説明

画像形成装置

【課題】 製造コストが高くなることを抑制しつつ、良好な画像平行度の画像形成を行うことができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】 用紙の搬送方向に直交する方向である用紙の幅方向を左右方向とした場合に、転写入口ガイド板200の右側の固定部である長穴200bに対するネジ203を締める位置を変更することによって用紙の搬送方向について長穴200bの装置本体に対する位置を変更して、転写入口ガイド板200の左右突き出し量を可変とすることによって、出力した画像に画像平行度のズレが生じるものであっても画像平行度を調節することができるので、ある程度の画像平行度のズレが生じる部品精度でも良く、製造コストが高くなることを抑制しつつ、転写入口ガイド板200の左右突き出し量を画像平行度が向上するように調節することで良好な画像平行度の画像形成を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、複合機、印刷機などの画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置として、画像情報に基づいてトナー像担持体の表面上にトナー像形成し、このトナー像を転写紙等の記録体上に転写して画像を形成するものがある。このような画像形成装置として、記録体を記録体収容部から搬送手段によって搬送し、記録体転写ニップでトナー像担持体上のトナー像を記録体上に転写し、定着手段でトナー像を記録体上に定着させるものが知られている。
このような画像形成装置で、記録体転写ニップに向かって搬送される記録体が記録体転写ニップに侵入する前に、トナー像担持体やトナー像担持体と対向して記録体転写ニップを形成する転写ローラに衝突するおそれがある。記録体が衝突すると記録体の先端部が折れたり、トナー像担持体や転写ローラが損傷したりする不具合が発生するおそれがある。さらに、記録体が衝突すると記録体が記録体転写ニップに進入するタイミングが遅れるおそれがある。トナー像担持体上のトナー像が記録体の所定の位置に転写されるように記録体は記録体転写ニップに向けて搬送されており、記録体が記録体転写ニップに進入するタイミングが遅れると、記録体に対するトナー像の転写位置が所定の位置からずれてしまう不具合が生じる。
特許文献1に記載の画像形成装置では、記録体転写ニップの入口側に搬送されてきた記録体が記録体転写ニップに進入するようにガイドする転写入口ガイド板を備えている。転写入口ガイド板によって記録体が記録体転写ニップに案内させることにより、記録体が衝突する衝撃を軽減して上述の不具合の防止することができる。
【0003】
【特許文献1】特開2004−109405号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、画像形成装置内を搬送される記録体の搬送方向に直交する方向である記録体の幅方向を左右方向とする。画像形成装置では、長方形の画像情報を元に画像形成したときに、記録体に形成される画像の左端の長さと、右端の長さとが同一であることが求められる。しかし、通常は部品の精度誤差の積み上がりによって、搬送のときに記録体に加わる力が記録体の左側と右側とで異なってくる。搬送のときに記録体に加わる力としては、記録体を記録体転写ニップに向かって送り出すレジストローラ対で加わる搬送方向の力、定着装置で記録体を挾持する定着ニップで加わる搬送方向の力等がある。さらに、搬送される記録体が接触するガイド部材などの各部材によって、記録体に対して搬送方向とは逆方向の摩擦力が加わる。すなわち、搬送される記録体に接触するすべての部材によってなんらかの力が記録体に加わる。
搬送される記録体に加わる力が記録体の左側と右側とで異なると、記録体の搬送速度が左右で異なり、記録体転写ニップを通過する時間も記録体の左右で異なる。そして、長方形の画像情報を元に画像形成したときに、記録体転写ニップを通過する時間が長い方の端部が他方の端部よりも画像が短い台形状の画像となり、画像平行度のズレが生じた画像となる。
【0005】
高い精度の画像出力が求められる業務用の画像形成装置では、このような画像平行度を向上するために、記録体搬送路を形成する部品、転写ローラ、トナー像担持体、定着装置などの部品精度を高めることで改善を図っている。しかしながら、搬送される記録体に接触する部材のすべてを画像平行度に影響が出ないレベルの高い部品精度にすることは、製造コストが非常に高くなるため一般ユーザー向けの画像形成装置では困難である。
【0006】
本発明は、以上の問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、製造コストが高くなることを抑制しつつ、良好な画像平行度の画像形成を行うことができる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、トナー像を形成する画像形成手段と、該画像形成手段が形成した該トナー像を表面に担持して無端移動するトナー像担持体と、表面が無端移動し、該トナー像担持体と対向して記録体上に該トナー像を転写する記録体転写ニップを形成する記録体転写部材と、該記録体転写ニップで該トナー像を転写された記録体に該トナー像を定着する定着装置とを有し、該記録体転写ニップの入口側に搬送されてきた記録体が該記録体転写ニップに進入するようにガイドする転写入口ガイド板を有する画像形成装置において、記録体の搬送方向に直交する方向である記録体の幅方向を左右方向とした場合に、該転写入口ガイド板の左右突き出し量が可変であることを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記転写入口ガイド板は左右の突き出し量が異なるものと交換することにより、該転写入口ガイド板の左右突き出し量を可変にしたことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1または2の画像形成装置において、上記転写入口ガイド板の左右方向の中心に対して左右それぞれに装置本体に対して該転写入口ガイド板を固定する固定部を備え、記録体の搬送方向について該転写入口ガイド板の左右の少なくとも一方の固定部の装置本体に対する位置を変更することにより、該転写入口ガイド板の左右突き出し量を可変にしたことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1、2または3の画像形成装置において、上記転写入口ガイド板は左右方向の中央に装置本体に対する回転支点を有し、上記転写入口ガイド板は該回転支点を中心に回転させて装置本体に対する固定位置を変更することにより、該転写入口ガイド板の左右突き出し量を可変にしたことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1、2、3または4の画像形成装置において、上記転写入口ガイド板の記録体の搬送方向下流側の先端がR形状であることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1、2、3、4または5の画像形成装置において、上記転写入口ガイド板の記録体の搬送方向下流側の先端に可撓性部材を備えることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1、2、3、4、5または6の画像形成装置において、上記転写入口ガイド板の記録体の搬送方向下流側の先端を、記録体が通過する側に対して上記転写入口ガイド板を挟んで反対側から加圧するガイド板加圧機構を備えることを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1、2、3、4、5、6または7の画像形成装置において、記録体が通過する領域を挟んで上記転写入口ガイド板の反対側に、通過する記録体に対して該転写入口ガイド板側に加圧する用紙加圧機構を備えることを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7または8の画像形成装置において、記録体が通過する領域を挟んで上記転写入口ガイド板と対向するガイド対向部材について、記録体の搬送方向下流側ほど、該転写入口ガイド板と該ガイド対向部材との距離が短くなることを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9の画像形成装置において、上記記録体転写部材はローラ形状の転写ローラであり、該転写ローラは両端部の径に比べて中央部の径の方が大きい太鼓形状であることを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10の画像形成装置において、上記トナー像担持体は、潜像形成手段によって形成された潜像を現像手段によって現像されることでその表面に上記トナー像を担持する像担持体から、該トナー像を転写され、該トナー像を担持して上記記録体転写ニップまで搬送し、該記録体転写ニップで記録体上に該トナー像を転写する中間転写体であることを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11の画像形成装置において、上記トナー像担持体は張架部材によって張架されるベルト状のトナー像担持ベルトで、上記記録体転写部材はローラ形状の転写ローラであり、該トナー像担持ベルトを挟んで上記記録体転写ローラと対向する転写対向ローラを有することを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、請求項12の画像形成装置において、上記転写対向ローラの取付け位置に対して、上記転写ローラの取付け位置の方が記録体の搬送方向上流側であることを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、請求項11、12または13の画像形成装置において、上記転写対向ローラの芯金を鉄製としたことを特徴とするものである。
また、請求項15の発明は、請求項11、12、13または14の画像形成装置において、上記トナー像担持ベルトの材料としてポリイミドを用いることを特徴とするものである。
【0008】
本発明者らが行った図6、図7及び図8を用いて後述する実験の結果、転写入口ガイド板の左右突き出し量を変化させることにより、画像が形成された記録体上の画像の画像平行度を調節できることが分かった。
上記請求項1乃至15の画像形成装置においては、該転写入口ガイド板の左右突き出し量が可変であるため、出力した画像に画像平行度のズレが生じるものであっても、画像平行度を調節することができる。また、画像平行度のズレが生じていても良いため、各部材は画像平行度に影響が出ないレベルまで高い部品精度を必要としていない。
【発明の効果】
【0009】
請求項1乃至15の発明によれば、各部材の部品精度が画像平行度のズレが生じる程度の部品精度でよいため製造コストが高くなることを抑制しつつ、転写入口ガイド板の左右突き出し量を画像平行度が向上するように調節することで良好な画像平行度の画像形成を行うことができるという優れた効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る画像形成装置の一例であるフルカラープリンタ(以下、単に「プリンタ100」という)の概略を示す断面構成図である。プリンタ100は、装置本体のほぼ中央部に、複数のローラに巻き掛けられた中間転写ベルト11aを備える中間転写ユニット11を配設している。そして、中間転写ユニット11の下側走行辺に沿って四個の作像ユニット10(Y,C,M,Bk)を配設している。
【0011】
画像形成手段である各作像ユニット10(Y,C,M,Bk)の構造は同一であり、それぞれ像担持体としての感光体ドラム1を具備している。この感光体ドラム1の周りには、プロセス手段として、感光体ドラム1を帯電する帯電手段としての帯電装置103と、感光体ドラム1に残留した現像剤等を除去する感光体クリーニング装置104とが一体的に構成されている。そして、これに感光体ドラム1上に形成された潜像を現像する現像手段である現像装置105が連結する構成となっている。さらに、各感光体ドラム1に対向する位置において中間転写ベルト11aの内側に一次転写手段としての一次転写ローラ12が設けられている。本実施形態の場合、四個の作像ユニット10は同一構造に構成されているが、各作像ユニットの現像装置で扱う現像剤の色がマゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの四色に異なっている。本例の場合、四個の作像ユニット10は、図において左からマゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの色順に配置されている。各作像ユニット10はプロセスカートリッジとしてプリンタ100本体に着脱可能に設けられている。各作像ユニット10は、プリンタ100の図1中手前側に設けられた不図示の開閉式面板の開閉方向(感光体ドラム1の回転軸の軸方向)に出し入れすることにより、プリンタ100本体に対して着脱可能となっている。
【0012】
中間転写ユニット11は、トナー像担持体(中間転写体)としての中間転写ベルト11a、中間転写ベルト11aを回転可能に支持する4つのローラ13、131、132、133を備えている。また、各感光体ドラム1に形成されたトナー像を中間転写ベルト11aに転写する4つの一次転写ローラ12を備えている。そして、中間転写ベルト11aを支持する4つのローラのうちの一つは、記録体転写部材である二次転写ローラ19と中間転写ベルト11aを挟んで対向する転写対向ローラ13である。
【0013】
作像ユニット10の下方には潜像形成手段としての光書き込み装置14が設けられている。光書き込み装置14は不図示のポリゴンミラーやミラー群等を有しており、光変調されたレーザ光を各色作像ユニットの感光体ドラム1の表面に照射する。光書き込み装置14は、各作像ユニット10に個別に設けてもよいが、共通の光書き込み装置を用いればコストの点で有利である。なお、実施形態のプリンタ100では、中間転写ベルト11aを備える中間転写ユニット11として、光書き込み装置14もユニット化されて、それぞれ装置本体50に対して着脱可能に構成されている。
【0014】
装置の下部には二段の給紙カセット15(a,b)がセットされており、各給紙カセットに対応する給紙手段である給紙部材16(a,b)が設けられている。給紙部材16(a,b)はそれぞれ、呼び出しローラ、供給ローラ及び分離ローラから構成されている。その給紙部材16(a,b)によって給送される転写紙等の記録体(以下、用紙という)を搬送するために、搬送ローラ対17(a,b)が設けられている。上側の搬送ローラ対17の上方(用紙搬送方向の下流側)にはレジストローラ対18が設けられている。そのレジストローラ対18の上方には、二次転写手段としての二次転写ローラ19が、中間転写ベルト11aが掛け渡されるローラの一つである転写対向ローラ13に対向して設けられている。そして、二次転写ローラ19と転写対向ローラ13とは中間転写ベルト11aを挟んで、記録体転写ニップとしての二次転写ニップを形成している。
【0015】
二次転写ニップの上側には定着装置20が設けられている。定着装置20は、定着ローラ44と加熱ローラ47とに張架される定着ベルト46と、定着ベルト46を挟んで定着ローラ44を押圧する加圧ローラ45とを備えており、定着ローラ44と加圧ローラ45とは定着ベルト46を挟んで、定着ニップを形成している。そして、駆動ローラである定着ローラ44が図中反時計回りに回転駆動することで定着ベルト46が反時計回りに表面移動し、従動ローラである加圧ローラ45も連れ回りで時計回りに回転する。
【0016】
装置本体50の上面は排紙トレイ30として構成されており、その排紙トレイ30に用紙を排出するための排紙ローラ対29が、定着装置20の左上方に位置して設けられている。
排紙トレイ30の下方には、各作像ユニット10(Y,C,M,Bk)に供給するトナーを収容するトナー収容部としてのトナーボトル57(Y,C,M,Bk)を備えている。不図示の駆動手段によりトナーボトル57(Y,C,M,Bk)を回転させることにより、不図示のパイプを通してトナー搬送し、各作像ユニット10(Y,C,M,Bk)に新しいトナーを供給することができる。
【0017】
移動構造体である開閉ドアとしての両面ユニット60内には、スイッチバック搬送路61及び再給紙路62が形成されている。スイッチバック搬送路61の入口部(装置上側)には第一反転ローラ対31が設けられ、スイッチバック搬送路61の中途には第二反転ローラ対32が設けられている。第一反転ローラ対31及び第二反転ローラ対32は、正逆回転可能に構成されている。そして、再給紙路62をほぼ三等分する位置に、搬送ローラ対26,27が配置されている。前述の第三切替爪23は、第一反転ローラ対31のすぐ隣で、スイッチバック搬送路61から再給紙路62への進入部に位置して配置されている。
【0018】
両面ユニット60の側面には手差しトレイ33が引き出し及び収納可能に設けられている。図1では、手差しトレイ33を引き出した状態を示してある。この手差しトレイ33から用紙を給紙するために、呼び出しローラ、供給ローラ及び分離ローラからなる給紙部材34が設けられている。その給紙部材34の側方、装置内側に位置して再給紙ローラ28が配設されている。再給紙ローラ28の上下両側には従動ローラがそれぞれ圧接されている。この再給紙ローラ28は正逆回転可能に構成されており、再給紙路62から用紙を再給紙する場合は図中反時計回りに回転駆動され、手差しトレイ33から用紙を給紙する場合は図中時計回りに回転駆動される。
【0019】
上記のように構成された本例のプリンタ100における画像形成動作について簡単に説明する。作像ユニット10の感光体ドラム1が図示しない駆動手段によって図中時計方向に回転駆動され、その感光体ドラム1の表面が帯電装置103によって所定の極性に一様に帯電される。帯電された感光体ドラム1表面には、光書き込み装置14からのレーザ光が照射され、これによって感光体ドラム1表面に静電潜像が形成される。このとき、各感光体ドラム1に露光される画像情報は所望のフルカラー画像をイエロー、マゼンタ、シアン、及び黒の色情報に分解した単色の画像情報である。このように形成された静電潜像に現像装置105から各色トナーが付与され、トナー像として可視化される。
【0020】
また、中間転写ベルト11aが矢印で示すように図中反時計回りに走行駆動され、各作像ユニット10において一次転写ローラ12の作用により感光体ドラム1から中間転写ベルト11aに各色トナー像が順次重ね転写される。このようにして中間転写ベルト11aはその表面にフルカラーのトナー像を担持する。
【0021】
なお、作像ユニット10のいずれか一つを使用して単色画像を形成したり、二色又は三色の画像を形成したりすることもできる。モノクロプリントの場合は、四個の作像ユニットのうち、図の一番右側のBkユニットを用いて画像形成を行う。
【0022】
そして、トナー像を転写した後の感光体ドラム1表面に付着する残留トナーは、感光体クリーニング装置104によって感光体ドラム1表面から除去され、次いで感光体ドラム1の表面が除電器の作用を受けて表面電位が初期化されて次の画像形成に備える。感光体クリーニング装置104によって回収された残留トナーは、作像ユニット10の取り出し方向(感光体ドラムの回転軸の軸方向)に設置された不図示の廃トナー回収ボトルに貯蔵される。廃トナー回収ボトルが満杯になると交換できるようにプリンタ100本体に対し着脱自在になっている。
【0023】
一方、給紙カセット15(a,b)あるいは手差しトレイ33から用紙が選択的に給送され、レジストローラ対18によって、中間転写ベルト11a上に担持されたトナー像とのタイミングを取って二次転写ニップに向けて送出される。プリンタ100では二次転写ローラ19には中間転写ベルト11a表面のトナー像のトナー帯電極性と逆極性の転写電圧が印加され、これによって中間転写ベルト11a表面のトナー像が用紙上に一括して転写される。トナー像を転写された用紙は、定着装置20を通過するとき、熱と圧力によってトナー像が用紙に熔融定着される。トナー像が定着された用紙は、排紙ローラ対29により装置本体50の上面に構成された排紙トレイ30に排出される。
【0024】
なお、第二切替爪22の上方の装置上面にオプションの排紙トレイ(例えばソート機能を有する4ビントレイ)を装着可能であり、その図示しないオプショントレイに定着後の用紙を排出することも可能である。
【0025】
用紙両面にプリントを行う場合は、用紙片面にトナー像を定着した用紙を、第一切替爪21、第二切替爪22および第三切替爪23を適切に切り替えることにより、スイッチバック搬送路61内に進入させる。スイッチバック搬送路61内に進入した用紙後端をセンサ40で検知したら、第一反転ローラ対31及び第二反転ローラ対32を逆方向(図1で31は下側のローラ、32は左側のローラが反時計回り)に回転させ、用紙を反転させる。
【0026】
再給紙路62は、その下端部で手差しトレイ33からの用紙搬送路と合流され、さらに、再給紙ローラ28の奥側で給紙カセット15(a,b)からの用紙搬送路と合流される。再給紙路62内を用紙は搬送ローラ対26,27により搬送され、さらに再給紙ローラ28によりレジストローラ対18へと送られる。
【0027】
スイッチバック搬送路61で反転させた用紙を再給紙路62に通過させることで用紙の表裏が逆にされ、その用紙裏面に中間転写ベルト11aからトナー像が転写され、その裏面画像を定着装置20で定着することにより、表裏両面に画像を担持する用紙を、排紙トレイ30又は図示しないオプショントレイに排出することで、両面プリントが完成する。
【0028】
プリンタ100において、両面ユニット60はその下部に設けられた両面ユニット回動軸63を支点として揺動可能に設けられ、装置本体50に対して両面ユニット60を開閉可能に設けている。両面ユニット60を開放した様子を図2に示す。なお、両面ユニット60は図示しないリンク機構により装置本体50に支持され、開放時に所定の位置で止まるようになっている。また、両面ユニット60の開閉力を軽減させるために、両面ユニット60を支持するリンク機構にダンパ手段を設けると好適である。ダンパ手段としては、スプリングを使ったものや、オイルダンパ等を用いることができる。
【0029】
両面ユニット60に含まれ、装置本体50に対して開閉されるものとしては、スイッチバック搬送路61を形成するガイド板(符号なし)、再給紙路62を形成する一部のガイド板66、副構造体である記録体転写ユニットとしての副回動ユニット64の他に、第三切替爪23、第一反転ローラ対31及び第二反転ローラ対32、手差しトレイ33、その給紙部材34、再給紙ローラ28等がある。また、2つの搬送ローラ対17(a,b)の各従動側ローラ171(a,b)も両面ユニット60に含まれる部材である。
【0030】
副回動ユニット64は、当接部材としての二次転写ローラ19、搬送ローラ対27の従動側ローラ27b、再給紙ローラ28の従動側ローラ28b及び用紙センサ41を支持して、回動軸65を支点として揺動可能に構成されている。副回動ユニット64の回動軸65には、図示しない捩りコイルバネが嵌装されており、その捩りコイルバネの一端側が副回動ユニット64に他端側が両面ユニット60に係止されることで、常に副回動ユニット64を両面ユニット60に対して図中反時計回りに、すなわち、再給紙路62を開放する方向(副回動ユニット64が両面ユニット60自体から離れる方向)に常に付勢している。ただし、図示しないストッパ部材が設けられており、図2に示す角度以上に副回動ユニット64が開放される(図2において、図示状態よりも反時計回りに回動する)ことを防止している。
【0031】
再給紙路62は、その一方側(装置外側)をガイド板66により規定され、反対側(装置内部側)を上から順にガイド部材42の一面、定着装置20の一面、副回動ユニット64の一面により規定され、両面ユニット60を閉じたときに上述の各部材により再給紙路62が形成される。
【0032】
副回動ユニット64は上述のように再給紙路62を開放する方向に常に付勢されているが、図1のように両面ユニット60が閉じられた状態では、装置本体50と両面ユニット60とにより挟まれて所定の場所に位置し、このとき、二次転写ローラ19が転写対向ローラ13に対向して本体側部材としての中間転写ベルト11aに圧接される。また、2つの搬送ローラ対17(a,b)の従動側ローラ171(a,b)がそれぞれの駆動側ローラ170(a,b)に圧接される。さらに、再給紙路62内の搬送ローラ対27の副構造体側部材としての従動側ローラ27bが駆動側ローラ27aに圧接される。このように各ローラ対が圧接されることにより、動作可能となる。この実施形態では、たとえば駆動側ローラ27aが両面ユニットの副回動ユニット64との対向部に設けられた部材に相当する。従動側ローラ27bの機能発揮のための、この駆動側ローラ27aに対する所望の位置関係は当接する位置関係である。
【0033】
そして、図2のように両面ユニット60を開放すると、二次転写ローラ19は中間転写ベルト11a(転写対向ローラ13)から離間する。また、2つの搬送ローラ対17の従動側ローラ17b,17bがそれぞれの駆動側ローラ17a,17aから離間する。これにより、下側の搬送ローラ対17から定着装置20までの通常用紙搬送路43(図に太い実線で示す)が開放される。このとき、同時に、副回動ユニット64が再給紙路62を開放する方向(図中反時計回り)に回動することによって、第三切替爪23から合流部G(再給紙路が通常用紙搬送路43に合流する部分)までの再給紙路62(図に太い一点鎖線で示す)が開放される。
【0034】
プリンタ100では、副回動ユニット64が常に再給紙路62を開放する方向に付勢されている。このため、両面ユニット60を開放することにより装置本体50と両面ユニット60間に空間が形成されると、副回動ユニット64は自動的に図中反時計回りに回動し、通常用紙搬送路43と同時に再給紙路62も開放される。このように、2つの用紙搬送路である通常用紙搬送路43及び再給紙路62を開放するための動作は、両面ユニット60を開放するだけの1アクションの動作であり、非常に操作が容易である。
【0035】
図3は、副回動ユニット64に対して着脱可能で、記録体転写部材である転写ローラとして二次転写ローラ19を備える転写ローラユニットとしての二次転写ローラユニット190の概略構成図である。図3に示すように、二次転写ローラユニット190は、二次転写ローラ19の両側にボールベアリング191、軸受け19a、キャップ19bを備え、設置用のアース板金192、除電針193、及び下ホルダ194を備える構成になっている。また、二次転写ニップの出口近傍で二次転写ニップを通過した用紙の搬送路を形成する搬送路形成部材としての転写出口ガイド板70を二次転写ローラ19とを一体的に備えて二次転写ローラユニット190を形成している。
【0036】
図4は、両面ユニット60を閉めて、二次転写ローラ19が中間転写ベルト11aと互いに接触した状態の、二次転写ローラユニット190と中間転写ユニット11との位置関係の説明図である。図4に示すように二次転写ローラユニット190は中間転写ユニット11に平行に当接することで本体両側板にガイドレール107にキャップ19bを入れ込むことにより転写ニップにおける用紙の搬送方向に対して直交する方向の位置を出している。
【0037】
図5は、両面ユニット60の説明図であり、図5(a)は両面ユニット60の斜視図、図5(b)は、図5(a)中の領域α周辺の拡大図である。図5(a)では、副回動ユニット64は両面ユニット60に対して閉じた状態であり、副回動ユニット64に、二次転写ローラユニット190を装着するときの状態を示している。そして、図5(b)は二次転写ローラユニット190を取り外した状態を示している。
図5(a)に示すように、二次転写ローラユニット190は、開閉ドアである両面ユニット60に装着されている。両面ユニット60が備える副回動ユニット64には二次転写ローラユニット190を保持・固定するユニットケース110が固定されている。副回動ユニット64が備えるユニットケース110にはU字ガイド190aが形成されており、ここに二次転写ローラユニット190の位置決め部材である軸受け19aが嵌合することより、二次転写ローラユニット190を両面ユニット60に装着できる。U字ガイド190aは図5(b)に示すような切欠きを設けてある。このため、両面ユニット60開放時に図5(a)中の角度Aが45[°]〜90[°]となる状態で、軸受け19aをU字ガイド190aに嵌め込むことができ、二次転写ローラユニット190を両面ユニット60に装着できる。
また、二次転写ローラユニット190の二次転写ローラ19の回転軸の軸方向両端には把手部75を備えている。二次転写ローラユニット190を交換する場合には、ユーザーがこの把手部75や転写出口ガイド板70を持って二次転写ローラユニット190を両面ユニット60に対して着脱する。このように、把手部75や転写出口ガイド板70を持って交換作業を行うことにより、ユーザーが二次転写ローラ19を不用意に持つことを防止し、二次転写ローラ19が人の手の油分等で汚れることによる転写不良を未然に防止できる。
【0038】
次に、本実施形態の特徴部について説明する。
図6は、副回動ユニット64と両面ユニット60とが閉じられた状態での二次転写ローラ19周辺の断面説明図である。図6では、図中上方が用紙の搬送方向下流側である。
図6に示すように、記録体転写ニップである二次転写ニップの入口側となる二次転写ローラ19の下方には、通常用紙搬送路43を搬送されてきた用紙が二次転写ニップに進入するようにガイドする転写入口ガイド板200を備えている。ここで、用紙の搬送方向に直交する方向である用紙の幅方向(図6中の手前・奥方向)を左右方向とした場合に、本実施形態のプリンタ100では転写入口ガイド板200の左右突き出し量が可変となっている。すなわち、用紙搬送方向の下流側の転写入口ガイド板200の先端部であるガイド先端部200aと二次転写ニップとの距離を用紙搬送方向の左右で異ならせることができる。
【0039】
次に、画像形成装置であるプリンタ100の出力画像の画像平行度のズレについて説明する。
多くの部品から構成されるプリンタ100では部品の精度誤差の積み上がりによって、搬送のときに用紙に加わる力が用紙の左側と右側とで異なってくる。搬送のときに用紙に加わる力としては、用紙を二次転写ニップに向かって送り出すレジストローラ対18で加わる搬送方向の力、定着装置20で用紙を挾持する定着ニップで加わる搬送方向の力等がある。さらに、搬送される用紙が接触する各ガイド部材などの各部材によって摩擦力が加わり、用紙に対して搬送方向とは逆方向の力が加わる。すなわち、搬送される用紙が通常用紙搬送路43内で接触するすべての部材によってなんらかの力が用紙に加わる。そして、搬送される用紙に加わる力が用紙の左側と右側とで異なると、二次転写ニップを通過する時間も用紙の左右で異なる。そして、二次転写ニップを通過する時間が長い方の端部の画像が他方の端部画像よりも短くなり、画像平行度のズレが生じた画像となる。
【0040】
〔実験〕
プリンタ100において、転写入口ガイド板200の左右突き出し量を変化させて画像を出力する実験を行った。
図7は、手前側の転写入口ガイド板200の突き出し量を大きくした状態の二次体転写ニップ近傍の斜視説明図である。
転写入口ガイド板200の突き出し量を手前側と奥側とで同じようにして、ガイド先端部200aと二次転写ローラ19とが略平行な状態で、二次体転写ニップに進入する用紙Pを観察したところ、ガイド先端部200aでは用紙Pが幅方向に等しく撓みが生じていることを確認した。
ガイド先端部200aと二次転写ローラ19とが略平行な状態から転写入口ガイド板200の左右突き出し量を変化させたところ、図7に示すように、突き出し量を大きくした側、すなわち、ガイド板先端部200aと二次転写ニップとの距離を近づけた側(図7中手前側)の方が用紙Pの撓み量が大きくなった。
図7のプリンタ100でガイド先端部200aと二次転写ローラ19とが略平行な状態で、長方の画像情報を基に画像形成を行ったときの出力画像の模式図を図8に示す。
図8に示す出力画像では、用紙Pの画像の左側(図6中の奥側)の長さlよりも画像の右側(図6中の手間側)の長さlの方が長い状態で、画像平行度のズレが生じている。
このような画像平行度のズレが生じたプリンタ100において、図7に示すように転写入口ガイド板200の手前側が奥側よりも上方となるように調節したところ、用紙Pの画像の左側の長さlと画像の右側の長さlとの差が低減し、画像平行度を改善することができた。
【0041】
上述の実験でのように、出力画像が図8のように画像平行度のズレが生じたプリンタ100で、図7に示すように転写入口ガイド板200の手前側が奥側よりも上方となるように調節するとにより、画像平行度を改善することができた理由としては、以下の理由が考えられる。
二次転写ニップを通過する時間が長い方の端部の画像が他方の端部の画像よりも短くなるでの、図8に示すような出力画像となる場合、用紙Pの左側の方が右側よりも二次転写ニップを通過する時間が長くなっていると考えられる。
このような状態で、転写入口ガイド板200の手前側が奥側よりも上方となるように調節することにより、図6中の奥側よりも手前側の方が、ガイド先端部200aと二次転写ニップとの距離が短くなる。このとき、奥側よりも手前側の方が転写入口ガイド板200から用紙が受ける力(入口ガイド板200と用紙Pとの摩擦力)が大きくなり、図7に示すように奥側よりも手前側の方がガイド先端部200aでの用紙Pの撓み量が大きくなる。ガイド先端部200aでの用紙Pの撓み量が大きいほど、二次転写ニップを通過する用紙Pに対して下方に引き下げる力が働くため、用紙Pの右側の二次転写ニップを通過する時間が、転写入口ガイド板200を調節する前に比べて長くなる。これにより、用紙Pの右側と左側との二次転写ニップを通過する時間差を低減することができ、用紙Pの左側の画像の長さlと用紙Pの右側の画像の長さlとの差を低減し、画像平行度を改善できると考えられる。
【0042】
また、転写入口ガイド板200の突き出し量を調節する前は、ある程度の画像平行度のズレが生じていても良いため、各部材は完全に画像平行度に影響が出ないレベルまで高い部品精度を必要としない。すなわち、各部材の部品精度が画像平行度のズレが生じる程度の部品精度でもよいため製造コストが高くなることを抑制でき、一般ユーザー向けのプリンタ100に適用することができる。また、画像平行度を改善することができるため、高い印字品質を求められる業務用の画像形成装置などにも応用できる。
【0043】
また、図6に示すように、プリンタ100では記録体が通過する領域である通常用紙搬送路43を挟んで転写入口ガイド板200の反対側に、通過する用紙を転写入口ガイド板200側にガイドするガイドローラ202を備えている。ガイドローラ202を備えることにより、レジストローラ対18から送り出された用紙の先端を、より確実に転写入口ガイド板200に接触させることができる。用紙の先端を転写入口ガイド板200に接触させることで、用紙を確実に二次転写ニップへ導くことができる。
また、プリンタ100が備える転写入口ガイド板200は、図6に示すように用紙の搬送方向下流側の先端であるガイド先端部200aはR形状となっている。ガイド先端部200aがR形状ではなく角がある形状であると、通過する用紙の面に角が引っかかって摺擦する状態となり、用紙を搬送するときの抵抗となる。プリンタ100のようにガイド先端部200aをR形状とすることにより、通過する用紙の面に角が引っかかって摺擦されることを防止し、用紙の搬送を円滑にすることができる。
【0044】
また、プリンタ100は、記録体が通過する領域である通常用紙搬送路43を挟んで転写入口ガイド板200と対向するガイド対向部材として対向ガイド板201を備える。そして、図6に示すように用紙の搬送方向下流側ほど、転写入口ガイド板200と対向ガイド板201との距離が短くなるように、転写入口ガイド板200と対向ガイド板201とが配置されている。このように配置することにより、二次転写ニップの近傍の通常用紙搬送路43が狭くなり、搬送される用紙の先端を、より確実に転写入口ガイド板200に接触させることができる。用紙の先端を転写入口ガイド板200に接触させることで、用紙を確実に二次転写ニップへ導くことができる。
【0045】
図9は、プリンタ100で用いる二次転写ローラ19の軸方向の概略断面図である。
図9に示すように、二次転写ローラ19は、回転軸19cと芯金部19dとを備え、芯金部19dの外側に弾性層19eを備えている。
また、二次転写ローラ19は、両端部の径に比べて中央部の径の方が大きい、太鼓形状となっている。太さが軸方向で一様なローラを用いて両端部をバネ等の押圧部材で押圧するとローラの中央部が撓み、二次転写ニップにおける二次転写ローラ19の軸方向中央部ではニップ圧が不十分となって転写不良が生じた。これに対して、図9に示すような太鼓形状の二次転写ローラ19を用いることにより、二次転写ニップにおける二次転写ローラ19の軸方向中央部でも十分なニップ圧をかけることができ、良好な転写を行うことができる。
【0046】
また、プリンタ100では図6に示すように、トナー像担持体は複数の張架部材によって張架されるベルト状のトナー像担持ベルトとしての中間転写ベルト11aであり、複数の張架部材のうちの一つとして、中間転写ベルト11aを挟んで二次転写ローラ19と対向する転写対向ローラ13を備える。二次転写ローラ19と転写対向ローラ13との間で、中間転写ベルト11aを挾持することにより、二次転写ローラ19と中間転写ベルト11aとによって二次転写ニップを形成することができる。
また、図6に示すように、転写対向ローラ13の取付け位置に対して、二次転写ローラ19の取付け位置の方が、用紙の搬送方向上流側となっている。二次転写ローラ19が転写入口ガイド板200の先端に近い状態となり、転写入口ガイド板200のガイド面と、二次転写ニップに用紙が進入するときの平面との成す角を、より角度が小さい角とすることができる。これにより、転写入口ガイド板200の先端部であるガイド先端部200aを二次転写ニップに近づけた場合に用紙が撓みやすい状態となり、転写入口ガイド板200の左右突き出し量の調節を反映しやすくなる。
【0047】
プリンタ100では転写対向ローラ13として、芯金の材質が鉄製のローラを用いている。剛性が強く撓みが生じ難い鉄製の芯金を用いることによって転写対向ローラ13の撓みよる用紙の搬送の外乱を除去し、転写入口ガイド板200の左右突き出し量の調節を反映しやすくなる。
また、プリンタ100では、トナー像担持ベルトである中間転写ベルト11aとして、材質がポリイミドのベルトを用いている。二次転写ローラ19と中間転写ベルト11aとの間の摩擦係数を低下させ、この摩擦係数が大きいことによる用紙搬送の外乱を除去できるので、転写入口ガイド板200の左右突き出し量の調節を反映しやすくなる。
【0048】
〔実施例1〕
次に、プリンタ100の転写入口ガイド板200の左右突き出し量を調節する一つ目の実施例(以下、実施例1と呼ぶ)について説明する。
図10は、実施例1の転写入口ガイド板200の説明図である。図10は、実施例1の二次転写ローラ19と転写入口ガイド板200とを図6中左側から見た模式図である。
図10に示すように、実施例1の転写入口ガイド板200は、図10中の右側(図6では図中手前側)には右側の固定部である長穴200bを備え、図10中の左側(図6では図中奥側)に左側の固定部である丸穴200cを備える。長穴200b及び丸穴200cにネジ203を通して締めることにより、両面ユニット60を閉じた状態ではプリンタ100の装置本体50に対して固定である副回動ユニット64に転写入口ガイド板200を固定することができる。
ネジ203を締めるときにネジ203を通す副回動ユニット64側のネジ穴(不図示)は副回動ユニット64に対して固定であり、丸穴200cは両面ユニット60のネジ穴に対する位置を変更することはできない。一方、長穴200bはネジ203を緩めた状態で副回動ユニット64のネジ穴に対する位置を変更することができ、変更した状態でネジ203を締めることにより、副回動ユニット64に対して転写入口ガイド板200を固定することができる。
【0049】
以下、実施例1のプリンタ100で、転写入口ガイド板200の左右突き出し量を調節する具体例について説明する。
突き出し量の調節を行う前は、長穴200bの中央部でネジ203を締めて、転写入口ガイド板200を副回動ユニット64に対して固定する。長穴200bの中央部で固定すると、ガイド先端部200aと二次転写ローラ19の軸方向とは略平行になる。そして、ガイド先端部200aと二次転写ローラ19とが略平行な状態での出力画像が図8に示すように画像平行度にズレが生じた画像であるときに、図10に示すように長穴200bの下方でネジ203を締めることにより、長穴200bの副回動ユニット64に対する位置が上方に移動する。これにより、転写入口ガイド板200の右側(図6では図中手前側)が左側(図6では図中奥側)よりも上方となるように調節することができ、画像平行度を改善することができる。また、長穴200bの上方でネジ203を締めることにより、転写入口ガイド板200の右側(図6では図中手前側)が左側(図6では図中奥側)よりも上方となるように調節することができる。このように、転写入口ガイド板200の左右に備えた固定部のうち右側の固定部である長穴200bの副回動ユニット64に対する位置を変更することにより、転写入口ガイド板200の左右突き出し量を可変とすることができる。
なお、本実施例1では、固定部として、ネジ203を通す丸穴200cと長穴200bとを備える構成について説明したが、固定部としては、丸穴200cと長穴200bとの組み合わせに限るものではない。両方とも長穴であっても良いし、転写入口ガイド板200の左右で装置本体50に対して固定し、左右の少なくとも一方の固定部の装置本体50に対する位置を変更することができる構成であれば、どのようなものであっても良い。
【0050】
〔実施例2〕
次に、転写入口ガイド板200の左右突き出し量を調節する二つ目の実施例(以下、実施例2と呼ぶ)について説明する。
図11は、実施例2の転写入口ガイド板200の説明図である。図11は、実施例2の二次転写ローラ19と転写入口ガイド板200とを図6中左側から見た模式図である。図11(a)は左右突き出し量を調節する前の模式図であり、図11(b)は左右突き出し量を調節した後の模式図である。
図11(a)に示すように、実施例2の転写入口ガイド板200は、図11中の左右両端に丸穴200cを備えている。また、両面ユニット60を閉じた状態ではプリンタ100の装置本体50に対して固定である副回動ユニット64は、2つの丸穴200cと対向する位置にネジ穴(不図示)を設けている。二つの丸穴にネジ203を通して締めることにより、副回動ユニット64を閉じた状態ではプリンタ100の装置本体50に対して固定である副回動ユニット64に転写入口ガイド板200を固定することができる。また、ネジ203を緩めて、取り外すことにより、副回動ユニット64に対して転写入口ガイド板200を取り外すことができる。実施例2のプリンタ100では、副回動ユニット64から転写入口ガイド板200を取り外して、左右突き出し量が異なる転写入口ガイド板200と交換することにより、転写入口ガイド板200の左右突き出し量を調節する。例えば、図11(a)に示すような左右方向に一様な形状の転写入口ガイド板200を、図11(b)に示すような、丸穴200cからガイド先端部200aまでの長さが左側よりも右側の方が長い、転写入口ガイド板200に交換する。これにより、転写入口ガイド板200の右側(図6では図中手前側)が左側(図6では図中奥側)よりも上方となるように調節することができる。
【0051】
〔実施例3〕
次に、プリンタ100の転写入口ガイド板200の左右突き出し量を調節する三つ目の実施例(以下、実施例3と呼ぶ)について説明する。
図12は、実施例3の転写入口ガイド板200の説明図である。図12は、実施例3の二次転写ローラ19と転写入口ガイド板200とを図6中左側から見た模式図である。
図12に示すように、実施例3の転写入口ガイド板200は図12中の左右方向の中央に、回転支点200dを備える。そして、実施例3の転写入口ガイド板200は、両面ユニット60を閉じた状態ではプリンタ100の装置本体50に対して固定である副回動ユニット64に対して、回転支点200dを中心に回転可能となっている。そして、回転させた任意の位置で、不図示の固定手段によって転写入口ガイド板200を副回動ユニット64に対して固定する。実施例3のプリンタ100では、回転支点200dを中心に、転写入口ガイド板200を副回動ユニット64に対して回転させて、副回動ユニット64に対する転写入口ガイド板200の固定位置を変更することにより、転写入口ガイド板200の左右突き出し量を調節する。例えば、転写入口ガイド板200のガイド先端部200aと二次転写ローラ19の軸方向とが平行な状態から、図12中矢印B方向に転写入口ガイド板200を回転させて、図12の状態で副回動ユニット64に固定する。これにより、転写入口ガイド板200の右側(図6では図中手前側)が左側(図6では図中奥側)よりも上方となるように調節することができる。
【0052】
なお、プリンタ100の特徴部としては、上述した実施例1〜3で説明した構成に限らず、転写入口ガイド板200の左右突き出し量が可変となっているものであれば、どのような構成でも適用可能である。
また、本実施形態の転写入口ガイド板200の用紙の搬送方向下流側の先端に可撓性部材を設けてもよい。
図13は、転写入口ガイド板200にPETなどの材質の可撓性部材204を固定したプリンタ100の、副回動ユニット64と両面ユニット60とが閉じられた状態での二次転写ローラ19周辺の断面説明図である。可撓性部材204は転写入口ガイド板200のガイド面に貼り付けており、用紙搬送方向下流側の先端が転写入口ガイド板200の先端よりも可撓性部材204の先端の方が二次転写ローラ19近傍まで届くように配置されている。
転写入口ガイド板200の先端に可撓性部材204を固定し、二次転写ニップまで案内したことにより、搬送中の用紙への引っかかり等も無く、転写ローラに記録紙を噛みこまれる直前まで保持できる。このため画像の平行度をより確実に調整でき、画像の左右差が小さく、画像平行度が良好な画像形成を行うことができる。
また、撓みにくい材料からなる転写入口ガイド板200のみで二次転写ニップの入口でのガイドを行った場合、普通紙では良好な画像形成が出来ても厚紙では下方の余白が大きくなる現象が生じた。これは、ガイド先端部200aと転写ニップとの位置関係が固定の場合、用紙の撓みによって生じる用紙を下方に引き下げる力が厚紙の方が強いためである。このような問題に対して、転写入口ガイド板200の先端に可撓性部材204を設けることで、搬送する用紙が厚紙の場合は普通紙の場合よりも可撓性部材204が大きく撓み、厚紙からなる用紙の撓み量を減少することができる。このように、腰が強い用紙を用いる場合は可撓性部材204が大きく撓んで、用紙の撓み量を減少させることにより、用紙の腰の強さに違いに起因する用紙を下方に引き下げる力の強さの違いを抑制し、用紙の腰の強さによって余白の大きさが異なる不具合を防止することができる。
なお、図13のように、可撓性部材204を転写入口ガイド板200に取り付けるプリンタ100であっても、転写入口ガイド板200の突き出し量は調節可能であり、実施例1〜実施例3の何れの構成も適用可能である。なお、突き出し量の調節は可撓性部材204を転写入口ガイド板200に取り付けた状態で行うことが好ましい。
【0053】
また、用紙の腰の強さに違いに起因する用紙を下方に引き下げる力の強さの違いを抑制する構成としては、転写入口ガイド板200の用紙搬送方向下流側の先端を、用紙が通過する側に対して転写入口ガイド板200を挟んで反対側から加圧するガイド板加圧機構を備えるものでもよい。
図14はガイド加圧機構として、加圧バネ206aを備えるバネ加圧機構206を有するプリンタ100の、副回動ユニット64と両面ユニット60とが閉じられた状態での二次転写ローラ19周辺の断面説明図である。バネ加圧機構206は、加圧バネ206aと加圧台206bとを備え、加圧台206bは揺動中心206cを中心に揺動可能となっている。転写入口ガイド板200は加圧台206bに固定し、加圧バネ206aの弾性力によって加圧台206bを図14中左方向に加圧することにより、転写入口ガイド板200の先端を用紙が通過する側(図14中矢印C方向)に加圧することができる。
図14に示すバネ加圧機構206を備えたプリンタ100では、搬送する用紙が厚紙の場合は厚紙の腰の強さによって、普通紙を用いる場合よりも加圧バネ206aが大きく縮み、転写入口ガイド板200の先端部の矢印D方向の移動量が普通紙を用いる場合よりも大きくなる。これにより、用紙として厚紙を用いた場合、転写入口ガイド板200の先端部の位置が固定のものよりも用紙の撓み量を減少させることができる。このように、腰が強い用紙を用いる場合は加圧バネ206aが大きく縮んで、用紙の撓み量を減少させることにより、用紙の腰の強さに違いに起因する用紙を下方に引き下げる力の強さの違いを抑制し、用紙の腰の強さによって余白の大きさが異なる不具合を防止することができる。
なお、図13で示す可撓性部材204を備える構成では、可撓性部材204が繰り返し変形することによって、折れ曲がり、破損するおそれがある。一方、図14のようにバネ加圧機構206は加圧バネ206aが伸び縮みするため、可撓性部材204が繰り返し変形するものに比べて、部材の寿命を長くすることができる。
【0054】
なお、図14では、ガイド板加圧機構の加圧部材として加圧バネ206aを用いた構成について説明したが、加圧部材としてはバネに限るものではない。例えば、ゴムやスポンジ状のもの等を用いてもよい。
また、図14のように、転写入口ガイド板200を加圧するバネ加圧機構206を有するプリンタ100であっても、転写入口ガイド板200の突き出し量は調節可能であり、実施例1〜実施例3の何れの構成も適用可能である。
【0055】
また、図6のガイドローラ202の代わりに、図13または図14のように、用紙加圧板バネ205を設けてもよい。用紙加圧板バネ205は、用紙が通過する領域である通常用紙搬送路43を挟んで転写入口ガイド板200の反対側に配置され、通過する用紙に対して転写入口ガイド板200側に加圧する用紙加圧機構である。レジストローラ対18から送られた用紙は、用紙加圧板バネ205によって転写入口ガイド板200側に寄せられることにより、二次転写ニップまでより確実にガイドがなされる。用紙加圧板バネ205としては、PETなどからなる可撓性部材を用いることができる。
【0056】
以上、本実施形態によれば、画像形成手段である作像ユニット10と、作像ユニット10が形成したトナー像を表面に担持して無端移動するトナー像担持体である中間転写ベルト11aと、表面が無端移動し、中間転写ベルト11aと対向して記録体である用紙上にトナー像を転写する記録体転写ニップである二次転写ニップを形成する記録体転写部材としての二次転写ローラ19と、二次転写ニップでトナー像を転写された用紙にトナー像を定着する定着装置20とを有し、二次転写ニップの入口側に搬送されてきた用紙が二次転写ニップに進入するようにガイドする転写入口ガイド板200を有する画像形成装置であるプリンタ100において、用紙の搬送方向に直交する方向である用紙の幅方向を左右方向とした場合に、転写入口ガイド板200の左右突き出し量が可変であることによって、出力した画像に画像平行度のズレが生じるものであっても、画像平行度を調節することができる。さらに、ある程度の画像平行度のズレが生じていても良いため、各部材は画像平行度に影響が出ないレベルまで高い部品精度を必要としていない。このため、各部材の部品精度が画像平行度のズレが生じる程度の部品精度でもよいため製造コストが高くなることを抑制しつつ、転写入口ガイド板200の左右突き出し量を画像平行度が向上するように調節することで良好な画像平行度の画像形成を行うことができる。
また、実施例1のように、転写入口ガイド板200の左右方向の中心に対して左右それぞれに装置本体50に対して転写入口ガイド板を固定する固定部としての長穴200b及び丸穴200cを備え、用紙の搬送方向について転写入口ガイド板200の右側の固定部である長穴200bの装置本体50に対する位置を変更することにより、転写入口ガイド板200の左右突き出し量を調節する構成を実現できる。
また、実施例2のように、転写入口ガイド板200を左右の突き出し量が異なるものと交換することによって、転写入口ガイド板200の左右突き出し量を調節する構成を実現できる。
また、実施例3のように、転写入口ガイド板200は左右方向の中央に装置本体50に対する回転支点200dを有し、転写入口ガイド板200は回転支点200dを中心に回転させて装置本体50に対する固定位置を変更することによって、転写入口ガイド板200の左右突き出し量を調節する構成を実現することができる。
また、転写入口ガイド板200の用紙の搬送方向下流側の先端部であるガイド先端部200aがR形状であることにより、通過する用紙の面に角が引っかかって摺擦されることを防止し、用紙の搬送を円滑にすることができる。
また、転写入口ガイド板200の用紙搬送方向下流側の先端に可撓性部材204を備えることにより、二次転写ニップまで案内したことにより、搬送中の用紙への引っかかり等も無く、転写ローラに記録紙を噛みこまれる直前まで保持できる。このため画像の平行度をより確実に調整でき、画像の左右差が小さく、画像平行度が良好な画像形成を行うことができる。さらに、用紙の腰の強さに違いに起因する用紙を下方に引き下げる力の強さの違いを抑制し、用紙の腰の強さによって余白の大きさが異なる不具合を防止することができる。
また、転写入口ガイド板200の用紙搬送方向下流側の先端を、用紙が通過する側に対して転写入口ガイド板200を挟んで反対側から加圧するガイド板加圧機構であるバネ加圧機構206を備えることにより、用紙の腰の強さに違いに起因する用紙を下方に引き下げる力の強さの違いを抑制し、用紙の腰の強さによって余白の大きさが異なる不具合を防止することができる。
また、記録体が通過する領域である通常用紙搬送路43を挟んで転写入口ガイド板200の反対側に、通過する用紙に対して転写入口ガイド板200側に加圧する用紙加圧機構としての用紙加圧板バネ205を備えることにより、用紙が転写入口ガイド板200側に寄せられることにより、二次転写ニップまでより確実にガイドがなされる。
また、用紙が通過する領域を挟んで転写入口ガイド板200と対向するガイド対向部材である対向ガイド板201について、用紙の搬送方向下流側ほど、転写入口ガイド板200と対向ガイド板201との距離が短くなるように配置することにより、搬送される用紙の先端を、より確実に転写入口ガイド板200に接触させることができる。
また、記録体転写部材はローラ形状の二次転写ローラ19であり、二次転写ローラ19は両端部の径に比べて中央部の径の方が大きい太鼓形状であることにより、二次転写ニップにおける二次転写ローラ19の軸方向中央部でも十分なニップ圧をかけることができ、良好な転写を行うことができる。
また、トナー像像担持体は、像担持体である感光体ドラム1から転写されたトナー像を担持して記録体転写ニップである二次転写ニップまで搬送し、二次転写ニップで記録体である用紙上にトナー像を転写する中間転写体としての中間転写ベルト11aであることにより、潜像担持体である感光体ドラム1と用紙とを接触させないため、感光体ドラム1の長寿命化を図ることができる。
また、トナー像担持体は張架部材によって張架されるベルト状のトナー像担持ベルトとしての中間転写ベルト11aで、中間転写ベルト11aを挟んで二次転写ローラ19と対向する転写対向ローラ13を備えることにより、二次転写ローラ19と転写対向ローラ13との間で、中間転写ベルト11aを挾持して、二次転写ローラ19と中間転写ベルト11aとによって二次転写ニップを形成することができる。
また、転写対向ローラ13の取付け位置に対して、二次転写ローラ19の取付け位置の方が用紙搬送方向上流側であることにより、転写入口ガイド板200の先端部であるガイド先端部200aを二次転写ニップに近づけた場合に用紙が撓みやすい状態となり、転写入口ガイド板200の左右突き出し量の調節を反映しやすくなる。
転写対向ローラ13として、芯金の材質が鉄製のローラを用いることにより、転写対向ローラ13の撓みよる用紙の搬送の外乱を除去し、転写入口ガイド板200の左右突き出し量の調節を反映しやすくなる。
また、中間転写ベルト11aとして、材質がポリイミドのベルトを用いていることにより、二次転写ローラ19と中間転写ベルト11aとの間の摩擦係数を低下させ、この摩擦係数が大きいことによる用紙搬送の外乱を除去できるので、転写入口ガイド板200の左右突き出し量の調節を反映しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】実施形態に係るプリンタの概略構成図。
【図2】両面ユニット開閉動作の説明図。
【図3】本発明を適用可能な二次転写ローラユニットの斜視説明図。
【図4】二次転写ローラユニットと中間転写ユニットとの位置関係の斜視説明図。
【図5】両面ユニットの説明図、(a)は両面ユニットの斜視図、(b)は(a)中の領域α周辺の拡大図。
【図6】副回動ユニットと両面ユニットとが閉じられた状態での二次転写ローラ周辺の断面説明図。
【図7】転写入口ガイド板の左右突き出し量を変化させた状態の二次体転写ニップ近傍の斜視説明図。
【図8】画像平行度のズレが生じた出力画像の一例の説明図。
【図9】二次転写ローラの軸方向の概略断面図。
【図10】実施例1の転写入口ガイド板の説明図。
【図11】実施例2の転写入口ガイド板の説明図。
【図12】実施例3の転写入口ガイド板の説明図。
【図13】転写入口ガイド板に可撓性部材を固定した構成の二次転写ローラ周辺の断面説明図。
【図14】バネ加圧機構を有する構成の二次転写ローラ周辺の断面説明図。
【符号の説明】
【0058】
1 感光体ドラム
10 作像ユニット
11 中間転写ユニット
11a 中間転写ベルト
12 一次転写ローラ
13 転写対向ローラ
14 光書き込み装置
15 給紙カセット
16 給紙部材
17 搬送ローラ対
18 レジストローラ対
19 二次転写ローラ
19a 軸受け
19b キャップ
19c 回転軸
19d 芯金部
19e 弾性層
20 定着装置
21 第一切替爪
22 第二切替爪
23 第三切替爪
27 搬送ローラ対
29 排紙ローラ対
30 排紙トレイ
31 第一反転ローラ対
32 第二反転ローラ対
33 手差しトレイ
34 給紙部材
40 センサ
41 用紙センサ
43 通常用紙搬送路
44 定着ローラ
45 加圧ローラ
46 定着ベルト
47 加熱ローラ
50 装置本体
57 トナーボトル
60 両面ユニット
61 スイッチバック搬送路
62 再給紙路
63 両面ユニット回動軸
64 副回動ユニット
65 回動軸
66 ガイド板
70 転写出口ガイド板
75 把手部
100 プリンタ
103 帯電装置
104 感光体クリーニング装置
105 現像装置
107 ガイドレール
110 ユニットケース
190 二次転写ローラユニット
190a U字ガイド
191 ボールベアリング
192 アース板金
193 除電針
194 下ホルダ
200 転写入口ガイド板
200a ガイド先端部
200b 長穴
200c 丸穴
200d 回転支点
201 対向ガイド板
202 ガイドローラ
203 ネジ
204 可撓性部材
205 用紙加圧板バネ
206 バネ加圧機構
206a 加圧バネ
206b 加圧台
206c 揺動中心

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー像を形成する画像形成手段と、
該画像形成手段が形成した該トナー像を表面に担持して無端移動するトナー像担持体と、
表面が無端移動し、該トナー像担持体と対向して記録体上に該トナー像を転写する記録体転写ニップを形成する記録体転写部材と、
該記録体転写ニップで該トナー像を転写された記録体に該トナー像を定着する定着装置とを有し、
該記録体転写ニップの入口側に搬送されてきた記録体が該記録体転写ニップに進入するようにガイドする転写入口ガイド板を有する画像形成装置において、
記録体の搬送方向に直交する方向である記録体の幅方向を左右方向とした場合に、該転写入口ガイド板の左右突き出し量が可変であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1の画像形成装置において、
上記転写入口ガイド板は左右の突き出し量が異なるものと交換することにより、該転写入口ガイド板の左右突き出し量を可変にしたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1または2の画像形成装置において、
上記転写入口ガイド板の左右方向の中心に対して左右それぞれに装置本体に対して該転写入口ガイド板を固定する固定部を備え、
記録体の搬送方向について該転写入口ガイド板の左右の少なくとも一方の固定部の装置本体に対する位置を変更することにより、該転写入口ガイド板の左右突き出し量を可変にしたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1、2または3の画像形成装置において、
上記転写入口ガイド板は左右方向の中央に装置本体に対する回転支点を有し、
上記転写入口ガイド板は該回転支点を中心に回転させて装置本体に対する固定位置を変更することにより、該転写入口ガイド板の左右突き出し量を可変にしたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1、2、3または4の画像形成装置において、
上記転写入口ガイド板の記録体の搬送方向下流側の先端がR形状であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1、2、3、4または5の画像形成装置において、
上記転写入口ガイド板の記録体の搬送方向下流側の先端に可撓性部材を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1、2、3、4、5または6の画像形成装置において、
上記転写入口ガイド板の記録体の搬送方向下流側の先端を、記録体が通過する側に対して上記転写入口ガイド板を挟んで反対側から加圧するガイド板加圧機構を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1、2、3、4、5、6または7の画像形成装置において、
記録体が通過する領域を挟んで上記転写入口ガイド板の反対側に、通過する記録体に対して該転写入口ガイド板側に加圧する用紙加圧機構を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項1、2、3、4、5、6、7または8の画像形成装置において、
記録体が通過する領域を挟んで上記転写入口ガイド板と対向するガイド対向部材について、記録体の搬送方向下流側ほど、該転写入口ガイド板と該ガイド対向部材との距離が短くなることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9の画像形成装置において、
上記記録体転写部材はローラ形状の転写ローラであり、該転写ローラは両端部の径に比べて中央部の径の方が大きい太鼓形状であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10の画像形成装置において、
上記トナー像担持体は、潜像形成手段によって形成された潜像を現像手段によって現像されることでその表面に上記トナー像を担持する像担持体から、該トナー像を転写され、該トナー像を担持して上記記録体転写ニップまで搬送し、該記録体転写ニップで記録体上に該トナー像を転写する中間転写体であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11の画像形成装置において、
上記トナー像担持体は張架部材によって張架されるベルト状のトナー像担持ベルトで、上記記録体転写部材はローラ形状の転写ローラであり、
該トナー像担持ベルトを挟んで上記記録体転写ローラと対向する転写対向ローラを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
請求項12の画像形成装置において、
上記転写対向ローラの取付け位置に対して、上記転写ローラの取付け位置の方が記録体の搬送方向上流側であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項14】
請求項11、12または13の画像形成装置において、
上記転写対向ローラの芯金を鉄製としたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項15】
請求項11、12、13または14の画像形成装置において、
上記トナー像担持ベルトの材料としてポリイミドを用いることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−303027(P2008−303027A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−151732(P2007−151732)
【出願日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】