説明

画像形成装置

【課題】印刷効果(光沢効果、つや消し効果)を最大限に発揮するための設定(紙種の設定や印刷出力方法の設定等)は、非常に複雑で、ユーザが手動で設定することは非常に困難であるという課題がある。
【解決手段】ユーザが印刷を希望している画像データと透明フォーム画像データに対する印刷効果の希望を入力すると、その印刷効果を実現するための紙種、透明フォーム画像データの変換、印刷出力方法を自動的に設定し、印刷出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透明トナーを使用した印刷出力をする際に、その視覚的効果の選択を実現するために発生する多くの複雑な設定を自動的に行うことが可能な画像形成装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルプリンティング技術はオンデマンド印刷市場や少部数の文書印刷市場において、近年確実にその利用価値を高めつつある。特に電子写真技術を用いたフルカラープリンティングは生産性や印刷コスト、メンテナンスの容易性などの面で他のプリンティング技術よりも優位な位置にあり、急速にその市場を広めつつある。その中で、特に従来のCMYBK、4色のトナーを用いた電子写真印刷によるフルカラー印刷だけではなく、さらに特殊なトナーを用いた多色の印刷方式も注目を集めており、オンデマンド性、即時性の高い特殊印刷市場も視野に入ってきている。特殊トナーの例として、印刷物の表面の凸凹を吸収し、高光沢性を実現できる透明トナーやハイライト部のざらつきを押さえることができる淡トナー等が挙げられる。特殊トナーを使用することで通常のデジタル印刷とは異なる新たな付加価値が得られるようになり、デジタルプリンティングの世界をさらに拡大していくことが可能になる。以上のような背景から特殊トナーを実装したカラー複合機(以後、MFP)が市場に投入されている。
【0003】
特殊トナーの中で、特に透明トナーは、印刷出力物に対してユーザが感じる光沢感の欠落を補うために使用する提案がされている。特許文献1においては、コート紙での印刷を試みた際にコート紙が非実装の場合に、ノンコート紙を使用するが、下地が白い部分に透明トナーを使用し、光沢性を向上させる用途で透明トナーを使用する提案をしている。また、特許文献2においては、写真の中でインクが使用されていない箇所に対して、透明インクを使用することで写真内の光沢性の均一感を保つために透明インクを使用する提案をしている。
【0004】
【特許文献1】特開2007−047403号公報
【特許文献2】特開2005−119279号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、透明トナーの使用目的が光沢効果を発揮することのみになっている。透明トナーは光沢効果を出すためだけに使用するものではない。使用される紙や印刷方法によっては、つや消し効果を発揮することも可能である。また、そうした印刷効果(光沢効果、つや消し効果)を最大限に発揮するための設定(紙種の設定や印刷出力方法の設定等)は、非常に複雑で、ユーザが手動で設定することは非常に困難であるという課題が残される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像形成装置は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色のトナーと透明トナーとを使用して印刷出力することが可能な画像形成装置において、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色の総トナー量から透明トナー量を計算し、1プロセスで印刷を完了する第1の印刷出力手段と、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色を一度定着後に透明トナーを印字することにより2プロセスで印刷を完了する第2の印刷出力手段と、ユーザに印刷効果を選択させる手段と、画像形成装置にあらかじめ設定されている優先事項を選択する手段と、選択された印刷効果と選択された優先事項とにしたがって印刷出力条件を決定する手段と、決定された印刷出力条件にしたがって、印刷出力のために第1の印刷出力手段又は第2の印刷出力手段のいずれか一方を選択する手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
本発明の画像形成方法は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色のトナーと透明トナーとを使用して印刷出力することが可能な画像形成方法において、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色のトナーの総トナー量から透明トナー量を計算し、1プロセスで印刷を完了する第1の印刷出力ステップと、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色を一度定着後に透明トナーを印字することにより2プロセスで印刷を完了する第2の印刷出力ステップと、ユーザに印刷効果を選択させるステップと、画像形成装置にあらかじめ設定されている優先事項を選択するステップと、選択された印刷効果と選択された優先事項とにしたがって印刷出力条件を決定するステップと、決定された印刷出力条件にしたがって、印刷出力のために第1の印刷出力ステップ又は第2の印刷出力ステップのいずれか一方を選択し、実行するステップとを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
以下の説明によれば、本発明において、従来技術より、印刷効果をユーザは選択することが可能になる点が優れていて、さらに、印刷効果を実現するための必要な画像形成装置に施す設定を自動的に設定することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
(実施形態1)
図1は、本発明に係る画像形成装置を示すブロック図である。
【0010】
オフィス10内に構築されたLAN104には、記録装置としてマルチファンクション複合機(以下、MFPという。)101、103、およびローカルPC102が接続されている。MFP101、103は、原稿画像から読み取った入力画像に対する画像処理を行う。そして、その画像処理の結果を、原稿画像を読み取ったMFPが印刷する。
【0011】
また、MFP101で読み取った原稿画像に対して画像処理を行ってから、MFP103が印刷することも可能である。さらには、ローカルPC102から送信されるPage Discription Language(以下、PDLという。)言語を解釈してMFP101、103が印刷することもできる。また、別のLANには、MFP105が接続されている。
【0012】
[MFP]
図2は、MFPを示す図である。図2において、イメージスキャナー(画像読み取り部)201は、原稿画像を読み取り、デジタル信号処理を行う。また、プリンタ部202は、イメージスキャナー201によって読み取られた原稿画像に対応した画像を用紙にフルカラーで印刷する。
【0013】
イメージスキャナー201は、鏡面圧板200を含み、原稿台ガラス(以下、プラテンという。)203上の原稿204は、ランプ205で照射され、ミラー206、207、208に導かれる。そして、照射された光は、レンズ209によって、3ラインの固体撮像素子センサ(以下、CCDという。)210上に像を結び、フルカラー情報としてのレッド(R),グリーン(G),ブルー(B)の3つの画像信号がデータ処理装置211に送られる。なお、ランプ205、ミラー206は、速度vで、ミラー207、208は、速度1/2vでラインセンサの電気的走査(主走査)方向に対して垂直方向に機械的に動くことによって、原稿全面を走査(副走査)する。ここで、原稿204は、主走査および副走査ともに600dpi(dots/inch)の解像度で読みとられる。読み取られた画像信号は原稿1ページ分の単位でデータ処理装置211の内部のデータ蓄積手段(不図示)に蓄積される。
【0014】
データ処理装置211においては、内部に蓄積された画像信号を画素単位で電気的に処理し、マゼンタ(M),シアン(C),イエロー(Y),ブラック(Bk)の各成分に分解し、プリンタ部202に送る。また、データ処理装置211の内部で、透明画像データ(CL)を画素単位で生成し、同じくプリンタ部202へ送出する。
【0015】
送出されたM、C、Y、Bk、CLの画像信号がレーザードライバー212に送られる。レーザードライバー212は、送られてきた画像信号に応じ、半導体レーザー213を変調駆動する。レーザー光は、ポリゴンミラー214、f-θレンズ215、ミラー216を介し、感光ドラム217上を走査する。ここで、読取と同様に主走査および副走査ともに600dpi(dots/inch)の解像度で書込まれる。
【0016】
回転現像器218は、マゼンタ現像部219、シアン現像部220、イエロー現像部221、ブラック現像部222、クリア(透明)現像部223を含む。そして、5つの現像部219〜223が交互に感光ドラム217に接し、感光ドラム上に形成された静電現像を各色のトナーで現像する。
【0017】
転写ドラム224は、用紙カセット225または用紙カセット226より供給される用紙をこの転写ドラム224に巻き付け、感光ドラム上に現像された像を用紙に転写する。
【0018】
この様にして、CMYBkおよびクリア(透明)の5色が順次転写された後に、用紙は、定着ユニット227を通過して、トナーが用紙に定着された後に排紙される。
【0019】
また、用紙は、排紙せず、再び上記プロセスを経て、再度印刷してから排紙することも可能である。
【0020】
[ローカルPC]
図18は、ローカルPC102の構成を示す図である。
【0021】
データは、アプリケーション1801が作成したものを例として説明する(以下、アプリデータという。)。ユーザにより画像データをMFP内部の記憶装置が保存する場合や印刷出力する場合、指示を受けたプリンタドライバUI(ユーザインタフェース)部1802は、その旨をプリンタドライバ1803に送信する。プリンタドライバ1803は、アプリデータをPDLデータに変換する。PDLデータに使用されているPDL言語は、例えば、LIPSやPSを指す。作成されたPDLデータを送信部1804は、MFP101に対して送信する。
【0022】
[データ処理装置211]
図9は、MFPに搭載されているデータ処理装置211の構成を示す図であり、PDL処理部901、UI部902、印刷出力条件決定部903、画像処理部904、記憶装置905、印刷制御部906、透明フォーム画像処理部907で構成されている。
【0023】
図10は、図9のPDL処理部901の構成を示す図であり、受信部1001、PDL解析部1002、中間言語展開部1003、印刷効果情報作成部1004、圧縮処理部1005、送信部1006で構成されている。
【0024】
図11は、図9の透明フォーム画像処理部907の構成を示す図であり、解凍部1101、グレースケール化処理部1102、2値化処理部1103、送信部1104で構成されている。
【0025】
図12は、図9の画像処理部904の構成を示す図であり、解凍部1201、透明フォーム受信部1202、色処理部1203、透明トナー処理部1204、画像形成処理部1205、送信部1206で構成されている。
【0026】
[通常印刷出力処理]
図3は、データ処理装置211が行う画像処理、通常印刷処理に関するフローチャートを示している。
【0027】
ローカルPC102やMFP101、103からのR、G、B信号は、ステップS301の色処理において、画像処理部904が、色処理部1203により、CMYBk信号に変換する。CMYBk信号への変換は、式(1)に示すようなマトリックス演算により行われる。
【0028】
【数1】

【0029】
また、ローカルPC102は、CMYBk信号を送信することがあるが、その際には、ステップS301において、色処理部1203は、濃度調整等を行う。
【0030】
次に、ステップS302において、色処理部1203は、透明トナー処理部1204により、透明トナー成分をCMYBk信号から算出する。まず、画素毎に、CMYBkの総トナー量が求める。ここで、総トナー量とは、CMYBkの4色をあわせた合計の信号量により画素毎に用紙に転写されるトナー量である。通常、総トナー量は、単色の最大値を100%としたパーセント値として表現される。画像信号が8ビットの整数で表現されている場合、単色の最大値は255なので、CMYBkの加算値を100/255倍して総トナー量とされる。
【0031】
例えば、8ビットの画像信号が、ある画素について、
C=80、M=95、Y=140、Bk=110
であったとすると
総トナー量=(C+M+Y+Bk)×100/255=167%・・・(2)
となる。
【0032】
通常、総トナー量の一般的な上限値は200〜280%程度であり、作像プロセスなどによって決定されるが、本実施形態では、これにさらに透明トナー層を形成した後のトータル量が上限値以下であることが要求される。
【0033】
ここで、総トナー量の上限値を240%であると仮定した場合、式(2)の数値と上限値との差分が透明トナー層に許容される濃度比率となると考えることができ、
許容量=240−167=73%・・・(3)
となる。
【0034】
CMYBkとCL(透明トナー)量が決定したら、ステップS303において、画像処理部904は、画像形成処理部1205によりこのMFP101が設定しているガンマ補正処理を各色に行う。
【0035】
そして、ステップS304において、画像形成処理部1205は、各色に画像形成処理を行う。画像形成処理には、スクリーン処理や誤差拡散処理がある。
【0036】
最後に、ステップS305において、MFP101は、CMYBk、CLのトナーを使用して、画像を印刷する。その概要図を図4に示す。
【0037】
すなわち、通常印刷出力処理とは、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色の総トナー量から透明トナー量を計算し、1プロセスで印刷を完了する通常印刷出力(第1の印刷出力)機能を用いた印刷方法のことである。
【0038】
以上説明した印刷方法を以下では『通常印刷出力』と呼ぶ。
【0039】
[プレ印刷出力処理]
図5は、データ処理装置211が行う画像処理、プレ印刷出力処理に関するフローチャートを示している。
【0040】
ローカルPC102やMFP101、103からの入力画像信号は、ステップS501において、画像処理部904が、色処理部1203により、R、G、B信号かCMYBk信号かの判定を行う。判定の結果が、CMYBk信号の場合にはステップS502において、画像処理部904は、色処理部1203により、R、G、B信号に変換する。変換の方法は、式(4)に示すようなマトリックス演算により行われる。
【0041】
【数2】

【0042】
次に、ステップS503において、色処理部1203は、R、G、B信号を、1信号の単色に置き換える。変換の方法は、演算式等により変換され、その演算式は一様ではない。また、CMYBk信号をR、G、B信号に変換して、1信号の単色に置き換えているが、公知の方法を利用して、CMYBk信号から直接1信号の単色に置き換えることも可能である。そして、1信号化された信号に、ステップS504において、画像処理部904は、画像形成処理部1205によりこのMFP101が設定している透明トナー用のガンマ補正処理を行う。そして、ステップS505において、画像形成処理部1205は、画像形成処理を行う。ステップS506において、MFP101は、CLのトナーを使用して、画像を印刷する。その概略図を図6に示す。MFP101は、まずは、シアン601、マゼンタ602、イエロー603、ブラック604が順番に印字し、印刷出力する。次に、そのCMYBkによる印刷出力物をMFP101の給紙段にセットする。セットされた印刷出力物上に、透明605を印字し、印刷する。
【0043】
すなわち、プレ印刷出力処理とは、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色を一度定着後に透明トナーを印字することにより2プロセスで印刷を完了するプレ印刷出力(第2の印刷出力)機能を用いた印刷方法のことである。
【0044】
以上説明した印刷方法を以下では『プレ印刷出力』と呼ぶ。
【0045】
[透明トナーによる印刷効果]
図30は、通常印刷時の透明トナーの表面を示す図である。
【0046】
図16は、プレ印刷時の透明トナーの表面を示す図である。
【0047】
印刷効果(光沢やつや消し)は、紙と透明トナーの表面性の差分、透明トナーと既に印字されたトナーの表面性の差分が関係する。まず、紙であるが、コート紙3001とノンコート紙3002の表面には差がある。コート紙3001の表面3003は、コーティングされているため凹凸が全くない。一方、ノンコート紙3002の表面3004は、紙の繊維の影響で、凹凸が存在する。紙の上に透明トナーによる通常印刷で印刷を行った場合、透明トナーが載った箇所の表面3005、3006は、MFP101の定着ユニット227を通過しても若干の凹凸は残ってしまう。コート紙3001に透明トナーによる通常印刷を行った場合には、コート紙3001の表面3003には凹凸がなく、透明トナーの表面3005は、凹凸があるため、印字した箇所、(つまり透明トナーの表面3005)にはつや消し効果が現れる。一方、ノンコート紙3002に透明トナーによる通常印刷を行った場合には、紙も透明トナーもどちらの表面にも凹凸がある。しかし、一般的には、ノンコート紙3002の表面の凹凸の方がトナーの表面3006よりも大きいため、印字した箇所、(つまり、透明トナーの表面3006)には光沢効果が現れる。
【0048】
次に、プレ印刷で印刷を行った場合、CMYBk4色での印刷物1601は通常印刷時と同様にトナーの表面1602には若干の凹凸が残ってしまう。その印刷物1601の表面の一部に透明トナーを印字した際には、透明トナーが印字された表面1603は若干の凹凸が残ってしまう。それに対して、CMYBk4色が印字された表面1604は、2度目の定着ユニット227の通過になるため、表面1602の凹凸が表面1604のように滑らかになる。よって、プレ印刷の場合には、CMYBkのトナーが既に印字されている箇所に透明トナーを印字すると(つまり、トナーの表面1603)、つや消し効果が現れる。
【0049】
[透明フォーム画像データ]
図7に透明フォーム画像データの一例を示す。また、図8は、ローカルPC画面に表示される画面の一例を示す。
【0050】
透明フォーム画像データ701は、2値画像データで保存されていて、論理値“1”の個所702が、透明トナーを使用した際に発生する視覚効果を施す位置を示す。ボタン801、802は、プレビュー803が表示しているフォーム画像701において論理値“1”の個所702にどのような効果がユーザの希望なのかをPDL処理部901の印刷効果情報作成部1004に指示する。
【0051】
[透明フォーム画像登録]
本明細書中の記載の圧縮、解凍に関しては、JPEGのような公知の技術を使用するものとする。
【0052】
画像処理部904は、透明トナー処理部1204により、透明トナー印刷時に透明フォーム画像データを使用する。記憶装置905は、透明トナーにより効果を出そうとする箇所を示す画像を透明フォーム画像データとして登録する。
【0053】
ローカルPC102が、ドライバUI画面(不図示)から透明フォーム画像登録を指示すると、PDL処理部901は、受信部1001により、ローカルPC102が送信したPDLデータを受信する。
【0054】
PDL処理部901の動作フローについて、図13を用いて説明する。
【0055】
ステップS1301において、PDL解析部1002は、このPDLデータの解析を行い、中間データを生成する。ステップS1302において、透明フォーム画像登録の際には、ステップS1303はスキップし、ステップS1304において、中間言語展開部1003は、中間データをレンダリングし、画像データを生成する。ステップS1305において、圧縮処理部1005は、画像データを圧縮し、圧縮データを生成する。ステップS1306において、送信部1006は、圧縮データを透明フォーム画像処理部907の解凍部1101に向けて送信する。
【0056】
次に透明フォーム画像処理部907の動作フローについて、図14を用いて説明する。
【0057】
まず、ステップS1401において、解凍部1101は、受信した圧縮データを解凍する。ステップS1402において、グレースケール化処理部1102は、解凍された画像データをグレースケールのデータに変換する。変換の方法の例として、RGBで入力された場合には、YUV信号に変換し、Y信号のみをグレースケール信号として使用するケースを挙げるが、この限りではない。ステップS1403において、2値化処理部1103は、グレースケールに変換された画像信号を、2値画像データに変換する。変換の方法の例として、閾値を設定し、その閾値よりグレースケール信号値が大きい場合には1、小さい場合には0となり、2値画像データを生成する。ステップS1404において、送信部1103は、記憶装置905に2値画像データを送信する。
【0058】
記憶装置905は、2値画像データを受信し、透明フォーム画像データとして保存する。
【0059】
[透明トナーを使用した印刷]
記憶装置905は、保存した透明フォーム画像データを使用し、透明トナーを使用した印刷を実現する。
【0060】
ローカルPC102上のプリンタドライバ1803は、透明フォーム画像データを使用した印刷を指示すると、プリンタドライバUI部1802は、画面上に図8を表示する。まず、プリンタドライバUI部1802は、多数保存されている透明フォーム画像データから印刷時に使用する透明フォーム画像データを選択エリア804から選択する。すると、プリンタドライバUI部1802は、画面にプレビュー803を表示し、2値化した透明フォーム画像データを確認することができる。プリンタドライバUI部1802は、そのプレビュー803に表示している部分(2値画像データにおいて論理値“1”の個所)に対しての印刷効果を決定する。プリンタドライバUI部1802は、つや消し効果を出したい場合には、ボタン801からの指示を、光沢効果を出したい場合には、ボタン802からの指示を、ボタン805の指示に伴って、プリンタドライバ1803に送信する。最後に、送信部1804は、プリンタドライバ1803で生成したPDLデータを送信する。また、ボタン806の指示は、キャンセルを指示している。
【0061】
ボタン805からの指示で、PDL処理部901内の受信部1001は、ローカルPC102からのPDLデータを受信する。PDL処理部901での処理フローは透明フォーム画像登録時とほぼ同じである。差分は、ステップS1303において、PDL解析部1002は、このPDLデータがつや消し効果を求めているのか、光沢効果を求めているのかを解析し、印刷効果情報を作成する。ステップS1306において、送信部1006は、印刷効果情報を印刷出力条件決定部903に送信する。ステップS1304において、送信部1006は、圧縮された画像データを画像処理部904に送信する。
【0062】
印刷出力条件決定部903の動作フローについて、図15を用いて説明する。
【0063】
ステップS1501において、印刷出力条件決定部903は、印刷効果情報がつや消し効果か光沢効果かを判定する。つや消し効果を選択している場合は、ステップS1505において、印刷出力条件決定部903は、印刷方法を通常印刷、紙種はコート紙を使用することが決定し、決定情報を生成する。ステップS1506において、印刷制御部906は、決定情報を受信する。次に光沢効果を選択している場合は、ステップS1502において、印刷出力条件決定部903は、MFP101で予め設定されている優先事項の選択が印刷画質優先か印刷速度優先かを判定する。印刷速度優先の場合には、ステップS1503において、印刷出力条件決定部903は、印刷方法を通常印刷、紙種はノンコート紙を使用することを決定し、決定情報を生成する。ステップS1506において、印刷制御部906は決定情報を受信する。最後に、印刷画質優先の場合には、ステップS1504において、印刷出力条件決定部903は、印刷方法をプレ印刷、紙種をコート紙、透明フォーム画像データは反転することを決定し、決定情報を生成する。ステップS1506において、画像処理部904と印刷制御部906は、決定情報を受信する。
【0064】
画像処理部904の動作フローについて、図17を用いて説明する。
【0065】
画像処理部904は、ステップS1701において、解凍部1201により受信した画像データを解凍する。ステップS1702において、画像処理部904は、決定情報から印刷方法が通常印刷かプレ印刷かを判別する。通常印刷の場合には、S1703において、透明フォーム受信部1202は、透明フォーム画像データを記憶装置905から受信する。さらに、決定情報から透明フォーム画像データの2値画像データを反転する必要がある場合には、反転作業も行う。ステップS1704において、色処理部1203は、画像データに対して、RGB画像データの場合にはCMYBk変換し、演算処理等により濃度の調整を行う。また、CMYBk画像データの場合には、演算処理等により濃度の調整を行う。ステップS1705において、透明トナー処理部1204は、透明フォーム画像データ、すなわち2値画像データにおいて論理値“1”の個所に対して通常印刷処理を行い、透明トナー量を決定する。一方、2値画像データにおいて論理値“0”の個所では何もせず、透明トナー版を含む画像データを生成する。S1706において、画像形成処理部1205は、各版(CMYBKと透明)各々にMFP101に設定されているガンマ補正処理を行い、画像形成処理を行う。画像形成処理の方法はスクリーンや誤差拡散によるものである。ステップS1707において、送信部1206は、画像形成処理後の画像データを印刷制御部906に送信する。
【0066】
ステップS1702において、プレ印刷の場合には、ステップS1708において、色処理部1203は、画像データに色処理を行う。ステップS1709において、画像形成処理部1205は、各版(CMYBk)各々にMFPに設定されているガンマ補正処理を行い、画像形成処理を行う。ステップS1710において、送信部1206は画像形成処理後の画像データを印刷制御部906に送信する。決定情報により印刷制御部906は、まずCMYBkで画像形成された画像データの印刷を行う。印刷が終了すると、MFP101の排紙機構に排紙せずに、ステップS1711において、MFP101は、再び、給紙段に自動的にセットする。給紙段に自動的にセットする方法としては、両面印刷時に使用する反転パスにおいて、紙を反転せずに、再度、給紙段にセットする。ステップS1712において、透明フォーム受信部1202は、透明フォーム画像データを記憶装置905から受信する。さらに、決定情報から透明フォーム画像データの2値画像データを反転する必要がある場合には、反転作業も行う。ステップS1713において、透明フォーム画像データに対して、画像形成処理部1205は、MFPに設定されている透明トナー用のガンマ補正処理を行い、透明トナー用の画像形成処理を行う。ステップS1714において、送信部1206は、透明トナーによる画像形成処理後の画像データを印刷制御部906に送信する。
【0067】
印刷制御部906は、決定情報に従って、紙種を選択し、印刷出力する。
【0068】
実施形態1によれば、印刷画質優先か印刷速度優先にするかの情報が予めMFPに設定しているため、その情報に基づいて自動的に処理を行うことが可能になる。
【0069】
(実施形態2)
実施形態1では、印刷画質優先か印刷速度優先かを予めMFPに設定してあることを前提で自動的に処理することを特徴としていたが、実施形態2では、印刷画質優先か印刷速度優先かをユーザに選択させることを特徴とする。
【0070】
図19は、ローカルPC画面に表示される画面の一例を示す。
【0071】
ステップS1502において、プリンタドライバUI部1802は、図19をローカルPC102の画面に表示する。その時、プリンタドライバUI部1802は、選択可能な優先事項とその際の印刷設定をボタンに表示する。ボタン1901は、印刷速度優先の指示を行う。ステップS1503において、印刷出力条件決定部903は、印刷方法を通常印刷、紙種はノンコート紙を使用することを決定し、決定情報を生成する。ステップS1506において、印刷制御部906は、決定情報を受信する。次に、ボタン1902は、印刷画質優先の指示を行う。ステップS1504において、印刷出力条件決定部903は、印刷方法をプレ印刷、紙種はコート紙を使用し、透明フォーム画像データは反転することを決定し、決定情報を生成する。ステップS1506において、画像処理部904と印刷制御部906は、決定情報を受信する。
【0072】
以上のように実施形態2においては、実施形態1に加えて、優先事項をユーザが選択することができ、さらに設定事項の詳細を知ることが可能になる。
【0073】
(実施形態3)
実施形態1、実施形態2では、画像データと同じ形状に透明トナーを印字することを想定していた。一方、実施形態3では、画像データと異なる形状に透明トナーを印字するために、画像データと透明フォーム画像データ(2値画像データ)を比較し、重なり具合をみて決定情報を作成することを特徴とする。
【0074】
図20は、画像データと透明フォーム画像データの組み合わせを示す図である。
【0075】
図21は、MFPに搭載されているデータ処理装置211の構成を示す図であり、透明フォーム画像処理部2101で構成されている。
【0076】
画像データ2001に透明トナーを印字する際に想定される透明フォーム画像データは、画像データ2001と一致している701、画像データ2001の上に大部分が重なっている2002、画像データ2001と全く重ならない2003が想定できる。
【0077】
プリンタドライバUI部1802は、透明フォーム画像データを使用した印刷を指示すると、ローカルPC102の画面上に図8を表示する。プリンタドライバUI部1802は、多数保存されている透明フォーム画像データから印刷時に使用する透明フォーム画像データを選択エリア804から選択する。次いで、ボタン802かボタン803の指示を行い、最後にボタン805の指示に従って、プリンタドライバ1803は、PDLデータを作成し、送信部1804に送信する。PDL処理部901は、生成されたPDLデータを処理した後、生成された画像データ2001を、透明フォーム重なり判定部2101に送信する。さらに記憶装置905は、選択した透明フォーム画像データを透明フォーム重なり判定部2101に送信する。
【0078】
図24は、透明フォーム重なり判定部2101の構成を示すブロック図である。透明フォーム重なり判定部2101の動作フローについて、図22を用いて説明する。
【0079】
両データを受信した透明フォーム重なり判定部2101は、ステップS2201において、透明フォーム受信部2403が受信した透明フォーム画像データをカウント部2402により、論理値“1”の画素の画素数をカウントする。ステップS2202において、透明フォーム重なり判定部2101は、解凍部2401で解凍された画像データの色値を持っている画素数をカウント部2402によりカウントする。ステップ2203において、カウント比較部2404は、先にカウントした両者の画素数を比較する。比較の結果が一致している場合には、カウント比較部2404は、重なり情報をステップS2207において、「一致」として生成する。比較の結果が一致していない場合には、カウント比較部2404で透明フォーム画像データにおいて論理値“1”の画素の位置で、画像データが色値を持っている画素をどの程度持っているかをカウント比較部2404が比較する。透明フォーム画像データ2003のように、画像データ2001とほとんど重なりがないようなケースの場合は、カウント比較部2404は、重なり情報がステップS2205において、「少ない」として生成する。透明フォーム画像データ2002のように、画像データ2001と重なる部分が多い場合は、カウント比較部2404は、重なり情報がステップS2206において、「多い」として生成する。生成した重なり情報を、ステップS2208において、送信部2405は、印刷出力条件決定部903に送信される。
【0080】
本実施形態の印刷出力条件決定部903の動作フローについて、図23を用いて説明する。
【0081】
印刷出力条件決定部903は、ステップS1501において、印刷効果情報がつや消し効果か光沢効果かを判定する。光沢効果の場合には、実施形態1と同様である。つや消しの場合に、ステップS2301において、印刷出力条件決定部903は、受信した重なり情報を判定する。「一致」の場合には、実施形態1と同様になる。重なり情報が「多い」の場合には、ステップS2302において、印刷出力条件決定部903は、印刷画質優先か印刷速度優先かを判定し、印刷速度優先の場合には、印刷方法を通常印刷、紙種はコート紙を使用することが決定し、決定情報を生成する。印刷画質優先の場合には、印刷方法をプレ印刷、紙種はコート紙を使用することを決定する。ステップS2301において、重なり情報が「少ない」の場合には、ステップS2305において、印刷出力条件決定部903は、印刷画質優先か印刷速度優先かを判定する。印刷速度優先の場合には、印刷出力条件決定部903は、印刷方法を通常印刷、紙種はノンコート紙を使用することを決定し、決定情報を生成する。印刷画質優先の場合には、印刷出力条件決定部903は、印刷方法をプレ印刷で、紙種はコート紙を使用し、透明フォーム画像データは反転することを決定し、決定情報を生成する。この決定情報を、ステップS2308において、画像処理部904と印刷制御部906は、受信する。
【0082】
以上のように実施形態3においては、実施形態1、実施形態2に加えて、画像データと透明フォーム画像データの重なり具合をみて、印刷出力条件をより正確に設定することが可能になる。
【0083】
(実施形態4)
実施形態1、実施形態3では、決定情報をユーザの希望する効果と画像データと透明フォーム画像データの重なり具合から自動的に作成していた。一方、実施形態4ではグロスを向上させる機構(以下、グロッサー)が内蔵されているフィニッシャーがMFP101に装着された場合の制御方法を自動的に決定することを特徴とする。
【0084】
グロッサー(不図示)とは、一度MFP101で定着されたトナーに対して、再度熱を加え表面を溶かし、再定着する装置である。グロッサーを通過した印刷物は、高光沢を実現することが可能である。つまり、ユーザがつや消し効果を希望して、実施形態1、実施形態3で設定された決定条件によりMFP101で印刷しても、グロッサー内蔵フィニッシャーが装着されていると、つや消し効果を実現することが不可能になってしまう。
【0085】
そこで、実施形態4では、グロッサー内蔵フィニッシャーがMFP101に装着されていて、つや消し効果を選択している場合に、印刷出力条件決定部903は、グロッサー内蔵フィニッシャーとは異なる排紙口に印刷出力することを決定情報に加える。画像処理部904と印刷制御部906は、決定情報を受信する。
【0086】
以上のように実施形態4においては、実施形態1、実施形態3に加えて、グロッサー内蔵フィニッシャーがMFPに装着されていても、ユーザの希望する効果を実現することが可能になる。
【0087】
(実施形態5)
実施形態1、実施形態3では、決定情報をユーザの希望する効果と画像データと透明フォーム画像データの重なり具合から自動的に作成していた。一方、実施形態5では画像データと透明フォーム画像データの重なり具合のみから、ユーザが印刷できる効果をユーザに選択させることを特徴とする。
【0088】
図25は、ローカルPC画面に表示される画面の一例を示す。
【0089】
プリンタドライバUI部1802は、透明フォーム画像データを使用した印刷を指示すると、ローカルPC102の画面上に図8を表示する。まず、プリンタドライバUI部1802は、多数保存されている透明フォーム画像データから印刷時に使用する透明フォーム画像データを選択エリア804から選択する。すると、プリンタドライバUI部1802は、ローカルPC102の画面上にプレビュー803を表示し、2値化した透明フォーム画像データを確認することができる。最後にボタン805の指示に従って、プリンタドライバ1803は、PDLデータを作成し、送信部1804に送信する。
【0090】
印刷出力条件決定部903は、MFP101で予め設定されている優先事項を判別するだけで、決定情報を生成する。生成された決定情報は、ローカルPC画面上に図25が表示され、その画面でユーザは印刷効果を選択できる。例えば、ボタン2501は、つや消し効果で印刷出力の指示をして、その際の設定は、印刷方法を通常印刷、紙はコート紙であることも表示する。また、ボタン2502は、光沢効果で印刷出力の指示をして、印刷方法を通常印刷、紙はコート紙、透明フォーム画像データは反転、であることも表示する。どちらかのボタンの指示により、決定情報を画像処理部904と印刷制御部906は受信する。
【0091】
以上のように実施形態5では、印刷できる効果を表示されるので、ユーザは特に印刷効果を気にしなくても選択するだけで、簡単に印刷効果を実現することが可能になる。
【0092】
(実施形態6)
実施形態1、実施形態3では、決定情報をユーザの希望する効果と画像データと透明フォーム画像データの重なり具合から自動的に作成していたが、実施形態6では紙種の制限が発生した際にユーザに対処法を表示することを特徴とする。
【0093】
ユーザの印刷効果の希望と画像データと透明フォーム画像データの重なり具合から自動的に作成された決定情報に基づいて、印刷動作をスタートするが、決定情報の紙種がコート紙にもかかわらず、コート紙が実装されていないことがある。その際には、プリンタドライバUI部1802は、ユーザにコート紙を実装する旨を伝える画面をローカルPC102の画面上に表示する。あるいは、プリンタドライバUI部1802は、実装されている紙種を代替として使用するが印刷効果が希望に添えない場合があることをユーザに警告する画面をローカルPC102の画面上に表示する(不図示)。
【0094】
また、ユーザが印刷を希望する紙種が実装されている場合には、印刷出力条件決定部903は、その紙種で希望(所定)の印刷効果が出せるか否かを判断する。希望の印刷効果が出せない場合には、プリンタドライバUI部1802は、印刷効果が希望に添えない場合があることを伝える警告画面をローカルPC102の画面上に表示する(不図示)。
【0095】
以上のように実施形態6では、希望する効果が得られる紙種が実装されていない場合にユーザに対策を促すことが可能になる。
【0096】
(実施形態7)
実施形態1、実施形態3では、決定情報をユーザの希望する効果と画像データと透明フォーム画像データの重なり具合から自動的に作成していた。一方、実施形態7ではすでに印刷済みの印刷物に透明トナーを使用して印刷効果を実現しようとした際に決定情報を自動的に作成することを特徴とする。
【0097】
図26、図27は、MFP101のUI部902の画面に表示される一例を示す図である。
【0098】
図28は、MFPに搭載されているデータ処理装置211の構成を示す図であり、スキャン画像処理部2801で構成されている。
【0099】
まず、MFP103は、CMYBkの4色での印刷を行う。その際に、MFP103は、生成された画像データをグレースケール化し、2値化してMFP103に内蔵されている記憶装置に保存する。MFP101の給紙段は、MFP103から排紙された印刷物をセットする。すると、MFP101のUI部902は、MFP101のコントロールパネル(不図示)に図26の画面を表示する。UI部902は、MFP101と同じLAN104に接続しているMFPの一覧を表示して、CMYBkによる4色の印刷を行ったMFP103を選択エリア2601から選択する。UI部902は、MFP103が選択すると、選択エリア2602で、MFP103に内蔵している記憶装置に保存している2値化した画像の中から、給紙段にセットした印刷物に対応する画像を選択する。ボタン2604の指示により、UI部902は、MFP101でのフォーム画像の選択と印刷効果の選択を決定する。ボタン2605の指示は、キュンセルを意味する。透明フォーム重なり判定部2101は、UI部902によるMFP101での透明フォーム画像データと印刷効果の選択が終了し、印刷動作が開始すると、MFP103から2値化した画像データを受信する。透明フォーム重なり判定部2101はその2値化した画像データと選択した透明フォーム画像データを用いて判定する。
【0100】
次にLAN104に接続されていないMFP105が、4色印刷を行った場合に、UI部902は、選択エリア2601に、MFP105を表示しない。ボタン2403の指示により、MFP101のコントロールパネルにUI部902は、図27を表示する。MFP101の原稿読み取り装置は、4色印刷された印刷物をセットし、ボタン2701の指示により、4色印刷された印刷物を読み込み、画像データとして取得する。取得した画像データを、スキャン画像処理部2801は、スキャン用画像処理(色処理、下地除去等)を行い、透明フォーム重なり判定部2101に送信する。ボタン2702の指示は、読み込み動作のキャンセルを意味する。
【0101】
MFP101のUI部902がコントロールパネルに表示している図8の画面からUI部902は、透明フォーム画像データを選択エリア804から選択し、印刷効果をボタン801、ボタン802から選択し、ボタン805の指示に従って、印刷動作を開始する。まず、重なりフォーム判定部2101は、画像データと透明フォーム画像データとの重なり具合を判定する。
【0102】
重なり具合の判定後は、CMYBk4色の印刷をMFP103、MFP105のどちらで行っても、印刷出力条件決定部903は、決定情報を生成する。その際の候補としては、実施形態7はプレ印刷出力方法での印刷出力であるため、ステップS1504、ステップS2304、ステップS2307しか選択することができない。
【0103】
本実施形態の画像処理部904の動作フローについて、図29を用いて説明する。
【0104】
ステップS2901において、透明フォーム受信部1202は、選択された透明フォーム画像データを記憶装置905から受信する。さらに、決定情報から透明フォーム画像データの2値画像データを反転する必要がある場合には、反転作業も行う。ステップS2902において、透明フォーム画像データに対して画像形成処理部1205は、画像形成処理を行う。ステップS2903において、送信部1206は、印刷制御部906に送信する。
【0105】
以上のように実施形態7においては、実施形態1、実施形態3に加えて、既に印刷済みの印刷物に対しても印刷効果を実現することが可能になる。
【0106】
実施形態7以外の全ての実施形態において、PDLでの出力について記載してきたが、その限りではない。スキャンによる出力も同様である。その際には、スキャン用画像処理部2801で処理後、PDLと同様の動作になる。ローカルPC102の画面上に表示されていた画面は、MFP101のコントロールパネルの画面に表示される。
【0107】
<他の実施形態>
前述した実施形態の機能を実現するように前述した実施形態の構成を動作させるプログラムを記録媒体に記憶させ、該記録媒体に記憶されたプログラムをコードとして読み出し、コンピュータにおいて実行する処理方法も上述の実施形態の範疇に含まれる。
【0108】
該記録媒体は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体である。また、前述のプログラムが記憶された記録媒体はもちろんそのプログラム自体も上述の実施形態に含まれる。
【0109】
かかる記録媒体としてはたとえばフロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD―ROM、磁気テープ、不揮発性メモリカード、ROMを用いることができる。
【0110】
また前述の記録媒体に記憶されたプログラム単体で処理を実行しているものに限らず、他のソフトウエア、拡張ボードの機能と共同して、OS上で動作し前述の実施形態の動作を実行するものも前述した実施形態の範疇に含まれる。
【0111】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲に限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加え得ることが当業者に明らかである。そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】本発明に関する画像処理システムを示すブロック図である。
【図2】本発明にかかる画像形成装置を示すブロック図である。
【図3】透明トナーを使用した通常印刷の画像処理に関するフローチャートである。
【図4】通常印刷時のトナーの載り方を示す図である。
【図5】透明トナーを使用したプレ印刷の画像処理に関するフローチャートである。
【図6】プレ印刷時のトナーの載り方を示す図である。
【図7】透明フォーム画像データの一例を示す図である。
【図8】UI画面に表示される一例を示す図である。
【図9】データ処理装置の構成を示すブロック図である。
【図10】PDL処理部の構成を示すブロック図である。
【図11】透明フォーム画像処理部の構成を示すブロック図である。
【図12】画像処理部の構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の概要を示すフローチャートである。
【図14】本発明の概要を示すフローチャートである。
【図15】本発明の概要を示すフローチャートである。
【図16】プレ印刷時の画像形成後の断面を示す図である。
【図17】本発明の概要を示すフローチャートである。
【図18】ローカルPCの構成を示すブロック図である。
【図19】UI画面に表示される一例を示す図である。
【図20】透明フォーム画像データの一例を示す図である。
【図21】データ処理装置の構成を示すブロック図である。
【図22】本発明の概要を示すフローチャートである。
【図23】本発明の概要を示すフローチャートである。
【図24】透明フォーム重なり判定部の構成を示すブロック図である。
【図25】UI画面に表示される一例を示す図である。
【図26】UI画面に表示される一例を示す図である。
【図27】UI画面に表示される一例を示す図である。
【図28】データ処理装置の構成を示すブロック図である。
【図29】本発明の概要を示すフローチャートである。
【図30】通常印刷時の画像形成後の断面を示す図である。
【符号の説明】
【0113】
211 データ処理装置、901 PDL処理部、902 UI部、903 印刷出力条件決定部、904 画像処理部、905 記憶装置、906 印刷制御部、907 透明フォーム画像処理部、1001 受信部、1002 PDL解析部、1003 中間言語展開部、1004 印刷効果情報作成部、1005 圧縮処理部、1006 送信部、1101 解凍部、1102 グレースケール化処理部、1103 2値化処理部、1104 送信部、1201 解凍部、1202 透明フォーム受信部、1203 色処理部、1204 透明トナー処理部、1205 画像形成処理部、1206 送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色のトナーと透明トナーとを使用して印刷出力することが可能な画像形成装置において、
シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色の総トナー量から透明トナー量を計算し、1プロセスで印刷を完了する第1の印刷出力手段と、
シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色を一度定着後に透明トナーを印字することにより2プロセスで印刷を完了する第2の印刷出力手段と、
ユーザに印刷効果を選択させる手段と、
画像形成装置にあらかじめ設定されている優先事項を選択する手段と、
前記選択された印刷効果と前記選択された優先事項とにしたがって印刷出力条件を決定する手段と、
前記決定された印刷出力条件にしたがって、印刷出力のために前記第1の印刷出力手段又は前記第2の印刷出力手段のいずれか一方を選択する手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記優先事項をユーザに選択させる画面を表示する表示手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
画像データと透明フォーム画像データの重なり程度を示す重なり情報を生成する手段を更に備え、前記重なり情報にしたがって前記印刷出力条件が決定されることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記印刷効果は光沢効果又はつや消し効果であり、前記優先事項は印刷画質又は印刷速度であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記重なり情報が多い場合、印刷画質優先であるか印刷速度優先であるかを判定し、
印刷速度優先の場合には、印刷方法を通常印刷とし、紙種としてコート紙を使用することを前記印刷出力条件として決定し、
印刷画質優先の場合には、印刷方法をプレ印刷とし、紙種としてコート紙を使用することを前記印刷出力条件として決定する手段を更に備えることを特徴とする請求項3又は4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記重なり情報が少ない場合、印刷画質優先であるか印刷速度優先であるかを判定し、
印刷速度優先の場合には、印刷方法を通常印刷とし、紙種としてノンコート紙を使用することを前記印刷出力条件として決定し、
印刷画質優先の場合には、印刷方法をプレ印刷とし、紙種としてコート紙を使用し、透明フォーム画像を反転することを印刷出力条件として決定する手段を更に備えることを特徴とする請求項3又は4に記載の画像形成装置。
【請求項7】
グロッサー内蔵フィニッシャーが画像形成装置に装着され、かつ、前記つや消し効果が選択されている場合、グロッサー内蔵フィニッシャーとは異なる排紙口に印刷出力することを印刷出力条件として加える手段を更に備えることを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記印刷効果をユーザが選択できるユーザインタフェースを更に備えることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
ユーザが希望する紙種が実装されている場合には、当該紙種で所定の印刷効果が出せるか否かを判定し、所定の印刷効果が出せない場合には、ユーザに警告は発する手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
すでに印刷済みの印刷物に透明トナーを使用して印刷効果を実現する手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色のトナーと透明トナーとを使用して印刷出力することが可能な画像形成方法において、
シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色の総トナー量から透明トナー量を計算し、1プロセスで印刷を完了する第1の印刷出力ステップと、
シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色を一度定着後に透明トナーを印字することにより2プロセスで印刷を完了する第2の印刷出力ステップと、
ユーザに印刷効果を選択させるステップと、
画像形成装置にあらかじめ設定されている優先事項を選択するステップと、
前記選択された印刷効果と前記選択された優先事項とにしたがって印刷出力条件を決定するステップと、
前記決定された印刷出力条件にしたがって、印刷出力のために前記第1の印刷出力ステップ又は前記第2の印刷出力ステップのいずれか一方を選択し、実行するステップと、
を含むことを特徴とする画像形成方法。
【請求項12】
前記優先事項をユーザに選択させる画面を表示する表示ステップを更に含むことを特徴とする請求項11に記載の画像形成方法。
【請求項13】
画像データと透明フォーム画像データの重なり程度を示す重なり情報を生成するステップを更に含み、前記重なり情報にしたがって前記印刷出力条件が決定されることを特徴とする請求項11又は12に記載の画像形成方法。
【請求項14】
前記印刷効果は光沢効果又はつや消し効果であり、前記優先事項は印刷画質又は印刷速度であることを特徴とする請求項11乃至13のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【請求項15】
前記重なり情報が多い場合、印刷画質優先であるか印刷速度優先であるかを判定し、
印刷速度優先の場合には、印刷方法を通常印刷とし、紙種としてコート紙を使用することを前記印刷出力条件として決定し、
印刷画質優先の場合には、印刷方法をプレ印刷とし、紙種としてコート紙を使用することを前記印刷出力条件として決定するステップを更に含むことを特徴とする請求項13又は14に記載の画像形成方法。
【請求項16】
前記重なり情報が少ない場合、印刷画質優先であるか印刷速度優先であるかを判定し、
印刷速度優先の場合には、印刷方法を通常印刷とし、紙種としてノンコート紙を使用することを前記印刷出力条件として決定し、
印刷画質優先の場合には、印刷方法をプレ印刷とし、紙種としてコート紙を使用し、透明フォーム画像を反転することを印刷出力条件として決定するステップを更に含むことを特徴とする請求項13又は14に記載の画像形成方法。
【請求項17】
グロッサー内蔵フィニッシャーが画像形成装置に装着され、かつ、前記つや消し効果が選択されている場合、グロッサー内蔵フィニッシャーとは異なる排紙口に印刷出力することを印刷出力条件として加えるステップを更に含むことを特徴とする請求項14乃至16のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【請求項18】
ユーザインタフェースを介して、前記印刷効果をユーザに選択させるステップを更に含むことを特徴とする請求項11乃至17のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【請求項19】
ユーザが希望する紙種が実装されている場合には、当該紙種で所定の印刷効果が出せるか否かを判定し、所定の印刷効果が出せない場合には、ユーザに警告は発するステップを更に含むことを特徴とする請求項11乃至18のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【請求項20】
すでに印刷済みの印刷物に透明トナーを使用して印刷効果を実現するステップを更に含むことを特徴とする請求項11乃至19のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【請求項21】
コンピュータに、請求項11乃至20のいずれか1項に記載の方法を実行させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項22】
コンピュータに、請求項11乃至20のいずれか1項に記載の方法を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2010−91813(P2010−91813A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−261930(P2008−261930)
【出願日】平成20年10月8日(2008.10.8)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】