説明

画像形成装置及びそのプログラム

【課題】画像形成装置における補正処理が低精度で実行されることを抑制する。
【解決手段】プリンタ10は、画像形成部40と補正部80を備えている。画像形成部40は、バッチをベルト上に形成する。補正部80は、光学センサ24、26を備えており、光学センサ24、26が検出した検出値に基づいて画像形成部40の補正処理を行う。プリンタ10は、設定部76と制御部78を備えており、設定部76が検出した補正部80の補正精度に関する値が基準値よりも低く、補正部80の補正精度が低いと評価される場合に、制御部78用いて補正部80による補正処理を実行しないように設定する。補正部80の補正精度が低いと評価された場合でも、補正処理が失敗する回数を低く抑えることができ、補正処理が低精度で実行されることが抑制される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及びそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、画像形成装置が用いられている。画像形成装置は形成部を有しており、形成部が相対移動する対象物に画像を転写することで、対象物に画像を形成する。このような画像形成装置では、形成部が対象物上に形成した画像の位置が予定されている画像の位置と一致せず、いわゆる位置ずれが生じることがある。また、形成部が対象物上に形成した画像の面積が予定されている画像の面積と一致せず、いわゆる色ずれが生じることがある。従来より、位置ずれや色ずれ等による画像品質の劣化を防止する補正処理が知られている(例えば特許文献1)。この補正処理では、対象物の表面状態を検出し、その検出結果に基づいて対象物に画像を形成する位置を決定して補正処理を実行することで、位置ずれや色ずれ等が発生することを抑制する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−162652号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像形成装置では、対象物の表面状態が劣化している場合、あるいは装置内が高温または高湿である場合に、補正処理が成功する確率が低下してしまう。従来の補正処理では、このような場合でも、例えば表面状態の比較的良い部分を選択することで通常と同じ頻度で補正処理を実行していた。しかし、このような場合に通常と同じ頻度で補正処理を実行してしまうと、補正処理が失敗する回数が増加してしまう。この結果、補正処理に用いることができる検出値が減少し、補正処理の精度が低下してしまう。
【0005】
本明細書では、補正処理が低精度で実行されることを抑制する技術が開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書によって開示される画像形成装置は、相対移動する対象物に画像を形成する形成部と、前記形成部により前記対象物に形成された補正用マークを第1検出部が検出した第1検出結果に基づいて前記形成部の画像形成条件を変更する補正処理を実行する補正部と、前記補正部の補正精度に応じて前記補正処理を実行する実行タイミングを設定する設定部と、前記設定部の設定に基づいて前記補正部の補正処理を制御する制御部と、を備え、前記設定部は、前記補正精度が低くなるに従って、前記補正部による補正処理の実行頻度が低くなるように設定する。
【0007】
この画像読取装置では、補正部の補正精度が低くなるに従って、補正部による補正処理の実行頻度が低くなるように設定する。この画像読取装置によれば、補正部の補正精度が低いと評価された場合でも、補正処理が失敗する回数を低く抑えることができ、補正処理が低精度で実行されることを抑制することができる。
【0008】
また、上記の画像読取装置では、前記補正精度と前記実行頻度とを対応付けて記憶する記憶部を備え、前記設定部は、前記記憶部に記憶された前記補正精度と前記実行頻度との対応関係に基づいて前記実行頻度を設定する構成としても良い。この画像読取装置によれば、記憶部に記憶された補正精度と実行頻度との対応関係に基づくことで、当該対応関係が無い場合に比べて、実行頻度を適切に設定することができる。
【0009】
また、上記の画像読取装置では、前記対象物の表面状態を検出する第2検出部を備え、前記設定部は、前記第2検出部が検出した第2検出結果に基づいて前記補正精度を評価し、前記第2検出結果が基準を満たさない場合に前記実行頻度が低くなるように設定する構成としても良い。この画像読取装置では、対象物の表面状態が基準を満たさないほど劣化している場合に、補正部による補正処理の実行頻度が低くなるように設定することで補正処理が失敗する回数を低く抑えることができ、補正処理が低精度で実行されることを抑制することができる。
【0010】
本明細書によって開示される画像形成装置は、また、相対移動する対象物に画像を形成する形成部と、前記形成部により前記対象物に形成された補正用マークを第1検出部が検出した第1検出結果に基づいて前記形成部の画像形成条件を変更する補正処理を実行する補正部と、前記補正部の補正精度に応じて前記補正処理を実行する実行タイミングを設定する設定部と、前記設定部の設定に基づいて前記補正部の補正処理を制御する制御部と、温度と湿度の少なくとも一方を検出する第3検出部と、前記第3検出部が検出した第3検出結果と、当該第3検出結果が検出された場合に実行された補正処理の前記第1検出結果に関する情報とを対応付けて記憶する記憶部と、を備え、前記設定部は、前記記憶部に記憶された前記情報に基づいて前記補正部の補正精度を評価し、前記第3検出部が検出した前記第3検出結果に対応付けられた前記情報が基準を満たさない場合に、前記補正部による補正処理を実行しないように実行タイミングを設定する構成としても良い。
【0011】
この画像読取装置では、温度や湿度に起因して補正部の補正精度が低いと評価される場合でも、補正部による補正処理を実行しないように設定することで補正処理が失敗する回数を低く抑えることができ、補正処理が低精度で実行されることを抑制することができる。
【0012】
また、上記の画像読取装置では、前記第3検出部は、前記画像形成装置内の温度と湿度の少なくとも一方を検出する構成としても良い。この画像読取装置によれば、画像形成装置内の温度や湿度に基づいて補正部の補正精度を評価することで、装置外の温度や湿度に基づく場合に比べて、補正処理を高精度で実行することができる。
【0013】
また、上記の画像読取装置では、前記設定部は、前記第3検出部が検出した第3検出結果に対応付けられた前記情報が前記基準を満たさない場合から前記基準を満たす場合へと変化した場合に、前記補正部による補正処理を実行するように実行タイミングを設定する構成としても良い。この画像読取装置によれば、第1検出結果に関する情報が基準を満たさない場合から基準を満たす場合へと変化した後には、補正部による補正処理を実行することができ、濃度ずれや位置ずれ等が発生することを抑制することができる。
【0014】
本明細書によって開示される画像形成装置は、また、相対移動する対象物に画像を形成する形成部と、前記形成部により前記対象物に形成された補正用マークを第1検出部が検出した第1検出結果に基づいて前記形成部の画像形成条件を変更する補正処理を実行する補正部と、前記補正部の補正精度に応じて前記補正処理を実行する実行タイミングを設定する設定部と、前記設定部の設定に基づいて前記補正部の補正処理を制御する制御部と、計時部と、を備え、前記補正部は、前記形成部の第1画像形成条件の補正処理の後に前記形成部の第2画像形成条件の補正処理を実行しており、前記設定部は、前記計時部が計時した前記第1画像形成条件の補正処理が実行されてから前記第2画像形成条件の補正処理が実行されるまでの計測時間に基づいて前記第2画像形成条件の補正処理の補正精度を評価し、前記計測時間が基準時間よりも長い場合に、前記第2画像形成条件の補正処理を実行しないように実行タイミングを設定する構成としても良い。
【0015】
この画像読取装置では、第1画像形成条件の補正処理が実行されてから第2画像形成条件の補正処理が実行されるまでの計測時間に基づいて第2画像形成条件の補正処理の補正精度を評価する。一般に、直前に行われた補正処理からの経過時間が短いほど、次の補正処理が成功する確率が高くなる作用が存在することが知られている。本発明では、この作用を利用して、第2画像形成条件の補正処理が低精度で実行されることを抑制することができる。
【0016】
本明細書によって開示される画像形成装置は、また、相対移動する対象物に画像を形成する形成部と、前記形成部により前記対象物に形成された補正用マークを第1検出部が検出した第1検出結果に基づいて前記形成部の画像形成条件を変更する補正処理を実行する補正部と、前記補正部の補正精度に応じて前記補正処理を実行する実行タイミングを設定する設定部と、前記設定部の設定に基づいて前記補正部の補正処理を制御する制御部と、を備え、前記補正部は、前記形成部の第1画像形成条件の補正処理の後に前記形成部の第2画像形成条件の補正処理を実行しており、前記設定部は、前記第1画像形成条件の補正処理の結果に関する情報に基づいて前記第2画像形成条件の補正処理の補正精度を評価し、前記第1画像形成条件の補正処理の結果に関する情報が基準を満たさない場合に、前記第2画像形成条件の補正処理を実行しないように実行タイミングを設定する構成としても良い。
【0017】
この画像読取装置では、直前に行われた第1画像形成条件の補正処理の結果に関する情報に基づいて第2画像形成条件の補正処理の補正精度を評価する。この画像読取装置によれば、直前に行われた第1画像形成条件の補正処理の結果に関する情報が基準を満たさないほど低精度である場合でも、第2画像形成条件の補正処理が失敗する回数を低く抑えることができ、第2画像形成条件の補正処理が低精度で実行されることを抑制することができる。
【0018】
また、上記の画像読取装置では、前記第1画像形成条件の補正処理は、濃度補正処理であり、前記第2画像形成条件の補正処理は、位置ずれ補正処理である構成としても良い。この画像読取装置によれば、濃度補正処理の後に実行される位置ずれ補正処理が低精度で実行されることを抑制することができる。
【0019】
なお、本明細書によって開示される発明は、制御装置、制御方法、これらの方法または装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体等の種々の態様で実現することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、画像形成装置における補正処理が低精度で実行されるのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】プリンタ10の側断面図
【図2】プリンタ10の制御システムを示すブロック図
【図3】プリンタ10の補正処理を示すフローチャート
【図4】補正間隔Hを設定するフローチャート
【図5】位置ずれ補正要求をチェックするフローチャート
【図6】濃度補正要求をチェックするフローチャート
【図7】補正処理のフローチャート
【図8】光学センサ24、26とベルト36の斜視図
【図9】基準強度Zとベルト劣化度Kの関係を示す表
【図10】ベルト劣化度Kと補正間隔Hの関係を示す表
【図11】手動補正用チャート
【図12】プリンタ110の制御システムを示すブロック図
【図13】プリンタ110の補正処理を示すフローチャート
【図14】補正処理のフローチャート
【図15a】基準範囲Xと補正履歴Rの関係を示す表
【図15b】基準範囲Xと補正履歴Rの関係を示す表
【発明を実施するための形態】
【0022】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図11を用いて説明する。
1.プリンタの全体構成
図1は、本実施形態のプリンタ10の概略構成を示す側断面図である。図1に示すように、プリンタ10は、4色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナーを用いてカラー画像を形成する直接転写タンデム方式のカラーレーザプリンタであって、ケーシング12内に構成されている。ケーシング12の内底部には供給トレイ14が設けられており、供給トレイ14に、用紙等のシート材16が積載されている。
【0023】
シート材16は、ユーザによって供給トレイ14に供給され、ケーシング12内に格納されると、押圧板18によって上方に持ち上げられ、ピックアップローラ20に押圧される。シート材16は、ピックアップローラ20の回転によって、レジストローラ22へ送られる。シート材16は、レジストローラ22によって斜行補正が行われた後に、ベルトユニット30へと送り出される。
【0024】
ベルトユニット30は、一対の支持ローラ32、34と、ベルト(対象物の他の例)36と、複数の転写ローラ38を含んで構成されている。ベルト36は、支持ローラ32、34の間に架設されており、その両端が接合されてリング状をしている。転写ローラ38は、リング状のベルト36内部に等間隔に配置されている。支持ローラ32、34は図示されていないモータによって反時計方向に回転し、それに伴ってベルト36が移動する。ベルトユニット30へと送り出されたシート材16は、ベルト36の回転に伴ってベルト36と共に移動する。
【0025】
ベルトユニット30の上側には、画像形成部40が設けられている。画像形成部40は、スキャナ部42とプロセス部44を含んで構成されている。スキャナ部42(プロセス部44)は、4色のトナーに対応した4つのスキャナ部42(プロセス部44)を含んでいる。各スキャナ部42(プロセス部44)を特定して示す場合には、図示番号の後に1又は2文字で示した各色を識別するアルファベット(イエロー:Y、マゼンタ:M、シアン:C、ブラック:BK)を付して示す。各プロセス部44は、ベルトユニット30の転写ローラ38に対応した位置に等間隔に配置されており、各スキャナ部42は、対応する各プロセス部44の上側に配置されている。
【0026】
スキャナ部42は、コンピュータ70(図2参照)から送られる各色画像データに基づき各々のレーザ発光部46を制御し、対応するプロセス部44に設けられた感光ドラム50の表面にレーザ光Lを照射する。
【0027】
プロセス部44は、帯電器48と、感光ドラム50と、現像カートリッジ52等を含んで構成されている。帯電器48は、感光ドラム50の表面を一様に正帯電させる。現像カートリッジ52には、トナー収容室54、現像ローラ56等が設けられている。現像カートリッジ52のトナー収容室54内にトナーが充填されており、トナー収容室54内のトナーが現像ローラ56上に供給される。
【0028】
画像形成部40では、シート材16またはベルト36上に画像を形成する際に、帯電器48が感光ドラム50の表面を正帯電させる。次に、スキャナ部42のレーザ発光部46から感光ドラム50にレーザ光Lを照射する。これによって、感光ドラム50の表面に形成すべき画像に対応した静電潜像が形成される。
【0029】
静電潜像が形成された感光ドラム50が現像ローラ56とのトナー供給位置Fを通過すると、現像ローラ56上に担持されているトナーが、静電潜像が形成された範囲の感光ドラム50の表面に供給される。これにより、感光ドラム50には各色のトナー像が形成される。
【0030】
トナー像が形成された感光ドラム50が転写ローラ38との転写位置Iを通過すると、感光ドラム50上のトナー像が、転写ローラ38に印加された負極性の転写バイアスによって転写位置Iを移動するシート材16(ベルト36)上に転写される。この結果、シート材16上に画像が形成される。また、ベルト36上にバッチ92、94(図8参照)が形成される。ベルト36の移動に伴って、シート材16(ベルト36)には各色の画像が連続して形成される。シート材16上に形成された画像は、定着器58に送られて定着し、排紙ローラ60によってケーシング12外に形成された排紙トレイ62へと排出される。
【0031】
ベルトユニット30の下側には、光学センサ24、26とクリーニングローラ28が設けられている。光学センサ24、26は、ベルト36上に形成されたバッチ92、94を検出するためのものである。図8に示すように、光学センサ24、26は、反射式光学センサであり、矢印95で示すベルト36の移動方向に直行する方向に並んで配置されている。
【0032】
クリーニングローラ28は、ベルト36に付着したトナーや紙粉等を除去する。ここで、「付着したトナー」には、意図せずにベルトに付着したトナーの他、意図的にベルト36上に形成されたバッチ92、94が含まれる。
【0033】
2.プリンタの電気的構成
図2に、プリンタ10の制御システムを概略的に示す。プリンタ10は、操作部86とコンピュータ70をさらに含んでおり、プリンタ10はコンピュータ70によって制御されている。操作部86は、複数のボタンからなり、ユーザによって電源のオン/オフや印刷開始の指示、補正設定などの入力操作が可能である。コンピュータ70は、メモリ72とCPU74を備えている。メモリ72には、プリンタ10の動作を制御するための各種プログラムPが記憶されており、CPU74はメモリ72から読み出したプログラムPに従って、プリンタ10の各種機能を実現している。
【0034】
プリンタ10では、画像形成部40に4色のトナーに対応した4つのスキャナ部42(プロセス部44)が設けられている。各スキャナ部42(プロセス部44)がシート材16に形成する画像の濃度や位置等の画像形成条件が調整されていないと、シート材16に形成される画像の品質が劣化してしまう。そのため、コンピュータ70のメモリ72には、各スキャナ部42(プロセス部44)の画像形成条件を補正するためのプログラムPが記憶されており、一定の条件下でこのプログラムPを実行する。その際、図2に示すように、CPU74は、設定部76と制御部78として機能する。また、CPU74は、変更部80として機能し、変更部80として機能するCPU74は、光学センサ24、26と連動して動作することで補正部82として機能する。補正部82は、画像形成部40等を制御し、メモリ72に記憶された基準強度Z、ベルト劣化度K、補正間隔H等を用いて、各スキャナ部42(プロセス部44)の画像形成条件を補正する。
【0035】
3.形成画像の補正処理
図3を参照して、プリンタ10の画像形成条件の補正処理について説明する。本処理はプリンタ10の電源投入後、繰り返し実行されるものである。
CPU74は、補正処理を開始すると、ユーザによって入力された補正設定を確認する(ステップS2)。次にCPU74は、補正部82の補正間隔Hを設定する(ステップS4)。
【0036】
ステップS4において、CPU74は設定部76として機能し、図4で示す以下の処理を実行する。
CPU74は光学センサ24、26を制御し、ベルト36の表面状態を検出する(ステップS12)。具体的には、ベルト36を移動させながら光学センサ24、26によりベルト36の表面状態を検出する。光学センサ24、26は、図8に示すように、内蔵された光源24a、26aからベルト36の表面の検出領域Eに光を照射し、ベルト36から反射される光Lの強度を計測するとともに、その計測結果をCPU74に伝達する。
【0037】
次にCPU74は、この計測結果に基づいてベルト劣化度Kを選出する(ステップS14)。このとき、計測結果からベルト一周分の平均値を求め、その平均値を用いてベルトの劣化度Kを選出してもよいし、ベルト一周分計測結果のうち最も強度の低い値を用いてもよい。CPU74は、光学センサ24、26から伝達された計測結果を、メモリ72に記憶された基準強度Zと比較する。メモリ72には、図9に示すように、基準強度Zがベルト劣化度Kに対応付けて記憶されている。メモリ72には、基準強度Zが小さくなるに従って、ベルト劣化度Kが小さくなるように設定されている。ベルト劣化度Kは、ベルト36が劣化し、光学センサ24、26によって計測された計測結果が低下した場合に、初期状態(ベルト劣化度K:「3」)よりも低くなる。CPU74は、計測結果が属する基準強度Zを判別し、その基準強度Zに対応付けられているベルト劣化度Kを選出する。
【0038】
次にCPU76は、選出されたベルト劣化度Kに基づいて補正間隔Hを決定し、補正部82の補正間隔Hに設定する(ステップS14)。メモリ72には、図10に示すように、ベルト劣化度Kに対応付けて補正間隔Hが設定されている。メモリ72には、ベルト劣化度Kが小さくなるに従って、補正間隔Hが大きくなり、補正頻度が低下するように設定されている。つまり、ベルト劣化度Kが小さくなるに従って、補正処理を実行しないように設定されている。CPU74は、選出されたベルト劣化度Kに対応付けられている補正間隔Hを決定し、これを補正部82の補正間隔Hに設定する。
【0039】
本実施形態では、第1設定部76aにより設定される第1補正部(つまり、第1変更部80aと光学センサ24、26)の濃度ずれ補正の補正間隔H1が、前回の補正処理からのシート材16の印刷枚数を用いて設定されている。また、第2設定部76bにより設定される第2補正部(つまり、第2変更部80bと光学センサ24、26)の位置ずれ補正の補正間隔H2が、前回の位置ずれ補正からの経過時間を用いて設定されている。本実施形態では、各々の画像形成条件にあわせた補正処理を実施するために第1補正部と第2補正部で別々の条件で補正間隔Hが設定されている。補正間隔H1は、ベルト36が劣化し、光学センサ24、26によって計測された計測結果が低下した場合に、初期状態(補正間隔H1:「30分」、補正間隔H2:「150頁」)よりも大きくなるように、すなわち補正頻度が低下するようにする。
【0040】
次にCPU76は、位置ずれ補正要求のチェック処理を行う(ステップS6)。CPU74は、ステップS6において制御部78として機能し、図5で示す以下の処理を実行する。
CPU74は、ステップS2で確認した位置ずれ補正設定を確認する(ステップS22)。CPU74は、前回の位置ずれ補正からの経過時間T1を計時しており、位置ずれ補正設定がオンである場合(ステップS22でYES)に、経過時間T1と補正間隔H2を比較する(ステップS24)。CPU74は、経過時間T1が補正間隔H2以下である場合(ステップS24でNO)に、位置ずれ補正要求のチェック処理を終了する。CPU74は、経過時間T1が補正間隔H2を超えている場合(ステップS24でYES)に、補正間隔H2が最大補正間隔H20(120分)と等しいか否かを確認する(ステップS26)。CPU74は、補正間隔H2が最大補正間隔H20と等しい場合(ステップS26でYES)に、手動補正要求Sをオンに設定する(ステップS32)。CPU74は、補正間隔H2が最大補正間隔H20よりも小さい場合(ステップS26でNO)に、位置ずれ補正要求Dをオンに設定し、位置ずれ補正要求のチェック処理を終了する(ステップS28)。一方、CPU74は、位置ずれ補正設定がオフである場合(ステップS22でNO)にも、位置ずれ補正要求のチェック処理を終了する。
【0041】
次にCPU74は、濃度補正要求のチェック処理を行う(ステップS8)。CPU74は、ステップS8において制御部78として機能し、図6で示す以下の処理を実行する。
CPU74は、ステップS2で確認した濃度補正設定を確認する(ステップS42)。CPU74は、前回の濃度補正からのプリンタ10の印刷枚数Mを計測しており、濃度補正設定がオンである場合(ステップS42でYES)に、印刷枚数Mと補正間隔H1を比較する(ステップS44)。CPU74は、印刷枚数Mが補正間隔H1以下である場合(ステップS44でNO)に、濃度補正要求のチェック処理を終了する。CPU74は、印刷枚数Mが補正間隔H1を超えている場合(ステップS44でYES)に、補正間隔H1が最大補正間隔H10(300頁)と等しいか否かを確認する(ステップS46)。CPU74は、補正間隔H1が最大補正間隔H10と等しい場合(ステップS46でYES)であり、かつ位置ずれ補正要求のチェック処理において手動補正要求Sがオンに設定されていない場合に、手動補正要求Sをオンに設定する(ステップS52)。CPU74は、補正間隔H1が最大補正間隔H10よりも小さい場合(ステップS46でNO)に、濃度補正要求Uをオンに設定するとともに、印刷枚数Mをリセット(ステップS50)し、濃度補正要求のチェック処理を終了する。一方、CPU74は、位置ずれ補正設定がオフである場合(ステップS42でNO)にも、位置ずれ補正要求のチェック処理を終了する。
【0042】
CPU74は、補正間隔H1が最大補正間隔H10と等しい場合、または補正間隔H2が最大補正間隔H20と等しい場合に、手動補正要求Sをオンに設定(ステップS32)する。図10に示すように、補正間隔H1が最大補正間隔H10と等しい場合(補正間隔H2が最大補正間隔H20と等しい場合)、ベルト劣化度Kが小さく、ベルトが劣化している蓋然性が高い。本実施形態では、このような場合にユーザの手動による補正処理を要求し、補正部82による補正処理を控えることで、補正部による補正処理が低精度で実行されることが抑制される。
【0043】
次にCPU74は、補正処理を実行する(ステップ10)。CPU74は、ステップS10において変更部80(補正部82)として機能し、図7で示す以下の処理を実行する。
CPU74は、位置ずれ補正処理に先立って濃度補正処理を実行する。位置ずれ補正処理では、ベルト36上に形成されたバッチ92、94の位置を光学センサ24、26を用いて正確に検出するために、バッチ92、94を規定濃度以上の濃度で形成しておく必要がある。位置ずれ補正処理に先立って濃度補正処理を実行することで、位置ずれ補正処理が低精度で実行されることが抑制される。
【0044】
CPU74は濃度補正処理を実行すると、まず濃度補正要求Uを確認する(ステップS62)。CPU74は、濃度補正要求Uがオンである場合(ステップS62でYES)に、濃度補正処理を実行する(ステップS64)する。濃度補正処理では、図8に示すように、CPU74は画像形成部40を制御して、ベルト36の表面に濃度補正用のバッチ92、94を形成させる。CPU74は光学センサ24、26を制御して、バッチ92、94が形成された範囲E1のベルト36の反射光強度を検出させる。CPU74は、検出された反射光強度が予め定められた閾値を超えて大きくなった範囲の幅値が基準の幅値と一致するように、画像形成部40の画像形成条件を変更する。濃度補正処理実行後、濃度補正要求Uをオフにする(ステップS66)。一方、濃度補正要求Uがオフである場合(ステップS62でNO)、濃度補正処理を実行しない。
【0045】
次にCPU74は、位置ずれ補正処理を実行する。CPU74は、位置ずれ補正処理を実行すると、位置ずれ補正要求Dを確認する(ステップS68)。CPU74は、位置ずれ補正要求Dがオンである場合(ステップS68でYES)に、位置ずれ補正処理を実行する(ステップS70)。CPU74は、濃度補正処理と同様の処理でバッチ92、94が形成された範囲E1のベルト36の反射光強度を検出し、検出された反射光強度が予め定められた閾値を超えて大きくなった範囲のベルト36の移動方向における位置が基準の位置と一致するように、画像形成部40の画像形成条件を変更する。位置ずれ補正処理実行後、位置ずれ補正要求Dをオフにした後(ステップS72)、経過時間T1をリセットして再び経過時間T1のカウントを開始する(ステップS73)。一方、位置ずれ補正要求Dがオフである場合(ステップS68でNO)、位置ずれ補正処理を実行しない。
【0046】
次にCPU74は、手動補正処理を実行する。CPU74は、手動補正処理を実行すると、手動補正要求Sを確認する(ステップS74)。CPU74は、手動補正要求Sがオンである場合(ステップS74でYES)に、画像形成部40を制御してシート材16に図11に示す手動補正用チャートを印刷する(ステップS76)。なお、図11は色ずれ補正用の手動補正用チャートである。
【0047】
図11に示すように、手動補正用チャートには、画像形成部40の画像形成条件(濃度、位置ずれ)を手動で補正するための識別マーク96が複数記載されている。各識別マーク96には、ブラックとマゼンタの間の画像形成条件を調整する第1識別マーク96aと、ブラックとシアンの間の画像形成条件を調整する第2識別マーク96bと、ブラックとイエローの間の画像形成条件を調整する第3識別マーク96cが形成されている。各識別マーク96a、96b、96cは、シート材16の短辺方向(ベルト36の副主走査方向に相当)の左右側とシート材16の中央部に1個づつ配置されている。
【0048】
次にCPU47は、操作部86に設けられた表示器の表示等により、ユーザに手動補正処理の実行を促す(ステップS78)。補正部82による補正処理の補正精度が低いと評価される場合に、ユーザに手動による補正処理を実行させることで、一定の補正精度が確保される。手動補正用チャートの印刷や表示器の表示に気付いたユーザは、各識別マーク96a、96b、96cに対応付けて位置ずれに関する値を入力する。CPU47は、左右側に配置された識別マーク96a、96b、96cに基づいて入力された値から、ベルト36の主走査方向の画像形成部40の画像形成条件を補正する。また、CPU47は、中央部に配置された識別マーク96a、96b、96cに基づいて入力された値から、ベルト36の副走査方向の画像形成部40の画像形成条件を補正する。CPU47は、上記の処理を実行後、手動補正要求Sをオフにする(ステップS80)。なお、濃度補正を手動で補正する場合には、図11とは異なる濃度補正用の手動補正用チャートを印刷し、ユーザの目視により確認された濃度ずれの値を入力させ、その値に基づいて濃度補正を行えばよい。
【0049】
本実施形態では、ベルト36が劣化し、光学センサ24、26によって計測された計測結果が低下した場合に、補正頻度が低下するように設定されている。つまり、補正処理を実行しないように設定されている。本実施形態によれば、補正部82の補正精度が低いと評価される場合でも、補正処理が失敗する回数を低く抑えることができ、補正処理が低精度で実行されることが抑制される。
【0050】
<実施形態2>
本発明の実施形態2を図12ないし図15を用いて説明する。
図12に、実施形態2のプリンタ110の制御システムを概略的に示す。プリンタ110では、プリンタ110内の温度Qを検出する温度センサ88を備えている。CPU74は、濃度補正処理が実行された時間Nを計時する計時部84としての機能を備えている。メモリ72には、濃度補正処理の実行時間Nからの経過時間T2の基準となる基準時間Gが記憶されている。またメモリ72は、図15aに示すように、温度センサ88で検出された温度Qの基準となる基準範囲Xがプリンタ10の位置ずれ補正処理の補正履歴Rに対応付けて記憶されている。補正履歴Rとは、プリンタ110における補正処理が正常に行われた否かを示す履歴である。ここで、「補正処理が正常に行われない」とは、例えばバッチ92、94を用いて検出されたデータ数において補正処理で使用可能なデータ数が不足しており、補正処理が中断された場合等を意味する。この対応付けて記憶された基準範囲Xと補正履歴Rでは、例えば、初期値としてプリンタメーカが用意した基準範囲Xの全てに対する補正履歴Rには正常に行われることを示す「○」が記憶されている。そこで、補正処理が実行され、正常に補正が行われなかった場合に、その補正処理を実行した温度に対応する補正履歴Rには「×」が記憶される。基準範囲X2に示すように、基準範囲X2で実行された補正処理が現在までに全て正常に行われている場合、基準範囲X2に対応する補正履歴Rが「○」と記憶されたままである。一方、基準範囲X1に示すように、基準範囲X1で実施された補正処理が現在までに正常に行われなかったことがある場合、基準範囲X1に対応する補正履歴Rが「×」と記憶される。
【0051】
図13を参照して、プリンタ110の画像形成条件の補正処理について説明する。
CPU74は、補正処理を開始すると、ユーザによって入力された補正設定を確認する(ステップS82)。次にCPU74は、実施形態1のように補正部82の補正間隔Hを設定することなく、位置ずれ補正要求のチェック処理(ステップS84)及び濃度補正要求のチェック処理(ステップS86)を行う。なお、ステップS84、S86の処理については、実施形態1において同一の名称を用いて説明されている処理と同一であり、重複した説明を省略する。
【0052】
次にCPU74は、補正処理を実行する(ステップS88)。CPU74は、ステップS88において変更部80(補正部82)として機能し、図14で示す以下の処理を実行する。
CPU74は、まず濃度補正処理を実行する。CPU74は、濃度補正要求Uがオンである場合(ステップS92でYES)に、濃度補正処理を実行する(ステップS94)。
【0053】
本実施形態では、濃度補正処理する際に、同時に補正部82の補正間隔Hを設定する。つまり、CPU74は、図8に示すように、バッチ92、94が形成された範囲E1のベルト36の反射光強度を検出する際に、バッチ92、94が形成されていない範囲E2のベルト36の反射光強度も同時に検出する。CPU74は、バッチ92、94が形成された範囲E1から検出されたベルト36の反射光強度を用いて濃度補正処理を実行する。また、CPU74は、バッチ92、94が形成されていない範囲E2から検出されたベルト36の反射光強度を用いて補正間隔H(第1補正間隔H1においては、次回実行される濃度補正処理の補正間隔H1)を設定する。濃度補正処理に必要なベルト36の反射光強度の検出と、補正間隔Hの設定に必要なベルト36の反射光強度の検出を一度に実施することができ、補正処理に必要な時間が短縮される。なお、濃度補正処理及び補正間隔Hの設定の処理については、実施形態1において同一の名称を用いて説明されている処理と同一であり、重複した説明を省略する。
【0054】
濃度補正処理実行後、CPU74は濃度補正要求Uをオフにする(ステップS96)とともに、濃度補正処理を実行した時間Nを計時する(ステップS98)。一方、濃度補正要求Uがオフである場合(ステップS92でNO)、濃度補正処理を終了する。
【0055】
次にCPU74は、位置ずれ補正処理を実行する。CPU74は、位置ずれ補正要求Dを確認する(ステップS100)。CPU74は、位置ずれ補正要求Dがオンである場合(ステップS100でYES)、以下に説明する処理を実行する。その一方、CPU74は、位置ずれ補正要求Dがオフである場合(ステップS100でNO)、位置補正処理を終了する。CPU74は、位置ずれ補正要求Dがオンである場合(ステップS100でYES)に、温度センサ88を制御してプリンタ内の温度Qを検出(ステップS102)する。CPU74は、検出した温度Qをメモリ72に記憶された基準範囲Xと比較する(ステップS104)。CPU74は、検出された温度Qが、補正履歴R「O」に対応する基準範囲Xに含まれる場合(ステップS104でYES)に、次の処理(ステップS106)に進む。
【0056】
その一方、CPU74は、検出された温度Qが、補正履歴R「×」に対応する基準範囲Xに含まれる場合(ステップS104でNO)に、位置ずれ補正要求Dをオフしないまま位置ずれ補正処理を終了する。本実施形態では、補正履歴Rが「×」の場合に位置ずれ補正処理を実行しない。補正履歴Rが「×」となっており、補正処理が失敗する可能性がある場合に補正処理を実行しないことで、位置ずれ補正処理が低精度で実行されることが抑制される。本実施形態では、上記の場合に位置ずれ補正要求Dをオフしないことで、次回以降の補正処理において検出された温度Qが、補正履歴R「O」に対応する基準範囲Xの温度に変化するまで、位置ずれ補正要求Dがオンに維持される。これによって、検出された温度Qが、補正履歴R「O」に対応する基準範囲Xの温度に変化した場合に、位置ずれ補正処理が確実に実行される。
【0057】
CPU74は、直前に行われた濃度補正処理の結果を記憶しており、直前に行われた濃度補正処理が正常に行われた場合(ステップS106でYES)、次の処理(ステップS108)に進む。
【0058】
その一方、CPU74は、直前に行われた濃度補正処理が正常に行われていない場合(ステップS106でNO)に、位置ズレ補正要求をオフし(ステップS114)、位置ずれ補正処理を終了する。直前に行われた濃度補正処理が正常に行われていない場合、同様の手順で行われる位置ずれ補正処理も正常に行われない蓋然性が高い。直前に行われた濃度補正処理が正常に行われていない場合に位置ずれ補正処理を実行しないことで、位置ずれ補正処理が低精度で実行されることが抑制される。
【0059】
次にCPU74は、濃度補正処理の実行時間Nからの経過時間T2を算出し、メモリ72に記憶された基準時間Gと比較する(ステップS108)。CPU74は、経過時間T2が基準時間Gよりも短い場合(ステップS108でYES)に、位置ずれ補正処理を実施した(ステップS110)後に、経過時間T1をリセットして再び経過時間T1のカウントを開始する(S111)。なお、位置ずれ補正処理については、実施形態1において同一の名称を用いて説明されている処理と同一であり、重複した説明を省略する。
【0060】
その一方、CPU74は、経過時間T2が基準時間G以上である場合(ステップS108でNO)に、位置ズレ補正要求をオフし(ステップS114)、位置ずれ補正処理を終了する。一般に、直前に行われた補正処理からの経過時間が短いほど、次の補正処理が成功する確率が高くなる作用が存在することが知られている。本発明では、直前に行われた濃度補正処理からの実行時間Nからの経過時間T2が基準時間G以上である場合に位置ずれ補正処理を実行しないことで、位置ずれ補正処理が低精度で実行されることが抑制される。
【0061】
CPU74は、位置ずれ補正処理の結果を記憶しており、直前に行われた位置ずれ補正処理が正常に行われた場合(ステップS112でYES)、濃度補正要求Uをオフにする(ステップS114)。その一方、直前に行われた位置ずれ補正処理が正常に行われていない場合(ステップS112でNO)、この結果を補正履歴Rに記憶する。例えば、ステップS102で検出された温度Qが基準範囲X2に属する場合、図15bに示すように、基準範囲X2に対応する補正履歴Rを「×」に変更する。
【0062】
CPU74は、直前に行われた位置ずれ補正処理が正常に行われていない場合(ステップS112でNO)、位置ずれ補正要求Dをオフしない。本実施形態では、上記の場合に位置ずれ補正要求Dをオフしないことで、次回以降の補正処理において検出された温度Qが、補正履歴R「O」に対応する基準範囲Xに含まれる温度に変化した場合に、位置ずれ補正処理が確実に実行される。
【0063】
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
例えば、画像形成装置はカラープリンタに限定されず、例えば、モノクロプリンタ、コピー機能等を備えた、いわゆる複合機等であってもよい。
【0064】
また、実施形態2では、プリンタ110内の温度に基づいて補正処理を実行するか否かを決定する実施形態を記載したが、プリンタ110内の湿度に基づいて補正処理を実行するか否かを決定してもよく、また温度と湿度の両方に基づいて補正処理を実行するか否かを決定してもよい。実行するか否かが決定される補正処理も、位置ずれ補正処理に限定されない。実施形態2では、色ずれ補正処理を温度に基づいて補正処理を実行するか否かを判断したが(ステップS104)、濃度補正についても同様に行ってもよい。
【0065】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。
また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0066】
10:プリンタ、16:シート材、24:光学センサ、36:ベルト、40:画像形成部、70:コンピュータ、76:設定部、78:制御部、80:変更部、82:補正部、84:計時部、88:温度センサ、92、94:バッチ、D:位置ずれ補正要求、U:濃度補正要求、S:手動補正要求、G:基準時間、H:補正間隔、K:ベルト劣化度、R:補正履歴、X:基準範囲、Z:基準強度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相対移動する対象物に画像を形成する形成部と、
前記形成部により前記対象物に形成された補正用マークを第1検出部が検出した第1検出結果に基づいて前記形成部の画像形成条件を変更する補正処理を実行する補正部と、
前記補正部の補正精度に応じて前記補正処理を実行する実行タイミングを設定する設定部と、
前記設定部の設定に基づいて前記補正部の補正処理を制御する制御部と、
を備え、
前記設定部は、前記補正精度が低くなるに従って、前記補正部による補正処理の実行頻度が低くなるように設定する画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置であり、
前記補正精度と前記実行頻度とを対応付けて記憶する記憶部を備え、
前記設定部は、前記記憶部に記憶された前記補正精度と前記実行頻度との対応関係に基づいて前記実行頻度を設定する、画像形成装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の画像形成装置であり、
前記対象物の表面状態を検出する第2検出部を備え、
前記設定部は、前記第2検出部が検出した第2検出結果に基づいて前記補正精度を評価し、前記第2検出結果が基準を満たさない場合に前記実行頻度が低くなるように設定する、画像形成装置。
【請求項4】
相対移動する対象物に画像を形成する形成部と、
前記形成部により前記対象物に形成された補正用マークを第1検出部が検出した第1検出結果に基づいて前記形成部の画像形成条件を変更する補正処理を実行する補正部と、
前記補正部の補正精度に応じて前記補正処理を実行する実行タイミングを設定する設定部と、
前記設定部の設定に基づいて前記補正部の補正処理を制御する制御部と、
温度と湿度の少なくとも一方を検出する第3検出部と、
前記第3検出部が検出した第3検出結果と、当該第3検出結果が検出された場合に実行された補正処理の前記第1検出結果に関する情報とを対応付けて記憶する記憶部と、
を備え、
前記設定部は、前記記憶部に記憶された前記情報に基づいて前記補正部の補正精度を評価し、前記第3検出部が検出した前記第3検出結果に対応付けられた前記情報が基準を満たさない場合に、前記補正部による補正処理を実行しないように実行タイミングを設定する画像形成装置。
【請求項5】
請求項4に記載の画像形成装置であり、
前記第3検出部は、前記画像形成装置内の温度と湿度の少なくとも一方を検出する、画像形成装置。
【請求項6】
請求項4または請求項5に記載の画像形成装置であり、
前記設定部は、前記第3検出部が検出した第3検出結果に対応付けられた前記情報が前記基準を満たさない場合から前記基準を満たす場合へと変化した場合に、前記補正部による補正処理を実行するように実行タイミングを設定する画像形成装置。
【請求項7】
相対移動する対象物に画像を形成する形成部と、
前記形成部により前記対象物に形成された補正用マークを第1検出部が検出した第1検出結果に基づいて前記形成部の画像形成条件を変更する補正処理を実行する補正部と、
前記補正部の補正精度に応じて前記補正処理を実行する実行タイミングを設定する設定部と、
前記設定部の設定に基づいて前記補正部の補正処理を制御する制御部と、
計時部と、
を備え、
前記補正部は、前記形成部の第1画像形成条件の補正処理の後に前記形成部の第2画像形成条件の補正処理を実行しており、
前記設定部は、前記計時部が計時した前記第1画像形成条件の補正処理が実行されてから前記第2画像形成条件の補正処理が実行されるまでの計測時間に基づいて前記第2画像形成条件の補正処理の補正精度を評価し、前記計測時間が基準時間よりも長い場合に、前記第2画像形成条件の補正処理を実行しないように実行タイミングを設定する画像形成装置。
【請求項8】
相対移動する対象物に画像を形成する形成部と、
前記形成部により前記対象物に形成された補正用マークを第1検出部が検出した第1検出結果に基づいて前記形成部の画像形成条件を変更する補正処理を実行する補正部と、
前記補正部の補正精度に応じて前記補正処理を実行する実行タイミングを設定する設定部と、
前記設定部の設定に基づいて前記補正部の補正処理を制御する制御部と、
を備え、
前記補正部は、前記形成部の第1画像形成条件の補正処理の後に前記形成部の第2画像形成条件の補正処理を実行しており、
前記設定部は、前記第1画像形成条件の補正処理の結果に関する情報に基づいて前記第2画像形成条件の補正処理の補正精度を評価し、前記第1画像形成条件の補正処理の結果に関する情報が基準を満たさない場合に、前記第2画像形成条件の補正処理を実行しないように実行タイミングを設定する画像形成装置。
【請求項9】
請求項7または請求項8に記載の画像形成装置であり、
前記第1画像形成条件の補正処理は、濃度補正処理であり、前記第2画像形成条件の補正処理は、位置ずれ補正処理である、画像形成装置。
【請求項10】
画像形成装置に用いられるコンピュータに、
相対移動する対象物に画像を形成する形成処理と、
前記形成処理により前記対象物に形成された補正用マークを検出した第1検出結果に基づいて前記形成処理の画像形成条件を補正する補正処理と、
前記補正処理の補正精度に応じて前記補正処理を実行する実行タイミングを設定する設定処理と、
前記設定処理の設定に基づいて前記補正処理を制御する制御処理と、
を実行させ、
前記設定処理では、前記補正精度が低くなるに従って、前記補正処理の実行頻度が低くなるように設定する画像形成装置用のプログラム。
【請求項11】
画像形成装置に用いられるコンピュータに、
相対移動する対象物に画像を形成する形成処理と、
前記形成処理により前記対象物に形成された補正用マークを検出した第1検出結果に基づいて前記形成処理の画像形成条件を補正する補正処理と、
前記補正処理の補正精度に応じて前記補正処理を実行する実行タイミングを設定する設定処理と、
前記設定処理の設定に基づいて前記補正処理を制御する制御処理と、
温度と湿度の少なくとも一方を検出する第3検出処理と、
前記第3検出処理により検出された第3検出結果と、当該第3検出結果が検出された場合に実行された補正処理の前記第1検出結果に関する情報とを対応付けて記憶する記憶処理と、
を実行させ、
前記設定処理では、前記記憶処理において記憶された前記情報に基づいて前記補正精度を評価し、前記第3検出処理で検出された前記第3検出結果に対応付けられた前記情報が基準を満たさない場合に、前記補正処理を実行しないように実行タイミングを設定する画像形成装置用のプログラム。
【請求項12】
画像形成装置に用いられるコンピュータに、
相対移動する対象物に画像を形成する形成処理と、
前記形成処理により前記対象物に形成された補正用マークを検出した第1検出結果に基づいて前記形成処理の画像形成条件を補正する補正処理と、
前記補正処理の補正精度に応じて前記補正処理を実行する実行タイミングを設定する設定処理と、
前記設定処理の設定に基づいて前記補正処理を制御する制御処理と、
前記補正処理間の時間を計時する計時処理と、
を実行させ、
前記補正処理では、前記形成処理の第1画像形成条件の補正処理の後に前記形成処理の第2画像形成条件の補正処理を実行しており、
前記計時処理では、前記第1画像形成条件の補正処理が実行されてから前記第2画像形成条件の補正処理が実行されるまでの時間を計時し、
前記設定処理では、前記計時処理により計時された計測時間に基づいて前記第2画像形成条件の補正処理の補正精度を評価し、前記計測時間が基準時間よりも長い場合に、前記第2画像形成条件の補正処理を実行しないように実行タイミングを設定する画像形成装置用のプログラム。
【請求項13】
画像形成装置に用いられるコンピュータに、
相対移動する対象物に画像を形成する形成処理と、
前記形成処理により前記対象物に形成された補正用マークを検出した第1検出結果に基づいて前記形成処理の画像形成条件を補正する補正処理と、
前記補正処理の補正精度に応じて前記補正処理を実行する実行タイミングを設定する設定処理と、
前記設定処理の設定に基づいて前記補正処理を制御する制御処理と、
を実行させ、
前記補正処理では、前記形成処理の第1画像形成条件の補正処理の後に前記形成処理の第2画像形成条件の補正処理を実行し、
前記設定処理では、前記第1画像形成条件の補正処理の結果に関する情報に基づいて前記第2画像形成条件の補正処理の補正精度を評価し、前記第1画像形成条件の補正処理の結果に関する情報が基準を満たさない場合に、前記第2画像形成条件の補正処理を実行しないように実行タイミングを設定する画像形成装置用のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15a】
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【図15b】
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【公開番号】特開2013−65038(P2013−65038A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−266956(P2012−266956)
【出願日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【分割の表示】特願2010−41908(P2010−41908)の分割
【原出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】