説明

画像形成装置

【課題】本体とオプション装置を電気的に接続するケーブルを通すため本体に形成された開口部をカバーで覆うものとし、このカバーを本体とオプション装置の組み合わせ状態安定のためにも用いることができるようにする。
【解決手段】画像形成装置1の本体10はオプション装置20の上に載置して使用することができる。本体10の下面には、オプション装置20に対し電気的接続を行うケーブルを通す開口部15が形成され、この開口部15には板金製のカバー16が組み合わせられる。カバー16は断面L字状になっており、本体10を単独で使用するときは短辺16bを本体10の側面に当て、長辺16aで開口部15を覆うようにビス17で固定される。オプション装置20に本体10を載置するときは、長辺16aを本体10の側面に当て、短辺16bをオプション装置20に係合させる形にビス17で固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機やプリンタなどの画像形成装置において、各種オプション装置を組み合わせて機能を高めることがしばしば行われる。例えば特許文献1には、排紙装置、用紙搬送装置、自動原稿給送装置などをオプション装置として装着できるデジタル複写機が記載されている。また特許文献2には、オプション機器の取り付けの有無にかかわらず部分カバーを破棄することなく使用可能とした画像形成装置が記載されている。
【特許文献1】特開2002−182441号公報
【特許文献2】特開2000−270133号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
画像形成装置の本体にオプション装置を組み合わせる場合、本体からオプション装置に給電を行い、また本体でオプション装置を制御するため、両者を電気的に接続する必要がある。そのような電気的接続を行うケーブルを通す開口部が本体に形成されるが、この開口部は、オプション装置を連結しないときには、カバーで覆われる。本発明は、このカバーを、本体とオプション装置の組み合わせ状態を安定させるためにも用いることができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
(1)上記目的を達成するために本発明は、オプション装置上に本体を載置可能な画像形成装置において、前記本体の下面に、前記オプション装置に対し電気的接続を行うケーブルを通す開口部を形成し、また、前記開口部を覆う着脱可能なカバーを設け、前記カバーは、前記オプション装置上に本体を載置したときは、オプション装置と本体の連結部材に転用できることを特徴としている。
【0005】
この構成によると、画像形成装置の本体をオプション装置上に載置したとき、オプション装置に対し電気的接続を行うケーブルを通すため本体に形成された開口部を覆っていたカバーをもってオプション装置と本体を連結できるから、画像形成装置の置き場所を移動するときなど、オプション装置と本体とがずれて部品が破損したり、作業者が怪我をしたりすることを防止できる。またオプション装置を組み合わせることでカバーが無駄な部品になってしまうことがなく、オプション装置と本体を連結するための専用部品を用意する必要もないので、資源の浪費を避け、製品コストを低減できる。
【0006】
(2)また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記カバーは断面L字形をなし、前記オプション装置に前記本体を載置しないときは、L字の短辺を本体側面に当て、L字の長辺を本体下面に当てる形で取り付けられ、前記長辺で前記開口部を閉ざすものであり、オプション装置に本体を載置するときは、前記長辺を本体側面に当て、前記短辺をオプション装置に係合させる形で取り付けられることを特徴としている。
【0007】
この構成によると、本体単体で用いるときも、本体にオプション装置を組み合わせた状態で用いるときも、カバーの取り付けに関してはその姿勢を変換させるだけで対応できる。
【0008】
(3)また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記カバーは前記長辺と短辺の両方にビス止め用の穴を有し、これらの穴を貫通するビスは、前記本体側面に設けられた長辺短辺共通のねじ穴にねじ込まれることを特徴としている。
【0009】
この構成によると、カバーの長辺と短辺に対しねじ穴を別個に設ける必要がなく、構成を簡素化できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、画像形成装置の本体にオプション装置を組み合わるために本体から取り外すことが必要となる部品を利用して、両者の組み合わせ状態を安定化させるものであり、オプション装置から本体が転落するといった事故を防げるうえ、部品を無駄にしないで済む。また、この部品が板金製であれば、本体とオプション装置のアースを強化することにも寄与する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の実施形態を図1−5に示す。図1は画像形成装置の外観斜視図、図2、3は画像形成装置の部分拡大斜視図にして互いに異なる状態を示すもの、図4、5は画像形成装置の部分拡大断面図にして互いに異なる状態を示すものである。
【0012】
画像形成装置1はデジタル複写機であり、本体10の筐体11内に用紙供給部及び画像形成部を内蔵している。本体10の上面には排紙部12があり、排紙部12の上方にはスキャナユニット13がカンチレバー方式で張り出し、そのスキャナユニット13の前端に操作パネル14が設けられている。
【0013】
本体10には、必要に応じオプション装置20が組み合わせられる。オプション装置20は給紙カセットユニットであり、その上に本体10が載置される。オプション装置20は、筐体21の底面の四隅に取り付けたキャスター22で床面上に移動自在に支持される。
【0014】
本体10にオプション装置20を組み合わせるときは、両者をケーブルで電気的に接続する必要がある。ケーブルは図示されていないが、それを通すための開口部は図示されている。すなわち本体10の底部に形成した開口部15を図3、4、5に見ることができ、開口部15に対応してオプション装置20の天井部に形成した開口部23を図2、5に見ることができる。
【0015】
開口部15は筐体11の内部の板金製シャーシ11aに形成される。開口部23は筐体21の内部の板金製シャーシ21aに形成される。筐体11、21はシャーシ11a、21aに合成樹脂製外装カバーを装着して構成されるものであり、この外装カバーにシャーシ11a、21aの一部を露出させる窓11b、21bが形成されている。
【0016】
本体10の開口部15は、本体10をオプション装置20に組み合わせないで単独で使用する場合には板金製のカバー16で覆う。これは、開口部15から異物が侵入したり、開口部15に棒状のものや指が差し込まれたりすることを防止するためである。また、電気安全規格の面からも開口部15を閉じる必要がある。
【0017】
カバー16は断面L字形であって、長辺16aと短辺16bを有する。カバー16は1本のビス17で本体10に取り付けられるものであり、長辺16aと短辺16bにはビス17を通すための穴18a、18bが形成されている。穴18bはカバー16の中心線に沿って延びる長穴となっている。穴18a、18bを貫通したビス17は、本体10の側面、正確に言えばシャーシ11aの側面に設けられた、長辺16aにも短辺16bにも共通するねじ穴19(図3参照)にねじ込まれる。
【0018】
図4に示すように、また図3に仮想線で示すように、カバー16を、短辺16bを本体10の側面、正確に言えばシャーシ11aの側面に当て、長辺16aをシャーシ11aの下面に当てる形で本体10にあてがい、開口部15を長辺16aで覆う。その後ビス17をねじ穴19にねじ込み、カバー16を固定する。
【0019】
本体10にオプション装置20を組み合わせるときは、ビス17を緩めてカバー16を取り外し、開口部15を通じてケーブルを出し入れできる状態にする。そして本体10とオプション装置20の電気的接続を済ませた後、カバー16を、今度は長辺16aが本体10の側面、正確に言えばシャーシ11aの側面に当たるようにあてがう。短辺16bの方は、図2及び図5に示すように、オプション装置20のシャーシ21aに形成された鴨居状部24の下面に係合させる。そして穴18aを通じてビス17をねじ穴19にねじ込み、カバー16を締付固定すれば、本体10とオプション装置20はカバー16を介して連結されることになる。
【0020】
これにより、本体10とオプション装置20の結合が強固になり、本体10を押して画像形成装置1を移動させるときも、本体10が転落して破損、あるいは作業者が怪我をするといったことがない。またカバー16がずっと使用され続けるので、後日、オプション装置20なしで本体10を使用することになったときも、開口部15を覆うカバーを探したり、入手したりする手間が省ける。さらに、カバー16は板金部品なので、本体10とオプション装置20のアースを強化することにも寄与する。
【0021】
実施形態の場合、カバー16が荷重に耐える力はビス17まかせということになるが、本体10に対する凹凸係合部を長辺16aに形成して、耐荷重力を高めてもよい。また、カバー16とシャーシ21aがずれないよう、短辺16bと鴨居状部24の間に凹凸係合部を設けてもよい。あるいは、鴨居状部24にねじ穴を形成し、このねじ穴に穴18bを通じてビスをねじ込むことにより、カバー16とシャーシ21aの結合を確実なものにしてもよい。
【0022】
その他発明の主旨を逸脱しない範囲でさらに種々の変更を加えて実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明は、オプション装置の上に本体を載置する画像形成装置に広く利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】画像形成装置の外観斜視図
【図2】画像形成装置の部分拡大斜視図
【図3】画像形成装置の部分拡大斜視図にして、図2と異なる状態を示すもの
【図4】画像形成装置の部分拡大断面図
【図5】画像形成装置の部分拡大断面図にして、図4と異なる状態を示すもの
【符号の説明】
【0025】
1 画像形成装置
10 本体
11 筐体
11a シャーシ
15 開口部
16 カバー
16a 長辺
16b 短辺
17 ビス
18a、18b 穴
19 ねじ穴
20 オプション装置
21 筐体
21a シャーシ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オプション装置上に本体を載置可能な画像形成装置において、
前記本体の下面に、前記オプション装置に対し電気的接続を行うケーブルを通す開口部を形成し、また、前記開口部を覆う着脱可能なカバーを設け、前記カバーは、前記オプション装置上に本体を載置したときは、オプション装置と本体の連結部材に転用できることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記カバーは断面L字形をなし、前記オプション装置に前記本体を載置しないときは、L字の短辺を本体側面に当て、L字の長辺を本体下面に当てる形で取り付けられ、前記長辺で前記コネクタソケットを閉ざすものであり、オプション装置に本体を載置するときは、前記長辺を本体側面に当て、前記短辺をオプション装置に係合させる形で取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記カバーは前記長辺と短辺の両方にビス止め用の穴を有し、これらの穴を貫通するビスは、前記本体側面に設けられた長辺短辺共通のねじ穴にねじ込まれることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−262010(P2008−262010A)
【公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−104395(P2007−104395)
【出願日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】