説明

画像形成装置

【課題】簡単な構成で、かつ、煩雑な操作を行うことなく、画像形成装置の運搬や移動等を行う際にのみハンドルを引き出すことができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【解決手段】ハンドル用カバー部材24を、矢印Yの方向に回動させて開くと、ハンドル用カバー部材24の上端部側に突出して設けられた突起部24bとハンドル22の上面部22bが当接して係合する。そうすると、ハンドル用カバー部材24の回動力により、ハンドル22が図中の矢印Aの方向に移動し、ロック用部材28とハンドル22に設けられた係止溝29の係止状態が解除され、画像形成装置本体1aに対するハンドル22のロック状態が解除される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、スキャナーあるいはファクシミリなどの画像形成装置に関し、特に、この様な画像形成装置を持ち上げて、運搬や移動等を行うためのハンドルを備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、画像形成装置は、その内部に種々の装置を備えており、大型で、かつ重量が大きいため、運搬や移動の際の取り扱いが困難になる。そのため、画像形成装置本体にハンドルを設け、当該ハンドルを把持することにより、画像形成装置の運搬や移動等を行っている。
【0003】
しかし、当該ハンドルは、一般に、樹脂や金属により形成されているため、装置本体の外方に引き出したハンドルの収納を失念した場合に、ユーザーが当該ハンドルに接触して負傷してしまう恐れがある。
【0004】
そこで、不用意なハンドルの引き出しを防止するとともに、ハンドル突出時のユーザーの負傷を未然に防止するために、当該ハンドルの引き出し機構を工夫した画像形成装置が開示されている。
【0005】
この様な画像形成装置としては、例えば、画像形成装置本体に対して摺動可能となるように棒状のハンドルを設けるとともに、装置本体に形成された案内孔に沿って摺動可能な摘み部を設けたものが知られている。当該画像形成装置においては、上記摘み部がジャム処理用開放部の開放時、又は、給紙トレイの引き出し時に操作可能に露呈する構成となっており、当該摘み部を案内孔に沿って摺動させることにより、ハンドルを引き出す構成となっている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平9−50223号公報(第2−3頁、第5−6図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記従来の画像形成装置においては、装置稼動時におけるハンドルの不用意な引き出しを防止することにより、ユーザーの負傷を効果的に回避することはできるものの、上述のごとく、ハンドルを引き出すためには、まず、ジャム処理用開放部を開放、又は、給紙トレイを引き出す必要がある。従って、画像形成装置の運搬や移動等を行う際のハンドルの引き出し操作が非常に煩雑になるという問題があった。又、上述の摘み部以外に、当該摘み部と一体的に形成された案内部材や、ハンドルを装置外部へ突出させるための後方爪、クランクアーム、及びクランク軸等の多数の部品からなるハンドル引き出し機構が必要であるため、当該ハンドル引き出し機構の構成が複雑になるとともに、コストアップになるという問題もあった。又、当該ハンドル引き出し機構を設ける際にある程度のスペースが必要になるため、装置本体側に十分なスペースが確保できない場合には、上記従来のハンドル機構を使用できないという問題があった。
【0007】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、簡単な構成で、かつ、煩雑な操作を行うことなく、画像形成装置の運搬や移動等を行う際にのみハンドルを引き出すことができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、装置本体に収納可能に設けられた把持用のハンドルを備えた画像形成装置において、装置本体の側面部には、ハンドル用のカバー部材が移動自在に設けられており、カバー部材の移動動作に連動して、ハンドルが装置本体に対して移動することを特徴とする。
【0009】
ここで、本発明においては、装置本体には、ハンドルを装置本体に対してロックするためのロック機構が設けられているものとすることができる。
又、本発明においては、ロック機構は、装置本体の内部に設けられたロック用部材と、ハンドルに設けられ、ロック用部材を係止するための係止溝により構成されるものとすることができる。
【0010】
又、本発明においては、カバー部材は、装置本体の側面部に回動自在に支持されることにより開閉可能に設けられており、カバー部材を開く動作に連動して、装置本体に対するハンドルのロック状態が解除されるとともに、装置本体に収納されたハンドルが装置本体の側面部から引き出されるものとすることができる。
【0011】
更に、本発明においては、カバー部材を閉める動作に連動して、装置本体の側面部から引き出されたハンドルが、装置本体に収納されるとともに、装置本体に対してロックされるものとすることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、カバー部材の移動動作に連動して、ハンドルが装置本体に対して移動する構成としている。従って、上記従来技術のごとく、ジャム処理用開放部を開放したり、給紙トレイを引き出す必要がなくなるため、結果として、ハンドルを移動させる際の操作が減り、操作性が向上することになる。
【0013】
又、本発明によれば、装置本体に、ハンドルを装置本体に対してロックするためのロック機構を設ける構成としている。従って、画像形成装置の運搬や移動等を行わない時に、収納されたハンドルが装置本体の側面から不用意に引き出されるのを回避することができる。
【0014】
又、本発明によれば、ロック機構を、装置本体の内部に設けられたロック用部材と、ハンドルに設けられ、ロック用部材を係止するための係止溝により構成している。従って、簡単な構成で、ハンドルをロックすることが可能になるとともに、ハンドルが装置本体の側面から不用意に引き出されるのを回避することができる。
【0015】
又、本発明によれば、カバー部材を開く動作に連動して、装置本体に対するハンドルのロック状態が解除されるとともに、装置本体に収納されたハンドルが装置本体の側面から引き出される構成としている。従って、上記従来技術のごとく、ジャム処理用開放部を開放したり、給紙トレイを引き出す必要がなくなるため、結果として、ハンドルを引き出す際の操作が減り、操作性が向上するとともに、極めて簡単な構成で、ハンドルを引き出すことが可能になる。
【0016】
又、カバー部材を開く動作を行わなければ、装置本体に対するハンドルのロック状態が解除されないため、画像形成装置の運搬や移動等を行わない時に、ハンドルが装置本体の側面から不用意に引き出されるのを確実に回避することができる。
【0017】
又、多数の部品からなるハンドル引き出し機構が不要になるため、コストアップを抑制することが可能になるとともに、装置本体側にハンドル引き出し機構を設けるための十分なスペースを確保する必要が無くなり、装置の小型化に対応することが可能になる。
【0018】
更に、本発明によれば、カバー部材を閉める動作に連動して、装置本体の側面から引き出されたハンドルが、装置本体に収納されるとともに、装置本体に対してロックされる構成としている。従って、上記従来技術に比し、画像形成装置の運搬や移動等が終了後、ハンドルを収納する際の操作が減り、操作性が向上するとともに、ハンドルを容易にロックすることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に、本発明の具体的な実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体構成を示す概略図である。
図1に示す様に、この画像形成装置1は、デジタル複写機であり、画像形成装置本体1aの下部に配設された給紙部2と、この給紙部2の側方及び上方に配設された用紙搬送部3と、この用紙搬送部3の右方に配設された画像形成部4と、画像形成装置本体1aの上方に配設された画像読取部5を備えている。
【0020】
給紙部2は、用紙が収容された複数の給紙カセット6を備えており、給紙ローラ7の回転動作により、当該給紙カセット6から用紙が用紙搬送部3側に送り出され、用紙が1枚ずつ確実に用紙搬送部3に給紙されるように構成されている。尚、この給紙カセット6は、画像形成装置本体1aに対し、着脱自在となるように構成されている。
【0021】
又、給紙部2には、手差し給紙ユニット8が設けられており、当該手差し給紙ユニット8は、手差し給紙トレイ9と、給紙ローラ10を備えている。手差し給紙トレイ9に載置された用紙は、給紙ローラ10の回転動作により、当該手差し給紙トレイ9から用紙供給搬送路11に送り出され、用紙が1枚ずつ用紙搬送部3に給紙されるように構成されている。
【0022】
用紙供給搬送路11に給紙された用紙は、用紙搬送部3を経由して画像形成部4に向けて搬送される。この画像形成部4は、電子写真プロセスによって、用紙に所定のトナー像を形成するものであり、所定の方向(図中の矢印方向)に回転可能に軸支された像端持体である感光体12と、この感光体12の周囲にその回転方向に沿って、帯電ユニット13、現像ユニット14、転写ユニット15、クリーニングユニット16および除電ユニット17を備えている。
【0023】
帯電ユニット13は、高電圧が印加される帯電ワイヤを備えており、この帯電ワイヤからのコロナ放電によって感光体12の表面に所定電位を与えることにより、感光体12の表面が一様に帯電させられる。そして、画像読取部5により読み取られた原稿の画像データに基づくレーザ走査ユニット(LSU)18からのレーザビームにより感光体12上に静電潜像が形成される。次いで、現像ユニット14により、上記静電潜像にトナーが付着し、感光体12の表面にトナー像が形成され、転写ユニット15により、感光体12の表面のトナー像が、感光体12と転写ユニット15との間に供給された用紙に転写される。
【0024】
トナー像が転写された用紙(以下、「転写紙」という)は、画像形成部4から定着ローラ対19に向けて搬送される。この定着ローラ対19は、画像形成部4の用紙搬送方向の下流側に配置されており、転写紙は定着ローラ対19を構成する加熱ローラ、及び当該加熱ローラに押し付けられる加圧ローラによって挟まれるとともに加熱され、転写紙上にトナー像が定着される。
【0025】
次いで、画像形成部4から定着ローラ対19において画像形成がなされた転写紙は、排出手段である排出ローラ対20によって画像形成装置本体1aの胴内に設けられた用紙排出部21に排出され、当該用紙排出部21に積載される。一方、上記転写後、感光体12の表面に残留しているトナーは、クリーニングユニット16により除去され、感光体12の表面の残留電荷は、除電ユニット17により除去される。そして、感光体12は帯電ユニット13によって再び帯電され、以下同様にして画像形成が行われることになる。
【0026】
次に、本実施形態におけるハンドルの構成について、図面を用いて詳細に説明する。図2は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の外観構成を示す斜視図であり、図3は、本実施形態に係る画像形成装置における運搬用のハンドルが収納された状態を示す要部斜視図である。又、図4は、図3のA−A断面図である。
【0027】
図2〜図4に示す様に、画像形成装置本体1aには、当該画像形成装置本体1aに対して収納可能な左右2対のハンドル22(即ち、画像形成装置本体1aの左側面部1b側に2本、右側面部1c側に2本の合計4本のハンドル22)が設けられている。画像形成装置の運搬や移動等を行う際には、画像形成装置本体1aの両側面(即ち、左側面部1bと右側面部1c)から当該ハンドル22を引き出して突出させ、当該ハンドル22を把持することにより、ユーザーが画像形成装置を持ち運べるようになっている。尚、当該ハンドル22は、例えば、板金材等の金属や、樹脂により形成されている。
【0028】
又、図2〜図4に示す様に、左側面部1bと右側面部1cにおける、上記ハンドル22の各々が突出する部分には、ハンドル用カバー部材24が設けられている(尚、図2においては、左側面部1b側のみを図示している)。このハンドル用カバー部材24の各々は、ハンドル22の収納時に、当該ハンドル22が不用意に引き出されるのを回避するとともに、当該収納時における画像形成装置1の外観を向上させるためのものである。
【0029】
又、本実施形態においては、当該ハンドル用カバー部材24は、画像形成装置本体1aの左側面部1b及び右側面部1cに移動自在に設けられている。即ち、ハンドル用カバー部材24は、画像形成装置本体1aの左側面部1b及び右側面部1cに回動自在に支持されることにより開閉可能となるように設けられている(後述の図6、及び図7参照)。又、当該ハンドル用カバー部材24の下端部側には、指掛け部24aが形成されるとともに、上端部側には、画像形成装置本体1aの内部に向けて突起部24bが形成されている。
【0030】
又、図4に示す様に、ハンドル22の先端側(即ち、ハンドル用カバー部材24側)には、画像形成装置1を運搬する際の脱落防止用のストッパー22aが下方に向けて突出して設けられており、当該ストッパー22aにより、運搬者の手の滑りを防止するとともに、画像形成装置をしっかり保持することができる構成となっている。尚、ハンドル22を画像形成装置本体1aに対して収納した状態においては、図4に示す様に、当該ストッパー22aは、ハンドル用カバー部材24の内面24cと当接した状態にある。
【0031】
又、本実施形態においては、ハンドル22を画像形成装置本体1aに対して収納する際に、当該ハンドル22を画像形成装置本体1aに対してロックし、位置決めするためのロック機構を採用している。このロック機構は、図4に示す様に、画像形成装置本体1aの内部であって、ハンドル22の下方側に設けられたロック用部材28とハンドル22に設けられた係止溝29とから構成されている。そして、画像形成装置本体1aから引き出されたハンドル22を画像形成装置本体1a内に押し込んでゆくと、図4に示す様に、ロック用部材28の先端が係止溝29に引っ掛かることにより、ロック用部材28が係止溝29に係止され、その結果、ハンドル22が所定の位置にロックされ、位置決めされる様に構成されている。
【0032】
次に、画像形成装置の運搬や移動等を行う際の、ハンドルの引き出し機構について説明する。図5は、本実施形態にかかる画像形成装置における運搬用のハンドルが引き出される状態を示す要部斜視図であり、図6は、図5のB−B断面図である。又、図7は、本実施形態にかかる画像形成装置における運搬用のハンドルが引き出された状態を示す断面図である。
【0033】
まず、ハンドル用カバー部材24の開閉動作に伴う、ハンドル22のロック解除操作について説明する。図3、4に示す状態から、画像形成装置本体1aの左側面部1b(又は、右側面部1c)に形成された穴部30に指を挿入し、ハンドル用カバー部材24に形成された指掛け部24aに指を掛ける。次いで、ハンドル用カバー部材24を手前側(即ち、図3、図4に示す矢印Xの方向)へ移動させて、ハンドル用カバー部材24を、図5、図6に示す矢印Yの方向に回動させ、ハンドル用カバー部材24を開く。
【0034】
そうすると、図6に示す様に、ハンドル用カバー部材24の上端部側に突出して設けられた突起部24bとハンドル22の上面部22bが当接して係合するため、ハンドル用カバー部材24の回動力により、ハンドル22が図中の矢印Aの方向に移動し、ロック用部材28とハンドル22に設けられた係止溝29の係止状態が解除される。従って、画像形成装置本体1aに対するハンドル22のロック状態が解除されることになる。
【0035】
次に、図5、6に示した状態から、ハンドル用カバー部材24を、上述のYの方向に更に回動させ、当該ハンドル用カバー部材24を更に開く操作を行う。そうすると、突起部24bがハンドル22の上面部22bに当接したまま、ハンドル用カバー部材24が更に回動するため、ハンドル22が摺動し、図中の矢印Aの方向に更に引き出され、図7に示す状態になる。そして、この状態で、ハンドル22を更に矢印Aの方向に引き出し、当該ハンドル22を把持することにより、画像形成装置の運搬や移動等を行うことが可能になる。
【0036】
この様に、本実施形態においては、ハンドル用カバー部材24の移動動作(即ち、開く動作)に連動して、画像形成装置本体1aに対するハンドル22のロック状態が解除されるとともに、当該ハンドル22が画像形成装置本体1aの左側面部1b(又は、右側面部1c)から引き出される構成となっている。
【0037】
又、画像形成装置の運搬、又は移動が終了した場合は、まず、引き出されたハンドル22を画像形成装置本体1a内に押し込んで(即ち、上述の矢印Aの方向とは逆の方向に移動させて)、上述のロック機構により、ハンドル22を所定の位置に再びロックする。次いで、ハンドル用カバー部材24を、図7に示す開いた状態から、図3、図4に示す閉じた状態へと移動させることにより、ハンドル22を画像形成装置本体1a内に再び収納することが可能になる。
【0038】
以上に説明した様に、本実施形態においては、ハンドル用カバー部材24の移動動作に連動して、ハンドル22が画像形成装置本体1aに対して移動する構成としている。従って、上記従来技術のごとく、ジャム処理用開放部を開放したり、給紙トレイを引き出す必要がなくなるため、結果として、ハンドル22を移動させる際の操作が減り、操作性が向上することになる。
【0039】
又、画像形成装置本体1aに、ハンドル22を画像形成装置本体1aに対してロックするためのロック機構を設ける構成としている。従って、画像形成装置1の運搬や移動等を行わない時に、収納されたハンドル22が画像形成装置本体1aの左側面部1b(又は、右側面部1c)から不用意に引き出されるのを回避することができる。
【0040】
又、上記ロック機構を、画像形成装置本体1aの内部に設けられたロック用部材28と、ハンドル22に設けられ、ロック用部材28を係止するための係止溝29により構成している。従って、簡単な構成で、ハンドル22をロックすることが可能になるとともに、ハンドル22が画像形成装置本体1aの左側面部1b(又は、右側面部1c)から不用意に引き出されるのを回避することができる。
【0041】
又、ハンドル用カバー部材24を開く動作に連動して、画像形成装置本体1aに対するハンドル22のロック状態が解除されるとともに、画像形成装置本体1aに収納されたハンドル22が画像形成装置本体1aの左側面部1b(又は、右側面部1c)から引き出される構成としている。従って、上記従来技術のごとく、ジャム処理用開放部を開放したり、給紙トレイを引き出す必要がなくなるため、結果として、ハンドル22を引き出す際の操作が減り、操作性が向上するとともに、極めて簡単な構成で、ハンドル22を引き出すことが可能になる。
【0042】
又、ハンドル用カバー部材24を開く動作を行わなければ、画像形成装置本体1aに対するハンドル22のロック状態が解除されないため、画像形成装置1の運搬や移動等を行わない時に、ハンドル22が画像形成装置本体1aの左側面部1b(又は、右側面部1c)から不用意に引き出されるのを確実に回避することができる。
【0043】
又、多数の部品からなるハンドル引き出し機構が不要になるため、コストアップを抑制することが可能になるとともに、画像形成装置本体1a側にハンドル引き出し機構を設けるための十分なスペースを確保する必要が無くなり、装置の小型化に対応することが可能になる。
【0044】
尚、上記実施形態は、単なる説明例であり、本発明の範囲は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて各構成物品の形状、寸法、材料等を変更することが可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
【0045】
例えば、画像形成装置の運搬、又は移動が終了した場合に、ハンドル用カバー部材24の移動動作(即ち、閉まる動作)に連動して、左側面部1b(又は、右側面部1c)から引き出されたハンドル22が、画像形成装置本体1aに収納されるとともに、画像形成装置本体1aに対してロックされる構成としても良い。即ち、まず、引き出されたハンドル22を、上述の矢印Aの方向と逆の方向に移動させて、当該ハンドル22を画像形成装置本体1a内にある程度押し込む。次いで、ハンドル用カバー部材24を、図7に示す開いた状態から、図3、図4に示す閉じた状態へと回動させることにより、ハンドル22の先端側に設けられたストッパー22aを、ハンドル用カバー部材24の内面24cと当接させ、ハンドル用カバー部材24の回動力によって、ハンドル22を、図中の矢印Aの方向とは逆の方向に移動させるとともに、画像形成装置本体1a内に更に押し込む構成とする。そうすると、最終的には、ロック用部材28の先端が係止溝29に引っ掛かるため、ハンドル22が所定の位置に再びロックされて、当該ハンドル22が画像形成装置本体1a内に収納されるとともに、ハンドル用カバー部材24が、図3、図4に示す閉じた状態になる。この様な構成によれば、上記従来技術に比し、画像形成装置の運搬や移動等が終了した後、ハンドル22を収納する際の操作が減り、操作性が向上するとともに、ハンドル22を容易にロックすることが可能になる。
【0046】
又、ハンドル用カバー部材24を、画像形成装置本体1aに対して着脱可能に設け、上述の引き出し操作が終了後に、ハンドル用カバー部材24を画像形成装置本体1aから取り外しておき、画像形成装置の運搬、又は移動が終了後に、まず、引き出されたハンドル22を画像形成装置本体1a内に押し込んで所定の位置に再びロックし、次いで、ハンドル用カバー部材24を、画像形成装置本体1aに再び装着する構成としても良い。
【0047】
又、ハンドル22の先端側に、画像形成装置1を運搬する際の脱落防止用のストッパー22aを設ける構成としてが、当該ストッパー22aの代わりに、ハンドル22の表面に滑り止め用部材を取り付ける構成としても良い。又、当該滑り止め用部材の材料としては、滑り止め機能を十分に発揮できるものであれば何でも良く、例えば、弾性ゴムや樹脂により成形したものが使用できる。
【0048】
更に、上記実施形態においては、画像形成装置の一例として、複写機を示したが、ファクシミリやプリンタ等の他の画像形成装置であっても良いことは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明の活用例としては、複写機、プリンタ、スキャナーあるいはファクシミリなどの画像形成装置であって、特に、画像形成装置を持ち上げて、運搬や移動等を行うためのハンドルを備えた画像形成装置が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体構成を示す概略図である。
【図2】本発明の実施形態に係る画像形成装置の外観構成を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に係る画像形成装置における運搬用のハンドルが収納された状態を示す要部斜視図である。
【図4】図3のA−A断面図である。
【図5】本発明の実施形態にかかる画像形成装置における運搬用のハンドルが引き出される状態を示す要部斜視図である。
【図6】図5のB−B断面図である。
【図7】本発明の実施形態にかかる画像形成装置における運搬用のハンドルが引き出された状態を示す要部斜視図である。
【符号の説明】
【0051】
1 画像形成装置
1a 画像形成装置本体
1b 左側面部
1c 右側面部
7 給紙カセット
8 給紙ローラ
9 用紙
10 用紙供給経路
11 感光体
12 帯電装置
13 露光装置
14 現像装置
15 転写装置
16 クリーニング装置
17 除電装置
18 加熱ローラ
19 加圧ローラ
20 排出ローラ対
21 排出トレイ
22 ハンドル
22a ストッパー
22b 上面部
24 ハンドル用カバー部材
24a 指掛け部
24b 突起部
24c 内面
28 ロック用部材
29 係止溝
30 穴部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体に収納可能に設けられた把持用のハンドルを備えた画像形成装置において、
前記装置本体の側面部には、前記ハンドル用のカバー部材が移動自在に設けられており、前記カバー部材の移動動作に連動して、前記ハンドルが前記装置本体に対して移動することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記装置本体には、前記ハンドルを前記装置本体に対してロックするためのロック機構が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記ロック機構は、前記装置本体の内部に設けられたロック用部材と、前記ハンドルに設けられ、前記ロック用部材を係止するための係止溝により構成されることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記カバー部材は、前記装置本体の側面部に回動自在に支持されることにより開閉可能に設けられており、前記カバー部材を開く動作に連動して、前記装置本体に対する前記ハンドルのロック状態が解除されるとともに、前記装置本体に収納された前記ハンドルが前記装置本体の側面部から引き出されることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記カバー部材を閉める動作に連動して、前記装置本体の側面部から引き出された前記ハンドルが、前記装置本体に収納されるとともに、前記装置本体に対してロックされることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−30786(P2006−30786A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−211861(P2004−211861)
【出願日】平成16年7月20日(2004.7.20)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】