説明

画像形成装置及び画像形成方法

【課題】簡単なパスワード発行でも、当該パスワードに対応付けられた機密文書データを安全に印刷することが可能な複合機100を提供する。
【解決手段】文書データを受信すると、当該文書データ毎にパスワードを発行し、当該パスワードと前記文書データとを識別情報に対応付けて記憶手段509に記憶させるパスワード発行手段507と、前記パスワードを前記識別情報の送信先に通知するパスワード通知手段510と、入力された識別情報と前記記憶手段の識別情報とが一致するか否かを判定するユーザ認証手段513と、一致する識別情報に対応付けられたパスワードの入力を受け付けるパスワード受付手段514と、入力されたパスワードと前記識別情報のパスワードとが一致するか否かを判定するパスワード判定手段515と、一致するパスワードに対応する文書データを出力する文書データ出力手段511とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及び画像形成方法に関し、詳しくは、簡単なパスワード発行でも、当該パスワードに対応付けられた機密文書データを安全に印刷することが可能な画像形成装置及び画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プリンタなどの画像形成装置をネットワークに接続して使用する形態が一般的となっている。この使用形態において、画像形成装置は、複数のユーザにより共有される。そのため、特定のユーザが、ネットワークに接続されたコンピュータからプリントデータを画像形成装置に送信した際に、当該画像形成装置がコンピュータから離れた場所に設置されていた場合、前記ユーザより先に他の特定のユーザが前記画像形成装置に訪れて当該画像形成装置により画像形成された用紙を手にすることが出来るという問題がある。当該問題に対応するために、最近では、機密プリント機能を備えた画像形成装置が登場してきており、当該画像形成装置が、画像形成装置側でパスワードを発行し、プリントデータの送信元であるコンピュータにパスワードを通知し、ユーザが画像形成装置の入力画面からパスワードを入力することによって、ユーザが出力させたプリント(用紙)が他のユーザの手に渡らないようにしている。
【0003】
しかしながら、前記画像形成装置では、画像形成装置自身に無作為なパスワードを発行するパスワード発行手段を設けて、当該画像形成装置がパスワードを発行する構成であるため、発行されたパスワードをユーザが容易に覚えることが出来ず、時間の経過とともに当該パスワードを忘れてしまうという問題がある。
【0004】
一方、ユーザがコンピュータでプリントを指示する際に、ユーザが、自己の覚え易いパスワードを設定することも考えられるが、この場合であっても、依然としてパスワードを忘れてしまうという問題が残っている。プリントデータに対応するパスワードを忘れてしまうと、ユーザがプリントデータを画像形成装置に送信したにも関わらず、当該プリントデータに基づいて画像形成させることが出来ないという問題がある。
【0005】
このような問題を解決する技術として、特開2008−71322号公報(特許文献1)には、通信可能に接続されたコンピュータからパスワードとプリントデータとを受信するプリントデータ受信手段と、前記プリントデータを前記パスワードと関連付ける関連付手段と、ユーザの操作の入力を受け付ける操作受付手段と、前記操作受付手段により受け付けられたパスワードが前記プリントデータと関連付けられたパスワードと一致することを条件に、前記プリントデータに基づき画像を形成する画像形成手段と、前記操作受付手段により前記プリントデータが選択された後、該選択されたプリントデータに関連付けられた前記パスワードが入力されることなく所定時間が経過したとき、または、前記選択されたプリントデータに関連付けられた前記パスワードと一致しないパスワードが入力されたとき、前記選択されたプリントデータを送信してきたコンピュータに前記パスワードを送信するパスワード送信手段とを備えた画像形成装置が開示されている。当該構成により、機密プリント機能が設定されたプリントデータにおけるパスワードを忘れた場合であってもプリントデータを画像形成することが可能となるとともに、機密プリント機能が設定されたプリントデータにおけるパスワードを通知し、ユーザが忘れてしまったパスワードに対応するプリントデータを確実に画像形成することが可能となるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−71322号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の技術でも、ユーザがパスワードを覚える必要があり、当該ユーザがパスワードを忘れた場合や間違ったパスワードを入力した場合、再度、自己のパーソナルコンピュータ(PC)で確認する必要があり、手間や時間が掛かるという問題がある。
【0008】
又、特許文献1に記載の技術において、例えば、画像形成装置がユーザにとって覚え易いパスワードを発行するように設計変更した場合、当該パスワードは他のユーザにとっても覚え易いパスワードであるから、他のユーザが偶然に入力したパスワードによってプリントデータを画像形成させるおそれもあり、パスワードを簡単に構成することが出来ないという問題がある。
【0009】
ところで、上述した機密プリント機能において文書データ毎に発行される一時的なパスワードは、一時的に使用されるだけのパスワードであるにも関わらず、文書データを認証する機能とユーザを認証する機能とを担保出来るように、複雑化(長文化)しているという実態がある。
【0010】
一方、近年では、ユーザ認証の機能を付与している画像形成装置が定着してきており、画像形成装置を使用する毎に、ユーザを認証するためのユーザIDの入力やユーザIDに対応するパスワードの入力を要求し、使用許可されたユーザID又はパスワードが入力されて初めて画像形成装置の使用が可能となる構成となってきている。
【0011】
そこで、機密プリント機能におけるパスワードが担ってきたユーザ認証機能を、画像形成装置に備えられたユーザ認証機能に代替することが出来れば、文書データ認証機能だけを担保出来る簡単なパスワードでも、十分に機密プリント機能を果たす可能性があり、機密プリント機能の安全性と、パスワードの簡略化(短文化)とを相互に実現出来る可能性がある。パスワードが簡略化(短文化)されれば、当然、ユーザがパスワードを覚える手間を軽減できるから、ユーザに対する利便性も向上する。
【0012】
そこで、本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、簡単なパスワード発行でも、当該パスワードに対応付けられた機密文書データを安全に印刷することが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る画像形成装置は、文書データを受信すると、当該文書データ毎にパスワードを発行し、当該パスワードと前記文書データとを、文書データを送信した送信先のユーザを識別する識別情報に対応付けて記憶手段に記憶させるパスワード発行手段と、前記パスワードを前記識別情報の送信先に通知するパスワード通知手段とを備える。又、当該画像形成装置は、ユーザにより識別情報が入力されると、入力された識別情報と前記記憶手段の識別情報とが一致するか否かを判定するユーザ認証手段と、入力された識別情報と前記記憶手段の識別情報とが一致する場合、一致する識別情報に対応付けられたパスワードの入力を受け付けるパスワード受付手段と、ユーザによりパスワードが入力されると、入力されたパスワードと前記識別情報のパスワードとが一致するか否かを判定するパスワード判定手段と、入力されたパスワードと前記識別情報のパスワードとが一致する場合、当該パスワードに対応する文書データを出力する文書データ出力手段とを備える。
【0014】
当該構成により、ユーザが画像形成装置の機密プリント機能を利用する際に、ユーザの識別情報に基づいて文書データを送信したユーザを認証し、当該識別情報に対応付けられた文書データのパスワードを受け付けるため、一時的に発行されるパスワードを、文書データを認証可能な程度の簡単なパスワードとしても、複合機全体として、文書データを送信したユーザの認証機能と、ユーザが出力させたい文書データの認証機能とを付与することが可能となる。そのため、従来技術の機密プリント機能で発行されていたパスワードと比較して、十分に簡単なパスワードを発行しても、機密プリント機能の安全性を維持することが可能となるとともに、パスワードの簡略化によってユーザに対するパスワードの覚え難さ(忘れ易さ)を軽減することが可能となる。その結果、機密プリント機能におけるユーザの利便性を向上させることが可能となる。
【0015】
又、前記パスワード発行手段は、文書データ毎にそれぞれパスワードと文書番号とを発行し、当該パスワードと当該文書番号と前記文書データとを前記識別情報に対応付けて記憶手段に記憶させ、前記パスワード通知手段は、前記パスワードと前記文書番号とを前記識別情報の送信先に通知する。又、前記パスワード受付手段は、入力された識別情報と前記記憶手段の識別情報とが一致する場合、一致する識別情報に対応付けられたパスワードの入力を文書番号毎に受け付け、前記パスワード判定手段は、ユーザにより所定の文書番号に対するパスワードが入力されると、入力されたパスワードと、当該文書番号に対応する前記識別情報のパスワードとが一致するか否かを判定し、前記文書データ出力手段は、入力されたパスワードと前記識別情報のパスワードとが一致する場合、当該パスワードに対応する文書データを出力するよう構成することが出来る。
【0016】
当該構成により、文書データ毎にパスワードと文書番号とを発行させ、ユーザに文書番号を基準に文書データ毎のパスワード入力を促すことによって、文書番号と文書データとの対応関係は、文書データを送信したユーザ本人のみが知りうる事項となるから、仮に、第三者が、文書データの送信者本人になりすまして機密プリント機能を利用しようと試みたとしても、文書番号と文書データとの対応関係が不明であるが故に、文書データに対応する正しいパスワードを入力することが出来ないこととなる。その結果、機密プリント機能の安全性を強化することが可能となる。
【0017】
又、前記文書データ出力手段は、入力されたパスワードと前記識別情報のパスワードとが一致しない場合、当該パスワードに対応する文書データを削除するよう構成することが出来る。
【0018】
当該構成により、何らかの理由により、他のユーザが認証に成功したとしても、当該他のユーザが入力するパスワードが識別情報のパスワードと異なれば、文書データが削除されるため、機密性の高い文書データが外部に漏洩する事態を回避することが可能となる。尚、正規のユーザが、誤って識別情報のパスワードと異なるパスワードを入力して、文書データが削除されたとしても、当該ユーザは、当該文書データの送信者本人であるから、再度、文書データを画像形成装置に送信すれば足りる。
【0019】
尚、本発明は、電気通信回線などを介して個別に流通するプログラムとして提供することができる。この場合、図示しない中央演算処理装置(CPU)が、本発明のプログラムにしたがってCPU以外の各回路と協働して制御動作を実現している。但し、上記プログラム及びCPUを用いて実現される各手段は、専用のハードウェアを用い構成することもできる。
【0020】
又、プログラムは、CD−ROMなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された状態で流通することもある。さらに、各手段が実行するステップをメニュー表示方法として提供することも可能である。
【発明の効果】
【0021】
本発明の画像形成装置によれば、簡単なパスワード発行でも、当該パスワードに対応付けられた機密文書データを安全に印刷することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係る複合機の内部の全体構成を示す概念図である。
【図2】本発明に係る画像読取部の拡大図である。
【図3】本発明に係る操作部の外観の一例を示す概念図である。
【図4】本発明に係る複合機の制御系ハードウェアの構成とネットワークを介して複合機に接続されたパーソナルコンピュータとを示す図である。
【図5】本発明の複合機及びパーソナルコンピュータの機能ブロック図である。
【図6】本発明の実施形態に係るパスワードの発行と通知の実行手順を示すためのフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態に係る文書データの出力の実行手順を示すためのフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態のディスプレイ上に表示されたプリント指示画面の一例を示す図(図8A)と、本発明の実施形態の文書データ−パスワードテーブルの一例を示す第一の図(図8B)である。
【図9】本発明の実施形態のディスプレイ画面上に表示されたパスワード確認画面の一例を示す図(図9C)と、本発明の実施形態のタッチパネル上に表示されたコピー初期画面の一例を示す図(図9D)である。
【図10】本発明の実施形態のタッチパネル上に表示されたユーザ認証画面の一例を示す図(図10E)と、本発明の実施形態の文書データ−パスワードテーブルの一例を示す第二の図(図10F)である。
【図11】本発明の実施形態のタッチパネル上に表示されたパスワード受付画面の一例を示す第一の図(図11G)と、本発明の実施形態のタッチパネル上に表示されたパスワード受付画面の一例を示す第二の図(図11H)である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下に、添付図面を参照して、本発明の画像形成装置の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。又、フローチャートにおける数字の前に付されたアルファベット「S」はステップを意味する。
【0024】
<画像形成装置>
以下に、本発明に係る画像形成装置は、例えば、プリンタ、スキャナ単体、或いはプリンタ、コピー、スキャナ、ファックス等を備えた複合機等が該当する。
【0025】
図1は、本発明に係る複合機100の内部の全体構成を示す概念図である。ただし、本発明に直接には関係しない各部の詳細は省略している。尚、一例として複合機100を利用して原稿のファクシミリ機能を提供する際の複合機100の動作を簡単に説明する。
【0026】
ユーザが複合機100を利用して例えば原稿Pのファクシミリ送信を行う場合、原稿Pを図1に示す原稿台101、或いは載置台102に配置し、原稿台101近傍に供えられた操作部103に対して印刷の指示を行う。ユーザは前記操作部103を介して、例えば、ファクシミリ送信先の印刷装置(ファクシミリ装置)を指定する送信先の電話番号等を複合機100に入力する。前記操作部103を介して当該送信先の電話番号とファクシミリ送信の指示とが受け付けられることによって、以下に示す各部(駆動部)が動作し、ファクシミリ送信が行われる。
【0027】
即ち、図1に示すように、本実施形態の複合機100は、本体104と、本体104の上方に取り付けられたプラテンカバー105を備える。本体104の上面は原稿台101が設けられており、原稿台101は、プラテンカバー105によって開閉されるようになっている。プラテンカバー105は、自動原稿給紙装置106と載置台102と排紙台107が設けられている。
【0028】
自動原稿給紙装置106は、プラテンカバー105の内部に形成された原稿搬送路108と、プラテンカバー105の内部に備えられたピックアップローラ109や搬送ローラ110A、110B等で構成される。原稿搬送路108は、載置台102から、本体104に設けられた画像読取部111にて読み取りが行なわれる読取位置Xを経由して、排紙台107に通じる原稿の搬送路である。
【0029】
自動原稿給紙装置106は、載置台102に載置された複数の原稿から1枚ずつ原稿をピックアップローラ109で搬送路内108に引き出し、搬送ローラ等によって引き出した原稿を、読取位置Xを通過させて、搬送ローラ110Bにより排紙台107に排紙する。読取位置Xを通過する時に原稿は画像読取部111にて読み取られる。
【0030】
前記画像読取部111は、原稿台101の下方に設けられており、図2にその詳細が示されている。画像読取部111は、原稿台102を照射する走査方向に長い光源112と、原稿台からの光を選択的に通過させるスリット113と、原稿台からの光を導くミラー114とを備える第一の移動キャリッジ115や、第一の移動キャリッジ115からの反射光を再度反射するミラー116A、116Bを備える第二の移動キャリッジ117、更にミラーで導かれた光を光学的に補正するレンズ群118、当該レンズ群118より補正された光を受光する撮像素子119、撮像素子119にて受光した光を電気信号に変換し、必要に応じて補正処理・画質処理・圧縮処理などを行う画像データ生成部120とで構成されている。
【0031】
自動原稿給紙装置106上の原稿を読み取る場合には、光源112は、読取位置Xを照射できる位置に移動して発光する。光源112からの光は、原稿台101を透過して読取位置Xを通過する原稿にて反射し、スリット113、ミラー114、116A、116B、レンズ群118によって撮像素子119に導かれる。撮像素子119は、受光した光を電気信号に変換して画像データ生成部120に送信する。画像データ生成部120には、前記撮像素子119にて受光された光がR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)のアナログ電気信号として入力され、ここでアナログ−デジタル変換され、即ちデジタル化される。さらに、画像データ生成部120では、順次変換されたデジタル信号を単位データ(濃度値)とし、これら単位データを補正処理、画質処理、圧縮処理等することで複数の単位データからなる画像データを生成する。
【0032】
又、画像読取部111は、自動原稿給紙装置106で搬送される原稿だけでなく、原稿台101に載置された原稿も読み取ることが可能となっている。原稿台101に載置された原稿を読み取る場合は、第一のキャリッジ114は、光源112を発光しながら副走査方向に移動し、光源112から撮像素子119までの光路長を一定にするために、第二の移動キャリッジ117は第一の移動キャリッジ115の1/2の速度で撮像素子119方向に移動する。
【0033】
撮像素子119は、自動原稿給紙装置106に搬送された原稿のときと同様に、ミラー114、116A、116Bに導かれた光に基づいて原稿台101に載置された原稿からの光を電気信号に変換し、これに基づいて画像データ生成部120が画像データ(文書データ)を生成し、記憶部120Bに記憶する。
【0034】
本体104の記憶部120Bの下方には、画像データを所定の送信先のパーソナルコンピュータ(PC)120Cから受信し、後述するパスワードを当該PC120Cへ送信する通信部120Dを備えている。当該通信部120Dでは、ネットワークインターフェイス120Eを介して、ネットワーク120Fに接続された送信先のPC120Cから画像データを受信し、パスワードを送信する。ネットワーク120Fを介してパスワードを受信したPC120Cは、当該パスワードをディスプレイに表示させる(後述する)。
【0035】
又、本発明に係る複合機100は、コピー機能の処理を実行する画像形成部121を更に備えている。前記画像形成部121は、本体104の画像読取部111の下方に設けられており、記憶部120Bに記憶された画像データを印刷(出力)する。画像形成部121が印刷できる画像データは、前記のように画像データ生成部120にて生成されたものや、その他画像形成装置100とネットワークに接続されたPC120C等の端末から、ネットワーク120Fを介して受信したものである。
【0036】
画像形成部121が行う印刷方式には、電子写真方式が用いられている。即ち、感光ドラム122を帯電器123で一様に帯電させ、その後レーザ124で感光ドラム122を照射して感光ドラム122に潜像を形成し、現像器125で潜像にトナーを付着させて可視像を形成し、転写ローラにて可視像を転写媒体に転写する方式である。
【0037】
尚、フルカラー画像に対応した画像形成装置では、前記現像器(ロータリー現像器)125が、図1の紙面に対して垂直方向に構成される回転軸を中心として周方向に回転させられ、対応する色のトナーが格納された現像ユニットが感光ドラム122の対向位置に配置される。この状態で、感光ドラム122上の潜像が、現像器125が格納するトナーにより現像され、中間転写ベルト126Aに転写される。尚、現像器125は、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各トナーをそれぞれ格納する4つの現像ユニット125(Y)、(C)、(M)、(K)を有している。前記中間転写ベルト126Aへの転写を前記各色毎に繰り返すことにより、当該中間転写ベルト126A上にフルカラー画像が形成される。可視像が印刷される転写媒体、即ち用紙は、給紙カセット132、133、134などの給紙トレイに載置されたものである。
【0038】
画像形成部121が印刷を行う際には、何れか1つの給紙トレイから転写媒体1枚を、ピックアップローラ135を用いて引き出し、引き出した転写媒体を搬送ローラ136やレジストローラ137で中間転写ベルト126Aと転写ローラ126Bの間に送り込む。画像形成部121は、中間転写ベルト126Aと転写ローラ126Bの間に送り込んだ転写媒体に、前記中間転写ベルト126A上の可視像を転写すると、可視像を定着させるために、搬送ベルト127で定着部128(定着装置)に転写媒体を送る。定着部128は、ヒータが内蔵された加熱ローラ129と、所定の圧力で加熱ローラ129に押し当てられた加圧ローラ130とで構成されている。加熱ローラ129と加圧ローラ130の間を転写媒体が通過すると、熱と転写媒体への押圧力によって可視像が転写媒体に定着する。定着が行われた転写媒体は排紙トレイ131に排紙される。
【0039】
このような手順にて、複合機100のコピー機能の処理がなされる。
【0040】
図3は、本発明に係る操作部103の外観の一例を示す概念図である。ユーザは、前記操作部103を用いて、上述のようなコピー機能に関する設定条件、例えば、用紙のサイズを入力したり、後述する機密プリント機能を設定したり、所定のユーザID、パスワードを入力したり、入力された設定条件、ユーザID、パスワード等を確認したりする。前記設定条件等が入力される場合、前記操作部103に備えられたタッチパネル301、タッチペン302、操作キー303が用いられる。
【0041】
前記タッチパネル301には、設定条件等を入力する機能と当該設定条件等を表示する機能が兼ね備えられている。例えば、タッチパネル301上に表示された設定画面内のキーが押下(選択)されることによって、キーに関連付けられた設定条件が複合機100に入力される。押下されたキー等の背景色は、当該押下に連動して白色から灰色へ変更されるため、キー等の背景色によって、キー等が押下されている状態であるか否かが視認される。所定のユーザID入力やパスワード入力も同様である。
【0042】
又、タッチパネル301の近傍には、タッチペン302が備えられており、ユーザがそのタッチペン302の先をタッチパネル301に接触させると、タッチパネル下に設けられたセンサーが接触先を検知する。タッチペンの先は、ほぼ点に近いため、前記センサーは、例えば、接触先をドット単位(最小単位)で検知することとなる。従って、例えばタッチパネル301内の位置を指で指定する場合と比較すると、タッチペン302で位置指定する方がより細かい位置を正確に指定することができる。ユーザは、指先に代えてタッチペン302によりタッチパネル301上に表示されたキー等を選択することが可能である。
【0043】
更に、タッチパネル301近傍には、所定数の操作ハードキー303が設けられ、例えば、テンキー304、スタートキー305、クリアキー306、ストップキー307、リセットキー308、電源キー309、アップハードキー310、ダウンハードキー311が備えられている。
【0044】
次に、図4を用いて、複合機100の制御系ハードウェアの構成を説明する。図4は、本発明に係る複合機100の制御系ハードウェアの構成とネットワークを介して複合機に接続されたパーソナルコンピュータとを示す図である。但し、本発明に直接には関係しない各部の詳細は省略している。
【0045】
複合機100の制御回路は、CPU(Central Processing Unit)401、ROM(Read Only Memory)402、RAM(Random Access Memory)403、HDD(Hard Disk Drive)404、各駆動部に対応するドライバ405、通信インターフェイス407を内部バス406によって接続している。前記CPU401は、例えば、RAM403を作業領域として利用し、前記ROM402、HDD404等に記憶されているプログラムを実行し、当該実行結果に基づいて前記ドライバ405と図示しない操作部103からのデータや指示を授受し、前記図1に示した各駆動部の動作を制御する。また、前記駆動部以外の後述する各手段(図5に示す)についても、前記CPU401がプログラムを実行することで当該各手段を実現する。前記ROM402、HDD404等には、以下に説明する各手段を実現するプログラムやデータが記憶されている。又、前記通信インターフェイス407は、ネットワーク120F(ネットワーク120Fに接続された通信ケーブル)を介して、他機であるパーソナルコンピュータ(PC)120C等と接続している。前記CPU401は、前記通信インターフェイス407を介して前記PC120C等とデータの授受を行なう。尚、前記PC120Cの制御回路も、上述した複合機100の制御回路と同様である。
【0046】
<本発明の実施形態>
次に図5〜図7を参照しながら、本発明の実施形態に係る複合機100が、簡単なパスワード発行でも、当該パスワードに対応付けられた機密文書データを安全に印刷する手順について説明する。図5は、本発明の実施形態に係る複合機100の機能ブロック図である。図6は、本発明の実施形態に係るパスワードの発行と通知の実行手順を示すためのフローチャートである。図7は、本発明の実施形態に係る文書データの出力の実行手順を示すためのフローチャートである。
【0047】
<パスワードの発行と通知>
まず、ユーザがネットワークを介して複合機100に接続されたPC120Cの電源を投入し、マウス、キーボード等の入力手段501を用いて自己のユーザID(ユーザを識別する識別情報、例えば、「N0001」)を入力すると、PCのユーザ認証手段502(第一のユーザ認証手段)は、ユーザID「N0001」を受け付け(図6:S101)、入力されたユーザIDと、認証情報記憶手段503に予め記憶された使用許可ID(例えば、「N0001」)とを比較して両者が一致するか否かを判定する(図6:S102)。
【0048】
判定の結果、両者が一致した場合(図6:S102YES)、第一のユーザ認証手段502は、ユーザによるPCの使用を許可して、PCの初期画面(図示せず)を表示し、当該初期画面を介してユーザからの様々な指示を受け付ける。一方、両者が一致しない場合(図6:S102NO)、第一のユーザ認証手段502は、再度、ユーザから正しいユーザIDの入力を受け付ける(図6:S101)。
【0049】
さて、第一のユーザ認証手段502が前記初期画面を表示すると、ユーザは当該初期画面を見ながら入力手段501を用いて、PC120Cに記憶されている文書データのプリント指示を入力する。当該プリント指示の入力を受けた第一のユーザ認証手段502は、前記文書データを記憶する文書データ記憶手段504を参照するとともに、PC120C以外の他機と通信する通信手段505(第一の通信手段)から現時点において通信可能な画像形成装置の出力先識別情報(例えば、IPアドレス)を参照する。そして、第一のユーザ認証手段502は、前記文書データと前記出力先識別情報に対応する出力先とが表示されたプリント指示画面をPC120Cのディスプレイ上に表示する(図6:S103)。
【0050】
図8Aは、本発明の実施形態のディスプレイ上に表示されたプリント指示画面の一例を示す図である。
【0051】
図8Aに示すように、プリント指示画面800には、現時点でPC120Cを使用しているユーザのユーザID「N0001」801と、出力希望の文書データの選択をユーザに促す旨のメッセージ「文書データを指定してください。」802と、前記文書データに対応する文書名称キー803と、文書データの出力希望の送信先(出力先)の選択をユーザに促す旨のメッセージ「文書データの送信先を指定してください。」804と、前記出力先に対応する出力先キー805と、出力先の画像形成装置に機密プリント機能を実行させるための「機密プリント」キー806と、選択された出力先に選択された文書データを送信させるための「送信」キー807と、「キャンセル」キー808とが表示される。
【0052】
ユーザは、プリント指示画面800を見ながら、入力手段501に対応するポインタを動かし、所定数の文書名称キー803(例えば、「議事録」キー、「明細書」キー、「住所録」キー)と所定の出力先キー805(例えば、「複合機M001」キー)と「機密プリント」キー806とを選択し、「送信」キー807を選択すると、第一のユーザ認証手段502は、機密プリント機能で所定の文書データを所定の出力先へ送信する旨を受け付け(図6:S104)、受け付けた文書名称キーに対応する文書データ(「議事録」、「明細書」、「住所録」)を文書データ記憶手段504からそれぞれ読み出し、読み出した文書データと機密プリントである旨を示す情報(機密プリント情報とする)とを第一の通知手段505を介して、受け付けた出力先(「複合機M001」)の複合機の通信手段506(第二の通信手段)に送信する(図6:S105)。
【0053】
第二の通信手段506が前記文書データと前記機密プリント情報とを受信すると、その旨をパスワード発行手段507に通知し、当該通知を受けたパスワード発行手段507は、受信した文書データとともに機密プリント情報が存在するか否かを判定する(図6:S106)。
【0054】
判定の結果、機密プリント情報が存在する場合(図6:S106YES)、パスワード発行手段507は、文書データ毎にパスワードを発行する(図6:S107)。
【0055】
ここで、パスワード発行手段507が発行するパスワードは、文書データ相互に異なるパスワード(文書データを識別(認証)可能なパスワード)であれば、どのような構成のパスワードでも構わない。本発明の実施形態では、パスワード発行手段507が、パスワードを構成する文字数を4文字とし、アルファベットのうち無作為に1文字のアルファベット(例えば、「X」)を選択して、選択した1文字を4つ連続して並べた文字列(例えば、「XXXX」)をパスワードとして一の文書データに対して発行する。
【0056】
又、本発明の実施形態では、パスワード発行手段507が、一の文書データに対して一のパスワードを発行すると、更に、当該文書データに対して、当該文書データを受信した順番を示す文書番号(例えば、「D001」)を発行する。3つの文書データが受信されているため、パスワード発行手段507は、3つの文書データ(「議事録」、「明細書」、「住所録」)に対して、相互に異なる3つのパスワード(例えば、「XXXX」、「YYYY」、「ZZZZ」)を発行するとともに、それぞれの文書データに対して、受信した順番を示す3つの文書番号(例えば、「D001」、「D002」、「D003」)を発行する。
【0057】
パスワード発行手段507が前記パスワードと前記文書番号とを発行すると、その旨を識別情報取得手段508に通知する。当該通知を受けた識別情報取得手段508は、文書データを送信した送信先のユーザを識別する識別情報(ユーザID「N0001」)を取得する(図6:S108)。当該取得方法は、例えば、識別情報取得手段508が、第二の通信手段506を介して送信先の送信先識別情報(例えば、IPアドレス)に基づいてPC120Cの第一のユーザ認証手段502又は認証情報記憶手段503から、ユーザが入力したユーザIDを取得しても良いし、第一のユーザ認証手段502が文書データを送信する際に、当該文書データにユーザIDを付与する構成として、識別情報取得手段508が、受信した文書データに付与されたユーザIDを取得しても構わない。単純に、第一のユーザ認証手段502が文書データとともにユーザIDを送信するよう構成しても良い。
【0058】
識別情報取得手段508がユーザID(「N0001」)を取得すると、パスワード発行手段507に当該ユーザIDを通知し、当該通知を受けたパスワード発行手段507は、当該ユーザIDに、受信した文書データと、当該文書データに対して発行したパスワードと、当該文書番号とを対応付けて文書データ−パスワードテーブルとして文書データ−パスワード記憶手段509に記憶させる(図6:S109)。
【0059】
図8Bは、本発明の実施形態の文書データ−パスワードテーブルの一例を示す第一の図である。
【0060】
図8Bに示すように、文書データ−パスワードテーブル809には、ユーザID「N0001」810に対応する文書データ811と、文書番号812と、パスワード813とが関連付けて記憶される。
【0061】
パスワード発行手段507が、文書データ−パスワード記憶手段509への記憶を完了すると、その旨をパスワード通知手段510に通知する。当該通知を受けたパスワード通知手段510は、記憶された文書データ−パスワードテーブル809を参照して、ユーザID「N0001」810に属する文書番号812とパスワード813とを、第二の通信手段506を介して文書データの送信先の第一のユーザ認証手段502に通知する(図6:S110)。当該通知を受けた第一のユーザ認証手段502は、送信した文書データに文書番号812とパスワード813が対応付けられたパスワード確認画面をPC120Cのディスプレイ画面上に表示して、発行された文書番号812とパスワード813とをユーザに通知する(図6:S111)。
【0062】
図9Cは、本発明の実施形態のディスプレイ画面上に表示されたパスワード確認画面の一例を示す図である。
【0063】
図9Cに示すように、パスワード確認画面900には、ユーザに文書データの送信が完了した旨のメッセージ「文書データを送信しました。」901と、文書データ毎にパスワードが発行された旨のメッセージ「機密プリント機能によりパスワードが発行されました。」902と、送信した文書データと文書番号とパスワードとの対応関係を示すテーブル903と、発行されたパスワードを文書データ毎にユーザに覚えてもらう旨のメッセージ「文書データに対応する文書番号、パスワードを覚えてください。」904と、パスワード確認画面900を閉じるための「OK」キー905とが表示される。これにより、ユーザは、自己の送信した文書データ毎に、文書番号とパスワードとを対応付けて覚えることになる。尚、テーブル903は、第一のユーザ認証手段502が、例えば、文書データを送信した順番と、受信した文書番号812とを対応付けて作成する。
【0064】
文書データ毎に文書番号とパスワードとを覚えたユーザが、入力手段501に対応するポインタを用いて「OK」キー905を選択すると、第一のユーザ認証手段502は、パスワード確認画面900を消去する。これにより、パスワード発行と通知の手順は終了する。
【0065】
尚、S106において、パスワード発行手段507が、機密プリント情報の有無を判定した結果、機密プリント情報が存在しない場合(図6:S106NO)、パスワード発行手段507は、パスワードを発行することなく、文書データ出力手段511に、文書データを出力する旨を通知する。当該通知を受けた文書データ出力手段511は、当該文書データに基づいて画像形成を実行する(図6:S112)。これは、通常の文書データの出力手順となる。
【0066】
<文書データの出力>
さて、パスワード確認画面900を見て、文書データ(文書番号)毎のパスワードを覚えたユーザは、自己のPCから送信先の複合機100(「複合機M001」)の前まで移動し、複合機100のタッチパネル301に指を接触させると、表示受付手段512が、コピー条件設定のためのコピー初期画面をタッチパネル301上に表示する(図7:S201)。
【0067】
図9Dは、本発明の実施形態のタッチパネル上に表示されたコピー初期画面の一例を示す図である。
【0068】
図9Dに示すように、コピー初期画面906には、コピーの条件の設定を行なうための通常の設定項目キー907の他に、機密プリントモードへ移行するための「機密プリント」キー908が表示される。
【0069】
そこで、ユーザが「機密プリント」キー908を押下(選択)すると、表示受付手段512が「機密プリント」キー908の押下(機密プリント機能の設定)を受け付け(図7:S202YES)、その旨を複合機100のユーザ認証手段513(第二のユーザ認証手段)に通知する。当該通知を受けた第二のユーザ認証手段513は、ユーザ認証画面をタッチパネル301上に表示して、文書データを送信した送信先に対応するユーザIDの入力をユーザから受け付ける(ユーザ認証する)(図7:S203)。
【0070】
図10Eは、本発明の実施形態のタッチパネル上に表示されたユーザ認証画面の一例を示す図である。
【0071】
図10Eに示すように、ユーザ認証画面1000には、ユーザに自己のユーザIDの入力を促す旨のメッセージ「文書番号に対応するパスワードを入力してください。」1001と、ユーザIDを入力可能なユーザID入力欄1002と、ユーザIDを入力するためのキーボードキー1003と、「OK」キー1004とが表示される。
【0072】
ユーザはユーザ認証画面1000を見ながら、キーボードキー1003を用いて自己のユーザID「N0001」をユーザID入力欄1002に入力して「OK」キー1004を押下すると、第二のユーザ認証手段513は、入力されたユーザID(入力ユーザID)を受け付けて(図7:S204)、当該ユーザIDが入力された時点における文書データ−パスワード記憶手段509の文書データ−パスワードテーブルを参照して、当該文書データ−パスワードテーブルに記憶されたユーザID(比較ユーザID)と、入力ユーザIDとが一致するか否かを判定する(図7:S205)。
【0073】
図10Fは、本発明の実施形態の文書データ−パスワードテーブルの一例を示す第二の図である。図10Fには、例えば、ユーザID「N0001」のユーザが文書データを送信した後に、当該ユーザID「N0001」以外のユーザID「N0002」を有するユーザが、更に、自己のPCから機密プリント情報とともに文書データを複合機100に送信した場合における文書データ−パスワードテーブル1005を示した。
【0074】
前記判定の結果、入力ユーザIDと比較ユーザIDとが一致する場合(図7:S205YES)、第二のユーザ認証手段513は、ユーザ認証が成功した旨をパスワード受付手段514に通知する。当該通知を受けたパスワード受付手段514は、図10Fに示すように、一致した比較ユーザID「N0001」1006に対応する文書番号1007(「D001」、「D002」、「D003」)を文書データ−パスワードテーブル1005から取得して、当該文書番号1007が表示されたパスワード受付画面をタッチパネル301上に表示し(図7:S206)、ユーザから文書番号1007に対応するパスワードの入力を受け付ける(図7:S207)。これにより、文書データを送信したユーザのみが認証され、当該ユーザのみが機密プリント機能を利用することが可能となる。又、ユーザ認証に使用するユーザIDは、当該ユーザによって日頃使用されるものであるから、当該ユーザが忘却する可能性は少なく、文書データを送信したユーザ本人であれば、容易に機密プリント機能を利用できるという利点もある。
【0075】
一方、第二のユーザ認証手段513の判定の結果、入力ユーザIDと比較ユーザIDとが一致しない場合(図7:S205NO)、第二のユーザ認証手段513は、入力ユーザIDを消去して、ユーザに新たなユーザIDを入力するように、再度、ユーザ認証画面1000を表示することになる(図7:S203)。これにより、第三者(文書データを送信した本人以外の者)が機密プリント機能を容易に利用する事態を回避する。
【0076】
さて、パスワード受付手段514がパスワード受付画面を表示して(図7:S206)、パスワードの入力を受け付ける場合(図7:S207)は、以下の手順となる。
【0077】
図11Gは、本発明の実施形態のタッチパネル上に表示されたパスワード受付画面の一例を示す第一の図である。
【0078】
図11Gに示すように、パスワード受付画面1100には、ユーザに文書番号に対応するパスワードの入力を促す旨のメッセージ「文書番号に対応するパスワードを入力してください。」1101と、ユーザID「N0001」に対応する文書番号1102(1007)と、文書番号1102毎に用意されるパスワード入力欄1103と、パスワードを入力するためのキーボードキー1104と、「プリントアウト」キー1105と、「キャンセル」キー1106とが表示される。
【0079】
パスワード受付画面1100を見たユーザは、所定の文書番号1102a(例えば、「D001」)のパスワード入力欄1103aを選択して、当該文書番号「D001」1102aに対応するパスワード(例えば、「XXXX」)を入力し、「プリントアウト」キー1105を押下すると、パスワード受付手段514は、入力されたパスワード(入力パスワード)を受け付け(図7:S207YES)、パスワード判定手段515に通知する。当該通知を受けたパスワード判定手段515は、ユーザが選択した文書番号「D001」1102a(1007a)に対応するパスワード1008a(比較パスワードとする)を文書データ−パスワードテーブル1005から取得し、入力パスワードと比較パスワードとが一致するか否かを判定する(図7:S208)。
【0080】
前記判定の結果、入力パスワードと比較パスワードとが一致する場合(図7:S208YES)、パスワード判定手段515は、その旨を文書データ出力手段511に通知する。当該通知を受けた文書データ出力手段511は、一致したパスワード1008a(「XXXX」)に対応付けられた文書データ1009a(「議事録」)を文書データ−パスワードテーブル1005から読み出し、当該文書データ1009aに基づいて画像形成を実行する(図7:S209)。これにより、ユーザが覚えていたパスワードに対応する文書番号の文書データを画像形成処理させることが可能となり、機密プリント機能が発揮される。
【0081】
文書データ出力手段511が文書データに基づいて画像形成処理を完了すると、完了した旨をパスワード受付手段514に通知する。当該通知を受けたパスワード受付手段514は、出力完了した文書データ「議事録」1009aと、パスワード「XXXX」1008aと、文書番号「D001」1007aとを文書データ−パスワードテーブル1005から消去する(図7:S210)。そして、パスワード受付手段514は、消去後の文書データ−パスワードテーブルに、ユーザID「N0001」に属する文書番号1007が存在するか否かを判定し(図7:S211)、文書番号1007が存在すれば(図7:S211YES)、当該文書データ−パスワードテーブルに基づいてパスワード受付画面をタッチパネル上に再表示し(図7:S206)、未だに出力が完了していない文書番号1007のパスワードの入力を受け付ける(図7:S207)。
【0082】
図11Hは、本発明の実施形態のタッチパネル上に表示されたパスワード受付画面の一例を示す第二の図である。
【0083】
図11Hに示すように、再表示されたパスワード受付画面1107には、出力完了した文書番号「D001」1102a(1007a)が消去され、未だに未出力の文書番号1102と、当該文書番号1102に対応するパスワード入力欄1103とが継続して表示される。このように、出力完了した文書番号は、文書データが出力される毎にパスワード受付画面から消去されるため、パスワード受付画面を一目見たユーザは、即時にパスワードを入力しなければならない文書番号を確認することが可能となり、PCで覚えた文書番号毎のパスワードを残さずに全て入力することが可能となる。
【0084】
ところで、パスワード判定手段515の判定の結果、入力パスワードと比較パスワードとが不一致の場合(図7:S208NO)、その旨をパスワード受付手段514に通知し、当該パスワード受付手段514は、入力パスワードを消去して、再度、パスワード受付画面1100を表示し(図7:S206)、ユーザから正しいパスワードの入力を受け付ける(図7:S207)。これにより、ユーザがパスワードを忘れていた文書データは画像形成処理されないため、文書データの機密性は担保される。
【0085】
尚、入力パスワードと比較パスワードとが不一致の場合(図7:S208NO)、パスワード判定手段515が、その旨を文書データ出力手段511に通知し、当該通知を受けた文書データ出力手段511が、比較パスワードに対応する文書データ(比較パスワードに対応する文書番号の文書データ)を文書データ−パスワードテーブルから削除(消去)するよう構成してもよい。当該構成により、何らかの理由により、他のユーザが認証に成功したとしても、当該他のユーザが入力するパスワードが識別情報のパスワードと異なれば、文書データが削除されるため、機密性の高い文書データが外部に漏洩する事態を回避することが可能となる。尚、正規のユーザが、誤って識別情報のパスワードと異なるパスワードを入力して、文書データが削除されたとしても、当該ユーザは、当該文書データの送信者本人であるから、再度、文書データを複合機100に送信すれば足りる。
【0086】
さて、パスワード受付画面1100中の全ての文書番号1102について、ユーザがパスワードを入力し、全ての文書番号1102に対応する文書データを画像形成処理させた場合は、例えば、以下の手順となる。
【0087】
即ち、文書データ出力手段511が最後に残された文書データ(例えば、「住所録」)に基づく画像形成処理を完了し(図7:S209)、パスワード受付手段514が出力完了後の文書データ等を文書データ−パスワードテーブルから消去すると(図7:S210)、文書データ−パスワードテーブル1005からユーザID「N0001」1006に対応する全ての文書番号1007等が消去されることになる。パスワード受付手段514は、ユーザID「N0001」1006に対応する文書番号1007等が全て消去されたこと(文書番号1007の不存在)を確認すると(図7:S211NO)、その旨を表示受付手段512に通知し、当該通知を受けた表示受付手段512は、パスワード受付画面からコピー初期画面906(図9D)にタッチパネル301上の表示を切り替える(図7:S212)。これにより、機密プリント機能は自動的に終了する。
【0088】
一方、文書データ−パスワードテーブル1005のユーザID「N0001」1006に対応する文書番号1007のうち、一部にでも消去されない文書番号1007が存在する場合、言い換えると、ユーザが、所定の文書番号についてパスワードを忘れてしまい、正しいパスワードを入力出来なかった場合は、例えば、以下のような手順となる。
【0089】
即ち、ユーザが、パスワード受付画面1100中にパスワード未入力の文書番号を残した状態で、文書番号に対応するパスワードの入力を諦め、「キャンセル」キー1106を押下すると(図7:S207NO)、当該「キャンセル」キー1106の押下に対応して、パスワード受付手段514は、パスワード入力の終了の旨を受け付け、ユーザID「N0001」1006に対応付けられた文書番号1007、パスワード1008、文書データ1009を文書データ−パスワードテーブル1005から全て消去する(図7:S213)。これにより、文書データ−パスワードテーブルを記憶する記憶媒体(例えば、HDD)が他のユーザにより盗難されても、機密性の高い文書データが外部に漏洩する事態を回避し、セキュリティーの強化を図ることが可能となる。尚、パスワード受付手段514が文書データ−パスワードテーブル1005から文書データを全て消去する時点は、ユーザが一度パスワード受付画面1100に移行させてから「キャンセル」キー1106を押下した時点でも、所定回数パスワード受付画面1100に移行させた後に「キャンセル」キー1106を押下した時点でも構わない。
【0090】
続いて、パスワード受付手段514は、文書データ−パスワードテーブル1005から文書データ1009等を消去した旨を表示受付手段512に通知し、当該通知を受けた表示受付手段512は、パスワード受付画面1100からコピー初期画面906(図9D)にタッチパネル301上の表示を切り替える(図7:S212)。これにより、機密プリント機能は終了する。
【0091】
尚、未出力の文書データは、例えば、ユーザが自己のPCに戻って未出力の文書データだけを複合機に再度送信して、上述した手順を繰り返すことにより、出力させればよい。
【0092】
このように、本発明の複合機100は、文書データを受信すると、当該文書データ毎にパスワードを発行し、文書データとパスワードとを、文書データを送信した送信先のユーザを識別する識別情報に対応付けて文書データ−パスワード記憶手段508に記憶させるパスワード発行手段506と、前記パスワードを前記識別情報の送信先に通知するパスワード通知手段509とを備える。更に、当該複合機100は、ユーザにより識別情報が入力されると、入力された識別情報と前記文書データ−パスワード記憶手段508の識別情報とが一致するか否かを判定する第二のユーザ認証手段513と、入力された識別情報と前記記憶手段の識別情報とが一致する場合、一致する識別情報に対応付けられたパスワードの入力を受け付けるパスワード受付手段514と、ユーザによりパスワードが入力されると、入力されたパスワードと前記識別情報のパスワードとが一致するか否かを判定するパスワード判定手段515と、入力されたパスワードと前記識別情報のパスワードとが一致する場合、当該パスワードに対応する文書データを出力する文書データ出力手段511とを備える。
【0093】
当該構成により、ユーザが複合機100の機密プリント機能を利用する際に、ユーザの識別情報に基づいて文書データを送信したユーザを認証し、当該識別情報に対応付けられた文書データのパスワードを受け付けるため、一時的に発行されるパスワードを、文書データを認証可能な程度の簡単なパスワードとしても、複合機全体として、文書データを送信したユーザの認証機能と、ユーザが出力させたい文書データの認証機能とを付与することが可能となる。そのため、従来技術の機密プリント機能で発行されていたパスワードと比較して、十分に簡単なパスワードを発行しても、機密プリント機能の安全性を維持することが可能となるとともに、パスワードの簡略化によってユーザに対するパスワードの覚え難さ(忘れ易さ)を軽減することが可能となる。その結果、機密プリント機能におけるユーザの利便性を向上させることが可能となる。
【0094】
尚、本発明の実施形態では、パスワード発行手段507が、パスワードとともに文書番号を発行し、パスワード受付手段514が、文書番号毎にパスワードを受け付けるよう構成したが、文書番号の発行及び文書番号毎のパスワード受付の構成が無くても構わない。即ち、第二のユーザ認証手段513がユーザ認証していれば、パスワード発行手段507が、受信時の文書データ毎にパスワードを発行し、パスワード受付手段514が、文書データ毎で無くユーザから順次パスワードの入力を受け付けるよう構成しても構わない。当該構成としても、複合機全体として、ユーザ認証機能と、文書データ認証機能とが付与されることとなるため、機密プリント機能の安全性は維持される。
【0095】
又、本発明の実施形態では、パスワード発行手段507が、アルファベット1文字を4つ連続して並べた文字列をパスワードとして発行するよう構成したが、文書データを認証(識別)することが可能なパスワードであれば、他の構成でもよく、例えば、数字、記号、アルファベット等の文字を組み合わせても、パスワードを構成する文字数を増減(例えば、2文字、3文字、5文字等)しても構わない。ここで、文書データを認証することが可能なパスワードとは、各ユーザIDに属する文書データを認証することが可能であれば、異なるユーザIDに対して同一のパスワードが発行されても構わないという意味である。そのため、本発明の実施形態においても、パスワード発行手段507が、文書データ毎にパスワードを発行し、発行したパスワードをユーザIDに対応付けている構成としている。尚、パスワード発行手段507が、先に、識別情報取得手段508からユーザIDを受けた場合であっても、文書データに対してパスワードを発行し、当該パスワードをユーザIDに対応付ける構成となる。
【0096】
当該構成とすると、例えば、図10Fに示すように、ユーザID「N0001」に対応するパスワード「XXXX」と、ユーザID「N0002」に対応するパスワード「XXXX」とが同一となる場合も有り得るが、このような場合であっても、第二のユーザ認証手段513が、文書データを送信したユーザ本人を認証しているため、機密性を保持しつつ印刷を実行する機密プリント機能を適切に発揮させることが可能である。尚、従来技術における機密プリント機能では、ユーザ認証機能と文書データ認証機能とを兼ね備えたパスワード、例えば、文字数が8文字からなり、各文字毎に無作為に選択された1文字のアルファベットを8つ連続して並べた文字列「ABFKISRM」等が発行されていた。従来技術のパスワードと比較して、本願発明のパスワードは、飛躍的に短文化(簡略化)され、ユーザに対して覚え易い構成となっていることが理解される。
【0097】
又、本発明の実施形態では、第二のユーザ認証手段513が、ユーザ認証画面を介してユーザIDの入力を受け付けたが、他の構成、例えば、IDカードからユーザIDを読み取るカードリーダや、指紋認証によりユーザIDを取得する指紋認証手段等を用いて、文書データを送信した送信先のユーザIDを受け付けるよう構成しても構わない。尚、前記カードリーダや指紋認証手段等は、PCの第一のユーザ認証手段502であっても同様である。
【0098】
又、本発明の実施形態では、第一のユーザ認証手段502は、複数の文書データに対して一の機密プリント情報を付けてパスワード発行手段507に送信するよう構成したが、文書データ毎に、ユーザの必要に応じて機密プリント情報を付与出来るよう構成しても良い。当該構成の場合、パスワード発行手段507は、機密プリント情報が付与された文書データにのみパスワードを発行することになる。
【0099】
又、本発明の実施形態では、パスワード発行手段507は、機密プリント情報の有無により、パスワードを発行するか否かを判定したが、当該機密プリント情報が無くても、受信した文書データ毎にパスワードを発行するよう構成しても構わない。
【0100】
又、本発明の実施形態では、第一のユーザ認証手段502を設けて、ユーザが文書データをPCから複合機へ送信する際に、ユーザ認証するよう構成したが、必ずしもユーザ認証する必要はなく、文書データがPCから複合機のパスワード発行手段に507に送信される際に、識別情報取得手段508が、文書データを送信したユーザのユーザIDを取得するよう構成していれば、どのような形態であっても構わない。
【0101】
尚、本発明の実施形態では、複合機100が各手段を備えるよう構成したが、当該各手段を実現するプログラムを記憶媒体に記憶させ、当該記憶媒体を提供するよう構成しても構わない。当該構成では、前記プログラムを画像形成装置に読み出させ、その画像形成装置が前記各手段を実現する。その場合、前記記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の作用効果を奏する。さらに、各手段が実行するステップをハードディスクに記憶させる記憶方法として提供することも可能である。
【0102】
即ち、文書データを受信すると、当該文書データ毎にパスワードを発行し、当該パスワードと前記文書データとを、文書データを送信した送信先のユーザを識別する識別情報に対応付けて記憶手段に記憶させるパスワード発行ステップと、前記パスワードを前記識別情報の送信先に通知するパスワード通知ステップと、ユーザにより識別情報が入力されると、入力された識別情報と前記記憶手段の識別情報とが一致するか否かを判定するユーザ認証ステップと、入力された識別情報と前記記憶手段の識別情報とが一致する場合、一致する識別情報に対応付けられたパスワードの入力を受け付けるパスワード受付ステップと、ユーザによりパスワードが入力されると、入力されたパスワードと前記識別情報のパスワードとが一致するか否かを判定するパスワード判定ステップと、入力されたパスワードと前記識別情報のパスワードとが一致する場合、当該パスワードに対応する文書データを出力する文書データ出力ステップとを備える画像形成方法として提供しても構わない。当該画像形成方法でも、上述した作用効果を要する。
【0103】
又、上述したように、文書番号を採用して、前記パスワード発行ステップは、文書データ毎にそれぞれパスワードと文書番号とを発行し、当該パスワードと当該文書番号と前記文書データとを前記識別情報に対応付けて記憶手段に記憶させ、前記パスワード通知ステップは、前記パスワードと前記文書番号とを前記識別情報の送信先に通知し、前記パスワード受付ステップは、入力された識別情報と前記記憶手段の識別情報とが一致する場合、一致する識別情報に対応付けられたパスワードの入力を文書番号毎に受け付け、前記パスワード判定ステップは、ユーザにより所定の文書番号に対するパスワードが入力されると、入力されたパスワードと、当該文書番号に対応する前記識別情報のパスワードとが一致するか否かを判定し、前記文書データ出力ステップは、入力されたパスワードと前記識別情報のパスワードとが一致する場合、当該パスワードに対応する文書データを出力するよう構成しても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0104】
以上のように、本発明に係る画像形成装置及び画像形成方法は、複合機はもちろん、複写機、プリンタ等に有用であり、簡単なパスワード発行でも、当該パスワードに対応付けられた機密文書データを安全に印刷することが可能な画像形成装置及び画像形成方法として有効である。
【符号の説明】
【0105】
100 複合機
501 入力手段
502 第一のユーザ認証手段
503 認証情報記憶手段
504 文書データ記憶手段
505 第一の通信手段
506 第二の通信手段
507 パスワード発行手段
508 識別情報取得手段
509 文書データ−パスワード記憶手段
510 パスワード通知手段
511 文書データ出力手段
512 表示受付手段
513 第二のユーザ認証手段
514 パスワード受付手段
515 パスワード判定手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
文書データを受信すると、当該文書データ毎にパスワードを発行し、当該パスワードと前記文書データとを、文書データを送信した送信先のユーザを識別する識別情報に対応付けて記憶手段に記憶させるパスワード発行手段と、
前記パスワードを前記識別情報の送信先に通知するパスワード通知手段と、
ユーザにより識別情報が入力されると、入力された識別情報と前記記憶手段の識別情報とが一致するか否かを判定するユーザ認証手段と、
入力された識別情報と前記記憶手段の識別情報とが一致する場合、一致する識別情報に対応付けられたパスワードの入力を受け付けるパスワード受付手段と、
ユーザによりパスワードが入力されると、入力されたパスワードと前記識別情報のパスワードとが一致するか否かを判定するパスワード判定手段と、
入力されたパスワードと前記識別情報のパスワードとが一致する場合、当該パスワードに対応する文書データを出力する文書データ出力手段と、
を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記パスワード発行手段は、文書データ毎にそれぞれパスワードと文書番号とを発行し、当該パスワードと当該文書番号と前記文書データとを前記識別情報に対応付けて記憶手段に記憶させ、
前記パスワード通知手段は、前記パスワードと前記文書番号とを前記識別情報の送信先に通知し、
前記パスワード受付手段は、入力された識別情報と前記記憶手段の識別情報とが一致する場合、一致する識別情報に対応付けられたパスワードの入力を文書番号毎に受け付け、
前記パスワード判定手段は、ユーザにより所定の文書番号に対するパスワードが入力されると、入力されたパスワードと、当該文書番号に対応する前記識別情報のパスワードとが一致するか否かを判定し、
前記文書データ出力手段は、入力されたパスワードと前記識別情報のパスワードとが一致する場合、当該パスワードに対応する文書データを出力する
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記文書データ出力手段は、入力されたパスワードと前記識別情報のパスワードとが一致しない場合、当該パスワードに対応する文書データを削除する
請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
文書データを受信すると、当該文書データ毎にパスワードを発行し、当該パスワードと前記文書データとを、文書データを送信した送信先のユーザを識別する識別情報に対応付けて記憶手段に記憶させるパスワード発行ステップと、
前記パスワードを前記識別情報の送信先に通知するパスワード通知ステップと、
ユーザにより識別情報が入力されると、入力された識別情報と前記記憶手段の識別情報とが一致するか否かを判定するユーザ認証ステップと、
入力された識別情報と前記記憶手段の識別情報とが一致する場合、一致する識別情報に対応付けられたパスワードの入力を受け付けるパスワード受付ステップと、
ユーザによりパスワードが入力されると、入力されたパスワードと前記識別情報のパスワードとが一致するか否かを判定するパスワード判定ステップと、
入力されたパスワードと前記識別情報のパスワードとが一致する場合、当該パスワードに対応する文書データを出力する文書データ出力ステップと、
を備える画像形成方法。
【請求項5】
前記パスワード発行ステップは、文書データ毎にそれぞれパスワードと文書番号とを発行し、当該パスワードと当該文書番号と前記文書データとを前記識別情報に対応付けて記憶手段に記憶させ、
前記パスワード通知ステップは、前記パスワードと前記文書番号とを前記識別情報の送信先に通知し、
前記パスワード受付ステップは、入力された識別情報と前記記憶手段の識別情報とが一致する場合、一致する識別情報に対応付けられたパスワードの入力を文書番号毎に受け付け、
前記パスワード判定ステップは、ユーザにより所定の文書番号に対するパスワードが入力されると、入力されたパスワードと、当該文書番号に対応する前記識別情報のパスワードとが一致するか否かを判定し、
前記文書データ出力ステップは、入力されたパスワードと前記識別情報のパスワードとが一致する場合、当該パスワードに対応する文書データを出力する
請求項4に記載の画像形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−199337(P2011−199337A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−60446(P2010−60446)
【出願日】平成22年3月17日(2010.3.17)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】