説明

画像形成装置

【課題】本発明は、筐体の姿勢を変更でき、表示が見易く、操作が容易であって、排紙した用紙に汚れや傷がついたり排紙された用紙がカールしたりすることがないコンパクトな画像形成装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の画像形成装置は、画像を用紙へ形成するサーマルヘッド10を内部に有する装置本体2と、装置本体2の表面に設けられ形成する画像を表示するモニタ4と、装置本体2を回動自在に保持する保持台3とを備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラなどで撮影した写真等の画像を用紙へ画像形成する画像形成装置、特に熱転写型の画像形成部を収容すると共に、装置本体の姿勢を自在に変更でき、表示面が広くて見易く、かつその制御のための操作が容易であって、排紙した用紙に汚れや傷がついたり用紙がカールしたりすることがない、低消費電力のコンパクトな画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のサーマルプリンタなどにおいては、画像を形成するときの用紙の搬送路、すなわち給紙、画像形成、排出を行う搬送路には、概ね次の3つの方式があった(特許文献1参照)。ここで、図15(a)は従来の第1の画像形成装置における搬送路の説明図、図15(b)は従来の第2の画像形成装置における搬送路の説明図、図15(c)は従来の第3の画像形成装置における搬送路の説明図を示す。
【0003】
第1の搬送方式で印刷する第1の画像形成装置は、図15(a)に示すように画像形成装置100aの筐体側面に用紙収納カセット101aを水平にして連結し、矢印の方向に用紙が給紙されて画像形成され、背面から排出されるものである。この場合、画像形成装置の設置面積が大きくなるという欠点を有する。しかし、高さが小さくなるという利点も有している。そして、画像形成装置100aを操作し画像を表示するために必要な表示装置102aは画像形成装置100aの上面に設けられていた。
【0004】
次に、第2の搬送方式で印刷する第2の画像形成装置は、図15(b)に示すように画像形成装置100bの筐体背面(ユーザの側から見て背面)に用紙収納カセット101bが傾斜した状態で連結され、矢印の方向に用紙が給紙されて画像形成され、正面の中段から排出されるものである。この場合、設置面積は小さくなる利点を有するが、高さが高くなり、排出される用紙がカールするという欠点も有している。筐体内に画像形成部や搬送ローラ等が必要で、どうしても中段から用紙を排紙せざるをえないものであった。そして、画像形成装置100bを操作し画像を表示するために表示装置102bを画像形成装置100bの上面に設置することが避けられなかった。
【0005】
また、第3の搬送方式で印刷する第3の画像形成装置は、図15(c)に示すように画像形成装置100bの筐体側面に用紙収納カセット101cを水平にして連結し、その上に画像形成部を配置するもので、矢印の方向に用紙が給紙され、筐体の背面側で反転されて画像形成され、正面から排出される。この場合、図15(a)の第1の搬送方式と比べて設置面積は小さくなるが、高さが高くなる。そして、筐体内に画像形成部や搬送ローラ、搬送方向を反転させるための機構等が必要になり、上段位置から用紙を排紙せざるをえなかった。さらに、このような構成のため、画像形成装置100cを操作し画像を表示するために必要な表示装置102cは画像形成装置100cの上面に設置されるのが専らであった。
【0006】
そこで、(特許文献1)の画像形成装置はこうした欠点を解消し、小型化するため次のような構成を採用した。すなわち、画像形成装置に、用紙収納カセットに収納された用紙を分離・給送する給紙手段と、用紙を回転させることが可能な記録紙回転手段とを設け、用紙収納カセットから給紙手段によって分離・給送された用紙はこの記録紙回転手段によって向きを変えられ、略90度回転された後に画像形成部で画像形成される。
【0007】
この結果、「用紙収納カセットの長手寸法」と「用紙収納カセットの短手寸法」と「画像形成部の長手寸法」の3つの寸法の中で最も短い「用紙収納カセットの短手寸法」と他の2つの何れかの寸法で設置面積が決定する画像形成装置が実現でき、従来の第1〜第3の搬送方式の画像形成装置に比べて、画像形成装置の投影面積を小さくすることが可能となる。
【0008】
なお、画像形成装置に表示装置を設ける従来の技術としては、デジタルカメラによって撮影された写真の画像や指令情報などを表示するフォト記録システムの表示装置がある(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2005−306605号公報
【特許文献2】特開2004−207926号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
以上説明したように第1の搬送方式で搬送する第1の画像形成装置は、設置面積が大きくなるし、表示が見づらく、筐体の姿勢が固定的で、操作性に欠けるものであった。
【0010】
また、第2の搬送方式で搬送する第2の画像形成装置は、第1の用紙の搬送方式と比較して設置面積は小さくなるが、高さが高くなり、排出される用紙がカールしてしまうし、第1の用紙の搬送方式と同様に、表示が見づらく、筐体の姿勢が固定的で、操作性に欠けるものであった。
【0011】
さらに、第3の搬送方式で搬送する第3の画像形成装置も、第1の搬送方式と比べて設置面積は小さくなるが、高さが高くなり、上段から用紙を排紙せざるをえなかった。しかも、第1の用紙の搬送方式と同様に、表示が見づらく、筐体の姿勢が固定的で、操作性に欠けるものであった。
【0012】
この点、(特許文献1)の画像形成装置は、その設置面積を小さくすることができる。しかし、用紙を略90度回転させることが可能な記録紙回転手段が必要となり、これが逆に筐体のサイズを大きくする上に、高さ方向で上段位置あるいは中段位置から用紙を排紙せざるをえなかった。排紙を行うために設ける開口の他に、用紙収納カセットを装填するための容積が必要で、この分どうしても表示にしわ寄せがきて小さくなり、見づらく、筐体の姿勢も固定的で、操作性に欠けるものであった。
【0013】
さらに、用紙収納カセットを天面あるいは底面に沿って設けて排紙が正面側で行われることになるため、表示部がどこに配置されることになるのか明確ではないが、少なくとも表示部は用紙の搬送路と交差する方向になってしまい、どうしてもそのサイズが小さくなる。しかも、用紙を略90度回転させるため、用紙には多くの微妙な力が作用し、複雑な経路を辿って搬送されることになる。
【0014】
このようにサーマルプリンタなどの熱転写型の画像形成装置において、表示部のサイズを大きく、また搬送路を無駄な動作が入り込まない経路にしようとすると、装置全体のサイズが大きくなるか、内部構成が複雑化していた。しかも限界があった。
【0015】
なお、(特許文献2)のフォト記録システムに利用される画像形成装置も、表示装置が画像形成部と並べて配置される筐体を有しており、やはり設置面積が大きく、これを小型化すると、表示される画像のサイズは小さくて見づらく、表示面の向きは固定的(一定方向)で、操作部も小さく、操作性に欠けるものである。
【0016】
そこで本発明は、筐体の姿勢を変更でき、表示が見易く、操作が容易であって、排紙した用紙に汚れや傷がついたりカールしたりすることがない、低消費電力でコンパクトな画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
このような問題を解決するために本発明の画像形成装置は、画像を用紙へ形成する像形成手段を内部に有する筐体と、筐体の表面に設けられ形成する画像を表示する表示手段と、筐体を回動自在に保持する保持手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明の画像形成装置によれば、その筐体の姿勢を変更でき、表示手段の表示が見易く、入力のための操作が容易で、排紙した用紙に汚れや傷がついたり用紙がカールしたりすることがなく、筐体の奥行き幅を小さくでき、コンパクトな構造にすることができる。
【0019】
また、筐体の姿勢の変更で、設置される空間に占める画像形成装置のスペースを設置場所や使用状態、周囲のインテリアなどに応じて最小の占有面積かつ最適な形態にすることができる。印刷などの画像形成に使用するだけでなく、写真等の画像を写真立ての写真のように表示手段に表示することができ、画像を印刷する前に予めチェックを行ったり、編集を行ったりしてから印刷することができる。
【0020】
さらに、姿勢を操作することにより電力供給が制御され、電力消費が大きな像形成のモードを確実に最小限にすることができ、低消費電力の画像形成装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
上記課題を解決するために本発明の請求項1の発明は、画像を用紙へ形成する像形成手段を内部に有する筐体と、筐体の表面に設けられ形成する画像を表示する表示手段と、筐体を回動自在に保持する保持手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置である。
【0022】
この構成によって、その筐体の姿勢を変更でき、表示手段の表示が見易く、入力のための操作が容易で、排紙する用紙に汚れや傷がついたり用紙がカールしたりする用紙搬送路を採用することが可能で、筐体の奥行き幅を小さくでき、コンパクトな構造にすることができる。また、筐体の姿勢の変更で、設置される空間に占める画像形成装置のスペースを設置場所や使用状態、周囲のインテリアなどに応じて最小の占有面積かつ最適な形態にすることができる。印刷などの画像形成に使用するだけでなく、写真等の画像を写真立ての写真のように表示手段に表示することができ、画像を印刷する前に予めチェックを行ったり、編集を行ったりしてから印刷することができる。
【0023】
本発明の請求項2の発明は、画像を用紙へ形成する像形成手段を内部に有する筐体と、筐体の表面に設けられ形成する画像を表示する表示手段と、筐体を回動自在に保持する保持手段とを備え、像形成手段の用紙搬送路に対する表示手段の表示面との相対位置が固定であることを特徴とする画像形成装置である。
【0024】
この構成によって、保持手段が筐体を回動自在に保持するためその筐体の姿勢を容易に変更でき、その姿勢の傾斜角度の変更により表示手段の表示を見易くすることができ、この表示と共に入力操作が容易になり、また、姿勢の変化で排紙される用紙に汚れや傷がついたり用紙がカールしたりしない用紙搬送路を採用することが可能となる。用紙搬送路に対する表示手段の表示面との相対位置が固定的であるため、用紙搬送路を表示面に沿った構造にすることができ、これにより筐体の奥行き幅を小さくすることができ、筐体を薄くて縦長とし、表示面が広く、コンパクトな構造にすることができる。さらに、筐体の回動で姿勢を変えることができるため、設置される空間に占める画像形成装置のスペースを設置場所や使用状態、周囲のインテリアなどに応じて最小の占有面積かつ最適な形態にすることができる。印刷などの画像形成に使用するだけでなく、写真等の画像を写真立ての写真のように表示手段に表示することができ、画像を印刷する前に予めチェックを行ったり、編集を行ったりしてから印刷することができる。
【0025】
本発明の請求項3の発明は、画像を用紙へ形成する像形成手段と該像形成手段に用いられる記録剤を内部に有する筐体と、筐体の表面に設けられ形成する画像を表示する表示手段と、筐体を回動自在に保持する保持手段とを備え、像形成手段の用紙搬送路を保持手段の回動の中心となる軸に対して略直角とすると共に、記録剤の筐体内部への挿入方向を軸方向とし、保持手段の筐体への当接部を該筐体の記録剤の該筐体内部への挿入面とは異なる面に設けたことを特徴とする画像形成装置である。
【0026】
この構成によって、用紙搬送路を水平面に沿った保持手段の回動の中心となる軸に対して略直角、すなわち略垂直方向あるいは少し傾斜した方向にすると共に、記録剤の筐体内部への挿入方向を軸方向、すなわち水平面に沿った方向にできるので、保持手段の筐体への当接部を記録剤の筐体内部への挿入面とは異なる面に設けることが可能になり、このような筐体の構造とすることで、筐体の姿勢を変更することができ、かつ筐体の奥行き幅を小さくし、筐体を薄くて縦長とし、表示面が広く、コンパクトな構造にすることができる。設置される空間に占める画像形成装置のスペースを最小の占有面積かつ最適な形態にすることができ、印刷などの画像形成に使用するだけでなく、写真等の画像を写真立ての写真のように表示手段に表示することができ、画像を印刷する前に予めチェックを行ったり、編集を行ったりしてから印刷することができる。
【0027】
本発明の請求項4の発明は、請求項1、請求項2または請求項3の何れか1の発明に従属する発明であって、用紙搬送路を搬送される用紙が筐体より排紙された後保持手段を介して排紙されることを特徴とする画像形成装置である。
【0028】
この構成によって、筐体から排紙された用紙が直ちに画像形成装置が置かれた面に排出されることはなく、保持手段に適当な案内をされながら保持手段から排紙されるので、排紙する用紙に汚れや傷がついたり用紙がカールしたりする用紙搬送路を採用することができる。
【0029】
本発明の請求項5の発明は、請求項1、請求項2、請求項3または請求項4の何れか1の発明に従属する発明であって、表示手段の表示面が保持手段の水平面に対して第1の所定の角度未満の場合には用紙搬送路を搬送される用紙が筐体より保持手段を介さずに排紙され、表示手段の表示面が保持手段の水平面に対して第1の所定角度より大きい第2の所定の角度以上の場合には用紙搬送路を搬送される用紙が保持手段を介して排紙されることを特徴とする画像形成装置である。
【0030】
この構成によって、筐体を薄くて縦長として表示面を広くすることが可能になると同時に、表示手段の表示面が水平面に対して所定の角度未満の場合には用紙搬送路を搬送される用紙が筐体より保持手段を介さずに排紙されるので、筐体と保持手段の隙間のために用紙がカールしない用紙搬送路を採用することが可能となる。また、表示手段の表示面が水平面に対して所定の角度以上の場合には用紙搬送路を搬送される用紙が保持手段を介して排紙されるので、排紙される用紙に汚れや傷がついたり用紙がカールしたりしない。
【0031】
本発明の請求項6の発明は、請求項5の発明に従属する発明であって、表示手段の表示面が第1の所定の角度未満である第1の所定角度および、第2の所定の角度以上である第2の所定角度においてのみ像形成手段による像形成を行うよう制御する制御手段を設けたことを特徴とする画像形成装置である。
【0032】
この構成によって、その筐体の姿勢が水平面に対して第1の所定角度未満かつ水平面に対して第2の所定角度以上の場合にだけ像形成するので、像形成した用紙が紙詰まりしたりカールすることがない構造にすることができる。
【0033】
本発明の請求項7の発明は、請求項2または請求項3の発明に従属する発明であって、表示手段に表示された画像の像形成手段への像形成指示を行う像形成指示手段を備え、表示手段の表示面が保持手段の水平面に対して所定の角度以上の場合には像形成指示手段への電力供給を行わないことを特徴とする画像形成装置である。
【0034】
この構成によって、その筐体の姿勢、すなわち表示手段の表示面が水平面に対して所定の角度以上の場合には像形成指示手段への電力供給を行わないため、筐体が所定の角度より傾いている場合にだけ電力供給して像形成することができる。従って、姿勢を操作することにより電力供給が制御され、電力消費が大きな像形成のモードを確実に最小限にすることができ、低消費電力の画像形成装置を提供できる。
【0035】
本発明の請求項8の発明は、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6または請求項7の何れか1の発明に従属する発明であって、像形成手段および表示手段へ電力を供給する電力供給部が保持手段に設けられていることを特徴とする画像形成装置である。
【0036】
この構成によって、筐体のサイズが電力供給部の大きさに縛られることなく、奥行き幅を小さくすることができ、筐体を薄くて縦長とし、表示面が広く、コンパクトな構造にすることができる。
【0037】
本発明の請求項9の発明は、画像を用紙へ形成する像形成手段を内部に有する筐体と、筐体の表面に設けられ形成する画像を表示する表示手段と、筐体を回動自在に保持する保持手段とを備え、筐体から下向きに排紙される用紙が保持手段を介して排紙されると共に、保持手段の用紙下面をガイドするガイド面の用紙搬送方向下流端は該保持手段が載置される載置面より高く設けられていることを特徴とする画像形成装置である。
【0038】
この構成によって、用紙が筐体から下向きに排紙された場合であっても、ガイド面の用紙搬送方向下流端が載置面から高い位置に設けられているため、排紙した用紙に載置面上に存在する塵等による汚れや画像形成した像に傷がついたりすることを防止することができる。
【0039】
本発明の請求項10の発明は、請求項9の発明に従属する発明であって、ガイド面の用紙搬送方向下流端部に用紙搬送方向下流に向かって上方に傾斜して形成された反らし面を設けたことを特徴とする画像形成装置である。
【0040】
この構成によって、用紙の排紙を設置面からさらに高くすることができ、載置面に汚れや突起、異物などがあった場合による影響をさらに抑えることができ、これらが用紙を擦り、汚れや傷がつけたりすることを防止することができる。また、排紙される用紙は予め曲げが加わる方向と逆の方向に向きを変えられ、その後の搬送で自重が加わったときに余剰な横方向の曲げモーメントが加わらず、排紙位置が高くても用紙のカールを小さくできる。
【0041】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1における画像形成装置について説明する。図1は本発明の実施の形態1における画像形成装置の全体の斜視図、図2は図1の画像形成装置の内部構成を示すためのX−X断面図、図3は本発明の実施の形態1における画像形成装置の装置本体の背面側からみたときの斜視図、図4は本発明の実施の形態1における画像形成装置の保持台の斜視図である。
【0042】
また、図5は本発明の実施の形態1における画像形成装置のブロック構成図、図6は図1の画像形成装置の姿勢を傾斜させたときのX−X断面図、図7は本発明の実施の形態1における画像形成装置のインクリボンを交換するときの斜視図、図8は本発明の実施の形態1における画像形成装置の姿勢を倒すときの制御モードとの関係を示す説明図、図9は本発明の実施の形態1における画像形成装置の姿勢を垂直に戻すときの制御モードとの関係を示す説明図である。
【0043】
そして、図10は本発明の実施の形態1における画像形成装置の保持台の第1変形図、図11は本発明の実施の形態1における画像形成装置の保持台の第2変形図、図12はインクシートの説明図、図13(a)は本発明の実施の形態1における画像形成装置の保持台の第1の断面図、図13(b)は本発明の実施の形態1における画像形成装置の保持台の第2の断面図、図13(c)は本発明の実施の形態1における画像形成装置の保持台の第1の断面図、図14は本発明の実施の形態1における画像形成装置の機能ブロックの説明図である。
【0044】
本発明の実施の形態1における画像形成装置1の構成について説明する。最初に図1に基づいて、この画像形成装置の概観から説明する。図1に示すように、画像形成装置1は例えばデジタルカメラなどによって撮影された写真や画像を記録する場合には画像データに基づいて画像形成を実行すると共に、この画像を見たりチェック、編集したりするときは写真立て(フォトフレーム)のようにモニタ表示させることができる、いわば複合機能を有する装置であって、大きくいって次の2つの部分から構成される。
【0045】
第1の部分は、画像形成装置1の画像形成を行い、表示面に画像を表示する本体部分であり、かつ以下詳述するように姿勢を変更させることができる装置本体2(本発明における筐体)である。
【0046】
また、第2の部分は、この装置本体2を所定角度に傾斜して保持可能であると同時に、このような姿勢の変更があっても用紙に曲げなど加わらないように、できるだけ水平に載置面に沿って排紙させることが可能な保持台3である。本実施の形態1では、装置本体2が保持台3に回動自在に支持され、排紙の方向も装置本体2の傾斜に伴って変更されるものである。なお、本明細書では用紙というが、ここでいう用紙とは、普通紙の他、写真を印刷するための印画紙、OHP(Over Head Projector)用シートなどのあらゆる画像形成用の記録媒体を意味する。
【0047】
まず、この装置本体2の概要について図1〜図6を基に説明すると、ユーザが操作する正面となる側面にはLCD(Liquid Crystal Display、液晶表示装置)などのモニタ4(本発明の画像を表示する表示手段)が設けられており、撮影された写真等の画像や操作情報などの表示を表示することができる。
【0048】
このモニタ4はCPU37によってメモリから画像のデジタルビデオ信号を転送されると、モニタドライバ34によって画像を表示する。なお、NTSC方式の信号による表示も可能である。また、実施の形態1の画像形成装置は、モニタ4に透明の抵抗膜などを貼ってあり、図5に示すタッチパネルコントローラ35により指先などによる座標入力でタッチパネルとして機能させることもできる。さらに、モニタ4の下方位置には電源キー40などを配置した操作パネル5が設けられている。これによって画像を印刷する前に予め画像のチェックを行い、操作パネル5あるいはタッチパネルを使って画像の編集を行ってから印刷することができる。
【0049】
次に、装置本体2の上面(すなわち天面)には、画像形成装置1に給紙する給紙口6が設けられている。用紙をここから手差しなどで供給する。給紙口6から用紙を挿入すると、装置本体2に設けられたサーマルヘッド10などの画像形成部で画像形成され、保持台3の正面に設けられた排紙口7、あるいは装置本体2と保持台3の間から排紙される。これらについては後述する。
【0050】
この最終の排紙方向は画像形成装置1が載置されている面と略平行であり、排紙口7がこの面から少し位置が高く設けられているため、排紙した用紙に画像形成装置1を載置した面上に存在する塵等による汚れや画像形成した像に傷がついたりすることがない。
【0051】
なお、装置本体2の姿勢は、略垂直の方向に立っている状態(すなわち、モニタ4が正面を向いた状態)から背面方向に向けて倒して傾斜させることができるため、装置本体2が略垂直な状態からある程度傾斜するまでは上記排紙口7を通して排紙されるが、装置本体2がこの限界となる所定の角度以上の角度傾斜された状態になると、搬送路A(本発明における用紙搬送路)の排紙側となる図2のような排紙路nが切り換わり、図6に示すような保持台3と装置本体2の間の排紙路mから排紙される。なお、ここで排紙路m,nは搬送路Aの中で排紙を行う部分を示す部分経路である。
【0052】
装置本体2は、モニタ4が設けられた正面に対して背面側となる側面が正面と平行な平面として構成され、全体が板状で、保持台3側となる底面2a付近が保持台3の上面に形成された凹形二次曲面上をスライドできるように凸形二次曲面(例えば円柱面の一部)で構成されている(図1〜図3を参照)。
【0053】
この底面2aには図2に示すように排紙ローラ25、排紙ピンチローラ24の軸と平行に開口30が形成されている。モニタ4が設けられた正面に対して、右側面または左側面に、図7において外観を示すようなインクリボン31を交換するための、開閉可能なリボン交換開口8aと、それを覆うカバー8が設けられている。
【0054】
ここで、図1、図2、図3、図4、図13(a),(b),(c)の記載を基に保持台3について説明する。保持台3は装置本体2を回転自在に保持するために、2本の腕43が設けられている。この腕43の先端には装置本体2を軸支するための軸孔が設けられており、装置本体2の底面2aに対向して摺動面44が形成されている。摺動面44は凹形二次曲面に形成され、底面2aが腕43の軸を中心に傾けられると、適当な大きさの摩擦力が作用し、装置本体2を止めたところに保持できるようになっている。すなわち、回転可能であると同時に摩擦力によりその位置で傾斜を保持できる。なお、さらにこれを徹底して、底面2aと摺動面44の間に装置本体2を一時的、段階的に所定角度に係止させる、バネなどによる係止ストッパを1個または複数個設けるのもよい。
【0055】
保持台3には、図13(a),(b),(c)に示すように、摺動面44の凹形二次曲面の端部高さから僅かな高さ分だけ低くなった段差45が形成されている。これにより第1ガイド面26に沿って、すなわち保持台3が載置されている載置面と略平行に用紙を排紙することが可能になる。
【0056】
なお、これを極端にして直接載置面上に用紙が排出すると、載置面に汚れや突起、異物などがあり、これらが用紙を擦り、汚れや傷がつけたりすることも起こる可能性もある。このときの形態を示すと図11、図13(c)のように第1ガイド面26を省いた構成になる。このとき用紙は段差45を構成する摺動面44から直接載置面に当接し、画像形成装置1の正面から排紙される。
【0057】
しかし、この場合も載置面の条件さえよければ、印刷した画像に汚れや傷を与えることなく排紙できるし、第1ガイド面26が設けられていない分、画像形成装置1の奥行き幅を薄くできるという利点がある。ただし、図2に示し、後で詳述する第1スイッチ28(以下、第1SWとも略称する)の配置は第2スイッチ29(以下、第2SWとも略称する)と同様に装置本体2の背面側へ移動させる必要がある。
【0058】
図1〜図4に示した画像形成装置1の場合、保持台3に段差45分低くなった第1ガイド面26が設けられている。第1ガイド面26、言い換えれば排紙口7の高さは載置面からは僅少であり、用紙に曲げを加えることなく、円滑な排紙を行える。
【0059】
ところで、この保持台3の内部空間を図2、図13(a)のような形状ではなく、図13(b)に示したような空間にすれば、電源供給部41を収容する収容空間として利用できる。これによりサーマルヘッド10などを搭載した装置本体2をコンパクトな構成にすることができる。つまり、装置本体2のサイズが電力供給部41のサイズに縛られることがなく、装置本体2の奥行き幅を小さくでき、装置本体2を薄くて縦長の板状構造とし、モニタ4の表示面を広く、かつ容積が最小の構造にすることができる。
【0060】
以上説明したように装置本体2と保持台3からなる実施の形態1の画像形成装置1は、装置本体2を倒したとき、装置本体2が保持台3の背面側上を上から覆った形態になるため、この保持台3の背面側部分を少し拡大しても画像形成装置1全体のサイズを大きくすることにはつながらない。装置本体2内部に電源供給部41を配置しない分、装置がコンパクトになり、また、重量がある電源供給部41を保持台3に収容すると重心を下げることができ、画像形成装置1の設置状態が安定する。
【0061】
さて、続いて装置本体2と保持台3の両方に関係する搬送路Aの排紙路m,nの説明をする。実施の形態1の装置本体2に設けられた開口30と対面する位置には、装置本体2が水平面に対して所定の角度以上、ここでは略垂直な姿勢のときに排紙路nに用紙を誘導するための誘導開口30aが設けられている。装置本体2のモニタ4の表示面が略垂直な場合には用紙が保持台3を介して排紙路nを通って排紙されるので、比較的真っ直ぐに近い搬送路Aから無理な搬送にならないように案内された角度で曲がり、第1ガイド面26上を排紙され、用紙がカールしない搬送路とされる。汚れも突起、異物がない状態の円滑な案内をされて保持台3から排紙される。
【0062】
また、誘導開口30aの一端側の面をなす第2ガイド面27は、装置本体2が水平面と所定の角度未満の傾斜した姿勢になったときに排紙路mに用紙を誘導するためのものである。この第2ガイド面27をスライドさせる排紙は、排紙路nを経由しての第1ガイド面26からの排紙の位置より少し高い位置からの排紙となる。この排紙路mを経由しての排紙が後述する通常動作モードにおける排紙ルートになる。
【0063】
図10は第1ガイド面26に反らし面26aを形成した場合を示している。第2ガイド面27においてもこれと同様な形状の反らし面26aを形成すれば用紙の排紙を設置面からさらに高くすることができ、載置面に汚れや突起、異物などがあった場合による影響をさらに抑えることができ、これらが用紙を擦り、汚れや傷がつけたりすることを防止することができる。また、排紙される用紙は反らし面26aにより予め曲げが加わる方向と逆の方向に向きを変えられ、その後の搬送で自重が加わったときに余剰な横方向の曲げモーメントが加わらず、排紙位置が高くても用紙のカールを小さくできるという効果を奏する。
【0064】
続いて、図2、図6、図7、図12を基に画像形成装置1の装置本体2内の詳細な構成、特に画像形成部の詳細な構成と、その動作について説明する。図2、図6において、装置本体2には、昇華ヘッド等のサーマルヘッド10(本発明における像形成手段)と、これに対向して設けられたプラテン11、インクシート12などから構成された熱転写型の画像形成部が設けられている。
【0065】
インクシート12は、図12のような3色の染料と保護材料が膜状に塗布された帯状のシートであって、供給リール13に巻きつけられているが、1回の画像形成を行うと、1回分に当たる使用済みの所定長さだけ、巻き取りリール14に巻き取られる。このサーマルヘッド10、供給リール13、巻き取りリール14等は図7に示したような交換可能なインクリボン31(本発明における記録剤)内に設けられており、インクシート12が消耗したときにはこのインクリボン31を交換することによって、新たに画像形成することが可能になる。
【0066】
ここでインクシート12について説明する。このインクシート12には、イエロー(以下、Y)、マジェンダ(以下、M)、シアン(以下、C)の3色の熱昇華性染料が順に塗布されたインク層と、これらが用紙上に転写された上を保護材料でオーバーコートするためのオーバーコート(以下、OC)層が形成されている。Y、M、Cの熱昇華性染料、OC層の保護材料が所定幅で繰り返しこの順で設けられ、1回の画像形成を行うときにY、M、C、OC層が1回ずつ使用される。
【0067】
なお、このOC層はインクシート12にとって必須の材料というわけではない。インクシート12にはOC層が設けられているシートも、設けられていないシートもあり、以下の説明においてはOC層があるものを説明するが、これに限定されるものではない。
【0068】
また、Y、M、Cの他に、黒(以下、K)の熱昇華性染料が設けられていてもよい。このときY、M、C、Kの熱昇華性染料、OC層の保護材料が所定幅で繰り返しこの順で設けられたインクシート12になる。
【0069】
そして、1葉の画像形成を行うときに、プラテン11とサーマルヘッド10間を往復される用紙は、サーマルヘッド10によって各色インク、さらにOC層が転写される。この転写はY、M、C、OC層の順で4回繰り返して行われる。なお、Kが設けられたインクシート12の場合はY、M、C、K、OC層の順で5回繰り返して行われる。以下Y、M、C、OC層の場合を例に説明する。搬送される用紙はサーマルヘッド10を中心に排紙口7に向けて3回往復して搬送され、この間に3色の熱昇華性染料が積層された状態で転写され、最後のOC層の保護膜材料が転写された後、そのまま搬送路Aを通って排紙口7(排紙路n)あるいは保持台3と装置本体2の間(排紙路m)から排紙される。
【0070】
ところで、サーマルヘッド10は、装置本体2内部に回動自在に軸支されたヘッドアーム15の先端に設けられており、ヘッドアーム15を軸まわりに回転させることでサーマルヘッド10を昇降させることができ、降下させたとき用紙を挟んでプラテン11に圧着し、Y、M、C、OC層を加熱し、プラテン11上での画像形成が可能になる。また、ヘッドアーム15を上昇させたとき、用紙の圧着が解かれ、用紙の逆方向への搬送が自由に行えるようになる。このヘッドアーム15の揺動動作は用紙を搬送するリバースローラ16の回転と同期して行われる。
【0071】
ここで、サーマルヘッド10から発生する熱に関連して装置内部の熱対策について説明すると、図2、図6などで示すようにサーマルヘッド10などが発生する熱からLCD等のモニタ4や基板を遮蔽するため、装置本体2にはモニタ4に沿って熱遮蔽板9が設けられている。なお、図示はしないが、装置本体2内には、サーマルヘッド10だけでなく、後述するモータ32a,32bや、LSI(Large Scale Integration Circuit)が熱を発生するために、これを冷却する冷却ファンなどが設けられている。
【0072】
さて、続いて画像形成するときの用紙の搬送プロセスについて説明する。サーマルヘッド10に用紙が進入する直前の位置に、用紙を正確に往復させるためのリバースローラ16が設けられている。3色を用紙に正確に位置決めして重ね刷りするためのローラである。リバースローラ16は用紙を往復動させ、Y、M、Cの各色ごとに正転、逆転を繰り返す。そして、このリバースローラ16と対向した位置には、リバースローラ16に従動しつつ用紙を挟持するピンチローラ17が設けられている。ニップでのリバースローラ16とピンチローラ17とによる加圧と回転で、適度の摩擦により用紙をほとんどスリップ無しに搬送することができる。搬送ピンチローラ19と給紙ローラ20、排紙ピンチローラ24と排紙ローラ25においても同様に制御できる。
【0073】
また、搬送路Aには、こうした一連の搬送プロセス、用紙の搬送ルートとタイミングを制御するために、リバースローラ16とピンチローラ17に用紙が進入する直前に紙検出センサ18が設けられている。紙検出センサ18はレジストセンサと兼用することもできる。しかし、実施の形態1の場合、受光素子、発光素子からなるフォトセンサなどとし、搬送路Aにレジストセンサとは別に設けている。
【0074】
この紙検出センサ18が、給紙ローラ20によって給紙された用紙の先端を検出すると、この検出したタイミングで、この位置を基準にして、リバースローラ16を所定量回転させるためにモータ32aに対して正転の命令を出す。リバースローラ16用のモータ32aの制御ブロック構成を図5に示す。このモータ32aはステップモータであって、回転量がステップ刻みで正確に制御され、用紙の搬送量が正確に制御できる。
【0075】
リバースローラ16が基準となる位置を基準にして画像形成エリアの長さ分だけ正転すると、この基準の位置から所定のステップ数だけ用紙が搬送され、この搬送中にサーマルヘッド10による加熱でインクシート12のYが転写される。なお、用紙が基準位置に到達したタイミングで、インクシート12も巻き取りリール14によって印刷開始の基準位置にまで巻き取られる。Yが記録された後は、次に画像形成するMがその基準位置に巻き取られ、続いてC、OC層が基準位置に来るように巻き取られる。インクシート12の巻き取りリール14を駆動するモータ32bは搬送系のギヤを駆動するモータ32aとは別に設けるのがよい。
【0076】
インクシート12と用紙が、共に基準位置にセットされた所定のタイミングで、モータ32a,32bが回転を開始し、ヘッドアーム15が降下してプラテン11上の用紙にサーマルヘッド10を圧着し、所定のステップ数だけ用紙が搬送され、この間に画像形成される。画像形成エリアの長さ分だけ搬送されると、今度はモータ32aの回転方向が逆転し、ヘッドアーム15が上昇され、用紙に対する逆方向の搬送が行われる。インクシート12も巻き取りリール14によってMを画像形成可能な基準となるべき位置に来るように巻き取られる。
【0077】
この後、最初に画像形成したYと同様にMの画像形成が行われる。用紙は搬送路A上を排紙側に向けて往復し、この間にMが画像形成される。さらに、Mで画像形成した後、同様のプロセスで往復する用紙にCが画像形成される。このように画像形成は、Y、M、Cのそれぞれで用紙を搬送しては画像形成し、その後サーマルヘッド10を上昇させ、用紙の終端が紙検出センサ18に検出されるまで用紙を引き戻す動作を繰り返すことにより行う。Y、M、Cが画像形成されたらOC層が形成される。なお、Kが設けられたインクシート12の場合はY、M、C、Kによる画像形成の後にOC層が形成される。OC層を形成すると、用紙はそのまま搬送路Aを通って排紙ローラ25、排紙ピンチローラ24の方へ送られる。
【0078】
これら搬送と画像形成の一連の動作は図5に示すヘッド/モータコントローラ36によって制御される。ヘッド/モータコントローラ36は、紙検出センサ18からの用紙先端の検出信号により、図5のCPU(Central Processing unit)37から画像形成を指示する信号が出力されると、モータ32bを駆動するモータドライバ33aに正転、逆転の指令の信号を出し、リバースローラ16を正転、逆転させる。
【0079】
なお、このリバースローラ16と、ヘッドアーム15に上昇下降動作を行わせるためのカム、あるいは給紙された用紙を搬送する給紙ローラ20、排紙を行う排紙ローラ25とは、共通のモータ32aによって駆動される。モータ32aが駆動する1個の駆動ギヤとこの駆動ギヤと噛合った複数個のギヤからなるギヤ列によってトルク伝達され、すべてのロータが同期して動作でき、用紙の搬送を正確に行うことができる。なお、給紙ローラ20、排紙ローラ25を駆動するギヤにはクラッチが設けられて用紙の搬送が終了すると動作を停止させる。また、搬送ピンチローラ19、排紙ピンチローラ24はそれぞれ給紙ローラ20、排紙ローラ25に従動する従動ローラである。
【0080】
さて、サーマルヘッド10によって画像が形成された用紙は、排紙ローラ25に向けて搬送路Aを送られるが、排紙ローラ25と排紙ピンチローラ24によって先端を把持されるまで搬送路Aからルートを外れずに案内される必要がある。このためサーマルヘッド10と排紙ローラ25の間にはガイド板21が設けられ、装置本体2の姿勢に伴って角度を変えながらカム22の表面をスライドする。このガイド板21は、図2に示すような装置本体2が略垂直に立っている状態から背面方向に向けて姿勢を傾斜させる、あるいは逆に図6に示したような、倒れている姿勢から図2の略垂直な姿勢に変えるのに伴って、メカニズムによる機械的制御あるいは電気的制御で傾斜角度を増減させることができる。
【0081】
このガイド板21の動作と連動し、装置本体2の姿勢の変更でガイド板21の端部と連続性を保って搬送路Aを形成するための第2ガイド板23が設けられている。この第2ガイド板23の揺動もガイド板21と同様にメカニズムによる機械的制御あるいは電気的制御で傾斜角度を増減させることができる。このガイド板21と第2ガイド板23の交差角を大小に変化させることによって、排紙ローラ25と、排紙ピンチローラ24から送り出される用紙の排紙方向をスムーズに変化させることができ、比較的真っ直ぐに近い搬送路Aから無理な搬送にならないように案内された角度での曲がりが可能になる。
【0082】
このように画像形成後、用紙はガイド板21と第2ガイド板23に案内され、排紙ローラ25と、排紙ピンチローラ24によって開口30から排出される。このとき装置本体2が略垂直に立っている姿勢の場合は、図2のように排紙ローラ25と排紙ピンチローラ24の間から送り出された用紙の先端が保持台3の第1ガイド面26と略垂直に、保持台3の水平面との交差角度でいうと第2の所定の角度以上の鋭角(本発明の保持手段の水平面に対して第2の所定の角度以上)、例えば70°以上の角度〜90°の角度未満の交角で当接し、先端がこの当接で向きを変えられ、画像形成装置1が載置されている面と略平行な第1ガイド面26に沿った方向に案内され、排紙路nにより排紙口7から排紙される。
【0083】
これに対して、装置本体2が第2の所定の角度より小さい第1の所定の角度未満に背面側へ倒された図6の姿勢の場合は、排紙ローラ25と排紙ピンチローラ24から送り出された用紙の先端は保持台3の第2ガイド面27に向けて穏やかに曲がるように、すなわち保持台3の水平面との交差角度でいうと第1の所定の角度未満の鋭角(本発明の保持手段の水平面に対して第1の所定の角度未満)、例えば20°〜60°で当接し、第2ガイド面27上に沿って滑らかに案内され、装置本体2の底面2aと第2ガイド面27の間から排紙路mにより排紙される。用紙に大きな曲げ力が加えられることはなく、画像に汚れや傷がつくことはない。
【0084】
さて、以下、画像形成装置1の装置本体2の姿勢と、これに対応した多様な動作モードと、その電力供給を行う電力供給モードの関係について説明する。実施の形態1では姿勢と連動して動作モードを切り換えるため、図2に示すように、装置本体2が略垂直に立っているとき第2ガイド面27と対向する底面2aの位置に第1スイッチ28を設けており、装置本体2が倒された状態のときにだけ保持台3と当接する背面側の位置に第2スイッチ29を設けている。これらから検出される装置本体2の姿勢と電源キー40のON,OFFとの関係から、複数の動作モードが決定される。
【0085】
すなわち、本発明の実施の形態1における画像形成装置1は、装置本体2が略垂直に立っている姿勢のときには画像表示モード(例えばフォトフレームモード)とすることができ、図6のような装置本体2が倒された状態の姿勢のときには画像形成モード(例えば印刷モード)として画像を記録することができる、という2つのモードを有し、また、同時に姿勢と電源キー40の関係によるパワーダウンモードと電源OFFモードという別のモードも有している。これらは後述する通常動作モードに該当する。
【0086】
なお、通常動作モードの他に、装置本体2が略垂直に立っている姿勢のときに強制的に画像形成することができるし、同様に装置本体2が倒された状態の姿勢のときにも強制的に画像表示モードにも、パワーダウンモード、電源OFFモードにもすることもできる。これは強制入力モードであり、これについても後述する。
【0087】
ただ、実施の形態1の画像形成装置1においては、装置本体2の姿勢に依存した制御を行う通常動作モードの設定になっている。そして、この通常動作モードでは、電源キー40を省いた構成にすることもできる。当然にこのとき電源キー40は設けられず、装置本体2が略垂直に立っている姿勢のときのみ画像表示モードとなり、装置本体2が倒された状態の姿勢のときに画像形成モードなる。また、この2つの姿勢の中間的な姿勢では電源OFFになる。
【0088】
そこで、こうした複数の動作モードで制御を行う画像形成装置1のシステム構成について、図2、図5に基づいて詳細に説明する。図5において、実施の形態1の画像形成装置1には、CPU37と、このCPU37に演算処理を行わせるプログラムとそのデータを記憶したROM(Read Only Memory)39と、このプログラム、データを読み出して一時記憶するRAM(Random Access Memory)38が設けられており、画像形成装置1のシステム制御を行う。これをソフトウェア的にみれば、RAM38に展開したプログラム、あるいはデータに従ってCPU37がプログラムの処理を行い、そのプログラムの目的とする所定の機能を実行するもので、いわばCPU37には所定プログラムに対応した所定の機能実現手段が設けられている。
【0089】
ROM39としては、例えばFlashROM等を設けることができる。デジタルカメラなどのホスト機器から伝送されてきた画像等のデータはこの不揮発性メモリ内に格納され、その後読み出されて画像形成することもできる。
【0090】
メモリとしてはこの他USB(Universal Serial Bus)メモリ、例えばUSB−H/FなどもCPU37にUSBインターフェースを介して接続可能であり、内部に格納された画像データなどをROM39に転送することができ、これを読み出して画像形成することができる。さらにSD規格のSD(Secure Digital)メモリーカードなどをSDスロットを介してCPU37に接続することもできる。
【0091】
さて、通常動作モードあるいは強制入力モードで、画像形成モードで電源キー40がONされると、図14に示すようにCPU37は、像形成指示手段37aとしてヘッド/モータコントローラ36に画像形成する旨の指示を出力する。これを受けてヘッド/モータコントローラ36は所定のシーケンスに従ってモータドライバ33aを動作させ、モータ32aを回転させ始める。この状態で給紙が行われると、給紙ローラ20、搬送ピンチローラ19が回転することで、給紙された用紙はリバースローラ16の方に向かって搬送路Aを搬送される。
【0092】
これと同時にヘッド/モータコントローラ36はモータドライバ33bを動作させ、モータ32bの回転を開始させる。これによりインクシート12が巻き取りリール14に巻き取られ、Yが画像形成できるように基準位置にセットされる。
【0093】
続いて搬送される用紙が紙検出センサ18によって先端を検出されると、この検出信号がCPU37に入力される。この検出信号をトリガーとして、モータ32a,32bはそれぞれ回転を開始する。モータ32aは所定ステップ数をカウントするまで回転して用紙を搬送し、モータ32bはヘッドアーム15によりサーマルヘッド10をプラテン11に圧着する。これと共にヘッド/モータコントローラ36はサーマルヘッド10を制御してインクシート12のYを用紙に熱転写する。
【0094】
ヘッド/モータコントローラ36は、画像形成エリアの長さ分だけモータ32aが回転すると、ヘッドアーム15を上昇させると共に、駆動系のモータ32aを逆転させる。このモータ32aの逆回転によって用紙は搬送路Aを逆方向に搬送され、用紙の後端が紙検出センサ18の位置に達したとき後端が検出される。この間に巻き取りリール14を回転しインクシート12はMの位置まで巻き取られる。
【0095】
この検出信号が紙検出センサ18から出力されると、CPU37はこの検出信号によりモータ32a,32bの回転を開始させる。これによってモータ32aが所定ステップ数回転して用紙を搬送し、モータ32bはサーマルヘッド10をプラテン11に圧着してインクシート12のMを用紙に熱転写する。さらに、用紙は搬送路Aを逆方向に搬送され、用紙の後端が紙検出センサ18の位置に達したとき後端が検出される。
【0096】
以上と同様の動作がCの画像形成においても同様に繰り返され、Cが熱転写された後、用紙の後端が紙検出センサ18によって検出されると、CPU37は最後にOC層の熱転写を行う。各色と同様にモータ32a,32bを回転させ、モータ32aによって用紙を搬送し、モータ32bはヘッドアーム15によりサーマルヘッド10をプラテン11に圧着する。同時にヘッド/モータコントローラ36はサーマルヘッド10を制御してOC層を用紙に熱転写する。
【0097】
その後、リバースローラ16は正転を継続し、用紙の先端が排紙ローラ25と排紙ピンチローラ24の間に把持されると、装置本体2の底面2aの開口30からその姿勢に応じて排紙路n,mが切り換わり、何れかの排紙路を通って排紙される。装置本体2が略垂直に立っている場合は排紙路nにより、また、装置本体2が傾斜したときの姿勢の場合は排紙路mによって排紙される。
【0098】
続いて、通常動作モードあるいは強制入力モードにおいて、動作モードを切り換える制御について説明する。まず、基本的であり、分り易いという観点から、装置本体2の姿勢と無関係な強制入力モードにおける動作モード切り換えを説明する。
【0099】
この強制的に行うモード切り換えは、モニタ4の画面を使い、各モードの表示された入力ボタンあるいはアイコンなど、表示面上座標入力に関してアクティブなエリアを表示してこれに指先などで触れることで入力し、タッチパネルコントローラ35がこの入力信号をCPU37に出力する。これによってタッチパネルでモード変更が可能になる。例えば、モニタ4の画面に画像表示モードを入力するモニタボタン、画像形成モードを入力する印刷ボタンを表示し、これから入力すればよい。また、ユーザが装置に最後に触れてから所定の時間tが経過したとき、自動的にパワーダウンモード(低消費電力モード)に移行させる設定も、タッチパネルから行うことができる。
【0100】
しかし、実施の形態1の場合、画像形成装置1は通常動作モードの設定になっている。入力するときは画像形成装置1の装置本体2の姿勢を変更しなければならない。画像表示モードのときは略垂直にし、画像形成モードのときには倒して使用する。
【0101】
このような設定にしたのは、多くのユーザが装置本体2を垂直に立てた状態で画像表示を行う場合が通常利用し易いと考えられ、また逆に、多くのユーザが装置本体2を傾斜させた姿勢で画像形成などの印刷を行うのが利用し易い上に、画像形成して排紙される用紙に曲げなど余分な負担が加わらないからである。
【0102】
従って、実施の形態1では、画像形成装置1の装置本体2の姿勢と使用形態を組み合わることにより、最も使用頻度の高い形態を通常動作モードとしており、この状態で利用する場合には装置本体2の姿勢を変更するだけで特に操作上別に何もしないでモード切り換えが可能になる。
【0103】
加えて、これらの動作モードにおいては、使い易さだけでなく、モードに応じて電力供給に差をつけることができる。一番電力が必要なのは画像形成モードであり、次に画像表示モードの場合に電力が必要で、低消費電力を狙ったパワーダウンモードにおいては図5に示すASIC機能維持のための最小限の活性維持回路Bに最小限の電力が供給される。CPU37に対しても同様である。しかしながら電源キー40をOFFにすれば当然回路はすべてOFF状態となる。
【0104】
従って、実施の形態1では、電力供給に関する電力供給モードの制御も、装置本体2の姿勢を変更するだけで変更したり、自動復帰させたりすることができる。このような姿勢による電力供給モード変更、自動復帰を使えば、ユーザが装置の外部形態を操作するだけですべてを制御でき、使い易いだけでなく、低消費電力の画像形成装置1を提供することができる。
【0105】
ここで、この電源供給部41について説明すると、画像形成装置1には外部から例えば24VのDC電源を接続しているが、電源供給部41内に設けられたDC/DCコンバータ(図示しない)により電圧を1.3V、1.8V、3.3V、5Vなどに電圧降下され、CPU37その他のASIC、サーマルヘッド10に対する電源として電力供給される。
【0106】
モータ32a,32bに対しては24V電源がそのまま供給される。この他の電力供給の一例を挙げると、サーマルヘッド10、ROM39、モニタ4には3.3V、RAM38には1.8V、ヘッド/モータコントローラ36には3.3V、1.8Vなどが電力供給され、さらにタッチパネルには5Vが電力供給される。
【0107】
そこで、以下、この通常動作モードのさらに詳細な説明を図8、図9、図14を用いて行う。併せて今まで詳細に説明していない画面表示モードの説明も行う。なお、図8,9においては説明上電源キー40をモニタ4の上に記載している。
【0108】
まず、実施の形態1の画像形成装置1が、姿勢を検出する検出手段である第1スイッチ28と第2スイッチ29、さらには電源の状態、すなわち電源キー40のON,OFF状態の組み合わせを利用すると、装置本体2の姿勢によって自動的にモード切り換えが可能になることを説明する。
【0109】
すなわち、通常動作モードで図8の左端に示すように装置本体2が略垂直に立っている姿勢の場合には第1スイッチ28がON、第2スイッチ29がOFFになるから、第1スイッチ28、第2スイッチ29から順にON,OFFの入力信号がCPU37へ入力されることになる。
【0110】
従って、強制入力モードの設定がなくこの状態で電源キー40がONされたのであれば、図14のように、CPU37の姿勢判断手段37bはこの状態を論理的に通常動作モードの画像表示モードと判断する。なお、この姿勢を敢えて画像形成モードにする場合は、タッチパネルを使って画像形成モードを選択すればよい。CPU37の像表示指示手段37cはこの状態ではモニタドライバ34を動作し、モニタ4に画像を表示させる。
【0111】
そして、通常動作モードの画像表示モードでは、図14に示すように姿勢判断手段37bの判断に基づいて、併せて電力供給モードの制御も行われ、電源供給部41からサーマルヘッド10、モータドライバ33a,33b、モータ32a,32bへの給電は抑えられ、ヘッド/モータコントローラ36のASIC(Application Specific Integrated Circuit)を何時でも動作可能にしておくだけの給電と、CPU37とモニタドライバ34を動作させるために必要な回路だけを活性状態にする。
【0112】
逆に、図9の右端に示すように装置本体2が斜めに傾いた姿勢の画像形成装置1は、第1スイッチ28がOFF、第2スイッチ29がONになるから、第1スイッチ28、第2スイッチ29からOFF,ONの入力信号がCPU37へ入力されることになる。
【0113】
従って、強制入力モードの設定がなくこの状態で電源キー40がONされたのであれば、CPU37の姿勢判断手段37bはこの状態を論理的に通常動作モードの画像形成モードと判断する。CPU37の像形成指示手段37aはこの状態でヘッド/モータコントローラ36に画像形成の指示を出力し、サーマルヘッド10、モータドライバ33a,33b、モータ32a,32bを動作して用紙に画像を形成させる。このとき、姿勢判断手段37bの判断に基づいて、併せて電力供給モードの制御も行われ、電源供給部41からはモータ駆動系を含むすべての回路を活性状態にするように給電される。この形態を敢えて画像表示モードにする場合は、タッチパネルを使って画像表示モードを選択すればよい。
【0114】
また、この2つの姿勢の間で中間の傾斜をもつ姿勢の場合は、第1スイッチ28、第2スイッチ29が共にOFFになるから、両者から何れもがOFFという入力信号がCPU37へ入力される。
【0115】
従って、通常動作モードで電源キー40がONされた状態で、このような姿勢にされたときは、ユーザは所定目的の画像形成モード、画像表示モードにすることを通常は期待していないと考えられ、姿勢判断手段37bの判断に基づいて、併せて電力供給モードの制御も行われ、電源供給部41はパワーダウンモードにする。このとき電源供給部41は、ヘッド/モータコントローラ36のASICの一部を動作可能にしておくだけの電力を供給し、他の回路への電気の供給を停止する。電源キー40をOFFにすれば画像形成装置1は停止状態となる。
【0116】
また、このような姿勢にされたとき、画像形成装置1を停止状態とし、それ以外の姿勢にされたときのみ画像形成モードとすることで、例えば排紙路m,nを切り換える途中で画像形成が行われた用紙が排紙路mと排紙路nの間に設けられた第2ガイド面27の搬送方向上流端部に突き当たり紙詰まりやカールなどが発生することを防止することができる。
【0117】
上記したように電源キー40を設けることなく、装置本体2の姿勢だけによって自動的に電源モードを含めたモード切り換えを行うことも可能である。第1スイッチ28がON、第2スイッチ29がOFFの場合に、CPU37は電源供給部41に電源ONと画像表示モードを指令し、第1スイッチ28がOFF、第2スイッチ29がONの場合に、CPU37は電源供給部41に電源ONと画像形成モードを指令する。第1スイッチ28、第2スイッチ29が共にOFFの場合、CPU37は電源供給部41に電源OFFを命令すればよい。この場合、パワーダウンモードではなく、OFFモードになる。
【0118】
このときの画像表示モードの画像形成装置1は、モニタ4が正面を向いて写真立てのように立っている。この装置本体2をそのまま少し倒せばモードが切り換わってOFFモードになり、さらに装置本体2を倒すと画像形成モードとなって給紙をすれば印刷が可能になる。
【0119】
以上説明した動作モードの関係をまとめると(表1)のようになる。
【0120】
【表1】

【0121】
(表1)によれば、通常動作モードのときは、基本的に第1スイッチ28、第2スイッチ29、電源キー40からの信号に依存し、強制入力モードの場合はこれらの入力は停止され、タッチパネルなどに表示されたモニタボタン、印刷ボタン、あるいはパワーダウンモードの設定入力によって動作モードが変化する。なお、通常動作モードにおいても、装置本体2の姿勢だけでなく、時間経過によるパワーダウンモードの設定を併せて行うことにより、電力供給をパワーダウンさせることも可能である。
【0122】
このように本発明の実施の形態1における画像形成装置1によれば、その装置本体2の姿勢を変更でき、モニタ4の表示が見易く、タッチパネルを使用する強制入力モードだけでなく、装置本体2の姿勢によって動作モード変更できるので操作が容易であり、しかも排紙した用紙に汚れや傷がついたり用紙がカールしたりすることがなく、モニタ4と用紙の搬送路Aとが略平行し、しかもその搬送路が固定的であるので、装置本体2の正面から背面にかけての奥行き幅を小さくでき、コンパクトな構造にすることができる。
【0123】
装置本体2の姿勢の変更で、画像形成装置1が設置される空間に占めるスペースを設置場所や使用状態、周囲のインテリアなどに応じて最小の占有面積かつ最適な形態にすることができる。印刷などの画像形成に使用するだけでなく、デジタルカメラなどで撮影した写真等を写真立ての写真のように表示することができるし、画像を印刷する前に予めチェックを行ったり、タッチパネルまたは操作部5からの入力で写真やその他の画像の編集を行ったりしてから印刷することができる。
【産業上の利用可能性】
【0124】
本発明は、デジタルカメラで撮影した写真等の画像を用紙へ形成する画像形成装置に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1】本発明の実施の形態1における画像形成装置の全体の斜視図
【図2】図1の画像形成装置の内部構成を示すためのX−X断面図
【図3】本発明の実施の形態1における画像形成装置の装置本体の背面側からみたときの斜視図
【図4】本発明の実施の形態1における画像形成装置の保持台の斜視図
【図5】本発明の実施の形態1における画像形成装置のブロック構成図
【図6】図1の画像形成装置の姿勢を傾斜させたときのX−X断面図
【図7】本発明の実施の形態1における画像形成装置のインクリボンを交換するときの斜視図
【図8】本発明の実施の形態1における画像形成装置の姿勢を倒すときの制御モードとの関係を示す説明図
【図9】本発明の実施の形態1における画像形成装置の姿勢を垂直に戻すときの制御モードとの関係を示す説明図
【図10】本発明の実施の形態1における画像形成装置の保持台の第1変形図
【図11】本発明の実施の形態1における画像形成装置の保持台の第2変形図
【図12】インクシートの説明図
【図13】(a)本発明の実施の形態1における画像形成装置の保持台の第1の断面図、(b)本発明の実施の形態1における画像形成装置の保持台の第2の断面図、(c)本発明の実施の形態1における画像形成装置の保持台の第1の断面図
【図14】本発明の実施の形態1における画像形成装置の機能ブロックの説明図
【図15】(a)従来の第1の画像形成装置における搬送路の説明図、(b)従来の第2の画像形成装置における搬送路の説明図、(c)従来の第3の画像形成装置における搬送路の説明図
【符号の説明】
【0126】
1 画像形成装置
2 装置本体
2a 底面
3 保持台
4 モニタ
5 操作パネル
6 給紙口
7 排紙口
8 カバー
9 熱遮蔽板
10 サーマルヘッド
11 プラテン
12 インクシート
13 供給リール
14 巻き取りリール
15 ヘッドアーム
16 リバースローラ
17 ピンチローラ
18 紙検出センサ
19 搬送ピンチローラ
20 給紙ローラ
21 ガイド板
22 カム
23 第2ガイド板
24 排紙ピンチローラ
25 排紙ローラ
26 第1ガイド面
27 第2ガイド面
28 第1スイッチ(第1SW)
29 第2スイッチ(第2SW)
30 開口
30a 誘導開口
31 インクリボン
32a,32b モータ
33a,33b モータドライバ
34 モニタドライバ
35 タッチパネルコントローラ
36 ヘッド/モータコントローラ
37 CPU
37a 像形成指示手段
37b 姿勢判断手段
37c 像表示指示手段
38 RAM
39 ROM
40 電源キー
41 電源供給部
43 腕
44 摺動面
45 段差
100a,100b,100c 画像形成装置
101a,101b,101c 用紙収納カセット
102a,102b,102c 表示装置
A 搬送路
B 活性維持回路
m,n 排紙路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を用紙へ形成する像形成手段を内部に有する筐体と、筐体の表面に設けられ形成する画像を表示する表示手段と、前記筐体を回動自在に保持する保持手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
画像を用紙へ形成する像形成手段を内部に有する筐体と、筐体の表面に設けられ形成する画像を表示する表示手段と、前記筐体を回動自在に保持する保持手段とを備え、前記像形成手段の用紙搬送路に対する前記表示手段の表示面との相対位置が固定であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
画像を用紙へ形成する像形成手段と該像形成手段に用いられる記録剤を内部に有する筐体と、筐体の表面に設けられ形成する画像を表示する表示手段と、前記筐体を回動自在に保持する保持手段とを備え、前記像形成手段の用紙搬送路を前記保持手段の回動の中心となる軸に対して略直角とすると共に、前記記録剤の前記筐体内部への挿入方向を前記軸方向とし、前記保持手段の前記筐体への当接部を該筐体の前記記録剤の該筐体内部への挿入面とは異なる面に設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
前記用紙搬送路を搬送される用紙が前記筐体より排紙された後前記保持手段を介して排紙されることを特徴とする請求項1、2または3の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記表示手段の表示面が前記保持手段の水平面に対して第1の所定の角度未満の場合には前記用紙搬送路を搬送される用紙が前記筐体より前記保持手段を介さずに排紙され、前記表示手段の表示面が前記保持手段の水平面に対して前記第1の所定角度より大きい第2の所定の角度以上の場合には前記用紙搬送路を搬送される用紙が前記保持手段を介して排紙されることを特徴とする請求項1、2、3または4の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記表示手段の表示面が前記第1の所定の角度未満である第1の所定角度および、前記第2の所定の角度以上である第2の所定角度においてのみ前記像形成手段による像形成を行うよう制御する制御手段を設けたことを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記表示手段に表示された画像の前記像形成手段への像形成指示を行う像形成指示手段を備え、前記表示手段の表示面が前記保持手段の水平面に対して所定の角度以上の場合には前記像形成指示手段への電力供給を行わないことを特徴とする請求項2または3記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記像形成手段および前記表示手段へ電力を供給する電力供給部が前記保持手段に設けられていることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6または7の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
画像を用紙へ形成する像形成手段を内部に有する筐体と、筐体の表面に設けられ形成する画像を表示する表示手段と、前記筐体を回動自在に保持する保持手段とを備え、前記筐体から下向きに排紙される用紙が前記保持手段を介して排紙されると共に、前記保持手段の用紙下面をガイドするガイド面の用紙搬送方向下流端は該保持手段が載置される載置面より高く設けられていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
前記ガイド面の用紙搬送方向下流端部に用紙搬送方向下流に向かって上方に傾斜して形成された反らし面を設けたことを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−190346(P2009−190346A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−35611(P2008−35611)
【出願日】平成20年2月18日(2008.2.18)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】