説明

画像形成装置及び画像形成プログラム

【課題】通信回線を介して接続されたサービス処理提供装置から画像処理に関するサービス処理の提供を受けている場合において、他の端末装置から再起動が必要な処理が要求された場合、サービス処理の利用に関する情報を消去せずに再起動する場合と比較して、サービス処理の利用に関する情報が不必要に利用されてしまうのを防ぐ。
【解決手段】画像形成装置12は、ネットワーク16を介して接続された外部サーバ14から画像処理に関するサービス処理の提供を受けている場合において、端末装置15から再起動が必要な処理が要求された場合、本装置が再起動される前に、課金情報等を消去する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及び画像形成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、当該画像形成装置の端末装置にWebページを配信する画像形成装置であって、当該画像形成装置の画面上に表示される操作画面と当該画像形成装置の端末装置の画面上に前記Webページとして表示される操作画面とを、一方の操作画面の使用中は他方の操作画面の使用が制限されるように制御する操作画面制御手段を備えることを特徴とする画像形成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−86642号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、通信回線を介して接続されたサービス処理提供装置から画像処理に関するサービス処理の提供を受けている場合において、他の端末装置から再起動が必要な処理が要求された場合、サービス処理の利用に関する情報を消去せずに再起動する場合と比較して、サービス処理の利用に関する情報が不必要に利用されてしまうのを防ぐことができる画像形成装置及び画像形成プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、通信回線を介して接続された他の端末装置から、本装置の再起動が必要な処理が要求された場合に当該本装置を再起動させる再起動手段と、前記通信回線を介して接続されたサービス処理提供装置から画像処理に関するサービス処理の提供を受けている場合において、前記他の端末装置から前記再起動が必要な処理が要求された場合、本装置が再起動される前に、前記サービス処理の利用に関する情報を消去する消去手段と、を備える。
【0006】
請求項2記載の発明は、前記通信回線を介して接続されたサービス処理提供装置から画像処理に関するサービス処理の提供を受けている場合において、前記他の端末装置から前記再起動が必要な処理が要求され、当該再起動が必要な処理が、前記サービス処理提供装置から提供を受けているサービス処理の実行に影響がある処理である場合には、再起動する旨を通知するための再起動通知画面を表示する再起動通知画面表示手段をさらに備え、
【0007】
前記再起動手段は、前記再起動通知画面の表示後、本装置を再起動させる。
【0008】
請求項3記載の発明は、前記通信回線を介して接続されたサービス処理提供装置から画像処理に関するサービス処理の提供を受けている場合において、前記他の端末装置から前記再起動が必要な処理が要求され、当該再起動が必要な処理が、前記サービス処理提供装置から提供を受けているサービス処理の実行に影響がない処理である場合には、前記再起動を許可するか否かを確認するための確認画面を表示する確認画面表示手段をさらに備え、前記再起動手段は、前記確認画面において前記再起動が許可された場合に、本装置を再起動させる。
【0009】
請求項4記載の発明は、前記再起動手段は、前記サービス処理提供装置から提供されている前記サービス処理の終了後に、本装置を再起動させる。
【0010】
請求項5記載の発明は、前記通信回線を介して接続されたサービス処理提供装置から画像処理に関するサービス処理の提供を受けている場合において、前記他の端末装置から前記再起動が必要な処理が要求された場合、前記再起動を許可するか否かを確認するための確認画面を表示する表示手段をさらに備え、前記消去手段は、前記確認画面において前記再起動が許可された場合に、前記サービス処理の利用に関する情報を消去する。
【0011】
請求項6記載の発明は、前記再起動手段により本装置が再起動された後、前記サービス処理提供装置との接続状態を復元する復元手段をさらに備える。
【0012】
請求項7記載の発明は、前記サービス処理の利用に関する情報は、前記サービス処理に関する課金情報及び前記サービス処理の利用に必要な個人情報の少なくとも一方を含む。
【0013】
請求項8記載の発明は、コンピュータを、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の画像形成装置を構成する各手段として機能させるための画像形成プログラムである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1記載の発明によれば、通信回線を介して接続されたサービス処理提供装置から画像処理に関するサービス処理の提供を受けている場合において、他の端末装置から再起動が必要な処理が要求された場合、サービス処理の利用に関する情報を消去せずに再起動する場合と比較して、サービス処理の利用に関する情報が不必要に利用されてしまうのを防ぐことができる、という効果を有する。
【0015】
請求項2記載の発明によれば、通信回線を介して接続されたサービス処理提供装置から画像処理に関するサービス処理の提供を受けている場合において、他の端末装置から再起動が必要な処理が要求され、当該再起動が必要な処理が、サービス処理提供装置から提供を受けているサービス処理の実行に影響がある処理である場合に、再起動する旨を通知するための再起動通知画面を表示しない場合と比較して、唐突に再起動されることにより利用者が違和感を感じるのを防ぐことができる、という効果を有する。
【0016】
請求項3記載の発明によれば、通信回線を介して接続されたサービス処理提供装置から画像処理に関するサービス処理の提供を受けている場合において、他の端末装置から前記再起動が必要な処理が要求され、当該再起動が必要な処理が、サービス処理提供装置から提供を受けているサービス処理の実行に影響がない処理である場合に、再起動を許可するか否かを確認するための確認画面を表示しない場合と比較して、利用者の意図に反して装置が再起動されてしまうのを防ぐことができる、という効果を有する。
【0017】
請求項4記載の発明によれば、サービス処理提供装置から提供されているサービス処理の実行中に本装置を再起動させる場合と比較して、サービス処理の処理結果を得るのが遅くなるのを防ぐことができる、という効果を有する。
【0018】
請求項5記載の発明によれば、通信回線を介して接続されたサービス処理提供装置から画像処理に関するサービス処理の提供を受けている場合において、他の端末装置から再起動が必要な処理が要求された場合、再起動を許可するか否かを確認するための確認画面を表示しない場合と比較して、利用者の意図に反して装置が再起動されてしまうのを防ぐことができる、という効果を有する。
【0019】
請求項6記載の発明によれば、本装置が再起動された後、サービス処理提供装置との接続状態を復元しない場合と比較して、サービス処理提供装置と再接続する手間を省くことができる、という効果を有する。
【0020】
請求項7記載の発明によれば、サービス処理に関する課金情報及びサービス処理の利用に必要な個人情報の少なくとも一方を含むサービス処理の利用に関する情報を消去せずに再起動する場合と比較して、サービス処理の利用に関する情報が不必要に利用されてしまうのを防ぐことができる、という効果を有する。
【0021】
請求項8記載の発明によれば、通信回線を介して接続されたサービス処理提供装置から画像処理に関するサービス処理の提供を受けている場合において、他の端末装置から再起動が必要な処理が要求された場合、サービス処理の利用に関する情報を消去せずに再起動する場合と比較して、サービス処理の利用に関する情報が不必要に利用されてしまうのを防ぐことができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】画像形成システムの概略構成図である。
【図2】画像形成装置の概略構成図である。
【図3】外部サーバの概略構成図である。
【図4】第1実施形態に係る画像形成装置で実行される処理のフローチャートである。
【図5】第2実施形態に係る画像形成装置で実行される処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0024】
(第1実施形態)
【0025】
図1には、本実施形態に係る画像形成システム10の概略構成を例示した。同図に示すように、画像形成システム10は、画像形成装置12、外部サーバ14、及び端末装置15がネットワーク16を介して相互に接続された構成となっている。
【0026】
図2には、画像形成装置12の概略構成を例示した。同図に示すように、画像形成装置12は、コンピュータ18を含んで構成されている。
【0027】
コンピュータ18は、CPU(Central Processing Unit)18A、ROM(Read Only Memory)18B、RAM(Random Access Memory)18C、不揮発性メモリ18D、及び入出力インターフェース(I/O)18Eがバス18Fを介して各々接続された構成となっている。
【0028】
I/O18Eには、操作表示部20、画像読取部22、画像形成部24、用紙供給部26、用紙排出部28、ネットワーク通信インターフェース(I/F)30、電話回線インターフェース(I/F)32、及びハードディスク34等の各機能部が接続されている。
【0029】
操作表示部20は、例えばコピー開始等を指示するためのスタートボタンやテンキー等の各種ボタン、コピー濃度等の各種の画像形成条件や外部サーバ14が提供するサービス処理のパラメータを設定するための設定画面、装置の状態等の各種画面等を表示するためのタッチパネル等を含んで構成される。
【0030】
画像読取部22は、ラインCCD等の画像読取センサや当該画像読取センサを走査するための走査機構等を含んで構成され、装置にセットされた原稿の画像を読み取る。
【0031】
画像形成部24は、例えば所謂電子写真方式により記録媒体上に画像を形成するものである。具体的には、画像形成部24は、感光体ドラムを帯電するための帯電装置、帯電された感光体ドラム上を画像に応じた光で露光することにより感光体ドラム上に画像に応じた静電潜像を形成する露光装置、感光体ドラム上に形成された静電潜像をトナー現像する現像装置、感光体ドラム上に形成された画像に応じたトナー像を記録媒体に転写する転写装置、記録媒体に転写された画像に応じたトナー像を定着する定着装置等を含んで構成される。
【0032】
なお、露光装置としては、半導体レーザや回転多面鏡、コリメータレンズやシリンドリカルレンズ、fθレンズ等の光学系を含んで構成された光走査装置、複数のLEDから成るLEDヘッド等がある。
【0033】
用紙供給部26は、記録用紙が収容される用紙収容部や、用紙収容部から画像形成部24へ記録用紙を供給する供給機構等を含んで構成される。
【0034】
用紙排出部28は、記録用紙が排出される排出部や、画像形成部24で画像が形成された記録用紙を排出部上に排出させるための排出機構等を含んで構成される。
【0035】
ネットワーク通信I/F30は、ネットワーク16を介して外部サーバ14とデータ通信を行うためのインターフェースである。
【0036】
電話回線通信I/F32は、図示しない電話回線を介して接続された他の画像形成装置とファクシミリ通信を行うためのインターフェースである。
【0037】
ハードディスク34は、例えば装置の各部の状態や稼働状況等のログデータ、コピーやファクシミリ通信、プリント等の処理結果のログデータ、各種の設定データ、制御プログラム等が記憶される。
【0038】
なお、後述する処理の制御プログラムは、本実施形態では一例としてハードディスク34に予め記憶され、CPU18Aがこの予め記憶された制御プログラムを読み込むことにより実行される。また、CD−ROM等の記録媒体に制御プログラムを記録し、これをCD−ROMドライブ等で読み込むことにより実行するようにしてもよい。
【0039】
図3には、外部サーバ14の概略構成を例示した。同図に示すように、外部サーバ14は、コンピュータ40を含んで構成されている。
【0040】
コンピュータ40は、CPU40A、ROM40B、RAM40C、不揮発性メモリ40D、及び入出力インターフェース(I/O)40Eがバス40Fを介して各々接続された構成となっている。
【0041】
I/O40Eには、キーボードやマウス等を含んで構成された操作部42、液晶ディスプレイ等で構成された表示部44、ネットワーク16を介して画像形成装置12とデータ通信するためのネットワーク通信インターフェース(I/F)46、及びネットワーク16に接続された他の装置、例えば画像形成装置12等に提供するサービス処理としてのアプリケーション(例えばWebアプリケーション)を実行するためのアプリケーションプログラム等を記憶するためのハードディスク48等が接続されている。
【0042】
外部サーバ14は、例えば、画像形成装置12でスキャンされた画像データに対してOCR(Optical Character Recognition)処理を施すスキャンtoOCRや、読み取られたアプリケーション、例えば画像形成装置12でスキャンされた画像データを指定されたメールアドレスにメール送信するスキャンtoメール等の画像形成処理に関する各種サービス処理をネットワーク16に接続された他の装置に対して提供する。
【0043】
外部サーバ14では、各種サービス処理を画像形成装置12に対して提供する際には、提供するサービス処理の種類及び内容に応じて課金処理する。課金の種類には、例えば外部サーバ14が提供するアプリケーションの利用内容に応じた使用料の他、外部サーバ14へ接続している時間、すなわちアプリケーションを利用している時間に応じて課金される通信料等があり、少なくとも一方の料金が含まれる。
【0044】
端末装置15は、例えば一般的なパーソナルコンピュータ等で構成され、例えば画像形成装置12に対して、画像形成装置12の各種設定の変更を要求したりする。この場合、画像形成装置12の再起動が必要となるようなシステムデータ、例えばユーザー認証に関する認証設定データ等の変更が要求された場合、画像形成装置12は、装置を再起動する。なお、再起動が必要となるようなデータは一例であり、これに限られるものではない。
【0045】
次に、本実施形態の作用として、画像形成装置12で実行される処理について、フローチャートを参照して説明する。
【0046】
図4には、画像形成装置12で実行される処理の一例を示すフローチャートを示した。なお、この処理は、ユーザーが画像形成装置12にユーザーIDやパスワード等を入力してユーザー認証が行われてログインした状態において、操作表示部20を操作して、外部サーバ14が提供するサービス処理の実行を指示すると実行される。本実施形態では、前述したスキャンtoOCRの実行をユーザーが指示した場合について説明する。
【0047】
まず、ステップ100では、外部サーバ14にアクセスする。すなわち、ユーザーが指示したスキャンtoOCRの実行を外部サーバ14に対して要求する。この場合、ユーザーID等のユーザーを特定するための情報や、サービス処理毎に付与される処理ID等の情報が外部サーバ14に送信される。
【0048】
これにより、外部サーバ14は、スキャンtoOCRのアプリケーションプログラムを実行し、アプリケーションのパラメータを設定するよう画像形成装置12に要求する。
【0049】
ここで、スキャンtoOCRのパラメータとしては、例えばスキャンの解像度、スキャンする画像のサイズ、スキャンした画像の保存先、OCR処理の種類等があるが、これに限られるものではない。
【0050】
ステップ102では、外部サーバ14からの要求に応じて、スキャンtoOCRを実行する際の各種パラメータを設定するための設定画面を操作表示部20に表示させ、ユーザーにパラメータを入力させる。入力されたパラメータは、外部サーバ14に送信すると共に、ハードディスク34に記憶する。
【0051】
ステップ103では、支払い方法を設定するための設定画面を操作表示部20に表示させ、ユーザーに支払い方法を設定させる。本実施形態では、一例としてクレジットカードでの支払いを設定した場合について説明する。この場合、クレジットカード番号や氏名等、支払いに必要な支払い情報を入力させる。入力された情報は、外部サーバ14に送信すると共に、ハードディスク34に記憶する。
【0052】
ステップ104では、サービス処理の実行を開始する。ここでは、ユーザーがスキャンする原稿を画像形成装置12にセットし、操作表示部20を操作して画像の読み取りを指示する。これにより、画像形成装置12の画像読取部22により画像の読み取りが開始され、読み取られた画像の画像データが順次外部サーバ14へ送信される。外部サーバ14では、画像形成装置12から送信された画像データに対して順次OCR処理を施し、OCR処理が施されたデータを指定された保存先に保存する。
【0053】
ステップ106では、画像形成装置12の再起動が必要となるシステムデータ等の設定変更や、処理中のサービス処理やその後実行予定の予約されたサービス処理の実行に影響のある設定変更等が端末装置15から要求されたか否かを判断する。そして、設定変更が端末装置15から要求された場合には、ステップ108へ移行し、設定変更が端末装置15から要求されていない場合には、ステップ118へ移行する。
【0054】
ステップ118では、スキャンtoOCRの処理が終了したか否かを判断する。すなわち、セットした原稿の読み取りが完了し、読み取った画像の画像データが外部サーバ14に送信されて外部サーバ14でOCR処理が終了したか否かを判断する。これは、例えば外部サーバ14から処理が終了した旨を示す情報を受信したか否かにより判断される。
【0055】
そして、スキャンtoOCRの処理が終了した場合には本ルーチンを終了し、スキャンtoOCRの処理が終了していない場合には、ステップ106へ戻る。
【0056】
一方、設定変更が端末装置15から要求された場合には、ステップ108において、設定変更を許可するか否かを確認するための図示しない確認画面を操作表示部20に表示させる。ユーザーは、この確認画面で設定変更を許可するか否かを選択する。
【0057】
ステップ110では、設定変更がユーザーによって許可されたか否かを判断する。そして、設定変更が許可された場合には、ステップ111へ移行し、設定変更が許可されなかった場合には、ステップ118へ移行する。
【0058】
ステップ111では、端末装置15から要求された設定変更処理を実行してステップ112へ移行する。
【0059】
ステップ112では、それまでに課金された課金情報をクリア(消去)するための課金クリア処理を実行する。具体的には、ユーザーIDや処理ID等の課金をクリアするのに必要な情報を含む課金クリアコマンドを外部サーバ14へ送信し、それまでに課金した料金をクリアするように要求する。
【0060】
これにより、外部サーバ14では、指定された処理IDのサービス処理に対してそれまでに課金した課金情報をクリアする。例えば、原稿枚数100枚の原稿のスキャンtoOCR処理の実行をユーザーが指示した場合において、50枚分の原稿の読み取り及びOCR処理が終了した時点で端末装置15から再起動を伴う設定変更の要求があった場合には、すでに50枚分のスキャンtoOCR処理に対して課金されているので、その50枚分の課金情報をクリアする。また、通信料も課金されている場合には、その通信料もクリアする。
【0061】
なお、画像形成装置12側でも課金処理を実行している場合には、その課金情報もクリアする。
【0062】
ステップ113では、支払い情報をクリア(消去)するための情報クリア処理を実行する。具体的には、カード番号等の支払い情報のクリアを指示する情報クリアコマンドを外部サーバ14へ送信し、支払い情報を消去するように要求する。
【0063】
これにより、外部サーバ14では、ハードディスク48に記憶していた支払い情報を消去する。また、画像形成装置12においても、ハードディスク34に記憶していた支払い情報を消去する。
【0064】
そして、情報クリア処理が実行されると、ステップ114において、画像形成装置12を再起動させる。なお、外部サーバ14から消去完了した旨の情報を受信した後に画像形成装置12を再起動させてもよい。また、外部サーバ14から消去対象となった情報を画像形成装置12に通知するようにしても良い。
【0065】
画像形成装置12が再起動された後は、ステップ116において、リカバリー処理を実行する。具体的には、まず、課金がクリアされたこと及び支払い情報がクリアされたことを示すメッセージを操作表示部20に表示する。これにより、ユーザーは、課金情報及び支払い情報がクリアされたことを把握する。なお、再起動後にメッセージを表示する場合に限らず、再起動前や消去処理中(例えば課金情報クリア中等)にメッセージを表示するようにしても良い。
【0066】
また、画像形成装置12は、ステップ102で設定したパラメータをハードディスク34から読み出して外部サーバ14へ送信し、再接続する。これにより、ユーザーは、再度パラメータの設定をすることなく、再びサービス処理の提供が受けられる。リカバリー処理を実行した後は、ステップ103へ移行して、上記の処理を繰り返す。なお、リカバリー処理は、再起動時のユーザー認証により認証されたユーザーが、処理中のサービス処理を起動したユーザーであった場合にのみ行い、それ以外のユーザーの場合はリカバリー処理を行わないようにしてもよい。
【0067】
このように、外部サーバ14からサービス処理が提供されている場合に、端末装置15から再起動が必要な設定変更の要求があった場合は、課金をクリアして再起動するので、ユーザーに対して不必要に課金されてしまうのが防止される。また、クレジットカード番号等の支払い情報も消去して再起動するので、個人情報が不必要に外部サーバ14に記憶されたままになってしまうのが防止される。
【0068】
なお、本実施形態では、ステップ108で再起動を許可するか否かを確認するための確認画面を表示させて、ユーザーによって再起動が許可された場合に再起動する場合について説明したが、確認画面を表示せずに、すなわちユーザーによる再起動の許可を得ることなく再起動するようにしてもよい。
【0069】
また、ステップ112の課金クリア処理及びステップ113の情報クリア処理は、何れか一方の処理のみを実行するようにしてもよい。
【0070】
また、ステップ116のリカバリー処理を実行せずに、ステップ100へ戻って最初から処理を実行するようにしてもよい。
【0071】
(第2実施形態)
【0072】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一部分には同一符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0073】
本実施形態に係る画像形成システムは、第1実施形態で説明した画像形成システム10と同一であるので、説明は省略する。
【0074】
次に、本実施形態の作用として、画像形成装置12で実行される処理について、図5に示すフローチャートを参照して説明する。
【0075】
図5に示すフローチャートが第1実施形態で説明した図4のフローチャートと異なる点は、ステップ107、109の処理である。その他のステップの処理は、図4と同一であるので、説明は省略する。
【0076】
ステップ106で肯定判定されると、ステップ107では、端末装置15から要求された再起動が必要となる設定変更が、処理中のサービス処理やその後実行予定の予約されたサービス処理の実行に影響のある設定変更(例えば画像読取部22の設定パラメータの制限設定やOCR処理等の外部サーバ14が提供するサービスの課金情報の更新など)であるか否かを判断する。
【0077】
そして、端末装置15から要求された再起動が必要となる設定変更が、処理中のサービス処理やその後実行予定の予約されたサービス処理の実行に影響のある設定変更である場合には、ステップ109へ移行する。
【0078】
ステップ109では、再起動が行われる旨を示す再起動通知画面を操作表示部20に表示させる。この再起動通知画面では、例えば「処理中の課金情報が変更になるため、再起動を行います。処理中の課金情報は削除されます。」といったようなメッセージを表示する。その後は、第1実施形態と同様に再起動処理等が実行される。
【0079】
このように、端末装置15から要求された再起動が必要となる設定変更が、処理中のサービス処理やその後実行予定の予約されたサービス処理の実行に影響のある設定変更である場合には、強制的に再起動される。
【0080】
一方、端末装置15から要求された再起動が必要となる設定変更が、処理中のサービス処理やその後実行予定の予約されたサービス処理の実行に影響のない設定変更である場合には、ステップ108へ移行し、第1実施形態と同様に、設定変更を許可するか否かを確認するための確認画面を操作表示部20に表示させる。
【0081】
そして、ユーザーが、設定変更を許可した場合には、ステップ110で肯定判定され、第1実施形態と同様に再起動処理等が実行される。なお、すぐに再起動処理せずに、現在処理中のサービス処理が終了した後に再起動するようにしてもよい。
【0082】
なお、上記各実施形態で説明した画像形成装置12の構成(図2参照)は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要な部分を削除したり、新たな部分を追加したりしてもよいことは言うまでもない。
【0083】
また、上記各記実施形態で説明した制御プログラムの処理の流れ(図4、5参照)も一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよいことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0084】
10 画像形成システム
12 画像形成装置
14 外部サーバ
15 端末装置
16 ネットワーク
18 コンピュータ
20 操作表示部
22 画像読取部
24 画像形成部
26 用紙供給部
28 用紙排出部
30 ネットワーク通信I/F
32 電話回線通信I/F
34 ハードディスク
40 コンピュータ
42 操作部
44 表示部
46 ネットワーク通信I/F
48 ハードディスク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信回線を介して接続された他の端末装置から、本装置の再起動が必要な処理が要求された場合に当該本装置を再起動させる再起動手段と、
前記通信回線を介して接続されたサービス処理提供装置から画像処理に関するサービス処理の提供を受けている場合において、前記他の端末装置から前記再起動が必要な処理が要求された場合、本装置が再起動される前に、前記サービス処理の利用に関する情報を消去する消去手段と、
を備えた画像形成装置。
【請求項2】
前記通信回線を介して接続されたサービス処理提供装置から画像処理に関するサービス処理の提供を受けている場合において、前記他の端末装置から前記再起動が必要な処理が要求され、当該再起動が必要な処理が、前記サービス処理提供装置から提供を受けているサービス処理の実行に影響がある処理である場合には、再起動する旨を通知するための再起動通知画面を表示する再起動通知画面表示手段をさらに備え、
前記再起動手段は、前記再起動通知画面の表示後、本装置を再起動させる
請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記通信回線を介して接続されたサービス処理提供装置から画像処理に関するサービス処理の提供を受けている場合において、前記他の端末装置から前記再起動が必要な処理が要求され、当該再起動が必要な処理が、前記サービス処理提供装置から提供を受けているサービス処理の実行に影響がない処理である場合には、前記再起動を許可するか否かを確認するための確認画面を表示する確認画面表示手段をさらに備え、
前記再起動手段は、前記確認画面において前記再起動が許可された場合に、本装置を再起動させる
請求項1又は請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記再起動手段は、前記サービス処理提供装置から提供されている前記サービス処理の終了後に、本装置を再起動させる
請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記通信回線を介して接続されたサービス処理提供装置から画像処理に関するサービス処理の提供を受けている場合において、前記他の端末装置から前記再起動が必要な処理が要求された場合、前記再起動を許可するか否かを確認するための確認画面を表示する表示手段をさらに備え、
前記消去手段は、前記確認画面において前記再起動が許可された場合に、前記サービス処理の利用に関する情報を消去する
請求項1記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記再起動手段により本装置が再起動された後、前記サービス処理提供装置との接続状態を復元する復元手段
をさらに備えた請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記サービス処理の利用に関する情報は、前記サービス処理に関する課金情報及び前記サービス処理の利用に必要な個人情報の少なくとも一方を含む
請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
コンピュータを、請求項1〜請求項7の何れか1項に記載の画像形成装置を構成する各手段として機能させるための画像形成プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−44630(P2012−44630A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−186699(P2010−186699)
【出願日】平成22年8月23日(2010.8.23)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】