説明

画像形成装置

【課題】連続プリント時のスループットを下げることなくミスプリント発生時にも最大スループットを向上させると共に信頼性の高い画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成部から排紙装置へ記録媒体を排紙するための第1の搬送路と、記録媒体の搬送方向を反転させて前記排紙装置へ排紙するための第2の搬送路と、前記画像形成部の紙搬送速度を設定する画像形成速度設定部と、第2の搬送路における前記記録媒体を反転させる際の反転搬送速度を設定する搬送速度設定部と、連続プリント中に前記画像形成前の先行紙と後続紙の紙間を測定する紙間測定手段とを有し、前記紙間測定手段が検出した紙間と、前記第2の搬送路で搬送方向を反転するために必要な紙間とを比較して、前記紙間測定手段が検出した紙間の方が短いと判断した場合に、前記画像形成速度設定部の画像形成速度を、先行紙の第1の画像形成速度よりも遅い第2の画像形成速度にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、記録媒体に画像を形成する画像形成装置として、電子写真方式等を用いた画像形成装置が知られている。
【0003】
そして、特に小型の複写機においては、記録媒体(記録紙)に複数枚の原稿画像を連続的に複写した場合、片面に画像が形成された記録媒体は、画像形成装置の側部に設けられた積載トレイに画像形成面を上向き(フェイスアップ)にして、排紙される形式が一般的であった。
【0004】
フェイスアップにて排紙する形式の複写機は、記録媒体に形成されている画像を容易に認識できるという点で利点があり、また画像形成装置の上部に排紙部を設けないために画像形成装置の上部に原稿画像を読み取る画像読取装置を設けても装置の全高を低く抑えられるという利点もある。
【0005】
しかしながら、常にフェイスアップにて記録媒体を排紙すると複数ページの出力順に画像を形成してページ順がそろった状態で複数ページの記録媒体を排紙することができないという問題がある。
【0006】
そこで、画像形成装置の側部に設けられた積載トレイに用紙の画像形成面を上向き(フェイスアップ)でも、下向き(フェイスダウン)でも任意に排紙できるように反転機構を設けた複写機が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平09−221254号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来例では、近年プリンタに求められている紙搬送速度の高速化、スループットの向上にともない。フェイスダウン排紙のための反転動作にかかる時間が制約されるようになってきている。つまり、紙搬送速度が高速化によってローラなどを駆動するモータの回転速度がアップする。そのため、反転動作のためにモータの駆動方向を切り替えるためにより時間が必要となる、また、スループットを向上させるためには先行紙と後続紙の紙間がより短くなる傾向にある、そのため、紙間の時間はより短くなる傾向がある。
【0008】
一方、記録媒体となる紙(シート)を複数枚収納する給紙カセットから給紙する給紙構成は、給紙時の紙の挙動によって給紙時間にばらつきが生じている。そのため、連続プリント時に先行紙と後続紙の紙間が、広くなったり、狭くなったりしている。
【0009】
連続プリント中には、画像形成に必要な先行紙と後続紙の必要最低紙間というものがあり、画像形成前のセンサでこの条件を満たすかどうかを検出している。この条件を満たさない場合、後続紙に対する画像形成は行わずにミスプリントが発生したと判断して白紙のまま積載トレイに排出している。
【0010】
しかし、前述したように、先行紙と後続紙の紙間が短いまま、フェイスダウン排紙を行うと、先行紙の反転動作中に、先行紙の紙後端と、後続紙の紙先端が衝突してしまいどちらの紙も正常に機外(積載トレイ)に排出できなくなる可能性があった。
【0011】
そのため、先行紙と後続紙の紙間が短いミスプリントが発生した場合は、先行紙の紙後端と、後続紙の紙先端が衝突しないように連続プリント時の紙間を広げておく、もしくは紙搬送速度を下げるなどしてスループットのパフォーマンスを多少下げておく必要があった。
【0012】
本出願にかかる発明は、上記従来技術に鑑みてなされたもので、連続プリント時のスループットを下げることなくミスプリント発生時にもフェイスダウン排紙のための反転動作中に、先行紙と後続紙の衝突による紙詰まりを回避することで、最大スループットを向上させると共に信頼性の高い画像形成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するため、
(1)本発明における画像形成装置は、記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部から排紙装置へ記録媒体を排紙するための第1の搬送路と、
前記画像形成部から前記排紙装置へ記録媒体を排紙するための前記第1の搬送路より長い第2の搬送路であって、前記記録媒体の搬送方向を反転させて前記排紙装置へ排紙するための第2の搬送路と、
前記記録媒体を前記第1の搬送路または前記第2の搬送路のいずれへ搬送させるかを切替える搬送路切替え部と、
前記画像形成部の紙搬送速度を設定する画像形成速度設定部と、
前記第2の搬送路における前記記録媒体を反転させる際の反転搬送速度を設定する搬送速度設定部と、
連続プリント中に前記画像形成前の先行紙と後続紙の紙間を測定する紙間測定手段とを有し、
前記紙間測定手段が検出した紙間と、前記第2の搬送路で搬送方向を反転するために必要な紙間とを比較して、前記紙間測定手段が検出した紙間の方が短いと判断した場合に、前記画像形成速度設定部が後続紙の画像形成速度を、先行紙の第1の画像形成速度よりも遅い第2の画像形成速度にするようにした。
【0014】
又、上記課題を解決するため、
(2)本発明における画像形成装置は、記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部から排紙装置へ記録媒体を排紙するための第1の搬送路と、
前記画像形成部から前記排紙装置へ記録媒体を排紙するための前記第1の搬送路より長い第2の搬送路であって、前記記録媒体の搬送方向を反転させて前記排紙装置へ排紙するための第2の搬送路と、
前記記録媒体を前記第1の搬送路または前記第2の搬送路のいずれへ搬送させるかを切替える搬送路切替え部と、
前記画像形成部の紙搬送速度を設定する画像形成速度設定部と、
前記第2の搬送路における前記記録媒体を反転させる際の反転搬送速度を設定する搬送速度設定部と、
連続プリント中に前記画像形成前の先行紙と後続紙の紙間を測定する紙間測定手段とを有し、
前記紙間測定手段が検出した紙間と、前記第2の搬送路で搬送方向を反転するために必要な紙間とを比較して、前記紙間測定手段が検出した紙間の方が短いと判断した場合に、前記搬送路切替え部が後続紙を前記第1の搬送路を介して前記排紙装置へ前記記録媒体を搬送するようにした。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、
(1)本発明における画像形成装置は、記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部から排紙装置へ記録媒体を排紙するための第1の搬送路と、
前記画像形成部から前記排紙装置へ記録媒体を排紙するための前記第1の搬送路より長い第2の搬送路であって、前記記録媒体の搬送方向を反転させて前記排紙装置へ排紙するための第2の搬送路と、
前記記録媒体を前記第1の搬送路または前記第2の搬送路のいずれへ搬送させるかを切替える搬送路切替え部と、
前記画像形成部の紙搬送速度を設定する画像形成速度設定部と、
前記第2の搬送路における前記記録媒体を反転させる際の反転搬送速度を設定する搬送速度設定部と、
連続プリント中に前記画像形成前の先行紙と後続紙の紙間を測定する紙間測定手段とを有し、
前記紙間測定手段が検出した紙間と、前記第2の搬送路で搬送方向を反転するために必要な紙間とを比較して、前記紙間測定手段が検出した紙間の方が短いと判断した場合に、前記画像形成速度設定部が後続紙の画像形成速度を、先行紙の第1の画像形成速度よりも遅い第2の画像形成速度にするようにすることで、最大スループットを達成し、画像形成システムとしての信頼性向上するという効果がある。
【0016】
(2)本発明における画像形成装置は、記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部から排紙装置へ記録媒体を排紙するための第1の搬送路と、
前記画像形成部から前記排紙装置へ記録媒体を排紙するための前記第1の搬送路より長い第2の搬送路であって、前記記録媒体の搬送方向を反転させて前記排紙装置へ排紙するための第2の搬送路と、
前記記録媒体を前記第1の搬送路または前記第2の搬送路のいずれへ搬送させるかを切替える搬送路切替え部と、
前記画像形成部の紙搬送速度を設定する画像形成速度設定部と、
前記第2の搬送路における前記記録媒体を反転させる際の反転搬送速度を設定する搬送速度設定部と、
連続プリント中に前記画像形成前の先行紙と後続紙の紙間を測定する紙間測定手段とを有し、
前記紙間測定手段が検出した紙間と、前記第2の搬送路で搬送方向を反転するために必要な紙間とを比較して、前記紙間測定手段が検出した紙間の方が短いと判断した場合に、前記搬送路切替え部が後続紙を前記第1の搬送路を介して前記排紙装置へ前記記録媒体を搬送するようにすることで、最大スループットを達成し、画像形成システムとしての信頼性向上するという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に、本発明の詳細を実施例の記述に従って説明する。
【実施例1】
【0018】
図1は、本発明における実施例1の画像形成装置の構成を示す概略図である。図1において、100はプリンタエンジン本体である。101は、プリンタエンジンに着脱可能なトナーカートリッジ、102は静電担持体である感光体ドラム、103は光源としての半導体レーザ、105はスキャナモータ104にて回転する回転多面鏡、106は半導体レーザ103から発射され、感光体ドラム101上を走査するレーザビームである。
【0019】
107は感光体ドラム102上を一様に帯電するための帯電ローラ、108は感光体ドラム102上に形成された静電潜像をトナーにて現像するための現像器である。109は現像ローラ108にて現像されたトナー像を所定の記録用紙に転写するための転写ローラ、110は記録用紙に転写されたトナーを熱にて融着するための定着器の定着ヒータ、111が定着フィルムである。
【0020】
112は用紙を格納する給紙カセット桶、113はカセット桶に収納されたカセットの紙サイズを検出するカセットサイズセンサ、114はカセット桶112が収納されているかどうかを確認するカセット装着センサ、115はカセット桶に紙が積載されているか否か検出するカセット紙有無センサ、116は1回転することにより、給紙カセット桶112から用紙を給紙し、搬送路に送り出すピックアップローラ、117はピックアップローラ116にてピックアップされた用紙が用紙束である場合に用紙を1枚に分離して搬送路に送り出すためのローラ対である。
【0021】
118はカセットから給紙された用紙を画像形成部へ搬送するための中間ローラ、119は中間ローラ118にて搬送された用紙の先端と後端を検出するためのプレフィードセンサ、120は搬送された用紙を感光体ドラム102へ送り込む転写前ローラ、121は給紙された用紙に対し、感光体ドラム102への画像書き込み(記録/印字)と用紙搬送の同期を取るとともに、給紙された用紙の搬送方向の長さを測定するためのトップセンサである。122は定着後の用紙の有無を検出するための定着センサ、123は定着後の用紙を排紙搬送路へ排出する搬送ローラ、124は搬送ローラ123から搬送された用紙をフェースアップ搬送路に搬送するかフェースダウン排紙搬送路に搬送するか切り替えるフェースアップ搬送路切り替えフラッパ、125はフェースダウン排紙搬送路に導かれた用紙をスイッチバックさせて表裏反転させるための反転部へ用紙を搬送するための合流ローラ、126は排紙搬送路上に導かれた用紙の先端と後端を検出すると共に、反転ローラ127のローラの正転および逆転のタイミングの生成する反転センサ、128は反転ローラ127がスイッチバックして先後端が反転した用紙先端の搬送路を切り替えるための反転フラッパ、129はスイッチバックした用紙の搬送を行う排紙中間ローラ、130はフェースダウン排紙搬送路とフェースアップ排紙搬送路を通紙する用紙の先端と後端を検出する排紙センサ、131は排紙用紙を積載する排紙トレイ132へ用紙を排出する排紙ローラである。
【0022】
このような機構部を制御する制御系の回路構成のブロック図を図2に示す。図2において、201は不図示のホストコンピュータ等の外部機器から送られる画像コードデータをプリンタの印字に必要なビットデータに展開するとともに、プリンタ内部情報を読み取りそれを表示するためのプリンタコントローラである。
【0023】
202はプリンタエンジンの各部をプリンタコントローラ201の指示にしたがってプリント動作制御するとともに、プリンタコントローラ201へプリンタ内部情報を報知するためのプリンタエンジン制御部である。203は帯電、現像、転写等各工程における各高圧出力制御をプリンタエンジン制御部202の指示にしたがっておこなう高圧制御部である。204はスキャナモータ104の駆動/停止、レーザビームの点灯をエンジン制御部202の指示にしたがって制御する光学系制御部である。205は定着ヒータへの通電の駆動/停止をプリンタエンジン制御部202の指示にしたがって行う定着器制御部である。
【0024】
206はプレフィードセンサ119、トップセンサ121、定着センサ122、反転センサ126、排紙センサ130の紙有無状態をエンジン制御部202へ報知するセンサ入力部、207はプリンタエンジン制御部202の指示にしたがい、記録用紙搬送のためにモータ/ローラ等の駆動/停止を行う用紙搬送制御部で、図1のピックアップローラ116、搬送ローラ対117、転写前ローラ120、感光体ドラム102、定着フィルム111、搬送ローラ123、合流ローラ125、反転ローラ127、中間ローラ129、排紙ローラ131の駆動/停止の制御をつかさどるものである。
【0025】
図3は本実施例のプリンタ構成におけるエンジン制御部202の代表的なフェースダウン排紙の印字および用紙搬送制御を示すフローチャートを示す。図3において、301は、プリンタコントローラ201から印字開始を指示されると、スキャナモータ104の駆動を開始、定着ヒータ110の温調開始すると共に、定着フィルム111と感光体ドラム102と、当接する帯電ローラ107、現像ローラ108、転写ローラ109と、給紙搬送するための中間ローラ118、転写前ローラ120などを画像形成するための速度(V1)での駆動を開始する。更に、帯電ローラ107、現像ローラ108、転写ローラ109に所定の高圧を印加して印字に必要な電子写真プロセスの起動を行う。
【0026】
302にて、電子写真プロセスの起動完了、スキャナモータ104の起動完了、定着ヒータ111の温調温度が所定の温度に到達することを確認し、全ての条件が成立すると、303にてカセット桶112から用紙の給紙動作を行う。給紙動作はピックアップローラ116を一回転し、紙をピックアップする、このときカセット桶に積載された最上面の用紙に静電的にくっついた最上面より下層の2枚目以下の紙も同時に動き出す場合がある。このような用紙束をローラ対117は最上面の用紙のみ分離し、中間ローラ118へ導きいれるように回転する。
【0027】
304は303にて給紙した用紙先端がトップセンサ121に到達することを監視している。304でトップセンサが用紙先端を検出すると、305にて印字動作を開始する。
【0028】
306は定着センサ122が用紙先端の到達を監視する。306にて定着センサ122は用紙先端を検出すると、合流ローラ125を搬送速度(V1)での駆動を開始する。308では、定着センサ122が用紙後端の通過を監視しており、用紙後端を検出すると、合流ローラの搬送速度を(V1)よりも早い(V2)に速度アップするとともに、反転ローラ127を搬送速度(V2)で駆動を開始する。
【0029】
用紙先端は、反転フラッパ128を自重で持ち上げ、反転ローラ127に向かって進み、309にて監視していた反転センサ126が用紙後端を検出すると、310にて合流ローラ125の速度を(V1)に戻すと共に、用紙後端が反転フラッパ128の先端を通過したタイミングで反転ローラ127の回転を逆回転させる。逆回転した用紙は反転フラッパ128を上から押し下げ、排紙中間ローラ129の方向に進みはじめる。
【0030】
311は排紙センサ130が用紙後端を監視しており、排紙センサ130が紙後端を検知した時点で312にて排紙完了と判断する。
【0031】
前記308にて合流ローラ125の紙搬送速度を(V1)から(V2)スピードアップした後は、連続プリント時には先行紙と後続紙は所定の紙間距離L1になるようなタイミングでピックアップローラ116を駆動している。このようなタイミングで反転部に搬送された先行紙の用紙後端(スイッチバックすると用紙先端に切り替わる)と後続紙の用紙先端が反転フラッパ128に近傍で衝突しないようにするための処理であり、これが可能になるように(V2)の搬送スピードを決めている。
【0032】
しかし、ピックアップローラ116にて給紙された用紙束がローラ対117にて正常に分離しきれなかった場合等、先行紙と後続紙の間隔がL1よりも短くなる場合がある。この時は反転部に搬送された先行紙の用紙後端(スイッチバックすると用紙先端に切り替わる)と後続紙の用紙先端が反転フラッパ128に近傍で衝突し正常に搬送ができなくなる可能性がある。これをような状況を回避するために本実施例における、連続プリント中の紙間検出方法と回避制御方法を図4のフローチャートに記載する。
【0033】
図4において、401は用紙先端がトップセンサ121に到達することを監視している。401でトップセンサが用紙先端を検出すると、402にて印字動作を開始する。403はトップセンサ121が用紙後端の通過を監視している。403にてトップセンサ121が用紙後端を検出すると、404にて印字動作を終了すると共に、後続紙との紙間を計測するためのタイマをスタートする。405は後続紙の用紙先端がトップセンサ121に到達することを監視している。405が後続紙の紙先端を検出すると406にてタイマを停止し、想定の紙間(L1)よりも長いか短いか407にて確認する。(L1)よりも長ければ紙間が正常だと判断して、処理は402に戻る。紙間が(L1)よりも短い場合には、408にて紙間不良と判断し、その紙に対する印字動作を開始するのをやめる。そして409にて感光体ドラム102、帯電ローラ107、現像ローラ108、転写前ローラ120、中間ローラ118、搬送ローラ対117の搬送速度を(V1)よりも遅い、(V3)に変更する。
【0034】
V3の搬送速度は以下の式が成り立つように設定する。
【0035】
V3≦v
(L1−L2):L3=v:V1
上記(L2)は、カウントしたタイマ値×V1で求められ、L3は、トップセンサ121から定着センサ122までの距離である。
【0036】
フローチャートの410では定着センサが先行紙の用紙後端を監視している。定着センサ122が先行紙の紙後端を検出すると411にて定着フィルム111の用紙搬送速度も(V1)から(V3)に変更する。
【0037】
その後、412では定着センサは後続紙の用紙先端を監視している。定着センサ122が後続紙の紙先端を検出すると413で搬送速度コントロールを終了し、搬送速度(V3)で駆動している全てのローラの搬送速度を(V1)に戻す。
【0038】
このようにシーケンスによって、トップセンサ121が検出した時の紙間が(L1)よりも短い場合であっても、定着センサ122に到達するときには(L1)と同等かそれよりも長い状態にすることができる。
【0039】
これにより反転部に搬送された先行紙の用紙後端(スイッチバックすると用紙先端に切り替わる)と後続紙の用紙先端が反転フラッパ128に近傍で発生しうる衝突を回避することができる。そのため、機内に不要な紙詰まりを未然に防止し、機内の全ての用紙を機外に排出することができるため、ユーザフレンドリーな信頼性の高い画像形成装置の提供が可能になる。
【実施例2】
【0040】
実施例1では、紙間が短いと判断していたときに、後続紙の紙搬送速度を遅くすることで、反転部に搬送された先行紙の用紙後端(スイッチバックすると用紙先端に切り替わる)と後続紙の用紙先端が反転フラッパ128に近傍で発生しうる衝突を回避した。本実施例では搬送路を切り替えることで衝突を回避することを特徴とする。以下にその説明を行う。
【0041】
本実施例における画像形成装置の構成を示す概略図を図1、制御系の回路構成のブロック図を図2、フェースダウン排紙の印字および用紙搬送制御に関するフローチャートを図3に記載する。これらの説明は実施例1にて行っているので詳細は省略する。図5に本実施例における、連続プリント中の紙間検出方法と回避制御方法を記載する。
【0042】
図5において、501は用紙先端がトップセンサ121に到達することを監視している。501でトップセンサが用紙先端を検出すると、502にて印字動作を開始する。503はトップセンサ121が用紙後端の通過を監視している。503にてトップセンサ121が用紙後端を検出すると、504にて印字動作を終了すると共に、後続紙との紙間を計測するためのタイマをスタートする。505は後続紙の用紙先端がトップセンサ121に到達することを監視している。505が後続紙の紙先端を検出すると506にてタイマを停止し、想定の紙間(L1)よりも長いか短いか507にて確認する。(L1)よりも長ければ紙間が正常だと判断して、処理は502に戻る。紙間が(L1)よりも短い場合には、508にて紙間不良と判断し、その紙に対する印字動作を開始するのをやめる。
【0043】
その後、509にて定着センサ122が後続紙の紙先端が到達するのを監視し、定着センサ122が紙先端を検出すると、510にて先行紙の紙後端がフェースアップ搬送路切り替えフラッパ124を通過するタイミングでフェースアップ搬送路切換えフラッパ124を駆動して後続紙をフェースアップ搬送路に導く。このようなシーケンスによって、反転部に搬送された先行紙の用紙後端(スイッチバックすると用紙先端に切り替わる)と後続紙の用紙先端が反転フラッパ128に近傍で発生しうる衝突を回避することができる。そのため、機内に不要な紙詰まりを未然に防止し、機内の全ての用紙を機外に排出することができるため、ユーザフレンドリーな信頼性の高い画像形成装置の提供が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の第1の実施例に係る機構を説明する構成図である。
【図2】本発明の第1の実施例に係る回路構成を説明するブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施例に係るプリント制御に関するフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施例に係る制御方法に関するフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施例に係る制御方法に関するフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部から排紙装置へ記録媒体を排紙するための第1の搬送路と、
前記画像形成部から前記排紙装置へ記録媒体を排紙するための前記第1の搬送路より長い第2の搬送路であって、前記記録媒体の搬送方向を反転させて前記排紙装置へ排紙するための第2の搬送路と、
前記記録媒体を前記第1の搬送路または前記第2の搬送路のいずれへ搬送させるかを切替える搬送路切替え部と、
前記画像形成部の紙搬送速度を設定する画像形成速度設定部と、
前記第2の搬送路における前記記録媒体を反転させる際の反転搬送速度を設定する搬送速度設定部と、
連続プリント中に前記画像形成前の先行紙と後続紙の紙間を測定する紙間測定手段とを有し、
前記紙間測定手段が検出した紙間と、前記第2の搬送路で搬送方向を反転するために必要な紙間とを比較して、前記紙間測定手段が検出した紙間の方が短いと判断した場合に、前記画像形成速度設定部が後続紙の画像形成速度を、先行紙の第1の画像形成速度よりも遅い第2の画像形成速度にすることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部から排紙装置へ記録媒体を排紙するための第1の搬送路と、
前記画像形成部から前記排紙装置へ記録媒体を排紙するための前記第1の搬送路より長い第2の搬送路であって、前記記録媒体の搬送方向を反転させて前記排紙装置へ排紙するための第2の搬送路と、
前記記録媒体を前記第1の搬送路または前記第2の搬送路のいずれへ搬送させるかを切替える搬送路切替え部と、
前記画像形成部の紙搬送速度を設定する画像形成速度設定部と、
前記第2の搬送路における前記記録媒体を反転させる際の反転搬送速度を設定する搬送速度設定部と、
連続プリント中に前記画像形成前の先行紙と後続紙の紙間を測定する紙間測定手段とを有し、
前記紙間測定手段が検出した紙間と、前記第2の搬送路で搬送方向を反転するために必要な紙間とを比較して、前記紙間測定手段が検出した紙間の方が短いと判断した場合に、前記搬送路切替え部が後続紙を前記第1の搬送路を介して前記排紙装置へ前記記録媒体を搬送することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−48893(P2010−48893A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−210883(P2008−210883)
【出願日】平成20年8月19日(2008.8.19)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】