説明

画像形成装置及びその制御プログラム

【課題】自装置が節電状態の期間に消耗品の状態を表す情報の出力が要求された場合に、装置全体を節電状態から復帰させる場合よりも消費電力を抑制しつつ、消耗品の正確な状態を表す情報を出力する。
【解決手段】トナーの状態を表すトナー情報等の出力が要求され(120が肯定)、自装置が節電状態(122が肯定)の場合に、トナーカートリッジの交換時に開閉されるカバーが節電状態の期間中に開閉されたか否か判定し(124)、カバーが開閉されていなければ節電状態へ移行する前に検出して記憶部に記憶されたトナー情報等を出力し(126)、カバーが開閉されていれば画像形成部のMCUへの電力供給を再開してトナー情報を要求し、トナーカートリッジの記憶部から読み出されたトナーの現在の状態を表す情報を取得・出力する(128〜132)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成装置及びその制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、操作部の液晶タッチパネル表示をオフする省電力モードを有する画像形成装置において、常時動作可能なメイン制御板の不揮発性メモリにコピー/プリント/ファックス枚数などのカウンタ情報を保持しておき、省電力モードで、メイン制御板と直接接続されたカウンタキーが押下されると、操作部の液晶表示をオン状態に復帰し、不揮発性メモリからカウンタ情報を読み出して液晶タッチパネルに表示する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−120443号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、自装置が節電状態の期間に消耗品の状態を表す情報の出力が要求された場合に、装置全体を節電状態から復帰させる場合よりも消費電力を抑制しつつ、消耗品の正確な状態を表す情報を出力できる画像形成装置及び画像形成装置の制御プログラムを得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明に係る画像形成装置は、消耗品が交換又は補充された可能性の有る予め設定された操作が行われたか否かを検出する検出手段と、前記消耗品の現在の状態を表す状態情報を取得する取得手段と、自装置を構成するモジュールへの供給電力を停止又は稼働状態での供給電力よりも低下させる節電状態で、前記消耗品の状態を表す状態情報の出力が要求された場合に、前記節電状態の期間中に前記予め設定された操作が行われたことが前記検出手段によって検出されていないときには、前記節電状態へ移行する前に前記取得手段によって取得されて記憶手段に記憶された前記状態情報を前記記憶手段から読み出して出力し、前記節電状態の期間中に前記予め設定された操作が行われたことが前記検出手段によって検出されているときには、前記取得手段を節電状態から復帰させ、節電状態から復帰させた前記取得手段によって取得された前記状態情報を出力する出力手段と、を含んで構成されている。
【0006】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記検出手段は、消耗品の交換又は補充を行う際に開閉される開閉部材が開閉されたか否かを検出することで、前記消耗品が交換又は補充された可能性の有る予め設定された操作が行われたか否かを検出する。
【0007】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明において、前記検出手段は、消耗品を収納しかつ当該消耗品の現在の状態を表す状態情報が書き込まれる記憶部が付加されたカートリッジの交換を行う際に開閉されるカバーが開閉されたか否かを検出し、前記取得手段は、前記カートリッジに付加された前記記憶部から前記状態情報を読み出すことで前記状態情報を取得し、前記出力手段は、前記節電状態で前記カートリッジに収納された消耗品の状態を表す状態情報の出力が要求された場合に、前記節電状態の期間中の前記カバーの開閉が前記検出手段によって検出されていないときには、前記節電状態へ移行する前に前記取得手段によって前記カートリッジの前記記憶部から取得されて記憶手段に記憶された前記状態情報を前記記憶手段から読み出して出力し、前記節電状態の期間中の前記カバーの開閉が前記検出手段によって検出されているときには、前記取得手段を節電状態から復帰させ、節電状態から復帰させた前記取得手段によって前記カートリッジの前記記憶部から前記状態情報を取得させ、取得された状態情報を出力する。
【0008】
請求項4記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明において、前記検出手段は、前記消耗品としての用紙の補充を行う際に開閉される用紙収容部が開閉されたか否かを複数の前記用紙収容部について各々検出し、前記取得手段は、前記消耗品の状態として複数の前記用紙収容部に収容されている用紙のサイズ及び残量の少なくとも一方を各々検出する用紙検出部を含んで構成され、前記出力手段は、前記節電状態で用紙の状態を表す状態情報の出力が要求された場合に、複数の前記用紙収容部のうち、前記節電状態の期間中の開閉が前記検出手段によって検出されていない前記用紙収容部については、前記開閉が検出されていない前記用紙収容部に収容されている用紙の状態を表す状態情報を前記記憶手段から読み出して出力し、前記節電状態の期間中の開閉が前記検出手段によって検出されている前記用紙収容部については、前記取得手段を節電状態から復帰させ、節電状態から復帰させた前記取得手段の前記前記用紙検出部により、前記開閉が検出されていない前記用紙収容部に収容されている用紙の現在の状態を検出させることで前記状態情報を取得させ、取得された状態情報を出力する。
【0009】
請求項5記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明において、前記検出手段は、前記画像形成装置に連結される後処理装置の消耗品の交換又は補充を行う際に開閉される前記後処理装置のカバーが開閉されたか否かを検出し、前記取得手段は、前記後処理装置の消耗品の現在の状態を検出する消耗品状態検出部を含んで構成され、前記出力手段は、前記節電状態で前記後処理装置の消耗品の状態を表す状態情報の出力が要求された場合に、前記節電状態の期間中の前記後処理装置のカバーの開閉が前記検出手段によって検出されていないときには、前記節電状態へ移行する前に前記取得手段によって取得されて記憶手段に記憶された前記状態情報を前記記憶手段から読み出して出力し、前記節電状態の期間中の前記後処理装置のカバーの開閉が前記検出手段によって検出されているときには、前記取得手段を節電状態から復帰させ、節電状態から復帰させた前記取得手段の前記消耗品状態検出部により、前記後処理装置の消耗品の現在の状態を検出させることで前記状態情報を取得させ、取得された状態情報を出力する。
【0010】
請求項6記載の発明に係る画像形成装置の制御プログラムは、消耗品が交換又は補充された可能性の有る予め設定された操作が行われたか否かを検出する検出手段と、前記消耗品の現在の状態を表す状態情報を取得する取得手段と、を備えた画像形成装置に内蔵されたコンピュータを、自装置を構成するモジュールへの供給電力を停止又は稼働状態での供給電力よりも低下させる節電状態で、前記消耗品の状態を表す状態情報の出力が要求された場合に、前記節電状態の期間中に前記予め設定された操作が行われたことが前記検出手段によって検出されていないときには、前記節電状態へ移行する前に前記取得手段によって取得されて記憶手段に記憶された前記状態情報を前記記憶手段から読み出して出力し、前記節電状態の期間中に前記予め設定された操作が行われたことが前記検出手段によって検出されているときには、前記取得手段を節電状態から復帰させ、節電状態から復帰させた前記取得手段によって取得された前記状態情報を出力する出力手段として機能させる。
【発明の効果】
【0011】
請求項1,6記載の発明は、自装置が節電状態の期間に消耗品の状態を表す情報の出力が要求された場合に、装置全体を節電状態から復帰させる場合よりも消費電力を抑制しつつ、消耗品の正確な状態を表す情報を出力できる、という効果を有する。
【0012】
請求項2記載の発明は、本構成を有しない場合と比較して、検出手段の構成の簡易化を実現することができる。
【0013】
請求項3記載の発明は、自装置が節電状態の期間にカートリッジに収納された消耗品の状態を表す情報の出力が要求された場合に、装置全体を節電状態から復帰させる場合よりも消費電力を抑制しつつ、カートリッジに収納された消耗品の正確な状態を表す情報を出力できる、、という効果を有する。
【0014】
請求項4記載の発明は、自装置が節電状態の期間に用紙の状態を表す情報の出力が要求された場合に、装置全体を節電状態から復帰させる場合よりも消費電力を抑制しつつ、用紙の正確な状態を表す情報を出力できる、という効果を有する。
【0015】
請求項5記載の発明は、自装置が節電状態の期間に後処理装置の消耗品の状態を表す情報の出力が要求された場合に、装置全体を節電状態から復帰させる場合よりも消費電力を抑制しつつ、後処理装置の消耗品の正確な状態を表す情報を出力できる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】画像形成装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】画像読取部、画像形成部、後処理装置の詳細な構成を示すブロック図である。
【図3】画像形成装置のコントローラで実行される管理情報出力処理の内容を示すフローチャートである。
【図4】画像形成部メインMCUで実行されるトナー/ドラム情報取得処理の内容を示すフローチャートである。
【図5】画像形成部メインMCUで実行される用紙情報取得処理の内容を示すフローチャートである。
【図6】画像形成部メインMCUで実行される後処理装置の消耗品情報取得処理の内容を示すフローチャートである。
【図7】節電状態で消耗品情報の出力が要求された場合の消費電力の推移の一例を示す線図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。図1には本実施形態に係る画像形成装置10が示されている。画像形成装置10はマイクロコンピュータ等から成りCPU12A、RAMを含むメモリ12B、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等から成る不揮発性の記憶部12Cを内蔵したコントローラ12を備えている。なお、図示は省略するが、コントローラ12には、PC(Personal Computer)等の他の機器と通信線経由で通信を行うためのネットワークI/F(インタフェース)部も設けられている。記憶部12Cには装置構成情報及び消耗品管理情報(何れも後述)が記憶されており、節電制御プログラム及び管理情報出力プログラムが予めインストールされている。
【0018】
節電制御プログラムは後述する節電制御処理を実行するためのプログラムである。また管理情報出力プログラムは、後述する管理情報出力処理を実行するためのプログラムであり、本発明に係る画像形成装置の制御プログラムの一例である。コントローラ12のCPU12Aが上記の管理情報出力プログラムを実行することで、コントローラ12は本発明に係る出力手段(詳しくは請求項3〜請求項5に記載の出力手段)の一例として機能し、本実施形態に係る画像形成装置10は本発明に係る画像形成装置の一例として機能する。
【0019】
コントローラ12は第1電力供給部24に接続されており、第1電力供給部24は利用者の操作によってオンオフされる電源スイッチ32を介して商用電源に接続されている。第1電力供給部24は電源スイッチ32がオンされている間、コントローラ12へ電力を供給し、コントローラ12は第1電力供給部24から供給された電力により、電源スイッチ32がオンされている間、作動が継続される。
【0020】
また画像形成装置10は、セットされた読取対象の文書(紙原稿)を光学的に読み取って読取画像データを出力する画像読取部14と、入力された画像データが表す画像を記録用紙上に形成する画像形成部16と、LCD等から成る表示部18A及びテンキーやタッチパネル等から成り利用者による操作を受付ける操作受付部18Bが設けられた操作パネル18と、ファクシミリ装置としての機能を備えた他の機器と公衆通信網(図示省略)経由で画情報の送受信(ファクシミリ通信)を行う画情報送受信部20と、画像形成装置10のうち画像形成部16の記録用紙排出側に連結され画像形成部16から排出された記録用紙に対して予め定められた後処理を行う後処理装置22と、の各機能モジュールを含んで構成されている。
【0021】
なお、操作パネル18の操作受付部18Bには、節電状態の画像形成装置10に対して節電状態からの復帰を指示するための節電復帰スイッチ(図示省略)が設けられているが、この節電復帰スイッチはコントローラ12に直接接続されており、利用者によって節電復帰スイッチが操作されると、コントローラ12に電力が供給されていれば前記操作がコントローラ12によって検知される。また、後処理装置22で行われる後処理としては、例えば用紙の反り(カール)を矯正するデカラー処理、用紙上の予め設定された位置で用紙を折る折り処理、用紙上の予め設定された位置に孔を開けるパンチ処理、複数枚の用紙の端部を揃えステープルにより単一の用紙束として綴じるステープル処理、用紙(束)を同一の排出部上の異なる位置へ排出させるオフセット処理、排出された用紙(束)を積み重ねるスタック処理、複数枚の用紙の端部を揃えて製本するブックレット処理等の少なくとも1つが挙げられる。
【0022】
上記の各機能モジュールは給電スイッチ28を介して第2電力供給部26に各々接続されており、給電スイッチ28を介して第2電力供給部26から供給される電力によって各々作動する。給電スイッチ28は、例えばリレーや半導体素子から成り外部から供給されるオンオフ信号によってオンオフの状態を切替え可能な構成であり、コントローラ12と各々接続され、コントローラ12から供給されるオンオフ信号によってオンオフの状態が切替えされる(但し、後処理装置22に接続された給電スイッチ28は画像形成部16に接続され、画像形成部16から供給されるオンオフ信号によってオンオフの状態が切替えされる)。第2電力供給部26は、給電スイッチ28と同じくコントローラ12から供給されるオンオフ信号によってオンオフの状態が切替えされる給電スイッチ30を介して電源スイッチ32に接続されており、電源スイッチ32及び給電スイッチ30が各々オンされている間、各機能モジュールのうち対応する給電スイッチ28がオンされている機能モジュールに電力を供給する。
【0023】
なお、画情報送受信部20の一部を構成する着信検出部(図示省略)については第1電力供給部24に接続されている。第1電力供給部24は電源スイッチ32がオンされている間、画情報送受信部20の着信検出部へも電力を供給し、画情報送受信部20の着信検出部は第1電力供給部24から供給された電力により、電源スイッチ32がオンされている間、作動が継続される。
【0024】
次に図2を参照し、画像読取部14、画像形成部16及び後処理装置22の各機能モジュールの詳細を説明する。図2に示すように、画像読取部14には、マイクロコンピュータ等から成りCPU36A、メモリ36B、不揮発性の記憶部36Cを内蔵した画像読取部MCU(Micro-Control Unit)36と、原稿自動送給部38と、が設けられている。画像読取部MCU36の記憶部36Cには画像読取部制御プログラムがインストールされており、画像読取部MCU36は、画像読取部14に電力が供給されている間、CPU36Aが画像読取部制御プログラムを実行することで、画像読取部14の各部の動作を制御する画像読取部制御処理を行う。
【0025】
また記憶部36Cには、原稿自動送給部38を構成する一部の部品を含む画像読取部14の個々の消耗部品(定期的に交換が必要な部品)について、使用開始からの累積使用時間が保守情報として記憶されており、上記の画像読取部制御処理では、個々の消耗部品毎に使用時間を各々計時し、記憶部36Cに記憶されている保守情報(累積使用時間)を計時結果に応じて更新する処理も含まれている。なお、画像読取部MCU36は、コントローラ12によってオンオフの状態が切替えされる給電スイッチ28(画像読取部14全体への電力供給をオンオフする給電スイッチ28とは別に設けられた給電スイッチ28)を介して第2電力供給部26に接続されている。
【0026】
また、画像形成部16には画像形成部メインMCU40、給紙部42及び消耗品収容部52が設けられている。画像形成部メインMCU40はマイクロコンピュータ等から成り、CPU40A、メモリ40B、不揮発性の記憶部40Cを内蔵している。画像形成部メインMCU40の記憶部40Cには画像形成部制御プログラムがインストールされており、画像形成部メインMCU40は、画像形成部16に電力が供給されている間、CPU40Aが画像形成部制御プログラムを実行することで、画像形成部16の各部の動作を制御する画像形成部制御処理を行う。なお、先の図1では、第2電力供給部26と画像形成部16との接続をオンオフする給電スイッチ28を1個のみ示しているが、図2に示すように、実際には上記給電スイッチ28は複数個設けられており、画像形成部メインMCU40は、コントローラ12によってオンオフの状態が切替えされる給電スイッチ28を介して第2電力供給部26に接続されている。この給電スイッチ28がオンされた場合、画像形成部16のうち画像形成部メインMCU40のみに電力が供給される。
【0027】
また、給紙部42には、マイクロコンピュータ等から成りCPU44A、メモリ44B、不揮発性の記憶部44Cを内蔵した給紙部MCU44と、画像形成装置10に設けられた複数の用紙収容部(図示省略)のうちの互いに異なる用紙収容部の開閉を検知する(開閉に応じてオンオフの状態が切り替わる)複数の用紙収容部開閉検知スイッチ46と、複数の用紙収容部に収納されている記録用紙のサイズを各々検知する用紙サイズ検知部48と、複数の用紙収容部に収納されている記録用紙の残量を各々検知する用紙残量検知部50と、が設けられている。なお、用紙収容部開閉検知スイッチ46は本発明の検出手段(詳しくは請求項2,4に記載の検出手段)の一例であり、用紙サイズ検知部48及び用紙残量検知部50は、請求項4に記載の用紙検出部の一例であり、かつ、給紙部MCU44と共に本発明の取得手段(詳しくは請求項4に記載の取得手段)の一例でもある。
【0028】
給紙部42は、画像形成部メインMCU40によってオンオフの状態が切替えされる給電スイッチ28を介して第2電力供給部26に接続されている。この給電スイッチ28がオンされた場合、画像形成部16のうち給紙部42のみに電力が供給される。給紙部MCU44の記憶部44Cには給紙部制御プログラムがインストールされており、給紙部MCU44は、給紙部42に電力が供給されている間、CPU44Aが給紙部制御プログラムを実行することで、画像形成部メインMCU40からの問い合わせ時や、用紙収容部開閉検知スイッチ46による用紙収容部の開閉検知時に、用紙収容部に収納されている記録用紙(定期的に補充が必要な消耗品の一例)のサイズ・残量を用紙サイズ検知部48及び用紙残量検知部50によって検知し、検知結果を用紙情報として画像形成部メインMCU40へ通知する用紙収容部制御処理を行う。
【0029】
なお、コントローラ12の記憶部12Cには消耗品管理情報を記憶するための記憶領域が設けられており、給紙部MCU44から画像形成部メインMCU40へ通知された用紙情報は、画像形成部メインMCU40からコントローラ12へ更に転送され、消耗品管理情報の1つとして記憶部12Cに記憶される。また、用紙収容部開閉検知スイッチ46はメカニカルスイッチから成り、画像形成部メインMCU40に接続されていると共に、コントローラ12にも接続されている。コントローラ12は複数の用紙収容部開閉検知スイッチ46のオンオフの状態の変化を常時監視し、何れかの用紙収容部開閉検知スイッチ46のオンオフの状態が変化した場合、オンオフの状態が変化した時刻を、オンオフの状態が変化した用紙収容部開閉検知スイッチ46を識別するための情報と共にメモリ12Bに記憶させる。
【0030】
また消耗品収容部52には、定期的に補充が必要な消耗品の一例としてのトナーを収納するトナーカートリッジ54と、定期的に交換が必要な消耗品の一例としての感光体ドラムを収納するドラムカートリッジ56がセットされる。消耗品収容部52は、消耗品収容部52にセットされているトナーカートリッジ54やドラムカートリッジ56を交換する作業が行われる際に開閉されるカバー(図示省略)の開閉を検知する(開閉に応じてオンオフの状態が切り替わる)カバー開閉検知スイッチ57が設けられている。なお、カバー開閉検知スイッチ57は本発明の検出手段(詳しくは請求項2,3に記載の検出手段)の一例である。トナーカートリッジ54には、RFID(Radio Frequency Identification)タグ等から成りトナーカートリッジ54に収納されているトナーの残量等のトナー情報が書き込まれるトナー情報記憶部54Aが付加されており、ドラムカートリッジ56には、同じくRFIDタグ等から成りドラムカートリッジ56に収納されている感光体ドラムの使用開始からの累積使用時間等のドラム情報が書き込まれるドラム情報記憶部56Aが付加されている。
【0031】
消耗品収容部52には、トナーカートリッジ54のトナー情報記憶部54Aとの無線通信により、トナー情報記憶部54Aに書き込まれているトナー情報の読み出しや更新を行うトナー情報通信装置58と、ドラムカートリッジ56のドラム情報記憶部56Aとの無線通信により、ドラム情報記憶部56Aに書き込まれているドラム情報の読み出しや更新を行うドラム情報通信装置60が設けられている。トナー情報通信装置58及びドラム情報通信装置60は、画像形成部メインMCU40によってオンオフの状態が切替えされる給電スイッチ28を介して第2電力供給部26に接続されている。この給電スイッチ28がオンされた場合、画像形成部16のうちトナー情報通信装置58及びドラム情報通信装置60のみに電力が供給される。また、トナー情報通信装置58及びドラム情報通信装置60は、画像形成部メインMCU40からの指示に応じて、トナー情報記憶部54A又はドラム情報記憶部56Aに書き込まれている情報の読み出しや更新を行う。このトナー情報通信装置58及びドラム情報通信装置60は本発明の取得手段(詳しくは請求項3に記載の取得手段)の一例である。
【0032】
なお、トナー情報通信装置58によってトナー情報記憶部54Aから読み出されたトナー情報及びドラム情報通信装置60によってドラム情報記憶部56Aから読み出されたドラム情報は、画像形成部メインMCU40へ通知された後に画像形成部メインMCU40からコントローラ12へ転送され、消耗品管理情報の1つとしてコントローラ12の記憶部12Cに記憶される。また、カバー開閉検知スイッチ57はメカニカルスイッチから成り、画像形成部メインMCU40に接続されていると共に、コントローラ12にも接続されている。コントローラ12はカバー開閉検知スイッチ57のオンオフの状態の変化を常時監視し、カバー開閉検知スイッチ57のオンオフの状態が変化した場合、カバー開閉検知スイッチ57のオンオフの状態が変化した時刻をメモリ12Bに記憶させる。
【0033】
また、後処理装置22には、マイクロコンピュータ等から成りCPU62A、メモリ62B、不揮発性の記憶部62Cを内蔵した後処理装置MCU62と、後処理装置22に設けられ後処理装置22の消耗品(例えばステープル処理を行う後処理装置で使用されるステープルや、糊付け処理を行う後処理装置で使用される糊等)を補充する作業が行われる際に開閉されるカバー(図示省略)の開閉を検知する(開閉に応じてオンオフの状態が切り替わる)カバー開閉検知スイッチ64と、後処理装置22の消耗品の残量を検知する消耗品残量検知部66と、が設けられている。なお、カバー開閉検知スイッチ64は本発明の検出手段(詳しくは請求項2,5に記載の検出手段)の一例であり、消耗品残量検知部66は、請求項5に記載の消耗品状態検出部の一例であり、かつ後処理装置MCU62と共に本発明の取得手段(より詳しくは請求項5に記載の取得手段)の一例である。後処理装置22は、画像形成部メインMCU40によってオンオフの状態が切替えされる給電スイッチ28を介して第2電力供給部26に接続されている。
【0034】
後処理装置MCU62の記憶部62Cには後処理装置制御プログラムがインストールされており、後処理装置MCU62は、後処理装置22に電力が供給されている間、CPU62Aが後処理装置制御プログラムを実行することで、画像形成部メインMCU40からの問い合わせ時や、カバー開閉検知スイッチ64によるカバーの開閉検知時に、後処理装置22の消耗品の残量を消耗品残量検知部66によって検知し、検知結果を後処理装置の消耗品情報として画像形成部メインMCU40へ通知する処理を含む、後処理装置制御処理を行う。
【0035】
なお、後処理装置MCU62から画像形成部メインMCU40へ通知された後処理装置22の消耗品情報は、画像形成部メインMCU40からコントローラ12へ更に転送され、消耗品管理情報の1つとしてコントローラ12の記憶部12Cに記憶される。また、カバー開閉検知スイッチ64はメカニカルスイッチから成り、画像形成部メインMCU40に接続されていると共に、コントローラ12にも接続されている。コントローラ12はカバー開閉検知スイッチ64のオンオフの状態の変化を常時監視し、カバー開閉検知スイッチ64のオンオフの状態が変化した場合、カバー開閉検知スイッチ64のオンオフの状態が変化した時刻をメモリ12Bに記憶させる。
【0036】
次に本実施形態の作用を説明する。本実施形態に係る画像形成装置10は、電源スイッチ30がオンされ、第1電力供給部24からコントローラ12に電力が供給されると、コントローラ12が給電スイッチ30をオンさせると共に、全ての給電スイッチ28をオンさせることで、第2電力供給部24から画像読取部14、画像形成部16、操作パネル18、画情報送受信部20及び後処理装置22の各機能モジュールに電力を供給させる。各機能モジュールにおけるウォームアップ等が終了すると、画像形成装置10が稼働状態となり、コントローラ12は、画像形成装置10で実行可能な複数種類の処理の名称(「コピー」「プリント」「スキャン」「ファクス」等)が選択肢として表示されたメニュー画面(図示省略)を操作パネル18の表示部18Aに表示させる。
【0037】
また、表示部18Aに上記のメニュー画面が表示されている状態で、利用者によって操作パネル18の操作受付部18Bが操作され、メニュー画面内の何れかの選択肢が選択されると、コントローラ12は、選択された処理の処理内容を指定するための操作画面(図示省略)を表示部18Aに表示させ、利用者によって操作受付部18Bが再度操作され、実行すべき処理の処理内容が指定されて処理の実行が指示されると、実行が指示された処理で使用する機能モジュールにより、実行が指示された処理を行わせる。
【0038】
例えばメニュー画面内の「コピー」が利用者によって選択された場合、コントローラ12は、複写処理の処理内容を指定するためのコピー操作画面を表示部18Aに表示させ、利用者によって操作受付部18Bが再度操作され、実行すべき複写処理の処理内容が指定されて複写処理の実行が指示されると、実行が指示された複写処理を画像読取部14及び画像形成部16によって行わせる(なお、複写処理の処理内容によっては後処理装置22も使用される)。また、コントローラ12は、メニュー画面内の選択肢「スキャン」が選択され、スキャン処理の処理内容が指定されてスキャン処理の実行が指示された場合は、実行が指示されたスキャン処理を画像読取部14によって行わせ、メニュー画面内の選択肢「プリント」が選択され、プリント処理の処理内容が指定されてプリント処理の実行が指示された場合は、実行が指示されたプリント処理を画像形成部16によって行わせ(プリント処理の処理内容によっては後処理装置22も使用される)、メニュー画面内の選択肢「ファクス」が選択され、ファクシミリ送信処理の処理内容が指定されてファクシミリ送信処理の実行が指示された場合は、実行が指示されたファクシミリ送信処理を画像読取部14及び画情報送受信部20によって行わせる。
【0039】
またコントローラ12は、画像形成装置10の消費電力の低減を目的として、以下のような節電制御を行う。なお、この節電制御は、コントローラ12のCPU12Aによって節電制御プログラムが実行されることで実現される。すなわち、コントローラ12には画像読取部14、画像形成部16、画情報送受信部20及び後処理装置22の何れかに対応するタイマが各々設けられており、コントローラ12はこれらのタイマにより画像読取部14、画像形成部16、画情報送受信部20及び後処理装置22の各々で最後に処理が行われてからの経過時間を計時する。これらのタイマのタイマ値は、対応する機能モジュールで新たな処理が開始されるとリセットされるが、タイマ値が予め設定した節電状態移行時間に相当する値に達すると、コントローラ12は、対応する給電スイッチ28をオフさせることで、タイマ値が節電状態移行時間に相当する値に達したタイマに対応する機能モジュールへの電力の供給を停止させる。
【0040】
また、コントローラ12は、画像読取部14、画像形成部16、画情報送受信部20及び後処理装置22の少なくとも1つに電力が供給されている間は操作パネル18への電力の供給を継続させ、画像読取部14、画像形成部16、画情報送受信部20(の着信検出部以外の部分)及び後処理装置22への電力の供給が全て停止されるか、又は、画像読取部14、画像形成部16、画情報送受信部20(の着信検出部以外の部分)及び後処理装置22への電力の供給が全て停止されてから予め設定された時間が経過した後に、操作パネル18への電力の供給も停止させる。これにより、画像形成装置10は、コントローラ12及び画情報送受信部20の着信検出部にのみ電力が供給されている節電状態となる。
【0041】
なお、節電状態への移行は、最後に処理が行われてからの経過時間が予め設定した節電状態移行時間に相当する値に達した場合に限られるものではなく、例えば「節電復帰スイッチが長押しされた」等のように、節電状態への移行指示を意味する操作が利用者によって行われた場合にも、最後に処理が行われてからの経過時間に拘わらず節電状態へ移行するようにしてもよい。コントローラ12が上述した節電制御を行うことで、例えば電源スイッチ30のオンオフと連動して各機能モジュールへの電力の供給をオンオフさせる等の場合と比較して、画像形成装置10の消費電力は大幅に低減される。
【0042】
また、節電状態の画像形成装置10の節電復帰スイッチが利用者によって操作され、節電状態からの復帰が指示された場合、コントローラ12は、まず操作パネル18に対してのみ電力の供給を再開させ、表示部18Aに前述のメニュー画面を表示させる。そして、メニュー画面内の何れかの選択肢(処理の名称)が利用者によって選択されると、選択された処理に対応する操作画面を表示部18Aに表示させ、表示させた操作画面上で利用者によって取消操作以外の操作が行われたことを検知すると、先のメニュー画面上で選択された処理で使用する機能モジュールに対してのみ電力の供給を再開させる。
【0043】
これにより、節電状態からの復帰が指示されると全ての機能モジュールへの電力の供給を再開する場合と比較して、画像形成装置10の消費電力が低減されると共に、電力の供給が再開された機能モジュールにおけるウォームアップ処理と、表示部18Aに表示された操作画面を介して利用者が処理内容を指定する操作と、が並列に行われることで、利用者が処理の実行を指示してから、実際に処理の実行が開始される迄の待ち時間も短縮される。
【0044】
なお、上記のように表示部18Aに表示させた操作画面上で利用者によって取消操作以外の操作が行われたことをトリガとして、使用する機能モジュールへの電力の供給を再開させることに代えて、メニュー画面上で何れかの処理が選択されたことをトリガとして、使用する機能モジュールへの電力の供給を再開させるようにしてもよい。
【0045】
続いて、コントローラ12によって行われる管理情報出力処理について、図3を参照して説明する。なお、以下で説明する管理情報出力処理は、本発明の出力手段(より詳しくは請求項3〜5に記載の出力手段)による処理の一例であり、利用者による操作パネル18の操作に伴い表示部18Aに管理情報(装置の構成情報や保守情報、消耗品の情報のうちの少なくとも1つ)を表示する必要が生じたか、又は、通信線を介して接続されたPC等の機器から管理情報の送信を要求する情報を受信したことをトリガとして、CPU12Aによって管理情報出力プログラムが実行されることで行われる。
【0046】
この管理情報出力処理では、まずステップ100において、出力(操作パネル18の表示部18Aへの表示又は管理情報要求元の機器への送信)が要求された管理情報が画像読取部14の構成情報か否か判定する。画像読取部14の構成情報は装置構成情報の一部として記憶部12Cに記憶されており、上記判定が肯定された場合はステップ102へ移行し、記憶部12Cに記憶されている装置構成情報から画像読取部14の構成情報を抽出し、抽出した画像読取部14の構成情報を出力するか、又は出力対象の情報としてメモリ12Bに記憶させ、ステップ104へ移行する。なお、ステップ100の判定が否定された場合はステップ102の処理を行うことなくステップ104へ移行する。
【0047】
ステップ104では、出力が要求された管理情報が画像読取部14の保守情報(画像読取部14の個々の消耗部品の使用開始からの累積使用時間等の情報)か否か判定する。判定が肯定された場合はステップ106へ移行し、自装置が、自装置を構成する各機能モジュールに対応する電源スイッチ28がオフされ、各機能モジュールへの電力の供給を停止している節電状態か否か判定する。この判定が否定された場合、画像読取部14に電力が供給されて画像読取部MCU36が稼働している状態であるので、ステップ108で画像読取部MCU36に対して画像読取部14の保守情報の送信を要求する。画像読取部MCU36は、保守情報の送信が要求されると、要求された保守情報を記憶部36Cから読み出して送信する。ステップ108では、画像読取部MCU36から画像読取部14の保守情報を受信することで取得すると、取得した画像読取部14の保守情報を出力するか、又は出力対象の情報としてメモリ12Bに記憶させ、ステップ116へ移行する。
【0048】
一方、自装置が節電状態の場合はステップ106の判定が肯定されてステップ110へ移行する。この場合、画像読取部MCU36を含む画像読取部14への電力の供給が停止されているので、ステップ110では画像読取部MCU36に対応して設けられた給電スイッチ28をオンさせることで、画像読取部14のうち画像読取部MCU36に対してのみ電力の供給を開始させる。またステップ112では、先のステップ108と同様に、画像読取部MCU36に対して画像読取部14の保守情報の送信を要求し、画像読取部MCU36が記憶部36Cから読み出した画像読取部14の保守情報を画像読取部MCU36から受信することで取得すると、取得した画像読取部14の保守情報を出力するか、又は出力対象の情報としてメモリ12Bに記憶させる。そしてステップ114では、画像読取部MCU36に対応する給電スイッチ28をオフさせることで、画像読取部MCU36への電力の供給を停止させ、ステップ116へ移行する。なお、ステップ104の判定が否定された場合はステップ106〜ステップ114をスキップしてステップ116へ移行する。
【0049】
ステップ116では、出力が要求された管理情報が画像形成部16の構成情報か否か判定する。画像形成部16の構成情報も装置構成情報の一部として記憶部12Cに記憶されており、上記判定が肯定された場合はステップ118へ移行し、記憶部12Cに記憶されている装置構成情報から画像形成部16の構成情報を抽出し、抽出した画像形成部16の構成情報を出力するか、又は出力対象の情報としてメモリ12Bに記憶させ、ステップ120へ移行する。なお、ステップ116の判定が否定された場合はステップ118の処理を行うことなくステップ120へ移行する。
【0050】
次のステップ120では、出力が要求された管理情報がトナー情報及びドラム情報の少なくとも一方か否か判定する。ステップ120の判定が肯定された場合はステップ122へ移行し、自装置が節電状態か否か判定する。この判定が否定された場合、画像形成部16に電力が供給されて画像形成部メインMCU40が稼働している状態であるので、記憶部12Cに消耗品管理情報の一部として記憶されているトナー情報及びドラム情報は、画像形成部メインMCU40によって実行されている画像形成部制御処理により、トナーや感光体ドラムの現在の状態を正確に表していると判断できる。このため、ステップ122の判定が否定された場合(自装置が節電状態でない場合)はステップ126へ移行し、要求されているトナー情報及びドラム情報の少なくとも一方を、記憶部12Cに記憶されている消耗品管理情報から選択的に読み出し、読み出したトナー情報及びドラム情報の少なくとも一方を出力するか、又は出力対象の情報としてメモリ12Bに記憶させ、ステップ134へ移行する。
【0051】
また、ステップ122の判定が肯定された場合(自装置が節電状態の場合)はステップ124へ移行し、カバー開閉検知スイッチ57のオンオフの状態が変化した時刻がメモリ12Bに記憶されているか否か、及び、前記時刻がメモリ12Bに記憶されている場合は、その時刻が自装置が節電状態へ移行した時刻よりも後か否かを判定することで、自装置が節電状態へ移行してから現在までの期間中に、消耗品収容部52のカバーの開閉がカバー開閉検知スイッチ57によって検出されたか否か判定する。自装置が節電状態へ移行してから現在までの期間中に消耗品収容部52のカバーが開閉されていない場合、節電状態の期間中にトナーカートリッジ54やドラムカートリッジ56が交換された可能性はなく、記憶部12Cに消耗品管理情報の一部として記憶されているトナー情報及びドラム情報は、トナーや感光体ドラムの現在の状態を正確に表していると判断できる。
【0052】
このため、ステップ124の判定が否定された場合もステップ126へ移行し、要求されているトナー情報及びドラム情報の少なくとも一方を、記憶部12Cに記憶されている消耗品管理情報から選択的に読み出し、読み出したトナー情報及びドラム情報の少なくとも一方を出力するか、又は出力対象の情報としてメモリ12Bに記憶させ、ステップ134へ移行する。
【0053】
一方、自装置が節電状態へ移行してから現在までの期間中に消耗品収容部52のカバーが開閉された場合、節電状態の期間中にトナーカートリッジ54やドラムカートリッジ56が交換された可能性が有り、記憶部12Cに消耗品管理情報の一部として記憶されているトナー情報及びドラム情報が、トナーや感光体ドラムの現在の状態と整合していない可能性が有ると判断できる。このため、ステップ124の判定が肯定された場合はステップ128へ移行し、画像形成部メインMCU40に対応して設けられた給電スイッチ28をオンさせることで、画像形成部16のうち画像形成部メインMCU40に対してのみ電力の供給を開始させる。またステップ130では画像形成部メインMCU40に対し、出力が要求されているトナー情報及びドラム情報の少なくとも一方の送信を要求する。
【0054】
上記のように、コントローラ12からトナー情報及びドラム情報の少なくとも一方の送信が要求されると、画像形成部メインMCU40では、図4に示すトナー/ドラム情報取得処理(この処理は画像形成部制御処理の一部である)が実行される。
【0055】
トナー/ドラム情報取得処理では、まずステップ180において、コントローラ12からトナー情報の送信が要求されているか否か判定する。判定が肯定された場合はステップ182へ移行し、トナー情報通信装置58との通信を試行することで、トナー情報通信装置58と通信可能な状態か否か判定する。判定が肯定された場合はステップ186へ移行するが、トナー情報通信装置58と通信可能な状態でない場合は判定が否定されてステップ184へ移行し、トナー情報通信装置58(及びドラム情報通信装置60)に対応する給電スイッチ28をオンさせることで、第2電力供給部26からトナー情報通信装置58(及びドラム情報通信装置60)への電力の供給を開始させる。
【0056】
次のステップ186ではトナー情報通信装置58に対し、トナーカートリッジ54のトナー情報記憶部54Aからのトナー情報の読み出しを行わせ、トナー情報記憶部54Aから読み出されたトナー情報をトナー情報通信装置58から受信することでトナー情報を取得する。これにより、トナーカートリッジ54に収納されているトナーの現在の状態を表すトナー情報が取得される。そして、取得したトナー情報を画像形成部メインMCU40へ送信する。次のステップ188では、トナー情報通信装置58(及びドラム情報通信装置60)に対応する給電スイッチ28をオフさせることで、トナー情報通信装置58(及びドラム情報通信装置60)への電力の供給を停止させ、ステップ190へ移行する。なお、ステップ180の判定が否定された場合はステップ182〜ステップ188をスキップしてステップ190へ移行する。
【0057】
ステップ190では、コントローラ12からドラム情報の送信が要求されているか否か判定する。判定が肯定された場合はステップ192へ移行し、ドラム情報通信装置60との通信を試行することで、ドラム情報通信装置60と通信可能な状態か否か判定する。判定が肯定された場合はステップ196へ移行するが、ドラム情報通信装置60と通信可能な状態でない場合は判定が否定されてステップ194へ移行し、ドラム情報通信装置60(及びトナー情報通信装置58)に対応する給電スイッチ28をオンさせることで、第2電力供給部26からドラム情報通信装置60(及びトナー情報通信装置58)への電力の供給を開始させる。
【0058】
次のステップ196ではドラム情報通信装置60に対し、ドラムカートリッジ56のドラム情報記憶部56Aからのドラム情報の読み出しを行わせ、ドラム情報記憶部56Aから読み出されたドラム情報をドラム情報通信装置60から受信することでドラム情報を取得する。これにより、ドラムカートリッジ56に収納されている感光体ドラムの現在の状態を表すドラム情報が取得される。そして、取得したドラム情報を画像形成部メインMCU40へ送信する。次のステップ198では、ドラム情報通信装置60(及びトナー情報通信装置58)に対応する給電スイッチ28をオフさせることで、ドラム情報通信装置60(及びトナー情報通信装置58)への電力の供給を停止させ、トナー/ドラム情報取得処理を終了する。なお、ステップ190の判定が否定された場合はステップ192〜ステップ198をスキップしてトナー/ドラム情報取得処理を終了する。
【0059】
画像形成部メインMCU40で上述したトナー/ドラム情報取得処理が行われると、コントローラ12で実行される管理情報出力処理(図3)では、ステップ132において、出力が要求されているトナー情報及びドラム情報の少なくとも一方を画像形成部メインMCU40から取得し、取得したトナー情報及びドラム情報の少なくとも一方を出力するか、又は出力対象の情報としてメモリ12Bに記憶させ、ステップ134へ移行する。なお、ステップ120の判定が否定された場合は、ステップ122〜ステップ132をスキップしてステップ134へ移行する。
【0060】
このように、トナー情報及びドラム情報の少なくとも一方の出力が要求された際に、画像形成装置10が節電状態であっても、節電状態の期間中に消耗品収容部52のカバーが開閉されていない場合は、節電状態へ移行する前に記憶部12Cに記憶されたトナー情報及びドラム情報の少なくとも一方を出力し、節電状態の期間中に消耗品収容部52のカバーが開閉された場合にのみ、画像形成部メインMCU40、トナー情報通信装置58及びドラム情報通信装置60への電力の供給を再開させてトナー情報及びドラム情報の少なくとも一方の取得・出力を行うので、トナー情報及びドラム情報の少なくとも一方の出力要求に対し、画像形成部16又は画像形成装置10全体への電力の供給を再開させる場合と比較して、画像形成装置10の消費電力(量)が低減される。
【0061】
ステップ134では出力が要求された管理情報が用紙情報か否か判定する。ステップ134の判定が肯定された場合はステップ136へ移行し、自装置に設けられている全ての用紙収容部について用紙情報の出力を行ったか否か判定する。この判定が否定された場合は、用紙情報未出力の単一の用紙収容部を処理対象として選択してステップ138へ移行し、自装置が節電状態か否か判定する。この判定が否定された場合、画像形成部16に電力が供給されて画像形成部メインMCU40が稼働している状態であるので、記憶部12Cに消耗品管理情報の一部として記憶されている用紙情報は、画像形成部メインMCU40によって実行されている画像形成部制御処理により、個々の用紙収容部に収納されている記録用紙の現在の状態(サイズや残量)を正確に表していると判断できる。このため、ステップ138の判定が否定された場合(自装置が節電状態でない場合)はステップ142へ移行し、処理対象の用紙収容部に対応する用紙情報を記憶部12Cに記憶されている消耗品管理情報から選択的に読み出し、読み出した用紙情報を出力するか、又は出力対象の情報としてメモリ12Bに記憶させ、ステップ136に戻る。
【0062】
また、ステップ138の判定が肯定された場合(自装置が節電状態の場合)はステップ140へ移行し、処理対象の用紙収容部の開閉を検知する用紙収容部開閉検知スイッチ46のオンオフの状態が変化した時刻がメモリ12Bに記憶されているか否か、及び、前記時刻がメモリ12Bに記憶されている場合は、その時刻が自装置が節電状態へ移行した時刻よりも後か否かを判定することで、自装置が節電状態へ移行してから現在までの期間中に、処理対象の用紙収容部の開閉が用紙収容部開閉検知スイッチ46によって検出されたか否か判定する。自装置が節電状態へ移行してから現在までの期間中に処理対象の用紙収容部が開閉されていない場合、節電状態の期間中に処理対象の用紙収容部に対して記録用紙の交換や補充が行われた可能性は無く、記憶部12Cに消耗品管理情報の一部として記憶されている処理対象の用紙収容部に対応する用紙情報は、処理対象の用紙収容部に収納されている記録用紙の現在の状態を正確に表していると判断できる。
【0063】
このため、ステップ140の判定が否定された場合もステップ142へ移行し、処理対象の用紙収容部に対応する用紙情報を記憶部12Cに記憶されている消耗品管理情報から選択的に読み出し、読み出した用紙情報を出力するか、又は出力対象の情報としてメモリ12Bに記憶させ、ステップ136に戻る。
【0064】
一方、自装置が節電状態へ移行してから現在までの期間中に処理対象の用紙収容部が開閉された場合、節電状態の期間中に処理対象の用紙収容部に収納されている記録用紙の交換や補充が行われた可能性が有り、記憶部12Cに消耗品管理情報の一部として記憶されている処理対象の用紙収容部に対応する用紙情報は、処理対象の用紙収容部に収納されている記録用紙の現在の状態と整合していない可能性が有ると判断できる。このため、ステップ140の判定が肯定された場合はステップ144へ移行し、画像形成部メインMCU40は電力が供給されている状態か否か判定する。判定が肯定された場合はステップ148へ移行するが、判定が否定された場合はステップ146へ移行し、画像形成部メインMCU40に対応して設けられた給電スイッチ28をオンさせることで、画像形成部16のうち画像形成部メインMCU40に対してのみ電力の供給を開始させた後にステップ148へ移行する。またステップ148では画像形成部メインMCU40に対し、処理対象の用紙トレイに対応する用紙情報の送信を要求する。
【0065】
上記のように、コントローラ12から処理対象の用紙トレイに対応する用紙情報の送信が要求されると、画像形成部メインMCU40では、図5に示す用紙情報取得処理(この処理も画像形成部制御処理の一部である)が実行される。
【0066】
この用紙情報取得処理では、まずステップ210において、給紙部42への電力の供給が停止されているか否か判定する。判定が否定された場合はステップ214へ移行するが、判定が肯定された場合はステップ212へ移行し、給紙部42に対応して設けられた給電スイッチ28をオンさせることで、画像形成部16のうち給紙部42に対してのみ電力の供給を開始させた後にステップ214へ移行する。次のステップ214では、給紙部MCU44に対し、処理対象の用紙収容部に対応する用紙情報の取得を要求する。
【0067】
これにより、ステップ216では、給紙部MCU44により、処理対象の用紙収容部に収納されている記録用紙のサイズを用紙サイズ検知部48によって検知させると共に、前記記録用紙の残量を用紙残量検知部50によって検知させることで、処理対象の用紙収容部に対応する用紙情報を取得し、取得した用紙情報を画像形成部メインMCU40へ送信する用紙情報取得処理が行われる。給紙部MCU44から送信された処理対象の用紙収容部の用紙情報は、次のステップ218で画像形成部メインMCU40によって受信されることで画像形成部メインMCU40に取得される。そして、画像形成部メインMCU40が取得した処理対象の用紙収容部に対応する用紙情報は、次のステップ220において、画像形成部メインMCU40からコントローラ12へ送信される。
【0068】
次のステップ222では、他の用紙収容部に対応する用紙情報がコントローラ12から要求されたか否か判定する。判定が否定された場合はステップ224へ移行し、先のステップ220でコントローラ12へ用紙情報を送信してから、予め設定された時間が経過したか否か判定する。この判定も否定された場合はステップ222に戻り、何れかの判定が肯定される迄ステップ222,224を繰り返す。
【0069】
後述するように、管理情報出力処理(図3)では、画像形成部メインMCU40に対して用紙収容部単位で用紙情報を要求するので、コントローラ12から画像形成部メインMCU40への用紙情報の要求は複数回連続する可能性がある。コントローラ12から別の用紙収容部に対応する用紙情報が要求された場合、ステップ222の判定が肯定されてステップ214へ戻り、ステップ214〜ステップ220を繰り返す。また、ステップ224の判定が肯定された場合はステップ226へ移行し、給紙部42に対応する給電スイッチ28をオフさせることで給紙部42への電力の供給を停止させ、用紙情報取得処理を終了する。
【0070】
画像形成部メインMCU40で上述した用紙情報取得処理が行われると、コントローラ12で実行される管理情報出力処理(図3)では、ステップ150において、画像形成部メインMCU40から用紙情報を取得し、取得した用紙情報を出力するか、又は出力対象の情報としてメモリ12Bに記憶させ、ステップ136に戻る。これにより、ステップ136の判定が肯定される迄ステップ136〜ステップ150が繰り返され、自装置が節電状態でなければ記憶部12Cに記憶されている用紙情報が全ての用紙収容部について出力される一方、自装置が節電状態であれば、節電期間中に開閉されていない用紙収容部については記憶部12Cに記憶されている用紙情報が出力され、節電期間中に開閉された用紙収容部については、給紙部42によって用紙の現在の状態が検出され、検出結果が用紙情報として出力されることになる。
【0071】
全ての用紙収容部について用紙情報を出力すると、ステップ136の判定が肯定されてステップ152へ移行する。なお、ステップ134の判定が否定された場合は、ステップ136〜ステップ150をスキップしてステップ152へ移行する。
【0072】
このように、用紙情報の出力が要求された際に、画像形成装置10が節電状態であっても、節電状態の期間中に開閉された用紙収容部が存在していない場合は、節電状態へ移行する前に記憶部12Cに記憶された各用紙収容部の用紙情報を出力し、節電状態の期間中に開閉された用紙収容部が存在している場合は、画像形成部メインMCU40及び給紙部42への電力の供給を再開させ、節電状態の期間中に開閉された用紙収容部についてのみ用紙情報を取得し、各用紙収容部の用紙情報の出力を行うので、用紙情報の出力要求に対し、画像形成部16又は画像形成装置10全体への電力の供給を再開させる場合と比較して、画像形成装置10の消費電力(量)が低減される。
【0073】
ステップ152では、出力が要求された管理情報が後処理装置22の構成情報か否か判定する。後処理装置22の構成情報も装置構成情報の一部として記憶部12Cに記憶されており、上記判定が肯定された場合はステップ154へ移行し、記憶部12Cに記憶されている装置構成情報から後処理装置22の構成情報を抽出し、抽出した後処理装置22の構成情報を出力するか、又は出力対象の情報としてメモリ12Bに記憶させ、ステップ156へ移行する。なお、ステップ152の判定が否定された場合はステップ154の処理を行うことなくステップ156へ移行する。
【0074】
次のステップ156では、出力が要求された管理情報が後処理装置22の消耗品情報か否か判定する。ステップ156の判定が肯定された場合はステップ158へ移行し、自装置が節電状態か否か判定する。この判定が否定された場合、画像形成部16に電力が供給されて画像形成部メインMCU40が稼働している状態であるので、記憶部12Cに消耗品管理情報の一部として記憶されている後処理装置22の消耗品情報は、画像形成部メインMCU40によって実行されている画像形成部制御処理により、後処理装置22の消耗品の現在の状態を正確に表していると判断できる。このため、ステップ158の判定が否定された場合(自装置が節電状態でない場合)はステップ162へ移行し、記憶部12Cに記憶されている消耗品管理情報から後処理装置22の消耗品情報を選択的に読み出し、読み出した後処理装置22の消耗品情報を出力するか、又は、出力対象の情報としてメモリ12Bに記憶させ、メモリ12Bに記憶させた出力対象の全ての情報を出力した後に、管理情報出力処理を終了する。
【0075】
また、ステップ158の判定が肯定された場合(自装置が節電状態の場合)はステップ160へ移行し、カバー開閉検知スイッチ64のオンオフの状態が変化した時刻がメモリ12Bに記憶されているか否か、及び、前記時刻がメモリ12Bに記憶されている場合は、その時刻が自装置が節電状態へ移行した時刻よりも後か否かを判定することで、自装置が節電状態へ移行してから現在までの期間中に、後処理装置22のカバーの開閉がカバー開閉検知スイッチ64によって検出されたか否か判定する。自装置が節電状態へ移行してから現在までの期間中に後処理装置22のカバーが開閉されていない場合、節電状態の期間中に後処理装置22の消耗品の補充等が行われた可能性はなく、記憶部12Cに消耗品管理情報の一部として記憶されている後処理装置22の消耗品情報は、後処理装置22の消耗品の現在の状態を正確に表していると判断できる。
【0076】
このため、ステップ160の判定が否定された場合もステップ162へ移行し、記憶部12Cに記憶されている消耗品管理情報から後処理装置22の消耗品情報を選択的に読み出し、読み出した後処理装置22の消耗品情報を出力するか、又は、出力対象の情報としてメモリ12Bに記憶させ、メモリ12Bに記憶させた出力対象の全ての情報を出力した後に、管理情報出力処理を終了する。
【0077】
一方、自装置が節電状態へ移行してから現在までの期間中に後処理装置22のカバーが開閉された場合、節電状態の期間中に後処理装置22の消耗品の補充等が行われた可能性が有り、記憶部12Cに消耗品管理情報の一部として記憶されている後処理装置22の消耗品情報が、後処理装置22の消耗品の現在の状態と整合していない可能性が有ると判断できる。このため、ステップ160の判定が肯定された場合はステップ164へ移行し、画像形成部メインMCU40は電力が供給されている状態か否か判定する。判定が肯定された場合はステップ168へ移行するが、判定が否定された場合はステップ166へ移行し、画像形成部メインMCU40に対応して設けられた給電スイッチ28をオンさせることで、画像形成部16のうち画像形成部メインMCU40に対してのみ電力の供給を開始させた後にステップ168へ移行する。またステップ168では画像形成部メインMCU40に対し、後処理装置22の消耗品情報の送信を要求する。
【0078】
上記のように、コントローラ12から後処理装置22の消耗品情報の送信が要求されると、画像形成部メインMCU40では、図6に示す後処理装置の消耗品情報取得処理(この処理も画像形成部制御処理の一部である)が実行される。
【0079】
この後処理装置の消耗品情報取得処理では、まずステップ230において、後処理装置22への電力の供給が停止されているか否か判定する。判定が否定された場合はステップ234へ移行するが、判定が肯定された場合はステップ232へ移行し、後処理装置22に対応して設けられた給電スイッチ28をオンさせることで、後処理装置22に対する電力の供給を開始させた後にステップ234へ移行する。次のステップ234では、後処理装置MCU62に対し、後処理装置22の消耗品情報の取得を要求する。
【0080】
これにより、ステップ236では、後処理装置MCU62により、後処理装置22の消耗品の残量を消耗品残量検知部66によって検知させることで、後処理装置22の消耗品情報を取得し、取得した後処理装置22の消耗品情報を画像形成部メインMCU40へ送信する消耗品情報取得処理が行われる。後処理装置MCU62から送信された後処理装置22の消耗品情報は、次のステップ238で画像形成部メインMCU40によって受信されることで画像形成部メインMCU40に取得される。そして、画像形成部メインMCU40が取得した後処理装置22の消耗品情報は、次のステップ240において、画像形成部メインMCU40からコントローラ12へ送信される。また、ステップ242では、後処理装置22に対応する給電スイッチ28をオフさせることで後処理装置22への電力の供給を停止させ、後処理装置の消耗品情報取得処理を終了する。
【0081】
画像形成部メインMCU40で上述の後処理装置の消耗品情報取得処理が行われると、コントローラ12で実行される管理情報出力処理(図3)では、ステップ170において、画像形成部メインMCU40から後処理装置の消耗品情報を取得し、取得した後処理装置の消耗品情報を出力するか、又は、出力対象の情報としてメモリ12Bに記憶させ、メモリ12Bに記憶させた出力対象の全ての情報を出力した後に、管理情報出力処理を終了する。なお、ステップ156の判定が否定された場合は、ステップ158〜ステップ170をスキップして管理情報出力処理を終了する。
【0082】
このように、後処理装置22の消耗品情報の出力が要求された際に、画像形成装置10が節電状態であっても、節電状態の期間中に後処理装置22のカバーが開閉されていない場合は、節電状態へ移行する前に記憶部12Cに記憶された後処理装置22の消耗品情報を出力し、節電状態の期間中に後処理装置22のカバーが開閉された場合にのみ、画像形成部メインMCU40及び後処理装置22への電力の供給を再開させて後処理装置22の消耗品情報の取得・出力を行うので、後処理装置22の消耗品情報の出力要求に対し、画像形成部16及び後処理装置22、又は、画像形成装置10全体への電力の供給を再開させる場合と比較して、画像形成装置10の消費電力(量)が低減される。
【0083】
節電状態の画像形成装置10に対して管理情報の出力が要求されることで、上述した管理情報出力処理が行われた場合の、時間経過に伴う画像形成装置10の消費電力の推移の一例を図7(A),(B)に示す。図7(A)は、管理情報出力処理の実行が終了した後、画像形成装置10が稼働状態へ遷移した場合であり、このような場合としては、例えば以下のようなケースが考えられる。
【0084】
すなわち、利用者が、節電状態の画像形成装置10の用紙収容部を抜き差しして記録用紙の状態を確認した後、節電復帰スイッチを操作して節電状態からの復帰を指示し、表示部18Aに表示されたメニュー画面内の選択肢「コピー」を選択する操作を行った場合、コントローラ12は、各用紙収容部に収納されている記録用紙のサイズを明示(残量0であればそれも明示)するコピー操作画面を表示部18Aに表示させるにあたり、前述の管理情報出力処理を行って各用紙収容部に収納されている記録用紙のサイズや残量を取得する必要が生ずる。
【0085】
但し、メニュー画面内の何れかの選択肢が利用者によって選択された時点では、画像形成部16を含む各機能モジュールへの電力の供給は停止されており、かつ、節電状態の期間中に用紙収容部の抜き差し操作が行われているので、図7(A)に示す消耗品情報取得期間では、管理情報出力処理(図3)のステップ140の判定が肯定されることで、画像形成部メインMCU40及び給紙部42に対してのみ電力の供給が再開され(図3のステップ146、図5のステップ212)、節電状態の期間中に抜き差し操作が行われた用紙収容部に対応する用紙情報の取得が行われ、各用紙収容部に対応する用紙情報の取得が完了した後に、取得した用紙情報の内容を明示したコピー操作画面が表示部18Aに表示される。
【0086】
このケースでは、表示部18Aに表示されたコピー操作画面上で利用者によって取消操作以外の操作が行われると、画像形成部16全体への電力の供給を再開させると共に、画像読取部14への電力の供給も再開させることで稼働状態に復帰し(但し、このケースでは画情報送受信部20に対しては電力の供給を停止している状態のまま維持される)、これに伴い、画像形成装置10の消費電力が稼働状態に相当する値へ増大するが、図7(A)に示す消耗品情報取得期間に、消耗品の状態情報の取得に必要な部分(このケースでは画像形成部メインMCU40及び給紙部42)に対してのみ電力の供給を再開させるので、節電状態からの復帰が指示された時点や、メニュー画面内の選択肢「コピー」が選択された時点で、画像形成部16への電力の供給を再開させる場合と比較して、図7(A)に斜線で示す消費電力(量)が削減されることになる。
【0087】
また図7(B)は、管理情報出力処理の実行が終了した後、画像形成装置10が節電状態へ戻る場合であり、このような場合としては、例えば利用者が、節電状態の画像形成装置10に対し、消耗品収容部52のカバーを開放し、消耗品収容部52にセットされているトナーの残量0のトナーカートリッジ54を新品のトナーカートリッジ54へ交換し、消耗品収容部52のカバーを閉止した後に、画像形成装置10のトナー残量を確認するために、自席のPCから画像形成装置10に対し、管理情報としてのトナー情報の出力をネットワーク経由で要求する操作を行ったケースが考えられる。
【0088】
このケースにおいても画像形成装置10は節電状態のため、トナー情報の出力が要求された時点では、画像形成部16を含む各機能モジュールへの電力の供給は停止されており、かつ、節電状態の期間中に消耗品収容部52のカバーの開閉操作が行われているので、図7(A)に示す消耗品情報取得期間では、管理情報出力処理(図3)のステップ124の判定が肯定されることで、画像形成部メインMCU40とトナー情報通信装置58(及びドラム情報通信装置60)に対してのみ電力の供給が再開され(図3のステップ128、図4のステップ184)、交換後の新品のトナーカートリッジ54のトナー情報記憶部54Aからのトナー情報の読み出しが行われ、取得されたトナー情報が要求元のPCへ送信される。その後、トナー情報等の管理情報の出力要求を受信していない状態が予め設定された時間以上継続すると、画像形成装置10は節電状態に戻る。
【0089】
このケースでも、図7(B)に示す消耗品情報取得期間に、消耗品の状態情報の取得に必要な部分(このケースでは画像形成部メインMCU40とトナー情報通信装置58(及びドラム情報通信装置60))に対してのみ電力の供給を再開させるので、トナー情報等の管理情報の出力た要求された時点で、画像形成部16、或いは画像形成装置10全体への電力の供給を再開させる場合と比較して、図7(B)に斜線で示す消費電力(量)が削減されることになる。
【0090】
なお、上記では消耗品が交換又は補充された可能性の有る予め設定された操作が行われたか否かを検出する検出手段の一例として、請求項2に記載の開閉部材の一例としての消耗品収容部52のカバー、用紙収容部、後処理装置22のカバーが開閉されたか否かを検出する態様を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば消耗品を収納するカートリッジが脱着されたか否かを検出したり、消耗品投入口を覆う蓋部が脱着されたか否かを検出することで、消耗品が交換又は補充された可能性の有る予め設定された操作が行われたか否かを検出するように検出手段を構成することも可能である。
【0091】
また、上記では節電状態において、画像形成装置10を構成する各機能モジュールへの電力の供給を停止する態様を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば使用されない状態が予め設定した第1時間以上継続した機能モジュールに対しては、供給する電力を稼働時よりも低下させるようにしてもよいし、供給する電力を稼働時よりも低下させた機能モジュールが使用されない状態が予め設定した第2時間以上継続した場合に、当該機能モジュールへの電力の供給を停止するようにしてもよい。
【0092】
また、上記では電源スイッチ30がオンされた当初は、全ての機能モジュールに電力を供給する態様を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、電源スイッチがオンされた当初より、実行が指示される処理で使用される機能モジュールに対してのみ電力を供給する処理を行うようにしてもよい。
【0093】
また、上記では本発明に係る制御プログラムの一例である管理情報出力プログラムがコントローラ12の記憶部12Cに予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、本発明に係る制御プログラムは、CD−ROMやDVD−ROM等の記録媒体に記録されている形態で提供することも可能である。
【符号の説明】
【0094】
10 画像形成装置
12 コントローラ
16 画像形成部
18 操作パネル
22 後処理装置
28 給電スイッチ
40 画像形成部メインMCU
42 給紙部
44 給紙部MCU
46 用紙収容部開閉検知スイッチ
48 用紙サイズ検知部
50 用紙残量検知部
57 カバー開閉検知スイッチ
58 トナー情報通信装置
60 ドラム情報通信装置
62 後処理装置MCU
64 カバー開閉検知スイッチ
66 消耗品残量検知部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
消耗品が交換又は補充された可能性の有る予め設定された操作が行われたか否かを検出する検出手段と、
前記消耗品の現在の状態を表す状態情報を取得する取得手段と、
自装置を構成するモジュールへの供給電力を停止又は稼働状態での供給電力よりも低下させる節電状態で、前記消耗品の状態を表す状態情報の出力が要求された場合に、前記節電状態の期間中に前記予め設定された操作が行われたことが前記検出手段によって検出されていないときには、前記節電状態へ移行する前に前記取得手段によって取得されて記憶手段に記憶された前記状態情報を前記記憶手段から読み出して出力し、前記節電状態の期間中に前記予め設定された操作が行われたことが前記検出手段によって検出されているときには、前記取得手段を節電状態から復帰させ、節電状態から復帰させた前記取得手段によって取得された前記状態情報を出力する出力手段と、
を含む画像形成装置。
【請求項2】
前記検出手段は、消耗品の交換又は補充を行う際に開閉される開閉部材が開閉されたか否かを検出することで、前記消耗品が交換又は補充された可能性の有る予め設定された操作が行われたか否かを検出する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記検出手段は、消耗品を収納しかつ当該消耗品の現在の状態を表す状態情報が書き込まれる記憶部が付加されたカートリッジの交換を行う際に開閉されるカバーが開閉されたか否かを検出し、
前記取得手段は、前記カートリッジに付加された前記記憶部から前記状態情報を読み出すことで前記状態情報を取得し、
前記出力手段は、前記節電状態で前記カートリッジに収納された消耗品の状態を表す状態情報の出力が要求された場合に、前記節電状態の期間中の前記カバーの開閉が前記検出手段によって検出されていないときには、前記節電状態へ移行する前に前記取得手段によって前記カートリッジの前記記憶部から取得されて記憶手段に記憶された前記状態情報を前記記憶手段から読み出して出力し、前記節電状態の期間中の前記カバーの開閉が前記検出手段によって検出されているときには、前記取得手段を節電状態から復帰させ、節電状態から復帰させた前記取得手段によって前記カートリッジの前記記憶部から前記状態情報を取得させ、取得された状態情報を出力する請求項1又は請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記検出手段は、前記消耗品としての用紙の補充を行う際に開閉される用紙収容部が開閉されたか否かを複数の前記用紙収容部について各々検出し、
前記取得手段は、前記消耗品の状態として複数の前記用紙収容部に収容されている用紙のサイズ及び残量の少なくとも一方を各々検出する用紙検出部を含んで構成され、
前記出力手段は、前記節電状態で用紙の状態を表す状態情報の出力が要求された場合に、複数の前記用紙収容部のうち、前記節電状態の期間中の開閉が前記検出手段によって検出されていない前記用紙収容部については、前記開閉が検出されていない前記用紙収容部に収容されている用紙の状態を表す状態情報を前記記憶手段から読み出して出力し、前記節電状態の期間中の開閉が前記検出手段によって検出されている前記用紙収容部については、前記取得手段を節電状態から復帰させ、節電状態から復帰させた前記取得手段の前記前記用紙検出部により、前記開閉が検出されていない前記用紙収容部に収容されている用紙の現在の状態を検出させることで前記状態情報を取得させ、取得された状態情報を出力する請求項1又は請求項2記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記検出手段は、前記画像形成装置に連結される後処理装置の消耗品の交換又は補充を行う際に開閉される前記後処理装置のカバーが開閉されたか否かを検出し、
前記取得手段は、前記後処理装置の消耗品の現在の状態を検出する消耗品状態検出部を含んで構成され、
前記出力手段は、前記節電状態で前記後処理装置の消耗品の状態を表す状態情報の出力が要求された場合に、前記節電状態の期間中の前記後処理装置のカバーの開閉が前記検出手段によって検出されていないときには、前記節電状態へ移行する前に前記取得手段によって取得されて記憶手段に記憶された前記状態情報を前記記憶手段から読み出して出力し、前記節電状態の期間中の前記後処理装置のカバーの開閉が前記検出手段によって検出されているときには、前記取得手段を節電状態から復帰させ、節電状態から復帰させた前記取得手段の前記消耗品状態検出部により、前記後処理装置の消耗品の現在の状態を検出させることで前記状態情報を取得させ、取得された状態情報を出力する請求項1又は請求項2記載の画像形成装置。
【請求項6】
消耗品が交換又は補充された可能性の有る予め設定された操作が行われたか否かを検出する検出手段と、前記消耗品の現在の状態を表す状態情報を取得する取得手段と、を備えた画像形成装置に内蔵されたコンピュータを、
自装置を構成するモジュールへの供給電力を停止又は稼働状態での供給電力よりも低下させる節電状態で、前記消耗品の状態を表す状態情報の出力が要求された場合に、前記節電状態の期間中に前記予め設定された操作が行われたことが前記検出手段によって検出されていないときには、前記節電状態へ移行する前に前記取得手段によって取得されて記憶手段に記憶された前記状態情報を前記記憶手段から読み出して出力し、前記節電状態の期間中に前記予め設定された操作が行われたことが前記検出手段によって検出されているときには、前記取得手段を節電状態から復帰させ、節電状態から復帰させた前記取得手段によって取得された前記状態情報を出力する出力手段
として機能させるための画像形成装置の制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−189563(P2011−189563A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−56102(P2010−56102)
【出願日】平成22年3月12日(2010.3.12)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】