説明

画像形成装置

【課題】転写チリが少なく、高効率転写率を維持しながら、虫喰い画像、中抜け画像などの転写ニップ部の加圧過多が主原因の転写異常画像を防止する画像形成装置を提供すること。また、必要な機械的転写ニップを確実に確保し、転写ニップ内に複数設けたバイアス印加電極間のリークを防止した状態で、転写ニップの入口側・出口側に転写チリ防止や逆転写防止のためのトナー極性と同極性バイアスを付与する画像形成装置を提供すること。
【解決手段】一次転写動作時の一次転写ニップが、バイアス印加手段5の一次転写体10への接触当接圧の有無に係わらず、同一のニップ幅を形成できる状態で当接する構成であることを特徴とする画像形成装置150を提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真、静電記録、静電印刷等において、中間転写ベルトを使用するカラー画像形成装置の一次転写におけるバイアス印加装置に関するものである。また、プリンタ、ファックス、複写機等の画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
今日、電子写真装置では、市場からの要求にともない、カラー複写機やカラープリンタなど、カラーのものが多くなってきている。
カラー電子写真装置には、1つの感光体のまわりに複数色の現像装置を備え、それらの現像装置でトナーを付着して感光体上に合成トナー画像を形成し、そのトナー画像を転写してシートにカラー画像を記録する、いわゆるリボルバ型のものと、並べて備える複数の感光体にそれぞれ個別に現像装置を備え、各感光体上にそれぞれ単色トナー画像を形成し、それらの単色トナー画像を順次転写してシートに合成カラー画像を記録する、いわゆるタンデム型のものとがある。
リボルバ型とタンデム型とを比較すると、前者には、感光体が1つであるから、小型にでき、コストも低減できる利点はあるが、1つの感光体を用いて複数回(通常4回)画像形成を繰り返してフルカラー画像を形成するため、画像形成の高速化には限界がある欠点があり、後者には、逆に大型化し、コスト高となる欠点はあるが、画像形成の高速化が可能である利点がある。
しかし、最近は、フルカラーもモノクロ並みのスピードが望まれることから、タンデム型の方が注目されてきている。
【0003】
タンデム型の電子写真装置には、各感光体上の画像を転写装置により、シート搬送ベルトで搬送するシートに順次転写する直接転写方式のものと、各感光体上の画像を1次転写装置によりいったん中間転写体に順次転写した後、その中間転写体上の画像を2次転写装置によりシートに一括転写する間接転写方式のものとがある。
直接転写方式のものと間接転写方式のものとを比較すると、前者は、感光体を並べたタンデム型画像形成装置の上流側に給紙装置を、下流側に定着装置を配置しなければならず、大型化する欠点がある。これに対し、後者は、2次転写位置を比較的自由に設置でき、給紙装置および定着装置をタンデム型画像形成装置と重ねて配置することができ、小型化が可能となる利点がある。
また、前者は、大型化しないように定着装置をタンデム型画像形成装置に接近して配置すると、シートの先端が定着装置に進入するときの衝撃等が、定着装置を通過するときのシート搬送速度差等が2次転写位置にあるシートの後端側に伝播して、定着装置が後端側の画像形成に影響を及ぼす欠点がある。これに対し、後者は、2次転写位置からシートの長さ相当離れた位置に定着装置を配置することができ、定着装置が2次転写画像形成に影響を及ぼさないようにすることができる。このようなことから、最近は、間接転写方式のタンデム型電子写真装置が注目されてきている。
そして、この種のカラー電子写真装置では、1次転写後に感光体上に残留する転写残トナーを、感光体クリーニング装置で除去して感光体表面をクリーニングし、再度の画像形成に備えていた。また、2次転写後に中間転写体上に残留する転写残トナーを、中間転写体クリーニング装置で除去して中間転写体表面をクリーニングし、再度の画像転写に備えていた。
しかしながら、間接転写方式のタンデム型電子写真装置では、転写チリが少なく、高効率転写率を維持しながら、虫喰い画像、中抜け画像などの転写ニップ部の加圧過多が主原因の転写異常画像を防止することができず、問題となっていた。
【0004】
また、中間転写体システムでは、順次中間転写体上に各色トナー像を転移させる。その中間転写システムへ2色目以降が転移する工程において、前工程のトナーが中間転写体より感光体に逆戻りする“逆転写”現象が発生することがある。この現象は、通常転写バイアスを下げると改善されるが、下げすぎると転写中の色トナーの転移率が不足し“転写残”が多くなる。したがって、この“逆転写”低減化条件と“転写残”低減化条件がトレードオフの関係となることを考慮して、転写バイアスを調整していた。
しかしながら、適正な転写バイアス条件範囲は一様ではなく、転写ベルトや感光体の電位などの変動の影響で適正バイアス条件範囲がずれ、転写性能がばらつく一因となっていた。
また、“逆転写”の原因は、一次転写ニップ領域内又は近傍での静電誘導現象や放電である。放電により発生したイオンが移動し、これをトナーが受容して帯電電荷量を変動させてしまうことが直接の原因となる。なお、この放電が生じると、画像品質も低下する。
これに対して、十分に転写電界をかけて転写を行い、さらに余剰な放電を減らすことが有効であった。さらに、転写残も逆転写も減らすためには、転写ニップの入り口や出口にバイアス印加手段を配置し、中間転写体にトナー極性と同極性のバイアスによる電界を与えることが有効である。
しかしながら、感光体ドラムがΦ30mm以下の小径等で、一次転写ニップが狭い機械では、狭い場所に異なる電位の電極を密集して配置させるのは、レイアウト制約上設計が困難であるという問題点があった。また、近接する電極間の抵抗を高く保ちほぼ絶縁状態にしないと、前記電極間に多量の電流が流れてしまい、電源容量を大きくしなければならなくなり、電源仕様上不利であった。
【0005】
また、現在の中間転写ベルトの大勢はカーボンなどを高分子材料に混練・分散した電子導電性抵抗体で抵抗に電界依存性がある。このような中間転写ベルトを使ったとき、一次転写電界作用域内では低抵抗だが、一次転写ニップを離れて作用電界強度が弱まると抵抗が上昇する。中間転写ベルト内に残留した転写バイアスの電荷は、抵抗が低い場合はベルト内の移動により容易に消失するが、上述のベルトの場合は一次転写ニップを離れると高抵抗化するため残留する電荷は多くなり易く、中間転写ベルト剥離時の感光体とベルトのギャップ拡大時に気中放電を発生させることがある。この放電の発生により、トナーの正規帯電極性と異なる極性イオンが発生し、画像を形成しているトナーに移動して、トナーの帯電極性及び量のばらつき帯電量分が広がり、転写ニップ後でも、トナーを不規則に移動させ、画像のチリが多くなるという問題点があった。また、ベタ画像についても、表面層のトナーQ/Mを変動させ、転写率を低下させるという問題点があった。
そこで、印加電界強度が弱い場合に高抵抗となるベルトを使用する場合は、一次転写の出口放電を低減することが求められる。例えば、特許文献1には、ニップよりかなり離れて下流側に電極を置いていることが、開示されている。
しかしながら、この方法では、静電容量が大きく、かつ電界依存性の高いベルトでは多くの電荷が残留し易いという問題点があった。
これは、2つの理由が考えられ、第1は、特許文献2のように出口剥離箇所にカウンタバイアスを印加しても、抵抗の電圧依存性が高いような中間転写ベルトでは電界の印加が無くなると同時に高抵抗になり、除電によってより低電位になった個所に電荷が移動し難くなり、ベルトの電位も下がらなくなり残留電荷が減り難くなる。この場合は、機械的なニップの出口で除電を行なっているため、ベルト移動方向の除電時間不足が考えられる。
第2は、中抵抗部材内に残る残留電荷は、ベルト表面への残留電荷が除電された後でも、ベルト内部にはまだ残っている場合である。この場合もベルト移動方向の除電時間不足が考えられるが、更にベルトの厚み方向の除電時間不足も考えられる。ここでは、機械的なニップの出口端部で除電を行っているため除電時間不足の他、ベルトと感光体が離れている場合やベルトの厚み等によるベルト厚み方向の低電位側に対する抵抗が高いことによる除電時間不足も考えられる。
以上から、ニップ内でベルトが得た残留電荷を一次転写から出る前に除電を開始することにより、除電の不足が無く、これによる画像異常を生じさせないようにすることが、求められていた。
【0006】
また、特許文献3には、少なくともその一部が、転写ゾーンにおける画像保持表面に隣接するように配置されて、転写ニップ、前転写ゾーン、及び、後転写ゾーンを形成する中間転写部材と、前記前転写ゾーンに隣接して配置されて、前記前転写ゾーンにおける前記中間転写部材に第1のバイアス電圧電位を印加し、転写電界を最低限にとどめて、画像保持表面から前記前転写ゾーンの前記中間転写部材にトナー粒子が転写されないようにするための手段と、転写ニップに隣接して配置されて、前記転写ニップにおける前記中間転写部材に第2のバイアス電圧電位を印加し、画像保持表面から前記転送ニップにおける前記中間転写部材にトナー粒子を吸引するための高転写電界を発生するための手段から構成される、画像保持表面から基板に荷電トナー粒子を転写するための装置が、開示されていた。これにより、横方向に導電性で抵抗性のバッキング基板を備えた中間転写部材を可能にすることができた。
さらに、特許文献4には、現像されたトナー像を担持する第1の像担持体に対向する中間転写体の背面に、上記第1の像担持体のトナー像と反対極性の1次バイアスを印可することで、上記担持体から上記中間転写体に上記トナー像を転写する1次転写工程を複数段有する画像形成装置において、上記1次バイアスが定電流であることを特徴とする転写装置が、開示されていた。これにより、転写率低下による画像濃度不足や、1次転写電流過多での異常放電などによる濃度ムラなどを防止できる転写装置を提供することができた。
そして、特許文献5には、像担持体と、前記像担持体にトナー像を形成するトナー像形成手段と、複数の支持部材に支持されたベルト状の中間転写体と、前記像担持体上のトナー像を前記中間転写体に転写する1次転写手段と、前記中間転写体上のトナー像を転写材に転写する2次転写手段とを備えた画像形成装置において、前記複数の支持部材のうち、前記像担持体と前記中間転写体とが対向する1次転写部に最も近接する1次転写部最近接の支持部材を、前記中間転写体を前記像担持体表面に向けて押圧する転写可能位置と前記中間転写体から離間した離間位置とを取り得るように設け、かつ、前記1次転写部最近接の支持部材の中間転写体移動方向の上流側及び下流側のそれぞれに位置する2つの固定配置の支持部材を、前記1次転写部最近接の支持部材が前記離間位置に位置するときに前記固定配置の支持部材で張架されている前記中間転写体が前記像担持体から離間するように設けるとともに、前記1次転写部最近接の支持部材を前記転写可能位置と前記離間位置との間で移動させるための支持部材駆動手段と、前記支持部材駆動手段を制御する制御手段とを設けたことを特徴とする画像形成装置が、開示されていた。これにより、従来の2つの支持ローラを移動させる構成の場合に比してより簡易な構成で、感光体ドラムに対して中間転写ベルトを所定のタイミングで接離することができる画像形成装置を提供することができた。
【0007】
【特許文献1】特開2003−057963号公報
【特許文献2】特許第3346063号公報
【特許文献3】特開平5−273872号公報
【特許文献4】特開2003−057957号公報
【特許文献5】特開2002−108113号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記手段では、転写チリが少なく、高効率転写率を維持しながら、虫喰い画像、中抜け画像などの転写ニップ部の加圧過多が主原因の転写異常画像を防止すること等ができず、問題となっていた。
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その課題は、転写チリが少なく、高効率転写率を維持しながら、虫喰い画像、中抜け画像などの転写ニップ部の加圧過多が主原因の転写異常画像を防止する画像形成装置を提供することである。
また、必要な機械的転写ニップを確実に確保し、転写ニップ内に複数設けたバイアス印加電極間のリークを防止した状態で、転写ニップの入口側・出口側に転写チリ防止や逆転写防止のためのトナー極性と同極性バイアスを付与する画像形成装置を提供することである。
さらに、一次転写ニップにおいて、正規の転写バイアス印加後に、まだ中間転写体が感光体との間に機械的なニップを保ち続ける時に、除電電界を与えて適度な除電を完了させ、その後にニップから剥離させるようにバイアス印加ステーションの各バイアスを印加する画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する手段である本発明の特徴を以下に挙げる。
本発明は、表面にトナー像が形成され回動される半径R[mm]のドラム状の像担持体と、前記像担持体に接触して、像担持体側からみた一次転写ニップ幅WT1(N1)[mm]、当接角度θT1(N1)[°]のニップを形成し同方向に回動し、像担持体から前記トナーの像を転移させられるベルト状の一次転写体と、前記一次転写体の裏面には、前記転写ニップの上流端部と下流端部の間のニップ内の位置でトナーと異極性バイアスを接触通電個所を通して印加する一次転写バイアス印加部材と、前記通電個所の前方又は後方の前記一次転写ニップ内にてトナーと同極性のバイアスを印加する一次転写補正バイアス印加部材と、を有する一次転写体を用いる電子写真方式の画像形成装置において、一次転写動作時の前記一次転写ニップが前記バイアス印加手段の一次転写体への接触当接圧の有無に係わらず、同一のニップ幅を形成できる状態で当接する構成であることを特徴とする画像形成装置である。ここで、一次転写体と中間転写体は同じであり、一次転写体の裏面とは、非転写面であり、前記像担持体とは反対側の面である。
また、本発明は、一次転写ニップ幅WT1(N1)とバイアス印加手段の一次転写体への当接負荷無し状態における転写体と感光体の回動方向ニップ幅WT1(0)の関係が、
T1(0)≧0.9×WT1(N1)
であることを特徴とする。
ここで、一次転写ニップ幅WT1(N1)とバイアス印加手段の一次転写体への当接負荷無し状態とは、ベルト上の一次転写体は前記ベルト駆動手段位置を一次転写動作時と同位置に保ちながら像担持体に当接した状態である。
さらに、本発明は、当接角度θT1(N1)とバイアス印加手段当接負荷無しの当接角度θT1(0)の関係が、
θT1(0)≧0.9×θT1(N1)
であることを特徴とする。
また、本発明は、一次転写動作時の像担持体の回転中心から一次転写体表面までの最大距離(上流側LIN(N1)、下流側LOUT(N1))とドラム状像担持体の半径Rの差の最大値(LIN(N1)−R、及びLOUT(N1)−R)が何れも0.2mm以下であることを特徴とする。ここで、一次転写体表面は、転写面で、裏面にバイアス印加手段が接触している個所の表面側である。
【0010】
本発明は、一次転写動作時に一次転写バイアス印加部材と、離れた位置に回転する一次転写ニップ形成用ローラと、を具備することを特徴とする画像形成装置である。ここで、一次転写ニップ形成用ローラは、ベルト上の一次転写体をドラム状像担持体の周面に一部巻き付ける様に一次転写体の移動を案内するバックアップローラである。
本発明は、回転する一次転写ニップ形成用ローラ位置の切り替え手段があり、非一次転写時又は停止時に一次転写体を一次転写ニップを形成しない位置に自動又は手動で切り替え可能であることを特徴とする。
また、本発明は、回転する一次転写ニップ形成用ローラを、非一次転写時に転写ニップを形成しない位置に切り替えた時、一次転写ニップでバイアスを印加した手段をベルト状の一次転写体から離すことを特徴とする。
本発明は、回転する一次転写ニップ形成用ローラに、一次転写時に転写ニップ出口側のバイアス印加極性と同極性のバイアスを印加することを特徴とする。
【0011】
本発明は、トナーと同極性電圧の一次転写バイアス印加部材と、トナーと異極性電圧の一次転写補正バイアス印加部材の少なくとも一方が、一次転写時に一次転写体の裏面に摺動接触する態様の非回転部材であることを特徴とする画像形成装置である。
また、本発明は、トナーと同極性電圧の一次転写バイアス印加部材、トナーと異極性電圧の一次転写補正バイアス印加部材、及び一次転写ニップ形成用ローラの各々の動作の支点部を、非一次転写時に、感光体から離反する位置に移動し、かつ、バイアス印加手段と一次転写体を非接触状態にすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、上記解決するための手段によって、転写チリが少なく、高効率転写率を維持しながら、虫喰い画像、中抜け画像などの転写ニップ部の加圧過多が主原因の転写異常画像を防止する画像形成装置を提供することが可能となった。
また、必要な機械的転写ニップを確実に確保し、転写ニップ内に複数設けたバイアス印加電極間のリークを防止した状態で、転写ニップの入口側・出口側に転写チリ防止や逆転写防止のためのトナー極性と同極性バイアスを付与する画像形成装置を提供することが可能となった。
さらに、一次転写ニップにおいて、正規の転写バイアス印加後に、まだ中間転写体が感光体との間に機械的なニップを保ち続ける時に、除電電界を与えて適度な除電を完了させ、その後にニップから剥離させるようにバイアス印加ステーションの各バイアスを印加する画像形成装置を提供することが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。なお、いわゆる当業者は特許請求の範囲内における本発明を変更・修正をして他の実施形態をなすことは容易であり、これらの変更・修正はこの特許請求の範囲に含まれるものであり、以下の説明はこの発明における最良の形態の例であって、この特許請求の範囲を限定するものではない。
【0014】
本発明は、一次転写ニップ内で、弱い当接圧で複数のバイアス印加手段を互いにリークすることなく、確実に中転ベルトに当接させることができる。
また、一次転写体と感光体の間隙をゼロ乃至微小に保った位置で、トナーと同極性でかつ印加電圧を低く抑えたバイアス印加で、所望の一次転写体の除電を行うことができる。さらに、好適な一次転写ニップを簡易構成で確実に形成することができる。なお、前記間隙は、200μmが好適であり、前記印加電圧は、絶対値が1kV以下が好適である。
また、本発明では、一次転写体と感光体に双方の当接による圧痕等の局部歪変形、トナー固着等の強固な汚染を防止することができる。さらに、一次転写体とバイアス印加手段に双方の当接による圧痕等の局部歪変形、異物固着等の強固な汚染を防止することができる。
本発明では、一次転写バイアス印加により一次転写体に付与された電荷を、感光体と離れる前だけでなく、離れた後も同一バイアス電源で除電し、カラー像の重ね一次転写バイアス電圧を抑制すること、及び次に一次転写重ねする色の一次転写ニップ入り口上流近傍空隙での放電を防止することができる。また、一次転写バイアス印加手段の簡易化、省スペース化、及び低コスト化をおこなうことができる。さらに、一次転写体と一次転写バイアス印加手段の接離機構の簡易化、及び低コスト化をおこなうことができる。
【0015】
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の形態につき説明する。
図1は、本発明の一実施の形態を示すもので、タンデム型間接転写方式のカラー画像形成装置を示す図である。図中符号150は複写機本体、200はそれを載せる給紙テーブル、300は複写機本体150上に取り付けるスキャナ、400はさらにその上に取り付ける原稿自動搬送装置(ADF)である。
複写機本体150には、中央に、無端ベルト状の中間転写体10を設ける。中間転写体10は、画像の伸縮の発生を防止するため、伸縮のしないものが良く、本実施例では、単層のポリイミド材をベースに作られた一層ベルトである。
中間転写体(中間転写ベルト)に適用する樹脂として、PI(ポリイミド)の他に公知の熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー及び熱硬化性樹脂等を挙げることができ、具体的には、PVDF(フッ化ビニルデン)、ETFE(エチレン−四フッ化エチレン共重合体)、PC(ポリカーボネート)、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリビニル系樹脂、等がある。前記樹脂に導電性材料を分散させて電気抵抗を調整した混合・合成材料からなり、その体積抵抗率が一次転写体時与えるバイアス電圧レベルの1kV印加条件で10乃至1013Ω・cmの範囲で、かつ50乃至200μmの薄い層で曲がり易い層が好適である。
また、中間転写体の抵抗を調整するための導電材料としては、カーボン、アルミニウムやニッケル等の金属粉末、酸化チタン等の金属酸化物、4級アンモニウム塩含有ポリメタクリル酸メチル、ポリビニルアニリン、ポリビニルピロール、ポリジアセチレン、ポリエチレンイミン、含硼素高分子化合物及びポリピロール等の導電性高分子化合物等から1種類あるいは2種類以上を用いることができる。
【0016】
そして、中間転写体は、3つの支持ローラ14、15、16に掛け回して図中時計回りに回転搬送可能とする。この図示例では、第2の支持ローラ15の左に、画像転写後に中間転写体10上に残留する残留トナーを除去する中間転写体クリーニング装置17を設ける。また、第1の支持ローラ14と第2の支持ローラ15間に張り渡した中間転写体10上には、その搬送方向に沿って、ブラック・シアン・マゼンタ・イエローの4つの画像形成手段18を横に並べて配置してタンデム画像形成装置20を構成する。そのタンデム画像形成装置20の上には、さらに露光装置21を設ける。
一方、中間転写体10を挟んでタンデム画像形成装置20と反対の側には、2次転写装置22を備える。2次転写装置22は、図示例では、2つのローラ23間に、無端ベルトである2次転写ベルト24を掛け渡して構成し、中間転写体10を介して第3の支持ローラ16に押し当てて配置し、中間転写体10上の画像をシートに転写する。
2次転写装置22の横には、シート上の転写画像を定着する定着装置25を設ける。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26に加圧ローラ27を押し当てて構成する。2次転写装置22には、画像転写後のシートをこの定着装置25へと搬送するシート搬送機能も備えてなる。もちろん、2次転写装置22として、非接触のチャージャを配置してもよく、そのような場合は、このシート搬送機能を併せて備えることは難しくなる。
なお、図示例では、このような2次転写装置22および定着装置25の下に、前記タンデム画像形成装置20と平行に、シートの両面に画像を記録すべくシートを反転するシート反転装置を備える。
【0017】
このカラー複写機を用いてコピーをとるときは、原稿自動搬送装置400の原稿台30上に原稿をセットする。または、原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じてそれで押さえる。そして、不図示のスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットしたときは、原稿を搬送してコンタクトガラス32上へと移動して後、他方コンタクトガラス32上に原稿をセットしたときは、直ちにスキャナ300を駆動し、第1走行体33および第2走行体34を走行する。そして、第1走行体33で光源から光を発射するとともに原稿面からの反射光をさらに反射して第2走行体34に向け、第2走行体34のミラーで反射して結像レンズ35を通して読取りセンサ36に入れ、原稿内容を読み取る。
また、不図示のスタートスイッチを押すと、不図示の駆動モータで支持ローラ14、15、16の1つを回転駆動して他の2つの支持ローラを従動回転し、中間転写体10を回転搬送する。同時に、個々の画像形成手段18でその感光体40を回転して各感光体40上にそれぞれ、ブラック・イエロー・マゼンタ・シアンの単色画像を形成する。そして、中間転写体10の搬送とともに、それらの単色画像を順次転写して中間転写体10上に合成カラー画像を形成する。
【0018】
一方、不図示のスタートスイッチを押すと、給紙テーブル200の給紙ローラ42の1つを選択回転し、ペーパーバンク43に多段に備える給紙カセット44の1つからシートを繰り出し、分離ローラ45で1枚ずつ分離して給紙路46に入れ、搬送ローラ47で搬送して複写機本体150内の給紙路48に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。
または、給紙ローラ50を回転して手差しトレイ51上のシートを繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。
そして、中間転写体10上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転し、中間転写体10と2次転写装置22との間にシートを送り込み、2次転写装置22で転写してシート上にカラー画像を記録する。
画像転写後のシートは、2次転写装置22で搬送して定着装置25へと送り込み、定着装置25で熱と圧力とを加えて転写画像を定着して後、切換爪55で切り換えて排出ローラ56で排出し、排紙トレイ57上にスタックする。または、切換爪55で切り換えてシート反転装置28に入れ、そこで反転して再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録して後、排出ローラ56で排紙トレイ57上に排出する。
【0019】
一方、画像転写後の中間転写体10は、中間転写体クリーニング装置17で、画像転写後に中間転写体10上に残留する残留トナーを除去し、タンデム画像形成装置20による再度の画像形成に備える。
ここで、レジストローラ49には、導電性ゴムローラを用い、バイアスを印加する。径Φ18で、表面を1mm厚みの導電性NBRゴムとする。電気抵抗はゴム材の体積抵抗で10Ω・cm程度であり、印加電圧はトナーを転写する側(表側)には−850V程度の電圧が印加されている。紙裏面側は+200V程度の電圧が印加されているが、特に裏面の紙粉転写を考慮する必要が少ない場合にはアースになっていても良い。また、印加電圧として、DCバイアスが印加されているが、これはDCオフセット成分を持ったAC電圧でも良い。AC重畳DCバイアスの方が紙表面を均一に帯電することができる。レジストローラ49を通過した後の紙表面は若干マイナス側に帯電している。よって、中間転写体10からシートへの転写では、レジストローラ49に電圧を印加しなかった場合に比べて転写条件が変わる場合があるので注意が必要である。
【0020】
図2は、タンデム画像形成装置を示す図である。タンデム画像形成装置20において、個々の画像形成手段18は、例えば図2に示すように、ドラム状の感光体40のまわりに、帯電装置60、現像装置61、1次転写装置62、感光体クリーニング装置63、除電装置64などを備えてなる。感光体40は、図示例では、アルミニウム等の素管に、感光性を有する有機感光材を塗布し、感光層を形成したドラム状であるが、無端ベルト状であってもよい。
図示省略するが、少なくとも感光体40を設け、画像形成手段18を構成する部分の全部または一部でプロセスカートリッジを形成し、複写機本体150に対して一括して着脱自在としてメンテナンス性を向上するようにしてもよい。画像形成手段18を構成する部分のうち、帯電装置60は、図示例ではローラ状につくり、感光体40に接触して電圧を印加することによりその感光体40の帯電を行う。
現像装置61は、一成分現像剤を使用してもよいが、図示例では、磁性キャリアと非磁性トナーとよりなる二成分現像剤を使用する。そして、その二成分現像剤を攪拌しながら搬送して現像スリーブ65に付着する攪拌部66と、その現像スリーブ65に付着した二成分現像剤のうちのトナーを感光体40に転移する現像部67とで構成し、その現像部67より攪拌部66を低い位置とする。
攪拌部66には、平行な2本のスクリュ68を設ける。2本のスクリュ68の間は、両端部を除いて仕切り板69で仕切る。また、現像ケース70にトナー濃度センサ71を取り付ける。
【0021】
一方、現像部67には、現像ケース70の開口を通して感光体40と対向して現像スリーブ65を設けるとともに、その現像スリーブ65内にマグネット72を固定して設ける。また、その現像スリーブ65に先端を接近してドクタブレード73を設ける。図示例では、ドクタブレード73と現像スリーブ65間の最接近部における間隔は、500μmに設定してある。
そして、2成分現像剤を2本のスクリュ68で攪拌しながら搬送循環し、現像スリーブ65に供給する。現像スリーブ65に供給された現像剤は、マグネット72により汲み上げて保持し、現像スリーブ65上に磁気ブラシを形成する。磁気ブラシは、現像スリーブ65の回転とともに、ドクタブレード73によって適正な量に穂切りする。切り落とされた現像剤は、攪拌部66に戻される。
【0022】
他方、現像スリーブ65上の現像剤のうちトナーは、現像スリーブ65に印加する現像バイアス電圧により感光体40に転移して、その感光体40上の静電潜像を可視像化する。可視像化後、現像スリーブ65上に残った現像剤は、マグネット72の磁力がないところで現像スリーブ65から離れて攪拌部66に戻る。この繰り返しにより、攪拌部66内のトナー濃度が薄くなると、それをトナー濃度センサ71で検知して攪拌部66にトナー補給する。
なお、図示例では、感光体40の線速を200mm/s、現像スリーブ65の線速を240mm/sとしている。感光体40の直径を50mm、現像スリーブ65の直径を18mmとして、現像行程が行われる。現像スリーブ65上のトナー帯電量は、−10乃至−30μC/gの範囲である。感光体40と現像スリーブ65の間隙である現像ギャップGPは、従来の0.8mmから0.4mmの範囲で設定でき、値を小さくすることで現像効率の向上を図ることが可能である。
感光体40の厚みを30μmとし、光学系のビームスポット径を50×60μm、光量を0.47mWとしている。また、感光体40の帯電(露光前)電位Vを−700V、露光後電位Vを−120Vとして現像バイアス電圧を−470Vすなわち現像ポテンシャル350Vとして現像工程が行われるものである。
【0023】
次に、1次転写装置62は、ローラ状とし、中間転写体10を挟んで感光体40に押し当てて設ける。別に、ローラ状に限らず、ブラシまたは非接触のコロナチャージャなどであってもよい。
感光体クリーニング装置63は、先端を感光体40に押し当てて、例えばポリウレタンゴム製のクリーニングブレード75を備えるとともに、外周を感光体40に接触して導電性のファーブラシ76を矢示方向に回転自在に備える。また、ファーブラシ76にバイアスを印加する金属製電界ローラ77を矢示方向に回転自在に備え、その電界ローラ77にスクレーパ78の先端を押し当てる。さらに、除去したトナーを回収する回収スクリュ79を設ける。
そして、感光体40に対してカウンタ方向に回転するファーブラシ76で、感光体40上の残留トナーを除去する。ファーブラシ76に付着したトナーは、ファーブラシ76に対して接触してカウンタ方向に回転する電界ローラ77でバイアスを印加して取り除く。電界ローラ77は、スクレーパ78でクリーニングする。感光体クリーニング装置63で回収したトナーは、回収スクリュ79で感光体クリーニング装置63の片側に寄せ、詳しくは後述するトナーリサイクル装置80で現像装置61へと戻して再利用する。
【0024】
除電装置64は、例えばランプであり、光を照射して感光体40の表面電位を初期化する。
そして、感光体40の回転とともに、まず帯電装置60で感光体40の表面を一様に帯電し、次いでスキャナ300の読取り内容に応じて前記露光装置21からレーザやLED等による書込み光Lを照射して感光体40上に静電潜像を形成する。
その後、現像装置61によりトナーを付着してその静電潜像を可視像化し、その可視像を1次転写装置62で中間転写体10上に転写する。画像転写後の感光体40の表面は、感光体クリーニング装置63で残留トナーを除去して清掃し、除電装置64で除電して再度の画像形成に備える。
【0025】
図3は、図1に示すカラー複写機の要部拡大図である。図3においては、タンデム画像形成装置20の各画像形成手段18、その画像形成手段18の各感光体40、各現像装置61、各感光体クリーニング装置63、および各画像形成手段18の感光体40にそれぞれ対向して設ける各1次転写装置62の各符号の後に、それぞれブラックの場合はBKを、イエローの場合はYを、マゼンタの場合はMを、シアンの場合はCを付して示す。
なお、図3中符号74は、図示は省略するが、各1次転写装置62間において、中間転写体10のベース層側に接触して設ける導電性ローラである。この導電性ローラ74は、転写時に各1次転写装置62により印加するバイアスが、中抵抗のベース層を介して隣りの各画像形成手段18に流れ込むことを阻止するものである。
【0026】
次に、トナーリサイクル装置80について説明する。感光体クリーニング装置63の回収スクリュ79には、一端に、ピン81を有するローラ部82を設ける。そして、そのローラ部82に、トナーリサイクル装置80のベルト状回収トナー搬送部材83の一側を掛け、その回収トナー搬送部材83の長孔84にピン81を入れる。回収トナー搬送部材83の外周には一定間隔置きに羽根85を設けてなり、その他の側は、回転軸86のローラ部87に掛ける。
回収トナー搬送部材83は、回転軸86とともに、搬送路ケース88内に入れる。搬送路ケース88は、カートリッジケース89と一体につくり、その現像装置61側の端部に、現像装置61の前述した2本のスクリュ68の1本を入れてなる。
そして、外部から駆動力を伝達して回収スクリュ79を回転するとともに、回収トナー搬送部材83を回転搬送し、感光体クリーニング装置63で回収したトナーを搬送路ケース88内を通して現像装置61へと搬送し、スクリュ68の回転で現像装置61内に入れる。その後、前記のとおり、2本のスクリュ68ですでに現像装置61内にある現像剤とともに攪拌しながら搬送循環し、現像スリーブ65に供給してドクタブレード73により穂切りして後、感光体40に転移してその感光体40上の潜像を現像する。
【0027】
トナーは、ポリエステル、ポリオ−ル、スチレンアクリル等の樹脂に帯電制御剤(CCA)、色剤を混合し、その周りにシリカ、酸化チタン等の物質を外添することでその帯電特性、流動性を高めている。添加剤の粒径は、通常、0.1乃至1.5[μm]の範囲である。色剤は、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、キナクリドン、カーミン等を上げることができる。帯電極性は、実施例では負帯電である。
トナーは、ワックス等を分散混合させた母体トナーに上記種類の添加剤を外添しているものも使用することができる。ここまでの説明で、トナーは、粉砕法で作成されたものであるが、重合法等で作成したものも使用可能である。一般に重合法、加熱法等で作成されたトナーは、形状係数を90%以上に形成することが可能で、さらに形状による添加剤の被覆率も極めて高くなる。
ここで、形状係数は、本来ならば球形度となって、「粒子と同体積の球の表面積/実粒子の表面積*100%」で定義されるが、測定がかなり困難になるので、円形度で算出する。その定義は、「粒子と同じ投影面積を持つ円の周長/実粒子の投影輪郭長さ*100%」とする。そうすると、投影された円が真円に近づくほど、100%に近づくことになる。トナーの体積平均粒径の範囲は、3乃至12μmが好適である。本発明では、6μmとし、1200dpi以上の高解像度の画像にも十分対応することが可能である。
【0028】
磁性粒子(キャリア)は、金属または樹脂をコアとしてフェライト等の磁性材料を含有し、表層はシリコン樹脂等で被覆されたものである。粒径は、20乃至50μmの範囲が良好である。また、抵抗は、ダイナミック抵抗で10乃至10Ωの範囲が最適である。ただし、測定方法は、磁石を内包したローラ(Φ20mm;600rpm)に坦持して、幅65mm、長さ1mmの面積の電極をギャップ0.9mmで当接させ、耐圧上限レベル(高抵抗シリコンコートキャリアでは400Vから鉄粉キャリアでは数V)の印加電圧を印加した時の測定値である。
【0029】
現像スリーブ65は、非磁性の回転可能なスリーブ状の形状を持ち、内部には複数のマグネット72を配設している。マグネット72は、固定されているために現像剤が所定の場所を通過するときに磁力を作用させられるようになっている。図示例では、現像スリーブ65の直径をφ18とし、表面はサンドブラストまたは1乃至数mmの深さを有する複数の溝を形成する処理を行い10乃至30μmRZの範囲に入る様に粗している。
マグネット72は、ドクタブレード73の箇所から現像スリーブ65の回転方向にN、S、N、S、Sの5磁極を有する。マグネット72で形成された(トナー+磁性粒子)は、現像剤として現像スリーブ65上に坦持され、トナーは、磁性粒子と混合されることで規定の帯電量を得る。図示例では、−10乃至−30[μC/g]の範囲が好適である。現像スリーブ65は、現像剤の磁気ブラシを形成した、マグネット72のS側の領域に、感光体40に対向して配設されている。
【0030】
図示例では、図3に示すように、クリーニング装置17に、クリーニング部材として2つのファーブラシ90、91を設ける。ファーブラシ90、91は、Φ20mm、アクリルカーボン、6.25D/F、10万本/inch、1.0×10Ωのものを使用し、中間転写体10に対して接触してカウンタ方向に回転するように設ける。そして、それぞれのファーブラシ90、91には、不図示の電源から各々異なる極性のバイアスを印加する。
そのようなファーブラシ90、91には、それぞれ金属ローラ92、93を接触して順方向に回転するように設ける。そして、この例では、中間転写体10の回転方向上流側の金属ローラ92に電源94から(−)電圧を印加し、下流側の金属ローラ93に電源95から(+)電圧を印加する。それらの金属ローラ92、93には、それぞれブレード96、97の先端を押し当てる。
そして、中間転写体10の矢示方向への回転とともに、はじめ上流側のファーブラシ90を用いて例えば(−)のバイアスを印加して中間転写体10表面のクリーニングを行う。仮に、金属ローラ92に−700V印加すると、ファーブラシ90は−400Vとなり、中間転写体10上の(+)トナーをファーブラシ90側に転移する。除去したトナーをさらに電位差によりファーブラシ90から金属ローラ92に転移し、ブレード96により掻き落とす。
【0031】
また、ファーブラシ90で中間転写体10上のトナーを除去するが、中間転写体10上にはまだ多くのトナーが残っている。それらのトナーは、ファーブラシ90に印加される(−)のバイアスにより、(−)に帯電される。これは、電荷注入または放電により帯電されるものと考えられる。
しかし、次いで下流側のファーブラシ91を用いて今度は(+)のバイアスを印加してクリーニングを行うことにより、それらのトナーを除去することができる。除去したトナーは、電位差によりファーブラシ91から金属ローラ93に転移し、ブレード97により掻き落とす。
ブレード96、97で掻き落としたトナーは、不図示のタンクに回収する。トナーリサイクル装置を用いて現像装置61に戻すようにしてもよい。
そして、ファーブラシ91でクリーニング後は、ほとんどのトナーが除去されるが、中間転写体10上にはまだ少しのトナーが残っている。それらのトナーは、ファーブラシ91に印加される(+)のバイアスにより、(+)に帯電される。しかし、2つのファーブラシ90、91で除去できずに中間転写体10上にトナーが残ったときにも、ブラックの1次転写位置で感光体40BK側に逆転写して感光体クリーニング装置63BKで回収することができる。
【0032】
図4は本発明における一次転写部である。感光体120と中間転写ベルト121は、懸架ローラ123、124から機械的ニップNmを形成し、同一方向に回動する。
転写ブレード100、出口ブレード101、入口ブレード102はそれぞれ高分子またはゴムにて作られる。例えば前者の材料ではウレタン樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂などの素材にカーボンを練りこんで、10乃至1013Ω以内の抵抗に調整する。なお、抵抗は望ましくは10乃至1010Ω程度となる。後者の材料ではCR、EPDM、ヒドリンゴムなどの素材ゴムに同様にカーボンを練りこんでほぼ同抵抗に調整される。成形時は、厚さT0.5乃至T1.5mmの板状に成形され、また磨耗機械的劣化が最も少ない方向になるように、ベルト回動方向に高分子が流れる方向に成形される。
これらのブレードの配置位置は、転写ブレード100はまず、Nmの大体中央から少し下流側となるのが一般的である。この転写ブレード100の位置を基準に、出口ブレード101までの位置をベルト上に撮影した出口幅Nexと、入り口ブレード102の位置までをベルト上に投影した入口幅Ninに分かれる。なお、これらのNinとNexの和が全体として転写電界の実効バイアス印加幅Neとなる。また、Nm≧Neである。
【0033】
個々で、各バイアス電源は、転写ブレード100に対してはバイアス源110、他ブレード102にはバイアス源112、ブレード104にはバイアス源114が与えられる。これらの未図示だがCPUなどにより制御可能である。
また、これらのブレードは105なる支持ホルダで支持されていて、一括しておかれる。一次転写時のブレードは、たわみ変形を少なくしてブレードの磨耗等による劣化や中間転写ベルトに及ぼす摩擦力の抑制や中間転写ベルトの傷、磨耗、劣化の抑制のため、寸法上の中間転写ベルトに対する喰込量は0.5mm以下が好適で、中間転写ベルトに及ぼす当接圧力はブレードの長さ方向の線圧換算では50N/m以下が好適である。仮にブレードのたわみが大きく電位と極性の異なるブレード間隔が異常に接近すると、これらのブレード間に漏電が生じ、電源などにダメージを与えてしまう。
【0034】
比較のため図5の従来例の一次転写ニップ例について説明する。Ninは転写ブレード100〜懸架ローラ124のベルト当接位置間距離であり、Nexは転写ブレード100〜懸架ローラ123のベルト当接位置間距離である。この従来例では、Nm<Neとなる。ここで、図6に中間転写ベルトの表面電位の予想図を示す。ここでは転写バイアス110は、(−)トナーの転移をさせるため、(+)バイアスを印加する。入口バイアス112は、同トナーの転移を抑止するため(−)バイアスが掛かっている。
従来例では、まだ残出口側の中間転写ベルトの離間部で、ベルト非画像面の(+)電荷が残るため、剥離によりギャップ電位が上昇し、小さい放電が起きてしまう。これに対し、本発明では出口バイアス111が密着したベルトに対して付加されるため、除電が完了しており、この放電が生じない。よって、転写チリなどが改善される。
【0035】
なお、図7には本発明に用いた中間転写体抵抗の電圧に関する挙動を示す。図では、電界下では低抵抗で、電界から外れると高抵抗化し、電界の平方根が電流に比例する。なお、通常のイオン導電性物質では電界変動性があっても1桁程度で、ここまでの変動はある。これはプロセス上有利となる。ただし、このようなイオン系導電性物質を入れた中間転写ベルトは一般に環境変動が大きいため、環境により使用条件を変更制御する必要がある。
ここで、ブレード100、101、102は夫々が一定の間隔で絶縁体を持って同一の支持部材に固定接続されている。これは位置精度を上げるのに有益である。またブレードの抵抗としては10乃至1011Ωが良い。これらは中間転写ベルトに必要十分な電荷の需給ができかつ極所集中のリークによるトラブルを回避できる抵抗である。
【0036】
ここで図8に一次転写ニップ入・出口付近の負極性バイアス印加手段をまとめた例を示す。ここでは、同じバイアス電圧を印加できるようにしてある。ここで、主極140は四角形断面バー状の中抵抗部材である。未図示の電極などにより電源110に接続される。なお、ここでこの中抵抗部材は前述のカーボン分散型部材となる。
一方、入口出口用一体化電極142は、中抵抗素材をして複雑な形に成形されているが、ここで図中145にて示されるダイヤフラム状になっており、この部分が変形をすることで適切な押圧力を与えることができる。
ここで、この入口出口電極は絶縁支持材143で支持され、また主極140を支持する絶縁支持材141で支持される。前者の支持材143は一般絶縁樹脂などで作られる。また、支持材141はゴムなどの多少変形する部材で作られる。また中抵抗部材とした時は実効電界Neの入口端と出口端で通電抵抗を変えることができる。これにより、入口は強めの(−)電荷が印加され、出口には弱めの(−)電荷が与えられる。また、入り口側のチリをなくし、かつ出口では放電分を減らすことができる。
【0037】
図9は、本発明の一次転写ニップを形成するための、ローラPを設けた様子を示す図である。図9(2)には一次転写時の様子を示し、図9(3)には非転写時の様子を示した。
なお、バイアス印加手段は、ブレード例で示してきたが、ブレード材料としては、中間転写体に必要な電荷を付与できる電気伝導度のあるゴムブレード、金属ブレード、樹脂ブレード等の公知材料を適用できる。また、他のバイアス印加手段例としてブラシや小径の金属ローラ等でも良い。
中間転写体の電気特性については、体積抵抗率は、一次転写体時与えるバイアス電圧レベル1kV印加で10乃至1013Ω・cmが適切で、より好ましくは10乃至1010Ω・cmが好適である。また、裏面の表面抵抗率であるバイアス電圧印加手段の当接する面の表面抵抗率は10乃至1012Ω/□が適切で、より好ましくは1010乃至1011Ω/□が好適である。
中間転写転写体の負荷トルクについては、バイアス印加手段を当接させた時の摩擦抵抗や、クリーニング部材の摺擦負荷抵抗等による負荷が最大となる場合でも高耐久化のため1.0Nm以下が好ましく、本実施例では、中間転写体とバイアス印加手段の摩擦面への当接圧(線圧)を20N/m以下に抑えたり、摩擦面相互の摩擦係数を0.5以下になる様、少なくとも一方の表面に公知の潤滑物質を付与して滑りやすくする工夫を施し、0.3Nm以下とした。
【0038】
図10(1)及び図10(2)は本発明の実施例による説明図である。中間転写ベルトと感光体の接触幅はバイアス印加手段5、6の中間転写ベルトへの接離で変化していない例である。
本発明において、バイアス印加手段である一次転写補正バイアス印加部材の1次転写体を介在して感光体に当接させた場合の一次転写ニップ幅WT1(N1)は、バイアス印加手段の一次転写体への当接負荷無し状態における転写体と感光体の回動方向ニップ幅WT1(0)の10%増以内である。また、本発明は、式をWT1(N1)≦1.11×WT1(0)と表現することもできる。
本発明の好ましいニップ形成状態は、WT1(0)が十分広く、4mm以上が好適で、本発明の状態でWT1(N1)=WT1(0)である。
しかしながら、感光体ドラム径がΦ30mm以下の小径である、あるいは図10等に図示した転写ニップ形成ローラ配置都合で、WT1(0)を十分広く確保でき難く(例えば3.9mm以下)、一次転写バイアス印加手段の先端当接位置が転写ニップ入り口部にあり、前記バイアス印加手段当接位置から一次転写補正バイアス印加部材先端当接位置までの距離を4.0mm確保する必要がある場合には、バイアス印加手段である一次転写補正バイアス印加部材を当接負荷無し状態における転写体と感光体の当接ニップの回動方向出口付近に当接することになり、ニップ幅、WT1(N1)≒WT1(0)となる。例えば前記2種のバイアス印加手段(又は部材)先端間に過剰な電流が流れない様にする場合などである。
また、バイアス印加手段を弱い当接圧以下で一次転写体へ当てた場合でも、WT1(N1)>WT1(0)となる。例えば、前記記載の実施例では線圧換算で50N/m以下、あるいは20N/mの場合である。従って本発明では、式はWT1(N1)の上限を示している。
【0039】
以下に実施例と比較例を示す。
(実施例)
(実施例1)
T1(0)=4.0mm、バイアス印加手段の一次転写体への当接圧5N/mの場合、WT1(N1)=4.0〜4.4mmで、WT1(0)>0.9×WT1(N1)、又は1.11×WT1(0)>WT1(N1)≧WT1(0)となる。
【0040】
(比較例1)
T1(0)=3.0mm、バイアス印加手段の一次転写体への当接圧10N/mの場合WT1(N1)=4.0〜4.4mmで、0.68×WT1(N1)≦WT1(0)≦0.75×WT1(N1)、又は1.47×WT1(0)>WT1(N1)≧1.33×WT1(0)となる。
【0041】
同様に、図11(1)及び図11(2)は本発明の実施例による説明図である。
本発明において、バイアス印加手段である一次転写補正バイアス印加部材の一次転写体を介在して感光体に当接させた場合の感光体ドラムに対する一次転写体の当接角θT1(N1)は、バイアス印加手段の一次転写体への当接負荷無し状態における一次転写体と感光体ドラムの当接角θT1(0)の10%増以内である。また、式をθT1(N1)≦1.11×θT1(0)と表現することもでき、当接角は巻きつけ角ともいう。
本発明の好ましいニップ形成状態は、θT1(0)が十分大きく、感光体ドラム径がΦ60mmで7.6°以上が好適である。これは、ニップ幅で4.0mm以上に相当する。本発明の状態でθT1(N1)=θT1(0)である。
しかしながら、感光体ドラム径がΦ30mm以下の小径であるとか、図11等に図示した転写ニップ形成ローラ配置都合で、θT1(0)を十分大きく確保でき難く(例えばΦ60mmの感光体ドラムで7°以下)、一次転写バイアス印加手段の先端当接位置が転写ニップ入り口部にあり、前記バイアス印加手段当接位置から一次転写補正バイアス印加部材先端当接位置までの当接角を前記のように7.6°確保する必要がある場合には、バイアス印加手段である一次転写補正バイアス印加部材を当接負荷無し状態における転写体と感光体の当接ニップの回動方向出口付近に当接することになり、当接角は、θT1(N1)≒θT1(0)となる。例えば前記2種のバイアス印加手段(又は部材)先端間に過剰な電流が流れない様にする場合などである。
また、バイアス印加手段を弱い当接圧以下で一次転写体へ当てた場合でも、θT1(N1)>θT1(0)となる。例えば、前記記載の実施例では線圧換算で50N/m以下、あるいは20N/mで一次転写体へ当てた場合である。従って本発明では、式はθT1(N1)の上限を示している。
【0042】
以下に実施例と比較例を示す。
(実施例)
(実施例2)
θT1(0)=7.6°、バイアス印加手段の一次転写体への当接圧5N/mの場合、θT1(N1)=7.6〜8.4°で、θT1(0)>0.9×θT1(N1)、又は1.11×θT1(0)>θT1(N1)≧θT1(0)となる。
【0043】
(比較例2)
θT1(0)=5.7°、バイアス印加手段の一次転写体への当接圧10N/mの場合θT1(N1)=7.6〜8.4°で、0.68×θT1(N1)≦θT1(0)≦0.75×θT1(N1)、又は1.47×θT1(0)>θT1(N1)≧1.33×θT1(0)となる。
【0044】
同様に、図12(1)及び図12(2)は本発明の実施例による説明図である。図12中の(1)図が、バイアス印加電極5、6が中間転写体7に当接している状態を表し、(2)図が、バイアス印加電極5、6が中間転写体7から離れてる状態を表している。
感光体ドラム径がΦ60mmの場合、その半径Rは30mmで、(1)図の状態では、本発明ではLIN(N1)、LOUT(N1)が共に30mmになる。
一方(2)図の状態では、転写ニップ形成ローラPが、中間転写体7を感光体側に押し付ける役割をはたしているので、(1)図でバイアス印加電極が接触する点における中間転写体7の表側までの距離LIN(N1)、LOUT(N1)が共に30mmとなる場合があるが、感光体径がΦ30mm以下と小径など、感光体との間に若干隙間が生じる位置にバイアス印加電極が接触する位置を定める場合があり、その場合の隙間を、0.2mm以下に留めることで、(1)図状態で該隙間を0mmにする場合のバイアス印加電極当接圧を線圧換算で50N/m以下に抑えることができる。
【0045】
図13(1)及び図13(2)は本発明の実施例による説明図である。ローラPとバイアス印加手段5、6は一体的に、感光体との距離を変化させることができる態様になっている。
【0046】
図14は中間転写ベルトに2種のバイアスを印加する手段が何れも弾性体であり、図の例ではSUS、リン青銅、チタン銅、高ベリリウム銅の金属性薄板の先端に図15に示したR曲げ部を作り、前記R部を中間転写ベルトと当接させた例で、当接圧の均一化と中間転写ベルトへの磨耗・傷ダメージ防止を実現した。
図16は一次転写バイアス手段を回転ローラにした例を示す。
図17は上記図16同様に一次転写バイアス手段が回転ローラであるが、前記ローラが非常に小径であって、撓み変形による当接圧の不均一化を防止するバックアップローラを下方に配置した例を示す。
図18は2種のバイアスを印加する手段の先端部の距離を狭くした場合に、固定部分に入れた互いの絶縁スペーサ部分の距離を広くする様に、上流側のバイアス印加手段はトレーリング当接、下上流側のバイアス印加手段はカウンタ当接にした例を示す。
図19は図17と逆に下流側のトナーと同極性バイアスを印加する手段を、非常に小径のローラとした例を示す。
図20は2種のバイアスを印加する手段を何れも非常に小径でかつバックアップローラを具備したローラとした例を示す。
図15は上記図14の説明で記載した通りバイアス印加手段の先端をR曲げのあるSUS、リン青銅、チタン銅、高ベリリウム銅の金属性薄板とし、前記R部を中間転写ベルトと当接させた例で、当接圧の均一化と中間転写ベルトへの磨耗・傷ダメージ防止を実現した例を示す。
以上図9乃至図20の例は何れも、一次転写ニップ内で、極性の異なるバイアス印加手段を弱い圧力で均一に中間転写ベルトに当接させる例を示す。他にも同じ効果の得られ、バイアス印加手段としてブラシ用いる等種々の変形がある。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の一実施の形態を示すもので、タンデム型間接転写方式のカラー画像形成装置を示す図である。
【図2】タンデム画像形成装置を示す図である。
【図3】図1に示すカラー複写機の要部拡大図である。
【図4】本考案における一次転写部である。
【図5】従来例の一次転写ニップ例を示した図である。
【図6】中間転写ベルトの表面電位の予想図を示す。
【図7】本発明に用いた中間転写体抵抗の電圧に関する挙動を示す図である。
【図8】一次転写ニップ入・出口付近の負極性バイアス印加手段をまとめた例を示した図である。
【図9】本発明の一次転写ニップを形成するための、ローラPを設けた様子を示す図である。
【図10】本発明の実施例による説明図である。
【図11】本発明の実施例による説明図である。
【図12】本発明の実施例による説明図である。
【図13】本発明の実施例による説明図である。
【図14】本発明の実施例(転写時)を示した図である。
【図15】本発明のバイアス印加部材例を示した図である。
【図16】本発明の実施例(転写時)を示した図である。
【図17】本発明の実施例(転写時)を示した図である。
【図18】本発明の実施例(転写時)を示した図である。
【図19】本発明の実施例(転写時)を示した図である。
【図20】本発明の実施例(転写時)を示した図である。
【符号の説明】
【0048】
1 感光体ドラム
2 帯電装置
3 露光部
4 現像装置
5 バイアス印加手段(1次転写装置)
6 バイアス印加手段(1次転写後中間除電装置)
7 中間転写体
8 2次転写装置(シート搬送ベルト)
9 給紙装置
10 中間転写体
11 感光体クリーニング装置
12 中間転写体クリーニング装置
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 支持ローラ
17 クリーニング装置
18 画像形成手段
20 タンデム画像形成装置
21 露光装置
22 2次転写装置
23 ローラ
24 2次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 シート反転装置
30 原稿台
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40 感光体
42 給紙ローラ
43 ペーパーバンク
44 給紙カセット
45 分離ローラ
46 給紙路
47 搬送ローラ
48 給紙路
49 レジストローラ
50 給紙ローラ
51 手差しトレイ
52 分離ローラ
53 手差し給紙路
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排紙トレイ
60 帯電装置
61 現像装置
62 1次転写装置
63 感光体クリーニング装置
64 除電装置
65 現像スリーブ
66 攪拌部
67 現像部
68 スクリュ
69 仕切り板
70 現像ケース
71 トナー濃度センサ
72 マグネット
73 ドクタブレード
74 導電性ローラ
75 クリーニングブレード
76 ファーブラシ
77 電界ローラ
78 スクレーパ
79 回収スクリュ
80 トナーリサイクル装置
90 ファーブラシ
91 ファーブラシ
92 金属ローラ
93 金属ローラ
94 電源
95 電源
96 ブレード
97 ブレード
100 転写ブレード
101 出口ブレード
102 入口ブレード
104 ブレード
105 支持ホルダ
110 転写バイアス
111 出口バイアス
112 入口バイアス
114 バイアス
120 感光体
121 中間転写ベルト
123 懸架ローラ
124 懸架ローラ
140 主極
141 絶縁支持材
142 入口出口用一体化電極
143 絶縁支持材
150 複写機本体
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)
S シート
P 転写ニップ形成用ローラ
L 書込み光
L1 一次転写ニップ形成ローラPと感光体ドラム下部との高低差(一次転写時)
L1’ 一次転写ニップ形成ローラPと感光体ドラム下部との高低差(=L5+中間転写体7の厚み)(非一次転写時)
L2 中間転写体7とバイアス印加手段5及び6との隙間(非一次転写時)
L3 一次転写ニップ形成ローラPの加圧解除時降下量(非一次転写時)
L4 図13(1)状態におけるバイアス印加手段5、及び6の図13(2)状態における高さ方向の復元寸法
L5 一次転写ベルトと感光体ドラムの間隙
T タンデム型画像形成装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面にトナー像が形成され回動される半径R[mm]のドラム状の像担持体と、
前記像担持体に接触して、像担持体側からみた一次転写ニップ幅WT1(N1)[mm]、当接角度θT1(N1)[°]のニップを形成し同方向に回動し、像担持体から前記トナーの像を転移させられるベルト状の一次転写体と、
前記一次転写体の裏面には、前記転写ニップの上流端部と下流端部の間の位置でトナーと異極性バイアスを接触通電個所を通して印加する一次転写バイアス印加部材と、
前記通電個所の前方又は後方の前記一次転写ニップ内にてトナーと同極性のバイアスを印加する一次転写補正バイアス印加部材と、
を有する一次転写体を用いる電子写真方式の画像形成装置において、
前記画像形成装置は、一次転写動作時の前記一次転写ニップが前記バイアス印加手段の一次転写体への接触当接圧の有無に係わらず、同一のニップ幅を形成できる状態で当接する構成である
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置おいて、
前記画像形成装置は、一次転写ニップ幅WT1(N1)とバイアス印加手段の一次転写体への当接負荷無し状態における転写体と感光体の回動方向ニップ幅WT1(0)の関係が、
T1(0)≧0.9×WT1(N1)
である
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1に記載の画像形成装置おいて、
前記画像形成装置は、当接角度θT1(N1)とバイアス印加手段当接負荷無しの当接角度θT1(0)の関係が、
θT1(0)≧0.9×θT1(N1)
である
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1に記載の画像形成装置おいて、
前記画像形成装置は、一次転写動作時の像担持体の回転中心から一次転写体表面までの最大距離(上流側LIN(N1)、下流側LOUT(N1))と
ドラム状像担持体の半径Rの差の最大値(LIN(N1)−R、及びLOUT(N1)−R)が何れも0.2mm以下である
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一つに記載の画像形成装置おいて、
前記画像形成装置は、一次転写動作時に一次転写バイアス印加部材と、
離れた位置に回転する一次転写ニップ形成用ローラと、を具備する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項5に記載の画像形成装置おいて、
前記画像形成装置は、回転する一次転写ニップ形成用ローラ位置の切り替え手段があり、非一次転写時又は停止時に一次転写体を一次転写ニップを形成しない位置に自動又は手動で切り替え可能である
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項6に記載の画像形成装置おいて、
前記画像形成装置は、回転する一次転写ニップ形成用ローラを、非一次転写時に転写ニップを形成しない位置に切り替えた時、一次転写ニップでバイアスを印加した手段をベルト状の一次転写体から離す
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項5に記載の画像形成装置おいて、
前記画像形成装置は、回転する一次転写ニップ形成用ローラに、一次転写時に転写ニップ出口側のバイアス印加極性と同極性のバイアスを印加する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか一つに記載の画像形成装置おいて、
前記画像形成装置は、トナーと同極性電圧の一次転写バイアス印加部材と、トナーと異極性電圧の一次転写補正バイアス印加部材の少なくとも一方が、
一次転写時に一次転写体の裏面に摺動接触する態様の非回転部材である
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求1乃至9のいずれか一つに記載の画像形成装置おいて、
前記画像形成装置は、トナーと同極性電圧の一次転写バイアス印加部材、トナーと異極性電圧の一次転写補正バイアス印加部材、及び一次転写ニップ形成用ローラの各々の動作の支点部を、非一次転写時に、感光体から離反する位置に移動し、
かつ、バイアス印加手段と一次転写体を非接触状態にする
ことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2007−171784(P2007−171784A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−372221(P2005−372221)
【出願日】平成17年12月26日(2005.12.26)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】