説明

画像形成装置と画像処理システムとプログラム

【課題】 代行印刷先において、代行印刷の依頼先で適用しているプロファイルと同じプロファイルで代行印刷を可能にする。
【解決手段】 メイン機のプリンタからのプロファイルを記憶し(S11)、メイン機から印刷データを受信すると(S12)、記憶したプロファイルと自機で設定可能なプロファイルの内容を比較し、メイン機で適用されているプロファイルと同じプロファイルを自機で設定可能か否かを判断し(S13)、同じプロファイルの設定が可能なら、メイン機と同じプロファイルを選択設定し(S14)、そのプロファイル変換処理を含む画像処理を印刷データに施し、印刷する(S15)。一方、同種類のプロファイルの設定が不可能で、再現性プロファイルなら(S16)、プロファイルを適用しないように設定し(S17)、印刷し(S15)、機能性プロファイルなら、エラー停止する(S18)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ファクシミリ装置,プリンタ,複写機,複合機を含む画像形成装置と、その画像形成装置を含む画像処理システムと、コンピュータに実行させるプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
印刷要求を行う複数台の画像処理装置(コンピュータ:PC)と複数台の画像形成装置とをネットワークを介して接続し、画像処理装置からネットワーク上の各画像形成装置の中から指定した画像形成装置へ印刷データを送信して印刷をさせる画像処理システムがある。
そのような画像処理システムでは、印刷データに対する画像処理でプロファイルに基づく変換処理を実施する場合、従来、画像処理装置において用紙別でプロファイルを切り替えたり、ドライバUIで指定したりできる画像処理システム(例えば、特許文献1参照)があった。また、画像処理装置において画質優先、速度優先を自動でプロファイルを切り替えることのできる画像処理システム(例えば、特許文献2参照)があった。
【0003】
さらに、画像処理装置においてユーザ名でプロファイルを切り替えることのできる画像処理システム(例えば、特許文献3参照)があった。
しかし、上述のような従来の画像処理システムでは、ユーザが使用する画像処理装置のドライバ側でプロファイルを切り替えることの判断を実施しており、画像形成装置本体側で切り替えられないので、画像形成装置毎のプロファイルの切り替え設定が負担になるという問題があった。
そこで従来、印刷データに対する画像処理でプロファイル変換処理を実施する場合、画像処理装置又は画像形成装置のどちらのプロファイルを使用するのかを切り替えることができ、また指定されるプロファイルに優先度を適応できるようにした画像処理システムが提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したような従来の画像処理システムでは、画像形成装置でもプロファイルを切り替えられるようにして、画像形成装置本体でプロファイルのコントロールを可能としているが、印刷を依頼した画像形成装置(「メイン機」という)で印刷ができないとき、ネットワークに接続された他の画像形成装置に代行印刷をさせる場合(代行印刷先を「代行機」という)、代行機では、メイン機のプロファイルが分からないため、メイン機と異なるプロファイルで印刷してしまう場合がある。
【0005】
通常、代行機ではメイン機のプロファイルを引き継ぐことは行っておらず、基本的には画像処理装置のドライバの設定情報に従って印刷し、画像形成装置の設定情報は無視するため、もしドライバにプロファイルを含んでいれば、ドライバのプロファイルが適用されることになるからである。
したがって、従来の画像処理システムでは、代行印刷をした場合、代行機ではメイン機と同じ画質の印刷物が得られなくなるという問題があった。
この発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、代行印刷先において、代行印刷の依頼先で適用しているプロファイルと同じプロファイルで代行印刷を可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は上記の目的を達成するため、ネットワークから入力された印刷データにプロファイル変換処理を含む画像処理を実施して印刷する画像形成装置において、上記ネットワークを介して他の画像形成装置のプロファイルを受信し、その受信したプロファイルと、自装置で設定可能なプロファイルとに基づいて上記他の画像形成装置の代行印刷時に適用するプロファイルを選択して設定するプロファイル選択設定手段を設けた画像形成装置を提供する。
【0007】
また、上記プロファイル選択設定手段を、自装置で設定可能なプロファイルの中に上記他の画像形成装置のプロファイルと同じプロファイルを保有している場合、同じプロファイルを代行印刷時に適用するプロファイルに選択して設定する手段にするとよい。
さらに、上記プロファイル選択設定手段に、上記他の画像形成装置のプロファイルが再現性プロファイルであり、自装置で設定可能なプロファイルの中に再現性プロファイルを保有していない場合、代行印刷時にプロファイルを適用しないように設定する手段を設けるとよい。
また、上記プロファイル選択設定手段に、上記他の画像形成装置のプロファイルが機能性プロファイルであり、自装置で設定可能なプロファイルの中に機能性プロファイルを保有していない場合、代行印刷をエラー停止する手段を設けるとよい。
【0008】
さらに、上記プロファイル選択設定手段に、上記他の画像形成装置のプロファイルが再現性プロファイルであり、自装置で設定可能なプロファイルの中に再現性プロファイルを保有していないが、置き換え可能な機能性プロファイルを保有している場合、代行印刷時に上記置き換え可能な機能性プロファイルを適用する手段を設けるとよい。
また、上述のような画像形成装置を備えた画像処理システムと、上述のような画像形成装置における各手段に相当する機能を実現するための手順をコンピュータに実行させるためのプログラムも提供する。
【発明の効果】
【0009】
この発明による画像形成装置と画像処理システムは、代行印刷先において、代行印刷の依頼先で適用しているプロファイルと同じプロファイルで代行印刷を可能にすることができる。
また、この発明によるプログラムは、代行印刷先のコンピュータに、代行印刷の依頼先で適用しているプロファイルと同じプロファイルで代行印刷を可能にするための機能を実現させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明の実施例の画像処理システムの機能構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す各プリンタの内部構成を示す機能ブロック図である。
【図3】図1に示す各プリンタ内のソフトウェアの構成を示す機能ブロック図である。
【図4】図1に示す各ホストコンピュータと各プリンタの所有するプロファイルの種類の説明図である。
【図5】同じくプロファイルの種類の説明図である。
【0011】
【図6】図1に示す各プリンタ側でプロファイルを選択する場合にプリンタに表示される作業画面例を示す図である。
【図7】図1に示す各ホストコンピュータのドライバのUIでプロファイルを選択する場合にホストコンピュータに表示される作業画面例を示す図である。
【図8】プロファイルに付与された優先度に基づいて印刷に適用するプロファイルの選択順の一例を示す一覧表の図である。
【図9】図1に示す画像処理システムにおける代行印刷処理のホストコンピュータとメイン機と代行機との間のデータのやり取りを示すシーケンス図である。
【0012】
【図10】図9に示す代行印刷処理におけるメイン機のプリンタの処理を示すフローチャート図である。
【図11】図9に示す代行印刷処理における代行機のプリンタの処理を示すフローチャート図である。
【図12】図1に示す画像処理システムにおける他の代行印刷処理のホストコンピュータとメイン機と代行機との間のデータのやり取りを示すシーケンス図である。
【図13】図12に示す代行印刷処理におけるメイン機のプリンタの処理を示すフローチャート図である。
【0013】
【図14】図12に示す代行印刷処理におけるホストコンピュータの代行機を探す処理を示すフローチャート図である。
【図15】図12に示す代行印刷処理における代行機のプリンタの処理を示すフローチャート図である。
【図16】この実施例の画像処理システムの代行機のプリンタにおけるプロファイルの選択処理の結果の一覧を示す図である。
【図17】この実施例の画像処理システムの代行機のプリンタにおける代行機側のプロファイル優先設定も条件に加えたプロファイルの選択処理の結果の一覧を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、この発明を実施するための形態を図面に基づいて具体的に説明する。
〔実施例〕
図1は、この発明の実施例の画像処理システムの機能構成を示すブロック図である。
この画像処理システムは、複数のプリンタ1〜3と複数のホストコンピュータ4〜6とがインターネット,ローカルエリアネットワークを含むネットワーク7で接続されている。図中には、それぞれ3台ずつ示し、その他の図示を省略している。
この画像処理システムでは、各ホストコンピュータ4〜6にて印刷データが作成され、各ホストコンピュータ4〜6では印刷データをプリンタ1〜3のいずれかへ送信して印刷させることができる。
【0015】
また、各プリンタ1〜3には、各ホストコンピュータ4〜6が通常印刷を依頼するメイン機と、メイン機が使用できない場合に各ホストコンピュータ4〜6の印刷を代行する代行機との役割を果たす。
例えば、メイン機をプリンタ3に設定すると、その他のプリンタ1,2は代行機として使用することができる。
【0016】
この代行機については、メイン機のプリンタ3が印刷できないときに、印刷要求するホストコンピュータ側で、又はプリンタ1が、ネットワーク7の他のプリンタ1,2に対して代行印刷が可能か否かを問い合わせ、代行印刷が可能な旨を回答したプリンタから選択する。上記問い合わせるプリンタについては、予め代行機として登録されたプリンタのみに問い合わせるようにしても良いし、ネットワーク7上の全プリンタに予め登録された順に、あるいはランダムに問い合わせるようにしても良い。
例えば、メイン機のプリンタ3がトナー切れ等の印刷不可状態の場合、上記代行機の選択処理により代行機としてプリンタ1が選択されたら、各ホストコンピュータ4〜6の印刷は代行機のプリンタ1で実行することになる。
すなわち、各プリンタ1〜3は、この発明に係る画像形成装置に相当し、各ホストコンピュータ4〜6は、この発明に係る画像処理装置に相当する。
【0017】
図2は、図1に示した各プリンタ1〜3の内部構成を示す機能ブロック図である。
プリンタ1〜3は、それぞれCPU,ROM及びRAMからなるマイクロコンピュータによって実現される機能部として、制御部10,記憶部11,画像処理部12,描画部13を有する。さらに、操作パネル14,通信部15,エンジン部16を備えている。
制御部10は、プリンタ全体の制御を司り、この発明のプロファイル選択設定手段の機能も果たす。
記憶部11は、ハードディスク装置を含む大容量の記憶装置であり、印刷データを含む各種のデータを記憶する。
画像処理部12は、制御部10の制御により、印刷データに対する画像処理を行う。
【0018】
その画像処理には、印刷データをsRGB表色系からCMY表色系に変換するsRGB変換処理と、プロファイルに基づくプロファイル変換処理と、CMYの値から黒生成/下色除去を行うBG/UCR(black generation/ Under Color Removal)処理と、CMYK信号に対しプリンタが画像形成できる色再現材料の最大総量値に応じてCMYK信号を補正する総量規制処理と、プリンタの特性や利用者の嗜好を反映した入出力補正を行うγ変換処理などがあり、例えば、印刷データに対して「sRGB変換処理」「プロファイル変換処理」「BG/UCR処理」「総量規制処理」「γ変換処理」の順で実施する。
【0019】
描画部13は、画像処理部12によって処理が施された印刷データを含む各種のデータを描画する。
操作パネル14は、ユーザがプロファイルの選択を含む各種の指定情報を入力する入力部とユーザに対するプロファイル設定作業を含む各種の作業における作業画面や各種のメッセージを表示する表示部とを備えている。
通信部15は、ネットワークを介して他のプリンタ及びホストコンピュータ4〜6との印刷データを含む各種のデータを送受信する制御を司る。
エンジン部16は、用紙を給紙し、描画部13に描画された印刷データを用紙に印刷する印刷部である。また、原稿の画像を読み取るスキャナ部を備えるようにしても良い。
【0020】
図3は、図1に示した各プリンタ1〜3内のソフトウェアの構成を示す機能ブロック図である。
各プリンタ1〜3のマイクロコンピュータが同図に示す制御モジュール20の実行により、データ解析モジュール21,画像処理・描画モジュール22,印刷モジュール24,操作パネル制御モジュール25,ネットワークモジュール(「通信制御モジュール」ともいう)26の実行を制御し、上記制御部10の機能を実現する。
また、データ解析モジュール21,画像処理・描画モジュール22の実行により、画像処理部12及び描画部13の機能を実現する。画像処理・描画モジュール22の実行では、プロファイル23を参照することにより、そのプロファイル23に基づく変換処理を印刷データに施す。さらに、印刷モジュール24の実行により、エンジン部16に印刷処理を行わせ、操作パネル制御モジュール25の実行により、操作パネル14の入出力制御を行い、ネットワークモジュール26の実行により、通信部15による印刷データを含むデータの送受信を制御する。
【0021】
図1に示す各ホストコンピュータ4〜6については、図示を省略するが、入力装置と表示装置と、CPU,ROM及びRAMからなるマイクロコンピュータによって実現される制御部を備え、その制御部の制御により印刷データを作成して各プリンタ1〜3のいずれかに印刷を依頼する処理を行う。さらに、代行印刷時にメイン機のプロファイルを代行機に送る処理も行う。
また、各ホストコンピュータ4〜6内にはそれぞれ各プリンタ1〜3に対して印刷を行わせるプリンタドライバのソフトウェアを備えており、そのプリンタドライバの制御処理により、作成した印刷データを各プリンタ1〜3に印刷させる。また、プリンタドライバの中にプロファイルを含め、そのプロファイルに基づく印刷を行わせることもできる。
【0022】
図4及び図5は、上記プロファイルの種類の説明図である。
このプロファイルは、印刷データに変換処理を施すためのデータであり、図4に示すように、ユーザの指定した色の再現性を重視して色味を調整する変換の再現性プロファイルと、色によって機能を実現する機能性プロファイルの2種類があり、再現性プロファイルには、例えば、画像の鮮やかさの向上等のユーザの好みの色にする「通常の色調整」のプロファイルなどがある。
【0023】
また、機能性プロファイルには、カラーデータを2色にして印刷物を強調する「2色印刷」のプロファイルと、パワーポイント(登録商標)の資料などにおいて、カラー原稿で色覚障害者が認識し難い色を区別しやすい色や、一般色覚者にも区別できる色に調整する「カラーユニバーサルデザイン(Color Universal Design:CUD)」のプロファイルと、黒っぽい色を黒として印刷するように調整する「曖昧判定」のプロファイルなどがある。
【0024】
各プリンタ1〜3,各ホストコンピュータ4〜6は、それぞれプロファイルを所有しており、図5に示すように、各プリンタ1〜3,各ホストコンピュータ4〜6で実施可能な変換処理のプロファイルとして、「通常の色調整」のプロファイル30,「2色印刷」のプロファイル31,「CUD」のプロファイル32,「曖昧判定」のプロファイル33のように所有している。
【0025】
図6は、各プリンタ1〜3側でプロファイルを選択する場合にプリンタに表示される作業画面例を示す図である。
各プリンタ1〜3では、操作パネル14に表示された作業画面において、印刷時に優先して適用するプロファイルを選択することができる。例えば、管理者が、同図に示すように、「通常の色調整」のプロファイルの欄40を選択し、OKボタン41を入力すると、印刷時に優先して適用するプロファイルとして「通常の色調整」のプロファイルが設定される。
【0026】
図7は、各ホストコンピュータ4〜6のドライバのUIでプロファイルを選択する場合にホストコンピュータに表示される作業画面例を示す図である。
各ホストコンピュータ4〜6では、ユーザがドライバのUIにより表示装置の表示画面に表示された作業画面において、印刷時に適用を希望するプロファイルを選択することができる。例えば、ユーザが、同図に示すように、カーソルボタン42を押して4種類のプロファイルの中から「通常の色調整」のプロファイルの欄43を選択し、図示を省略した確定のボタンを入力すると、印刷データの送信時に印刷時に優先して適用するプロファイルとして「通常の色調整」のプロファイルもプリンタへ送信される。
また、既にプロファイルを適応した印刷データを送信する場合もある。その場合は、プロファイル指定データにはプロファイル指定済みとして送信する。
【0027】
図8は、各ホストコンピュータ4〜6がメイン機のプリンタに印刷を依頼したとき、プリンタ本体側とホストコンピュータのドライバ側でそれぞれプロファイルが指定されていた場合、プロファイルに付与された優先度に基づいて印刷に適用するプロファイルの選択順の一例を示す一覧表の図である。
この画像処理システムにおいて、例えば、「通常の色調整」「CUD」「曖昧判定」「2色印刷」の各プロファイルに対して付与された優先度が、2色印刷>曖昧判定>CUD>通常の色調整の場合、すなわち、優先度1位が「2色印刷」、優先度2位が「曖昧判定」、優先度3位が「CUD」、優先度4位が「通常の色調整」の場合、印刷を要求したホストコンピュータのドライバ側からもプリンタ本体側でもそれぞれプロファイルが指定されているとき、プリンタ側で印刷時に適用されるプロファイルは、同図に示すような選択順になる。
【0028】
例えば、プリンタ側で「2色印刷」のプロファイルが指定されている場合、印刷の依頼元のホストコンピュータのドライバで「通常の色調整」「CUD」「曖昧判定」「2色印刷」のいずれのプロファイルが指定されていても、印刷時に適用されるプロファイルは、「2色印刷」のプロファイルが選択される。
また、プリンタ側で「曖昧判定」のプロファイルが指定されている場合、印刷の依頼元のホストコンピュータのドライバで「2色印刷」のプロファイルが指定されていると、印刷時に適用されるプロファイルは、「2色印刷」のプロファイルが選択され、ドライバで「通常の色調整」「CUD」「曖昧判定」のいずれかプロファイルが指定されていると、印刷時に適用されるプロファイルは、「曖昧判定」のプロファイルが選択される。
【0029】
さらに、プリンタ側で「CUD」のプロファイルが指定されている場合、印刷の依頼元のホストコンピュータのドライバで「2色印刷」のプロファイルが指定されていると、印刷時に適用されるプロファイルは、「2色印刷」のプロファイルが選択され、ドライバで「曖昧判定」のプロファイルが指定されていると、印刷時に適用されるプロファイルは、「曖昧判定」のプロファイルが選択され、ドライバで「通常の色調整」「CUD」のいずれかプロファイルが指定されていると、印刷時に適用されるプロファイルは、「CUD」のプロファイルが選択される。
【0030】
そして、プリンタ側で「通常の色調整」のプロファイルが指定されている場合、ホストコンピュータのドライバで「2色印刷」のプロファイルが指定されていると、印刷時に適用されるプロファイルは、「2色印刷」のプロファイルが選択され、「曖昧判定」のプロファイルが指定されていると「曖昧判定」のプロファイルが選択され、「CUD」のプロファイルが指定されていると「CUD」のプロファイルが選択され、「通常の色調整」のプロファイルが指定されていると「通常の色調整」のプロファイルが選択される。
以上の選択処理は、印刷を依頼されたプリンタの制御部10において行われる。
【0031】
次に、この実施例の画像処理システムにおける代行印刷処理について説明する。
この代行印刷処理では、ホストコンピュータ5の印刷先のメイン機をプリンタ3に設定しており、そのプリンタ3が代行機を探し、代行機としてプリンタ1を選択した場合を説明する。また、この代行印刷処理では、ホストコンピュータからプリンタへ送信される印刷データにホストコンピュータで選択されたプロファイルも付加されているが、上記印刷データの印刷の際にはプリンタ側で選択されたプロファイルに基づいて印刷する場合を説明する。
【0032】
図9は、この実施例の画像処理システムにおける代行印刷処理のホストコンピュータとメイン機と代行機との間のデータのやり取りを示すシーケンス図である。
aで、メイン機のプリンタ3の制御部が、用紙切れ等の印刷停止状態を含む原因で印刷不可状態を検知すると、bで、ネットワーク7上の他の各プリンタ1,2に問い合わせ、代行印刷先の代行機を探し、代行機としてプリンタ1を選択する。
cで、プリンタ3の制御部は、ネットワーク制御モジュールによる処理により、自機で選択されているプロファイルをプリンタ1へ通知し、dで、プリンタ1の制御部は、プリンタ3から通知されたプロファイルを記憶する。
【0033】
eで、ホストコンピュータ5がプリンタ3に印刷を要求し、自機で選択されているプロファイルを含む印刷データをプリンタ3へ送ると、fで、プリンタ3の制御部は、自機が印刷不可状態であるから、代行機に選択したプリンタ1へホストコンピュータ5から受信したプロファイルを含む印刷データを送信する。この場合、図示を省略したが、ホストコンピュータ5へプリンタ1で代行印刷されることを通知するようにすれば、ホストコンピュータ5のユーザがその旨を知ることができる。
【0034】
gで、プリンタ1の制御部は、プリンタ3から受け取った、プリンタ3で適用しているプロファイルと、自機で設定可能なプロファイルとに基づいて印刷時のプロファイルを選択して設定し、あるいは、プロファイルを適用しないように設定、エラー停止も行う。
hで、プリンタ1の制御部は、上記エラー停止の場合の除き、印刷データに対して画像処理(上記設定したプロファイルに基づくプロファイル変換処理を含む場合と、プロファイル変換処理を行わない場合がある)を実施し、その画像処理後の印刷データに基づく印刷処理を実行して、この代行印刷処理を終了する。
【0035】
図10は、図9に示す代行印刷処理におけるメイン機のプリンタ3の処理を示すフローチャート図である。
メイン機のプリンタ3の制御部は、ステップ(図中「S」で示す)1で、印刷不可状態を検知すると、ステップ2で、代行機を探し、ステップ3で、代行機に自機で適用しているプロファイルを通知し、ステップ4で代行機にホストコンピュータ5から受信した印刷データ(ホストコンピュータで選択されたプロファイルも含む)を送信し、この処理を終了する。
【0036】
図11は、図9に示す代行印刷処理における代行機のプリンタ1の処理を示すフローチャート図である。
代行機のプリンタ1の制御部は、ステップ(図中「S」で示す)11で、メイン機のプリンタ3から通知されたプロファイルを記憶し、ステップ12で、メイン機から印刷データ(ホストコンピュータ5のプロファイルを含む)を受信すると、ステップ13で、上記記憶したプロファイルと自機で設定可能なプロファイルとの内容を比較し、メイン機で適用されているプロファイルと同じプロファイルを自機で設定可能か否かを判断する。
ステップ13の判断で、同じプロファイルの設定が可能と判断したら、ステップ14で、メイン機と同じプロファイルを選択して設定し、そのプロファイルに基づく変換処理を含む画像処理を印刷データに施し、ステップ15で印刷処理を実行し、この処理を終了する。
【0037】
一方、ステップ13の判断で、同種類のプロファイルの設定が不可能と判断したら、ステップ16で、メイン機から受信したプロファイルが再現性プロファイルか機能性プロファイルかを判断し、再現性プロファイルと判断したら、ステップ17でプロファイルを適用しないように設定し、印刷データにプロファイル変換処理を除く画像処理を施し、ステップ15で印刷処理を実行し、この処理を終了する。
また、ステップ16の判断で、機能性プロファイルと判断したら、ステップ18でエラー停止(メイン機のプリンタ3又はホストコンピュータ5へエラー通知)し、この処理を終了する。
【0038】
上記処理において、機能性プロファイルの場合にエラー停止する理由は、例えば、2色印刷のような、課金に関わるプロファイルが異なるプロファイルに勝手に置き換えて代行することは許されないためである。
また、再現性プロファイルの場合にプロファイルを適用しない理由は、例えば、色未調整のプロファイルの場合、プロファイルが異なっても色味が異なるだけのため、印刷停止して動作がストップするよりもプロファイルを適用せずに印刷を継続したいためである。
【0039】
次に、この実施例の画像処理システムにおける他の代行印刷処理について説明する。
この代行印刷処理では、上述の処理とは異なり、メイン機が印刷不可能な状態の場合、ホストコンピュータ側が代行機を探し、メイン機から取得したプロファイルを代行機へ通知している。
すなわち、ホストコンピュータ5の印刷先のメイン機はプリンタ3に設定しており、そのプリンタ3が印刷不可能な場合、ホストコンピュータ5はプリンタ3からプロファイルを取得して代行機を探し、代行機としてプリンタ1を選択した場合、プリンタ1へプリンタ3のプロファイルを通知し、印刷の際には印刷データを直接代行機のプリンタ1へ送っている。
【0040】
なお、この代行印刷処理でも、上述の処理と同様に、ホストコンピュータからプリンタへ送信される印刷データにホストコンピュータで選択されたプロファイルも付加されているが、上記印刷データの印刷の際にはプリンタ側で選択されたプロファイルに基づいて印刷する場合を説明する。
【0041】
図12は、この実施例の画像処理システムにおける他の代行印刷処理のホストコンピュータとメイン機と代行機との間のデータのやり取りを示すシーケンス図である。
aで、メイン機のプリンタ3の制御部が、用紙切れ等の印刷停止状態を含む原因で印刷不可状態を検知すると、bで、ネットワーク7上のホストコンピュータ5へ印刷不可状態であることを通知するアラート通知を送信する。
【0042】
cで、ホストコンピュータ5は、上記アラート通知をトリガーにして、プリンタ3にプロファイルのリクエストを送信し、dで、プリンタ3の制御部は、ネットワーク制御モジュールの処理により、自機で適用するプロファイルをホストコンピュータ5へ通知する。
eで、ホストコンピュータ5は、ネットワーク7上の他の各プリンタ1,2に問い合わせ、代行印刷先の代行機を探し、代行機としてプリンタ1を選択する。
fで、ホストコンピュータ5は、プリンタ3から取得したプロファイルをプリンタ1へ通知し、gで、プリンタ1の制御部は、ホストコンピュータ5から通知されたプリンタ3のプロファイルを記憶する。
【0043】
hで、ホストコンピュータ5がプリンタ1に印刷を要求し、自機で選択されているプロファイルを含む印刷データをプリンタ1へ送ると、iで、プリンタ1の制御部は、ホストコンピュータ5から受け取った、プリンタ3で適用しているプロファイルと、自機で設定可能なプロファイルとに基づいて印刷時のプロファイルを選択して設定し、あるいは、プロファイルを適用しないように設定、エラー停止も行う。
jで、プリンタ1の制御部は、上記エラー停止の場合を除き、印刷データに対して画像処理(上記設定したプロファイルに基づくプロファイル変換処理を含む場合と、プロファイル変換処理を行わない場合がある)を実施し、その画像処理後の印刷データに基づく印刷処理を実行して、この代行印刷処理を終了する。
【0044】
図13は、図12に示す代行印刷処理におけるメイン機のプリンタ3の処理を示すフローチャート図である。
メイン機のプリンタ3の制御部は、ステップ(図中「S」で示す)21で、印刷不可状態を検知すると、ステップ22で、ホストコンピュータ5にアラート通知を送信し、ステップ23で、ホストコンピュータ5からプロファイルのリクエストを受信すると、ステップ24で、ホストコンピュータ5に自機で適用しているプロファイルを送信し、この処理を終了する。
【0045】
図14は、図12に示す代行印刷処理におけるホストコンピュータ5の代行機を探す処理を示すフローチャート図である。
ホストコンピュータ5は、ステップ(図中「S」で示す)31で、メイン機のプリンタ3からアラート通知を受信すると、ステップ32で、メイン機にプロファイルのリクエストを送信し、ステップ33で、メイン機からメイン機で適用しているプロファイルを受信して取得し、ステップ34で、ネットワーク上から代行機を探し出し、ステップ35で、代行機に選択したプリンタ1へメイン機から取得したプロファイルを送信し、この処理を終了する。
【0046】
図15は、図12に示す代行印刷処理における代行機のプリンタ1の処理を示すフローチャート図である。
代行機のプリンタ1の制御部は、ステップ(図中「S」で示す)41で、ホストコンピュータ5から通知されたメイン機のプロファイルを記憶し、ステップ42で、ホストコンピュータ5から印刷データ(ホストコンピュータ5のプロファイルを含む)を受信すると、ステップ43で、上記記憶したプロファイルと自機で設定可能なプロファイルとの内容を比較し、メイン機で適用されているプロファイルと同じプロファイルを自機で設定可能か否かを判断する。
【0047】
ステップ43の判断で、同じプロファイルの設定が可能と判断したら、ステップ44で、メイン機と同じプロファイルを選択して設定し、そのプロファイルに基づく変換処理を含む画像処理を印刷データに施し、ステップ45で印刷処理を実行し、この処理を終了する。
一方、ステップ43の判断で、同種類のプロファイルの設定が不可能と判断したら、ステップ46で、ホストコンピュータから受信したメイン機のプロファイルが再現性プロファイルか機能性プロファイルかを判断し、再現性プロファイルと判断したら、ステップ47でプロファイルを適用しないように設定し、印刷データにプロファイル変換処理を除く画像処理を施し、ステップ45で印刷処理を実行し、この処理を終了する。
また、ステップ46の判断で、機能性プロファイルと判断したら、ステップ48でエラー停止(ホストコンピュータ5へエラー通知)し、この処理を終了する。
【0048】
上記処理において、機能性プロファイルの場合にエラー停止する理由は、例えば、2色印刷のような、課金に関わるプロファイルが異なるプロファイルに勝手に置き換えて代行することは許されないためである。
また、再現性プロファイルの場合にプロファイルを適用しない理由は、例えば、色未調整のプロファイルの場合、プロファイルが異なっても色味が異なるだけのため、印刷停止して動作がストップするよりもプロファイルを適用せずに印刷を継続したいためである。
【0049】
図16は、代行機のプリンタ1におけるプロファイルの選択処理の結果の一覧を示す図である。
プリンタ1の制御部は、代行機のプリンタ1で設定可能なプロファイルが「通常の色調整」のみの場合、メイン機のプリンタ3で適用されているプロファイルが「通常の色調整」ならば「通常の色調整」のプロファイルを選択して設定し、メイン機のプリンタ3で適用されているプロファイルが「CUD」「曖昧判定」「2色印刷」ならばエラー停止する。
また、代行機のプリンタ1で設定可能なプロファイルが「CUD」又は「2色印刷」の場合、メイン機のプリンタ3で適用されているプロファイルが「通常の色調整」ならばプロファイルを適用しないように設定し、メイン機のプリンタ3で適用されているプロファイルが「CUD」ならば「CUD」を選択して設定し、「曖昧判定」ならばエラー停止し、「2色印刷」ならば「2色印刷」を選択して設定する。
【0050】
あるいは、代行機のプリンタ1で設定可能なプロファイルが「曖昧判定」「通常の色調整」又は「2色印刷」の場合、メイン機のプリンタ3で適用されているプロファイルが「通常の色調整」ならば「通常の色調整」を選択して設定し、メイン機のプリンタ3で適用されているプロファイルが「CUD」ならばエラー停止し、「曖昧判定」ならば「曖昧判定」を、「2色印刷」ならば「2色印刷」をそれぞれ選択して設定する。
あるいはまた、代行機のプリンタ1で設定可能なプロファイルが「2色印刷」「CUD」又は「曖昧判定」の場合、メイン機のプリンタ3で適用されているプロファイルが「通常の色調整」ならばプロファイルを適用しないように設定し、メイン機のプリンタ3で適用されているプロファイルが「CUD」ならば「CUD」を、「曖昧判定」ならば「曖昧判定」を、「2色印刷」ならば「2色印刷」をそれぞれ選択して設定する。
【0051】
すなわち、メイン機のプリンタ3で適用されているプロファイルが再現性プロファイルである場合、代行機でメイン機と同じプロファイルが設定可能であるときは、代行機では、メイン機のプリンタ3で適用されているプロファイルと同じプロファイルを適用することになる。
また、メイン機のプリンタ3で適用されているプロファイルが再現性プロファイルである場合、代行機でメイン機と同じプロファイルが設定不可能であるときは、代行機では、プロファイルを適用せずに印刷動作を継続する。
【0052】
一方、メイン機のプリンタ3で適用されているプロファイルが機能性プロファイルの場合、代行機で、再現性プロファイルと同様にメイン機と同じプロファイルが設定可能であるときは、メイン機のプリンタ3で適用されているプロファイルと同じプロファイルを適用することになる。
ただし、メイン機のプリンタ3で適用されているプロファイルが機能性プロファイルの場合でも、もし代行機でメイン機と同じプロファイルが設定不可能であるときは、代行機では、エラー停止をして印刷操作をストップさせる。
【0053】
次に、代行機のプロファイル優先設定も条件に加えた場合の代行機のプリンタ1におけるプロファイルの選択処理の結果の一例を説明する。
図17は、代行機のプリンタ1における代行機側のプロファイル優先設定も条件に加えたプロファイルの選択処理の結果の一覧を示す図である。
プリンタ1の制御部は、代行機のプリンタ1で設定可能なプロファイルが「通常の色調整」のみの場合、もちろん「通常の色調整」が優先順位1位に設定されており、メイン機のプリンタ3で適用されているプロファイルが「通常の色調整」ならば「通常の色調整」のプロファイルを選択して設定し、メイン機のプリンタ3で適用されているプロファイルが「CUD」「曖昧判定」「2色印刷」ならばエラー停止する。
すなわち、表中の(1)の場合、「通常の色調整」のプロファイルを保有しているため、そのまま「通常の色調整」のプロファイルが適用される。
【0054】
また、代行機のプリンタ1で設定可能なプロファイルが「CUD」又は「2色印刷」であり、「CUD」の優先順位が1位の場合、メイン機のプリンタ3で適用されているプロファイルが「通常の色調整」ならばプロファイルを適用しないように設定し、メイン機のプリンタ3で適用されているプロファイルが「CUD」ならば「CUD」を選択設定し、「曖昧判定」ならばエラー停止し、「2色印刷」ならば「2色印刷」を選択して設定する。
すなわち、表中の(2)の場合、「通常の色調整」のプロファイルを保有しておらず、また置き換え可能プロファイルの「曖昧判定」も保有していないため、プロファイルは適用しない。
【0055】
あるいは、代行機のプリンタ1で設定可能なプロファイルが「曖昧判定」「通常の色調整」又は「2色印刷」であり、「曖昧判定」が優先順位1位の場合、メイン機のプリンタ3で適用されているプロファイルが「通常の色調整」ならば「通常の色調整」を選択して設定し、メイン機のプリンタ3で適用されているプロファイルが「CUD」ならばエラー停止し、「曖昧判定」ならば「曖昧判定」を、「2色印刷」ならば「2色印刷」をそれぞれ選択して設定する。
すなわち、表中の(3)の場合、「曖昧判定」のプロファイルが優先に設定されているが、メイン機と同じ「通常の色調整」のプロファイルを保有しているため、「通常の色調整」のプロファイルを適用する。
【0056】
また、代行機のプリンタ1で設定可能なプロファイルが「2色印刷」「CUD」又は「曖昧判定」であり、「2色印刷」が優先順位1位の場合、メイン機のプリンタ3で適用されているプロファイルが「通常の色調整」ならばプロファイルを適用しないように設定し、メイン機のプリンタ3で適用されているプロファイルが「CUD」ならば「CUD」を、「曖昧判定」ならば「曖昧判定」を、「2色印刷」ならば「2色印刷」をそれぞれ選択して設定する。
すなわち、表中の(4)の場合、「通常の色調整」のプロファイルは保有していないが、「曖昧判定」は保有している。ただし、「2色印刷」を優先としているため、プロファイルは適用しない。
【0057】
あるいは、代行機のプリンタ1で設定可能なプロファイルが「曖昧判定」「2色印刷」又は「CUD」であり、「曖昧判定」が優先順位1位の場合、メイン機のプリンタ3で適用されているプロファイルが「通常の色調整」ならば「曖昧判定」を選択して設定し、メイン機のプリンタ3で適用されているプロファイルが「CUD」ならば「CUD」を、「曖昧判定」ならば「曖昧判定」を、「2色印刷」ならば「2色印刷」をそれぞれ選択して設定する。
すなわち、表中の(5)の場合、「通常の色調整」のプロファイルは保有していないが、「曖昧判定」は保有し、更に「曖昧判定」を優先としているため、「曖昧判定」のプロファイルに置き換えて設定する。
【0058】
このように、機能性プロファイルの場合、メイン機と同じプロファイルを適用するかエラー停止にするかのいずれかであるが、再現性プロファイルの場合、「プロファイルを適用しない」「他のプロファイルに置き換える」「メイン機と同じプロファイルを適用する」の各パターンがある。
前提条件として、「曖昧判定」のプロファイルは機能プロファイルでも色変換が大きくないため、「曖昧判定」が優先順位1位とされていれば再現性プロファイル(通常のプロファイル)と置き換えても可能という設定にしている。
【0059】
「プロファイルを適用しない」のパターンは、メイン機が適用していたプロファイルが設定不可能の場合、また、「曖昧判定」のプロファイルを保有していなければプロファイルは適用しない。
「他のプロファイルに置き換える」のパターンは、メイン機が適用していたプロファイルが設定不可能の場合、ただし、「曖昧判定」のプロファイルを保有し、更に優先順位が1位に設定されていれば、「曖昧判定」のプロファイルを置き換えて適用する。
「メイン機と同じプロファイルを適用する」のパターンは、もし代行機のプロファイルの優先順位で再現性プロファイルを優先にしていなくても、メイン機と同じ設定可能なプロファイルであればメイン機と同じプロファイルを適用する。
【0060】
この実施例の画像処理システムでは、代行印刷の場合、メイン機が設定しているプロファイル情報を代行機に引き継いで代行機側でプロファイル適用のコントロールができ、代行印刷の場合、メイン機で印刷した場合も代行機で印刷した場合も印刷物の画質を一致させることができる。
また、もしメイン機と同じプロファイルを代行機が保有していない場合は、代行機のプロファイル優先設定に従いプロファイルを適用することができる。さらに、代行機のプロファイル優先設定に従い、エラーにするか、プロファイルを適用しないか、プロファイルを置き換えるかのいずれかの処理を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0061】
この発明による画像形成装置と画像処理システムは、ファクシミリ装置,プリンタ,複写機,複合機を含む画像処理機能を備えた装置全般において適用することができる。
【符号の説明】
【0062】
1〜3:プリンタ 4〜6:ホストコンピュータ 7:ネットワーク 10:制御部 11:記憶部 12:画像処理部 13:描画部 14:操作パネル 15:通信部 16:エンジン部 20:制御モジュール 21:データ解析モジュール 22:画像処理・描画モジュール 23:プロファイル 24:印刷モジュール 25:操作パネル制御モジュール 26:ネットワークモジュール 30:通常の色調整のプロファイル 31:2色印刷のプロファイル 32:CUDのプロファイル 33:曖昧判定のプロファイル
【先行技術文献】
【特許文献】
【0063】
【特許文献1】特開2005−070877号公報
【特許文献2】特開2005−342963号公報
【特許文献3】特開2001−202221号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークから入力された印刷データにプロファイル変換処理を含む画像処理を実施して印刷する画像形成装置において、
前記ネットワークを介して他の画像形成装置のプロファイルを受信し、該受信したプロファイルと、自装置で設定可能なプロファイルとに基づいて前記他の画像形成装置の代行印刷時に適用するプロファイルを選択して設定するプロファイル選択設定手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記プロファイル選択設定手段は、自装置で設定可能なプロファイルの中に前記他の画像形成装置のプロファイルと同じプロファイルを保有している場合、同じプロファイルを代行印刷時に適用するプロファイルに選択して設定する手段であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記プロファイル選択設定手段に、前記他の画像形成装置のプロファイルが再現性プロファイルであり、自装置で設定可能なプロファイルの中に再現性プロファイルを保有していない場合、代行印刷時にプロファイルを適用しないように設定する手段を設けたことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記プロファイル選択設定手段に、前記他の画像形成装置のプロファイルが機能性プロファイルであり、自装置で設定可能なプロファイルの中に機能性プロファイルを保有していない場合、代行印刷をエラー停止する手段を設けたことを特徴とする請求項2又は3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記プロファイル選択設定手段に、前記他の画像形成装置のプロファイルが再現性プロファイルであり、自装置で設定可能なプロファイルの中に再現性プロファイルを保有していないが、置き換え可能な機能性プロファイルを保有している場合、代行印刷時に前記置き換え可能な機能性プロファイルを適用する手段を設けたことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
ネットワークから入力された印刷データにプロファイル変換処理を含む画像処理を実施して印刷する画像形成装置を備えた画像処理システムにおいて、
前記画像形成装置に、前記ネットワークを介して他の画像形成装置のプロファイルを受信し、該受信したプロファイルと、自装置で設定可能なプロファイルとに基づいて前記他の画像形成装置の代行印刷時に適用するプロファイルを選択して設定するプロファイル選択設定手段を設けたことを特徴とする画像処理システム。
【請求項7】
前記プロファイル選択設定手段は、自装置で設定可能なプロファイルの中に前記他の画像形成装置のプロファイルと同じプロファイルを保有している場合、同じプロファイルを代行印刷時に適用するプロファイルに選択して設定する手段であることを特徴とする請求項6記載の画像処理システム。
【請求項8】
前記プロファイル選択設定手段に、前記他の画像形成装置のプロファイルが再現性プロファイルであり、自装置で設定可能なプロファイルの中に再現性プロファイルを保有していない場合、代行印刷時にプロファイルを適用しないように設定する手段を設けたことを特徴とする請求項7記載の画像処理システム。
【請求項9】
前記プロファイル選択設定手段に、前記他の画像形成装置のプロファイルが機能性プロファイルであり、自装置で設定可能なプロファイルの中に機能性プロファイルを保有していない場合、代行印刷をエラー停止する手段を設けたことを特徴とする請求項7又は8記載の画像処理システム。
【請求項10】
前記プロファイル選択設定手段に、前記他の画像形成装置のプロファイルが再現性プロファイルであり、自装置で設定可能なプロファイルの中に再現性プロファイルを保有していないが、置き換え可能な機能性プロファイルを保有している場合、代行印刷時に前記置き換え可能な機能性プロファイルを適用する手段を設けたことを特徴とする請求項7乃至9のいずれか一項に記載の画像処理システム。
【請求項11】
コンピュータに、ネットワークから入力された印刷データにプロファイル変換処理を含む画像処理を実施して印刷する手順と、前記ネットワークを介して他の画像形成装置のプロファイルを受信し、該受信したプロファイルと、自装置で設定可能なプロファイルとに基づいて前記他の画像形成装置の代行印刷時に適用するプロファイルを選択して設定するプロファイル選択設定手順とを実行させるためのプログラム。
【請求項12】
コンピュータに、前記プロファイル選択設定手順として、自装置で設定可能なプロファイルの中に前記他の画像形成装置のプロファイルと同じプロファイルを保有している場合、同じプロファイルを代行印刷時に適用するプロファイルに選択して設定する手順を実行させるための請求項11記載のプログラム。
【請求項13】
コンピュータに、前記他の画像形成装置のプロファイルが再現性プロファイルであり、自装置で設定可能なプロファイルの中に再現性プロファイルを保有していない場合、代行印刷時にプロファイルを適用しないように設定する手順を実行させるための請求項12記載のプログラム。
【請求項14】
コンピュータに、前記他の画像形成装置のプロファイルが機能性プロファイルであり、自装置で設定可能なプロファイルの中に機能性プロファイルを保有していない場合、代行印刷をエラー停止する手順を実行させるための請求項12又は13記載のプログラム。
【請求項15】
コンピュータに、前記他の画像形成装置のプロファイルが再現性プロファイルであり、自装置で設定可能なプロファイルの中に再現性プロファイルを保有していないが、置き換え可能な機能性プロファイルを保有している場合、代行印刷時に前記置き換え可能な機能性プロファイルを適用する手順を実行させるための請求項12乃至14のいずれか一項に記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−37230(P2011−37230A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−189015(P2009−189015)
【出願日】平成21年8月18日(2009.8.18)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】