担持体と転写材とが離間する位置、把持部材が転写材を解放する位置、および転写材搬送部が転写材を吸引開始する位置が転写材移動方向と直交またはほぼ直交する方向(転写ローラーの軸方向と平行またはほぼ平行の方向)から見て仮想略三角形に配置されている。したがって、転写材は像担持体と転写材とが離間する位置と把持部材が転写材を解放する位置とを結ぶ仮想略三角形の辺、および把持部材が転写材を解放する位置と転写材搬送部が転写材を吸引開始する位置と結ぶ仮想略三角形の辺に沿って上方に撓んで移動する。その場合、像担持体と転写材とが離間する位置と転写材搬送部が転写材を吸引開始する位置とを結ぶ距離をLとし、また像担持体と転写材とが離間する位置と把持部材が転写材を解放する位置とを結ぶ距離をL1とし、更に把持部材が転写材を解放する位置と転写材搬送部が転写材を吸引開始する位置とを結ぶ距離をL2とすると、LはL1およびL2に対して、L<L1+L2の関係を有する。
【0009】
そして、転写材の先端が転写材を吸引開始する位置に到達すると、転写材は像担持体と転写材とが離間する位置と転写材搬送部が転写材を吸引開始する位置とを結ぶ仮想略三角形の辺にほぼ沿うように移動する。すなわち、上方に撓んでいた転写材がまっすぐになろうとするため、転写材と転写材搬送部との間に摩擦が生じて転写材の姿勢が変化して不安定になる。特に、転写材が転写ニップでの駆動力で移動するため、転写ニップでの転写材の移動速度と転写材搬送部での転写材の移動速度とに速度差が存在すると、転写材は鉛直方向の下方に撓んで、像担持体と転写材とが離間する位置および転写材吸引開始位置間の仮想略三角形の他の一辺にほぼ沿う移動経路で移動しようとする。このため、転写材の姿勢がより一層不安定になる。
【0010】
そこで、転写材の先端が転写材搬送部が転写材を吸引開始する位置に到達した後も、転写材が転写ニップでの駆動力で移動する間は、転写材搬送部の複数の当接部材に転写材の背面が当接することにより、転写材と転写材搬送部との間の摩擦が低減される。特に、当接部材が転写材移動方向と直交またはほぼ直交する方向の軸まわりに回転するローラー部材であると、これらのローラー部材で転写材の背面をガイドすることにより、転写材と転写材搬送部との間の摩擦が更に効果的に低減される。これにより、転写材の姿勢が変化して不安定になることを抑制することが可能となる。特に、転写材と転写材搬送部との間の摩擦が低減されることで転写材の姿勢の変化が抑制されるので、前述の略三角形の二辺と他の一辺とが接近し、略三角形の形状をより扁平な三角形状となる。したがって、転写材の移動経路の鉛直方向の下方に配設される像担持体等の画像形成装置の部材に接触することを防止することができるとともに、転写ニップ幅の変化を抑制することができる。その結果、画像ずれの発生を抑制することができる。このようにして、像担持体と転写材とが離間する位置、把持部材が転写材を解放する位置、および転写材搬送部が転写材を吸引開始する位置が仮想略三角形に配置されても、良好な画像を得ることができる画像形成装置および画像形成方法を実現することが可能となる。
【0011】
特に、把持部材による転写材の把持部が転写ローラーの凹部内に位置することで、転写ニップを安定して形成することができる。その場合、転写材の把持部が転写ローラーの凹部内に位置するため、転写画像面側に湾曲した凹部の把持跡が転写材の先端部に形成される。そして、転写材の背面が転写材搬送ころによりガイドされるので、転写材の先端部にこのような把持跡が形成されることにより、転写材が転写材搬送ころに巻き込まれることを防止することが可能となる。その結果、転写材搬送ころで転写材をガイドしても、転写材をスムーズに移動させることができる。
【0012】
また、転写材搬送ころを転写材移動方向と直交または略直交する方向に複数分割して配設することにより、転写材搬送ころを小型軽量にできるとともに容易に回転させることができる。したがって、転写材搬送ころによる転写材のガイドをより一層均等に行うことができ、転写材の姿勢を更に安定させることが可能となる。
【0013】
更に、転写材を鉛直方向の上方に引き付ける方法として、転写材搬送部に設けた吸引孔により転写材を鉛直方向の上方に吸引するようにした場合、転写ローラーの把持部材の位置と吸引孔の位置とを、転写材の移動方向と直交または略直交する方向に異ならせる。これにより、把持部材と吸引孔は転写材移動方向で重ならない。したがって、前述のように転写材の先端部に凹部の把持跡が形成されても、この把持跡は吸引孔を通過しないので、転写材搬送部の吸引孔による転写材の吸引をより効果的に行うことが可能となるとともに、転写材20を安定した姿勢で吸引搬送することが可能となる。
【0014】
更に、複数の把持部材を転写材移動方向と直交または略直交する方向に所定の間隔で配設するとともに、これらの把持部材の間に当接部材を配設する。これにより、把持部材と当接部材とは転写材移動方向で重ならないので、前述のように転写材の先端部に凹部の把持跡が形成されても、この把持跡は当接部材を通過しない。したがって、当接部材による転写材のガイドが転写材の把持跡に影響されなく、当接部材による転写材のガイドを安定して行うことが可能となる。その結果、当接部材による転写材のガイド時での転写材の姿勢を安定させることができる。
【0015】
更に、当接部材の間に、吸引孔を有する転写材搬送面である転写材搬送ベルトを配設する。また、当接部材を移動部材により、転写材を搬送する作動位置と転写材を搬送しない退避位置との間で移動可能に配設する。そして、制御部により移動部材による当接部材の移動を制御して、転写材が転写ローラーでの駆動力により移動する間は、当接部材で転写材をガイドするとともに、転写材の後端が転写ニップを通過した後は、転写材搬送ベルトの駆動力で転写材を吸引しながら移動する。これにより、転写材の移動がよりスムーズになり、転写材の姿勢を更に安定させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明にかかる画像形成装置の実施の形態の一例の一部を模式的にかつ部分的に示す図である。
【図2】(a)は転写材の先端部の転写材解放位置を示す図、(b)は転写材の先端部が吸引ガイド部の転写材搬送ころにガイドされる状態を示す図である。
【図3】(a)は転写材の先端部の把持直前の状態を示す図、(b)は転写材の先端部の把持状態を示す図、(c)は転写材の先端部の把持解除後の突き出し状態を示す図である。
【図4】(a)は吸引ガイド部の転写材搬送ころを示す図、(b)は(a)におけるIVB方向から見た吸引ガイド部を示す図である。
【図5】転写材搬送ころによる転写材の背面のガイドを説明する図である。
【図6】(a)は転写材搬送部の転写材搬送ころによる転写材のガイドを説明する図、(b)は転写材搬送部の転写材搬送ベルトによる転写材の搬送を説明する図である。
【図7】図6(a)におけるVII方向から見た転写材搬送部の一部を示す図である。
【図8】転写材の移動経路の変化を説明する図である。
【図9】像担持体と転写材が離間する位置、転写材解放位置、および転写材搬送部が転写材を吸引開始する位置を示す図である。
【図10】転写材搬送ころの制御のブロック図である。
【図11】転写材搬送ころの制御のタイミングチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を用いて本発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本発明にかかる画像形成装置の実施の形態の一例の一部を模式的にかつ部分的に示す図である。
【0018】
この例の画像形成装置1はトナーとキャリアー液とを含む液体現像剤を用いて画像形成を行う。図1に示すように、この画像形成装置1は、水平またはほぼ水平にタンデムに配置されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)の像担持体である感光体2Y,2M,2C,2Kを備えている。ここで、各感光体2Y,2M,2C,2Kにおいて、2Yはイエローの感光体、2Mはマゼンタの感光体、2Cはシアンの感光体、2Kはブラックの感光体を表す。また、他の部材についても同じように、部材の符号にそれぞれ各色のY,M,C,Kを添えて各色の部材を表す。
【0019】
また、各感光体2Y,2M,2C,2Kの周囲には、それぞれ、帯電部3Y,3M,3C,3Kが配設されている。更に、各帯電部3Y,3M,3C,3Kから、それぞれ、各感光体2
Y,2M,2C,2Kの回転方向に向かって、順に、露光部4Y,4M,4C,4K、現像部5Y,5M,5C,5K、一次転写部6Y,6M,6C,6K、および感光体クリーニング部7Y,7M,7C,7Kが配設されている。なお、各感光体2Y,2M,2C,2Kは一次転写後に、図示しない除電部によって除電される。これらの各感光体2Y,2M,2C,2K、各帯
電部3Y,3M,3C,3K、各露光部4Y,4M,4C,4K、各現像部5Y,5M,5C,5
K、各一次転写部6Y,6M,6C,6K、各感光体クリーニング部7Y,7M,7C,7K、および各除電部により、この例の画像形成装置1の画像形成ユニットが構成される。
【0020】
また、画像形成装置1は、本発明の像担持体である無端状の中間転写ベルト8を備えている。この中間転写ベルト8は、各感光体2Y,2M,2C,2Kの鉛直方向の上方に配設
されている。そして、中間転写ベルト8は各一次転写部6Y,6M,6C,6Kで各感光体
2Y,2M,2C,2Kに圧接されている。
【0021】
図示しないが、中間転写ベルト8は、例えば樹脂等の可撓性の基材と、この基材の表面に形成されたゴム等の弾性層と、この弾性層の表面に形成された表層とを有する3層構造の比較的柔らかい弾性ベルトに形成されている。もちろん、これに限定されることはない。中間転写ベルト8は図示しないモーターの駆動力が伝達される中間転写ベルト駆動ローラー9、第1の巻掛けローラー10,第2の巻掛けローラー11、および中間転写ベルトテンションローラー12に巻き掛けられている。そして、中間転写ベルト8はテンションを付与された状態で、矢印方向に回転するようにされている。なお、各色Y、M、C、Kに対応する感光体等の部材の配置順は、図1に示す例に限定されることはなく、任意に設定することができる。
【0022】
中間転写ベルト8の中間転写ベルト駆動ローラー9側には二次転写部13が設けられている。二次転写部13は、二次転写ローラー14および二次転写ローラークリーニング部15を備えている。二次転写ローラー14は回転軸14aを中心に矢印で示す方向に回転する。この二次転写ローラー14は、中間転写ベルト駆動ローラー9に巻き掛けられる中間転写ベルト8に圧接される。このとき、図2に示すように、この二次転写ローラー14
は、二次転写ローラー14の回転中心14dを通る仮想鉛直線αより図2において左側で、かつ回転中心14dを通る仮想水平線βより図2において鉛直方向下側で中間転写ベルト8に圧接される。また、中間転写ベルト駆動ローラー9は二次転写ローラー14の押圧に対するバックアップローラーとして機能する。更に、二次転写ローラー14は中間転写ベルト8に圧接されることで、中間転写ベルト8(つまり、中間転写ベルト駆動ローラー9)とともに連れ回りする。
【0023】
更に、二次転写ローラー14は、基材14bの円弧部の外周面に巻かれたシート状の弾性部材14cを有している。この弾性部材14cにより二次転写ローラー14の円弧部の外周面に抵抗層が形成されている。そして、図1に示すように中間転写ベルト8と二次転写ローラー14の弾性部材14cとの間に二次転写ニップ13aが形成される。図2に示すように、この二次転写ニップ13aは、仮想鉛直線αより前述の画像形成ユニット側(図2において左側)に配置されるとともに、仮想水平線βより画像形成ユニット側(図2において鉛直方向下側)に配置される。
【0024】
図1、図2(a)および(b)、図3(a)ないし(c)に示すように、二次転写ローラー14は、その周面に凹部16を有している。この凹部16内には、転写材把持部材としてのグリッパー17、グリッパー17が着座する転写材把持部材受け部材であるグリッパー支持部18、および転写材剥離部材としての突き出し爪19が配設されている。
【0025】
図4(b)に示すように、グリッパー17は、所定数(図示例では、6個)、二次転写ローラー14の軸方向に所定の間隔で配設される。各グリッパー17は、図3(a)に示す転写材把持解除位置と図3(b)に示す転写材把持位置との間で同期して回動(移動)する。その場合、各グリッパー17は、転写材把持解除位置ではそれらの一部が二次転写ローラー14の弾性部材14cの外周面14c1と同径の仮想円δの円周より外方に、つ
まり凹部16の外方に突出されるとともに転写材把持位置ではその全体が仮想円δの円周より内方、つまり凹部16内に収容される。したがって、各グリッパー17による転写材20の把持部は凹部16内に位置する。また、突き出し爪19は、図3(a)に示す退避位置と図3(c)に示す突き出し位置との間でほぼ直線状に移動するように設けられる。その場合、突き出し爪19は、退避位置ではその全体が凹部16内に収容されるとともに突き出し位置ではその一部が凹部16から突出される。図示しないが、これらのグリッパー17および突き出し爪19の各作動は、それぞれ、画像形成装置1の装置本体等に固定された各カムによって制御される。
【0026】
その場合、グリッパー17が転写材20の先端部20aを把持開始する転写材把持開始位置は、凹部16が二次転写ニップ13aの位置に到達する前の所定位置に設けられている。したがって、凹部16がこの転写材把持開始位置より少し手前の図3(a)に示す位置に到達すると、ゲートローラー21から転写材供給ガイド22を介して給送されてくる転写材20の先端部20aが図3(a)に示すように凹部16に対向する位置に到達する。そして、カムによりグリッパー17が回動開始する。凹部16が前述の所定位置に到達したとき、図3(b)に示すようにグリッパー17は転写材把持開始位置となり、グリッパー支持部18との間に転写材20の先端部20aを把持する。そして、転写材20は二次転写ローラー14の回転とともに弾性部材14cの外周面に巻き付くようにして二次転写ニップ13aの方へ移動する。
【0027】
二次転写ローラー14は、中間転写ベルト8に転写されたトナー像を、転写紙等の転写材20に転写させる転写バイアスが印加される。そして、二次転写ローラー14は、図1に示すように中間転写ベルト8の矢印方向の回転時に矢印方向に回転するとともに転写バイアスが印加されることにより、中間転写ベルト8に担持されているトナー像が二次転写ニップ13aで、グリッパー17により把持された転写材20に転写される。
【0028】
二次転写ローラークリーニング部15は、そのクリーニング部材により二次転写ローラー14の弾性部材14cに付着する液体現像剤を除去するとともに、除去した液体現像剤を液体現像剤回収容器に回収して貯留する。
【0029】
図1に示すように、画像形成装置1は、更に中間転写ベルト8の鉛直方向の上方位置に第1の気流発生装置23、第2の気流発生装置24、転写材搬送部25、第3の気流発生装置26、および定着部27を備えている。
二次転写ニップ13aを通過した転写材20は、グリッパー17による把持から解放される。図2(a)に示すように、このグリッパー17が転写材20を解放する凹部16の位置(より具体的には、二次転写ローラー14の外周方向のグリッパー支持部18の中心と二次転写ローラー14の回転中心14dとを結ぶ仮想直線γと、二次転写ローラー14の外周の径と同径の仮想円δとのほぼ交点位置)である転写材解放位置εは、転写材移動方向の二次転写ニップ13aの二次転写ニップ終端位置ζより転写材20の移動方向(画像形成ユニット側;図2(a)において左側)に位置する(つまり、仮想鉛直線αより左側に位置する)とともに、仮想鉛直線βより画像形成ユニット側(図2(a)において下側)に位置する。したがって、転写材解放位置εと二次転写ニップ13aの二次転写ニップ終端位置ζは、ともに仮想鉛直線αと仮想水平線βとが成す第3象限内に位置する。二次転写ニップ終端位置ζは、中間転写ベルト8と転写材20とが離間する位置である。
【0030】
グリッパー17による転写材20の把持部がこの転写材解放位置εより少し手前の位置に到達すると、カムによりグリッパー17が回動開始する。グリッパー17による転写材20の把持部が転写材解放位置εに到達したとき、図2(a)に示すようにグリッパー17は転写材把持解除位置となり、転写材20の先端部20aの把持を解除する。これにより、転写材20が解放される。このとき、図3(c)に示すように転写材20の先端部20aには、転写画像面側に略V字状に湾曲した凹部16による把持跡が形成される。
【0031】
このグリッパー17による転写材20の解放とほぼ同時に、カムにより突き出し爪19が移動開始する。そして、図3(c)に示すように突き出し爪19が二次転写ローラー14の凹部16から突出して転写材20の背面(転写画像面の反対側の面)を突き出しながら突き出し位置となる。これにより、転写材20は二次転写ローラー14から剥離され、図2(b)に示すように第2の気流発生装置24の方へ移動する。グリッパー17はカムによって、転写材20の解放後に所定位置になると凹部16内に収容されるとともに、転写材把持開始位置より手前の所定位置になると、転写材把持解除位置にされる。また、突き出し爪19はカムによって、転写材20の突き出し後に所定位置になると凹部16内に収容される。すなわち、グリッパー17および突き出し爪19は第2の気流発生装置24の干渉(接触)しないようにされている。
【0032】
図1に示すように、第1の気流発生装置23は、ダクト状の送気部材23aとファン(例えば、シロッコファン)等の気流発生部23bとを有する。気流発生部23bの駆動で、送気部材23aに気流が発生し、送気部材23aの送気口23cからエアーが二次転写ニップ13aの方に向かって吐出される。
【0033】
図1および図4(a)に示すように、第2の気流発生装置24は本発明の吸引ガイド部であるとともに、ダクト状の吸引部材24aとファン(例えばシロッコファン)等の気流発生部24bとを有する。吸引部材24aは、転写材20をガイドするガイド面24a1
を有する。このガイド面24a1は図1および図4(a)において右下から斜め左上に向
かう傾斜面とされている。
【0034】
図4(b)に示すように、ガイド面24a1には、転写材20の移動方向に延びる所定
数(図示例では、11個)の吸引孔24a2が設けられる。これらの吸引孔24a2は、転写材20の移動方向と直交またはほぼ直交する方向に配列されている。その場合、すべての吸引孔24a2は、転写材20の移動方向と直交またはほぼ直交する方向にすべてのグ
リッパー17に対応するガイド面24a1の位置の間に配設されている。したがって、す
べての吸引孔24a2は、転写材20の移動方向で各グリッパー17と重ならない。
【0035】
更に図2(a),(b)および図4(a),(b)に示すように、ガイド面24a1には
、転写材20が当接する当接部材およびローラー部材である複数の転写材搬送ころ24a3が設けられている。各転写材搬送ころ24a3の材質は樹脂あるいは金属により形成される。特に、転写材搬送ころ24a3は、例えばPOM等の樹脂で形成されると軽量で回転
し易いとともに表面を滑らかにできるので好ましい。
【0036】
図4(b)に示すように、転写材搬送ころ24a3は、転写材20の移動方向と直交ま
たはほぼ直交する方向に2列配列されているとともに、1列につき複数(図示例では、5個)分割して配設されている。また、2列目の各転写材搬送ころ24a3は、それぞれ1
列目の各転写材搬送ころ24a3に対応して転写材20の移動方向と直交またはほぼ直交
する方向に整列されている。その場合、すべての転写材搬送ころ24a3は、転写材20
の移動方向と直交またはほぼ直交する方向における吸引孔24a2の間に配設されている
。更に、すべての転写材搬送ころ24a3は、転写材20の移動方向と直交またはほぼ直
交する方向における各グリッパー17に対応するガイド面24a1の位置の間に配設され
ている。したがって、すべての転写材搬送ころ24a3は、転写材20の移動方向で各グ
リッパー17と重ならない。なお、各転写材搬送ころ24a3のいずれかは、転写材20
の移動方向で各グリッパー17のいずれかと重なるように配設することもできる。
【0037】
更に、すべての転写材搬送ころ24a3は、転写材20の移動方向に直交またはほぼ直
交する方向(二次転写ローラー14の軸方向)の両端に配置される2つのグリッパー17の間に配置される。すなわち、グリッパー17の把持による転写材20の先端部20aの把持跡のうち、転写材20の移動方向に直交またはほぼ直交する方向(二次転写ローラー14の軸方向)の両端に形成される把持跡間の距離(幅)が、転写材20の移動方向に直交またはほぼ直交する方向(二次転写ローラー14の軸方向)の両端に配置される各列の2個の転写材搬送ころ24a3間の距離(幅)より長い。そして、これらのすべての転写
材搬送ころ24a3は、転写材20の移動方向に直交またはほぼ直交する方向の軸回りに
回転するようにされている。また、これらのすべての転写材搬送ころ24a3の各一部は
、ガイド面24a1より転写材20の移動経路側に突出している。
【0038】
気流発生部24bの駆動で、吸引部材24aが各吸引孔を通して重力と反対の矢印で示す方向にエアーを吸引して気流を発生する。そして、図2(b)に示すように二次転写ローラー14から剥離された転写材20はほぼ転写材解放位置εで湾曲して、その背面を第2の気流発生装置24が発生する気流により鉛直方向の斜め上方(ガイド面24a1とほ
ぼ直交する方向で鉛直方向の上方)に吸引されながら、吸引部材24aのガイド面24a1に沿ってガイドされる。その場合、転写材20の背面は各転写材搬送ころ24a3に接触するとともに、これらの転写材搬送ころ24a3が転写材20の移動とともに回転するこ
とにより、転写材20はスムーズに移動する。また、前述のように転写材20の先端部20aに、転写画像面側に湾曲した凹部16による把持跡が形成されているが、この先端部20aの把持跡は、各吸引孔24a2に重ならない。したがって、転写材20は安定した
姿勢で吸引ガイドされる。
【0039】
しかも、前述のように各転写材搬送ころ24a3のいずれかが転写材20の移動方向で
各グリッパー17のいずれかと重なるように配設された場合には、図5に示すように転写材20の先端部20aが転写材搬送ころ24a3に当接したとき、各転写材搬送ころ24
3によってガイド面24a1から遠ざかる方向に誘導される。したがって、転写材20の先端部20aは転写材搬送ころ24a3に巻き込まれて、転写材移動方向に隣接する転写
材搬送ころ24a3の間に侵入することが防止され、転写材20はガイド面24a1に沿ってより一層スムーズに移動する。なお、転写材20は中間転写ベルト8と二次転写ローラー14の回転力で転写材搬送部25の方へ移動する。
【0040】
図1、図2(a),(b)、および図6(a),(b)に示すように、転写材搬送部25は転写材搬送面である転写材搬送ベルト25a、ダクト状の吸引部材25b、およびファン(例えばシロッコファン)等の気流発生部25cを有する。図7に示すように、転写材搬送ベルト25aは転写材20の移動方向に所定間隔で配設されるとともに、3つの巻架ローラー25dに巻き掛けられた所定数(図示例では4本)の無端ベルト25a1を有す
る。その場合、3つの巻架ローラー25dのうち、1つは、転写材搬送ベルト25aを回転する転写材搬送ベルト駆動ローラーである。これらの無端ベルト25a1は、それぞれ
、多数の吸引孔25a2を有する。その場合、図7には示されないが前述の吸引孔24a2の場合と同様に、すべての吸引孔25a2は、転写材20の移動方向と直交またはほぼ直
交する方向にすべてのグリッパー17に対応する転写材搬送ベルト25a上の位置の間に配設されている。したがって、すべての吸引孔25a2は、転写材20の移動方向ですべ
てのグリッパー17と重ならない。
【0041】
そして、転写材搬送ベルト25aは、図1、図2(a),(b)、および図6(a),(b)に矢印で示す方向(時計回り)に回転する。転写材搬送ベルト25aの転写材搬送ベルト部分の転写材搬送方向は、図1および図2において右下から斜め左上の方向に傾斜している。その場合、転写材搬送ベルト25aの転写材搬送方向の水平に対する傾斜角度は、第2の気流発生装置24のガイド面24a1のガイド方向の水平に対する傾斜角度は同
じであるか、またはほぼ同じである。なお、図1には転写材搬送ベルト25aは3つの巻架ローラー25dに巻き掛けられるように示されているが、2つまたは4つ以上の巻架ローラー25dに巻き掛けられるようにすることもできる。
【0042】
吸引部材25bは、転写材20の搬送経路の近傍に位置するとともに転写材搬送ベルト25aと対向する対向ガイド面25b1に多数の吸引孔25b2を有する。その場合、図7には示されないが前述の吸引孔24a2の場合と同様に、すべての吸引孔25b2は、転写材20の移動方向と直交またはほぼ直交する方向にすべてのグリッパー17に対応する対向ガイド面25b1上の位置の間に配設されている。したがって、すべての吸引孔25b2も、転写材20の移動方向ですべてのグリッパー17と重ならない。
【0043】
また、図6(a)および(b)に示すように、吸引部材25bは、転写材20が当接する当接部材およびローラー部材である多数の転写材搬送ころ25eを有している。これらの転写材搬送ころ25eは転写材20の移動方向と直交またはほぼ直交する方向の軸まわりに回転する。図7に示すように、転写材搬送ころ25eは、転写材20の移動方向と直交またはほぼ直交する方向の1列につき複数(図示例では5個)分割して配設されている。その場合、各転写材搬送ころ25eは、それぞれ、各無端ベルト25a1の間および両
端に位置する無端ベルト25a1の外側に配設される。つまり、各無端ベルト25a1は各転写材搬送ころ25eの間に配設される。この転写材搬送ころ25eの列は、転写材20の移動方向に所定数列(図示例では14列)配設される。更に、すべての転写材搬送ころ25eは、転写材20の移動方向と直交またはほぼ直交する方向(二次転写ローラー14の軸方向)の両端に配置される2個のグリッパー17に対応する転写材搬送部25の位置の間に配設されている。すなわち、グリッパー17の把持による転写材20の先端部20aの把持跡のうち、転写材20の移動方向に直交またはほぼ直交する方向(二次転写ローラー14の軸方向)の両端に形成される把持跡間の距離(幅)が、転写材20の移動方向に直交またはほぼ直交する方向(二次転写ローラー14の軸方向)の両端に配置される各
列の2個の転写材搬送ころ24a3間の距離(幅)より長い。したがって、すべての転写
材搬送ころ25eは、転写材20の移動方向ですべてのグリッパー17と重ならない。
【0044】
更に、各転写材搬送ころ25eは、図6(a)に示す作動位置と図6(b)に示す退避位置との間で移動可能とされている。そして、図6(a)に示す作動位置では、各転写材搬送ころ25eは転写材搬送ベルト25aより転写材移動経路側に突出する。これにより、各転写材搬送ころ25eは転写材20の背面をガイドしながら転写材20を搬送する。また、図6(b)に示す退避位置では、各転写材搬送ころ25eは転写材搬送ベルト25aより吸引部材25b側に位置して転写材搬送ベルト25aより転写材移動経路側に突出しない。
【0045】
なお、無端ベルト25a1は4本に限定されることはなく、任意の本数設けることがで
きるとともに、各転写材搬送ころ25eも1列につき無端ベルト25a1の配設本数に応
じた個数だけ同様に設けることができる。更に、各転写材搬送ころ25eの転写材移動方向の列も任意の列数だけ設けることができる。
【0046】
気流発生部25cの駆動で、吸引部材25bが各吸引孔を通して重力と反対の矢印で示す方向にエアーを吸引して気流を発生する。そして、図6(a)に示すように第2の気流発生装置24により吸引ガイドされてきた転写材20は、その背面を転写材搬送部25の気流発生装置25cが発生する気流により鉛直方向の斜め上方(対向ガイド面25b1
ほぼ直交する方向で鉛直方向の上方)に転写材搬送ベルト25aの吸引孔25a2および
吸引部材25bの吸引孔25b2を通して吸引される。
【0047】
転写材20の先端が転写材搬送部25に到達した時点では、各転写材搬送ころ25eはすでに図6(a)に示す作動位置にある。したがって、転写材20の背面は各転写材搬送ころ25eに接触するとともに、これらの転写材搬送ころ25eが転写材20の移動とともに回転することにより、転写材20はその背面を吸引されながらスムーズに移動する。
【0048】
前述のように各転写材搬送ころ25eのいずれかが転写材20の移動方向で各グリッパー17のいずれかと重なるように配設された場合には、図5に示すように転写材20の先端部20aが転写材搬送ころ25eに当接したとき、各転写材搬送ころ25eによってガイド面25b1から遠ざかる方向に誘導される。したがって、転写材20の先端部20a
は転写材搬送ころ25eに巻き込まれて、転写材移動方向に隣接する転写材搬送ころ25eの間に侵入することが防止され、転写材20は各転写材搬送ころ25eにガイドされてより一層スムーズに移動する。このとき、転写材20は転写材搬送ベルト25aに当接しなく、中間転写ベルト8と二次転写ローラー14の回転力で第3の気流発生装置26の方へ移動する。
【0049】
そして、図6(b)に示すように転写材20の先端が、最も第3の気流発生装置26(つまり、定着部17)側に位置する列の転写材搬送ころ25eに到達した時点では、各転写材搬送ころ25eは退避位置にされる。したがって、転写材20は転写材搬送ベルト25aに吸引される。また、この時点では、転写材20の後端は二次転写ニップ13aを通過している。したがって、転写材20は転写材搬送ベルト25aにより吸引されながら第3の気流発生装置26の方へ搬送される。その場合、転写材20の先端部20aの把持跡は、各吸引孔25a2,25b2に重ならない。したがって、転写材20は安定した姿勢で
吸引搬送される。
【0050】
各転写材搬送ころ25eが作動位置から退避位置にされる時点は、転写材20のサイズに応じて設定される。すなわち、各転写材搬送ころ25eが作動位置から退避位置にされる時点は、転写材20の後端が二次転写ニップ13aを通過した時点である。その場合、
この例の画像形成装置1で使用される最大サイズ(転写材移動方向でのサイズ)の転写材20の先端が、図6(b)に示すように最も第3の気流発生装置26側に位置する列の転写材搬送ころ25eに到達した時点で各転写材搬送ころ25eが作動位置から退避位置にされることが好ましい。なお、この例の画像形成装置1で使用される転写材20のうち、最小サイズ(転写材移動方向でのサイズ)の転写材20であっても、転写材20の後端が二次転写ニップ13a1を通過する前に、転写材20の先端が転写材搬送部25の転写材
搬送部始点位置ηに到達するようにされている。この転写材搬送部始点位置ηは転写材搬送部25による転写材20の吸引開始位置である。
【0051】
ところで図8に示すように、第2の気流発生装置24により吸引ガイドされてきた転写材20が転写材搬送部25の転写材搬送ベルト25aに吸引開始される位置が、転写材搬送部始点位置ηとなる。この転写材搬送部始点位置ηは、転写材搬送部25が転写材20を吸引開始する位置である。そして、二次転写ローラー14の転写材解放位置εと二次転写ニップ13aの二次転写ニップ終端位置ζと転写材搬送部始点位置ηとが、転写材移送方向と直交またはほぼ直交する方向(二次転写ローラー14の軸方向と平行またはほぼ平行の方向)から見て仮想略三角形を形成するように配置される。
【0052】
その場合、仮想略三角形の各辺の長さを次のように定義する。いま、図9に示すように中間転写ベルト8と転写材20とが離間する二次転写ニップ終端位置ζとグリッパー17が転写材20を解放する転写材解放位置εとを結ぶ距離(つまり、二次転写ニップ終端位置ζと転写材解放位置εとの間の仮想略三角形の辺の長さにほぼ相当)をL1とする。また、グリッパー17が転写材20を解放する転写材解放位置εと転写材搬送部25が転写材20を吸引する転写材搬送部始点位置ηとを結ぶ距離(つまり、転写材解放位置εと転写材搬送部始点位置ηとの間の仮想略三角形の辺の長さにほぼ相当)をL2とする。更に、中間転写ベルト8と転写材20とが離間する二次転写ニップ終端位置ζと転写材搬送部25が転写材20を吸引開始する位置ηとを結ぶ距離(つまり、二次転写ニップ終端位置ζと転写材搬送部始点位置ηとの間の仮想略三角形の辺の長さにほぼ相当)をLとする。そして、距離Lは、他の2つの距離L1,L2に対して、
L<L1+L2
の関係を有する。
【0053】
また、この仮想略三角形は、二次転写ニップ終端位置ζおよび転写材解放位置ε間の辺と、転写材解放位置εおよび転写材搬送部始点位置η間の辺との成す角度が鈍角の略三角形に形成することが、転写材20をスムーズに搬送するうえで好ましい。転写材20は点線で示す仮想略三角形の二辺の移動経路に沿って二次転写ニップ終端位置ζからほぼ転写材解放位置εを通って転写材搬送部始点位置ηに向かって図8において右下から左上に移動する。
【0054】
そして、この例の画像形成装置1のように転写材搬送部25に転写材搬送ころ25eが設けられない場合、転写材20が転写材搬送ベルト25aにより搬送される、この場合には、転写材20の搬送が開始されると、転写材搬送ベルト25aにより搬送される転写材20の移動速度と二次転写ローラー14により搬送される転写材20の移動速度とに速度差があるため、前述のように二次転写ニップ13aを通過した転写材20の部分はその自重により、転写材搬送部始点位置ηと二次転写ニップ13aの二次転写ニップ終端位置ζとをそれぞれ支点に鉛直方向の下方に撓む。すると、転写材20は図8に実線で示す転写材搬送部始点位置ηと二次転写ニップ13aの二次転写ニップ終端位置ζとを結ぶ略直線状の移動経路にほぼ沿って移動しようとする。このため、転写材20の移動経路が短く変化して、転写材20の位置が変動してしまい、前述の課題が生じる。
【0055】
そこで、この例の画像形成装置1では、転写材搬送部25の転写材搬送ころ25eによ
り、転写材搬送部25に到達した転写材部分がスムーズに移動することにより、前述の速度差が抑制される。これにより、二次転写ニップ13aを通過した転写材20の部分が鉛直方向の下方に大きく撓むことを抑制され、転写材20の位置変動が防止される。
【0056】
図10は、転写材搬送部のころの作動制御のブロック図であり、図11はころの作動制御のタイミングチャートを示す図である。
図10に示すように、画像形成装置1の制御部28には、転写材種類情報出力部29、転写材位置情報出力部30、および転写材搬送ころ作動制御部31が接続される。
【0057】
転写材種類情報出力部29は、使用される転写材20のサイズ(例えば、A4縦、A4横、B5,B4等)の情報を制御部28に出力する。この転写材種類情報出力部29は、
画像形成装置1の画像形成操作パネルに操作キー等の転写材種類設定部として配設される。
【0058】
また、転写材位置情報出力部30は、転写材解放位置εに対応する二次転写ローラー14の回転位置を検出する機械的あるいは光学的な回転位置検出器として配設される。なお、これに限定されることはなく、グリッパー17の作動(位置変化)を検知する検出器、あるいは転写材20の先端に二次転写ニップ13aの位置からの転写材解放位置εまでの時間を計測するタイマーを用いることもできる。
【0059】
更に、転写材搬送ころ作動制御部31は、例えば公知のモーターおよび公知のリンク機構等の移動部材で構成され、転写材搬送ころ25eの作動位置および退避位置への移動を制御する。そして、制御部28は、転写材種類情報出力部29からの転写材20のサイズと転写材位置情報出力部30からの二次転写ニップ13aの通過後の転写材20の先端の位置に基づいて転写材搬送ころ作動制御部31を制御する。以下、転写材搬送ころ作動制御部31の制御の一例を、転写材20として転写紙を用いた場合について説明する。その場合、この例の画像形成装置1で使用される最大の転写紙をA3縦搬送とする。
【0060】
まず、前述の仮想略三角形の辺の長さは、二次転写ニップ終端位置ζおよび転写材解放位置ε間の辺の長さが85mmであるとともに転写材解放位置εおよび転写材搬送部始点位置η間の辺の長さが76mmであり、更に、二次転写ニップ終端位置ζおよび転写材搬送部始点位置η間の長さが150mmであるとする。したがって、仮想略三角形の二辺の和は161mmあるとともに他の一辺の長さが150mmであり、この場合は、二辺の長さの和と他の一辺の長さとの差が11mmである。また、第2の気流発生装置24のガイド面24a1の転写材ガイド方向および転写材搬送ベルト25aの転写材搬送方向の水平
に対する各傾斜角度(鋭角)は、ともに同じ約25°である。
【0061】
図11に示すように、画像形成装置1の画像形成操作が行われないときは、転写材搬送ころ作動制御部31は各転写材搬送ころ25eを実線で示す作動位置または点線で示す退避位置の初期位置に設定する。2枚の転写紙への連続画像形成の操作が行われると、制御部28は転写材位置情報出力部30からの出力情報に基づいて、1枚目の転写紙が二次転写ニップ位置にあるか否かを判断する。制御部28は1枚目の転写紙が二次転写ニップ位置にあると判断すると、転写材搬送ころ作動制御部31を制御する。すると、転写材搬送ころ作動制御部31は各転写材搬送ころ25eを作動位置に設定する。1枚目の転写紙が二次転写ニップ位置にあることで、二次転写ニップ13aで中間転写ベルト8に担持されたトナー像が1枚目の転写紙に転写される。
【0062】
二次転写ニップ13aを通過した転写材20の先端が転写材搬送部25の転写材搬送ころ25eに到達すると、図6(a)に示すように転写材20は各転写材搬送ころ25eの回転によりスムーズにガイドされて移動する。すなわち、転写材20の先端20aが転写
材搬送部始点位置ηに到達した後も、転写材20が二次転写ローラー14の駆動力で移動する間は、転写材搬送部25の転写材搬送ころ25eで転写材20の背面をガイドすることにより、転写材20と転写材搬送部25との間の摩擦が低減される。そして、図6(b)に示す最も第3の気流発生装置26側の列の転写材搬送ころ25eに到達すると、転写材20の後端が二次転写ニップ13aの終端位置ζとなる。すると、制御部28は転写材種類情報出力部29および転写材位置情報出力部30からの各出力情報に基づいて、1枚目の転写紙の後端が二次転写ニップ13aの終端位置ζにあると判断し、転写材搬送ころ作動制御部31を制御する。すると、転写材搬送ころ作動制御部31は各転写材搬送ころ25eを退避位置に設定する。すなわち、1枚目の転写紙が二次転写ニップ位置以外の位置となると、各転写材搬送ころ25eは退避位置に設定される。これにより、1枚目の転写紙は、図6(b)に示すように転写材搬送ベルト25aに吸引されながら搬送される。
【0063】
続いて、制御部28は転写材位置情報出力部30からの出力情報に基づいて、2枚目の転写紙が二次転写ニップ位置にあるか否かを判断する。制御部28は2枚目の転写紙が二次転写ニップ位置にあると判断すると、二次転写ニップ13aで中間転写ベルト8に担持された次のトナー像が2枚目の転写紙へ転写される。しかし、制御部28は2枚目の転写紙が二次転写ニップ位置にあると判断しても、すぐには転写材搬送ころ作動制御部31を制御しない。したがって、各転写材搬送ころ25eは退避位置に保持される。制御部28は転写材種類情報出力部29および転写材位置情報出力部30からの各出力情報に基づいて、転写材搬送ベルト25aによる1枚目の転写紙の搬送が終了したと判断すると、転写材搬送ころ作動制御部31を制御する。すると、転写材搬送ころ作動制御部31は各転写材搬送ころ25eを作動位置に設定する。その後、制御部28は1枚目の転写紙への画像形成動作の場合と同様にして転写材搬送ころ作動制御部31を制御するとともに、転写材搬送ころ作動制御部31は各転写材搬送ころ25eの位置を制御する。そして、制御部28は転写材種類情報出力部29および転写材位置情報出力部30からの各出力情報に基づいて、転写材搬送ベルト25aによる2枚目の転写紙の搬送が終了したと判断すると、転写材搬送ころ作動制御部31を制御する。すると、転写材搬送ころ作動制御部31は各転写材搬送ころ25eを、前述の初期位置に設定する。こうして、2枚の転写紙への連続画像形成動作が行われる。なお、1枚の転写材20への画像形成あるいは3枚以上の転写材20への連続画像形成の場合にもう同様である。
【0064】
第3の気流発生装置26は、ダクト状の吸引部材26aとファン等の気流発生部26bとを有する。吸引部材26aは、図示しない所定数の吸引孔を有するガイド面26a1
有する。ガイド面26a1の吸引孔は、前述の第2の気流発生装置24の吸引孔と同様に
または略同様に配設される。
【0065】
気流発生部26bの駆動で、吸引部材26aがガイド面26a1の各吸引孔を通して矢
印で示す方向にエアーを吸引し気流を発生する。そして、転写材搬送ベルト25aから搬送された転写材20が、その背面を吸引部材26aにより鉛直方向の斜め上方に吸引されながら、ガイド面26a1に沿って定着部27の方へガイドされる。
【0066】
定着部27は、加熱ローラー27aとこの加熱ローラー27aに圧接される加圧ローラー27bとを含む定着ローラーを有している。そして、転写材20のトナー像がこれらの加熱ローラー27aおよび加圧ローラー27bにより加熱加圧されて定着される。その後、転写材は図示しない排出トレイに排出される。
この例の画像形成装置1の他の構成および他の画像形成動作は、液体現像剤を用いた従来の同種の画像形成装置と同様であるので、その説明は省略する。
【0067】
この例の画像形成装置1および画像形成方法によれば、グリッパー17で転写材20の先端部20aが把持されて、二次転写ニップ13aで中間転写ベルト8のトナー像が転写
材20に転写されるとともに、二次転写後にグリッパー17による転写材20の把持が転写材解放位置εで解除されて転写材20が解放される。次いで、二次転写ニップ13aの終端位置ζ、転写材解放位置ε、および転写材搬送部始点位置ηが仮想略三角形に配置されるため、転写材20は二次転写ニップ13aで与えられる二次転写ローラーの駆動力でその腰を利用して第2の気流発生装置24に移動する。更に、転写材20が第2の気流発生装置24の吸引部材24aにその背面を鉛直方向の上方に吸引されながら各転写材搬送ころ24a3にガイドされて移動する。そして、転写材20の先端が転写材搬送部始点位
置ηに到達する。その場合、二次転写ニップ13aの終端位置ζと転写材解放位置εとを結ぶ距離L1とし、転写材解放位置εと転写材搬送部始点位置ηとを結ぶ距離L2とすると、二次転写ニップ13aの終端位置ζと転写材搬送部始点位置ηとを結ぶ距離Lは、L<L1+L2とされる。また、このとき、転写材20はまだ二次転写ローラーの駆動力で移動するとともに、転写材搬送ころ25eが作動位置となっている。したがって、転写材20はその背面側を鉛直方向の上方に吸引されながら転写材搬送ころ25eにガイドされて移動する。このように、転写材20の先端部20aが転写材搬送部始点位置ηに到達した後も、転写材20が二次転写ローラー14の駆動力で移動する間は、転写材搬送部25の転写材搬送ころ25eで転写材20の背面をガイドすることにより、転写材20と転写材搬送部25との間の摩擦を低減することが可能となる。これにより、転写材20の姿勢が変化して不安定になることを抑制することが可能となる。特に、転写材20と転写材搬送部25との間の摩擦が低減することで、前述の略三角形の二辺と他の一辺とが接近して、略三角形の形状をより扁平な三角形状にすることが可能となる。その結果、転写材20の姿勢の変化を更に抑制することが可能となる。したがって、転写材20の移動経路の鉛直方向の下方に配設される中間転写ベルト8および第1の気流発生装置23に接触することを防止することができるとともに、二次転写ニップ13aのニップ幅の変化を抑制することができる。その結果、画像ずれの発生を抑制することができる。このようにして、転写材20を把持した状態で転写を行う場合、二次転写ニップ13aの終端位置ζ、転写材解放位置ε、および転写材搬送部始点位置ηが仮想略三角形に配置されても、良好な画像を得ることができる画像形成装置1および画像形成方法を実現することが可能となる。
【0068】
特に、グリッパー17による転写材20の把持部(グリッパー支持部18のグリッパー受け部)が二次転写ローラー14の凹部16内に位置することで、二次転写ニップ13aを安定して形成することができる。その場合、転写材20の把持部が二次転写ローラー14の凹部16内に位置することで、転写画像面側に湾曲した把持跡が転写材20の先端部0aに形成される。そして、転写材20の背面が転写材搬送ころ25eによりガイドされるので、転写材20の先端部20aにこのような把持跡が形成されることにより、転写材20が隣接する転写材搬送ころ25e間に巻き込まれて侵入することを防止することが可能となる。その結果、各転写材搬送ころ25eで転写材20をガイドしても、転写材20をスムーズに移動させることができる。
【0069】
また、二次転写ローラー14のグリッパー17の位置と転写材搬送ベルト25aおよび吸引部材25bの各吸引孔25a2,25b2の位置とが、転写材20の移動方向と直交ま
たは略直交する方向に異なる。これにより、すべてのグリッパー17とすべての吸引孔25a2,25b2は転写材移動方向で重ならない。したがって、前述のように転写材20の
先端部20aに把持跡が形成されても、転写材搬送ベルト25aの吸引孔25a2による
転写材20の吸引をより効果的に行うことが可能となるとともに、転写材20を安定した姿勢で吸引搬送することが可能となる。
【0070】
更に、転写材搬送ころ25eが転写材移動方向と直交または略直交する方向に分割して配設されることにより、転写材搬送ころ25eを小型軽量にできるとともに容易に回転させることができる。したがって、転写材搬送ころ25eによる転写材20のガイドをより一層均等に行うことができ、転写材20の姿勢を更に安定させることが可能となる。
【0071】
更に、各グリッパー17を転写材移動方向と直交または略直交する方向に所定の間隔で配設するとともに、これらの各グリッパー17の間に各転写材搬送ころ24a3,25eを配設する。これにより、各グリッパー17と各転写材搬送ころ24a3,25eは転写材移動方向で重ならないので、前述のように転写材20の先端部20aに把持跡が形成されても、この把持跡は各転写材搬送ころ24a3,25eを通過しない。したがって、各転写材搬送ころ24a3,25eによる転写材20のガイドが転写材20の把持跡に影響されなく、各転写材搬送ころ24a3,25eによる転写材20のガイドを安定して行うことが可能となる。その結果、各転写材搬送ころ24a3,25eによる転写材20のガイド時での転写材20の姿勢を安定させることができる。
【0072】
更に、各転写材搬送ころ24a3,25eのいずれかが転写材20の移動方向で各グリッパー17のいずれかと重なるように配設された場合には、転写材20の先端部20aが転写材搬送ころ24a3,25eに当接したとき、各転写材搬送ころ24a3,25eによってガイド面24a1および対向ガイド面25b1から遠ざかる方向に誘導される。したがって、転写材20の先端部20aは転写材搬送ころ24a3,25eに巻き込まれて、転写材移動方向に隣接する転写材搬送ころ24a3,25eの間に侵入することを防止することができる、これにより、転写材20はガイド面24a1および対向ガイド面25b1に沿ってより一層スムーズにガイドすることが可能となる。
【0073】
更に、複数の転写材搬送ころ25eを転写材移動方向と直交または略直交する方向に所定の間隔で分割配設するとともに、これらの転写材搬送ころ25eの間に、吸引孔25a2を有する転写材搬送ベルト25aを配設する。また、転写材搬送ころ25eを、転写材
20を搬送する作動位置と転写材20を搬送しない退避位置との間で移動可能に配設する。そして、制御部28によって制御される転写材搬送ころ作動制御部31で各転写材搬送ころ25eの位置を制御することにより、転写材20が二次転写ローラー14の駆動力により移動する間は、各転写材搬送ころ25eで転写材20をガイドするとともに、転写材20の後端が二次転写ニップ13aを通過した後は、転写材搬送ベルト25aの駆動力で転写材20を鉛直方向の上方へ吸引しながら移動させる。これにより、転写材20の移動がよりスムーズになり、転写材20の姿勢を更に安定させることが可能となる。
【0074】
なお、本発明の転写材搬送装置および画像形成装置は、前述の実施の形態の各例に限定されることはない。例えば、図1に示す第1ないし第3の気流発生部23,25,26は必ずしも必要ではなく、省略することもできる。
【0075】
また、像担持体として中間転写ベルト8を用いているが、中間転写ドラムを用いることもできるし、像担持体として感光体とすることもできる。像担持体に感光体を用いる場合は、感光体のトナー像が転写材に直接転写されることは言うまでもない。更に、前述の各例の画像形成装置では、タンデム型の画像形成装置としているが、他の形式の画像形成装置でもよいし、単色の画像形成装置でもよい。要は、本発明は特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で種々の設計変更が可能である。
【符号の説明】
【0076】
1…画像形成装置、2Y,2M,2C,2K…感光体、5Y,5M,5C,5K…現像部、6Y,6M,6C,6K…一次転写部、8…中間転写ベルト、9…ベルト駆動ローラー、13…
二次転写部、13a…二次転写ニップ、14…二次転写ローラー、20…転写材、20a…先端部、17…グリッパー、24…第2の気流発生装置、24a…吸引部材、24a1
…ガイド面、24a2…吸引孔、24a3…転写材搬送ころ、24b…気流発生部、25…転写材搬送部、25a…転写材搬送ベルト、25a1…無端ベルト、25a2…吸引孔、25b…吸引部材、25b2…吸引孔、25c…気流発生部、25e…転写材搬送ころ、2
7…定着部、28…制御部、31…転写材搬送ころ作動制御部、ε…転写材解放位置、ζ…二次転写ニップの終端位置、η…転写材搬送部始点位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像を担持する像担持体と、
移動により転写材を把持もしくは解放する把持部材を有するとともに、前記像担持体と前記転写材を介して当接して形成される転写ニップで前記像担持体に担持された前記像を前記転写材に転写する転写ローラーと、
前記転写ローラーで前記像が転写された転写材を、前記像が転写された面を鉛直方向の下方に向けて鉛直方向の上方に吸引する転写材搬送面、および前記転写材搬送面に配設されるとともに前記転写材と当接して前記転写材搬送面と前記転写材とを離間させる当接部材を有し、前記転写材を吸引開始する位置、前記把持部材から前記転写材を解放する位置、および前記像担持体が前記転写材と離間する位置が、
L<L1+L2
の関係を有する位置に配設された転写材搬送部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
ここで、
L:前記像担持体と前記転写材とが離間する位置と、前記転写材搬送部が前記転写材を吸引開始する位置とを結ぶ距離、
L1:前記像担持体と前記転写材とが離間する位置と、前記把持部材が前記転写材を解放する位置とを結ぶ距離、
L2:前記把持部材が前記転写材を解放する位置と、前記転写材搬送部が前記転写材を吸引開始する位置とを結ぶ距離。
【請求項2】
前記転写ローラーは周面に凹部を有するとともに、前記把持部材は前記凹部に配設する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記当接部材は、前記転写材が移動する方向と直交またはほぼ直交する方向に複数配設される請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記転写材搬送面は、前記転写材を気流により吸引する吸引孔を有する転写材搬送ベルトであり、
前記転写材搬送ベルトは、前記転写材が移動する方向と直交またはほぼ直交する方向に複数配設された前記当接部材の間に配設される請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記把持部材が配設される位置と前記転写材搬送ベルトの前記吸引孔が配設される位置とは、前記転写材が移動する方向と直交またはほぼ直交する方向に異なる請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記当接部材を前記転写材と当接する位置と前記転写材と離間する位置との間で移動させる移動部材と、
前記移動部材による前記当接部材の移動を制御する制御部と、
を有する請求項1ないし5のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記当接部材は、ローラー部材である請求項1ないし6のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項8】
転写ローラーの周面に配設された把持部材で転写材を把持し、
前記把持部材で把持された前記転写材を移動する像担持体と前記転写ローラーとで形成される転写ニップに搬送して前記像担持体に担持された像を前記転写材に転写し、
前記像を前記転写材に転写した後、前記把持部材を移動させて前記把持部材から前記像が転写された前記転写材を解放し、
解放された前記転写材を、前記転写材を吸引開始する位置が
L<L1+L2
の関係を有する位置に配設された転写材搬送部の転写材搬送面で吸引するとともに、当接部材により前記転写材搬送面と前記転写材とを離間させて搬送することを特徴とする画像形成方法。
ここで、
L:前記像担持体と前記転写材とが離間する位置と、前記転写材搬送部が前記転写材を吸引開始する位置とを結ぶ距離、
L1:前記像担持体と前記転写材とが離間する位置と、前記把持部材が前記転写材を解放する位置とを結ぶ距離、
L2:前記把持部材が前記転写材を解放する位置と、前記転写材搬送部が前記転写材を吸引開始する位置とを結ぶ距離。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−112910(P2011−112910A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−269940(P2009−269940)
【出願日】平成21年11月27日(2009.11.27)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】