説明

画像形成装置及び画像形成システム

【課題】画像形成装置で行われる動作について不具合が発生する前に、当該不具合に対する対応を採ることを可能にする。
【解決手段】複合機31の事象発生到来時期情報取得部1021は、予め定められた動作について特定の事象が他の複合機32,33で発生するまでの経過時間を示す事象発生到来時期情報を当該他の複合機32,33から取得する。複合機31の算出部105は、経時情報算出部101が算出した当該自らの複合機31で上記予め定められた動作を行った経過時間である経時情報と、事象発生到来時期情報取得部1021によって取得された事象発生到来時期情報との差を算出する(S13)。判定部106により当該差が予め定められた限界値に達したと判定されると(S4でYES)、制御部103が表示部150に警告を表示させる(S5)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及び画像形成システムに関し、特に、画像形成装置で将来的に生じ得る事象への対応を事前に可能にするための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置においては、当該画像形成装置で行われる動作についての不具合が頻発する場合に、ユーザに報知するものが知られている。例えば、このような画像形成装置としては、給紙カセットのピックアップローラ等で発生したジャム等のエラーの回数をカウントしておき、当該エラー回数が予め定められた回数に達した場合に、当該ピックアップローラの清掃が必要であると判断し、ユーザに対して清掃を実施すべき旨の警告メッセージを表示部で報知するものが提案されている(例えば、下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−159727号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の画像形成装置の場合、ユーザに対して警告メッセージを報知するのは、当該画像形成装置において実際にジャム等のエラーが生じた後である。すなわち、特許文献1に開示されている画像形成装置の場合、ピックアップローラにジャム等のエラーが何度も発生した後でしか警告メッセージを報知することができない。
【0005】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、画像形成装置で行われる動作について不具合が発生する前に、当該不具合に対する対応を採ることを可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に記載の発明は、他の画像形成装置、又は当該他の画像形成装置との間でデータ通信可能とされたサーバとネットワーク接続された画像形成装置であって、
予め定められた動作を当該画像形成装置において実行するときに、当該動作を最初に行った時期から当該実行時点までの経時情報を算出する経時情報算出部と、
前記他の画像形成装置において前記予め定められた動作を最初に行った時期から当該動作に特定の事象が発生するまでの経過時間を示す事象発生到来時期情報を当該他の画像形成装置又は前記サーバから取得する事象発生到来時期情報取得部と、
前記経時情報算出部によって算出された経時情報と、前記事象発生到来時期情報取得部によって取得された事象発生到来時期情報との差を算出する算出部と、
前記算出部によって算出された前記差が、予め定められた限界値に達したか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって前記差が前記限界値に達したと判定された場合に、前記特定の事象に対する対応策として予め定められている対応動作を予め定められた動作機構に行わせる制御部と
を備えた画像形成装置である。
【0007】
また、請求項8に記載の発明は、互いにネットワーク接続された複数の画像形成装置を有する画像形成システムであって、
前記各画像形成装置は、
予め定められた動作を当該画像形成装置において実行するときに、当該動作を最初に行った時期から当該実行時点までの経時情報を算出する経時情報算出部と、
前記他の画像形成装置において前記予め定められた動作を最初に行った時期から当該動作に特定の事象が発生するまでの経過時間を示す事象発生到来時期情報を当該他の画像形成装置から取得する事象発生到来時期情報取得部と、
前記経時情報算出部によって算出された経時情報と、前記事象発生到来時期情報取得部によって取得された事象発生到来時期情報との差を算出する算出部と、
前記算出部によって算出された前記差が、予め定められた限界値に達したか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって前記差が前記限界値に達したと判定された場合に、前記特定の事象に対する対応策として予め定められている対応動作を予め定められた動作機構に行わせる制御部と
を備えた画像形成システムである。
【0008】
また、請求項9に記載の発明は、複数の画像形成装置と、当該画像形成装置にネットワーク接続されたサーバとを有する画像形成システムであって、
前記各画像形成装置は、
予め定められた動作を当該画像形成装置において実行するときに、当該動作を最初に行った時期から当該実行時点までの経時情報を算出する経時情報算出部と、
前記事象発生到来時期情報算出部によって算出された事象発生到来時期情報を前記サーバに対して送信する事象発生到来時期情報送信部と、
前記他の画像形成装置において前記予め定められた動作を最初に行った時期から当該動作に特定の事象が発生するまでの経過時間を示す事象発生到来時期情報を前記サーバから取得する事象発生到来時期情報取得部と、
前記経時情報算出部によって算出された経時情報と、前記事象発生到来時期情報取得部によって取得された事象発生到来時期情報との差を算出する算出部と、
前記算出部によって算出された前記差が、予め定められた限界値に達したか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって前記差が前記限界値に達したと判定された場合に、前記特定の事象に対する対応策として予め定められている対応動作を予め定められた動作機構に行わせる制御部とを備え、
前記サーバは、
前記画像形成装置の前記事象発生到来時期情報送信部から送信されてきた前記事象発生到来時期情報を受信する事象発生到来時期情報受信部と、
前記事象発生到来時期情報受信部によって前記画像形成装置から受信された前記事象発生到来時期情報を記憶する事象発生到来時期情報記憶部と、
前記事象発生到来時期情報記憶部に記憶されている前記事象発生到来時期情報を、当該事象発生到来時期情報の送信を要求する前記画像形成装置に対して出力する事象発生到来時期情報出力部とを備えた画像形成システムである。
【0009】
これらの発明によれば、上記予め定められた動作について特定の事象が他の画像形成装置で発生するまでの上記事象発生到来時期情報を、当該他の画像形成装置又はサーバから事象発生到来時期情報取得部が取得し、算出部が、経時情報算出部によって算出された当該自らの画像形成装置自身において上記予め定められた動作を行った経過時間である経時情報と、上記事象発生到来時期情報取得部によって取得された事象発生到来時期情報との差を算出し、判定部によって当該差が予め定められた限界値に達したと判定された場合に、上記特定の事象に対する対応策として予め定められている対応動作を、制御部が、予め定められた動作機構に行わせる。
【0010】
これにより、上記各発明の画像形成装置は、これとは異なる他の画像形成装置における上記予め定められた動作での特定の事象の発生タイミングを基にして、自らの画像形成装置において当該動作についての当該事象の発生タイミングが近付いたことを算出可能とし、実際に当該動作について当該事象が発生する前に、自らの画像形成装置で当該事象に対する対応動作を採ることを可能にしている。
【0011】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置であって、前記動作機構が、ユーザに対する警告を報知する報知部とされ、
前記制御部は、前記判定部によって前記差が前記限界値に達したと判定された場合に、前記報知部に前記予め定められた対応動作として警告を報知させるものである。
【0012】
この発明によれば、他の画像形成装置における上記予め定められた動作についての特定の事象の発生タイミングを基にして、本発明に係る自らの画像形成装置において当該動作についての当該事象の発生タイミングが近付いたことを算出し、実際に当該動作について当該事象が発生する前に、制御部が報知部に警告を報知させるので、ユーザに対して、自らの画像形成装置において当該動作についての当該事象の発生タイミングが近付いたことを認識させることができる。
【0013】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置であって、前記事象発生到来時期情報取得部は、予め定められた時期が到来する毎に、前記事象発生到来時期情報を取得するものである。
【0014】
この発明によれば、事象発生到来時期情報取得部が、予め定められた期間毎に、経時情報を他の画像形成装置又はサーバから取得するので、本発明に係る自らの画像形成装置において、上記予め定められた期間毎に随時に、当該動作についての当該事象の発生タイミングが近付いたことを算出することが可能である。
【0015】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の画像形成装置であって、当該画像形成装置で前記予め定められた動作に特定の事象が発生したことを検出する事象発生検出部を更に備え、
前記事象発生到来時期情報取得部は、前記事象発生検出部によって前記予め定められた動作に特定の事象の発生が検出された時を前記予め定められた時期の到来時期として、前記事象発生到来時期情報を取得するものである。
【0016】
この発明によれば、事象発生検出部によって本発明に係る自らの画像形成装置において上記予め定められた動作に特定の事象の発生が検出されたときに、事象発生到来時期情報取得部が、事象発生到来時期情報を他の画像形成装置又はサーバから取得するので、自らの画像形成装置において、当該動作についての当該事象の発生タイミングが近付いたことを算出する必要が生じたときに、他の画像形成装置での上記事象発生到来時期情報を得ることができる。
【0017】
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の画像形成装置であって、前前記予め定められた動作及び前記特定の事象の内容を指定する指示をユーザから受け付ける指定受付部を更に備え、
前記事象発生到来時期情報取得部は、前記指定受付部に受け付けられた指示が示す前記予め定められた動作及び前記特定の事象が前記事象発生検出部によって検出されたときに、前記事象発生到来時期情報を取得するものである。
【0018】
この発明によれば、事象発生到来時期情報取得部が、ユーザにより指定された動作について、ユーザにより指定された事象が生じたときに、当該動作及び事象についての事象発生到来時期情報を他の画像形成装置又はサーバから取得するので、ユーザ所望の動作及び事象時期について、当該事象の発生タイミングが近付いたことを算出することが可能となる。
【0019】
また、請求項6に記載の発明は、請求項3に記載の画像形成装置であって、前記予め定められた時期を指定する指示をユーザから受け付ける時期指定受付部を更に備え、
前記事象発生到来時期情報取得部は、前記指定受付部に受け付けられた指示が示す時期が到来する毎に、前記事象発生到来時期情報を取得するものである。
【0020】
この発明によれば、事象発生到来時期情報取得部が、ユーザにより指定された時期に、経時情報を他の画像形成装置又はサーバから取得するので、本発明に係る自らの画像形成装置において、ユーザ所望の時期に、当該動作についての当該事象の発生タイミングが近付いたことを算出することが可能である。
【0021】
また、請求項7に記載の発明は、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の画像形成装置であって、前記予め定められた動作を最初に行った時期から当該動作に特定の事象が発生するまでの経過時間を示す事象発生到来時期情報を算出する事象発生到来時期情報算出部と、
前記事象発生到来時期情報算出部によって算出された事象発生到来時期情報を前記他の画像形成装置又は前記サーバに対して送信する事象発生到来時期情報送信部と
を更に備えたものである。
【0022】
この発明によれば、事象発生到来時期情報送信部が、事象発生到来時期情報算出部によって算出された事象発生到来時期情報を他の画像形成装置又はサーバに対して送信するので、この発明に係る画像形成装置自身も、他の画像形成装置に対して、自らの画像形成装置においての予め定められた動作について発生した特定の事象の上記事象発生到来時期情報を提供し、当該他の画像形成装置における当該他の画像形成装置自身の上記事象の発生タイミングの算出を可能にすることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、他の画像形成装置における予め定められた動作についての特定の事象の発生タイミングを基にして、自らの画像形成装置において当該動作についての当該事象の発生タイミングが近付いたことを算出し、実際に当該動作について当該事象が発生する前に、自らの画像形成装置において当該事象への対応を採ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に係る画像形成システムをなす画像形成装置及びサーバについてのネットワーク構成を示す図である。
【図2】画像形成装置の内部構造の概略構成を示す正面視の断面図である。
【図3】複合機の内部構成の概略を示すブロック図である。
【図4】(a)(b)は紙詰まり検出センサから出力される検出信号を示す図である。
【図5】サーバの内部構成の概略を示すブロック図である。
【図6】画像形成システムによる事象発生到来時期情報の送受信処理を示すフローチャートである。
【図7】複合機における警告処理を示すフローチャートである。
【図8】複合機における事象発生到来時期情報の記憶処理の第1実施形態を示すフローチャートである。
【図9】複合機における事象発生到来時期情報の記憶処理の第2実施形態を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の一実施形態に係る画像形成装置及び画像形成システムについて図面を参照して説明する。図1は本発明に係る画像形成システムをなす画像形成装置及びサーバについてのネットワーク構成を示す図である。
【0026】
画像形成システム10は、互いにLAN(Local Area Network)等のネットワークによりデータ通信可能に接続されたサーバ及び複数の画像形成装置を備えている。本実施形態では、画像形成システム10は、サーバ1台及び複合機3台を備える。但し、本発明に係る画像形成システムに備えられるサーバ及び画像形成装置の台数をこれに制限する趣旨ではない。例えば、後述する各実施形態に示すように、画像形成システム10は、複数の複合機のみで構成される形態を採る場合もある。
【0027】
本発明に係る画像形成装置の一実施形態に係る複合機31,32,33は、コピー機能、ファクシミリ機能、プリンタ機能、スキャナ機能等の機能を兼ね備えている。複合機31,32,33の機能及び構成は同様であるので、以下には複合機31を説明する。複合機31は、スキャナ等からなる画像読取部で読み取った原稿のデータを、複合機31の内部記憶装置や、イントラネット等によって複合機31に接続されたサーバSV2内の記憶部等に格納する。また、複合機31は、複合機31の内部記憶装置に記憶されているデータのプリントアウト等を行う。各複合機31及びサーバSV2は、相互にデータ通信が可能とされている。
【0028】
次に、複合機31の構成を説明する。図2は、本発明の一実施の形態による複合機の概略構成を示す正面視の断面図である。複合機1は、本体部200と、本体部200の用紙搬出側、例えば左側に配設された用紙後処理部300と、ユーザが種々の操作指令等を入力するための操作部400と、本体部200の上部に配設された画像読取部500と、画像読取部500の上部に配設された原稿給送部600とから構成される。
【0029】
操作部400は、LCD(Liquid Crystal Display)等からなる表示部(表示手段)410と、操作者から操作指示が入力される操作キー部430を備える。表示部410は、タッチパネルとLCDとを組み合わせたタッチパネルユニット等から構成される。表示部410は、種々の操作画面を表示すると共に、操作者が表示面(表示されている操作キー)をタッチすることで、表示部410に表示させる操作を別の操作に切り替える指示等、種々の機能の実行指令を入力することが可能である。操作キー部430は、スタートキー及びテンキー等を備える。
【0030】
原稿給送部60は、原稿載置部601、給紙ローラ602、原稿搬送部603及び原稿排出部604を備え、画像読取部500は、スキャナ501を備える。給紙ローラ602は、原稿載置部601にセットされた所要枚数分の原稿を一枚ずつ繰り出し、原稿搬送部603は、繰り出される原稿を順次スキャナ501の読み取り位置に搬送する。スキャナ501は搬送される原稿の画像を順次読み取り、読み取られた原稿は原稿排出部604に排出される。
【0031】
本体部200は、複数の給紙カセット201、複数の給紙ローラ202、転写ローラ203、感光体ドラム204、露光装置206、現像装置207、定着ローラ208、排出口209、及び排出トレイ210等を備える。なお、転写ローラ203、感光体ドラム204、露光装置206、現像装置207、定着ローラ208は、後述する画像形成部130を構成する。
【0032】
感光体ドラム204は、矢印方向に回転しながら帯電装置(図示省略)によって一様に帯電される。露光装置206は、画像読取部500において読み取られた原稿の画像データに応じて変調されたレーザ光を感光体ドラム204上に走査し、ドラム表面に各色毎の静電潜像を形成する。現像装置207は、黒色の現像剤を感光体ドラム204に供給してトナー画像を形成する。
【0033】
一方、ピックアップローラは、各給紙カセット2011〜2014にそれぞれ設けられており、給紙カセット2011〜2014に収容された記録紙束からピックアップローラ2021〜2024の駆動で記録紙Pが1枚ずつ繰り出され、繰り出された記録紙は、転写ローラ203まで給送される。転写ローラ203は、搬送された印刷用紙に感光体ドラム204上のトナー像を転写させ、定着ローラ208は、転写されたトナー像を加熱して印刷用紙に定着させる。その後、印刷用紙は、本体部200の排出口209から用紙後処理部300に搬入される。また、印刷用紙は、必要に応じて排出トレイ210へも排出される。以下、給紙カセット2011及びピックアップローラ2021を例にして説明する。
【0034】
また、例えば給紙カセット2011のピックアップローラ2021に対して用紙搬送方向下流側には、記録紙Pが給紙カセットのピックアップローラ2021を通過したか否か、及びピックアップローラ2021の配設箇所において紙詰まり(ジャム)を生じているか否かを検出する用紙検出センサ19が設けられている。用紙検出センサ19は、例えば発光部及び受光部からなる光学センサを有している。用紙検出センサ19の発光部が用紙搬送路151の一部をなす側壁に配設され、受光部は、当該発光部に対向する用紙搬送路151の側壁部分であって、発光部から発光される光を受光可能な位置に設けられている。この用紙検出センサ19は、用紙搬送路151又は給紙カセット内の複数の位置に設置されていてもよい。用紙検出センサ19の発光部は、例えば発光ダイオード等で構成され、受光部は、例えばフォトトランジスタ等で構成されている。
【0035】
用紙後処理部300は、搬入口301、印刷用紙搬送部302、搬出口303及びスタックトレイ304等を備える。印刷用紙搬送部302は、排出口209から搬入口301に搬入された印刷用紙を順次搬送し、最終的に搬出口303からスタックトレイ304へ印刷用紙を排出する。スタックトレイ304は、搬出口303から搬出された印刷用紙の集積枚数に応じて矢印方向に上下動可能に構成されている。
【0036】
図3は、複合機31の内部構成の概略を示すブロック図である。以下に示す複合機31(32,33)の構成は、本発明に係る画像形成装置として必ずしも必須の構成要素ではなく、後述する各実施形態における処理を実行するために必要な構成を備えていれば、本発明に係る画像形成装置の一実施形態となり得る。
【0037】
複合機31は、装置の各部の動作を制御する制御ユニット100と、原稿画像を読み取るスキャナ等を有する画像読取部500と、画像読取部500によって読み取られた原稿のデータ等を一時的に記憶したり、画像形成部130の印刷対象となるデータを一時的に保存する領域となる画像メモリ120と、画像読取部500によって読み取られた原稿のデータや、サーバSV2から送信されてきたデータ等を印刷する画像形成部130とを有する。
【0038】
また、複合機31は、ファクシミリ通信に必要な諸機能を実行し、公衆回線を通じて外部のファクシミリ装置から画像データを受信するファクシミリ通信部140と、印刷又は送信スタートキー、テンキー及び短縮番号キー等からなり、操作者から各種操作指示(印刷設定の入力、印刷設定用紙の印刷指示等)等の入力を受け付ける操作部(指定受付部)20と、操作者への操作案内等を表示するLCD(Liquid Crystal Display)等からなる表示部(報知部の一例)150とを備える。なお、この表示部150がタッチパネル機能を備えることにより、操作者からの各種操作指示を受け付けるようにしてもよい。
【0039】
さらに、複合機31は、画像読取部500によって読み取られた原稿画像データ等を記憶するHDD(ハードディスク)又はメモリ等からなる記憶部を有している。この記憶部170は、画像読取部500によって読み取られた原稿画像データや、事象発生到来時期情報取得部1021によって他の複合機32,33又はサーバSV2から受信された事象発生到来時期情報等を記憶する。
【0040】
制御ユニット100は、CPU等からなり、複合機31の全体的な動作を司る。制御ユニット100は、経時情報算出部101と、通信部102と、制御部103と、事象発生到来時期情報算出部104と、算出部105と、判定部106と、事象発生検出部107を備える。
【0041】
経時情報算出部101は、予め定められた動作(例えば、給紙カセット2011から用紙を1枚ずつピックアップするピックアップローラ2021による給紙動作)を複合機31において実行するときに、当該動作を最初に行った時期から当該実行時点までの経時情報(例えば、上記ピックアップローラ2021での給紙動作により用紙が給紙された給紙回数(給紙枚数))を算出する。経時情報算出部101は、算出した経時情報を内蔵メモリ又は記憶部170に記憶させる。
【0042】
用紙検出センサ19は、発光部からの光が受光部で受光されるとき、該受光部からH(ハイ)の信号が出力され、発光部からの光が受光部で受光できないとき(遮光されるとき)、該受光部からL(ロー)の信号が出力されるようになっている。これら信号の出力先は、経時情報算出部101、事象発生到来時期情報算出部104及び事象発生検出部107である。
【0043】
ジャムが発生していないときには、記録紙Pが給紙カセット142から間欠的に搬送されることから、図4(a)に示すように、記録紙Pが発光部と受光部との間を通るL(ロー)の期間T1(時間t1)と、記録紙Pが発光部と受光部との間を通過して、次の記録紙が発光部と受光部との間に搬送されるまでのH(ハイ)の期間T2(時間t2)とが周期的に発生する。時間t1は、用紙Pの搬送方向の長さと用紙Pの搬送速度とに応じて定まる値である。経時情報算出部101は、用紙検出センサ19から送られてくる信号が示す期間T1の数をカウントすることで、ピックアップローラ2021による給紙回数(給紙枚数)をカウントする。
【0044】
通信部102は、サーバSV2と他の複合機32,33との間でデータの送受信に必要な処理を行う。通信部102は、事象発生到来時期情報取得部1021と、事象発生到来時期情報送信部1022とを備える。
【0045】
事象発生到来時期情報取得部1021は、当該複合機31にネットワーク接続されている他の複合機32,33において上記予め定められた動作(例えば、上記ピックアップローラ2021による給紙動作)を最初に行った時期から特定の事象(例えば、当該ピックアップローラ2021における用紙ジャム)が発生するまでの経過時間を示す事象発生到来時期情報(例えば、当該ピックアップローラ2021の使用開始当初から用紙ジャム発生時までの給紙回数(給紙枚数)等)を上記他の複合機32,33又はサーバSV2から取得する。
【0046】
事象発生到来時期情報送信部1022は、事象発生到来時期情報算出部104によって算出された上記事象発生到来時期情報を他の複合機32,33又はサーバSV2に対して送信する。
【0047】
事象発生到来時期情報算出部104は、予め定められた動作に特定の事象が発生するまでの当該動作開始時からの事象発生到来時期情報を算出する。例えば、事象発生到来時期情報算出部104は、経時情報算出部101と同様にして、用紙検出センサ19から出力される信号に基づいて、例えばピックアップローラ2021による給紙動作において当該ピックアップローラ2021で用紙ジャムが発生するまでの当該給紙動作開始時からの給紙回数(給紙枚数)を上記経時情報として算出し、さらに、用紙検出センサ19から、ジャム発生を示す信号(前記時間t1を超える期間のL(ロー)の信号)を受信したとき、この時点における経時情報を事象発生到来時期情報として算出する。事象発生到来時期情報算出部104は、算出した事象発生到来時期情報を内蔵メモリ又は記憶部170に記憶させる。
【0048】
事象発生検出部107は、複合機31で予め定められた動作に特定の事象が発生したことを検出する。用紙検出センサ19では、ジャムが発生したときには、用紙検出センサ19の発光素子と受光素子との間に記録紙Pが前記時間t1以上滞留するため、受光素子から前記時間t1を超える期間の期間L(ロー)の信号が事象発生検出部107に出力される。例えば、事象発生検出部107は、用紙検出センサ19から出力される信号に基づき、HからLへの立下りタイミングから時間t1後にLからHへ立ち上がる信号(図4(a))を受信したときにはジャムは発生していないものと判断し、HからLへの立下りタイミングから時間t1が経過してもLからHへ立ち上がらない信号(図4(b))に示す信号を受信したときにはジャムが発生したものと判断する。
【0049】
算出部105は、経時情報算出部101によって算出された経時情報と、事象発生到来時期情報取得部1021によって取得された他の複合機32,33又はサーバSV2からの事象発生到来時期情報との差を算出する。
【0050】
判定部106は、予め定められた限界値L(例えば、上記ピックアップローラ2021で用紙ジャムが発生するまでの当該給紙動作開始時からの給紙回数の場合、事象発生到来時期情報が示す用紙ジャム発生時の給紙回数の10%の値等。)を記憶しており、事象発生到来時期情報算出部104によって算出された前記差が、この限界値Lに達したか否かを判定する。
【0051】
制御部103は、複合機31全体の動作制御を司る。例えば、制御部103は、プリント動作やコピー動作等を複合機31の各動作機構に行わせる。
【0052】
さらに、複合機31は、画像読取部500が読み取った画像イメージデータ編集/加工(符/復号処理、拡大/縮小処理、圧縮/伸長処理)処理等を行う画像処理部190と、サーバSV2、PC31乃至34との間で各種データのやりとりを行うために用いられるネットワークI/F160とを有している。
【0053】
上記に示した予め定められた動作としてのピックアップローラ2021による給紙動作、特定の事象としてのピックアップローラ2021における用紙ジャムは、予め定められた動作及び特定の事象の一例に過ぎず、予め定められた動作及び特定の事象をこれらに限定する趣旨ではない。以下に示す予め定められた動作−特定の事象−経時情報−事象発生到来時期情報の組合せ等であっても構わない。例えば、(a) 原稿給送部60の給紙ローラ602による給紙動作−画像読取部500での原稿画像読取不良(公知の原稿画像読取不良判定により判定する)−給紙ローラ602による給紙動作の初期開始時からの給紙回数(ピックアップローラ2021の場合と同様に用紙検出センサにより給紙回数をカウント)−原稿画像読取不良発生時における給紙回数、(b)画像形成部130による画像形成動作−現像装置207でのトナー残量無し検出(トナー残量検出センサを用いた公知の検出方法により検出)−画像形成部130による画像形成回数(例えば、ピックアップローラ2021の場合と同様に用紙検出センサ19によりカウントされる給紙カセット2011からの給紙回数を用いる)−現像装置207でのトナー残量無し検出時における当該画像形成部130での画像形成回数、等である。
【0054】
図5はサーバSV2の内部構成の概略を示すブロック図である。サーバSV2は、制御ユニット21と、ROM22と、RAM233と、記憶部24と、ディスプレイ25と、通信I/F26と、入力部27とを備える。これら各部は、互いにCPUバスによりデータ又は信号の送受信が可能とされている。
【0055】
制御ユニット21は、CPU等からなり、PC31全体の動作制御を司る。ROM222は、PC31の各動作についての動作プログラムを記憶する。RAM23は、制御部211の動作領域等として使用される。
【0056】
記憶部24は、HDD等からなり、その記憶領域の一部が、事象発生到来時期情報受信部212によって複合機31〜33から受信された事象発生到来時期情報を記憶する事象発生到来時期情報記憶部241として機能する。
【0057】
ディスプレイ25は、LCD(Liquid Crystal Display)等からなり、各種データの内容、当該PC31を操作するユーザに対する操作案内等が表示される。通信I/F26は、複合機31〜33及びサーバSV2とのデータ通信を行うためのインタフェイスとして機能する。入力部27は、キーボードやマウス等から構成され、複合機31に対するジョブがユーザから入力される。
【0058】
制御ユニット21は、CPU等からなり、制御部211と、事象発生到来時期情報受信部212と、事象発生到来時期情報出力部213とを有する。
【0059】
制御部211は、PC31全体の動作制御を司るものである。
【0060】
事象発生到来時期情報受信部212は、複合機31〜33の事象発生到来時期情報送信部1022から送信されてきた事象発生到来時期情報を受信する。
【0061】
事象発生到来時期情報出力部213は、事象発生到来時期情報記憶部241に記憶されている事象発生到来時期情報を、当該事象発生到来時期情報の送信を要求する複合機31に対して出力する。
【0062】
次に、画像形成システム10による事象発生到来時期情報の送受信処理を説明する。図6は、画像形成システム10による事象発生到来時期情報の送受信処理を示すフローチャートである。
【0063】
複合機31において、事象発生到来時期情報取得部1021が、事象発生到来時期情報を取得する時期として予め定められた時期が到来したか否かを判断する(S1)。当該予め定められた時期の到来の判断は、例えば、(1)事象発生到来時期情報取得部1021の内蔵メモリに当該予め定められた時期が記憶されており、事象発生到来時期情報取得部1021は、内蔵タイマにより当該時期の到来が計測されたか否かで上記判断を行う、(2)ユーザの操作により操作部20が当該ユーザから上記予め定められた時期(例えば、20分経過毎、複合機31の主電源スイッチがオンとされる毎等)の指定を受け付け、事象発生到来時期情報取得部1021は、内蔵タイマにより当該ユーザにより指定された時期の到来が計測されたか否かで上記判断を行う、(3)事象発生到来時期情報取得部1021は、事象発生検出部107によって上記予め定められた動作に特定の事象の発生が検出された時に、事象発生検出部107から当該発生を示す検出信号を受信し、当該検出信号の受信時を予め定められた時期が到来したと判断する、(4) ユーザの操作により操作部20が当該ユーザから上記予め定められた動作及びこの動作について生じ得る特定の事象(例えば、当該予め定められた動作が、ピックアップローラ2021による給紙動作とされ、当該特定の事象が、ピックアップローラ2021での用紙ジャムとされる等)の指定を受け付け、事象発生到来時期情報取得部1021は、事象発生検出部107によって上記指定された動作及び特定の事象の発生が検出された時に、事象発生検出部107から当該発生を示す検出信号を受信し、当該検出信号の受信時を予め定められた時期が到来したと判断する、等による。
【0064】
事象発生到来時期情報取得部1021は、当該取得時期が到来したことを検出すると(S1でYES)、事象発生到来時期情報取得部1021は、画像形成システム10を構成してネットワーク接続されている他の全ての複合機32,33に対して、複合機32,33で蓄積している事象発生到来時期情報の送信を要求する送信要求信号を送信する(S2)。
【0065】
画像形成システム10における上記他の全ての複合機32,33は、その事象発生到来時期情報送信部1022が上記複合機31からの要求指示信号を受信すると(SS1)、事象発生到来時期情報記憶部241に記憶されている事象発生到来時期情報を読み出し(SS2)、当該読み出した事象発生到来時期情報を、上記送信要求信号を送ってきた複合機31に対して送信する(SS3)。
【0066】
ここで、(1)上記送信要求信号を送る複合機31は、この送信要求信号に、送信要求の対象とする事象発生到来時期情報の種別(例えば、事象発生到来時期情報取得部1021が、事象発生検出部107によりピックアップローラ2021による給紙動作(上記予め定められた動作)時における用紙ジャム(上記特定の事象)の検出時のタイミングで、当該送信要求を他の複合機32,33に送信する場合に、当該種別を給紙動作(上記予め定められた動作)時における用紙ジャム(上記特定の事象)とする等)情報を含ませておき、当該送信要求を受信した上記全ての複合機32,33は、この送信要求が示す種別の事象発生到来時期情報を事象発生到来時期情報記憶部241から読み出して、上記送信要求信号を送ってきた複合機31に送信してもよい。この場合、例えば、送信要求信号が上記ピックアップローラ2021による給紙動作を上記予め定められた動作とする場合、ピックアップローラ1422〜1424ではなく、あくまでもピックアップローラ2021での用紙ジャム発生についての事象発生到来時期情報を、送信要求を受信した上記全ての複合機32,33が、上記送信要求信号を送ってきた複合機31に送信することが好ましい。各複合機同士で、同一のピックアップローラ2021(すなわち、同一の動作機構)についての事象発生到来時期情報を送受信することで、当該ピックアップローラ2021での用紙ジャムの発生を未然に検出する精度を高めるためである。
【0067】
或いは、(2) 上記送信要求信号を送る複合機31は、この送信要求信号に、送信要求の対象とする事象発生到来時期情報の種別情報を特定せず、当該送信要求を受信した上記全ての複合機32,33は、この送信要求の受信時に、事象発生到来時期情報記憶部241に記憶されている全ての事象発生到来時期情報を読み出して、上記送信要求信号を送ってきた複合機31に送信してもよい。
【0068】
上記送信要求信号を送った複合機31の事象発生到来時期情報取得部1021は、上記他の複合機32,33から送られてくる事象発生到来時期情報を受信し、当該事象発生到来時期情報を記憶部160に記憶させる(S3)。
【0069】
この実施形態では、複合機31〜33において事象発生到来時期情報を算出した後、各複合機31〜33が、送信要求を送信してきた他の複合機に対して当該事象発生到来時期情報を送信する方式を採用する場合を示したが、画像形成システム10による事象発生到来時期情報の送受信処理はこれに限定されない。
【0070】
例えば、複合機31〜33において事象発生到来時期情報を算出した後、各複合機31〜33がサーバSV2に対して当該事象発生到来時期情報を送信し、サーバSV2が、当該事象発生到来時期情報を受信して記憶しておき、上記に示したSS1〜SS3の処理と同様にして、送信要求を送信してきた複合機に対して、個別に当該事象発生到来時期情報を送信する方式を採用してもよい。
【0071】
次に、複合機31における警告処理を説明する。図7は複合機31における警告処理を示すフローチャートである。
【0072】
事象発生検出部107が、予め定められた動作での特定の事象、例えば、ピックアップローラ2021での用紙ジャムを検出すると(S11でYES)、当該検出の度に、経時情報算出部101が、内蔵しているカウンタにより、当該検出の対象とされている事象(ここでは、上記ピックアップローラ2021についての用紙ジャム)の発生回数を経時情報としてカウントする(S12)。
【0073】
算出部105は、上記S12でカウントした後における経時情報としての上記事象の発生回数(カウント値)と、事象発生到来時期情報取得部1021が取得して記憶部160に記憶されている事象発生到来時期情報であって、上記S11で発生が検出された予め定められた動作での特定の事象と同様の予め定められた動作及び特定の事象を示す事象発生到来時期情報が示す発生時期到来回数Nとの差dを算出する(S13)。
【0074】
制御部103は、上記差dが、予め保有している限界値L以下となっているか否か(限界値Lに達しているか否か)を判断し(S14)、上記差dが限界値L以下となっていると判断した場合には(S14でYES)、表示部150に、予め定められた動作(この例では、ピックアップローラ2021による給紙動作)において予め定められた事象(この例では、ピックアップローラ2021での用紙ジャム)が発生するおそれがあることを示す警告メッセージを表示させる(S15)。
【0075】
なお、上記差dが限界値L以下となっていると判断した場合に制御部103が行わせる動作は、上記表示部150による警告表示動作に限られるものではなく他の動作機構による動作でもよい。
【0076】
次に、複合機31における事象発生到来時期情報の記憶処理の第1実施形態を説明する。図8は複合機31における事象発生到来時期情報の記憶処理の第1実施形態を示すフローチャートである。
【0077】
制御部103が、予め定められた動作(この例では、ピックアップローラ2021による給紙動作)を動作機構(この例ではピックアップローラ2021)に行わせると(S21でYES)、経時情報算出部101及び事象発生到来時期情報算出部104は、その度に、内蔵しているカウンタにより、当該予め定められた動作の実行回数をカウントアップする(S22)。例えば、経時情報算出部101及び事象発生到来時期情報算出部104は、上述したように、用紙検出センサ19から送信されてくる信号が示す期間T1の数をカウントすることで、ピックアップローラ2021による給紙回数(給紙枚数)をカウントする。経時情報算出部101は、当該算出した経時情報としての例えば上記ピックアップローラ2021の給紙回数を内蔵メモリ又は記憶部170に記憶させる(S23)。
【0078】
そして、特定の事象(この例では、ピックアップローラ2021における用紙ジャム)が発生したことが事象発生検出部107によって検出された場合には(S24でYES)、事象発生到来時期情報算出部104は、この検出時点における上記カウンタでのカウント値を事象発生到来時期情報として内蔵メモリ又は記憶部160に記憶させる(S25)。この後、図6に示した処理が複合機31〜33の間で行われる。なお、特定の事象の発生が事象発生検出部107で検出されない場合には(S24でNO)、S25の処理は行われない。
【0079】
次に、複合機31における事象発生到来時期情報の記憶処理の第2実施形態を説明する。図9は複合機31における事象発生到来時期情報の記憶処理の第2実施形態を示すフローチャートである。この第2実施形態は、複合機31〜33において事象発生到来時期情報を算出した後、各複合機31〜33がサーバSV2に対して当該事象発生到来時期情報を送信し、サーバSV2が当該事象発生到来時期情報を受信して記憶し、送信要求を送信してきた複合機31〜32に対して、個別に当該事象発生到来時期情報を送信する方式を採用する場合の実施形態である。なお、上記第1実施形態と同様の処理は説明を省略する。
【0080】
事象発生到来時期情報算出部104が、この検出時点における上記カウンタでのカウント値を事象発生到来時期情報として内蔵メモリ又は記憶部170に記憶させた後(S35)、事象発生到来時期情報送信部1022は、サーバSV2に対して、当該事象発生到来時期情報を送信する(S36)。
【0081】
当該事象発生到来時期情報を受信したサーバSV2は、その事象発生到来時期情報記憶部241に、受信した当該事象発生到来時期情報を記憶させる。そして、サーバSV2は、複合機31〜33のいずれかから、事象発生到来時期情報の送信要求を受信すると、図6に示したSS1〜SS3の処理と同様にして、当該送信要求を送ってきた複合機31〜33のいずれかに事象発生到来時期情報を送信する。
【0082】
なお、本発明は上記実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態で示した複合機31〜33同士で事象発生到来時期情報を送受信して各複合機で判定部106による上記判定を行う場合は、本発明に係る画像形成システム10は複数の複合機で構成され、サーバSV2は不要である。また、上記実施形態に示した複合機31〜33から送信されてきた事象発生到来時期情報をサーバSV2で記憶してする実施形態の場合は、サーバSV2は画像形成システム10に必要な構成となる。
【0083】
また、画像形成システム10がサーバSV2を含まずに複合機31〜33で構成されるものとし、複合機31〜33のいずれか1台の複合機が、図6に示したS1〜S3の処理を行うと共に、上記サーバSV2を含む画像形成システム10の場合におけるサーバSV2が行う処理と同様の処理も行うようにしてもよい。この場合、各複合機は、事象発生到来時期情報を取得するとき、当該サーバSV2と同様の処理を担当する複合機に対して、事象発生到来時期情報の送信要求を送信することになる。
【符号の説明】
【0084】
10 画像形成システム
31,32,33 複合機
100 制御ユニット
101 経時情報算出部
102 通信部
1021 事象発生到来時期情報取得部
1022 事象発生到来時期情報送信部
103 制御部
104 事象発生到来時期情報算出部
105 算出部
106 判定部
107 事象発生検出部
2011乃至2014 給紙カセット
2021乃至2024 ピックアップローラ
150 表示部
SV2 サーバ
20 操作部
21 制御ユニット
211 制御部
212 事象発生到来時期情報受信部
213 事象発生到来時期情報出力部
24 記憶部
241 事象発生到来時期情報記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
図6に示したSS1〜SS3の処理と同様にして、他の画像形成装置、又は当該他の画像形成装置との間でデータ通信可能とされたサーバとネットワーク接続された画像形成装置であって、
予め定められた動作を当該画像形成装置において実行するときに、当該動作を最初に行った時期から当該実行時点までの経時情報を算出する経時情報算出部と、
前記他の画像形成装置において前記予め定められた動作を最初に行った時期から当該動作に特定の事象が発生するまでの経過時間を示す事象発生到来時期情報を当該他の画像形成装置又は前記サーバから取得する事象発生到来時期情報取得部と、
前記経時情報算出部によって算出された経時情報と、前記事象発生到来時期情報取得部によって取得された事象発生到来時期情報との差を算出する算出部と、
前記算出部によって算出された前記差が、予め定められた限界値に達したか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって前記差が前記限界値に達したと判定された場合に、前記特定の事象に対する対応策として予め定められている対応動作を予め定められた動作機構に行わせる制御部と
を備えた画像形成装置。
【請求項2】
前記動作機構が、ユーザに対する警告を報知する報知部とされ、
前記制御部は、前記判定部によって前記差が前記限界値に達したと判定された場合に、前記報知部に前記予め定められた対応動作として警告を報知させる請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記事象発生到来時期情報取得部は、予め定められた時期が到来する毎に、前記事象発生到来時期情報を取得する請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
当該画像形成装置で前記予め定められた動作に特定の事象が発生したことを検出する事象発生検出部を更に備え、
前記事象発生到来時期情報取得部は、前記事象発生検出部によって前記予め定められた動作に特定の事象の発生が検出された時を前記予め定められた時期の到来時期として、前記事象発生到来時期情報を取得する請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記予め定められた動作及び前記特定の事象の内容を指定する指示をユーザから受け付ける指定受付部を更に備え、
前記事象発生到来時期情報取得部は、前記指定受付部に受け付けられた指示が示す前記予め定められた動作及び前記特定の事象が前記事象発生検出部によって検出されたときに、前記事象発生到来時期情報を取得する請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記予め定められた時期を指定する指示をユーザから受け付ける時期指定受付部を更に備え、
前記事象発生到来時期情報取得部は、前記指定受付部に受け付けられた指示が示す時期が到来する毎に、前記事象発生到来時期情報を取得する請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記予め定められた動作を最初に行った時期から当該動作に特定の事象が発生するまでの経過時間を示す事象発生到来時期情報を算出する事象発生到来時期情報算出部と、
前記事象発生到来時期情報算出部によって算出された事象発生到来時期情報を前記他の画像形成装置又は前記サーバに対して送信する事象発生到来時期情報送信部と
を更に備えた請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
互いにネットワーク接続された複数の画像形成装置を有する画像形成システムであって、
前記各画像形成装置は、
予め定められた動作を当該画像形成装置において実行するときに、当該動作を最初に行った時期から当該実行時点までの経時情報を算出する経時情報算出部と、
前記他の画像形成装置において前記予め定められた動作を最初に行った時期から当該動作に特定の事象が発生するまでの経過時間を示す事象発生到来時期情報を当該他の画像形成装置から取得する事象発生到来時期情報取得部と、
前記経時情報算出部によって算出された経時情報と、前記事象発生到来時期情報取得部によって取得された事象発生到来時期情報との差を算出する算出部と、
前記算出部によって算出された前記差が、予め定められた限界値に達したか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって前記差が前記限界値に達したと判定された場合に、前記特定の事象に対する対応策として予め定められている対応動作を予め定められた動作機構に行わせる制御部と
を備えた画像形成システム。
【請求項9】
複数の画像形成装置と、当該画像形成装置にネットワーク接続されたサーバとを有する画像形成システムであって、
前記各画像形成装置は、
予め定められた動作を当該画像形成装置において実行するときに、当該動作を最初に行った時期から当該実行時点までの経時情報を算出する経時情報算出部と、
前記事象発生到来時期情報算出部によって算出された事象発生到来時期情報を前記サーバに対して送信する事象発生到来時期情報送信部と、
前記他の画像形成装置において前記予め定められた動作を最初に行った時期から当該動作に特定の事象が発生するまでの経過時間を示す事象発生到来時期情報を前記サーバから取得する事象発生到来時期情報取得部と、
前記経時情報算出部によって算出された経時情報と、前記事象発生到来時期情報取得部によって取得された事象発生到来時期情報との差を算出する算出部と、
前記算出部によって算出された前記差が、予め定められた限界値に達したか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって前記差が前記限界値に達したと判定された場合に、前記特定の事象に対する対応策として予め定められている対応動作を予め定められた動作機構に行わせる制御部とを備え、
前記サーバは、
前記画像形成装置の前記事象発生到来時期情報送信部から送信されてきた前記事象発生到来時期情報を受信する事象発生到来時期情報受信部と、
前記事象発生到来時期情報受信部によって前記画像形成装置から受信された前記事象発生到来時期情報を記憶する事象発生到来時期情報記憶部と、
前記事象発生到来時期情報記憶部に記憶されている前記事象発生到来時期情報を、当該事象発生到来時期情報の送信を要求する前記画像形成装置に対して出力する事象発生到来時期情報出力部とを備えた画像形成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−51163(P2012−51163A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−194112(P2010−194112)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】