説明

画像形成装置及び定着装置

【課題】粉煙の量を検出することにより、抵抗発熱体層の異常発熱の有無を判定する画像形成装置において、異常発熱の誤判定を有効に防止する。
【解決手段】通電によりジュール発熱する抵抗発熱体を利用して記録シート上の未定着画像を熱定着させる定着装置を有する画像形成装置であって、定着装置内において発生する粉煙の量を監視し、定着装置内の粉煙の量が、予め決められた閾値を超えるか否かにより、抵抗発熱体の異常発熱の有無を判定し、非印刷時においては、前記異常発熱の有無の判定に用いる閾値を第1の閾値に設定し、印刷時においては、前記異常発熱とは無関係に発生する粉煙による誤判定を回避するため、前記異常発熱の有無の判定に用いる閾値を、当該粉煙の量に相当する分だけ第1の閾値よりも高い第2の閾値に設定する(S802)画像形成装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ、複写機等の画像形成装置に関し、特に抵抗発熱体を用いて未定着画像を熱定着させる画像形成装置における抵抗発熱体の異常発熱を検出する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プリンタ、複写機等の画像形成装置の定着装置として、通電によりジュール発熱する抵抗発熱体の層を発熱層とする定着装置が利用されるようになってきている。この定着装置においては、抵抗発熱体層に直接給電することによって発熱体が発熱するので、熱効率を高くすることができ、ウォームアップ時間を短縮化することができる。
このため、画像形成装置が印刷ジョブの入力待ち状態にあるときに、抵抗発熱体への電力供給を停止した状態(スリープ状態)にしたとしても、短時間で定着装置を熱定着動作が可能な状態に戻すことができる。従って、入力待ち状態が長期間継続する場合には、定着装置をスリープ状態にして、電力消費を低減することができる。
【0003】
この抵抗発熱体層は、耐熱性樹脂等の絶縁性材料中に金属等の導電性材料を分散させて構成され、絶縁層で被覆されているのが一般的である。通電されている抵抗発熱体層に直接触れると、感電する危険があるため、絶縁層で被覆することにより感電を防止している。
一方、絶縁層の厚さは数百μm程度と薄いため、外部から混入した異物や記録シートとの接触により、絶縁層に傷が生じ、その傷が抵抗発熱体層にまで及び、当該傷の端部周辺で局所的に電流密度が高まり、抵抗発熱体層の内、電流密度が高まった部分が、高温に異常発熱することになる。
【0004】
この異常発熱を放置しておくと、定着装置の損傷がひどくなり、周辺の装置にも影響が及ぶため、早期に検出し、定着装置への電力供給を遮断する等の措置を講じて定着装置の損傷がひどくならないようにする必要がある。
この異常発熱の検出手段として、定着装置に設けられているサーミスタやサーモスタット等の温度検知素子を用いることは可能であるが、検出範囲が狭いため、異常発熱が発生する抵抗発熱体層の位置によっては、異常発熱の発生が見逃されてしまう場合が生じる。
【0005】
特許文献1には、抵抗発熱体層に異常発熱が発生した時に絶縁層等から発生する粉煙を微粒子センサで検出することにより、異常発熱を検出する技術が開示されている。これにより、異常発熱の検出範囲を広くし、異常発熱が見逃されるのを有効に防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000―155495号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、粉塵は、抵抗発熱体層の異常発熱時以外の時にも発生するため、上記従来技術では、異常発熱に起因しない粉塵量が多い場合には、誤検出されてしまう場合が生じてしまう。特に、画像形成装置において、印刷処理が行われている場合には、給紙される用紙からの紙粉やトナーの飛散量が多くなり、これらが微粒子センサにより粉煙として検出されてしまい、その結果、実際には、異常発熱が発生していないのにもかかわらず、異常発熱と誤判定される場合が生じる。
【0008】
本発明は、上述のような問題に鑑みて為されたものであって、粉煙の量を検出することにより、抵抗発熱体層の異常発熱の有無を判定する画像形成装置において、異常発熱の誤判定を有効に防止することが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る画像形成装置は、通電によりジュール発熱する抵抗発熱体の発する熱を利用して記録シート上の未定着画像を熱定着させる定着装置を有する画像形成装置であって、前記定着装置内において発生する粉煙の量を監視する監視手段と、前記定着装置内の粉煙の量が、設定されている閾値を超えるか否かにより、抵抗発熱体の異常発熱の有無を判定する異常発熱判定手段と、非印刷時においては、前記異常発熱の有無の判定に用いる閾値を第1の閾値に設定し、印刷時においては、前記異常発熱とは無関係に発生する粉煙による誤判定を回避するため、前記異常発熱の有無の判定に用いる閾値を、当該粉煙の量に相当する分だけ第1の閾値よりも高い第2の閾値に設定する閾値制御手段と、を備える。
【0010】
ここで、前記監視手段は、前記定着装置内の粉煙濃度を繰り返し測定する測定手段と、測定した粉煙濃度の値が、所定期間内において、基準値より高くなる回数を、前記粉煙の量としてカウントするカウント手段と、を有し、前記異常発熱の有無の判定に用いる閾値は、前記回数についての閾値であることとすることができる。
又、前記監視手段は、前記定着装置内の粉煙濃度を測定することにより、前記粉煙の量を監視し、前記異常発熱の有無の判定に用いる閾値は、粉煙濃度についての閾値であることとすることができる。
【0011】
さらに、前記画像形成装置は、前記異常発熱が検出された場合に、前記定着装置への電力供給を停止する停止手段を備えることとすることができる。又、前記画像形成装置は、前記異常発熱が検出された場合に、その旨の報知をする報知手段を備えることとすることができる。
又、本発明の別の一形態に係る定着装置は、通電によりジュール発熱する抵抗発熱体の発する熱を利用して記録シート上の未定着画像を熱定着させる定着装置であって、自装置内において発生する粉煙の量を監視する監視手段と、自装置内の粉煙の量が、予め決められた閾値を超えるか否かにより、抵抗発熱体の異常発熱の有無を判定する異常発熱判定手段と、非印刷時においては、前記異常発熱の有無の判定に用いる閾値を第1の閾値に設定し、印刷時においては、印刷時に前記異常発熱とは無関係に発生する粉煙による誤判定を回避するため、前記異常発熱の有無の判定に用いる閾値を、当該粉煙の量に相当する分だけ第1の閾値よりも高い第2の閾値に設定する閾値制御手段と、を備える。
【発明の効果】
【0012】
上記構成を備えることにより、印刷時においては、抵抗発熱体の異常発熱の有無の判定に用いる粉煙の量についての閾値が、印刷時に異常発熱による粉煙とは無関係に発生する粉煙(紙粉やトナーなどによる粉塵)の量に相当する分だけ、非印刷時の閾値より高くなるように設定されるので、抵抗発熱体の異常発熱とは無関係に発生する粉煙によって抵抗発熱体の異常発熱の誤判定がされるのを有効に防止することができる。
【0013】
又、異常発熱による粉煙とは無関係に発生する粉煙の量が少ない非印刷時においては、印刷時の閾値よりも、印刷時に異常発熱による粉煙とは無関係に発生する粉煙の量に相当する分だけ低い閾値を用いて抵抗発熱体の異常発熱が検出されるので、誤検出を回避するため、印刷時、非印刷時に関わらず一律に閾値を予め決められた値より高く設定した場合に比べ、異常発熱が発生した場合の検出のタイミングを早めることができる。その結果、非印刷時における異常発熱の検出のタイミングが遅延することにより、定着装置の損傷が広がるのを有効に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】プリンタ1の構成を示す図である。
【図2】定着装置5の主要部の構成を示す斜視図である。
【図3】定着装置5の全体の構成を示す断面図である。
【図4】加熱回転体51の一方の端部(電極511がある側の端部)周辺の回転軸方向の断面図である。
【図5】制御部60の構成と制御部60による制御対象となる主構成要素との関係を示す図である。
【図6】制御部60が行う定着装置異常発熱検出処理の動作を示すフローチャートである。
【図7】制御部60が行うウォームアップ時異常発熱検出処理(ステップS603)の動作を示すフローチャートである。
【図8】制御部60が行う印刷時異常発熱検出処理(ステップS605)の動作を示すフローチャートである。
【図9】制御部60が行う待機時異常発熱検出処理(ステップS607)の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(実施の形態)
以下、本発明に係る一形態の画像形成装置の実施の形態を、タンデム型カラーデジタルプリンタ(以下、単に「プリンタ」という。)に適用した場合を例にして説明する。
[1]プリンタの構成
先ず、本実施の形態に係るプリンタ1の構成について説明する。図1は、本実施の形態に係るプリンタ1の構成を示す図である。同図に示すように、このプリンタ1は、画像プロセス部3、給紙部4、定着装置5、制御部60を備えている。
【0016】
プリンタ1は、ネットワーク(例えばLAN)に接続され、外部の端末装置(不図示)や図示しない操作パネルから印刷指示を受け付けると、その指示に基づいてイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの各色のトナー像を形成し、これらを多重転写してフルカラーの画像を形成することにより、記録シートへの印刷処理を実行する。
以下、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各再現色をY、M、C、Kと表し、各再現色に関連する構成要素の番号にこのY、M、C、Kを添字として付加する。
【0017】
画像プロセス部3は、作像部3Y、3M、3C、3K、露光部10、中間転写ベルト11、2次転写ローラ45などを有している。
作像部3Y、3M、3C、3Kの構成は、いずれも同様の構成であるため、以下、主として作像部3Yの構成について説明する。
作像部3Yは、感光体ドラム31Yと、その周囲に配設された帯電器32Y、現像器33Y、1次転写ローラ34Y、および感光体ドラム31Yを清掃するためのクリーナ35Yなどを有しており、感光体ドラム31Y上にY色のトナー像を作像する。
【0018】
現像器33Yは、感光体ドラム31Yに対向し、感光体ドラム31Yに帯電トナーを搬送する。
中間転写ベルト11は、無端状のベルトであり、駆動ローラ12と従動ローラ13に張架されて矢印D方向に周回駆動される。露光部10は、レーザダイオードなどの発光素子を備え、制御部60からの駆動信号によりY〜K色の画像形成のためのレーザ光Lを発し、作像部3Y、3M、3C、3Kの各感光体ドラムを露光走査する。
【0019】
この露光走査により、帯電器32Yにより帯電された感光体ドラム31Y上に静電潜像が形成される。作像部3M、3C、3Kの各感光体ドラム上にも同様にして静電潜像が形成される。
各感光体ドラム上に形成された静電潜像は、作像部3Y、3M、3C、3Kの
各現像器により現像されて各感光体ドラム上に対応する色のトナー像が形成され
る。
【0020】
形成されたトナー像は、作像部3Y、3M、3C、3Kの各1次転写ローラにより、中間転写ベルト11上の同じ位置に重ね合わされるように、中間転写ベルト11上にタイミングをずらして順次1次転写された後、2次転写ローラ45による静電力の作用により中間転写ベルト11上のトナー像が一括して記録シート上に2次転写される。トナー像が2次転写された記録シートは、さらに定着装置5に搬送され、記録シート上のトナー像(未定着画像)が、定着装置5において加熱及び加圧されて記録シートに熱定着された後、排出ローラ71により排紙トレイ72に排出される。
【0021】
給紙部4は、記録シート(図1の符号Sで表す)を収容する給紙カセット41と、給紙カセット41内の記録シートを搬送路43上に1枚ずつ繰り出す繰り出しローラ42と、繰り出された記録シートを2次転写位置46に送り出すタイミングをとるためのタイミングローラ44などを備えている。給紙カセットは、1つに限定されず、複数であってもよい。
【0022】
記録シートとしては、大きさや厚さの異なる用紙(普通紙、厚紙)やOHPシートなどのフィルムシートを利用できる。給紙カセットが複数ある場合には、異なる大きさ又は厚さ又は材質の記録シートを複数の給紙カセットに収納することとしてもよい。
繰り出しローラ42、タイミングローラ44等の各ローラは、搬送モータ(不図示)を動力源とし、歯車ギヤやベルトなどの動力伝達機構(不図示)を介して回転駆動される。この搬送モータとしては、例えば、高精度の回転速度の制御が可能なステッピングモータが使用される。
【0023】
記録シートは、中間転写ベルト11上のトナー像の移動タイミングに合わせて
給紙部4から2次転写位置46に搬送され、2次転写ローラ45により中間転写
ベルト11上のトナー像が一括して記録シート上に2次転写される。
[2]定着装置の構成
図2は、定着装置5の主要部の構成を示す斜視図である。図3は、定着装置5の全体の構成を示す断面図である。以下、両図を参照して、定着装置5の構成について説明する。
【0024】
図2に示すように、定着装置5は、加熱回転体51と、定着ローラ52と、加圧ローラ53等を有する。図3に示すように、加熱回転体51、定着ローラ52、加圧ローラ53は、枠体56で覆われている。加圧ローラ53が矢印Bで示す回転方向に回転し、加圧ローラ53の回転に伴い、加熱回転体51が矢印Aで示す回転方向に従動回転することにより、枠体56で覆われた装置内には、回転方向に沿って気流が生じる。図3の矢印Cは、加熱回転体51の回転により生じた気流を示す。
【0025】
なお、図2においても、図3の場合と同様に、矢印Aは、加熱回転体51の回転方向を、矢印Bは、加圧ローラ53の回転方向を、矢印Cは、加熱回転体51の回転により生じた気流を示す。
図3の説明に戻って、記録シートは、符号Sで示す白矢印の方向から、上下のガイド板561、562により、装置内に案内されて定着ニップ59に侵入し、定着ニップ59で熱定着された後、ガイド板563、564により排出ローラ対565へ案内され、装置の外へ排出される。
【0026】
図2の説明に戻って、加熱回転体51は、無端状のベルトであり、その両端部に給電用の電極511、512が設けられ、両電極には電源部500から給電ブラシ501、502を介して給電が行われる。これにより、両電極間に電流が流れて、加熱回転体51が発熱する。
図4は、加熱回転体51の一方の端部(電極511がある側の端部)周辺の回転軸方向の断面図である。同図に示すように、加熱回転体51の端部においては、絶縁層513、抵抗発熱体層514、電極511がこの順に積層されて構成される。又、端部を除く加熱回転体51の領域においては、同図に示すように、絶縁層513、抵抗発熱体層514、弾性層515、離型層516が、この順に積層されて構成される。
【0027】
電極511は、導電性の材料から構成される。電極511の材料としては、例えば、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、真鍮、リン青銅等の金属を用いることができる。絶縁層513は、加熱回転体51の強度を補強するための層であり、絶縁層513の材料としては、例えば、ポリイミド樹脂を用いることができる。
抵抗発熱体層514は、電極511、512と電気的に接続され、電極511、512を通じて給電されることにより、ジュール熱を発生する層である。抵抗発熱体層514は、耐熱性樹脂等の絶縁性材料中に導電性材料を分散させて構成される。抵抗発熱体層514の電気抵抗値(又は体積抵抗率)は、導電性材料の量を調整することにより、所定の電気抵抗値(又は体積抵抗率)に調整される。
【0028】
耐熱性樹脂としては、ポリイミド樹脂、ポリエチレンスルフィド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリアラミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリイミドアミド樹脂、ポリエステル-イミド樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリ-p-キシリレノン樹脂、ポリベンズイミダゾール樹脂などを用いることができる。抵抗発熱体層514に用いる耐熱性樹脂として、耐熱性、絶縁性及び機械的強度等に優れた特性を示すポリイミド樹脂を用いるのが望ましい。
【0029】
導電性材料としては、銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、ニッケル(Ni)等の金属、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノコイル等を用いることができ、2種類以上の導電性材料(例えば、カーボンナノ材料と金属)を用いることとしてもよい。この場合、金属は、特に針状やフレーク状の銀(Ag)やニッケル(Ni)が好ましく、粒径は0.01〜10μmが良い。これにより、カーボンナノ材料と線状に絡み合うことで均一な電気抵抗を有する抵抗発熱体層514を成型することができる。金属が粒状や粉末状や塊状の場合、抵抗発熱体層514中に混在するカーボンナノ材料と絡み合わず、カーボンナノ材料と点接触することになるため、均一な電気抵抗を有する抵抗発熱体層514が得られにくくなる。
【0030】
抵抗発熱体層514の厚さは、任意であるが、5〜100μm程度が望ましい。抵抗発熱体層514の電気抵抗値は、1.0×10−6〜1.0×10−2Ω・m程度の範囲に設定することができるが、当該電気抵抗値は、1.0×10−5〜5.0×10−3Ω・mの範囲内であることが望ましい。
弾性層515は、記録シート上のトナー像に均一かつ柔軟に熱を伝えるための層である。弾性層515を設けることにより、トナー像が押しつぶされたり、トナー像が不均一に溶融されたりするのを防止し、画像ノイズの発生を防止することができる。弾性層515の材料としては、耐熱性と弾性とを有し、絶縁性のゴム材や樹脂材を用いる。例えば、シリコーンゴムを用いることができる。
【0031】
弾性層515の厚さは、10〜800μm、さらに望ましくは100〜300μmの範囲内のものとする。弾性層515の厚さが10μm未満では厚さ方向の十分な弾力性を得ることが難しい。また,この厚さが800μmを超えていると、抵抗発熱体層514で発生した熱を加熱回転体51の外周面まで到達させることが難しく,伝熱効率が悪いので好ましくない。
【0032】
離型層516は,加熱回転体51の最外層をなし,加熱回転体51と記録シートとの離型性を高めるための絶縁性の層である。離型層516の材料としては、定着温度での使用に耐えられるとともにトナーに対する離型性に優れたものを使用することができる。例えば、PFA(四フッ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合体)、PTFE(四フッ化エチレン)、FEP(四フッ化エチレン・六フッ化エチレン共重合体)、PFEP(四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体)等のフッ素樹脂を使用することができる。離型層516の厚さは5〜100μm、望ましくは10〜50μmの範囲内のものとするのがよい。
【0033】
図2の説明に戻って、定着ローラ52と加圧ローラ53は、芯金522、532の軸方向両端部521、531が図示しないフレームの軸受部に回転自在に軸支される。加圧ローラ53は、図示しない加圧ローラ駆動モータからの駆動力が伝達されることにより矢印B方向に回転駆動される。この加圧ローラ53の回転に伴って加熱回転体51と定着ローラ52が矢印A方向に従動回転する。
【0034】
定着ローラ52は、長尺で円筒状の芯金522の周囲を断熱層523で被覆されてなり、加熱回転体51の周回経路の内側に配されている。芯金522は、定着ローラ52を支持する部材であり、耐熱性と強度を有する材料から構成される。芯金522の材料としては、例えば、アルミニウム、鉄、ステンレス等を用いることができる。
断熱層523は、加熱回転体51が発熱した熱を芯金522に逃がさないようにするための層である。断熱層523の材料としては、熱伝導率が低く、耐熱性及び弾性を有するゴム材や樹脂材のスポンジ体(断熱構造体)を用いるのが望ましい。加熱回転体51のたわみを許容し、ニップ幅を広くすることができるからである。断熱層523を、ソリッド体とスポンジ体との2層構造にしてもよい。シリコンスポンジ材を断熱層522として用いる場合には、その厚さを1〜10mmとするのが望ましい。さらに望ましくは、2〜7mmとするのがよい。
【0035】
加圧ローラ53は、円筒状の芯金532の周囲に、弾性層533を介して離型層534が積層されてなり、加熱回転体51の周回経路外側に配置され、加熱回転体51の外側から加熱回転体51を介して定着ローラ52を押圧して、加熱回転体51の外周面との間に周方向に所定幅を有する定着ニップ59が形成される。芯金532は、加圧ローラ53を支持する部材であり、耐熱性と強度を有する材料から構成される。芯金532の材料としては、例えば、アルミニウム、鉄、ステンレス等を用いることができる。
【0036】
弾性層533は、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の弾性体で、厚さ1〜20mmの範囲内の耐熱性の高い材料で構成される。離型層534は、離型層516と同様に、加圧ローラ53と記録シートとの離型性を高めるための層であり、離型層516と同様の材料及び厚さで構成することができる。
さらに、図2、図3に示すように加熱回転体51の近傍であって、定着ニップ59の入口側の所定の位置には、微粒子センサ54が配置され、加熱回転体51の外周面の近傍の所定の位置(ここでは、回転軸方向の中央部付近)には、温度センサ55が配置されている。
【0037】
微粒子センサ54は、図2に示すように、発光素子(例えば、LED)54aと受光素子(例えば、フォトトランジスタ)54bから構成される透過型のセンサであり、上記位置における粉煙の濃度(単位時間及び単位体積当たりの粉煙の量)を検出し、制御部60に出力する。
微粒子センサ54によって検出される粉煙には、定着装置5内の埃、記録シートの紙粉、トナーなどの微粒子や、抵抗発熱体層514が異常発熱した時に発生する煙などの微粒子等が含まれる。微粒子センサ54は、定着装置5内で発生する粉煙の濃度に応じて発光素子54aから受光素子54bに到達する受光量が変動することを利用し、当該変動量を検出することにより、粉煙濃度を検出する。
【0038】
なお、微粒子センサ54の配置位置は、定着装置5内の気流の流路に沿った位置で、加熱回転体51の近傍の位置であればよく、上記の所定の位置に限定されない。
温度センサ55は、周回駆動する加熱回転体51の外周面の周方向の表面温度を所定の時間間隔で検出し、制御部60に検出結果を出力する。温度センサ55としては、例えば、赤外線検知型のサーモパイルを用いることができる。制御部60は、表面温度の検出結果に基づいて、加熱回転体51への通電のオン・オフを、後述する電源制御部6を介して制御し、表面温度が所定の温度(例えば、定着温度(約160℃〜180℃))になるように制御する。
【0039】
[3]制御部の構成
図5は、制御部60の構成と制御部60による制御対象となる主構成要素との関係を示す図である。制御部60は、所謂コンピュータであって、同図に示されるように、CPU(Central Processing Unit)601、通信インターフェース(I/F)部602、ROM(Read Only Memory)603、RAM(Random Access Memory)604、画像データ記憶部605、パラメータ記憶部606などを備える。
【0040】
通信I/F部602は、LANカード、LANボードといったLANに接続するためのインターフェースである。ROM603には、画像プロセス部3、給紙部4、電源制御部6、微粒子センサ54、温度センサ55、操作パネル7等を制御するためのプログラム、後述する定着装置異常発熱検出処理を実行するためのプログラムなどが格納されている。
RAM604は、CPU601のプログラム実行時のワークエリアとして用いられる。
画像データ記憶部605は、通信I/F部602や不図示の画像読取部を介して入力された、印刷用の画像データを記憶している。CPU601は、ROM603に格納されている各種プログラムを実行することにより、画像プロセス部3、給紙部4、電源制御部6、微粒子センサ54、温度センサ55、操作パネル7等を制御し、さらに、後述する定着装置異常発熱検出処理を実行する。
【0041】
パラメータ記憶部606は、後述する定着装置異常発熱検出処理において用いる各種の閾値、基準値等を記憶している。具体的には、パラメータ記憶部606は、基準回数閾値、異常発熱基準値等を記憶している。
ここで、「基準回数閾値」とは、定着装置5内の粉煙濃度が、所定期間内において、異常発熱基準値を超えた回数に対する閾値であって、異常発熱の発生有無の判定基準となる閾値のことをいう。
【0042】
基準回数閾値には、定着装置5内において異常発熱に起因しない粉煙の発生が少ないことが予測される、非印刷時(ウォームアップ時、後述する待機状態時)における抵抗発熱体層514の異常発熱の判定基準となる高感度用の基準回数閾値と、印刷時における抵抗発熱体層514の異常発熱の判定基準となる低感度用の基準回数閾値の2つがある。高感度用の基準回数閾値は、抵抗発熱体層514に異常発熱が発生したときに、加熱回転体51から発生する粉煙の量に相当する閾値であり、予め実験等により定められている。
【0043】
低感度用の基準回数閾値は、印刷時に発生する抵抗発熱体層514の異常発熱とは無関係に発生する粉煙(記録シートの紙粉や印刷時に飛散するトナー等による粉塵)による、抵抗発熱体層514の異常発熱の誤検出を回避するため、当該無関係に発生する粉煙の量に相当する分だけ、高感度用の基準回数閾値よりも閾値が高くなるように定められている。高感度用の基準回数閾値よりどれくらい高めの閾値にするかについては、例えば、プリンタ1の製造者が予め実験等を行い、当該無関係に発生する粉煙の量を測定することにより、決定し、決定した閾値をパラメータ記憶部606に記憶させる。
【0044】
ここでは、高感度用の基準回数閾値を、5回とし、低感度用の基準回数閾値を、1回とする。又、「異常発熱基準値」は、定着装置5における異常発熱の発生の兆候を推定する指標となる粉煙濃度の基準値のことをいう。異常発熱基準値として、例えば、抵抗発熱体層514における、異常発熱が発生初期の時に、加熱回転体51から生じる粉煙の濃度を用いることができる。ここでは、異常発熱基準値を5mg/m・hとする。
【0045】
電源制御部6は、制御部60から入力される制御信号に基づいて、定着装置5の電源部500への通電のオン・オフを切替える制御を行う。
操作パネル7は、液晶ディスプレイ、液晶ディスプレイに積層されたタッチパネルや各種指示を入力するための操作ボタン等から構成され、タッチパネルや操作ボタン等の操作を介してユーザから各種指示の入力を受け付ける。液晶ディスプレイには、印刷設定画面等の操作画面や印刷結果等の各種表示情報が表示される。
【0046】
[4]定着装置異常発熱検出処理
図6は、制御部60が行う定着装置異常発熱検出処理の動作を示すフローチャートである。制御部60は、電源がオンされると(ステップS601)、所定間隔(例えば、10ミリ秒の間隔)で微粒子センサ54による粉煙濃度の検出値の監視を開始し(ステップS602)、後述するウォームアップ時異常発熱検出処理を行う(ステップS603)。
【0047】
次に制御部60は、印刷待ちの印刷ジョブが受付けられているか否かを判定し(ステップS604)、受付けられている場合には(ステップS604:YES)、印刷待ちの全ての印刷ジョブの実行が終了するまで後述する印刷時異常発熱検出処理を繰り返す(ステップS605、ステップS606:YES)。
ステップS604において、印刷ジョブが受付けられていない場合(ステップS604:NO)、又は、印刷待ちの全ての印刷ジョブの実行が終了した場合には(ステップS606:NO)、後述する待機時異常発熱検出処理を行う(ステップS607)。
【0048】
制御部60は、待機状態に移行してから、所定時間(例えば、30分)経過すると(ステップS608:YES)、制御部60は、新たな印刷ジョブが受け付けられるまでの間、電源制御部6を介して定着装置5の電源部500への電力供給を停止させ、定着装置5を節電(低電力)状態であるスリープ状態に移行させる(ステップS609、ステップS610:NO、ステップS611)。
【0049】
そして、新たに印刷ジョブが受付けられると(ステップS610:YES)、制御部60は、ステップS603の処理に移行する。
次にウォームアップ時異常発熱検出処理(ステップS603)の動作について説明する。図7は、上記動作を示すフローチャートである。制御部60は、電源制御部6を介して定着装置5の電源部500に電力を供給して定着装置5のウォームアップを開始し、微粒子センサ54により検出された粉煙濃度が異常発熱基準値を上回った回数を示す変数tを0に初期化する(ステップS701)。
【0050】
そして、制御部60は、基準回数閾値を、パラメータ記憶部606記憶されている高感度用の基準回数閾値(ここでは、1回とする。)に設定する(ステップS702)。
次に制御部60は、微粒子センサ54から、検出値(粉煙濃度)が入力される毎に、当該検出値がパラメータ記憶部606に記憶されている異常発熱基準値を超えるか否かを判定し(ステップS703)、超える場合には(ステップS703:YES)、変数tを、tに1加算した値に変更し(ステップS704)、tが、ステップS702において設定した高感度用の基準回数閾値に達したか否かを判定する(ステップS705)。
【0051】
一方、ステップS703において、検出値が異常発熱基準値を超えない場合には(ステップS703:NO)、定着装置5の加熱回転体51の表面温度が、目標温度である定着温度に達するまでの間(ステップS706:NOの間)、ステップS703以降の処理を繰り返す。
ステップS705において、tが高感度用の基準回数閾値に達した場合には(ステップS705:YES)、制御部60は、電源制御部6を介して定着装置5の電源部への電力供給を停止させ(ステップS707)、操作パネル7の液晶表示部に「定着装置5が異常発熱をしている」旨を示す警告メッセージを表示させる(ステップS708)。
【0052】
次に印刷時異常発熱検出処理(ステップS605)の動作について説明する。図8は、上記動作を示すフローチャートである。制御部60は、受付けられている印刷待ちの印刷ジョブの実行を開始し、変数tを0に初期化し(ステップS801)、さらに、基準回数閾値を、パラメータ記憶部606に記憶されている低感度用の基準回数閾値(ここでは、5回とする。)に設定する(ステップS802)。
【0053】
次に制御部60は、微粒子センサ54から、検出値(粉煙濃度)が入力される毎に、当該検出値がパラメータ記憶部606に記憶されている異常発熱基準値を超えるか否かを判定し(ステップS803)、超える場合には(ステップS803:YES)、変数tを、tに1加算した値に変更し(ステップS804)、tが、ステップS802において設定した低感度用の基準回数閾値に達したか否かを判定する(ステップS805)。
【0054】
一方、ステップS803において、検出値が異常発熱基準値を超えない場合には(ステップS803:NO)、実行中の印刷ジョブが終了するまでの間(ステップS806:NOの間)、ステップS803以降の処理を繰り返す。
ステップS805において、当該印刷ジョブの実行中にtが低感度用の基準回数閾値に達した場合には(ステップS805:YES)、制御部60は、電源制御部6を介して定着装置5の電源部への電力供給を停止させ(ステップS807)、操作パネル7の液晶表示部に「定着装置5が異常発熱をしている」旨を示す警告メッセージを表示させる(ステップS808)。
【0055】
次に待機時異常発熱検出処理(ステップS607)の動作について説明する。図9は、上記動作を示すフローチャートである。制御部60は、定着装置の加熱回転体51の表面温度を、すぐに熱定着を行うことが可能な所定の温度(例えば、定着温度(約160〜180℃)又は、定着温度より10〜20℃程度低い温度)に維持した状態(以下、「待機状態」という。)に移行するとともに、変数tを0に初期化する(ステップS901)。
【0056】
そして、制御部60は、基準回数閾値を、パラメータ記憶部606に記憶されている高感度用の基準回数閾値(ここでは、1回とする。)に設定する(ステップS902)。
次に制御部60は、微粒子センサ54から、検出値(粉煙濃度)が入力される毎に、当該検出値がパラメータ記憶部606に記憶されている異常発熱基準値を超えるか否かを判定し(ステップS803)、超える場合には(ステップS903:YES)、変数tを、tに1加算した値に変更し(ステップS904)、tが、ステップS902において設定した高感度用の基準回数閾値に達したか否かを判定する(ステップS905)。
【0057】
一方、ステップS903において、検出値が異常発熱基準値を超えない場合には(ステップS903:NO)、新たな印刷指示の入力があるまでの間(ステップS906:NOの間)、ステップS903以降の処理を繰り返す。
ステップS905において、tが高感度用の基準回数閾値に達した場合には(ステップS905:YES)、制御部60は、電源制御部6を介して定着装置5の電源部への電力供給を停止させ(ステップS907)、操作パネル7の液晶表示部に「定着装置5が異常発熱をしている」旨を示す警告メッセージを表示させる(ステップS908)。
(変形例)
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明が上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例を実施することができる。
【0058】
(1)本実施の形態の定着装置異常発熱検出処理においては、微粒子センサ54によって検出される粉煙濃度が、異常発熱基準値を超えた回数をカウントして、カウントした回数が基準回数閾値に達したか否かにより、抵抗発熱体層514の異常発熱を検出することとしたが、直接粉煙濃度を閾値と比較して抵抗発熱体層514の異常発熱を検出することとしてもよい。
【0059】
具体的には、パラメータ記憶部606に高感度用、低感度用の回数閾値の代わりに、粉煙濃度の閾値(例えば、高感度用の閾値として1mg/m・hを、低感度用の閾値として5mg/m・h)を記憶させ、微粒子センサ54によって検出される粉煙濃度が、高感度用の閾値又は低感度用の閾値に達したか否かにより、抵抗発熱体層514の異常発熱を検出することとしてもよい。
【0060】
(2)本実施の形態においては、制御部60が、定着装置異常発熱検出処理を行うこととしたが、定着装置5内に、CPU等から構成される制御部を別に設け、当該制御部が、定着装置異常発熱検出処理を行うこととしてもよい。
(3)本実施の形態においては、印刷時異常発熱検出処理において、抵抗発熱体層514の異常発熱を検出するための判定基準は、印刷される記録シートの質や大きさに関わらず同一としたが、記録シートの質や大きさに応じて印刷時に発生する紙粉量は、異なるので、記録シートの質や大きさに応じて判定基準を変えることとしてもよい。
【0061】
例えば、基準回数閾値を、記録シートが上質紙の場合は、4回、普通紙の場合は、5回、再生紙の場合には6回というように、印刷される記録シートの紙質に応じて上記判定基準を変化させることとしてもよい。或いは、基準回数閾値を、記録シートの大きさがA3の場合は、6回、A4の場合は、5回、A5の場合は4回というように、印刷される記録シートの大きさに応じて上記判定基準を変化させることとしてもよい。又、(1)の変形例の場合においても、同様に、記録シートの質や大きさに応じて判定基準を変えることとしてもよい。
【0062】
これにより、印刷される記録シートの質や大きさに応じた紙粉量に対応するように、異常発熱の判定基準が調整されるので、印刷される記録シートの質や大きさが変わっても、異常発熱の検出精度が低下しないようにすることができる。
(4)本実施の形態においては、印刷時異常発熱検出処理において、抵抗発熱体層514の異常発熱を検出するための判定基準は、トナーの劣化度に関わらず同一としたが、トナーの飛散量は、トナーの劣化とともに増加する傾向があるので、印刷に用いるトナーの劣化度合いに応じて上記判定基準を変化させることとしてもよい。
【0063】
具体的には、トナーの劣化度を、トナーの製造日からの経過日数をカウントすることにより、推定し、経過日数の増加に応じて、基準回数閾値が段階的に大きくなるように、判定基準を設定することとしてもよい。又、(1)の変形例の場合においても、同様にして判定基準を設定することとしてもよい。
これにより、トナーの劣化の進行に伴うトナー飛散量の増加の影響が相殺されるように、異常発熱の判定基準が調整されるので、異常発熱の検出精度がトナーの劣化の進行により低下しないようにすることができる。
【0064】
(5)本実施の形態においては、微粒子センサ54を加熱回転体51の近傍に配置して粉煙量を測定することとしたが、加熱回転体51の近傍の、定着装置5内の気流の流路に沿った位置にダクトを配置し、当該ダクト内に微粒子センサ54を配置し、粉煙をダクト内に導いた後に微粒子センサ54を用いて粉煙量を測定することとしてもよい。
(6)本実施の形態の定着装置異常発熱検出処理においては、抵抗発熱体層514の異常発熱が有った場合に、その旨を示す警告メッセージを表示させることとしたが、警告メッセージを表示させる代わりに音声メッセージを流すこととしてもよい。又、光等を発光させることにより、警告することとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明は、プリンタ、複写機等の画像形成装置に関し、特に抵抗発熱体を用いて未定着画像を熱定着させる画像形成装置における抵抗発熱体の異常発熱を検出する技術として利用できる。
【符号の説明】
【0066】
1 プリンタ
3 画像プロセス部
3Y〜3K 作像部
4 給紙部
5 定着装置
6 電源制御部
7 操作パネル
10 露光部
11 中間転写ベルト
12 駆動ローラ
13 従動ローラ
31Y 感光体ドラム
32Y 帯電器
33Y 現像器
34Y 1次転写ローラ
35Y クリーナ
41 給紙カセット
42 繰り出しローラ
43 搬送路
44 タイミングローラ
45 2次転写ローラ
46 2次転写位置
51 加熱回転体
52 定着ローラ
53 加圧ローラ
54 微粒子センサ
55 温度センサ
56 枠体
59 定着ニップ
60 制御部
71 排出ローラ
72 排紙トレイ
500 電源部
501、502 給電ブラシ
511、512 電極
513 絶縁層
514 抵抗発熱体層
515、533 弾性層
516、534 離型層
521、531 芯金端部
522、532 芯金
523 断熱層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通電によりジュール発熱する抵抗発熱体の発する熱を利用して記録シート上の未定着画像を熱定着させる定着装置を有する画像形成装置であって、
前記定着装置内において発生する粉煙の量を監視する監視手段と、
前記定着装置内の粉煙の量が、設定されている閾値を超えるか否かにより、抵抗発熱体の異常発熱の有無を判定する異常発熱判定手段と、
非印刷時においては、前記異常発熱の有無の判定に用いる閾値を第1の閾値に設定し、
印刷時においては、前記異常発熱とは無関係に発生する粉煙による誤判定を回避するため、前記異常発熱の有無の判定に用いる閾値を、当該粉煙の量に相当する分だけ第1の閾値よりも高い第2の閾値に設定する閾値制御手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記監視手段は、
前記定着装置内の粉煙濃度を繰り返し測定する測定手段と、
測定した粉煙濃度の値が、所定期間内において、基準値より高くなる回数を、前記粉煙の量としてカウントするカウント手段と、
を有し、
前記異常発熱の有無の判定に用いる閾値は、前記回数についての閾値である
ことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記監視手段は、前記定着装置内の粉煙濃度を測定することにより、前記粉煙の量を監視し、
前記異常発熱の有無の判定に用いる閾値は、粉煙濃度についての閾値である
ことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記異常発熱が検出された場合に、前記定着装置への電力供給を停止する停止手段
を備えることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記異常発熱が検出された場合に、その旨の報知をする報知手段
を備えることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
通電によりジュール発熱する抵抗発熱体の発する熱を利用して記録シート上の未定着画像を熱定着させる定着装置であって、
自装置内において発生する粉煙の量を監視する監視手段と、
自装置内の粉煙の量が、予め決められた閾値を超えるか否かにより、抵抗発熱体の異常発熱の有無を判定する異常発熱判定手段と、
非印刷時においては、前記異常発熱の有無の判定に用いる閾値を第1の閾値に設定し、
印刷時においては、印刷時に前記異常発熱とは無関係に発生する粉煙による誤判定を回避するため、前記異常発熱の有無の判定に用いる閾値を、当該粉煙の量に相当する分だけ第1の閾値よりも高い第2の閾値に設定する閾値制御手段と、
を備えることを特徴とする定着装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−108412(P2012−108412A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−258682(P2010−258682)
【出願日】平成22年11月19日(2010.11.19)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】