説明

画像形成装置及び接触異常検出方法

【課題】基準抵抗の温度変化に対応してコネクタにおける接触抵抗の異常を的確に検出する。
【解決手段】本体部200に着脱可能に構成されたオプション機器63と、オプション機器63に電力供給を行う電源装置61と、本体部200におけるオプション機器63が装着される場所に設けられ、オプション機器63と電源装置61とを電気的に接続するコネクタ64と、電源装置61とコネクタ64との間に直列に接続される、基準抵抗Raと基準抵抗Raの温度特性とは逆の温度特性を有する整流素子Daとを備え、基準抵抗Raと整流素子Daとの合成抵抗Racにより生じる電位差Vaとコネクタ64における接触抵抗Rbにより生じる電位差Vbの大小関係に基づいて接触抵抗Rbの異常を検出する接触異常検出部41,62と、を備えてなる画像形成装置1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に着脱可能なオプション機器と電源装置との電気的な接続箇所における接触抵抗の異常を検出する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機、プリンタ、ファクシミリ機等の画像形成装置において、複数種類のオプション機器を着脱可能なものが知られている。このような画像形成装置は、装着されたオプション機器を動作させるために、装置本体に備えられた電源装置からオプション機器毎に定められた電力を供給可能に構成されている。このため、装置本体におけるオプション機器を装着する場所には、電源装置とオプション機器とを電気的に接続するコネクタが設けられている。
【0003】
しかし、例えば、オプション機器が適切に装着されなかった場合や、オプション機器の脱着が繰り返されることによってコネクタが磨耗した場合等、コネクタにおける電気的な接触抵抗が増加した場合に、オプション機器に適切に電力を供給することが困難となる。
【0004】
そこで、従来から、このような画像形成装置には、コネクタにおける接触抵抗の異常状態を検出する回路等が設けられている。例えば、下記特許文献1では、予め定められた抵抗値を有する基準抵抗とコネクタとを直列に接続し、基準抵抗により生じる電位差とコネクタにおける接触抵抗により生じる電位差の大小関係に基づいて、コネクタの接触抵抗の異常を検出する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−33261号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、基準抵抗に電流が流れる際に生じる発熱や基準抵抗の周囲温度の変化等、基準抵抗の温度変化に応じて、基準抵抗の抵抗値が変動する虞があった。このため、基準抵抗の温度変化に応じて基準抵抗により生じる電位差に変動が生じ、コネクタにおける接触抵抗の異常を的確に検出することができない虞があった。
【0007】
そこで、本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、基準抵抗の温度変化に対応して、コネクタにおける接触抵抗の異常を的確に検出することができる画像形成装置及び接触異常検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、当該画像形成装置の本体部に着脱可能に構成されたオプション機器と、
前記本体部に装着された前記オプション機器に電力供給を行う電源装置と、
前記本体部における前記オプション機器が装着される場所に設けられ、当該オプション機器と前記電源装置とを電気的に接続するコネクタと、
前記電源装置と前記コネクタとの間に直列に接続される、基準抵抗と前記基準抵抗の温度特性とは逆の温度特性を有する整流素子と、を備え、前記基準抵抗と前記整流素子との合成抵抗により生じる電位差と前記コネクタにおける接触抵抗により生じる電位差の大小関係に基づいて、前記接触抵抗の異常を検出する接触異常検出部と、
を備えてなる画像形成装置である。
【0009】
また、請求項3に記載の発明は、当該画像形成装置の本体部に着脱可能に構成されたオプション機器と、前記本体部に装着された前記オプション機器に電力供給を行う電源装置と、前記本体部における前記オプション機器が装着される場所に設けられ、当該オプション機器と前記電源装置とを電気的に接続するコネクタと、前記電源装置と前記コネクタとの間に直列に接続される、基準抵抗と前記基準抵抗の温度特性とは逆の温度特性を有する整流素子と、を備えた画像形成装置において、
前記基準抵抗と前記整流素子との合成抵抗により生じる電位差と前記コネクタにおける接触抵抗により生じる電位差の大小関係に基づいて、前記接触抵抗の異常を検出する接触異常検出方法である。
【0010】
これらの発明では、例えば、基準抵抗が高温になると抵抗値を高めるような温度特性を示す場合に、これとは反対に、温度が高くなると抵抗値を低める温度特性を示す整流素子が当該基準抵抗及びコネクタと直列に接続されるため、当該基準抵抗と当該整流素子との合成抵抗により生じる電位差が基準抵抗の温度変化に応じて変動する度合いは軽減される。
【0011】
このため、予め定められた基準抵抗のみにより生じる電位差とコネクタにおける接触抵抗により生じる電位差の大小関係に基づいて、コネクタの接触抵抗の異常を検出する場合に比して、基準抵抗に電流が流れる際に生じる発熱や基準抵抗の周囲温度の変化等、基準抵抗の温度変化に対応して、的確にコネクタの接触抵抗の異常を検出することができるようになる。
【0012】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置であって、前記接触異常検出部は、前記オプション機器が前記本体部に装着されたことが検出された場合に、前記接触抵抗の異常を検出する。
【0013】
この発明では、オプション機器が本体部に装着されたことが検出された場合に、接触異常検出部によってコネクタの接触抵抗の異常が検出される。このため、例えば、オプション機器が適切に装着されなかった場合や、オプション機器の脱着が繰り返されることによってコネクタが磨耗した場合等、コネクタにおける接触抵抗が増加した場合に、オプション機器に適切に電力を供給することが困難となる事態を事前に回避できるようになる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、基準抵抗の温度変化に対応して、コネクタにおける接触抵抗の異常を的確に検出することができる画像形成装置及び接触異常検出方法を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明における画像形成装置の一例としての複写機を示す側断面概略図。
【図2】複写機の電気的構成を示すブロック図。
【図3】接触異常検出回路の回路構成図。
【図4】コネクタにおける接触抵抗の異常を検出する動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明における画像形成装置について図面を参照して説明する。尚、本実施形態では画像形成装置の一例として複写機を例に説明するが、これに限らず、プリンタ機、ファクシミリ等や各機能を備えた複合機であってもよい。
【0017】
複写機1は、本体部200と、本体部200の左側に配設された用紙後処理部300と、ユーザが種々の操作指令等を入力するための操作部400と、本体部200の上部に配設された原稿読み取り部500と、原稿読み取り部500の上方に配設された原稿給送部600とから構成される。
【0018】
操作部400は、タッチパネル401、スタートキー402及びテンキー403等を備える。タッチパネル401は、拡縮率の設定用画面を含む種々の操作画面を表示するとともに、ユーザが種々の操作指令を入力するための種々の操作ボタン等を表示する。スタートキー402は、ユーザが印刷実行指令等を入力するために用いられ、テンキー403は、印刷部数等を入力するために用いられる。
【0019】
原稿給送部600は、原稿載置部601、原稿排出部602、給紙ローラ603及び原稿搬送部604等を備え、原稿読み取り部500は、スキャナ501等を備える。給紙ローラ603は、原稿載置部601にセットされた原稿を繰り出し、原稿搬送部604は、繰り出される原稿を1枚ずつ順にスキャナ501上に搬送する。スキャナ501は搬送される原稿を順次読み取り、読み取られた原稿は原稿排出部602に排出される。
【0020】
本体部200は、複数の給紙カセット201、複数の給紙ローラ202、転写ローラ203、中間転写体ローラ204、感光体ドラム205、露光装置206、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色用の現像装置207Y,207M,207C,207K、定着ローラ208、排出口209、及び排出トレイ210を備える。
【0021】
感光体ドラム205は、図中の矢印方向に回転しながら図略の帯電装置によって一様に帯電される。露光装置206は、原稿読み取り部500において読み取られた原稿の画像データに基づいて生成された変調信号をレーザ光に変換して出力し、感光体ドラム205に各色別に静電潜像を形成する。現像装置207Y,207M,207C,207Kは、各色の現像剤を感光体ドラム205に供給して各色別のトナー画像を形成する。中間転写体ローラ204は、感光体ドラム205から各色のトナー像を転写され、中間転写体ローラ204上にカラーのトナー像が形成される。
【0022】
一方、給紙ローラ202は、記録紙が収納された給紙カセット201から記録紙を引き出し、転写ローラ203まで給送する。転写ローラ203は、搬送された記録紙に中間転
写体ローラ204上のトナー像を転写させ、定着ローラ208は、転写されたトナー像を加熱して記録紙に定着させる。その後、記録紙は、本体部200の排出口209から用紙後処理部300に搬入される。また、記録紙は、必要に応じて排出トレイ210へも排出される。
【0023】
用紙後処理部300は、搬入口301、記録紙搬送部302、搬出口303及びスタックトレイ304等を備える。記録紙搬送部302は、排出口209から搬入口301に搬入された記録紙を順次搬送し、最終的に搬出口303からスタックトレイ304へ記録紙を排出する。スタックトレイ304は、搬出口303から搬出された記録紙の集積枚数に応じて矢印方向に上下動可能に構成されている。
【0024】
図2は、図1に示す複写機1の電気的構成を示すブロック図の一例である。複写機1は、スキャナ部11、プリンタ部21、操作パネル部31、制御部41、パラレルI/F部51、シリアルI/F部52、HDD(ハードディスクドライブ)53、電源装置61、及び、接触異常検出回路62を備えている。また、複写機1は、本体部200にオプション機器63を装着して、当該複写機1の機能動作部として稼働可能に構成されている。
【0025】
スキャナ部11は、図1に示すスキャナ501を構成する照明用光源12及びイメージセンサ13を含む。イメージセンサ13は、例えばCCD(電荷結合素子)を備える。スキャナ部11は、照明用光源12により原稿を照射し、その反射光をイメージセンサ13で受光することにより、原稿から画像を読み取り、読み取った画像に対応する画像データ(画像情報に相当する)を制御部41へ出力する。
【0026】
プリンタ部21は、図1に示す給紙カセット201及び給紙ローラ202等から構成される用紙搬送部22、図1に示す中間転写体ローラ204、感光体ドラム205、露光装置206及び現像装置207Y,207M,207C,207K等から構成される画像形成部23、図1に示す転写ローラ203等から構成される転写部24、及び図1に示す定着ローラ208等から構成される定着部25を含む。
【0027】
具体的には、用紙搬送部22は記録紙を画像形成部23へ搬送し、画像形成部23は上記の画像データに対応するトナー像を形成し、転写部24はトナー像を記録紙に転写し、定着部25はトナー像を記録紙に定着させて画像を形成する。
【0028】
操作パネル部31は、図1に示すタッチパネル401等から構成されるタッチパネル部32、及び図1に示すスタートキー402及びテンキー403等から構成される操作キー部33を含む。
【0029】
操作パネル部31は、ユーザがコピー機能に関する操作を行なうために使用され、ユーザによる操作指令等を制御部41に与える。タッチパネル部32は、タッチパネルとLCD(Liquid Crystal Display)とを組み合わせたタッチパネルユニット等から構成され、種々の操作画面、例えば、拡縮率設定等に関する情報を表示するとともに、ユーザが当該部分をタッチすることにより種々の操作指令を入力するための操作ボタン等を表示する。操作キー部33は、ユーザが印刷実行指令等を入力するために用いられる。
【0030】
制御部41は、マイクロコンピュータ及び専用のハードウェア回路等を内蔵し、装置全体の動作を制御するものである。制御部41は、複数ページの読み取り画像情報に対して、ページ毎に所定(例えば、圧縮、回転、濃度変更等)の加工処理を施すものであって、読み取り画像情報の読み出し及び加工処理後の画像情報の書き込みを制御するものである。尚、加工処理の種類は、タッチパネル部32からの入力が受け付けられて選択される。
【0031】
HDD53は、スキャナ部11によって読み取られた画像データ及び当該画像データに設定されている出力形式及び種々の画像処理(加工処理)後の画像データ等を記憶するものである。なお、画像データのHDD53への書き込み及びHDD53からの画像データの読み出しは、制御部41からの指令に従って実行される。
【0032】
パラレルI/F部51およびシリアルI/F部52、さらに無線LAN等の図略のネットワークインタフェース部は、外部のコンピュータに対してデータの入出力を行うためのインタフェースである。
【0033】
電源装置61は、制御部41による制御の下、プリンタ部21や後述する本体部200に装着されたオプション機器63等の複写機1に備えられた各機能動作部に電力供給を行う。
【0034】
オプション機器63は、本体部200に着脱可能に構成されている。本体部200におけるオプション機器63が装着される場所には、当該オプション機器63と電源装置61とを電気的に接続するコネクタが設けられている。
【0035】
画像形成装置は、一般的に様々なオプション機器63が電気的に接続可能に構成されており、例えば、本実施形態に示す複写機1では、原稿給送部600、給紙カセット201、或いは、図略のフィニッシャ(パンチ或いはステイプラ等の機能を有する後処理部)をオプション機器63とすることができる。また、プリンタ機であれば、シートフィーダ、はがきフィーダ等をオプション機器63とすることが可能である。
【0036】
接触異常検出回路62は、図3に示すように、電源装置61とコネクタ64との間に直列に接続される基準抵抗Raと、基準抵抗Ra及びコネクタ64との間に直列に接続され、基準抵抗Raの温度特性とは逆の温度特性を有する整流素子Daと、基準抵抗Raと整流素子Daとの合成抵抗Racにより生じる電位差Vaを増幅する反転増幅回路OP1と、コネクタ64における接触抵抗Rbにより生じる電位差Vbを増幅する反転増幅回路OP2と、反転増幅回路OP1の出力値と反転増幅回路OP2の出力値の大小関係を示す制御信号を制御部41に出力するコンパレータCPとを備えている。
【0037】
基準抵抗Raは、電源装置61から供給される電流によって温度が高まった場合や、周囲温度が高温であった場合等、基準抵抗Raの温度が高くなった場合に抵抗値を高める温度特性を有し、これとは反対に、整流素子Daは、整流素子Daの温度が高くなった場合に抵抗値を低くする温度特性を有している。これとは反対に、基準抵抗Raが基準抵抗Raの温度が高くなった場合に抵抗値を低くする温度特性を有している場合には、整流素子Daは、整流素子Daの温度が高くなった場合に抵抗値を高める温度特性を有するものが備えられる。
【0038】
尚、基準抵抗Ra及び整流素子Daの合成抵抗Racは、電源装置61から供給される電力の電圧値と、オプション機器63に対して供給する所定の電流量に応じて、予め定められている。
【0039】
つまり、接触異常検出回路62は、互いに逆の温度特性を示す基準抵抗Raと整流素子Daとを直列に接続して構成することにより、互いの温度特性を相殺して、当該基準抵抗Raと当該整流素子Daとの合成抵抗Racが温度変化に応じて変動する度合いを軽減することができる。このため、周囲温度の変動した場合であっても、温度変化に応じて変動する度合いが軽減された合成抵抗Racによって、安定的にオプション機器63に所定の電力を供給することができる。
【0040】
図3に戻り、反転増幅回路OP1,OP2に備えられた抵抗R1,R2,R3,R4の抵抗値は、反転増幅回路OP1の出力信号が示す電圧レベルが、予め定められた接触抵抗Rbにより生じる電位差Vbを増幅した際の反転増幅回路OP2の出力信号が示す電圧レベルよりも、低くなるように予め設定されている。ここで、予め定められた接触抵抗Rbとは、接触抵抗Rbの値が予め定められた所定値を超えた場合に、コネクタ64に接触異常が発生しているとする閾値を示すものである。
【0041】
コンパレータCPは、反転増幅回路OP1,OP2の出力信号の電圧レベルの大小関係を比較し、反転増幅回路OP2の出力信号の電圧レベルが、反転増幅回路OP1の出力信号の電圧レベルよりも小さい場合は、反転せずに正の電圧レベルを示す出力信号を制御部41に出力する。これとは反対に、反転増幅回路OP2の出力信号の電圧レベルが、反転増幅回路OP1の出力信号の電圧レベルよりも大きい場合は、反転して負の電圧レベルを示す出力信号を制御部41に出力する。
【0042】
したがって、コネクタ64における接触抵抗Rbに異常が発生した場合には、接触抵抗Rbが増大して上記の予め定められた所定値を超えた抵抗値を示すようになり、これに伴って、反転増幅回路OP2の出力信号の電圧レベルが上昇することにより、コンパレータCPが反転して負の電圧レベルの出力信号が制御部41に出力される。つまり、制御部41は、コンパレータCPから負の電圧レベルの出力信号が入力された場合に、コネクタ64における接触抵抗Rbに異常が発生したことを検出する。
【0043】
以下では、制御部41及び接触異常検出回路62が、接触抵抗Rbの異常を検出する動作の流れについて説明する。
【0044】
図4に示すように、本体部200のコネクタ64にオプション機器63が装着され、複写機1の電源が投入されると、接触異常検出回路62に備えられた基準抵抗Raと整流素子Daとの合成抵抗Racにより生じる電位差Vaが反転増幅回路OP1で増幅され(S1)、コネクタ64における接触抵抗Rbにより生じる電位差Vbが反転増幅回路OP2で増幅される(S2)。
【0045】
続いて、反転増幅回路OP1及び反転増幅回路OP2の出力信号がコンパレータCPに入力されると、コンパレータCPは、反転増幅回路OP2の出力信号の電圧レベルが反転増幅回路OP1の出力信号の電圧レベルよりも大きい場合に、負の電圧レベルの出力信号を制御部41に出力する(S3;YES)。
【0046】
制御部41は、コンパレータCPから負の電圧レベルの出力信号が入力されると、タッチパネル部32にコネクタ64における接触抵抗Rbに異常が発生した旨を表示する等の方法で、コネクタ64における接触抵抗Rbに異常が発生したことをユーザに報知する(S4)。
【0047】
つまり、制御部41及び接触異常検出回路62により、本発明における接触異常検出部の一例が構成されている。
【0048】
尚、図3に示す接触異常検出回路62の回路構成は例示にすぎず、これに限定する趣旨ではない。例えば、コンパレータCPを設けずに、反転増幅回路OP1,OP2の出力信号であるアナログ信号をディジタル信号に変換するA/D変換機器を設け、当該A/D変換機器から出力されるディジタル信号を制御部41に出力するように構成してもよい。これに合わせて、制御部41は、当該ディジタル信号の示す電圧レベルの大小関係に基づいて接触抵抗Rbの異常を検出するように構成してもよい。
【0049】
また、上記の構成に加えて、接触異常検出部41,62は、オプション機器63が本体部200に装着されたことが検出された場合に、接触抵抗Rbの異常を検出するように構成してもよい。
【0050】
本構成は、例えば、コネクタ64の周辺に、オプション機器63が装着されたか否かを示す検出信号を制御部41に出力する着脱センサを設け、これに合わせて、制御部41は、コネクタ64にオプション機器63が装着されたことを示す検出信号が当該着脱センサから入力された場合に、上記のステップS1からS4で示される接触抵抗Rbの異常を検出する動作を開始するようにして構成することができる。尚、着脱センサは、例えば、オプション機器63とコネクタ64との距離を測定可能なPIセンサを用いて構成することができる。
【0051】
本構成によれば、オプション機器63が本体部200(コネクタ64)に装着されたことが検出された場合に、コネクタの接触抵抗の異常が検出される。このため、例えば、オプション機器63が適切に装着されなかった場合や、オプション機器の脱着が繰り返されることによってコネクタが磨耗した場合等、コネクタにおける接触抵抗が増加した場合に、オプション機器63に適切に電力を供給することが困難となる事態を事前に回避できるようになる。
【0052】
尚、上記実施形態において図1乃至図4に示した構成及び設定は単なる一例に過ぎず、本発明を当該実施形態に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0053】
1 複写機(画像形成装置)
41 制御部(接触異常検出部)
61 電源装置
62 接触異常検出回路(接触異常検出部)
63 オプション機器
64 コネクタ
200 本体部
Ra 基準抵抗
Da 整流素子
Rac 合成抵抗
Rb 接触抵抗
Va 合成抵抗により生じる電位差
Vb 接触抵抗により生じる電位差

【特許請求の範囲】
【請求項1】
当該画像形成装置の本体部に着脱可能に構成されたオプション機器と、
前記本体部に装着された前記オプション機器に電力供給を行う電源装置と、
前記本体部における前記オプション機器が装着される場所に設けられ、当該オプション機器と前記電源装置とを電気的に接続するコネクタと、
前記電源装置と前記コネクタとの間に直列に接続される、基準抵抗と前記基準抵抗の温度特性とは逆の温度特性を有する整流素子と、を備え、前記基準抵抗と前記整流素子との合成抵抗により生じる電位差と前記コネクタにおける接触抵抗により生じる電位差の大小関係に基づいて、前記接触抵抗の異常を検出する接触異常検出部と、
を備えてなる画像形成装置。
【請求項2】
前記接触異常検出部は、前記オプション機器が前記本体部に装着されたことが検出された場合に、前記接触抵抗の異常を検出する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
当該画像形成装置の本体部に着脱可能に構成されたオプション機器と、前記本体部に装着された前記オプション機器に電力供給を行う電源装置と、前記本体部における前記オプション機器が装着される場所に設けられ、当該オプション機器と前記電源装置とを電気的に接続するコネクタと、前記電源装置と前記コネクタとの間に直列に接続される、基準抵抗と前基準抵抗の温度特性とは逆の温度特性を有する整流素子と、を備えた画像形成装置において、
前記基準抵抗と前記整流素子との合成抵抗により生じる電位差と前記コネクタにおける接触抵抗により生じる電位差の大小関係に基づいて、前記接触抵抗の異常を検出する接触異常検出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−137642(P2012−137642A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−290387(P2010−290387)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】