説明

画像形成装置及びステータスページ評価プログラム

【課題】 画像形成装置において、装置の設定状態を出力するステータスページの正当性、特にファクスの送受信記録の日時順が正しいかどうかについての検証を自動で行って省力化すること。
【解決手段】 画像形成装置のステータスページ作成部が作成した、ファクス送受信記録を含むステータスページについて、日時チェック部が当該ファクス送受信記録が日時順に並んでいるかどうかを検証し、日時順に並んでいない場合は、出力加工部が該当部分をハイライト化するなどの出力加工をして、ファクスの送受信記録の日時順が正しいかどうかの検証を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
画像形成装置において、装置の設定状態等を通知するためのステータスページ出力の正当性を検証する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置において、装置の設定状態等を通知するためのステータスページと呼ばれるページを用紙に出力することが一般的に行われている。ステータスページには、画像形成装置のモデル名、ファームウェアのバージョン番号、言語設定、現地時間設定、搭載メモリ量、ネットワーク設定、インタフェース設定、装着給紙カセット情報、コピー枚数等の印刷設定、画像スキャン時のファイルフォーマットや解像度等のスキャナ設定、印刷枚数のカウンタ情報といった多種多様の画像形成装置の情報が出力される。
【0003】
このステータスページの出力が意図された正しいものであるかどうかについての確認方法について、従来は用紙にステータスページを印刷したものを目視でチェックすることにより行われていた。そのため、例えばステータスページ内の項目毎にデータが変化したものをチェックする場合などは非常に多数の出力についてのチェックが必要となり、時間がかかる問題があった。
【0004】
従来技術として、複数台のプリンタを含むネットワーク印刷システムであって、情報収集のための通信トラフィック量が少なく、かつジョブ情報等を収集させるコンピュータの変更作業も簡単なネットワーク印刷システムを提供する目的で、ネットワーク印刷システムを構成する各プリンタを、指定しておいたスケジュールで、指定しておいたコンピュータにプリンタ状態情報(エラー/ステータス/ジョブレポート)を送信する装置としておくと共に、各プリンタに対して、ネットワーク印刷システム内の同じコンピュータにプリンタ状態情報を送信させるための設定をしておく方法がある(特許文献1参照)。
【0005】
しかし、この方法によっても、画像形成装置が作成するステータスページの正当性の検証、特にファクスの送受信記録が日時順に正しく並んでいるかどうかの検証の効率化及び省力化を行うことはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−1128号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
解決しようとする課題は、ステータスページ出力可能な画像形成装置において、出力されたステータスページの正当性の検証、特にファクスの送受信記録が日時順に正しく並んでいるかどうかの検証の効率化及び省力化を行うことができない点である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の画像形成装置は、装置の設定状態が項目毎に記載されたステータスページを作成して出力可能とするためのステータスページ作成部と、前記ステータスページ作成部は、前記ステータスページを日時順のリストとして作成し、前記ステータスページのリストが日時順に正しく並んでいるかどうかを検証する日時チェック部と、前記ステータスページのリストの日時順序にまちがいがある場合には、当該間違いのある記録部分について間違いである旨を示す出力加工する出力加工部と、を有することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の画像形成装置は、前記画像形成装置であって、前記ステータスページのリストは、ファクスの送受信記録又はジョブの履歴の少なくとも一方であることを特徴としてもよい。
【0010】
本発明の画像形成装置の前記日時チェック部は、前記ステータスページ作成部が作成したステータスページをビットマップ化したデータのパターンマッチングを行うことによって、ステータスページのリストを検証することを特徴としてもよい。
【0011】
本発明の画像形成装置の前記出力加工部の前記出力加工は、ハイライト化、アンダーラインを引く、フォントを斜体化する、枠で囲む、カラー化する、のいずれか又はそれらの自由な組み合わせであることを特徴としてもよい。
【0012】
本発明のステータスページ評価プログラムは、コンピュータに、装置の設定状態が項目毎に記載されたステータスページを作成して出力可能とするためのステータスページ作成機能と、前記ステータスページ作成機能は、前記ステータスページを日時順のリストとして作成可能であり、前記ステータスページのリストが日時順に正しく並んでいるかどうかを検証する日時チェック機能と、前記ステータスページのリストの日時順序にまちがいがある場合には、当該間違いのある記録部分について間違いである旨を示す出力加工する出力加工機能と、を実現させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の画像形成装置は、装置の設定状態が項目毎に記載されたステータスページを作成して出力可能とするためのステータスページ作成部と、前記ステータスページ作成部は、前記ステータスページを日時順のリストとして作成し、前記ステータスページのリストが日時順に正しく並んでいるかどうかを検証する日時チェック部と、前記ステータスページのリストの日時順序にまちがいがある場合には、当該間違いのある記録部分について間違いである旨を示す出力加工する出力加工部と、を有することを特徴とする。
【0014】
このため、ステータスページ中のリストの日時順序にまちがいがあるかどうかについて、日時チェック部が検証を行い、その結果を従来のように目視で確認することなく、出力加工部により間違い部分を一目で認識できるように加工されるため、検証の効率化及び省力化が実現する。
【0015】
また、本発明の画像形成装置は、前記画像形成装置であって、前記ステータスページのリストは、ファクスの送受信記録又はジョブの履歴の少なくとも一方であることを特徴としてもよい。
【0016】
このため、ファクスの送受信記録やジョブ履歴のリストの日時順間違いの検証が可能となる。
【0017】
本発明の画像形成装置の前記日時チェック部は、前記ステータスページ作成部が作成したステータスページをビットマップ化したデータのパターンマッチングを行うことによって、ステータスページのリストを検証することを特徴としてもよい。
【0018】
このため、リストの順序に限らず送受信記録のフォーマットの間違いについても発見可能となる。
【0019】
本発明の画像形成装置の前記出力加工部の前記出力加工は、ハイライト化、アンダーラインを引く、フォントを斜体化する、枠で囲む、カラー化する、のいずれか又はそれらの自由な組み合わせであることを特徴としてもよい。
【0020】
このため、当該出力加工された部分の認識が容易となり、又出力のフォーマットに応じて最適の出力加工が選択可能となる。
【0021】
本発明のステータスページ評価プログラムは、コンピュータに、装置の設定状態が項目毎に記載されたステータスページを作成して出力可能とするためのステータスページ作成機能と、前記ステータスページ作成機能は、前記ステータスページを日時順のリストとして作成可能であり、前記ステータスページのリストが日時順に正しく並んでいるかどうかを検証する日時チェック機能と、前記ステータスページのリストの日時順序にまちがいがある場合には、当該間違いのある記録部分について間違いである旨を示す出力加工する出力加工機能と、を実現させることを特徴とする。
【0022】
このため、ステータスページ中のリストの日時順序にまちがいがあるかどうかについて、日時チェック部が検証を行い、その結果を従来のように目視で確認することなく、出力加工部により間違い部分を一目で認識できるように加工されるため、検証の効率化及び省力化が実現する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明実施例の画像形成装置の機能ブロック図である。
【図2】本発明実施例の画像形成装置の動作のフローチャートである。
【図3】本発明実施例の正解データ作成モードとステータスページの評価モードとの説明図である。
【図4】本発明実施例の画像形成装置が出力するファクス送受信記録を示すステータスページの例である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
ステータスページの出力が可能な画像形成装置において、ステータスページ出力可能な画像形成装置において、出力されたステータスページの正当性の検証、特に日時順に記録されたリストが日時順に正しく並んでいるかどうかの検証の効率化及び省力化を行うことができないという問題点を日時チェック部がステータスページ中の日時順に記録されたリストが日時順に正しく並んでいるかどうかを検証し、日時順に正しく並んでいない場合には、出力加工部が当該部分をハイライト化するなどの加工を行う方法により解決した。
【実施例】
【0025】
本発明実施例の画像形成装置101について以下に説明する。
【0026】
[構成]
図1に本発明実施例の画像形成装置101の機能ブロック図を示す。
【0027】
画像形成装置101は、以下の各機能ブロック、通信I/F(インタフェース)111、ファクスI/F(インタフェース)112、データ受信部113、ファクス制御部114、印刷ジョブ制御部115、ステータスページ評価部117、NVRAM119、ディスク制御部121、ディスク123、データ解析部125、描画データ処理部127、描画部129、パネル131、ステータスページ作成部133、日時チェック部134、メモリ管理部135、出力加工部136、システム制御部137、機器情報保持部138、評価シーケンス生成部139、正解ページ入力部140、正解ページ生成部141、出力部143、印刷エンジン145を有する。
【0028】
画像形成装置101は、通信I/F111を介して他の画像形成装置である画像形成装置B102や端末装置201と接続されている。また、画像形成装置101は、ファクスI/F112を介して公衆回線網301に接続して、他の画像形成装置やファクス装置との間でファクス送受信が可能である。
【0029】
また、画像形成装置101は、不図示のコンピュータを有しており、このコンピュータにより各機能ブロック(又は各機能ブロックを示す装置の制御部分)を実現させる。
【0030】
具体的には、コンピュータは、プログラムを実行して演算および/または制御を行う装置である。コンピュータは、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を有する。CPU、ROM、RAMおよびインタフェースは、バス、コントローラなどにより相互にデータ通信可能に接続される。
【0031】
CPUは、プログラムに記述された処理を実行し、各機能ブロックを内部に形成する演算処理装置である。また、ROMは、プログラムおよびデータを予め記憶した不揮発性のメモリである。また、RAMは、プログラムを実行する際にそのプログラムおよびデータを一時的に記憶して、作業領域として用いるメモリである。
【0032】
以下に各機能ブロックについて説明する。
【0033】
通信I/F(インタフェース)111は、画像形成装置101とPC(Personal Computer)等の端末装置201や他の画像形成装置(画像形成装置B102)とを接続するための仲介装置である。通信I/F111は、ネットワークインタフェースであってもよいし、その他のUSBインタフェースやパラレルインタフェースであってもよい。
【0034】
ファクスI/F(インタフェース)112は、公衆回線網301に接続して、ファクシミリ通信を行うためのインタフェース部である。
【0035】
データ受信部113は、通信I/F111が受信した印刷データ等をバッファして、印刷データ毎にデータを再構築する機能部である。
【0036】
ファクス制御部114は、ファクスI/F112を経由してファクスの送受信の制御を行う機能部である。ファックス制御部114は、通信を行ったファックスの送受信記録142(日時順に記録されたリストの例)を機器情報保持部138に記録する。
【0037】
印刷ジョブ制御部115は、画像形成装置101の印刷ジョブの実行・停止・完了の動作を制御する機能部である。
【0038】
ステータスページ評価部117は、画像形成装置101が生成するステータスページの評価を行う機能部である。正解ページ入力部140が受け付けた意図された正しいステータスページのビットマップデータと、画像形成装置101のステータスページ作成部133が出力したステータスページのビットマップデータを比較評価して、画像形成装置101が出力するステータスページの正当性を評価する。
【0039】
NVRAM(Non Volatile Random Access Memory)119は、不揮発性メモリであり、画像形成装置101の設定情報を記録しておく機能を持つ。NVRAM119に記憶された情報は電源をオフ状態にしても消えることが無く、画像形成装置の設定状態を電源の状態に関係なく持続させることを可能とさせる。NVRAMが記憶する設定情報は、システム制御部137を経由してステータスページ作成部133に渡されて、ステータスページに出力される。
【0040】
ディスク制御部121は、画像形成装置101の二次記憶装置である回転磁気ディスク装置等からなるディスク123に対する情報の読取・書込の制御を行う。
【0041】
ディスク123は、回転磁気ディスク装置等からなる画像形成装置の二次記憶装置である。画像形成装置101の動作に必要なプログラムや、画像データ等を記録保持して、必要時には読み出されて印刷出力等の適宜処理が行われる。
【0042】
データ解析部125は、印刷データ中に含まれるページ記述言語(PDL;Page Description Language)の解析及びPCL(Printer Control Language)の解析を行い、後述の描画データ処理部127、描画部129、出力部143等に必要な動作の指示を行う。
【0043】
描画データ処理部127は、データ解析部125のデータ解析に基づいて、ページ記述言語で記載してある印刷データを中間言語であるディスプレイリストに変換する。
【0044】
描画部129は、描画データ処理部127が変換した中間言語(ディスプレイリスト)で書かれている印刷データを出力部143経由で印刷エンジン145で印刷するためのビットマップデータに変換する。
【0045】
パネル131は、液晶パネル等の表示部とタッチパネルやボタン等の入力部を備えた、ユーザとの間での入出力を行うためのインタフェース装置である。
【0046】
ステータスページ作成部133は、画像形成装置101の設定状態(乃至は設定値)を用紙に出力するためのステータスページを作成する機能部である。ステータスページには、前記したように多種多様の情報が出力されるが、これら設定状態の情報をシステム制御部137を経由して取得する。ステータスページ作成部133が出力するステータスページの例を図4に示す。
【0047】
図4は、ステータスページの中でもファクスの送信記録を示したものである。当該ステータスページ上には、画像形成装置のモデル名41、ファームウェアバージョン番号43、及びファクスの送信記録45を示す。ファクス送信記録は、送信日51、送信時刻53、送信先55、送信モード57、送信時間59、送信ページ数61が示されている。送信記録の日時順が正しくない部分63は、ハイライト加工されている。これについては詳細を後述する。
【0048】
ステータスページには、他にも言語設定や、現地時間等の多種項目が出力される場合があるが、例としては本発明の本質に最も係わり合いのあるファクスの送信記録についてのみ示した。
【0049】
前記ステータスページ作成部133は、さらに日時チェック部134、出力加工部136を有する。
【0050】
日時チェック部134は、ファクス送受信の記録をステータスページ作成部がステータスページ上に出力する際に、出力する送受信の記録が日時順に正しく並んでいるかどうかのチェックを行う。
【0051】
出力加工部136は、前記日時チェック部134にてステータスページに出力するファクス送受信の記録が日時順に正しく並んでいないときには、正しく並んでいない送受信記録部分について注意喚起を行うように出力を加工する。加工の方法としては、当該記録部分をハイライトするような方法をとってもよい。
【0052】
メモリ管理部135は、画像形成装置101の一次記憶装置である主メモリの管理を行う機能部である。
【0053】
システム制御部137は、画像形成装置101の装置全体の制御を行う機能部である。画像形成装置101の設定状態の情報を機器情報保持部138や画像形成装置の各機能部から取得する。取得した情報はステータスページ作成部133に渡されてステータスページとして出力される。
【0054】
機器情報保持部138は、印刷枚数や有効カセット(画像形成装置に装着されて動作可能となっている給紙カセット)等の機器の情報を保持する機能部である。機器情報保持部138が保持する情報はシステム制御部137を介してステータスページ作成部133に渡されて、当該情報がステータスページに出力される。
【0055】
評価シーケンス生成部139は、ステータスページの評価を行うための一連のシーケンスを生成する機能部である。ステータスページの正当性の評価には、前述したステータスページ作成部133内部にある日時チェック部134がファクスの送受信記録の日時順についての評価を行うが、それとは、別に評価シーケンス生成部139がステータスページの評価を行うことが可能である。評価シーケンスは、簡単なスクリプトによって、画像形成装置101の設定状態を変更して、ステータスページの出力を行うように画像形成装置を制御する。
【0056】
前記スクリプトは、例えば以下のような、フォーマットによって行われる。
【0057】
「コマンド、設定項目、設定値」
例えば、言語設定を英語にした場合の正解ページを正解ページ生成部141がビットマップで作成し、次に画像形成装置の言語設定を英語に設定してステータスページ作成部133にステータスページをビットマップ化したもの生成させて、ステータスページ評価部117にそのステータスページと前記正解ページとを比較させて、印刷エンジン145によりその評価結果を用紙に印刷するという一連のスクリプトは以下のようになる。
【0058】
; *** master creation mode ***
REC_MASTER_START
SET_MFP_VALUE Local_Language, English
CREATE_MASTER_BITMAP_AND_SAVE FILE_NAME=MASTER_01
REC_MASTER_END
; *** evaluation mode ***
EVAL_START
SET_MFP_VALUE, Local_Language, English
OUTPUT_BITMAP_AND_SAVE, StatusPage, FILE_NAME=LOCAL_LANG_TEST
COMPARE_BITMAP MASTER_01, LOCAL_LANG_TEST, RESULT
Print RESULT
EVAL_END
上記のPrint RESULTで印刷出力される結果は、ビットマップデータが一致しなかったところについてのみ当該ビットを出力(黒に着色)するという方法をとる。
【0059】
また、不一致項目についてリスト状に記載するという方法であってもよい。
【0060】
上記のスクリプトを評価シーケンス生成部139がPCL(Printer Control Language)に変換して印刷ジョブ制御部115やシステム制御部137を通して画像形成装置を制御する。
【0061】
正解ページ入力部140は、画像形成装置101の設定状態に従って、項目毎の正しい設定状態(乃至は設定値)が記載されたステータスページ(以降、正解ページと呼ぶ)の入力を受け付ける。前記正解ページは、例えば、すでにそのステータスページの正当性が検証されている他の画像形成装置である画像形成装置B102(図1)のステータスページ作成部133bにより作成されて、通信I/F111を経由して受け付けるという方法であってもよい。又、端末装置201上で文書作成プログラム等によって作成された正解ページであってもよい。さらに後述の正解ページ生成部141が生成する正解ページであってもよい。この正解ページは、設定項目毎の設定状態(乃至は設定値)が正しいだけでなく、そのフォーマット(設定項目名や設定値の出力位置)についても正しく出力されているものを用いて、ステータスページ作成部133の出力するステータスページのフォーマットの比較をも可能とする。
【0062】
正解ページ生成部141は、評価シーケンス生成部139が生成したシーケンス(前述)に基づいて生成されるステータスページの正しい出力(正解ページ)を生成する機能部である。
【0063】
出力部143は、描画部129でビットマップ化された印刷データを受け取って、実際に印刷を行う機構部である印刷エンジン145に送信して、印刷エンジン145へのデータ送出の制御を行う。
【0064】
印刷エンジン145は、用紙に印刷を行う機構部である。
【0065】
[フローチャート]
本発明実施例の画像形成装置の出力するステータスページのファックス送受信記録の日時チェック動作について、図2(A)及び(B)のフローチャートを用いて説明する。
【0066】
まず、FAX送受信が発生した際の動作について図2(A)に示す。
【0067】
S11:FAX送受信が発生する。
【0068】
S13:ファクス制御部114は、ファクス送受信記録142を機器情報保持部138に記録保存する。
【0069】
次に、ステータスページ作成時の動作について図2(B)に示す。
【0070】
S15:操作パネル等からの入力により、ステータスページ作成要求が発生する。
【0071】
S17:印刷ジョブ制御部115がステータスページ作成部133にステータスページの作成を指示する。ステータスページ作成部133は、ステータスページを作成する際にファクスの送受信記録142を機器情報保持部138から取得して、ファクス送受信記録の載ったステータスページのビットマップデータを作成する。
【0072】
S19:日時チェック加工部134は、S17でステータスページ作成部133が作成したステータスページ中のファクス送受信記録が日時順に正しく並んでいるかどうかについて、ビットマップデータのパターンマッチングを行って解析する。
【0073】
S21:S19でファクス送受信記録が日時順に正しく並んでいない場合は、動作をS23に移行する。正しく並んでいる場合は動作をS25に移行する。
【0074】
S23:出力加工部136は、S21で送受信機録画日時順に正しく並んでいない部分について認識可能なように当該部分のビットマップデータを加工する。当該出力加工は、例えば図4に示す様に当該部分をハイライト化(ビットの反転か)を行う。出力加工としては、その他、アンダーラインを引く、フォントを斜体化する、枠で囲む、カラー化する等の加工であってもよい。
【0075】
S25:S21で作成されたステータスページ、又はS23のパスを通った場合には、S23で出力加工されたステータスページを印刷エンジン145により用紙に印刷出力する。
【0076】
以上の一連の動作により画像形成装置のステータスページのファックス送受信記録順が日時順に並んでいるかどうかの評価及び、日時順が間違っている場合の出力加工が行われる。
【0077】
[実施例の効果]
画像形成装置のステータスページ作成部133が生成するステータスページ中のファクス送受信記録が日順に正しく並んでいるかどうかについて、日時チェック部が確認を行って、間違い部分があれば当該部分についてハイライト化等の出力加工を行う方法により、日時順に間違いがあれば一目で当該部分を認識可能である。
【0078】
出力加工部136によりファクス送受信記録の日時順が間違った部分だけを加工出力する方法により、ミスの発生した部分を簡単に認識可能である。
【0079】
[その他]
本発明実施例においては、日時チェック部134と出力加工部136がステータスページ作成部133中に組み込まれている例について説明したが、上記の例に限らず、日時チェック部134と出力加工部136は、ステータスページ作成部とは独立して存在する形であってもよい。また、画像形成装置101外、例えば通信インタフェースやネットワークインタフェースを通して接続された端末装置201上に搭載されて、ステータスページ作成部133が作成したステータスページをビットマップデータの形で受け取り、当該端末装置上でステータスページのファクス送受信記録の日時順の評価を行うという形をとってもよい。
【0080】
上記の場合、端末装置201のコンピュータにステータスページ作成部133が有するステータスページ作成機能と、日時チェック部134が有する日時チェック機能と出力加工部136が有する出力加工機能とを実現させる。
【0081】
本発明実施例においては、画像形成装置が作成するステータスページの比較をビットマップ化した後のパターンマッチングにより行ったが、例えばビットマップ化する前のDL又はPDLの段階で比較評価する方法や、ステータスページ作成部が作成するステータスページをテキストで作成して、フォーマット等に関係なく、テキストデータ段階においての日時順をチェックするという方法をとってもよい。この場合、フォーマット等の比較は行うことはできないが、比較評価にかかる時間が大幅に短縮される。
【0082】
又、比較されるデータをテキストではなく、HTML形式やRTF形式によって出力してフォーマットも含めてテキストベースでの比較を行うという方法をとってもよい。
【0083】
本発明実施例の説明中では、日時順に記録されたリストとしてファクスの送受信記録について説明したが、その他の例えばジョブの履歴等であってもよい。
【0084】
本発明実施例の画像形成装置の機能ブロックの説明中では、画像形成装置に一般に装備されているスキャナ装置については、本発明の本質には重要ではないので省略した。画像形成装置はスキャナ装置を有する構成であってもよいし、有さない構成であってもよい。
【0085】
また、本発明実施例においては、コンピュータはCPU、RAM及びROMにより構成されるものとしたが、これら構成要素は1つに限らず複数であってもよく、これらの構成要素を配置した制御ボードを単数又は複数用いてもよい。
【符号の説明】
【0086】
101 画像形成装置
102 画像形成装置B(他の画像形成装置)
111 通信I/F(インタフェース)
112ファクスI/F(インタフェース)
113 データ受信部
114 ファクス制御部
115 印刷ジョブ制御部
117 ステータスページ評価部
119 NVRAM
121 ディスク制御部
123 ディスク
125 データ解析部
127 描画データ処理部
129 描画部
131 パネル
133 ステータスページ作成部
134 日時チェック部
135 メモリ管理部
136 出力加工部
137 システム制御部
138 機器情報保持部
139 評価シーケンス生成部
140 正解ページ入力部
141 正解ページ生成部
142 送受信記録
143 出力部
145 印刷エンジン
147 紙
201 端末装置
301 公衆回線網

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置の設定状態が項目毎に記載されたステータスページを作成して出力可能とするためのステータスページ作成部と、
前記ステータスページ作成部は、前記ステータスページを日時順のリストとして作成し、
前記ステータスページのリストが日時順に正しく並んでいるかどうかを検証する日時チェック部と、
前記ステータスページのリストの日時順序にまちがいがある場合には、当該間違いのある記録部分について間違いである旨を示す出力加工する出力加工部と、を有する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1の画像形成装置であって、
前記ステータスページのリストは、ファクスの送受信記録又はジョブの履歴の少なくとも一方である
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は2の画像形成装置であって、
前記日時チェック部は、前記ステータスページ作成部が作成したステータスページをビットマップ化したデータのパターンマッチングを行うことによって、ステータスページのリストを検証する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかの画像形成装置であって、
前記出力加工部の前記出力加工は、ハイライト化、アンダーラインを引く、フォントを斜体化する、枠で囲む、カラー化する、のいずれか又はそれらの自由な組み合わせである
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
コンピュータに、
装置の設定状態が項目毎に記載されたステータスページを作成して出力可能とするためのステータスページ作成機能と、
前記ステータスページ作成機能は、前記ステータスページを日時順のリストとして作成可能であり、
前記ステータスページのリストが日時順に正しく並んでいるかどうかを検証する日時チェック機能と、
前記ステータスページのリストの日時順序にまちがいがある場合には、当該間違いのある記録部分について間違いである旨を示す出力加工する出力加工機能と、を実現させる
ことを特徴とするステータスページ評価プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−259030(P2010−259030A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−110128(P2009−110128)
【出願日】平成21年4月28日(2009.4.28)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】