説明

画像形成装置及び画像形成方法

【課題】転写材搬送時における転写材カールに起因するジャムや画質劣化を抑制可能な画
像形成装置を提供する。
【解決手段】本発明の画像形成装置は、像が転写される転写ベルト40と、転写材を把持
する転写材把持部を備え、前記転写ベルト40に転写された前記像を前記転写材に転写さ
せる2次転写ローラー61と、前記2次転写ローラー61の回転位置を検出する回転位置
検出センサー131と、前記転写材を鉛直方向の上方に吸引する気流を発生させる気流発
生部235を備え、前記像が転写された面が前記鉛直方向の下方に向けて前記転写材を搬
送する転写材搬送装置230と、前記2次転写ローラー61と前記転写材搬送装置230
との間の前記転写材の搬送経路に配設されて、前記転写材の有無を検出する転写材検出セ
ンサー132と、を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光体上に形成した潜像をトナー及びキャリアからなる液体現像剤によって
現像する現像し、これによる現像剤をさらに記録紙などの転写材に転写して、この転写材
を搬送機構によって搬送し、転写材に転写された媒体上のトナー像を融着し定着して画像
形成する画像形成装置及び画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現像像を形成し、これを記録用紙などの転写材に転写する画像形成装置においては、転
写材を搬送するための転写材搬送機構が種々組み込まれることが一般的である。このよう
な転写材搬送機構としては、複数の吸引口によるエアー吸引力を利用して搬送用ベルト上
に吸着させた状態でベルトの移動により定着部へ搬送する仕組みのものが知られている。
このような転写材搬送機構の一例としては、例えば特許文献1(特開平6−135613
号公報)を挙げることができる。
【0003】
この特許文献1には、複数の吸引口による吸引負圧によって用紙を搬送用ベルトに吸着
させて用紙搬送を行う複写機の用紙搬送装置において、上記の各吸引口に、用紙が吸引口
上を通過する時には該用紙の搬送荷重により開弁状態となり且つそれ以外の時には閉弁状
態となる弁動作がなされる制御弁をそれぞれ設けたことを特徴とする画像形成装置におけ
る用紙搬送装置が開示されている。
【特許文献1】特開平6−135613号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
像を転写材に転写する転写部においては、2つのローラー間で形成されるニップ間で、
転写材への像転写を行うことが一般的であるが、このニップ間を転写材が通過するときに
、転写材にカールなどのクセがつくことがある。これは、ニップを形成する2つのローラ
ーの一方がソフトローラーで、他方がハードローラーである場合などに顕著に発生する現
象である。
【0005】
上記のようなカールが形成された転写材を従来の用紙搬送装置によって搬送する場合、
カールに抗するようにして転写材をエアー吸引し、搬送ベルトに吸着させなければ、転写
材が搬送時に搬送ベルトから浮き上がった状態で搬送されることとなる。そして、このよ
うな状態で転写材の搬送を行うと、搬送中に転写材が搬送ベルトから脱落するトラブルが
発生したり、或いは、転写材を定着部の所定位置へと導くことができなくなったりする。
すなわち、従来の用紙搬送装置を備える画像形成装置では、転写材の搬送中脱落に伴うと
ジャムが発生したり、或いは、定着部の所定位置への導入不良に伴う定着不良、そしてこ
れに起因する画質劣化が発生したりする、という問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記のような問題を解決するために、本発明に係る画像形成装置は、像が転写
される転写ベルトと、転写材を把持する転写材把持部を備え、前記転写ベルトに転写され
た前記像を前記転写材に転写させる転写ローラーと、前記転写ローラーの回転位置を検出
する回転位置検出センサーと、前記転写材を鉛直方向の上方に吸引する気流を発生させる
気流発生部材を備え、前記像が転写された面が前記鉛直方向の下方に向けて前記転写材を
搬送する転写材搬送部と、前記転写ローラーと前記転写材搬送部との間の前記転写材の搬
送経路に配設されて、前記転写材の有無を検出する転写材検出センサーと、を有すること
を特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記転写ローラーで前記像が転写された転写材を
吸引する第1吸引部を有し、前記第1吸引部で吸引された前記転写材を前記転写材搬送部
材で搬送する。
【0008】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記回転位置検出センサーで検出される前記転写
ローラーの回転位置情報及び前記転写材検出センサーによって検出された前記転写材の有
無情報に基づいて、前記気流発生部材で発生させる気流を制御する制御部を有する。
【0009】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記第1吸引部で前記転写材を吸引する気流を発
生させる第2の気流発生部材を有し、前記制御部は、前記回転位置検出センサーで検出さ
れる前記転写ローラーの回転位置情報及び前記転写材検出センサーによって検出された前
記転写材の有無情報に基づいて、前記第2の気流発生部材で発生させる気流を制御する。
【0010】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記制御部は、前記回転位置検出センサーで検出
される前記転写ローラーの回転位置情報及び前記転写材検出センサーによって検出された
前記転写材の有無情報に基づいて、前記気流発生部材で発生させる気流を制御した後に、
前記第2の気流発生部材で発生させる気流を制御する。
【0011】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記制御部は、前記回転位置検出センサーが、前
記転写ローラーの第1の位置で、前記転写ローラーの回転位置を検出した後、前記第1の
位置と異なる第2の位置に前記転写ローラーが回転したタイミングで、前記転写材検出セ
ンサーが、前記転写材の有無を検出しなかったとき、前記気流発生部材で発生させる気流
の流量を大きくする。
【0012】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記制御部は、前記気流発生部材で発生させる気
流の流量を大きくした後、前記転写材検出センサーにより前記転写材があることを所定時
間検出しなかったとき、前記気流発生部材の動作を停止させる。
【0013】
また、本発明に係る画像形成方法は、回転位置検出センサーによって転写ローラーの回
転位置を検出し、転写ベルトに像を転写し、転写ローラーの転写材把持部で把持された転
写材に、前記転写ベルトに転写された前記像を転写し、転写材検出センサーで前記転写材
の有無を検出し、前記回転位置検出センサーで検出される前記転写ローラーの回転位置情
報及び前記転写材検出センサーによって検出された前記転写材の有無情報に基づいて、前
記転写材を吸引する気流が調整された転写材搬送部で、前記転写材を鉛直方向の上方に吸
引しつつ、前記転写材の前記像が転写された面が前記鉛直方向の下方に向けて搬送するこ
とを特徴とする。
【0014】
以上、本発明の画像形成装置及び画像形成方法によれば、転写材搬送時における転写材
カールに起因する転写材の浮き上がりを防止することができるので、転写材が搬送ベルト
(転写材搬送部材)から脱落しジャムが発生することもなく、また、転写材を定着ユニッ
ト所定位置へ導入することができずに定着不良・画質劣化が発生することもない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置を構成する主要構成要素を示した図である。
【図2】本発明の実施形態に係る画像形成装置で用いられる2次転写ローラーの斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に係る画像形成装置で用いられる2次転写ローラーの転写材把持機構の動作を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る画像形成装置で用いられる転写材搬送手段の動作を説明する図である。
【図5】本発明の実施形態に係る画像形成装置で用いられる転写材搬送手段の動作を説明する図である。
【図6】本発明の実施形態に係る画像形成装置における制御ブロックの概略を示す図である。
【図7】2次転写ニップを通過する転写材Sを模式的に示す図である。
【図8】転写材のカールにより先端Soが転写材搬送装置で吸引されにくくなることを説明する図である。
【図9】転写材Sの種別に応じた気流発生部における制御テーブルを示す図である。
【図10】2次転写ローラーが基準位置(第1の回転位置)を通過するタイミングを説明する図である。
【図11】2次転写ローラーが所定時間経過後位置(第2の回転位置)を通過するタイミングを説明する図である。
【図12】第1吸引装置210及び転写材搬送装置230の制御シーケンス例を示す図である。
【図13】第1吸引装置210及び転写材搬送装置230の制御シーケンス例を示す図である。
【図14】第1吸引装置210及び転写材搬送装置230の制御シーケンス例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の実施の形態に
係る画像形成装置を構成する主要構成要素を示した図である。画像形成装置の中央部に配
置された各色の画像形成部に対し、現像装置30Y、30M、30C、30Kは、画像形
成装置の下方部に配置され、転写ベルト40、2次転写部(2次転写ユニット)60、定
着ユニット90などの構成は画像形成装置の上方部に配置されている。特に、定着ユニッ
ト90が、転写ベルト40上方にレイアウトされることにより、画像形成装置全体として
の設置面積を抑制することが可能となっている。本実施形態においては、2次転写ユニッ
ト60で2次転写を経た用紙などの転写材は、転写材搬送装置230や吸引装置210、
270などによって吸引されつつ、定着ユニット90へと搬送される構成となっているた
めにこのようなレイアウトを実現することができる。
【0017】
現像装置30Y、30M、30C、30Kは、トナーによる画像を形成するために、感
光体10Y、10M、10C、10K、コロナ帯電器11Y、11M、11C、11K、
LEDアレイなどの露光ユニット12Y、12M、12C、12K等を備えている。コロ
ナ帯電器11Y、11M、11C、11Kにより、感光体10Y、10M、10C、10
Kを一様に帯電させ、露光ユニット12Y、12M、12C、12Kにより、入力された
画像信号に基づいて露光を行い、帯電された感光体10Y、10M、10C、10K上に
静電潜像を形成する。
【0018】
現像装置30Y、30M、30C、30Kは、概略、現像ローラー20Y、20M、2
0C、20K、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)からな
る各色の液体現像剤を貯蔵する現像剤容器(リザーバ)31Y、31M、31C、31K
、これら各色の液体現像剤を現像剤容器31Y、31M、31C、31Kから現像ローラ
ー20Y、20M、20C、20Kに塗布する塗布ローラーであるアニロックスローラー
32Y、32M、32C、32K等を備え、各色の液体現像剤により感光体10Y、10
M、10C、10K上に形成された静電潜像を現像する。
【0019】
転写ベルト40は、エンドレスのベルトであり、駆動ローラー41とテンションローラ
ー42、52、53に張架され、1次転写部50Y、50M、50C、50Kで感光体1
0Y、10M、10C、10Kと当接しながら駆動ローラー41により回転駆動される。
1次転写部50Y、50M、50C、50Kは、感光体10Y、10M、10C、10K
と転写ベルト40を挟んで1次転写ローラー51Y、51M、51C、51Kが対向配置
され、感光体10Y、10M、10C、10Kとの当接位置を転写位置として、現像され
た感光体10Y、10M、10C、10K上の各色のトナー像を転写ベルト40上に順次
重ねて転写し、フルカラーのトナー像を形成する。
【0020】
2次転写ユニット60は、2次転写ローラー61が転写ベルト40を挟んでベルト駆動
ローラー41と対向配置され、さらに2次転写ローラークリーニングブレード62からな
るクリーニング装置が配置される。そして、2次転写ローラー61を配置した転写位置に
おいて、転写ベルト40上に形成された単色のトナー像やフルカラーのトナー像を転写材
搬送経路Lにて搬送される用紙、フィルム、布等の転写材に転写する。
【0021】
さらに、経路転写材搬送経路Lの下流には、第1吸引装置210、転写材搬送装置23
0、第2吸引装置270が順次配列されており、転写材を定着ユニット90に搬送するよ
うになっており、定着ユニット90では、用紙等の転写材上に転写された単色のトナー像
やフルカラーのトナー像を用紙等の転写材に融着させ定着させる。
【0022】
テンションローラー42は、ベルト駆動ローラー41などと共に転写ベルト40を張架
しており、転写ベルト40のテンションローラー42に張架されている箇所で、転写ベル
トクリーニングブレード49からなるクリーニング装置が当接・配置され、転写ベルト4
0上の残りトナー、キャリアをクリーニングするようになっている。
【0023】
画像形成装置に対する転写材の供給は給紙装置(不図示)によって行われる。このよう
な給紙装置にセットされた転写材は、所定のタイミングにて一枚ごとに転写材搬送経路L
に送り出されるようになっている。転写材搬送経路Lでは、ゲートローラー101、10
1’及び転写材ガイド102によって転写材を2次転写位置まで搬送し、転写ベルト40
上に形成された単色のトナー現像像やフルカラーのトナー現像像を転写材に転写する。2
次転写された転写材は、上記のように、転写材搬送装置230を中心とした転写材搬送手
段によって、さらに定着ユニット90に搬送される。定着ユニット90は、加熱ローラー
91と、この加熱ローラー91側に所定の圧力で付勢された加圧ローラー92とから構成
されており、これらのニップ間に転写材を挿通させ、転写材上に転写された単色のトナー
像やフルカラーのトナー像を用紙等の転写材に融着し定着させる。
【0024】
ここで、現像装置について説明するが、各色の画像形成部及び現像装置の構成は同様で
あるので、以下、イエロー(Y)の画像形成部及び現像装置に基づいて説明する。
【0025】
画像形成部は、感光体10Yの外周の回転方向に沿って、感光体クリーニングブレード
18Y、コロナ帯電器11Y、露光ユニット12Y、現像装置30Yの現像ローラー20
Y、第1感光体スクイーズローラー13Y、第2感光体スクイーズローラー13Y’が配
置されている。
【0026】
感光体10Yと当接している感光体クリーニングブレード18Yは、感光体10Y上の
転写されずに残留した液体現像剤をクリーニングする。
【0027】
現像装置30Yにおける現像ローラー20Yの外周には、クリーニングブレード21Y
、アニロックスローラー32Y、コンパクションコロナ発生器22Yが配置されている。
アニロックスローラー32Yには、現像ローラー20Yへ供給する液体現像剤の量を調整
する規制ブレード33Yが当接している。液体現像剤容器31Yの中にはオーガ34Yが
収容されている。また、感光体10Yと対向する位置には、転写ベルト40を挟むように
して、1次転写部の1次転写ローラー51Yが配置されている。
【0028】
感光体10Yは、外周面にアモルファスシリコン感光体などの感光層が形成された円筒
状の部材からなる感光体ドラムであり、時計回りの方向に回転する。
【0029】
コロナ帯電器11Yは、感光体10Yと現像ローラー20Yとのニップ部より感光体1
0Yの回転方向の上流側に配置され、図示しない電源装置から電圧が印加され、感光体1
0Yをコロナ帯電させる。露光ユニット12Yは、コロナ帯電器11Yより感光体10Y
の回転方向の下流側において、コロナ帯電器11Yによって帯電された感光体10Y上に
光を照射し、感光体10Y上に潜像を形成する。なお、画像形成プロセスの始めから終わ
りまでで、より前段に配置されるローラーなどの構成は、後段に配置されるローラーなど
の構成より上流にあるものと定義する。
【0030】
現像装置30Yは、コンパクション作用を施すコンパクションコロナ発生器22Y、キ
ャリア内にトナーを概略重量比20%程度に分散した状態の液体現像剤を貯蔵する現像剤
容器31Yを有する。
【0031】
また現像装置30Yは、前記の液体現像剤を担持する現像ローラー20Y、液体現像剤
を現像ローラー20Yに塗布するための塗布ローラーであるアニロックスローラー32Y
と、現像ローラー20Yに塗布する液体現像剤量を規制する規制ブレード33Yと、液体
現像剤を攪拌、搬送しつつアニロックローラー32Yに供給するオーガ34Y、現像ロー
ラー20Yに担持された液体現像剤をコンパクション状態にするコンパクションコロナ発
生器22Y、現像ローラー20Yのクリーニングを行う現像ローラークリーニングブレー
ド21Yを有する。
【0032】
現像剤容器31Yに収容されている液体現像剤は、従来一般的に使用されているIso
par(商標:エクソン)をキャリアとした低濃度(1〜3wt%程度)かつ低粘度の、
常温で揮発性を有する揮発性液体現像剤ではなく、高濃度かつ高粘度の、常温で不揮発性
を有する不揮発性液体現像剤である。すなわち、本発明における液体現像剤は、熱可塑性
樹脂中へ顔料等の着色剤を分散させた平均粒径1μmの固形粒子を、有機溶媒、シリコー
ンオイル、鉱物油又は食用油等の液体溶媒中へ分散剤とともに添加し、トナー固形分濃度
を約15〜25%とした高粘度(HAAKE RheoStress RS600を用い
て、25℃の時のせん断速度が1000(1/s)のときの粘弾性が30〜300mPa
・s程度)の液体現像剤である。
【0033】
アニロックスローラー32Yは、現像ローラー20Yに対して液体現像剤を供給し、塗
布する塗布ローラーとして機能するものである。このアニロックスローラー32Yは、円
筒状の部材であり、表面に現像剤を担持し易いように表面に微細且つ一様に螺旋状に彫刻
された溝による凹凸面が形成されたローラーである。このアニロックスローラー32Yに
より、現像剤容器31Yから現像ローラー20Yへと液体現像剤が供給される。装置動作
時においては、図1に示すように、オーガ34Yが反時計回り回転し、アニロックローラ
ー32Yに液体現像剤を供給し、アニロックローラー32Yは反時計回りに回転して、現
像ローラー20Yに液体現像剤を塗布する。
【0034】
規制ブレード33Yは、厚さ200μm程度の金属ブレードであり、アニロックスロー
ラー32Yの表面に当設し、アニロックスローラー32Yによって坦持搬送されてきた液
体現像剤の膜厚、量を規制し、現像ローラー20Yに供給する液体現像剤の量を調整する

【0035】
現像ローラークリーニングブレード21Yは、現像ローラー20Yの表面に当接するゴ
ム等で構成され、現像ローラー20Yが感光体10Yと当接する現像ニップ部より現像ロ
ーラー20Yの回転方向の下流側に配置されて、現像ローラー20Yに残存する液体現像
剤を掻き落として除去するものである。
【0036】
コンパクションコロナ発生器22Yは、現像ローラー20Y表面の帯電バイアスを増加
させる電界印加手段であり、コンパクションコロナ発生器22Yによって、コンパクショ
ン部位でコンパクションコロナ発生器22Y側から現像ローラー20Yに向かって電界が
印加される。このコロナは現像ローラー表面の液体現像剤膜に電界を作用させることで、
現像ローラー側に固形分を押し付けて(コンパクション)粒子を膜化させてキャリア層と固
形分層に分離することで現像速度・効率を向上させるためのものである。なお、このコン
パクションのための電界印加手段は、図1に示すコロナ放電器のコロナ放電に代えて、コ
ンパクションローラーなどを用いても良い。
【0037】
現像ローラー20Yに担持されてコンパクションされた現像剤は、現像ローラー20Y
が感光体10Yに当接する現像ニップ部において、所定の電界印加によって、感光体10
Yの潜像に対応して現像される。
【0038】
現像残りの現像剤は、現像ローラークリーニングブレード21Yによって掻き落として
除去され現像剤容器31Y内の回収部に滴下して再利用される。尚、このようにして再利
用されるキャリア及びトナーは混色状態ではない。
【0039】
1次転写の上流側に配置される感光体スクイーズ装置は、感光体10Yに対向して現像
ローラー20Yの下流側に配置して感光体10Yに現像されたトナー像の余剰キャリアを
回収するものである。この感光体スクイーズ装置は、感光体10Yに摺接して回転する弾
性ローラー部材から成る第1感光体スクイーズローラー13Y、第2感光体スクイーズロ
ーラー13Y’とから構成され、感光体10Y上に現像されたトナー像から余剰なキャリ
ア及び本来不要なカブリトナーを回収し、顕像(トナー像)内のトナー粒子比率を上げる
機能を有する。なお、感光体スクイーズローラー13Y、13Y’には、所定のバイアス
電圧が印加されている。
【0040】
上記の第1感光体スクイーズローラー13Y、第2感光体スクイーズローラー13Y’
からなるスクイーズ装置を経た感光体10Y表面は、1次転写部50Yに進入する。
【0041】
1次転写部50Yでは、感光体10Yに現像された現像剤像を1次転写ローラー51Y
により転写ベルト40へ転写する。この1次転写部においては、1次転写バックアップロ
ーラー51に印加される転写バイアスの作用によって、感光体10上のトナー像は転写ベ
ルト40側に転写される。ここで、感光体10Yと転写ベルト40は等速度で移動する構
成であり、回転及び移動の駆動負荷を軽減するとともに、感光体10Yの顕像トナー像へ
の外乱作用を抑制している。
【0042】
上記現像装置30Yの現像プロセスと同様のプロセスによって、現像装置30M、30
C、30Kにおいても、それぞれの感光体10M、10C、10K上にマゼンタ(M)、
シアン(C)、ブラック(K)のトナー像が各々形成される。そして、転写ベルト40は
イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)各色の1次転写部50
のニップを通過し、各色の感光体上の現像剤(現像像)が転写され、色重ねされて2次転
写ユニット60のニップ部に進入する。
【0043】
2次転写ユニット60を経た転写ベルト40は、再び1次転写部50で転写像を受ける
ために周回するが、1次転写部50が実行される上流側において転写ベルト40は、転写
ベルトクリーニングブレード49などによってクリーニングが実施される。
【0044】
転写ベルト40は、ポリイミド基層上にポリウレタンの弾性中間層を設け、さらにその
上にPFA表層が設けられている三層構造となっている。このような転写ベルト40では
、ポリイミド基層側において駆動ローラー41、テンションローラー42、52、53で
張架され、PFA表層側においてトナー像が転写されるようにして用いられる。このよう
に形成された弾性を有する転写ベルト40は、転写材表面への追従性、応答性がよいため
に、2次転写時において、特に粒子径が小さいトナー粒子を転写材の凹部に対して送り込
み転写させるのに有効である。
【0045】
2次転写ローラー61には、その回転につれて回転するスリットが形成された回転板1
30が設けられており、この回転板130のスリットを回転位置検出センサー131が検
知することによって、2次転写ローラー61の回転位置を検出することができるようにな
っている。また、第1吸引装置210の下部には、第1吸引装置210を通過する転写材
Sの存否を検出する転写材検出センサー132が設けられている。この転写材検出センサ
ー132としては、発光素子及び受光素子のペアからなる光学センサーで転写材Sからの
反射を検出することによって、転写材Sの存否を検出する反射型のものが好ましいが、透
過型のものを用いることも可能である。
【0046】
次に本実施形態に係る画像形成装置で用いられる2次転写ローラー61についてより詳
細に説明する。図2は本発明の実施形態に係る画像形成装置で用いられる2次転写ローラ
ーの斜視図であり、図3は本発明の実施形態に係る画像形成装置で用いられる2次転写ロ
ーラーの転写材把持機構の動作を示す図である。図2及び図3において、601はローラ
ー胴部、602はローラー軸部、605は開口凹部、607は弾性部材、610は転写材
把持機構、611は転写材把持部、612は転写材把持部受け部、640は転写材剥離部
材をそれぞれ示している。
【0047】
2次転写ローラー61のローラー胴部601の両端部にはローラー軸部602が設けら
れており、このローラー軸部602を中心として回動自在に装置本体側に取り付けられる
ようになっている。また、ローラー胴部601には、軸方向にわたる開口凹部605が設
けられており、開口凹部605中には転写材把持機構610が、また開口凹部605以外
のローラー胴部601には弾性部材607が設けられている。転写材把持機構610は転
写材を把持したり、解放したりするための機構である。そして、弾性部材607は電気的
抵抗成分を有する半導電弾性ゴム層で構成されており、この弾性部材607に転写材が巻
きつけられている状態で、2次転写ユニットにおける2次転写ニップを通過するときに転
写ベルト40から転写材へのトナー像の転写が行われる。
【0048】
転写材把持機構610は、概略、ローラー軸方向にわたって離散的に設けられる転写材
把持部611及び転写材把持部受け部612とからなる複数のペアと、当該ペアの間にロ
ーラー軸方向にわたって適宜配されている複数の転写材剥離部材640とから構成されて
いる。全ての転写材把持部611は可動可能に構成されており、転写材把持部受け部61
2との間で転写材を挟持するように動作することで転写材を把持したり、転写材把持部受
け部612との間の間隔をあけるように動作することで転写材を解放したりすることがで
きるようになっている。また、全ての転写材剥離部材640は、転写材把持部611と転
写材把持部受け部612とで把持していた転写材を、2次転写ローラー61側から離れる
方向に押し出すように動作する。
【0049】
図3を参照しつつ転写材把持機構610の動作についてより詳しく説明する。図3は模
式的に示した転写材把持機構610の各構成を軸方向からみた図である。また、図3(A
)、図3(B)、図3(C)、図3(D)に示す転写材把持機構610の各状態は、図1
の2次転写ローラー61にA、B、C、Dとしてマーキングした位置に、2次転写ローラ
ー61の転写材把持機構610がきたときに、転写材把持機構610がとる動作状態を概
略示しているものである。
【0050】
図3(A)は転写材把持機構610で転写材を把持することなく、2次転写ローラー6
1が回転しているときの状態を示している。このとき、転写材把持部611や転写材剥離
部材640は、2次転写ローラー61を仮に円柱としてみたとき、その最外周内に収まる
ようになっている。これは、2次転写ローラー61の回転過程において、図1のAの範囲
に転写材把持機構610が存在するときの状態を示している。
【0051】
図3(B)は転写材把持部611が(a)方向に移動して、転写材把持部受け部612
との間に所定空間を形成して、当該空間に進入する転写材Sを、転写材把持部611及び
転写材把持部受け部612とで挟持する準備を行っている状態を示す図である。これは、
2次転写ローラー61の回転過程において、転写材把持機構610が図1のBの位置にき
て、ゲートローラー101、101’の回転と共に、転写材ガイド102に沿って進入し
てくる転写材の把持準備を行っている状態を示すものである。
【0052】
図3(C)は、前記空間に進入した転写材Sを、転写材把持部611が(a’)方向に
移動して、転写材把持部受け部612との間で挟持した状態を示している。このとき、転
写材把持機構610でその一端を把持された転写材Sは、2次転写ローラー61の回転に
伴い、2次転写ローラー61のローラー胴部601に巻きとられるような状態となる。こ
のように、転写材が2次転写ニップに進入する前段に転写材把持機構610で転写材Sを
把持・固定するので、トナー像が転写される転写材Sの位置決めを厳密に行うことができ
る。2次転写ローラー61の回転過程において、転写材把持機構610が図1のCの範囲
に位置するときには、図3(C)の状態が保たれる。
【0053】
図3(D)は転写材把持部611が(a)方向に移動して、転写材把持部受け部612
との間に所定空間を形成し転写材Sを解放すると共に、転写材剥離部材640が(b)方
向に移動して、2次転写ローラー61から遠ざかる方向に転写材Sを押している状態を示
している。このような動作状態は、2次転写ローラー61の回転過程において、転写材把
持機構610が図1のDの位置にきて、2次転写ニップを経てトナー像が転写された転写
材Sを、次の転写材搬送プロセスに引き渡すときのものである。
【0054】
上記したように転写材把持機構610は、転写材Sを転写ベルト40と2次転写ローラ
ー61との2次転写ニップ間に挿通する前に転写材Sを把持すると共に、転写ベルト40
と2次転写ローラー61との2次転写ニップ間に挿通した後に把持した転写材Sを解放す
る動作するものである。2次転写ニップを経た転写材Sは、転写材把持機構610が図3
(D)に示すように動作することによって、転写材Sを2次転写ローラー61から確実に
分離すると共に、次の転写材搬送プロセスに確実に導くことができるようになっている。
また、一般的に液体現像剤を用いた画像形成プロセスでは、2次転写ニップでトナー像が
転写された転写材Sは、2次転写ローラー61又は転写ベルト40のいずれかに添着して
しまい、剥離が困難な場合があるが、転写材把持機構610による図3(D)の動作によ
って、転写材Sを各構成から確実に剥離させることができる。
【0055】
上記のように転写材把持機構610で解放された転写材Sは、次に転写ユニット90ま
で搬送されるが、この搬送を行うための搬送手段について次に説明する。図4及び図5は
本発明の実施形態に係る画像形成装置で用いられる転写材搬送手段の動作を説明する図で
ある。図4及び図5において、210は第1吸引装置、211は筐体部、212は吸引面
、215は気流発生部、230は転写材搬送装置、231は筐体部、232は吸引面、2
33は隔壁部材、235は気流発生部、250は転写材搬送部材、251は転写材搬送部
材駆動ローラー、252、253は転写材搬送部材張架ローラー、270は第2吸引装置
、271は筐体部、272は吸引面、275は気流発生部、400は送風装置、401は
筐体部、402は開口部、405は気流発生部をそれぞれ示している。
【0056】
第1吸引装置210は、シロッコファンなどの気流発生部215が取り付けられた筐体
部211を有しており、この気流発生部215によって、筐体部211内の空間R1から
筐体部211外に排気を行うことができるようになっている。筐体部211の下面側は複
数の通気孔が一面に設けられた吸引面212となっている。第1吸引装置210は、気流
発生部215を動作させて、筐体部211外にaで示すような排気を行うことで、Aに示
すような吸引力を発生させる。この吸引力によって、トナー像が転写された転写材Sは重
力に抗して吸引面212に保持される。この吸引力は、転写材Sが吸引面212に保持さ
れる程度のものであるが、2次転写ニップから転写材Sが押し出される力に抗して、転写
材Sの進行を妨げる程度のものではない。
【0057】
転写材搬送装置230は、シロッコファンなどの気流発生部235が取り付けられた筐
体部231と、その筐体部231周囲に配された転写材搬送部材250などから概略構成
されている。転写材搬送装置230では、気流発生部235によって、筐体部231内の
空間R2から筐体部231外に排気を行うことができるようになっている。
【0058】
筐体部231の下面側は複数の通気孔が一面に設けられた吸引面232となっており、
この気流発生部235の排気動作bに伴い、吸引面232ではBに示すような吸引力が発
生する。このとき、筐体部231内にもうけられた隔壁部材233の作用によって、筐体
部231内の空間R2から比較的均等に排気が行われようになり、吸引面232における
吸引力も場所によって偏りが生じることがないようにしている。
【0059】
筐体部231の周囲に配された転写材搬送部材250は、貫通する通気孔(不図示)が
複数設けられたエンドレスベルトであり、転写材搬送部材250に駆動力を付与する転写
材搬送部材駆動ローラー251と、転写材搬送部材張架ローラー252、253に張架さ
れている。転写材搬送部材250は、転写材搬送部材駆動ローラー251が回転すること
によって、図示矢印の方向に移動するが、この移動速度は略画像形成プロセスの速さと同
程度とされる。転写材搬送部材250の軸方向の長さ(転写材搬送部材250の幅)は、
画像形成装置が扱い得る最大の幅を有する転写材の幅よりも長く構成されている。
【0060】
筐体部231の吸引面232における吸引力は、転写材搬送部材250の通気孔からも
作用することで、トナー像が転写された転写材Sは重力に抗して転写材搬送部材250の
搬送面Pに保持されると共に、転写材搬送部材駆動ローラー251の駆動力による転写材
搬送部材250の移動に伴い搬送面P上で搬送されることとなる。転写材搬送部材250
の転写材搬送部材張架ローラー252から転写材搬送部材駆動ローラー251までの間の
領域が転写材Sを搬送する搬送面Pとして利用される。
【0061】
第2吸引装置270は、シロッコファンなどの気流発生部275が取り付けられた筐体
部271を有しており、この気流発生部275によって、筐体部271内の空間R3から
筐体部271外に排気を行う。筐体部271の下面側は複数の通気孔が一面に設けられた
吸引面272となっており、第2吸引装置270の気流発生部275の排気動作cによっ
て、Cに示すような吸引力を発生させることができる。この吸引力によって、トナー像が
転写された転写材Sは重力に抗して吸引面272に保持される。この吸引力は、転写材S
が吸引面272に保持される程度のものであるが、転写材Sの搬送に伴う力に抗して、転
写材Sの搬送が妨げる程度に大きいものではない。
【0062】
ここで、本実施形態における「気流」は、転写材Sと接触する部材(例:転写材搬送部
材)の通気孔の開口面積を一定としたときの単位時間あたりの空気の流量として定義する

【0063】
第1吸引装置210、転写材搬送装置230、第2吸引装置270などからなる本実施
形態に係る転写材搬送手段は、転写材のトナー像が転写されている面を鉛直下方として転
写材を搬送するものである。
【0064】
送風装置400は、2次転写ニップの出口付近の転写ベルト40と2次転写ローラー6
1との間の空間にエアーを吐出するためのものであり、シロッコファンなどの気流発生部
405によって筐体部401内の空間R4にエアーが送り込まれるようになっている。こ
の筐体部401には、ローラー類の軸方向にわたる開口部402が設けられており、気流
発生部405の気流発生動作dに伴い筐体部401内に送り込まれたエアーは、この開口
部402からDに示すように吐出される。このときのエアーの吐出力は、トナー像が転写
された転写材Sが重力に抗して垂れ下がらない程度で、かつ、転写材Sがエアーの勢いで
ばたつくことがない程度に調整される。
【0065】
次に、上記のように構成される本実施形態における転写材搬送手段の動作を説明する。
図4は2次転写ユニット60の2次転写ニップから転写材Sの搬送方向先端部(SO)が
排出された直後、すなわち、2次転写ユニット60側から転写材Sが搬送手段の方に引き
渡された直後の状態を示している。転写材Sは、図示するように、気流発生部215の動
作aに伴い発生する吸引面212の吸引力Aによって、落下することなく吸引面212に
保持されつつ、2次転写ユニット60側からの送り動作の力によって吸引面212上を滑
るように搬送される。このことき、吸引面212が吸着する転写材Sの面は、直前の2次
転写動作によってトナー像が形成されていない方の面であるので、搬送手段による搬送動
作に伴い未定着トナー像が乱れるようなことはない。また、本実施形態では、第1吸引装
置210が設けられることで、転写材Sの排出姿勢を安定的に保つことができ、その結果
として、転写材Sのトナー像形成面が重力方向下方にある転写ベルト40などの部材に触
れて未定着のトナー像が乱れるのを防ぐことができる。また、2次転写ローラー61と転
写材搬送装置230との間に転写材Sを吸引する第1吸引装置210を有するので、転写
材先端がベルトや転写ローラー61から離間した後に、転写材の姿勢をエアー吸引に沿わ
せることができ、転写材の姿勢を安定化させることができる。
【0066】
2次転写ユニット60側からの送り動作の力を受けて、第1吸引装置210の吸引面2
12上を滑りつつ搬送された転写材Sの搬送方向先端部が、転写材搬送装置230側に到
達すると、次に、転写材Sは転写材搬送部材250の搬送面Pにおける吸引力Bによって
保持されると共に、転写材搬送部材250の移動動作に伴い搬送面Pを定着ユニット90
に向かって進行する。
【0067】
図5は2次転写ユニット60の2次転写ニップから転写材Sの搬送方向後端部(SE
が排出された直後の状態を示したものである。特に、このとき、送風装置400を動作さ
せてエアーをDに示すように吐出することで、転写材Sの後端部(SE)が2次転写ニッ
プから排出された時に転写材後端部(SE)が転写ベルト40等に触れて画像が汚損され
ることを防ぐことができる。
【0068】
本実施形態においては、上記のように2次転写ローラー61と転写ベルト40の間のニ
ップ出口空間にエアーを吐出する送風装置400を有するので、転写材後端(SE)が2
次転写ニップから排出された後も2次転写ローラー61側に押し付けることができ、2次
転写ニップ排出後の転写材Sの姿勢を安定させることができる。
【0069】
すなわち、本発明の画像形成装置によれば、転写ベルト40と2次転写ローラー61と
の間に設けられ、転写材把持機構610によって解放された転写材Sの像が転写された面
に向けて気流を吐出する送風装置400を有しており、この送風装置400から吐出した
気流を転写材Sにあてて、転写材Sの姿勢をコントロールするので、像が転写された面(
印刷面)を汚損する可能性がなく、これによる画質の劣化を抑制することが可能となるの
である。
【0070】
図5に示す転写材Sは、装置が扱い得る、搬送方向からみて最長の転写材である。本発
明の画像形成装置では、最長の転写材を用いたときでも、定着ユニット90の定着ニップ
及び2次転写ユニット60の2次転写ニップのいずれにも転写材Sが挟まれていない状態
とするように、各構成の寸法が決められている。このために、定着ユニット90と2次転
写ユニット60との間で、転写材Sを搬送する速度に差があったとしても、転写材Sにた
るみや、ひっぱりが生じることがなく、画像などへの悪影響を回避することが可能となる

【0071】
また、転写材Sが2次転写ユニット60の2次転写ニップ間に挟まれた状態で、転写材
搬送装置230の搬送面Pで搬送されているときに、2次転写ユニット60の搬送速度と
、転写材搬送部材250の搬送速度との間に差があったとしても、転写材搬送部材250
で保持された転写材Sはエアーによる吸引力だけによって保持されるものであるので、転
写材搬送部材250上を滑ることができるので、転写材Sにたるみや、ひっぱりなどが生
じることがない。
【0072】
同様に、転写材Sが定着ユニット90の定着ニップ間に挟まれた状態で、転写材搬送装
置230の搬送面Pで搬送されているときに、定着ユニット90の搬送速度と、転写材搬
送部材250の搬送速度との間に差があったとしても、転写材搬送部材250上を滑るこ
とができ、転写材Sにたるみや、ひっぱりなどが生じることがない。
【0073】
上記でみたように転写材搬送装置230は各ユニットにおける転写材Sの搬送速度の差
分を吸収するような機構として機能することができる。
【0074】
転写材搬送装置230の搬送面Pで搬送された転写材Sは、第2吸引装置270の吸引
面272を経て、定着ユニット90において、加熱ローラー91と加圧ローラー92とが
形成する定着ニップ間に進入する。この定着ニップを経た転写材Sは、トナー像が融着さ
れ永久可視像とされる。
【0075】
液体現像剤を用いた画像形成方法では、2次転写ユニット60での2次転写後所定時間
をおいた方が、定着ユニット90において良好な定着効率を得ることができる、という現
象が発生することがある。これは、所定時間おいた方が、定着を阻害しているキャリアを
転写材に浸透させることができるためである。2次転写ユニット60の直後に定着ユニッ
ト90が設けられたレイアウトをとると、転写材Sは2次転写ユニット60でトナー転写
を受けて、間もなく定着される、ということとなり定着効率が低下する懸念があるが、本
発明に係る画像形成装置によれば、2次転写ユニット60と定着ユニット90との間に、
第1吸引装置210、転写材搬送装置230、第2吸引装置270などにより構成された
搬送手段が存在するレイアウトとなっているので、転写材Sの搬送に伴う時間によって、
2次転写後定着を行うまでの所定時間をかせぐことができ、定着ユニット90において良
好な定着効率を得ることができる。
【0076】
また、本発明に係る画像形成装置によれば、2次転写ユニット60から排出された転写
材Sを吸引する第1吸引装置210が設けられているので、2次転写後の転写材Sを転写
ベルト40の上のスペースに排出することができ、そのスペースを使って定着ユニット9
0を配置することができるため、装置の設置面を小さくすることができるという効果もあ
る。
【0077】
次に、以上のように構成される本発明に係る画像形成装置の制御について説明する。図
6は本発明の実施形態に係る画像形成装置における制御ブロックの概略を示す図である。
図6において、145は転写材種別情報記憶部、131は回転位置検出センサー、132
は転写材検出センサー、150は主制御部、151、153、157、158は風量制御
部をそれぞれ示している。
【0078】
主制御部150は本発明に係る画像形成装置の各制御を行うためのメインコントローラ
である。このような主制御部150としては、CPUやRAM、ROM等を備える汎用の
情報処理装置を用い、入力された所定情報に基づいて所定ブロックへの命令を出力する動
作を前記CPUに実行させるプログラムを予め前記ROMに記憶させることによって実現
することが可能である。
【0079】
また、回転位置検出センサー131は2次転写ローラー61の回転位置を検出する構成
であり、また、転写材検出センサー132は、第1吸引装置210下部における転写材S
の通過状況を検出する構成である。これら回転位置検出センサー131及び転写材検出セ
ンサー132によって、主制御部150は転写材Sの搬送状況を把握することが可能とな
る。
【0080】
転写材種別情報記憶部145は、画像形成装置で画像形成する転写材の種別に係るデー
タを一時的に記憶する記憶手段である。このような転写材種別情報記憶部145は、例え
ば、画像形成装置内に設けられる転写材の種別を判定する判定センサー(不図示)からの
情報、画像形成装置の筐体に設けられる入力パネル(不図示)などからユーザーが手動で
入力する情報、画像形成装置に対して画像形成実行命令を出力する上位装置からの情報、
或いは、画像形成装置に対して転写材を供給する給紙装置からの情報を取得して、その情
報を格納するように構成される。転写材種別情報記憶部145に記憶される転写材種別デ
ータは、主制御部150における制御のために適宜利用される。
【0081】
風量制御部151、153、157、158は、第1吸引装置210の気流発生部21
5、転写材搬送装置230の気流発生部235、第2吸引装置270の気流発生部275
、そして送風装置400の気流発生部405での気流発生時の風量を制御するものである
。より具体的には、風量制御部は各気流発生部としてのファンに設けられたモーターの速
度制御を行うコントローラである。主制御部150は、これら風量制御部151、153
、157、158に制御命令を出力することによって、それぞれの気流発生部による発生
風量をコントロールする。これによって、転写材に対する吸引力、或いは転写材に対する
吐出エアー量などを自在に制御することが可能となる。なお、本実施形態では、ファンの
モーター制御によって風量を制御する例に基づき説明しているが、開閉可能なダクトを各
筐体部内に設けておき、ダクトの開閉によって風量を制御するように構成することも可能
である。
【0082】
本発明に係る画像形成装置は、転写材種別情報記憶部145を有しており、この転写材
種別に係る情報に基づき主制御部150が、第1吸引装置210、転写材搬送装置230
、第2吸引装置270などにより構成された搬送手段、送風装置400を制御するもので
あるので、転写材の種別に応じて転写材搬送条件等を容易に変更することが可能となる。
【0083】
また、本発明に係る画像形成装置は、風量制御部151、153、157は、転写材を
吸引するときの風量を調整する風量調整部として機能するので、例えば転写材の種別に応
じて、第1吸引装置210、転写材搬送装置230、第2吸引装置270などの搬送手段
で転写材を吸引するときの吸引力を調整できることができ、装置の転写材種別対応性が向
上する。
【0084】
より、具体的には、例えば薄い紙で厚紙と同じ吸引力で吸引してしまうと、薄い紙の場
合、厚い紙より紙のこしが弱いため、吸引力に紙のこしが負けてしまい、吸引面212、
吸引面272で紙が搬送されずに停滞して紙がしわになってしまうことがあるが、薄い紙
のときの吸引力を例えば、厚い紙の半分にすることで、薄い紙のこしでも十分搬送するこ
とができ、紙にしわがよってしまうのを防止することができる。
【0085】
また、本発明に係る画像形成装置は、風量制御部158は、送風装置400でエアーを
送るときの風量を調整する風量調整部として機能するので、例えば転写材種別に応じて送
風装置400の吐出風量を調整することができ、装置の転写材種別対応性が向上する。
【0086】
より具体的には、厚紙と同じ気流の吐出風量で薄い紙を、転写ベルト40と転写ローラ
ー61との間の2次転写ニップ出口空間に押し付けると、吐出されたエアーで紙がばたつ
いてしまう。紙がばたつくことで装置内の部材に画像面が当たるため、画像が乱れたり、
紙がばたつくことで紙にしわがよってしまったりすることがあるが、薄い紙のときに吐出
風量を例えば、厚い紙の半分にすることで薄い紙をばたつかせずに前記空間側に押し付け
ることができる。
【0087】
次に、2次転写ユニット60における2次転写ニップを転写材Sが通過するときに転写
材Sのカールについて説明する。図7は2次転写ニップを通過する転写材Sを模式的に示
す図である。
【0088】
2次転写ユニット60を構成する2つのローラーのうち、ベルト駆動ローラー41は転
写ベルト40を精度高く駆動するために回転させる目的があるために、ハードローラーが
採用される。より具体的には、ベルト駆動ローラー41は、スチールローラ表面に摩擦を
増すためのウレタン層を約10μm厚に塗布したものが用いられる。
【0089】
また、2次転写ユニット60を構成する2つのローラーのうちのもう一方のローラであ
る2次転写ローラー61には、上記のハードローラーに比して軟質であるソフトローラー
が採用されている。2次転写ローラー61の軟質性は、弾性部材607に起因している。
この弾性部材607としては、弾性部材はJIS A 50度の2mm厚の導電性ウレタ
ンゴムを100μm厚の導電性ポリアミドイミドの上に重ねた多層のゴムシートが用いら
れている。また、導電性ウレタンゴムの表面にはフッ素系ゴムによる15μmのコートが
あるが、厚みの主になるウレタンゴム層の硬度が2次転写ローラー61の表層硬度を決定
する。
【0090】
上記のように2次転写ユニット60が構成されているために、本実施形態では、転写材
Sが通過する2次転写ローラー61側が凹む形となり、上に凸のカールが転写材Sに形成
されることとなる。このようなカールが形成されると、図8に示すように、転写材Sの搬
送方向先端部(SO)は鉛直下方に向かうようになり、第1吸引装置210から転写材搬
送装置230の転写材搬送部材250への受け渡し時に、転写材搬送装置230で転写材
Sが適切に吸引されにくくなる。このような傾向は、転写材Sの厚さの違いによって異な
る。そこで、本実施形態においては、このような厚さの相違によって、転写材搬送装置2
30における気流発生部235を制御して、転写材Sの厚さに応じて適切な搬送を行い得
るように構成するものである。
【0091】
図9は転写材Sの種別に応じた気流発生部235における制御テーブルを示す図である
。本実施形態においては、転写材種別情報記憶部145に記憶される転写材の種別に応じ
て、気流発生部235を以下のように制御している。
【0092】
まず、転写材種別情報記憶部145に記憶される転写材の種別が、第1転写材S1であ
るときには、主制御部150及び風量制御部153は気流発生部235が第1転写材S1
を第1の吸引力B01で吸引するように制御する。
【0093】
このような第1転写材S1より厚い第2転写材S2が用いられているときには、より腰の
強いカールが形成されているので、これに併せて転写材搬送装置230での吸引力を第1
の吸引力B01より高くするように制御する。より具体的には、転写材種別情報記憶部14
5に記憶される転写材の種別が、第1転写材S1より厚い第2転写材S2であるときには、
主制御部150及び風量制御部153は気流発生部235が転写材を第1吸引力B01より
も大きい第2吸引力B02で吸引するように制御する。
【0094】
また、第1転写材S1より薄い第3転写材S3が用いられているときには、より腰の弱い
カールが形成されているので、これに併せて転写材搬送装置230での吸引力を第1の吸
引力B01より低くするように制御する。より具体的には、転写材種別情報記憶部145に
記憶される転写材の種別が、第1転写材S1より薄い第3転写材S3であるときには、主制
御部150及び風量制御部153は気流発生部235が転写材を前記第1吸引力B01より
も小さい第3吸引力B03で吸引するように制御する。
【0095】
本実施形態では、以上のような制御を行うことで、転写材搬送時における転写材カール
に起因する転写材の浮き上がりを防止することができるので、転写材が転写材搬送部材2
50から脱落しジャムが発生することもなく、また、転写材を定着ユニット所定位置へ導
入することができずに定着不良・画質劣化が発生することもない。
【0096】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。先の実施形態においては、転写材Sの
種別に応じて転写材搬送装置230における吸引力を調整することによって、転写材カー
ルに起因する搬送トラブルの防止を図ったが、本実施形態では、回転位置検出センサー1
31、転写材検出センサー132によって検出される情報に基づいて、気流発生部によっ
て転写材を吸引する吸引力を制御することによって、搬送トラブルの防止を図るようにし
ている。
【0097】
本実施形態では、回転位置検出センサー131、転写材検出センサー132によって検
出される情報に基づいて、第1吸引装置210の気流発生部215及び転写材搬送装置2
30の気流発生部235における風量コントロールを行っており、次に、この風量コント
ロールについてより詳細に説明する。
【0098】
本実施形態では回転位置検出センサー131によって、転写材Sの搬送を予測し、この
予測通り転写材Sが搬送されているか否かを転写材検出センサー132によってチェック
することで、転写材カールに起因する搬送トラブルの発生有無を検出している。
【0099】
図10は回転位置検出センサー131が回転板130のスリットを検出するタイミング
を図示したものである。回転板130のスリットを検出したタイミングにおける2次転写
ローラー61の回転位置を、基準位置(第1の回転位置)として考える。
【0100】
このような基準位置及び画像形成プロセス速度から、転写材Sが転写材検出センサー1
32を通過するタイミングを計ることが可能である。そこで、転写材検出センサー132
を通過するものと予想されるタイミングでの転写材検出センサー132の検出結果に応じ
て、転写材Sの搬送方向先端部(SO)の状態を予測している。
【0101】
基準位置(第1の回転位置)を通過してから所定時間(Ta)経過後の位置(第2の回
転位置という)を、2次転写ローラー61が通過するタイミングで、転写材検出センサー
132が転写材Sを検出した場合には、図11(A)に示すように、転写材Sが適切に搬
送されているものと判断することができる。逆に、第2の回転位置を2次転写ローラー6
1が通過するタイミングで、転写材検出センサー132が転写材Sを検出しない場合には
、図11(B)に示すように、転写材Sの先端部(SO)がカールしており、カール起因
による搬送トラブルが発生する恐れがあるものと判断することができる。
【0102】
次に、上記のような判断に基づいて、第1吸引装置210の気流発生部215及び転写
材搬送装置230の気流発生部235を制御するシーケンスについて説明する。図12乃
至図14は第1吸引装置210及び転写材搬送装置230の制御シーケンス例を示す図で
ある。図12乃至図14においては、第1吸引装置210の気流発生部215は吸引レベ
ルとしてB11及びそれより強力なB12の2レベルを、また、及び転写材搬送装置230の
気流発生部235は吸引レベルとしてB01及びそれより強力なB02の2レベルをとること
が可能に制御される。
【0103】
図12は回転位置検出センサー131で2次転写ローラー61の第1の回転位置から、
所定時間(Ta)経過後(2次転写ローラー61が第2の回転位置に存在するタイミング
)に、転写材検出センサー132が転写材Sを検出した場合の制御例を示している。この
場合、第2の回転位置で、転写材Sが検出されたのであるから、転写材Sにはカールの影
響などがないものと判断できる。そこで、第1吸引装置210の気流発生部215は、標
準的な吸引レベルであるB11のレベルを、また、転写材搬送装置230の気流発生部23
5は、標準的な吸引レベルであるB01のレベルを維持するように制御される。
【0104】
図12は回転位置検出センサー131で2次転写ローラー61の第1の回転位置から、
所定時間(Ta)経過後(2次転写ローラー61が第2の回転位置に存在するタイミング
)に、転写材検出センサー132が転写材Sを検出されなかった場合の制御例を示してい
る。この場合、第2の回転位置で転写材Sが検出されたのであるから、転写材Sにはカー
ルが発生し、転写材検出センサー132の検出が遅れているもの判断できる。そこで、ま
ず、転写材搬送装置230の気流発生部235は、図示するようなタイミング(T31)
で、標準的な吸引レベルであるB01からより強力なB02の吸引レベルに変更するように制
御される。そして、T31より所定時間経過後のT11で、第1吸引装置210の気流発
生部215は、標準的な吸引レベルであるB11からより強力なB12の吸引レベルに変更す
るように制御される。
【0105】
図12に示す例で、第1吸引装置210の気流発生部215を、標準的な吸引レベルで
あるB11からより強力なB12の吸引レベルにするのは、転写材Sの後端(SE)で、カー
ルに起因する第1吸引装置210からの脱落等のトラブルを防止するためである。
【0106】
図13は回転位置検出センサー131で2次転写ローラー61の第1の回転位置から、
所定時間(Ta)経過後(2次転写ローラー61が第2の回転位置に存在するタイミング
)、さらに時間が経過した後(Tb)でも、転写材検出センサー132で転写材Sを検出
されなかった場合の制御例を示している。この場合は、ジャムなどの何らかのトラブルが
発生しているものと判断することができるので、Tsのタイミングで画像形成装置のプロ
セスを停止するように制御する。すなわち、転写材搬送装置230の気流発生部235、
及び、第1吸引装置210の気流発生部215についても停止するように制御される。
【0107】
本実施形態では、以上のような制御を行うことで、転写材搬送時における転写材カール
に起因する転写材の浮き上がりを防止することができるので、転写材が転写材搬送部材2
50から脱落しジャムが発生することもなく、また、転写材を定着ユニット所定位置へ導
入することができずに定着不良・画質劣化が発生することもない。
【符号の説明】
【0108】
10Y、10M、10C、10K・・・感光体、11Y、11M、11C、11K・・・
コロナ帯電器、12Y、12M、12C、12K・・・露光ユニット、13Y、13M、
13C、13K・・・第1感光体スクイーズローラー、13Y’、13M’、13C’、
13K’・・・第2感光体スクイーズローラー、14Y、14Y’、14M、14M’、
14C、14C’、14K、14K’、・・・感光体スクイーズローラークリーニングブ
レード、18Y、18M、18C、18K・・・感光体クリーニングブレード、20Y、
20M、20C、20K・・・現像ローラー、21Y、21M、21C、21K・・・現
像ローラークリーニングブレード、22Y、22M、22C、22K・・・コンパクショ
ンコロナ発生器、30Y、30M、30C、30K・・・現像装置、31Y、31M、3
1C、31K・・・現像剤容器、32Y、32M、32C、32K・・・アニロックスロ
ーラー、31Y、31M、31C、31K・・・現像剤容器、33Y、33M、33C、
33K・・・規制ブレード、34Y、34M、34C、34K・・・オーガ(供給ローラ
ー)、40・・・転写ベルト(転写媒体)、41・・・ベルト駆動ローラー、42・・・
テンションローラー、45・・・現像剤回収部、46・・・転写ベルトクリーニングロー
ラー、47・・転写ベルトクリーニングローラークリーニングブレード、49・・・転写
ベルトクリーニングブレード、50Y、50M、50C、50K・・・1次転写部、51
Y、51M、51C、51K・・・1次転写バックアップローラー、52、53・・・テ
ンションローラー、60・・・2次転写ユニット、61・・・2次転写ローラー、62・
・・2次転写ローラークリーニングブレード、74・・・(クリーニング)ブレード保持
部材、85・・・2次転写ユニット回収貯留部、90・・・定着ユニット、91・・・加
熱ローラー、92・・・加圧ローラー、101、101’・・・ゲートローラー、102
・・・転写材ガイド、130・・・回転板、131・・・回転位置検出センサー、132
・・・転写材検出センサー、145・・・転写材種別情報記憶部、150・・・主制御部
、151、153、157、158・・・風量制御部、210・・・第1吸引装置、21
1・・・筐体部、212・・・吸引面、215・・・気流発生部、230・・・転写材搬
送装置、231・・・筐体部、232・・・吸引面、233・・・隔壁部材、235・・
・気流発生部、250・・・転写材搬送部材、251・・・転写材搬送部材駆動ローラー
、252、253・・・転写材搬送部材張架ローラー、270・・・第2吸引装置、27
1・・・筐体部、272・・・吸引面、275・・・気流発生部、400・・・送風装置
、401・・・筐体部、402・・・開口部、405・・・気流発生部、601・・・ロ
ーラー胴部、602・・・ローラー軸部、605・・・開口凹部、607・・・弾性部材
、610・・・転写材把持機構、611・・・転写材把持部、612・・・転写材把持部
受け部、640・・・転写材剥離部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像が転写される転写ベルトと、
転写材を把持する転写材把持部を備え、前記転写ベルトに転写された前記像を前記転写材
に転写させる転写ローラーと、
前記転写ローラーの回転位置を検出する回転位置検出センサーと、
前記転写材を鉛直方向の上方に吸引する気流を発生させる気流発生部材を備え、前記像が
転写された面が前記鉛直方向の下方に向けて前記転写材を搬送する転写材搬送部と、
前記転写ローラーと前記転写材搬送部との間の前記転写材の搬送経路に配設されて、前記
転写材の有無を検出する転写材検出センサーと、を有することを特徴とする画像形成装置

【請求項2】
前記転写ローラーで前記像が転写された転写材を吸引する第1吸引部を有し、
前記第1吸引部で吸引された前記転写材を前記転写材搬送部材で搬送する請求項1に記載
の画像形成装置。
【請求項3】
前記回転位置検出センサーで検出される前記転写ローラーの回転位置情報及び前記転写材
検出センサーによって検出された前記転写材の有無情報に基づいて、前記気流発生部材で
発生させる気流を制御する制御部を有する請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1吸引部で前記転写材を吸引する気流を発生させる第2の気流発生部材を有し、
前記制御部は、前記回転位置検出センサーで検出される前記転写ローラーの回転位置情報
及び前記転写材検出センサーによって検出された前記転写材の有無情報に基づいて、前記
第2の気流発生部材で発生させる気流を制御する請求項1乃至請求項3のいずれか1項に
記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記回転位置検出センサーで検出される前記転写ローラーの回転位置情報
及び前記転写材検出センサーによって検出された前記転写材の有無情報に基づいて、
前記気流発生部材で発生させる気流を制御した後に、前記第2の気流発生部材で発生させ
る気流を制御する請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記回転位置検出センサーが、前記転写ローラーの第1の位置で、前記転写ローラーの回
転位置を検出した後、前記第1の位置と異なる第2の位置に前記転写ローラーが回転した
タイミングで、
前記転写材検出センサーが、前記転写材の有無を検出しなかったとき、
前記気流発生部材で発生させる気流の流量を大きくする請求項1乃至請求項5のいずれか
1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記気流発生部材で発生させる気流の流量を大きくした後、
前記転写材検出センサーにより前記転写材があることを所定時間検出しなかったとき、前
記気流発生部材の動作を停止させる請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
回転位置検出センサーによって転写ローラーの回転位置を検出し、
転写ベルトに像を転写し、
転写ローラーの転写材把持部で把持された転写材に、前記転写ベルトに転写された前記像
を転写し、
転写材検出センサーで前記転写材の有無を検出し、
前記回転位置検出センサーで検出される前記転写ローラーの回転位置情報及び前記転写材
検出センサーによって検出された前記転写材の有無情報に基づいて、前記転写材を吸引す
る気流が調整された転写材搬送部で、前記転写材を鉛直方向の上方に吸引しつつ、前記転
写材の前記像が転写された面が前記鉛直方向の下方に向けて搬送することを特徴とする画
像形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−43727(P2011−43727A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−192849(P2009−192849)
【出願日】平成21年8月24日(2009.8.24)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】