画像形成装置
【課題】 マスク領域中の画像処理演算結果が反映される領域に対応する度数は減算処理せずにヒストグラムを補正する。
【解決手段】 画像読み取り手段と、読み取る原稿のサイズを検知する原稿サイズ検知手段と、画像データに含まれる非画像領域をマスクする非画像エリアマスク手段と、画像データに対して、画像処理を施こす画像処理手段と、画像処理演算結果が前記非画像マスク領域に対して反映されるエリアを判定する画像処理演算エリア判定手段と、前記非画像エリアマスク手段によるマスクエリアから前記画像処理演算エリア判定手段によって得られる判定結果をマスクエリアから差し引いた残りのマスクエリアに対応する度数をヒストグラムから減算する減算処理手段と、ヒストグラムに基づき、下地レベルを判定する下地レベル判定手段と、下地レベルに基づき下地レベルを除去する下地除去手段とから構成される。
【解決手段】 画像読み取り手段と、読み取る原稿のサイズを検知する原稿サイズ検知手段と、画像データに含まれる非画像領域をマスクする非画像エリアマスク手段と、画像データに対して、画像処理を施こす画像処理手段と、画像処理演算結果が前記非画像マスク領域に対して反映されるエリアを判定する画像処理演算エリア判定手段と、前記非画像エリアマスク手段によるマスクエリアから前記画像処理演算エリア判定手段によって得られる判定結果をマスクエリアから差し引いた残りのマスクエリアに対応する度数をヒストグラムから減算する減算処理手段と、ヒストグラムに基づき、下地レベルを判定する下地レベル判定手段と、下地レベルに基づき下地レベルを除去する下地除去手段とから構成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、読み取り装置によって読み取った画像データに含まれる下地を除去する下地除去機能を備える画像形成装置に関するものである。特に、下地除去処理の下地レベルを決定する為のヒストグラムの作成及びヒストグラムの補正に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、デジタルカラー複写機では、原稿色を忠実に再現する。それ故、用紙の色、つまり原稿画像の下地の色も忠実に再現しようとする。したがって、原稿色のみを忠実に再現する為に読み取り画像に含まれる下地色を除去する下地除去機能を有する複写機が普及している。
【0003】
下地除去を行う為には、その原稿の下地となる色を判定することが必要になる。下地となる部分は、原稿の大部分を占めている。したがって、スキャンして得た画像の色のヒストグラムを作成して、このヒストグラムから原稿の大部分を占める下地レベルを判定する。そして、上記スキャン画像に対して非線形下地除去等の処理を用いて下地除去した上でプリントなどを行うことで下地が除去された画像を出力可能としている。
【0004】
このように、下地除去を施す際には、ヒストグラムを作成する。したがって精度よく下地除去する為には、このヒストグラムが下地を含まれる画像領域の度数分布を忠実に反映したものが望まれる。
【0005】
ここで、通常は、下地除去を行う領域を原稿サイズとして定めて、予め装置で設定した原稿サイズに基づきヒストグラムを取得する領域を決定して所望のヒストグラムを取得ようにしている。
【0006】
しかしながら、ADF(Auto document feeder)を使用して長尺原稿を流し読みする場合、スキャン開始時点で副走査方向の長さが不確定である場合がある。いわゆる不定長サイズの原稿として読み取りを開始する場合がある。
【0007】
このような場合、画像サイズとして装置が想定する原稿の最大長を設定して原稿の読み取りを行わせるようにしている。そして原稿外は白でマスク処理を施していた。つまり、原稿サイズ確定後にヒストグラム領域を変更することが出来ない場合、設定サイズ分のヒストグラムを一旦、取得して後に余分な白マスク領域の度数を差し引くことで所望の原稿領域のヒストグラムを得ていた。 (特許文献1)。
【0008】
つまり、有効画像以外にマスク処理を施したマスク領域を含む画像データから取得したヒストグラムから下地除去の対象としないマスク領域(0xFF)の度数を減算することで所望のヒストグラムを作成していた。
【特許文献1】特開2004-349858号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、マスク処理されてヒストグラムを取得するまでの間に空間フィルタ等の画像処理が施されてマスク領域に対して画像処理演算結果が反映される場合がある。したがって、従来のマスク処理部でマスクされた領域に対する0xffの度数分布を取得したヒストグラムの度数分布から減算してしまうと、ヒストグラムは実際に取得した領域に対応する度数分布を正確に反映したものではなくなるといった課題がある。
【0010】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものである。その主たる目的は、マスク領域中の画像処理演算結果が反映される領域に対応する度数は減算処理せずにヒストグラムを補正する画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
そこで、上記目的を達成する為に本発明の画像形成装置は、
原稿画像を光学的に読み取る画像読み取り手段と、(画像信号生成部(101)
前記画像読み取り手段により読み取る原稿のサイズを検知する原稿サイズ検知手段と、(原稿サイズ検知部106)
前記画像読み取り手段により読み取られた画像データに含まれる非画像領域をマスクする非画像エリアマスク手段と、(非画像エリアマスク部102)
前記非画像エリアマスク手段によって生成される画像データに対して、画像処理を施こす画像処理手段と、(画像処理部103)
前記画像処理手段による画像処理済み画像データから輝度分布のヒストグラムを作成するヒストグラム作成手段と、(ヒストグラム生成部104)
前記画像処理手段による画像処理演算結果が前記非画像マスク領域に対して反映されるエリアを判定する画像処理演算エリア判定手段と、(画像処理演算領域判定部107)
前記非画像エリアマスク手段によるマスクエリアから前記画像処理演算エリア判定手段によって得られる判定結果をマスクエリアから差し引いた残りのマスクエリアに対応する度数をヒストグラムから減算する減算処理手段と、(マスク領域除去部108)
前記減算処理手段により減算が施されたヒストグラムに基づき、下地レベルを判定する下地レベル判定手段と、(下地レベル判定部109)
前記下地レベル判定部によって判定された下地レベルに基づき、下地レベルを除去する下地除去手段(下地除去処理部105)
とを備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明の画像形成装置によれば、より精度よく下地除去を行う為の正確なヒストグラムを作成することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に、本発明の詳細を実施例の記述に従って説明する。
【実施例1】
【0014】
<画像形成装置の外観>
本発明の画像処理装置の外観を図1に示す。
【0015】
画像入力デバイスであるスキャナ部10は、原稿画像をランプにより照射し、CCDラインセンサ(図示せず)で読み取り、電気信号に変換することで画像データとして処理を行う。
【0016】
原稿用紙をADF(自動原稿送り装置)142にセットし、装置使用者が操作部140から読み取り起動指示する。この指示により、自動原稿送り装置142は原稿用紙を摩擦分離を行うリタード方式等で分離制御を行うことで重送によるミスフィードを防止して1枚ずつフィードし原稿画像の読み取り動作を行う。
【0017】
画像出力デバイスであるプリンタ部20は、画像データを用紙上の画像に変換する部分である。さらに本出願の明細書では、感光体ドラムや感光体ベルトを用いた電子写真方式により説明を行なう。しかしながら微少ノズルアレイからインクを吐出して用紙上に直接画像を印字するインクジェット方式等であっても構わない。プリント動作の起動は、装置内部のコントローラ(後述)からの指示によって開始する。プリンタ部20には、異なる用紙サイズまたは異なる用紙向きを選択できるように複数の給紙段を持ち、それに対応した用紙カセット122、124、142、144がある。また、画像形成された用紙は排紙トレイ132上に排出される。
【0018】
図2は本発明の画像形成装置の構成を説明する断面図である。図面を用いて動作の詳細を説明する。
【0019】
901は原稿台ガラスであり、原稿自動送り装置142から給送された原稿が順次、所定位置に載置される。原稿サイズセンサ(不図示)は、給装される原稿の後端を検知してコントローラユニット939に通知する。902は例えばハロゲンランプから構成される原稿照明ランプで、原稿台ガラス901に載置された原稿を露光する。903、904、905は走査ミラーであり、図示しない光学走査ユニットに収容され、往復運動しながら、原稿からの反射光をCCDユニット906に導く。CCDユニット906はCCDに原稿からの反射光を結像させる結像レンズ907、例えばCCDから構成される撮像素子908、撮像素子908を駆動するCCDドライバ909等から構成されている。撮像素子908からの画像信号出力は例えば8ビットのデジタルデータに変換された後、コントローラ部939に入力される。また、910は感光ドラムであり、
912の前露光ランプによって画像形成に備えて除電される。913は1次帯電器であり、感光ドラム910を一様に帯電させる。917は露光手段であり、例えば半導体レーザー等で構成され、画像形成や装置全体の制御を行うコントローラ部939で処理された画像データに基づいて感光ドラム910を露光し、静電潜像を形成する。918は現像器であり、黒色の現像剤(トナー)が収容されている。919は転写前帯電器であり、感光ドラム910上に現像されたトナー像を用紙に転写する前に高圧をかける。920、922、924、942、944は給紙ユニットであって(920は手差し給紙ユニット)、各給紙ローラ921、923、925、943、945の駆動により、転写用紙が装置内へ給送される。そしてレジストローラ926の配設位置で一旦停止し、感光ドラム910に形成された画像との書き出しタイミングがとられ再給送される。このとき、既知の摩擦分離法式によるリタードローラの制御により重送されることなく1枚ずつ分離されて給紙、搬送される。また、給紙する用紙によってはリタードローラの回転を制御して用紙の分離制御を停止させて搬送することが可能である。927は転写帯電器であり、感光ドラム910に現像されたトナー像を給送される転写用紙に転写する。928は分離帯電器であり、転写動作の終了した転写用紙を感光ドラム910より分離する。転写されずに感光ドラム910上に残ったトナーはクリーナー911によって回収される。929は搬送ベルトで、転写プロセスの終了した転写用紙を定着器930に搬送し、例えば熱により定着される。931はフラッパであり、定着プロセスの終了した転写用紙の搬送パスを、ソーター932または中間トレイ937の配置方向のいずれかに制御する。また、933〜936は給送ローラであり、一度定着プロセスの終了した転写用紙を中間トレイ937に反転(多重)または非反転(両面)して給送する。938は再給送ローラであり、中間トレイ937に載置された転写用紙を再度、レジストローラ926の配設位置まで搬送する。
【0020】
939のコントローラユニットには後述するマイクロコンピュータ、画像処理部等を備えており、マンマシンインターフェース装置940からの指示に従って、前述の画像形成動作を行う。
【0021】
図3は図2に示した本発明の画像形成装置のコントローラユニット939の構成を示す図である。コントローラユニット939は画像入力デバイスであるスキャナ10や画像出力デバイスであるプリンタ20と接続される。一方ではLAN3300や公衆回線(WAN)1251と無線(無線LAN)接続することで、画像情報やデバイス情報の入出力を行う為のコントローラである。CPU1201はシステム全体を制御するコントローラである。RAM1202はCPU1201が動作するためのシステムワークメモリであり、画像データを一時記憶するための画像メモリでもある。ROM1203はブートROMであり、システムのブートプログラムが格納されている。HDD1204はハードディスクドライブで、システムソフトウェア、画像データ、ソフトウェアカウンタ値などを格納する。ソフトウェアカウンタ値は、画像出力枚数やCPU1201が処理したデータ容量に基づき予め設定した任意の基準容量値を基準に算出してカウントアップが行われる。カウンタ値はHDD1204に限らず電源が切れても記憶保持することができれば、図示しないEEPROM等にその記憶領域を持ってもよい。操作部I/F1206は操作部(UI)140とのインターフェース部で、操作部140に表示する画像データを操作部140に対して出力する。また、操作部140から本システム使用者が入力した情報を、CPU1201に伝える役割をする。Network1210はLAN3300に接続し、出力用画像にかかわる各種データの入出力や機器制御にかかわる情報の入出力を行う。また操作部140における入力操作によってネットワーク上のホストコンピュータ1100や図示しない出力用画像データ管理装置から操作部140による入力操作に応じた出力用画像データを受信して画像出力を行う。Modem1250は公衆回線1251に接続し、情報の入出力を行う。音声入出力ユニット500は音声をスピーカーに対して出力したり、ハンドセットに対して、音声出力したり、音声入力するための制御を行う。無線LAN1270は無線により接続されるデジタルカメラやPCなどの周辺機器と接続し、出力画像にかかわる各種データの入出力や機器制御にかかわる情報の入出力を行う。スキャナ、プリンタ通信I/F1206はスキャナ10、プリンタ20のCPUとそれぞれ通信を行なうためのI/Fである。本発明の特徴である用紙種別による用紙分離制御などもこのプリンタ通信I/F1206により行う。以上のデバイスがシステムバス1207上に配置される。
【0022】
タイマー1211は画像形成装置及びコントローラユニットの時刻設定や一定時間周期に割り込みを発するタイマとして機能する。
【0023】
Image Bus I/F1205はシステムバス1207と画像データを高速で転送する画像バス2008を接続し、データ構造を変換するバスブリッジである。画像バス2008は、PCIバスまたはIEEE1394で構成される。画像バス1208上には以下のデバイスが配置される。ラスターイメージプロセッサ(RIP)1260はPDLコードをビットマップイメージに展開する。デバイスI/F部1220は、画像入出力デバイスであるスキャナ10やプリンタ20とコントローラ(不図示)を接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。スキャナ画像処理部1280は、入力画像データに対し補正、加工、編集を行う。プリンタ画像処理部1290は、プリント出力画像データに対して、プリンタの補正、解像度変換等を行う。画像回転部1230は画像データの回転を行う。画像圧縮部1240は、多値画像データはJPEG、2値画像画像データはJBIG、MMR、MHの圧縮伸張処理を行う。
<スキャナ画像処理部>
図4は、本発明の画像形成装置のスキャナ画像処理部1280の構成を示す。画像バスI/Fコントローラ1281は、画像バス2008と接続し、そのバスアクセスシーケンスを制御する働きと、スキャナ画像処理部1280内の各デバイスの制御及びタイミングを発生させる。
【0024】
マスク処理部1282では入力画像データのマスク処理を行う。フィルタ処理部1283は、空間フィルタでコンボリューション演算を行う。
【0025】
ヒストグラム生成部1284は、入力画像データの輝度分布の累計をカウントして、このカウント値がCPU1201からアクセス可能なレジスタに記録される構成になっている。
【0026】
処理が終了した画像データは、再び画像バスコントローラ1281を介して、画像バス上に転送される。
<プリンタ画像処理部>
本発明の画像形成装置におけるプリンタ画像処理部1290の構成を図5に示す。画像バスI/Fコントローラ1291は、画像バス2008と接続し、そのバスアクセスシーケンスを制御する働きと、スキャナ画像処理部1280内の各デバイスの制御及びタイミングを発生させる。
【0027】
下地除去処理部1292は、ヒストグラム生成部(不図示)により取得されたヒストグラムから求められた下地レベルに対応して適切な下地除去を施す。
【0028】
画像信号はLOG変換部1293に入力されて輝度信号であるRGB信号から濃度信号CMY信号に変換される。つぎに画像信号はダイレクトマッピング部1294に入力されてCMYK信号が生成される。
【0029】
次に、2値化処理部1295にて、誤差拡散法やスクリーン法で多値のグレースケールデータを2値データに変換する。
【0030】
次にスムージング処理部1296にて画像データのジャギー(斜め線等の白黒境界部に現れる画像のがさつき)を滑らかにする処理を行う。
【0031】
処理が終了した画像データは、再び画像バスコントローラ1291を介して、画像バス上に転送される。
<本発明の画像形成装置の下地除去処理の構成を示すブロック図>
本発明の画像形成装置の下地除去処理を実現する為の機能ブロック構成を図6に示す。本発明の画像処理装置の下地除去処理は、原稿画像を光学的に読み取りデジタル画像データに変換する画像信号生成部101。この画像信号生成部101にて読み取る原稿のサイズを検知する原稿サイズ検知部106。画像信号生成部101から入力されるデジタル画像データに対して原稿エリア外の領域を白(255レベル)のデータとしてマスク処理を施す非画像エリアマスク部102。
【0032】
この非画像エリアマスク部でマスク処理が施されたデジタル画像データを入力として空間フィルタ処理などの画像処理を施してヒストグラム生成部104に出力する画像処理部103。
【0033】
そして、この画像処理が施された入力画像データの輝度分布の累計をとってヒストグラムを作成するヒストグラム生成部104。
【0034】
さらに、この画像処理手段による画像処理演算結果が前記非画像マスク領域に対して反映されるエリアを判定する画像処理演算領域判定部107。
【0035】
この画像処理演算領域判定部107によりマスクエリアから前記画像処理演算エリア判定手段によって得られる判定結果をマスクエリアから差し引いた残りのマスクエリアに対応する度数をヒストグラムから減算するマスク領域除去部108。
【0036】
前記マスク領域除去部により減算が施されたヒストグラムに基づき、下地レベルを判定する下地レベル判定部109。
【0037】
この下地レベル判定部によって判定された下地レベルに基づき、下地レベルを除去する下地除去処理部105。とから構成されている。
【0038】
なお、図6にて示した下地除去処理を実現する為の機能ブロックは、図4、図5で示した本画像形成装置におけるスキャナ処理部1280とプリンタ画像処理部1290の機能に対応づけられる。具体的には、非画像エリアマスク部102は、図4記載のスキャナ画像処理部のマスク処理部1282に対応している。画像処理部103はフィルタ処理部1283に対応して実現されるものである。ヒストグラム生成部104は、図4、ヒストグラム生成部1284に対応する。
【0039】
また、下地除去除去処理部105は、図5記載プリンタ画像処理部の下地除去処理部にて実現されている。下地レベル判定部109にて判定れた下地レベルに対して出力画像の制御を行う。
【0040】
また、画像信号生成部101及び原稿サイズ検知部106は図1に記載したスキャナ部10に配置されている。画像信号生成部101の動作は図2及び図2の動作説明で説明した画像読み取り動作にて実現されるものである。また、原稿サイズ検知部106は図2記載の原稿サイズセンサによる検出結果の通知によって実現される。
【0041】
画処理演算領域判定部、マスク領域除去部、下地レベル判定部は、図3で示したCPU1201が処理するプログラムにより機能が実現されている。
<ヒストグラム作成部>
図7は本発明の画像形成装置のヒストグラム生成部104における輝度値のサンプリング方法について説明する図である。ヒストグラム生成部104においては読み取り画素に対応する輝度値の累計を記録する。この場合、図示でしめしたように、入力される画像データに対して、主走査方向と副走査方向に一定のサンプリングピッチでサンプリングを行って輝度値の累計を取ることができる。また、ピッチを「1」として全画素をサンプリング対象としてもよい。総サンプル数のデータ量などからサンプル数やサンプルピッチを決定してもよい。
<ヒストグラム生成部の動作フロー>
図6記載のヒストグラム生成部104の動作フローを図8に示して説明する。
【0042】
ヒストグラム生成部104は、まずステップS801にて原稿サイズ検知部106の検知結果に基づく原稿サイズが設定される。次にステップS802で入力画像データの輝度値をカウントするサンプリングピッチが設定される。次にヒストグラム生成部104は、ステップS803で画像信号生成部101から入力される入力画像データに基づく画像信号を受信しているかどうか判断した場合、ステップS804で受信している場合は入力画像信号の輝度値毎に度数をカウントする。次にステップS805にてヒストグラム生成部104は画像信号停止を検知した場合は、カウントを停止する。次にステップS806にて1ページの処理が終了したか否かを判断する。判断結果ページ終了を検知した場合、当該読み取りページのヒストグラムカウントは終了する。ステップS806においてページ終了を検知しない場合は、継続して画像信号入力待ちとなる。
【0043】
以上、本発明の画像形成装置のヒストグラム生成部104の動作について説明したが、本画像形成装置のヒストグラム生成部の動作フローの特徴を示す一例である。したがって、図6に示した原稿サイズ設定とサンプリングピッチが設定されて、それに基づき、1ページの入力画像の輝度値の度数をカウントするよう動作するものであればよく。図8に示したフローに限定するものではない。
<画像信号生成部の動作フロー>
図6記載の画像信号生成部の動作フローを図9に示して説明する。
【0044】
画像信号生成部101は、まずステップS901では図1記載のスキャナ部10のADF142に載置された原稿サイズを検知する原稿サイズ検知部106の検知結果に基づく原稿サイズの通知を受ける。例えば、原稿サイズが検知できれば検知サイズを通知する。ADF流し読み設定時で不定長原稿であると検知した場合は、最大サイズとして通知を受ける。その後、ステップS902で図3記載の操作部140の図示しないコピースタートボタンが押下の検知結果をうける。押下された場合は、その時点の原稿サイズ検知結果に基づき、ステップS903にて読み取り画像サイズが設定される。次にステップS904にて設定された読み取り画像サイズに基づき読み取りを開始する。次にステップS905で読み取った画像データを非画像エリアマスク部102に対して画像信号を出力する。画像信号の出力は設定された読み取り画像サイズ分出力した以下かステップS906で判断する。
【0045】
以上、本発明の画像形成装置の画像信号生成部101の動作について説明したが、本画像形成装置の画像信号生成部101の動作フローの特徴を示す一例である。したがって原稿サイズ検知結果に基づき画像を読み取るステップと、読み取った画像データを非画像マスク部に出力するよう動作するステップとから構成される動作フローであればよく。図9に示したフローに限定するものではない。
<非画像エリアマスク部の動作フロー>
図6記載の非画像エリアマスク部の動作フローを図10を用いて説明する。
【0046】
非画像エリアマスク部では、画像信号生成部101から画像信号が入力される。ここで、図2記載の原稿サイズセンサの検知結果に基づく原稿用紙の後端を検知したか否かを判断する。判断結果、後端を検知していない場合は、入力信号をそのまま後段の画像処理部103に出力する。後端を検知した場合は、出力画像信号に対してマスク処理を施して画像処理部103に出力する。
【0047】
以上、本発明の画像形成装置における非画像エリアマスク部の動作フローについて説明したが、図10に図示した動作フローは本発明の画像形成装置における非画像エリアマスク部の動作フローの特徴を示す一例である。したがって、原稿の検知結果に基づいて、入力画像信号を出力するか、あるいは、マスク処理するかといった動作ステップとから構成される動作フローであればよく。図10に示した動作フローに限定するものではない。
<原稿サイズ検知部の動作フロー>
図6記載の原稿サイズ検知部106の動作フローを図11を用いて説明する。
【0048】
原稿サイズ検知部106では、まずCPU1201がステップS1101で原稿サイズ検知モードが自動原稿サイズ検知設定であるか以下かを判断する。CPU1201は自動原稿サイズ検知設定でない場合は、ステップS1108において操作部140にてユーザ指定されているか否かを判断する。CPU1201はユーザ指定されている場合は、ステップ1109は指定サイズを原稿サイズとして通知する。CPU1201はユーザ指定さていない場合は、デフォルトで設定されているサイズを通知する。一方、ステップS1101で自動原稿サイズ検知設定がされている場合は、CPU1201は原稿サイズを検知すればステップS1107 で検知したサイズを通知する。原稿サイズを検知しなければ、ステップS1103で読み取り開始と判断した場合に、ステップS1104で最大長と通知する。次にCPUは原稿サイズセンサによる検知が行われたか否かを判断して検知した場合はステップS1106で検知結果を通知する。
【0049】
以上原稿サイズ検知部の動作フローを説明したが、図11に図示した動作フローは本発明の画像形成装置における原稿サイズ検知部の動作フローの特徴を示す一例である。したがって、自動原稿サイズ検知設定の場合に原稿サイズを検知した場合は検知サイズを通知するステップと検知しない場合に原稿サイズ最大長を通知するステップとから構成される動作フローであればよく。図11に示した動作フローに限定するものではない。
<マスク領域除去部の動作フロー>
図6記載のマスク領域除去部108の動作フローを図12を用いて説明する。
【0050】
マスク領域除去部108では、まず、ステップS1201で原稿サイズ通知部106より原稿サイズを受信する。ステップS1202でCPU1201は読み取り画像データ中のマスク領域を算出する。例えば、原稿サイズ検知部で原稿サイズが検知できない場合、原稿サイズが最大サイズに設定されているので、最大サイズから原稿サイズを減算する。次にステップS1203でCPU1201はステップS1202で算出したマスク領域中のサンプリングポイント数(P_MASK)を算出する。次にステップS1204にてCPU1202は画像処理演算領域判定部より画像処理演算結果が反映される領域のサンプリングポイント数(P_FILTER)受信して。ステップS1205でCPU1201はヒストグラム生成部104で生成されたヒストグラムから減算する255度数を算出する。次にステップS1206にてCPU1201はヒストグラムの255度数から減算する。
【0051】
以上マスク領域除去部108の動作フローを説明したが、図12に図示した動作フローは、本発明の画像形成装置におけるマスク領域除去部108の動作の特徴を示す一例である。マスク領域除去部108としては、原稿サイズ検知部からの検知結果に基づきマスク領域を算出するステップ。この算出した領域中のサンプリングポイント数を求めるステップ。そしてマスク領域中の画像処理演算結果が反映される領域のサンプリングポイント数を求めるステップ。そして減算する255度数を求めてヒストグラムから減算する動作を実現するステップから構成されるフローであればよく。図12に示した動作フローに限定するものではない。
<画像処理演算領域判定部の動作フロー>
図6記載の画像処理演算領域判定部107の動作フローを図13を用いて説明する。
【0052】
画像処理演算領域判定部107では、マスク領域中で演算結果が反映される領域に含まれるサンプリングポイント数を求める。その為にまずステップS1301でCPU1201は原稿サイズ検知部より検知結果を受信、次にCPU1201はヒストグラムのサンプリングピッチを確認する。次にステップS1303にてCPUは画像処理部103で施される画像処理のウィンドウサイズを確認する。例えば画像データに適応される5x5のフィルタフィルタ演算が適用される場合、ウィンドウサイズ:5x5と確認結果を得る。次にCPU1201はステップS1304でマスク領域を算出する。例えば、原稿サイズ検知部で原稿サイズが検知できない場合、原稿サイズが最大サイズに設定されているので、最大サイズから原稿サイズを減算する。次にCPU1201はステップS1305でマスク領域中に含まれる画像処理演算領域を算出する。次にCPU1201は求めたマスク領域のサイズとサンプリングピッチと画像処理ウィンドウサイズとから演算して画像処理演算領域中に含まれるサンプリングポイント数P_Filterを求める。
【0053】
以上、本発明の画像形成装置における画処理演算領域判定部における動作フローを説明したが、図13に示した動作フローは本画像形成装置における画像処理演算領域判定部の特徴を示す動作フローの一例である。したがって、画像処理演算領域判定部では、読み取り画像中のマスク領域を算出するステップとサンプリングピッチと画像処理ウィンドウサイズとから演算結果が反映されるエリアのサンプリングポイント数を算出するステップとから構成されていればよく。図13に示した動作フローに限定されるものではない。
<画像データ>
図14に本発明の画像形成装置における、読み取り画像データ及び処理画像データについて説明する。図14(a)のは非画像エリアマスク部102が画像信号生成部101から入力された画像信号に対してマスク処理を施した後、出力される画像データを示している。これは、自動原稿検知設定でADF142で読み取った場合の画像データを示していて、1401で示した読み取り画像領域中に、原稿領域1403と非画像マスク領域1402が存在することがわかる。
【0054】
また、図14(b)は、画像処理部103にてこの場合NxNのフィルタ処理が施された場合の出力画像のイメージを示している。ここでは、図14(a)の非画像マスク領域中にフィルタ処理の演算結果が反映される領域が存在していることをしめしている。これは、NxNのフィルタ演算処理によるものでその幅1405は、NxNのウィンドウサイズ1404と原稿領域のサイズによって求めることができる。
【0055】
さらに、図14(c)はヒストグラム生成部104において画像処理部103から入力される画像信号のヒストグラム生成する際のサンプリングポイントを示している。これは、図7の説明のなかで説明しているように、設定されたサンプリングピッチに基づきサンプリングが行われる。この場合、図14(b)で示したフィルタ処理演算結果が反映される領域1405に対してサンプリングポイントが設定されていることを示している。
【0056】
本発明の画像形成装置におけるマスク領域除去部108では1406で示した領域のサンプリングポイント数を求めて白(255)度数を減算する。図14(c)の場合16個のサンプリングポイント分の度数を減算する。
<ヒストグラム>
図15(a)に本発明の画像形成装置のヒストグラム作成部104にて生成したヒストグラムとマスク領域除去部108により求めた減算度数の関係について示した。また、図15(b)に従来手法によるヒストグラムと減算度数の関係について示した。図14記載の減算する1404の領域の同数が1501に対応する。マスク領域全体のサンプリングポイントの度数を1502に示している。このように、マスク領域の輝度レベル255の度数を減算することで原稿画像領域のヒストグラムを作成する。本画像形成装置におけるヒストグラム生成方法と従来手法においてはヒストグラムの形状の特徴であるピークに相違が出てくるここと示している。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の画像処理装置の外観を示す図
【図2】本発明の画像形成装置の構成を説明する断面図
【図3】画像形成装置のコントローラユニットの構成
【図4】スキャナ画像処理部1280の構成を示す図
【図5】プリンタ画像処理部1290の構成を示す図
【図6】本発明の画像形成装置における下地除去機能の構成を示すブロック図
【図7】本発明の画像形成装置のヒストグラム生成部におけるサンプリング方法について説明する図
【図8】ヒストグラム生成部104の動作フロー図
【図9】画像信号生成部101の動作フロー図
【図10】非画像エリアマスク部の動作フロー図
【図11】原稿サイズ検知部の動作フロー図
【図12】マスク領域除去部の動作フロー図
【図13】画像処理演算領域判定部の動作フロー図
【図14】読み取り画像データ、及び処理画像データの一例を示す図
【図15】ヒストグラムの一例を示す図
【技術分野】
【0001】
本発明は、読み取り装置によって読み取った画像データに含まれる下地を除去する下地除去機能を備える画像形成装置に関するものである。特に、下地除去処理の下地レベルを決定する為のヒストグラムの作成及びヒストグラムの補正に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、デジタルカラー複写機では、原稿色を忠実に再現する。それ故、用紙の色、つまり原稿画像の下地の色も忠実に再現しようとする。したがって、原稿色のみを忠実に再現する為に読み取り画像に含まれる下地色を除去する下地除去機能を有する複写機が普及している。
【0003】
下地除去を行う為には、その原稿の下地となる色を判定することが必要になる。下地となる部分は、原稿の大部分を占めている。したがって、スキャンして得た画像の色のヒストグラムを作成して、このヒストグラムから原稿の大部分を占める下地レベルを判定する。そして、上記スキャン画像に対して非線形下地除去等の処理を用いて下地除去した上でプリントなどを行うことで下地が除去された画像を出力可能としている。
【0004】
このように、下地除去を施す際には、ヒストグラムを作成する。したがって精度よく下地除去する為には、このヒストグラムが下地を含まれる画像領域の度数分布を忠実に反映したものが望まれる。
【0005】
ここで、通常は、下地除去を行う領域を原稿サイズとして定めて、予め装置で設定した原稿サイズに基づきヒストグラムを取得する領域を決定して所望のヒストグラムを取得ようにしている。
【0006】
しかしながら、ADF(Auto document feeder)を使用して長尺原稿を流し読みする場合、スキャン開始時点で副走査方向の長さが不確定である場合がある。いわゆる不定長サイズの原稿として読み取りを開始する場合がある。
【0007】
このような場合、画像サイズとして装置が想定する原稿の最大長を設定して原稿の読み取りを行わせるようにしている。そして原稿外は白でマスク処理を施していた。つまり、原稿サイズ確定後にヒストグラム領域を変更することが出来ない場合、設定サイズ分のヒストグラムを一旦、取得して後に余分な白マスク領域の度数を差し引くことで所望の原稿領域のヒストグラムを得ていた。 (特許文献1)。
【0008】
つまり、有効画像以外にマスク処理を施したマスク領域を含む画像データから取得したヒストグラムから下地除去の対象としないマスク領域(0xFF)の度数を減算することで所望のヒストグラムを作成していた。
【特許文献1】特開2004-349858号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、マスク処理されてヒストグラムを取得するまでの間に空間フィルタ等の画像処理が施されてマスク領域に対して画像処理演算結果が反映される場合がある。したがって、従来のマスク処理部でマスクされた領域に対する0xffの度数分布を取得したヒストグラムの度数分布から減算してしまうと、ヒストグラムは実際に取得した領域に対応する度数分布を正確に反映したものではなくなるといった課題がある。
【0010】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものである。その主たる目的は、マスク領域中の画像処理演算結果が反映される領域に対応する度数は減算処理せずにヒストグラムを補正する画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
そこで、上記目的を達成する為に本発明の画像形成装置は、
原稿画像を光学的に読み取る画像読み取り手段と、(画像信号生成部(101)
前記画像読み取り手段により読み取る原稿のサイズを検知する原稿サイズ検知手段と、(原稿サイズ検知部106)
前記画像読み取り手段により読み取られた画像データに含まれる非画像領域をマスクする非画像エリアマスク手段と、(非画像エリアマスク部102)
前記非画像エリアマスク手段によって生成される画像データに対して、画像処理を施こす画像処理手段と、(画像処理部103)
前記画像処理手段による画像処理済み画像データから輝度分布のヒストグラムを作成するヒストグラム作成手段と、(ヒストグラム生成部104)
前記画像処理手段による画像処理演算結果が前記非画像マスク領域に対して反映されるエリアを判定する画像処理演算エリア判定手段と、(画像処理演算領域判定部107)
前記非画像エリアマスク手段によるマスクエリアから前記画像処理演算エリア判定手段によって得られる判定結果をマスクエリアから差し引いた残りのマスクエリアに対応する度数をヒストグラムから減算する減算処理手段と、(マスク領域除去部108)
前記減算処理手段により減算が施されたヒストグラムに基づき、下地レベルを判定する下地レベル判定手段と、(下地レベル判定部109)
前記下地レベル判定部によって判定された下地レベルに基づき、下地レベルを除去する下地除去手段(下地除去処理部105)
とを備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明の画像形成装置によれば、より精度よく下地除去を行う為の正確なヒストグラムを作成することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に、本発明の詳細を実施例の記述に従って説明する。
【実施例1】
【0014】
<画像形成装置の外観>
本発明の画像処理装置の外観を図1に示す。
【0015】
画像入力デバイスであるスキャナ部10は、原稿画像をランプにより照射し、CCDラインセンサ(図示せず)で読み取り、電気信号に変換することで画像データとして処理を行う。
【0016】
原稿用紙をADF(自動原稿送り装置)142にセットし、装置使用者が操作部140から読み取り起動指示する。この指示により、自動原稿送り装置142は原稿用紙を摩擦分離を行うリタード方式等で分離制御を行うことで重送によるミスフィードを防止して1枚ずつフィードし原稿画像の読み取り動作を行う。
【0017】
画像出力デバイスであるプリンタ部20は、画像データを用紙上の画像に変換する部分である。さらに本出願の明細書では、感光体ドラムや感光体ベルトを用いた電子写真方式により説明を行なう。しかしながら微少ノズルアレイからインクを吐出して用紙上に直接画像を印字するインクジェット方式等であっても構わない。プリント動作の起動は、装置内部のコントローラ(後述)からの指示によって開始する。プリンタ部20には、異なる用紙サイズまたは異なる用紙向きを選択できるように複数の給紙段を持ち、それに対応した用紙カセット122、124、142、144がある。また、画像形成された用紙は排紙トレイ132上に排出される。
【0018】
図2は本発明の画像形成装置の構成を説明する断面図である。図面を用いて動作の詳細を説明する。
【0019】
901は原稿台ガラスであり、原稿自動送り装置142から給送された原稿が順次、所定位置に載置される。原稿サイズセンサ(不図示)は、給装される原稿の後端を検知してコントローラユニット939に通知する。902は例えばハロゲンランプから構成される原稿照明ランプで、原稿台ガラス901に載置された原稿を露光する。903、904、905は走査ミラーであり、図示しない光学走査ユニットに収容され、往復運動しながら、原稿からの反射光をCCDユニット906に導く。CCDユニット906はCCDに原稿からの反射光を結像させる結像レンズ907、例えばCCDから構成される撮像素子908、撮像素子908を駆動するCCDドライバ909等から構成されている。撮像素子908からの画像信号出力は例えば8ビットのデジタルデータに変換された後、コントローラ部939に入力される。また、910は感光ドラムであり、
912の前露光ランプによって画像形成に備えて除電される。913は1次帯電器であり、感光ドラム910を一様に帯電させる。917は露光手段であり、例えば半導体レーザー等で構成され、画像形成や装置全体の制御を行うコントローラ部939で処理された画像データに基づいて感光ドラム910を露光し、静電潜像を形成する。918は現像器であり、黒色の現像剤(トナー)が収容されている。919は転写前帯電器であり、感光ドラム910上に現像されたトナー像を用紙に転写する前に高圧をかける。920、922、924、942、944は給紙ユニットであって(920は手差し給紙ユニット)、各給紙ローラ921、923、925、943、945の駆動により、転写用紙が装置内へ給送される。そしてレジストローラ926の配設位置で一旦停止し、感光ドラム910に形成された画像との書き出しタイミングがとられ再給送される。このとき、既知の摩擦分離法式によるリタードローラの制御により重送されることなく1枚ずつ分離されて給紙、搬送される。また、給紙する用紙によってはリタードローラの回転を制御して用紙の分離制御を停止させて搬送することが可能である。927は転写帯電器であり、感光ドラム910に現像されたトナー像を給送される転写用紙に転写する。928は分離帯電器であり、転写動作の終了した転写用紙を感光ドラム910より分離する。転写されずに感光ドラム910上に残ったトナーはクリーナー911によって回収される。929は搬送ベルトで、転写プロセスの終了した転写用紙を定着器930に搬送し、例えば熱により定着される。931はフラッパであり、定着プロセスの終了した転写用紙の搬送パスを、ソーター932または中間トレイ937の配置方向のいずれかに制御する。また、933〜936は給送ローラであり、一度定着プロセスの終了した転写用紙を中間トレイ937に反転(多重)または非反転(両面)して給送する。938は再給送ローラであり、中間トレイ937に載置された転写用紙を再度、レジストローラ926の配設位置まで搬送する。
【0020】
939のコントローラユニットには後述するマイクロコンピュータ、画像処理部等を備えており、マンマシンインターフェース装置940からの指示に従って、前述の画像形成動作を行う。
【0021】
図3は図2に示した本発明の画像形成装置のコントローラユニット939の構成を示す図である。コントローラユニット939は画像入力デバイスであるスキャナ10や画像出力デバイスであるプリンタ20と接続される。一方ではLAN3300や公衆回線(WAN)1251と無線(無線LAN)接続することで、画像情報やデバイス情報の入出力を行う為のコントローラである。CPU1201はシステム全体を制御するコントローラである。RAM1202はCPU1201が動作するためのシステムワークメモリであり、画像データを一時記憶するための画像メモリでもある。ROM1203はブートROMであり、システムのブートプログラムが格納されている。HDD1204はハードディスクドライブで、システムソフトウェア、画像データ、ソフトウェアカウンタ値などを格納する。ソフトウェアカウンタ値は、画像出力枚数やCPU1201が処理したデータ容量に基づき予め設定した任意の基準容量値を基準に算出してカウントアップが行われる。カウンタ値はHDD1204に限らず電源が切れても記憶保持することができれば、図示しないEEPROM等にその記憶領域を持ってもよい。操作部I/F1206は操作部(UI)140とのインターフェース部で、操作部140に表示する画像データを操作部140に対して出力する。また、操作部140から本システム使用者が入力した情報を、CPU1201に伝える役割をする。Network1210はLAN3300に接続し、出力用画像にかかわる各種データの入出力や機器制御にかかわる情報の入出力を行う。また操作部140における入力操作によってネットワーク上のホストコンピュータ1100や図示しない出力用画像データ管理装置から操作部140による入力操作に応じた出力用画像データを受信して画像出力を行う。Modem1250は公衆回線1251に接続し、情報の入出力を行う。音声入出力ユニット500は音声をスピーカーに対して出力したり、ハンドセットに対して、音声出力したり、音声入力するための制御を行う。無線LAN1270は無線により接続されるデジタルカメラやPCなどの周辺機器と接続し、出力画像にかかわる各種データの入出力や機器制御にかかわる情報の入出力を行う。スキャナ、プリンタ通信I/F1206はスキャナ10、プリンタ20のCPUとそれぞれ通信を行なうためのI/Fである。本発明の特徴である用紙種別による用紙分離制御などもこのプリンタ通信I/F1206により行う。以上のデバイスがシステムバス1207上に配置される。
【0022】
タイマー1211は画像形成装置及びコントローラユニットの時刻設定や一定時間周期に割り込みを発するタイマとして機能する。
【0023】
Image Bus I/F1205はシステムバス1207と画像データを高速で転送する画像バス2008を接続し、データ構造を変換するバスブリッジである。画像バス2008は、PCIバスまたはIEEE1394で構成される。画像バス1208上には以下のデバイスが配置される。ラスターイメージプロセッサ(RIP)1260はPDLコードをビットマップイメージに展開する。デバイスI/F部1220は、画像入出力デバイスであるスキャナ10やプリンタ20とコントローラ(不図示)を接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。スキャナ画像処理部1280は、入力画像データに対し補正、加工、編集を行う。プリンタ画像処理部1290は、プリント出力画像データに対して、プリンタの補正、解像度変換等を行う。画像回転部1230は画像データの回転を行う。画像圧縮部1240は、多値画像データはJPEG、2値画像画像データはJBIG、MMR、MHの圧縮伸張処理を行う。
<スキャナ画像処理部>
図4は、本発明の画像形成装置のスキャナ画像処理部1280の構成を示す。画像バスI/Fコントローラ1281は、画像バス2008と接続し、そのバスアクセスシーケンスを制御する働きと、スキャナ画像処理部1280内の各デバイスの制御及びタイミングを発生させる。
【0024】
マスク処理部1282では入力画像データのマスク処理を行う。フィルタ処理部1283は、空間フィルタでコンボリューション演算を行う。
【0025】
ヒストグラム生成部1284は、入力画像データの輝度分布の累計をカウントして、このカウント値がCPU1201からアクセス可能なレジスタに記録される構成になっている。
【0026】
処理が終了した画像データは、再び画像バスコントローラ1281を介して、画像バス上に転送される。
<プリンタ画像処理部>
本発明の画像形成装置におけるプリンタ画像処理部1290の構成を図5に示す。画像バスI/Fコントローラ1291は、画像バス2008と接続し、そのバスアクセスシーケンスを制御する働きと、スキャナ画像処理部1280内の各デバイスの制御及びタイミングを発生させる。
【0027】
下地除去処理部1292は、ヒストグラム生成部(不図示)により取得されたヒストグラムから求められた下地レベルに対応して適切な下地除去を施す。
【0028】
画像信号はLOG変換部1293に入力されて輝度信号であるRGB信号から濃度信号CMY信号に変換される。つぎに画像信号はダイレクトマッピング部1294に入力されてCMYK信号が生成される。
【0029】
次に、2値化処理部1295にて、誤差拡散法やスクリーン法で多値のグレースケールデータを2値データに変換する。
【0030】
次にスムージング処理部1296にて画像データのジャギー(斜め線等の白黒境界部に現れる画像のがさつき)を滑らかにする処理を行う。
【0031】
処理が終了した画像データは、再び画像バスコントローラ1291を介して、画像バス上に転送される。
<本発明の画像形成装置の下地除去処理の構成を示すブロック図>
本発明の画像形成装置の下地除去処理を実現する為の機能ブロック構成を図6に示す。本発明の画像処理装置の下地除去処理は、原稿画像を光学的に読み取りデジタル画像データに変換する画像信号生成部101。この画像信号生成部101にて読み取る原稿のサイズを検知する原稿サイズ検知部106。画像信号生成部101から入力されるデジタル画像データに対して原稿エリア外の領域を白(255レベル)のデータとしてマスク処理を施す非画像エリアマスク部102。
【0032】
この非画像エリアマスク部でマスク処理が施されたデジタル画像データを入力として空間フィルタ処理などの画像処理を施してヒストグラム生成部104に出力する画像処理部103。
【0033】
そして、この画像処理が施された入力画像データの輝度分布の累計をとってヒストグラムを作成するヒストグラム生成部104。
【0034】
さらに、この画像処理手段による画像処理演算結果が前記非画像マスク領域に対して反映されるエリアを判定する画像処理演算領域判定部107。
【0035】
この画像処理演算領域判定部107によりマスクエリアから前記画像処理演算エリア判定手段によって得られる判定結果をマスクエリアから差し引いた残りのマスクエリアに対応する度数をヒストグラムから減算するマスク領域除去部108。
【0036】
前記マスク領域除去部により減算が施されたヒストグラムに基づき、下地レベルを判定する下地レベル判定部109。
【0037】
この下地レベル判定部によって判定された下地レベルに基づき、下地レベルを除去する下地除去処理部105。とから構成されている。
【0038】
なお、図6にて示した下地除去処理を実現する為の機能ブロックは、図4、図5で示した本画像形成装置におけるスキャナ処理部1280とプリンタ画像処理部1290の機能に対応づけられる。具体的には、非画像エリアマスク部102は、図4記載のスキャナ画像処理部のマスク処理部1282に対応している。画像処理部103はフィルタ処理部1283に対応して実現されるものである。ヒストグラム生成部104は、図4、ヒストグラム生成部1284に対応する。
【0039】
また、下地除去除去処理部105は、図5記載プリンタ画像処理部の下地除去処理部にて実現されている。下地レベル判定部109にて判定れた下地レベルに対して出力画像の制御を行う。
【0040】
また、画像信号生成部101及び原稿サイズ検知部106は図1に記載したスキャナ部10に配置されている。画像信号生成部101の動作は図2及び図2の動作説明で説明した画像読み取り動作にて実現されるものである。また、原稿サイズ検知部106は図2記載の原稿サイズセンサによる検出結果の通知によって実現される。
【0041】
画処理演算領域判定部、マスク領域除去部、下地レベル判定部は、図3で示したCPU1201が処理するプログラムにより機能が実現されている。
<ヒストグラム作成部>
図7は本発明の画像形成装置のヒストグラム生成部104における輝度値のサンプリング方法について説明する図である。ヒストグラム生成部104においては読み取り画素に対応する輝度値の累計を記録する。この場合、図示でしめしたように、入力される画像データに対して、主走査方向と副走査方向に一定のサンプリングピッチでサンプリングを行って輝度値の累計を取ることができる。また、ピッチを「1」として全画素をサンプリング対象としてもよい。総サンプル数のデータ量などからサンプル数やサンプルピッチを決定してもよい。
<ヒストグラム生成部の動作フロー>
図6記載のヒストグラム生成部104の動作フローを図8に示して説明する。
【0042】
ヒストグラム生成部104は、まずステップS801にて原稿サイズ検知部106の検知結果に基づく原稿サイズが設定される。次にステップS802で入力画像データの輝度値をカウントするサンプリングピッチが設定される。次にヒストグラム生成部104は、ステップS803で画像信号生成部101から入力される入力画像データに基づく画像信号を受信しているかどうか判断した場合、ステップS804で受信している場合は入力画像信号の輝度値毎に度数をカウントする。次にステップS805にてヒストグラム生成部104は画像信号停止を検知した場合は、カウントを停止する。次にステップS806にて1ページの処理が終了したか否かを判断する。判断結果ページ終了を検知した場合、当該読み取りページのヒストグラムカウントは終了する。ステップS806においてページ終了を検知しない場合は、継続して画像信号入力待ちとなる。
【0043】
以上、本発明の画像形成装置のヒストグラム生成部104の動作について説明したが、本画像形成装置のヒストグラム生成部の動作フローの特徴を示す一例である。したがって、図6に示した原稿サイズ設定とサンプリングピッチが設定されて、それに基づき、1ページの入力画像の輝度値の度数をカウントするよう動作するものであればよく。図8に示したフローに限定するものではない。
<画像信号生成部の動作フロー>
図6記載の画像信号生成部の動作フローを図9に示して説明する。
【0044】
画像信号生成部101は、まずステップS901では図1記載のスキャナ部10のADF142に載置された原稿サイズを検知する原稿サイズ検知部106の検知結果に基づく原稿サイズの通知を受ける。例えば、原稿サイズが検知できれば検知サイズを通知する。ADF流し読み設定時で不定長原稿であると検知した場合は、最大サイズとして通知を受ける。その後、ステップS902で図3記載の操作部140の図示しないコピースタートボタンが押下の検知結果をうける。押下された場合は、その時点の原稿サイズ検知結果に基づき、ステップS903にて読み取り画像サイズが設定される。次にステップS904にて設定された読み取り画像サイズに基づき読み取りを開始する。次にステップS905で読み取った画像データを非画像エリアマスク部102に対して画像信号を出力する。画像信号の出力は設定された読み取り画像サイズ分出力した以下かステップS906で判断する。
【0045】
以上、本発明の画像形成装置の画像信号生成部101の動作について説明したが、本画像形成装置の画像信号生成部101の動作フローの特徴を示す一例である。したがって原稿サイズ検知結果に基づき画像を読み取るステップと、読み取った画像データを非画像マスク部に出力するよう動作するステップとから構成される動作フローであればよく。図9に示したフローに限定するものではない。
<非画像エリアマスク部の動作フロー>
図6記載の非画像エリアマスク部の動作フローを図10を用いて説明する。
【0046】
非画像エリアマスク部では、画像信号生成部101から画像信号が入力される。ここで、図2記載の原稿サイズセンサの検知結果に基づく原稿用紙の後端を検知したか否かを判断する。判断結果、後端を検知していない場合は、入力信号をそのまま後段の画像処理部103に出力する。後端を検知した場合は、出力画像信号に対してマスク処理を施して画像処理部103に出力する。
【0047】
以上、本発明の画像形成装置における非画像エリアマスク部の動作フローについて説明したが、図10に図示した動作フローは本発明の画像形成装置における非画像エリアマスク部の動作フローの特徴を示す一例である。したがって、原稿の検知結果に基づいて、入力画像信号を出力するか、あるいは、マスク処理するかといった動作ステップとから構成される動作フローであればよく。図10に示した動作フローに限定するものではない。
<原稿サイズ検知部の動作フロー>
図6記載の原稿サイズ検知部106の動作フローを図11を用いて説明する。
【0048】
原稿サイズ検知部106では、まずCPU1201がステップS1101で原稿サイズ検知モードが自動原稿サイズ検知設定であるか以下かを判断する。CPU1201は自動原稿サイズ検知設定でない場合は、ステップS1108において操作部140にてユーザ指定されているか否かを判断する。CPU1201はユーザ指定されている場合は、ステップ1109は指定サイズを原稿サイズとして通知する。CPU1201はユーザ指定さていない場合は、デフォルトで設定されているサイズを通知する。一方、ステップS1101で自動原稿サイズ検知設定がされている場合は、CPU1201は原稿サイズを検知すればステップS1107 で検知したサイズを通知する。原稿サイズを検知しなければ、ステップS1103で読み取り開始と判断した場合に、ステップS1104で最大長と通知する。次にCPUは原稿サイズセンサによる検知が行われたか否かを判断して検知した場合はステップS1106で検知結果を通知する。
【0049】
以上原稿サイズ検知部の動作フローを説明したが、図11に図示した動作フローは本発明の画像形成装置における原稿サイズ検知部の動作フローの特徴を示す一例である。したがって、自動原稿サイズ検知設定の場合に原稿サイズを検知した場合は検知サイズを通知するステップと検知しない場合に原稿サイズ最大長を通知するステップとから構成される動作フローであればよく。図11に示した動作フローに限定するものではない。
<マスク領域除去部の動作フロー>
図6記載のマスク領域除去部108の動作フローを図12を用いて説明する。
【0050】
マスク領域除去部108では、まず、ステップS1201で原稿サイズ通知部106より原稿サイズを受信する。ステップS1202でCPU1201は読み取り画像データ中のマスク領域を算出する。例えば、原稿サイズ検知部で原稿サイズが検知できない場合、原稿サイズが最大サイズに設定されているので、最大サイズから原稿サイズを減算する。次にステップS1203でCPU1201はステップS1202で算出したマスク領域中のサンプリングポイント数(P_MASK)を算出する。次にステップS1204にてCPU1202は画像処理演算領域判定部より画像処理演算結果が反映される領域のサンプリングポイント数(P_FILTER)受信して。ステップS1205でCPU1201はヒストグラム生成部104で生成されたヒストグラムから減算する255度数を算出する。次にステップS1206にてCPU1201はヒストグラムの255度数から減算する。
【0051】
以上マスク領域除去部108の動作フローを説明したが、図12に図示した動作フローは、本発明の画像形成装置におけるマスク領域除去部108の動作の特徴を示す一例である。マスク領域除去部108としては、原稿サイズ検知部からの検知結果に基づきマスク領域を算出するステップ。この算出した領域中のサンプリングポイント数を求めるステップ。そしてマスク領域中の画像処理演算結果が反映される領域のサンプリングポイント数を求めるステップ。そして減算する255度数を求めてヒストグラムから減算する動作を実現するステップから構成されるフローであればよく。図12に示した動作フローに限定するものではない。
<画像処理演算領域判定部の動作フロー>
図6記載の画像処理演算領域判定部107の動作フローを図13を用いて説明する。
【0052】
画像処理演算領域判定部107では、マスク領域中で演算結果が反映される領域に含まれるサンプリングポイント数を求める。その為にまずステップS1301でCPU1201は原稿サイズ検知部より検知結果を受信、次にCPU1201はヒストグラムのサンプリングピッチを確認する。次にステップS1303にてCPUは画像処理部103で施される画像処理のウィンドウサイズを確認する。例えば画像データに適応される5x5のフィルタフィルタ演算が適用される場合、ウィンドウサイズ:5x5と確認結果を得る。次にCPU1201はステップS1304でマスク領域を算出する。例えば、原稿サイズ検知部で原稿サイズが検知できない場合、原稿サイズが最大サイズに設定されているので、最大サイズから原稿サイズを減算する。次にCPU1201はステップS1305でマスク領域中に含まれる画像処理演算領域を算出する。次にCPU1201は求めたマスク領域のサイズとサンプリングピッチと画像処理ウィンドウサイズとから演算して画像処理演算領域中に含まれるサンプリングポイント数P_Filterを求める。
【0053】
以上、本発明の画像形成装置における画処理演算領域判定部における動作フローを説明したが、図13に示した動作フローは本画像形成装置における画像処理演算領域判定部の特徴を示す動作フローの一例である。したがって、画像処理演算領域判定部では、読み取り画像中のマスク領域を算出するステップとサンプリングピッチと画像処理ウィンドウサイズとから演算結果が反映されるエリアのサンプリングポイント数を算出するステップとから構成されていればよく。図13に示した動作フローに限定されるものではない。
<画像データ>
図14に本発明の画像形成装置における、読み取り画像データ及び処理画像データについて説明する。図14(a)のは非画像エリアマスク部102が画像信号生成部101から入力された画像信号に対してマスク処理を施した後、出力される画像データを示している。これは、自動原稿検知設定でADF142で読み取った場合の画像データを示していて、1401で示した読み取り画像領域中に、原稿領域1403と非画像マスク領域1402が存在することがわかる。
【0054】
また、図14(b)は、画像処理部103にてこの場合NxNのフィルタ処理が施された場合の出力画像のイメージを示している。ここでは、図14(a)の非画像マスク領域中にフィルタ処理の演算結果が反映される領域が存在していることをしめしている。これは、NxNのフィルタ演算処理によるものでその幅1405は、NxNのウィンドウサイズ1404と原稿領域のサイズによって求めることができる。
【0055】
さらに、図14(c)はヒストグラム生成部104において画像処理部103から入力される画像信号のヒストグラム生成する際のサンプリングポイントを示している。これは、図7の説明のなかで説明しているように、設定されたサンプリングピッチに基づきサンプリングが行われる。この場合、図14(b)で示したフィルタ処理演算結果が反映される領域1405に対してサンプリングポイントが設定されていることを示している。
【0056】
本発明の画像形成装置におけるマスク領域除去部108では1406で示した領域のサンプリングポイント数を求めて白(255)度数を減算する。図14(c)の場合16個のサンプリングポイント分の度数を減算する。
<ヒストグラム>
図15(a)に本発明の画像形成装置のヒストグラム作成部104にて生成したヒストグラムとマスク領域除去部108により求めた減算度数の関係について示した。また、図15(b)に従来手法によるヒストグラムと減算度数の関係について示した。図14記載の減算する1404の領域の同数が1501に対応する。マスク領域全体のサンプリングポイントの度数を1502に示している。このように、マスク領域の輝度レベル255の度数を減算することで原稿画像領域のヒストグラムを作成する。本画像形成装置におけるヒストグラム生成方法と従来手法においてはヒストグラムの形状の特徴であるピークに相違が出てくるここと示している。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の画像処理装置の外観を示す図
【図2】本発明の画像形成装置の構成を説明する断面図
【図3】画像形成装置のコントローラユニットの構成
【図4】スキャナ画像処理部1280の構成を示す図
【図5】プリンタ画像処理部1290の構成を示す図
【図6】本発明の画像形成装置における下地除去機能の構成を示すブロック図
【図7】本発明の画像形成装置のヒストグラム生成部におけるサンプリング方法について説明する図
【図8】ヒストグラム生成部104の動作フロー図
【図9】画像信号生成部101の動作フロー図
【図10】非画像エリアマスク部の動作フロー図
【図11】原稿サイズ検知部の動作フロー図
【図12】マスク領域除去部の動作フロー図
【図13】画像処理演算領域判定部の動作フロー図
【図14】読み取り画像データ、及び処理画像データの一例を示す図
【図15】ヒストグラムの一例を示す図
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿画像を光学的に読み取る画像読み取り手段と、
前記画像読み取り手段により読み取る原稿のサイズを検知する原稿サイズ検知手段と、
前記画像読み取り手段により読み取られた画像データに含まれる非画像領域をマスクする非画像エリアマスク手段と、
前記非画像エリアマスク手段によって生成される画像データに対して、画像処理を施こす画像処理手段と、
前記画像処理手段による画像処理済み画像データから輝度分布のヒストグラムを作成するヒストグラム作成手段と、
前記画像処理手段による画像処理演算結果が前記非画像マスク領域に対して反映されるエリアを判定する画像処理演算エリア判定手段と、
前記非画像エリアマスク手段によるマスクエリアから前記画像処理演算エリア判定手段によって得られる判定結果をマスクエリアから差し引いた残りのマスクエリアに対応する度数をヒストグラムから減算する減算処理手段と、
前記減算処理手段により減算が施されたヒストグラムに基づき、下地レベルを判定する下地レベル判定手段と、
前記下地レベル判定部によって判定された下地レベルに基づき、下地レベルを除去する下地除去手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
原稿画像を光学的に読み取る画像読み取り手段と、
前記画像読み取り手段により読み取る原稿のサイズを検知する原稿サイズ検知手段と、
前記画像読み取り手段により読み取られた画像データに含まれる非画像領域をマスクする非画像エリアマスク手段と、
前記非画像エリアマスク手段によって生成される画像データに対して、画像処理を施こす画像処理手段と、
前記画像処理手段による画像処理済み画像データから輝度分布のヒストグラムを作成するヒストグラム作成手段と、
前記画像処理手段による画像処理演算結果が前記非画像マスク領域に対して反映されるエリアを判定する画像処理演算エリア判定手段と、
前記非画像エリアマスク手段によるマスクエリアから前記画像処理演算エリア判定手段によって得られる判定結果をマスクエリアから差し引いた残りのマスクエリアに対応する度数をヒストグラムから減算する減算処理手段と、
前記減算処理手段により減算が施されたヒストグラムに基づき、下地レベルを判定する下地レベル判定手段と、
前記下地レベル判定部によって判定された下地レベルに基づき、下地レベルを除去する下地除去手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2009−303147(P2009−303147A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−158213(P2008−158213)
【出願日】平成20年6月17日(2008.6.17)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月17日(2008.6.17)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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