説明

画像形成装置および画像形成装置用アプリケーションプログラム

【課題】 Webブラウザーによる画面の切り替わり速度を従来より向上することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】 マークアップ言語で記述された文書であるマークアップ文書に基づいて表示部に情報を表示させるWebブラウザーと、Webブラウザーにマークアップ文書を送信するWebサーバーとを備えている画像形成装置は、WebサーバーによってWebブラウザーに送信されるマークアップ文書を生成する文書生成手段と、WebブラウザーからWebサーバーに送信された情報に応じた動作を実行する動作実行手段とを備えており、文書生成手段は、Webブラウザーによって表示部に表示させる画面41〜43の情報と、操作部に入力された操作に応じて画面を切り替えるためのリンクの情報とを含んでいるマークアップ文書を生成することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マークアップ言語で記述された文書であるマークアップ文書に基づいて表示部に情報を表示させるWebブラウザーと、Webブラウザーにマークアップ文書を送信するWebサーバーとを備えている画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、操作が入力される操作部と、情報を表示する表示部と、マークアップ言語で記述された文書であるマークアップ文書に基づいて表示部に情報を表示させるWebブラウザーと、Webブラウザーにマークアップ文書を送信するWebサーバーとを備えている画像形成装置であって、Webブラウザーは、操作部に入力された操作に応じた情報をWebサーバーに送信する画像形成装置が知られている(例えば特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−55075号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の画像形成装置は、Webブラウザーによって画面が切り替わる度に、Webブラウザーと、Webサーバーとの間でマークアップ文書などの情報の送受信を実行するので、情報の送受信に必要な時間のために画面の切り替わりが遅いという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、Webブラウザーによる画面の切り替わり速度を従来より向上することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像形成装置は、操作が入力される操作部と、情報を表示する表示部と、マークアップ言語で記述された文書であるマークアップ文書に基づいて前記表示部に情報を表示させるWebブラウザーと、前記Webブラウザーに前記マークアップ文書を送信するWebサーバーとを備えており、前記Webブラウザーは、前記操作部に入力された操作に応じた情報を前記Webサーバーに送信する画像形成装置であって、前記Webサーバーによって前記Webブラウザーに送信される前記マークアップ文書を生成する文書生成手段と、前記Webブラウザーから前記Webサーバーに送信された情報に応じた動作を実行する動作実行手段とを備えており、前記文書生成手段は、前記Webブラウザーによって前記表示部に表示させる複数の画面の情報と、前記操作部に入力された操作に応じて前記画面を切り替えるためのリンクの情報とを含んでいる前記マークアップ文書を生成することを特徴とする。
【0007】
この構成により、本発明の画像形成装置は、WebサーバーからWebブラウザーに送信される1つのマークアップ文書内に、Webブラウザーによって表示部に表示させる複数の画面の情報と、操作部に入力された操作に応じて画面を切り替えるためのリンクの情報とを含めるので、Webブラウザーによって画面が切り替わる場合に、切り替わり前の画像と、切り替わり後の画像とが同一のマークアップ文書に含まれていれば、Webブラウザーと、Webサーバーとの間で通信を実行しなくても良い。したがって、本発明の画像形成装置は、Webブラウザーによる画面の切り替わり速度を従来より向上することができる。
【0008】
また、本発明の画像形成装置の前記Webブラウザーは、前記表示部における情報の表示領域の大きさが固定であり、前記文書生成手段は、前記画面の大きさを前記表示領域の大きさと同一にしても良い。
【0009】
この構成により、本発明の画像形成装置は、複数の画面を含んでいるマークアップ文書内の1つの画面がWebブラウザーによって表示されている場合に、そのマークアップ文書内の他の画面が利用者に認識されることを防止することができる。
【0010】
また、本発明の画像形成装置の前記Webブラウザーと、前記Webサーバーとは、別々の基板に搭載されていても良い。
【0011】
この構成の場合、本発明の画像形成装置は、Webブラウザーと、Webサーバーとが同一の基板に搭載されている構成と比較して、Webブラウザーと、Webサーバーとの間で情報の送受信に必要な時間が長いので、Webブラウザーによる画面の切り替わり速度を向上する意義が大きい。
【0012】
本発明の画像形成装置用アプリケーションプログラムは、操作が入力される操作部と、情報を表示する表示部と、マークアップ言語で記述された文書であるマークアップ文書に基づいて前記表示部に情報を表示させるWebブラウザーと、前記Webブラウザーに前記マークアップ文書を送信するWebサーバーとを備えている画像形成装置であって、前記Webブラウザーは、前記操作部に入力された操作に応じた情報を前記Webサーバーに送信する前記画像形成装置によって実行される画像形成装置用アプリケーションプログラムであって、前記Webサーバーによって前記Webブラウザーに送信される前記マークアップ文書を生成する文書生成ステップと、前記Webブラウザーから前記Webサーバーに送信された情報に応じた動作を実行する動作実行ステップとを前記画像形成装置に実行させ、前記文書生成ステップは、前記Webブラウザーによって前記表示部に表示させる複数の画面の情報と、前記操作部に入力された操作に応じて前記画面を切り替えるためのリンクの情報とを含んでいる前記マークアップ文書を生成するステップであることを特徴とする。
【0013】
この構成により、本発明の画像形成装置用アプリケーションプログラムを実行する画像形成装置は、WebサーバーからWebブラウザーに送信される1つのマークアップ文書内に、Webブラウザーによって表示部に表示させる複数の画面の情報と、操作部に入力された操作に応じて画面を切り替えるためのリンクの情報とを含めるので、Webブラウザーによって画面が切り替わる場合に、切り替わり前の画像と、切り替わり後の画像とが同一のマークアップ文書に含まれていれば、Webブラウザーと、Webサーバーとの間で通信を実行しなくても良い。したがって、本発明の画像形成装置用アプリケーションプログラムを実行する画像形成装置は、Webブラウザーによる画面の切り替わり速度を従来より向上することができる。
【0014】
また、本発明の画像形成装置用アプリケーションプログラムの前記Webブラウザーは、前記表示部における情報の表示領域の大きさが固定であり、前記文書生成ステップは、前記画面の大きさを前記表示領域の大きさと同一にするステップであっても良い。
【0015】
この構成により、本発明の画像形成装置用アプリケーションプログラムを実行する画像形成装置は、複数の画面を含んでいるマークアップ文書内の1つの画面がWebブラウザーによって表示されている場合に、そのマークアップ文書内の他の画面が利用者に認識されることを防止することができる。
【0016】
また、本発明の画像形成装置用アプリケーションプログラムの前記Webブラウザーと、前記Webサーバーとは、別々の基板に搭載されていても良い。
【0017】
この構成の場合、本発明の画像形成装置用アプリケーションプログラムを実行する画像形成装置は、Webブラウザーと、Webサーバーとが同一の基板に搭載されている構成と比較して、Webブラウザーと、Webサーバーとの間で情報の送受信に必要な時間が長いので、Webブラウザーによる画面の切り替わり速度を向上する意義が大きい。
【発明の効果】
【0018】
本発明の画像形成装置は、Webブラウザーによる画面の切り替わり速度を従来より向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施の形態に係るMFPのブロック図である。
【図2】図1に示すパネル制御部およびメイン制御部の機能のブロック図である。
【図3】図2に示すWebブラウザーによる表示の一例を示す図である。
【図4】図2に示すアプリケーションの動作のフローチャートである。
【図5】図2に示す文書生成手段によって生成されるマークアップ文書によって表現されるページの一例を示す図である。
【図6】マークアップ文書に基づいた図2に示すWebブラウザーの動作のフローチャートである。
【図7】(a)図1に示す表示部に表示される画面の一例を示す図である。(b)図1に示す表示部に表示される画面であって、図7(a)に示す画面とは異なる画面の一例を示す図である。(c)図1に示す表示部に表示される画面であって、図7(a)および図7(b)に示す画面とは異なる画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0021】
まず、本実施の形態に係る画像形成装置の構成について説明する。
【0022】
図1は、本実施の形態に係る画像形成装置としてのMFP(Multifunction Peripheral)10のブロック図である。
【0023】
図1に示すように、MFP10は、利用者による種々の操作が入力されるボタンなどの入力デバイスである操作部11aと、種々の情報を表示するLCD(Liquid Crystal Display)などの表示デバイスである表示部11bとを備えているパネル11、プログラムおよび各種のデータを記憶しているEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)などの記憶デバイスである記憶部12と、用紙に印刷を実行する印刷デバイスであるプリンター13と、原稿から画像を読み取る読取デバイスであるスキャナー14と、図示していない外部のファクシミリ装置と公衆電話回線などの通信回線経由でファックス通信を行うファックスデバイスであるファックス通信部15と、LAN(Local Area Network)、インターネットなどのネットワーク経由でPC(Personal Computer)などの外部の装置と通信を行うネットワーク通信デバイスであるネットワーク通信部16と、パネル11を制御するパネル制御部21を備えているパネル基板20と、MFP10全体を制御するメイン制御部31を備えているメイン基板30とを備えている。
【0024】
記憶部12は、HTML(HyperText Markup Language)、XML(Extensible Markup Language)などのマークアップ言語で記述された文書である後述のマークアップ文書12dに基づいて表示部11bに情報を表示させる後述のWebブラウザー21aのプログラムであるWebブラウザープログラム12aと、Webブラウザー21aにマークアップ文書12dを送信する後述のWebサーバー31aのプログラムであるWebサーバープログラム12bと、MFP10によって実行される画像形成装置用アプリケーションプログラムとしてのアプリケーションプログラム12cとを記憶している。また、記憶部12は、アプリケーションプログラム12cによって生成されるマークアップ文書12dを記憶することができる。
【0025】
アプリケーションプログラム12cは、例えば、Java(登録商標)アプリケーションプログラムである。アプリケーションプログラム12cは、MFP10の製造段階でMFP10にインストールされていても良いし、USB(Universal Serial Bus)メモリー、SDメモリーカードなどの記憶媒体から、または、ネットワーク上からMFP10に追加でインストールされても良いし、操作部11aを介した操作に基づいて生成されても良い。
【0026】
パネル制御部21は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、プログラムおよび各種のデータを予め記憶しているROM(Read Only Memory)と、CPUの作業領域として用いられるRAM(Random Access Memory)とを備えている。CPUは、ROMおよび記憶部12に記憶されているプログラムを実行するようになっている。
【0027】
メイン制御部31は、例えば、CPUと、プログラムおよび各種のデータを予め記憶しているROMと、CPUの作業領域として用いられるRAMとを備えている。CPUは、ROMおよび記憶部12に記憶されているプログラムを実行するようになっている。
【0028】
図2は、パネル制御部21およびメイン制御部31の機能のブロック図である。
【0029】
図2に示すように、パネル制御部21は、記憶部12に記憶されているWebブラウザープログラム12aを実行することによって、Webブラウザー21aとして機能する。
【0030】
メイン制御部31は、記憶部12に記憶されているWebサーバープログラム12bを実行することによって、Webサーバー31aとして機能する。
【0031】
また、メイン制御部31は、記憶部12に記憶されているアプリケーションプログラム12cを実行することによって、アプリケーション31bとして機能する。アプリケーション31bは、Webサーバー31aによってWebブラウザー21aに送信されるマークアップ文書12dを生成する文書生成手段31cと、Webブラウザー21aからWebサーバー31aに送信された情報に応じた動作を実行する動作実行手段31dとを備えている。
【0032】
なお、以下においては、アプリケーション31bの一例として、スキャナー14によって原稿から読み取った画像を、FTP(File Transfer Protocol)または電子メールによって外部の装置に送信するアプリケーションを説明する。しかしながら、アプリケーション31bは、以下に説明するアプリケーション以外のアプリケーションであっても良い。
【0033】
図3は、Webブラウザー21aによる表示の一例を示す図である。
【0034】
Webブラウザー21aは、表示部11bにおいて、図3においてハッチングで示している表示領域21bに情報を表示する。表示領域21bの大きさは、固定である。
【0035】
次に、MFP10の動作について説明する。
【0036】
Webブラウザー21aは、アプリケーション31bの起動を指示する操作が操作部11aを介して入力されると、入力された操作に応じた情報としてアプリケーション31bの起動の命令をWebサーバー31aに送信する。
【0037】
Webサーバー31aは、アプリケーション31bの起動の命令をWebブラウザー21aから受信すると、受信した命令に応じてアプリケーション31bを起動する。
【0038】
アプリケーション31bは、Webサーバー31aによって起動されると、図4に示す動作を実行する。
【0039】
図4は、アプリケーション31bの動作のフローチャートである。
【0040】
図4に示すように、アプリケーション31bの文書生成手段31cは、Webブラウザー21aによって表示部11bに表示させる複数の画面の情報と、操作部11aに入力された操作に応じて画面を切り替えるためのリンクの情報とを1ページ内に含んでいるマークアップ文書12dを記憶部12上に生成する(S101)。
【0041】
図5は、文書生成手段31cによって生成されるマークアップ文書12dによって表現されるページ40の一例を示す図である。
【0042】
図5に示すように、マークアップ文書12dによって表現されるページ40は、画面41〜43を含んでいる。画面41〜43は、大きさがWebブラウザー21aによる表示部11b上の表示領域21bの大きさと同一になるように生成される。
【0043】
画面41は、利用者にFTPの設定を実行させるためのボタンであるFTPボタン41aと、利用者に電子メールの設定を実行させるためのボタンである電子メールボタン41bとを含んでいる。画面41は、マークアップ文書12dを記述しているマークアップ言語がHTMLである場合、リンク先となるための情報として、例えば<a name="P1"></a>が設定されている。
【0044】
FTPボタン41aには、画面41から画面42に切り替えるためのリンクの情報として、マークアップ文書12dを記述しているマークアップ言語がHTMLである場合、例えば<a href="#P2"></a>が設定されている。
【0045】
電子メールボタン41bには、画面41から画面43に切り替えるためのリンクの情報として、マークアップ文書12dを記述しているマークアップ言語がHTMLである場合、例えば<a href="#P3"></a>が設定されている。
【0046】
画面42は、送信先のFTPアドレスが入力されるためのテキストボックスであるFTPアドレステキストボックス42aと、FTP用のIDが入力されるためのテキストボックスであるIDテキストボックス42bと、FTP用のパスワードが入力されるためのテキストボックスであるパスワードテキストボックス42cと、画面41に戻るためのボタンである戻るボタン42dと、スキャナー14によって原稿から読み取った画像をFTPによって外部の装置に送信する動作を開始させるためのボタンである開始ボタン42eとを含んでいる。画面42は、マークアップ文書12dを記述しているマークアップ言語がHTMLである場合、リンク先となるための情報として、例えば<a name="P2"></a>が設定されている。
【0047】
戻るボタン42dには、画面42から画面41に切り替えるためのリンクの情報として、マークアップ文書12dを記述しているマークアップ言語がHTMLである場合、例えば<a href="#P1"></a>が設定されている。
【0048】
画面43は、送信先の電子メールアドレスが入力されるためのテキストボックスである電子メールアドレステキストボックス43aと、画面41に戻るためのボタンである戻るボタン43bと、スキャナー14によって原稿から読み取った画像を電子メールによって外部の装置に送信する動作を開始させるためのボタンである開始ボタン43cとを含んでいる。画面43は、マークアップ文書12dを記述しているマークアップ言語がHTMLである場合、リンク先となるための情報として、例えば<a name="P3"></a>が設定されている。
【0049】
戻るボタン43bには、画面43から画面41に切り替えるためのリンクの情報として、マークアップ文書12dを記述しているマークアップ言語がHTMLである場合、例えば<a href="#P1"></a>が設定されている。
【0050】
図4に示すように、アプリケーション31bは、S101の処理の後、S101において生成したマークアップ文書12dをWebブラウザー21aに送信することをWebサーバー31aに指示する(S102)。
【0051】
Webサーバー31aは、マークアップ文書12dをWebブラウザー21aに送信することをS102においてアプリケーション31bから指示されると、マークアップ文書12dをWebブラウザー21aに送信する。
【0052】
Webブラウザー21aは、Webサーバー31aからマークアップ文書12dを受信すると、図6に示す処理を実行する。
【0053】
図6は、マークアップ文書12dに基づいたWebブラウザー21aの動作のフローチャートである。
【0054】
図6に示すように、Webブラウザー21aは、Webサーバー31aから受信したマークアップ文書12dに基づいて図7(a)に示すように画面41を表示部11bに表示する(S121)。
【0055】
次いで、Webブラウザー21aは、画面41内のFTPボタン41aおよび電子メールボタン41bの何れかが操作部11aを介して押された場合、FTPボタン41aおよび電子メールボタン41bのうち何れのボタンが押されたかを判断する(S122)。
【0056】
Webブラウザー21aは、FTPボタン41aが押されたとS122において判断すると、FTPボタン41aに設定されているリンクの情報に基づいて図7(b)に示すように画面42を表示部11bに表示する(S123)。
【0057】
次いで、Webブラウザー21aは、画面42内の戻るボタン42dおよび開始ボタン42eの何れかが操作部11aを介して押された場合、戻るボタン42dおよび開始ボタン42eのうち何れのボタンが押されたかを判断する(S124)。
【0058】
Webブラウザー21aは、戻るボタン42dが押されたとS124において判断すると、戻るボタン42dに設定されているリンクの情報に基づいて再び図7(a)に示すように画面41を表示部11bに表示する(S121)。
【0059】
一方、Webブラウザー21aは、開始ボタン42eが押されたとS124において判断すると、スキャナー14によって原稿から読み取った画像をFTPによって外部の装置に送信する動作の開始を指示する情報(以下「SCANtoFTP命令」という。)をWebサーバー31aに送信する(S125)。ここで、Webブラウザー21aは、画面42内のFTPアドレステキストボックス42aに入力されているFTPアドレスと、IDテキストボックス42bに入力されているIDと、パスワードテキストボックス42cに入力されているパスワードとを、SCANtoFTP命令とともにWebサーバー31aに送信する。
【0060】
Webブラウザー21aは、電子メールボタン41bが押されたとS122において判断すると、電子メールボタン41bに設定されているリンクの情報に基づいて図7(c)に示すように画面43を表示部11bに表示する(S126)。
【0061】
次いで、Webブラウザー21aは、画面43内の戻るボタン43bおよび開始ボタン43cの何れかが操作部11aを介して押された場合、戻るボタン43bおよび開始ボタン43cのうち何れのボタンが押されたかを判断する(S127)。
【0062】
Webブラウザー21aは、戻るボタン43bが押されたとS127において判断すると、戻るボタン43bに設定されているリンクの情報に基づいて再び図7(a)に示すように画面41を表示部11bに表示する(S121)。
【0063】
一方、Webブラウザー21aは、開始ボタン43cが押されたとS127において判断すると、スキャナー14によって原稿から読み取った画像を電子メールによって外部の装置に送信する動作の開始を指示する情報(以下「SCANtoMAIL命令」という。)をWebサーバー31aに送信する(S128)。ここで、Webブラウザー21aは、画面43内の電子メールアドレステキストボックス43aに入力されている電子メールアドレスを、SCANtoMAIL命令とともにWebサーバー31aに送信する。
【0064】
Webブラウザー21aは、S125またはS128の処理の後、図6に示す処理を終了する。
【0065】
Webサーバー31aは、Webブラウザー21aからS125において送信されたSCANtoFTP命令、FTPアドレス、IDおよびパスワードを受信すると、受信したSCANtoFTP命令、FTPアドレス、IDおよびパスワードをアプリケーション31bに送信する。
【0066】
同様に、Webサーバー31aは、Webブラウザー21aからS128において送信されたSCANtoMAIL命令および電子メールアドレスを受信すると、受信したSCANtoMAIL命令および電子メールアドレスをアプリケーション31bに送信する。
【0067】
図4に示すように、アプリケーション31bの動作実行手段31dは、S102の処理の後、Webブラウザー21aからWebサーバー31aに送信された情報を受信したと判断するまで、Webブラウザー21aからWebサーバー31aに送信された情報を受信したか否かを判断する(S103)。
【0068】
ここで、動作実行手段31dは、SCANtoFTP命令、FTPアドレス、IDおよびパスワードをWebサーバー31aから受信するか、SCANtoMAIL命令および電子メールアドレスをWebサーバー31aから受信すると、Webブラウザー21aからWebサーバー31aに送信された情報を受信したと判断する。
【0069】
動作実行手段31dは、Webブラウザー21aからWebサーバー31aに送信された情報を受信したとS103において判断すると、受信した情報に応じた動作を実行する(S104)。
【0070】
例えば、動作実行手段31dは、SCANtoFTP命令、FTPアドレス、IDおよびパスワードをWebサーバー31aから受信した場合、スキャナー14によって原稿から画像を読み取った後、読み取った画像をFTPアドレスによって特定される外部のFTPサーバーに、IDおよびパスワードを使用してFTPによって送信する。
【0071】
同様に、動作実行手段31dは、SCANtoMAIL命令および電子メールアドレスをWebサーバー31aから受信した場合、スキャナー14によって原稿から画像を読み取った後、読み取った画像を電子メールアドレスによって特定される外部の電子メールサーバーに電子メールによって送信する。
【0072】
アプリケーション31bは、S104の処理の後、図4に示す処理を終了する。
【0073】
以上に説明したように、MFP10は、Webサーバー31aからWebブラウザー21aに送信される1つのマークアップ文書12d内に、Webブラウザー21aによって表示部に表示させる画面41〜43の情報と、操作部11aに入力された操作に応じて画面を切り替えるためのリンクの情報とを含めるので、Webブラウザー21aによって画面が切り替わる場合に、切り替わり前の画像と、切り替わり後の画像とが同一のマークアップ文書12dに含まれていれば、Webブラウザー21aと、Webサーバー31aとの間で通信を実行しなくても良い。すなわち、MFP10は、Webブラウザー21aによって画面が切り替わる場合に、Webブラウザー21aと、Webサーバー31aとの間の通信頻度を低減することができる。したがって、MFP10は、Webブラウザー21aによる画面の切り替わり速度を従来より向上することができる。
【0074】
MFP10は、Webブラウザー21aによる表示領域21bの大きさが固定であり、文書生成手段31cが画面41〜43の大きさを表示領域21bの大きさと同一にするので、画面41〜43を含んでいるマークアップ文書12d内の1つの画面、すなわち、画面41〜43の何れかがWebブラウザー21aによって表示されている場合に、そのマークアップ文書12d内の他の画面が利用者に認識されることを防止することができる。
【0075】
MFP10は、Webブラウザー21aと、Webサーバー31aとがパネル基板20およびメイン基板30という別々の基板に搭載されている。この構成の場合、MFP10は、Webブラウザー21aと、Webサーバー31aとが同一の基板に搭載されている構成と比較して、Webブラウザー21aと、Webサーバー31aとの間で情報の送受信に必要な時間が長いので、Webブラウザー21aによる画面の切り替わり速度を向上する意義が大きい。
【0076】
なお、MFP10は、Webブラウザー21aと、Webサーバー31aとが同一の基板に搭載されていても良いし、Webブラウザー21aと、Webサーバー31aとが同一のCPUによって実現されていても良い。
【0077】
また、アプリケーション31bの動作実行手段31dは、Webブラウザー21aからWebサーバー31aに送信された情報に応じた動作として、スキャナー14によって原稿から読み取った画像をFTPによって外部の装置に送信する動作と、スキャナー14によって原稿から読み取った画像を電子メールによって外部の装置に送信する動作とを実行するようになっているが、アプリケーション31bの種類に応じて他の動作を実行するようになっていても良い。例えば、動作実行手段31dは、Webブラウザー21aからWebサーバー31aに送信された情報に応じた動作として、Webサーバー31aによってWebブラウザー21aに送信される新たなマークアップ文書を生成する動作を実行するようになっていても良い。この新たなマークアップ文書も、マークアップ文書12dと同様に、Webブラウザー21aによって表示部11bに表示させる複数の画面の情報と、操作部11aに入力された操作に応じて画面を切り替えるためのリンクの情報とを含ん
でいても良い。
【0078】
マークアップ文書12dは、本実施の形態において3つの画面を含んでいるが、3つ以外の複数の画面を含んでいても良い。
【0079】
本発明の画像形成装置は、本実施の形態においてMFP10であるが、プリンター専用機、ファックス専用機、コピー専用機など、MFP以外の画像形成装置であっても良い。
【符号の説明】
【0080】
10 MFP(画像形成装置)
11a 操作部
11b 表示部
12c アプリケーションプログラム(画像形成装置用アプリケーションプログラム)
12d マークアップ文書
20 パネル基板(基板)
21a Webブラウザー
21b 表示領域
30 メイン基板(基板)
31a Webサーバー
31c 文書生成手段
31d 動作実行手段
41〜43 画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作が入力される操作部と、情報を表示する表示部と、マークアップ言語で記述された文書であるマークアップ文書に基づいて前記表示部に情報を表示させるWebブラウザーと、前記Webブラウザーに前記マークアップ文書を送信するWebサーバーとを備えており、前記Webブラウザーは、前記操作部に入力された操作に応じた情報を前記Webサーバーに送信する画像形成装置であって、
前記Webサーバーによって前記Webブラウザーに送信される前記マークアップ文書を生成する文書生成手段と、前記Webブラウザーから前記Webサーバーに送信された情報に応じた動作を実行する動作実行手段とを備えており、
前記文書生成手段は、前記Webブラウザーによって前記表示部に表示させる複数の画面の情報と、前記操作部に入力された操作に応じて前記画面を切り替えるためのリンクの情報とを含んでいる前記マークアップ文書を生成することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記Webブラウザーは、前記表示部における情報の表示領域の大きさが固定であり、
前記文書生成手段は、前記画面の大きさを前記表示領域の大きさと同一にすることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記Webブラウザーと、前記Webサーバーとは、別々の基板に搭載されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
操作が入力される操作部と、情報を表示する表示部と、マークアップ言語で記述された文書であるマークアップ文書に基づいて前記表示部に情報を表示させるWebブラウザーと、前記Webブラウザーに前記マークアップ文書を送信するWebサーバーとを備えている画像形成装置であって、前記Webブラウザーは、前記操作部に入力された操作に応じた情報を前記Webサーバーに送信する前記画像形成装置によって実行される画像形成装置用アプリケーションプログラムであって、
前記Webサーバーによって前記Webブラウザーに送信される前記マークアップ文書を生成する文書生成ステップと、前記Webブラウザーから前記Webサーバーに送信された情報に応じた動作を実行する動作実行ステップとを前記画像形成装置に実行させ、
前記文書生成ステップは、前記Webブラウザーによって前記表示部に表示させる複数の画面の情報と、前記操作部に入力された操作に応じて前記画面を切り替えるためのリンクの情報とを含んでいる前記マークアップ文書を生成するステップであることを特徴とする画像形成装置用アプリケーションプログラム。
【請求項5】
前記Webブラウザーは、前記表示部における情報の表示領域の大きさが固定であり、
前記文書生成ステップは、前記画面の大きさを前記表示領域の大きさと同一にするステップであることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置用アプリケーションプログラム。
【請求項6】
前記Webブラウザーと、前記Webサーバーとは、別々の基板に搭載されていることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の画像形成装置用アプリケーションプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−89155(P2013−89155A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−231486(P2011−231486)
【出願日】平成23年10月21日(2011.10.21)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】