説明

画像形成装置

【課題】開閉カバーの回動支点部の強度を高めるとともに、組み立て作業性や廃棄時の分解性にも優れた画像形成装置を提供する。
【解決手段】開閉カバー40の回動軸43の上端には環状の第1係合穴50及び第2係合穴51が上下方向に重なるように形成されている。ヒンジピン52は、第1係合穴50及び第2係合穴51、及び左側面カバー37aのガイド穴60と共に開閉カバー40の回動支点41を構成する。ピン本体部52aの外周面には突起部53が設けられており、第1係合穴50及びガイド穴60には突起部53の断面形状に合わせて第1溝部54及び第2溝部61が形成されている。また、回動軸43の下端には左側面カバー37aに形成されたボス穴62に回転自在に嵌合して回動支点42を構成する支持ボス55が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル複写機、レーザプリンタ等の画像形成装置に関し、特に装置本体の外装面の一部に開閉可能なカバーを備えた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置の構成を図13に示す。画像形成装置(例えばプリンタ)100では、画像形成動作を行う場合、帯電ユニット4により図中時計回りに回転する感光体ドラム5が一様に帯電され、原稿画像データに基づく露光ユニット(レーザ走査ユニット等)7からのレーザビームにより感光体ドラム5上に静電潜像が形成され、現像ユニット8により静電潜像に現像剤(以下、トナーという)が付着されてトナー像が形成される。
【0003】
この現像ユニット8へのトナーの供給はトナーコンテナ9から行われる。なお、画像データはパーソナルコンピュータ(図示せず)等から送信される。また、感光体ドラム5の表面の残留電荷を除去する除電装置(図示せず)がクリーニング装置19の下流側に設けられている。
【0004】
上記のようにトナー像が形成された感光体ドラム5に向けて、用紙が給紙カセット10又は手差しトレイ11から用紙搬送路12及びレジストローラ対13を経由して搬送され、転写ローラ14(画像転写部)により感光体ドラム5の表面に形成されたトナー像が用紙に転写される。そして、トナー像が転写された用紙は感光体ドラム5から分離され、定着ローラ対15aを有する定着部15に搬送されてトナー像が定着される。定着部15を通過した用紙は、用紙搬送路16により装置上部に搬送され、排出ローラ対17より排出トレイ18に排出される。
【0005】
このような画像形成装置においては、例えばジャムが発生したときに用紙を除去する必要があり、またトナーカートリッジや現像カートリッジ、プロセスカートリッジ等の交換部品を交換したり、帯電ユニットの清掃や保守点検を行ったりする必要がある。そのため、装置の外装面の一部に開閉カバーが設けられている。
【0006】
この開閉カバーは、ユーザやサービスマンが頻繁に開閉動作を行うことから、ヒンジ構造により装置本体に開閉自在に取り付けられている。しかし、従来はヒンジ構造に金属部品を用いていたので、コストアップの要因になるとともに、画像形成装置の分解時における分別が煩雑となってリサイクル性にも問題があった。
【0007】
そこで、近年ではヒンジ構造を安価な樹脂材料のみで構成する方法が広く用いられている。この場合、装置本体側の回動支点にボス穴を2箇所に設け、樹脂製の開閉カバー側には支持ボスを設けておき、組み立て時に開閉カバーを撓ませながら支持ボスを2箇所のボス穴に係合させるのが一般的であった。しかし、開閉カバーの取り付け作業が繁雑で作業効率が悪く、開閉カバーを変形或いは破損するおそれもあった。
【0008】
また、装置のデザイン上、開閉カバーの回動軸側の一辺が外部に露出している場合、ユーザが装置を移動させる際に開閉カバーに指が引っ掛かると、回動軸と直交する方向の応力が回動支点に集中するため、支持ボスがボス穴から外れたり、支持ボスが変形したりすることがあった。回動支点を補強するために支持ボスを長くし、且つボス径を大きくすることも考えられるが、装置の組み立て作業性や廃棄時の分解作業性が低下してしまう。
【0009】
そこで、開閉カバーを円滑に取り付ける方法が提案されており、例えば特許文献1には、支持部材の軸穴部(ボス穴)の周囲に開閉カバーの軸部(ボス部)を案内するためのガイド面を設ける方法が開示されている。この方法によれば、従来に比べ開閉カバーの取り付け作業性は向上するものの、軸部と軸穴部との嵌合時には開閉カバーを撓ませる必要があり、開閉カバーの変形或いは破損を確実に防止する方法としては不十分であった。また、回動支点の強度を高めるには開閉カバーの軸部を太く、且つ長くする必要があるため、装置の組み立て作業性や分解作業性の向上との両立は困難であった。
【0010】
一方、特許文献2には、開閉可能な外装カバーと本体フレームとの上下2箇所のヒンジ部を、ヒンジピンを用いて連結する方法が開示されている。この方法によれば、開閉カバーを撓ませる必要はなくなる反面、部品点数も増加するとともにヒンジピンの抜け止め機構も必要となるため、組み立て作業性の低下や画像形成装置のコストアップに繋がる。
【特許文献1】特開2003−103870号公報
【特許文献2】実開平5−85661号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記問題点に鑑み、開閉カバーの回動支点部の強度を高めるとともに、組み立て作業性や廃棄時の分解性にも優れた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために本発明は、装置本体の外装面の一部を構成する開閉カバーと、該開閉カバーを第1及び第2の回動支点により回動可能に支持する支持部材と、を備えた画像形成装置において、前記第1の回動支点は、前記開閉カバーの回動軸の一端に設けられた係合穴及び前記支持部材に形成されたガイド穴と、該係合穴及びガイド穴を貫通するヒンジピンとで構成され、前記第2の回動支点は、前記回動軸の他端若しくは前記支持部材のうちいずれか一方に突設された支持ボスと、他方に形成され前記支持ボスが嵌合するボス穴とで構成されており、前記ヒンジピンの外周面には突起部が設けられ、前記係合穴及び前記ガイド穴にはそれぞれ前記突起部が挿通可能な溝部が形成されるとともに、前記開閉カバーを所定角度に開放したとき前記溝部が重なり合うことを特徴としている。
【0013】
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記ヒンジピンの前記回動軸方向への移動を規制する移動規制部材を設けたことを特徴としている。
【0014】
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記移動規制部材は、前記開閉カバーに隣接して配置される外装カバーであることを特徴としている。
【0015】
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記開閉カバーを閉じた状態でロックするロック機構を備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0016】
本発明の第1の構成によれば、開閉カバーを撓ませることなく第1及び第2の回動支点を組み立て可能となるため、開閉カバーが変形或いは破損するおそれもなくなる。また、支持ボス及びヒンジピンを長くしたり、径を太くしたりすることができるため、開閉カバーの取り付け作業性を損なうことなく回動支点の強度を高めることができる。さらに、開閉カバーの開放角度を調整するだけでヒンジピンを挿抜可能な状態にできるため、開閉カバーを支持部材から容易に着脱可能となる。
【0017】
また、本発明の第2の構成によれば、上記第1の構成の画像形成装置において、ヒンジピンの前記回動軸方向への移動を規制する移動規制部材を設けることにより、開閉カバーの開放角度に関係なく第1の回動支点の係合を維持可能となる。
【0018】
また、本発明の第3の構成によれば、上記第2の構成の画像形成装置において、開閉カバーに隣接して配置される外装カバーを用いてヒンジピンの回動軸方向の移動を規制することにより、追加部品なしで第1の回動支点の係合を維持可能となり、部品点数及び組み立て工数を削減できる。
【0019】
また、本発明の第4の構成によれば、上記第1乃至第3のいずれかの構成の画像形成装置において、開閉カバーをロックする機構を設けることにより、サブアセンブリー状態でヒンジピンが抜け落ちるおそれがなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明の画像形成装置の外観斜視図である。従来例の図13と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。プリンタ100の外装は、装置前面に配置されるカセットカバー35、手差しトレイカバー36、装置側面に配置される左側面カバー37a、右側面カバー37b、装置上面に配置される上面カバー38a、38b、及び図示しない背面カバーで構成されている。
【0021】
カセットカバー35は給紙カセット10(図13参照)に装着されており、その表面側が外部に露出して画像形成装置100本体の外装面の一部(ここでは装置前面)を構成する。手差しトレイカバー36は手差しトレイ11(図13参照)の外側に装着され、下端部を支点として上下に開閉可能となっており、下方向に回動させて開放した状態では手差しトレイ11が使用可能となり、上方向に回動させて閉鎖した状態(図1の状態)ではカセットカバー35と共に装置前面の外装面を構成している。
【0022】
上面カバー38aには排出トレイ18が形成されており、上面カバー38bの右端には操作ボタンや表示パネル等が搭載された操作部39が配置されている。左側面カバー37aには開閉カバー40が設けられている。
【0023】
図2及び図3は、左側面カバー37aの斜視図であり、図2は開閉カバー40を閉じた状態、図3は開閉カバー40を開いた状態を示している。開閉カバー40は、上側の回動支点41(第1の回動支点)と下側の回動支点42(第2の回動支点)により左側面カバー37aに支持されており、回動支点41及び42を結ぶ回動軸43を中心として水平方向に開閉可能となっている。
【0024】
また、左側面カバー37aの略中央部には開口部44が形成されている。図2のように開閉カバー40を閉じた状態では開口部44は開閉カバー40に覆われており、図3のように開閉カバー40を開放し、開口部44を介して装置内部の部品交換等のメンテナンスを行う。開口部44の近傍には吸気口45が形成され、開閉カバー40の吸気口45と重なる位置には吸気スリット46が設けられており、図示しない冷却ファンにより吸気スリット46及び吸気口45を介して装置内部に外気が送り込まれる。
【0025】
開閉カバー40の回動側端部には裏面側に突出して左側面カバー37aの係合部48に係合する係合用突起47が設けられており、開閉カバー40の表面側に設けられた開閉用ツマミ49を操作することにより、係合用突起47と係合部48との係合が外れて開閉カバー40のロックが解除される仕組みになっている。
【0026】
図4は開閉カバー40を裏面側から見た斜視図であり、図5は図3における開閉カバー40の回動支点41及び42付近(図4の円S1、S2内)の部分拡大図である。図5(a)に示すように、開閉カバー40の回動軸43の上端には環状の第1係合穴50及び第2係合穴51が上下方向に重なるように形成されている。また、図5(b)に示すように、回動軸43の下端には左側面カバー37aに形成されたボス穴62(図8参照)に回転自在に嵌合して回動支点42(図2参照)を構成する支持ボス55が形成されている。
【0027】
52は、第1係合穴50及び第2係合穴51を貫通する円柱状のピン本体部52aと、ピン本体部52aの上端に一体形成されるピンヘッド52bから成るヒンジピンである。このヒンジピン52は、第1係合穴50及び第2係合穴51、並びに後述する左側面カバー37aのガイド穴60(図8参照)と共に開閉カバー40の回動支点41(図2参照)を構成する。ピン本体部52aの外周面には突起部53が設けられており、第1係合穴50には突起部53の断面形状に合わせて第1溝部54が形成されている。なお、ピンヘッド52bや突起部53の形状や大きさ等、ヒンジピン52の仕様は適宜変更可能である。
【0028】
図6(a)は開閉カバー40を上方向から見た側面図であり、図6(b)は第1係合穴50周辺(図6(a)の円S3内)の部分拡大図である。第1係合穴50は第1溝部54により平面視鍵穴形をなしている。突起部53(図5参照)は、ヒンジピン52が完全に挿入された状態で第1係合穴50と第2係合穴51との間に位置するように形成されているため、第2係合穴51には溝部は設けられていない。
【0029】
なお、ここではヒンジピン52の貫通する係合穴として、第1係合穴50と第2係合穴51の2つを設けたが、1つ或いは3つ以上の係合穴を設けても良い。このとき、ヒンジピン52のガタつきを抑制するためには係合穴を複数設けるか、或いは軸方向に長い係合穴を1つ設けることが好ましい。
【0030】
図7は左側面カバー37aから開閉カバー40を取り外した状態を示す斜視図であり、図8は図7の円S4、S5内の部分拡大図である。左側面カバー37aの開閉カバー40が支持される側(図7の左側)の上端部には、ヒンジピン52が貫通するガイド穴60が設けられており、ガイド穴60には突起部53の断面形状に合わせて第2溝部61が形成されている。また、下端部には、開閉カバー40の回転軸43から下向きに突出する支持ボス55(図5参照)が回転自在に嵌合するボス穴62が形成されている。
【0031】
次に、開閉カバー40の左側面カバー37aへの取り付け方法について、図5、図8を参照しながら図9及び図10を用いて説明する。先ず、開閉カバー40下端部の支持ボス55(図5参照)を左側面カバー37aのボス穴62(図8参照)に嵌合させる。次いで、開閉カバー40上端部の第1係合穴50及び第2係合穴51を左側面カバー37aのガイド穴60に重ね合わせる。
【0032】
このとき、第1係合穴50の第1溝部54とガイド穴60の第2溝部61が上下に重なり合うように開閉カバー40の開放角度を調整する。この例においては、開閉カバー40を90°開放した図3の状態で、第1溝部54と第2溝部61とが重なるように設計されている。そして、図9(a)、(b)に示すように、突起部53を第1溝部54及び第2溝部61の位置に合わせて、ヒンジピン52をガイド穴60、第1係合穴50、第2係合穴51の順に貫通させる。
【0033】
図9の状態から開閉カバー40を所定量回動させると、第1係合穴50に形成された第1溝部54も同じ角度だけ回動するため、図10(a)、(b)に示すように、第1溝部54が第2溝部61と異なる位置に移動する。これにより、突起部53が第1係合穴50を上方向に通過できなくなり、ヒンジピン52が抜けなくなる。
【0034】
なお、開閉カバー40を90°開放した図9の状態ではヒンジピン52が抜けてしまうおそれがあるため、装置を組み立てた状態でヒンジピン52の抜け止め機構が必要となる。ヒンジピン52の抜け止め部材を別途設けても良いが、本実施形態では、左側面カバー37aの上部に配置される上面カバー38a(図1参照)によって、装置組み立て後のヒンジピン52の抜けを防止している。これにより、追加部品なしで回動支点41、42の係合を維持可能となり、部品点数及び組み立て工数を削減できる。
【0035】
図11は上面カバー38aの斜視図であり、図12は図11の円S6内をカバー裏面側から見た部分拡大図である。上面カバー38aに形成される排出トレイ18は用紙排出方向に上り勾配となっており、排出トレイ18の後壁面上端にはスリット状の用紙排出口63が設けられている。また、上面カバー38aの裏面角部にはリブ65が形成されており、上面カバー38aを装着した状態でリブ65がヒンジピン52のピンヘッド52b(図9参照)に当接することにより、開閉カバー40の開放角度に関係なくヒンジピン52の上方向への移動を規制する。
【0036】
また、画像形成装置を分解するときは、上述した組み立て手順と逆の手順となる。即ち、上面カバー38aを取り外した後、開閉カバー40を90°開放した状態でヒンジピン52を引き抜く。そして支持ボス55をボス穴62から外すことにより、左側面カバー37aと開閉カバー40とを容易に分解することができる。なお、ここでは開閉カバー40側の支持ボス55と左側面カバー37a側のボス穴62とで回動支点42を構成したが、左側面カバー側に支持ボスを設け、開閉カバー40側にボス穴を設けても良い。
【0037】
本発明の構成とすることにより、回動支点の組み立て時に開閉カバー40を撓ませる必要がないため、開閉カバー40の取り付け作業性が向上するとともに、開閉カバー40が変形或いは破損するおそれもなくなる。また、支持ボス55を長く、且つボス径を太くしても組み立て及び分解時の作業性に影響を及ぼさないため、作業効率を低下させることなく回動支点41、42の強度を高めることができる。
【0038】
また、ヒンジピン52の抜け止め部材を別途設ける場合は、ヒンジピン52の回動軸方向の移動を規制する部材を設けても良いし、開閉カバー40の最大開放角度(例えば120°)において第1溝部54及び第2溝部61が重なり合うようにしておき、開閉カバー40の開放角度を所定角度(例えば90°)以内に制限する角度規制部材を装着しても良い。この場合、装置の分解時には角度規制部材を取り外して開閉カバー40を最大限まで開放することにより回動支点41を容易に分解できる。
【0039】
なお、左側面カバー37aに開閉カバー40を組み付けたサブアセンブリー状態では、例えば開閉カバー40を90°開放させた状態で左側面カバー37aを下向きにするとヒンジピン52が簡単に抜け落ちるが、係合用突起47及び係合部48(図3参照)を用いて開閉カバー40を閉じた状態でロックしておくことにより、サブアセンブリー状態でヒンジピン52が向け落ちるおそれがなくなる。ロック機構としては、係合用突起47及び係合部48の組み合わせに限らず、従来公知の種々の機構を用いることができる。
【0040】
その他本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では開閉カバー40の支持部材として左側面カバー37aを用いたが、開閉カバー40は右側面カバー37bに設けても良いし、装置前面或いは背面に設けても良い。また、水平方向に限らず、上下方向に開閉する開閉カバーにも全く同様に適用可能である。
【0041】
また、本発明はプリンタに限らず、アナログ及びデジタル方式のモノクロ複写機、カラー複写機やファクシミリ等の、種々の画像形成装置に適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、装置本体の外装面の一部を構成する開閉カバーと、該開閉カバーを第1及び第2の回動支点により回動可能に支持する支持部材と、を備えた画像形成装置において、第1の回動支点は、開閉カバーの回動軸の一端に設けられた係合穴及び支持部材に形成されたガイド穴と、該係合穴及びガイド穴を貫通するヒンジピンとで構成され、第2の回動支点は、回動軸の他端若しくは支持部材のうちいずれか一方に突設された支持ボスと、他方に形成され支持ボスが嵌合するボス穴とで構成されており、ヒンジピンの外周面には突起部が設けられ、係合穴及びガイド穴にはそれぞれ突起部が挿通可能な溝部が形成されるとともに、開閉カバーを所定角度に開放したとき溝部が重なり合うようにした。
【0043】
これにより、開閉カバーの回動支点の強度を高めるとともに、開閉カバーを変形或いは破損させることなく組み立て及び分解作業を容易に行うことができる、リサイクル性にも優れた画像形成装置を簡易且つ低コストで提供することができる。
【0044】
また、移動規制部材によりヒンジピンの回動軸方向の移動を規制したので、開閉カバーの開放角度に関係なく回動支点の係合を維持可能となる。さらに、開閉カバーに隣接して配置される外装カバーを移動規制部材として用いた場合、ヒンジピンの抜け止め部材を別途設けることなく回動支点の係合を維持可能となり、部品点数及び組み立て工数を削減可能な画像形成装置となる。
【0045】
また、開閉カバーをロックする機構を設けたので、サブアセンブリー状態でヒンジピンが抜け落ちるおそれがなくなり、より一層組み立て作業性に優れた画像形成装置となる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】は、本発明の画像形成装置の外観斜視図である。
【図2】は、開閉カバーを閉じた状態を示す左側面カバーの斜視図である。
【図3】は、開閉カバーを開放した状態を示す左側面カバーの斜視図である。
【図4】は、開閉カバーを裏面側から見た斜視図である。
【図5】は、開閉カバーの回動支点付近(図4の円S1、S2内)の部分拡大図である。
【図6】は、開閉カバーを上方向から見た側面図(図6(a))及び第1係合穴周辺(円S3内)の部分拡大図(図6(b))である。
【図7】は、左側面カバーから開閉カバーを取り外した状態を示す斜視図である。
【図8】は、左側面カバーの回動支点付近(図9の円S4、S5内)の部分拡大図である。
【図9】は、ヒンジピンをガイド穴、第1係合穴、第2係合穴の順に貫通させた状態を示す側面図(図9(a))及び突起部と第1溝部、第2溝部との関係を示す平面図(図9(b))である。
【図10】は、図9の状態から開閉カバーを所定量回動させた状態を示す側面図(図10(a))及び突起部と第1溝部、第2溝部との関係を示す平面図(図10(b))である。
【図11】は、上面カバーの斜視図である。
【図12】は、上面カバーの角部(図11の円S6内)をカバー裏面側から見た部分拡大図である。
【図13】は、従来の画像形成装置の全体構成を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0047】
35 カセットカバー
36 手差しトレイカバー
37a 左側面カバー(支持部材)
37b 右側面カバー
38a 上面カバー(移動規制部材)
38b 上面カバー
40 開閉カバー
41 (上側の)回動支点(第1の回動支点)
42 (下側の)回動支点(第2の回動支点)
43 回動軸
47 係合用突起(ロック機構)
48 係合部(ロック機構)
50 第1係合穴
51 第2係合穴
52 ヒンジピン
53 突起部
54 第1溝部
55 支持ボス
60 ガイド穴
61 第2溝部
62 ボス穴
100 プリンタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体の外装面の一部を構成する開閉カバーと、該開閉カバーを第1及び第2の回動支点により回動可能に支持する支持部材と、を備えた画像形成装置において、
前記第1の回動支点は、前記開閉カバーの回動軸の一端に設けられた係合穴及び前記支持部材に形成されたガイド穴と、該係合穴及びガイド穴を貫通するヒンジピンとで構成され、前記第2の回動支点は、前記回動軸の他端若しくは前記支持部材のうちいずれか一方に突設された支持ボスと、他方に形成され前記支持ボスが嵌合するボス穴とで構成されており、
前記ヒンジピンの外周面には突起部が設けられ、前記係合穴及び前記ガイド穴にはそれぞれ前記突起部が挿通可能な溝部が形成されるとともに、前記開閉カバーを所定角度に開放したとき前記溝部が重なり合うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記ヒンジピンの前記回動軸方向への移動を規制する移動規制部材を設けたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記移動規制部材は、前記開閉カバーに隣接して配置される外装カバーであることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記開閉カバーを閉じた状態でロックするロック機構を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−298599(P2007−298599A)
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−124842(P2006−124842)
【出願日】平成18年4月28日(2006.4.28)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】