画像形成装置
【課題】イメージスキャナ部をメンテナンスカバーの開閉動作に連動させて移動させる上で、イメージスキャナ部の移動頻度を低下する。
【解決手段】装置本体に対して開閉可能なカバー部材120と、第1位置と第2位置とに移動可能な画像読取部130と、を有する画像形成装置において、カバー部材は装置本体に対して開いた第1開位置(c)と、さらに装置本体に対して開いた第2開位置(b)とに移動可能であり、画像読取部は、カバー部材が閉じた閉位置から第2開位置へ向かう移動に連動して、第1位置から第2位置に移動可能で、カバー部材の第2開位置から閉位置へ向かう移動に連動して第2位置から第1位置に移動可能であり、カバー部材が閉位置から第1開位置へ移動させられる間は第1位置にあり、カバー部材が第1開位置から第2開位置へ移動させられる間に、カバー部材に連動して第2位置に移動する。
【解決手段】装置本体に対して開閉可能なカバー部材120と、第1位置と第2位置とに移動可能な画像読取部130と、を有する画像形成装置において、カバー部材は装置本体に対して開いた第1開位置(c)と、さらに装置本体に対して開いた第2開位置(b)とに移動可能であり、画像読取部は、カバー部材が閉じた閉位置から第2開位置へ向かう移動に連動して、第1位置から第2位置に移動可能で、カバー部材の第2開位置から閉位置へ向かう移動に連動して第2位置から第1位置に移動可能であり、カバー部材が閉位置から第1開位置へ移動させられる間は第1位置にあり、カバー部材が第1開位置から第2開位置へ移動させられる間に、カバー部材に連動して第2位置に移動する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成するための画像形成ユニットを装置本体に着脱可能な画像形成部と、原稿を読み取るためのイメージスキャナとを有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機等の画像形成装置にあっては、画像形成部の上部にイメージスキャナ部を配置し、イメージスキャナ部で原稿を読み取り、その情報を画像形成部で記録媒体に記録して排出する。このような画像形成装置にあって、電子写真方式の画像形成装置では電子写真感光体や現像器を一体的にユニット化し、装置本体に着脱可能とすることでメンテナンスを容易にしたものが多い。
【0003】
上記のような画像形成装置にあっては、画像形成ユニットを着脱するために装置本体のメンテナンスカバーを開閉する必要があるが、上方から画像形成ユニットへのアクセスを可能とするためにメンテナンスカバーを装置本体に上部に設けたものがある。この場合、上方に配置したイメージスキャナが固定されていると、メンテナンスカバーを開閉するために画像形成部とイメージスキャナ部との間に十分な空間を確保しなければならず、装置が大型化してしまう。
【0004】
そのため、装置本体を大型化せずにメンテナンスカバーを開閉できるように、イメージスキャナ部を装置本体から退避可能に構成し、メンテナンスカバーの開動作に連動してイメージスキャナを退避可能に構成したものもある(特許文献1)。このようにすることで、メンテナンス作業を行うときの操作を円滑に行うことが可能となる。
【0005】
しかし、特許文献1のような構成を備えた画像形成装置では、メンテナンスカバーの開動作の際には、メンテナンスカバーにイメージスキャナ部を連動させているが、閉動作の際に連動させる構成とはなっていない。このため、ユーザはメンテナンスカバーを閉じた後で更にイメージスキャナ部を閉じる必要があり、操作性が良くない。
【0006】
そこで、メンテナンスカバーの開動作に連動してイメージスキャナ部が開き、且つ、メンテナンスカバーの閉動作に連動してイメージスキャナ部を閉じるよう構成したものがある(特許文献2)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−134301
【特許文献2】特開2009−53315
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献2の画像形成装置では、メンテナンスカバーを開く際に、メンテナンスカバーの開き始めからイメージスキャナ部が連動して開く構成となっている。このため、メンテナンスカバーを少しだけ開けばメンテナンス作業を行うことができるような時でも、イメージスキャナ部を移動させるため、ユーザの負荷が大きくなる。また、イメージスキャナ部が移動する頻度が高くなるため、移動の際の衝撃でイメージスキャナ部内の部材が破損しやすかったりする。
【0009】
そこで、本発明は、イメージスキャナ部をメンテナンスカバーの開閉動作に連動させて移動させる上で、イメージスキャナ部の移動頻度を低下することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための本発明に係る代表的な構成は、装置本体に対して開閉可能なカバー部材と、原稿の画像を読み取るための画像読取部であって、第1位置と前記第1位置よりも画像形成部から退避した第2位置とに移動可能な画像読取部と、を有し、記録媒体に画像を形成する画像形成装置において、前記カバー部材は装置本体に対して開いた第1開位置と、前記第1開位置からさらに装置本体に対して開いた第2開位置とに移動可能であり、前記画像読取部は、前記カバー部材が装置本体に対して閉じた閉位置から前記第2開位置へ向かう移動に連動して、前記第1位置から前記第2位置に移動可能で、前記カバー部材の前記第2開位置から前記閉位置へ向かう移動に連動して前記第2位置から前記第1位置に移動可能であり、前記画像読取部は、前記カバー部材が前記閉位置から前記第1開位置へ移動させられる間は前記第1位置にあり、前記画像読取部は、前記カバー部材が前記第1開位置から前記第2開位置へ移動させられる間に、前記カバー部材に連動して前記第1位置から前記第2位置に移動することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明にあっては、メージスキャナ部をメンテナンスカバーの開閉動作に連動させて移動させる上で、イメージスキャナ部の移動頻度を低下させることができる。このため、装置を大型化することなく、メンテナンス作業を行う際の操作性が向上し、作業者への負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】概略構成の画像形成装置の外観斜視図
【図2】概略構成の画像形成装置の主縦断面図
【図3】画像形成ユニットの主縦断面図
【図4】画像形成装置の斜視図
【図5】画像形成装置の主縦断面図
【図6】画像形成装置の主縦断面図
【図7】画像形成装置の主縦断面図
【図8】画像形成装置の斜視図
【図9】画像形成装置の主縦断面図
【図10】画像形成装置の斜視図
【図11】画像形成装置の主縦断面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
〔第1実施形態〕
次に本発明に係る画像形成装置を実施するための形態について、図面を参照して具体的に説明する。
【0014】
<画像形成装置の全体構成>
画像形成装置の全体的な概略構成について図1乃至図3を用いて説明する。
【0015】
図1は本実施形態の画像形成装置100の外観斜視図、図2は画像形成装置100の主縦断面図、図3は画像形成ユニット200の主縦断面図である。この画像形成装置は、電子写真プロセスを用いた、4色フルカラーのレーザープリンタであり、パソコン・イメージスキャナ(イメージリーダ)・相手方ファクシミリ装置等の外部ホスト装置(不図示)から入力する電気的画像信号に基づいて記録媒体(シート)に対する画像形成を実行する。
【0016】
以下の説明において、画像形成装置(装置本体とも記す)に関して、前側(正面側)とは給送ユニット18を引き出す方向の側である。後側とはそれとは反対側である。上側とは、メンテナンスカバー120の開時方向である。なお、図3において、上述の前側、後側、上側を記載している。また、前後方向とは、装置本体後側から前側に向かう方向(前方向)と、その逆の方向(後方向)である。左右とは装置本体を前側から見て左または右である。左右方向とは、右から左に向かう方向(左方向)と、その逆の方向(右方向)である。
【0017】
本実施形態の画像形成装置は、画像形成ユニットを着脱可能に装着し、静電写真プロセスを使った画像形成部の上部に、原稿を読み取る画像読取部であるイメージスキャナを設けたものである。ここで、静電写真プロセスを使った画像形成装置の例としては、例えば電子写真複写機、電子写真プリンタ(例えばレーザービームプリンタ、LEDプリンタ等)、フアクシミリ装置及びワードプロセッサ等が含まれる。
【0018】
また、画像形成ユニットとは、現像器と、電子写真感光体と、中間転写体が一体化したユニットであり、このユニットを画像形成装置本体に対して着脱可能とするものである。
【0019】
画像形成ユニットは、使用者自身によって画像形成装置本体に対する着脱を行うことができる為、装置本体のメンテナンスを容易に行うことができるものである。
【0020】
本実施形態の装置本体は、メインフレーム110と、上側にイメージスキャナ130と、それを操作する操作パネル140と、装置本体内をメンテナンスする際に開閉可能なカバー部材であるメンテナンスカバー120とを有する。
【0021】
装置本体内には、画像形成するための画像形成ユニット200を有する。画像形成ユニット200は、画像形成装置100のメインフレーム110に着脱可能なサブフレーム31と、感光ユニット32と、中間転写ユニット34とを有し、装置本体に対して着脱可能に構成されている。感光ユニット32は、サブフレーム31に所定の間隔で配置される。感光ユニット32は、サブフレーム31に回転可能に取り付けられ、感光ユニット32から現像剤像を転写してきてその現像剤像をメインフレームの記録媒体に転写する。
【0022】
サブフレーム31は、中間転写ユニット34を支持する中間転写枠体31aと、複数の感光ユニット32を支持する感光体支持ユニット31bと、現像カートリッジ33を支持する現像器連結ユニット31cとを有する。
【0023】
感光ユニット32は、電子写真感光体としての感光体ドラム32aと、このドラムに作用するプロセス手段としての帯電ローラ32bと、感光体ドラム32aの表面に残った現像剤を除去するクリーニング器32cとを有する。そして、これらを収容した感光体ケース32dがサブフレーム31の感光体支持ユニット31bに連結される。この感光ユニット32は、中間転写ユニット34に対して複数、所定の間隔で配置される。
【0024】
現像カートリッジ33は、現像器連結ユニット31cに連結される現像器ケース33aと、現像器ケース33aの一端に設けられた現像ローラ33bと、現像剤を収容する現像器33cと、現像ローラ33bに現像剤を供給する供給ローラ33dと、を有する。
【0025】
現像カートリッジ33はサブフレーム31に対して着脱可能である。現像器連結ユニット31cは、感光体ドラム32aに現像ローラ33bが接触的に連結するように、現像カートリッジ33を感光ユニット32に対してガイドする。そして現像器連結ユニット31cは、現像カートリッジ33の位置が安定的に維持されるように支持する。
【0026】
現像器連結ユニット31cの前方部には、レーザースキャナユニット11を配設してある。このスキャナユニット11は、外部ホスト装置から入力する各色の画像情報に対応して変調したレーザー光Lを出力し、各感光体ドラム32aを走査露光する。
【0027】
中間転写ユニット34の下方部には、給送ユニット18を配設してある。この給送ユニット18は、給送トレイ19、給送ローラ20、分離パッド21等を有する。給送ユニット18は装置本体前側から出し入れ自由である(フロントローデング)。
【0028】
装置本体内の後側の上部には、定着装置23と、排出ローラ対24を配設してある。装置本体の上面は排出トレイ25にしてある。定着装置23は定着フィルムユニット23aと加圧ローラ23bを有するものを用いている。排出ローラ対24は排出ローラ24aと排出コロ24bである。
【0029】
画像形成に際しては、各感光ユニット32の感光体ドラム32aが図3の矢印に示す時計回り方向に所定の制御速度で回転駆動され、スキャナユニット11からの画信号に応じた露光により静電潜像が形成される。4個配置された各感光体ドラム32aは、下側から上側に順にイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の静電潜像が形成される。そして、これに対応した色トナーによって各色トナー像に現像され、そのトナー像が中間転写ユニット34に順次一次転写されてフルカラー画像が形成される。
【0030】
一方、前記画像形成に同期して給送ローラ20が駆動され、給送トレイ19上に積載されている記録媒体であるシートPが1枚分離給送されて、二次転写ローラ22と中間転写ユニット34とのニップ部に搬送される。このニップ部において中間転写ユニット34上のトナー像がシートPに二次転写される。その後、シートは定着装置23へ導入されてトナー像が定着された後、排出ローラ対24によって排出トレイ25に排出される。
【0031】
<イメージスキャナの開閉構成>
次に図4及び図5を参照してイメージスキャナ130の開閉構成について説明する。なお、図4は本実施形態に係る画像形成装置の斜視図であり、図5は画像形成装置の主縦断面図である。
【0032】
図4及び図5(a)に示すように、画像形成部の上部に画像読み取り部としてのイメージスキャナ130が配置されている。そして、画像形成部とイメージスキャナ130の間にメンテナンスカバー120が設けられている。
【0033】
このイメージスキャナ130は、連動機構によってメンテナンスカバー120の開閉に連動して移動可能である。イメージスキャナ130は、メンテナンスカバー120を閉じているときは原稿読み取り可能な正規のセット位置にあり、メンテナンスカバー120を開くとこれに連動してセット位置から退避位置に移動する。これによりメンテナンスカバー120を大きく開くことができるようになる。そして、イメージスキャナ130は、メンテナンスカバー120を閉じると、これに連動して前記セット位置に移動するように構成されている。
【0034】
ここで、メンテナンスカバー120の開動作に連動してイメージスキャナ130を前記退避位置に移動させ、閉動作に連動して前記セット位置に移動させる連動機構の構成について、具体的に説明する。
【0035】
イメージスキャナ130は、メンテナンスカバー120が閉じた状態(メンテナンスカバー120が閉位置にある状態)では、図5(a)に示すように、画像形成部に対して正規の位置(セット位置)にある。このとき、メンテナンスカバー120は、画像形成装置の上下方向にスライド可能なリンクガイド40によって支持されている。そして、リンクガイド40は画像形成装置の前後方向にスライド可能なアーム50によって移動が規制されている。
【0036】
メンテナンスカバー120は回転軸120aを中心として回動可能であり、ラッチ80の係止を解除することで、上側へ開放可能となる。メンテナンスカバー120の第1の開放状態は、メンテナンスカバー120の一方側端部に設けられた作用部120bがリンクガイド40に突き当たった状態である。ここで、リンクガイド40は下端がL字状に屈曲形成され、作用部120bは前記屈曲部分に当接する。そして、作用部120bが突起部150を乗り越えてリンクガイド40に当接するまで開くと、メンテナンスカバー120は突起部150に係止され、その状態(第1の開放状態)に保持される。すなわち、メンテナンスカバー120は、完全に開く途中の保持位置(第1開位置)において、突起部150によって第1の開放状態に保持される。突起部150は、装置本体に対して付勢部材(押圧バネ等)によって付勢された三角形状をした押圧部を有し、2個の斜面部が作用部120bに圧接するように当接可能に取り付けられている。
【0037】
図5(b)は、メンテナンスカバー120が第1の開放状態のときを示すものである。この状態のときに、使用者が使用頻度が高く、着脱回数が多いブラックの現像カートリッジ33Kにアクセスできるように4個の現像カートリッジのうち、ブラックの現像カートリッジ33Kが最も上方に配置されている。ここで画像形成ユニット200は上方に回動可能に構成されている。このため、第1の開放状態では、画像形成ユニット200を回動させて、使用頻度の高いブラックの現像カートリッジ33Kはメンテナンスカバー120を完全に開かなくても交換することができる。
【0038】
装置本体内にはメンテナンスカバー120が第1の開放状態になったとき使用者が初めてアクセス可能となる解除ボタン70が設けられている。すなわち、イメージスキャナ130はメンテナンスカバー120が閉じているときはロック機構によって移動がロックされている。そして、前記解除ボタン70はメンテナンスカバー120を開く途中でリンクガイド40の移動ロックを解除するロック解除機構の操作部を構成するものである。このロック機構及びロック解除機構の構成を具体的に説明すると、図5(b)に示す様態では、アーム50は引っ張りバネ60によって装置本体の後方向に付勢され、その一方端部がリンクガイド40に形成された溝40aに嵌入している。このため、リンクガイド40は移動が規制され、ロックされた状態となっている。
【0039】
アーム50は前後方向にスライド可能に取り付けられ、解除ボタン70が設けられた側の端部には傾斜部50aが形成されている。そして、使用者が第1の開放状態になってアクセス可能となった操作部である解除ボタン70を下側に押すと、傾斜部50aが押されてアーム50が前側にスライドする。このため、溝40aに嵌入していたアーム先端が溝40aから外れ、ロック解除となってリンクガイド40が上下移動可能となる。
【0040】
リンクガイド40がロック解除状態で、メンテナンスカバー120をさらに開くと、メンテナンスカバー120の端部に設けられた作用部120bが、突起部150を乗り越えつつ、リンクガイド40を下方向に押し下げ始める。
【0041】
イメージスキャナ130は回転軸130aを中心に回動可能に取り付けられ、リンクボス130bがリンクガイド40の上端に形成されたリンク穴40cと係合している。そして、イメージスキャナ130の回転中心である回転軸130aは、イメージスキャナ130の重心位置gの略鉛直方向下方になるように配置されている。これにより、リンクガイド40が下方へ移動してリンクボス130bが下方へ引かれると、イメージスキャナ130の重心gは、図5(c)に示すように、回転軸130aよりも画像形成装置の後側に位置するリンクボス130b側に移動する。このため、イメージスキャナ130は回転軸130aを中心に自重によって時計回り方向に回転する。
【0042】
リンクガイド40には、図5(c)に示すように、溝40aとリンク穴40cの間の所定位置に係止部40bが突出形成されている。自重により回転したイメージスキャナ130は、アーム50の先端が前記係止部40bに突き当たると回転が規制され、後方に退避した姿勢が保持される。
【0043】
本実施形態にあっては、前述したようにメンテナンスカバー120を閉じた状態で、イメージスキャナ130の回転軸130aをイメージスキャナ130の重心gの略鉛直下方に配置している。このため、イメージスキャナ130は中立状態からの回転動作となり、メンテナンスカバー120を開閉する際のユーザへの負荷が軽減される。
【0044】
図5(c)はメンテナンスカバー120を全開した状態であり、これを第2の開放状態とし、メンテナンスカバー120の開口部をより大きく確保することを可能にしている。第2の開放状態のときも、メンテナンスカバー120は第2開位置で突起部150に係止され、その状態が保持される。この状態で、画像形成ユニット200は更に上方に回動可能である。このため、開口部からイエロー、マゼンタ、シアンの各現像カートリッジ33Y、M、C、および画像形成ユニット200の着脱、ジャム処理等のメンテナンスを行うことが可能となっている。
【0045】
なお、本実施形態では第1の開放状態でブラックの現像カートリッジ33Kを着脱可能とし、第2の開放状態でそれ以外の現像カートリッジ33Y、M、Cを着脱可能とした。しかし、第1の開放状態で全カートリッジ着脱可能とし、第2の開放状態で画像形成ユニット200着脱可能とする構成にしても良い。また、第1の開放状態において、装置本体内部のジャム処理や、メモリカード等の交換を可能に構成しても良い。また、第1の開放状態において、メンテナンスカバー120をさらに開くことによって、イメージスキャナ130の移動をロックするロック機構のロック解除可能な構成にしてもよい。
【0046】
このように本実施形態では、第1の開放状態でメンテナンスカバー120を保持し、ロック機構でロックすることで、この第1の開放状態でメンテナンス作業を行うことが可能であることをユーザに伝えることができる。また、ユーザが、不必要に第2の開放状態になるまでメンテナンスカバー120を開いてしまうことを避けることができる。
【0047】
また、本実施形態では、イメージスキャナ130の画像読み取り動作を制御する読取制御部(不図示)を有している。そして、この読取制御部は、画像を読み取り中に、メンテナンスカバー120が開かれた場合、メンテナンスカバー120が閉位置と第1開位置の間にある時は、画像の読み取り動作を停止しないよう制御してもよい。このようにすることで、イメージスキャナ130による画像の読み取り動作を不必要に停止することを低減し、ユーザビリティを向上することができる。
【0048】
次に、メンテナンスカバー120を閉じるときの動作を説明する。
【0049】
メンテナンスカバー120にはアーム部120dが形成され、このアーム部120dの端部付近にボス120cが突出形成されている。一方、イメージスキャナ130の下部には前記ボス120cと係合可能なガイド面130cが形成されている。
【0050】
メンテナンスカバー120が第2の開放状態から閉動作を始めると、メンテナンスカバー120に設けられたボス120cがイメージスキャナ130のガイド面130cに突き当たる。ここから更にメンテナンスカバー120を閉じていくと、ボス120cがガイド面130cに当接してイメージスキャナ130を閉方向に誘い込み、イメージスキャナ130が回転軸130aを中心に、図5(c)の反時計回り方向に回転する。これにより、イメージスキャナ130が退避状態から復帰する。
【0051】
そして、イメージスキャナ130が退避状態から復帰すると、リンクボス130bと係合したリンクガイド40が上方へスライド移動する。これにより、アーム50の先端が、リンクガイド40に設けられた溝40aに入り込み、この状態でリンクガイド40の移動が規制される。この状態でラッチ80がロック可能となり、メンテナンスカバー120の最終的な閉動作が終了する。
【0052】
なお、メンテナンスカバー120の開閉に連動して、画像形成ユニット200を回動させるような画像形成ユニット移動機構を設けてもよい。この場合、画像形成ユニット移動機構は、メンテナンスカバー120を開くにつれて、メンテナンスカバー120を開くことにより開閉される開口部に向かって現像カートリッジ33が移動するよう画像形成ユニットを移動させる。
【0053】
本実施形態では、メンテナンスカバー120を開いて、閉じた状態から第1の開放状態にする間は、イメージスキャナ130は画像形成部に対して正規の位置(セット位置)にあり、移動しない。そして、メンテナンスカバー120を更に開いて第1開放状態から第2開放状態にする間は、イメージスキャナ130は画像形成部に対して正規の位置(セット位置)から退避した位置に移動する。そして、第1の開放状態においては、現像カートリッジ33K等の装置本体に複数装着されたカートリッジのうちの一部のみやメモリカード等を交換可能としたり、ジャム処理可能としたりしている。
【0054】
本実施形態では、以上のような構成を用いることにより、イメージスキャナ130の移動頻度を下げて、メンテナンスに必要な一連の作業を簡略化し、ユーザの時間的・作業的負担の軽減が可能となるものである。即ち、第1の開放状態にする際は、ユーザはイメージスキャナ130を退避させる必要がなくなるので、時間的・作業的負荷を軽減することができる。また、退避の際の衝撃でイメージスキャナ部内の部材が破損することや、ヒンジ部や、ヒンジ部付近に設けられイメージスキャナ130と装置本体とを電気的に繋ぐ束線等が傷む虞れを低減することができる。
【0055】
なお、本実施形態では、画像形成装置として電子写真プロセスを用いた4色フルカラーのレーザープリンタを用いて説明したが、本発明はインクジェット等の他の画像形成方式のプリンタにも適用することが可能である。
【0056】
〔第2実施形態〕
次に第2実施形態に係る装置について図6を参照して説明する。なお、本実施形態の装置の基本構成は前述した第1実施形態と同一であるため重複する説明は省略し、ここでは本実施形態の特徴となる構成について説明する。また、前述した実施形態と同一機能を有する部材には同一符号を付す。
【0057】
図6は第2実施形態に係る画像形成装置の主縦断面図であり、メンテナンスカバー120とイメージスキャナ130の一連の動作を示した図である。
【0058】
第1実施形態がイメージスキャナ130の重心gを、回転軸130aの鉛直下方に配置したのに対し、本実施形態ではイメージスキャナ130の重心gを、回転軸130aより本体前方に位置するように配置している。これにより、メンテナンスカバー120を開くことでイメージスキャナ130がセット位置から退避位置に移動する過程において、イメージスキャナ130の重心位置が回転中心130aの鉛直線上を通過する。このとき、前記重心が前記回転中心130aの一方側から他方側に移動するときに、イメージスキャナ130の自重によるトグル機構となる。
【0059】
このように、第2実施形態では、第1実施形態同様に、イメージスキャナ130の移動頻度を下げて、メンテナンスに必要な一連の作業を簡略化し、ユーザの時間的・作業的負担の軽減が可能となるものである。さらに、上述のトグル機構のため、イメージスキャナ130が回転可能となってから、回転運動を始めるまでの間、イメージスキャナ130のバランスを本体前方のセット位置に保つことができる。従って、動作力を小さくして安定した状態からのカバー開動作を始めることが可能となる。
【0060】
〔第3実施形態〕
次に第3実施形態に係る装置について図7を参照して説明する。なお、本実施形態の装置の基本構成も前述した第1実施形態と同一であるため重複する説明は省略し、ここでは本実施形態の特徴となる構成について説明する。また、前述した実施形態と同一機能を有する部材には同一符号を付す。
【0061】
図7は第3実施形態に係る画像形成装置の主縦断面図であり、メンテナンスカバー120とイメージスキャナ130の一連の動作を示した図である。
【0062】
第1実施形態がイメージスキャナ130の重心gを、回転軸130aの鉛直下に配置したのに対し、本実施形態ではイメージスキャナ130の重心gを、回転軸130aより本体後方に配置したものである。このように構成することで、イメージスキャナ130はセット位置にある状態において退避位置へ向かう方向に自重が働いている。このため、メンテナンスカバー120を開く過程において、イメージスキャナ130が回転可能となった時から退避方向へのアシストとしてイメージスキャナ130の自重が働く。これにより、メンテナンスカバー120を開くときに、更なるユーザの作業的負担の軽減が可能となる。
【0063】
〔第4実施形態〕
次に第4実施形態に係る装置について図及び図9を参照して説明する。なお、本実施形態の装置の基本構成も前述した第1実施形態と同一であるため重複する説明は省略し、ここでは本実施形態の特徴となる構成について説明する。また、前述した実施形態と同一機能を有する部材には同一符号を付す。
【0064】
図8は第4実施形態に係る画像形成装置の斜視図であり、図9は画像形成装置の主縦断面図である。
【0065】
図9(a)に示すように、本実施形態の画像形成装置は、画像形成部の上部にイメージスキャナ130を配置し、画像形成部とイメージスキャナ130の間にメンテナンスカバー120を形成している。
【0066】
図9(a)において、イメージスキャナ130は、画像形成部に対してセット位置にあるときは、イメージスキャナ130に設けられたイメージスキャナラッチ90が装置本体に設けられた係止部91に係止して保持されている。
【0067】
メンテナンスカバー120は回転軸120aを中心とした回転運動が可能であり、ラッチ80を解除することで、上側へ開放可能となる。メンテナンスカバー120の第1の開放状態は、メンテナンスカバー120のアーム部120dに設けられた突起部120eがイメージスキャナラッチ90に突き当たるまでとなる。ここで、メンテナンスカバー120は突起部150を乗り上げて、突起部150に係止され、その状態が保持される。
【0068】
図9(b)はメンテナンスカバー120が第1の開放状態にあるときを示し、このとき使用頻度が高く、着脱回数が多いブラックの現像カートリッジ33Kにアクセス可能な状態となっている。
【0069】
使用者は、メンテナンスカバー120が前記第1の開放状態になったときに、初めてイメージスキャナラッチ90にアクセス可能となる。この状態でイメージスキャナラッチ90を押すと、イメージスキャナラッチ90は係止部91から係止解除される。そして、メンテナンスカバー120をさらに押し上げると、イメージスキャナ130の回転中心である回転軸130aの略鉛直上方にある重心gが画像形成装置の後側に移動し、イメージスキャナ130は自身で回転し、突当部(不図示)に突き当たってその姿勢を保持する。なお、第1の開放状態において、メンテナンスカバー120をさらに開くことによって、イメージスキャナラッチ90と係止部91との係止を解除可能に構成してもよい。
【0070】
イメージスキャナ130の回転中心をイメージスキャナ重心の略鉛直下部に配置したことにより、メンテナンスカバー120を開閉する際のユーザへの負荷を軽減している。
【0071】
図9(c)はメンテナンスカバー120の第2の開放状態を示し、このとき全開状態となって開口部をより大きく確保される。
【0072】
メンテナンスカバー120の閉動作にあっては、第2の開放状態からメンテナンスカバー120の閉動作を始めると、メンテナンスカバー120に設けられたボス120cがイメージスキャナ130のガイド面130cに突き当たる。ここから更に閉動作を続けると、ボス120cがイメージスキャナ130を閉方向に誘い込み、イメージスキャナ130に設けられたイメージスキャナラッチ90が回転し、メインフレーム110に設けられた係止部91に係止してロックされる。最終的な閉動作の終了は、ラッチ80がメインフレームにロックされた状態となる。
【0073】
以上のような構成を用いることにより、従来の構成での、メンテナンスに必要な一連の作業を簡略化し、ユーザの時間的・作業的負担の軽減を可能とする。
【0074】
〔第5実施形態〕
次に第5実施形態に係る装置について図10及び図11を参照して説明する。なお、本実施形態の装置の基本構成も前述した第1実施形態と同一であるため重複する説明は省略し、ここでは本実施形態の特徴となる構成について説明する。また、前述した実施形態と同一機能を有する部材には同一符号を付す。
【0075】
図10は第5実施形態に係る画像形成装置の斜視図であり、図11は画像形成装置の主縦断面図である。
【0076】
第1実施形態にあっては、メンテナンスカバー120の開閉に連動してイメージスキャナ130の全体が回動するように構成されていたが、本実施形態にあってはイメージスキャナ130の一部である操作パネル140が連動して回動するように構成されている。
【0077】
本実施形態のイメージスキャナ130には装置の動作設定を行う操作部である操作パネル140が設けられている。図11(a)において、操作パネル140は、画像形成部に対してセット位置にあり、スライド移動可能なロック部5を介して、リンクアーム4によって保持されている。このリンクアーム4は回転軸110aを中心にして回動可能に装置本体に取り付けられている。
【0078】
前記リンクアーム4の一方端に形成された長孔4aには操作パネル140のボス140aが係合している。またリンクアーム4の他方端に形成された長孔4bには、メンテナンスカバー120の端部に形成された作用部120bが係合している。そして、メンテナンスカバー120は回転軸120aを中心に回動可能に取り付けられている。
【0079】
前記作用部120bにはロック部5が当接している。ロック部5は、装置本体に対して付勢部材(押圧バネ等)によって付勢された三角形状をした押圧部を有し、2個の斜面部が作用部120bに圧接するように当接可能に取り付けられている。
【0080】
メンテナンスカバー120を開放するときは、ラッチ80を解除することで、上側へ開放可能となる。メンテナンスカバー120を上側へ開放すると、作用部120bと係合したリンクアーム4が回転軸110aを中心として回転し始め、このリンクアーム4の長孔4aと係合した操作パネル140は回転軸130aを中心として回転する。即ち、メンテナンスカバー120を上側へ開放すると、操作パネル140は連動してメンテナンスカバー120の移動軌跡上の第1位置から、該移動軌跡から退避した第2位置へ移動する。
【0081】
前記メンテナンスカバー120開閉の間、ロック部5はメンテナンスカバー120の端部に形成された作用部120bによって押圧されることになり、メンテナンスカバー120の全開状態、および閉状態の保持機構を有する。
【0082】
図11(b)はメンテナンスカバー120全開状態を示している。メンテナンスカバー120のみの操作で、これと連動して操作パネル140の退避を可能とし、メンテナンスカバー120の開口部を、より大きく確保することを可能にしている。この開口部から全カートリッジ着脱、画像形成ユニット200の着脱、ジャム処理等のメンテナンスを行うことができる。閉動作は、上記開動作と逆の手順をたどることになる。
【0083】
本実施形態においては、イメージスキャナ130内で移動可能に構成されており、移動することで原稿画像を読み取る画像読取手段を備えるキャリッジ(不図示)は、イメージスキャナ130の移動しない部分に設けられている。
【0084】
上記のように、本実施形態では、イメージスキャナ130全体を移動させるのではなく、メンテナンスカバー120から退避(移動)して欲しい一部分のみを移動させている。そして、イメージスキャナ130の一部が退避(移動)して形成された空間に、メンテナンスカバー120の少なくとも一部が位置する。このように、イメージスキャナ130の移動する部分である操作パネル以外の部分は、移動しない。これにより、イメージスキャナ130全体を移動する構成に比べ、メンテナンスカバー120を開閉する際のユーザへの負荷を軽減している。また、特にキャリッジ等のイメージスキャナ130内の部材が破損する虞を低減することができる。
【0085】
なお、メンテナンスカバー120を開閉するときに、これに連動してセット位置と退避位置に移動可能とするイメージスキャナ130の一部として、前述した操作パネル140に代えて、例えば装置の状態を表示する表示部を移動可能に構成してもよい。
【0086】
以上のような構成を用いることにより、従来の構成での、メンテナンスに必要な一連の作業を簡略化し、ユーザの時間的・作業的負担の軽減を可能とする。
【符号の説明】
【0087】
11 …レーザースキャナユニット
120 …メンテナンスカバー
130 …イメージスキャナ
140 …操作パネル
200 …画像形成ユニット
32 …感光ユニット
32a …感光体ドラム
33 …現像カートリッジ
33c …現像器
34 …中間転写ユニット
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成するための画像形成ユニットを装置本体に着脱可能な画像形成部と、原稿を読み取るためのイメージスキャナとを有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機等の画像形成装置にあっては、画像形成部の上部にイメージスキャナ部を配置し、イメージスキャナ部で原稿を読み取り、その情報を画像形成部で記録媒体に記録して排出する。このような画像形成装置にあって、電子写真方式の画像形成装置では電子写真感光体や現像器を一体的にユニット化し、装置本体に着脱可能とすることでメンテナンスを容易にしたものが多い。
【0003】
上記のような画像形成装置にあっては、画像形成ユニットを着脱するために装置本体のメンテナンスカバーを開閉する必要があるが、上方から画像形成ユニットへのアクセスを可能とするためにメンテナンスカバーを装置本体に上部に設けたものがある。この場合、上方に配置したイメージスキャナが固定されていると、メンテナンスカバーを開閉するために画像形成部とイメージスキャナ部との間に十分な空間を確保しなければならず、装置が大型化してしまう。
【0004】
そのため、装置本体を大型化せずにメンテナンスカバーを開閉できるように、イメージスキャナ部を装置本体から退避可能に構成し、メンテナンスカバーの開動作に連動してイメージスキャナを退避可能に構成したものもある(特許文献1)。このようにすることで、メンテナンス作業を行うときの操作を円滑に行うことが可能となる。
【0005】
しかし、特許文献1のような構成を備えた画像形成装置では、メンテナンスカバーの開動作の際には、メンテナンスカバーにイメージスキャナ部を連動させているが、閉動作の際に連動させる構成とはなっていない。このため、ユーザはメンテナンスカバーを閉じた後で更にイメージスキャナ部を閉じる必要があり、操作性が良くない。
【0006】
そこで、メンテナンスカバーの開動作に連動してイメージスキャナ部が開き、且つ、メンテナンスカバーの閉動作に連動してイメージスキャナ部を閉じるよう構成したものがある(特許文献2)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−134301
【特許文献2】特開2009−53315
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献2の画像形成装置では、メンテナンスカバーを開く際に、メンテナンスカバーの開き始めからイメージスキャナ部が連動して開く構成となっている。このため、メンテナンスカバーを少しだけ開けばメンテナンス作業を行うことができるような時でも、イメージスキャナ部を移動させるため、ユーザの負荷が大きくなる。また、イメージスキャナ部が移動する頻度が高くなるため、移動の際の衝撃でイメージスキャナ部内の部材が破損しやすかったりする。
【0009】
そこで、本発明は、イメージスキャナ部をメンテナンスカバーの開閉動作に連動させて移動させる上で、イメージスキャナ部の移動頻度を低下することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための本発明に係る代表的な構成は、装置本体に対して開閉可能なカバー部材と、原稿の画像を読み取るための画像読取部であって、第1位置と前記第1位置よりも画像形成部から退避した第2位置とに移動可能な画像読取部と、を有し、記録媒体に画像を形成する画像形成装置において、前記カバー部材は装置本体に対して開いた第1開位置と、前記第1開位置からさらに装置本体に対して開いた第2開位置とに移動可能であり、前記画像読取部は、前記カバー部材が装置本体に対して閉じた閉位置から前記第2開位置へ向かう移動に連動して、前記第1位置から前記第2位置に移動可能で、前記カバー部材の前記第2開位置から前記閉位置へ向かう移動に連動して前記第2位置から前記第1位置に移動可能であり、前記画像読取部は、前記カバー部材が前記閉位置から前記第1開位置へ移動させられる間は前記第1位置にあり、前記画像読取部は、前記カバー部材が前記第1開位置から前記第2開位置へ移動させられる間に、前記カバー部材に連動して前記第1位置から前記第2位置に移動することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明にあっては、メージスキャナ部をメンテナンスカバーの開閉動作に連動させて移動させる上で、イメージスキャナ部の移動頻度を低下させることができる。このため、装置を大型化することなく、メンテナンス作業を行う際の操作性が向上し、作業者への負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】概略構成の画像形成装置の外観斜視図
【図2】概略構成の画像形成装置の主縦断面図
【図3】画像形成ユニットの主縦断面図
【図4】画像形成装置の斜視図
【図5】画像形成装置の主縦断面図
【図6】画像形成装置の主縦断面図
【図7】画像形成装置の主縦断面図
【図8】画像形成装置の斜視図
【図9】画像形成装置の主縦断面図
【図10】画像形成装置の斜視図
【図11】画像形成装置の主縦断面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
〔第1実施形態〕
次に本発明に係る画像形成装置を実施するための形態について、図面を参照して具体的に説明する。
【0014】
<画像形成装置の全体構成>
画像形成装置の全体的な概略構成について図1乃至図3を用いて説明する。
【0015】
図1は本実施形態の画像形成装置100の外観斜視図、図2は画像形成装置100の主縦断面図、図3は画像形成ユニット200の主縦断面図である。この画像形成装置は、電子写真プロセスを用いた、4色フルカラーのレーザープリンタであり、パソコン・イメージスキャナ(イメージリーダ)・相手方ファクシミリ装置等の外部ホスト装置(不図示)から入力する電気的画像信号に基づいて記録媒体(シート)に対する画像形成を実行する。
【0016】
以下の説明において、画像形成装置(装置本体とも記す)に関して、前側(正面側)とは給送ユニット18を引き出す方向の側である。後側とはそれとは反対側である。上側とは、メンテナンスカバー120の開時方向である。なお、図3において、上述の前側、後側、上側を記載している。また、前後方向とは、装置本体後側から前側に向かう方向(前方向)と、その逆の方向(後方向)である。左右とは装置本体を前側から見て左または右である。左右方向とは、右から左に向かう方向(左方向)と、その逆の方向(右方向)である。
【0017】
本実施形態の画像形成装置は、画像形成ユニットを着脱可能に装着し、静電写真プロセスを使った画像形成部の上部に、原稿を読み取る画像読取部であるイメージスキャナを設けたものである。ここで、静電写真プロセスを使った画像形成装置の例としては、例えば電子写真複写機、電子写真プリンタ(例えばレーザービームプリンタ、LEDプリンタ等)、フアクシミリ装置及びワードプロセッサ等が含まれる。
【0018】
また、画像形成ユニットとは、現像器と、電子写真感光体と、中間転写体が一体化したユニットであり、このユニットを画像形成装置本体に対して着脱可能とするものである。
【0019】
画像形成ユニットは、使用者自身によって画像形成装置本体に対する着脱を行うことができる為、装置本体のメンテナンスを容易に行うことができるものである。
【0020】
本実施形態の装置本体は、メインフレーム110と、上側にイメージスキャナ130と、それを操作する操作パネル140と、装置本体内をメンテナンスする際に開閉可能なカバー部材であるメンテナンスカバー120とを有する。
【0021】
装置本体内には、画像形成するための画像形成ユニット200を有する。画像形成ユニット200は、画像形成装置100のメインフレーム110に着脱可能なサブフレーム31と、感光ユニット32と、中間転写ユニット34とを有し、装置本体に対して着脱可能に構成されている。感光ユニット32は、サブフレーム31に所定の間隔で配置される。感光ユニット32は、サブフレーム31に回転可能に取り付けられ、感光ユニット32から現像剤像を転写してきてその現像剤像をメインフレームの記録媒体に転写する。
【0022】
サブフレーム31は、中間転写ユニット34を支持する中間転写枠体31aと、複数の感光ユニット32を支持する感光体支持ユニット31bと、現像カートリッジ33を支持する現像器連結ユニット31cとを有する。
【0023】
感光ユニット32は、電子写真感光体としての感光体ドラム32aと、このドラムに作用するプロセス手段としての帯電ローラ32bと、感光体ドラム32aの表面に残った現像剤を除去するクリーニング器32cとを有する。そして、これらを収容した感光体ケース32dがサブフレーム31の感光体支持ユニット31bに連結される。この感光ユニット32は、中間転写ユニット34に対して複数、所定の間隔で配置される。
【0024】
現像カートリッジ33は、現像器連結ユニット31cに連結される現像器ケース33aと、現像器ケース33aの一端に設けられた現像ローラ33bと、現像剤を収容する現像器33cと、現像ローラ33bに現像剤を供給する供給ローラ33dと、を有する。
【0025】
現像カートリッジ33はサブフレーム31に対して着脱可能である。現像器連結ユニット31cは、感光体ドラム32aに現像ローラ33bが接触的に連結するように、現像カートリッジ33を感光ユニット32に対してガイドする。そして現像器連結ユニット31cは、現像カートリッジ33の位置が安定的に維持されるように支持する。
【0026】
現像器連結ユニット31cの前方部には、レーザースキャナユニット11を配設してある。このスキャナユニット11は、外部ホスト装置から入力する各色の画像情報に対応して変調したレーザー光Lを出力し、各感光体ドラム32aを走査露光する。
【0027】
中間転写ユニット34の下方部には、給送ユニット18を配設してある。この給送ユニット18は、給送トレイ19、給送ローラ20、分離パッド21等を有する。給送ユニット18は装置本体前側から出し入れ自由である(フロントローデング)。
【0028】
装置本体内の後側の上部には、定着装置23と、排出ローラ対24を配設してある。装置本体の上面は排出トレイ25にしてある。定着装置23は定着フィルムユニット23aと加圧ローラ23bを有するものを用いている。排出ローラ対24は排出ローラ24aと排出コロ24bである。
【0029】
画像形成に際しては、各感光ユニット32の感光体ドラム32aが図3の矢印に示す時計回り方向に所定の制御速度で回転駆動され、スキャナユニット11からの画信号に応じた露光により静電潜像が形成される。4個配置された各感光体ドラム32aは、下側から上側に順にイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の静電潜像が形成される。そして、これに対応した色トナーによって各色トナー像に現像され、そのトナー像が中間転写ユニット34に順次一次転写されてフルカラー画像が形成される。
【0030】
一方、前記画像形成に同期して給送ローラ20が駆動され、給送トレイ19上に積載されている記録媒体であるシートPが1枚分離給送されて、二次転写ローラ22と中間転写ユニット34とのニップ部に搬送される。このニップ部において中間転写ユニット34上のトナー像がシートPに二次転写される。その後、シートは定着装置23へ導入されてトナー像が定着された後、排出ローラ対24によって排出トレイ25に排出される。
【0031】
<イメージスキャナの開閉構成>
次に図4及び図5を参照してイメージスキャナ130の開閉構成について説明する。なお、図4は本実施形態に係る画像形成装置の斜視図であり、図5は画像形成装置の主縦断面図である。
【0032】
図4及び図5(a)に示すように、画像形成部の上部に画像読み取り部としてのイメージスキャナ130が配置されている。そして、画像形成部とイメージスキャナ130の間にメンテナンスカバー120が設けられている。
【0033】
このイメージスキャナ130は、連動機構によってメンテナンスカバー120の開閉に連動して移動可能である。イメージスキャナ130は、メンテナンスカバー120を閉じているときは原稿読み取り可能な正規のセット位置にあり、メンテナンスカバー120を開くとこれに連動してセット位置から退避位置に移動する。これによりメンテナンスカバー120を大きく開くことができるようになる。そして、イメージスキャナ130は、メンテナンスカバー120を閉じると、これに連動して前記セット位置に移動するように構成されている。
【0034】
ここで、メンテナンスカバー120の開動作に連動してイメージスキャナ130を前記退避位置に移動させ、閉動作に連動して前記セット位置に移動させる連動機構の構成について、具体的に説明する。
【0035】
イメージスキャナ130は、メンテナンスカバー120が閉じた状態(メンテナンスカバー120が閉位置にある状態)では、図5(a)に示すように、画像形成部に対して正規の位置(セット位置)にある。このとき、メンテナンスカバー120は、画像形成装置の上下方向にスライド可能なリンクガイド40によって支持されている。そして、リンクガイド40は画像形成装置の前後方向にスライド可能なアーム50によって移動が規制されている。
【0036】
メンテナンスカバー120は回転軸120aを中心として回動可能であり、ラッチ80の係止を解除することで、上側へ開放可能となる。メンテナンスカバー120の第1の開放状態は、メンテナンスカバー120の一方側端部に設けられた作用部120bがリンクガイド40に突き当たった状態である。ここで、リンクガイド40は下端がL字状に屈曲形成され、作用部120bは前記屈曲部分に当接する。そして、作用部120bが突起部150を乗り越えてリンクガイド40に当接するまで開くと、メンテナンスカバー120は突起部150に係止され、その状態(第1の開放状態)に保持される。すなわち、メンテナンスカバー120は、完全に開く途中の保持位置(第1開位置)において、突起部150によって第1の開放状態に保持される。突起部150は、装置本体に対して付勢部材(押圧バネ等)によって付勢された三角形状をした押圧部を有し、2個の斜面部が作用部120bに圧接するように当接可能に取り付けられている。
【0037】
図5(b)は、メンテナンスカバー120が第1の開放状態のときを示すものである。この状態のときに、使用者が使用頻度が高く、着脱回数が多いブラックの現像カートリッジ33Kにアクセスできるように4個の現像カートリッジのうち、ブラックの現像カートリッジ33Kが最も上方に配置されている。ここで画像形成ユニット200は上方に回動可能に構成されている。このため、第1の開放状態では、画像形成ユニット200を回動させて、使用頻度の高いブラックの現像カートリッジ33Kはメンテナンスカバー120を完全に開かなくても交換することができる。
【0038】
装置本体内にはメンテナンスカバー120が第1の開放状態になったとき使用者が初めてアクセス可能となる解除ボタン70が設けられている。すなわち、イメージスキャナ130はメンテナンスカバー120が閉じているときはロック機構によって移動がロックされている。そして、前記解除ボタン70はメンテナンスカバー120を開く途中でリンクガイド40の移動ロックを解除するロック解除機構の操作部を構成するものである。このロック機構及びロック解除機構の構成を具体的に説明すると、図5(b)に示す様態では、アーム50は引っ張りバネ60によって装置本体の後方向に付勢され、その一方端部がリンクガイド40に形成された溝40aに嵌入している。このため、リンクガイド40は移動が規制され、ロックされた状態となっている。
【0039】
アーム50は前後方向にスライド可能に取り付けられ、解除ボタン70が設けられた側の端部には傾斜部50aが形成されている。そして、使用者が第1の開放状態になってアクセス可能となった操作部である解除ボタン70を下側に押すと、傾斜部50aが押されてアーム50が前側にスライドする。このため、溝40aに嵌入していたアーム先端が溝40aから外れ、ロック解除となってリンクガイド40が上下移動可能となる。
【0040】
リンクガイド40がロック解除状態で、メンテナンスカバー120をさらに開くと、メンテナンスカバー120の端部に設けられた作用部120bが、突起部150を乗り越えつつ、リンクガイド40を下方向に押し下げ始める。
【0041】
イメージスキャナ130は回転軸130aを中心に回動可能に取り付けられ、リンクボス130bがリンクガイド40の上端に形成されたリンク穴40cと係合している。そして、イメージスキャナ130の回転中心である回転軸130aは、イメージスキャナ130の重心位置gの略鉛直方向下方になるように配置されている。これにより、リンクガイド40が下方へ移動してリンクボス130bが下方へ引かれると、イメージスキャナ130の重心gは、図5(c)に示すように、回転軸130aよりも画像形成装置の後側に位置するリンクボス130b側に移動する。このため、イメージスキャナ130は回転軸130aを中心に自重によって時計回り方向に回転する。
【0042】
リンクガイド40には、図5(c)に示すように、溝40aとリンク穴40cの間の所定位置に係止部40bが突出形成されている。自重により回転したイメージスキャナ130は、アーム50の先端が前記係止部40bに突き当たると回転が規制され、後方に退避した姿勢が保持される。
【0043】
本実施形態にあっては、前述したようにメンテナンスカバー120を閉じた状態で、イメージスキャナ130の回転軸130aをイメージスキャナ130の重心gの略鉛直下方に配置している。このため、イメージスキャナ130は中立状態からの回転動作となり、メンテナンスカバー120を開閉する際のユーザへの負荷が軽減される。
【0044】
図5(c)はメンテナンスカバー120を全開した状態であり、これを第2の開放状態とし、メンテナンスカバー120の開口部をより大きく確保することを可能にしている。第2の開放状態のときも、メンテナンスカバー120は第2開位置で突起部150に係止され、その状態が保持される。この状態で、画像形成ユニット200は更に上方に回動可能である。このため、開口部からイエロー、マゼンタ、シアンの各現像カートリッジ33Y、M、C、および画像形成ユニット200の着脱、ジャム処理等のメンテナンスを行うことが可能となっている。
【0045】
なお、本実施形態では第1の開放状態でブラックの現像カートリッジ33Kを着脱可能とし、第2の開放状態でそれ以外の現像カートリッジ33Y、M、Cを着脱可能とした。しかし、第1の開放状態で全カートリッジ着脱可能とし、第2の開放状態で画像形成ユニット200着脱可能とする構成にしても良い。また、第1の開放状態において、装置本体内部のジャム処理や、メモリカード等の交換を可能に構成しても良い。また、第1の開放状態において、メンテナンスカバー120をさらに開くことによって、イメージスキャナ130の移動をロックするロック機構のロック解除可能な構成にしてもよい。
【0046】
このように本実施形態では、第1の開放状態でメンテナンスカバー120を保持し、ロック機構でロックすることで、この第1の開放状態でメンテナンス作業を行うことが可能であることをユーザに伝えることができる。また、ユーザが、不必要に第2の開放状態になるまでメンテナンスカバー120を開いてしまうことを避けることができる。
【0047】
また、本実施形態では、イメージスキャナ130の画像読み取り動作を制御する読取制御部(不図示)を有している。そして、この読取制御部は、画像を読み取り中に、メンテナンスカバー120が開かれた場合、メンテナンスカバー120が閉位置と第1開位置の間にある時は、画像の読み取り動作を停止しないよう制御してもよい。このようにすることで、イメージスキャナ130による画像の読み取り動作を不必要に停止することを低減し、ユーザビリティを向上することができる。
【0048】
次に、メンテナンスカバー120を閉じるときの動作を説明する。
【0049】
メンテナンスカバー120にはアーム部120dが形成され、このアーム部120dの端部付近にボス120cが突出形成されている。一方、イメージスキャナ130の下部には前記ボス120cと係合可能なガイド面130cが形成されている。
【0050】
メンテナンスカバー120が第2の開放状態から閉動作を始めると、メンテナンスカバー120に設けられたボス120cがイメージスキャナ130のガイド面130cに突き当たる。ここから更にメンテナンスカバー120を閉じていくと、ボス120cがガイド面130cに当接してイメージスキャナ130を閉方向に誘い込み、イメージスキャナ130が回転軸130aを中心に、図5(c)の反時計回り方向に回転する。これにより、イメージスキャナ130が退避状態から復帰する。
【0051】
そして、イメージスキャナ130が退避状態から復帰すると、リンクボス130bと係合したリンクガイド40が上方へスライド移動する。これにより、アーム50の先端が、リンクガイド40に設けられた溝40aに入り込み、この状態でリンクガイド40の移動が規制される。この状態でラッチ80がロック可能となり、メンテナンスカバー120の最終的な閉動作が終了する。
【0052】
なお、メンテナンスカバー120の開閉に連動して、画像形成ユニット200を回動させるような画像形成ユニット移動機構を設けてもよい。この場合、画像形成ユニット移動機構は、メンテナンスカバー120を開くにつれて、メンテナンスカバー120を開くことにより開閉される開口部に向かって現像カートリッジ33が移動するよう画像形成ユニットを移動させる。
【0053】
本実施形態では、メンテナンスカバー120を開いて、閉じた状態から第1の開放状態にする間は、イメージスキャナ130は画像形成部に対して正規の位置(セット位置)にあり、移動しない。そして、メンテナンスカバー120を更に開いて第1開放状態から第2開放状態にする間は、イメージスキャナ130は画像形成部に対して正規の位置(セット位置)から退避した位置に移動する。そして、第1の開放状態においては、現像カートリッジ33K等の装置本体に複数装着されたカートリッジのうちの一部のみやメモリカード等を交換可能としたり、ジャム処理可能としたりしている。
【0054】
本実施形態では、以上のような構成を用いることにより、イメージスキャナ130の移動頻度を下げて、メンテナンスに必要な一連の作業を簡略化し、ユーザの時間的・作業的負担の軽減が可能となるものである。即ち、第1の開放状態にする際は、ユーザはイメージスキャナ130を退避させる必要がなくなるので、時間的・作業的負荷を軽減することができる。また、退避の際の衝撃でイメージスキャナ部内の部材が破損することや、ヒンジ部や、ヒンジ部付近に設けられイメージスキャナ130と装置本体とを電気的に繋ぐ束線等が傷む虞れを低減することができる。
【0055】
なお、本実施形態では、画像形成装置として電子写真プロセスを用いた4色フルカラーのレーザープリンタを用いて説明したが、本発明はインクジェット等の他の画像形成方式のプリンタにも適用することが可能である。
【0056】
〔第2実施形態〕
次に第2実施形態に係る装置について図6を参照して説明する。なお、本実施形態の装置の基本構成は前述した第1実施形態と同一であるため重複する説明は省略し、ここでは本実施形態の特徴となる構成について説明する。また、前述した実施形態と同一機能を有する部材には同一符号を付す。
【0057】
図6は第2実施形態に係る画像形成装置の主縦断面図であり、メンテナンスカバー120とイメージスキャナ130の一連の動作を示した図である。
【0058】
第1実施形態がイメージスキャナ130の重心gを、回転軸130aの鉛直下方に配置したのに対し、本実施形態ではイメージスキャナ130の重心gを、回転軸130aより本体前方に位置するように配置している。これにより、メンテナンスカバー120を開くことでイメージスキャナ130がセット位置から退避位置に移動する過程において、イメージスキャナ130の重心位置が回転中心130aの鉛直線上を通過する。このとき、前記重心が前記回転中心130aの一方側から他方側に移動するときに、イメージスキャナ130の自重によるトグル機構となる。
【0059】
このように、第2実施形態では、第1実施形態同様に、イメージスキャナ130の移動頻度を下げて、メンテナンスに必要な一連の作業を簡略化し、ユーザの時間的・作業的負担の軽減が可能となるものである。さらに、上述のトグル機構のため、イメージスキャナ130が回転可能となってから、回転運動を始めるまでの間、イメージスキャナ130のバランスを本体前方のセット位置に保つことができる。従って、動作力を小さくして安定した状態からのカバー開動作を始めることが可能となる。
【0060】
〔第3実施形態〕
次に第3実施形態に係る装置について図7を参照して説明する。なお、本実施形態の装置の基本構成も前述した第1実施形態と同一であるため重複する説明は省略し、ここでは本実施形態の特徴となる構成について説明する。また、前述した実施形態と同一機能を有する部材には同一符号を付す。
【0061】
図7は第3実施形態に係る画像形成装置の主縦断面図であり、メンテナンスカバー120とイメージスキャナ130の一連の動作を示した図である。
【0062】
第1実施形態がイメージスキャナ130の重心gを、回転軸130aの鉛直下に配置したのに対し、本実施形態ではイメージスキャナ130の重心gを、回転軸130aより本体後方に配置したものである。このように構成することで、イメージスキャナ130はセット位置にある状態において退避位置へ向かう方向に自重が働いている。このため、メンテナンスカバー120を開く過程において、イメージスキャナ130が回転可能となった時から退避方向へのアシストとしてイメージスキャナ130の自重が働く。これにより、メンテナンスカバー120を開くときに、更なるユーザの作業的負担の軽減が可能となる。
【0063】
〔第4実施形態〕
次に第4実施形態に係る装置について図及び図9を参照して説明する。なお、本実施形態の装置の基本構成も前述した第1実施形態と同一であるため重複する説明は省略し、ここでは本実施形態の特徴となる構成について説明する。また、前述した実施形態と同一機能を有する部材には同一符号を付す。
【0064】
図8は第4実施形態に係る画像形成装置の斜視図であり、図9は画像形成装置の主縦断面図である。
【0065】
図9(a)に示すように、本実施形態の画像形成装置は、画像形成部の上部にイメージスキャナ130を配置し、画像形成部とイメージスキャナ130の間にメンテナンスカバー120を形成している。
【0066】
図9(a)において、イメージスキャナ130は、画像形成部に対してセット位置にあるときは、イメージスキャナ130に設けられたイメージスキャナラッチ90が装置本体に設けられた係止部91に係止して保持されている。
【0067】
メンテナンスカバー120は回転軸120aを中心とした回転運動が可能であり、ラッチ80を解除することで、上側へ開放可能となる。メンテナンスカバー120の第1の開放状態は、メンテナンスカバー120のアーム部120dに設けられた突起部120eがイメージスキャナラッチ90に突き当たるまでとなる。ここで、メンテナンスカバー120は突起部150を乗り上げて、突起部150に係止され、その状態が保持される。
【0068】
図9(b)はメンテナンスカバー120が第1の開放状態にあるときを示し、このとき使用頻度が高く、着脱回数が多いブラックの現像カートリッジ33Kにアクセス可能な状態となっている。
【0069】
使用者は、メンテナンスカバー120が前記第1の開放状態になったときに、初めてイメージスキャナラッチ90にアクセス可能となる。この状態でイメージスキャナラッチ90を押すと、イメージスキャナラッチ90は係止部91から係止解除される。そして、メンテナンスカバー120をさらに押し上げると、イメージスキャナ130の回転中心である回転軸130aの略鉛直上方にある重心gが画像形成装置の後側に移動し、イメージスキャナ130は自身で回転し、突当部(不図示)に突き当たってその姿勢を保持する。なお、第1の開放状態において、メンテナンスカバー120をさらに開くことによって、イメージスキャナラッチ90と係止部91との係止を解除可能に構成してもよい。
【0070】
イメージスキャナ130の回転中心をイメージスキャナ重心の略鉛直下部に配置したことにより、メンテナンスカバー120を開閉する際のユーザへの負荷を軽減している。
【0071】
図9(c)はメンテナンスカバー120の第2の開放状態を示し、このとき全開状態となって開口部をより大きく確保される。
【0072】
メンテナンスカバー120の閉動作にあっては、第2の開放状態からメンテナンスカバー120の閉動作を始めると、メンテナンスカバー120に設けられたボス120cがイメージスキャナ130のガイド面130cに突き当たる。ここから更に閉動作を続けると、ボス120cがイメージスキャナ130を閉方向に誘い込み、イメージスキャナ130に設けられたイメージスキャナラッチ90が回転し、メインフレーム110に設けられた係止部91に係止してロックされる。最終的な閉動作の終了は、ラッチ80がメインフレームにロックされた状態となる。
【0073】
以上のような構成を用いることにより、従来の構成での、メンテナンスに必要な一連の作業を簡略化し、ユーザの時間的・作業的負担の軽減を可能とする。
【0074】
〔第5実施形態〕
次に第5実施形態に係る装置について図10及び図11を参照して説明する。なお、本実施形態の装置の基本構成も前述した第1実施形態と同一であるため重複する説明は省略し、ここでは本実施形態の特徴となる構成について説明する。また、前述した実施形態と同一機能を有する部材には同一符号を付す。
【0075】
図10は第5実施形態に係る画像形成装置の斜視図であり、図11は画像形成装置の主縦断面図である。
【0076】
第1実施形態にあっては、メンテナンスカバー120の開閉に連動してイメージスキャナ130の全体が回動するように構成されていたが、本実施形態にあってはイメージスキャナ130の一部である操作パネル140が連動して回動するように構成されている。
【0077】
本実施形態のイメージスキャナ130には装置の動作設定を行う操作部である操作パネル140が設けられている。図11(a)において、操作パネル140は、画像形成部に対してセット位置にあり、スライド移動可能なロック部5を介して、リンクアーム4によって保持されている。このリンクアーム4は回転軸110aを中心にして回動可能に装置本体に取り付けられている。
【0078】
前記リンクアーム4の一方端に形成された長孔4aには操作パネル140のボス140aが係合している。またリンクアーム4の他方端に形成された長孔4bには、メンテナンスカバー120の端部に形成された作用部120bが係合している。そして、メンテナンスカバー120は回転軸120aを中心に回動可能に取り付けられている。
【0079】
前記作用部120bにはロック部5が当接している。ロック部5は、装置本体に対して付勢部材(押圧バネ等)によって付勢された三角形状をした押圧部を有し、2個の斜面部が作用部120bに圧接するように当接可能に取り付けられている。
【0080】
メンテナンスカバー120を開放するときは、ラッチ80を解除することで、上側へ開放可能となる。メンテナンスカバー120を上側へ開放すると、作用部120bと係合したリンクアーム4が回転軸110aを中心として回転し始め、このリンクアーム4の長孔4aと係合した操作パネル140は回転軸130aを中心として回転する。即ち、メンテナンスカバー120を上側へ開放すると、操作パネル140は連動してメンテナンスカバー120の移動軌跡上の第1位置から、該移動軌跡から退避した第2位置へ移動する。
【0081】
前記メンテナンスカバー120開閉の間、ロック部5はメンテナンスカバー120の端部に形成された作用部120bによって押圧されることになり、メンテナンスカバー120の全開状態、および閉状態の保持機構を有する。
【0082】
図11(b)はメンテナンスカバー120全開状態を示している。メンテナンスカバー120のみの操作で、これと連動して操作パネル140の退避を可能とし、メンテナンスカバー120の開口部を、より大きく確保することを可能にしている。この開口部から全カートリッジ着脱、画像形成ユニット200の着脱、ジャム処理等のメンテナンスを行うことができる。閉動作は、上記開動作と逆の手順をたどることになる。
【0083】
本実施形態においては、イメージスキャナ130内で移動可能に構成されており、移動することで原稿画像を読み取る画像読取手段を備えるキャリッジ(不図示)は、イメージスキャナ130の移動しない部分に設けられている。
【0084】
上記のように、本実施形態では、イメージスキャナ130全体を移動させるのではなく、メンテナンスカバー120から退避(移動)して欲しい一部分のみを移動させている。そして、イメージスキャナ130の一部が退避(移動)して形成された空間に、メンテナンスカバー120の少なくとも一部が位置する。このように、イメージスキャナ130の移動する部分である操作パネル以外の部分は、移動しない。これにより、イメージスキャナ130全体を移動する構成に比べ、メンテナンスカバー120を開閉する際のユーザへの負荷を軽減している。また、特にキャリッジ等のイメージスキャナ130内の部材が破損する虞を低減することができる。
【0085】
なお、メンテナンスカバー120を開閉するときに、これに連動してセット位置と退避位置に移動可能とするイメージスキャナ130の一部として、前述した操作パネル140に代えて、例えば装置の状態を表示する表示部を移動可能に構成してもよい。
【0086】
以上のような構成を用いることにより、従来の構成での、メンテナンスに必要な一連の作業を簡略化し、ユーザの時間的・作業的負担の軽減を可能とする。
【符号の説明】
【0087】
11 …レーザースキャナユニット
120 …メンテナンスカバー
130 …イメージスキャナ
140 …操作パネル
200 …画像形成ユニット
32 …感光ユニット
32a …感光体ドラム
33 …現像カートリッジ
33c …現像器
34 …中間転写ユニット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体に対して開閉可能なカバー部材と、
原稿の画像を読み取るための画像読取部であって、第1位置と前記第1位置よりも画像形成部から退避した第2位置とに移動可能な画像読取部と、
を有し、記録媒体に画像を形成する画像形成装置において、
前記カバー部材は装置本体に対して開いた第1開位置と、前記第1開位置からさらに装置本体に対して開いた第2開位置とに移動可能であり、
前記画像読取部は、前記カバー部材が装置本体に対して閉じた閉位置から前記第2開位置へ向かう移動に連動して、前記第1位置から前記第2位置に移動可能で、前記カバー部材の前記第2開位置から前記閉位置へ向かう移動に連動して前記第2位置から前記第1位置に移動可能であり、
前記画像読取部は、前記カバー部材が前記閉位置から前記第1開位置へ移動させられる間は前記第1位置にあり、
前記画像読取部は、前記カバー部材が前記第1開位置から前記第2開位置へ移動させられる間に、前記カバー部材に連動して前記第1位置から前記第2位置に移動することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
装置本体内部に画像形成するためのカートリッジを複数着脱可能であり、前記カバー部材が前記第1開位置にある時に前記複数のカートリッジのうちの一部のみが着脱可能であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記カバー部材を装置本体に対して開くことによって開放される開口部と、装置本体内部に装着された前記複数のカートリッジを装置本体内部で移動させる移動手段と、を有し、
前記移動手段は、前記カバー部材の前記閉位置から前記第1開位置へ向かう移動に連動して、前記複数のカートリッジを前記開口部に向かって移動させることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記カバー部材が前記第2開位置にある時に前記複数のカートリッジの全てが着脱可能であることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記画像読取部の移動は回転軸を中心にした回動であり、
前記画像読取部の前記回転軸は、前記画像読取部の重心の略鉛直方向下方にあることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記画像読取部が前記第1位置から前記第2位置に移動する間に、前記画像読取部の重心が前記回転軸の鉛直上方を通過することを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記カートリッジは、感光体に形成した潜像を現像剤により現像する現像器を備えることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項8】
装置本体に対して開閉して装置本体内部を開放可能なカバー部材と、
原稿の画像を読み取るための画像読取部であって、第1位置と前記第1位置よりも画像形成部から退避した第2位置とに移動可能な画像読取部と、
を有し、画像形成するためのカートリッジを装置本体内部に複数装着して記録媒体に画像を形成する画像形成装置において、
前記カバー部材は装置本体に対して開いた第1開位置と、前記第1開位置からさらに装置本体に対して開いた第2開位置とに移動可能であり、
前記画像読取部は、前記カバー部材が装置本体に対して閉じた閉位置から前記第1開位置へ移動させられる間は前記第1位置にあり、
前記画像読取部は、前記カバー部材が前記第1開位置から前記第2開位置へ移動させられる間に、前記カバー部材に連動して前記第1位置から前記第2位置に移動し、
前記カバー部材が前記第1開位置にある時、前記複数のカートリッジのうちの一部のみを着脱可能であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
前記カバー部材が前記第2開位置にある時に前記複数のカートリッジの全てが着脱可能であることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
装置本体に対して開閉可能なカバー部材と、
原稿の画像を読み取るための画像読取部と、
を有し、記録媒体に画像を形成する画像形成装置において、
前記画像読取部の一部は第1位置と第2位置とに移動可能であり、
前記画像読取部の一部は、前記カバー部材が装置本体に対して閉じた閉位置から装置本体に対して開いた開位置へ向かう移動に連動して、前記第1位置から前記第2位置に移動可能であり、
前記開位置にある前記カバー部材の少なくとも一部は、前記第1位置から前記第2位置に移動することによって形成された空間に位置していることを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
前記画像読取部の一部は、操作部を有することを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記画像読取部の一部は、表示部を有することを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項1】
装置本体に対して開閉可能なカバー部材と、
原稿の画像を読み取るための画像読取部であって、第1位置と前記第1位置よりも画像形成部から退避した第2位置とに移動可能な画像読取部と、
を有し、記録媒体に画像を形成する画像形成装置において、
前記カバー部材は装置本体に対して開いた第1開位置と、前記第1開位置からさらに装置本体に対して開いた第2開位置とに移動可能であり、
前記画像読取部は、前記カバー部材が装置本体に対して閉じた閉位置から前記第2開位置へ向かう移動に連動して、前記第1位置から前記第2位置に移動可能で、前記カバー部材の前記第2開位置から前記閉位置へ向かう移動に連動して前記第2位置から前記第1位置に移動可能であり、
前記画像読取部は、前記カバー部材が前記閉位置から前記第1開位置へ移動させられる間は前記第1位置にあり、
前記画像読取部は、前記カバー部材が前記第1開位置から前記第2開位置へ移動させられる間に、前記カバー部材に連動して前記第1位置から前記第2位置に移動することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
装置本体内部に画像形成するためのカートリッジを複数着脱可能であり、前記カバー部材が前記第1開位置にある時に前記複数のカートリッジのうちの一部のみが着脱可能であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記カバー部材を装置本体に対して開くことによって開放される開口部と、装置本体内部に装着された前記複数のカートリッジを装置本体内部で移動させる移動手段と、を有し、
前記移動手段は、前記カバー部材の前記閉位置から前記第1開位置へ向かう移動に連動して、前記複数のカートリッジを前記開口部に向かって移動させることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記カバー部材が前記第2開位置にある時に前記複数のカートリッジの全てが着脱可能であることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記画像読取部の移動は回転軸を中心にした回動であり、
前記画像読取部の前記回転軸は、前記画像読取部の重心の略鉛直方向下方にあることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記画像読取部が前記第1位置から前記第2位置に移動する間に、前記画像読取部の重心が前記回転軸の鉛直上方を通過することを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記カートリッジは、感光体に形成した潜像を現像剤により現像する現像器を備えることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項8】
装置本体に対して開閉して装置本体内部を開放可能なカバー部材と、
原稿の画像を読み取るための画像読取部であって、第1位置と前記第1位置よりも画像形成部から退避した第2位置とに移動可能な画像読取部と、
を有し、画像形成するためのカートリッジを装置本体内部に複数装着して記録媒体に画像を形成する画像形成装置において、
前記カバー部材は装置本体に対して開いた第1開位置と、前記第1開位置からさらに装置本体に対して開いた第2開位置とに移動可能であり、
前記画像読取部は、前記カバー部材が装置本体に対して閉じた閉位置から前記第1開位置へ移動させられる間は前記第1位置にあり、
前記画像読取部は、前記カバー部材が前記第1開位置から前記第2開位置へ移動させられる間に、前記カバー部材に連動して前記第1位置から前記第2位置に移動し、
前記カバー部材が前記第1開位置にある時、前記複数のカートリッジのうちの一部のみを着脱可能であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
前記カバー部材が前記第2開位置にある時に前記複数のカートリッジの全てが着脱可能であることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
装置本体に対して開閉可能なカバー部材と、
原稿の画像を読み取るための画像読取部と、
を有し、記録媒体に画像を形成する画像形成装置において、
前記画像読取部の一部は第1位置と第2位置とに移動可能であり、
前記画像読取部の一部は、前記カバー部材が装置本体に対して閉じた閉位置から装置本体に対して開いた開位置へ向かう移動に連動して、前記第1位置から前記第2位置に移動可能であり、
前記開位置にある前記カバー部材の少なくとも一部は、前記第1位置から前記第2位置に移動することによって形成された空間に位置していることを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
前記画像読取部の一部は、操作部を有することを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記画像読取部の一部は、表示部を有することを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−145658(P2011−145658A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−266475(P2010−266475)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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