説明

画像形成装置

【課題】 記録紙収納手段に収納された記録紙の含水量が多いときの記録紙の乾燥を、定着手段のウォームアップに影響させないで実行する画像形成装置を提供する。
【解決手段】 記録紙収納手段の内部の湿度を検知し湿度情報を取得する湿度情報取得手段と、前記記録紙収納手段の内部の湿度を低下させる調湿手段と、記録紙に形成された画像を定着する定着手段の温度を検知し温度情報を取得する温度情報取得手段と、湿度情報と温度情報により調湿手段の動作を制御する制御手段と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録紙収納手段に積載して収納された記録紙に画像を形成する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタや複写機等の画像形成装置においては、画像を記録する媒体として、所定の寸法にカットされた記録紙が通常用いらる。従来、記録紙(用紙)としては、普通紙や上質紙が用いられ、これらの普通紙や上質紙は表面平滑度が低いことから、重なり合う記録紙間の密着力が低く、給紙トレイ等の記録紙積載部から記録紙を1枚ずつ分離して繰り出す際に、いわゆる重送と呼ばれる複数枚の記録紙が分離せずに密着して供給される現象の発生を防ぐことが比較的容易であった。しかしながら、近年では、表面平滑度の高いものも含めて多種の記録紙の搬送が要求されるようになってきており、特に、カラー化技術の進展に伴い白色度を上昇させ光沢を出した塗工紙(記録紙の両面または片面を印刷適性の改良を目的としたコート層を塗工した記録紙)や、フィルムシート、トレーシングペーパー等も使用されるようになっている。これらの塗工紙や、フィルムシート、トレーシングペーパー等は重なり合う記録紙間の密着力が強いことから、重送が発止しやすく、重送を防ぐには特別な対策が必要となってきた。
【0003】
例えば塗工紙を例にとって説明すると、塗工紙は上質になるほど塗工量が増して白色光沢度が上昇すると共に、紙表面の凹凸が減って平滑度が高くなる。表面の平滑度が高くなると、重ねたときの紙同士の間隔に空気を通しにくい状態となり、接した紙同士を引き剥がそうとすると負圧が維持され、記録紙(用紙)は強く密着し引き剥がし難くなる。
【0004】
このような記録紙間の密着が強い記録紙を、その記録紙が積載された給紙トレイから1枚ずつ繰り出す際には、1枚ずつ分離して搬送することが非常に難しくなり、1枚ずつ分離して搬送しようとしても、複数枚の記録紙が搬送されてしまう、いわゆる、重送の発生する度合いが普通紙に比べて高くなる。
【0005】
このような給送時における記録紙に対する密着を解消する方法として、積載された記録紙の側面からエアーを吹き付ける技術が提案されている(特許文献1参照)。かかる技術によれば、平滑度の高い記録紙における密着力の解消に大きな効果を上げることが出来る。
【0006】
一方、記録紙間の密着については、記録紙が含む水分の量、すなわち含水量の影響が大きく、記録紙の含水量が多くなると密着度が高くなって引き剥がし難く、より重度の重送が発生することが知られている。したがって、重送の発生を回避するためには、ペーパーをできるだけ乾燥させて給紙を行うことが有効である。記録紙の含水量は記録紙が収納されている環境条件、とりわけ湿度条件が大きく影響する。かかる課題に対して、除湿ヒータによって熱せられた空気を積載されている記録紙束に吹き付ける給紙装置(特許文献2参照)や、記録紙の収納された環境における湿度を測定し、湿度の高いときにヒータによって熱せられた空気(熱風)を用紙面に送風して用紙の吸湿によるカールや波打ちを防止し、紙詰まりや重送を防止する技術が開示されている(特許文献3参照)。このように用紙に熱風を吹き付けて乾燥させ、密着を解いてから給紙する技術により、平滑度の高い記録紙の搬送性能を上昇させることができる。これらの記録紙に熱風を吹き付け乾燥させて給紙を行う技術においてはヒータの出力は大きい方が記録紙の乾燥時間が短縮されるので望ましい。
【0007】
ところで、画像形成装置においては、トナー像を記録紙に転写した後に、記録紙を定着手段で加熱、加圧してトナーを溶融し記録紙に固着させてプリントを形成する。定着手段は通電により発熱する定着用ヒータを有し、定着用ヒータにより定着手段の温度はトナーを溶融可能な温度に保たれる。電源をOFFし画像形成装置が使用されないで放置されるときには定着用ヒータへの通電が絶たれるので定着手段の温度は周囲温度と等しくなるまで低下する。画像形成装置の使用にあたり電源スイッチがONされると定着用ヒータへの通電がなされ、定着手段の温度ををトナーを溶融可能な温度、すなわち定着可能な温度にまで到達させる。この、電源スイッチONから定着手段を定着可能な温度にまで上昇させる動作をウォームアップと呼び、電源スイッチONから定着手段を定着可能な温度にまで上昇させるまでの時間をウォームアップ時間と呼ぶ。ウォームアップ中は定着動作が行えないので画像形成動作は禁止され、ユーザは画像形成を行うにあたりウォームアップ完了を待たなければならない。
【0008】
このようなウォームアップ中の待機時間を短縮することが、ユーザの利便性を高める上で従来より重要な課題となっている。画像形成装置の定着器のウォームアップ時間を短縮させる技術としては、例えば、記録媒体のサイズおよび枚数から、形成する総画像面積を算出し、この総画像面積を定着するのに必要な定着器の温度を設定する方法(例えば特許文献4参照)や、薄肉化により加熱部材の熱容量を低減させ、かつ、電磁誘導加熱定着方式と呼ばれる加熱方法を採用して、加熱効率を向上させる方法(例えば特許文献5参照)等が提案されている。
【0009】
定着用ヒータの出力を大きくすることは、ウォームアップ時間を短縮する効果が大きいので、一般には、ウォームアップ中は大出力で定着用ヒータを駆動し、短時間でウォームアップが完了するようにしている。通常、画像形成装置の消費電力はウォームアップ時が最大となる。そして、ウォームアップが完了すると定着用ヒータの出力を落とし定着温度を維持するように制御される。
【0010】
一方、プリンタや複写機等の画像形成装置のように配電盤やコンセントに接続されて使用される機器においては、接続する配電盤やコンセントの供給電力の制限の範囲で使用されなければならない。前述の定着用ヒータを大出力で動作させることは、定着用ヒータに大電力を供給することを意味するが、その供給電力は接続する配電盤やコンセントの制限の範囲で設定される。
【0011】
このウォームアップに並行して記録紙乾燥を行うことは、記録紙乾燥のための電力をウォームアップに並行して供給することになり、画像形成装置の消費電力は非常に大きいものになる。接続する配電盤やコンセントの供給電力の制限の範囲を勘案し、記録紙乾燥のための電力を確保するために定着用ヒータへの供給電力を制限するとウオームアップ時間が長くなり、ユーザにとって使用勝手が悪くなる。従来の画像形成装置では、ユーザの利便性の観点からウォームアップと記録紙乾燥との電力の適切な配分を行う配慮はなされていなかった。
【特許文献1】特開平11−5643号公報
【特許文献2】特開2001−48366号公報
【特許文献3】特開平4−217529号公報
【特許文献4】特開平10−39674号公報
【特許文献5】特開平7−295414号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
含水量の多い記録紙を使用する際に記録紙の乾燥を、定着手段のウォームアップに影響させないで実行する画像形成装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記課題は、以下の構成により達成される。
(1)記録紙を積載して収納する記録紙収納手段と、
前記記録紙収納手段の内部の相対湿度を検知し湿度情報を取得する湿度情報取得手段と、
前記記録紙収納手段の内部を調湿する調湿手段と、
記録紙に形成された画像を定着する定着手段と、
前記定着手段の温度を検知し温度情報を取得する温度情報取得手段と、
前記湿度情報と前記温度情報に基づいて前記調湿手段の動作を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
(2)前記調湿手段は、複数の出力値に基づいて調湿動作が可能である
ことを特徴とする(1)に記載の画像形成装置。
(3)前記制御手段は、
前記湿度情報取得手段により取得した湿度情報が所定の範囲外にあり、かつ前記温度情報取得手段により取得した温度情報が所定の範囲外にあるときには、前記調湿手段を第1の出力値に基づいて調湿動作させるように制御し、
前記湿度情報取得手段により取得した湿度情報が所定の範囲外にあり、かつ前記温度情報取得手段により取得した温度情報が所定の範囲内にあるときには、前記調湿手段を第1の出力値より高い第2の出力値に基づいて調湿動作させるように制御することを特徴とする(2)に記載の画像形成装置。
(4)記録紙を積載して収納する記録紙収納手段と、
前記記録紙収納手段の内部の湿度を検知し湿度情報を取得する湿度情報取得手段と、
前記記録紙収納手段の内部を調湿する調湿手段と、
記録紙に形成された画像を定着する定着手段と、
前記定着手段を加熱する加熱手段と、
前記湿度情報と前記加熱手段の動作状況とに基づいて前記調湿手段の動作を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
(5)前記調湿手段は、複数の出力値に基づいて調湿動作が可能であり、
前記加熱手段は、複数の出力値に基づいて加熱動作が可能である
ことを特徴とする(4)に記載の画像形成装置。
(6)前記制御手段は、
前記湿度情報取得手段により取得した湿度情報が所定の範囲外にあり、かつ前記加熱手段が第1の出力値に基づいて動作しているときには、前記調湿手段を第1の出力値に基づいて調湿動作させるように制御し、
前記湿度情報取得手段により取得した湿度情報が所定の範囲外にあり、かつ前記加熱手段が第1の出力値より低い第2の出力値に基づいて動作しているときには、前記調湿手段を第1の出力値より高い第2の出力値に基づいて調湿動作させるように制御することを特徴とする(5)に記載の画像形成装置。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の発明によれば、定着手段の温度状況と記録紙収納手段の相対湿度情報を踏まえて調湿手段の動作を制御することにより、定着手段の所定の温度までの加熱を優先して画像形成の準備動作を行う使い勝手の良い画像形成装置を提供できる。
【0015】
請求項2、3に記載の発明によれば、記録紙収納手段の湿度情報が所定の範囲外にあり、かつ、定着手段の温度情報が所定の範囲外にあるときには調湿手段を第1の能力で動作させ、温度情報が所定の範囲内のときには調湿手段を第2の能力で動作させることにより、記録紙収納手段の調湿を定着手段の所定の温度までの加熱を優先しつつ適切な出力で実施する使い勝手の良い画像形成装置を提供できる。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、加熱手段の動作状況と記録紙収納手段の相対湿度情報を踏まえて調湿手段の動作を制御することにより、定着手段の所定の温度までの加熱を優先して画像形成の準備動作を行う使い勝手の良い画像形成装置を提供できる。
【0017】
請求項5、6に記載の発明によれば、記録紙収納手段の湿度情報が所定の範囲外にあり、加熱手段が第1の出力値で動作しているときには調湿手段を第1の能力で動作させ、加熱手段が第2の出力値で動作しているときには調湿手段を第2の能力で動作させることにより、定着手段の所定の温度までの加熱を優先しつつ記録紙収納手段の調湿を適切な出力で実施する使い勝手の良い画像形成装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の実施の形態を説明するにあたり、まず、本発明の基本となる概念を説明する。
【0019】
図7は、画像形成装置に使用される記録紙を、所定環境に放置した試験における記録紙の質量の変化を示すグラフである。試験は、温度22℃、相対湿度35%RHの環境に保管されていた記録紙(塗工紙、サイズ:A3、坪量:157g/m2)を、温度30℃、相対湿度80%RHの環境に移して時間の経過と共に変化する記録紙の質量を測定し、その後温度40℃、相対湿度49%RHの環境に戻して時間の経過と共に変化する記録紙の質量を測定した。質量の測定は電子天秤を使用した。
【0020】
図7において、横軸は時間の経過、縦軸は記録紙の質量を示す。またAは温度22℃、相対湿度35%RHの環境に保管していた記録紙を、温度30℃、相対湿度80%RHの環境に移した時点であり、Bは温度30℃、相対湿度80%RHの環境に保管していた記録紙を、温度40℃、相対湿度49%RHの環境に移した時点である。図7のグラフにおいては、記録紙の質量はAからBの範囲で増加し、B以降は減少している。AからBに向かう範囲では、相対湿度35%RHの環境に保管されていた記録紙が相対湿度80%RHの環境における空気中の水蒸気を吸収することにより質量が増加することを示すもので、記録紙の質量の変化は記録紙に含まれる水分量の変化を示す。またB以降では、相対湿度80%RHの環境に保管されていた記録紙が相対湿度49%RHの環境に移されたことにより、含んでいた水分を水蒸気として空気中に放出することにより質量が減少することを示している。図7から、記録紙の含水量は、記録紙を保管する環境の相対湿度値に連動することが判る。
【0021】
また、以下の表1は、画像形成装置の記録紙収納手段の相対湿度値と、収納された記録紙の給送トラブルの発生状況を確認した結果を示す表である。
【0022】
【表1】

【0023】
表1の画像形成装置の記録紙収納手段の相対湿度値と、収納された記録紙の給送トラブルの発生状況を確認するにあたり、画像形成装置の記録紙収納手段を、温風ヒータで加熱した空気を循環させることにより所定の相対湿度値が得られるようした。確認に使用した記録紙は全て平滑度の高い塗工紙であり、密着力小の塗工紙A、密着力中の塗工紙B、密着力大の塗工紙C、密着力大の塗工紙Dを選定した。一部の記録紙は坪量の異なるものも選定している。試験は画像形成装置の記録紙収納手段に記録紙を収容し、記録紙収納手段を温風ヒータにより加熱した空気を循環させて所定の相対湿度値とし、その湿度環境内に収容された記録紙の給紙を行い、トラブル無く給紙が行われた回数をカウントした。そしてその評価結果は、1000回の連続給紙を給紙トラブル無く実施できた場合を○、連続給紙回数が100〜1000回に止まったときを△、連続給紙回数が100回に満たない場合を×とした。
【0024】
表1から、記録紙収納手段の相対湿度値を50%RH未満とするときには、塗工紙の密着力、坪量に関係なく給紙に影響が無いことが判る。記録紙収納手段の相対湿度値が50%RH未満であるときには、収納されている記録紙の含水量は給紙トラブルを発生させないレベルとなっているものと推定される。
【0025】
以下説明する画像形成装置は、前述の知見に基づき構成されたもので、
記録紙収納環境の相対湿度により給紙動作を制御する。すなわち、記録紙収納環境の相対湿度が所定の範囲内にあるときには給紙を許可し、記録紙収納環境の相対湿度値が所定の範囲内にないとき、すなわち、記録紙収納環境の相対湿度値が所定の範囲外にあるときには給紙を禁止する。また、記録紙収納環境を調湿する調湿手段を有し、記録紙収納環境の相対湿度が所定の範囲内にないとき、すなわち記録紙収納環境の相対湿度値が所定の範囲外にあるときに調湿手段を動作させるにあたり、定着手段の温度により調湿手段を動作の制御を行うものである。
<発明の第1の実施の形態>
図1は、本発明を適用した画像形成装置を示す概念図である。画像形成装置Aは、公知の電子写真技術により画像形成を行うデジタル式の複写機であり、自動原稿送り装置1、読み取り手段2、書き込み手段3、画像形成手段4、定着手段5、反転排紙手段6、再給紙手段7、記録紙給送手段8、記録紙収納手段9、制御手段C1、操作表示手段60等から構成されている。
【0026】
自動原稿送り装置1は、原稿載置台10の上に載置された原稿Dを1枚ずつ原稿搬送路11に送り出し、原稿排紙台12に排紙する。搬送中の原稿Dの画像面は、原稿読み取り位置13にて読み取り手段2により読み取りがなされる。原稿Dの両面の画像を読み取る場合には、第1面の読み取りがなされた原稿Dを反転手段14により反転して、再度、原稿搬送路11に送り出し、第2面の読み取りを行い、原稿排紙台12に排紙する。読み取り手段2は、光源21、第1ミラーユニット22、第2ミラーユニット23、結像レンズ24、CCD25等からなり、画像読み取り位置13を走行する原稿Dの画像を走査して、その画像をCCD25に結像させて、光学的情報である原稿画像情報を電気的情報に変換する。変換された原稿画像情報は、A/D変換、シェーディング補正、圧縮等の処理が施され、制御手段C1のメモリM1に保存される。書き込み手段3は、レーザ光源、シリンドリカルレンズ、Fθレンズ、ミラー、ポリゴン等で構成される走査光学系で、前記メモリM1から読み出された画像情報に対応して変化するレーザビームにて、画像形成手段4の感光体41の表面を走査して、前記感光体41の表面に潜像を形成する。画像形成手段4は、感光体41の表面に形成された潜像を、現像手段42にて現像処理を行いトナー画像として顕像化するものである。前記トナー画像は、転写手段43によりレジストローラ81にて送り出された記録媒体である記録紙Pに転写される。トナー画像の転写を終えた感光体表面は、クリーニング手段44により、残留トナーが除去されて、帯電手段45により電荷が付与されて、次の潜像形成に供される。
【0027】
定着手段5は、対向して配置された、熱ローラ51と、加圧ローラ52とによりトナー画像を担持した記録紙Pを挟持し加熱加圧することにより、トナー画像を記録紙Pに定着する。熱ローラ51の温度は、トナー画像を記録紙Pに定着可能な所定温度に非図示の定着用ヒータ53により保たれる。熱ローラ51の温度は温度情報取得手段である温度検知手段TSにより検知される。熱ローラ51の温度が所定温度に満たないとき、例えばウォームアップが完了していない状況では、定着手段による定着動作が不可能な状態であり、記録紙の給紙を含む画像形成動作は禁止される。また、熱ローラ51の温度が所定温度の範囲内であるとき、例えばウォームアップが完了している状況では、定着手段による定着動作が可能な状態であり、記録紙の給紙を含む画像形成動作が許可される。
【0028】
定着用ヒータ53は、温度検知手段TSにより検知、取得された熱ローラ51の温度情報が所定の温度に満たないときには、大電力を供給されて熱ローラ51が所定の温度に短時間で到達するように動作する。この、大電力を供給されて動作する状態を第1の出力値に基づく動作と称することにする。また、定着用ヒータ53は、温度情報が所定の温度に到達したときには、熱ローラ51の温度を所定の温度に維持可能な電力を供給される。この、熱ローラ51の温度を所定の温度に維持可能な電力を供給されて動作する状態を第2の出力値に基づく動作と称することにする。
【0029】
すなわち、定着用ヒータ53は、熱ローラ51が所定の温度に満たないときには、第1の出力値に基づく動作を行い、熱ローラ51が所定の温度に到達したときには、第2の出力値に基づく動作を行う。定着用ヒータ53に供給される電力は第2の出力値で動作するときの方が第1の出力値で動作するときよりも小さい。従って、熱ローラ51の温度が所定温度以下のときには、定着用ヒータ53は大電力の第1の出力値で動作して速やかに所定温度に到達させ、熱ローラ51の温度が所定温度に到達後は、第1の出力値で動作するときの電力よりも小さい電力の第2の出力値で動作して、熱ローラ51の温度を所定温度に維持させ、かつ、電力消費量を抑制している。
【0030】
画像定着を終えた記録紙Pは、排紙ローラ55により、排出される。記録紙Pを反転させて排紙する場合には、排紙ガイド57により記録紙Pを下方に導き、反転手段の反転ローラ61に前記記録紙Pの後端を挟持させ、反転して排紙ローラ55に送り出す。記録紙Pの両面に画像形成を行う場合には、排紙ガイド57と複数のローラにより記録紙Pを再給紙手段7に送り、再給紙手段7の反転ローラ71により記録紙Pを反転して、再度、記録紙給送手段8に送り出す。記録紙給送手段8は、複数のローラと、ガイド部材とからなる記録紙の搬送路で、給紙手段9から送り出された記録紙Pを搬送して、記録紙Pの先端をレジストローラ81に突き当てた後、トナー画像を転写するために感光体41に向けて送り出す。
【0031】
記録紙収納手段9は、画像形成装置による画像形成に供される記録紙を収納し、収納された記録紙Pを1枚ずつ記録紙給送手段8に送り出す。本実施の形態の画像形成装置は第1記録紙収納部91と第2記録紙収納部92の二つの記録紙収納手段を有している。
【0032】
第1記録紙収納部91、第2記録紙収納部92は筐体の中に記録紙を収納する記録紙載置台を有し、送り出しローラ載置台に載置された記録紙Pを1枚ずつ記録紙給送手段8に送り出す。二つの記録紙収納部には、サイズ、紙種(塗工の有無)等の異なる記録紙を収納可能であり、制御手段C1からの指示に従い、実行するジョブに指定された条件に対応する記録紙が選択され、給紙される。
【0033】
第1記録紙収納部91は、筐体内に記録紙載置台911を有し、送り出しローラ912により載置台911に載置された記録紙Pを1枚ずつ記録紙給送手段8に送り出す。そして、筐体内の空気を循環させる送風手段913、筐体内の湿度を検知し湿度情報を取得する湿度情報取得手段である湿度センサ914、筐体内の湿度を調湿する調湿手段915を有している。調湿手段915はヒータ916A及びヒータ916Bを有し、筐体内を循環する空気を加熱する。加熱した空気を筐体内を循環させることにより、筐体内の湿度を低下させる。ヒータ916A及びヒータ916Bは、ヒータ916Aのみの動作と、ヒータ916Aとヒータ916Bとの同時動作の切り替えが可能であり、ヒータ916Aとヒータ916Bの同時動作時の発熱量は、ヒータ916Aのみを動作させるときよりも高くなる。したがって、ヒータ916Aとヒータ916Bを同時動作させるときの相対湿度を低下させる能力(調湿手段の出力とも記す)はヒータ916Aのみを動作させるときよりも高くなる。前述の相対湿度を低下させる能力を調湿手段の出力とも記し、ヒータ916Aのみを動作させている状態を第1の出力値に基づく動作、あるいは低出力動作と称し、ヒータ916Aとヒータ916Bとを同時に動作させる状態を第2の出力値に基づく動作、あるいは高出力動作と称することにする。そして、高出力動作時の消費電力は低出力動作時よりも高い。
【0034】
同様に、第2記録紙収納部92も、筐体内に記録紙載置台921を有し、送り出しローラ922により載置台921に載置された記録紙Pを1枚ずつ記録紙給送手段8に送り出す。そして、筐体内の空気を循環させる送風手段923、筐体内の湿度を検知し湿度情報を取得する湿度情報取得手段である湿度センサ924、筐体内の湿度を調湿する調湿手段925を有している。調湿手段925はヒータ926A及びヒータ926Bを有し、筐体内を循環する空気を加熱する。加熱した空気を筐体内を循環させることにより、筐体内の湿度を低下させる。ヒータ926A及びヒータ926Bは、ヒータ926Aのみの動作と、ヒータ926Aとヒータ926Bとの同時動作の切り替えが可能であり、ヒータ926Aとヒータ926Bの同時動作時の発熱量は、ヒータ926Aのみの動作時よりも高くなる。したがって、ヒータ926Aとヒータ926Bの同時動作時の湿度低下能力はヒータ926Aのみの動作よりも高くなる。以下、ヒータ926Aのみを動作させる状態を低出力動作、ヒータ926Aとヒータ926Bとを同時動作させる状態を高出力動作とも記す。そして、調湿手段の消費電力は、高出力動作時の方が低出力動作時よりも高い。
【0035】
操作表示手段60は、画像形成装置Aの本体上面に設けられたタッチパネルで、表示と入力の両方の機能を有し、コピー枚数の設定をはじめ、記録紙収納手段に収納された記録紙のサイズ、塗工の有無等の紙種情報の入力を行うことができる。また、操作表示手段60から、記録紙収納部の相対湿度情報により動作開始を制御するか否かの選択が入力できる。操作表示手段60には、各種の操作ボタンが表示され、かかるボタンの位置に対応した部分に指などによる押圧が加えられると、透明電極(図示せず)からなる押圧感知の感圧センサが押圧を感知する。制御手段C1は感圧センサの感知情報から、かかるボタンが押圧されたと認識する。
【0036】
図2は、操作表示手段60における、記録紙収納手段に収納された記録紙のサイズ、塗工の有無等の紙種情報、操作表示手段60から、記録紙収納部の相対湿度情報により動作開始を制御するか否かの選択を入力する設定入力画面であり、画像形成装置の操作表示手段60の図示しない初期画面から記録紙設定ボタンを操作すると表示される
図2(a)は、設定が未入力の状態のときの設定入力画面61であり、ここから、記録紙収納部へ収納する記録紙のサイズ、種類、記録紙収納部の相対湿度情報により動作開始を制御するか否かの選択を入力できる。
【0037】
図2(a)に示すように、記録紙設定入力画面61は、入力結果表示部62と、設定手段63を有する。設定手段63には、用紙設定を行う対象となる記録紙を収納した収納部を選択する収納部収納部選択ボタン63A1、用紙サイズを選択するサイズ選択ボタン63B1、用紙の紙種を選択する紙種選択ボタン63C1、AモードあるいはBモードのいずれかの給紙モードを選択するモード選択ボタン63D1とを有し、それぞれ、選択結果を決定する決定ボタン63A2〜63D2を有する。これらの選択ボタン及び決定ボタンを操作することにより選択した収納部収納部に収納した記録紙の情報及び所望の給紙モードを入力できる。なお、モード選択におけるAモードとは、給紙開始を記録紙収納部の相対湿度情報により制御する給紙モードである。すなわち、Aモードが選択されたときには、記録紙収納部の相対湿度情報が所定の範囲内にあるときには給紙開始を許可し、相対湿度情報が所定の範囲内にないとき、すなわち、記録紙収納環境の相対湿度値が所定の範囲外にあるときには給紙開始を禁止するように給紙動作が制御される。したがって、塗工紙のような含水量が多いときにに重送等の給送トラブルを発生しやすい用紙を使用するときにはAモードを選択することが有効である。一方、Bモードは、給紙開始を記録紙収納部の相対湿度情報とは関係なしに制御するモードであり、普通紙のような含水量の影響を受けにくい用紙を使用するときに選択される。これら選択結果は、OKボタン63Eを操作することにより確定できる。
【0038】
図2(b)は、図2(a)に示す入力画面から入力がなされた結果を表示した画面で、入力結果表示部62には、収納部1に収納されている記録紙はA4サイズの塗工紙であり、モードはAモードが選択されたことが、また、収納部2に収納されている記録紙はB4サイズの普通紙であり、モードはBモードが選択されたことが表示されている。この状態でOKボタン63Eを操作すると表示された選択結果が確定する。
【0039】
図3は、本発明の実施の形態の画像形成装置の制御関係の構成を示すブロック図である。なお、本図の説明は、本発明の実施の形態に直接係わらない箇所は省略されている。
【0040】
画像形成装置の制御手段C1は、CPU、演算ユニット、メモリMM、メモリM1〜M4、入出力I/F等から構成されるコンピュータシステムである。
【0041】
制御手段C1は、操作表示手段60から入力された記録紙の情報およびジョブ情報をメモリMMに収納し、収納した情報を参照しながら画像形成装置Aの自動原稿送り手段1、読み取り手段2、書き込み手段3、画像形成手段4、定着手段5、反転排出手段6、再給紙手段7、記録紙給送手段8、記録紙収納手段9の動作を制御し、画像形成を行う。
【0042】
制御手段C1は、湿度センサにより検知された記録紙収納室内部の湿度情報を、後述するメモリM2に予め格納されている所定の閾値と比較する。そして、湿度情報が閾値未満のときには、給紙開始を許可するとともに調湿手段の動作を停止し、閾値以上のときには給紙開始を禁止するとともに、調湿手段を動作させる。調湿手段はヒータを有し、ヒータにより加熱された空気を記録紙収納部を循環させることにより、記録紙収納部の湿度を低下させることができる。
【0043】
また、発明の第1の実施の形態においては、制御手段C1は、調湿手段を動作させるにあたり、温度検知手段TSにより検知される定着手段の熱ローラ51の温度がメモリM2に予め格納されている所定の閾値と比較し、閾値以上のときには調湿手段を高出力で動作させ、熱ローラ51の温度が閾値以下のときには調湿手段を低出力で動作させる。ここでメモリM2に予め格納されている熱ローラ51の温度に係る所定の閾値は、定着手段が定着動作可能な温度であり、熱ローラ51の温度が所定の閾値に到達しているとき、例えばウォームアップが完了しているときは、制御手段C1は、定着用ヒータ53を熱ローラ51の温度を所定温度に維持可能な第1の出力値よりも低出力の第2の出力値で動作させるように制御する。また、熱ローラ51の温度が所定の閾値に到達していないとき、例えばウォームアップが完了していないときは、定着用ヒータ53を第2の出力値よりも高出力の第1の出力値で動作させる。定着用ヒータ53を第1の出力値で動作させることにより熱ローラ51を速やかに所定温度に到達させることができる。
【0044】
この制御手段C1が特許請求の範囲に記した制御手段にあたり、これらの制御は、予めメモリMMに格納してあるプログラムを実行することによりなされる。
【0045】
ここで、メモリM2は、基準とする記録紙収納室内部の湿度値および定着手段の熱ローラの温度を閾値情報としてあらかじめ収納する記憶手段であり、メモリM3は、また、記録紙収納部の数(本実施の形態においては2)をnmaxとしてあらかじめ収納する記憶手段である。また、メモリM4は、カウンタとして機能するインクリメント可能な記憶手段である。
【0046】
本実施の形態における画像形成装置は記録紙収納室の筐体内部の湿度を検知し、検知した湿度情報をメモリM2に予め格納されている所定の閾値と比較し、筐体内部の湿度が閾値より高い場合には給紙開始を禁止するとともに調湿手段を動作させて筐体内部の湿度を低下させ、筐体内部の湿度が閾値より低い場合には給紙開始を許可する。
【0047】
また、本実施の形態における画像形成装置は2基の記録紙収納部を有しているが、メモリM4がインクリメント可能なカウンタとして機能することにより、2基の記録紙収納部に対して筐体内の湿度の検出結果に基づく給紙開始許可、あるいは、給紙開始禁止を順次行うことができる。
【0048】
図4は、本発明の第1の実施形態における画像形成装置の、記録紙収納手段の湿度確認と湿度確認結果に基づくジョブの実行の制御の流れを説明するフローチャートである。
以下、図4に示すフローチャートにより動作を説明する。
【0049】
制御手段C1は、画像形成装置の電源の投入を待ち、電源が投入される(ステップS1)と、メモリMMに格納してあるプログラムの実行を開始し、ステップS2に移行する。
ステップS2にては、制御手段C1は、各手段の画像形成の準備動作を開始する。このとき、定着手段のウォームアップが開始され、熱ローラ51を加熱する定着用ヒータ53への電力の供給を開始し動作を開始する。定着用ヒータ53は、定着手段の温度状況により第1の出力値あるいは第2の出力値で動作する。
【0050】
次いで、ステップS3では、メモリM4のカウンタ数nをリセットしn=1とする(ステップS3)。nはその数値に対応する記録紙収納部の番号となる。実施の形態における画像形成装置においては、数値n=1に対応する記録紙収納部は第1記録紙収納部91であり、数値n=2に対応する記録紙収納部は第2記録紙収納部92である。以下数値nに対応する記録紙収納部を給紙部nとも記す。
【0051】
ステップS4にては、給紙部n(ここでは第1記録紙収納部91)に収納されている記録紙を使用するジョブの実行モード選択がモードAであるか否かを確認する。選択モードがモードAであるとき(ステップS4:Yes)には、ステップS5に移行する。また、選択モードがモードAでないとき(ステップS4:No)には、ステップS15に移行する。
【0052】
ステップS5では、給紙部nの筐体内部の湿度情報を湿度測定手段にて取得し、ステップS6に移行する。ここでは第1記録紙収納部91の筐体内部の湿度情報を湿度測定手段913にて取得し、ステップS6に移行する。
【0053】
ステップS6では、ステップS5にて取得した湿度情報が所定の範囲内にあるか否かを確認する。湿度が所定の範囲内にあるか否かの確認は湿度情報をメモリM2に収納された閾値(基準値)と比較することによりなされる。本実施の形態においては基準値は50(%RH)であり、制御手段C1は湿度測定手段913にて取得された湿度情報が50%RH未満であるときに記録紙収納部内の湿度が所定の範囲内にあると判定し、取得された湿度情報が50%RH以上であるときに記録紙収納部内の湿度が所定の範囲内にない、すなわち、記録紙収納環境の相対湿度値が所定の範囲外にあると判定する。
【0054】
ステップS6にて給紙部n内の湿度が所定の範囲内にあるとき(ステップS6:Yes)には、ステップS13に移行する。ステップS6にて、給紙部n内の湿度が所定の範囲内にないとき(ステップS6:No)には、記録紙収納環境の相対湿度値が所定の範囲外でありステップS7に移行する。
【0055】
ステップS7にては、定着手段の熱ローラ51の温度を温度検知手段TSにて検知し、温度情報を取得する。
【0056】
次いでステップS8にて、定着手段の温度が、所定の範囲内にあるか否かを確認する。定着手段の温度が所定の範囲内にあるか否かの確認は、ステップS7で取得された定着手段の温度情報を、メモリM2に収納された閾値情報と比較することによりなされる。定着手段の温度が所定の範囲内にあるとき(ステップS8:Yes)は、定着用ヒータ53は定着手段を定着動作が可能な温度に維持する第2の出力値で動作している状態であり、ステップS9に移行する。
【0057】
ステップS9では、給紙部nの調湿手段が高出力で動作中であるか否かを確認し、調湿手段が高出力で動作中でないとき(ステップS9:No)には、ステップS10にて調湿手段を高出力で動作させてステップS5に戻り、調湿手段が高出力で動作中のとき(ステップS9:Yes)には、直接ステップS5に戻る。
【0058】
また、ステップS8にて、定着手段の温度が所定の範囲内にないとき(ステップS8:No)は、記録紙収納環境の相対湿度値が所定の範囲外にあるときであり、定着用ヒータ53は定着手段を定着動作が可能な温度に速やかに到達させる第1の出力値で動作している状態であり、ステップS11に移行する。
【0059】
ステップS11では給紙部nの調湿手段が低出力で動作中であるか否かを確認し、調湿手段が低出力で動作中でないとき(ステップS11:No)には、ステップS12にて調湿手段を低出力で動作させてステップS5に戻り、調湿手段が低出力で動作中のとき(ステップS11:Yes)には、直接ステップS5に戻る。
【0060】
ステップS5に戻ると、ステップS5において給紙部nの湿度情報の取得と、ステップS6における湿度が所定の範囲内にあるか否かの確認を行い、湿度が所定の範囲内に到達してないときにはステップS7〜ステップS12を経てステップS5に戻る工程を繰り返し、湿度が所定の範囲内に到達していることが確認されるとステップS13に移行する。
【0061】
ステップS13では給紙部nの調湿手段が動作中であるか否かを確認し、調湿手段が動作中であるとき(ステップS13:Yes)には、ステップS14にて調湿手段の動作を停止させてステップS15に移行し、調湿手段が動作中でないとき(ステップS13:No)には、直接ステップS15に移行する。
【0062】
ステップS15にては、給紙部n、ここでは第1記録紙収納部91に収納されている記録紙を使用するジョブがあるか否かを確認する。ステップS15にて、ジョブが給紙部nに収納されている記録紙を使用するジョブであるとき(ステップS15:Yes)には、ステップS16に移行する。また、給紙部nに収納されている記録紙を使用するジョブがないとき(ステップS15:No)には、ステップS19に移行する。ステップS19の動作については後述する。
【0063】
ステップS16では、定着手段の熱ローラ51の温度を温度検知手段TSにて検知、測定し温度情報を取得する。
【0064】
次いでステップS17にて、定着手段の温度が、所定の範囲内にあるか否かを確認する。定着手段の温度が所定の範囲内にあるか否かの確認は、ステップS16で取得された定着手段の温度情報を、メモリM2に収納された閾値情報と比較することによりなされる。定着手段の温度が所定の範囲内にあるとき(ステップS17:Yes)には、定着手段の定着動作が可能な状態であり、ステップS18に移行する。また、定着手段の温度が所定の範囲内にないとき(ステップS17:No)、すなわち、記録紙収納環境の相対湿度値が所定の範囲外にあるときは、定着手段の定着動作が不可能な状態であり、ステップS16に戻り、ステップS16における定着手段の温度情報の取得と、ステップS17における定着手段の温度が所定の範囲内にあるか否かの確認を、定着手段の温度が所定の範囲内に到達するまで繰り返す。
【0065】
ステップS18にては、給紙部nに収納されている記録紙の給紙が許可され、当該記録紙収納部に収納されている記録紙の給紙が実行される。給紙された記録紙には画像形成がなされる。ステップS18の工程が実行されるとステップS19に移行する。
【0066】
ステップS19にては、メモリM4のカウンタ数値nに1をインクリメントし、メモリM4のカウンタ数値nをn=n+1とし、ステップS20に移行する。ここまでの流れではn=1であったのでn=n+1=1+1=2となる。
【0067】
ステップS20にては、メモリM4のカウンタ数値nを、メモリM3に収納されているnmax(記録紙収納部の数、本実施の形態においてはnmax=2)と比較する。比較結果n>nmaxでないとき(ステップS20:No)にはステップS4に移行する。ここまでの流れではn=2となり、n>nmaxではないのでステップS4に移行する。
【0068】
ステップS4に移行した後は、ステップS4〜ステップS18までの工程をメモリM4のカウンタ数値n=2に対応する給紙部n、ここでは、第2記録紙収納部92に関して実行し、モード、筐体内の湿度、ジョブの内容、定着手段の温度の確認結果に基づき第2記録紙収納部92の給紙実行、あるいは調湿手段を高出力あるいは低出力で動作させ、ステップS19に移行する。
【0069】
ステップS19にては、メモリM4のカウンタ数値nに1をインクリメントし、メモリM4のカウンタ数値nをn=n+1とし、ステップS20に移行する。ここまでの流れではn=2であったのでn=n+1=2+1=3となる。
【0070】
ステップS20にては、新たなメモリM4のカウンタ数値nを、メモリM3に収納されているnmax(記録紙収納部の数、本実施の形態においてはnmax=2)と比較する。比較結果n>nmaxでないとき(ステップS20:No)にはステップS4に移行する。ここまでの流れではn=3となり、n>nmaxである(ステップS20:Yes)のでステップS21に移行する。
【0071】
ステップS21にては、電源OFFが入力されているかを確認する。電源OFFが入力されていないとき(ステップS21:No)にはステップS3に戻り、ステップS3にてメモリM4のカウンタ数値をn=1にリセットし、以下ステップS4〜ステップS20までの工程をメモリM4のカウンタ数値nに対応する給紙部nに関して繰り返す。
【0072】
ステップS21にて電源OFFが入力されているとき(ステップS21:Yes)にはステップS22に移行し、画像形成装置の動作を終了する。
【0073】
このように定着手段の温度が所定の温度に到達していないとき、例えばウォームアップ実施中のときには、調湿手段を低出力で動作させることにより、定着手段のウォームアップに必要な電力を確保しつつ、給紙部内の除湿を行い、定着手段のウォームアップ完了後は調湿手段を高出力で動作させるので、調湿手段への電力供給により定着手段のウォームアップ時間に影響を与えず、また速やかに除湿を行うことが可能な使い勝手の良い画像形成装置が提供できる。
<発明の第2の実施形態>
前述の発明の第1の実施形態は、記録紙収納手段の湿度情報と定着手段の温度状況に基づいて調湿手段の動作を制御するものであった。
【0074】
以下述べる発明の第2の実施形態は、記録紙収納手段の湿度情報と定着手段の加熱手段の動作状況に基づいて調湿手段の出力値を制御するものである。
【0075】
発明の第2の実施形態においても、制御手段C1は温度検知センサTSにより熱ローラ51の温度情報を取得し、メモリM2に予め格納されている熱ローラ51の温度に係る閾値と比較する。そして、温度情報が所定の閾値に到達しているとき、例えばウォームアップが完了しているときは、制御手段C1は、定着用ヒータ53を熱ローラ51の温度を所定温度に維持するに足りる、第1の出力値よりも低出力の、第2の出力値で動作させるように制御し、また、熱ローラ51の温度が所定の閾値に到達していないとき、例えばウォームアップが完了していないときは、定着用ヒータ53を第2の出力値よりも高出力の第1の出力値で動作させるように制御する。
【0076】
発明の第2の実施形態においては、制御手段C1は、記録紙収納手段の湿度情報に基づいて調湿手段を動作させるにあたり、定着手段における加熱手段の動作状況を確認し、加熱手段である定着用ヒータ53が第1の出力値で動作しているときには調湿手段を第2の出力値で動作させ、定着用ヒータ53が第2の出力値で動作しているときには調湿手段を第1の出力値で動作させる。すなわち、制御手段C1は、定着用ヒータ53が大電力の第1の出力値で動作しているときには、調湿手段を小電力の第2の出力値で動作させるように制御し、定着用ヒータ53が小電力の第2の出力値で動作しているときには、調湿手段を大電力の第1の出力値で動作させるように制御する。
【0077】
図5は、本発明の第2の実施の形態における画像形成装置の、記録紙収納手段の湿度確認と湿度確認結果に基づくジョブの実行の制御の流れを示すフローチャートである。
以下、図5に示すフローチャートを説明する。
【0078】
制御手段C1は、画像形成装置の電源の投入を待ち、電源が投入される(ステップS1)と、メモリMMに格納してあるプログラムの実行を開始し、ステップS2に移行する。
【0079】
ステップS2にては、制御手段C1は、各手段の画像形成の準備動作を開始する。このとき、定着手段のウォームアップが開始され、熱ローラ51を加熱する定着用ヒータ53への電力の供給を開始し動作を開始する。定着用ヒータ53は、定着手段の温度状況により第1の出力値、あるいは第2の出力値で動作する。
【0080】
次いで、ステップS3では、メモリM4のカウンタ数nをリセットしn=1とする(ステップS3)。nはその数値に対応する記録紙収納部の番号となる。実施の形態における画像形成装置においては、数値n=1に対応する記録紙収納部は第1記録紙収納部91であり、数値n=2に対応する記録紙収納部は第2記録紙収納部92である。以下数値nに対応する記録紙収納部を給紙部nとも記す。
【0081】
ステップS4にては、給紙部nに収納されている記録紙を使用するジョブの実行モード選択がモードAであるか否かを確認する。選択モードがモードAであるとき(ステップS4:Yes)には、ステップS5に移行する。また、選択モードがモードAでないとき(ステップS4:No)には、ステップS15に移行する。
【0082】
ステップS5では、給紙部nの筐体内部の湿度情報を湿度測定手段にて取得し、ステップS6に移行する。
【0083】
ステップS6では、ステップS5にて取得した湿度情報が所定の範囲内にあるか否かを確認する。湿度が所定の範囲内にあるか否かの確認は湿度情報をメモリM2に収納された閾値(基準値)と比較することによりなされる。本実施の形態においては基準値は50(%RH)であり、制御手段C1は湿度測定手段913にて取得された湿度情報が50%RH未満であるときに記録紙収納部内の湿度が所定の範囲内にあると判定し、取得された湿度情報が50%RH以上であるときに記録紙収納部内の湿度が所定の範囲内にない、すなわち、記録紙収納環境の相対湿度値が所定の範囲外にあると判定する。
【0084】
ステップS6にて給紙部n内の湿度が所定の範囲内にあるとき(ステップS6:Yes)には、ステップS13に移行する。ステップS6にて、給紙部n内の湿度が所定の範囲内にないとき(ステップS6:No)、すなわち、記録紙収納環境の相対湿度値が所定の範囲外にあるときは、ステップS7に移行する。
【0085】
ステップS7にては、定着ヒータ53が第1の出力値で動作しているか、第2の出力値で動作しているかの、定着ヒータ作動情報を取得する。
【0086】
次いでステップS8にて、定着ヒータ作動情報に基づき、定着ヒータ53が第1の出力値で動作しているか否かを確認する。定着ヒータ53が第1の出力値で動作していないとき(ステップS8:No)は、ステップS9に移行する。
【0087】
ステップS9では、給紙部nの調湿手段が高出力で動作中であるか否かを確認し、調湿手段が高出力で動作中でないとき(ステップS9:No)には、ステップS10にて調湿手段を高出力で動作させてステップS5に戻り、調湿手段が高出力で動作中のとき(ステップS9:Yes)には、直接ステップS5に戻る。
【0088】
定着ヒータ53が第1の出力値で動作していないとき、すなわち、第2の出力値で動作しているときは、定着ヒータ53に供給する電力は小さいので調湿手段に大きい電力を供給可能であり、調湿手段を高出力で動作させることにより給紙部内の除湿を短時間で実施できる。
【0089】
また、ステップS8にて定着ヒータ53が第1の出力値で動作しているとき(ステップS8:Yes)は、ステップS11に移行する。
【0090】
ステップS11では給紙部nの調湿手段が低出力で動作中であるか否かを確認し、調湿手段が低出力で動作中でないとき(ステップS11:No)には、ステップS12にて調湿手段を低出力で動作させてステップS5に戻り、調湿手段が低出力で動作中のとき(ステップS11:Yes)には、直接ステップS5に戻る。
【0091】
定着ヒータ53が第1の出力値で動作しているときは、熱ローラ51が所定の温度に到達していない状態であり、画像形成が不可能な状態のときである。定着ヒータ53が第1の出力値で動作しているときには、調湿手段には小さい電力を供給して低出力で動作させることにより、定着ヒータ53は大電力で動作を継続することができ、速やかに、熱ローラ51を所定の温度に到達させることができる。また、調湿手段を低出力で動作させるので、給紙部内の除湿も並行して実施できる。
【0092】
ステップS5に戻ると、ステップS5において給紙部nの湿度情報の取得と、ステップS6における湿度が所定の範囲内にあるか否かの確認を行い、湿度が所定の範囲内に到達してないときにはステップS7〜ステップS12を経てステップS5に戻る工程を繰り返し、湿度情報が所定の範囲内に到達していることが確認されるとステップS13に移行する。
【0093】
ステップS13では給紙部nの調湿手段が動作中であるか否かを確認し、調湿手段が動作中であるとき(ステップS13:Yes)には、ステップS14にて調湿手段の動作を停止させてステップS15に移行し、調湿手段が動作中でないとき(ステップS13:No)には、直接ステップS15に移行する。
【0094】
ステップS15にては、給紙部n、ここでは第1記録紙収納部91に収納されている記録紙を使用するジョブがあるか否かを確認する。ステップS15にて、ジョブが給紙部nに収納されている記録紙を使用するジョブであるとき(ステップS15:Yes)には、ステップS16に移行する。また、給紙部nに収納されている記録紙を使用するジョブがないとき(ステップS15:No)には、ステップS19に移行する。ステップS19の動作については後述する。
【0095】
ステップS16では、定着手段の熱ローラ51の温度を温度検知手段TSにて検知、測定し温度情報を取得する。
【0096】
次いでステップS17にて、定着手段の温度が、所定の範囲内にあるか否かを確認する。定着手段の温度が所定の範囲内にあるか否かの確認は、ステップS16で取得された定着手段の温度情報を、メモリM2に収納された閾値情報と比較することによりなされる。定着手段の温度が所定の範囲内にあるとき(ステップS17:Yes)には、定着手段の定着動作が可能な状態であり、ステップS18に移行する。また、定着手段の温度が所定の範囲内にないとき(ステップS17:No)、すなわち、記録紙収納環境の相対湿度値が所定の範囲外にあるときは、定着手段の定着動作が不可能な状態であり、ステップS16に戻り、ステップS16における定着手段の温度情報の取得と、ステップS17における定着手段の温度が所定の範囲内にあるか否かの確認を、定着手段の温度が所定の範囲内に到達するまで繰り返す。
【0097】
ステップS18にては、給紙部nに収納されている記録紙の給紙が許可され、当該記録紙収納部に収納されている記録紙の給紙が実行される。給紙された記録紙には画像形成がなされる。ステップS18の工程が実行されるとステップS19に移行する。
【0098】
ステップS19にては、メモリM4のカウンタ数値nに1をインクリメントし、メモリM4のカウンタ数値nをn=n+1とし、ステップS20に移行する。
【0099】
ステップS20にては、メモリM4のカウンタ数値nを、メモリM3に収納されているnmax(記録紙収納部の数、本実施の形態においてはnmax=2)と比較する。比較結果n>nmaxでないとき(ステップS20:No)にはステップS4に移行する。
【0100】
ステップS4に移行した後は、ステップS4〜ステップS18までの工程をメモリM4のカウンタ数値n=2に対応する給紙部nに関して実行し、モード、筐体内の湿度、ジョブの内容、定着手段の温度の確認結果に基づき第2記録紙収納部92の給紙実行、あるいは調湿手段を高出力あるいは低出力で動作させ、ステップS19に移行する。
【0101】
ステップS19にては、メモリM4のカウンタ数値nに1をインクリメントし、メモリM4のカウンタ数値nをn=n+1とし、ステップS20に移行する。
【0102】
ステップS20にては、新たなメモリM4のカウンタ数値nを、メモリM3に収納されているnmax(記録紙収納部の数、本実施の形態においてはnmax=2)と比較する。比較結果n>nmaxでないとき(ステップS20:No)にはステップS4に移行する。n>nmaxである(ステップS20:Yes)ときにはステップS21に移行する。
【0103】
ステップS21にては、電源OFFが入力されているかを確認する。電源OFFが入力されていないとき(ステップS21:No)にはステップS3に戻り、ステップS3にてメモリM4のカウンタ数値をn=1にリセットし、以下ステップS4〜ステップS20までの工程をメモリM4のカウンタ数値nに対応する給紙部nに関して繰り返す。
【0104】
ステップS21にて電源OFFが入力されているとき(ステップS21:Yes)にはステップS22に移行し、画像形成装置の動作を終了する。
【0105】
次に、本発明の実施の形態における画像形成装置の消費電力の時間変化について、図6を用いて説明する。
【0106】
図6は、本発明の実施形態の画像形成装置における消費電力と時間の関係を示す図である。図6(a)は定着手段のウォームアップのみを行うときにおける消費電力と時間の関係を示す図であり、図6(b)は定着手段のウォームアップとともに調湿手段を動作させるときの図であり、それぞれ、縦軸は消費電力を、横軸は経過時間を示す。なお、図6(a)、図6(b)では説明を簡単にするため、定着ヒータの消費電力と、調湿手段のの消費電力のみを示してある。
【0107】
図6(a)において、PMは電源に許容される最大電力であり、P1は本実施例の画像形成システムのウォームアップ時に定着ヒータに供給する電力である。P1はPMに対して適当な余裕を持たせてある。P3は画像形成装置Aのウォームアップが完了したときの待機電力である。
【0108】
図6(a)において、時間0は、画像形成装置の電源が投入され、準備動作が開始されるタイミングであり、定着手段のウォームアップが開始、すなわち定着ヒータへの電力供給が開始される。このとき、できるだけ短時間で熱ローラ61の温度が所定の温度に到達してウォームアップが完了するように、定着用ヒータ53は高出力の第1の出力値で動作し、消費電力は電源容量PMに近いP1となる。tWは熱ローラ61の温度が所定の温度に到達し、定着手段のウォームアップが完了するタイミングである。熱ローラ61の温度が所定の温度に到達すると、定着用ヒータ53は定着手段を所定温度に保温するに足る低出力の第2の出力値で動作するので、消費電力は電力P2に減少する。
【0109】
図6(b)は、モードAが選択され、給紙部nの筐体内の相対湿度が所定の数値を上回ったときの状態であり、給紙部nの調湿手段が動作するときの消費電力と時間の関係を示す図である。
【0110】
図6(b)において、時間0は画像形成装置の電源が投入され、ステップS2の準備動作がが開始されるタイミングであり、定着手段のウォームアップが開始される。そして、給紙部nの筐体内の相対湿度が所定値を上回ると判断されると、調湿手段を動作させる。発明の第1の実施の形態においては定着手段の温度情報により定着手段の温度が所定値に到達していないとき、すなわちウォームアップ中は調湿手段を低出力で動作させる。また、第2の実施の形態においては、定着ヒータが第1の出力値で動作中のときは調湿手段を低出力で動作させる。
【0111】
図6(b)において、t1は調湿手段を動作させるタイミングであり、P3は定着用ヒータ53を高出力の第1の出力値で動作させると同時に調湿手段を低出力で動作させているときの消費電力である。調湿手段を低出力で動作させる電力はP3からP1を減じたP3−P1であり、P3は電源容量PMを越えないように設定される。また、tWは熱ローラの温度が所定の温度に到達し、ウォームアップが完了したタイミングである。tWにて熱ローラの温度が所定の温度に到達すると定着用ヒータ53を低出力の第2の出力値で動作させる。発明の第1の実施の形態においては定着手段の温度情報により熱ローラの温度が所定の温度に到達すると調湿手段を高出力で動作させる。また、第2の実施の形態においては、定着ヒータが第2の出力値で動作中のときは調湿手段を高出力で動作させる。
【0112】
4は定着用ヒータ53を第2の出力値で動作させ、同時に調湿手段を高出力で動作させているときの消費電力である。調湿手段を高出力で動作させる電力はP4からP2を減じたP4−P2であり、P4は電源容量PMを越えないように設定される。また図6(b)からも明らかなように、定着用ヒータ53を第1の出力値で動作させるときに調湿手段を動作させる電力P3−P1より、定着用ヒータ53を第2の出力値で動作させるときに調湿手段を動作させる電力P4−P2の方を大きくすることが可能なので、熱ローラの温度が所定の温度に到達後の記録紙収納手段内の調湿を高出力で実施できる。
【0113】
調湿手段の動作により給紙部n内の相対湿度が低下し、湿度情報が所定範囲内に到達したことが確認されると調湿手段の動作を終了する。このタイミングがt2である。t2以降は給紙部nに収納した記録紙を使用しての画像形成が可能である。
【0114】
このように定着手段のウォームアップのときのように、定着手段の熱ローラの温度が所定の温度に到達していないとき、あるいは定着ヒータを第1の出力値で動作させているときには、調湿手段を低出力で動作させることにより、定着手段のウォームアップに必要な電力を確保しつつ、給紙部内の除湿を行い、定着手段のウォームアップ完了後のときのように、定着手段の熱ローラの温度が所定の温度に到達しているとき、あるいは定着ヒータを第2の出力値で動作させているときには、調湿手段を高出力で動作させるので、除湿動作が定着手段のウォームアップに影響を与えることのない、また、ウォームアップ完了後は速やかに除湿を行う使い勝手の良い画像形成装置が提供できる。
【0115】
また、記録紙収納部の内部の湿度が所定の範囲内にあるとき給紙を許可し、記録紙収納部の内部の湿度が所定の範囲内にないとき、すなわち、記録紙収納環境の相対湿度値が所定の範囲外にあるときは給紙を禁止するので、含水量の多い記録紙を給送することによる紙詰まりや重送等の不具合の発生を防止する利便性の高い画像形成装置を提供できる。
【0116】
なお、本発明における調湿手段の高低の出力値は、電源容量、定着手段ウォームアップに必要な電力量、待機電力量を勘案してそれぞれ設定が可能であり、低出力動作には、出力0、例えば、定着手段がウォームアップ中で定着用ヒータ53が高出力の第1の出力値で動作中のときには、調湿手段を動作させないことも含まれる。同様に、定着用ヒータの第1あるいは第2の出力値も、電源容量、ウォームアップに必要な電力量、待機電力量を勘案してそれぞれ設定が可能であり、第2の出力値には、出力0、例えばウォームアップ完了後は、定着用ヒータ53への電力供給を行わないことも含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】本発明の実施形態の画像形成装置を示す概念図である。
【図2】記録紙収納手段に収納された記録紙のサイズ、塗工の有無等の紙種情報等を入力する設定入力画面である。
【図3】画像形成装置の制御関係の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施形態における画像形成装置の、記録紙収納手段の湿度確認と湿度確認結果に基づくジョブの実行の制御の流れを説明するフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施形態における画像形成装置の、記録紙収納手段の湿度確認と湿度確認結果に基づくジョブの実行の制御の流れを説明するフローチャートである。
【図6】本発明の画像形成装置における消費電力と時間の関係を示す図である。
【図7】記録紙を、所定環境に放置したときの質量の変化を示すグラフである。
【符号の説明】
【0118】
A 画像形成装置
1 自動原稿送り装置
2 読み取り手段
3 書き込み手段
4 画像形成手段
5 定着手段
51 熱ローラ
53 定着用ヒータ
TS 温度検知手段
7 再給紙手段
8 記録紙給送手段
9 記録紙収納手段
91 第1記録紙収納部
911 記録紙載置台
912 送り出しローラ
913 送風手段
914 湿度センサ
915 調湿手段
916A、B ヒータ
92 第2記録紙収納部
921 記録紙載置台
922 送り出しローラ
923 送風手段
924 湿度センサ
925 調湿手段
926A、B ヒータ
60 操作表示手段
63 設定手段
C1 制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録紙を積載して収納する記録紙収納手段と、
前記記録紙収納手段の内部の相対湿度を検知し湿度情報を取得する湿度情報取得手段と、
前記記録紙収納手段の内部を調湿する調湿手段と、
記録紙に形成された画像を定着する定着手段と、
前記定着手段の温度を検知し温度情報を取得する温度情報取得手段と、
前記湿度情報と前記温度情報に基づいて前記調湿手段の動作を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記調湿手段は、複数の出力値に基づいて調湿動作が可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御手段は、
前記湿度情報取得手段により取得した湿度情報が所定の範囲外にあり、かつ前記温度情報取得手段により取得した温度情報が所定の範囲外にあるときには、前記調湿手段を第1の出力値に基づいて調湿動作させるように制御し、
前記湿度情報取得手段により取得した湿度情報が所定の範囲外にあり、かつ前記温度情報取得手段により取得した温度情報が所定の範囲内にあるときには、前記調湿手段を第1の出力値より高い第2の出力値に基づいて調湿動作させるように制御することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
記録紙を積載して収納する記録紙収納手段と、
前記記録紙収納手段の内部の湿度を検知し湿度情報を取得する湿度情報取得手段と、
前記記録紙収納手段の内部を調湿する調湿手段と、
記録紙に形成された画像を定着する定着手段と、
前記定着手段を加熱する加熱手段と、
前記湿度情報と前記加熱手段の動作状況とに基づいて前記調湿手段の動作を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
前記調湿手段は、複数の出力値に基づいて調湿動作が可能であり、
前記加熱手段は、複数の出力値に基づいて加熱動作が可能である
ことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御手段は、
前記湿度情報取得手段により取得した湿度情報が所定の範囲外にあり、かつ前記加熱手段が第1の出力値に基づいて動作しているときには、前記調湿手段を第1の出力値に基づいて調湿動作させるように制御し、
前記湿度情報取得手段により取得した湿度情報が所定の範囲外にあり、かつ前記加熱手段が第1の出力値より低い第2の出力値に基づいて動作しているときには、前記調湿手段を第1の出力値より高い第2の出力値に基づいて調湿動作させるように制御することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−84170(P2007−84170A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−271685(P2005−271685)
【出願日】平成17年9月20日(2005.9.20)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】