画像形成装置および画像形成方法
【課題】 連続紙に斜行が発生したときに、適正な位置に画像を記録する記録装置および記録方法を提供する。
【解決手段】 取得した画像情報をドットデータに変換する処理手段と、記録媒体に前記処理手段によってドットデータに変換された画像情報に基づいて画像を形成する画像形成手段と、を有し、前記処理手段は、取得した画像情報の画像の大きさを記録媒体の両側端に形成される余白にはみ出す大きさに拡大してから画像情報をドットデータに変換し、検出手段が検出した記録媒体の側端の位置の情報に基づいて、画像の前記余白にはみ出す部分は画像形成されないようにドットデータに変換された画像情報を処理する。
【解決手段】 取得した画像情報をドットデータに変換する処理手段と、記録媒体に前記処理手段によってドットデータに変換された画像情報に基づいて画像を形成する画像形成手段と、を有し、前記処理手段は、取得した画像情報の画像の大きさを記録媒体の両側端に形成される余白にはみ出す大きさに拡大してから画像情報をドットデータに変換し、検出手段が検出した記録媒体の側端の位置の情報に基づいて、画像の前記余白にはみ出す部分は画像形成されないようにドットデータに変換された画像情報を処理する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体に記録を行う記録装置および記録方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ロール状に巻かれたロール紙から引き出された連続紙にフルライン型のインクジェット記録装置を用いて記録を行うとき、連続紙の搬送方向が記録ヘッドに対して直交する方向であることが理想状態である。しかし、連続紙は必ずしも記録ヘッドに対して直交方向とならずに斜行することがある。連続紙が斜行したときは、連続紙に対して記録される画像の位置がずれることになり、正確な位置に画像を記録することができなくなる。例えば、連続紙にLサイズ(89×127mm)の画像を余白4mmとした縁あり写真として記録したい場合に、余白部が搬送方向の1つの側端部は2mmとなり、他方の側端部は6mmとなることが考える。そして記録後にLサイズに切断した際の余白幅が左右または上下で不均一となってしまい、好ましい写真の仕上がりではなくなってしまう。
【0003】
特許文献1では、記録シート側端の位置を検出手段によって検出し、得られた情報を基に記録シートの斜行状態に合わせて画像をずらすことで色ずれを防止する方法が提案されている。特許文献1では、記録紙の同一記録領域に複数色の画像を色毎に反復的に重ね合わせてカラー画像を形成する画像記録装置として提案されているが、この構成をフルライン型のインクジェット記録装置における連続紙搬送でも実現することは可能である。つまり連続紙の側端の位置を、搬送経路の側端部に設けた検出手段によって検出して、得られた情報を基に連続紙の斜行状態に合わせて画像をずらすことで余白位置を調整することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−142914号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、フルライン型のインクジェット記録装置では、連続紙の斜行を補正する以外に、さまざまな補正が行われる。吐出ノズルによる吐出量ばらつきを補正するためにはヘッドシェーディング補正が行われる。複数のチップを用いてフルライン化したインクジェット記録ヘッドではチップ間のレジ調整補正、また不吐出となったノズルを補完するための不吐補完補正等が行われる。これらの補正はいずれも原則としてノズル単位に行われるものである。そのため特許文献1で挙げた画像をずらして斜行補正を行うには、これらの複数の補正との相互作用を考慮して実施する必要が生じる。一般的にヘッドシェーディング補正は、吐出量が小さいノズルに対しては画像濃度を濃く調整し、吐出量が大きいノズルに対しては画像濃度を薄く調整する。よって画像をずらすということは、ヘッドシェーディング補正に影響を与える処理となるので、画像ずらしはヘッドシェーディング補正の処理より先に画像をずらす処理を行わなければならない。またレジ調整補正では、隣接するチップがオーバーラップしている場合に、オーバーラップしている領域では徐々に使用するチップを増減して滑らかにチップ間をつなぐ処理を行うのが一般的なため、画像ずらしはこの処理より先に行う必要がある。そして不吐補完処理についても同様で、不吐ノズルの処理が確定後に画像をずらすことは、不吐ノズルの処理が不完全となってしまうため、不吐補完処理より先に画像ずらし処理を行う必要がある。故に画像をずらす処理は、各種処理に先立って行わなければならなくなる。
【0006】
一方、どれだけ画像をずらすかは、搬送経路の側端部に設けた検出手段によって連続紙の側端位置を検出して、画像をずらす量を決定し、画像をずらす処理を行う。その後に、ヘッドシェーディング補正処理や、チップ間レジ調整補正や、不吐補完補正等の補正処理を含む吐出・不吐出を決める二値化処理までの画像処理を行わなければならない。よって、連続紙の側端位置を検出するタイミングから記録するタイミングまでには複数の処理を経なければならなく、画像ずらし処理を行ってから複数の処理を行っていたのでは斜行補正制御が間に合わなくなる懸念がある。
【0007】
本発明の目的は、連続紙に斜行が発生したときでも、適正な位置に画像を記録する記録装置および記録方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明の構成は、記録媒体を搬送する搬送手段と、画像情報から、画像形成のためのドットデータを生成する処理手段と、前記搬送手段によって搬送される記録媒体の上に、前記処理手段によって生成されたドットデータに基づいて画像を形成する画像形成手段と、前記搬送手段によって搬送される記録媒体の側端を検出する検出手段と、を有し、前記処理手段は、取得した画像情報の画像の大きさを記録媒体の両側端に形成される余白にはみ出す大きさに拡大してから画像情報をドットデータに変換し、次いで、前記検出手段の検出結果に基づいて、画像の前記余白にはみ出す部分は画像形成されないように前記ドットデータを処理することを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、記録媒体に斜行が発生したときに、適正な位置に画像を記録する記録装置および記録方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置の概略構成を示す図である。
【図2】上記インクジェット記録装置で用いられる記録ヘッドの配列を模式的に示す平面図である。
【図3】上記インクジェット記録装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【図4】(a)は、図1および図2に示した、1つのインク色に対応した記録ヘッドにおけるノズル構成を示す図であり、(b)は、上記ノズル構成対応した画素エリアの配置を示す図である。
【図5】実施形態1の画像データ処理部における処理の詳細を示すブロック図である。
【図6】連続紙と検出センサとの配置関係に対応させた出力信号とこれに関連する信号を示す図。
【図7】トリミング処理の概念を表した図。
【図8】トリミング処理の流れを表したフローチャート。
【図9】インクジェット記録装置1の記録動作を示すフローチャートである。
【図10】連続紙の斜行情報と画像シフト処理の関係を表した図。
【図11】実施形態2の画像データ処理部における処理の詳細を示すブロック図である。
【図12】連続紙の側端部のずれと画像のシフトとトリミングを示す図。
【図13】第2の実施形態における記録動作を示すフローチャートである。
【図14】本発明の他の実施形態に係る記録ヘッドのノズル配置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0012】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置の概略構成を示す図であり、図2は記録ヘッドの配列を模式的に示す平面図である。本実施形態のインクジェット記録装置1は、連続シートであるロール状に巻かれた連続紙(ロール紙)から引き出された連続紙に対して画像形成を行う。
【0013】
2Y、2M、2C、2Bkは連続記録媒体または記録媒体である連続紙の搬送方向(以下、主走査方向ともいう)と直交する方向に延在する連続紙の幅より長い長尺の記録ヘッドである。記録ヘッド2Y、2M、2C、2Bkは、相互に平行に配置したフルライン型インクジェット記録ヘッドである。本実施形態の記録装置では、連続紙の幅よりも+10mm長い記録ヘッドを用いる。しかし、記録ヘッドの長さは適宜決めることができる。ここで、2Yは、イエローインクを吐出する記録ヘッド、2Mはマゼンタインクを吐出する記録ヘッド、2Cはシアンインクを吐出する記録ヘッド、2Bkはブラックインクを吐出する記録ヘッドをそれぞれ示す。各記録ヘッドは、略同一の構成を有するものとなっており、以下の説明において、特に区別の必要がない場合には、これらをまとめて記録ヘッド2と記述する。また、それぞれの色の記録ヘッドは、図4にて後述するように、4つのノズル列を有している。各記録ヘッド2は、イエローインク、マゼンタインク、シアンインク、ブラックインクをそれぞれ貯留したインクタンク3Y、3M、3C、3Bk(以下、これらをまとめてインクタンク3と記述する)にそれぞれ接続配管4を介して接続されている。これらのインクタンク3は、接続配管4に対して取り外し可能となっている。
【0014】
回復処理のために、記録ヘッド2は制御装置9によって作動が制御されるヘッド移動手段10によってプラテン6と対向する方向において昇降することができる。記録ヘッド2は、無端の搬送ベルト5を挟むようにプラテン6と対向するとともに、各色の記録ヘッド2Y、2M、2C、2Bkは搬送用ベルト5による搬送方向に沿って所定間隔で配列されている。なお、記録ヘッド2には、インクを吐出するためのインク吐出口(ノズル)と、インクタンク3からのインクを一旦貯留する共通液室と、この共通液室から各吐出口へとインクを導くインク流路が設けられている。各インク流路内には、供給されるインクタンク吐出用の熱エネルギーを発生する吐出エネルギー発生素子としての電気熱変換体(ヒータ)が吐出口に対応して設けられている。各ヒータは、ヘッドドライバ2aによって駆動され、ヘッドドライバ2aは制御装置9に電気的に接続しており、この制御装置から送られるオン/オフ信号(吐出/不吐出信号)に応じてヒータの駆動が制御される。
【0015】
各記録ヘッド2の側方にはヘッドキャップ7が設けられ、これにより、インク流路内などに存在し得る増粘インクなどを、記録ヘッド2の吐出口から排出して記録ヘッドの回復処理を行うことができる。このヘッドキャップ7は、記録ヘッドの配列間隔に対して半ピッチずらした状態で配置され、制御装置9によって作動が制御されるキャップ移動手段8によって、それぞれ記録ヘッド2の直下に移動することができる。これによりヘッドキャップ7は、インク吐出口から排出される廃インクを受けることができる。
【0016】
連続紙Pを搬送するための搬送用ベルト5は、ベルト駆動モータ11に連結された駆動ローラに掛け渡され、制御装置9に接続されるモータドライバ12によってその作動が切り替えられる。また、搬送用ベルト5の上流側には帯電器13が設けられ、これにより、搬送用ベルト5を帯電して連続紙Pを搬送用ベルト5に密着させることができる。この帯電器13は制御装置9に接続される帯電器ドライバ13aによって、その通電のオン/オフが切り換えられる。一対の給送ローラ14,14は、搬送用ベルト5上に連続紙Pを供給する。この一対の給送ローラ14,14にはこれを回転させるための給送用モータ15が連結され、この給送用モータ15は、制御装置9に接続されるモータドライバ16によって作動が切り換えられる。
【0017】
連続紙の側端の位置を検出する検出手段21は、搬送経路の側端部に設けた検出センサ20により、連続紙の側端位置の変動を定期的に検出することができる。検出センサはCCDセンサ等を用いることができる。本実施形態では、図6で示すように1列が1024画素からなる受光素子が設けられており、連続紙の側端領域における反射光量をアナログ信号として出力される。そして予め決めたスレッショルドレベルによって2値化することで連続紙Pの側端位置を決めることができる。このときの受光素子の素子間隔は1200dpiとなるように調整してあるが、これに限らず連続紙Pの側端位置が算出できるように補間処理を行うことで素子間隔は適宜決めることが可能である。また本実施形態では、連続紙Pの側端の片側のみに検出センサ20を設ける構成をとったが、両側端位置にそれぞれ検出センサを設けることもできる。
【0018】
以上の装置において、連続紙Pに対する記録動作を行うときは、まず、各記録ヘッド2がプラテン6から離れるように上昇し、次いで、ヘッドキャップ7が各記録ヘッド2の直下に移動して回復処理を行う。その後、ヘッドキャップ7が元の待機位置へ移動する。その後、さらに記録ヘッド2が記録位置までプラテン側に移動する。そして、帯電器13を作動させると同時に搬送用ベルト5を駆動し、さらに給紙ローラ14、14によって連続紙Pを搬送用ベルト上に供給する。連続紙Pの側端位置を検出する検出手段の情報に基づいてトリミングされた画像データを各記録ヘッド2から吐出されるインクによってカラー画像が連続紙Pに記録される。
【0019】
なお、本発明を適用可能なインクジェット記録方式は、図1および図2に示したようなヒータを使用したインクジェット方式に限られない。例えば、インク滴を連続噴射するコンティニュアス型の場合には荷電制御型、発散制御型等が適用でき、また、必要に応じてインク滴を吐出するオンデマンド型の場合にはピエゾ振動素子の機械的振動によりインクを吐出する圧力制御方式等も適用できる。
【0020】
図3は、上述したインクジェット記録装置の制御系の構成を示すブロック図である。図3おいて、31はデジタルカメラ等の画像入力機器からの多値画像データやパーソナルコンピュータのハードディスク等に保存されている画像情報である多値画像データを入力する画像データ入力部を示す。32は各種パラメータの設定および記録開始を指示する各種キーを備えている操作部、33は記憶媒体中の各種プログラムに従って本記録装置全体を制御する制御部としてのCPUをそれぞれ示す。34は各種データを記憶する記憶部を示す。この記憶部34は、連続紙の種類に関する連続紙情報格納部34a、インクに関するインク情報格納部34b、記録時の温度、湿度などの環境に関する情報を格納する環境情報格納部34cを有している。さらに記憶部34は、各種制御プログラム群格納部34d、連続紙の斜行情報や画像ずらし処理をするときの閾値情報を格納する斜行情報格納部34eなどを有している。さらに、35は、記憶部34中の各種プログラムのワークエリア、エラー処理時の一時待避エリア及び画像処理時のワークエリアとして用いるRAMを示す。本実施形態の動作は、プログラムに従った処理による動作である。このプログラムを格納する記憶部34としては、ROM、FD、CD−ROM、HD、メモリカード、光磁気ディスクなどを用いることができる。また、RAM35は、記憶手段34の中の各種テーブルをコピーした後、そのテーブルの内容を変更し、この変更したテーブルを参照しながら画像処理を進めることもできる。
【0021】
36は処理手段である画像データ処理部を示す。画像データ処理部36では入力画像のサイズを調整した後、入力された多値画像データをN値の画像データに各画素毎に量子化し、その量子化された各画素が示す階調レベル“K”に対応する2値データのパターン(ドットパターン)を生成する。入力多値画像データのK値化処理は、誤差拡散法に限らず平均濃度保存法、ディザマトリックス法等、任意の中間調処理方法を用いることができる。そして連続紙の側端位置を検出した情報に基づいてドットパターンをトリミング処理する。37は、画像データ処理部36で生成されたドットパターンに基づいてインクを吐出し、連続紙上にドット画像を形成する画像記録部を示す。この画像記録部は、図1および図2に示した機構を有している。38は本装置内のアドレス信号、データ、制御信号などを伝送するバスラインを示す。
【0022】
図4(a)は、図1および図2に示した、1つのインク色(記録色)に対応した記録ヘッドにおけるノズル構成を示す図であり、図4(b)は、上記ノズル構成対応した画素エリアの配置を示す図である。
【0023】
図4(a)に示すように、1つのインク色に対応した記録ヘッド2は、それぞれ吐出量2.8plのインクを吐出する960個のノズルを1200dpi相当の間隔(略21.2μm間隔)で略一列に配置したノズル列42を、4列(A列〜D列)有する。同図において、Xは連続紙の搬送方向(主走査方向)を示し、Yはこれに交差するノズル配列方向を示す。
【0024】
本実施形態のフルライン型の記録装置では、記録ヘッドに対して図中X方向に搬送される連続紙に対し、それぞれのインク色について、記録ヘッド2の4つのノズル列A、B、C、Dの各ノズル42から記録データに従ってインクを吐出し記録を行う。図4(b)に示すように、ノズルからインクが吐出されて着弾する連続紙に対して想定される画素エリアは、Y方向の解像度がノズル配列の解像度と同じ1200dpiでX方向(連続紙の搬送方向)の解像度が同じく1200dpiで配列する。これらの解像度で画素エリアのマトリックス43が構成さている。このマトリクスにおけるそれぞれの画素エリアに対応してインクを吐出するかしないかを表す2値データ(ドットデータ)が生成される。マトリックス43において、画素エリアの各ラスタに1、2、3、・・・の番号を付し、画素エリアの各カラムにa、b、c、・・・の記号を付すことによって、マトリックスにおける画素エリアを特定することができる。すなわち、画素エリアは、(1、a)、(2、c)のように表記して特定することができる。具体的な記録動作では、図4(b)において、連続紙が搬送されるのに伴い、カラムa、b、c、・・・の順で、記録データが振り分けられたノズル列のノズルから、該当する画素エリアに対してインクが吐出される。
【0025】
なお、ドットデータはインクを吐出するかしないかを表す2値データに限らず、ドットの大きさの情報を含む多値データであってもよい。
【0026】
図5は、図3にて説明した画像データ処理部36における画像情報の処理の詳細を示すブロック図である。この画像情報の処理は、図5で示すように画像サイズ調整処理J0001、前段処理J0002、後段処理J0003、γ補正J0004、ハーフトーニングJ0005、ドット配置パターン化処理J006を有している。
【0027】
画像サイズ調整処理J0001は入力された画像情報の記録されたときの画像のサイズを調整する。画像情報が有していた記録されたときの画像サイズに対して予め決めた倍率に画像サイズを調整する。本実施形態の記録装置では、入力画像サイズに対して連続紙の幅方向が+10mmとなるようにサイズ調整した。これは第1の実施形態において、ヘッドの長さが連続紙に対して+10mmであるため、これ以上に画像サイズを拡大しても記録することができないからである。この場合は、連続紙Pの側端部を検出した側端位置が、この範囲を超えた場合は印刷を中断する等で対応することになる。
【0028】
要は、ヘッドで記録できる長さまで倍率を調整することができるが、この倍率は記録できる範囲内で適宜決めることができる。例えば連続紙の幅よりも画像の幅が大きくなるように画像サイズを拡大する。さらには、連続紙が斜行して標準の位置から幅方向にずれた場合であっても、そのずれ量が想定の範囲内であれば、画像が連続紙の左右両方の端部からはみ出すようなサイズに拡大する。過去に連続紙の端部の位置を検知して求めたずれ量の情報を統計的に処理して、発生しうる連続紙の幅方向のずれ量の範囲を想定することもできる。
【0029】
前段処理J0002は色域のマッピングを行う。sRGB規格の画像データR、G、Bによって再現される色域を、本実施形態の記録装置によって再現される色域内に写像するためのデータ変換を行う。具体的にはR、G、Bのそれぞれが8bitで表現されたデータを3次元のLUTを用いることにより、異なる内容のR、G、Bの8bitのデータに変換する。後段処理J0003は、上記色域のマッピングがなされたデータR、G、Bに基づき、このデータが表す色を再現するインクの組み合わせに対応した色分解データY、M、C、Kを求める処理を行う。ここでは前段処理と同様に、3次元LUTにて補間演算を併用して行うものとする。γ補正J0004は、後段処理J0003によって求められた色分解データの各色のデータごとにその階調値変換を行う。具体的には、記録装置の各色インクの階調特性に応じた1次元LUTを用いることにより上記色分解データが記録装置の階調特性に線形的に対応づけられるような変換を行う。ハーフトーニングJ0005は、8ビットの色分解データY、M、C、Kそれぞれについて4ビットのデータに変換する量子化を行う。本実施形態では、誤差拡散法を用いて256階調の8ビットデータを、解像度600dpiで9階調の4ビットデータに変換する。この4ビットデータは、記録装置におけるドット配置のパターン化処理における配置パターンを示すためのインデックスとなるデータである。
【0030】
次に、ドット配置パターン化処理J0006を行う。上述したハーフトーン処理では、256値の多値濃度情報(8ビットデータ)を9値の階調値情報(4ビットデータ)までにレベル数を下げる。しかし、実際に本実施形態のインクジェット記録装置が記録できる情報は、インクを記録するか否かの2値情報である。ドット配置パターン化処理では、0〜8の多値レベルをドットの有無を決定する2値レベルまで低減する役割を果たす。具体的には、このドット配置パターン化処理J0006では、ハーフトーン処理部からの出力値であるレベル0〜9の4ビットデータで表現される画素毎に、その画素の階調値(階調レベル0〜8)に対応したドット配置パターンを割当てる。
【0031】
次にドット配置パターンによってノズル列ごとに振り分けられた(ノズル指定情報を持った)ドットデータ101は、記録する直前に連続紙Pの側端位置を検出した情報に基づいて画像データの一部を“1”から“0”に書き換えるトリミング処理がなされる。トリミング処理するための連続紙Pの側端位置を検出するタイミングはできるだけ記録するタイミングと合わせることが良い。そのために本実施形態ではドット配置パターン化処理が終了した直後に連続紙Pの側端位置を検出している。あるいは、連続紙Pの側端位置の検出タイミングはドット配置パターン化処理の最中でもよいが、可能な限り終了直前が好ましい。
【0032】
図7は、トリミング処理の概念を表している。まず連続紙Pの側端位置を検出した情報と、記録に際して既知である連続紙からもう一方の側端位置を算出する。ドットデータ101に対して、検出結果であるこの2つの側端位置と設定した白余白量(縁あり)からトリミング量を決定して新たなドットデータ102を生成する。
【0033】
また図8は、トリミング処理のフローチャートを表している。ドットデータ101に対してトリミング処理するためのトリミング量は、連続紙Pの側端位置を検出した情報と、設定した白余白量(縁あり)と、サイズ調整した倍率から、図7で示すような左右両端部のトリミング量がそれぞれ決定されることになる。
【0034】
図7で具体的な処理の例をあげる。例えば連続紙の幅がWp(152.4mm)であるとすると、画像のドットデータ101の幅は連続紙の幅より10mm大きいWd(162.4mm)(解像度1200dpiで7672画素、以下画素表示は同解像度)に調整される(Wd>Wp)。白余白量をMs(4mm)(189画素)とする。そして、検出センサの中心位置に連続紙の側端部がきたときにズレがない状態(原点)として、プラス側は図7で連続紙が右側へシフトしているとする。
【0035】
連続紙の側端部にずれがない場合は、サイズ調整した+10mmの半分である5mm(236画素)と白余白量4mm(189画素)を合わせた9mm分を画像の右側端から削り、吐出しないようにドットデータを書き換える。式で表すと右側端の吐出しない幅は(Wd−Wp)×1/2+Msとなる。同様にドットデータ101の左側に対して、サイズ調整した+10mmの残り半分である5mm(236画素)と白余白量4mm(189画素)を合わせた9mm分(425画素)を吐出しないようにドットデータを書き換える。式は右側端と同様である。このようにすることで、連続紙には、連続紙に対して白余白が4mmとなる新たなドットデータ102を生成する。
【0036】
また例えば、連続紙Pの側端位置を検出する検出手段の情報から連続紙の側端部がLs(+3mm)(142画素)だけ原点からズレた状態であったする。このときはドットデータ101の右側に対して、サイズ調整分の半分である5mmと白余白量4mmから+3mm(142画素)を引いた6mm分(283画素)を吐出しないようにドットデータを書き換える。インクを吐出しない幅を式で表すと(Wd−Wp)×1/2+Ms−Lsとなる。ドットデータ101の左側に対しては、サイズ調整分の半分である5mmと白余白量4mmに+3mm(142画素)を加えた12mm分(567画素)を吐出しないように“1”のドットデータを“0”に書き換える。インクを吐出しない幅を式で表すと(Wd−Wp)×1/2+Ms+Lsとなる。このようにすることで、連続紙には、連続紙に対して白余白が4mmとなる新たなドットデータ102を生成する。
【0037】
上記の例は連続紙が想定された範囲で幅方向にずれても画像が連続紙の両側端部から幅方向にはみ出すようなサイズになるような倍率で画像を拡大した。しかし、連続紙が想定された範囲で幅方向にずれても画像が連続紙の両側端部に設定された余白部分にはみ出すようなサイズに画像を拡大してもよい。
【0038】
このドットデータ102は画像記録部37(図3)のヘッド駆動回路(図5)に送られ、記録ヘッドの各ノズル列から吐出を行う際、ノズル列相互の間隔に対応して吐出タイミングをずらしてそれぞれのノズル列からインク吐出を行う。以上のように連続紙Pの側端位置を検出した情報に基づいてトリミング処理を行うことで、連続紙の斜行に対して適正な位置に画像を記録することができる。
【0039】
このように、本実施形態では、連続紙に形成される画像の幅が連続紙の幅よりも大きくなるように拡大された画像に画像データを書き換える。そして、連続紙の側端の位置情報に基づいて連続紙の両側端に所定幅の余白ができるように、画像の両側端部の領域は吐出しないように画像データをさらに書き換える。
【0040】
図9はインクジェット記録装置1の記録動作を示すフローチャートである。ステップS1では画像データ入力部31を用いて画像データを取得する。ステップS2では取得した画像データのサイズを所定の倍率で拡大する。ステップS3取得した画像データをドットデータにまで変換する画像処理を開始する。ステップS4にてドットデータへの変換が終了したら、ステップS5で検出手段21を用いて連続紙Pの側端位置情報を取得する。ステップS6では取得した側端位置情報に基づいて、連続紙の両端部に所定の余白を形成するためにドットデータの一部を書き換える。
【0041】
このように、予め画像を連続紙より少し大きめにサイズ調整しておいて、この画像データに対して各種の補正処理を行う。そして、2値化処理された後の画像データに対して、検知手段から連続紙の側端位置情報に基づいて、画像の一部を切り取るトリミング処理を行うので、ロール紙に対して適正な位置に画像を記録することができる。
【0042】
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態で用いる斜行補正は、記録ヘッドの記録できる幅と、ロール紙Pの斜行量に対して冗長させた画像サイズに調整することになり、トリミング量が多くなる懸念があるため、入力画像の周囲が欠落する量が多くなってしまう可能性がある。
【0043】
そこで、実施形態2では、検出手段からの出力情報を保持しておくメモリ手段と、画像データの記録位置をずらす画像シフト手段を新たに設けた。かかる構成をとることで、記録する画像サイズに対して予め決めた倍率に画像サイズを調整する倍率を小さく抑えるか、画像を拡大しないことが可能となる。つまり、記録装置の個体差となる斜行状態をメモリ手段に事前に保持しておくことで、複数の画像データを画像ずらし処理によって粗調補正できるため、画像サイズの調整倍率を小さく抑えることでき、且つトリミング量は少なくなる。図9は、その概念を表したものである。
【0044】
第2の実施形態でのサイズ調整手段では、調整倍率を小さく抑えるために、第1の実施形態に画像シフト手段を併用する。ここでの調整倍率は、画像ずらし処理による粗調補正に対して、微調補正しなければならないトリミング量によって決定することが好ましい。これは構成する記録装置の再現性に依存するところがあり、事前に斜行状態の再現ばらつきを求めておき、この再現ばらつきを考慮して調整倍率とすることが望ましい。
【0045】
図10(a)は、記録装置の個体差となるある期間での斜行状態をメモリ手段に事前に保持したデータを表している。ここでは各画像データの記録を行う領域毎に1点データとしており、連続紙Pが事前にどのような斜行状態を辿ったかが分かる。図10(a)では連続紙Pが搬送されるに従って連続紙の幅方向の位置すれ量がLs1、Ls2、Ls3と変化している様子が示されている。例えば、このような連続紙の位置ずれ量がサインカーブのように左右に周期的に発生する傾向があるとすれば、そのデータによって次にロール紙Pを搬送するとき、どのタイミングで連続紙の端部がどの位置にあるかが予測できる。メモリ手段に、事前にデータを保持するタイミングは、テスト搬送することによってロール紙Pの側端部を検出した情報でもよく、また過去の実印字によるロール紙Pの側端部を検出した情報でもよく、また工場出荷時によるデータ入力でも良い。そして、これらの組合せであってもよく、適宜更新される仕組みを組み込んでも良い。位置ずれ量の変化が式で算出できるような周期的なものであれば式で算出して位置ずれ量を記録媒体の予測位置情報として取得してもよい。あるいは位置ずれ量をテーブルのデータとして保存し、テーブルから読み出して位置ずれ量を記録媒体の予測位置情報として取得してもよい。
【0046】
一方、予測値に対して現実の位置ずれ量のばらつきは、トリミング処理によって微調補正が行われる。よってヘッドが記録できる領域までロール紙Pが斜行したときの再現ばらつきを、サイズ調整手段の調整倍率に盛り込んでおくことが好ましい。例えば、図10(a)にある再現ばらつきを±1mmとした場合は、入力画像サイズに対してロール紙の幅方向が少なくとも+2mm以上となるようにサイズ調整すれば良いことになる。ここでの調整倍率は、複数の画像で固定として説明をしたが、斜行量の状態の再現ばらつきの推定によっては、画像毎に可変であっても構わない。例えば、図10(a)のように斜行量の予測値が大きくなるにつれて、再現ばらつきも大きくなるのであれば、画像毎に調整倍率を異ならせることが可能である。あるいは画像サイズの調整を省略してもよい。
【0047】
次に、このようにサイズ調整された画像データに対し、画像形成時(記録ヘッドからインクが吐出されている時)の連続紙の予測位置情報に従って、図10(b)のように画像の記録位置を紙幅方向にずらす画像シフト処理を行う。図10(b)では連続紙の位置がLs1、Ls2、Ls3とずれてゆくことが予想された場合、画像の記録位置をLs1、Ls2、Ls3とずらす処理が行われたことを示している。図11で示した画像シフト手段J0000は、画像サイズ調整手段の前で処理することとしたが、画像サイズ調整手段の後であっても構わない。そして、このように画像シフト処理された画像データは、実施形態1で説明したような画像データ処理部36でドット配置パターン化処理J0006まで処理される。ドット配置パターン化処理が終了したら検出手段21を用いて連続紙Pの現実の側端位置情報を取得する。最後に取得した現実の側端位置情報に基づき、記録される画像位置を適正な位置となるように画像の側端部の領域のデータを“1”から“0”に書き換えるトリミング処理によって微調補正を行う。
【0048】
例えば、図12に示すように連続紙の幅がWp、画像の幅がWdであるとする。連続紙の側端部がずれのない理想的な標準位置IからLs(右にずれた場合が正)だけずれると予測し、粗調整として画像の位置を幅方向にLsずらしてD1の位置に変更したとする。検出手段21を用いて検出した現実の連続紙の位置ずれもLsでP1の位置であったとすると画像の中心と連続紙の中心が一致する理想位置に画像が形成される。この場合画像の両側端から(Wd−Wp)×1/2+Msの幅の領域は画像が形成されないようにドットデータを書き換える。なおWd−Wpは負の値でも正の値でもよいが、(Wd−Wp)×1/2+Msは正の値になるようにWd、Wp、Msの値は設定される。また、検出手段21を用いて検出した現実の連続紙の位置ずれがLs+dでP2の位置であったとする(dは予測値に対するばらつき)。この場合微調整として画像の位置をさらにdだけずらしてD2の位置に移動する。トリミングの幅もdだけ調整し、D2の画像からTで示す2点鎖線の外側の領域の画像を消す。画像の右側の端部は(Wd−Wp)×1/2+Ms−dの幅の領域は画像が形成されないようにドットデータを書き換える。画像の左側の端部は(Wd−Wp)×1/2+Ms+dの幅の領域は画像が形成されないようにドットデータを書き換える。
【0049】
以上の処理によりドットデータとなって、画像記録部37(図3)のヘッド駆動回路(図5)に送られ、記録ヘッドの各ノズル列から吐出を行う際、ノズル列相互の間隔に対応して吐出タイミングをずらしてそれぞれのノズル列からインク吐出を行う。このようにロール紙Pの側端位置を検出した情報に基づいて画像シフト処理、およびトリミング処理を行うことで、ロール紙の斜行に対して適正な位置に画像を記録することができる。
【0050】
図13は第2の実施形態におけるインクジェット記録装置1の記録動作を示すフローチャートである。ステップS11では画像データ入力部31を用いて画像データを取得する。ステップS12では取得した画像データのサイズを所定の倍率で拡大する。なお、ステップS12は省略してもよい。ステップS13ではテーブルや式を用いて連続紙の予測位置情報を取得する。この位置の予測情報は、記録ヘッドによる画像形成開始時(画像形成のためのインク吐出開始時)の予測位置情報でもよい。画像形成が半分終了した時点の予測位置情報でもよい。いずれにせよ実際に記録ヘッドがインクを吐出することによって画像を形成しているときの連続紙の予測位置情報を取得する。ステップS14では取得した予測位置情報に基づいて画像の位置を幅方向にずらす粗調整を行う。ステップS15では画像データをドットデータにまで変換する画像処理を開始する。ステップS16にてドットデータへの変換が終了したら、ステップS17では検出手段21を用いて連続紙Pの側端位置情報を取得する。ステップS18では取得した側端位置情報に基づいて、連続紙の両端部に所定の余白を形成するためにドットデータの一部を書き換える。
【0051】
上記実施形態では事前に連続紙の斜行のデータをメモリに保存し、その斜行データに基づいて連続紙の位置を予測する位置予測プログラム(取得手段)を備えている。予測された連続紙の位置に応じて画像の位置が斜行方向にずれるように画像データを書き換えている。これに対して画像のドットデータへの変換処理前に検知手段21を用いてその時点での連続紙Pの側端位置情報を取得し、取得した側端位置情報に基づいて画像の位置のシフトを行っても良い。その場合は図13のフローチャートのステップS13では連続紙の予測位置情報ではなく、検知手段21を用いて連続紙Pの側端位置情報を取得する。
【0052】
上述の各実施形態では、画像を適正な位置に記録することを説明してきた。ロール紙の幅、記録ヘッドの記録できる幅、画像サイズ調整における調整倍率、そしてロール紙の側端位置を検出するセンサの長さによって、斜行量に対応できる閾値を求めることができる。例えば、実施形態1においては、画像調整を+10mmとしたため、ロール紙の側端位置の標準位置からのずれは±5mmまで対応できる。±5mmを閾値とし、ロール紙の側端位置が閾値以上に変化した場合は、補正困難になるため記録を中止する機能を有することが必要となる。ここでは実施形態1に即して説明したが、その閾値は装置構成によって適宜決めることができる。
【0053】
また上述の実施形態2では、検知手段の検知間隔を各画像データ毎としたが、検知間隔はより細かく刻むことも、より大きく刻むことも可能であり、更に検知したデータを補間して扱うこともできる。またトリミング処理も各画像毎ではなく、検知間隔に従って各画像内でのトリミング処理を行うこともできる。
【0054】
また上述の本実施形態では、図4(a)に示されるように記録ヘッド内に複数列を併設する形態で説明したが、この形態に限られるものではない。例えば、図14に示すように、複数のノズル列を有するノズルチップを複数有する形態であっても良い。図14では記録ヘッド2は複数のチップ201、202、203、204、205を備え、各チップは複数のノズル列を備えている。隣り合うチップは記録媒体の搬送方向にずれた位置に配置されている。また、隣接するチップの端部領域のノズルは用紙の搬送方向に重なっている。このような記録ヘッドでは各チップのノズルが重なる領域でチップの側端に近いほど使用ノズルを少なくして、チップが変わることによる画質の変化を目立たなくする処理が行われる。このような処理には時間がかかるため、記録開始時またはその直前の連続紙の側端位置を検出してから画像の位置をずらす処理を行うのは難しい。上記実施形態では、連続紙の側端位置検出までにドット配置パターン化まで画像処理を終了させ、側端位置検出後はドットデータの一部を”0”に書き換える処理を行う。よって、記録直前に連続紙の側端位置を検出しその情報に基づいて連続紙の適正な位置に画像を形成することができる。
【0055】
さらには、全幅をカバーするノズル列を1つのチップに形成した形態でも良く、また各記録ヘッドに1列のノズル列を形成して各色で複数の記録ヘッドを備えた形態でも良い。
【0056】
また上述の各実施形態は、1つの記録装置として説明したが、例えば、図5に示したドット配置パターン化処理までをパーソナルコンピュータで実行し、最終的に得られたドットデータを記録装置に送って記録を行う記録システムの形態であっても良い。
【符号の説明】
【0057】
1 インクジェット記録装置
2 記録ヘッド
31 画像データ入力部
33 CPU
34 記憶部
35 RAM
36 画像データ処理部
37 画像記録部
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体に記録を行う記録装置および記録方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ロール状に巻かれたロール紙から引き出された連続紙にフルライン型のインクジェット記録装置を用いて記録を行うとき、連続紙の搬送方向が記録ヘッドに対して直交する方向であることが理想状態である。しかし、連続紙は必ずしも記録ヘッドに対して直交方向とならずに斜行することがある。連続紙が斜行したときは、連続紙に対して記録される画像の位置がずれることになり、正確な位置に画像を記録することができなくなる。例えば、連続紙にLサイズ(89×127mm)の画像を余白4mmとした縁あり写真として記録したい場合に、余白部が搬送方向の1つの側端部は2mmとなり、他方の側端部は6mmとなることが考える。そして記録後にLサイズに切断した際の余白幅が左右または上下で不均一となってしまい、好ましい写真の仕上がりではなくなってしまう。
【0003】
特許文献1では、記録シート側端の位置を検出手段によって検出し、得られた情報を基に記録シートの斜行状態に合わせて画像をずらすことで色ずれを防止する方法が提案されている。特許文献1では、記録紙の同一記録領域に複数色の画像を色毎に反復的に重ね合わせてカラー画像を形成する画像記録装置として提案されているが、この構成をフルライン型のインクジェット記録装置における連続紙搬送でも実現することは可能である。つまり連続紙の側端の位置を、搬送経路の側端部に設けた検出手段によって検出して、得られた情報を基に連続紙の斜行状態に合わせて画像をずらすことで余白位置を調整することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−142914号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、フルライン型のインクジェット記録装置では、連続紙の斜行を補正する以外に、さまざまな補正が行われる。吐出ノズルによる吐出量ばらつきを補正するためにはヘッドシェーディング補正が行われる。複数のチップを用いてフルライン化したインクジェット記録ヘッドではチップ間のレジ調整補正、また不吐出となったノズルを補完するための不吐補完補正等が行われる。これらの補正はいずれも原則としてノズル単位に行われるものである。そのため特許文献1で挙げた画像をずらして斜行補正を行うには、これらの複数の補正との相互作用を考慮して実施する必要が生じる。一般的にヘッドシェーディング補正は、吐出量が小さいノズルに対しては画像濃度を濃く調整し、吐出量が大きいノズルに対しては画像濃度を薄く調整する。よって画像をずらすということは、ヘッドシェーディング補正に影響を与える処理となるので、画像ずらしはヘッドシェーディング補正の処理より先に画像をずらす処理を行わなければならない。またレジ調整補正では、隣接するチップがオーバーラップしている場合に、オーバーラップしている領域では徐々に使用するチップを増減して滑らかにチップ間をつなぐ処理を行うのが一般的なため、画像ずらしはこの処理より先に行う必要がある。そして不吐補完処理についても同様で、不吐ノズルの処理が確定後に画像をずらすことは、不吐ノズルの処理が不完全となってしまうため、不吐補完処理より先に画像ずらし処理を行う必要がある。故に画像をずらす処理は、各種処理に先立って行わなければならなくなる。
【0006】
一方、どれだけ画像をずらすかは、搬送経路の側端部に設けた検出手段によって連続紙の側端位置を検出して、画像をずらす量を決定し、画像をずらす処理を行う。その後に、ヘッドシェーディング補正処理や、チップ間レジ調整補正や、不吐補完補正等の補正処理を含む吐出・不吐出を決める二値化処理までの画像処理を行わなければならない。よって、連続紙の側端位置を検出するタイミングから記録するタイミングまでには複数の処理を経なければならなく、画像ずらし処理を行ってから複数の処理を行っていたのでは斜行補正制御が間に合わなくなる懸念がある。
【0007】
本発明の目的は、連続紙に斜行が発生したときでも、適正な位置に画像を記録する記録装置および記録方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明の構成は、記録媒体を搬送する搬送手段と、画像情報から、画像形成のためのドットデータを生成する処理手段と、前記搬送手段によって搬送される記録媒体の上に、前記処理手段によって生成されたドットデータに基づいて画像を形成する画像形成手段と、前記搬送手段によって搬送される記録媒体の側端を検出する検出手段と、を有し、前記処理手段は、取得した画像情報の画像の大きさを記録媒体の両側端に形成される余白にはみ出す大きさに拡大してから画像情報をドットデータに変換し、次いで、前記検出手段の検出結果に基づいて、画像の前記余白にはみ出す部分は画像形成されないように前記ドットデータを処理することを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、記録媒体に斜行が発生したときに、適正な位置に画像を記録する記録装置および記録方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置の概略構成を示す図である。
【図2】上記インクジェット記録装置で用いられる記録ヘッドの配列を模式的に示す平面図である。
【図3】上記インクジェット記録装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【図4】(a)は、図1および図2に示した、1つのインク色に対応した記録ヘッドにおけるノズル構成を示す図であり、(b)は、上記ノズル構成対応した画素エリアの配置を示す図である。
【図5】実施形態1の画像データ処理部における処理の詳細を示すブロック図である。
【図6】連続紙と検出センサとの配置関係に対応させた出力信号とこれに関連する信号を示す図。
【図7】トリミング処理の概念を表した図。
【図8】トリミング処理の流れを表したフローチャート。
【図9】インクジェット記録装置1の記録動作を示すフローチャートである。
【図10】連続紙の斜行情報と画像シフト処理の関係を表した図。
【図11】実施形態2の画像データ処理部における処理の詳細を示すブロック図である。
【図12】連続紙の側端部のずれと画像のシフトとトリミングを示す図。
【図13】第2の実施形態における記録動作を示すフローチャートである。
【図14】本発明の他の実施形態に係る記録ヘッドのノズル配置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0012】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置の概略構成を示す図であり、図2は記録ヘッドの配列を模式的に示す平面図である。本実施形態のインクジェット記録装置1は、連続シートであるロール状に巻かれた連続紙(ロール紙)から引き出された連続紙に対して画像形成を行う。
【0013】
2Y、2M、2C、2Bkは連続記録媒体または記録媒体である連続紙の搬送方向(以下、主走査方向ともいう)と直交する方向に延在する連続紙の幅より長い長尺の記録ヘッドである。記録ヘッド2Y、2M、2C、2Bkは、相互に平行に配置したフルライン型インクジェット記録ヘッドである。本実施形態の記録装置では、連続紙の幅よりも+10mm長い記録ヘッドを用いる。しかし、記録ヘッドの長さは適宜決めることができる。ここで、2Yは、イエローインクを吐出する記録ヘッド、2Mはマゼンタインクを吐出する記録ヘッド、2Cはシアンインクを吐出する記録ヘッド、2Bkはブラックインクを吐出する記録ヘッドをそれぞれ示す。各記録ヘッドは、略同一の構成を有するものとなっており、以下の説明において、特に区別の必要がない場合には、これらをまとめて記録ヘッド2と記述する。また、それぞれの色の記録ヘッドは、図4にて後述するように、4つのノズル列を有している。各記録ヘッド2は、イエローインク、マゼンタインク、シアンインク、ブラックインクをそれぞれ貯留したインクタンク3Y、3M、3C、3Bk(以下、これらをまとめてインクタンク3と記述する)にそれぞれ接続配管4を介して接続されている。これらのインクタンク3は、接続配管4に対して取り外し可能となっている。
【0014】
回復処理のために、記録ヘッド2は制御装置9によって作動が制御されるヘッド移動手段10によってプラテン6と対向する方向において昇降することができる。記録ヘッド2は、無端の搬送ベルト5を挟むようにプラテン6と対向するとともに、各色の記録ヘッド2Y、2M、2C、2Bkは搬送用ベルト5による搬送方向に沿って所定間隔で配列されている。なお、記録ヘッド2には、インクを吐出するためのインク吐出口(ノズル)と、インクタンク3からのインクを一旦貯留する共通液室と、この共通液室から各吐出口へとインクを導くインク流路が設けられている。各インク流路内には、供給されるインクタンク吐出用の熱エネルギーを発生する吐出エネルギー発生素子としての電気熱変換体(ヒータ)が吐出口に対応して設けられている。各ヒータは、ヘッドドライバ2aによって駆動され、ヘッドドライバ2aは制御装置9に電気的に接続しており、この制御装置から送られるオン/オフ信号(吐出/不吐出信号)に応じてヒータの駆動が制御される。
【0015】
各記録ヘッド2の側方にはヘッドキャップ7が設けられ、これにより、インク流路内などに存在し得る増粘インクなどを、記録ヘッド2の吐出口から排出して記録ヘッドの回復処理を行うことができる。このヘッドキャップ7は、記録ヘッドの配列間隔に対して半ピッチずらした状態で配置され、制御装置9によって作動が制御されるキャップ移動手段8によって、それぞれ記録ヘッド2の直下に移動することができる。これによりヘッドキャップ7は、インク吐出口から排出される廃インクを受けることができる。
【0016】
連続紙Pを搬送するための搬送用ベルト5は、ベルト駆動モータ11に連結された駆動ローラに掛け渡され、制御装置9に接続されるモータドライバ12によってその作動が切り替えられる。また、搬送用ベルト5の上流側には帯電器13が設けられ、これにより、搬送用ベルト5を帯電して連続紙Pを搬送用ベルト5に密着させることができる。この帯電器13は制御装置9に接続される帯電器ドライバ13aによって、その通電のオン/オフが切り換えられる。一対の給送ローラ14,14は、搬送用ベルト5上に連続紙Pを供給する。この一対の給送ローラ14,14にはこれを回転させるための給送用モータ15が連結され、この給送用モータ15は、制御装置9に接続されるモータドライバ16によって作動が切り換えられる。
【0017】
連続紙の側端の位置を検出する検出手段21は、搬送経路の側端部に設けた検出センサ20により、連続紙の側端位置の変動を定期的に検出することができる。検出センサはCCDセンサ等を用いることができる。本実施形態では、図6で示すように1列が1024画素からなる受光素子が設けられており、連続紙の側端領域における反射光量をアナログ信号として出力される。そして予め決めたスレッショルドレベルによって2値化することで連続紙Pの側端位置を決めることができる。このときの受光素子の素子間隔は1200dpiとなるように調整してあるが、これに限らず連続紙Pの側端位置が算出できるように補間処理を行うことで素子間隔は適宜決めることが可能である。また本実施形態では、連続紙Pの側端の片側のみに検出センサ20を設ける構成をとったが、両側端位置にそれぞれ検出センサを設けることもできる。
【0018】
以上の装置において、連続紙Pに対する記録動作を行うときは、まず、各記録ヘッド2がプラテン6から離れるように上昇し、次いで、ヘッドキャップ7が各記録ヘッド2の直下に移動して回復処理を行う。その後、ヘッドキャップ7が元の待機位置へ移動する。その後、さらに記録ヘッド2が記録位置までプラテン側に移動する。そして、帯電器13を作動させると同時に搬送用ベルト5を駆動し、さらに給紙ローラ14、14によって連続紙Pを搬送用ベルト上に供給する。連続紙Pの側端位置を検出する検出手段の情報に基づいてトリミングされた画像データを各記録ヘッド2から吐出されるインクによってカラー画像が連続紙Pに記録される。
【0019】
なお、本発明を適用可能なインクジェット記録方式は、図1および図2に示したようなヒータを使用したインクジェット方式に限られない。例えば、インク滴を連続噴射するコンティニュアス型の場合には荷電制御型、発散制御型等が適用でき、また、必要に応じてインク滴を吐出するオンデマンド型の場合にはピエゾ振動素子の機械的振動によりインクを吐出する圧力制御方式等も適用できる。
【0020】
図3は、上述したインクジェット記録装置の制御系の構成を示すブロック図である。図3おいて、31はデジタルカメラ等の画像入力機器からの多値画像データやパーソナルコンピュータのハードディスク等に保存されている画像情報である多値画像データを入力する画像データ入力部を示す。32は各種パラメータの設定および記録開始を指示する各種キーを備えている操作部、33は記憶媒体中の各種プログラムに従って本記録装置全体を制御する制御部としてのCPUをそれぞれ示す。34は各種データを記憶する記憶部を示す。この記憶部34は、連続紙の種類に関する連続紙情報格納部34a、インクに関するインク情報格納部34b、記録時の温度、湿度などの環境に関する情報を格納する環境情報格納部34cを有している。さらに記憶部34は、各種制御プログラム群格納部34d、連続紙の斜行情報や画像ずらし処理をするときの閾値情報を格納する斜行情報格納部34eなどを有している。さらに、35は、記憶部34中の各種プログラムのワークエリア、エラー処理時の一時待避エリア及び画像処理時のワークエリアとして用いるRAMを示す。本実施形態の動作は、プログラムに従った処理による動作である。このプログラムを格納する記憶部34としては、ROM、FD、CD−ROM、HD、メモリカード、光磁気ディスクなどを用いることができる。また、RAM35は、記憶手段34の中の各種テーブルをコピーした後、そのテーブルの内容を変更し、この変更したテーブルを参照しながら画像処理を進めることもできる。
【0021】
36は処理手段である画像データ処理部を示す。画像データ処理部36では入力画像のサイズを調整した後、入力された多値画像データをN値の画像データに各画素毎に量子化し、その量子化された各画素が示す階調レベル“K”に対応する2値データのパターン(ドットパターン)を生成する。入力多値画像データのK値化処理は、誤差拡散法に限らず平均濃度保存法、ディザマトリックス法等、任意の中間調処理方法を用いることができる。そして連続紙の側端位置を検出した情報に基づいてドットパターンをトリミング処理する。37は、画像データ処理部36で生成されたドットパターンに基づいてインクを吐出し、連続紙上にドット画像を形成する画像記録部を示す。この画像記録部は、図1および図2に示した機構を有している。38は本装置内のアドレス信号、データ、制御信号などを伝送するバスラインを示す。
【0022】
図4(a)は、図1および図2に示した、1つのインク色(記録色)に対応した記録ヘッドにおけるノズル構成を示す図であり、図4(b)は、上記ノズル構成対応した画素エリアの配置を示す図である。
【0023】
図4(a)に示すように、1つのインク色に対応した記録ヘッド2は、それぞれ吐出量2.8plのインクを吐出する960個のノズルを1200dpi相当の間隔(略21.2μm間隔)で略一列に配置したノズル列42を、4列(A列〜D列)有する。同図において、Xは連続紙の搬送方向(主走査方向)を示し、Yはこれに交差するノズル配列方向を示す。
【0024】
本実施形態のフルライン型の記録装置では、記録ヘッドに対して図中X方向に搬送される連続紙に対し、それぞれのインク色について、記録ヘッド2の4つのノズル列A、B、C、Dの各ノズル42から記録データに従ってインクを吐出し記録を行う。図4(b)に示すように、ノズルからインクが吐出されて着弾する連続紙に対して想定される画素エリアは、Y方向の解像度がノズル配列の解像度と同じ1200dpiでX方向(連続紙の搬送方向)の解像度が同じく1200dpiで配列する。これらの解像度で画素エリアのマトリックス43が構成さている。このマトリクスにおけるそれぞれの画素エリアに対応してインクを吐出するかしないかを表す2値データ(ドットデータ)が生成される。マトリックス43において、画素エリアの各ラスタに1、2、3、・・・の番号を付し、画素エリアの各カラムにa、b、c、・・・の記号を付すことによって、マトリックスにおける画素エリアを特定することができる。すなわち、画素エリアは、(1、a)、(2、c)のように表記して特定することができる。具体的な記録動作では、図4(b)において、連続紙が搬送されるのに伴い、カラムa、b、c、・・・の順で、記録データが振り分けられたノズル列のノズルから、該当する画素エリアに対してインクが吐出される。
【0025】
なお、ドットデータはインクを吐出するかしないかを表す2値データに限らず、ドットの大きさの情報を含む多値データであってもよい。
【0026】
図5は、図3にて説明した画像データ処理部36における画像情報の処理の詳細を示すブロック図である。この画像情報の処理は、図5で示すように画像サイズ調整処理J0001、前段処理J0002、後段処理J0003、γ補正J0004、ハーフトーニングJ0005、ドット配置パターン化処理J006を有している。
【0027】
画像サイズ調整処理J0001は入力された画像情報の記録されたときの画像のサイズを調整する。画像情報が有していた記録されたときの画像サイズに対して予め決めた倍率に画像サイズを調整する。本実施形態の記録装置では、入力画像サイズに対して連続紙の幅方向が+10mmとなるようにサイズ調整した。これは第1の実施形態において、ヘッドの長さが連続紙に対して+10mmであるため、これ以上に画像サイズを拡大しても記録することができないからである。この場合は、連続紙Pの側端部を検出した側端位置が、この範囲を超えた場合は印刷を中断する等で対応することになる。
【0028】
要は、ヘッドで記録できる長さまで倍率を調整することができるが、この倍率は記録できる範囲内で適宜決めることができる。例えば連続紙の幅よりも画像の幅が大きくなるように画像サイズを拡大する。さらには、連続紙が斜行して標準の位置から幅方向にずれた場合であっても、そのずれ量が想定の範囲内であれば、画像が連続紙の左右両方の端部からはみ出すようなサイズに拡大する。過去に連続紙の端部の位置を検知して求めたずれ量の情報を統計的に処理して、発生しうる連続紙の幅方向のずれ量の範囲を想定することもできる。
【0029】
前段処理J0002は色域のマッピングを行う。sRGB規格の画像データR、G、Bによって再現される色域を、本実施形態の記録装置によって再現される色域内に写像するためのデータ変換を行う。具体的にはR、G、Bのそれぞれが8bitで表現されたデータを3次元のLUTを用いることにより、異なる内容のR、G、Bの8bitのデータに変換する。後段処理J0003は、上記色域のマッピングがなされたデータR、G、Bに基づき、このデータが表す色を再現するインクの組み合わせに対応した色分解データY、M、C、Kを求める処理を行う。ここでは前段処理と同様に、3次元LUTにて補間演算を併用して行うものとする。γ補正J0004は、後段処理J0003によって求められた色分解データの各色のデータごとにその階調値変換を行う。具体的には、記録装置の各色インクの階調特性に応じた1次元LUTを用いることにより上記色分解データが記録装置の階調特性に線形的に対応づけられるような変換を行う。ハーフトーニングJ0005は、8ビットの色分解データY、M、C、Kそれぞれについて4ビットのデータに変換する量子化を行う。本実施形態では、誤差拡散法を用いて256階調の8ビットデータを、解像度600dpiで9階調の4ビットデータに変換する。この4ビットデータは、記録装置におけるドット配置のパターン化処理における配置パターンを示すためのインデックスとなるデータである。
【0030】
次に、ドット配置パターン化処理J0006を行う。上述したハーフトーン処理では、256値の多値濃度情報(8ビットデータ)を9値の階調値情報(4ビットデータ)までにレベル数を下げる。しかし、実際に本実施形態のインクジェット記録装置が記録できる情報は、インクを記録するか否かの2値情報である。ドット配置パターン化処理では、0〜8の多値レベルをドットの有無を決定する2値レベルまで低減する役割を果たす。具体的には、このドット配置パターン化処理J0006では、ハーフトーン処理部からの出力値であるレベル0〜9の4ビットデータで表現される画素毎に、その画素の階調値(階調レベル0〜8)に対応したドット配置パターンを割当てる。
【0031】
次にドット配置パターンによってノズル列ごとに振り分けられた(ノズル指定情報を持った)ドットデータ101は、記録する直前に連続紙Pの側端位置を検出した情報に基づいて画像データの一部を“1”から“0”に書き換えるトリミング処理がなされる。トリミング処理するための連続紙Pの側端位置を検出するタイミングはできるだけ記録するタイミングと合わせることが良い。そのために本実施形態ではドット配置パターン化処理が終了した直後に連続紙Pの側端位置を検出している。あるいは、連続紙Pの側端位置の検出タイミングはドット配置パターン化処理の最中でもよいが、可能な限り終了直前が好ましい。
【0032】
図7は、トリミング処理の概念を表している。まず連続紙Pの側端位置を検出した情報と、記録に際して既知である連続紙からもう一方の側端位置を算出する。ドットデータ101に対して、検出結果であるこの2つの側端位置と設定した白余白量(縁あり)からトリミング量を決定して新たなドットデータ102を生成する。
【0033】
また図8は、トリミング処理のフローチャートを表している。ドットデータ101に対してトリミング処理するためのトリミング量は、連続紙Pの側端位置を検出した情報と、設定した白余白量(縁あり)と、サイズ調整した倍率から、図7で示すような左右両端部のトリミング量がそれぞれ決定されることになる。
【0034】
図7で具体的な処理の例をあげる。例えば連続紙の幅がWp(152.4mm)であるとすると、画像のドットデータ101の幅は連続紙の幅より10mm大きいWd(162.4mm)(解像度1200dpiで7672画素、以下画素表示は同解像度)に調整される(Wd>Wp)。白余白量をMs(4mm)(189画素)とする。そして、検出センサの中心位置に連続紙の側端部がきたときにズレがない状態(原点)として、プラス側は図7で連続紙が右側へシフトしているとする。
【0035】
連続紙の側端部にずれがない場合は、サイズ調整した+10mmの半分である5mm(236画素)と白余白量4mm(189画素)を合わせた9mm分を画像の右側端から削り、吐出しないようにドットデータを書き換える。式で表すと右側端の吐出しない幅は(Wd−Wp)×1/2+Msとなる。同様にドットデータ101の左側に対して、サイズ調整した+10mmの残り半分である5mm(236画素)と白余白量4mm(189画素)を合わせた9mm分(425画素)を吐出しないようにドットデータを書き換える。式は右側端と同様である。このようにすることで、連続紙には、連続紙に対して白余白が4mmとなる新たなドットデータ102を生成する。
【0036】
また例えば、連続紙Pの側端位置を検出する検出手段の情報から連続紙の側端部がLs(+3mm)(142画素)だけ原点からズレた状態であったする。このときはドットデータ101の右側に対して、サイズ調整分の半分である5mmと白余白量4mmから+3mm(142画素)を引いた6mm分(283画素)を吐出しないようにドットデータを書き換える。インクを吐出しない幅を式で表すと(Wd−Wp)×1/2+Ms−Lsとなる。ドットデータ101の左側に対しては、サイズ調整分の半分である5mmと白余白量4mmに+3mm(142画素)を加えた12mm分(567画素)を吐出しないように“1”のドットデータを“0”に書き換える。インクを吐出しない幅を式で表すと(Wd−Wp)×1/2+Ms+Lsとなる。このようにすることで、連続紙には、連続紙に対して白余白が4mmとなる新たなドットデータ102を生成する。
【0037】
上記の例は連続紙が想定された範囲で幅方向にずれても画像が連続紙の両側端部から幅方向にはみ出すようなサイズになるような倍率で画像を拡大した。しかし、連続紙が想定された範囲で幅方向にずれても画像が連続紙の両側端部に設定された余白部分にはみ出すようなサイズに画像を拡大してもよい。
【0038】
このドットデータ102は画像記録部37(図3)のヘッド駆動回路(図5)に送られ、記録ヘッドの各ノズル列から吐出を行う際、ノズル列相互の間隔に対応して吐出タイミングをずらしてそれぞれのノズル列からインク吐出を行う。以上のように連続紙Pの側端位置を検出した情報に基づいてトリミング処理を行うことで、連続紙の斜行に対して適正な位置に画像を記録することができる。
【0039】
このように、本実施形態では、連続紙に形成される画像の幅が連続紙の幅よりも大きくなるように拡大された画像に画像データを書き換える。そして、連続紙の側端の位置情報に基づいて連続紙の両側端に所定幅の余白ができるように、画像の両側端部の領域は吐出しないように画像データをさらに書き換える。
【0040】
図9はインクジェット記録装置1の記録動作を示すフローチャートである。ステップS1では画像データ入力部31を用いて画像データを取得する。ステップS2では取得した画像データのサイズを所定の倍率で拡大する。ステップS3取得した画像データをドットデータにまで変換する画像処理を開始する。ステップS4にてドットデータへの変換が終了したら、ステップS5で検出手段21を用いて連続紙Pの側端位置情報を取得する。ステップS6では取得した側端位置情報に基づいて、連続紙の両端部に所定の余白を形成するためにドットデータの一部を書き換える。
【0041】
このように、予め画像を連続紙より少し大きめにサイズ調整しておいて、この画像データに対して各種の補正処理を行う。そして、2値化処理された後の画像データに対して、検知手段から連続紙の側端位置情報に基づいて、画像の一部を切り取るトリミング処理を行うので、ロール紙に対して適正な位置に画像を記録することができる。
【0042】
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態で用いる斜行補正は、記録ヘッドの記録できる幅と、ロール紙Pの斜行量に対して冗長させた画像サイズに調整することになり、トリミング量が多くなる懸念があるため、入力画像の周囲が欠落する量が多くなってしまう可能性がある。
【0043】
そこで、実施形態2では、検出手段からの出力情報を保持しておくメモリ手段と、画像データの記録位置をずらす画像シフト手段を新たに設けた。かかる構成をとることで、記録する画像サイズに対して予め決めた倍率に画像サイズを調整する倍率を小さく抑えるか、画像を拡大しないことが可能となる。つまり、記録装置の個体差となる斜行状態をメモリ手段に事前に保持しておくことで、複数の画像データを画像ずらし処理によって粗調補正できるため、画像サイズの調整倍率を小さく抑えることでき、且つトリミング量は少なくなる。図9は、その概念を表したものである。
【0044】
第2の実施形態でのサイズ調整手段では、調整倍率を小さく抑えるために、第1の実施形態に画像シフト手段を併用する。ここでの調整倍率は、画像ずらし処理による粗調補正に対して、微調補正しなければならないトリミング量によって決定することが好ましい。これは構成する記録装置の再現性に依存するところがあり、事前に斜行状態の再現ばらつきを求めておき、この再現ばらつきを考慮して調整倍率とすることが望ましい。
【0045】
図10(a)は、記録装置の個体差となるある期間での斜行状態をメモリ手段に事前に保持したデータを表している。ここでは各画像データの記録を行う領域毎に1点データとしており、連続紙Pが事前にどのような斜行状態を辿ったかが分かる。図10(a)では連続紙Pが搬送されるに従って連続紙の幅方向の位置すれ量がLs1、Ls2、Ls3と変化している様子が示されている。例えば、このような連続紙の位置ずれ量がサインカーブのように左右に周期的に発生する傾向があるとすれば、そのデータによって次にロール紙Pを搬送するとき、どのタイミングで連続紙の端部がどの位置にあるかが予測できる。メモリ手段に、事前にデータを保持するタイミングは、テスト搬送することによってロール紙Pの側端部を検出した情報でもよく、また過去の実印字によるロール紙Pの側端部を検出した情報でもよく、また工場出荷時によるデータ入力でも良い。そして、これらの組合せであってもよく、適宜更新される仕組みを組み込んでも良い。位置ずれ量の変化が式で算出できるような周期的なものであれば式で算出して位置ずれ量を記録媒体の予測位置情報として取得してもよい。あるいは位置ずれ量をテーブルのデータとして保存し、テーブルから読み出して位置ずれ量を記録媒体の予測位置情報として取得してもよい。
【0046】
一方、予測値に対して現実の位置ずれ量のばらつきは、トリミング処理によって微調補正が行われる。よってヘッドが記録できる領域までロール紙Pが斜行したときの再現ばらつきを、サイズ調整手段の調整倍率に盛り込んでおくことが好ましい。例えば、図10(a)にある再現ばらつきを±1mmとした場合は、入力画像サイズに対してロール紙の幅方向が少なくとも+2mm以上となるようにサイズ調整すれば良いことになる。ここでの調整倍率は、複数の画像で固定として説明をしたが、斜行量の状態の再現ばらつきの推定によっては、画像毎に可変であっても構わない。例えば、図10(a)のように斜行量の予測値が大きくなるにつれて、再現ばらつきも大きくなるのであれば、画像毎に調整倍率を異ならせることが可能である。あるいは画像サイズの調整を省略してもよい。
【0047】
次に、このようにサイズ調整された画像データに対し、画像形成時(記録ヘッドからインクが吐出されている時)の連続紙の予測位置情報に従って、図10(b)のように画像の記録位置を紙幅方向にずらす画像シフト処理を行う。図10(b)では連続紙の位置がLs1、Ls2、Ls3とずれてゆくことが予想された場合、画像の記録位置をLs1、Ls2、Ls3とずらす処理が行われたことを示している。図11で示した画像シフト手段J0000は、画像サイズ調整手段の前で処理することとしたが、画像サイズ調整手段の後であっても構わない。そして、このように画像シフト処理された画像データは、実施形態1で説明したような画像データ処理部36でドット配置パターン化処理J0006まで処理される。ドット配置パターン化処理が終了したら検出手段21を用いて連続紙Pの現実の側端位置情報を取得する。最後に取得した現実の側端位置情報に基づき、記録される画像位置を適正な位置となるように画像の側端部の領域のデータを“1”から“0”に書き換えるトリミング処理によって微調補正を行う。
【0048】
例えば、図12に示すように連続紙の幅がWp、画像の幅がWdであるとする。連続紙の側端部がずれのない理想的な標準位置IからLs(右にずれた場合が正)だけずれると予測し、粗調整として画像の位置を幅方向にLsずらしてD1の位置に変更したとする。検出手段21を用いて検出した現実の連続紙の位置ずれもLsでP1の位置であったとすると画像の中心と連続紙の中心が一致する理想位置に画像が形成される。この場合画像の両側端から(Wd−Wp)×1/2+Msの幅の領域は画像が形成されないようにドットデータを書き換える。なおWd−Wpは負の値でも正の値でもよいが、(Wd−Wp)×1/2+Msは正の値になるようにWd、Wp、Msの値は設定される。また、検出手段21を用いて検出した現実の連続紙の位置ずれがLs+dでP2の位置であったとする(dは予測値に対するばらつき)。この場合微調整として画像の位置をさらにdだけずらしてD2の位置に移動する。トリミングの幅もdだけ調整し、D2の画像からTで示す2点鎖線の外側の領域の画像を消す。画像の右側の端部は(Wd−Wp)×1/2+Ms−dの幅の領域は画像が形成されないようにドットデータを書き換える。画像の左側の端部は(Wd−Wp)×1/2+Ms+dの幅の領域は画像が形成されないようにドットデータを書き換える。
【0049】
以上の処理によりドットデータとなって、画像記録部37(図3)のヘッド駆動回路(図5)に送られ、記録ヘッドの各ノズル列から吐出を行う際、ノズル列相互の間隔に対応して吐出タイミングをずらしてそれぞれのノズル列からインク吐出を行う。このようにロール紙Pの側端位置を検出した情報に基づいて画像シフト処理、およびトリミング処理を行うことで、ロール紙の斜行に対して適正な位置に画像を記録することができる。
【0050】
図13は第2の実施形態におけるインクジェット記録装置1の記録動作を示すフローチャートである。ステップS11では画像データ入力部31を用いて画像データを取得する。ステップS12では取得した画像データのサイズを所定の倍率で拡大する。なお、ステップS12は省略してもよい。ステップS13ではテーブルや式を用いて連続紙の予測位置情報を取得する。この位置の予測情報は、記録ヘッドによる画像形成開始時(画像形成のためのインク吐出開始時)の予測位置情報でもよい。画像形成が半分終了した時点の予測位置情報でもよい。いずれにせよ実際に記録ヘッドがインクを吐出することによって画像を形成しているときの連続紙の予測位置情報を取得する。ステップS14では取得した予測位置情報に基づいて画像の位置を幅方向にずらす粗調整を行う。ステップS15では画像データをドットデータにまで変換する画像処理を開始する。ステップS16にてドットデータへの変換が終了したら、ステップS17では検出手段21を用いて連続紙Pの側端位置情報を取得する。ステップS18では取得した側端位置情報に基づいて、連続紙の両端部に所定の余白を形成するためにドットデータの一部を書き換える。
【0051】
上記実施形態では事前に連続紙の斜行のデータをメモリに保存し、その斜行データに基づいて連続紙の位置を予測する位置予測プログラム(取得手段)を備えている。予測された連続紙の位置に応じて画像の位置が斜行方向にずれるように画像データを書き換えている。これに対して画像のドットデータへの変換処理前に検知手段21を用いてその時点での連続紙Pの側端位置情報を取得し、取得した側端位置情報に基づいて画像の位置のシフトを行っても良い。その場合は図13のフローチャートのステップS13では連続紙の予測位置情報ではなく、検知手段21を用いて連続紙Pの側端位置情報を取得する。
【0052】
上述の各実施形態では、画像を適正な位置に記録することを説明してきた。ロール紙の幅、記録ヘッドの記録できる幅、画像サイズ調整における調整倍率、そしてロール紙の側端位置を検出するセンサの長さによって、斜行量に対応できる閾値を求めることができる。例えば、実施形態1においては、画像調整を+10mmとしたため、ロール紙の側端位置の標準位置からのずれは±5mmまで対応できる。±5mmを閾値とし、ロール紙の側端位置が閾値以上に変化した場合は、補正困難になるため記録を中止する機能を有することが必要となる。ここでは実施形態1に即して説明したが、その閾値は装置構成によって適宜決めることができる。
【0053】
また上述の実施形態2では、検知手段の検知間隔を各画像データ毎としたが、検知間隔はより細かく刻むことも、より大きく刻むことも可能であり、更に検知したデータを補間して扱うこともできる。またトリミング処理も各画像毎ではなく、検知間隔に従って各画像内でのトリミング処理を行うこともできる。
【0054】
また上述の本実施形態では、図4(a)に示されるように記録ヘッド内に複数列を併設する形態で説明したが、この形態に限られるものではない。例えば、図14に示すように、複数のノズル列を有するノズルチップを複数有する形態であっても良い。図14では記録ヘッド2は複数のチップ201、202、203、204、205を備え、各チップは複数のノズル列を備えている。隣り合うチップは記録媒体の搬送方向にずれた位置に配置されている。また、隣接するチップの端部領域のノズルは用紙の搬送方向に重なっている。このような記録ヘッドでは各チップのノズルが重なる領域でチップの側端に近いほど使用ノズルを少なくして、チップが変わることによる画質の変化を目立たなくする処理が行われる。このような処理には時間がかかるため、記録開始時またはその直前の連続紙の側端位置を検出してから画像の位置をずらす処理を行うのは難しい。上記実施形態では、連続紙の側端位置検出までにドット配置パターン化まで画像処理を終了させ、側端位置検出後はドットデータの一部を”0”に書き換える処理を行う。よって、記録直前に連続紙の側端位置を検出しその情報に基づいて連続紙の適正な位置に画像を形成することができる。
【0055】
さらには、全幅をカバーするノズル列を1つのチップに形成した形態でも良く、また各記録ヘッドに1列のノズル列を形成して各色で複数の記録ヘッドを備えた形態でも良い。
【0056】
また上述の各実施形態は、1つの記録装置として説明したが、例えば、図5に示したドット配置パターン化処理までをパーソナルコンピュータで実行し、最終的に得られたドットデータを記録装置に送って記録を行う記録システムの形態であっても良い。
【符号の説明】
【0057】
1 インクジェット記録装置
2 記録ヘッド
31 画像データ入力部
33 CPU
34 記憶部
35 RAM
36 画像データ処理部
37 画像記録部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体を搬送する搬送手段と、
画像情報から、画像形成のためのドットデータを生成する処理手段と、
前記搬送手段によって搬送される記録媒体の上に、前記処理手段によって生成されたドットデータに基づいて画像を形成する画像形成手段と、
前記搬送手段によって搬送される記録媒体の側端を検出する検出手段と、を有し、
前記処理手段は、取得した画像情報の画像の大きさを記録媒体の両側端に形成される余白にはみ出す大きさに拡大してから画像情報をドットデータに変換し、次いで、前記検出手段の検出結果に基づいて、画像の前記余白にはみ出す部分は画像形成されないように前記ドットデータを処理することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記処理手段は、取得した画像情報の画像の大きさを記録媒体の両側端からはみ出す大きさに拡大してから画像情報をドットデータに変換する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
記録媒体の側端の位置の情報は、前記処理手段が画像情報をドットデータに変換した後に、前記検出手段によって取得する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
記録媒体の側端の位置の情報は、前記処理手段が画像情報をドットデータに変換する処理が終了する直前に、前記検出手段によって取得する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記画像形成手段はフルライン型インクジェット記録ヘッドを有する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記検出手段によって検出された記録媒体の側端の位置が標準位置から所定の閾値よりもずれていた場合は画像形成を中止することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記記録媒体は連続シートである請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項8】
入力された画像情報の画像の大きさを記録媒体の両側端に形成される余白にはみ出す大きさに拡大し、
前記拡大された画像情報をドットデータに変換し、
前記ドットデータへの変換が終了した後に、記録媒体の側端を検出し、
検出結果に基づいて、前記余白にはみ出す部分は画像形成されないように前記ドットデータを処理し、
前記処理されたドットデータに基づいて記録媒体の上に画像を形成する画像形成方法。
【請求項9】
記録媒体を搬送する搬送手段と、
画像情報から、画像形成のためのドットデータを生成する処理手段と、
前記搬送手段によって搬送される記録媒体の上に、前記処理手段によって生成されたドットデータに基づいて画像を形成する画像形成手段と、
前記搬送手段によって搬送される前記記録媒体の側端を検出する検出手段と、
前記記録媒体の予測位置情報を取得する取得手段と、
を有し、
前記処理手段は、前記取得手段によって取得した前記予測位置情報に基づいて前記画像情報の画像の位置を変更してから画像情報をドットデータに変換し、次いで、前記検出手段の検出結果に基づいて、画像の記録媒体の両側端に形成される余白にはみ出す部分は画像形成されないように、前記ドットデータを処理することを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
前記処理手段は、取得した画像情報の画像の大きさを記録媒体の両側端部に形成される余白にはみ出す大きさに拡大してから画像情報をドットデータに変換する請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記処理手段は、取得した画像情報の画像の大きさを記録媒体の両側端からはみ出す大きさに拡大してから画像情報をドットデータに変換する請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項12】
記録媒体の側端の位置の情報は、前記処理手段が画像情報をドットデータに変換した後に、前記検出手段によって取得する請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項13】
記録媒体の側端の位置の情報は、前記処理手段が画像情報をドットデータに変換する処理が終了する直前に、前記検出手段によって取得する請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記取得手段は、前記画像形成手段が記録媒体に画像を記録しているときの前記記録媒体の予測位置情報を取得する請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記取得手段は、前記画像形成手段が記録媒体への画像の記録を開始したときの前記記録媒体の予測位置情報を取得する請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項16】
記録媒体を搬送する搬送手段と、
画像情報から、画像形成のためのドットデータを生成する処理手段と、
前記搬送手段によって搬送される記録媒体の上に、前記処理手段によって生成されたドットデータに基づいて画像を形成する画像形成手段と、
前記搬送手段によって搬送される記録媒体の側端を検出する検出手段と、
を有し、
前記処理手段は、前記検出手段の検出結果に基づいて、前記画像情報の画像の位置を変更してからドットデータに変換し、次いで、画像の記録媒体の両側端に形成される余白にはみ出す部分は画像形成されないように、画像情報の変換を開始した後に再び前記検出手段の検出結果に基づいて、ドットデータを処理する画像形成装置。
【請求項17】
前記処理手段は、取得した画像情報の画像の大きさを記録媒体の両側端部に形成される余白にはみ出す大きさに拡大してから画像情報をドットデータに変換する請求項16に記載の画像形成装置。
【請求項18】
前記処理手段は、取得した画像情報の画像の大きさを記録媒体の両側端からはみ出す大きさに拡大してから画像情報をドットデータに変換する請求項16に記載の画像形成装置。
【請求項19】
記録媒体の側端の位置の情報は、前記処理手段が画像情報をドットデータに変換した後に、前記検出手段によって取得する請求項16に記載の画像形成装置。
【請求項20】
記録媒体の側端の位置の情報は、前記処理手段が画像情報をドットデータに変換する処理が終了する直前に、前記検出手段によって取得する請求項16に記載の画像形成装置。
【請求項1】
記録媒体を搬送する搬送手段と、
画像情報から、画像形成のためのドットデータを生成する処理手段と、
前記搬送手段によって搬送される記録媒体の上に、前記処理手段によって生成されたドットデータに基づいて画像を形成する画像形成手段と、
前記搬送手段によって搬送される記録媒体の側端を検出する検出手段と、を有し、
前記処理手段は、取得した画像情報の画像の大きさを記録媒体の両側端に形成される余白にはみ出す大きさに拡大してから画像情報をドットデータに変換し、次いで、前記検出手段の検出結果に基づいて、画像の前記余白にはみ出す部分は画像形成されないように前記ドットデータを処理することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記処理手段は、取得した画像情報の画像の大きさを記録媒体の両側端からはみ出す大きさに拡大してから画像情報をドットデータに変換する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
記録媒体の側端の位置の情報は、前記処理手段が画像情報をドットデータに変換した後に、前記検出手段によって取得する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
記録媒体の側端の位置の情報は、前記処理手段が画像情報をドットデータに変換する処理が終了する直前に、前記検出手段によって取得する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記画像形成手段はフルライン型インクジェット記録ヘッドを有する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記検出手段によって検出された記録媒体の側端の位置が標準位置から所定の閾値よりもずれていた場合は画像形成を中止することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記記録媒体は連続シートである請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項8】
入力された画像情報の画像の大きさを記録媒体の両側端に形成される余白にはみ出す大きさに拡大し、
前記拡大された画像情報をドットデータに変換し、
前記ドットデータへの変換が終了した後に、記録媒体の側端を検出し、
検出結果に基づいて、前記余白にはみ出す部分は画像形成されないように前記ドットデータを処理し、
前記処理されたドットデータに基づいて記録媒体の上に画像を形成する画像形成方法。
【請求項9】
記録媒体を搬送する搬送手段と、
画像情報から、画像形成のためのドットデータを生成する処理手段と、
前記搬送手段によって搬送される記録媒体の上に、前記処理手段によって生成されたドットデータに基づいて画像を形成する画像形成手段と、
前記搬送手段によって搬送される前記記録媒体の側端を検出する検出手段と、
前記記録媒体の予測位置情報を取得する取得手段と、
を有し、
前記処理手段は、前記取得手段によって取得した前記予測位置情報に基づいて前記画像情報の画像の位置を変更してから画像情報をドットデータに変換し、次いで、前記検出手段の検出結果に基づいて、画像の記録媒体の両側端に形成される余白にはみ出す部分は画像形成されないように、前記ドットデータを処理することを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
前記処理手段は、取得した画像情報の画像の大きさを記録媒体の両側端部に形成される余白にはみ出す大きさに拡大してから画像情報をドットデータに変換する請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記処理手段は、取得した画像情報の画像の大きさを記録媒体の両側端からはみ出す大きさに拡大してから画像情報をドットデータに変換する請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項12】
記録媒体の側端の位置の情報は、前記処理手段が画像情報をドットデータに変換した後に、前記検出手段によって取得する請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項13】
記録媒体の側端の位置の情報は、前記処理手段が画像情報をドットデータに変換する処理が終了する直前に、前記検出手段によって取得する請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記取得手段は、前記画像形成手段が記録媒体に画像を記録しているときの前記記録媒体の予測位置情報を取得する請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記取得手段は、前記画像形成手段が記録媒体への画像の記録を開始したときの前記記録媒体の予測位置情報を取得する請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項16】
記録媒体を搬送する搬送手段と、
画像情報から、画像形成のためのドットデータを生成する処理手段と、
前記搬送手段によって搬送される記録媒体の上に、前記処理手段によって生成されたドットデータに基づいて画像を形成する画像形成手段と、
前記搬送手段によって搬送される記録媒体の側端を検出する検出手段と、
を有し、
前記処理手段は、前記検出手段の検出結果に基づいて、前記画像情報の画像の位置を変更してからドットデータに変換し、次いで、画像の記録媒体の両側端に形成される余白にはみ出す部分は画像形成されないように、画像情報の変換を開始した後に再び前記検出手段の検出結果に基づいて、ドットデータを処理する画像形成装置。
【請求項17】
前記処理手段は、取得した画像情報の画像の大きさを記録媒体の両側端部に形成される余白にはみ出す大きさに拡大してから画像情報をドットデータに変換する請求項16に記載の画像形成装置。
【請求項18】
前記処理手段は、取得した画像情報の画像の大きさを記録媒体の両側端からはみ出す大きさに拡大してから画像情報をドットデータに変換する請求項16に記載の画像形成装置。
【請求項19】
記録媒体の側端の位置の情報は、前記処理手段が画像情報をドットデータに変換した後に、前記検出手段によって取得する請求項16に記載の画像形成装置。
【請求項20】
記録媒体の側端の位置の情報は、前記処理手段が画像情報をドットデータに変換する処理が終了する直前に、前記検出手段によって取得する請求項16に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−192736(P2012−192736A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−43468(P2012−43468)
【出願日】平成24年2月29日(2012.2.29)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年2月29日(2012.2.29)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]