説明

画像形成装置及び画像形成方法

【課題】テンションと伸び量の関係が未知である新規な記録媒体でも、適切に画像を形成できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】長尺状の記録媒体を搬送する搬送部と、画像の形成を行う画像形成部と、搬送中における記録媒体にかかるテンションを制御するテンション制御部と、画像形成部によって記録媒体上に形成された画像を撮像する撮像部と、演算処理を行う主制御部とを有し、記録媒体に第1テンションがかかるように制御して、画像形成部により所定パターンを画像形成し(ステップS101、102)、第1テンションが記録媒体にかかった状態で撮像部により、第1画像データから第1距離を取得し(ステップS103)、第2テンションが記録媒体にかかった状態で撮像部により、第2画像データから第2距離を取得し(ステップS105、106)、第1距離と第2距離とから、記録媒体にかかるテンションと伸び量の関係を演算する(ステップS107)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長尺状の記録媒体に所定のテンションをかけつつ画像を形成する画像形成装置及び画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置の一つとしてインクジェットプリンターが知られている。このインクジェットプリンターは、紙や布、フィルムなどの各種媒体に向けて、ヘッドの複数のノズルから液体としてのインクを噴射して印刷を行うものである。
【0003】
インクジェット式のプリンターの中には、用紙サイズがA2以上の大判のものを用いるタイプがある。かかる大判のインクジェットプリンターにおいては、単票紙以外に、いわゆるロール紙(以下、用紙が巻回されたいわゆるロール紙をロール体とし、ロール体から引き出される部分を用紙とする。)が利用されることが多い。
【0004】
また、インクジェット式のプリンターの中には、記録媒体としてロール体の樹脂製フィルムを用い、さらに、この樹脂製フィルムに噴射するインクとしてUVインクを用いて、食品などのパッケージに貼着するためのラベルを印刷するものも知られている。
【0005】
例えば、特許文献1(特開2003−118136号公報)には、テープ送り経路(搬送経路)に沿って印刷テープを送り、テープ送り経路の途中位置にある印刷エリアにて印刷テープにインク(液体)を噴射して印刷を行い、テープ送り経路の途中位置にある乾燥エリアにて印刷済みの印刷テープを自然乾燥した後、この自然乾燥した印刷テープを巻き取る画像形成装置が開示されている。
【特許文献1】特開2003−118136号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ロール体から引き出される長尺状の記録媒体に対して、インクジェット式で画像形成を行う際には、記録媒体にある程度のテンションをかけて、これにインク滴を噴射するようにするが、ここで、記録媒体として薄手の合成樹脂フィルムを用い、このようなフィルムに対してインクを噴射して画像形成する場合においては、画像形成時には、かけられたテンションにより記録媒体が伸びており、このテンションから開放されると記録媒体が縮むことを考慮に入れて、インクの噴射タイミングを制御しなければならない。
【0007】
そこで、記録媒体にかかるテンションと、記録媒体の伸び量の関係とを、記録媒体の種類に応じて記憶しておき、これに基づいてインクの噴射タイミングを制御することが考えられるが、記録媒体の種類として新規なものを用いる場合には、前記のような記憶情報がないので、対応することができない、という問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記課題を解決するためのもので、本発明に係る画像形成装置は、長尺状の記録媒体を搬送する搬送部と、前記搬送部で搬送される前記記録媒体に対し、画像の形成を行う画像形成部と、前記搬送部による前記記録媒体の搬送中における前記記録媒体にかかるテンションを制御するテンション制御部と、前記画像形成部によって前記記録媒体上に形成された画像を撮像する撮像部と、前記搬送部と、前記画像形成部と、前記テンション制御部と、前記撮像部とを制御すると共に、演算処理を行う主制御部と、を有し、前記主制御部は、前記テンション制御部により、前記記録媒体に第1テンションがかかるように
制御して、前記画像形成部により所定パターンを画像形成し、前記第1テンションが前記記録媒体にかかった状態で前記撮像部により、前記所定パターンに係る第1画像データを撮像し、前記第1画像データから第1距離を取得し、前記搬送部による前記記録媒体の搬送を停止し、前記第1テンションと異なる第2テンションが前記記録媒体にかかった状態で前記撮像部により、前記所定パターンに係る第2画像データを撮像し、前記第2画像データから第2距離を取得し、前記第1距離と前記第2距離とから、前記記録媒体にかかるテンションと伸び量の関係式を演算することを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る画像形成装置は、長尺状の記録媒体を搬送する搬送部と、前記搬送部で搬送される前記記録媒体に対し、画像の形成を行う画像形成部と、前記搬送部による前記記録媒体の搬送中における前記記録媒体にかかるテンションを制御するテンション制御部と、前記画像形成部によって前記記録媒体上に形成された画像を撮像する撮像部と、前記搬送部と、前記画像形成部と、前記テンション制御部と、前記撮像部とを制御すると共に、演算処理を行う主制御部と、を有し、前記主制御部は、前記テンション制御部により、前記記録媒体に第1テンションがかかるように制御して、前記画像形成部により所定パターンを画像形成し、前記第1テンションが前記記録媒体にかかった状態で前記撮像部により、前記所定パターンに係る第1画像データを撮像し、前記第1画像データから第1距離を取得し、前記テンション制御部により、前記記録媒体に第2テンションがかかるように制御して、前記画像形成部により所定パターンを画像形成し、前記第2テンションが前記記録媒体にかかった状態で前記撮像部により、前記所定パターンに係る第2画像データを撮像し、前記第2画像データから第1距離を取得し、前記第1距離と前記第2距離とから、前記記録媒体にかかるテンションと伸び量の関係式を演算することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る画像形成装置は、長尺状の記録媒体を搬送する、回転可能なドラムローラーを含む搬送部と、前記ドラムローラーに巻かれて搬送される前記記録媒体に対し、画像の形成を行う画像形成部と、前記搬送部による前記記録媒体の搬送中における前記記録媒体にかかるテンションを制御するテンション制御部と、前記画像形成部によって前記記録媒体上に形成された画像を撮像する撮像部と、前記搬送部と、前記画像形成部と、前記テンション制御部と、前記撮像部とを制御すると共に、演算処理を行う主制御部と、を有し、前記主制御部は、前記テンション制御部により、前記記録媒体に第1テンションがかかるように制御して、前記画像形成部により所定パターンを画像形成し、前記第1テンションが前記記録媒体にかかった状態で前記撮像部により、前記所定パターンに係る第1画像データを撮像し、前記第1画像データから第1位置を取得し、前記搬送部による前記記録媒体の搬送を停止し、前記第1テンションと異なる第2テンションが前記記録媒体にかかった状態で前記撮像部により、前記所定パターンを撮像し第2画像データを取得し、前記第2画像データから第2位置を取得し、前記第1位置と前記第2位置から、前記記録媒体にかかるテンションと伸び量の関係式を演算することを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る画像形成装置は、長尺状の記録媒体を搬送する、回転可能なドラムローラーを含む搬送部と、前記ドラムローラーに巻かれて搬送される前記記録媒体に対し、画像の形成を行う画像形成部と、前記搬送部による前記記録媒体の搬送中における前記記録媒体にかかるテンションを制御するテンション制御部と、前記画像形成部によって前記記録媒体上に形成された画像を撮像する撮像部と、前記搬送部と、前記画像形成部と、前記テンション制御部と、前記撮像部とを制御すると共に、演算処理を行う主制御部と、を有し、前記主制御部は、前記テンション制御部により、前記記録媒体に第1テンションがかかるように制御して、前記画像形成部により所定パターンを画像形成し、前記第1テンションが前記記録媒体にかかった状態で前記撮像部により、前記所定パターンに係る第1画像データを撮像し、前記第1画像データから第1距離を取得し、前記テンション制御部により、前記記録媒体に第2テンションがかかるように制御して、前記画像形成部により所定パターンを画像形成し、前記第2テンションが前記記録媒体にかかった状態で前記
撮像部により、前記所定パターンに係る第2画像データを撮像し、前記第2画像データから第2距離を取得し、前記第1距離と前記第2距離とから、前記記録媒体にかかるテンションと伸び量の関係式を演算することを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る画像形成装方法は、長尺状の記録媒体を搬送する搬送部と、前記搬送部で搬送される前記記録媒体に対し、画像の形成を行う画像形成部と、前記搬送部による前記記録媒体の搬送中における前記記録媒体にかかるテンションを制御するテンション制御部と、前記画像形成部によって前記記録媒体上に形成された画像を撮像する撮像部と、前記搬送部と、前記画像形成部と、前記テンション制御部と、前記撮像部とを制御すると共に、演算処理を行う主制御部と、を有し、前記主制御部は、前記テンション制御部により、前記記録媒体に第1テンションがかかるように制御して、前記画像形成部により所定パターンを画像形成するステップと、前記第1テンションが前記記録媒体にかかった状態で前記撮像部により、前記所定パターンに係る第1画像データを撮像し、前記第1画像データから第1距離を取得するステップと、前記搬送部による前記記録媒体の搬送を停止し、前記第1テンションと異なる第2テンションが前記記録媒体にかかった状態で前記撮像部により、前記所定パターンに係る第2画像データを撮像し、前記第2画像データから第2距離を取得するステップと、前記第1距離と前記第2距離とから、前記記録媒体にかかるテンションと伸び量の関係式を演算するステップと、を実行することを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る画像形成装方法は、長尺状の記録媒体を搬送する搬送部と、前記搬送部で搬送される前記記録媒体に対し、画像の形成を行う画像形成部と、前記搬送部による前記記録媒体の搬送中における前記記録媒体にかかるテンションを制御するテンション制御部と、前記画像形成部によって前記記録媒体上に形成された画像を撮像する撮像部と、前記搬送部と、前記画像形成部と、前記テンション制御部と、前記撮像部とを制御すると共に、演算処理を行う主制御部と、を有し、前記主制御部は、前記テンション制御部により、前記記録媒体に第1テンションがかかるように制御して、前記画像形成部により所定パターンを画像形成するステップと、前記第1テンションが前記記録媒体にかかった状態で前記撮像部により、前記所定パターンに係る第1画像データを撮像し、前記第1画像データから第1距離を取得するステップと、前記テンション制御部により、前記記録媒体に第2テンションがかかるように制御して、前記画像形成部により所定パターンを画像形成するステップと、前記第2テンションが前記記録媒体にかかった状態で前記撮像部により、前記所定パターンに係る第2画像データを撮像し、前記第2画像データから第1距離を取得するステップと、前記第1距離と前記第2距離とから、前記記録媒体にかかるテンションと伸び量の関係式を演算するステップと、を実行することを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る画像形成装方法は、長尺状の記録媒体を搬送する、回転可能なドラムローラーを含む搬送部と、前記ドラムローラーに巻かれて搬送される前記記録媒体に対し、画像の形成を行う画像形成部と、前記搬送部による前記記録媒体の搬送中における前記記録媒体にかかるテンションを制御するテンション制御部と、前記画像形成部によって前記記録媒体上に形成された画像を撮像する撮像部と、前記搬送部と、前記画像形成部と、前記テンション制御部と、前記撮像部とを制御すると共に、演算処理を行う主制御部と、を有し、前記主制御部は、前記テンション制御部により、前記記録媒体に第1テンションがかかるように制御して、前記画像形成部により所定パターンを画像形成するステップと、前記第1テンションが前記記録媒体にかかった状態で前記撮像部により、前記所定パターンに係る第1画像データを撮像し、前記第1画像データから第1位置を取得するステップと、前記搬送部による前記記録媒体の搬送を停止し、前記第1テンションと異なる第2テンションが前記記録媒体にかかった状態で前記撮像部により、前記所定パターンを撮像し第2画像データを取得し、前記第2画像データから第2位置を取得するステップと、前記第1位置と前記第2位置から、前記記録媒体にかかるテンションと伸び量の関係式を演算するステップと、を実行することを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る画像形成装方法は、長尺状の記録媒体を搬送する、回転可能なドラムローラーを含む搬送部と、前記ドラムローラーに巻かれて搬送される前記記録媒体に対し、画像の形成を行う画像形成部と、前記搬送部による前記記録媒体の搬送中における前記記録媒体にかかるテンションを制御するテンション制御部と、前記画像形成部によって前記記録媒体上に形成された画像を撮像する撮像部と、前記搬送部と、前記画像形成部と、前記テンション制御部と、前記撮像部とを制御すると共に、演算処理を行う主制御部と、を有し、前記主制御部は、前記テンション制御部により、前記記録媒体に第1テンションがかかるように制御して、前記画像形成部により所定パターンを画像形成するステップと、前記第1テンションが前記記録媒体にかかった状態で前記撮像部により、前記所定パターンに係る第1画像データを撮像し、前記第1画像データから第1距離を取得するステップと、前記テンション制御部により、前記記録媒体に第2テンションがかかるように制御して、前記画像形成部により所定パターンを画像形成するステップと、前記第2テンションが前記記録媒体にかかった状態で前記撮像部により、前記所定パターンに係る第2画像データを撮像し、前記第2画像データから第2距離を取得するステップと、前記第1距離と前記第2距離とから、前記記録媒体にかかるテンションと伸び量の関係式を演算するステップと、を実行することを特徴とする。
【0016】
以上、本発明の画像形成装置及び画像形成方法によれば、記録媒体にかかるテンションと伸び量の関係式を演算することが可能となるので、テンションと伸び量の関係が未知である新規な記録媒体に対しても、インクの噴射タイミングを制御することが可能となり、適切に画像を形成することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置10の要部を示す図である。
【図2】プリンター10の全体構成のブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係る画像形成装置10の記録媒体Sにかかるテンションと伸び量の関係を求める処理のフローチャートを示す図である。
【図4】撮像ユニット90で撮像されるテストパターンの例を示す図である。
【図5】記録媒体にかけられるテンションと記録媒体の伸び量の関係を示す図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る画像形成装置10の記録媒体Sにかかるテンションと伸び量の関係を求める処理のフローチャートを示す図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係る画像形成装置10の要部を示す図である。
【図8】第3実施形態に係る画像形成装置の記録媒体Sにかかるテンションと伸び量の関係を求める処理のフローチャートを示す図である。
【図9】撮像ユニット90で撮像されるテストパターンの例を示す図である。
【図10】記録媒体にかけられるテンションと記録媒体の伸び量の関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の実施形態に係る画像形成装置10の要部を示す図であり、図2はプリンター10の全体構成のブロック図である。本実施形態においては、ラインヘッドユニット150は、記録用紙の搬送平面に沿って移動することなく記録用紙の搬送経路の途中に記録媒体の搬送方向と直交する方向に用紙幅全体に亘るように配置されたものが用いられている。ラインヘッドユニット150の下面には、記録媒体の搬送方向と直交する方向にわたり、インクを噴射するノズル列(不図示)が設けられており、これによりインクを噴射して記録媒体に画像を形成する。ラインヘッドユニット150は、主制御部110及び駆動信号生成回路117に接続されている。駆動信号生成回路117からは、インクの噴射を制御するための駆動電圧がラ
インヘッドユニット150の各ノズルに送られるようになっている。
【0019】
上記のようなラインヘッドユニット150として、本実施形態では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の色インク(液体)を記録媒体Sに噴射する220Y、220M、220C、220Kが搭載されており、記録媒体S上にフルカラーの画像を印刷することができるようになっている。また、以下において、イエローやイエローインクのこと「Y」などと略記し、参照符号にサフィックスとして付加して、ラインヘッドユニット150が噴射する液体の色を示すことがある。なお、本実施形態においては、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のインクを噴射する4つのラインヘッドが設けられる構成について説明しているが、プリンター10で扱い得る色種、色数はこれに限定されるものではない。
【0020】
コンピューター1は、印刷を行う画像に応じた画像データを、プリンタドライバを介してプリンター10に送る。画像データには、媒体の各画素についてインク色毎にインクを噴射するか否かを示す画素データが含まれている。
【0021】
なお、本実施形態で使用するインクは、紫外線を照射することにより硬化する紫外線硬化型のUVインクである。紫外線硬化型のインクとしては、重合性化合物として、ラジカル重合性化合物を含むラジカル重合系インク、カチオン重合性化合物を含むカチオン重合系インク、及びラジカル重合系インクとカチオン重合系インクとを複合させたハイブリッド型インクが適用可能である。なお、インクには、紫外線以外の光で重合して硬化する重合性化合物と、紫外線以外の光、例えば電子線、X線、赤外線等で重合性化合物同士の重合反応を開始させる光開始剤とが適用されてもよい。
【0022】
また、本発明によるプリンター10に用いられる記録媒体Sしては、普通紙、再生紙、光沢紙等の各種紙、各種布地、各種不織布、樹脂、金属、ガラス等の材質からなる記録媒体Sが適用可能であるが、本実施形態では、特に、所謂軟包装に用いられる透明又は半透明の非吸収性の樹脂製フィルムが好適に用いられる。
【0023】
記録媒体Sとしての樹脂製フィルムが透明又は半透明媒体である場合、表刷りのみならず裏刷りも可能となる。なお、樹脂製フィルムの樹脂としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PS(ポリエステル)、PP(ポリプロピレン)等が好適に用いられる。
【0024】
上記のようなヘッドユニット150は、主制御部110に接続されており、ヘッドユニット150に対しては、インクの噴射を制御するための信号などが送られる。ラインヘッドユニット150の下方部は、記録媒体Sに記録を行う記録領域とされており、この記録領域には、記録媒体Sを非記録面側から水平に支持するプラテン19が設けられている。
【0025】
また、画像形成装置10には、供給ローラー20、第1搬送ローラー41、駆動ローラー対30、第2搬送ローラー42、テンションローラー対70、巻き取りローラー80等により、記録媒体Sの搬送経路が構成されている。
【0026】
駆動ローラー対30や巻き取りローラー80には、これらのローラー軸に取り付けられたモーター(不図示)と、このモーターを制御する記録媒体搬送制御ユニット130によって、記録媒体Sの搬送速度や巻き取り速度などが制御されるようになっている。また、記録媒体搬送制御ユニット130は、上位装置であるコントローラー110に接続されており、このコントローラー110からの指令に基づいて、記録媒体Sの搬送や巻き取りローラー80における記録媒体Sの巻き取りを制御するようになっている。
【0027】
また、テンションローラー対70には、このローラー軸に取り付けられたモーター(不図示)と、このモーターを制御するテンションローラー制御ユニット170によって、記録媒体Sにかかるテンションを制御することができるようになっている。また、テンションローラー制御ユニット170は、上位装置であるコントローラー110に接続されており、このコントローラー110からの指令に基づいて、記録媒体Sの搬送、テンションローラー対70を制御するようになっている。
【0028】
供給ローラー20は、長尺状の記録媒体Sを搬送経路に送り出すものである。供給ローラー20から送り出された記録媒体Sは、プラテン19部における画像形成部でインクを噴射され、紫外線照射ユニット160によって、記録媒体S上のインクが硬化され、最終的に巻き取りローラー80によって印刷済みの記録媒体Sとして巻き取られることとなる。
【0029】
搬送経路中における第1搬送ローラー41、及び第2搬送ローラー42は従動ローラーであり、このうち第2搬送ローラー42にはテンションセンサー60が設けられている。テンションセンサー60は上位装置である主制御部110に対して、検出したテンション値を送信するようになっている。
【0030】
また、巻き取りローラー80には、記録媒体Sをロール体に巻き込む際に、記録媒体Sをロール体に押しつけることによって、空気などの巻き込みを防止する押圧ローラー45が設けられている。
【0031】
また、画像形成装置10の筐体上面(不図示)には、例えばタッチパネルにより構成され、ユーザーが選択可能な記録モードを表示するとともに、表示された記録モードをユーザーが選択して入力する入力操作ユニット120が設けられている。この入力操作ユニット120は、後述の主制御部110に接続されており、所定操作に基づいて選択された記録モードに係る信号を主制御部110に対して出力するようになっている。本発明において、画像形成装置10に対して、記録媒体Sにかかるテンションと伸び量の関係を求める処理を行わせる場合には、このような入力操作ユニット120から、処理要求を受けるつけることができる。
【0032】
図2は、本実施形態における画像形成装置10を制御するための制御ブロックを示したものであり、この制御ブロックにおける主制御部110は、たとえば、CPU111、ROM112、RAM113からなり、ROM112に記録された処理プログラムをRAM113に展開してCPU111によりこの処理プログラムを実行したり、或いは、所定の演算処理を実行したりするようになっている。また、インターフェイス105は、画像形成装置10の主制御部110とコンピューター1を接続するために設けられたインターフェイスである。上記のROM112には、後述するテストパターンを印刷するためのデータ、或いは、記録媒体Sにかかるテンションと伸び量の関係を求める処理を実行するためのプログラムが記憶されている。
【0033】
この主制御部110は、前述の処理プログラムに従い、記録媒体搬送制御ユニット130、ラインヘッドユニット150、紫外線照射ユニット160、テンションローラー制御ユニット170、撮像ユニット90等を動作状況等のステータスに基づいて、制御するようになっている。
【0034】
紫外線照射ユニット160は、記録媒体に噴射されたUVインクに対して紫外線を照射してUVインクを硬化させるための装置である。紫外線照射ユニット160の光源としては、例えば、紫外線を発生するUV−LED(Ultra Violet Light Emitting Diode)などによって構成される。そして、主制御部110から
の制御により紫外線の照射率が制御できるようになっている。このようにすることで、記録媒体Sの各位置おいて紫外線を照射する量を変化させることもできるようになっている。なお、前記光源としては他にメタルハライドランプ、キセノンランプ、カーボンアーク灯、ケミカルランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ等が利用可能である。
【0035】
また、撮像ユニット90は、記録媒体Sの印刷面の撮像を行うことができるように構成されたものであり、例えば、CCDカメラなどにより構成することができる。この撮像ユニット90で撮像された画像データは、主制御部110に送信され、主制御部110で画像解析されることで、記録媒体Sに印刷したテストパターン間の距離や、或いは、テストパターンの変位量が把握できるようになっている。
【0036】
上記のように構成される画像形成装置10で実行される、記録媒体Sにかかるテンションと伸び量の関係を求める処理について説明する。このような処理は、テンションと伸び量の関係が未知である新規な記録媒体について、インクの噴射タイミングを制御するために、実行される。このように記録媒体Sにかかるテンションと伸び量の関係を求めることで、本発明に係る画像形成装置10によれば、新規な記録媒体に対しても、インクの噴射タイミングを制御することが可能となり、適切に画像を形成することができるようになる。
【0037】
図3は本発明の実施形態に係る画像形成装置の記録媒体Sにかかるテンションと伸び量の関係を求める処理のフローチャートを示す図である。
【0038】
ステップS100で処理が開始されると、続くステップS101においては、テンションセンサー60の検出データに基づき、搬送中の記録媒体Sのテンションが第1テンション(T1)となるように、テンションローラー制御ユニット170で制御する。
【0039】
次のステップS102においては、ラインヘッドユニット150Kによりテストパターンを印刷する。ここで、用いられるテストパターンとしては、記録媒体Sの幅方向に延びる、所定間隔が開けられてなる2条の線などを利用することができる。なお、テストパターンをラインヘッドユニット150Kで印刷させるのは、撮像ユニット90によって取得した画像データの解析を行いやすいからである。しかしながら、他の色のインクを吐出するラインヘッドユニット150によってテストパターンを印刷するように構成することも可能である。
【0040】
ステップS103では、記録媒体Sのテンションが第1テンション(T1)で維持され
ている状態で、撮像ユニット90によりテストパターンを撮像(第1画像データの撮像)して、これを主制御部110で画像解析することで、パターン間の距離g1を取得する。
図4(A)は本ステップで撮像された画像データを示している。
【0041】
次に、ステップS104においては、記録媒体搬送制御ユニット130によって、駆動ローラー対30を停止して、駆動ローラー対30のニップで記録媒体Sを挟み込み、固定する。
【0042】
続くステップS105では、テンションセンサー60の検出データに基づき、記録媒体Sのテンションが第2テンション(T2)となるように、テンションローラー制御ユニッ
ト170で制御を行う。なお、本実施形態においては、第2テンション(T2)>第1テ
ンション(T1)の場合で説明しているが、第2テンション(T2)を第1テンション(T1)より小さくしても良い。
【0043】
ステップS106では、記録媒体Sのテンションが第2テンション(T2)で維持され
ている状態で、撮像ユニット90によりテストパターンを撮像(第2画像データの撮像)して、パターン間距離g2を取得する。図4(B)は本ステップで撮像された画像データ
を示している。
【0044】
ステップS107では、第1テンション(T1)に対応する距離g1と、第2テンション(T2)に対応する距離g2とから、テンションと記録媒体の伸び量の関係式を演算する。図5は記録媒体Sにかけられるテンションと記録媒体Sの伸び量の関係を示す図である。図5に示すように、記録媒体Sのテンションと、記録媒体Sの伸び量との間には、1次比例の関係があるものと仮定している。
【0045】
すなわち、a、bを未知の定数として、下式(1)が成立する。
【0046】
【数1】

(1)からa、bを求め、記録媒体Sにかけられるテンションxと、そのときの伸び量yとの間には下式(2)の関係があることを求めることができる。
【0047】
【数2】

このように記録媒体Sにかかるテンションと伸び量の関係を求め、ステップS108で処理を終了する。
【0048】
以上のように、本発明の画像形成装置10によれば、記録媒体Sにかかるテンションと伸び量の関係式を演算することが可能となるので、テンションと伸び量の関係が未知である新規な記録媒体Sに対しても、インクの噴射タイミングを制御して、印刷を行うことが可能となり、適切に画像を形成することができるようになる。
【0049】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。本実施形態は、先の実施形態と、記録媒体Sにかかるテンションと伸び量の関係を求める処理のアルゴリズムが異なるのみであり、装置の構成等は変わることはないので、以下、このアルゴリズムについて説明する。図6は本発明の第2実施形態に係る画像形成装置10の記録媒体Sにかかるテンションと伸び量の関係を求める処理のフローチャートを示す図である。
【0050】
図6において、ステップS200で処理が開始されると、続くステップS201においては、テンションセンサー60の検出データに基づき、搬送中の記録媒体Sのテンションが第1テンション(T1)となるように、テンションローラー制御ユニット170で制御
する。
【0051】
次のステップS202においては、ラインヘッドユニット150Kによりテストパターンを印刷する。ここで、用いられるテストパターンとしては、記録媒体Sの幅方向に延びる、所定間隔が開けられてなる2条の線などを利用することができる。先の実施形態同様、テストパターンを印刷するラインヘッドユニット150をラインヘッドユニット150K以外のものとすることもできる。
【0052】
ステップS203では、記録媒体Sのテンションが第1テンション(T1)で維持され
ている状態で、撮像ユニット90によりテストパターンを撮像(第1画像データの撮像)して、これを主制御部110で画像解析することで、パターン間の距離g1を取得する。
図4(A)は本ステップで撮像された画像データを示している。
【0053】
次のステップS204においては、テンションセンサー60の検出データに基づき、搬送中の記録媒体Sのテンションが第2テンション(T2)となるように、テンションロー
ラー制御ユニット170で制御する。
【0054】
次のステップS205においては、ラインヘッドユニット150Kによりテストパターンを印刷する。
【0055】
ステップS206では、記録媒体Sのテンションが第2テンション(T2)で維持され
ている状態で、撮像ユニット90によりテストパターンを撮像(第2画像データの撮像)して、パターン間距離g2を取得する。図4(B)は本ステップで撮像された画像データ
を示している。
【0056】
ステップS207では、第1テンション(T1)に対応する距離g1と、第2テンション(T2)に対応する距離g2とから、テンションと記録媒体の伸び量の関係式を演算する。本実施形態においても、図5に示すように、記録媒体Sのテンションと、記録媒体Sの伸び量との間には、1次比例の関係があるものと仮定することができる。
【0057】
そして、本実施形態においても、式(2)に示すように、記録媒体Sにかかるテンションと伸び量の関係を求めることができる。ステップS208では処理を終了する。
【0058】
以上のように、第2実施形態に係る画像形成装置10によれば、記録媒体Sにかかるテンションと伸び量の関係式を演算することが可能となるので、テンションと伸び量の関係が未知である新規な記録媒体Sに対しても、インクの噴射タイミングを制御して、印刷を行うことが可能となり、適切に画像を形成することができるようになる。
【0059】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。図7は本発明の第3実施形態に係る画像形成装置10の要部を示す図である。
【0060】
第3実施形態で用いられる画像形成装置10の構成について説明する。第1及び第2実施形態においては、プラテン19上で記録媒体Sを搬送させつつ、ラインヘッドユニット150によりインクを噴射して、記録媒体S上に画像を形成する構成であった。これに対して、本実施形態では、比較的ローラー径が大きい、回転自在に構成されるドラムローラー50に記録媒体Sを巻き付けつつこれを搬送して、ドラムローラー50に巻き付けられた記録媒体Sに対して、ラインヘッドユニット150によりインクを噴射して、記録媒体S上に画像を形成する。
【0061】
このようなドラムローラー50に記録媒体Sを巻き付ける際には、巻き付け乱れが生じないように、第1押圧ローラー43が記録媒体Sをドラムローラー50に押しつけるようにしている。
【0062】
なお、本実施形態においては、駆動ローラー対30におけるニップをP、また、ドラムローラー50と第1押圧ローラー43とが形成するニップをQと示すと、PQ間の距離はLであるものとする。また、画像形成装置10のブロック構成図は、先の実施形態と同様であるものとする。
【0063】
以上のような構成される第3実施形態に係る画像形成装置10において、テンションと伸び量の関係を求める方法について説明する。
【0064】
図8は本発明の第3実施形態に係る画像形成装置の記録媒体Sにかかるテンションと伸び量の関係を求める処理のフローチャートを示す図である。
【0065】
ステップS300で処理が開始されると、続くステップS301においては、テンションセンサー60の検出データに基づき、搬送中の記録媒体Sのテンションが第1テンション(T1)となるように、テンションローラー制御ユニット170で制御する。
【0066】
次のステップS302においては、ラインヘッドユニット150Kによりテストパターンを印刷する。ここで、用いられるテストパターンとしては、記録媒体Sの幅方向に延びる1本の線などを利用することができる。なお、テストパターンをラインヘッドユニット150Kで印刷させるのは、撮像ユニット90によって取得した画像データの解析を行いやすいからである。しかしながら、他の色のインクを吐出するラインヘッドユニット150によってテストパターンを印刷するように構成することも可能である。
【0067】
ステップS303では、記録媒体Sのテンションが第1テンション(T1)で維持され
ている状態で、撮像ユニット90によりテストパターンを撮像(第1画像データの取得)して、図9に示すように、テストパターンの位置(A)を取得する。
【0068】
次に、ステップS304においては、記録媒体搬送制御ユニット130によって、駆動ローラー対30を停止して、駆動ローラー対30のニップで記録媒体Sを挟み込み、固定する。
【0069】
続くステップS305では、テンションセンサー60の検出データに基づき、記録媒体Sのテンションが第2テンション(T2)となるように、テンションローラー制御ユニッ
ト170で制御を行う。なお、本実施形態においては、第2テンション(T2)>第1テ
ンション(T1)の場合で説明しているが、第2テンション(T2)を第1テンション(T1)より小さくしても良い。
【0070】
ステップS306では、記録媒体Sのテンションが第2テンション(T2)で維持され
ている状態で、撮像ユニット90によりテストパターンを撮像(第2画像データの取得)して、図9に示すように、テストパターンの位置(B)を取得する。
【0071】
ステップS307では、第1テンション(T1)に対応する位置(A)と、第2テンシ
ョン(T2)に対応する位置(B)とから、テンションと記録媒体の伸び量の関係式を演
算する。
【0072】
図10は記録媒体Sにかけられるテンションと記録媒体Sの伸び量の関係を示す図である。図10に示すように、記録媒体Sのテンションと、記録媒体Sの伸び量との間には、1次比例の関係があるものと仮定している。
【0073】
本実施形態においては、第1テンション(T1)から第2テンション(T2)に変化させたときに、位置(A)から位置(B)にテストパターンが変位するが、この変位は、PQ間における記録媒体Sの伸びによるものである。これは、ドラムローラー50に巻き付けられている記録媒体Sについては伸び縮みしないことに起因している。
【0074】
位置(A)から位置(B)への変位量がdであると仮定すると、a、bを未知の定数として、下式(3)が成立する。
【0075】
【数3】

(3)からa、bを求め、記録媒体Sにかけられるテンションxと、そのときの伸び量yとの間には下式(4)の関係があることを求めることができる。
【0076】
【数4】

このように記録媒体Sにかかるテンションと伸び量の関係を求め、ステップS308で処理を終了する。
【0077】
以上のように、第3実施形態に係る画像形成装置10によれば、記録媒体Sにかかるテンションと伸び量の関係式を演算することが可能となるので、テンションと伸び量の関係が未知である新規な記録媒体Sに対しても、インクの噴射タイミングを制御して、印刷を行うことが可能となり、適切に画像を形成することができるようになる。
【0078】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。本実施形態は、第3実施形態と装置構成に関しては同様のものを用いるが、第3実施形態とは、記録媒体Sにかかるテンションと伸び量の関係を求める処理のアルゴリズムが異なる。ただし、第3実施形態におけるアルゴリズムは、図6に示した第2実施形態と同様のものを用いることができるので、これに基づいて説明する。
【0079】
図6において、ステップS200で処理が開始されると、続くステップS201においては、テンションセンサー60の検出データに基づき、搬送中の記録媒体Sのテンションが第1テンション(T1)となるように、テンションローラー制御ユニット170で制御
する。
【0080】
次のステップS202においては、ラインヘッドユニット150Kによりテストパターンを印刷する。ここで、用いられるテストパターンとしては、記録媒体Sの幅方向に延びる、所定間隔が開けられてなる2条の線などを利用することができる。先の実施形態同様、テストパターンを印刷するラインヘッドユニット150をラインヘッドユニット150K以外のものとすることもできる。
【0081】
ステップS203では、記録媒体Sのテンションが第1テンション(T1)で維持され
ている状態で、撮像ユニット90によりテストパターンを撮像(第1画像データの撮像)して、これを主制御部110で画像解析することで、パターン間の距離g1を取得する。
図4(A)は本ステップで撮像された画像データを示している。
【0082】
次のステップS204においては、テンションセンサー60の検出データに基づき、搬送中の記録媒体Sのテンションが第2テンション(T2)となるように、テンションロー
ラー制御ユニット170で制御する。
【0083】
次のステップS205においては、ラインヘッドユニット150Kによりテストパターンを印刷する。
【0084】
ステップS206では、記録媒体Sのテンションが第2テンション(T2)で維持され
ている状態で、撮像ユニット90によりテストパターンを撮像(第2画像データの撮像)して、パターン間距離g2を取得する。図4(B)は本ステップで撮像された画像データ
を示している。
【0085】
ステップS207では、第1テンション(T1)に対応する距離g1と、第2テンション(T2)に対応する距離g2とから、テンションと記録媒体の伸び量の関係式を演算する。本実施形態においても、図5に示すように、記録媒体Sのテンションと、記録媒体Sの伸び量との間には、1次比例の関係があるものと仮定することができる。
【0086】
そして、本実施形態においても、式(2)に示すように、記録媒体Sにかかるテンションと伸び量の関係を求めることができる。ステップS208では処理を終了する。
【0087】
以上のように、第4実施形態に係る画像形成装置10によれば、記録媒体Sにかかるテンションと伸び量の関係式を演算することが可能となるので、テンションと伸び量の関係が未知である新規な記録媒体Sに対しても、インクの噴射タイミングを制御して、印刷を行うことが可能となり、適切に画像を形成することができるようになる。
【0088】
なお、以上の実施形態においては、ラインヘッドユニット150で噴射するインクとしてUVインクを用いる例について説明したが、本発明においては、熱硬化型のインクやその他の任意のインクを利用することができる。
【0089】
また、以上の実施形態においては、インクを噴射するヘッドの構成として、ラインヘッドを用いるものついて説明したが、記録媒体Sの幅方向を走査しながらインクを噴射するシリアル方式のヘッドを用いるようにしもよい。さらに、本発明は、インクジェット方式の画像形成を例に説明したが、その他の方式で画像形成を行うものにも適用可能である。
【符号の説明】
【0090】
1・・・コンピューター、10・・・プリンター、19・・・プラテン、105・・・インターフェイス、110・・・主制御部、111・・・CPU、112・・・ROM、113・・・RAM、117・・・駆動電圧生成回路、120・・・入力操作ユニット、130・・・記録媒体搬送ユニット、20・・・供給ローラー、30・・・駆動ローラー対、41・・・第1搬送ローラー、42・・・第2搬送ローラー、43・・・第1押圧ローラー、44・・・第2押圧ローラー、45・・・押圧ローラー、50・・・ドラムローラー、60・・・テンションセンサー、70・・・テンションローラー対、80・・・巻き取りローラー、90・・・撮像ユニット、150・・・ラインヘッドユニット、160・・・紫外線照射ユニット、170・・・テンションローラー制御ユニット、S・・・記録媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺状の記録媒体を搬送する搬送部と、
前記搬送部で搬送される前記記録媒体に対し、画像の形成を行う画像形成部と、
前記搬送部による前記記録媒体の搬送中における前記記録媒体にかかるテンションを制御するテンション制御部と、
前記画像形成部によって前記記録媒体上に形成された画像を撮像する撮像部と、
前記搬送部と、前記画像形成部と、前記テンション制御部と、前記撮像部とを制御すると共に、演算処理を行う主制御部と、を有し、
前記主制御部は、
前記テンション制御部により、前記記録媒体に第1テンションがかかるように制御して、前記画像形成部により所定パターンを画像形成し、
前記第1テンションが前記記録媒体にかかった状態で前記撮像部により、前記所定パターンに係る第1画像データを撮像し、前記第1画像データから第1距離を取得し、
前記搬送部による前記記録媒体の搬送を停止し、前記第1テンションと異なる第2テンションが前記記録媒体にかかった状態で前記撮像部により、前記所定パターンに係る第2画像データを撮像し、前記第2画像データから第2距離を取得し、
前記第1距離と前記第2距離とから、前記記録媒体にかかるテンションと伸び量の関係式を演算することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
長尺状の記録媒体を搬送する搬送部と、
前記搬送部で搬送される前記記録媒体に対し、画像の形成を行う画像形成部と、
前記搬送部による前記記録媒体の搬送中における前記記録媒体にかかるテンションを制御するテンション制御部と、
前記画像形成部によって前記記録媒体上に形成された画像を撮像する撮像部と、
前記搬送部と、前記画像形成部と、前記テンション制御部と、前記撮像部とを制御すると共に、演算処理を行う主制御部と、を有し、
前記主制御部は、
前記テンション制御部により、前記記録媒体に第1テンションがかかるように制御して、前記画像形成部により所定パターンを画像形成し、
前記第1テンションが前記記録媒体にかかった状態で前記撮像部により、前記所定パターンに係る第1画像データを撮像し、前記第1画像データから第1距離を取得し、
前記テンション制御部により、前記記録媒体に第2テンションがかかるように制御して、前記画像形成部により所定パターンを画像形成し、
前記第2テンションが前記記録媒体にかかった状態で前記撮像部により、前記所定パターンに係る第2画像データを撮像し、前記第2画像データから第1距離を取得し、
前記第1距離と前記第2距離とから、前記記録媒体にかかるテンションと伸び量の関係式を演算することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
長尺状の記録媒体を搬送する、回転可能なドラムローラーを含む搬送部と、
前記ドラムローラーに巻かれて搬送される前記記録媒体に対し、画像の形成を行う画像形成部と、
前記搬送部による前記記録媒体の搬送中における前記記録媒体にかかるテンションを制御するテンション制御部と、
前記画像形成部によって前記記録媒体上に形成された画像を撮像する撮像部と、
前記搬送部と、前記画像形成部と、前記テンション制御部と、前記撮像部とを制御すると共に、演算処理を行う主制御部と、を有し、
前記主制御部は、
前記テンション制御部により、前記記録媒体に第1テンションがかかるように制御して、前記画像形成部により所定パターンを画像形成し、
前記第1テンションが前記記録媒体にかかった状態で前記撮像部により、前記所定パターンに係る第1画像データを撮像し、前記第1画像データから第1位置を取得し、
前記搬送部による前記記録媒体の搬送を停止し、前記第1テンションと異なる第2テンションが前記記録媒体にかかった状態で前記撮像部により、前記所定パターンを撮像し第2画像データを取得し、前記第2画像データから第2位置を取得し、
前記第1位置と前記第2位置から、前記記録媒体にかかるテンションと伸び量の関係式を演算することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
長尺状の記録媒体を搬送する、回転可能なドラムローラーを含む搬送部と、
前記ドラムローラーに巻かれて搬送される前記記録媒体に対し、画像の形成を行う画像形成部と、
前記搬送部による前記記録媒体の搬送中における前記記録媒体にかかるテンションを制御するテンション制御部と、
前記画像形成部によって前記記録媒体上に形成された画像を撮像する撮像部と、
前記搬送部と、前記画像形成部と、前記テンション制御部と、前記撮像部とを制御すると共に、演算処理を行う主制御部と、を有し、
前記主制御部は、
前記テンション制御部により、前記記録媒体に第1テンションがかかるように制御して、前記画像形成部により所定パターンを画像形成し、
前記第1テンションが前記記録媒体にかかった状態で前記撮像部により、前記所定パターンに係る第1画像データを撮像し、前記第1画像データから第1距離を取得し、
前記テンション制御部により、前記記録媒体に第2テンションがかかるように制御して、前記画像形成部により所定パターンを画像形成し、
前記第2テンションが前記記録媒体にかかった状態で前記撮像部により、前記所定パターンに係る第2画像データを撮像し、前記第2画像データから第2距離を取得し、
前記第1距離と前記第2距離とから、前記記録媒体にかかるテンションと伸び量の関係式を演算することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
長尺状の記録媒体を搬送する搬送部と、
前記搬送部で搬送される前記記録媒体に対し、画像の形成を行う画像形成部と、
前記搬送部による前記記録媒体の搬送中における前記記録媒体にかかるテンションを制御するテンション制御部と、
前記画像形成部によって前記記録媒体上に形成された画像を撮像する撮像部と、
前記搬送部と、前記画像形成部と、前記テンション制御部と、前記撮像部とを制御すると共に、演算処理を行う主制御部と、を有し、
前記主制御部は、
前記テンション制御部により、前記記録媒体に第1テンションがかかるように制御して、前記画像形成部により所定パターンを画像形成するステップと、
前記第1テンションが前記記録媒体にかかった状態で前記撮像部により、前記所定パターンに係る第1画像データを撮像し、前記第1画像データから第1距離を取得するステップと、
前記搬送部による前記記録媒体の搬送を停止し、前記第1テンションと異なる第2テンションが前記記録媒体にかかった状態で前記撮像部により、前記所定パターンに係る第2画像データを撮像し、前記第2画像データから第2距離を取得するステップと、
前記第1距離と前記第2距離とから、前記記録媒体にかかるテンションと伸び量の関係式を演算するステップと、を実行することを特徴とする画像形成方法。
【請求項6】
長尺状の記録媒体を搬送する搬送部と、
前記搬送部で搬送される前記記録媒体に対し、画像の形成を行う画像形成部と、
前記搬送部による前記記録媒体の搬送中における前記記録媒体にかかるテンションを制御
するテンション制御部と、
前記画像形成部によって前記記録媒体上に形成された画像を撮像する撮像部と、
前記搬送部と、前記画像形成部と、前記テンション制御部と、前記撮像部とを制御すると共に、演算処理を行う主制御部と、を有し、
前記主制御部は、
前記テンション制御部により、前記記録媒体に第1テンションがかかるように制御して、前記画像形成部により所定パターンを画像形成するステップと、
前記第1テンションが前記記録媒体にかかった状態で前記撮像部により、前記所定パターンに係る第1画像データを撮像し、前記第1画像データから第1距離を取得するステップと、
前記テンション制御部により、前記記録媒体に第2テンションがかかるように制御して、前記画像形成部により所定パターンを画像形成するステップと、
前記第2テンションが前記記録媒体にかかった状態で前記撮像部により、前記所定パターンに係る第2画像データを撮像し、前記第2画像データから第1距離を取得するステップと、
前記第1距離と前記第2距離とから、前記記録媒体にかかるテンションと伸び量の関係式を演算するステップと、を実行することを特徴とする画像形成方法。
【請求項7】
長尺状の記録媒体を搬送する、回転可能なドラムローラーを含む搬送部と、
前記ドラムローラーに巻かれて搬送される前記記録媒体に対し、画像の形成を行う画像形成部と、
前記搬送部による前記記録媒体の搬送中における前記記録媒体にかかるテンションを制御するテンション制御部と、
前記画像形成部によって前記記録媒体上に形成された画像を撮像する撮像部と、
前記搬送部と、前記画像形成部と、前記テンション制御部と、前記撮像部とを制御すると共に、演算処理を行う主制御部と、を有し、
前記主制御部は、
前記テンション制御部により、前記記録媒体に第1テンションがかかるように制御して、前記画像形成部により所定パターンを画像形成するステップと、
前記第1テンションが前記記録媒体にかかった状態で前記撮像部により、前記所定パターンに係る第1画像データを撮像し、前記第1画像データから第1位置を取得するステップと、
前記搬送部による前記記録媒体の搬送を停止し、前記第1テンションと異なる第2テンションが前記記録媒体にかかった状態で前記撮像部により、前記所定パターンを撮像し第2画像データを取得し、前記第2画像データから第2位置を取得するステップと、
前記第1位置と前記第2位置から、前記記録媒体にかかるテンションと伸び量の関係式を演算するステップと、を実行することを特徴とする画像形成方法。
【請求項8】
長尺状の記録媒体を搬送する、回転可能なドラムローラーを含む搬送部と、
前記ドラムローラーに巻かれて搬送される前記記録媒体に対し、画像の形成を行う画像形成部と、
前記搬送部による前記記録媒体の搬送中における前記記録媒体にかかるテンションを制御するテンション制御部と、
前記画像形成部によって前記記録媒体上に形成された画像を撮像する撮像部と、
前記搬送部と、前記画像形成部と、前記テンション制御部と、前記撮像部とを制御すると共に、演算処理を行う主制御部と、を有し、
前記主制御部は、
前記テンション制御部により、前記記録媒体に第1テンションがかかるように制御して、前記画像形成部により所定パターンを画像形成するステップと、
前記第1テンションが前記記録媒体にかかった状態で前記撮像部により、前記所定パター
ンに係る第1画像データを撮像し、前記第1画像データから第1距離を取得するステップと、
前記テンション制御部により、前記記録媒体に第2テンションがかかるように制御して、前記画像形成部により所定パターンを画像形成するステップと、
前記第2テンションが前記記録媒体にかかった状態で前記撮像部により、前記所定パターンに係る第2画像データを撮像し、前記第2画像データから第2距離を取得するステップと、
前記第1距離と前記第2距離とから、前記記録媒体にかかるテンションと伸び量の関係式を演算するステップと、を実行することを特徴とする画像形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−192545(P2012−192545A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−56325(P2011−56325)
【出願日】平成23年3月15日(2011.3.15)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】