画像形成装置
【課題】高品質の画像を安定して形成することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】 4つの感光体ドラムと、4つの光源(2200a、2200b、2200c、2200d)と、各光源からの光束を偏向するポリゴンミラー2104と、該ポリゴンミラー2104で偏向された各光束を対応する感光体ドラムに集光して潜像を形成する走査光学系と、潜像にトナーを付着させトナー画像を生成する4つの現像装置と、トナー画像を記録紙に転写する転写ローラと、記録紙に転写されたトナー画像を記録紙に定着させる定着装置とを備えている。そして、ポリゴンミラー2104は、Z軸に平行な軸回りに、4つの光源における定着装置から最も遠い位置にある光源2200dから定着装置に最も近い位置にある光源2200bに向かう方向と同じ方向に回転している。
【解決手段】 4つの感光体ドラムと、4つの光源(2200a、2200b、2200c、2200d)と、各光源からの光束を偏向するポリゴンミラー2104と、該ポリゴンミラー2104で偏向された各光束を対応する感光体ドラムに集光して潜像を形成する走査光学系と、潜像にトナーを付着させトナー画像を生成する4つの現像装置と、トナー画像を記録紙に転写する転写ローラと、記録紙に転写されたトナー画像を記録紙に定着させる定着装置とを備えている。そして、ポリゴンミラー2104は、Z軸に平行な軸回りに、4つの光源における定着装置から最も遠い位置にある光源2200dから定着装置に最も近い位置にある光源2200bに向かう方向と同じ方向に回転している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に係り、更に詳しくは、複数の光源を備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル複写機やレーザプリンタ等の画像形成装置では、一般的に、像担持体の表面を帯電し、その帯電面に対して光走査装置により光走査を行って静電潜像を形成している。そして、その静電潜像にトナーを付着させでトナー像とし、該トナー像を紙面上に転写したのち、熱によりトナーを溶融させて紙に定着させている。すなわち、帯電→露光→現像→転写→定着の過程を経て画像が出力される。
【0003】
ところで、近年、画像形成装置における画像出力の高速化が求められている。これに対処するには、帯電、露光、現像、転写、定着に関与する各ユニットでの処理速度の向上が必要となり、各ユニットから発生する熱量が従来に比べ大幅に上昇している。
【0004】
上記光走査装置は、光源や複数の光学素子を有しており、これらは、周囲温度(熱)によりその特性が変化しやすい。その結果、光走査の精度が劣化し、出力画像の品質低下を招く。
【0005】
そこで、温度上昇時の光学系の焦点位置のずれを相殺するような特殊面(例えば、回折面)を、光学素子に設ける方法が提案された(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、複数の像担持体と;複数の光源と;複数の偏向反射面を有する多面鏡を回転させて前記複数の光源からの各光束を偏向する偏向器と;前記偏向器で偏向された各光束を対応する像担持体に集光して潜像を形成する複数の走査光学素子を含む走査光学系と;前記潜像にトナーを付着させトナー画像を生成する現像装置と;前記トナー画像を媒体に転写する転写装置と;前記媒体に転写されたトナー画像を前記媒体に定着させる定着装置と;を備え、前記複数の光源は、前記定着装置からの距離がそれぞれ異なる位置に配置され、前記多面鏡は、前記複数の光源における前記定着装置から最も遠い位置にある光源から前記定着装置に最も近い位置にある光源に向かう方向と同じ方向に回転することを特徴とする画像形成装置である。
【0007】
これによれば、光学ハウジング内における温度のばらつきを従来よりも小さくすることができ、高品質の画像を安定して形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態に係るカラープリンタの概略構成を説明するための図である。
【図2】光走査装置の概略構成を説明するための図(その1)である。
【図3】光走査装置の概略構成を説明するための図(その2)である。
【図4】Kステーションの偏向器前光学系を説明するための図である。
【図5】Mステーションの偏向器前光学系を説明するための図である。
【図6】Yステーションの偏向器前光学系を説明するための図である。
【図7】Cステーションの偏向器前光学系を説明するための図である。
【図8】カップリングレンズに形成された回折面を説明するための図である。
【図9】ポリゴンミラーの回転方向を説明するための図である。
【図10】光走査装置の比較例を説明するための図である。
【図11】比較例における各光源及び各トロイダルレンズの温度を説明するための図である。
【図12】ポリゴンミラーの回転による各fθレンズの温度変化を説明するための図である。
【図13】ポリゴンミラーの回転による気流の効果を説明するための図である。
【図14】本実施形態における各光源及び各トロイダルレンズの温度を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態を図1〜図14に基づいて説明する。図1には、一実施形態に係るカラープリンタ2000の概略構成が示されている。
【0010】
このカラープリンタ2000は、4色(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)を重ね合わせてフルカラーの画像を形成するタンデム方式の多色カラープリンタであり、光走査装置2010、4つの感光体ドラム(2030a、2030b、2030c、2030d)、4つのドラムクリーニング装置(2031a、2031b、2031c、2031d)、4つの帯電装置(2032a、2032b、2032c、2032d)、4つの現像装置(2033a、2033b、2033c、2033d)、4つのトナーカートリッジ(2034a、2034b、2034c、2034d)、転写ベルト2040、転写ベルトクリーニング装置2085、光学センサ2048、転写ローラ2049、定着装置2050、給紙コロ2054、レジストローラ対2056、排紙ローラ2058、給紙トレイ2060、排紙トレイ2070、通信制御装置2080、及び上記各部を統括的に制御するプリンタ制御装置2090などを備えている。
【0011】
なお、本明細書では、XYZ3次元直交座標系において、各感光体ドラムの長手方向に沿った方向をY軸方向、4つの感光体ドラムの配列方向に沿った方向をX軸方向として説明する。
【0012】
通信制御装置2080は、ネットワークなどを介した上位装置(例えばパソコン)との双方向の通信を制御する。
【0013】
各感光体ドラムはいずれも、その表面に感光層が形成されている。すなわち、各感光体ドラムの表面がそれぞれ被走査面である。なお、各感光体ドラムは、不図示の回転機構により、図1における面内で矢印方向に回転するものとする。
【0014】
感光体ドラム2030a、帯電装置2032a、現像装置2033a、トナーカートリッジ2034a、及びドラムクリーニング装置2031aは、組として使用され、ブラックの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Kステーション」ともいう)を構成する。
【0015】
感光体ドラム2030b、帯電装置2032b、現像装置2033b、トナーカートリッジ2034b、及びドラムクリーニング装置2031bは、組として使用され、マゼンタの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Mステーション」ともいう)を構成する。
【0016】
感光体ドラム2030c、帯電装置2032c、現像装置2033c、トナーカートリッジ2034c、及びドラムクリーニング装置2031cは、組として使用され、イエローの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Yステーション」ともいう)を構成する。
【0017】
感光体ドラム2030d、帯電装置2032d、現像装置2033d、トナーカートリッジ2034d、及びドラムクリーニング装置2031dは、組として使用され、シアンの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Cステーション」ともいう)を構成する。
【0018】
各帯電装置は、対応する感光体ドラムの表面をそれぞれ均一に帯電させる。
【0019】
光走査装置2010は、上位装置からの多色の画像情報(ブラック画像情報、シアン画像情報、マゼンタ画像情報、イエロー画像情報)に基づいて、各色毎に変調された光束を、対応する帯電された感光体ドラムの表面にそれぞれ照射する。これにより、各感光体ドラムの表面では、光が照射された部分だけ電荷が消失し、画像情報に対応した潜像が各感光体ドラムの表面にそれぞれ形成される。ここで形成された潜像は、感光体ドラムの回転に伴って対応する現像装置の方向に移動する。なお、この光走査装置2010の構成については後述する。
【0020】
トナーカートリッジ2034aにはブラックトナーが格納されており、該トナーは現像装置2033aに供給される。トナーカートリッジ2034bにはマゼンタトナーが格納されており、該トナーは現像装置2033bに供給される。トナーカートリッジ2034cにはイエロートナーが格納されており、該トナーは現像装置2033cに供給される。トナーカートリッジ2034dにはシアントナーが格納されており、該トナーは現像装置2033dに供給される。
【0021】
各現像装置は現像ローラを有し、該現像ローラの回転に伴って、対応するトナーカートリッジからのトナーが、その表面に薄く均一に塗布される。そして、各現像ローラの表面のトナーは、対応する感光体ドラムの表面に接すると、該表面における光が照射された部分にだけ移行し、そこに付着する。すなわち、各現像装置は、対応する感光体ドラムの表面に形成された潜像にトナーを付着させて顕像化させる。ここでトナーが付着した像(以下、便宜上「トナー画像」という)は、感光体ドラムの回転に伴って転写ベルト2040の方向に移動する。
【0022】
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各トナー画像は、所定のタイミングで転写ベルト2040上に順次転写され、重ね合わされてカラー画像が形成される。
【0023】
給紙トレイ2060には記録紙が格納されている。この給紙トレイ2060の近傍には給紙コロ2054が配置されており、該給紙コロ2054は、記録紙を給紙トレイ2060から1枚づつ取り出し、レジストローラ対2056に搬送する。該レジストローラ対2056は、所定のタイミングで記録紙を転写ベルト2040と転写ローラ2049との間隙に向けて送り出す。これにより、転写ベルト2040上のカラー画像が記録紙に転写される。ここで転写された記録紙は、定着装置2050に送られる。
【0024】
定着装置2050では、熱と圧力とが記録紙に加えられ、これによってトナーが記録紙上に定着される。ここで定着された記録紙は、排紙ローラ2058を介して排紙トレイ2070に送られ、排紙トレイ2070上に順次スタックされる。なお、画像形成が行われているとき、カラープリンタ2000内では、この定着装置2050が最も温度が高くなる。ここでは、定着装置2050は、光走査装置2010の−X側で、かつ+Z側に配置されている。
【0025】
各ドラムクリーニング装置は、対応する感光体ドラムの表面に残ったトナー(残留トナー)を除去する。残留トナーが除去された感光体ドラムの表面は、再度対応する帯電装置に対向する位置に戻る。なお、ドラムクリーニング装置と帯電装置との間には、不図示の除電装置が設けられている。該除電装置は、感光体ドラムの表面を除電する。
【0026】
転写ベルトクリーニング装置2085は、記録紙へのカラー画像の転写後に転写ベルト2040上に残っているトナーを除去する。
【0027】
光学センサ2048は、転写ベルト2040上に形成された検出用パターン(トナーパターン)を読み取り、各感光体ドラムの表面に照射される光束の位置ずれ情報が含まれる信号を出力する(例えば、特開2008−276010号公報、特開2005−238584号公報参照)。
【0028】
次に、前記光走査装置2010の構成について説明する。
【0029】
光走査装置2010は、一例として図2〜図7に示されるように、4つの光源(2200a、2200b、2200c、2200d)、4つのカップリングレンズ(2201a、2201b、2201c、2201d)、4つの開口板(2202a、2202b、2202c、2202d)、4つのシリンドリカルレンズ(2204a、2204b、2204c、2204d)、ポリゴンミラー2104、4つのfθレンズ(2105a、2105b、2105c、2105d)、複数の折返しミラー(2106a、2106b、2106c、2106d)、4つのトロイダルレンズ(2107a、2107b、2107c、2107d)、及び不図示の走査制御装置などを備えている。そして、これらは、光学ハウジング2300(図4〜図7では図示省略)の所定位置に組み付けられている。
【0030】
なお、以下では、便宜上、主走査方向に対応する方向を「主走査対応方向」と略述し、副走査方向に対応する方向を「副走査対応方向」と略述する。
【0031】
また、便宜上、カップリングレンズ2201aの光軸に沿った方向を「wa方向」、光源2200aにおける主走査対応方向を「ma方向」とする。そして、カップリングレンズ2201bの光軸に沿った方向を「wb方向」、光源2200bにおける主走査対応方向を「mb方向」とする。また、カップリングレンズ2201cの光軸に沿った方向を「wc方向」、光源2200cにおける主走査対応方向を「mc方向」とする。さらに、カップリングレンズ2201dの光軸に沿った方向を「wd方向」、光源2200dにおける主走査対応方向を「md方向」とする。なお、各光源における副走査対応方向は、いずれもZ軸方向と同じ方向である。
【0032】
4つの光源は、定着装置2050からの距離がそれぞれ異なる位置に配置されている。ここでは、定着装置2050に最も近い位置に光源2200bが配置され、光源2200a、光源2200c、光源2200dの順に定着装置2050からの距離が大きくなっている。
【0033】
カップリングレンズ2201aは、光源2200aから射出された光束の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
【0034】
カップリングレンズ2201bは、光源2200bから射出された光束の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
【0035】
カップリングレンズ2201cは、光源2200cから射出された光束の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
【0036】
カップリングレンズ2201dは、光源2200dから射出された光束の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
【0037】
なお、各カップリングレンズにおける光源側のレンズ面(第1面)には、一例として図8に示されるように、温度補償を担う回折面が形成されている。そして、該回折面は、周囲の温度分布が均一のときに温度補償の機能が有効に作用するように設計されている。
【0038】
開口板2202aは、開口部を有し、カップリングレンズ2201aを介した光束を整形する。
【0039】
開口板2202bは、開口部を有し、カップリングレンズ2201bを介した光束を整形する。
【0040】
開口板2202cは、開口部を有し、カップリングレンズ2201cを介した光束を整形する。
【0041】
開口板2202dは、開口部を有し、カップリングレンズ2201dを介した光束を整形する。
【0042】
シリンドリカルレンズ2204aは、開口板2202aの開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
【0043】
シリンドリカルレンズ2204bは、開口板2202bの開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
【0044】
シリンドリカルレンズ2204cは、開口板2202cの開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
【0045】
シリンドリカルレンズ2204dは、開口板2202dの開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
【0046】
カップリングレンズ2201aと開口板2202aとシリンドリカルレンズ2204aとからなる光学系は、Kステーションの偏向器前光学系102Aである。
【0047】
カップリングレンズ2201bと開口板2202bとシリンドリカルレンズ2204bとからなる光学系は、Mステーションの偏向器前光学系102Bである。
【0048】
カップリングレンズ2201cと開口板2202cとシリンドリカルレンズ2204cとからなる光学系は、Yステーションの偏向器前光学系102Cである。
【0049】
カップリングレンズ2201dと開口板2202dとシリンドリカルレンズ2204dとからなる光学系は、Cステーションの偏向器前光学系102Dである。
【0050】
ポリゴンミラー2104は、2段構造の6面鏡を有し、各鏡がそれぞれ偏向反射面となる。そして、1段目(下段)の6面鏡ではシリンドリカルレンズ2204aからの光束及びシリンドリカルレンズ2204dからの光束がそれぞれ偏向され、2段目(上段)の6面鏡ではシリンドリカルレンズ2204bからの光束及びシリンドリカルレンズ2204cからの光束がそれぞれ偏向されるように配置されている。なお、1段目の6面鏡及び2段目の6面鏡は、互いに位相が45°ずれて回転し、書き込み走査は1段目と2段目とで交互に行われる。
【0051】
ポリゴンミラー2104は、一例として図9に示されるように、Z軸に平行な軸回りに、光源2200dから光源2200bに向かう方向と同じ方向に回転している。
【0052】
ここでは、シリンドリカルレンズ2204a及びシリンドリカルレンズ2204bからの光束はポリゴンミラー2104の−X側に偏向され、シリンドリカルレンズ2204c及びシリンドリカルレンズ2204dからの光束はポリゴンミラー2104の+X側に偏向される。
【0053】
各fθレンズはそれぞれ、ポリゴンミラー2104の回転に伴って、対応する感光体ドラム面上で光スポットが主走査方向に等速で移動するようなパワーを有する非円弧面形状を有している。
【0054】
fθレンズ2105a及びfθレンズ2105bは、ポリゴンミラー2104の−X側に配置され、fθレンズ2105c及びfθレンズ2105dは、ポリゴンミラー2104の+X側に配置されている。
【0055】
そして、fθレンズ2105aとfθレンズ2105bはZ軸方向に積層され、fθレンズ2105aは1段目の6面鏡に対向し、fθレンズ2105bは2段目の6面鏡に対向している。また、fθレンズ2105cとfθレンズ2105dはZ軸方向に積層され、fθレンズ2105cは2段目の6面鏡に対向し、fθレンズ2105dは1段目の6面鏡に対向している。
【0056】
そこで、ポリゴンミラー2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204aからの光束は、fθレンズ2105a、折返しミラー2106a、及びトロイダルレンズ2107aを介して、感光体ドラム2030aに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム2030aの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム2030a上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030aでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030aの回転方向が、感光体ドラム2030aでの「副走査方向」である。
【0057】
また、ポリゴンミラー2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204bからの光束は、fθレンズ2105b、3つの折り返しミラー2106b、及びトロイダルレンズ2107bを介して、感光体ドラム2030bに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム2030bの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム2030b上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030bでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030bの回転方向が、感光体ドラム2030bでの「副走査方向」である。
【0058】
また、ポリゴンミラー2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204cからの光束は、fθレンズ2105c、3つの折り返しミラー2106c、及びトロイダルレンズ2107cを介して、感光体ドラム2030cに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム2030cの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム2030c上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030cでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030cの回転方向が、感光体ドラム2030cでの「副走査方向」である。
【0059】
また、ポリゴンミラー2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204dからの光束は、fθレンズ2105d、折り返しミラー2106d、及びトロイダルレンズ2107dを介して、感光体ドラム2030dに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム2030dの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム2030d上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030dでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030dの回転方向が、感光体ドラム2030dでの「副走査方向」である。
【0060】
なお、各折り返しミラーは、ポリゴンミラー2104から各感光体ドラムに至る各光路長が互いに一致するとともに、各感光体ドラムにおける光束の入射位置及び入射角がいずれも互いに等しくなるように、それぞれ配置されている。
【0061】
また、各ステーションでは、シリンドリカルレンズとトロイダルレンズとにより、偏向点とそれに対応する感光体ドラム表面とを副走査方向に共役関係とする面倒れ補正光学系が構成されている。
【0062】
ポリゴンミラー2104と各感光体ドラムとの間の光路上に配置される光学系は、走査光学系とも呼ばれている。本実施形態では、fθレンズ2105aとトロイダルレンズ2107aと折り返しミラー2106aとからKステーションの走査光学系が構成されている。また、fθレンズ2105bとトロイダルレンズ2107bと3つの折り返しミラー2106bとからMステーションの走査光学系が構成されている。そして、fθレンズ2105cとトロイダルレンズ2107cと3つの折り返しミラー2106cとからYステーションの走査光学系が構成されている。さらに、fθレンズ2105dとトロイダルレンズ2107dと折り返しミラー2106dとからCステーションの走査光学系が構成されている。
【0063】
各トロイダルレンズは、定着装置2050からの距離がそれぞれ異なる位置に配置されている。ここでは、定着装置2050に最も近い位置にトロイダルレンズ2107bが配置され、トロイダルレンズ2107a、トロイダルレンズ2107c、トロイダルレンズ2107dの順に定着装置2050からの距離が大きくなっている。すなわち、4つの光源における定着装置2050からの距離の順番と、対応するトロイダルレンズの4つのトロイダルレンズにおける定着装置2050からの距離の順番とが同じである。
【0064】
そして、トロイダルレンズ2107aとトロイダルレンズ2107dは、Z軸方向に関して、同じ位置(高さ)のところに配置されている。また、トロイダルレンズ2107bとトロイダルレンズ2107cは、Z軸方向に関して、同じ位置(高さ)のところに配置されている。
【0065】
そして、トロイダルレンズ2107aとトロイダルレンズ2107bは、Z軸方向に関して、異なる位置(高さ)のところに配置されている。また、トロイダルレンズ2107cとトロイダルレンズ2107dは、Z軸方向に関して、異なる位置(高さ)のところに配置されている。
【0066】
比較例として、従来の光走査装置が図10に示されている。この光走査装置では、定着装置2050に最も近い位置に光源2200bが配置され、光源2200a、光源2200d、光源2200cの順に定着装置からの距離が大きくなっている。なお、各トロイダルレンズの配置については、本実施形態と同じである。そして、この光走査装置を備えたカラープリンタにおいて画像形成が行われているときの、各光源及び各トロイダルレンズの温度を測定した結果が図11に示されている。定着装置に最も近い位置に配置されている光源2200bの温度は11.7℃に達し、定着装置から最も離れた位置に配置されている光源2200cの温度は3.4℃であり、両者には8.3℃の差があった。また、トロイダルレンズに関しては、定着装置に最も近い位置に配置されているトロイダルレンズ2107bの温度は11.8℃、定着装置から最も離れた位置に配置されているトロイダルレンズ2107cの温度は4.2℃であり、両者に7.6℃の差がある。ステーション間の温度差は、各々の感光体ドラム上での走査位置のずれに繋がり、出力画像における色ずれを招くおそれがある。また、例えばYステーションにおいて、光源とトロイダルレンズの温度差は6.8℃となり、温度補償レンズを搭載した場合であっても、温度補償の機能が十分に発揮されない。
【0067】
本実施形態に係る光走査装置2010単体において、ポリゴンミラー2104のみを回転させたときの、fθレンズにおける温度分布が、図12に示されている。各fθレンズでは、ポリゴンミラー2104の回転方向に向かって、温度が高くなっている。これはポリゴンミラー2104が回転することにより光学ハウジング2300内で気流(回転気流)が発生し、下流側の熱が上流に送り込まれているためである(図13参照)。
【0068】
また、本実施形態では、定着装置2050からの距離に関して、光源2200b<光源2200a<光源2200c<光源2200dの関係があるため、画像形成が行われているとき、各光源の温度は、光源2200b>光源2200a>光源2200c>光源2200dの関係になることが予想される。しかしながら、ポリゴンミラー2104が、光源2200dから光源2200bに向かう方向と同じ方向に回転しているため、光源2200b及び光源2200aでは、回転気流によって熱が奪われて温度は低下し、光源2200c及び光源2200dでは、回転気流により暖められて温度は上昇する。これにより、光学ハウジング2300内の温度分布は均一に近づくこととなる。
【0069】
本実施形態に係るカラープリンタ2000において画像形成が行われているときの、各光源及び各トロイダルレンズの温度を測定した結果が図14に示されている。各光源間の温度差は、上記比較例に対して、8.3℃から5.0℃に減少した。この効果は高速印刷であればあるほど、ポリゴンミラーの回転速度が上昇し、気流による熱輸送の効果が大きくなるため、より有効である。
【0070】
また、本実施形態では、定着装置2050と各光源との位置関係と、定着装置2050と各トロイダルレンズとの位置関係を調整することにより、同一ステーションにおける、光源とトロイダルレンズの温度差を小さくしている。例えば、Yステーションにおいて、光源とトロイダルレンズの温度差は、上記比較例に対して、6.8℃から4.8℃に減少した。
【0071】
以上説明したように、本実施形態に係る画像形成装置2000によると、4つの感光体ドラム(2030a、2030b、2030c、2030d)と、4つの光源(2200a、2200b、2200c、2200d)と、4つの光源からの各光束を偏向するポリゴンミラー2104と、該ポリゴンミラー2104で偏向された各光束を対応する感光体ドラムに集光して潜像を形成する走査光学系と、前記潜像にトナーを付着させトナー画像を生成する4つの現像装置(2033a、2033b、2033c、2033d)と、トナー画像を記録紙に転写する転写ローラ2049と、記録紙に転写されたトナー画像を記録紙に定着させる定着装置2050とを備えている。
【0072】
そして、ポリゴンミラー2104は、Z軸に平行な軸回りに、4つの光源における定着装置2050から最も遠い位置にある光源2200dから定着装置2050に最も近い位置にある光源2200bに向かう方向と同じ方向に回転している。
【0073】
この場合には、光学ハウジング2300内における温度のばらつきを従来よりも小さくすることができる。その結果、高品質の画像を安定して形成することが可能となる。
【0074】
また、各走査光学系は、4つの光源に対応した4つのトロイダルレンズ(2107a、2107b、2107c、2107d)を含み、各トロイダルレンズは、定着装置2050からの距離がそれぞれ異なる位置に配置されている。
【0075】
そして、4つの光源における定着装置2050からの距離の順番と、対応するトロイダルレンズの4つのトロイダルレンズにおける定着装置2050からの距離の順番とが同じである。この場合には、各ステーションにおいて、光源とトロイダルレンズの温度差を従来よりも小さくすることができる。
【0076】
また、各ステーションにおいて、光源と感光体ドラムの間の光路上に、光源側のレンズ面に温度補償を担う回折面が形成されているカップリングレンズが設けられている。そして、カップリングレンズの回折面は、周囲の温度分布が均一のときに温度補償の機能が有効に作用するように設計されている。本実施形態では、光学ハウジング2300内における温度のばらつきが従来よりも小さいため、回折面の効果を十分に生かすことができる。
【0077】
なお、上記実施形態では、トロイダルレンズ2107aとトロイダルレンズ2107bが、Z軸方向に関して、それぞれ異なる位置に配置されている場合について説明したが、これに限定されるものではない。この場合に、定着装置2050からの距離に関して、トロイダルレンズ2107a>トロイダルレンズ2107bであれば良い。
【0078】
また、トロイダルレンズ2107cとトロイダルレンズ2107dが、Z軸方向に関して、それぞれ異なる位置に配置されている場合について説明したが、これに限定されるものではない。この場合に、定着装置2050からの距離に関して、トロイダルレンズ2107d>トロイダルレンズ2107cであれば良い。
【0079】
すなわち、4つのトロイダルレンズのZ軸方向の位置が同じ場合には、各ステーションにおいて、トロイダルレンズ及びそれに対応する光源が、定着装置2050からの距離に関して、それぞれ同じ順位となるように配置すれば良い。
【0080】
また、4つの光源における温度の順番と、対応するトロイダルレンズの4つのトロイダルレンズにおける温度の順番とが同じとなるように、各光源及び各トロイダルレンズを配置しても良い。
【0081】
また、上記実施形態では、カップリングレンズに回折面が形成されている場合について説明したが、これに限定されるものではない。要するに、光源と感光体ドラムの間の光路上に配置されているいずれかの光学素子に温度補償を担う回折面が形成されていれば良い。
【産業上の利用可能性】
【0082】
以上説明したように、本発明の画像形成装置によれば、高品質の画像を安定して形成するのに適している。
【符号の説明】
【0083】
2000…カラープリンタ(画像形成装置)、2030a〜2030d…感光体ドラム(像担持体)、2033a〜2033d…現像装置、2049…転写ローラ(転写装置)、2050…定着装置、2104…ポリゴンミラー(偏向器)、2200a〜2200d…光源、2105a〜2105d…fθレンズ(走査光学系の一部)、2106a〜2106d…折り返しミラー(走査光学系の一部)、2107a〜2107d…トロイダルレンズ(走査光学素子)、2201a〜2201d…カップリングレンズ(補償光学素子)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0084】
【特許文献1】特開2006−098737号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に係り、更に詳しくは、複数の光源を備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル複写機やレーザプリンタ等の画像形成装置では、一般的に、像担持体の表面を帯電し、その帯電面に対して光走査装置により光走査を行って静電潜像を形成している。そして、その静電潜像にトナーを付着させでトナー像とし、該トナー像を紙面上に転写したのち、熱によりトナーを溶融させて紙に定着させている。すなわち、帯電→露光→現像→転写→定着の過程を経て画像が出力される。
【0003】
ところで、近年、画像形成装置における画像出力の高速化が求められている。これに対処するには、帯電、露光、現像、転写、定着に関与する各ユニットでの処理速度の向上が必要となり、各ユニットから発生する熱量が従来に比べ大幅に上昇している。
【0004】
上記光走査装置は、光源や複数の光学素子を有しており、これらは、周囲温度(熱)によりその特性が変化しやすい。その結果、光走査の精度が劣化し、出力画像の品質低下を招く。
【0005】
そこで、温度上昇時の光学系の焦点位置のずれを相殺するような特殊面(例えば、回折面)を、光学素子に設ける方法が提案された(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、複数の像担持体と;複数の光源と;複数の偏向反射面を有する多面鏡を回転させて前記複数の光源からの各光束を偏向する偏向器と;前記偏向器で偏向された各光束を対応する像担持体に集光して潜像を形成する複数の走査光学素子を含む走査光学系と;前記潜像にトナーを付着させトナー画像を生成する現像装置と;前記トナー画像を媒体に転写する転写装置と;前記媒体に転写されたトナー画像を前記媒体に定着させる定着装置と;を備え、前記複数の光源は、前記定着装置からの距離がそれぞれ異なる位置に配置され、前記多面鏡は、前記複数の光源における前記定着装置から最も遠い位置にある光源から前記定着装置に最も近い位置にある光源に向かう方向と同じ方向に回転することを特徴とする画像形成装置である。
【0007】
これによれば、光学ハウジング内における温度のばらつきを従来よりも小さくすることができ、高品質の画像を安定して形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態に係るカラープリンタの概略構成を説明するための図である。
【図2】光走査装置の概略構成を説明するための図(その1)である。
【図3】光走査装置の概略構成を説明するための図(その2)である。
【図4】Kステーションの偏向器前光学系を説明するための図である。
【図5】Mステーションの偏向器前光学系を説明するための図である。
【図6】Yステーションの偏向器前光学系を説明するための図である。
【図7】Cステーションの偏向器前光学系を説明するための図である。
【図8】カップリングレンズに形成された回折面を説明するための図である。
【図9】ポリゴンミラーの回転方向を説明するための図である。
【図10】光走査装置の比較例を説明するための図である。
【図11】比較例における各光源及び各トロイダルレンズの温度を説明するための図である。
【図12】ポリゴンミラーの回転による各fθレンズの温度変化を説明するための図である。
【図13】ポリゴンミラーの回転による気流の効果を説明するための図である。
【図14】本実施形態における各光源及び各トロイダルレンズの温度を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態を図1〜図14に基づいて説明する。図1には、一実施形態に係るカラープリンタ2000の概略構成が示されている。
【0010】
このカラープリンタ2000は、4色(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)を重ね合わせてフルカラーの画像を形成するタンデム方式の多色カラープリンタであり、光走査装置2010、4つの感光体ドラム(2030a、2030b、2030c、2030d)、4つのドラムクリーニング装置(2031a、2031b、2031c、2031d)、4つの帯電装置(2032a、2032b、2032c、2032d)、4つの現像装置(2033a、2033b、2033c、2033d)、4つのトナーカートリッジ(2034a、2034b、2034c、2034d)、転写ベルト2040、転写ベルトクリーニング装置2085、光学センサ2048、転写ローラ2049、定着装置2050、給紙コロ2054、レジストローラ対2056、排紙ローラ2058、給紙トレイ2060、排紙トレイ2070、通信制御装置2080、及び上記各部を統括的に制御するプリンタ制御装置2090などを備えている。
【0011】
なお、本明細書では、XYZ3次元直交座標系において、各感光体ドラムの長手方向に沿った方向をY軸方向、4つの感光体ドラムの配列方向に沿った方向をX軸方向として説明する。
【0012】
通信制御装置2080は、ネットワークなどを介した上位装置(例えばパソコン)との双方向の通信を制御する。
【0013】
各感光体ドラムはいずれも、その表面に感光層が形成されている。すなわち、各感光体ドラムの表面がそれぞれ被走査面である。なお、各感光体ドラムは、不図示の回転機構により、図1における面内で矢印方向に回転するものとする。
【0014】
感光体ドラム2030a、帯電装置2032a、現像装置2033a、トナーカートリッジ2034a、及びドラムクリーニング装置2031aは、組として使用され、ブラックの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Kステーション」ともいう)を構成する。
【0015】
感光体ドラム2030b、帯電装置2032b、現像装置2033b、トナーカートリッジ2034b、及びドラムクリーニング装置2031bは、組として使用され、マゼンタの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Mステーション」ともいう)を構成する。
【0016】
感光体ドラム2030c、帯電装置2032c、現像装置2033c、トナーカートリッジ2034c、及びドラムクリーニング装置2031cは、組として使用され、イエローの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Yステーション」ともいう)を構成する。
【0017】
感光体ドラム2030d、帯電装置2032d、現像装置2033d、トナーカートリッジ2034d、及びドラムクリーニング装置2031dは、組として使用され、シアンの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Cステーション」ともいう)を構成する。
【0018】
各帯電装置は、対応する感光体ドラムの表面をそれぞれ均一に帯電させる。
【0019】
光走査装置2010は、上位装置からの多色の画像情報(ブラック画像情報、シアン画像情報、マゼンタ画像情報、イエロー画像情報)に基づいて、各色毎に変調された光束を、対応する帯電された感光体ドラムの表面にそれぞれ照射する。これにより、各感光体ドラムの表面では、光が照射された部分だけ電荷が消失し、画像情報に対応した潜像が各感光体ドラムの表面にそれぞれ形成される。ここで形成された潜像は、感光体ドラムの回転に伴って対応する現像装置の方向に移動する。なお、この光走査装置2010の構成については後述する。
【0020】
トナーカートリッジ2034aにはブラックトナーが格納されており、該トナーは現像装置2033aに供給される。トナーカートリッジ2034bにはマゼンタトナーが格納されており、該トナーは現像装置2033bに供給される。トナーカートリッジ2034cにはイエロートナーが格納されており、該トナーは現像装置2033cに供給される。トナーカートリッジ2034dにはシアントナーが格納されており、該トナーは現像装置2033dに供給される。
【0021】
各現像装置は現像ローラを有し、該現像ローラの回転に伴って、対応するトナーカートリッジからのトナーが、その表面に薄く均一に塗布される。そして、各現像ローラの表面のトナーは、対応する感光体ドラムの表面に接すると、該表面における光が照射された部分にだけ移行し、そこに付着する。すなわち、各現像装置は、対応する感光体ドラムの表面に形成された潜像にトナーを付着させて顕像化させる。ここでトナーが付着した像(以下、便宜上「トナー画像」という)は、感光体ドラムの回転に伴って転写ベルト2040の方向に移動する。
【0022】
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各トナー画像は、所定のタイミングで転写ベルト2040上に順次転写され、重ね合わされてカラー画像が形成される。
【0023】
給紙トレイ2060には記録紙が格納されている。この給紙トレイ2060の近傍には給紙コロ2054が配置されており、該給紙コロ2054は、記録紙を給紙トレイ2060から1枚づつ取り出し、レジストローラ対2056に搬送する。該レジストローラ対2056は、所定のタイミングで記録紙を転写ベルト2040と転写ローラ2049との間隙に向けて送り出す。これにより、転写ベルト2040上のカラー画像が記録紙に転写される。ここで転写された記録紙は、定着装置2050に送られる。
【0024】
定着装置2050では、熱と圧力とが記録紙に加えられ、これによってトナーが記録紙上に定着される。ここで定着された記録紙は、排紙ローラ2058を介して排紙トレイ2070に送られ、排紙トレイ2070上に順次スタックされる。なお、画像形成が行われているとき、カラープリンタ2000内では、この定着装置2050が最も温度が高くなる。ここでは、定着装置2050は、光走査装置2010の−X側で、かつ+Z側に配置されている。
【0025】
各ドラムクリーニング装置は、対応する感光体ドラムの表面に残ったトナー(残留トナー)を除去する。残留トナーが除去された感光体ドラムの表面は、再度対応する帯電装置に対向する位置に戻る。なお、ドラムクリーニング装置と帯電装置との間には、不図示の除電装置が設けられている。該除電装置は、感光体ドラムの表面を除電する。
【0026】
転写ベルトクリーニング装置2085は、記録紙へのカラー画像の転写後に転写ベルト2040上に残っているトナーを除去する。
【0027】
光学センサ2048は、転写ベルト2040上に形成された検出用パターン(トナーパターン)を読み取り、各感光体ドラムの表面に照射される光束の位置ずれ情報が含まれる信号を出力する(例えば、特開2008−276010号公報、特開2005−238584号公報参照)。
【0028】
次に、前記光走査装置2010の構成について説明する。
【0029】
光走査装置2010は、一例として図2〜図7に示されるように、4つの光源(2200a、2200b、2200c、2200d)、4つのカップリングレンズ(2201a、2201b、2201c、2201d)、4つの開口板(2202a、2202b、2202c、2202d)、4つのシリンドリカルレンズ(2204a、2204b、2204c、2204d)、ポリゴンミラー2104、4つのfθレンズ(2105a、2105b、2105c、2105d)、複数の折返しミラー(2106a、2106b、2106c、2106d)、4つのトロイダルレンズ(2107a、2107b、2107c、2107d)、及び不図示の走査制御装置などを備えている。そして、これらは、光学ハウジング2300(図4〜図7では図示省略)の所定位置に組み付けられている。
【0030】
なお、以下では、便宜上、主走査方向に対応する方向を「主走査対応方向」と略述し、副走査方向に対応する方向を「副走査対応方向」と略述する。
【0031】
また、便宜上、カップリングレンズ2201aの光軸に沿った方向を「wa方向」、光源2200aにおける主走査対応方向を「ma方向」とする。そして、カップリングレンズ2201bの光軸に沿った方向を「wb方向」、光源2200bにおける主走査対応方向を「mb方向」とする。また、カップリングレンズ2201cの光軸に沿った方向を「wc方向」、光源2200cにおける主走査対応方向を「mc方向」とする。さらに、カップリングレンズ2201dの光軸に沿った方向を「wd方向」、光源2200dにおける主走査対応方向を「md方向」とする。なお、各光源における副走査対応方向は、いずれもZ軸方向と同じ方向である。
【0032】
4つの光源は、定着装置2050からの距離がそれぞれ異なる位置に配置されている。ここでは、定着装置2050に最も近い位置に光源2200bが配置され、光源2200a、光源2200c、光源2200dの順に定着装置2050からの距離が大きくなっている。
【0033】
カップリングレンズ2201aは、光源2200aから射出された光束の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
【0034】
カップリングレンズ2201bは、光源2200bから射出された光束の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
【0035】
カップリングレンズ2201cは、光源2200cから射出された光束の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
【0036】
カップリングレンズ2201dは、光源2200dから射出された光束の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
【0037】
なお、各カップリングレンズにおける光源側のレンズ面(第1面)には、一例として図8に示されるように、温度補償を担う回折面が形成されている。そして、該回折面は、周囲の温度分布が均一のときに温度補償の機能が有効に作用するように設計されている。
【0038】
開口板2202aは、開口部を有し、カップリングレンズ2201aを介した光束を整形する。
【0039】
開口板2202bは、開口部を有し、カップリングレンズ2201bを介した光束を整形する。
【0040】
開口板2202cは、開口部を有し、カップリングレンズ2201cを介した光束を整形する。
【0041】
開口板2202dは、開口部を有し、カップリングレンズ2201dを介した光束を整形する。
【0042】
シリンドリカルレンズ2204aは、開口板2202aの開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
【0043】
シリンドリカルレンズ2204bは、開口板2202bの開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
【0044】
シリンドリカルレンズ2204cは、開口板2202cの開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
【0045】
シリンドリカルレンズ2204dは、開口板2202dの開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
【0046】
カップリングレンズ2201aと開口板2202aとシリンドリカルレンズ2204aとからなる光学系は、Kステーションの偏向器前光学系102Aである。
【0047】
カップリングレンズ2201bと開口板2202bとシリンドリカルレンズ2204bとからなる光学系は、Mステーションの偏向器前光学系102Bである。
【0048】
カップリングレンズ2201cと開口板2202cとシリンドリカルレンズ2204cとからなる光学系は、Yステーションの偏向器前光学系102Cである。
【0049】
カップリングレンズ2201dと開口板2202dとシリンドリカルレンズ2204dとからなる光学系は、Cステーションの偏向器前光学系102Dである。
【0050】
ポリゴンミラー2104は、2段構造の6面鏡を有し、各鏡がそれぞれ偏向反射面となる。そして、1段目(下段)の6面鏡ではシリンドリカルレンズ2204aからの光束及びシリンドリカルレンズ2204dからの光束がそれぞれ偏向され、2段目(上段)の6面鏡ではシリンドリカルレンズ2204bからの光束及びシリンドリカルレンズ2204cからの光束がそれぞれ偏向されるように配置されている。なお、1段目の6面鏡及び2段目の6面鏡は、互いに位相が45°ずれて回転し、書き込み走査は1段目と2段目とで交互に行われる。
【0051】
ポリゴンミラー2104は、一例として図9に示されるように、Z軸に平行な軸回りに、光源2200dから光源2200bに向かう方向と同じ方向に回転している。
【0052】
ここでは、シリンドリカルレンズ2204a及びシリンドリカルレンズ2204bからの光束はポリゴンミラー2104の−X側に偏向され、シリンドリカルレンズ2204c及びシリンドリカルレンズ2204dからの光束はポリゴンミラー2104の+X側に偏向される。
【0053】
各fθレンズはそれぞれ、ポリゴンミラー2104の回転に伴って、対応する感光体ドラム面上で光スポットが主走査方向に等速で移動するようなパワーを有する非円弧面形状を有している。
【0054】
fθレンズ2105a及びfθレンズ2105bは、ポリゴンミラー2104の−X側に配置され、fθレンズ2105c及びfθレンズ2105dは、ポリゴンミラー2104の+X側に配置されている。
【0055】
そして、fθレンズ2105aとfθレンズ2105bはZ軸方向に積層され、fθレンズ2105aは1段目の6面鏡に対向し、fθレンズ2105bは2段目の6面鏡に対向している。また、fθレンズ2105cとfθレンズ2105dはZ軸方向に積層され、fθレンズ2105cは2段目の6面鏡に対向し、fθレンズ2105dは1段目の6面鏡に対向している。
【0056】
そこで、ポリゴンミラー2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204aからの光束は、fθレンズ2105a、折返しミラー2106a、及びトロイダルレンズ2107aを介して、感光体ドラム2030aに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム2030aの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム2030a上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030aでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030aの回転方向が、感光体ドラム2030aでの「副走査方向」である。
【0057】
また、ポリゴンミラー2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204bからの光束は、fθレンズ2105b、3つの折り返しミラー2106b、及びトロイダルレンズ2107bを介して、感光体ドラム2030bに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム2030bの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム2030b上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030bでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030bの回転方向が、感光体ドラム2030bでの「副走査方向」である。
【0058】
また、ポリゴンミラー2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204cからの光束は、fθレンズ2105c、3つの折り返しミラー2106c、及びトロイダルレンズ2107cを介して、感光体ドラム2030cに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム2030cの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム2030c上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030cでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030cの回転方向が、感光体ドラム2030cでの「副走査方向」である。
【0059】
また、ポリゴンミラー2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204dからの光束は、fθレンズ2105d、折り返しミラー2106d、及びトロイダルレンズ2107dを介して、感光体ドラム2030dに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム2030dの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム2030d上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030dでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030dの回転方向が、感光体ドラム2030dでの「副走査方向」である。
【0060】
なお、各折り返しミラーは、ポリゴンミラー2104から各感光体ドラムに至る各光路長が互いに一致するとともに、各感光体ドラムにおける光束の入射位置及び入射角がいずれも互いに等しくなるように、それぞれ配置されている。
【0061】
また、各ステーションでは、シリンドリカルレンズとトロイダルレンズとにより、偏向点とそれに対応する感光体ドラム表面とを副走査方向に共役関係とする面倒れ補正光学系が構成されている。
【0062】
ポリゴンミラー2104と各感光体ドラムとの間の光路上に配置される光学系は、走査光学系とも呼ばれている。本実施形態では、fθレンズ2105aとトロイダルレンズ2107aと折り返しミラー2106aとからKステーションの走査光学系が構成されている。また、fθレンズ2105bとトロイダルレンズ2107bと3つの折り返しミラー2106bとからMステーションの走査光学系が構成されている。そして、fθレンズ2105cとトロイダルレンズ2107cと3つの折り返しミラー2106cとからYステーションの走査光学系が構成されている。さらに、fθレンズ2105dとトロイダルレンズ2107dと折り返しミラー2106dとからCステーションの走査光学系が構成されている。
【0063】
各トロイダルレンズは、定着装置2050からの距離がそれぞれ異なる位置に配置されている。ここでは、定着装置2050に最も近い位置にトロイダルレンズ2107bが配置され、トロイダルレンズ2107a、トロイダルレンズ2107c、トロイダルレンズ2107dの順に定着装置2050からの距離が大きくなっている。すなわち、4つの光源における定着装置2050からの距離の順番と、対応するトロイダルレンズの4つのトロイダルレンズにおける定着装置2050からの距離の順番とが同じである。
【0064】
そして、トロイダルレンズ2107aとトロイダルレンズ2107dは、Z軸方向に関して、同じ位置(高さ)のところに配置されている。また、トロイダルレンズ2107bとトロイダルレンズ2107cは、Z軸方向に関して、同じ位置(高さ)のところに配置されている。
【0065】
そして、トロイダルレンズ2107aとトロイダルレンズ2107bは、Z軸方向に関して、異なる位置(高さ)のところに配置されている。また、トロイダルレンズ2107cとトロイダルレンズ2107dは、Z軸方向に関して、異なる位置(高さ)のところに配置されている。
【0066】
比較例として、従来の光走査装置が図10に示されている。この光走査装置では、定着装置2050に最も近い位置に光源2200bが配置され、光源2200a、光源2200d、光源2200cの順に定着装置からの距離が大きくなっている。なお、各トロイダルレンズの配置については、本実施形態と同じである。そして、この光走査装置を備えたカラープリンタにおいて画像形成が行われているときの、各光源及び各トロイダルレンズの温度を測定した結果が図11に示されている。定着装置に最も近い位置に配置されている光源2200bの温度は11.7℃に達し、定着装置から最も離れた位置に配置されている光源2200cの温度は3.4℃であり、両者には8.3℃の差があった。また、トロイダルレンズに関しては、定着装置に最も近い位置に配置されているトロイダルレンズ2107bの温度は11.8℃、定着装置から最も離れた位置に配置されているトロイダルレンズ2107cの温度は4.2℃であり、両者に7.6℃の差がある。ステーション間の温度差は、各々の感光体ドラム上での走査位置のずれに繋がり、出力画像における色ずれを招くおそれがある。また、例えばYステーションにおいて、光源とトロイダルレンズの温度差は6.8℃となり、温度補償レンズを搭載した場合であっても、温度補償の機能が十分に発揮されない。
【0067】
本実施形態に係る光走査装置2010単体において、ポリゴンミラー2104のみを回転させたときの、fθレンズにおける温度分布が、図12に示されている。各fθレンズでは、ポリゴンミラー2104の回転方向に向かって、温度が高くなっている。これはポリゴンミラー2104が回転することにより光学ハウジング2300内で気流(回転気流)が発生し、下流側の熱が上流に送り込まれているためである(図13参照)。
【0068】
また、本実施形態では、定着装置2050からの距離に関して、光源2200b<光源2200a<光源2200c<光源2200dの関係があるため、画像形成が行われているとき、各光源の温度は、光源2200b>光源2200a>光源2200c>光源2200dの関係になることが予想される。しかしながら、ポリゴンミラー2104が、光源2200dから光源2200bに向かう方向と同じ方向に回転しているため、光源2200b及び光源2200aでは、回転気流によって熱が奪われて温度は低下し、光源2200c及び光源2200dでは、回転気流により暖められて温度は上昇する。これにより、光学ハウジング2300内の温度分布は均一に近づくこととなる。
【0069】
本実施形態に係るカラープリンタ2000において画像形成が行われているときの、各光源及び各トロイダルレンズの温度を測定した結果が図14に示されている。各光源間の温度差は、上記比較例に対して、8.3℃から5.0℃に減少した。この効果は高速印刷であればあるほど、ポリゴンミラーの回転速度が上昇し、気流による熱輸送の効果が大きくなるため、より有効である。
【0070】
また、本実施形態では、定着装置2050と各光源との位置関係と、定着装置2050と各トロイダルレンズとの位置関係を調整することにより、同一ステーションにおける、光源とトロイダルレンズの温度差を小さくしている。例えば、Yステーションにおいて、光源とトロイダルレンズの温度差は、上記比較例に対して、6.8℃から4.8℃に減少した。
【0071】
以上説明したように、本実施形態に係る画像形成装置2000によると、4つの感光体ドラム(2030a、2030b、2030c、2030d)と、4つの光源(2200a、2200b、2200c、2200d)と、4つの光源からの各光束を偏向するポリゴンミラー2104と、該ポリゴンミラー2104で偏向された各光束を対応する感光体ドラムに集光して潜像を形成する走査光学系と、前記潜像にトナーを付着させトナー画像を生成する4つの現像装置(2033a、2033b、2033c、2033d)と、トナー画像を記録紙に転写する転写ローラ2049と、記録紙に転写されたトナー画像を記録紙に定着させる定着装置2050とを備えている。
【0072】
そして、ポリゴンミラー2104は、Z軸に平行な軸回りに、4つの光源における定着装置2050から最も遠い位置にある光源2200dから定着装置2050に最も近い位置にある光源2200bに向かう方向と同じ方向に回転している。
【0073】
この場合には、光学ハウジング2300内における温度のばらつきを従来よりも小さくすることができる。その結果、高品質の画像を安定して形成することが可能となる。
【0074】
また、各走査光学系は、4つの光源に対応した4つのトロイダルレンズ(2107a、2107b、2107c、2107d)を含み、各トロイダルレンズは、定着装置2050からの距離がそれぞれ異なる位置に配置されている。
【0075】
そして、4つの光源における定着装置2050からの距離の順番と、対応するトロイダルレンズの4つのトロイダルレンズにおける定着装置2050からの距離の順番とが同じである。この場合には、各ステーションにおいて、光源とトロイダルレンズの温度差を従来よりも小さくすることができる。
【0076】
また、各ステーションにおいて、光源と感光体ドラムの間の光路上に、光源側のレンズ面に温度補償を担う回折面が形成されているカップリングレンズが設けられている。そして、カップリングレンズの回折面は、周囲の温度分布が均一のときに温度補償の機能が有効に作用するように設計されている。本実施形態では、光学ハウジング2300内における温度のばらつきが従来よりも小さいため、回折面の効果を十分に生かすことができる。
【0077】
なお、上記実施形態では、トロイダルレンズ2107aとトロイダルレンズ2107bが、Z軸方向に関して、それぞれ異なる位置に配置されている場合について説明したが、これに限定されるものではない。この場合に、定着装置2050からの距離に関して、トロイダルレンズ2107a>トロイダルレンズ2107bであれば良い。
【0078】
また、トロイダルレンズ2107cとトロイダルレンズ2107dが、Z軸方向に関して、それぞれ異なる位置に配置されている場合について説明したが、これに限定されるものではない。この場合に、定着装置2050からの距離に関して、トロイダルレンズ2107d>トロイダルレンズ2107cであれば良い。
【0079】
すなわち、4つのトロイダルレンズのZ軸方向の位置が同じ場合には、各ステーションにおいて、トロイダルレンズ及びそれに対応する光源が、定着装置2050からの距離に関して、それぞれ同じ順位となるように配置すれば良い。
【0080】
また、4つの光源における温度の順番と、対応するトロイダルレンズの4つのトロイダルレンズにおける温度の順番とが同じとなるように、各光源及び各トロイダルレンズを配置しても良い。
【0081】
また、上記実施形態では、カップリングレンズに回折面が形成されている場合について説明したが、これに限定されるものではない。要するに、光源と感光体ドラムの間の光路上に配置されているいずれかの光学素子に温度補償を担う回折面が形成されていれば良い。
【産業上の利用可能性】
【0082】
以上説明したように、本発明の画像形成装置によれば、高品質の画像を安定して形成するのに適している。
【符号の説明】
【0083】
2000…カラープリンタ(画像形成装置)、2030a〜2030d…感光体ドラム(像担持体)、2033a〜2033d…現像装置、2049…転写ローラ(転写装置)、2050…定着装置、2104…ポリゴンミラー(偏向器)、2200a〜2200d…光源、2105a〜2105d…fθレンズ(走査光学系の一部)、2106a〜2106d…折り返しミラー(走査光学系の一部)、2107a〜2107d…トロイダルレンズ(走査光学素子)、2201a〜2201d…カップリングレンズ(補償光学素子)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0084】
【特許文献1】特開2006−098737号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の像担持体と;
複数の光源と;
複数の偏向反射面を有する多面鏡を回転させて前記複数の光源からの各光束を偏向する偏向器と;
前記偏向器で偏向された各光束を対応する像担持体に集光して潜像を形成する複数の走査光学素子を含む走査光学系と;
前記潜像にトナーを付着させトナー画像を生成する現像装置と;
前記トナー画像を媒体に転写する転写装置と;
前記媒体に転写されたトナー画像を前記媒体に定着させる定着装置と;を備え、
前記複数の光源は、前記定着装置からの距離がそれぞれ異なる位置に配置され、
前記多面鏡は、前記複数の光源における前記定着装置から最も遠い位置にある光源から前記定着装置に最も近い位置にある光源に向かう方向と同じ方向に回転することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記複数の走査光学素子は、前記複数の光源に個別に対応し、前記定着装置からの距離がそれぞれ異なる位置に配置され、
前記複数の光源における前記定着装置からの距離の順番と、対応する走査光学素子の前記複数の走査光学素子における前記定着装置からの距離の順番とが同じであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記複数の走査光学素子は、前記多面鏡の回転軸に平行な方向に関して、それぞれ異なる位置に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記複数の走査光学素子は、前記多面鏡の回転軸に平行な方向に関して、それぞれ同じ位置に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記複数の光源と前記複数の像担持体との間の各光路上に、温度補償の機能を有する補償光学素子が更に設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記補償光学素子は、周囲の温度分布が均一のときに温度補償の機能が有効となることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項1】
複数の像担持体と;
複数の光源と;
複数の偏向反射面を有する多面鏡を回転させて前記複数の光源からの各光束を偏向する偏向器と;
前記偏向器で偏向された各光束を対応する像担持体に集光して潜像を形成する複数の走査光学素子を含む走査光学系と;
前記潜像にトナーを付着させトナー画像を生成する現像装置と;
前記トナー画像を媒体に転写する転写装置と;
前記媒体に転写されたトナー画像を前記媒体に定着させる定着装置と;を備え、
前記複数の光源は、前記定着装置からの距離がそれぞれ異なる位置に配置され、
前記多面鏡は、前記複数の光源における前記定着装置から最も遠い位置にある光源から前記定着装置に最も近い位置にある光源に向かう方向と同じ方向に回転することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記複数の走査光学素子は、前記複数の光源に個別に対応し、前記定着装置からの距離がそれぞれ異なる位置に配置され、
前記複数の光源における前記定着装置からの距離の順番と、対応する走査光学素子の前記複数の走査光学素子における前記定着装置からの距離の順番とが同じであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記複数の走査光学素子は、前記多面鏡の回転軸に平行な方向に関して、それぞれ異なる位置に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記複数の走査光学素子は、前記多面鏡の回転軸に平行な方向に関して、それぞれ同じ位置に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記複数の光源と前記複数の像担持体との間の各光路上に、温度補償の機能を有する補償光学素子が更に設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記補償光学素子は、周囲の温度分布が均一のときに温度補償の機能が有効となることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2010−197435(P2010−197435A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−38925(P2009−38925)
【出願日】平成21年2月23日(2009.2.23)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月23日(2009.2.23)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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