説明

画像形成装置及びプログラム

【課題】従来の画像形成装置よりも節電効果を向上することができる画像形成装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】複合機1は、CPU11が節電状態であり、各FAXモジュール20,30,40で受信された受信データをフラッシュメモリ25,35,45に蓄積し、当該受信データの蓄積量が閾値TH1,TH2,又はTH3を超えた場合に、CPU11が節電状態を維持し、CPU24,34,44がフラッシュメモリに蓄積された受信データを他のフラッシュメモリに転送する特殊省エネモードを動作モードとして設定可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ファクシミリコントローラとシステムコントローラを有する複合機が知られている(例えば、特許文献1参照)。この複合機は、省エネモード時にファクシミリコントローラの電源のみをオンとし、ファクシミリコントローラのメモリに受信データを格納する。受信ファイル数が設定値を超えた場合又は設定時間を経過した場合に、複合機は、省エネモードから復帰し、システムコントローラが印刷処理を実行する。
【0003】
また、省エネモード時に、受信データをPCへ転送するファクシミリ装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。このファクシミリ装置は、印刷可能な状態になったときに、PCから受信データを受信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−336409号公報
【特許文献2】特開平9−139787号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、従来の画像形成装置よりも節電効果を向上することができる画像形成装置及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1の画像形成装置は、受信データを蓄積する蓄積手段、及び前記蓄積手段に蓄積されたデータを他の蓄積手段に転送する転送手段を有する複数の通信モジュールと、前記蓄積手段から転送される受信データを保存する保存手段、及び前記蓄積手段から転送される受信データを受信しない場合には、節電状態になり、前記蓄積手段から転送される受信データを受信する場合に動作状態になる制御手段、前記制御手段が節電状態であり、各通信モジュールで受信された受信データを前記蓄積手段に蓄積し、当該受信データの蓄積量が第1の閾値を超えた場合に、前記制御手段が節電状態を維持し、前記転送手段が前記蓄積手段に蓄積された受信データを他の蓄積手段に転送する第1モードを動作モードとして設定する設定手段を有する本体装置とを備えることを特徴とする。
【0007】
請求項2の画像形成装置は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記第1モードが設定されている場合には、前記複数の通信モジュールは、それぞれの蓄積手段に蓄積された受信データの蓄積量を平均化することを特徴とする。
【0008】
請求項3の画像形成装置は、請求項2に記載の画像形成装置において、前記第1の閾値は、前記それぞれの蓄積手段で異なり且つ前記それぞれの蓄積手段の使用履歴に応じて決定され、前記複数の通信モジュールは、前記それぞれの蓄積手段に対応する第1の閾値を基準として、前記それぞれの蓄積手段に蓄積された受信データの蓄積量を平均化することを特徴とする。
【0009】
請求項4の画像形成装置は、請求項3に記載の画像形成装置において、前記それぞれの蓄積手段の使用履歴は、前記通信モジュールに接続される回線の占有時間又は回線の接続回数であることを特徴とする。
【0010】
請求項5の画像形成装置は、請求項3に記載の画像形成装置において、前記それぞれの蓄積手段の受信データの蓄積量が前記それぞれの蓄積手段の第1の閾値を超えた場合に、前記複数の通信モジュールは、前記それぞれの蓄積手段の第1の閾値を、前記それぞれの蓄積手段の使用履歴に応じて決定される値よりも大きい所定値に設定し、前記それぞれの蓄積手段の受信データの蓄積量が当該設定された所定値を超えた場合に、前記複数の通信モジュールは、前記それぞれの蓄積手段に蓄積された受信データを前記保存手段に転送することを特徴とする。
【0011】
請求項6の画像形成装置は、請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成装置において、前記第1モードが設定されている場合には、前記複数の通信モジュールは、全ての通信モジュールが通信を実行していないときに、それぞれの蓄積手段に蓄積された受信データの蓄積量を平均化することを特徴とする。
【0012】
請求項7の画像形成装置は、請求項6に記載の画像形成装置において、前記第1モードが設定されている場合には、前記複数の通信モジュールは、少なくとも1つの通信モジュールが通信を開始したときに、前記それぞれの蓄積手段に蓄積された受信データの蓄積量の平均化を中断し、当該少なくとも1つの通信モジュールが通信を完了したときに、前記それぞれの蓄積手段に蓄積された受信データの蓄積量の平均化を再開することを特徴とする。
【0013】
請求項8の画像形成装置は、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記設定手段は、前記制御手段が動作状態であり、各通信モジュールで受信された受信データを前記蓄積手段に蓄積せず、前記保存手段に転送し保存する第2モードを前記動作モードとして設定することを特徴とする。
【0014】
請求項9の画像形成装置は、請求項8に記載の画像形成装置において、前記設定手段は、前記制御手段が節電状態であり、各通信モジュールで受信された受信データを前記蓄積手段に蓄積し、当該受信データの蓄積量が第2の閾値を超えた場合に、前記制御手段が動作状態になり、前記蓄積手段に蓄積された受信データを前記保存手段に転送し保存する第3モードを前記動作モードとして設定し、前記蓄積手段に蓄積された受信データを前記保存手段に転送する速度が、前記各通信モジュールで受信された受信データを前記蓄積手段に蓄積する速度を超えた場合に、前記第3モードは前記第2モードへ移行することを特徴とする。
【0015】
請求項10の画像形成装置は、請求項9に記載の画像形成装置において、前記第2モードが設定されており、且つ前記本体装置で複数の同時機能動作が発生している場合には、前記第2モードは前記第3モードへ移行することを特徴とする。
【0016】
請求項11のプログラムは、コンピュータを、複数の通信モジュールの蓄積手段から転送される受信データを保存する保存手段、前記蓄積手段から転送される受信データを受信しない場合には、節電状態になり、前記蓄積手段から転送される受信データを受信する場合に動作状態になる制御手段、及び前記制御手段が節電状態であり、各通信モジュールで受信された受信データを前記蓄積手段に蓄積し、当該受信データの蓄積量が第1の閾値を超えた場合に、前記制御手段が節電状態を維持し、前記複数の通信モジュールの転送手段が前記蓄積手段に蓄積された受信データを他の蓄積手段に転送する第1モードを動作モードとして設定する設定手段として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1の発明によれば、従来の画像形成装置よりも節電効果を向上することができる。
【0018】
請求項2の発明によれば、制御手段が節電状態から復帰する時間を遅らせることができ、節電効果を向上することができる。
【0019】
請求項3の発明によれば、制御手段が節電状態から復帰する時間を遅らせることができ、節電効果を向上することができる。
【0020】
請求項4の発明によれば、制御手段が節電状態から復帰する時間を遅らせることができ、節電効果を向上することができる。
【0021】
請求項5の発明によれば、制御手段が節電状態から復帰する時間を最大限に遅らせることができ、節電効果を向上することができる。
【0022】
請求項6の発明によれば、通信モジュールにかかる負荷を軽減することができる。
【0023】
請求項7の発明によれば、通信モジュールにかかる負荷を軽減することができる。
【0024】
請求項8の発明によれば、通信モジュールの蓄積手段の劣化を回避することができる。
【0025】
請求項9の発明によれば、通信モジュールの蓄積手段の劣化を回避することができる。
【0026】
請求項10の発明によれば、本体装置にかかる負荷を軽減することができる。
【0027】
請求項11の発明によれば、従来の画像形成装置よりも節電効果を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図2】(A)はフラッシュメモリ25の使用履歴情報の一例を示す図であり、(B)はフラッシュメモリ35の使用履歴情報の一例を示す図であり、(C)はフラッシュメモリ45の使用履歴情報の一例を示す図であり、(D)はフラッシュメモリ25〜45の使用履歴情報の一例を示す図である。
【図3】FAX受信時に複合機1で実行される処理を示すフローチャートである。
【図4】FAX受信時に複合機1で実行される処理を示すフローチャートである。
【図5】各フラッシュメモリの閾値の決定方法を説明する図である。
【図6】図4のステップS21の転送処理の詳細を示すフローチャートである。
【図7】図6のステップS37の処理の詳細を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0030】
図1は、画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【0031】
図1の画像形成装置は、例えば、複合機1である。複合機1は、本体部10及びFAXモジュール20,30,40を備えている。本体部10は、複合機1全体の動作を制御するCPU11(制御手段)、FAXモジュール20,30,40の受信データを一時保存するSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)12、FAXモジュール20,30,40の受信データ及び各種のデータやプログラムを保存するハードディスクドライブ13(保存手段)、閾値や処理の設定を行うユーザインターフェース14(設定手段)、現像器、ドラム及び転写ベルトなどを備える画像形成部15、及びスキャナで構成される画像読取部16を備えている。
【0032】
FAXモジュール20は、主回線である回線Aを介してデータの送受信を行うモデム21、データを符号化又は復号化するコーデック22、回線Aからのデータの着信を検知する着信感知部23、FAXモジュール20の全体の動作を制御するCPU24(転送手段)、データを一時保存するフラッシュメモリ25(蓄積手段)、及び本体部10とデータ通信を行う通信インターフェース26を備えている。
【0033】
FAXモジュール30は、増設回線である回線Bを介してデータの送受信を行うモデム31、データを符号化又は復号化するコーデック32、回線Bからのデータの着信を検知する着信感知部33、FAXモジュール30の全体の動作を制御するCPU34(転送手段)、及びデータを一時保存するフラッシュメモリ35(蓄積手段)を備えている。
【0034】
FAXモジュール40は、増設回線である回線Cを介してデータの送受信を行うモデム41、データを符号化又は復号化するコーデック42、回線Cからのデータの着信を検知する着信感知部43、FAXモジュール40の全体の動作を制御するCPU44(転送手段)、及びデータを一時保存するフラッシュメモリ45(蓄積手段)を備えている。
【0035】
CPU24,34,44は、I2C(Inter-Integrated Circuit)バス50を介して互いに接続されている。I2Cバス50は、CPU24,34,44を介してフラッシュメモリ25,35,45間でデータの送受信をする際に使用される。尚、通信インターフェース26のデータ通信速度は、回線A,B,Cからデータを受信する速度よりも速い。また、I2Cバス50のデータ通信速度は、通信インターフェース26のデータ通信速度よりも速い。
【0036】
CPU24,34,44は、図2(A)〜(C)に示すように、それぞれフラッシュメモリ25,35,45の使用履歴情報を取得する。フラッシュメモリ25の使用履歴情報は、フラッシュメモリ25に記憶される。フラッシュメモリ35の使用履歴情報は、フラッシュメモリ35に記憶される。フラッシュメモリ45の使用履歴情報は、フラッシュメモリ45に記憶される。そして、CPU24は、フラッシュメモリ35,45の使用履歴情報をCPU34,44を介して取得し、取得したフラッシュメモリ35,45の使用履歴情報をフラッシュメモリ25の使用履歴情報と纏めて、図2(D)に示すフラッシュメモリ25,35,45の使用履歴情報を作成する。
【0037】
図2(A)〜(C)において、通信頻度の欄には、各フラッシュメモリが使用される度に「1」のフラグが記入される。通信容量の欄には、1回の通信毎に各フラッシュメモリが使用される記憶容量が記入される。使用時間の欄には、各フラッシュメモリの使用時間が記入される。
【0038】
CPU24は、フラッシュメモリ25,35,45の使用履歴情報に基づいて、各フラッシュメモリの通信頻度を算出したり、各フラッシュメモリの合計のデータ蓄積量を算出したり、各時間帯(例えば、1時間毎)の各フラッシュメモリのデータ蓄積量を算出したり、又は各時間帯(例えば、1時間毎)の各フラッシュメモリの通信頻度を算出する。
【0039】
例えば、CPU24は、各フラッシュメモリの使用履歴情報の通信頻度の欄に記入されたフラグを加算することで、各フラッシュメモリの通信頻度を算出する。また、CPU24は、各フラッシュメモリの使用履歴情報のデータ蓄積量を加算することで、各フラッシュメモリの合計のデータ蓄積量を算出する。また、CPU24は、各時間帯(例えば、1時間毎)の各フラッシュメモリのデータ蓄積量を加算することで、各時間帯(例えば、1時間毎)の各フラッシュメモリのデータ蓄積量を算出する。CPU24は、各時間帯(例えば、1時間毎)の各フラッシュメモリの通信頻度の欄に記入されたフラグを加算することで、各時間帯(例えば、1時間毎)の各フラッシュメモリの通信頻度を算出する。
【0040】
本体部10のUI14は、ユーザの入力に応じて複合機1の動作モードをCPU11に設定する。複合機1の動作モードは、通常モード(第2モード)、省エネモード(第3モード)、及び特殊省エネモード(第1モード)を含む。通常モードでは、CPU11が動作状態にある。このため、通常モードでは、FAXモジュール20,30,40で受信されたデータはそれぞれフラッシュメモリ25,35,45に保存されず、HDD13に転送され、HDD13に保存される。
【0041】
省エネモードでは、CPU11が省エネ状態にある。省エネモードでは、FAXモジュール20,30,40で受信されたデータはそれぞれフラッシュメモリ25,35,45に保存される。FAXモジュール20,30,40で受信されたデータは、各フラッシュメモリのデータ蓄積量が各フラッシュメモリの閾値を超えた場合に、HDD13に転送され、HDD13に保存される。
【0042】
特殊省エネモードでは、CPU11が省エネ状態にある。特殊省エネモードでは、FAXモジュール20,30,40で受信されたデータは、それぞれフラッシュメモリ25,35,45に保存されるが、あるフラッシュメモリのデータ蓄積量がそのフラッシュメモリの閾値を超えた場合に、他のフラッシュメモリに転送される。これにより、各FAXモジュールに搭載されたフラッシュメモリを最大限活用し、本体部1の通常モードへの復帰を回避し、省エネ効果、即ち、節電効果を向上させる。
【0043】
図3及び図4は、FAX受信時に複合機1で実行される処理を示すフローチャートである。ここでは、FAXモジュールの代表としてFAXモジュール20を使用するが、FAXモジュール30,40も図3の処理を実行する。
【0044】
まず、FAXモジュール20のCPU24は、データ受信処理を開始し(ステップS1)、現在の動作モードを判別する(ステップS2)。ここで、現在の動作モードは、UI14によってCPU11に予め設定されており、CPU11がCPU24に現在の動作モードを予め設定しているものとする。
【0045】
現在の動作モードが通常モードである場合には、CPU24は、CPU11に割込信号として受信データの転送要求を送信する(ステップS3)。CPU24は、CPU11から準備完了を示す応答を受信したか否かを判別する(ステップS4)。ここで、CPU11は、FAX受信を含む複数の同時機能動作が発生した場合には、準備完了を示す応答をCPU24に返信せず、準備未完了を示す応答をCPU24に返信するか又は応答をCPU24に返信しない。CPU11は、複数の同時機能動作が発生していない場合、即ちFAX受信動作のみが発生している場合には、準備完了を示す応答をCPU24に返信する。複数の同時機能動作とは、例えば、FAX受信とコピー又はFAX受信とスキャンが同時に実行される場合を示す。
【0046】
CPU24は、準備未完了を示す応答をCPU11から受信する又は応答をCPU11から受信しない場合(ステップS4でNO)、手順は、後述するステップS9へ進む。CPU24は、CPU11から準備完了を示す応答を受信した場合(ステップS4でYES)、CPU24は、受信データをフラッシュメモリ25に格納することなく、HDD13に転送する(ステップS5)。このとき、本体部10のCPU11は、HDD13に受信データを格納することに専念する。
【0047】
このように、通常モードで、複合機1のFAX受信機能のみが動作している場合、フラッシュメモリ25は使用されず、HDD13に受信データが格納される。従って、フラッシュメモリ25の使用回数(使用頻度)が減少するので、フラッシュメモリ25の劣化(書き換え回数の増加)が防止される。
【0048】
次に、CPU24は、データの受信が完了したか否かを判別する(ステップS6)。CPU24は、コーデック22から所定時間(例えば、10秒間)データを受信しない場合には、データの受信が完了したと判別する。データの受信が完了していない場合(ステップS6でNO)、手順はステップS4に戻る。一方、データの受信が完了した場合(ステップS6でYES)、画像形成部15が印刷処理を開始し(ステップS7)、本処理を終了する。
【0049】
上記ステップS2で、現在の動作モードが省エネモードである場合には、CPU24は、割込信号として、CPU11が動作状態になる復帰要求をCPU11に送信する(ステップS8)。これにより、CPU11は動作状態に復帰する。CPU24は、フラッシュメモリ25に受信データを転送する(ステップS9)。
【0050】
CPU24は、フラッシュメモリ25のデータ蓄積量がフラッシュメモリ25の閾値A(第2の閾値)を超えているか又はデータの受信が完了しているか否かを判別する(ステップS10)。閾値Aは、CPU11が動作状態に復帰するまでフラッシュメモリ25がデータを確実に受信できる値である。例えば、CPU11が動作状態に復帰するまでに、フラッシュメモリ25が、フラッシュメモリ25の容量の80%に相当するデータを受信可能である場合、閾値Aはフラッシュメモリ25の容量の20%以下に設定される。
【0051】
フラッシュメモリ25のデータ蓄積量がフラッシュメモリ25の閾値Aを超えていない又はデータの受信が完了していない場合は(ステップS10でNO)、ステップS10の判別が繰り返される。一方、フラッシュメモリ25のデータ蓄積量がフラッシュメモリ25の閾値Aを超えている又はデータの受信が完了している場合は(ステップS10でYES)、CPU24は、CPU11に割込信号として受信データの転送要求を送信する(ステップS11)。
【0052】
CPU24は、CPU11から準備完了を示す応答を受信したか否かを判別する(ステップS12)。CPU11は、FAX受信を含む複数の同時機能動作が発生した場合には、準備完了を示す応答をCPU24に返信せず、準備未完了を示す応答をCPU24に返信するか又は応答をCPU24に返信しない。CPU11は、複数の同時機能動作が発生していない場合、即ちFAX受信動作のみが発生している場合には、準備完了を示す応答をCPU24に返信する。複数の同時機能動作とは、例えば、FAX受信とコピー又はFAX受信とスキャンが同時に実行される場合を示す。
【0053】
CPU24は、CPU11から準備完了を示す応答を受信していない場合は(ステップS12でNO)、所定時間待機する(ステップS13)。その後、手順はステップS11に戻る。CPU24は、CPU11から準備完了を示す応答を受信している場合は(ステップS12でYES)、CPU24は、受信データをフラッシュメモリ25に一時保存し、HDD13に転送する(ステップS14)。
【0054】
その後、CPU24は、フラッシュメモリ25に受信データが残っているか否かを判別する(ステップS15)。フラッシュメモリ25に受信データが残っていない場合には(ステップS15でNO)、手順はステップS5に進む。尚、フラッシュメモリ25に受信データが残っていない場合とは、受信データのHDD13への転送速度が、フラッシュメモリ25のバッファリング速度(即ち、FAXの受信速度)よりも早い場合を指す。この場合、動作モードは、省エネモードから、受信データがフラッシュメモリ25に格納されることなく、HDD13に転送される通常モードに移行するので、フラッシュメモリ25の劣化が防止される。
【0055】
一方、フラッシュメモリ25に受信データが残っている場合には(ステップS15でYES)、CPU24は、データの受信が完了したか否かを判別する(ステップS16)。CPU24は、コーデック22から所定時間(例えば、10秒間)データを受信しない場合には、データの受信が完了したと判別する。
【0056】
データの受信が完了していない場合(ステップS16でNO)、手順はステップS12に戻る。一方、データの受信が完了した場合(ステップS16でYES)、手順はステップS7に進む。
【0057】
上記通常モードにおいて、CPU24は、準備未完了を示す応答をCPU11から受信する又は応答をCPU11から受信しない場合(ステップS4でNO)、即ち、本体部10でFAX受信を含む複数の同時機能動作が発生した場合には、動作モードが通常モードから省エネモードに移行する。よって、受信データが直接HDD13に転送されず、フラッシュメモリで転送されるので、本体部10のCPU11にかかる負荷が軽減される。このため、本体部10のCPU11を安価なCPUで構成可能である。
【0058】
上記ステップS2で、現在の動作モードが特殊省エネモードである場合には、CPU24は、フラッシュメモリ25に受信データを転送する(ステップS17)。CPU24は、フラッシュメモリ25のデータ蓄積量がフラッシュメモリ25の閾値TH1を超えているか又は設定時間を超えているか否かを判別する(ステップS18)。閾値TH1は、閾値Aよりも大きな値である。例えば、閾値Aがフラッシュメモリ25の容量の20%に設定されている場合は、閾値TH1は、フラッシュメモリ25の容量の21%以上の値に設定される。
【0059】
フラッシュメモリ25のデータ蓄積量がフラッシュメモリ25の閾値TH1を超えていない場合又は設定時間を超えていない場合には(ステップS18でNO)、CPU24は、データの受信が完了したか否かを判別する(ステップS19)。CPU24は、コーデック22から所定時間(例えば、10秒間)データを受信しない場合には、データの受信が完了したと判別する。データの受信が完了していない場合(ステップS19でNO)、手順はステップS17に戻る。データの受信が完了している場合(ステップS19でYES)、CPU24は、受信データをフラッシュメモリ25に格納した状態で待機する(ステップS20)。その後、本処理は終了する。
【0060】
フラッシュメモリ25のデータ蓄積量がフラッシュメモリ25の閾値TH1を超えている場合又は設定時間を超えている場合には(ステップS18でYES)、CPU24は、受信データを他のフラッシュメモリへ転送する転送処理を実行する(ステップS21)。
【0061】
特殊省エネモードでは、CPU24は、フラッシュメモリ25のデータ蓄積量がフラッシュメモリ25の閾値TH1を超えていない限り、CPU11の省エネ状態を維持し、受信データをフラッシュメモリ25に格納するので、省エネ効果(節電効果)が向上する。さらに、CPU24は、フラッシュメモリ25のデータ蓄積量がフラッシュメモリ25の閾値TH1を超えた場合でも、受信データを他のフラッシュメモリに転送するので、CPU11の省エネ状態が維持し、省エネ効果(節電効果)が向上する。
【0062】
次に、特殊省エネモード時に、各フラッシュメモリのデータ蓄積量が各フラッシュメモリの閾値を超えているか否かの判定方法について説明する。
【0063】
図5は、各フラッシュメモリの閾値の決定方法を説明する図である。
【0064】
CPU24は、図2(D)の各フラッシュメモリの使用履歴情報に基づいて、図5に示す「データ蓄積量」「回線占有時間」及び「回線接続回数」を算出する。例えば、CPU24は、図2(D)の通信容量を合算することで「データ蓄積量」を算出する。CPU24は、1日あたりの図2(D)の使用時間を合算することにより、「回線占有時間」を算出する。CPU24は、1日あたりの図2(D)の通信頻度を合算することにより、「回線接続回数」を算出する。尚、CPU24,34,44が、それぞれフラッシュメモリ25,35,45の使用履歴情報に基づいて、「データ蓄積量」「回線占有時間」及び「回線接続回数」を算出してもよい。
【0065】
CPU24は、各フラッシュメモリの「回線占有時間」に基づいて、各フラッシュメモリの閾値を決定する。フラッシュメモリ25,35,45の閾値は、それぞれTH1,TH2,TH3(第1の閾値)である。例えば、フラッシュメモリ25の閾値TH1は、20+60*(8−X)/8である。この閾値の算出式では、特殊省エネモードが8時間に設定されているものとする。また、式中のXは、フラッシュメモリ25の「回線占有時間」を示す。この閾値の算出式では、回線占有時間が0時間である場合に、閾値が80になり、回線占有時間が8時間である場合に、閾値が20になる。つまり、閾値は回線占有時間に応じて可変であり、回線占有時間に応じて閾値が小さくなる。
【0066】
この閾値の算出式は、一例であり、限定されるものではない。例えば、CPU24は、閾値TH1,TH2,TH3を「回線接続回数」に基づいて算出してよい。この場合、CPU24は、例えば、閾値TH1を20+2%*Hで算出し、閾値TH2を20+2%*Iで算出し、TH3を20+2%*Jで算出する。H,I,Jは、図5に示すように、それぞれフラッシュメモリの回線接続回数である。また、CPU24は、算出式に基づいて、各フラッシュメモリの閾値を算出しなくてもよい。例えば、UI14が、CPU24に対し、各フラッシュメモリの閾値を設定してもよい。
【0067】
CPU24は、例えば、データ蓄積量(A%)が閾値TH1を超えた場合に、受信データを他のフラッシュメモリに転送する。尚、上記閾値の算出式では、回線占有時間に応じて閾値が小さくなるので、回線占有時間が長いほど、受信データの転送タイミングが早くなる。
【0068】
また、CPU24は、以下の3つの条件に基づいて、受信データの転送先となるフラッシュメモリを決定する。
(1)現在、通信中のFAXモジュールに搭載されたフラッシュメモリでないこと
(2)転送先のフラッシュメモリの「閾値−データ蓄積量」の値が20%以上であること
(3)回線接続回数が最小であること
この3つの条件の優先順序は、(1)>(2)>(3)である。CPU24は、上記3つの条件に基づいて、受信データの転送先となるフラッシュメモリを決定するので、転送先のフラッシュメモリによる受信データの着信拒否が減少する。
【0069】
また、CPU24は、それぞれのフラッシュメモリのデータ蓄積量が全て閾値を超える場合、全てのフラッシュメモリの閾値を各フラッシュメモリの使用履歴に応じて決定される値よりも大きい所定値に再設定することで、受信データの転送先を確保する。例えば、CPU24は、全てのフラッシュメモリの閾値を80%に再設定する。これにより、CPU11が節電状態から復帰する時間を最大限に遅らせることができ、節電効果が向上する。さらに、CPU24は、全てのフラッシュメモリのデータ蓄積量が80%を超える場合は、CPU11を動作状態に復帰させ、全てのフラッシュメモリに格納されている受信データをHDD13に転送する。
【0070】
図6は、図4のステップS21の転送処理の詳細を示すフローチャートである。
【0071】
ここでは、図3及び図4と同様に、FAXモジュール20がFAXのデータを受信するが、FAXモジュール30,40がFAXのデータを受信した場合も図6の処理は実行される。
【0072】
まず、CPU24は、フラッシュメモリ35又は45のいずれが受信データの転送先となるかを判定する(ステップS30)。具体的には、CPU24は、上記3つの条件に基づいて、受信データの転送先となるフラッシュメモリを決定する。
【0073】
ステップS30において、CPU24は、フラッシュメモリ35が受信データの転送先となると判定した場合には、CPU24は、受信データをフラッシュメモリ35に転送し、保存する(ステップS31)。その後、CPU24は、データの受信が完了したか否かを判別する(ステップS32)。CPU24は、コーデック22から所定時間(例えば、10秒間)データを受信しない場合には、データの受信が完了したと判別する。
【0074】
データの受信が完了した場合には(ステップS32でYES)、手順はステップS35に進む。一方、データの受信が完了していない場合には(ステップS32でNO)、手順はステップS31に戻る。
【0075】
ステップS30において、CPU24は、フラッシュメモリ45が受信データの転送先となると判定した場合には、CPU24は、受信データをフラッシュメモリ45に転送し、保存する(ステップS33)。その後、CPU24は、データの受信が完了したか否かを判別する(ステップS34)。CPU24は、コーデック22から所定時間(例えば、10秒間)データを受信しない場合には、データの受信が完了したと判別する。データの受信が完了した場合には(ステップS34でYES)、手順はステップS35に進む。一方、データの受信が完了していない場合には(ステップS34でNO)、手順はステップS33に戻る。
【0076】
次いで、CPU24は、各フラッシュメモリの使用履歴情報を更新する(ステップS35)。具体的には、CPU24は、フラッシュメモリ25,35,45の通信頻度、通信容量及び使用時間の欄を更新する。
【0077】
その後、CPU24は、各フラッシュメモリの使用履歴情報に基づいて、図5の「データ蓄積量」「回線占有時間」及び「回線接続回数」を算出し、算出された「回線占有時間」又は「回線接続回数」に基づいて、各フラッシュメモリの閾値を更新する(ステップS36)。CPU24は、更新されたそれぞれのフラッシュメモリの閾値を基準としてそれぞれのフラッシュメモリのデータ蓄積量が平均化されるように、フラッシュメモリ25,35,45間で受信データを転送する(ステップS37)。
【0078】
次いで、CPU24は、それぞれのフラッシュメモリのデータ蓄積量が全て閾値を超えているか否かを判別する(ステップS38)。少なくとも1つのフラッシュメモリのデータ蓄積量が閾値を超えていない場合(ステップS38でNO)、CPU24は、受信データを各フラッシュメモリに格納した状態で待機する(ステップS39)。その後、本処理は終了する。
【0079】
一方、それぞれのフラッシュメモリのデータ蓄積量が全て閾値を超える場合(ステップS38でYES)、CPU24は、割込信号として、CPU11が動作状態になる復帰要求をCPU11に送信する(ステップS40)。これにより、CPU11は動作状態に復帰する。その後、CPU24は、CPU11に割込信号として受信データの転送要求を送信する(ステップS41)。
【0080】
CPU24は、CPU11から準備完了を示す応答を受信したか否かを判別する(ステップS42)。CPU24は、CPU11から準備完了を示す応答を受信していない場合は(ステップS42でNO)、所定時間待機する(ステップS43)。その後、手順はステップS41に戻る。CPU24は、CPU11から準備完了を示す応答を受信している場合は(ステップS42でYES)、CPU24は、それぞれのフラッシュメモリに保存された受信データをHDD13に転送する(ステップS44)。その後、手順は図3のステップS7に進む。
【0081】
図7は、図6のステップS37の処理の詳細を示すフローチャートである。
【0082】
CPU24は、着信検知部23,33,43からの信号に基づいて、それぞれのFAXモジュール20,30,40がFAX通信中でないか否かを判別する(ステップS50)。少なくとも1つのFAXモジュールがFAX通信中である場合(ステップS50でNO)、CPU24は、当該FAXモジュールのFAX通信が完了するまで待機する(ステップS51)。手順は、ステップS50に戻る。
【0083】
それぞれのFAXモジュール20,30,40がFAX通信中でない場合(ステップS50でYES)、CPU24は、それぞれフラッシュメモリの閾値を基準としてそれぞれフラッシュメモリのデータ蓄積量が平均化されるように、フラッシュメモリ25,35,45間で受信データの転送を開始する(ステップS52)。尚、それぞれフラッシュメモリの閾値を基準としてそれぞれフラッシュメモリのデータ蓄積量を平均化するとは、例えば、それぞれのフラッシュメモリの閾値とデータ蓄積量との差分が同一であることを示す。
【0084】
その後、CPU24は、着信検知部23,33,43からの信号に基づいて、少なくとも1つのFAXモジュールがFAX通信を開始したか否かを判別する(ステップS53)。全てのFAXモジュールがFAX通信を実行していない場合(ステップS53でNO)、CPU24は、それぞれフラッシュメモリのデータ蓄積量が平均化されるまで、フラッシュメモリ25,35,45間で受信データの転送を継続し(ステップS54)、本処理を終了する。
【0085】
少なくとも1つのFAXモジュールがFAX通信を開始した場合(ステップS53でYES)、CPU24は、フラッシュメモリ25,35,45間での受信データの転送を中断し(ステップS55)、FAX通信の終了後に、フラッシュメモリ25,35,45間での受信データの転送を再開する(ステップS56)。手順はステップS53に戻る。
【0086】
このように、それぞれフラッシュメモリのデータ蓄積量が平均化されるので、各フラッシュメモリのデータ蓄積領域が最適化され、各フラッシュメモリのデータ蓄積領域を有効活用することで特殊省エネモードからの復帰時間が延長される。よって、省エネ効果(節電効果)が向上する。
【0087】
また、全てのFAXモジュールがFAX通信を実行していないときに、それぞれフラッシュメモリのデータ蓄積量が平均化されるので、各FAXにモジュールに含まれるCPUにかかる負荷が減少する。さらに、少なくとも1つのFAXモジュールがFAX通信を開始した場合、CPU24は、受信データの転送を中断し、FAX通信の終了後に、受信データの転送を再開するので、各FAXモジュールに含まれるCPUにかかる負荷が減少する。
【0088】
また、それぞれのフラッシュメモリの使用履歴情報に基づいてそれぞれフラッシュメモリの閾値が決定され、それぞれのフラッシュメモリの閾値を基準としてそれぞれフラッシュメモリのデータ蓄積量が平均化される。よって、FAXモジュール毎にフラッシュメモリの閾値やデータ蓄積量の平均化率(受信データの転送量)を可変にすることで、特殊省エネモードからの復帰時間が延長される。
【0089】
以上説明したように、本実施の形態によれば、複合機1は、CPU11が節電状態であり、各FAXモジュールで受信された受信データをフラッシュメモリに蓄積し、当該受信データの蓄積量が閾値TH1,TH2,又はTH3を超えた場合に、CPU11が節電状態を維持し、CPU24,34,44がフラッシュメモリに蓄積された受信データを他のフラッシュメモリに転送する特殊省エネモードを動作モードとして設定可能である。従って、従来の画像形成装置よりも節電効果を向上することができる。
【0090】
本実施の形態では、各FAXモジュールがフラッシュメモリを備えているが、回線Aに接続されているFAXモジュール20のみがフラッシュメモリ25を備えていてもよい。即ち、FAXモジュール30,40はフラッシュメモリを備えていなくてもよい。この場合、フラッシュメモリ25は、回線Aからの受信データを格納する第1格納領域、回線Bからの受信データを格納する第2格納領域、回線Cからの受信データを格納する第3格納領域を有する。また、この場合、フラッシュメモリ25,35,45をそれぞれ第1格納領域,第2格納領域,第3格納領域に置き換えて、上述した説明や各種の処理が適用される。従って、第1〜第3格納領域毎に閾値TH1〜TH3が設定され、例えば、第1格納領域のデータ蓄積量が閾値TH1を超える場合には、受信データは他の格納領域に転送される。
【0091】
本体部10の機能を実現するためのソフトウェアのプログラムが記録されている記録媒体を、本体部10に供給し、CPU11が記憶媒体に格納されたプログラムを読み出し実行することによっても、上記実施の形態と同様の効果を奏する。プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えば、CD−ROM、DVD、又はSDカードなどがある。
【0092】
また、本体部10が、本体部10の機能を実現するためのソフトウェアのプログラムを実行することによっても、上記実施の形態と同様の効果を奏する。
【符号の説明】
【0093】
1 複合機
10 本体部
11 CPU
12 SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)
13 ハードディスクドライブ
14 ユーザインターフェース
15 画像形成部
16 画像読取部
20,30,40 FAXモジュール
21,31,41 モデム
22,32,42 コーデック
23,33,43 着信感知部
24,34,44 CPU
25,35,45 フラッシュメモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信データを蓄積する蓄積手段、及び
前記蓄積手段に蓄積されたデータを他の蓄積手段に転送する転送手段を有する複数の通信モジュールと、
前記蓄積手段から転送される受信データを保存する保存手段、及び
前記蓄積手段から転送される受信データを受信しない場合には、節電状態になり、前記蓄積手段から転送される受信データを受信する場合に動作状態になる制御手段、
前記制御手段が節電状態であり、各通信モジュールで受信された受信データを前記蓄積手段に蓄積し、当該受信データの蓄積量が第1の閾値を超えた場合に、前記制御手段が節電状態を維持し、前記転送手段が前記蓄積手段に蓄積された受信データを他の蓄積手段に転送する第1モードを動作モードとして設定する設定手段を有する本体装置と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第1モードが設定されている場合には、前記複数の通信モジュールは、それぞれの蓄積手段に蓄積された受信データの蓄積量を平均化することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1の閾値は、前記それぞれの蓄積手段で異なり且つ前記それぞれの蓄積手段の使用履歴に応じて決定され、前記複数の通信モジュールは、前記それぞれの蓄積手段に対応する第1の閾値を基準として、前記それぞれの蓄積手段に蓄積された受信データの蓄積量を平均化することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記それぞれの蓄積手段の使用履歴は、前記通信モジュールに接続される回線の占有時間又は回線の接続回数であることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記それぞれの蓄積手段の受信データの蓄積量が前記それぞれの蓄積手段の第1の閾値を超えた場合に、前記複数の通信モジュールは、前記それぞれの蓄積手段の第1の閾値を、前記それぞれの蓄積手段の使用履歴に応じて決定される値よりも大きい所定値に設定し、前記それぞれの蓄積手段の受信データの蓄積量が当該設定された所定値を超えた場合に、前記複数の通信モジュールは、前記それぞれの蓄積手段に蓄積された受信データを前記保存手段に転送することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第1モードが設定されている場合には、前記複数の通信モジュールは、全ての通信モジュールが通信を実行していないときに、それぞれの蓄積手段に蓄積された受信データの蓄積量を平均化することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第1モードが設定されている場合には、前記複数の通信モジュールは、少なくとも1つの通信モジュールが通信を開始したときに、前記それぞれの蓄積手段に蓄積された受信データの蓄積量の平均化を中断し、当該少なくとも1つの通信モジュールが通信を完了したときに、前記それぞれの蓄積手段に蓄積された受信データの蓄積量の平均化を再開することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記設定手段は、前記制御手段が動作状態であり、各通信モジュールで受信された受信データを前記蓄積手段に蓄積せず、前記保存手段に転送し保存する第2モードを前記動作モードとして設定することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記設定手段は、前記制御手段が節電状態であり、各通信モジュールで受信された受信データを前記蓄積手段に蓄積し、当該受信データの蓄積量が第2の閾値を超えた場合に、前記制御手段が動作状態になり、前記蓄積手段に蓄積された受信データを前記保存手段に転送し保存する第3モードを前記動作モードとして設定し、
前記蓄積手段に蓄積された受信データを前記保存手段に転送する速度が、前記各通信モジュールで受信された受信データを前記蓄積手段に蓄積する速度を超えた場合に、前記第3モードは前記第2モードへ移行することを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記第2モードが設定されており、且つ前記本体装置で複数の同時機能動作が発生している場合には、前記第2モードは前記第3モードへ移行することを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
コンピュータを、
複数の通信モジュールの蓄積手段から転送される受信データを保存する保存手段、
前記蓄積手段から転送される受信データを受信しない場合には、節電状態になり、前記蓄積手段から転送される受信データを受信する場合に動作状態になる制御手段、及び
前記制御手段が節電状態であり、各通信モジュールで受信された受信データを前記蓄積手段に蓄積し、当該受信データの蓄積量が第1の閾値を超えた場合に、前記制御手段が節電状態を維持し、前記複数の通信モジュールの転送手段が前記蓄積手段に蓄積された受信データを他の蓄積手段に転送する第1モードを動作モードとして設定する設定手段として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−44561(P2012−44561A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−185644(P2010−185644)
【出願日】平成22年8月20日(2010.8.20)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】