説明

画像形成装置

【課題】いわゆる胴内排紙型の画像形成装置において、操作部を小型化せずに、操作部の上下角度を変更しても排紙トレイに排紙された用紙の視認性と取り出し性が低下しない画像形成装置を提供する。
【解決手段】操作部10は、画像読取部5の前面側に支持された第一の操作部11と、第一の操作部11により一端部を回動自在に軸支されて揺動する連結部材30と、連結部材30の他端部により回動自在に軸支された第二の操作部12と、を備え、第二の操作部12は、連結部材30により第一の操作部11周りに回動して、排紙収納部7の前側が開放される位置に移動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、印刷機、FAX機や、これらの複合機等の画像形成装置に備えられる操作部の改良に関し、特に操作部を移動させる機構に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、印刷機、FAX機や、これらの複合機等の画像形成装置には、表示及び操作を行うための操作部が備えられている。近年の画像形成装置としては、車椅子に乗った使用者等にとっても操作のし易い画像形成装置を提供するべく、操作部の角度を変更する機構を備えたものが存在する。
例えば特許文献1には、操作部を左右方向及び上下方向に回動可能に構成することにより操作面の角度を変更できるようにして、操作部の確認と操作をし易くして操作性を向上させた画像形成装置が記載されている。さらに、特許文献1の画像形成装置は、画像読み取り部と画像形成部との間に設けられた排紙収納空間に画像形成後の用紙を排紙する構成(いわゆる胴内排紙方式)が採用されており、操作部は、画像読み取り部の前面側に配置されている。
【特許文献1】特開2008−135918公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1の画像形成装置のように、胴内排紙方式の画像形成装置の操作部を可動式とした場合に、操作部の角度を垂直近くまで傾斜させると、排紙収納部が操作部の陰に隠れてしまい、排紙された用紙の視認性と取り出し性が低下するという問題がある。
この問題を解決するためには、排紙された用紙が操作部の影にならないように操作部を配置したり、操作部を小型化したりすることが考えられる。しかし、前者の方法によると、排紙収納部の前側に突出しない位置に操作部を配置する必要があるため、操作部の配置位置あるいは可動範囲の自由度が低く、操作性の向上を適切に図れないという問題がある。また、後者の方法によると、表示画面や操作ボタンを小さくするとともに操作ボタンのキーピッチを狭くすることになるため、操作性が低下するという問題がある。また、仮に操作部を着脱式にして装置本体から完全に取り外せるようにしたとしても、操作性の低下は免れない。
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、操作部を小型化せずにその操作性を維持しつつ、排紙された用紙の視認性と取り出し性が低下しない画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、原稿の画像を読み取る画像読取部と、該画像読取部の下方に空間を隔てて配設された画像形成部と、前記空間に設けられた排紙収納部と、前記画像読取部の側部に配設されて表示及び操作を行う操作部と、を備えた画像形成装置において、前記操作部は、前記画像読取部の前部に支持された第一の操作部と、前記第一の操作部により一端部を回動自在に軸支されて揺動する連結部材と、前記連結部材の他端部により回動自在に軸支された第二の操作部と、を備え、前記第二の操作部は、前記連結部材が揺動することにより、前記排紙収納部の前部と該前部から退避した位置との間を進退可能に構成されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、前記連結部材は前記第一の操作部の操作面と交叉する軸周りに回動するように一端部を軸支されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、前記連結部材は前記第一の操作部の操作面と略平行な縦軸周りに回動するように一端部を軸支されていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、前記連結部材は、前記第一の操作部に一端を軸支された第一のアームと、前記第二の操作部に軸支された第二のアームと、前記第一のアームと前記第二のアームを互いの長手方向へ接近離間させる接離機構と、前記第一のアームと前記第二のアームとを接近方向へ付勢する付勢手段と、を備えることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、前記第一の操作部と前記第二の操作部は正面視略矩形状であり、前記第一の操作部と前記第二の操作部の左右側面又は上下面が隣接するように前記第二の操作部を移動可能であることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、前記第一の操作部は、上下方向、及び/又は、左右方向に回動可能なチルト手段を介して前記装置本体に支持されることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、前記第一の操作部が画像形成に必要な操作を行う操作手段を有し、前記第二の操作部が画像形成に必要な表示行う表示手段を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、第二の操作部が第一の操作部周りに回動して、排紙収納部の前側が開放される位置に移動できるので、排紙収納部に排出された紙の視認性と取り出し性を確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の第一の実施形態に係る画像形成装置の外観斜視図である。本発明が適用される画像形成装置について簡単に説明する。
画像形成装置1は、最上部に原稿の画像を読み取る画像読取部5と、画像読取部5の下方に空間を隔てて配設された画像形成部(不図示)を収納する装置本体6と、画像読取部5と画像形成部との間の空間に配置されて画像が形成された転写材を排出する排紙トレイ7(排紙収納部)とを備える。画像形成装置1は電子写真方式の画像形成装置であり、装置本体6の内部に夫々図示しない感光体ドラム、現像装置、転写装置、定着装置、光書込装置等の画像形成部を有している。画像形成部にて画像が形成された転写材は、排紙トレイ7へ排出される。画像読取部5には図示しないコンタクトガラスと、原稿を自動的に送るADF8が設けられている。ADF8は、コンタクトガラスに対して開閉自在なカバー9に組み込まれている。なお、ADF8を有さずに、圧板(原稿押え)のみを有する構成であってもかまわない。
画像読取部5の前面側には、画像形成装置1を操作するための操作部10が取り付けられている。本発明において操作部10は、第一の操作部11と第二の操作部12とから構成され、第一の操作部11の表面には各種の情報を表示する表示装置13(表示手段)が配置され、第二の操作部12の表面には画像形成装置1を操作するための各種キー14(操作手段)が配置されている。
【0007】
〔第一の実施形態〕
本発明の第一の実施形態について図1、図2に基づいて説明する。図2は、画像形成装置1の操作部10の可動構造について示した図である。本実施形態では、図1において第一の操作部11の右側方にある第二の操作部12が、第一の操作部11の手前側を経由して左側方に移動するようにした点に特徴がある。
第一の操作部11の内部には、その上下角度を段階的に変化させるための調整機構20が収容されている。なお、図2に示す調整機構20は、操作部10の上下角度を変化させる機構の一例であり、本形態に限定されるものではない。
調整機構20は、上下方向に揺動可能に支持された操作レバー21と、一端部が操作レバー21と当接して画像読取部側へと延びる一組の開閉片22と、開閉片22を中央部にて回動自在に軸支する回転軸23と、開閉片22の他端部側(画像読取部5側)に備えられたロック機構24と、操作部10を上下方向に回動自在に軸支する水平軸25とを備える。水平軸25は、画像読取部5の前面側に固定された軸受部材によって支持されている。
操作レバー21を上方又は下方へ移動させると、開閉片22の操作レバー21側が互いに離間する方向へ移動する。また、開閉片22の画像読取部5側は回転軸23によって互いに近接する方向へ移動し、ロック機構24のロックが解除される。操作部10全体を水平軸25周りに回動させて、上下方向(矢印A方向)に移動させることができる。さらに、操作レバー21から手を離すと、ロック機構24によって操作部が所定の角度で固定される。
上述の開閉片22と回転軸23は、ともに開閉片22の下方に位置するブラケット26によって支持されている。
【0008】
ブラケット26の下面側には、第一の操作部11と第二の操作部12とを連結する連結部材30が配置されている。連結部材30は、その一端部をチルトヒンジ軸31によって矢印B1方向へ回動可能に軸支されおり、揺動する。また、連結部材30の他端部にはチルトヒンジ軸32が取り付けられ、チルトヒンジ軸32を介して第二の操作部12が回動自在に軸支されている。
チルトヒンジ軸31・32は、摩擦トルクによるチルト機能、すなわちチルトヒンジ軸の耐トルクによりチルトヒンジ軸を介して連結される部材を任意の位置に安定かつ確実に停止させる機能を有している。チルトヒンジ軸31は、第一の操作部11に対して連結部材30を任意の角度に保持し、チルトヒンジ軸32は、連結部材30に対して第二の操作部12を任意の角度に保持することができる。
本実施形態においてチルトヒンジ軸31・32ではなく、チルト機能を有さないヒンジ軸を用いても良い。しかし、チルトヒンジ軸31・32を用いることで第二の操作部12を任意の位置に安定かつ確実に停止させることができるので、使用者は自身の使いやすい位置に第二の操作部12を移動させて使用することができる。
【0009】
図3、図4は、画像形成装置の一部を透視した外観斜視図である。図3は、操作部を図1に示す位置から下方へ傾斜させた状態を示している。また、図4は、第二の操作部を図3に示す位置から第一の操作部の左側方に移動させた状態を示している。
図1に示すように、操作部10を下方に傾斜させていない状態では、排紙トレイ7の前側が開放されている。しかし、操作部10を下方に傾斜させると、図3に示すように、第一の操作部11の右側方にある第二の操作部12が排紙トレイ7の前側を塞ぐ形になってしまう。
そこで、第二の操作部12を、第一の操作部11の操作面11aと交叉(本例では直交)する軸であるチルトヒンジ軸31周りに時計回り方向(矢印B1方向)に回動させて、第一の操作部11の左側方に移動させて、排紙トレイ7の前側が開放されるようにする(図4)。
【0010】
このように、本実施形態においては、連結部材30が揺動することにより第二の操作部12を移動可能、すなわち排紙トレイ7の前部と前部から退避した位置との間を進退可能に構成したので、排紙トレイ7の前側を開放することができるようになり、排紙トレイ7に排出された用紙の視認性と取り出し性が向上する。また、第二の操作部12自身がチルトヒンジ軸32を中心として回動するので、装置本体の前方に位置する第二の操作部12の操作者から見た姿勢(例えばボタン配置等)は、移動の前後においても維持される。また、第一の操作部11は調整機構20を介して画像読取部5の前面側に支持され、第二の操作部12は第一の操作部11と連結されているので、調整機構20によって操作部10全体の上下方向角度を変更することができる。
【0011】
〔第二の実施形態〕
本発明の第二の実施形態について説明する。図5は、本発明の第二の実施形態に係る画像形成装置の外観斜視図である。図6は、操作部部分を拡大して透視した部分拡大斜視図である。本実施形態では、操作部の角度を上下方向のみならず左右方向にも変更する調整機構を備えた操作部の一部を、第一の実施形態と同様に回動可能とした点に特徴がある。第一の実施形態と同一の部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図5に示すように画像形成装置1の操作部40は、正面視略矩形状の第一の操作部41と第二の操作部42とから構成されている。また、図6に示すように、操作部40の背後において、第一の操作部41は画像読取部5の前面側に調整機構50によって支持され、また第二の操作部42は第一の操作部41に対して連結機構60によって支持されている。
【0012】
操作部40の支持構造について説明する。図7は、操作部40を支持する構造について示した図である。第一の操作部40を支持してその角度を調整する調整機構50は、画像読取部5の前側面に固定されたブラケット51と、ブラケット51に支持された略水平のチルトヒンジ軸52と、チルトヒンジ軸52に上下方向(矢印C方向)に回動可能に軸支されたブラケット53と、ブラケット53に支持されてチルトヒンジ軸52に対して略垂直方向を軸とするチルトヒンジ軸54と、チルトヒンジ軸54に左右方向(矢印D方向)に回動可能に軸支されたブラケット55とを有する。第一の操作部41はブラケット55に固定され、チルトヒンジ軸52によって、操作部40の角度を上下方向に変更可能である。また、チルトヒンジ軸54によって操作部40の角度を左右方向に変更可能である。
なお、上述の調整機構50は、操作部40の上下左右角度を変化させる機構の一例である。本実施形態は、2軸のチルトヒンジで構成された調整機構の例により説明するが、調整機構に備えられるヒンジ軸の数は特に限定されるものではなく、1軸のチルトヒンジ軸や、多軸のチルトヒンジ軸であってもよい。
【0013】
第二の操作部42の支持構造について説明する。第二の操作部42は、ブラケット55に軸支された連結部材60によって第一の操作部41と連結されている。すなわち、第二の操作部42は、ブラケット55、及び連結部材60を介して第一の操作部41に支持されている。
連結部材60は、ブラケット55に支持されて第一の操作部41の操作面41aと交叉する(略垂直の)軸となるチルトヒンジ軸61と、チルトヒンジ軸61に一端を回動可能に軸支されたアーム62と、アーム62の他端部に取り付けられたチルトヒンジ軸63と、を有する。チルトヒンジ軸63は第二の操作部42を回動可能に軸支する。
アーム62は、第一の操作部41側に位置する第一のアーム片70と、第二の操作部42側に位置する第二のアーム片75とからなる。第一のアーム片70は、長手方向一端部にチルトヒンジ軸61が挿通される孔71と、他端部に第一のアーム片70の長手方向に沿って開けられた2つの案内孔72と、孔71と案内孔72の間にコイルバネ64の一端部を係止する係止片73とを有する。
【0014】
また、第二のアーム片75は、長手方向であって第一の操作部41側の一端縁にコイルバネ64の他端部を係止する係止片76と、短手方向に並べて配置されて第一のアームと連結される2つの連結孔77と、長手方向他端部にチルトヒンジ軸63が挿通される孔78とを有する。案内孔72と連結孔77は、夫々遊嵌されたボス65によって連結され、これらは第一のアーム片70と第二のアーム片75を互いの長手方向へ接近離間させる接離機構を構成する。また、コイルバネ64(付勢手段)は、その両端部が夫々係止片73・76に係止されて、第一のアーム片70と第二のアーム片75とを互いに接近する方向へ付勢する。
従って、第二の操作部42はチルトヒンジ軸61を中心に第一の操作部41周りに回動し、その位置を変更することができる。このとき、コイルバネ64によって、第一の操作部41と第二の操作部42とが互いに接近する方向へ付勢されているので、第一の操作部41と第二の操作部42の左右側面又は上下側面が隣接するように固定的に配置することができる。
【0015】
上述の構成を有した画像形成装置の操作部の配置変化について図8乃至図11に基づいて説明する。図8乃至図11は画像形成装置の外観斜視図である。
図8は図5の状態から、操作部を下方に傾けた状態を示している。図8に示すように、第二の操作部42が排紙トレイ7の前側を塞ぐ形になり、排紙トレイ7に排出された用紙の視認性と取り出し性が図5の状態よりも悪化している。
図9は、図8の状態から、第二の操作部42を回動させて第一の操作部41の外周縁の何れかの位置、本例では第一の操作部41の左側に移動させた状態を示している。図示するように、排紙トレイ7の前側が開放されて、排紙トレイ7に排出された用紙の視認性と取り出し性が向上している。
さらに図10は、図8の状態から操作部40を斜め右方向に向くように回動させるようにその角度を変更した状態を示している。図示するように、調整機構50は第一の操作部41に取り付けられているため、調整機構50から画像読取部5の前面と当接しうる操作部40の端部(第二の操作部42の右側端部42b)までの距離が長く、操作部40の左右方向における可動範囲が小さい。しかし、第二の操作部42を第一の操作部41の左側へ移動させると、調整機構50から画像読取部5の前面と当接しうる操作部40の端部(第一の操作部41の右側端部41b)までの距離が短くなるので、画像形成装置1の前面に対する左右方向の可変角度を大きくすることができる。
【0016】
このように、本実施形態によれば、第一のアームと第二のアームとを付勢手段により互いに接近する方向へ付勢しているので、第二の操作部の固定時には第一の操作部と第二の操作部が密着して安定し、第二の操作部の移動時には、付勢力に反して第二の操作部を第一の操作部から離間させることで移動に必要な隙間を容易に確保できる。また、画像形成装置の前面に対する左右方向の可変角度を大きくすることができるので、第二の操作部を移動する際の位置の制限が緩くなり、デザイン的・設計的な自由度が高くなる。
なお、第一の操作部と第二の操作部との距離を維持するための固定手段(例えばネジや蝶ボルト)をボスの代わりに備え、コイルバネを除外するような構成としてもよい。この場合、移動時には連結部材の長さを変更できるので、第二の操作部の移動に必要な隙間を確保することができるとともに、第一の操作部に対して所望の位置又は距離にて第二の操作部を固定できるという利点が得られる。
【0017】
〔第三の実施形態〕
本発明の第三の実施形態について図12乃至図14に基づいて説明する。図12、図13は、本発明の第三の実施形態に係る画像形成装置の外観斜視図である。図14は、操作部部分の一部を切り欠いて表示した部分拡大斜視図である。本実施形態では、第一の操作部の操作面と略水平な軸周りに第二の操作部が回動する点に特徴がある。なお、以下の説明では、第一、第二の実施形態と同一の部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
本実施形態における第一の操作部81の内部には、第一の実施形態と同様に、操作部80の上下角度を段階的に変化させるための調整機構20が収容されている。
【0018】
第一の操作部81と第二の操作部82は、画像読取部5側(後端部側)において横方向に略水平に延びる長い棒状の連結手段90により連結されている。連結手段90の両端部は操作面81a・82aに略平行かつ縦方向に延びる軸である。即ち、連結手段90の一端部(第一の軸部91)は第一の操作部81に回動自在に軸支され、連結手段90は第一の軸部91周り(図の矢印E方向)に揺動する。また、連結手段90の他端部(第二の軸部92)は第二の操作部82に回動自在に軸支され、第二の操作部82は第二の軸部92周り(図の矢印F方向)に揺動する。
第一の操作部81の操作面81a上には連結手段90を収納する収納溝85を備える。収納溝85は、第一の軸部91から図面上右側に位置する第一の収納溝85aと、図面上左側に位置する第二の収納溝85bとからなる。第一の収納溝85a上には、連結手段90の回動経路に出没することによって、連結手段90を係脱自在に保持するとともに、第一の収納溝85a内に収納された連結手段90が開放動作することを阻止する第一のロック部材95を備える。第一のロック部材95は、所定のガイド部96に沿って進退する阻止部材97と、阻止部材97を回動経路側に突出するように付勢する付勢手段98を有する。
【0019】
また、第二の操作部82の連結手段90の回動経路上には、連結手段90を係脱自在にするとともに、第一の収納溝85a内に収納された連結手段90が開放動作することを阻止する第二のロック部材100を備える。第二のロック部材100は、所定のガイド部101に沿って進退する阻止部材102と、阻止部材102を回動経路側に突出するように付勢する付勢手段103を有する。
このように構成することで、図中、第一の操作部81の右方に固定された第二の操作部82を操作面82a側へと持ち上げると、連結手段90の回動経路上に突出した阻止部材97・101が後退して連結部材が開放され、第二の操作部82を揺動させることができる。
また、連結手段90を揺動自在な状態から第一の収納溝85aに押し込むと、連結手段90の回動経路上に突出した阻止部材97・101が後退して、連結手段90が第一の収納溝に収納された後、阻止部材97・101が回動経路上に突出して連結手段90の開放動作が阻止される。
なお、第二の収納溝85b内に収納された連結手段90の開放動作を阻止するロック部材については、第一・第二のロック部材と同様の構成を有するため、その説明を省略する。
このように、本実施形態においては、第二の操作部を第一の操作部に対して固定できるようにしたので、操作する際に操作部が安定し、操作しやすくなる。
【0020】
〔第四の実施形態〕
本発明の第四の実施形態について図15に基づいて説明する。図15は、本発明の第四の実施形態に係る画像形成装置の操作部部分を拡大して透視した部分拡大斜視図である。本実施形態においては、画像読取部5に支持された第一の操作部111にスイッチ等の押下操作が伴うデバイス(各種キー113)を配置し、第一の操作部111に支持されるとともに第一の操作部111に対して移動可能に構成した第二の操作部112にスイッチ等の押下操作が伴わないデバイス(表示装置114)を配置した。
このように、実際に押下等の操作が伴うデバイスを画像読取部5によって支持するので、連結部材60が高い剛性を有さずとも、操作部110の操作の安定性を容易に確保することができる。また、表示装置114がタッチパネル等の押下等の操作を伴うデバイスである場合には、表示装置114を第一の操作部111に配置することで、操作部110の安定性を確保することができる。
また、第一の操作部111、第二の操作部112ともに押下等の操作が伴うデバイスを搭載する場合には、押下等の操作の多いと考えられるデバイスを第一の操作部111に配置し、他方のデバイスを第二の操作部112に配置する等、操作荷重や安定性を考慮して、第一又は第二の操作部のいずれにデバイスを搭載するかを決定する。
このように、本実施形態では押下操作が伴うデバイスを画像読取部に支持された第一の操作部に配置したので、操作部の安定性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第一の実施形態に係る画像形成装置の外観斜視図である。
【図2】本発明の第一の実施例に係る画像形成装置の操作部の可動構造について示した図である。
【図3】画像形成装置の一部を透視した外観斜視図である。
【図4】画像形成装置の一部を透視した外観斜視図である。
【図5】本発明の第二の実施形態に係る画像形成装置の外観斜視図である。
【図6】操作部部分を拡大して透視した部分拡大斜視図である。
【図7】操作部を支持する構造について示した図である。
【図8】本発明の第二の実施形態に係る画像形成装置の外観斜視図である。
【図9】本発明の第二の実施形態に係る画像形成装置の外観斜視図である。
【図10】本発明の第二の実施形態に係る画像形成装置の外観斜視図である。
【図11】本発明の第二の実施形態に係る画像形成装置の外観斜視図である。
【図12】本発明の第三の実施形態に係る画像形成装置の外観斜視図である。
【図13】本発明の第三の実施形態に係る画像形成装置の外観斜視図である。
【図14】操作部部分の一部を切り欠いて表示した部分拡大斜視図である。
【図15】本発明の第四の実施形態に係る画像形成装置の操作部部分を拡大して透視した部分拡大斜視図である。
【符号の説明】
【0022】
1、2、3…画像形成装置、5…画像読取部、6…装置本体、7…排紙トレイ、8…ADF、9…カバー、10…操作部、11…第一の操作部、11a…操作面、12…第二の操作部、13…表示装置、14…各種キー、20…調整機構、21…操作レバー、22…開閉片、23…回転軸、24…ロック機構、25…水平軸、26…ブラケット、30…連結部材、31…チルトヒンジ軸、32…チルトヒンジ軸、40…操作部、41…第一の操作部、41a…操作面、41b…右側端部、42…第二の操作部、42b…右側端部、43…表示装置、44…各種キー、50…調整機構、51…ブラケット、52…チルトヒンジ軸、53…ブラケット、54…チルトヒンジ軸、55…ブラケット、60…連結部材、61…チルトヒンジ軸、62…アーム、63…チルトヒンジ軸、64…コイルバネ、65…ボス、70…第一のアーム片、71…孔、72…案内孔、73…係止片、75…第二のアーム片、76…係止片、77…連結孔、78…孔、80…操作部、81…第一の操作部、81a…操作面、82…第二の操作部、82a…操作面、85…収納溝、85a…収納溝、85b…収納溝、90…連結手段、91…第一の軸部、92…第二の軸部、95…第一のロック部材、96…ガイド部、97…阻止部材、98…付勢手段、100…第二のロック部材、101…ガイド部、102…阻止部材、103…付勢手段、110…操作部、111…第一の操作部、112…第二の操作部、113…各種キー、114…表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿の画像を読み取る画像読取部と、該画像読取部の下方に空間を隔てて配設された画像形成部と、前記空間に設けられた排紙収納部と、前記画像読取部の側部に配設されて表示及び操作を行う操作部と、を備えた画像形成装置において、
前記操作部は、前記画像読取部の前部に支持された第一の操作部と、前記第一の操作部により一端部を回動自在に軸支されて揺動する連結部材と、前記連結部材の他端部により回動自在に軸支された第二の操作部と、を備え、
前記第二の操作部は、前記連結部材が揺動することにより、前記排紙収納部の前部と該前部から退避した位置との間を進退可能に構成されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記連結部材は前記第一の操作部の操作面と交叉する軸周りに回動するように一端部を軸支されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記連結部材は前記第一の操作部の操作面と略平行な縦軸周りに回動するように一端部を軸支されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記連結部材は、前記第一の操作部に一端を軸支された第一のアームと、前記第二の操作部に軸支された第二のアームと、前記第一のアームと前記第二のアームを互いの長手方向へ接近離間させる接離機構と、前記第一のアームと前記第二のアームとを接近方向へ付勢する付勢手段と、を備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第一の操作部と前記第二の操作部は正面視略矩形状であり、前記第一の操作部と前記第二の操作部の左右側面又は上下面が隣接するように前記第二の操作部を移動可能であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第一の操作部は、上下方向、及び/又は、左右方向に回動可能なチルト手段を介して前記装置本体に支持されることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第一の操作部が画像形成に必要な操作を行う操作手段を有し、前記第二の操作部が画像形成に必要な表示行う表示手段を有することを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2010−109458(P2010−109458A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−276962(P2008−276962)
【出願日】平成20年10月28日(2008.10.28)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】