説明

画像形成装置及びその制御方法

【課題】省電力モードを実現する画像形成装置及びその制御方法を提供する。
【解決手段】本発明の画像形成装置は、第1メモリ及び第2メモリと、メインコントローラ及びサブコントローラと、を備え、メインコントローラは、ノーマルモード状態で第1メモリを用いて制御動作を行い、サブコントローラは、画像形成装置に設けられたエンジン部に搭載されてノーマルモード状態でメインコントローラの制御下でエンジン部を駆動させることによって画像形成ジョブを行い、メインコントローラは、ノーマルモード状態から省電力モード状態に切り替えるための条件が満たされると、サブコントローラに省電力モード切替要求信号を伝送し、サブコントローラは、省電力モード切替要求信号を受信すると、第1メモリに保存された省電力サービスプログラムを第2メモリにコピーし、第2メモリにアクセスして省電力サービスプログラムを実行して省電力サービスを行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及びその制御方法に関し、より詳細には、省電力モード実現が可能な画像形成装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、全ての電子製品の省電力に対する要求が益々強化されており、それに対応できない製品に関しては、製品の性能と値段の面で強みがあっても法規制等によって販売ができないとされている。
【0003】
エネルギースター(Energy Star)の現仕様は、待ち受け時の電力消耗が装置の種類に応じて1〜2W以下であることを求めている。今後は、ネットワークサービスが可能な待ち受け状態においても、1W以下の電力消耗が求められるようになり、それに対して全ての電子機器メーカーは、それを達成すべく様々な工夫を凝らしている。
【0004】
また、消費者には、機器が省電力状態であるか、通常動作状態であるかに応じて使用上に不便があってはならない。それが、今後の機器の技術間の競争力の中核になると予想される。
【0005】
現在、省電力待ち受けモードの達成のために、多くのメーカーがアプローチしている方法は、高性能のメインCPUと省電力を消耗するサブCPUとの構成を通じて、通常モードの際には、メインCPUを通じてサービスし、システムが特定条件によって待ち受けモードへの移行の際には、サブCPUを通じてメインCPUと必要でないシステム電源をオフにし、サブCPUを通じてサービス要求をモニタリングし、ユーザがサービス要求の際、サブCPUはメインCPU及びサブ回路の電源を印加してサービスを行う構造で設計されている。即ち、従来のCPUコアの他に別途の小さいゲートサイズのCPUが追加される。
【0006】
一例として、従来のシステムは、メインコントローラに更に省電力モード時にIO受信及びWakeup処理イベントを認知してメインコントローラに電源を印加するサブコントローラを装着する方式である。この場合、別途のチップを装着することにより、価格が高くなり、メインコントローラとサブコントローラとの間の通信のための別途の回路とソフトウェアが必要であるという短所がある。
【0007】
他の例として、メインコントローラとサブコントローラとのCPUを一つのSoC(System on a chip)で集積化し、サービスモードではMAC、USB、Fax、IOポート等をメインコントローラが制御し、省電力モードではサブコントローラがMAC、USB、Fax、IOポート等のデータを処理する方式である。この場合にも、省電力のための別途のCPUを追加しなければならないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−033655号公報
【特許文献2】特開2010−005911号公報
【特許文献3】特開2010−094925号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、別途のCPUを追加することなく省電力モードを実現できる画像形成装置及びその制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による画像形成装置は、第1メモリ及び第2メモリと、メインコントローラ及びサブコントローラと、を備え、前記メインコントローラは、ノーマルモード状態で前記第1メモリを用いて制御動作を行い、前記サブコントローラは、前記画像形成装置に設けられたエンジン部に搭載されて前記ノーマルモード状態で前記メインコントローラの制御下で前記エンジン部を駆動させることによって画像形成ジョブを行い、前記メインコントローラは、前記ノーマルモード状態から前記省電力モード状態に切り替えるための条件が満たされると、前記サブコントローラに省電力モード切替要求信号を伝送し、前記サブコントローラは、前記省電力モード切替要求信号を受信すると、前記第1メモリに保存された省電力サービスプログラムを前記第2メモリにコピーし、前記第2メモリにアクセスして前記省電力サービスプログラムを実行して省電力サービスを行う。
【0011】
前記メインコントローラと前記サブコントローラとの間の通信を中継するコントローラ間通信部と、省電力モード状態で前記サブコントローラがアクセスするメモリアドレスを設定するアドレス変換部と、を更に含み、前記サブコントローラは、前記第2メモリ内でアクセスするメモリアドレスを設定するように前記アドレス変換部を制御し、前記設定されたメモリアドレスに応じて前記第2メモリにアクセスして前記省電力サービスプログラムを実行して省電力サービスを行ってもよい。
前記メインコントローラ及び前記サブコントローラは異なるパワードメインに配置され、前記サブコントローラは、前記省電力モードが行われると、前記メインコントローラが配置されたパワードメインに供給される電源を遮断してもよい。
前記画像形成装置がターンオンされると、前記メインコントローラ及び前記サブコントローラが配置された各パワードメインに電源を供給する電源供給部を更に含み、前記メインコントローラは、前記画像形成装置がターンオンされて前記電源が供給されると、リセット解除状態となって初期化を行い、前記アドレス変換部を制御して前記アクセスアドレスを設定し、前記サブコントローラにリセット解除信号を伝送した後に主プログラムをブートして前記ノーマルモード状態で作動し、前記サブコントローラは、前記画像形成装置がターンオンされた後に前記リセット解除信号を受信するまでリセット状態を維持し、前記リセット解除信号を受信すると、リセット解除状態となって前記ノーマルモード状態で作動してもよい。
【0012】
上記目的を達成するためになされた本発明の他の態様による画像形成装置は、第1メモリ及び第2メモリと、メインコントローラ及びサブコントローラと、を備え、前記メインコントローラは、ノーマルモード状態で前記第1メモリを用いて制御動作を行い、前記サブコントローラは、前記画像形成装置に設けられたエンジン部に搭載されて前記ノーマルモード状態で前記メインコントローラの制御下で前記エンジン部を駆動させることによって画像形成ジョブを行い、省電力モード状態で省電力サービスを行い、前記メインコントローラは、前記ノーマルモード状態から前記省電力モード状態に切り替えるための条件が満たされると、前記第1メモリに保存された省電力サービスプログラムを前記第2メモリにコピーして前記サブコントローラにリセット信号を伝送し、前記サブコントローラは、前記リセット信号を受信すると、前記第2メモリにアクセスして前記省電力サービスプログラムを実行して省電力サービスを行う。
【0013】
前記メインコントローラと前記サブコントローラとの間の通信を中継するコントローラ間通信部と、省電力モード状態で前記サブコントローラがアクセスするメモリアドレスを設定するアドレス変換部と、を更に含み、前記メインコントローラは、前記第2メモリ内でアクセスするメモリアドレスを設定するように前記アドレス変換部を制御し、前記サブコントローラは、前記リセット信号を受信すると、前記設定されたメモリアドレスに応じて前記第2メモリにアクセスして前記省電力サービスプログラムを実行して前記省電力サービスを行ってもよい。
前記メインコントローラ及び前記サブコントローラは異なるパワードメインに配置され、前記サブコントローラは、前記省電力モードが行われると、前記メインコントローラが配置されたパワードメインに供給される電源を遮断してもよい。
前記画像形成装置がターンオンされると、前記メインコントローラ及び前記サブコントローラが配置された各パワードメインに電源を供給する電源供給部を更に含み、前記メインコントローラは、前記画像形成装置がターンオンされて前記電源が供給されると、リセット解除状態となって初期化を行い、前記アドレス変換部を制御して前記アクセスアドレスを設定し、前記サブコントローラにリセット解除信号を伝送した後に主プログラムをブートして前記ノーマルモード状態で作動し、前記サブコントローラは、前記画像形成装置がターンオンされた後に前記リセット解除信号を受信するまでリセット状態を維持し、前記リセット解除信号を受信すると、リセット解除状態となって前記ノーマルモード状態で作動してもよい。
【0014】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による画像形成装置の制御方法は、第1メモリ及び第2メモリと、ノーマルモード状態で前記第1メモリを用いて制御動作を行うメインコントローラと、エンジン部に搭載されて前記ノーマルモード状態で前記メインコントローラの制御下で前記エンジン部を駆動させることによって画像形成ジョブを行うようにするサブコントローラと、を備える画像形成装置の制御方法であって、前記メインコントローラが、前記ノーマルモード状態から省電力モード状態に切り替えるための条件が満たされると、前記サブコントローラに省電力モード切替要求信号を伝送するステップと、前記サブコントローラが、前記省電力モード切替要求信号を受信すると、前記第1メモリに保存された省電力サービスプログラムを前記第2メモリにコピーするステップと、前記サブコントローラが、前記第2メモリにアクセスして前記省電力サービスプログラムを実行して省電力サービスを行うステップと、を有する。
【0015】
前記画像形成装置は、前記メインコントローラと前記サブコントローラとの間の通信を中継するコントローラ間通信部と、省電力モード状態で前記サブコントローラがアクセスするメモリアドレスを設定するアドレス変換部と、を更に含み、前記画像形成装置の制御方法は、前記サブコントローラが、前記第2メモリ内でアクセスするメモリアドレスを設定するように前記アドレス変換部を制御するステップを更に含み、前記省電力サービスを行うステップは、前記サブコントローラが、前記設定されたメモリアドレスに応じて前記第2メモリにアクセスして前記省電力サービスプログラムを実行して省電力サービスを行ってもよい。
前記メインコントローラ及び前記サブコントローラは異なるパワードメインに配置され、前記画像形成装置の制御方法は、前記サブコントローラが、前記省電力モードが行われると、前記メインコントローラが配置されたパワードメインに供給される電源を遮断するステップを更に含んでもよい。
前記画像形成装置がターンオンされると、前記メインコントローラ及び前記サブコントローラが配置された各パワードメインに電源を供給するステップと、前記メインコントローラが、前記画像形成装置がターンオンされて前記電源が供給されると、リセット解除状態となって初期化を行い、前記アドレス変換部を制御して前記アクセスアドレスを設定し、前記サブコントローラにリセット解除信号を伝送した後に主プログラムをブートして前記ノーマルモード状態で作動するステップと、前記サブコントローラが、前記画像形成装置がターンオンされた後に前記リセット解除信号を受信するまでリセット状態を維持し、前記リセット解除信号を受信すると、リセット解除状態となって前記ノーマルモード状態で作動するステップと、を更に含んでもよい。
【0016】
上記目的を達成するためになされた本発明の他の態様による画像形成装置の制御方法は、第1及び第2メモリと、ノーマルモード状態で前記第1メモリを用いて制御動作を行うメインコントローラと、エンジン部に搭載されて前記ノーマルモード状態で前記メインコントローラの制御下で前記エンジン部を駆動させることによって画像形成ジョブを行い、省電力モード状態で省電力サービスを行うサブコントローラと、を備える画像形成装置の制御方法であって、前記メインコントローラが、前記ノーマルモード状態から前記省電力モード状態に切り替えるための条件が満たされると、前記第1メモリに保存された省電力サービスプログラムを前記第2メモリにコピーして前記サブコントローラにリセット信号を伝送するステップと、前記サブコントローラが、前記リセット信号を受信すると、前記第2メモリにアクセスして前記省電力サービスプログラムを実行して前記省電力サービスを行うステップと、を有する。
【0017】
前記画像形成装置は、前記メインコントローラと前記サブコントローラとの間の通信を中継するコントローラ間通信部と、省電力モード状態で前記サブコントローラがアクセスするメモリアドレスを設定するアドレス変換部と、を更に含み、前記画像形成装置の制御方法は、前記メインコントローラが、前記第2メモリ内でアクセスするメモリアドレスを設定するように制御するステップを更に含み、前記省電力サービスを行うステップは、前記サブコントローラが、前記設定されたメモリアドレスに応じて前記第2メモリにアクセスして前記省電力サービスプログラムを実行して前記省電力サービスを行ってもよい。
前記メインコントローラ及び前記サブコントローラは異なるパワードメインに配置され、前記画像形成装置の制御方法は、前記サブコントローラが、前記省電力モードが行われると、前記メインコントローラが配置されたパワードメインに供給される電源を遮断するステップを更に含んでもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ノーマルモードでスキャン/エンジン/ファックス制御用に使われてきたサブコントローラ(又はサブCPU)を省電力サービス用に活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態による画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態による画像形成装置のブート方法を説明するためのフローチャートである。
【図3】本発明の一実施形態によるアドレス変換部の構成を説明するための図である。
【図4】本発明の一実施形態によるコントローラ間通信部の構成を説明するための図である。
【図5】本発明の一実施形態による画像形成装置の制御方法を説明するためのフローチャートである。
【図6】本発明の他の実施形態による画像形成装置の制御方法を説明するためのフローチャートである。
【図7】本発明の一実施形態による省電力モードからノーマルモードへの復帰過程を説明するためのフローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態による画像形成装置の制御方法を説明するためのフローチャートである。
【図9】本発明の他の実施形態による画像形成装置の制御方法を説明するためのフローチャートである。
【図10】本発明の他の実施形態による画像形成装置の制御方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための形態の具体例を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態による画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【0022】
図1に示すように、本実施形態による画像形成装置100は、データ受信部105、メインコントローラ110、第1メモリ115、サブコントローラ120、第2メモリ125、電源供給部130、機能部135、エンジン部140、コンテキスト保存部145、ブートモード判断部150、プロセス制御部155、コントローラ間通信部160、及びアドレス変換部165を含む。
【0023】
画像形成装置100は、通常、プリンタやコピー機、スキャナ、ファクシミリ、及びそれらの機能を一つの装置として複合的に実現した複合機(Multi Function Peripheral:MFP)などで具現できる。
【0024】
画像形成装置100は、互いに異なる電力供給ラインを通じて個別に電力が供給される第1パワードメイン部PD1及び第2パワードメイン部PD2を含む形態で具現される。ここで、パワードメイン部とは、同一の電力供給ラインを通じて電力が供給される領域のことを意味する。
【0025】
第1パワードメイン部PD1は、メインコントローラ110、機能部135、及びエンジン部140を含み、第2パワードメイン部PD2は、データ受信部105、第1メモリ115、第2メモリ125、サブコントローラ120、コンテキスト保存部145、ブートモード判断部150、プロセス制御部155、コントローラ間通信部160、及びアドレス変換部165を含む。
【0026】
画像形成装置100は、メインコントローラ110とサブコントローラ120とが一つのSoC内に配置され、サブコントローラ120はノーマルモードにおいてはScan/Engine/Faxコントロールなどを行う。そのために、通常、リアルタイムOSを使う。ここで、Scan/Engine/Faxなどの構成は、機能部135及びエンジン部140に含まれる。また、サブコントローラ120は、省電力モードサービス時には、メインコントローラ110の制御により省電力サービスが行われるようにモードが変更されて省電力サービスを行う。
【0027】
一方、メインコントローラ110とサブコントローラ120とは、それぞれ一つのCPUで具現される。それにより、下記では、メインコントローラ110とサブコントローラ120をそれぞれメインCPUとサブCPUと呼ぶこともある。
【0028】
また、メインコントローラ110とサブコントローラ120以外の、データ受信部105、第1メモリ115、第2メモリ125、電源供給部130、機能部135、エンジン部140、コンテキスト保存部145、ブートモード判断部150、プロセス制御部155、及びコントローラ間通信部160も、メインコントローラ110とサブコントローラ120と共に一つのSoC内に具現されてもよい。
【0029】
或いは、メインコントローラ110、機能部135、及びエンジン部140が一つのSoC内に配置され、データ受信部105、サブコントローラ120、第2メモリ125、コントローラ間通信部160、及びアドレス変換部165が別個のSoC内に配置される形態で具現されてもよい。また、第1メモリ115、プロセス制御部155、コンテキスト保存部145、及びブートモード判断部150は、SoCの外部に配置される形態で具現されてもよい。
【0030】
この場合、サブコントローラ120は、ノーマルモードで別の用途に用いられ、省電力モードに切り替える際にリセットされる。具体的に、省電力モードへの切り替え時に、サブコントローラ120は、リセットされ、省電力モードサービス用のマイクロファームウェアを第2メモリ125に保存して省電力モード時に実行する。
【0031】
以下では、各構成要素の動作について詳細に説明する。
【0032】
データ受信部105は、少なくとも一つの外部機器とデータ通信を行う機能を具備する。ここで、データ受信部105は、ネットワーク、SDIO、USB、SPI、IC、GPIO(Sensor Input etc)、FAXなどの、外部とインターフェースする通信モジュールで具現されてもよい。なお、少なくとも一つの外部機器は、代表としてPC(Personal Computer)などのホスト装置であってもよく、携帯電話やPDA、USBなどのユーザ端末装置又は外部サーバで具現されてもよい。
【0033】
メインコントローラ110は、画像形成装置100の動作の全般を制御し、特にノーマルモード状態で後述の第1メモリ115を用いて制御動作を行う。具体的に、メインコントローラ110は、省電力モード状態で画像形成ジョブ(Job)に対する要求信号が入力されると、ノーマルモードに切り替えて第1メモリ115を活性化させ、活性化された第1メモリ115を用いて当該動作を行う。
【0034】
例えば、メインコントローラ110は、ノーマルモードではJob受信及び処置を担当する。メインコントローラ110は、Webサーバを内蔵してWebサービスを提供することもでき、上位コピー機では、3rd party Applicationを設置してサービスすることもできる。また、Linux(登録商標)のような汎用OSが設定されてもよく、速度の遅い普及型製品の場合には、リアルタイムOSを設定してScan/Engine/Faxなどをメインコントローラ110が直接制御することもできる。
【0035】
特に、メインコントローラ110は、ノーマルモード状態から省電力モード状態に切り替えられる際にコンテキスト情報をコンテキスト保存部145にコピーし、省電力モード状態からノーマルモード状態に切り替えられる際にコンテキスト保存部145に保存されたコンテキスト情報を用いてブートされる。ここで、コンテキスト情報は、第1パワードメイン部PD1の電源遮断の際に失われるCPUコンテキスト情報である。また、第1パワードメイン部PD1の電源遮断の際に失われる他の構成要素のコンテキスト情報もそれに含まれる。
【0036】
サブコントローラ120は、省電力モード状態で第2メモリ125を用いて制御動作を行い、ノーマルモード状態ではメインコントローラ110の制御下でエンジン部140を駆動させることによって画像形成ジョブを行う。
【0037】
具体的に、サブコントローラ120は、ノーマルモードではEngine/Scan/Fax制御などのリアルタイム制御が必要な部分のサービスを行う。このようなサービスは、リアルタイム性が重要であるため、リアルタイムOSを用いて制御される。
【0038】
省電力モードへの移行の際、サブコントローラ120は省電力モードを維持しながら第2メモリ125を用いて予め設定された信号による動作を行う。ここで、予め設定された信号は省電力モードの維持が可能な状態でホスト装置(図示せず)に備えられたアプリケーションなどによる画像形成装置の状態要求信号であってもよい。例えば、ホスト装置におけるスマート(SMART)パネルによる信号である。ここで、スマートパネルとは、ホスト装置で画像形成装置の機器状態を表示するパネルであり、例えば、USB制御通信を通じて画像形成装置の状態を周期的に把握することができる。ユーザは、スマートパネルを通じてホスト装置で画像形成装置のプリンティング状態、用紙状態、トナー状態、電源ON/OFFなどを把握することができる。
【0039】
一方、省電力モードへの移行の際、メインコントローラ110は、サブコントローラ120にコントローラ間通信部160を用いて省電力サービス切替要求を行い、サブコントローラ120は、省電力モード切替準備可能状態に変更した後、メインコントローラ110に自分の状態を報知する。この場合、サブコントローラ120は、エンジン部140などに設けられ、モード切替が不可能な場合、メインコントローラ110に切替不可メッセージを報知することもできる。
【0040】
モード切替可能状態にあると、メインコントローラ110は、プロセス制御部155を用いてサブコントローラ120をリセット状態に切り替えた後、第2メモリ125に省電力実行プログラムを保存し、リセット解除の際にプログラムが第2メモリ125で実行されるようにメモリアクセスアドレスを変更する。その後、リセットを解除して省電力モードサービスが行われるようにする。ここで、メモリアクセスアドレスの変更は、アドレス変換部165を用いて実行可能であり、それに対する詳細な説明は当該ブロックに対する説明で後述する。
【0041】
その後、サブコントローラ120は、省電力モードサービスが開始されると、第1パワードメイン部PD1をオフさせ、DRAMをセルフリフレッシュ状態に変更して省電力状態に切り替えた後、省電力サービス、即ちWake−Up event monitoringサービスを行う。
【0042】
ここで、ノーマルモードとは、画像形成装置100が、正常な動作を行うモードのことを意味し、省電力モードとは、システムが何の作業も行っていない時に消耗される電力を最小限化するために、殆どのモジュールの電力供給を遮断又は最小限化する動作モードのことを意味する。
【0043】
本発明による省電力モードでは、より低い待ち受け電力(例えば1W以下)を実現するために、メインメモリ(通常、外部DRAM)をself refresh状態にした後、SoC内の使用していない内部メモリ(通常、内部SRAM)でプログラム駆動を行う方法を使用することができる。例えば、SRAMは、通常128KB程度の小容量メモリを使用することができる。しかし、場合によっては、SDRAMが使われてもよく、SRAM又はSDRAMと併せてROMが更に使われてもよい。
【0044】
第1メモリ115は、ノーマルモードの動作に使用されるメインメモリとして非揮発性メモリで実現される。例えば、DRAM(Dynamic RAM:ダイナミックラム)などがそれに該当する。第1メモリ115は、メインCPUが駆動の際に必要な揮発性メモリとしてDRAMに該当する。第1メモリ115は、省電力モードの際、self refreshモードで作動し、最小限の電力だけを消耗する。
【0045】
なお、第1メモリ115は、第2パワードメイン部PD2に属し、省電力モードの際にもOffにならないようにしてノーマルモードへの復帰時にコンテキスト保存部145に保存したCPU関連情報を復元すると、直前の実行モードへの復帰が可能になり、早いブートが可能になる。
【0046】
第2メモリ125は、SoCの内部に存在するメモリであり、省電力モード時のサブコントローラ120のプログラムコード及びデータ保存場所として活用される。例えば、USBの場合、省電力モード制御のためのプログラムコードは、データ受信部105への信号の入力有無を判断するためのルーティン、USB制御信号による動作を行うためのルーティン、及びノーマルモードへ切り替えるためのウェークアップ(Wake−up)の際に必要なルーティンのうちの少なくとも一つを含む形態である。
【0047】
この場合、第2メモリ125は、SRAM(Static RAM:スタティックラム)、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)のうちの少なくとも一つで実現されてもよい。その他にも、RAMBus、DRAM、DDR−SDRAMなどが使われてもよい。
【0048】
例えば、第2メモリ125は、SoC内部の機能部135で使用されるSRAMをサブコントローラ120が省電力モードの際に再利用するように実現される。しかし、これは一実施形態に過ぎず、SoC内部のSRAMではなく、SoC外部のメモリで構成してもよく、外部ROMと内部の最小サイズのSRAMを用いて実現してもよい。
【0049】
また、ROM(Read Only Memory)及びFlash memoryのうちの少なくとも一つを省電力モード実現の際に必要なコードを保存するのに用いてもよい。
【0050】
一実施形態によると、第2メモリ125はSRAMで実現される。この場合、SRAMは、DRAM又はROM、Flash memoryなどに保存された省電力モード実現の際に必要なコードをコピーして実行するのに用いられる。
【0051】
或いは、第2メモリ125は、SRAMで実現され、ROM、Flash memoryなどに保存された省電力モード実現の際に必要なコードを実行するのに用いられてもよい。
【0052】
或いは、第2メモリ125は、SDRAMで実現され、ROM、Flash memoryなどに保存された省電力モード実現の際に必要なコードを実行するのに用いられてもよい。
【0053】
また、第2メモリ125はノーマルモードの動作で第1メモリ115と共に使うことができる。即ち、ノーマルモードでイメージ処理の際にバッファとして用いられるSRAMが、省電力モードで第2メモリ125として再利用される。
【0054】
以下では、本発明の理解を促すために、各メモリの特徴について簡略に説明する。
【0055】
SRAMは、メモリに電源が供給される間、そのデータが維持されるという特徴を持つ。SRAMは、周期的にre−written作業を必要としないため、一度の書き込みでそのデータを維持することができる。SRAMは、小容量メモリとして動作速度は非常に速いが、DRAMに比べて値段が高いという短所があって、キャッシュメモリのような速度は速いが多くの容量を必要としない場合に使われる。
【0056】
DRAMは、SRAMとは異なり、データを維持するために持続的に書き直し(re−written)作業をしなければならないという特徴がある。従って、DRAMは大容量のメモリとして相対的にSRAMより遅く、DRAMは多くのシステムで主メモリとして使用される。
【0057】
SDRAMは、同期的、即ちシステムクロックに歩調を合わせて作動する特徴を有する。理論的に、200MHzまでのシステムバス速度に合わせることができ、システムクロックに依存して作動するため、高いシステム速度の向上を期待できるという効果がある。
【0058】
電源供給部130は、画像形成装置100に電源を供給する。
【0059】
具体的に、電源供給部130は、ノーマルモード状態では、第1パワードメイン部PD1及び第2パワードメイン部PD2に電源を供給し、省電力モード状態では、第1パワードメイン部PD1への電源供給を遮断し、第2パワードメイン部PD2にのみ電源を供給する。
【0060】
一方、上述の実施形態では、メインコントローラ110及びサブコントローラ120が各々CPUで実現されて画像形成装置100を制御するものとして説明したが、場合によっては、メインCPU(図示せず)及びサブCPU(図示せず)が、各構成の当該動作を行うようにメインコントローラ(図示せず)及びサブコントローラ(図示せず)にコマンドを与える形態で実現されてもよい。
【0061】
また、本実施形態の画像形成装置100は、異なる動作周波数を生成するPLL(位相同期ループ)部(図示せず)を含んでもよい。PLL部(図示せず)は、生成された動作周波数をメインコントローラ110、サブコントローラ120、第1メモリ115、及び第2メモリ125に提供する。
【0062】
機能部135は、画像のイメージ処理及び画像に対する圧縮又は圧縮解除などのように、エンジン部140で印刷、コピー、スキャンなどのような画像形成ジョブを行うために処理されるべき多様な機能を行う。
【0063】
動作モジュール(図示せず)は、機能部135の容量制限により、機能部135に含まれなかった多様な機能モジュールを含んでもよい。動作モジュール(図示せず)は、少なくとも一つの機能モジュールを含んでもよく、少なくとも一つの機能モジュールのそれぞれは単一チップで実現されてもよい。
【0064】
このような機能部135及びエンジン部140は、メインコントローラ110と共に第1パワードメイン部PD1に位置して省電力モードへの切替時のように動作が不要な場合、電源供給部130によって電源がオフされる。
【0065】
メインコントローラ110は、予め設定された条件を満たす場合、ノーマルモードから省電力モードへ切り替えられるようにする。例えば、予め設定された時間の間に命令がない場合である。しかし、それは一実施形態に過ぎず、モード切替イベントには多様な場合があってもよい。
【0066】
一方、上記のように、ノーマルモードから省電力モードへ切り替えなければならない場合、メインコントローラ110は、第1メモリ115から省電力モードを制御するためのプログラムを第2メモリ125の実行可能な領域にコピーしたり、別途のROM、Flash memoryなどに保存されたプログラムを第2メモリ125の実行可能な領域にコピーしたりすることができる。それにより、ノーマルモードの際に用いられる第1メモリ115に保存されているUSBプログラムに比べてずっと少ない容量を有することになる。コードコピーが完了すると、第1パワードメイン部PD1への電力を遮断し、省電力モードへと移行する。
【0067】
コードコピーは、Flash memoryやROMに保存されているコードをブート時にDRAMにコピーして利用したり、省電力モードへの移行時にSRAMにコピーして利用したりする形態で行われてもよい。
【0068】
サブコントローラ120は、予め設定された条件を満たす場合、省電力モードからノーマルモードへ切り替えられるようにする。例えば、プリンタの場合、パネルキー入力やプリンティングサービス要求、ファックスリング(Fax Ring)などのイベントがあると、省電力モードからノーマルモードへ切り替えられるようにする。
【0069】
一般に、省電力モードからノーマルモードへの復帰の際のブート時間(ブート過程には、DRAM初期化やROMからDRAMへのコードコピー、H/W初期化過程、OSブート、そしてサービスプログラム開始などの過程などが含まれる)が初期のブート時間と同様にかかる主な原因は、省電力モード切替のためにメインコントローラ(図示せず)とDRAM(図示せず)が配置された第1パワードメインの電源をオフにすることにより、メインコントローラ(図示せず)とDRAM(図示せず)の電源がオフにされて電源印加の際に初期ブート過程と同じ手続きを行うためである。
【0070】
しかし、上述のように、本実施形態によると、ノーマルモードに用いられる第1メモリ115を、メインコントローラ110が配置される第1パワードメイン部PD1とは別の電力供給ラインから別個の電力が供給される第2パワードメイン部PD2に配置し、第1メモリ115の電源をオフにせずに維持しながら“Self Refresh”状態に変更して第1メモリ115そのものの内容が維持されるようにする。それにより、DRAM電源をスイッチオフしなくても、1〜2W程度消費する電力を200mW以下に下げるための省電力達成が可能になる。
【0071】
また、第1メモリ115に保存されたデータが維持されるとしても、メインコントローラ110は、第1パワードメイン部PD1の電源オフ、即ち電源のスイッチオフ後に電源が再印加されるため、メインコントローラ110そのものの実行コンテキストが失われるおそれがある。例えば、メインコントローラ110が、ARM社の開発によるARMアーキテクチャで実現される場合、実行コンテキストとしてはレジストセットと状態レジストなどがあり、その他にSoCの内部のIPブロックの設定値などがある。因みに、ARM CPUはデスクトップPC用のCPUとクロックは類似しているが、消費電力は40〜450mW程度と非常に低いという特性がある。
【0072】
一方、図1に示す画像形成装置100によると、省電力モードへの切替えの際、メインコントローラ110は、第1パワードメイン部PD1への電源供給中断時に失われるメインコントローラ110自体や、機能部135、エンジン部140などの必須実行コンテキスト情報を第2パワードメイン部PD2のコンテキスト保存部145に保存する。それにより、リブートの際にコンテキスト保存部145に保存されたコンテキストを用いて省電力モード状態切替前の状態に復元するための迅速なリブートが可能になる。
【0073】
コンテキスト保存部145は、第1パワードメイン部PD1が電源供給部130によって電源がオフされる際に情報が失われる第1パワードメイン部に属する構成要素のうち、その後の復帰の際に復元される情報を保存するためのスペースである。
【0074】
コンテキスト保存部145は、DRAMであってもよく、NANDやNOR、SPI、SRAM、SoCの内部メモリなど、第1パワードメイン部PD1がオフ時に情報が失われないいずれかのメモリである。例えば、主バックアップ(Backup)情報は、ARM CPU内のレジストセットと状態レジストなどのARM CPUなどの情報であり、SoC内部のIP情報設定値などである。
【0075】
ブートモード判断部150は、ブートが行われると、ノーマルモードブートであるか、省電力モードからノーマルモードへの復帰であるか判断する機能を担う。ここで、ノーマルモードブートとは、電源供給部130によってメインコントローラ110の電源が再印加されてリブートする場合を意味する。それにより、ブートモード判断部150は、SoCの内部に当該情報を保存できるレジスタで実現される。
【0076】
ブートモード判断部150で、ブートモードが省電力復帰モードであると判断されると、メインコントローラ110はPLL/DDRなどの初期化前のブートモード判断部150のレジスト値を読み取り、ノーマルモードブートである場合、一般のブート手続きを行う。
【0077】
なお、ブートモード判断部150でブートモードが省電力復帰モードであると判断されると、メインコントローラ110は、コンテキスト保存部145からCPU動作モード別のレジスタ及び状態レジストなどを復元し、最後の実行地点に復帰することにより、数ms内のブートが可能になる。即ち、PLL/DDRなどの初期化などの過程をスキップして第1メモリ115をself refreshモードから解除し、コンテキスト保存部145に保存した情報を用いて以前の実行状態(省電力切替前)に直ちに復帰する。
【0078】
ブートモード判断部150は、レジスタを用いてブートモードを保存するように実現でき、外部GPIO pinなどの入力を通じてモードを判断することができる。それにより、メインコントローラ110がリセットベクトルからやり直してシステム電源印加ブート過程と同様に実行することを防止する。
【0079】
一方、省電力モードからノーマルモードへの切替えの際、省電力モードブートした場合、第1メモリ115はself refresh状態から抜け出なければならないが、メインコントローラ110がブートしながら“self refresh”モードを終了させたり、サブコントローラ120が第1メモリ115の“self refresh”モードを終了させたりするように実現されてもよい。
【0080】
プロセス制御部155は、省電力モードへの移行の際にサブコントローラ120の制御を行う。具体的に、プロセス制御部155は、省電力モード切替時に第1メモリ115をself refreshモードに変更し、第1パワードメイン部PD1の電力供給中断を制御する。
【0081】
また、プロセス制御部155は、メインコントローラ110とサブコントローラ120に対するブート制御を行うこともできる。
【0082】
具体的に、プロセス制御部155は、サブコントローラ120がリアルタイムサービス(Scan/Engineなどの制御)を行っている途中で省電力モード切替を可能にする中核要素として、メインコントローラ110とサブコントローラ120のリセット制御機能を担う。一般に、電源を印加したとしてもCPUはリセットがかかると(印加されると)処理を実行せずに停止し、リセットを解除すると初期状態からやり直しをする。本実施形態では、省電力への移行の際、プロセス制御部155を用いてサブコントローラ120をリセット状態にして実行を止めてから第2メモリ125に省電力サービスコードを保存し、アドレス変換部165を用いて第2メモリ125のコードを実行できるようにメモリアクセスアドレスを変換してからリセットを解除してサブコントローラ120が省電力サービスを行うようにする。
【0083】
コントローラ間通信部160は、メインコントローラ110とサブコントローラとの間のメッセージ(コマンド)送受信のための機能を備える。
【0084】
例えば、コントローラ間通信部160は、メインコントローラ110がサブコントローラ120にモード切替(省電力モードへの変更)要求をしたり、サブコントローラ120が自らの状態をメインコントローラ110にレポートしたりするのに用いられる。
【0085】
この場合、コントローラ間通信部160は、FIFOを用いたメッセージ伝送方式を用いてもよく、コントローラ間のIRQを発生させることのできる別途のロジックとして構成してもよい。一実施形態として、ARM社製のPL390 Interrupt Controllerを使って実現してもよい。
【0086】
アドレス変換部165は、サブコントローラ120から生じるアドレスを特定アドレスに変換するロジックである。例えば、ARM CPUの場合、CPUがリセット解除の際に特定のアドレス(Vector Address)にジャンプしてそのコードが実行される。また、インタラプト発生の際にも特定アドレスに移動する。一例として、0x0番地又は0xffff0000番地である。従って、ARM CPUの場合、0番地にDRAMが位置するようにAddress Mapを作る。
【0087】
しかし、本実施形態による省電力モードでは、最小限の電力消耗のために省電力サービスモードとしてDRAMで実現される第1メモリ115を使用せずに第2メモリ125を使用する。第2メモリ125は、第1メモリ115アドレスではない他のアドレスに割り当てられるため、CPUがそれを使用するためにはRemapping過程が必要である。即ち、0x0番地へのアクセスが行われると、アドレス変換部165はそれを第2メモリ125に変換して要求される機能を遂行する。アドレス変換部165は、ノーマルモードでアドレスを第1メモリ115に移動させ、省電力モードで第2メモリ125に移動させる。それにより、プロセス制御部155及びアドレス変換部165を用いて、サブコントローラ120をリアルタイム処理サービスCPUから省電力サービス処理CPUにモード切替えすることができる。
【0088】
上述のように、本実施形態による画像形成装置は、一つのサブコントローラを活用して通常モードでリアルタイムジョブ(Job)処理(Scan、Fax、Engine制御)を行い、省電力モードで省電力待ち受けモードサービス、即ちWakeupイベントモニタリング、ネットワークパケット応答(例えば、ARP、ICMP、機器状態Query応答)、USBを用いた機器状態応答などのサービスを行うことができる。
【0089】
以下では、図1に示す画像形成装置100とホスト装置(図示せず)との関係について簡潔に説明する。
【0090】
ホスト装置(図示せず)は、代表的にPCで実現されてもよく、場合によってはPDAやPMP、テレビ、サーバなどの多様な形態で実現されてもよい。
【0091】
ホスト装置(図示せず)は、アプリケーション(図示せず)及びホストコントローラ(図示せず)を含む。
【0092】
アプリケーション(図示せず)は、OS(Operating System)から多様なデータ通信機能をサポートするソフトウェアである。
【0093】
ホストコントローラ(図示せず)は、画像形成装置100がホスト装置(図示せず)に結合できるようにする全てのS/W(ソフトウェア)又はH/W(ハードウェア)を含む形態である。
【0094】
その他に、ホスト装置(図示せず)は、アプリケーションプログラムで作成された印刷データを、画像形成装置100で解釈可能なプリンタ言語(Printer Language)に変換する役割を担うプリンタドライバ(図示せず)などを更に含んでもよく、それをホストコントローラ(図示せず)に含む形態で具現してもよい。なお、ホスト装置(図示せず)は、入力部(図示せず)、表示部(図示せず)などのノーマルな構成要素を含んでもよい。
【0095】
一方、図1に示した構成要素及びそれらの配置順序は一実施形態に過ぎず、場合によっては、一構成要素が削除されたり、他の構成要素が追加されたりしてもよく、その順序が変更されてもよい。
【0096】
図2は、本発明の一実施形態による画像形成装置のブート方法を説明するためのフローチャートである。
【0097】
図2に示した画像形成装置のブート方法によると、システム電源印加の際、メインCPUはASIC内部のコントロールロジックによってリセットが解除され(ステップS301)、サブCPUはリセットが解除されずに停止する。このように設計する理由は、一般的に、CPUはリセットが解除されると、リセットベクトルと呼ばれるところにジャンプするが、この場合、二つのCPUが一つのバス上の同じアドレスのコードを実行する。この場合、異機種のCPUが一つのコードを実行することになり、同系列(例えばARM)のCPUとしても互換性のないコードを使用する場合、ブートができなくなる可能性がある。そうでない場合、両CPUのリセットベクトルを別々に設定し(例えば、ARMの場合は、0x0又は0xffff0000)、ROMを各々使用する方法を利用するが、そうすると、別途のメモリを更に必要とするという問題点がある。また、一つのASIC内に複数個のCPUが含まれる場合、多くのH/Wが共有することになるが、このようなシステムでは、どのCPUを初期化するか、いつ実行が完了したのかに対する相互間の複雑な同期化を実現しなければならないという問題点がある。従って、本実施形態では、システム電源印加の際、サブCPUはリセットを解除せずに、メインCPUがH/W初期化を終わらせてサブCPUのリセットを解除することにより、初期化過程を簡単にすることができる。
【0098】
次いで、メインCPUは、リセット解除が行われると、リセットベクトルでコードを実行する。例えば、CPU初期化実行、PLL(Clock)設定、DDR設定などのH/W初期化過程を行う(ステップS205)。この過程が終わると、メインCPUはDRAMアクセスが可能になる。
【0099】
次いで、メインCPUはサブCPUが実行するプログラムコードをDRAMにコピーする(ステップS210)。この場合、通常のAMPシステム(異機種CPUが一つのバスを共有するシステム)ではDRAMの領域を分割して使用することができる。
【0100】
次いで、ATU(アドレス変換ユニット)によるアドレス変換設定を行う(ステップS215)。その理由について簡略に説明する。一般に、サブCPUは、リセットが解除されると、リセットベクトルのコードを実行し、図3に示すように、0x0アドレスにアクセスされる。しかし、0x0アドレスにそのままアクセスされる場合には、メインOSが使用する領域のリセットアドレスと重複して誤作動をするおそれがある。それを防ぐためには、予め設定されたアドレス領域を設定し、そのアドレス領域が、サブCPUのアクセスアドレスが設定されたアドレス領域内に含まれる場合、特定アドレスに変更する機能をATUで行う。図3に示した実施形態の場合、0x0〜0xffのアドレスを予め設定されたアドレス領域に設定し、サブCPUのアクセスアドレスが当該アドレス領域に含まれる場合、0x10000000番地に変換されるようにする。
【0101】
次いで、メインCPUは、プロセス制御部155を用いてサブCPUのリセットを解除させる(ステップS220)。
【0102】
メインCPUは、主ログラム(OS)をDDRメモリにコピーし(ステップS225)、主プログラムブートなどのブート過程を進める(ステップS230)。その後、メインCPUは動作状態に変更される(ステップS235)。ここで、ステップS210、S215、S220は、主プログラム(OS)ブートステップ(ステップS230)の後にすることも可能である。
【0103】
一方、サブCPUはリセット解除動作に応じてリセットベクトルから実行する。具体的に、サブプログラム(例えば、Realtime OS)ブートなどのハードウェア初期化作業などを行う(ステップS240)。なお、サブCPUは、メインCPUにコントローラ間通信部160を用いて準備完了という信号を与える(ステップS245)。それから、サブCPUは動作状態に変更される(ステップS250)。但し、ステップS245は、場合によって省略してもよい。
【0104】
図4は、ASICでFIFOによりハードウェアメッセージキュー(message queue)で実現したコントローラ間通信部160である。メインCPUがFIFOにメッセージを書き込むと、インタラプトがサブCPUに発生し、それをサブCPUがFIFOを読み取る動作を通じて該当メッセージを確認する方式である。これは、一例であり、Uartや単純IRQ発生などの様々な方式で実現されてもよい。
【0105】
図5は、本発明の一実施形態による画像形成装置の制御方法を説明するためのフローチャートである。
【0106】
図5に示した画像形成装置の制御方法では、サブCPUが省電力サービスコードを有していると仮定する。
【0107】
図5に示す方法によると、先ず、メインコントローラは、一般的な動作状態(ステップS405)で予め設定された省電力モード切替条件を満たすと(ステップS410:Y)、省電力モード状態を準備する(ステップS415)。ここで、一般的な動作状態はプリンティング/スキャンなどのジョブ実行状態であってもよく、予め設定された省電力モード切替条件は、ジョブ実行完了後に予め設定された時間以上の休止時間が維持された場合などであってもよい。
【0108】
ステップS415で、メインコントローラ110は、サブコントローラ120が省電力モードサービスを行うためのマイクロコードなどを省電力サービス用の第2メモリ125に保存し、インタラプトコントローラのバックアップ及びサービス中止、メインタイマー中止などの省電力モード切替を行うための各種事前作業を進める。
【0109】
省電力モード状態準備作業が完了した後、メインコントローラは自らの実行コンテキスト情報をコンテキスト保存部145にバックアップする(ステップS420)。
【0110】
その後、メインコントローラは、サブコントローラに省電力モード切替要求を行う(ステップS425)。一方、電源がスイッチオフされる際にメインコントローラのキャッシュ情報も失われるため、キャッシュデータをDRAMにキャッシュフラッシュを通じて反映する。
【0111】
ステップS425において、メインコントローラは、サブコントローラに省電力サービス開始を通報し、自らの電源がスイッチオフされるのを待つ。
【0112】
サブコントローラは、ステップS425によってメインコントローラから省電力サービスの要求を受けると、省電力サービスモードに切り替える。
【0113】
具体的に、サブコントローラは、一般的な動作状態(ステップS430)で省電力サービス実行要求を受けると(ステップS435:Y)、省電力サービスプログラムをDRAM Offの際にアクセス可能な第2メモリ125にコピーする(ステップS440)。
【0114】
また、サブコントローラは、インタラプト発生時に第2メモリ125のアドレスで実行するためにATUを設定する(ステップS445)。その後、第2メモリ125のアドレスのプログラム実行位置にプログラムカウンタを変更して省電力サービスを行う(ステップS450)。
【0115】
省電力モードのために、クロックスピード変更、ネットワークリンクスピード変更、及び省電力サービスのためのH/W設定などの作業を行う。
【0116】
次いで、待ち受け電力1W以下で作動するために第1メモリ115をself refreshに変更する(ステップS455)。
【0117】
その後、省電力モードサービス動作状態の前に、第1パワードメイン部PD1の電力が切り替わるように電源をスイッチングし(ステップS460)、待ち受け電力1W以下の省電力サービス動作状態に移行する(ステップS465)。
【0118】
一方、本発明で使用されている例における省電力サービスモードは、下記のように実現してもよい。
【0119】
1.第1メモリ115、即ちDRAMをself refreshモードに変更し、メインコントローラの電源を遮断又はクロックを止め、Wakeup Eventに必要なIOポートのみを活性化し(例えば、Wakeup Eventとしては、ネットワークを通じたジョブ受信、ファックス受信、USB印刷要求、ユーザのボタンクリック、UI Pannelクリックなどの多様なソース源がある)、
2.SoC内部及びボード上の電源切替及びクロックオフを行い、
3.バス動作速度及びCPUなどの動作速度を最小限に変更し(サービスサポート可能速度まで変更。例として、USB Deviceの場合は30MHzまでは変更可能。本例示ではサブCPU 30MHz、内部バス 30MHzまでに下げる)、
4.メインCPU電源切替を行い、
5.ネットワーク動作速度を変更し(例えば、リンク速度をGigaから10MHzまでに下げる、EEE(Energy Efficient Ethernet(登録商標))機能サポートの際には自動リンク速度が変更される)、
6.SoC内部のプリンティング機能として作動していた内部メモリを省電力時にCPUが使用できるようにモード変更し、
7.追加省電力のためにL2 Cache Controller Offを行う。
【0120】
図6は、本発明の他の実施形態による画像形成装置の制御方法を説明するためのフローチャートである。
【0121】
図6に示す画像形成装置の制御方法では、図5に示した方法と異なり、メインCPUが省電力サービスコードを管理するものと仮定する。
【0122】
メインCPUが省電力サービスコードを管理する場合には、メインCPUがサブCPUに省電力サービス切替要求を行ってサブCPUが省電力コードを第2メモリにコピーする方式(図5参照)ではなく、メインCPUが省電力サービスコードを第2メモリにコピーしてプロセス制御部155を用いてサブCPUを省電力サービスモードでリスタートさせる方式を用いる。
【0123】
図6に示した画像形成装置の制御方法によると、先ず、メインコントローラは、一般的な動作状態(ステップS505)で予め設定された省電力モード切替条件を満たすと(ステップS510:Y)、省電力モード状態を準備する(ステップS515)。この場合、メインCPUは、サブCPUに省電力状態の可否について問い合わせ、可能であるという応答を受けると、サブCPUに省電力モード切替命令を下す。サブCPUは、切替命令の受信の際に、それ以上CPUが作動しない状態に切り替える。具体的に、CPU外部に何の要求も送っていない状態に切り替える。例えば、ARMである場合、インタラプト受信を中止し、WFIモードに切り替えた状態である。
【0124】
次いで、メインCPUは、第1パワードメイン部PD1がオフの際にバックアップされなければならない実行コンテキスト情報を保存する(ステップS520)。
【0125】
また、第2メモリ125にサブCPUがリスタートの際に駆動しなければならない省電力サービスプログラムをコピーする(ステップS525)。
【0126】
次いで、メインCPUは、サブCPUがリセット解除の際に第2メモリ125で駆動されるようにATUを設定する(ステップS530)。ここで、ステップS525及びS530の順序は変更可能である。
【0127】
その後、プロセス制御部155を用いてサブCPUをリセットする(ステップS535)。
【0128】
リセットが行われると、サブCPUはリセットベクトルからリスタートする(ステップS545)。このとき、メインCPUによってATUが第2メモリ125に変更されたため、サブCPUは、第2メモリ125のコード、即ち省電力サービスコードを実行する。
【0129】
サブCPUは、省電力モードのためにクロックスピード変更、ネットワークリンクスピード変更、及び省電力サービスのためのH/W設定などを行う。
【0130】
次いで、待ち受け電力1W以下で動作するために、第1メモリ115をself refreshに変更する(ステップS550)。
【0131】
その後、省電力モードサービス動作状態の前に、第1パワードメイン部PD1の電力が切り替えられるように電源をスイッチングし(ステップS555)、待ち受け電力1W以下の省電力サービス動作状態に移行する(ステップS560)。
【0132】
図7は、本発明の一実施形態による省電力モードからノーマルモードへの復帰過程を説明するためのフローチャートである。
【0133】
図7に示す復帰過程によると、サブCPU(サブコントローラ)は、省電力サービス動作状態(ステップS605)においてノーマルモード切替要求があると(ステップS610:Y)、画像形成サービスモードへの復帰手続きを行う。
【0134】
先ず、サブCPUは、メインCPU(メインコントローラ)が復帰の際にノーマルブートではない省電力モードブートと判断させるために、ブートモード判断部150に省電力モードブート状態を指定する(ステップS615)。但し、ステップS615の作業は、復帰時でなく省電力モード移行手続きの途中であっても実行可能である。
【0135】
次いで、サブCPUは、メインCPUをブートするために第1パワードメイン部に電源を印加し(ステップS620)、プロセス制御部155を介してメインCPUのリセットを解除する(ステップS625)。それにより、メインCPUはブートを進めることになる。一方、メインCPUが電源印加の際にリセットが自動的に解除されるシステムではステップS620及びS625は統合することが可能である。
【0136】
サブCPUは、ステップS625のメインCPUのリセット解除前に省電力モードをノーマルモードに変更した後でメインCPUをリセットしてもよく、メインCPUがステップS630の前に省電力ブートモードである場合にノーマルモードに変更してもよい。ここで、ノーマルモードとは、第1メモリ115がself refreshモードから抜け出てCPU及び内部バス動作速度がノーマルモード速度に復元され、その他の内部のハードウェアが、ジョブ処置が可能な状態に変更されることを意味する。但し、システムに応じて一部分はジョブ処理時にのみクロック及びパワーが印加され、ジョブ処理に必要でない部分はパワーオフ及びクロック切替えなどの機能を更にサポートしてもよい。
【0137】
サブCPUによってメインCPUがブートされると、メインCPUはブートモード判断部150を介してブートモードを判断する(ステップS630)。
【0138】
ステップS630において通常ブートモードと判断された場合には、クロック/DRAM設定(ステップS635)、H/W設定及び駆動(ステップS640)、OSローディング及び駆動(ステップS645)などの各ステップの一般的なシステムブート手続きを経てサービスを実行する(ステップS650)。
【0139】
ステップS630において省電力ブートモードと判断された場合には、DRAMは電源オフではなく“self refresh”モードであるため、単に“self refresh”モードから抜け出るようにする。そうすると、メインCPUはDRAMにアクセス可能な状態になり、DRAMには省電力モード移行前の全ての情報が読み込まれる。しかし、CPUコンテキスト、即ちレジスタ及びStatusレジスタなどの情報が失われて直ちに以前の状態に復元されない。そのために、コンテキスト保存部145に保存した情報を復元する(ステップS655)。このように、モード別のレジスタをモード復元し、最後に“PC(プログラムカウンタ)”値を以前の実行時点に移動させて省電力モード移行前のサービス実行状態に復元する。
【0140】
ここで、コンテキスト情報は、CPUコンテキストCPUコアが電源オフ時に失われる情報の他に、最小限のH/Wレジスタが追加されてもよく、DRAMがself refresh状態であるため、SoCの内部のSRAM又はDRAMの領域に保存する方式によって保存及び復元時間を数百μs以下で完了することができる。
【0141】
図8は、本発明の一実施形態による画像形成装置の制御方法を説明するためのフローチャートである。
【0142】
図8による画像形成装置の制御方法に適用される画像形成装置は、第1メモリ及び第2メモリ、ノーマルモード状態で第1メモリを用いて制御動作を行うメインコントローラ、エンジン部に搭載されてノーマルモード状態でメインコントローラの制御下でエンジン部を駆動させることによって画像形成ジョブを行うようにするサブコントローラ、メインコントローラとサブコントローラとの間の通信を中継するコントローラ間通信部、及び省電力モード状態でサブコントローラがアクセスするメモリアドレスを設定するアドレス変換部を含む。
【0143】
図8に示す画像形成装置の制御方法によると、メインコントローラは、ノーマルモード状態から省電力モード状態に切り替えるための条件が満たされると、サブコントローラに省電力モード切替要求信号を伝送する(ステップS710)。
【0144】
次いで、サブコントローラは、省電力モード切替要求信号を受信すると、第1メモリに保存された省電力サービスプログラムを第2メモリにコピーし、第2メモリ内でアクセスするメモリアドレスを設定するようにアドレス変換部を制御する(ステップS720)。
【0145】
その後、サブコントローラは、アドレス変換部によって設定されたメモリアドレスにアクセスして省電力サービスプログラムを実行して省電力サービスを行う(ステップS730)。
【0146】
ここで、メインコントローラ及びサブコントローラは異なるパワードメインに配置され、サブコントローラは、省電力モードが行われると、メインコントローラが配置されたパワードメインに供給される電源を遮断するステップを更に含んでもよい。
【0147】
画像形成装置はターンオンされると、メインコントローラ及びサブコントローラが配置された各パワードメインに電源を供給する。
【0148】
メインコントローラは、画像形成装置がターンオンされて電源が供給されると、リセット解除状態となって初期化を行い、アドレス変換部を制御してアクセスアドレスを設定し、サブコントローラにリセット解除信号を伝送した後に主プログラムをブートしてノーマルモード状態で作動する。
【0149】
サブコントローラは、画像形成装置がターンオンされた後にリセット解除信号を受信するまでリセット状態を維持し、リセット解除信号を受信すると、リセット解除状態となってノーマルモード状態で作動する。
【0150】
図9は、本発明の他の実施形態による画像形成装置の制御方法を説明するためのフローチャートである。
【0151】
図9による画像形成装置の制御方法に適用される画像形成装置は、第1メモリ及び第2メモリ、ノーマルモード状態で第1メモリを用いて制御動作を行うメインコントローラ、エンジン部に搭載されてノーマルモード状態でメインコントローラの制御下でエンジン部を駆動させることによって画像形成ジョブを行い、省電力モード状態で省電力サービスを行うサブコントローラ、メインコントローラとサブコントローラとの間の通信を中継するコントローラ間通信部、及び省電力モード状態でサブコントローラがアクセスするメモリアドレスを設定するアドレス変換部を含む。
【0152】
図9に示した画像形成装置の制御方法によると、先ず、メインコントローラは、ノーマルモード状態から省電力モード状態に切り替えるための条件が満たされると、第1メモリに保存された省電力サービスプログラムを第2メモリにコピーし、第2メモリ内でアクセスするメモリアドレスを設定するようにアドレス変換部を制御してサブコントローラにリセット信号を伝送する(ステップS810)。
【0153】
次いで、サブコントローラは、リセット信号を受信すると、アドレス変換部によって設定されたメモリアドレスに応じて第2メモリにアクセスして省電力サービスプログラムを実行して前記省電力サービスを行う(ステップS820)。
【0154】
ここで、メインコントローラ及びサブコントローラは異なるパワードメインに配置され、サブコントローラは、省電力モードが行われると、メインコントローラが配置されたパワードメインに供給される電源を遮断する。
【0155】
画像形成装置は、画像形成装置がターンオンされると、メインコントローラ及びサブコントローラが配置された各パワードメインに電源を供給する電源供給部を更に含み、メインコントローラは、画像形成装置がターンオンされて電源が供給されると、リセット解除状態となって初期化を行い、アドレス変換部を制御してアクセスアドレスを設定し、サブコントローラにリセット解除信号を伝送した後に主プログラムをブートしてノーマルモード状態で作動する。
【0156】
サブコントローラは、画像形成装置がターンオンされた後にリセット解除信号を受信するまでリセット状態を維持し、リセット解除信号を受信すると、リセット解除状態となってノーマルモード状態で作動する。
【0157】
図10は、本発明の他の実施形態による画像形成装置の制御方法を説明するためのフローチャートである。
【0158】
図10による画像形成装置の制御方法に適用される画像形成装置は、画像形成ジョブを行うためのエンジン部と、エンジン部に搭載されて画像形成ジョブを行うサブコントローラと、ノーマルモードでエンジンコントローラと通信してエンジン部の動作を制御し、省電力モードに切り替えられると、非活性化されるメインコントローラと、を備える。
【0159】
図10に示す画像形成装置の制御方法によると、エンジンコントローラはノーマルモードでメインコントローラの制御下でエンジン部を駆動させることによって画像形成ジョブを実行する(ステップS910)。
【0160】
次いで、エンジンコントローラは、画像形成装置が省電力モードに切り替えられると、省電力モードに対応するサービスを提供する(ステップS920)。
【0161】
画像形成装置は、第1メモリ及び第2メモリと、省電力モード状態でサブコントローラがアクセスするメモリアドレスを設定するアドレス変換部と、を更に含み、メインコントローラが、ノーマルモード状態で第1メモリを用いて制御動作を行ってもよい。
【0162】
画像形成装置が省電力モードに切り替えられると、サブコントローラ又はメインコントローラの制御に従って、サブコントローラが第2メモリ内でアクセスするメモリアドレスを設定する。
【0163】
ここで、メインコントローラ及びサブコントローラは異なるパワードメインに配置され、サブコントローラは、省電力モードが実行されると、メインコントローラが配置されたパワードメインに供給される電源を遮断する。
【0164】
サブコントローラは、ノーマルモードから省電力モードへ切り替える際、第1メモリのセルフリフレッシュモード切替、省電力モードのためのクロックスピード変更、ネットワークリンクスピード変更、及び省電力モードサービスのためのH/W設定のうちの少なくともいずれか一つを行う。
【0165】
また、本発明において、上述のように、画像形成装置の制御方法を行うためのプログラムを含むコンピュータ読み取り可能な記録媒体を含んでもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、コンピュータシステムによって読み取られるデータが保存される全ての種類の記録装置を含む。コンピュータ読み取り可能な記録媒体の例としては、ROM、RAM、CD−ROM、磁気テープ、フロッピー(登録商標)ディスク、光データ保存装置などがあり、コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、ネットワークで接続されたコンピュータシステムに分散され、分散方式でコンピュータにコードが読み取られて実行されてもよい。
【0166】
一方、本発明による多様な実施形態は、多様な通信方式、例えばネットワーク通信、USB、ブルートゥース、HDMI(High Definition Multimedia Interface)、PCI(Peripheral Component Interconnect) express、Ethernet(登録商標)、ジグビー(ZigBee)、ファイヤワイヤ(FireWire)、CAN、IEEE1394、PS/2、AGP(Accelerated Graphics Port)、ISA(Industry Standard Architecture)、MCA(Micro Channel Architecture)、EISA(Extended Industry Standard Architecture)、VESA(Video Electronics Standard Architecture)などに適用されてもよい。
【0167】
上述の実施形態において、画像形成装置の場合を例えて説明してきたが、それは一実施形態に過ぎず、本発明の技術的思想が適用され得る他の電子装置にも同様の原理及び構成が適用される。
【0168】
以上で説明したように、本発明によると、一つのCPUをノーマルモードでリアルタイムサービス用に使用し、省電力モード時に省電力サービス用に使用することにより、ASICのゲート数を減らして価格の面で競争力を高めることができる。即ち、ノーマルモードでスキャン/エンジン/ファックス制御用に使用されていたサブコントローラ(又はサブCPU)を省電力サービス用に活用できるようになる。また、ATUに使用するソフトウェアMMU(メモリ管理ユニット)や、特別な方法を使って複雑に実現されるべきAMP(電力供給)システムを簡単に実現できるようになる。
【0169】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【符号の説明】
【0170】
100 画像形成装置
105 データ受信部
110 メインコントローラ
115 第1メモリ
120 サブコントローラ
125 第2メモリ
130 電源供給部
135 機能部
140 エンジン部
145 コンテキスト保存部
155 プロセス制御部
160 コントローラ間通信部
165 アドレス変換部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置であって、
第1メモリ及び第2メモリと、
メインコントローラ及びサブコントローラと、を備え、
前記メインコントローラは、ノーマルモード状態で前記第1メモリを用いて制御動作を行い、
前記サブコントローラは、前記画像形成装置に設けられたエンジン部に搭載されて前記ノーマルモード状態で前記メインコントローラの制御下で前記エンジン部を駆動させることによって画像形成ジョブを行い、
前記メインコントローラは、前記ノーマルモード状態から前記省電力モード状態に切り替えるための条件が満たされると、前記サブコントローラに省電力モード切替要求信号を伝送し、
前記サブコントローラは、前記省電力モード切替要求信号を受信すると、前記第1メモリに保存された省電力サービスプログラムを前記第2メモリにコピーし、前記第2メモリにアクセスして前記省電力サービスプログラムを実行して省電力サービスを行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記メインコントローラと前記サブコントローラとの間の通信を中継するコントローラ間通信部と、
省電力モード状態で前記サブコントローラがアクセスするメモリアドレスを設定するアドレス変換部と、を更に含み、
前記サブコントローラは、前記第2メモリ内でアクセスするメモリアドレスを設定するように前記アドレス変換部を制御し、前記設定されたメモリアドレスに応じて前記第2メモリにアクセスして前記省電力サービスプログラムを実行して省電力サービスを行うことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記メインコントローラ及び前記サブコントローラは異なるパワードメインに配置され、
前記サブコントローラは、前記省電力モードが行われると、前記メインコントローラが配置されたパワードメインに供給される電源を遮断することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記画像形成装置がターンオンされると、前記メインコントローラ及び前記サブコントローラが配置された各パワードメインに電源を供給する電源供給部を更に含み、
前記メインコントローラは、前記画像形成装置がターンオンされて前記電源が供給されると、リセット解除状態となって初期化を行い、前記アドレス変換部を制御して前記アクセスアドレスを設定し、前記サブコントローラにリセット解除信号を伝送した後に主プログラムをブートして前記ノーマルモード状態で作動し、
前記サブコントローラは、前記画像形成装置がターンオンされた後に前記リセット解除信号を受信するまでリセット状態を維持し、前記リセット解除信号を受信すると、リセット解除状態となって前記ノーマルモード状態で作動することを特徴とする請求項2又は3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
画像形成装置であって、
第1メモリ及び第2メモリと、
メインコントローラ及びサブコントローラと、を備え、
前記メインコントローラは、ノーマルモード状態で前記第1メモリを用いて制御動作を行い、
前記サブコントローラは、前記画像形成装置に設けられたエンジン部に搭載されて前記ノーマルモード状態で前記メインコントローラの制御下で前記エンジン部を駆動させることによって画像形成ジョブを行い、省電力モード状態で省電力サービスを行い、
前記メインコントローラは、前記ノーマルモード状態から前記省電力モード状態に切り替えるための条件が満たされると、前記第1メモリに保存された省電力サービスプログラムを前記第2メモリにコピーして前記サブコントローラにリセット信号を伝送し、
前記サブコントローラは、前記リセット信号を受信すると、前記第2メモリにアクセスして前記省電力サービスプログラムを実行して省電力サービスを行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
前記メインコントローラと前記サブコントローラとの間の通信を中継するコントローラ間通信部と、
省電力モード状態で前記サブコントローラがアクセスするメモリアドレスを設定するアドレス変換部と、を更に含み、
前記メインコントローラは、前記第2メモリ内でアクセスするメモリアドレスを設定するように前記アドレス変換部を制御し、
前記サブコントローラは、前記リセット信号を受信すると、前記設定されたメモリアドレスに応じて前記第2メモリにアクセスして前記省電力サービスプログラムを実行して前記省電力サービスを行うことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記メインコントローラ及び前記サブコントローラは異なるパワードメインに配置され、
前記サブコントローラは、前記省電力モードが行われると、前記メインコントローラが配置されたパワードメインに供給される電源を遮断することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記画像形成装置がターンオンされると、前記メインコントローラ及び前記サブコントローラが配置された各パワードメインに電源を供給する電源供給部を更に含み、
前記メインコントローラは、前記画像形成装置がターンオンされて前記電源が供給されると、リセット解除状態となって初期化を行い、前記アドレス変換部を制御して前記アクセスアドレスを設定し、前記サブコントローラにリセット解除信号を伝送した後に主プログラムをブートして前記ノーマルモード状態で作動し、
前記サブコントローラは、前記画像形成装置がターンオンされた後に前記リセット解除信号を受信するまでリセット状態を維持し、前記リセット解除信号を受信すると、リセット解除状態となって前記ノーマルモード状態で作動することを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
第1メモリ及び第2メモリと、ノーマルモード状態で前記第1メモリを用いて制御動作を行うメインコントローラと、エンジン部に搭載されて前記ノーマルモード状態で前記メインコントローラの制御下で前記エンジン部を駆動させることによって画像形成ジョブを行うようにするサブコントローラと、を備える画像形成装置の制御方法であって、
前記メインコントローラが、前記ノーマルモード状態から省電力モード状態に切り替えるための条件が満たされると、前記サブコントローラに省電力モード切替要求信号を伝送するステップと、
前記サブコントローラが、前記省電力モード切替要求信号を受信すると、前記第1メモリに保存された省電力サービスプログラムを前記第2メモリにコピーするステップと、
前記サブコントローラが、前記第2メモリにアクセスして前記省電力サービスプログラムを実行して省電力サービスを行うステップと、を有することを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項10】
前記画像形成装置は、前記メインコントローラと前記サブコントローラとの間の通信を中継するコントローラ間通信部と、省電力モード状態で前記サブコントローラがアクセスするメモリアドレスを設定するアドレス変換部と、を更に含み、
前記画像形成装置の制御方法は、前記サブコントローラが、前記第2メモリ内でアクセスするメモリアドレスを設定するように前記アドレス変換部を制御するステップを更に含み、
前記省電力サービスを行うステップは、前記サブコントローラが、前記設定されたメモリアドレスに応じて前記第2メモリにアクセスして前記省電力サービスプログラムを実行して省電力サービスを行うことを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置の制御方法。
【請求項11】
前記メインコントローラ及び前記サブコントローラは異なるパワードメインに配置され、
前記画像形成装置の制御方法は、前記サブコントローラが、前記省電力モードが行われると、前記メインコントローラが配置されたパワードメインに供給される電源を遮断するステップを更に含むことを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置の制御方法。
【請求項12】
前記画像形成装置がターンオンされると、前記メインコントローラ及び前記サブコントローラが配置された各パワードメインに電源を供給するステップと、
前記メインコントローラが、前記画像形成装置がターンオンされて前記電源が供給されると、リセット解除状態となって初期化を行い、前記アドレス変換部を制御して前記アクセスアドレスを設定し、前記サブコントローラにリセット解除信号を伝送した後に主プログラムをブートして前記ノーマルモード状態で作動するステップと、
前記サブコントローラが、前記画像形成装置がターンオンされた後に前記リセット解除信号を受信するまでリセット状態を維持し、前記リセット解除信号を受信すると、リセット解除状態となって前記ノーマルモード状態で作動するステップと、を更に含むことを特徴とする請求項10又は11に記載の画像形成装置の制御方法。
【請求項13】
第1メモリ及び第2メモリと、ノーマルモード状態で前記第1メモリを用いて制御動作を行うメインコントローラと、エンジン部に搭載されて前記ノーマルモード状態で前記メインコントローラの制御下で前記エンジン部を駆動させることによって画像形成ジョブを行い、省電力モード状態で省電力サービスを行うサブコントローラと、を備える画像形成装置の制御方法であって、
前記メインコントローラが、前記ノーマルモード状態から前記省電力モード状態に切り替えるための条件が満たされると、前記第1メモリに保存された省電力サービスプログラムを前記第2メモリにコピーして前記サブコントローラにリセット信号を伝送するステップと、
前記サブコントローラが、前記リセット信号を受信すると、前記第2メモリにアクセスして前記省電力サービスプログラムを実行して前記省電力サービスを行うステップと、を有することを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項14】
前記画像形成装置は、前記メインコントローラと前記サブコントローラとの間の通信を中継するコントローラ間通信部と、省電力モード状態で前記サブコントローラがアクセスするメモリアドレスを設定するアドレス変換部と、を更に含み、
前記画像形成装置の制御方法は、前記メインコントローラが、前記第2メモリ内でアクセスするメモリアドレスを設定するように制御するステップを更に含み、
前記省電力サービスを行うステップは、前記サブコントローラが、前記設定されたメモリアドレスに応じて前記第2メモリにアクセスして前記省電力サービスプログラムを実行して前記省電力サービスを行うことを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置の制御方法。
【請求項15】
前記メインコントローラ及び前記サブコントローラは異なるパワードメインに配置され、
前記画像形成装置の制御方法は、前記サブコントローラが、前記省電力モードが行われると、前記メインコントローラが配置されたパワードメインに供給される電源を遮断するステップを更に含むことを特徴とする請求項14に記載の画像形成装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−232589(P2012−232589A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−106005(P2012−106005)
【出願日】平成24年5月7日(2012.5.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
2.HDMI
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung−ro,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】