説明

画像形成装置及び現像装置

【課題】両面印刷において、用紙先端にカールが生じていても、用紙を円滑に搬送すること。
【解決手段】感光体ドラム21と転写ローラ28の間の転写位置Tに搬送路12を介して用紙Pを搬送し、感光体ドラム21から用紙Pへ現像の転写を行う画像形成装置100において、現像装置外装35における搬送路12側に、転写位置Tに向かって傾斜して設けられた傾斜ガイド面36と、搬送路12上に設けられ、搬送路12上を搬送される用紙Pの先端を傾斜ガイド面36に向かってガイドするガイド部材1を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子写真プリンタ等の画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真プリンタ等の画像形成装置において、両面印刷を可能にする技術がある。電子写真プリンタの両面印刷は、まず用紙の第1面に電子写真法でトナー像を転写し、定着装置でトナー像を定着した後、用紙を反転させて第2面にトナー像を転写する。そして、再度定着装置でトナー像を定着した後、用紙を排出することで両面印刷を行っていた。電子写真プリンタは、定着装置から発生する熱により電子写真プリンタ装置の内部温度が上昇するとともに、定着装置を通過した用紙は加熱により高温となっている。
【0003】
特開2010−102173(特許文献1)には、画像形成ユニットの内部温度上昇を抑え、画像形成不良を発生させないようにする技術が開示されている。特許文献1によると、装置内部の温度を検出する温度センサを設け、温度センサにより所定の温度を検出した場合、用紙搬送手段の内部に用紙の搬送を保留するように制御するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−102173号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の電子写真プリンタ等の画像形成装置における両面印刷技術によれば、第1面を印刷した後、定着装置を一度通過するために、用紙がカールしている場合がある。そのため第2面を印刷するとき、用紙先端にカールが生じている用紙を円滑に搬送することが困難であるという問題があった。更に、用紙先端にカールが生じている用紙を転写部材の転写位置に円滑に搬送できないことから、転写位置において転写不良が生じるおそれがあるという問題があった。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、電子写真プリンタ等の画像形成装置における両面印刷において、用紙先端にカールが生じていても、用紙を円滑に搬送することにより用紙ジャムを防ぎ、同時に転写不良を生ずることなく品位の高い画像を形成することの出来る画像形成装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明に関する画像形成装置は、現像装置と転写部材の間の転写位置に搬送路を介して記録媒体を搬送し、前記現像装置から前記記録媒体へ現像の転写を行う画像形成装置において、前記現像装置外装における前記搬送路側に、前記転写位置に向かって傾斜した傾斜ガイド面を設け、更に、前記搬送路上に設けられ、前記搬送路上を搬送される前記記録媒体の先端を前記傾斜ガイド面に向かってガイドするガイド部材を備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
上記構成を有する本発明によれば、搬送路上を搬送される記録媒体は、ガイド部材によって、現像装置外装に設けられた傾斜ガイド面に向かってガイドされ、更に、傾斜ガイド面に突き当たった用紙は、その後、現像装置と転写部材の間の転写位置に向かってガイドされるので、用紙先端にカールが生じていても、用紙を円滑に転写位置に搬送することにより用紙ジャムを防ぎ、同時に転写不良を生ずることなく品位の高い画像を形成することの出来る画像形成装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の実施の形態に関する媒体搬送機構の説明図である。
【図2】第1の実施の形態に関する画像形成装置100の概略構成図である。
【図3】画像形成装置100の画像形成ユニット10の構成図である。
【図4】第1の実施の形態に関する媒体搬送機構の斜視図である。
【図5】同じく第1の実施の形態に関する媒体搬送機構の説明図である。
【図6】同じく第1の実施の形態に関する媒体搬送機構の説明図である。
【図7】第2の実施の形態に関する媒体搬送機構の説明図である。
【図8】第2の実施の形態に関する媒体搬送機構の斜視図である。
【図9】第2の実施の形態に関する下ガイド9の位置の切替えを制御する制御部のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態について説明する。図2は第1の実施の形態に関する電子写真プリンタ等の画像形成装置100の概略構成図である。同図に示されるように、画像形成装置100の装置本体の下部には、記録媒体としての用紙Pを収容する媒体収容部としての給紙カセット18が配設されている。用紙Pの給紙機構は、給紙カセット18の用紙Pを給紙する給紙ローラ11a、11b及び給紙された用紙Pを搬送する一対の搬送ローラ11c、11dを備える。
【0011】
現像装置としてのイメージドラムユニット20K、20Y、20M、20Cは、上流よりこの順で配置され、基本的には同一の構成を有する。各イメージドラムユニット20K、20Y、20M、20Cはブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各色の現像剤としてのトナーを格納し、感光体ドラム21K、21Y、21M、21C等を有する。感光体ドラム21K、21Y、21M、21Cには前記トナーによって現像が行われる。
【0012】
更に、静電潜像担持体としての感光体ドラム21K、21Y、21M、21Cと、これに対向させて配設された転写部材としての転写ローラ28a、28b、28c、28dを備える。用紙搬送路12は、各イメージドラムユニット20K、20Y、20M、20Cと各転写ローラ28a、28b、28c、28dとの間の各転写位置Tを通り、定着ユニットEへ至る。用紙搬送路12の搬送方向において、各イメージドラムユニット20K、20Y、20M、20Cの各感光体ドラム21K、21Y、21M、21Cの上流側手前には、本実施の形態に関するガイド部材としての下ガイド1a、1b、1c、1dが設けられる。また、用紙搬送路12には、各感光体ドラム21K、21Y、21M、21Cと各下ガイド1a、1b、1c、1dとの間隙には、直線形状の直線搬送ガイド13が設けられる。
【0013】
前記転写位置Tにおいて、前記感光体ドラム21と前記転写ローラ28によって、感光体ドラム21上に形成されたトナー像が用紙Pに転写される。転写はブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各色のトナーが用紙P上に順次重ねて転写されることにより画像形成が行われる。
【0014】
定着ユニットEは加熱かつ加圧によって、カラーのトナー像を用紙Pに定着させる。そして、定着ユニットEによって定着された用紙Pを装置本体外に排出されるための一対の搬送ローラ11e及び一対の排出搬送ローラ11fを備える。一方、両面印刷の第1面を印刷された用紙Pは、用紙Pを反転するための用面印刷ユニットに搬送される。なお、定着ユニットEを通過した用紙Pは、通常、定着ユニットEの加熱作用によってカールされている場合が多い。
【0015】
両面印刷ユニットは、一対の用紙反転用搬送ローラ11g〜11mと、可動式の用紙反転用記録紙走行ガイド15a、15bにより構成される。両面印刷ユニットを用いることによって第1面に画像形成を行なった用紙Pを反転させ、第2面に再度画像形成を行なうことができる。
【0016】
図3は画像形成装置100の画像形成ユニット10の構成図である。画像形成ユニット10は、イメージドラムユニット20、電源ユニット30、LEDヘッドからなる露光装置23及び転写ローラ28から構成される。イメージドラムユニット20は感光体ドラム21、帯電ローラ22、現像ローラ24、供給ローラ25、トナー規制部材26、クリーニング装置27から構成される。電源ユニット30は帯電ローラ用電源31、現像ローラ用電源32、供給ローラ用電源33から構成されている。また、電源ユニット30は画像形成ユニット10の各部の駆動を制御する目的で図示しない印刷制御部が接続されている。
【0017】
感光体ドラム21は露光装置23からの露光を受光することにより静電潜像を担持する。感光体ドラム21は有機系感光体からなり、導電性支持体とその表面の光導電層によって構成される。導電性支持体はアルミニウムの金属パイプであり、光導電層は電荷発生層と電荷輸送層とを積層したものである。感光体ドラム21の外径は30φである。感光体ドラム21上の静電潜像は、現像ローラ24からのトナーにより現像され、転写ローラ28と対向する転写位置Tで用紙Pにトナー像として転写される。
【0018】
帯電ローラ22は、金属シャフトと半導電性ゴム層によって構成される。帯電ローラ22は感光体ドラム21と接触しながら図中矢印の方向に回転することにより、感光体ドラム21を所定の電荷に帯電する。露光装置23は、感光体ドラム21を露光するために図示しないLED素子とLED駆動素子とレンズアレイから構成されている。
【0019】
現像ローラ24は、現像剤としてのトナーを感光体ドラム21に供給することにより、感光体ドラム21の静電潜像を現像する。現像ローラ24は金属シャフトと半導電性ウレタンゴム材等で構成され、感光体ドラム21と接触している。現像ローラ24の外径は16φである。現像ローラ24は感光体ドラム21に対して周速比1.35で、図中矢印の方向に回転する。
【0020】
供給ローラ25は現像ローラ24に対してトナーを供給する。供給ローラ25は金属シャフトと発泡性のシリコンゴム材等で構成され、現像ローラ24と接触している。供給ローラ105の外径は15.5φである。供給ローラ25は現像ローラ24に対して周速比0.67で、図中矢印の方向に回転する。
【0021】
トナー規制部材26は現像ローラ24上のトナーを均一の厚さに規制すると同時に、現像ローラ24上のトナーを摩擦により帯電する。トナー規制部材26はステンレス等の板状部材で構成され、先端が僅かに現像ローラ24に当接している。クリーニング装置27は感光体ドラム21に当接することにより、感光体ドラム21上で用紙Pに転写されなかった残留トナーを掻き落とす。クリーニング装置27はポリウレタンゴム等のゴム状弾性体で構成される。転写ローラ28は発泡性の弾性ゴム材で構成されている。転写ローラ28と感光体ドラム21は、転写位置Tにおいて前記用紙搬送路12を挟んで配置される。
【0022】
帯電ローラ用電源31はトナーと同極性のバイアスを出力する。現像ローラ用電源32は、トナーと同極性のバイアス或いは逆極性のバイアスを出力する。そして、供給ローラ用電源33はトナーと同極性のバイアス或いは逆極性のバイアスを出力する。
【0023】
図1は第1の実施の形態に関する媒体搬送機構の説明図である。本実施の形態に関する媒体搬送機構は、用紙Pをガイドするガイド部材としての下ガイド1と、イメージドラムユニット20に設けた傾斜ガイド面36とから構成される。下ガイド1は、直線搬送ガイド13によって形成された用紙Pの用紙搬送路12の搬送方向における感光体ドラム21の上流側手前に設けられ、かつ用紙Pの用紙搬送路12上に設けられる。下ガイド1は、用紙搬送路12上を搬送される用紙Pの先端を傾斜ガイド面36に向かってガイドする。下ガイド1は用紙Pの搬送方向に対し、逆流線型、即ち、先端が尖って後端が丸くなって形成される。イメージドラムユニット20の感光体ドラム21と転写ローラ28との間の転写位置Tを用紙Pが通過する。この転写位置Tに搬送された用紙Pに、感光体ドラム21上に現像されているトナー像が転写される。
【0024】
図4は第1の実施の形態に関する媒体搬送機構の斜視図である。図中イメージドラムユニット20と直線搬送ガイド13は省略してある。用紙搬送路12は、感光体ドラム21と転写ローラ28との間の転写位置Tに用紙Pを矢印方向に搬送する。下ガイド1は用紙Pの搬送方向に対し、転写位置Tの上流側手前に設けられる。下ガイド1は板状であり、用紙Pの幅方向に複数設けられる。複数の下ガイド1は幅方向に設けた支持部2により支持されている。なお、図中下ガイド1は板状としたがこれに限らず、支持部2と一体になった立体形状でもよい。
【0025】
図1に戻り、逆流線型である下ガイド1の下面3は、用紙搬送路12下に平行に位置している。前端部4は、用紙搬送路12の下方に位置し、用紙Pの先端を前記傾斜ガイド面36に向かって緩やかに上昇を開始させるため最も尖がっている。頂部5は用紙搬送路12の面から最も遠くに位置する。後端部6は最も丸みを帯びている。
【0026】
更に、傾斜ガイド面36は、イメージドラムユニット20の外装35において、用紙搬送路12側に、かつ用紙搬送方向の上流側に設けられる。傾斜ガイド面36は、前記転写位置Tに向かって傾斜して設けられる。傾斜ガイド面36は、傾斜ガイド面36に向かって来る用紙Pを突き当てさせ、その後用紙Pを転写位置Tへガイドする。そのため、傾斜ガイド面36は、傾斜の上端37と下端38からなる。傾斜ガイド面36と用紙搬送路12との間隙は、上端37と用紙搬送路12との距離が一番大であり、下端38と用紙搬送路12との距離は一番小である。従って、傾斜ガイド面36は、上端37から下端38にかけて、用紙搬送路12との間隙が狭くなるように、転写位置Tに向かって傾斜している。なお、図中傾斜ガイド面36は直線で示したがこれに限らず、曲線であってもよい。そして、下ガイド1の前端部4と頂部5を通る平面7の延長線は、上端37と下端38の間にある傾斜ガイド面36の範囲内を通過するように配置される。これにより、前端部4から頂部5に至る面によって、用紙搬送路12上の用紙Pの先端を傾斜ガイド面36に向かってガイドする。
【0027】
次に、本実施の形態に関する画像形成装置100の動作について説明する。感光体ドラム21は、帯電ローラ用電源31に接続された帯電ローラ22により表面を一様に帯電させられる。露光装置23によって、印刷パターンに応じた静電潜像が感光体ドラム21上に形成される。供給ローラ用電源33に接続された供給ローラ25は、現像ローラ用電源32に接続された現像ローラ24と当接し、周速比を一定に保ちながら互いに回転駆動する。これにより、供給ローラ25はトナーを現像ローラ24へ供給する。現像ローラ24上のトナーは、現像ローラ24に当接している規制部材26との摩擦等により帯電される。現像ローラ上のトナー層厚は、現像ローラ印加電圧、供給ローラ印加電圧、現像ローラ24に当接する規制部材26の押し圧力等により決定される。
【0028】
現像ローラ24は、感光体ドラム21に当接しており、電源ユニット30により電圧を印加することにより、トナーを感光体ドラム21上の静電潜像に付着させる。この後、感光体ドラム21上のトナーは、転写ローラ28との電界により用紙P上に転写される。そして、用紙P上のトナーは定着ユニットEにより定着される。用紙P上への転写後、感光体ドラム21上に残留したトナーはクリーニング装置27により掻き落とされる。定着ユニットEを通過した用紙Pのうち両面印刷を行う場合は、両面印刷ユニットにより用紙Pを反転させる。
【0029】
即ち、用紙反転用記録紙走行ガイド15aの移動により、用紙Pが両面印刷ユニットの方へ案内され、用紙反転用搬送ローラ11g、11hにより一端搬送される。用紙Pの後端が用紙反転用記録紙走行ガイド15bを通過すると、当該用紙反転用記録紙走行ガイド15bが移動し、用紙Pの後端を新たな先端として、用紙反転用搬送ローラ11i〜11m方向へ搬送する。そして、用紙反転用搬送ローラ11i〜11mにより、反転された用紙Pをイメージドラムユニット20の方向へ搬送する。このとき、用紙Pの新たな先端は定着ユニットEの加熱作用によってカールされている場合が多い。
【0030】
本実施の形態に関する媒体搬送機構の作用により、即ち、前述の下ガイド1と傾斜ガイド面36との作用により、先端がカールした用紙Pを適切に前記転写位置Tにガイドを行う。以下、図1、図5及び図6を用いて本実施の形態に関する媒体搬送機構の動作を説明する。
【0031】
再度、図1に戻り、用紙搬送路12に搬送された用紙Pは、イメージドラムユニット20の上流側手前まで搬送される。搬送された用紙Pは、図1に示すように下ガイド1の前端部4を乗り越え上昇を開始する。更に、前端部4と頂部5を通る平面7に沿って搬送されると、用紙Pの先端は傾斜ガイド面36に突き当たる。その後、用紙Pは傾斜ガイド面36に沿ってガイドされる。
【0032】
図5、図6は同じく第1の実施の形態に関する媒体搬送機構の説明図である。その後、図5に示すように用紙Pの先端が傾斜ガイド面36に突き当たった後、用紙Pの先端は感光体ドラム21に到達する。用紙Pは下ガイド1によって上方から感光体ドラム21に到達するのだが、転写位置Tに向かって傾斜している傾斜ガイド面36を用いることで、より上方から用紙Pを感光体ドラム21に搬送させることができる。この結果、用紙Pと感光体ドラム21の距離がより小さくなり、転写不良が起こりにくくなる。これに加えて、用紙Pの先端に強い曲がり癖がついていても、詰まりが発生することなく円滑に用紙Pが搬送される。
【0033】
その後、図6に示すように用紙Pは転写位置Tを通過しながら、感光体ドラム21からのトナー像の転写が行われる。ここで、前端部4と頂部5とを通る平面7が、上端37と下端38を結ぶ傾斜ガイド面36の範囲内を通過するように、傾斜ガイド面36と下ガイド1を配置しているため、強い曲がり癖が付いた用紙Pであっても紙つまりが発生することがない。更に、曲がり癖がない用紙Pでも同等の効果が得られる。
【0034】
以上のように第1の実施例によれば、イメージドラムユニット20の外装35の用紙搬送路12側に傾斜ガイド面36を設け、用紙Pの用紙搬送路12に下ガイド1を設けたことで、用紙Pがより上方から感光体ドラム21に到達できるので、強い曲がり癖の付いた用紙Pであっても詰まることなく搬送が可能になる。更に、用紙Pと感光体ドラム21の距離がより近づくことができるので、各イメージドラムユニット20と各転写ローラ28との間の転写位置Tにおいて転写不良が起きにくくなる。
【0035】
(第2の実施の形態)
次に第2の実施の形態に関する画像形成装置100について説明する。画像形成装置100の構成及びイメージドラムユニット20の構成は、第1の実施の形態と同様なので説明を省略する。図7は第2の実施の形態に関する媒体搬送機構の説明図である。第2の実施の形態に関する媒体搬送機構は、下ガイド9が用紙Pの用紙搬送路12に対して進退自在に設けられている。即ち、片面印刷のとき、又は両面印刷における第1面の印刷のときは、下ガイド9は二点鎖線で示すように用紙搬送路12の下方に位置し、用紙搬送路12から退却する。そして、両面印刷における第2面の印刷のときは、実線で示すように用紙搬送路12上に位置し、用紙搬送路12へ進出する。このときの下ガイド9は、前記第1の実施の形態と同じ位置及び形状である。
【0036】
即ち、下ガイド9は、直線搬送ガイド13によって形成された用紙Pを搬送する用紙搬送路12上に設けられる。下ガイド9は用紙Pの搬送方向に対し、逆流線型、即ち、先端が尖って後端が丸くなっている。逆流線型である下ガイド9の下面3は、用紙搬送路12下に位置している。前端部4は、用紙Pの先端を前記傾斜ガイド面36に向かって上昇を開始させるため最も尖がっている。頂部5は用紙搬送路12の面から最も遠くに位置する。後端部6は最も丸みを帯びている。
【0037】
更に、第1の実施の形態と同様に、イメージドラムユニット20の外装35には、用紙搬送路12側に転写位置Tに向かって傾斜して設けられた傾斜ガイド面36が設けられる。傾斜ガイド面36は、傾斜ガイド面36に向かって来る用紙Pを突き当てさせ、その後用紙Pを転写位置Tへガイドする。そのため、傾斜ガイド面36は、傾斜の上端37と下端38からなる。そして、下ガイド9の前端部4と頂部5を通る平面7の延長線は、上端37と下端38の間にある傾斜ガイド面36の範囲内を通過するように配置される。
【0038】
図8は第2の実施の形態に関する媒体搬送機構の斜視図である。図中イメージドラムユニット20と直線搬送ガイド13は省略してある。用紙搬送路12は、感光体ドラム21と転写ローラ28との間の転写位置Tに用紙Pを矢印方向に搬送する。下ガイド9は用紙Pの用紙搬送路12の搬送方向に対し、転写位置Tの上流側手前に設けられる。下ガイド9は板状であり、複数設けられる。複数の下ガイド9は幅方向に設けた支持部9−1により支持されている。支持部9−1は回動可能とすることにより、下ガイド9を用紙Pの用紙搬送路12に進退自在に配置することができる。
【0039】
第2の実施の形態に関する画像形成装置100の動作について説明する。第2の実施の形態では、両面印刷の第1面印刷と片面印刷の場合は図7の二点鎖線で示す下ガイド9のように位置され、両面印刷の第2面印刷時には図7の実線で示す下ガイド9のように位置される。下ガイド9は用紙搬送路12に進退自在に配置される。
【0040】
図9は第2の実施の形態に関する下ガイド9の位置の切替えを制御する制御部のブロック図である。ローラ駆動部41は、給紙ローラ11a、11b、搬送ローラ11c、11d、11e、排出搬送ローラ11f及び用紙反転用搬送ローラ11g〜11mを駆動する。走行ガイド切替部42は両面印刷の第2面印刷のとき、用紙反転用記録紙走行ガイド15a、15bを切替駆動する。そして、下ガイド切替部43は、同じく両面印刷の第2面印刷のとき、下ガイド9を上方へ移動するよう切替駆動し、用紙搬送路12へ進出させる。片面印刷のとき及び両面印刷の第1面のときは、下ガイド9を下方へ移動するよう切替駆動し、用紙搬送路12から退却させる。ローラ駆動部41、走行ガイド切替部42及び下ガイド切替部43は、機構制御部44によって制御される。
【0041】
以上のように第2の実施の形態によれば、両面印刷の第1面印刷時と片面印刷時、及び第2面印刷時で下ガイド9を進退自在に切り替えるようにしたので、両面印刷の第1面印刷時と片面印刷時には下ガイド9が用紙P搬送に邪魔にならず、かつ両面印刷の第2面印刷時には用紙先端にカールが生じていても、感光体ドラム21と転写ローラ28との間の転写位置Tに円滑に搬送でき、用紙Pの高い搬送能力がある画像形成装置を得ることができる。
【0042】
なお、本発明は画像形成装置として説明したが、MEPやファクシミリ、複写機にも利用できる。
【符号の説明】
【0043】
1 下ガイド
12 用紙搬送路
20 イメージドラムユニット
35 外装
36 傾斜ガイド面
E 定着ユニット
P 用紙
T 転写位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像装置と転写部材の間の転写位置に搬送路を介して記録媒体を搬送し、前記現像装置から前記記録媒体へ現像の転写を行う画像形成装置において、
前記現像装置外装における前記搬送路側に、前記転写位置に向かって傾斜した傾斜ガイド面を設け、
更に、前記搬送路上に設けられ、前記搬送路上を搬送される前記記録媒体の先端を前記傾斜ガイド面に向かってガイドするガイド部材を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記ガイド部材は、前記記録媒体の搬送方向に対して前記転写位置の上流側手前に設けられ、先端が尖って、後端が丸い逆流線型であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記ガイド部材は、前記記録媒体の搬送方向に従って、前記搬送路から前記傾斜ガイド面に向かってガイドを開始する前端部と、前記搬送路から最も遠い頂部と、前記傾斜ガイド面から離れて前記搬送路に戻る後端部とからなり、前記前端部と頂部を結ぶ延長線上は前記傾斜ガイド面に向かって設けられることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記ガイド部材は、搬送される前記記録媒体の幅方向に対して複数配置されることを特徴とする請求項2又は3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記ガイド部材は、前記搬送路に対して進退自在に設けられることを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
【請求項6】
両面印刷における第2面印刷時に、前記ガイド部材を前記搬送路に対して進出させるよう制御する制御部を有することを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
【請求項7】
現像装置と転写部材の間の転写位置に搬送路を介して記録媒体を搬送し、前記現像装置から前記記録媒体へ現像剤像の転写を行う画像形成装置の現像装置において、
前記現像装置外装における前記搬送路側に、前記転写位置に向かって傾斜した傾斜ガイド面が設けられ、
前記搬送路上に設けられたガイド部材により前記傾斜ガイド面に向かってガイドされる前記記録媒体の先端を、前記傾斜ガイド面で突き当て、その後前記転写位置へ搬送ガイドすることを特徴とする現像装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−185439(P2012−185439A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−50103(P2011−50103)
【出願日】平成23年3月8日(2011.3.8)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】