説明

画像形成装置

【課題】搬送路での用紙の撓みの検出と、重送の発生を超音波センサで行うことで、コスト削減を実現しつつ、用紙の適切な搬送の実現を図る。
【解決手段】画像形成装置は、給紙部と、画像形成部と、画像形成部よりも用紙搬送方向上流側に設けられるレジストローラ対と、給紙部からレジストローラ対まで用紙を搬送する回転体と、レジストローラ対よりも上流側に第1発信部と搬送される用紙を挟むように対向して配される第1受信部とを含む第1超音波センサと、第1受信部の出力電圧を処理し第1受信レベル信号を出力する第1信号処理部と、用紙搬送を制御し第1受信部の受信レベルを把握する制御部とを有し、制御部は、第1受信部の受信レベルに基づき、用紙の重送の発生を検出し、レジストローラ対に突き当てられた用紙の撓みによる傾斜角度を検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ、複合機、複写機、ファクシミリ装置等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置では、機内で搬送される用紙に対し画像形成がなされる。そして、用紙が正しく搬送されないとジャム(詰まり)等の原因となり、画像形成を適切に行えない。そこで、搬送される用紙の斜行を矯正するため、用紙を搬送ローラ対(例えば、レジストローラ対)で突き当てて、用紙をわざと撓ませることがある。用紙が撓むと、用紙自体の弾性(弾発力)で、用紙の上流側端部がレジストローラ対のニップに沿い、斜行が矯正される。斜行の矯正後、用紙の搬送が再開される。
【0003】
そして、搬送路での用紙の撓みを調整するシート搬送装置の一例が特許文献1に記載されている。特許文献1には、シートを挟持搬送する第1の回転体対と、下流側に配設されてシートを挟持搬送する第2の回転体対と、第1の回転体対と第2の回転体対との間に配設されて、シートの浮き上がり量に対応して位置が変位するセンサフラグと、センサフラグとの距離を検出する超音波センサと、第1の回転体対を駆動する第1の駆動手段と、第2の回転体対を駆動する第2の駆動手段と、第1の駆動手段と第2の駆動手段とを制御する制御手段と、を備え、超音波センサは、第1の回転体対で挟持搬送したシートの先端が停止状態の第2の回転体対に突き当てられて停止された状態でセンサフラグを検出し、制御手段は、超音波センサの検出結果が所定の閾値内に収まるように第1の回転体対の停止タイミングを調整するシート搬送装置などが記載される。これにより、突き当て量過多によるシートの折れや、突き当て量不足による斜行補正不良をなくそうとする(特許文献1:請求項1、請求項4、段落[0046]、[0047]等参照)。
【特許文献1】特開2006−312545
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように、画像形成装置では、レジストローラ対で、意図的に用紙を撓ませる場合がある。しかし、撓みすぎると用紙の折れ曲がりが生ずるし、撓みが少なければ斜行の矯正が十分に行われない。従って、用紙の搬送を的確に行う上で、用紙の撓みを管理することは必要である。尚、従来、画像形成装置では、レジストローラ対の回転を停止させ、用紙の後端側の搬送を行う回転体を回転させる時間を一定とすることにより、レジストローラ対での撓み量を一定することが一般的であるが、回転体の回転時間の制御では、回転体の摩耗等の経時変化に対応できず、用紙の撓みの管理上、十分でない場合がある。
【0005】
又、例えば、定着部には、用紙にトナー像を定着させるため、用紙を挟んで加熱、加圧しつつ用紙を搬送する回転体が設けられる。そして、定着部の搬送速度の方が、定着部までの用紙の搬送速度よりも遅ければ、用紙の撓みが生じ、Z折れ(Z字状の用紙の折れ)が生ずる。このようなZ折れも定着部や定着部下流でのジャムを引き起こす原因となる。従って、レジストローラ対の上流側以外では、一般的に、用紙は撓ませない方がよい。
【0006】
このように、搬送路での用紙の撓みを管理することは、用紙を適切に搬送する上で必要であるが、同様に用紙のジャムを引き起こす要因として、用紙の重送がある。重送では、湿気や静電気等により、給紙カセットなどから2枚以上の用紙が重なって供給され、機内を搬送される。用紙の重送が生ずると、搬送路や、搬送経路に沿って設けられる各種回転体に用紙が引っ掛かり、ジャムが生ずる。従って、用紙を適切に搬送するには用紙の撓みだけでなく、重送の発生も検出する必要があるという問題がある。
【0007】
ここで、特許文献1記載のシート搬送装置をみると、超音波センサとセンサフラグにより、用紙の撓みの程度を把握することはできるが(特許文献1:請求項1、[段落0029]等参照)、用紙の重送の検出はできない。従って、用紙の重送の発生に対応することができない。又、特許文献1には、重送検出用の構成に関する記載もない。
【0008】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、搬送路での用紙の撓みの検出と、重送の発生を超音波センサで行うことで、コスト削減を実現しつつ、用紙の適切な搬送の実現を図ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る画像形成装置は、用紙の供給を行う給紙部と、画像を用紙に形成する画像形成部と、前記画像形成部よりも用紙搬送方向上流側に設けられ、搬送されてきた用紙が突き当てられ、用紙を撓ませた後、回転駆動するレジストローラ対と、前記給紙部から前記レジストローラ対まで用紙を搬送する1又は複数の回転体と、前記レジストローラ対よりも用紙搬送方向上流側に設けられ、音波を発信する第1発信部と、搬送される用紙を挟むように対向して配され、受信した音波から受ける圧力により出力電圧が変化する第1受信部とを含む第1超音波センサと、前記第1受信部の出力電圧を処理して、前記第1受信部の受信レベルを示す第1受信レベル信号を出力する第1信号処理部と、画像形成装置での用紙搬送を制御するとともに、前記第1受信レベル信号を受け、前記第1受信部の受信レベルを把握する制御部とを有し、前記制御部は、前記第1受信部の受信レベルに基づき、用紙の重送の発生を検出するとともに、前記レジストローラ対に突き当てられた用紙の撓みによる傾斜角度を検出することとした。
【0010】
この構成によれば、第1発信部と第1受信部が用紙を挟むように配されるところ、用紙の重送が生ずれば、複数枚の用紙によって第1受信部の受信レベルが明らかに小さくなるので、超音波センサで重送の発生を検出できる。又、用紙搬送方向に対する用紙の傾斜角度が大きくなるほど、第1受信部の受信レベルが大きくなることが経験的に得られているところ、第1受信部の受信レベルにより用紙の撓みによる傾斜角度、即ち、用紙の撓みの程度を検出できる。従って、超音波センサに重送の検出機能と用紙の傾斜角度の検出機能を持たせることができる。又、重送の検出用のセンサと、傾斜角度検出用の2種のセンサを設ける必要が無く、必要なスペースや製造コストを削減することができる。
【0011】
又、請求項2に係る発明は、請求項1記載の発明において、前記制御部は、前記重送が検出されなければ、前記第1受信部の受信レベルが予め定められた受信レベルに到達するまで、前記回転体による用紙の搬送を続けさせることとした。
【0012】
この構成によれば、用紙をレジストローラ対で、斜行を矯正し、かつ、撓ませすぎによる折れが生じない範囲で、適切に用紙を撓ませることができる。
【0013】
又、請求項3に係る発明は、請求項2に記載の発明において、印刷を行う用紙の厚さを指示する入力を受け付ける入力部を有し、前記制御部は、指定された用紙厚が、薄い場合よりも厚い場合の方が、前記予め定められた受信レベルを小さくすることとした。
【0014】
この構成によれば、用紙の厚さによって、第1発信部から第1受信部に到達する音波の圧力が変わり得るところ、入力部への入力により、使用する用紙の厚さを指定することができるので、使用する用紙の厚さによらず、用紙をレジストローラ対で適切に撓ませることができる。
【0015】
又、請求項4に係る発明は、請求項1記載の発明において、前記制御部は、前記重送が検出されなければ、用紙の前記レジストローラ対に到着時点の前記第1受信部の受信レベルを基準として、前記回転体を回転させ続けた際の前記第1受信部の受信レベルとの比率を演算し、前記比率が所定値に達するまで、前記回転体に用紙の搬送を続けさせることとした。
【0016】
用紙の厚さを問わず、用紙搬送方向に対する用紙の傾斜角度が大きくなるほど、第1受信部の受信レベルが大きくなる傾向が現れる。そして、この構成によれば、レジストローラ対への用紙の到着時点の第1受信部の受信レベルと、用紙の搬送を続けて撓みを大きくしていった際の第1受信部の受信レベルとの比率を演算することで、厚さによらず、用紙の傾斜角度を把握することができ、用紙を適切に撓ませることができる。
【0017】
又、請求項5に係る発明は、請求項4の発明において、印刷を行う用紙の厚さを指示する入力を受け付ける入力部を有し、前記制御部は、指定された用紙厚が、薄い場合よりも厚い場合の方が、前記所定値を小さくすることとした。
【0018】
一般に、用紙が厚いほど、用紙のコシが強くなり、撓ませた際に元に戻ろうとする弾発力が強くなる。そのため、用紙の斜行を矯正する上で、厚い紙は、薄いほど撓ませる必要はない。そして、この構成によれば、印刷を行う用紙の厚さが、薄い場合よりも厚い場合の方が、所定値を小さくするので、厚い用紙ほど用紙の傾斜角度が小さくなり、用紙傾斜角度を最適な角度で留めることができ、厚い用紙を撓ませすぎることもない。従って、用紙を適切に撓ませることができる。
【0019】
又、請求項6に係る発明は、請求項1乃至5の発明において、前記画像形成部よりも用紙搬送方向下流側に、用紙の搬送を行いつつ前記画像形成部が形成し用紙に転写されたトナー像の定着を行う定着部と、前記定着部よりも用紙搬送方向上流側に設けられ、音波を発信する第2発信部と、搬送される用紙を挟むように対向して配され、受信した音波から受ける圧力により出力電圧が変化する第2受信部とを含む第2超音波センサと、前記第2受信部の出力電圧を処理して、前記第2受信部の受信レベルを示す第2受信レベル信号を出力する第2信号処理部と、前記制御部は、前記第2受信レベル信号を受け、前記第2受信部の受信レベルを把握するとともに、前記第2受信部の受信レベルにより前記定着部に進入する用紙の撓みの発生を検出し、撓みの発生が検出されれば、前記定着部に用紙搬送速度を上げさせることとした。
【0020】
この構成によれば、第2受信部の受信レベルより定着部に進入する用紙の撓みを検出することができる。そして、用紙の撓みが生じていることの検出結果をもとに、フィードバックをかけ、定着部の用紙搬送速度を上げることで、定着部に進入する用紙の撓みを解消することができる。従って、用紙のZ折れやジャムの発生を防ぐことができる。
【0021】
又、請求項7に係る発明は、請求項6記載の発明において、前記制御部は、用紙の前記定着部への到着時点の前記第2受信部の受信レベルを基準として、用紙の前記定着部への到着後の前記第2受信部の受信レベルとの比率を演算し、前記比率に応じ、撓みが発生しているか否かを判断することとした。
【0022】
用紙の厚さを問わず、用紙搬送方向に対する用紙の傾斜角度が大きくなるほど、第2受信部の受信レベルが大きくなる傾向が現れる。そして、この構成によれば、定着部への用紙の到着時点の第2受信部の受信レベルを基準として、用紙の搬送を続けて撓みを大きくしていった際の第2受信部の受信レベルとの比率を演算することで、厚さによらず、比率が大きいほど、用紙の撓みの程度が大きいと判断できる。従って、用紙厚によらず、定着部状上流での撓みを適切に解消することができる。
【発明の効果】
【0023】
上述したように、本発明によれば、搬送路での用紙の撓みの検出と、重送の発生の検出の2項目の検出を1つの超音波センサで行うことができる。従って、用紙の適切な搬送を保証しつつ、センサの設置数削減による製造コスト低減を実現させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】第1の実施形態に係る複合機の概略構成を示す模型的断面図である。
【図2】第1の実施形態に係る複合機の一例を示すブロック図である。
【図3】(a)は、第1の実施形態に係るレジストローラ対上流側の超音波センサの配置の一例を示し、(b)は、定着部上流側の超音波センサの配置の一例を示し、(c)は、信号処理部の一例を示す。
【図4】第1の実施形態に係るレジストローラ対での用紙の撓みと傾斜角度の一例を示す説明図である。
【図5】第1の実施形態に係る超音波センサでの用紙の傾斜に対する受信レベルの変化の一例を示す図であり、(a)は傾斜角度が0度、(b)は傾斜角度が10度、(c)は傾斜角度が20度、(d)は傾斜角度が30度、(e)は傾斜角度が40度の場合の受信レベルの一例を示す。
【図6】第1の実施形態に係る印刷時のレジストローラ対駆動までの用紙の搬送制御の一例を示すフローチャートである。
【図7】第1の実施形態に係る印刷時のレジストローラ対駆動以降の用紙の搬送制御の一例を示すフローチャートである。
【図8】第2の実施形態に係る印刷時のレジストローラ対駆動までの用紙の搬送制御の一例を示すフローチャートである。
【図9】第2の実施形態に係る印刷時のレジストローラ対駆動以降の用紙の搬送制御の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の第1の実施形態を図1〜7を参照しつつ説明する。但し、各実施の形態に記載されている構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定するものではなく単なる説明例にすぎない。
【0026】
(複合機100の概略構成)
まず、図1を用いて、本発明の第1の実施形態における電子写真方式でデジタル式の複合機100(画像形成装置に相当)の概略を説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る複合機100の概略構成を示す模型的断面図である。
【0027】
本実施形態にかかる複合機100は、図1に示すように最上部に原稿搬送装置2が備えられ、その下部の複合機100本体内に、画像読取部3、給紙部4、搬送路5、画像形成部6、定着部7などが設けられる。又、複合機100の正面前方には、複合機100に対し入力、設定を行うための操作パネル10が設けられる(図1において破線で図示)。
【0028】
まず、原稿搬送装置2は、画像の読み取りを行う原稿を画像読取部3の上面の送り読取用コンタクトガラス31(読み取り位置)にむけて、自動かつ連続的に原稿を搬送する。原稿搬送装置2の下方の画像読取部3の内部には、露光ランプ、ミラー、レンズ、イメージセンサ等の光学系部材が設けられる(不図示)。
【0029】
画像読取部3の上面のコンタクトガラスは、本実施形態では、二つに大別でき、図1において、左側に送り読取用コンタクトガラス31が、右側に載置読取用コンタクトガラス32が配される。そして、送り読取用コンタクトガラス31を通過する原稿や、載置読取用コンタクトガラス32に載置された原稿に対し、露光ランプが光を照射し、原稿の反射光をミラー、レンズでイメージセンサに導く。そして、イメージセンサは、各画素について光信号を電気信号に変換し、原稿の画像データが得られる。
【0030】
給紙部4は、複合機100の最下部に設けられ、レジストローラ対55や画像形成部6等に向け、例えば、コピー用紙、OHP用紙、ラベル用紙等の用紙Pの供給を行う。給紙部4は、カセット41、42、給紙ローラ43、44等で構成される。カセット41、42は、本実施形態では2段重ねて設けられ、それぞれ複数の各サイズ、各種の用紙Pを積載し収容する。そして、給紙ローラ43、44は、最上位の用紙Pと接し、複合機100に対して画像を形成する旨の入力がなされると、モータ(不図示)により所定の方向(図1では時計方向)に回転駆動し、1枚ずつ用紙Pを搬送路5に送り出す。
【0031】
搬送路5は、給紙部4から供給された用紙Pを、排出トレイ51まで搬送するための通路である。搬送路5には、装置内部で用紙Pの搬送を行うために、複数の搬送ローラ対52、53、54(回転体に相当、図1において、上流側から順に符号を付す)、レジストローラ対55、ガイド部材等が設けられ、又、搬送路5の経路上に画像形成部6や定着部7が設けられる。
【0032】
搬送ローラ対52、53、54は、搬送モータ56(図2参照)やギア(不図示)等からなる駆動機構が接続され、回転駆動し、用紙Pの搬送を行う。ガイド部材は、用紙Pの搬送方向を案内するため複数設けられる。尚、給紙部4からレジストローラ対55の直前で用紙Pを搬送する回転体は、搬送ローラ対53である。
【0033】
レジストローラ対55は、画像形成部6よりも用紙搬送方向上流側に設けられ、搬送されてきた用紙Pが突き当てられ、用紙Pを撓ませた後、回転駆動する。レジストローラ対55にも、搬送モータ56やギア等からなる駆動機構(不図示)が接続され、回転駆動することにより用紙Pの搬送を行うが、電磁クラッチ57等により、搬送の停止と実行(回転のON/OFF)が制御される。そして、レジストローラ対55は、画像形成部6で形成されたトナー像にタイミングをあわせて用紙Pを送り出す。又、ガイド部材の一種として、レジストローラ対55の用紙搬送方向上流側には用紙Pの撓みをガイドするための撓みガイド58が設けられる。又、レジストローラ対55に突き当てられることで撓む用紙Pの傾斜や重送を検出する超音波センサ8(第1超音波センサに相当)が設けられる。
【0034】
画像形成部6は、画像読取部3で得られた画像データやユーザ端末200から送信される画像データに基づきトナー像を形成し、用紙Pにトナー像の転写を行って画像を用紙Pに形成する。具体的に、画像形成部6は、感光体ドラム61と、感光体ドラム61の周囲に配設された帯電装置62、現像装置63、露光装置64、転写ローラ65、クリーニング装置66等を備える。
【0035】
感光体ドラム61は、画像形成部6の略中心に設けられ、同図中に示す矢印方向に回転可能に支持される。帯電装置62は、感光体ドラム61の上方に設けられ、感光体ドラム61の表面を所定電位に帯電させる。露光装置64は、例えば、レーザ走査ユニット等で構成され、画像データに基づき、光を感光体ドラム61表面に照射して、走査露光を行い、静電潜像を形成する。現像装置63は、感光体ドラム61の右方に設けられ、トナーを帯電させ、感光体ドラム61上の静電潜像にトナーを供給して現像する。
【0036】
そして、感光体ドラム61の下方に設けられる転写ローラ65は、感光体ドラム61に圧接しニップが形成され、印刷時等には、感光体ドラム61と転写ローラ65は回転し、用紙Pを搬送する。又、レジストローラ対55から送り出された用紙Pはニップに進入し通過の際、転写ローラ65に所定の電圧を印加することで、感光体ドラム61上に形成されたトナー像が、用紙Pに転写される。クリーニング装置66は、転写の終了後、次のトナー像形成のため、感光体ドラム61の表面に残留するトナーを清掃する。
【0037】
定着部7は、画像形成部6よりも用紙搬送方向下流側に、用紙Pの搬送を行いつつ画像形成部6が形成し用紙Pに転写されたトナー像の定着を行う。本実施形態における定着部7は、主として、発熱源が内蔵される加熱ローラ71と加圧ローラ72とで構成される。加圧ローラ72は、加熱ローラ71に圧接し、ニップが形成される。そして、定着時、加熱ローラ71と加圧ローラ72は回転し、ニップに進入した用紙Pを搬送する。トナー像が転写された用紙Pが、ニップ通過時に加熱・加圧されることで、トナーが溶融・加熱され、トナー像が用紙Pに定着する。尚、定着後の用紙Pは、排出トレイ51に排出され、1枚の画像形成処理が完了する。
【0038】
操作パネル10(入力部に相当)は、複合機100に対し、指示、設定のための入力を行う部分である。図1に示すように、操作パネル10は、設定用の各種キーが示される設定画面等を表示し、タッチパネル式の液晶表示部10aや、テンキー部10bや、コピーやスキャンを実行する際に押されるスタートキー10cなどを備える。本発明に関し、操作パネル10は、印刷を行う用紙Pの厚さを指示する使用者の入力(例えば、厚紙、普通紙、薄紙の3段階)を受け付け、入力内容を例えば後述の制御部1に送信する。
【0039】
(複合機100のハードウェア構成)
次に、図2に基づき、本発明の第1の実施形態に係る複合機100のハードウェア構成を用紙搬送に重点を置いて説明する。図2は、本発明の第1の実施形態に係る複合機100の一例を示すブロック図である。
【0040】
まず、図2に示すように、本体内に、複合機100全体の動作の制御のため、CPU11や電子部品(不図示)等で構成される制御部1を有する。制御部1は、CPU11は、中央演算処理装置として機能し、記憶部12に記憶され、又は入力されるプログラム、データに基づき、各種演算を行い、複合機100の各部を制御する。尚、CPU11は、機内での用紙搬送のための駆動力を供給する各種モータを制御するコントローラ14に対し、動作指示を行う。又、制御部1は、各超音波センサの各受信部の出力電圧を処理する信号処理部15からの受信レベル信号LV1(第1受信レベル信号)、信号処理部16からの受信レベル信号LV2(第2受信レベル信号)を受け、各受信部の受信レベルを把握して用紙Pの傾斜角度を認識する部分でもある。
【0041】
記憶部12は、例えば、RAM、HDD、フラッシュROM等のメモリで構成され、制御部1と接続される。RAMは、揮発性のメモリであり制御用プログラムや制御用データを一時的に展開する場合や、画像データを一時的に保存しておく場合などに用いられる。HDDは、大容量の不揮発性の記憶装置であって、制御用プログラムや、画像データの保存や、使用者による複合機100の設定情報を保存する場合などに使用される。フラッシュROMは、複合機100の制御用プログラムや制御用データ等を記憶する。そして、CPU11は、制御のため記憶部12からプログラムやデータを読み出して制御を行う。尚、記憶部12には、各超音波センサの各受信部の受信レベルに基づき、用紙Pの傾斜角度を得るためのデータが記憶される。
【0042】
そして、この制御部1は、複合機100を構成する原稿搬送装置2、画像読取部3、給紙部4、搬送路5、画像形成部6、定着部7、I/F部13等と通信可能に接続され、記憶部12に記憶されたプログラム等に基づき、各部の動作を制御する。
【0043】
又、I/F部13は、ユーザ端末200(例えば、パーソナルコンピュータ)と直接又はネットワークを介して接続するためのコネクタ、ソケットを備える。又、相手方のFAX装置300と通信するためのモデムなどを備える。これにより、複合機100は、ユーザ端末200から送信された画像データを受け取り、印刷を行うことができる(プリンタ機能)。又、画像読取部3で読み取られた画像データをユーザ端末200に送信することもできる(スキャナ機能)。又、相手方FAX装置300と画像データを送受信することもできる(FAX機能)。
【0044】
本実施形態のプリンタでは、レジストローラ対55の上流側に設けられる超音波センサ8と、定着部7と画像形成部6の間に設けられる超音波センサ9の2つの超音波センサが設けられる。これらの超音波センサ8、超音波センサ9の出力電圧は、それぞれ信号処理部15(第1信号処理部に相当)と信号処理部16(第2信号処理部に相当)に入力される。信号処理部15は、受信部82の出力電圧を処理して、受信部82の受信レベルを示す受信レベル信号LV1を出力する。信号処理部16は、受信部92の出力電圧を処理して、受信部92の受信レベルを示す受信レベル信号LV2を出力する。各受信レベル信号は、制御部1(CPU11)に入力される。尚、超音波センサ8と超音波センサ9には、同様のものが用いられる。
【0045】
又、制御部1は、用紙搬送や画像形成のための各種モータを制御するコントローラ14と接続される。そして、制御部1は、コントローラ14に対し、動作させるモータ等の指示を与え、コントローラ14は、制御部1の指示を受けて、各モータ等を制御する。尚、コントローラ14の機能を制御部1が行うならば、コントローラ14は不要であり、又、制御部1とコントローラ14を一体的に構成しても良い。
【0046】
例えば、複合機100内に設けられるモータとしては、搬送ローラ対52、53、54やレジストローラ対55を回転させるための搬送モータ56や、画像形成部6の感光体ドラム61など印刷時に回転する部材を回転させるメインモータ67や、定着部7の加熱ローラ71と加圧ローラ72を回転させる定着モータ73などがある。そして、コントローラ14は回転のON/OFF等、各モータの動作を制御する。
【0047】
ここで、本実施形態のレジストローラ対55は、搬送されてきた用紙Pを停止させ、撓ませて斜行を矯正した後、画像形成部6で形成されたトナー像にあわせて回転を始める。従って、他の搬送ローラ対52、53、54とは、異なるタイミングで回転させる必要がある。そこで、レジストローラ対55への駆動力伝達のON/OFFを制御するため電磁クラッチ57が設けられる。コントローラ14は、用紙Pが撓むまでは電磁クラッチ57をOFFし、レジストローラ対55を停止状態とする。一方、制御部1は、超音波センサ8によりレジストローラ対55で用紙Pがある程度撓んだことを検出し、トナー像の転写タイミングに合わせ、電磁クラッチ57をONさせレジストローラ対55を回転させる。
【0048】
(超音波センサの構成と信号処理部)
次に、図3に基づき、本発明の第1の実施形態に係る超音波センサの構成と超音波センサの受信部の出力電圧を処理する信号処理部を説明する。図3(a)は、本発明の第1の実施形態に係る超音波センサ8の配置の一例を示し、(b)は、超音波センサ9の配置の一例を示し、(c)は、信号処理部の一例を示す。
【0049】
まず、図3(a)に基づき説明を行う。図1を用いて説明したように、本実施形態の複合機100では、レジストローラ対55の上流側に超音波センサ8が設けられる。従って、図3(a)の左方に示す回転体は、レジストローラ対55である。
【0050】
そして、超音波センサ8は、超音波を発信する発信部81(第1発信部に相当)と、発信部81からの音波を受信する受信部82(第1受信部に相当)で構成される。例えば、超音波センサ8には、発信部81と受信部82にそれぞれ圧電体(例えば、圧電セラミック)が内蔵される。そして、発信部81では、超音波域の周波数で圧電体の電極間に電圧を加え、この電圧に対応した機械的な変形が圧電体で生じ、超音波が発信部81から放射される。そして、発信部81から放射された超音波の波動が、受信部82の圧電体に加わると、圧電体の電極間で波動に応じた電圧が取り出される。
【0051】
そして、図3(a)に示すように、発信部81と受信部82は、それぞれ検出面が用紙Pを挟むように対向して配される。尚、各図では、便宜上、理解容易のため、発信部81と受信部82は、用紙搬送方向に垂直な方向で用紙を挟むように取り付けられた例を図示するが、実際には、用紙搬送方向に垂直な方向ではなく、若干角度をつけて取り付けられる。そして、発信部81は用紙Pに向けて音波を発し、受信部82は、用紙Pを介して伝わる音波を受けて電圧を出力する。即ち、超音波センサ8は、レジストローラ対55よりも用紙搬送方向上流側に設けられ、音波を発信する発信部81と、搬送される用紙Pを挟むように対向して配され、受信した音波から受ける圧力により出力電圧が変化する受信部82とを含む。
【0052】
次に、図3(b)に基づき説明を行う。図1を用いて説明したように、本実施形態の複合機100では、定着部7の上流側に超音波センサ9が設けられる。従って、図3(b)の左方に示す回転体は、加熱ローラ71と加圧ローラ72である。
【0053】
そして、超音波センサ9も超音波センサ8と同様、発信部91と受信部92で構成される。又、超音波センサ8と同様に、発信部91と受信部92にそれぞれ圧電体(例えば、圧電セラミック)が内蔵される点も同様であり、動作原理は同様である。又、超音波センサ9の発信部91と受信部92は、超音波センサ8と同様に、それぞれ検出面が用紙Pを挟むように対向して配される。そして、発信部91は用紙Pに向けて音波を発し、受信部92は、用紙Pを介して伝わる音波を受けて電圧を出力する。即ち、超音波センサ9は、定着部7よりも用紙搬送方向上流側に設けられ、音波を発信する発信部91と、搬送される用紙Pを挟むように対向して配され、受信した音波から受ける圧力により出力電圧が変化する受信部92とを含む。
【0054】
次に、図3(c)に基づき、受信部82及び受信部92の出力電圧としての信号を処理し、CPU11に入力する各信号処理部の一例を説明する。尚、受信部82の出力電圧を処理する信号処理部15と、受信部92の出力電圧を処理する信号処理部16は、同様でよく、以下では、超音波センサ8と超音波センサ9についてまとめて説明し、信号処理部15と信号処理部16内の構成には同じ符号を付す。
【0055】
信号処理部15と信号処理部16には、例えば、増幅回路17やサンプルホールド回路18が設けられる。各受信部の出力電圧は、例えば、増幅回路17に入力され、振幅が増幅される。そして、増幅回路17には、サンプルホールド回路18が接続される。サンプルホールド回路18は、例えば、コンデンサを含む。そして、サンプルホールド回路18は、増幅回路17の出力信号を内蔵するコンデンサにチャージする。このように、サンプルホールド回路18は、増幅回路17の出力信号をDCに変換し、一定時間レベルを保持する。そして、サンプルホールド回路18の出力端子とCPU11のA/D変換ポート(A/D変換器を設けても良い)とが接続され、CPU11は、サンプルホールド回路18の出力を任意のタイミングで取り込む。言い換えると、受信部82の受信レベルを示す受信レベル信号LV1や、受信部92の受信レベルを示す受信レベル信号LV2がCPU11に入力される。このようにして、CPU11は、受信部82や受信部92の受信レベルを把握する。即ち、CPU11は、信号処理部15のサンプルホールド回路18の出力電圧を受信部82の受信レベルを示す受信レベル信号LV1として取り込む。又、CPU11は、信号処理部16のサンプルホールド回路18の出力電圧を受信部92の受信レベルを示す受信レベル信号LV2として取り込む。尚、サンプルホールド回路18は、任意のタイミングで発せられるCPU11からの信号により、サンプルホールド回路18内のコンデンサのディスチャージを行うことができる。
【0056】
(用紙Pの撓みによる傾斜角度と超音波センサの受信レベルの変化)
次に、図4及び図5に基づき、本発明の第1の実施形態に係る用紙Pの撓みによる傾斜角度と超音波センサの受信レベルの変化の一例を説明する。図4は、本発明の第1の実施形態に係るレジストローラ対55での用紙Pの撓みと傾斜の一例を示す説明図であり、図5は、本発明の第1の実施形態に係る超音波センサでの用紙Pの傾斜に対する受信レベルの変化の一例を示す図であり、(a)は傾斜角度が0度、(b)は傾斜角度が10度、(c)は傾斜角度が20度、(d)は傾斜角度が30度、(e)は傾斜角度が40度の場合の受信レベルの一例を示す。
【0057】
尚、レジストローラ対55の上流側に超音波センサ8、定着部7の上流側に超音波センサ9が設けられるが、超音波センサ8と超音波センサ9による用紙Pの傾斜の検出は同様であるので、本説明では、超音波センサ8での傾斜角度検出を例に挙げて説明する。
【0058】
まず、図4(a)に示すように、レジストローラ対55まで搬送されてきた用紙Pは、停止状態のレジストローラ対55に突き当てられる。そして、レジストローラ対55の上流側で用紙Pの搬送を行う搬送ローラ対53は、用紙Pの搬送を続ける。用紙Pは、レジストローラ対55のニップに進入しようとするが、レジストローラ対55は停止しているので、用紙Pが撓みはじめる。そうすると、撓みによって、用紙Pは搬送方向と垂直な方向に膨らみ、図4(b)、(c)で、θで示すように用紙Pの搬送方向に対する用紙Pの傾きが生ずる。
【0059】
そして、図4(b)に示す状態から、更に搬送ローラ対53が用紙Pの搬送を続けると、用紙Pの撓みが大きくなり、搬送方向に対する用紙Pの傾斜角度は大きくなる。そして、十分に用紙Pが撓むと、用紙Pの弾性(弾発力)によって、搬送方向下流側の用紙Pの端部は、レジストローラ対55のニップに沿う。これにより、搬送されてきた用紙Pの斜行が矯正される。
【0060】
次に、図5に基づき、用紙Pの傾斜に対する受信部82の受信レベルの変化の一例を示す。尚、図5の各図において、「1→」と符号が付された最上段の波形は、受信部82の出力電圧を増幅回路17で増幅した増幅後波形を示す。そして、逆Z字状の波形は、サンプルホールド回路18からの出力波形の一例である。又、逆Z字状の波形に重なる直線は、サンプルホールド回路18からの出力の電位の平均的レベルを示す。「2→」と符号が付された破線は、逆Z字状の波形、平均的レベルに対する基準で、電位で言うとほぼ0Vである。又、図5の各図は、普通紙に対し、発信部81が音波を発した際の波形である。
【0061】
そして、例えば、図5(b)(=傾斜角度10度)と図5(e)(=傾斜角度40度)を比べると、図5(e)の方が、受信部82の出力電圧における平均的レベルは明らかに大きくなる。言い換えると、用紙Pの傾斜角度が大きくなるほど、CPU11に入力される受信レベル信号LV1の電圧値が大きくなり、制御部1は、受信部82の受信レベルが大きくなっていることが把握できる。
【0062】
そして、図5(b)での平均的レベルと破線との差をΔb、図5(c)での平均的レベルと破線との差をΔc、図5(d)での平均的レベルと破線との差をΔd、図5(e)での平均的レベルと破線との差をΔeと、図5の各図で示している。各図での平均的レベルと破線との差を比較すると、Δb<Δc<Δd<Δeとなる。即ち、用紙Pの傾斜角度が大きくなるほど、受信部82の出力電圧における平均的レベル(受信レベル信号LV1の電圧値)が大きくなる。このことは、用紙Pの傾斜角度が大きくなるに従い(図5(b)→(e)に向かうに従い)、増幅後波形の振幅が大きくなっていることからも分かる。
【0063】
図4(c)を用いて、用紙Pの傾斜角度が大きくなるほど、各受信部での受信レベルが大きくなる理由の1つを説明する。まず、音波の空気中での減衰は、用紙を伝搬するよりも大きい。一方で、図4(c)に2点鎖線で示すように、各発信部からの音波には、用紙Pに当たった後、用紙を伝わり、その後更に、各受信部方向に放射される成分がある。そして、用紙Pの角度が大きくなると、撓み方向にもよるが、用紙Pは、各発信部又は各受信部に近づき、用紙Pを伝わった後、各受信部に到達する成分が多くなる。従って、用紙Pの傾斜角度が大きくなるほど、各受信部での受信レベルが大きくなると考えられる。
【0064】
尚、用紙Pの傾斜角度が0度である図5(a)では、平均的レベルと破線との差であるΔaは、Δcとほぼ同一である。これは、超音波センサ8の受信部82の検出面に対し、用紙Pが平行であるので、複数回にわたり受信部82と用紙Pとの間で音波の反射が生じ、受信部82の出力電圧が反射によって、反復して大きくなるためである(図5(a)の増幅後波形を参照)。
【0065】
従って、制御部1(CPU11)は、信号処理部15からの受信レベル信号LV1の大きさを把握して、受信部82の受信レベルを把握することにより、用紙Pの傾斜角度を検出できる。例えば、用紙Pを40度まで傾斜させるほど撓ませる場合、CPU11は、CPU11に入力される受信レベル信号LV1がΔe程度になったことを検出すれば、用紙Pの傾斜角度が40度になるほど撓んだことを検出できる。又、制御部1(CPU11)は、超音波センサ9でも同様に、信号処理部16からの受信レベル信号LV2の大きさを把握して、受信部92の受信レベルを把握することにより、定着部7の手前で用紙Pの撓みが発生していることを検出できる。
【0066】
尚、用紙Pの厚さによって、同じ角度でも、各受信部の受信レベルは異なる可能性がある。そこで、例えば、厚紙、普通紙、薄紙といったタイプごとに、傾斜角度に対する各受信部の受信レベルを把握する実験を予め実験を行っておく。そして、実験で得られたデータを元に、用紙厚に対する各受信部の受信レベル信号の大きさと傾斜角度の関係を示すデータテーブルを作成し、例えば、記憶部12に記憶しておく。これにより、用紙厚によらず、用紙Pの傾斜角度を制御部1は把握できる。
【0067】
(重送検出)
次に、図5(a)を利用して、本実施形態の超音波センサ8での重送検出の一例を説明する。もし、複数枚の用紙Pが重なって搬送される重送が生ずると、発信部81から受信部82に向けて超音波を発しても、複数枚の用紙Pによって、受信部82に到達する音波は極端に減少する。そうすると、図5(a)に2点鎖線で示すように、CPU11に入力される受信レベル信号LV1(受信レベル信号の電圧値)は、極端に小さくなる。具体的には、例えば、受信レベル信号LV1の大きさに対する閾値を設定しておき(例えば、記憶部12に記憶)、制御部1は、受信レベル信号LV1が閾値を下回った場合、重送発生と検出すればよい。
【0068】
これにより、超音波センサ8を利用して制御部1は、重送の発生を検出できる。尚、重送の発生は、超音波センサ8で検出できるので、制御部1は、超音波センサ9の受信レベルに基づいて重送の検出を行う必要はない(超音波センサ8と同様に、超音波センサ9の受信レベルに基づいて重送の検出を行うことはできる)。
【0069】
(用紙搬送制御)
次に、図6及び図7に基づき、本発明の第1の実施形態に係る印刷時の用紙Pの搬送制御の一例を説明する。図6は、本発明の第1の実施形態に係る印刷時のレジストローラ対55駆動までの用紙Pの搬送制御の一例を示すフローチャートである。図7は、本発明の第1の実施形態に係る印刷時のレジストローラ対55駆動以降の用紙Pの搬送制御の一例を示すフローチャートである。
【0070】
尚、図6と図7のフローは、連続的に実行されるが、長くなるので、図6と図7に便宜上分ける。又、以下の説明では、1枚の用紙Pに印刷を行う場合を説明する。連続印刷を行う場合は、図6、図7に示す一連の制御が並行して実行される。
【0071】
まず、図6でのスタートは、プリンタやコピーとしての印刷開始時点である。そして、制御部1は、印刷を行う用紙Pの用紙厚を確認する(ステップ♯1)。給紙部4に収容された用紙Pは、頻繁に入れ替えられることは少ないので、一度、給紙部4に収容された用紙Pの用紙厚の設定が行われれば、設定された用紙厚を例えば、記憶部12に記憶しておき、新たに用紙厚の設定が行われない限り、以前の印刷での用紙厚と同じと扱っても良い。又、印刷開始前の操作パネル10への入力や、ユーザ端末200から送信された印刷設定データで、印刷を行う用紙Pの用紙厚の設定がなされていれば、制御部1は、新たに設定された用紙厚の用紙Pに印刷を行うと確認する。
【0072】
次に、制御部1は、給紙部4に給紙を行わせ(ステップ♯2)、搬送ローラ対53等を回転させて、レジストローラ対55まで用紙Pを搬送させる(ステップ♯3)。あわせて、制御部1は、画像形成部6にトナー像を形成させる(ステップ♯4)。そして、制御部1は、レジストローラ対55上流側の超音波センサ8を動作させ、発信部81に音波の発信を行わせるとともに、受信部82の受信レベルを確認する(ステップ♯5)。
【0073】
そして、制御部1は、受信部82の受信レベルから重送がないことを確認する(ステップ♯6)。もし、重送が発生していれば、ジャムが発生する確率が高く、印刷のやり直しの可能性が高くなるので、操作パネル10の液晶表示部10a等に重送が発生している旨のエラー表示を行う(ステップ♯7)。そして、重送状態の用紙Pの搬送路5からの除去等のため、例えば、一旦処理を終了する(エンド)。
【0074】
一方、制御部1は、重送が発生していなければ(ステップ♯6のYes)、更に、例えば、記憶部12のデータテーブルを利用して、制御部1は、受信部82の受信レベルが、用紙Pの厚さごとに、予め定められたレベルに到達したか(受信レベル信号LV1の電圧値が予め定められた値に到達したか)を確認する(ステップ♯8)。用紙Pが厚くなるほど、受信部82に到達する音波の圧力は小さくなるところ、ステップ♯8によって、制御部1は、用紙厚に応じ、用紙Pが斜行を矯正できるほど撓んだことを検出できる。即ち、制御部1は、指定された用紙厚が、薄い場合よりも厚い場合の方が、予め定められた受信レベルを小さくする。
【0075】
もし、予め定められたレベルに到達していなければ(ステップ♯8のNo)、レジストローラ対55に突き当てて用紙Pを十分に撓ませるため、用紙Pの搬送を継続する(ステップ♯9)。即ち、制御部1は、重送が検出されなければ、受信部82の受信レベルが予め定められた受信レベルに到達するまで、回転体による用紙Pの搬送を続けさせる。その後、ステップ♯5に戻る。一方、予め定められたレベルに到達していれば(ステップ♯8のYes)、十分に用紙Pは撓んだので、用紙搬送を一旦停止させた後、トナー像の転写タイミングにあわせ、制御部1は、レジストローラ対55からの搬送を開始させる(ステップ♯10)。このように、制御部1は、超音波センサ8の受信部82の受信レベルに基づき、用紙Pの重送の発生を検出するとともに、レジストローラ対55に突き当てられた用紙Pの撓みによる傾斜角度を検出する
【0076】
次に、図7に基づき、レジストローラ対55の用紙搬送開始後(スタート)の搬送制御を説明する。レジストローラ対55の用紙搬送開始後、用紙Pへのトナー像転写と定着部7への搬送が行われ(ステップ♯11)、定着部7での加熱ローラ71、加圧ローラ72の回転が開始される(ステップ♯12)。尚、定着部7での各ローラの回転は、例えば、印刷開始と同時に開始されるなど、ステップ♯12に到るまでに開始されていても良い。
【0077】
そして、制御部1は、定着部7上流側の超音波センサ9を動作させ、発信部91に音波の発信を行わせ、受信部92の受信レベルを確認する(ステップ♯13)。そして、制御部1は、定着部7の上流で撓みが発生していないか確認する(ステップ♯14)。
【0078】
もし、撓みが発生していれば(ステップ♯14のNo)、受信部92の受信レベルは大きくなり(例えば、受信レベル信号LV2の電圧値が定着部7への用紙到達時よりも大きくなる)、定着部7の搬送速度(加熱ローラ71と加圧ローラ72の周速度)が、画像形成部6の搬送速度(感光体ドラム61や転写ローラ65の周速度)よりも遅いことになる。従って、制御部1は、定着モータ73の回転速度を上げ、定着部7の搬送速度を上げさせる(ステップ♯15)。即ち、制御部1は、受信部92の受信レベルにより定着部7に進入する用紙Pの撓みの発生を検出し、撓みの発生が検出されれば、定着部7に用紙搬送速度を上げさせる。そして、例えば、ステップ♯13に戻る。これにより、撓みの発生の検出結果がフィードバックされ、撓みが解消されるまで、段階的に定着部7の搬送速度が上げられる。
【0079】
そして、撓みが無くなれば(ステップ♯14のYes)、定着部7の搬送速度を変えることなく、定着部7での搬送が続けられ、用紙Pは定着部7を通過し、最終的に排出トレイ51に排出される(ステップ♯16→エンド)。
【0080】
このようにして、本実施形態の複合機100によれば、発信部81(第1発信部)と受信部82(第1受信部)が用紙Pを挟むように配されるところ、用紙Pの重送が生ずれば、複数枚の用紙Pによって受信部82の受信レベルが明らかに小さくなるので、超音波センサ8(第1超音波センサ)で重送の発生を検出できる。又、用紙搬送方向に対する用紙Pの傾斜角度が大きくなるほど、受信部82の受信レベルが大きくなることが経験的に得られているところ、受信部82の受信レベルにより用紙Pの撓みによる傾斜角度、即ち、用紙Pの撓みの程度を検出できる。従って、超音波センサ8に重送の検出機能と用紙Pの傾斜角度の検出機能を持たせることができる。又、重送の検出用のセンサと、傾斜角度検出用の2種のセンサを設ける必要が無く、必要なスペースや製造コストを削減することができる。
【0081】
又、用紙Pをレジストローラ対55で、斜行を矯正し、かつ、撓ませすぎによる折れが生じない範囲で、適切に用紙Pを撓ませることができる。又、この構成によれば、用紙Pの厚さによって、発信部81から受信部82に到達する音波の圧力が変わり得るところ、入力部(操作パネル10)への入力により、使用する用紙Pの厚さを指定することができるので、使用する用紙Pの厚さによらず、用紙Pをレジストローラ対55で適切に撓ませることができる。又、受信部92(第2受信部)の受信レベルより定着部7に進入する用紙Pの撓みを検出することができる。そして、用紙Pの撓みが生じていることの検出結果をもとに、フィードバックをかけ、定着部7の用紙搬送速度を上げることで、定着部7に進入する用紙Pの撓みを解消することができる。従って、用紙PのZ折れやジャムの発生を防ぐことができる。
【0082】
(第2の実施形態)
次に、図8及び図9に基づき、本発明の第2の実施形態を説明する。図8は、本発明の第2の実施形態に係る印刷時のレジストローラ対55駆動までの用紙Pの搬送制御の一例を示すフローチャートである。図9は、本発明の第2の実施形態に係る印刷時のレジストローラ対55駆動以降の用紙Pの搬送制御の一例を示すフローチャートである。
【0083】
尚、図8と図9のフローは、連続して実行されるが、長くなるので、第2の実施形態の説明でも、図8と図9に便宜上分ける。又、以下の説明では、第1の実施形態と同様、1枚の用紙Pに印刷を行う場合を説明する。
【0084】
まず、第1の実施形態では、超音波センサ8又は超音波センサ9の各受信部の受信レベルの大きさに基づき、用紙Pの傾斜角度を検出していた。しかし、各受信部の受信レベルと傾斜角度との関係は、用紙厚によって変化し、第1の実施形態では、操作パネル10やユーザ端末200からの用紙厚の設定を確認し、データテーブルを利用するなどして、設定された用紙厚に応じて各受信部の受信レベルに基づき、用紙Pの傾斜角度を求めた。
【0085】
一方、用紙Pの厚さを問わず、用紙Pの傾斜角度が大きくなるほど、各受信部の出力電圧は大きくなることに着目して、本実施形態では、用紙厚の設定が無くても、各受信部の受信レベルの比率を求め、用紙Pの傾斜角度を検出する。即ち、各受信部の受信レベルの大きさではなく、比率で用紙Pの傾斜角度を求める点で、第1の実施形態は異なる。
【0086】
尚、複合機100の構成など、他の点については、第1の実施形態と第2の実施形態は同様で、共通する部分は、特に言及する場合を除き、説明、図示を省略する。又、共通する部材については、共通する符号を用いる。
【0087】
そこで、図8と図9を利用して、本実施形態での用紙Pの搬送制御を説明する。まず、図8でのスタートは、印刷開始時点である。そして、制御部1は、印刷を行う用紙Pの用紙厚を確認する(ステップ♯21、図6のステップ♯1参照)。尚、用紙厚の確認は、第1の実施形態と同様、印刷開始前の操作パネル10への入力や、ユーザ端末200から送信された印刷を行う用紙Pの用紙厚に関する印刷設定データを参照して確認すればよい。
【0088】
次に、ステップ♯22〜♯25は、第1の実施形態のステップ♯2〜♯5と同様であるので説明を省略する。そして、制御部1は、例えば、レジストローラ対55に用紙Pが到達した時点(例えば、搬送方向に対する用紙Pの傾斜が0度)の受信部82の受信レベル(受信レベル信号LV1の電圧値)を、比率演算の際の第1基準値として取得する(ステップ♯26)。尚、ステップ♯26は、フローのループによる2回目以降、スキップされる。
【0089】
その後、制御部1は、受信部82の受信レベルから重送がないことを確認する(ステップ♯27)。もし、重送が発生していれば(ステップ♯27のNo)、エラー表示を行う(ステップ♯28→エンド)。尚、ステップ♯27〜♯28は、第1の実施形態のステップ♯6〜7と同様なので、詳細な説明を省略する。
【0090】
一方、制御部1は、重送が発生していなければ(ステップ♯27のYes)、更に、制御部1は、受信部82の受信レベル(受信レベル信号LV1の電圧値)を上述の第1基準値で除す演算で得られた比率が、所定値に到達したかを確認する(ステップ♯29)。尚、用紙Pの傾斜角度が大きくなるにつれて、受信部82の受信レベルは大きくなるので、所定値は、1以上の値に設定される。又、比率の演算は、例えば、CPU11が行えばよい。即ち、制御部1は、重送が検出されなければ、受信部82の受信レベルの大きさでなく、用紙Pのレジストローラ対55に到着時点の受信部82の受信レベルを基準として、搬送ローラ対53を回転させ続けた際の受信部82の受信レベルとの比率を演算し、比率が所定値に達するまで、回転体に用紙Pの搬送を続けさせる。
【0091】
もし、所定値に到達していなければ(ステップ♯29のNo)、用紙Pの搬送を継続する(ステップ♯30)。その後、ステップ♯26に戻る。一方、所定値に到達していれば(ステップ♯8のYes)、十分に用紙Pは撓んだので、用紙搬送を一旦停止させた後、トナー像の転写タイミングにあわせ、制御部1は、レジストローラ対55からの搬送を開始させる(ステップ♯31)。
【0092】
ここで、薄い紙と厚い紙では、紙のコシが異なる。例えば、はがきや製本用表紙のような厚い紙と、普通紙(OA用紙)を同程度撓ませたとしても、厚い紙の方が元に戻ろうとする(撓みのない状態に戻ろうとする)力が強い。即ち、薄い紙と厚い紙では、撓みの量に対しての弾発力が異なる。又、厚い紙は撓ませすぎると折れ曲がる。そのため、斜行を矯正する上で、厚い紙の方が、薄い紙よりも傾斜角度は少なくてよく、用紙厚に応じて最適な用紙の傾斜角度は異なる。
【0093】
そこで、比率に関し、予め定められた値としての所定値は、印刷を行う用紙の厚さに応じて変化させてもよい。具体的には、厚い紙の方が、薄い紙よりも、所定値の値を小さくすればよい。即ち、操作パネル10等は、印刷を行う用紙の厚さを指示する入力を受け付け、制御部1は、指定された用紙厚が、薄い場合よりも厚い場合の方が、所定値を小さくする。これにより、用紙厚を問わず、用紙をレジストローラ対55で適切に撓ませ斜行を矯正することができる。
【0094】
次に、図9に基づき、第2の実施形態でのレジストローラ対55の用紙搬送開始後(スタート)の搬送制御を説明する。尚、ステップ♯32〜♯34は、第1の実施形態でのステップ♯11〜♯13と同様であるので、説明を省略する。そして、制御部1は、例えば、定着部7に用紙Pが到達した時点(例えば、搬送方向に対する用紙Pの傾斜が0度)の受信部92の受信レベル(受信レベル信号LV2の電圧値)を、比率の演算する際の第2基準値として取得する(ステップ♯35)。尚、ステップ♯35は、フローのループによる2回目以降、スキップされる。
【0095】
そして、制御部1は、定着部7の上流で撓みが発生していないか確認する(ステップ♯36)。具体的に、制御部1は、受信部92の受信レベル(受信レベル信号LV2の電圧値)を第2基準値で除す演算でで得られた比率が、1よりも大きいかを確認する。即ち、制御部1は、用紙Pの定着部7への到着時点の受信部92の受信レベルを基準として、用紙Pの定着部7への到着後の受信部92の受信レベルとの比率を演算し、比率に応じ、撓みが発生しているか否かを判断する。尚、用紙Pの傾斜角度が大きくなるにつれて、受信部82の出力電圧は大きくなるので、比率が、1よりも大きければ、撓みが発生していると判断できる。又、比率の演算は、例えば、CPU11が行えばよい。尚、ステップ♯37〜♯38は、第1の実施形態でのステップ♯15〜♯16と同様なので、説明を省略する。
【0096】
このようにして、第2の実施形態に示す構成によれば、用紙Pの厚さを問わず、用紙搬送方向に対する用紙Pの傾斜角度が大きくなるほど、受信部82(第1受信部)の受信レベルが大きくなる傾向が現れる。そして、レジストローラ対55への用紙Pの到着時点の受信部82の受信レベルと、用紙Pの搬送を続けて撓みを大きくしていった際の受信部82の受信レベルとの比率を演算することで、厚さによらず、用紙Pの傾斜角度を把握することができ、用紙Pを適切に撓ませることができる。
【0097】
又、定着部7への用紙Pの到着時点の受信部92(第2受信部)の受信レベルを基準として、用紙Pの搬送を続けて撓みを大きくしていった際の第2受信部の受信レベルとの比率を演算することで、厚さによらず、比率が大きいほど、用紙Pの撓みの程度が大きいと判断できる。従って、用紙厚によらず、定着部7状上流での撓みを適切に解消することができる。
【0098】
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0099】
本発明は、用紙搬送を行う画像形成装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0100】
1 制御部 4 給紙部
52〜54 搬送ローラ対(回転体) 55 レジストローラ対
6 画像形成部 7 定着部
8 超音波センサ(第1超音波センサ) 81 発信部(第1発信部)
82 受信部(第1受信部) 9 超音波センサ(第2超音波センサ)
91 発信部(第2発信部) 92 受信部(第2受信部)
10 操作パネル(入力部) 15 信号処理部(第1信号処理部)
16 信号処理部(第2信号処理部) 100 複合機(画像形成装置)
P 用紙
LV1 受信レベル信号(第1受信レベル信号)
LV2 受信レベル信号(第2受信レベル信号)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙の供給を行う給紙部と、
画像を用紙に形成する画像形成部と、
前記画像形成部よりも用紙搬送方向上流側に設けられ、搬送されてきた用紙が突き当てられ、用紙を撓ませた後、回転駆動するレジストローラ対と、
前記給紙部から前記レジストローラ対まで用紙を搬送する1又は複数の回転体と、
前記レジストローラ対よりも用紙搬送方向上流側に設けられ、音波を発信する第1発信部と、搬送される用紙を挟むように対向して配され、受信した音波から受ける圧力により出力電圧が変化する第1受信部とを含む第1超音波センサと、
前記第1受信部の出力電圧を処理して、前記第1受信部の受信レベルを示す第1受信レベル信号を出力する第1信号処理部と、
画像形成装置での用紙搬送を制御するとともに、前記第1受信レベル信号を受け、前記第1受信部の受信レベルを把握する制御部とを有し、
前記制御部は、前記第1受信部の受信レベルに基づき、用紙の重送の発生を検出するとともに、前記レジストローラ対に突き当てられた用紙の撓みによる傾斜角度を検出することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記重送が検出されなければ、前記第1受信部の受信レベルが予め定められた受信レベルに到達するまで、前記回転体による用紙の搬送を続けさせることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
印刷を行う用紙の厚さを指示する入力を受け付ける入力部を有し、
前記制御部は、指定された用紙厚が、薄い場合よりも厚い場合の方が、前記予め定められた受信レベルを小さくすることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記重送が検出されなければ、用紙の前記レジストローラ対に到着時点の前記第1受信部の受信レベルを基準として、前記回転体を回転させ続けた際の前記第1受信部の受信レベルとの比率を演算し、前記比率が所定値に達するまで、前記回転体に用紙の搬送を続けさせることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項5】
印刷を行う用紙の厚さを指示する入力を受け付ける入力部を有し、
前記制御部は、指定された用紙厚が、薄い場合よりも厚い場合の方が、前記所定値を小さくすることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記画像形成部よりも用紙搬送方向下流側に、用紙の搬送を行いつつ前記画像形成部が形成し用紙に転写されたトナー像の定着を行う定着部と、
前記定着部よりも用紙搬送方向上流側に設けられ、音波を発信する第2発信部と、搬送される用紙を挟むように対向して配され、受信した音波から受ける圧力により出力電圧が変化する第2受信部とを含む第2超音波センサと、
前記第2受信部の出力電圧を処理して、前記第2受信部の受信レベルを示す第2受信レベル信号を出力する第2信号処理部と、
前記制御部は、前記第2受信レベル信号を受け、前記第2受信部の受信レベルを把握するとともに、前記第2受信部の受信レベルにより前記定着部に進入する用紙の撓みの発生を検出し、撓みの発生が検出されれば、前記定着部に用紙搬送速度を上げさせることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御部は、用紙の前記定着部への到着時点の前記第2受信部の受信レベルを基準として、用紙の前記定着部への到着後の前記第2受信部の受信レベルとの比率を演算し、前記比率に応じ、撓みが発生しているか否かを判断することを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−269893(P2010−269893A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−123080(P2009−123080)
【出願日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】