説明

画像形成装置の管理装置、画像形成装置の管理装置の制御方法、および画像形成装置の管理装置の制御プログラム

【課題】画像形成装置に関する情報を簡単に管理することができる画像形成装置の管理装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置の管理装置は、管理の対象となる画像形成装置MFP_Aを識別するための識別情報を記憶する記憶部と、管理の対象となる画像形成装置MFP_Aの操作パネル等から第1のメッセージを入力する入力部と、画像形成装置を識別するための識別情報とともに、第2の端末装置300Aから入力された第2のメッセージを登録する第1のデータベースDB_Bとの間で通信を行う第1の通信部と、記憶部に記憶された識別情報、および第1のデータベースDB_Bに登録されている識別情報に基づき、第2のメッセージのうち管理の対象となる画像形成装置MFP_Aに関するメッセージを取得する取得部と、取得部で取得された第2のメッセージが第1のメッセージとともに表示されるよう制御を行う制御部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置の管理装置、画像形成装置の管理装置の制御方法、および画像形成装置の管理装置の制御プログラムに関し、より特定的には、画像形成装置に関する情報を管理することができる画像形成装置の管理装置、画像形成装置の管理装置の制御方法、および画像形成装置の管理装置の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置として、スキャナ機能、ファクシミリ機能、複写機能、プリンタとしての機能、データ通信機能、およびサーバ機能を備えたMFP(Multi Function Peripheral)や、ファクシミリ装置、複写機、プリンタなどがある。
【0003】
画像形成装置には個体ごとに異なる固有の特徴や特性があり、このような固有の情報をメッセージとして記録しておき、それを複数のユーザ間で共有すると便利である。固有の情報としては、例えば管理者の氏名、スキャナやプリントエンジンの特徴に関する情報などがあり、メッセージとしては、「この画像形成装置(MFP)の管理者はXX氏」、「裏紙は給紙カセットの2段目に入っているので、給紙カセットの2段目を用いて両面プリントを行うことはNG」、「スキャンは手置きモードでスキャンすれば、きれいな画像で読み込みできる」などのメッセージがある。画像形成装置のユーザ(装置の使用者)がこのようなメッセージを装置の使用時に簡単に入手でき、その情報を見ることができれば、コピーの失敗をなくしたり、管理者を探して画像形成装置の情報を入手したりする手間を省くことができる。
【0004】
このような情報は、ユーザが電子情報としてデータベース(DB)に対して書き込みを行うことで収集することができる。データベースに蓄積された情報は、次に画像形成装置を使用するユーザの参考情報としてディスプレイなどの表示装置に表示される。
【0005】
下記特許文献1には、複数の画像形成装置の中から何れかを選択して利用し得る文書管理システムにおいて、過去に設定した印刷設定を効率的に再利用できるようにするものが開示されている。特許文献1では、文書ごとに、印刷に使用した画像形成装置の機種情報と、印刷設定に付帯して利用者が記入したコメントと、ドライバ設定、アプリケーション設定、印刷データの内の少なくとも1つとが対応付けられて、データベースに保存される。すなわち、印刷時の設定を履歴のコメントと対応付けて保存し、そのリストの中から設定を選択して印刷を実行するものである。
【0006】
下記特許文献2には、管理者メッセージ(文言)の登録が容易な画像形成装置が開示されている。画面毎に文言を登録し、画面遷移時に文言が登録されているか否かを判断し、文言が登録されていると判断された場合には、登録された文言を表示するものである。画面ごとに管理者メッセージの登録操作を可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−102568号公報
【特許文献2】特開2009−212986号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
情報の書き込み方法としては、ユーザが画像形成装置のパネルから書きこんだり、携帯端末から書きこんだり、カメラから書き込んだり、PC(パーソナルコンピュータ)から書き込んだりすることが考えられ、それぞれの方法を実現するために、各機器(画像形成装置や、携帯端末、カメラ、PC)ごとにアプリケーションのデータベースが存在している。すなわち、固有の情報が書き込まれたデータベースが複数存在することになる。従って、ユーザが情報を見るには、その都度各アプリケーションのデータベースにアクセスして情報を取得する必要があった。すなわち、個々のデータベースやサーバ間での情報の共有化はなされておらず、ユーザは一度に全ての情報を見ることができなかった。また、情報を登録するときには、各データベースに個別に登録を行う必要があり、その手続が煩雑であった。
【0009】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、画像形成装置に関する情報を簡単に管理することができる画像形成装置の管理装置、画像形成装置の管理装置の制御方法、および画像形成装置の管理装置の制御プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するためこの発明のある局面に従うと、画像形成装置の管理装置は、管理の対象となる画像形成装置を識別するための識別情報を記憶する記憶手段と、管理の対象となる画像形成装置の操作パネル、または管理の対象となる画像形成装置と通信可能な第1の端末装置から第1のメッセージを入力する入力手段と、画像形成装置を識別するための識別情報とともに、第2の端末装置から入力された第2のメッセージを登録する第1のデータベースとの間で通信を行う第1の通信手段と、記憶手段に記憶された識別情報、および第1のデータベースに登録されている識別情報に基づき、第2のメッセージのうち管理の対象となる画像形成装置に関するメッセージを取得する取得手段と、取得手段で取得された第2のメッセージが第1のメッセージとともに表示されるよう制御を行う制御手段とを備える。
【0011】
好ましくは記憶手段は、識別情報として複数種類の情報を記憶し、取得手段は、記憶手段に記憶された複数種類の情報のうちのいずれかが、第1のデータベースに記憶されている識別情報と一致しているメッセージを取得する。
【0012】
好ましくは画像形成装置の管理装置は、第2のデータベースと通信する第2の通信手段と、入力手段で入力された第1のメッセージを、管理の対象となる画像形成装置を識別するための識別情報と対応付けて第2のデータベースに登録する登録手段とをさらに備える。
【0013】
好ましくは画像形成装置の管理装置は、第1または第2のデータベースのいずれか一方に識別情報およびメッセージが記憶されると、その識別情報およびメッセージを第1または第2のデータベースのいずれか他方に登録する。
【0014】
好ましくは画像形成装置の管理装置は、第1のデータベースに識別情報およびメッセージが記憶されると、その識別情報が記憶手段に記憶された管理の対象となる画像形成装置を識別するための識別情報に相当する場合に、その識別情報およびメッセージを第2のデータベースに登録する。
【0015】
好ましくは第2の端末装置は携帯端末であり、その携帯端末の位置情報を取得する機能を備え、識別情報は、位置情報を含み、第1のデータベースは、画像形成装置を識別するための識別情報として、携帯端末で取得された位置情報を記憶し、取得手段は、位置情報に基づいてメッセージを取得する。
【0016】
好ましくは制御手段は、カメラ付き携帯端末において管理の対象となる画像形成装置を撮影した場合に、カメラ付き携帯端末の表示画面に、第2のメッセージが第1のメッセージとともに表示されるように制御を行う。
【0017】
好ましくは表示画面においては、管理の対象となる画像形成装置の座標位置に基づいて、メッセージの表示位置が制御される。
【0018】
好ましくは制御手段は、画像形成装置にて選択されたモードに応じて、そのモードに対応したメッセージのみを表示する。
【0019】
この発明の他の局面に従うと、管理の対象となる画像形成装置を識別するための識別情報を記憶する記憶手段を備えた画像形成装置の管理装置の制御方法は、管理の対象となる画像形成装置の操作パネル、または管理の対象となる画像形成装置と通信可能な第1の端末装置から第1のメッセージを入力する入力ステップと、画像形成装置を識別するための識別情報とともに、第2の端末装置から入力された第2のメッセージを登録する第1のデータベースとの間で通信を行う第1の通信ステップと、記憶手段に記憶された識別情報、および第1のデータベースに登録されている識別情報に基づき、第2のメッセージのうち管理の対象となる画像形成装置に関するメッセージを取得する取得ステップと、取得ステップで取得された第2のメッセージが第1のメッセージとともに表示されるよう制御を行う制御ステップとを備える。
【0020】
この発明のさらに他の局面に従うと、管理の対象となる画像形成装置を識別するための識別情報を記憶する記憶手段を備えた画像形成装置の管理装置の制御プログラムは、管理の対象となる画像形成装置の操作パネル、または管理の対象となる画像形成装置と通信可能な第1の端末装置から第1のメッセージを入力する入力ステップと、画像形成装置を識別するための識別情報とともに、第2の端末装置から入力された第2のメッセージを登録する第1のデータベースとの間で通信を行う第1の通信ステップと、記憶手段に記憶された識別情報、および第1のデータベースに登録されている識別情報に基づき、第2のメッセージのうち管理の対象となる画像形成装置に関するメッセージを取得する取得ステップと、取得ステップで取得された第2のメッセージが第1のメッセージとともに表示されるよう制御を行う制御ステップとをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、画像形成装置に関する情報を簡単に管理することができる画像形成装置の管理装置、画像形成装置の管理装置の制御方法、および画像形成装置の管理装置の制御プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】MFP1を示す斜視図である。
【図2】MFP1のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】図1のMFP1が接続されるネットワークの概要を示す図である。
【図4】サーバ100のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図5】PC200のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図6】携帯端末300のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図7】MFP1の操作パネル11からMFP1のコピー機能に関するメッセージを書き込む状況を示す図である。
【図8】手書き入力モードにおける表示部13の表示内容を示す図である。
【図9】PC200の入力装置211からMFP1のプリントに関するメッセージを書き込む状況を示す図である。
【図10】サーバ100A内のデータベースDB_Aに登録される情報の具体例を示す図である。
【図11】サーバ100AのデータベースDB_A内に登録されるキーワードデータベースの具体例を示す図である。
【図12】MFP1の表示パネル13の表示内容の一例を示す図である。
【図13】カメラ付きの携帯端末300Aの表示装置313の表示内容の一例を示す図である。
【図14】MFP1のCPU21およびサーバ100AのCPU121が実行する処理を示すフローチャートである。
【図15】PC200のCPU221およびサーバ100AのCPU121が実行する処理を示すフローチャートである。
【図16】データベースDB_BおよびDB_CからMFP1の情報をデータベースDB_Aに吸い上げる処理を示すフローチャートである。
【図17】MFP1のCPU21が実行するメッセージ表示処理を示すフローチャートである。
【図18】PC200のCPU221が実行するメッセージ表示処理を示すフローチャートである。
【図19】携帯端末300のCPU321が実行するメッセージ表示処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しながら説明する。
【0024】
[MFP1の構成]
図1は、MFP1を示す斜視図である。
【0025】
図を参照してMFP1は、給紙カセット3と、排紙トレイ5と、操作部(操作受付手段の一例)11と、制御部20と、プリント部30と、スキャン部40とを備える。制御部20は、後述するように、CPU21(図2に示す)などを有し、MFP1の動作を制御する。制御部20およびプリント部30は、MFP1の筐体の内部に配置されている。
【0026】
このMFP1は、3つの給紙カセット3(給紙カセット3a,3b,3c)を有している。それぞれの給紙カセット3には、例えば、互いに異なるサイズの用紙(B5サイズ、A4サイズ、およびA3サイズなど)が装てんされている。給紙カセット3は、MFP1の下部に、MFP1の筐体に抜き差し可能に配置されている。各給紙カセット3に装てんされた用紙は、印字時に、1枚ずつ給紙カセット3から給紙され、プリント部30に送られる。なお、給紙カセット3の数は3つに限られず、それより多くても少なくてもよい。
【0027】
排紙トレイ5は、MFP1の筐体のうちプリント部30が収納されている部位の上方でスキャン部40が配置されている部位の下方に配置されている。排紙トレイ5には、プリント部30により画像が形成された用紙が筐体の内部から排紙される。
【0028】
操作部11は、MFP1の上部前面(図において正面)側に配置されている。操作部11には、ユーザにより押下操作可能な複数の操作ボタン11aが配置されている。また、操作部11には、情報をユーザに表示する表示パネル(表示手段の一例)13が配置されている。表示パネル13は、例えば、タッチパネルを備えたLCD(Liquid Crystal Display)である。表示パネル13は、ユーザに案内画面を表示したり、操作ボタンを表示してユーザからのタッチ操作を受け付けたりする。表示パネル13は、CPU21により制御されて表示を行う。操作部11は、ユーザからの操作入力を受け付ける。操作部11は、操作ボタン11aや表示パネル13がユーザにより操作されると、その操作に応じた操作信号又は所定のコマンドをCPU21に送信する。すなわち、ユーザは、操作部11に操作を行うことにより、MFP1に種々の動作を実行させることができる。
【0029】
プリント部30は、大まかに、トナー像形成部と、用紙搬送部(図示せず)と、定着装置(図示せず)とを有している。プリント部30は、電子写真方式で用紙に画像を形成する画像形成部を構成する。
【0030】
用紙搬送部は、給紙ローラ、搬送ローラ、およびそれらを駆動するモータなどで構成されている。用紙搬送部は、用紙を給紙カセット3から給紙して、MFP1の筐体の内部で搬送する。また、用紙搬送部は、画像が形成された用紙をMFP1の筐体から排紙トレイ5などに排出する。
【0031】
定着装置は、加熱ローラおよび加圧ローラを有している。定着装置は、加熱ローラと加圧ローラとでトナー像が形成された用紙を挟みながら搬送し、その用紙に加熱および加圧を行う。これにより、定着装置は、用紙に付着したトナーを溶融させて用紙に定着させ、用紙に画像を形成する。
【0032】
スキャン部40は、MFP1の筐体の上部に配置されている。スキャン部40は、ADF(Auto Document Feeder;自動原稿搬送装置)41を有している。なお、ADFに代えて、EDH(Electronic Document Handler)を備えさせてもよい。スキャン部40は、上述のスキャナ機能を実行する。スキャン部40は、透明な原稿台に配置された原稿をコンタクトイメージセンサにより走査して、それを画像データとして読み取る。また、スキャン部40は、原稿トレイにセットされた複数枚の原稿をADF41により順次取り込みながら、コンタクトイメージセンサによりその画像データを読み取る。
【0033】
このようなMFP1は、紙の原稿をADFやEDHを用いてスキャンし、その画像を読取ることができる。また、ADFやEDHを使用していない場合は、原稿台に原稿を置いて読み取ることもできる。MFP1は、ネットワークとネットワークケーブルで接続され、MFP内部の記憶領域内のBOX(フォルダ)に、スキャンしたデータを保存することができる。また、ネットワークに接続されたPC上から、BOXにデータを保存することもできる。BOXはHDD(ハードディスクドライブ)の中に構成されている。MFP1のユーザは、表示パネル13上で液晶画面の表示を見ながらMFP1を操作することが可能である。
【0034】
図2は、MFP1のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0035】
図を参照して、MFP1は、上述の各部のほか、制御部(メイン回路)20内に、HDD(Hard Disk Drive)27と、ネットワークインターフェイス部(通信ユニット)29と、近距離通信装置(Bluetooth部)31と、EEPROM33と、ファクシミリ部35と、カードインタフェース37とを有している。
【0036】
HDD27は、ネットワークインターフェイス部29を介して外部から送られた印刷ジョブのデータや、スキャン部(原稿読取部)40で読み取った画像データなどを記憶する。また、HDD27は、MFP1の設定情報や、MFP1の種々の動作を行うための制御プログラムや、後述するユーザ認証機能に用いられる認証データベースなどを記憶する。HDD27は、1つのPC200又は複数のPCなどから送信された複数の印刷ジョブを記憶可能である。
【0037】
ネットワークインターフェイス部29は、ハードウェア部と、所定の通信プロトコルで通信を行うソフトウェア部とが組み合わされて構成されている。ネットワークインターフェイス部29は、MFP1をネットワークに接続する。これにより、MFP1は、ネットワークに接続されているPC200などの外部装置と通信可能になる。MFP1は、PC200やサーバ100などから印刷ジョブを受信可能である。また、MFP1は、スキャン部40で読み取った画像データを、PC200に送信したり、メールサーバ(図示せず)などを介してE−mailにより送信したりすることができる。
【0038】
なお、制御部20は、CPU21と、ROM23と、RAM25とを有している。制御部20とMFP1の各部とは、信号を送受可能に接続されている。
【0039】
CPU21は、ROM23、RAM25、又はHDD27などに記憶された制御プログラムなどを実行することにより、MFP1の種々の動作を制御する。CPU21は、操作部11から操作信号が送られたり、PC200などから操作コマンドが送信されたりすると、それらに応じて所定の制御プログラムを実行する。これにより、ユーザによる操作部(操作パネル)11の操作などに応じて、MFP1の所定の機能が実行される。
【0040】
ROM23は、例えばフラッシュROM(Flash Memory)である。ROM23には、MFP1の動作を行うために用いられるデータが記憶されている。ROM23には、HDD27と同様に、種々の制御プログラムや、MFP1の機能設定データなどが記憶されていてもよい。CPU21は、ROM23からのデータの読み込みや、ROM23へのデータの書き込みを行う。なお、ROM23は、書き換え不可能なものであってもよい。
【0041】
RAM25は、CPU21のメインメモリである。RAM25は、CPU21が制御プログラムを実行するときに必要なデータなどを記憶するのに用いられる。
【0042】
スキャン部40は、上述のように、スキャナ機能を実行し、原稿から画像データを読み取る。スキャン部40により読み取られた画像データは、CPU21によりアプリケーションデータ形式に変換され、HDD27などに記憶される。CPU21は、HDD27などに記憶された画像データを、PC200などに送信可能である。
【0043】
MFP1は、後処理部を有していてもよい。後処理部は、例えば用紙の排紙トレイ5への排出口の近傍に設けられている。後処理部は、MFP1に外付けされ、排紙トレイ5に排出される用紙を搬入して後処理を行う装置であってもよい。後処理部は、例えば、画像が形成された用紙に、パンチ穴を開けるせん孔処理や複数の用紙をステープルなどで綴じる綴じ処理などを行い、排出する。後処理部による後処理の実行が行われるかどうかは、例えば、各印刷ジョブの印刷設定に応じて異なる。換言すると、制御部20は、印刷ジョブの実行時に、その印刷設定に基づいて後処理部を制御する。なお、各MFP1は、後処理部を有していても、有していなくても、いずれであってもよい。
【0044】
なお、各MFP1は、ユーザ認証機能を有している。本実施の形態において、ユーザ認証機能は、例えば以下のようにして実現されている。すなわち、MFP1のHDD27に記録されている認証データベースには、ユーザ認証可能なユーザの情報とそのユーザの認証に必要な認証情報とが対応付けられて記録されている。認証情報は、例えばユーザ毎に設定されたパスワードである。認証データベースには、各ユーザについて実行を許可する機能に関する情報が、そのユーザに対応付けて記録されている。ユーザは、操作部11を操作し、MFP1にそのユーザの情報(例えば、アカウント名など)とパスワードとを入力する。操作部11にこれらの情報が入力されると、CPU21は、認証データベースを参照し、認証可否を判断する。認証可能であれば、CPU21は、そのユーザについて認証成立とし、認証データベースに基づいて、そのユーザについて実行を許可されている機能を実行可能とする。このとき、ユーザはMFP1にログインした状態になる。ユーザ認証機能を用いることにより、表示パネル13の表示や利用可能な機能などを認証されたユーザに適合するものにしてMFP1の利便性を高められる。また、他のユーザの目に触れないようにして、認証されたユーザがMFP1の近くにいるときに印刷物を出力できるなど、高いセキュリティ効果が得られる。なお、ユーザ認証の方式としては、例えば接触式・非接触式のIDカードを用いたカード認証方式や、ユーザの指紋情報や静脈情報などを利用した生体認証方式などを採用してもよい。
【0045】
プリント部30は、画像を形成する画像形成部30aと、画像を形成する媒体である用紙を搬送する給紙部30bとを有している。
【0046】
ファクシミリ部35は、MFP1をファクシミリ装置として動作させるための部材であり、公衆電話電話を通じてファクシミリデータを送信したり、受信したりする。
【0047】
カードインタフェース37は、フラッシュメモリ39に記録されたデータを制御部20に転送したり、制御部20からデータをフラッシュメモリ39に書き込んだりすることができる。
【0048】
近距離通信装置31によりMFP1は、タブレットPC200Aや携帯電話300Bとの間で通信を行うことができる。ネットワークインターフェイス部29によりMFP1は、ネットワークに接続されたPC200B,200Cや、サーバ(データベース)100Aと接続し、データの交換を行うことができる。
【0049】
図3は、図1のMFP1が接続されるネットワークの概要を示す図である。
【0050】
MFP1と、サーバ100A〜100Cと、情報処理装置であるパーソナルコンピュータ(PC)200A〜200Cと、カメラ付き携帯端末300Aと、携帯電話300Bとは、それぞれネットワークに接続されており、相互にデータの授受が可能になっている。近距離通信(Bluetooth)により、MFP1とタブレットPC200Aや携帯電話300Bとは接続可能となっている。なお、図3におけるMFP1をMFP_Aとも呼ぶ。MFP1とタブレットPC200Aとサーバ100AとPC200Bとは、LANで接続されており、それ以外の装置はインターネットで接続されている。
【0051】
図3のネットワークにおいて、MFP1はインターネットとも接続可能であり、インターネット上に接続された各サーバ(各データベース)にもアクセスが可能である。サーバ100A内のデータベースDB_Aは、MFP1の管理のためのアプリケーションソフトウェアが主に使用するデータベースである。サーバ100B内のデータベースDB_Bは、携帯端末300Aの撮影画像に情報(メッセージ)を重ねて表示するアプリケーションソフトウェアが主に使用するデータベースである。サーバ100C内のデータベースDB_Cは、PC200Cの有するアプリケーションソフトウェアが主に使用するデータベースである。
【0052】
MFP1は、初期に自分の識別情報(個別情報ともいう。)を登録する。すなわち例えば、IPアドレス、MACアドレス、機械の型番、シリアル番号等を識別情報として登録する。また、MFP1の設置時に、MFP1に位置情報を登録するようになっている。これにより設置位置も、MFP1の識別情報として登録することが可能となる。
【0053】
図3において、MFP1の操作部11から直接に入力された書き込みデータは、サーバ100A内のデータベースDB_Aに登録される。図3の例では「管理者はXX氏」というメッセージがMFP1の操作部11から入力され、そのメッセージがデータベースDB_Aに登録されている状態が示されている。
【0054】
同じく、MFP1に近距離無線通信により接続されたタブレットPC(またはネットワークでサーバ100Aに接続されたタブレットPC)200Aでは、「カセット3段目は給紙ジャムになりやすい」というメッセージがタブレットPCの入力装置から入力され、そのメッセージがデータベースDB_Aに登録されている状態が示されている。
【0055】
また、MFP1に近距離無線通信により接続された携帯電話(またはネットワークでサーバ100Aに接続された携帯電話)300Bからは、「手置きスキャンは画質きれい」というメッセージが携帯電話の入力装置から入力され、そのメッセージがデータベースDB_Aに登録されている状態が示されている。
【0056】
このように、タブレットPCや携帯電話などからもキー入力でメッセージを入力することができ、MFP1と近距離無線通信で通信などすることで、データベースにメッセージを登録することができる。
【0057】
上述のように、MFP1を操作した者によって情報(メッセージ)が入力されると、そのデータがデータベースDB_Aに取りこまれ、保存される(この情報の流れを、図中(1)の矢印で示す)。なお、データベースDB_Aは、MFP1の内部に構成してもよい。
【0058】
また、データベースDB_Aは外部のデータベースから情報を入手することが可能である。すなわち、あらかじめデータの探索の対象となるデータベースが設定される。このデータベースは、図3の例ではデータベースDB_BおよびDB_Cである。サーバ100A(またはMFP1)は、MFP1の識別情報のいずれかがデータベースDB_BおよびDB_Cに存在するかを検索する(この検索を、図中(2)、(3)の矢印で示す)。存在した場合、その識別情報に対応付けられて記憶されているMFP1に関するメッセージをデータベースDB_BおよびDB_Cから入手する。入手したメッセージは、DB_Aに保存される。メッセージは、分類されてデータベースDB_Aに登録される。
【0059】
図3では、データベースDB_Bに、MFP1に関するメッセージとして「カセット2段目は裏紙」というメッセージが登録されており、データベースDB_Cに、MFP1に関するメッセージとして「プリント時はMFP_A(S/N_12345678)は黒が薄い」というメッセージが登録されている。データベースDB_Bは、携帯端末300Aからの情報を取得するデータベースであり、データベースDB_Cは、PC200Cからの情報を取得するデータベースである。
【0060】
データベースDB_Aは、各データベースから集められて保存されたMFP1に関するメッセージを、MFP1に転送する(この情報の流れを、図中(4)の矢印で示す)。
【0061】
MFP1は、ユーザの操作により設定されたモードに関連したメッセージを、MFP1の表示パネル13、またはアクセスしてきたPCの画面上に表示する。モードごとに表示するメッセージの抽出については、後に説明する。
【0062】
表示パネル13上に表示されるメッセージは、MFP1と近距離無線通信で連携したタブレットPC200Aや、携帯電話300Bに転送して表示することも可能である。
【0063】
なお以下の説明において、サーバ100A〜100Cのうちの1台をサーバ100と呼び、タブレットPC200AおよびPC200B〜200Cのうちの1台をPC200と呼び、携帯端末300Aおよび携帯電話300Bのうちの1台を携帯端末300と呼ぶ。
【0064】
[サーバ100の構成]
図4は、サーバ100のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0065】
図を参照して、サーバ100は、制御部120と、ネットワーク部129と、HDD(記憶手段の一例)140と、通信ユニット131とを有している。制御部120は、CPU121、ROM123、およびRAM125を有している。制御部120、ネットワーク部129、通信ユニット131、およびHDD140は、共にシステムバスに接続されている。これにより、制御部120、ネットワーク部129、通信ユニット131、およびHDD140の各部は、信号を送受可能に接続されている。
【0066】
ネットワーク部129は、サーバ100をインターネット800に接続する。これにより図3の各機器は、インターネットに接続することが可能となる。
【0067】
また、サーバ100は、通信ユニット131を制御することで、MFP1やPC200などの外部装置と通信可能になる。サーバ100は、例えばMFP1のスキャン部40で読み取られた画像データやPC200から送信された印刷ジョブなどのデータを受信可能である。受信されたデータは、必要に応じて、HDD140に記憶される。
【0068】
CPU121は、ROM123、RAM125、又はHDD140などに記憶された制御プログラム150などを実行することにより、サーバ100の種々の動作を制御する。CPU121は、PC200などから送信された操作コマンドや、MFP1から送信された情報などに応じて、制御プログラム150を実行する。これにより、サーバ100の種々の機能が実行される。HDD140には、ジョブデータ160やジョブ状況テーブル170が記録される。また、HDD140内にデータベースDBが構成される。
【0069】
ROM123やRAM125は、例えば、MFP1のROM23やRAM25と同様に動作する。CPU121は、ROM123やRAM125へデータの書き込みや読み込みなどを行うことで、サーバ100の動作を制御する。
【0070】
[PC200の構成]
図5は、PC200のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0071】
図を参照して、PC200は、入力装置211と、表示装置213と、制御部220と、通信ユニット229と、HDD240とを有している。制御部220は、CPU221、ROM223、およびRAM225を有している。PC200の各部は、共にシステムバスに接続されており、信号を送受可能に接続されている。
【0072】
制御部220および通信ユニット229の構成は、例えば、サーバ100の制御部120および通信ユニット131の構成と略同様である。PC200は、通信ユニット229がネットワークに接続されていることで、MFP1やサーバ100などの外部装置と通信可能になる。CPU221は、HDD240に記憶されている制御プログラム250を実行して、ROM223やRAM225へデータの書き込みや読み込みなどを行うことで、PC200の動作を制御する。
【0073】
入力装置211は、例えば、キーボードや、マウスなどのポインティングデバイスなどである。ユーザは、入力装置211を操作して種々の指示をPC200に入力できる。入力装置211が操作されると、操作信号が制御部220に送信される。CPU221は、操作信号に応じて、PC200の動作の制御を行う。
【0074】
表示装置213は、例えば、LCDディスプレイなどのモニタ機器である。制御部220により表示装置213に種々の表示がなされることで、ユーザは、それを確認しながら、PC200に種々の指示を入力できる。
【0075】
HDD240には、例えば、制御プログラム250のほか、ユーザの文書データ280などが記憶されている。文書データ280は、例えば、テキスト形式のファイルや、PC200で動作するアプリケーションプログラムにより編集可能なデータ形式のファイルである。PC200には、ユーザの声など音声を入力したり、音声を出力する音声入出力部231が備えられている。またPC200には、画像を撮影するためのカメラ233が設けられている。
【0076】
上記通信ユニット29,131,229は、それぞれ近距離無線通信装置であってもよいし、有線LANに接続する装置であってもよい。
【0077】
[携帯端末300の構成]
図6は、携帯端末300のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0078】
図を参照して、携帯端末300は、入力装置311と、表示装置313と、制御部320と、通信ユニット329と、HDD(記憶装置)340とを有している。制御部320は、CPU321、ROM323、およびRAM325を有している。携帯端末300の各部は、共にシステムバスに接続されており、信号を送受可能に接続されている。
【0079】
制御部320および通信ユニット329の構成は、例えば、サーバ100の制御部120および通信ユニット131の構成と略同様である。携帯端末300は、通信ユニット329がネットワークに接続されていることで、MFP1やサーバ100などの外部装置と通信可能になる。CPU321は、HDD340に記憶されている制御プログラムを実行して、ROM323やRAM325へデータの書き込みや読み込みなどを行うことで、携帯端末300の動作を制御する。
【0080】
入力装置311は、例えば、キーやタッチパネルなどのポインティングデバイスなどである。ユーザは、入力装置311を操作して種々の指示を携帯端末300に入力できる。入力装置311が操作されると、操作信号が制御部320に送信される。CPU321は、操作信号に応じて、携帯端末300の動作の制御を行う。
【0081】
表示装置313は、例えば、LCDディスプレイなどである。制御部320により表示装置313に種々の表示がなされることで、ユーザは、それを確認しながら、携帯端末300に種々の指示を入力できる。
【0082】
携帯端末300は、さらにBluetooth部(近距離通信装置)333と、音声入出力部331と、カメラ335と、GPSユニット341と、ジャイロセンサ343とを備えている。GPSユニット341は、携帯端末300の位置を座標で検出するものであり、ジャイロセンサ343は、携帯端末300の動きや方向を検出するものである。
【0083】
[情報(メッセージ)の書き込み]
次に、情報(メッセージ)の書き込みについて説明する。
【0084】
図7は、MFP1の操作パネル11からMFP1のコピー機能に関するメッセージを書き込む状況を示す図である。
【0085】
ユーザがMFP1(MFP_A)のコピーモードを選択したとき(図7のボタンB1を押下したとき)に、表示部13には、図7に示されるようにコピーにおける各種条件を設定するための画面が表示される。また、表示部13の左下には、書き込みキーK1が表示される。書き込みキーK1をユーザがタッチすることで、図8の手書き入力モードになる。
【0086】
図8は、手書き入力モードにおける表示部13の表示内容を示す図である。
【0087】
ここでは表示部13の中央部分に、手書き入力を受け付ける部分が設けられる。手書きにより入力された文字が認識され、認識された文字が1文字ずつその上に表示される。ここでは具体例として、「管理者」という文字列が入力されている状況を示している。このような手書き入力を受け付けることで、ユーザによるMFP1のコピーモードに関するメッセージ(情報)の入力が容易になる。
【0088】
スキャンモードのボタン(図7のボタンB2)、ファクシミリモードのボタン(図7のボタンB3)が押下されたときには、図7の画面がスキャン用画面、FAX用画面に切り替わる。これら画面においても、表示部13の左下には書き込みキーK1が表示される。書き込みキーK1をユーザがタッチすることで、図8の手書き入力モードになる。手書き入力モードにおいて、ユーザによるMFP1のスキャンモード、またはファクシミリモードに関するメッセージ(情報)の入力が可能となる。
【0089】
図9は、PC200の入力装置211からMFP1のプリントに関するメッセージを書き込む状況を示す図である。
【0090】
このような書き込みを行う状況において、PC200では、WEBブラウザが起動される。WEBブラウザにおいてMFP1(MFP_A)のアドレス(IPアドレス)が選択されると、PC200とMFP1との接続が確立される。通常は、PC200からMFP1に対してはプリントの要求が行われる。そこで、WEBブラウザにおいても、MFP1との接続が確立されたときには、図9に示されるようなプリントに関連した表示が行われる。
【0091】
図9では、表示装置213の中央部に、「情報表示」、「ジョブ確認」、「ボックス」、「ダイレクトプリント」、「宛先登録」、「書き込み/表示」のタブが表示される。この中で「書き込み/表示」のタブが選択されると、MFP1のプリントモードに関するメッセージが画面下部に表示される。ここではプリントモードに関するメッセージとして、「カセット3段目は給紙ジャムになりやすい」、「管理者はXX氏」、「カセット2段目は裏紙」、「プリント時はMFP_A(S/N_12345678)は黒が薄い」という4つのメッセージが表示されている。これらメッセージは、過去にユーザによって書き込まれたものである。
【0092】
画面中の「書き込み」キーが入力装置211によって押下されると、図9のようにMFP1のプリントモードに関するメッセージを入力するためのカーソルが現れ、入力装置211を用いてユーザはメッセージを入力することができる。
【0093】
入力された情報は、PC200からMFP1へ送信される。このようにして、WEBブラウザの画面においてMFP1から受信されたデータを表示することができ、またPC200で書き込まれた情報がMFP1へ送信される。
【0094】
図10は、サーバ100A内のデータベースDB_Aに登録される情報の具体例を示す図である。
【0095】
図では5つのメッセージ(書き込み情報)がデータベースDB_Aに登録されている状況を示しており、各メッセージに対応して、そのメッセージの対象であるMFPの設置された座標と、そのMFPのシリアルナンバーと、そのMFPのIPアドレスと、そのメッセージが登録されたモードとが記録される。MFPの設置された座標、MFPのシリアルナンバー、MFPのIPアドレスのいずれかが、各MFPを識別するための識別情報として機能する。
【0096】
これら識別情報は、それぞれのMFPを区別するために、MFP1の有する記憶装置(ROM23やHDD27)にも記憶されている。
【0097】
図3で説明した通り、図10の1番目のメッセージである「カセット3段目は給紙ジャムになりやすい」というメッセージと、2番目のメッセージである「管理者はXX氏」というメッセージと、3番目のメッセージである「手置きスキャンは画質きれい」というメッセージはそれぞれ、PC200A、MFP1、および携帯端末300Bから入力されたものである。MFP1で入力されたメッセージは、MFP1からネットワークを介してサーバ100AのデータベースDB_Aに登録される。このときに、MFP1の座標、シリアルナンバー、IPアドレスもそれに付加して登録される。また、そのメッセージの対象となるモードが登録モードとして、メッセージに対応付けて記録される。登録モードについては、後述する。
【0098】
PC200Aまたは携帯端末300Bから入力されたメッセージは、近距離通信によりMFP1に入力される。そのメッセージは、MFP1からネットワークを介してサーバ100AのデータベースDB_Aに登録される。このときに、MFP1の座標、シリアルナンバー、IPアドレスもそれに付加して登録される。また、そのメッセージの対象となるモードが登録モードとして、メッセージに対応付けて記録される。
【0099】
図3で説明した通り、図10の4番目のメッセージである「カセット2段目は裏紙が入っている」というメッセージと、5番目のメッセージである「プリント時はMFP_A(S/N_12345678)は黒が薄い」というメッセージはそれぞれ、携帯端末300A、およびPC200Cから入力されたものである。
【0100】
携帯端末300AまたはPC200Cから入力されたメッセージはそれぞれ、ネットワークを介してサーバ100BのデータベースDB_B、およびサーバ100CのデータベースDB_Cに登録される。このときに、そのメッセージの対象となるMFP1の座標、シリアルナンバー、IPアドレスもそれに付加して登録される。また、そのメッセージの対象となるモードが登録モードとして、メッセージに対応付けて記録される。
【0101】
次に、図10中の「登録モード」について説明する。
【0102】
MFP1の操作部11から入力されたメッセージ、またはMFP1と近距離通信を行なうPC200Aや携帯端末300Bから入力されたメッセージに関しては、そのメッセージが登録されたときにMFP1に設定されていた操作モードが、図10の「登録モード」の欄に記録される。例えば図7および8に示したように、MFP1がコピーモードである場合に、「管理者はXX氏」というメッセージが書き込まれたとき、そのメッセージは図10の2番目の項目のように記録される。すなわち、そのメッセージに対応付けて、「登録モード」に「コピー」のモードが記録される。これは、メッセージがコピーモード(操作モードの一例)に対応するものであることを記録するものである。モードとしては、「コピー」以外に、「スキャン」、「プリント」、「FAX」が存在するが、これに限られるものでない。
【0103】
このように、メッセージ入力前に設定されていたMFP1のモードが、図10の「登録モード」として記録される。すなわち、各メッセージは分類されて記録される。
【0104】
さらに、入力されたメッセージ(文章)内のキーワードによって、図10の「登録モード」の記録が行なわれる。このようにして、キーワードによってもメッセージの分類が行なわれる。該当するキーワードを含まないメッセージに関しては、全てのモードに関連するものとしてデータベースDB_Aに登録される(全てのモードが図10の「登録モード」の項目に記録される)。
【0105】
図11は、サーバ100AのデータベースDB_A内に登録されるキーワードデータベースの具体例を示す図である。
【0106】
キーワードデータベースは、上述のキーワードによる分類を行なうためのデータベースである。ここでは、メッセージ内に「コピー」の語を含むメッセージには、「コピー」のモードを「登録モード」として記録することが示されている。メッセージ内に「スキャン」の語を含むメッセージには、「スキャン」のモードを「登録モード」として記録することが示されている。メッセージ内に「プリント」の語を含むメッセージには、「プリント」のモードを「登録モード」として記録することが示されている。メッセージ内に「FAX」の語を含むメッセージには、「FAX」のモードを「登録モード」として記録することが示されている。
【0107】
メッセージ内に「給紙」、「カセット」、「ジャム」、「ペーパーエンプティ」、「トナー」、「消耗品」のいずれかの語を含むメッセージには、「コピー」および「プリント」のモードを「登録モード」として記録することが示されている。これらの語は、コピーやプリントといった、用紙にトナー画像を印刷するモードに関連するからである。
【0108】
メッセージ内に「手置き」、「原稿」のいずれかの語を含むメッセージには、「コピー」、「スキャン」、および「FAX」のモードを「登録モード」として記録することが示されている。これらの語は、コピーやスキャンやFAXといった、原稿の読取動作を含むモードに関連するからである。
【0109】
メッセージ内に「両面」の語を含むメッセージには、「コピー」、「スキャン」、および「プリント」のモードを「登録モード」として記録することが示されている。「両面」の語は、コピー、スキャン、プリントといった、原稿両面の読取り動作、または両面のプリント動作を含むモードに関連するからである。
【0110】
メッセージ内に「宛先」の語を含むメッセージには、「スキャン」および「FAX」のモードを「登録モード」として記録することが示されている。「宛先」の語は、スキャン、FAXといった、外部へのデータの送信動作を含むモードに関連するからである。
【0111】
図10のデータベースDB_Aにおける、1番目のメッセージ(「カセット3段目は給紙ジャムになりやすい」)の登録の動作について説明する。
【0112】
このメッセージは、MFP1でユーザがコピーを行った後に、ユーザが「カセット3段目は給紙ジャムになりやすい」とPC200Aにおいて書き込みを行なったときのメッセージである。このメッセージは、コピーモードに対するメッセージであるものとして、その「登録モード」の欄には、「コピー」と記録される。
【0113】
そして登録されるメッセージ(文章)のキーワード検索を行う。「給紙」という文字が検索されるので、「登録モード」の欄には「コピー」だけでなく、「プリント」も記録される(図11の5番目の項目に該当)。
【0114】
このように検索文字列(キーワード)は、予め登録モードごとに分類され保存されている。文章中に検索文字が抽出された場合、その文章は対応した登録モードに関連付けられる。そして、MFP1の識別情報(座標位置情報、シリアルナンバー、およびIPアドレス)が付加され、データベースDB_Aに登録される。
【0115】
上述のように、該当するキーワードを含まないメッセージに関しては、全てのモードに関連するものとしてデータベースDB_Aに登録される。例えば図10において2番目のメッセージは、図11のいずれの検索文字列も含まないので、そのメッセージに対応付けて、「コピー」、「スキャン」、「プリント」、「FAX」の全てのモードが登録される。
【0116】
データベースDB_Aの登録内容は、データベースDB_BおよびDB_Cにも登録される。このようにすることで、MFP1に関するメッセージその他の情報が各データベースに登録され、共有される。また、データベースDB_Aは、定期的にデータベースDB_BおよびDB_Cの情報の検索を行い、最新の情報が登録されたか(情報の更新や追加があったか)を判定する。最新の情報があれば、それをデータベースDB_BおよびDB_Cから取得し、データベースDB_Aに記録する。
【0117】
このようにしてデータベースに登録された情報は、MFP1で特定のモードが選択された場合にデータベースからMFP1に送信され、MFP1にて対応するメッセージが表示される。具体的には、選択された特定のモードに対応するメッセージのみが、MFP1へ送信される。
【0118】
例えばMFP1においてコピーモードが選択された場合、図10の登録内容から、「登録モード」に「コピー」を有する1番目〜4番目の項目に対応するメッセージが、MFP1に送信され表示される。
【0119】
なお、情報の送信タイミングは上記の例に限らず、所定のタイミングで全ての情報をMFPに送信し、表示するメッセージをMFP1で取捨選択するようにしてもよい。
【0120】
図12は、MFP1の表示パネル13の表示内容の一例を示す図である。
【0121】
図12においては、ユーザがMFP1(MFP_A)のコピーモードを選択したとき(例えば図7のボタンB1を押下したとき)に、表示パネル13にメッセージを表示する例を示している。ここでは、コピーモードに関連したメッセージのみの表示が行われている。
【0122】
図13は、カメラ付きの携帯端末300Aの表示装置313の表示内容の一例を示す図である。
【0123】
図13においては、携帯端末300Aのカメラ335によりMFP1をその正面側から撮影した状態を示している。携帯端末300Aは、入力装置311a,311bを押下することにより操作される。携帯端末300Aは、GPSユニット341およびジャイロセンサ343により、携帯端末300Aが存在する位置およびどの方向を撮影しているかを判断することができる。すなわち携帯端末300Aは、座標位置検出機能と方向検出機能とを備えている。
【0124】
カメラ付き携帯端末300Aでは、MFP1の情報を取得することができるアプリケーションが記憶装置340にインストールされている。ユーザがMFP1に関する情報を入手したい場合には、このアプリケーションを起動し、MFP1を撮影する。携帯端末300Aでは、座標位置検出機能と方向検出機能により、撮影されているMFPを特定する処理が行なわれる(または、携帯端末300Aが座標位置と方向とをサーバ100Bに送信することで、サーバ100BがMFPを特定する)。MFPが特定されるとその識別情報に基づき、サーバ100BのデータベースDB_B内の検索が行なわれる。特定されたMFPに関連付けられて登録されているメッセージが、図13のように携帯端末300Aの表示装置313に、撮影されたMFP1の画像とともに表示される。
【0125】
なおMFPの特定は、携帯端末300Aの座標位置に基づいて行なわれても良い。検出された携帯端末300Aの座標に近いMFPを、カメラで撮影されているMFPと判定するものである。
【0126】
なお、図10の各メッセージに対応付けて、そのメッセージが主としてMFPのスキャナに対するものか、プリントエンジンに対するものか、何段目の給紙カセットに対するものか、MFP全体に対するものかなど、メッセージの向けられるMFPの部位を示すデータを記録するようにしてもよい。このようにすることで、図13に示されるように表示されたMFPの部位と対応付けてメッセージを表示することができる(メッセージの画面上の表示位置と、そのメッセージに対応したMFPの部位の表示位置と合わせることができる)。
【0127】
以上のように、各種データベースに書き込まれたMFP1に関する情報が1つのデータベースに蓄積され、MFP個別の情報をMFPのパネルやMFPにアクセスしたPCや携帯端末などに表示することができる。すなわち、各種装置から入力され、各データベースに登録された情報は、MFPのパネルや、情報処理端末の画面、携帯端末の画面などで一度に見ることが可能となる。これにより、ユーザは容易に必要な情報を得ることが可能となる。
【0128】
図14は、MFP1のCPU21およびサーバ100AのCPU121が実行する処理を示すフローチャートである。
【0129】
ここではステップS101〜S107までの処理をMFP1のCPU21が実行し、ステップS109以降の処理をサーバ100AのCPU121が実行するものとするが、このCPU同士の作業分担は任意であり、例えば全ての処理をどちらかのCPUで実行することとしてもよい。
【0130】
図を参照して、ステップS101においてMFP1の操作部11(またはMFPが近距離通信を行なう携帯端末や携帯電話などのデバイス)を介してメッセージ(情報)の入力を受け付ける。ステップS103において、MFP1を特定のモードで使用した後にメッセージが入力されたかを判定する。NOであればステップS107へ進む。
【0131】
ステップS103においてYESであれば、ステップS105において、MFPに直前に設定されていたモードに関する情報をメッセージに添付する。
【0132】
ステップS107において、MFP1のCPU21は、そのMFP1の識別情報とともにメッセージをサーバ100AのデータベースDB_Aに送信する。
【0133】
ステップS109において、サーバ100AのCPU121は、メッセージに図11のキーワードが含まれるか検索する。ステップS111においてキーワードが含まれる場合には、ステップS113においてそのキーワードに対応付けて登録されているモードをメッセージに付加する。
【0134】
一方でステップS111でキーワードが含まれない場合には、ステップS121において全てのモードをメッセージに付加する。
【0135】
ステップS115においてMFP1の識別情報、メッセージ、および登録モードを対応付けた上で、ステップS117でそれをデータベースDB_Aに登録する。ステップS119において、データベースDB_BおよびDB_CにもデータベースDB_Aに登録した情報を登録し、処理を終了する。
【0136】
図15は、PC200のCPU221およびサーバ100AのCPU121が実行する処理を示すフローチャートである。
【0137】
ここではステップS201〜S209までの処理をPC200のCPU221が実行し、ステップS211以降の処理をサーバ100AのCPU121が実行するものとするが、このCPU同士の作業分担は任意であり、例えば全ての処理をどちらかのCPUで実行することとしてもよい。また、ここではPC200からサーバ100AのデータベースDB_Aにデータを登録する例を示すが、PC200からサーバ100CのデータベースDB_Cにデータを送信することとしてもよい。この場合、ステップS211以降の処理をサーバ100CのCPU120が実行することとなる。
【0138】
図を参照して、ステップS201においてPC200のブラウザによってMFP1へのアクセスが行なわれる。ステップS203においてPC200の入力装置211を介してメッセージ(情報)の入力を受け付ける。ステップS205において、MFP1をプリントモードで使用した後にメッセージが入力されたかを判定する。NOであればステップS209へ進む。
【0139】
ステップS205においてYESであれば、ステップS207において、登録モードに関する情報として「プリント」をメッセージに添付する。
【0140】
ステップS209において、PC200のCPU221は、アクセスを行なったMFP1の識別情報とともにメッセージをサーバ100AのデータベースDB_Aに送信する。
【0141】
ステップS211において、サーバ100AのCPU121は、メッセージに図11のキーワードが含まれるか検索する。ステップS213においてキーワードが含まれる場合には、ステップS215においてそのキーワードに対応付けて登録されているモードをメッセージに付加する。
【0142】
一方でステップS213でキーワードが含まれない場合には、ステップS223において全てのモードをメッセージに付加する。
【0143】
ステップS217においてMFP1の識別情報、メッセージ、および登録モードを対応付けた上で、ステップS219でそれをデータベースDB_Aに登録する。ステップS221において、他の全てのデータベース(ここではデータベースDB_BおよびDB_C)にもデータベースDB_Aに登録した情報を登録し、処理を終了する。
【0144】
なお、ステップS201〜S209までの処理を、アクセスを受けたMFP1のCPU21が実行することとしてもよい。この場合、ステップS209においてはMFP1からデータベースDB_Aに情報を送信することになる。さらには、全てのステップの処理をアクセスを受けたMFP1のCPU21が実行することとしてもよい。
【0145】
なお、携帯端末300からメッセージをサーバ100BのデータベースDB_Bに登録する場合にも、図15と同様な処理が行われる。すなわち、PCからサーバへの情報の登録と同様の処理が行われる。ただしこの場合、ステップS201では携帯端末300はMFP_Aにアクセスしなくてもよい。ステップS203で携帯端末300から入力された情報は、ステップS209でMFP1を識別するための情報と共にデータベースDB_Bへ送られる。データベースDB_Bにおいて、ステップS211からの処理が行われる。また、携帯端末300ではMFP1を識別するための情報として、GPSユニット341で取得された位置情報を取得し、それをメッセージと共にデータベースDB_Bに送信することとしてもよい。この場合、データベースDB_Bは、メッセージを識別情報としての位置情報(座標情報などの)と共に登録する。識別情報である位置情報に基づいて、そのメッセージがどのMFPに関するメッセージであるかを後に特定することができる。
【0146】
図16は、データベースDB_BおよびDB_CからMFP1の情報をデータベースDB_Aに吸い上げる処理を示すフローチャートである。
【0147】
ここでは各ステップの処理をサーバ100AのCPU121が実行するものとするが、これらの処理をMFP1のCPU21が実行することとしてもよい。
【0148】
図を参照して、ステップS301においてサーバ100AのCPU121は、MFP1の識別情報に対応する新しい情報(メッセージ)がデータベースDB_BおよびDB_Cに存在するか、問い合わせる。これは具体的には、MFP1の識別情報とデータベースDB_DおよびDB_Cに記憶された識別情報とを比較し、両識別情報が一致した場合に、データベースDB_DおよびDB_Cに記憶された対応する情報を、MFP1に関する情報であると判定するものである。この判定は、どのサーバのCPUが実行してもよいし、MFP1のCPUが実行してもよい。ステップS303において、新しい情報が存在すると判断した場合、ステップS305において、その情報を吸い上げる(取得する)。
【0149】
ステップS307において、吸い上げた情報をデータベースDB_Aに一時的に保存する。ステップS309において、サーバ100AのCPU121は、メッセージに図11のキーワードが含まれるか検索する。ステップS311においてキーワードが含まれる場合には、ステップS313においてそのキーワードに対応付けて登録されているモードをメッセージに付加する。
【0150】
一方でステップS311でキーワードが含まれない場合には、ステップS319において全てのモードをメッセージに付加する。
【0151】
ステップS315においてMFP1の識別情報、メッセージ、および登録モードを対応付けた上で、ステップS317でそれをデータベースDB_Aに登録する。
【0152】
このような処理により、データベースDB_BおよびDB_Cに登録された情報も、データベースDB_Aに登録することが可能となる(各データベースのデータを同期させることが可能となる)。
【0153】
図17は、MFP1のCPU21が実行するメッセージ表示処理を示すフローチャートである。
【0154】
ステップS401において、MFP1のCPU21は、ユーザからMFP1の動作モードの選択を受け付ける。このモードとしては、「コピー」、「スキャン」、「プリント」、「FAX」などがある。
【0155】
ステップS403において、MFP1のCPU21は、選択されたモードに応じたメッセージ(選択されたモードが登録モードに含まれるメッセージ)であって、MFP1のものとして登録されているメッセージをサーバ100Aに要求する。この要求に応じてステップS405においてサーバ100AのCPU121は、対応するメッセージをMFP1に送信し、MFP1のCPU21はそれを受信する。
【0156】
ステップS407において、MFP1のCPU21は、受信したメッセージを表示パネル13に表示する。この処理により、図12に示されるような表示が行なわれる。
【0157】
図18は、PC200のCPU221が実行するメッセージ表示処理を示すフローチャートである。
【0158】
ステップS501において、PC200のCPU221は、ユーザからMFP1へアクセスする旨の選択を受け付ける。ここでのMFP1の動作モードとしては、「プリント」が選択されたものとする。
【0159】
ステップS503において、PC200のCPU221は、プリントモードに応じたメッセージ(プリントモードが登録モードに含まれるメッセージ)であって、MFP1のものとして登録されているメッセージをサーバ100Aに要求する。この要求に応じてステップS505においてサーバ100AのCPU121は、対応するメッセージをPC200に送信し、PC200のCPU221はそれを受信する。
【0160】
ステップS507において、PC200のCPU221は、受信したメッセージを表示装置213に表示する。
【0161】
図19は、携帯端末300のCPU321が実行するメッセージ表示処理を示すフローチャートである。
【0162】
ステップS601において、携帯端末300のCPU321は、ユーザからの指示に従いMFP1をカメラ335で撮影する。
【0163】
ステップS603において、携帯端末300のCPU321は、GPSユニット341およびジャイロセンサ343で現在位置の座標情報(またはMFP1の座標情報)を取得する。
【0164】
ステップS605において、携帯端末300のCPU321は、ステップS603で得られた情報に従って、MFP1のものとして登録されているメッセージをサーバ100Bに要求する。この要求に応じてサーバ100BのCPU121は、対応するメッセージを携帯端末300に送信し、携帯端末300のCPU321はそれを受信する。さらに、携帯端末300のCPU321は、撮影されたMFP1の画像とともに、受信したメッセージを表示装置313に表示する。この処理により、図13に示されるような表示が行なわれる。
【0165】
なお、図13のメッセージの表示位置は、MFP1の座標位置に基づいて決定される。これにより、MFP1の撮影画像の表示位置とメッセージの表示位置とを合わせることができる。
【0166】
[実施の形態における効果]
以上のようにして、管理の対象となる画像形成装置(MFP1)を識別するための識別情報を記憶する記憶部(ROM23またはHDD27など)を備えた画像形成装置の管理装置が提供される。管理の対象となる画像形成装置の操作パネル11、または管理の対象となる画像形成装置と通信可能な第1の端末装置(PC200Aや携帯電話300Bなど)から第1のメッセージが入力される。画像形成装置を識別するための識別情報とともに、第2の端末装置(携帯端末300Aなど)から入力された第2のメッセージを登録する第1のデータベース(DB_B)との間で、画像形成装置の管理装置は通信を行う。
【0167】
画像形成装置の管理装置は、記憶部(ROM23またはHDD27など)に記憶された識別情報、および第1のデータベース(DB_B)に登録されている識別情報を比較し、第2のメッセージが管理の対象となる画像形成装置に関するメッセージか否か判定する。
【0168】
第2のメッセージが管理の対象となる画像形成装置に関するメッセージであると判定されたときに、画像形成装置の管理装置は、第2のメッセージが第1のメッセージとともに表示されるよう制御を行う。これにより、図12、図13のような表示が行われる。
【0169】
各種データベースに書き込まれたMFPに関する情報が1つのデータベースに蓄積され、MFP個別の情報をMFPのパネルやMFPにアクセスしたPC、携帯端末などに表示することができる。すなわち、各種装置から入力され、各データベースに登録された情報は、画像形成装置としてMFPのパネルや、情報処理端末の画面、携帯端末の画面などで一度に見ることが可能となる。これにより、ユーザは容易に必要な情報を得ることが可能となる。
【0170】
例えば、MFPを使用する人がそのMFPの情報を知りたい場合、過去にそのMFPを使用した人が書き込んだ最新の情報を、全てのデータベースから一度に入手してパネルやPCの画面上に表示することができる。ユーザは、全てのデータベースに個々にアクセスする必要がなくなる。これによりユーザは、プリントミスなどをなくすことができ、MFPを容易に使いこなすことができるという効果がある。
【0171】
また、コピー、スキャン、FAX、プリントなどといった設定されたモードに関連した情報のみを表示することで、ユーザは必要な情報のみを容易に得ることが可能となる。
【0172】
なお、データベースから管理の対象となる画像形成装置の情報を読み出す場合には、MFPの座標、シリアルナンバー、IPアドレスなど、識別情報のどれかが一致したものを読みだすこととしてもよい。
【0173】
なお、画像形成装置(MFP1)の管理装置は、画像形成装置内の機能として持たせるようにしてもよいし、サーバやPC、携帯端末内の機能として持たせるようにしてもよい。さらに、図3のようなシステムの一部を構成する機器が画像形成装置の管理装置の一部の機能を実行し、他の機能をシステムを構成する他の機器が実行するようにしてもよい。
【0174】
上述の実施の形態における処理は、ソフトウェアにより行なっても、ハードウェア回路を用いて行なってもよい。また、上述の実施の形態における処理を実行するプログラムを提供することもできるし、そのプログラムをCD−ROM、フレキシブルディスク、ハードディスク、ROM、RAM、メモリカードなどの記録媒体に記録してユーザに提供することにしてもよい。プログラムは、CPUなどのコンピュータにより実行される。また、プログラムはインターネットなどの通信回線を介して、装置にダウンロードするようにしてもよい。
【0175】
上述の実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0176】
1 MFP
11 操作パネル
11a 操作ボタン
13 表示パネル
21 CPU
29 ネットワークI/F(通信ユニット)
31 近距離通信部
100A,100B サーバ
121 CPU
129 ネットワーク部
140 ハードディスクドライブ
200A〜200G PC
211 入力装置
213 表示装置
221 CPU
229 通信ユニット
300A,300B 携帯端末
311 入力装置
313 表示装置
333 近距離通信部
335 カメラ
329 通信ユニット
341 GPSセンサ
343 ジャイロセンサ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理の対象となる画像形成装置を識別するための識別情報を記憶する記憶手段と、
前記管理の対象となる画像形成装置の操作パネル、または前記管理の対象となる画像形成装置と通信可能な第1の端末装置から第1のメッセージを入力する入力手段と、
画像形成装置を識別するための識別情報とともに、第2の端末装置から入力された第2のメッセージを登録する第1のデータベースとの間で通信を行う第1の通信手段と、
前記記憶手段に記憶された識別情報、および前記第1のデータベースに登録されている識別情報に基づき、前記第2のメッセージのうち前記管理の対象となる画像形成装置に関するメッセージを取得する取得手段と、
前記取得手段で取得された前記第2のメッセージが前記第1のメッセージとともに表示されるよう制御を行う制御手段とを備えた、画像形成装置の管理装置。
【請求項2】
前記記憶手段は、前記識別情報として複数種類の情報を記憶し、
前記取得手段は、前記記憶手段に記憶された前記複数種類の情報のうちのいずれかが、前記第1のデータベースに記憶されている識別情報と一致しているメッセージを取得する、請求項1に記載の画像形成装置の管理装置。
【請求項3】
第2のデータベースと通信する第2の通信手段と、
前記入力手段で入力された前記第1のメッセージを、前記管理の対象となる画像形成装置を識別するための識別情報と対応付けて前記第2のデータベースに登録する登録手段とをさらに備えた、請求項1または2に記載の画像形成装置の管理装置。
【請求項4】
前記第1または第2のデータベースのいずれか一方に識別情報およびメッセージが記憶されると、その識別情報およびメッセージを前記第1または第2のデータベースのいずれか他方に登録する、請求項3に記載の画像形成装置の管理装置。
【請求項5】
前記第1のデータベースに識別情報およびメッセージが記憶されると、その識別情報が前記記憶手段に記憶された前記管理の対象となる画像形成装置を識別するための識別情報に相当する場合に、その識別情報およびメッセージを前記第2のデータベースに登録する、請求項3に記載の画像形成装置の管理装置。
【請求項6】
前記第2の端末装置は携帯端末であり、その携帯端末の位置情報を取得する機能を備え、
前記識別情報は、位置情報を含み、
前記第1のデータベースは、画像形成装置を識別するための識別情報として、前記携帯端末で取得された位置情報を記憶し、
前記取得手段は、位置情報に基づいてメッセージを取得する、請求項1から5のいずれかに記載の画像形成装置の管理装置。
【請求項7】
前記制御手段は、カメラ付き携帯端末において前記管理の対象となる画像形成装置を撮影した場合に、前記カメラ付き携帯端末の表示画面に、前記第2のメッセージが前記第1のメッセージとともに表示されるように制御を行う、請求項1から6のいずれかに記載の画像形成装置の管理装置。
【請求項8】
前記表示画面においては、前記管理の対象となる画像形成装置の座標位置に基づいて、メッセージの表示位置が制御される、請求項7に記載の画像形成装置の管理装置。
【請求項9】
前記制御手段は、前記画像形成装置にて選択されたモードに応じて、そのモードに対応したメッセージのみを表示する、請求項1から8のいずれかに記載の画像形成装置の管理装置。
【請求項10】
管理の対象となる画像形成装置を識別するための識別情報を記憶する記憶手段を備えた画像形成装置の管理装置の制御方法であって、
前記管理の対象となる画像形成装置の操作パネル、または前記管理の対象となる画像形成装置と通信可能な第1の端末装置から第1のメッセージを入力する入力ステップと、
画像形成装置を識別するための識別情報とともに、第2の端末装置から入力された第2のメッセージを登録する第1のデータベースとの間で通信を行う第1の通信ステップと、
前記記憶手段に記憶された識別情報、および前記第1のデータベースに登録されている識別情報に基づき、前記第2のメッセージのうち前記管理の対象となる画像形成装置に関するメッセージを取得する取得ステップと、
前記取得ステップで取得された前記第2のメッセージが前記第1のメッセージとともに表示されるよう制御を行う制御ステップとを備えた、画像形成装置の管理装置の制御方法。
【請求項11】
管理の対象となる画像形成装置を識別するための識別情報を記憶する記憶手段を備えた画像形成装置の管理装置の制御プログラムであって、
前記管理の対象となる画像形成装置の操作パネル、または前記管理の対象となる画像形成装置と通信可能な第1の端末装置から第1のメッセージを入力する入力ステップと、
画像形成装置を識別するための識別情報とともに、第2の端末装置から入力された第2のメッセージを登録する第1のデータベースとの間で通信を行う第1の通信ステップと、
前記記憶手段に記憶された識別情報、および前記第1のデータベースに登録されている識別情報に基づき、前記第2のメッセージのうち前記管理の対象となる画像形成装置に関するメッセージを取得する取得ステップと、
前記取得ステップで取得された前記第2のメッセージが前記第1のメッセージとともに表示されるよう制御を行う制御ステップとをコンピュータに実行させる、画像形成装置の管理装置の制御プログラム。



【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2012−185265(P2012−185265A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−47379(P2011−47379)
【出願日】平成23年3月4日(2011.3.4)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】