説明

画像形成装置

【課題】中間転写体上で重ねられた複数のトナー像が記録媒体に転写されたときに最上層となるトナーの色成分の低下が抑制される画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置100は、最表面層にフッ素系樹脂粒子と該フッ素系樹脂粒子の分散助剤を含むとともに下記式(1)を満たす複数の感光体1Y,1M,1C,1Kと、複数の感光体の表面にそれぞれ形成されたトナー像が転写される中間転写体20等を備える。0.5質量% ≦ A−B ≦ 2.0質量% (1)
A:中間転写体に最初にトナー像が転写される感光体の最表面層中のフッ素系樹脂粒子の含有量aに対する分散助剤の含有量bの割合(A=(b/a)×100(質量%))。
B:中間転写体に二番目以降にトナー像が転写される各感光体の最表面層中のフッ素系樹脂粒子の含有量aに対する分散助剤の含有量bの割合(B=(b/a)×100(質量%))。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置においてカラー画像を形成するには、例えばイエロー、マゼンタ、シアンの三原色とブラックの合計4色のトナー像を重ね合わせて記録媒体に転写すればよい。トナー像を重ね合わせる転写を感光体から記録媒体に直接行うのは混色や位置ずれが起り易いため、中間転写体を介して各色のトナー像を重ねた後、記録媒体に転写する方式が知られている。
【0003】
そのようなカラー電子写真装置においては、まず画像をドットに分割して、ドット毎に、表現しようとする色をイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの4色に色分解する。そして、4つの感光体の表面に、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの単色トナー像を形成して、各色を重ね合わせて中間転写体に転写(1次転写)し、次いで、中間転写体上に形成されたカラーのトナー像を記録媒体に転写(2次転写)する。
【0004】
例えば、中間転写体上で重ねられたトナー像の最下層、すなわち、記録媒体上に転写されたカラーのトナー像の最上層の色成分の低下を抑制するため、各感光体に単色トナー像を形成する際に、中間転写体上で最下層になる色の転写電圧を他色のものよりも高く設定する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−27548号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、下記の式(1)を満たす感光体を備えていない場合に比べ、中間転写体上で重ねられた複数のトナー像が記録媒体に転写されたときに最上層となるトナーの色成分の低下が抑制される画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、
導電性基体と、該導電性基体上に配置されている少なくとも感光層とを有し、表面に互いに色が異なるトナー像が形成される複数の感光体であって、最表面層にフッ素系樹脂粒子と該フッ素系樹脂粒子の分散助剤を含むとともに下記式(1)を満たす複数の感光体と、
前記複数の感光体の表面をそれぞれ帯電する複数の帯電手段と、
帯電した前記複数の感光体の表面に静電潜像をそれぞれ形成する複数の静電潜像形成手段と、
前記複数の感光体の表面にそれぞれ形成された静電潜像を、互いに色が異なるトナーを含む現像剤により現像し、前記複数の感光体の表面にそれぞれトナー像を形成する複数の現像手段と、
前記複数の感光体の表面にそれぞれ形成されたトナー像が転写される中間転写体と、
前記複数の感光体の表面にそれぞれ形成されたトナー像を前記中間転写体の表面に転写する複数の1次転写手段と、
前記中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体に転写する2次転写手段と、
を有する画像形成装置。
0.5質量% ≦ A−B ≦ 2.0質量% (1)
A:前記中間転写体に最初にトナー像が転写される感光体の前記最表面層中の前記フッ素系樹脂粒子の含有量aに対する前記分散助剤の含有量bの割合(A=(b/a)×100(質量%))。
B:前記中間転写体に二番目以降にトナー像が転写される各感光体の前記最表面層中の前記フッ素系樹脂粒子の含有量aに対する前記分散助剤の含有量bの割合(B=(b/a)×100(質量%))。
請求項2の発明は、
前記複数の現像手段のうち、前記中間転写体に最初にトナー像が転写される感光体の表面にトナー像を形成する現像手段が、イエローのトナー像を形成する現像手段である請求項1に記載の画像形成装置。
請求項3の発明は、
前記感光体を3つ以上有し、前記中間転写体に二番目以降にトナー像が転写される感光体の前記最表面層中の前記フッ素系樹脂粒子の含有量に対する前記分散助剤の含有量の割合の差が、0.5質量%未満である請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明によれば、前記式(1)を満たす感光体を備えていない場合に比べ、中間転写体上で重ねられた複数のトナー像が記録媒体に転写されたときに最上層となるトナーの色成分の低下が抑制される画像形成装置が提供される。
請求項2の発明によれば、前記中間転写体に最初にトナー像が転写される感光体の表面にトナー像を形成する現像手段が、イエロー以外のトナー像を形成する現像手段である場合に比べ、透過率の最も高いトナーを最上層にすることで、色再現領域低下が抑制される画像形成装置が提供される。
請求項3の発明によれば、前記中間転写体に二番目以降にトナー像が転写される感光体の前記最表面層中の前記フッ素系樹脂粒子の含有量に対する前記分散助剤の含有量の割合の差が、0.5質量%以上である場合に比べ、二番目以降に転写されるトナーの色成分の濃度変化が抑制される画像形成装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】本実施形態における感光体の一例を示す模式断面図である。
【図3】本実施形態における感光体の他の例を示す模式断面図である。
【図4】本実施形態における感光体の他の例を示す模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態に係る画像形成装置について図面を参照しながら具体的に説明する。
複数の感光体に形成されたトナー像を中間転写体を介して重ねて記録媒体に画像を形成する画像形成装置では、中間転写体から記録媒体へ2次転写を行う際に、中間転写体に直接接触している最下層のトナー層は、そのトナーの一部が記録媒体に転写されずに、中間転写体に付着したまま中間転写体上に残り易い。そのため、例えば4色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナーを用いて記録媒体上に転写したフルカラートナー像では、最上層の色成分が弱くなって、正確な色が再現され難い。特にフルカラーで画像を形成する場合、4色のトナー中、最も透過率の高いイエロートナーを記録媒体上の最上層(中間転写体では最下層)に設定することが望ましいが、この場合、イエローの色成分が弱くなる。
【0011】
本発明者らは、記録媒体上の最上層(中間転写体では最下層)の色成分の低下を抑制する手段について研究を重ねたところ、中間転写体に最初にトナー像が転写される感光体の最表面層中のフッ素系樹脂粒子の含有量に対する分散助剤の含有量を二番目以降にトナー像が転写される感光体よりも予め定めた範囲内で相対的に多くすれば、中間転写体に直接接触する最下層のトナー層の転写量が向上し、記録媒体上に色再現性の良い高品質のカラー画像が得られることを見出した。
【0012】
すなわち、本実施形態に係る画像形成装置は、導電性基体と、該導電性基体上に配置されている少なくとも感光層とを有し、表面に互いに色が異なるトナー像が形成される複数の感光体であって、最表面層にフッ素系樹脂粒子と該フッ素系樹脂粒子の分散助剤を含むとともに下記式(1)を満たす複数の感光体と、
前記複数の感光体の表面をそれぞれ帯電する複数の帯電手段と、
帯電した前記複数の感光体の表面に静電潜像をそれぞれ形成する複数の静電潜像形成手段と、
前記複数の感光体の表面にそれぞれ形成された静電潜像を、互いに色が異なるトナーを含む現像剤により現像し、前記複数の感光体の表面にそれぞれトナー像を形成する複数の現像手段と、
前記複数の感光体の表面にそれぞれ形成されたトナー像が転写される中間転写体と、
前記複数の感光体の表面にそれぞれ形成されたトナー像を前記中間転写体の表面に転写する複数の1次転写手段と、
前記中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体に転写する2次転写手段と、
を有する画像形成装置。
0.5質量% ≦ A−B ≦ 2.0質量% (1)
A:前記中間転写体に最初にトナー像が転写される感光体の前記最表面層中の前記フッ素系樹脂粒子の含有量aに対する前記分散助剤の含有量bの割合(A=(b/a)×100(質量%))。
B: 前記中間転写体に二番目以降にトナー像が転写される各感光体の前記最表面層中の前記フッ素系樹脂粒子の含有量aに対する前記分散助剤の含有量bの割合(B=(b/a)×100(質量%))。
【0013】
本発明者らの実験によれば、画像形成装置における複数の感光体の最表面層を上記のように構成することで、中間転写体に直接接触する最下層のトナー層の転写量が向上する。その理由は定かで無いが、以下のように推測される。
最初の感光体の最表面層に含まれるフッ素系樹脂粒子の含有量に対する分散助剤の含有量を特定の範囲内で相対的に多くすることで、表面に形成されたトナー像が中間転写体に1次転写されるときに感光体の表面にトナーが残留し難くなり、中間転写体上で最下層となるトナー像の転写量が相対的に多くなると考えられる。そのため、他の感光体の表面に形成されたトナー像が中間転写体上で重なって記録媒体に2次転写される際、中間転写体上に最下層のトナー成分が残留しても、記録媒体上で最上層となる色成分の濃度低下が抑制されると考えられる。
【0014】
次に、本実施形態に係る画像形成装置について具体的に説明する。まず、感光体について詳細に説明した後、画像形成装置全体の構成について他の構成部材とともに説明する。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置の構成の一例を概略的に示している。
【0015】
(感光体)
画像形成装置100に含まれる複数の感光体1Y,1M,1C,1Kは、それぞれ導電性基体と、該導電性基体上に配置されている少なくとも感光層とを有し、表面に互いに色が異なるトナー像が形成される。各感光体の最表面層はフッ素系樹脂粒子と該フッ素系樹脂粒子の分散助剤を含むとともに前記式(1)を満たすように構成されている。
【0016】
図2から図4は、それぞれ本実施形態における感光体1Y,1M,1C,1Kの構成の例を概略的に示している。本実施形態における感光体はこれらの構成に限定されないが、いずれの構成においても最表面層はフッ素系樹脂粒子と該フッ素系樹脂粒子の分散助剤を含むとともに前記式(1)を満たすように構成する。
【0017】
図2に示す感光体1は、導電性基体54上に下引層51が設けられ、その上に電荷発生層52、電荷輸送層53が順次形成された感光層が設けられている。この感光体1は、電荷発生層52と電荷輸送層53とに機能が分離された感光層を備えるものである。
【0018】
図3に示す感光体1Aは、導電性基体54上に下引層51が設けられ、その上に電荷輸送層53、電荷発生層52、保護層55が順次形成されている。図3に示す感光体1Aは、図2に示す感光体1と同様に電荷発生層52と電荷輸送層53とに機能が分離された感光層を備えるものである。
【0019】
図4に示す感光体1Bにおいては、導電性基体54上に下引層51が設けられ、その上に単層型感光層56、保護層55が順次形成されている。図4に示す感光体1Bは、電荷発生材料と電荷輸送材料とを同一の層(単層型感光層56(電荷発生/電荷輸送層))に含有するものである。
【0020】
そして、図2に示す感光体1は、電荷輸送層53が最表面層に相当し、図3、図4に示す感光体1A、1Bでは、保護層55が最表面層(表面保護層)に相当する。なお、図3、図4に示す感光体1A,1Bにおいて保護層55を設けずに、単層型感光層56を最表面層としてもよい。また、図2から図4に示す感光体1、1B、1Aにおいて、下引層51は設けても設けなくてもよい。
以下、代表例として図2に示す感光体1に基づいて、各要素について説明する。
【0021】
<導電性基体>
導電性基体54としては、例えば、アルミニウム、銅、亜鉛、ステンレス、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等の金属または合金を用いて構成される金属板、金属ドラム、および金属ベルト、または、導電性ポリマー、酸化インジウム等の導電性化合物やアルミニウム、パラジウム、金等の金属または合金を塗布、蒸着またはラミネートした紙、プラスチックフィルム、ベルト等が挙げられる。
ここで、「導電性」とは体積抵抗率が1013Ωcm未満であることをいう。また、本実施形態における体積抵抗率は20℃における体積抵抗率とする。
【0022】
尚、導電性基体54には陽極酸化処理を施してもよい。陽極酸化処理は、アルミニウムを陽極とし電解質溶液中で陽極酸化することによりアルミニウム表面に酸化膜を形成するものである。電解質溶液としては、硫酸溶液、シュウ酸溶液等が挙げられる。また、陽極酸化膜の微細孔を加圧水蒸気または沸騰水中(ニッケル等の金属塩を加えてもよい)で水和反応による体積膨張でふさぎ、水和酸化物に変える封孔処理を行ってもよい。
【0023】
陽極酸化膜の膜厚については、0.3μm以上15μm以下が望ましい。
また、導電性基体54には、酸性水溶液による処理またはベーマイト処理を施してもよい。リン酸、クロム酸およびフッ酸を含む酸性処理液による処理は以下のようにして実施される。先ず、酸性処理液を調整する。酸性処理液におけるリン酸、クロム酸およびフッ酸の配合割合は、リン酸が10質量%以上11質量%以下の範囲、クロム酸が3質量%以上5質量%以下の範囲、フッ酸が0.5質量%以上2質量%以下の範囲であって、これらの酸全体の濃度は13.5質量%以上18質量%以下の範囲が望ましい。処理温度は42℃以上48℃以下が望ましい。被膜の膜厚は、0.3μm以上15μm以下が望ましい。
【0024】
ベーマイト処理は、90℃以上100℃以下の純水中に5分間以上60分間以下浸漬すること、または90℃以上120℃以下の加熱水蒸気に5分間以上60分間以下接触させることにより行われる。被膜の膜厚は、0.1μm以上5μm以下が望ましい。これをさらにアジピン酸、硼酸、硼酸塩、燐酸塩、フタル酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩等の他種に比べ被膜溶解性の低い電解質溶液を用いて陽極酸化処理してもよい。
【0025】
<下引層>
下引層51は、例えば、結着樹脂に無機粒子を含有して構成される。
無機粒子としては、粉体抵抗(体積抵抗率)10Ω・cm以上1011Ω・cm以下のものが望ましく用いられる。中でも上記粉体抵抗を有する無機粒子としては、酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム等の無機粒子(導電性金属酸化物)を用いるのが望ましく、特に酸化亜鉛は望ましく用いられる。
【0026】
また、無機粒子は表面処理を行ったものでもよく、表面処理の異なるもの、または粒子径の異なるものなど2種以上混合して用いてもよい。無機粒子の体積平均粒径は50nm以上500nm以下(望ましくは60以上1000以下)の範囲であることが望ましい。
また、無機粒子としては、BET法による比表面積が10m/g以上のものが望ましく用いられる。
さらに無機粒子とアクセプター性化合物とを含有させてもよい。アクセプター性化合物としてはいかなるものでも使用されるが、クロラニル、ブロモアニル等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物、2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールや2,5−ビス(4−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物、キサントン系化合物、チオフェン化合物、3,3’,5,5’テトラ−t−ブチルジフェノキノン等のジフェノキノン化合物等の電子輸送性物質などが望ましく、特にアントラキノン構造を有する化合物が望ましい。さらに、ヒドロキシアントラキノン系化合物、アミノアントラキノン系化合物、アミノヒドロキシアントラキノン系化合物等、アントラキノン構造を有するアクセプター性化合物が望ましく用いられ、具体的にはアントラキノン、アリザリン、キニザリン、アントラルフィン、プルプリン等が挙げられる。
【0027】
これらのアクセプター性化合物の含有量は特に限定されないが、望ましくは無機粒子に対して0.01質量%以上20質量%以下含有される。
アクセプター化合物は、下引層51の塗布時に添加するだけでもよいし、無機粒子表面にあらかじめ付着させておいてもよい。無機粒子表面にアクセプター化合物を付与させる方法としては、乾式法または湿式法が挙げられる。
【0028】
乾式法にて表面処理を施す場合には無機粒子をせん断力の大きなミキサ等で攪拌しながら、直接または有機溶媒に溶解させたアクセプター化合物を滴下、乾燥空気や窒素ガスとともに噴霧させることによって処理される。添加または噴霧する際には溶剤の沸点以下の温度で行うことが望ましい。添加または噴霧した後、さらに100℃以上で焼き付けを行ってもよい。
【0029】
湿式法としては、無機粒子を溶剤中で攪拌、超音波、サンドミルやアトライター、ボールミル等を用いて分散し、アクセプター化合物を添加し攪拌または分散したのち、溶剤除去することで処理される。溶剤除去方法はろ過または蒸留により留去される。溶剤除去後にはさらに100℃以上で焼き付けを行ってもよい。湿式法においては表面処理剤を添加する前に無機粒子含有水分を除去してもよく、その例として表面処理に用いる溶剤中で攪拌加熱しながら除去する方法、溶剤と共沸させて除去する方法を用いてもよい。
【0030】
下引層51に含有される結着樹脂としては公知のいかなるものでも使用されるが、例えばポリビニルブチラール等のアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂等の公知の高分子樹脂化合物、また電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂やポリアニリン等の導電性樹脂等が用いられる。中でも上層の塗布溶剤に不溶な樹脂が望ましく用いられ、特にフェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等が望ましく用いられる。これらを2種以上組み合わせて使用する場合には、その混合割合は、必要に応じて設定される。
下引層形成用塗布液中のアクセプター性化合物と結着樹脂、または無機粒子と結着樹脂との比率は任意に設定される。
【0031】
下引層51中には種々の添加物を用いてもよい。添加物としては、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料が用いられる。シランカップリング剤は金属酸化物の表面処理に用いられるが、添加剤としてさらに塗布液に添加して用いてもよい。ここで用いられるシランカップリング剤の具体例としてはビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロルプロピルトリメトキシシラン等である。ジルコニウムキレート化合物の例として、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセト酢酸エチル、ジルコニウムトリエタノールアミン、アセチルアセトネートジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチルジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムオキサレート、ジルコニウムラクテート、ジルコニウムホスホネート、オクタン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、イソステアリン酸ジルコニウム、メタクリレートジルコニウムブトキシド、ステアレートジルコニウムブトキシド、イソステアレートジルコニウムブトキシド等が挙げられる。
【0032】
下引層形成用塗布液を調製するための溶媒としては公知の有機溶剤、例えばアルコール系、芳香族系、ハロゲン化炭化水素系、ケトン系、ケトンアルコール系、エーテル系、エステル系等から任意で選択される。溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤が用いられる。
【0033】
また、これらの分散に用いる溶剤は単独または2種以上混合して用いてもよい。混合する際、使用される溶剤としては、混合溶剤として結着樹脂を溶かし得る溶剤であれば、いかなるものでも使用される。
【0034】
分散方法としては、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、コロイドミル、ペイントシェーカーなどの公知の方法が用いられる。さらにこの下引層51を設ける際に用いる塗布方法としては、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。
【0035】
以上の下引層形成用塗布液を用い、導電性基体54上に下引層51が成膜される。
また、下引層51は、ビッカース硬度が35以上とされていることが望ましい。
下引層51は、いかなる厚さに設定されてもよいが、厚さ15μm以上が望ましく、さらに望ましくは15μm以上50μm以下である。
【0036】
<電荷発生層>
電荷発生層52は電荷発生材料および結着樹脂を含有する層である。
電荷発生材料としては、ビスアゾ、トリスアゾ等のアゾ顔料、ジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料、ペリレン顔料、ピロロピロール顔料、フタロシアニン顔料、酸化亜鉛、三方晶系セレン等が挙げられる。これらの中でも、近赤外域のレーザ露光に対しては、金属または無金属フタロシアニン顔料が望ましく、特に、特開平5−263007号公報、特開平5−279591号公報等に開示されたヒドロキシガリウムフタロシアニン、特開平5−98181号公報等に開示されたクロロガリウムフタロシアニン、特開平5−140472号公報、特開平5−140473号公報等に開示されたジクロロスズフタロシアニン、特開平4−189873号公報、特開平5−43823号公報等に開示されたチタニルフタロシアニンがより望ましい。また、近紫外域のレーザ露光に対してはジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料、チオインジゴ系顔料、ポルフィラジン化合物、酸化亜鉛、三方晶系セレン等がより望ましい。電荷発生材料としては、380nm以上500nm以下の露光波長の光源を用いる場合には無機顔料が望ましく、700nm以上800nm以下の露光波長の光源を用いる場合には金属および無金属フタロシアニン顔料が望ましい。
【0037】
電荷発生材料としては、600nm以上900nm以下の波長域での分光吸収スペクトルにおいて、810nm以上839nm以下の範囲に最大ピーク波長を有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を用いることが望ましい。
また、上記の810nm以上839nm以下の範囲に最大ピーク波長を有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、平均粒径が0.20μm以下であることが望ましく、0.01μm以上0.15μm以下であることがより望ましい。また、BET比表面積が45m/g以上であることが望ましく、50m/g以上であることがより望ましく、55m/g以上120m/g以下であることが特に望ましい。
平均粒径は、体積平均粒径(d50平均粒径)でレーザ回折散乱式粒度分布測定装置(LA−700、堀場製作所社製)にて測定した値である。またBET比表面積は、BET式比表面積測定器(島津製作所製:フローソープII2300)を用い窒素置換法にて測定した値である。
【0038】
また、上記ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の最大粒径(一次粒子径の最大値)は、1.2μm以下であることが望ましく、1.0μm以下であることがより望ましく、より望ましくは0.3μm以下である。
更に、上記ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、平均粒径が0.2μm以下、最大粒径が1.2μm以下であり、且つ、比表面積値が45m/g以上であることが望ましい。
また、上記のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、CuKα特性X線を用いたX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角度(2θ±0.2°)7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°および28.3°に回折ピークを有するものであることが望ましい。
また、上記のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、25℃から400℃まで昇温したときの熱重量減少率が2.0%以上4.0%以下であることが望ましく、2.5%以上3.8%以下であることがより望ましい。なお、熱重量減少率は熱天秤等により測定される。
【0039】
電荷発生層52に使用される結着樹脂としては、広範な絶縁性樹脂から選択され、また、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン、ポリシラン等の有機光導電性ポリマーから選択してもよい。望ましい結着樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノール類と芳香族2価カルボン酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等が挙げられる。これらの結着樹脂は1種を単独でまたは2種以上を混合して用いられる。電荷発生材料と結着樹脂の配合比は質量比で10:1から1:10までの範囲内であることが望ましい。ここで、「絶縁性」とは、ここで、「絶縁性」とは体積抵抗率が1013Ωcm以上であることをいう。
電荷発生層52は、上記電荷発生材料および結着樹脂を溶剤中に分散した塗布液を用いて形成される。
【0040】
分散に用いる溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等が挙げられ、これらは1種を単独でまたは2種以上を混合して用いられる。
また、電荷発生材料および結着樹脂を溶剤中に分散させる方法としては、ボールミル分散法、アトライター分散法、サンドミル分散法等の通常の方法が用いられる。さらにこの分散の際、電荷発生材料の平均粒径を0.5μm以下、望ましくは0.3μm以下、さらに望ましくは0.15μm以下にすることが有効である。
また、電荷発生層52を形成する際には、ブレード塗布法、マイヤーバー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。
【0041】
<電荷輸送層>
最表面層となる電荷輸送層53は、電荷輸送材料と結着樹脂とを含有するか、または高分子電荷輸送材を含有するほか、フッ素系樹脂粒子と該フッ素系樹脂粒子の分散助剤を含んでいる。
そして、本実施形態に係る画像形成装置100では、複数の感光体のうち、中間転写体に最初にトナー像が転写される感光体1Yの電荷輸送層中のフッ素系樹脂粒子の含有量aに対する分散助剤の含有量bの割合(A=(b/a)×100(質量%))が、前記中間転写体に二番目以降にトナー像が転写される各感光体の前記最表面層中の前記フッ素系樹脂粒子の含有量にa対する前記分散助剤の含有量bの割合(B=(b/a)×100(質量%))よりも、0.5質量%以上2.0質量%以下の範囲で多くなるように調整されている。
すなわち、下記式(1)の関係を満たす。
0.5質量% ≦ A−B ≦ 2.0質量% (1)
【0042】
画像形成装置100に備わった感光体1Y,1M,1C,1Kの最表面層(電荷輸送層)に含まれるフッ素系樹脂粒子の含有量と分散助剤の含有量の関係で、A−Bの値が0.5質量%未満の場合は、中間転写体に最初に転写される最下層のトナー、すなわち、記録媒体上に形成されるカラー画像の最上層の色成分の濃度が低下する。一方、A−Bの値が2.0質量%を超える場合も、記録媒体上に形成されるカラー画像の最上層の色成分の濃度が低下してしまう。
なお、記録媒体上に形成されるカラー画像の最上層以外の色成分の濃度変化防止の観点から中間転写体20に二番目以降にトナー像が転写される感光体1M,1C,1Kの最表面層中のフッ素系樹脂粒子の含有量に対する分散助剤の含有量の割合の差は、0.5質量%未満であることが望ましい。
【0043】
電荷輸送材料としては、p−ベンゾキノン、クロラニル、ブロマニル、アントラキノン等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン等のフルオレノン化合物、キサントン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノビニル系化合物、エチレン系化合物等の電子輸送性化合物、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物などの正孔輸送性化合物が挙げられる。これらの電荷輸送材料は1種を単独でまたは2種以上を混合して用いられるが、これらに限定されるものではない。
電荷輸送材料としては、下記構造式(a−1)で示されるトリアリールアミン誘導体、および下記構造式(a−2)で示されるベンジジン誘導体が望ましい。
【化1】

【0044】
(構造式(a−1)中、Rは、水素原子またはメチル基を示す。nは1または2を示す。ArおよびArは各々独立に置換若しくは未置換のアリール基、−C−C(R)=C(R10)(R11)、または−C−CH=CH−CH=C(R12)(R13)を示し、R乃至R13はそれぞれ独立に水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基、または置換若しくは未置換のアリール基を表す。置換基としてはハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、または炭素数1以上3以下のアルキル基で置換された置換アミノ基を示す。)

【化2】



【0045】
(構造式(a−2)中、R14およびR14’は同一でも異なってもよく、各々独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基を示す。R15、R15’、R16、およびR16’は同一でも異なってもよく、各々独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、炭素数1以上2以下のアルキル基で置換されたアミノ基、置換若しくは未置換のアリール基、−C(R17)=C(R18)(R19)、または−CH=CH−CH=C(R20)(R21)を示し、R17乃至R21は各々独立に水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基、または置換若しくは未置換のアリール基を表す。mおよびnは各々独立に0以上2以下の整数を示す。)
ここで、上記構造式(a−1)で示されるトリアリールアミン誘導体、および上記構造式(a−2)で示されるベンジジン誘導体のうち、特に、「−C−CH=CH−CH=C(R12)(R13)」を有するトリアリールアミン誘導体、および「−CH=CH−CH=C(R20)(R21)」を有するベンジジン誘導体が望ましい。
【0046】
電荷輸送層に用いる結着樹脂は、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーンアルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等が挙げられる。また、上述のように、特開平8−176293号公報、特開平8−208820号公報に開示されているポリエステル系高分子電荷輸送材等の高分子電荷輸送材を用いてもよい。これらの結着樹脂は1種を単独でまたは2種以上を混合して用いられる。電荷輸送材料と結着樹脂との配合比は質量比で10:1から1:5が望ましい。
【0047】
特に、結着樹脂としては、粘度平均分子量50000以上80000以下のポリカーボネート樹脂、および粘度平均分子量50000以上80000以下のポリアクリレート樹脂の少なくとも1種が望ましい。
【0048】
電荷輸送層に含まれるフッ素系樹脂粒子としては、4フッ化エチレン樹脂、3フッ化塩化エチレン樹脂、6フッ化プロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、2フッ化2塩化エチレン樹脂およびそれらの共重合体が挙げられる。これらは、1種あるいは2種以上を適宜選択して用いてもよい。中でも、特に、4フッ化エチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂が望ましい。
【0049】
フッ素系樹脂粒子の一次粒径は、0.05μm以上1μm以下の範囲内であることが望ましく、0.1μm以上0.5μm以下の範囲内であることがより望ましい。一次粒径が0.05μm以上であれば、分散時あるいは分散後の凝集が進み難くなる。一方、1μm以下であれば画質欠陥の発生が抑制される。
【0050】
電荷輸送層におけるフッ素系樹脂粒子の含有量は、電荷輸送層の構成成分全量に対して0.1質量%40質量%以下の範囲内であることが望ましく、1質量%以上30質量%以下の範囲内であることがより望ましい。フッ素系樹脂粒子の含有量が0.1質量%未満ではフッ素系樹脂粒子の分散による改質効果が十分に得られにくくなり、一方、40質量%を越えると光通過性が低下し、かつ、繰返し使用による残留電位の上昇が生じやすくなる。
【0051】
電荷輸送層に含まれるフッ素系樹脂粒子の「分散助剤」とは、PTFE粒子等のフッ素系樹脂粒子の分散性を向上させる機能を有し、フッ素系樹脂粒子の表面への吸着性を維持しながら、最表面層に含まれる結着樹脂との相溶性を保持する化合物である。
上記分散助剤としては、フッ素系界面活性剤、フッ素系ポリマー、シリコーン系ポリマー、シリコーンオイル等が挙げられる。例えば、フッ素含有グラフトポリマーとして、アクリル酸エステル化合物、メタクリル酸エステル化合物、スチレン化合物等からなるマクロモノマー及びパーフルオロアルキルエチルメタクリレートよりグラフト重合された樹脂が望ましい。
これらの中でも、フッ素樹脂粒子の分散性、及び、残留電位上昇の抑制の理由から、フッ化アルキル基を有するメタクリルコポリマーを使用することが望ましく、下記式(I)及び式(II)で表される繰り返し単位を含む共重合体が特に望ましい。
【0052】
【化3】

【0053】
(式I及び式IIにおいて、l、m及びnはそれぞれ独立して1以上の整数を、p、q、r及びsはそれぞれ独立して0又は1以上の整数を、tは1以上7以下の整数を、R、R、R及びRはそれぞれ独立して水素原子又はアルキル基を、Xはアルキレン鎖、ハロゲン置換アルキレン鎖、−S−、−O−、−NH−又は単結合を、Yはアルキレン鎖、ハロゲン置換アルキレン鎖、−(C2z−1(OH))−又は単結合を表す。zは1以上の整数を表す。)
【0054】
分散助剤の量は、フッ素系樹脂粒子の量に依存するが、電荷輸送層中のフッ素系樹脂粒子の含有量に対して1.0質量%以上5.0質量%以下の範囲内であることが望ましい。フッ素系分散助剤の含有量が1.0質量%以上であれば、フッ素系樹脂粒子分散液の分散性が十分となり、一方、5.0質量%以下であれば、繰り返し使用による残留電位の上昇が抑制される。
【0055】
各感光体1Y,1M,1C,1Kの電荷輸送層に含まれるフッ素系樹脂粒子と分散助剤の各含有量をいずれの値にするにせよ、中間転写体に最初にトナー像が転写される感光体1Yの電荷輸送層中のフッ素系樹脂粒子の含有量に対する分散助剤の含有量の割合A(質量%)が、他の感光体1M,1C,1Kのうち、電荷輸送層中のフッ素系樹脂粒子の含有量に対する分散助剤の含有量が最も多い感光体の電荷輸送層中のフッ素系樹脂粒子の含有量に対する分散助剤の含有量の割合B(質量%)よりも、0.5質量%以上2.0質量%以下の範囲で多くなるように電荷輸送層を形成する。
【0056】
電荷輸送層は、電荷輸送物質、結着樹脂、フッ素系樹脂粒子、分散助剤、並びに必要に応じてその他の添加剤を適当な溶剤に溶解させた電荷輸送層形成用塗布液を電荷発生層上に塗布し乾燥することにより形成される。
電荷輸送層形成用塗布液に用いられる溶剤としては、例えば、トルエン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、メタノール、エタノール、n−ブタノール等の脂肪族アルコール系溶剤、アセトン、シクロヘキサノン、2−ブタノン等のケトン系溶剤、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチルエーテル等の環状或いは直鎖状エーテル系溶剤、及び、これらの混合溶剤等が挙げられる。
電荷輸送物質、結着樹脂、フッ素系樹脂粒子、分散助剤、及び溶剤を分散させる方法としては、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、高圧ホモジナイザー、超音波分散機、コロイドミル、衝突式メディアレス分散機、貫通式メディアレス分散機等の方法が用いられる。
【0057】
また、電荷輸送層形成用塗布液には塗膜の平滑性向上のためのシリコーンオイル等のレベリング剤を微量添加してもよい。
【0058】
電荷輸送層形成用塗布液は、溶媒、結着樹脂、電荷輸送材料、フッ素系樹脂粒子、及び分散助剤を含む溶液の温度を0℃以上50℃以下に維持しながら混合して調製することが望ましい。液温をかかる温度範囲内に制御する方法としては、例えば、水で冷やす、風で冷やす、冷媒で冷やす、塗布液を製造する室温を調節する、温水で暖める、熱風で温める、ヒーターで暖める、発熱しにくい材料で塗布液製造設備を作る、放熱しやすい材料で塗布液製造設備を作る、蓄熱しやすい材料で塗布液製造設備を作るなどの方法が利用される。
【0059】
電荷輸送層形成用塗布液を電荷発生層上に塗布する方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、スプレー塗布法、ロールコータ塗布法、ワイヤーバー塗布法、グラビアコータ塗布法、ビード塗布法、カーテン塗布法、ブレード塗布法、エアーナイフ塗布法等の方法が用いられる。
電荷輸送層の膜厚は、帯電特性および摩耗ライフの観点から、5μm以上、光応答特性および解像度の観点から50μm以下の範囲が望ましく、10μm以上45μm以下の範囲がより望ましい。
【0060】
(画像形成装置)
画像形成装置(4連タンデム方式のカラー画像形成装置)100は、色分解された画像データに基づくイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1乃至第4の画像形成ユニット10Y,10M,10C,10K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する)10Y,10M,10C,10Kは、水平方向に互いに並設されている。なお、これらユニット10Y,10M,10C,10Kは、画像形成装置本体に対して脱着するプロセスカートリッジであってもよい。
【0061】
各ユニット10Y,10M,10C,10Kの図面における上方には、各ユニットを通して中間転写体としての中間転写ベルト20が配置されている。中間転写ベルト20は、図における左から右方向に互いに離間して配置された駆動ローラ22および中間転写ベルト20内面に接する支持ローラ24に巻回されて設けられ、第1ユニット10Yから第4ユニット10Kに向う方向に走行されるようになっている。尚、支持ローラ24は、図示しないバネ等により駆動ローラ22から離れる方向に付勢されており、両ローラ22,24に巻回された中間転写ベルト20に張力が与えられている。また、中間転写ベルト20の外側には、駆動ローラ22と対向して中間転写体クリーニング装置30が備えられている。
また、各ユニット10Y,10M,10C,10Kの現像装置(現像手段)4Y,4M,4C,4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y,8M,8C,8Kに収容されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーが供給される。
【0062】
上述した第1乃至第4ユニット10Y,10M,10C,10Kは、感光体以外同等の構成を有しているため、ここでは中間転写ベルト走行方向の上流側に配設されたイエロー画像を形成する第1ユニット10Yについて代表して説明する。尚、第1ユニット10Yと同等の部分に、イエロー(Y)の代わりに、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を付した参照符号を付すことにより、第2乃至第4ユニット10M,10C,10Kの説明を省略する。
【0063】
第1ユニット10Yは、像保持体として作用する感光体(感光体)1Yを有している。感光体1Yの周囲には、感光体1Yの表面を帯電させる帯電ローラ(帯電手段)2Y、帯電された表面を色分解された画像信号に基づくレーザ光線3Yよって露光して静電潜像を形成する露光装置(静電潜像形成手段)3、静電潜像に帯電したトナーを供給して静電潜像を現像する現像装置(現像手段)4Y、現像したトナー像を中間転写ベルト(中間転写体)20上に転写する1次転写ローラ(1次転写手段)5Y、および1次転写後に感光体1Yの表面に残存するトナーを除去する感光体クリーニング装置(クリーニング手段)6Yが順に配設されている。
【0064】
尚、1次転写ローラ5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。更に、各1次転写ローラ5Y,5M,5C,5Kには、1次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各1次転写ローラに印加する転写バイアスを可変する。
【0065】
次に、第1ユニット10Yにおいてイエロー画像を形成する動作について説明する。まず、動作に先立って、帯電ローラ2Yによって感光体1Yの表面が−600V乃至−800V程度の電位に帯電される。
帯電装置2Yとしては、例えば、帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電フィルム、帯電ゴムブレード、帯電チューブ等を用いた接触型帯電器が使用される。また、非接触方式のローラ帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン方式の帯電器やコロトロン方式の帯電器等のそれ自体公知の帯電器等も使用される。本実施形態においては、高速運転される点で、コロトロン方式の帯電器が望ましい。
【0066】
感光体1Yは、帯電した状態でレーザ光線3Yが照射されると、感光体内部で電荷が発生し、表面電荷を打ち消すことにより、表面電位が変化性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、感光体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー印字パターンの静電潜像が感光体1Yの表面に形成される。
露光装置3としては、上記のものに限定されず、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光を、所望の像様に露光する光学系機器等が挙げられる。光源の波長は感光体の分光感度領域にあるものが使用される。
静電潜像とは、帯電によって感光体1Yの表面に形成される像であり、レーザ光線3Yによって、感光層の被照射部分の比抵抗が低下し、感光体1Yの表面の帯電した電荷が流れ、一方、レーザ光線3Yが照射されなかった部分の電荷が残留することによって形成される、いわゆるネガ潜像である。
【0067】
このようにして感光体1Y上に形成された静電潜像は、感光体1Yの走行に従って回転される。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電潜像が、現像装置4Yによって可視像(現像像)化される。
現像装置4Y内には、例えば、少なくともイエロー着色剤及び結着樹脂を含むイエロートナーが収容されている。イエロートナーは、現像装置4Yの内部で攪拌されることで摩擦帯電し、感光体1Y上に帯電した帯電荷と同極性(負極性)の電荷を有して現像剤ロール(現像剤保持体)上に保持されている。そして感光体1Yの表面が現像装置4Yを通過していくことにより、感光体1Yの表面上の除電された潜像部にイエロートナーが静電的に付着し、潜像がイエロートナーによって現像される。イエローのトナー像が形成された感光体1Yは、引続き走行され、感光体1Y上に現像されたトナー像が1次転写位置へ搬送される。
【0068】
現像装置4Yとしては、例えば、磁性若しくは非磁性の一成分系現像剤又は二成分系現像剤等を接触又は非接触させて現像する一般的な現像装置を用いて行ってもよい。その現像装置としては、上述の機能を有している限り特に制限はなく、目的に応じて選択される。例えば、上記一成分系現像剤又は二成分系現像剤をブラシ、ローラ等を用いて感光体1Yに付着させる機能を有する公知の現像器等が挙げられる。中でも現像剤を表面に保持した現像ローラを用いるものが望ましい。
【0069】
以下、現像装置に使用されるトナーについて説明する。
前記トナーは、高い現像性及び転写性並びに高画質を得る観点から、平均形状係数((ML/A)×(π/4)×100、ここでMLは粒子の最大長を表し、Aは粒子の投影面積を表す)が100以上150以下であることが望ましく、105以上145以下であることがより望ましく、110以上140以下であることがさらに望ましい。さらに、トナーとしては、体積平均粒子径が3μm以上12μm以下であることが望ましく、3.5μm以上10μm以下であることがより望ましく、4μm以上9μm以下であることがさらに望ましい。この平均形状係数及び体積平均粒子径を満たすトナーを用いることにより、現像性及び転写性が高まり、いわゆる写真画質と呼ばれる高画質の画像が得られる。
【0070】
トナーは、例えば、結着樹脂、着色剤及び離型剤、必要に応じて帯電制御剤等を加えて混練、粉砕、分級する混練粉砕法;混練粉砕法にて得られた粒子を機械的衝撃力又は熱エネルギーにて形状を変化させる方法;結着樹脂の重合性単量体を乳化重合させ、形成された分散液と、着色剤及び離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の分散液とを混合し、凝集、加熱融着させ、トナー粒子を得る乳化重合凝集法;結着樹脂を得るための重合性単量体と、着色剤及び離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて重合する懸濁重合法;結着樹脂と、着色剤及び離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の溶液とを水系溶媒に懸濁させて造粒する溶解懸濁法等により製造されるトナーが使用される。
また上記方法で得られたトナーをコアにして、さらに凝集粒子を付着、加熱融合してコアシェル構造をもたせる製造方法等、公知の方法が使用される。なお、トナーの製造方法としては、形状制御、粒度分布制御の観点から水系溶媒にて製造する懸濁重合法、乳化重合凝集法、溶解懸濁法が望ましく、乳化重合凝集法が特に望ましい。
【0071】
トナー母粒子は、結着樹脂、着色剤及び離型剤からなり、必要であれば、シリカや帯電制御剤を含有して構成される。
トナー母粒子に使用される結着樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類等の単独重合体及び共重合体、ジカルボン酸類とジオール類との共重合によるポリエステル樹脂等が挙げられる。
【0072】
特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル樹脂等が挙げられる。さらに、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等が挙げられる。
また、着色剤としては、マグネタイト、フェライト等の磁性粉、カーボンブラック、アニリンブルー、カルイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等を代表的なものとして例示される。
【0073】
離型剤としては、低分子ポリエチレン、低分子ポリプロピレン、フィッシャートロピィシュワックス、モンタンワックス、カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等を代表的なものとして例示される。
【0074】
また、帯電制御剤としては、公知のものが使用されるが、アゾ系金属錯化合物、サリチル酸の金属錯化合物、極性基を含有するレジンタイプの帯電制御剤が用いられる。湿式製法でトナーを製造する場合、イオン強度の制御と廃水汚染の低減の点で水に溶解しにくい素材を使用することが望ましい。また、トナーとしては、磁性材料を内包する磁性トナー及び磁性材料を含有しない非磁性トナーのいずれであってもよい。
【0075】
前記トナーとしては、上記トナー母粒子及び上記外添剤をヘンシェルミキサー又はVブレンダー等で混合することによって製造される。また、トナー母粒子を湿式にて製造する場合は、湿式にて外添してもよい。
前記トナーはキャリアと混合して使用されるが、キャリアとしては、鉄粉、ガラスビーズ、フェライト粉、ニッケル粉又はそれ等の表面に樹脂を被覆したものが使用される。また、キャリアとの混合割合は、設定される。
【0076】
感光体1Y上のイエロートナー像が1次転写へ搬送されると、1次転写ローラ5Yに1次転写バイアスが印加され、感光体1Yから1次転写ローラ5Yに向う静電気力がトナー像に作用され、感光体1Y上のトナー像が中間転写ベルト20上に転写される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と逆極性の(+)極性であり、例えば第1ユニット10Yでは制御部に(図示せず)よって+10μA程度に制御されている。
一方、感光体1Y上に残留したトナーはクリーニング装置6Yで除去されて回収される。
【0077】
1次転写手段としては、ローラの他に、例えば、ベルト、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の転写帯電器が挙げられる。
また、中間転写体としては、例えば、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ゴム等のベルト状のもの(中間転写ベルト)が使用される。また、中間転写体20の形態としては、ベルト状以外にドラム状のものを用いられる。
【0078】
一方、第2ユニット10M以降の1次転写ローラ5M,5C,5Kに印加される1次転写バイアスも、第1ユニットに準じて制御されている。
こうして、第1ユニット10Yにてイエロートナー像の転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第4ユニット10M,10C,10Kを通して順次搬送され、各色のトナー像が重ねられて多重転写される。
【0079】
第1乃至第4ユニットを通して4色のトナー像が多重転写された中間転写ベルト20は、中間転写ベルト20と中間転写ベルト20内面に接する支持ローラ24と中間転写ベルト20の像保持面側に配置された2次転写ローラ(2次転写手段)26とから構成された2次転写部へと至る。
一方、記録紙(記録媒体)Pが供給機構を介して2次転写ローラ26と中間転写ベルト20とが圧接されている隙間に給紙され、2次転写バイアスが支持ローラ24に印加される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と同極性の(−)極性であり、中間転写ベルト20から記録紙Pに向う静電気力がトナー像に作用され、中間転写ベルト20上のトナー像が記録紙P上に転写される。尚、この際の2次転写バイアスは2次転写部の抵抗を検出する抵抗検出手段(図示せず)により検出された抵抗に応じて決定されるものであり、電圧制御されている。
【0080】
このように各感光体1Y,1M,1C,1Kの表面に互いに色が異なるトナー像が形成され、これらのトナー像が順次中間転写ベルト20の外周面に重なるように転写(1次転写)された後、中間転写ベルト20から記録紙Pへと転写(2次転写)される。従って、本実施形態に係る画像形成装置100により記録紙P上にカラー画像を形成する場合、中間転写ベルト20上ではイエローのトナー像が最下層となり、記録紙P上ではイエローのトナー像が最上層となる。
このように1次転写及び2次転写を経て記録紙P上にカラー画像が形成されるが、各感光体1Y,1M,1C,1Kの表面に形成されたトナー像は1次転写の際、完全には中間転写ベルト20上に転写されず、一部のトナーが感光体1Y,1M,1C,1Kの表面に残留し、さらに、2次転写の際、中間転写ベルト20上で最下層のイエローのトナー像は完全には記録紙Pに転写されず、一部が中間転写ベルト20上に残留する。しかし、本実施形態に係る画像形成装置100では、感光体1M,1C,1Kに比べ、感光体1Yから中間転写ベルト20上へのトナーの転写量が相対的に多くなり、感光体1Yの表面上のイエロートナーの残留が抑制される。従って、その後の2次転写の際、最下層のイエロートナーが中間転写ベルト20上に多少残留しても、記録紙P上で最上層となるイエロートナーの濃度が十分確保されることになる。
【0081】
カラー画像が中間転写ベルト20から記録紙Pに転写された後は、記録紙Pは定着装置(定着手段)28へと送り込まれトナー像が加熱され、色重ねしたトナー像が溶融されて、記録紙P上へ定着される。カラー画像の定着が完了した記録紙Pは、排出部へ向けて搬出され、一連のカラー画像形成動作が終了される。
【0082】
なお、本実施形態に係る画像形成装置100では、中間転写ベルト20に最初にトナー像が転写される感光体1Yの表面にトナー像を形成する現像手段4Yが、イエローのトナー像を形成する場合について説明したが、これに限定されない。すなわち、中間転写ベルト20に最初にトナー像が転写される感光体の表面には、イエロー以外の色のトナー像が形成され、このトナー像が中間転写ベルト20上で最下層となっても、感光体から中間転写ベルト20への1次転写において感光体上のトナーの残留が抑制されるため、記録紙P上に形成されるカラー画像の最上層におけるトナー濃度の低下が抑制されることになる。
【実施例】
【0083】
以下、実施例および比較例について説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0084】
(感光体Aの作製)
酸化亜鉛(平均粒子径:70nm、テイカ社製、比表面積値:15m/g)100質量部をメタノール500質量部と攪拌混合し、シランカップリング剤として、KBM603(信越化学社製)1.25質量部を添加し、2時間攪拌した。その後、メタノールを減圧蒸留にて留去し、120℃で3時間焼き付けを行い、シランカップリング剤で表面処理した酸化亜鉛粒子を得た。
前記表面処理を施した酸化亜鉛粒子60質量部と、アリザリン0.6質量部と、硬化剤としてブロック化イソシアネート(スミジュール3173、住友バイエルンウレタン社製)13.5質量部と、ブチラール樹脂(BM−1、積水化学社製)15質量部とを、メチルエチルケトン85質量部に溶解した溶液38質量部と、メチルエチルケトン25質量部とを混合し、直径1mmのガラスビーズを用いてサンドミルにて4時間の分散を行い分散液を得た。得られた分散液に、触媒としてジオクチルスズジラウレート0.005質量部と、シリコーン樹脂粒子(トスパール145、GE東芝シリコーン社製)4.0質量部とを添加し、下引層塗布用液を得た。この塗布液を、浸漬塗布法にて直径30mmのアルミニウム基材上に塗布し、180℃、40分の乾燥硬化を行い厚さ23.5μmの下引層を得た。
【0085】
次に、電荷発生材料として、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも7.5゜、9.9゜、12.5゜、16.3゜、18.6゜、25.1゜及び28.3゜に強い回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶15質量部、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂(VMCH、日本ユニオンカーバイト社製)10質量部およびn−ブチルアルコール300質量部からなる混合物を、直径1mmのガラスビーズを用いてサンドミルにて4時間分散して電荷発生層用の塗布液を得た。この電荷発生層用塗布液を前記下引層上に浸漬塗布し、乾燥して、厚みが0.2μmの電荷発生層を得た。
【0086】
次に、A:4フッ化エチレン樹脂粒子0.4質量部(平均一次粒径:0.2μm)及びフッ素系分散助剤として下記構造式(A)、(B)で表される繰り返し単位を含むフッ化アルキル基含有共重合体(重量平均分子量80,000、l:m=1:1、n=60)0.0068質量部を、テトラヒドロフラン3質量部、トルエン1質量部とともに20℃の液温に保ち、48時間攪拌混合し、4フッ化エチレン樹脂粒子懸濁液を得た。
次に、B:電荷輸送物質としてN,N′−ビス(3−メチルフェニル)−N,N′−ジフェニルベンジジン2質量部、N,N′−ビス(3,4−ジメチルフェニル)ビフェニル−4−アミン2質量部、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量:40,000)6質量部、酸化防止剤として2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.1質量部を混合してテトラヒドロフラン20質量部及びトルエン10質量部を混合溶解した。
このB液に前記A液を加えて攪拌混合した後、微細な流路を持つ貫通式チャンバーを装着した高圧ホモジナイザー(吉田機械興行株式会社製)を用いて、500kgf/cmまで昇圧しての分散処理を6回繰り返した液に、ジメチルシリコーンオイル(商品名:KP−340 信越シリコーン社製)を5ppm添加し、十分に撹拌して電荷輸送層形成用塗布液を得た。
【0087】
【化4】

【0088】
この塗布液を電荷発生層上に塗布して135℃で25分間乾燥し、膜厚が32μmの電荷輸送層を形成し、感光体Aを得た。感光体Aの電荷輸送層中のフッ素系樹脂粒子の含有量に対するフッ素系分散助剤の含有量は1.7質量%であった。
【0089】
(感光体Bの作製)
感光体Aにおいて、フッ化アルキル基含有共重合体(重量平均分子量80,000、l:m=1:1、n=60)の添加量を0.0148質量部にした以外は同様に作製し、感光体Bを得た。感光体Bの電荷輸送層中のフッ素系樹脂粒子の含有量に対するフッ素系分散助剤量含有量は3.7質量%であった。
【0090】
(画像濃度評価)
DocuCentre−III C3300(富士ゼロックス社製)の中間転写体に最初にイエローのトナー像が形成される感光体として感光体Bを、他の色のトナー像が形成され、中間転写体に二番目以降に転写される3つの感光体としてそれぞれ感光体Aを装着した。
この画像形成装置により、イエローのベタ画像を出力し、X−RITE 404を用いて、画像濃度測定を行った。その結果、画像濃度は1.50であり、適性濃度範囲(1.50以上1.55以下)内であった。
【0091】
<実施例2>
(感光体Cの作製)
感光体Aにおいて、前記構造式(A)、(B)で表される繰り返し単位を含むフッ化アルキル基含有共重合体(重量平均分子量80,000、l:m=1:1、n=60)の添加量を0.0128質量部にした以外は同様に作製し、感光体Cを得た。感光体Cの電荷輸送層中のフッ素系樹脂粒子の含有量に対するフッ素系分散助剤量含有量は3.2質量%であった。
【0092】
(画像濃度評価)
DocuCentre−III C3300(富士ゼロックス社製)の中間転写体に最初にイエローのトナー像が形成される感光体として感光体Cを、他の色のトナー像が形成され、中間転写体に二番目以降に転写される3つの感光体としてそれぞれ感光体Aを装着した。この画像形成装置により、イエローのベタ画像を出力し、X−RITE 404を用いて、画像濃度測定を行った。その結果、画像濃度は1.53であり、適性濃度範囲(1.50以上1.55以下)内であった。
【0093】
<実施例3>
(感光体Dの作製)
感光体Aにおいて、前記構造式(A)、(B)で表される繰り返し単位を含むフッ化アルキル基含有共重合体(重量平均分子量80,000、l:m=1:1、n=60)の添加量を0.0108質量部にした以外は同様に作製し、感光体Dを得た。感光体Dの電荷輸送層中のフッ素系樹脂粒子の含有量に対するフッ素系分散助剤量含有量は2.7質量%であった。
(画像濃度評価)
DocuCentre−III C3300(富士ゼロックス社製)の中間転写体に最初にイエローのトナー像が形成される感光体として感光体Dを、他の色のトナー像が形成され、中間転写体に二番目以降に転写される3つの感光体としてそれぞれ感光体Aを装着した。この画像形成装置により、イエローのベタ画像を出力し、X−RITE 404を用いて、画像濃度測定を行った。その結果、画像濃度は1.53であり、適性濃度範囲(1.50以上1.55以下)内であった。
【0094】
<実施例4>
(感光体Eの作製)
感光体Aにおいて、前記構造式(A)、(B)で表される繰り返し単位を含むフッ化アルキル基含有共重合体(重量平均分子量80,000、l:m=1:1、n=60)の添加量を0.0088質量部にした以外は同様に作製し、感光体Eを得た。感光体Eの電荷輸送層中のフッ素系樹脂粒子の含有量に対するフッ素系分散助剤量含有量は2.2質量%であった。
(画像濃度評価)
DocuCentre−III C3300(富士ゼロックス社製)の中間転写体に最初にイエローのトナー像が形成される感光体として感光体Eを、他の色のトナー像が形成され、中間転写体に二番目以降に転写される3つの感光体としてそれぞれ感光体Aを装着した。この画像形成装置により、イエローのベタ画像を出力し、X−RITE 404を用いて、画像濃度測定を行った。その結果、画像濃度は1.51であり、適性濃度範囲(1.50以上1.55以下)内であった。
【0095】
<実施例5>
(画像濃度評価)
DocuCentre−III C3300(富士ゼロックス社製)の中間転写体に最初にイエローのトナー像が形成される感光体として感光体Bを、マゼンタのトナー像が形成される感光体として感光体Cを、シアンのトナー像が形成される感光体として感光体Cを、ブラックのトナー像が形成される感光体として感光体Aを装着した。この画像形成装置により、イエローのベタ画像を出力し、X−RITE 404を用いて、画像濃度測定を行った。その結果、画像濃度は1.50であり、適性濃度範囲(1.50以上1.55以下)内であった。
【0096】
<実施例6>
(感光体Fの作製)
感光体Aにおいて、4フッ化エチレン樹脂粒子として、平均一次粒径0.18μmの粒子を使用し、前記構造式(A)、(B)で表される繰り返し単位を含むフッ化アルキル基含有共重合体として、重量平均分子量100,000のフッ化アルキル基含有共重合体(重量平均分子量100,000、l:m=1:1、n=60)を使用した以外は同様に作製し、感光体Fを得た。感光体Fの電荷輸送層中のフッ素系樹脂粒子の含有量に対するフッ素系分散助剤量含有量は4.2質量%であった。
(感光体Gの作製)
感光体Fにおいて、前記構造式(A)、(B)で表される繰り返し単位を含むフッ化アルキル基含有共重合体(重量平均分子量100,000、l:m=1:1、n=60)の添加量を0.0128質量部にした以外は同様に作製し、感光体Gを得た。感光体Gの電荷輸送層中のフッ素系樹脂粒子の含有量に対するフッ素系分散助剤量含有量は3.2質量%であった。
(画像濃度評価)
DocuCentre−III C3300(富士ゼロックス社製)の中間転写体に最初にイエローのトナー像が形成される感光体として感光体Gを、他の色のトナー像が形成され、中間転写体に二番目以降に転写される3つの感光体としてそれぞれ感光体Fを装着した。この画像形成装置により、イエローのベタ画像を出力し、X−RITE 404を用いて、画像濃度測定を行った。その結果、画像濃度は1.54であり、適性濃度範囲(1.50以上1.55以下)内であった。
【0097】
<比較例1>
(感光体Hの作製)
感光体Aにおいて、フッ化アルキル基含有共重合体(重量平均分子量80,000、l:m=1:1、n=60)の添加量を0.0152質量部にした以外は同様に作製し、感光体Hを得た。感光体Hの電荷輸送層中のフッ素系樹脂粒子の含有量に対するフッ素系分散助剤の含有量は3.8質量%であった。
【0098】
(画像濃度評価)
DocuCentre−III C3300(富士ゼロックス社製)の中間転写体に最初にイエローのトナー像が形成される感光体として感光体Hを、他の色のトナー像が形成され、中間転写体に二番目以降に転写される3つの感光体としてそれぞれ感光体Aを装着した。この画像形成装置により、イエローのベタ画像を出力し、X−RITE 404を用いて、画像濃度測定を行った。その結果、画像濃度は1.48であり、適性濃度範囲(1.50以上1.55以下)外であった。
【0099】
<比較例2>
(感光体Iの作製)
感光体Aにおいて、フッ化アルキル基含有共重合体(重量平均分子量80,000、l:m=1:1、n=60)の添加量を0.0084質量部にした以外は同様に作製し、感光体Iを得た。感光体Iの電荷輸送層中のフッ素系樹脂粒子の含有量に対するフッ素系分散助剤の含有量は2.1質量%であった。
【0100】
(画像濃度評価)
DocuCentre−III C3300(富士ゼロックス社製)の中間転写体に最初にイエローのトナー像が形成される感光体として感光体Iを、他の色のトナー像が形成され、中間転写体に二番目以降に転写される3つの感光体としてそれぞれ感光体Aを装着した。この画像形成装置により、イエローのベタ画像を出力し、X−RITE 404を用いて、画像濃度測定を行った。その結果、画像濃度は1.49であり、適性濃度範囲(1.50以上1.55以下)外であった。
【0101】
<比較例3>
(感光体Jの作製)
感光体Fにおいて、前記構造式(A)、(B)で表される繰り返し単位を含むフッ化アルキル基含有共重合体(重量平均分子量100,000、l:m=1:1、n=60)の添加量を0.016質量部にした以外は同様に作製し、感光体Jを得た。感光体Jの電荷輸送層中のフッ素系樹脂粒子の含有量に対するフッ素系分散助剤量含有量は4.0質量%であった。
(画像濃度評価)
DocuCentre−III C3300(富士ゼロックス社製)の中間転写体に最初にイエローのトナー像が形成される感光体として感光体Jを、他の色のトナー像が形成され、中間転写体に二番目以降に転写される3つの感光体としてそれぞれ感光体Fを装着した。この画像形成装置により、イエローのベタ画像を出力し、X−RITE 404を用いて、画像濃度測定を行った。その結果、画像濃度は1.47であり、適性濃度範囲(1.50以上1.55以下)内であった。
【0102】
<比較例4>
(感光体Kの作製)
感光体Fにおいて、前記構造式(A)、(B)で表される繰り返し単位を含むフッ化アルキル基含有共重合体(重量平均分子量100,000、l:m=1:1、n=60)の添加量を0.008質量部にした以外は同様に作製し、感光体Kを得た。感光体Kの電荷輸送層中のフッ素系樹脂粒子の含有量に対するフッ素系分散助剤量含有量は2.0質量%であった。
(画像濃度評価)
DocuCentre−III C3300(富士ゼロックス社製)の中間転写体に最初にイエローのトナー像が形成される感光体として感光体Kを、他の色のトナー像が形成され、中間転写体に二番目以降に転写される3つの感光体としてそれぞれ感光体Fを装着した。この画像形成装置により、イエローのベタ画像を出力し、X−RITE 404を用いて、画像濃度測定を行った。その結果、画像濃度は1.48であり、適性濃度範囲(1.50以上1.55以下)内であった。
【0103】
以下、各感光体の電荷輸送層中のフッ素系樹脂粒子の含有量a、電荷輸送層中のフッ素系分散助剤の含有量b、及びフッ素系樹脂粒子の含有量Xに対するフッ素系分散助剤の含有量Yの比率(b/a)、電荷輸送層中のフッ素系樹脂粒子の粒径、電荷輸送層中のフッ素系分散助剤の分子量を表1に、実施例及び比較例で用いた感光体の組み合わせと画像濃度の評価結果を表2に示す。
【0104】
【表1】

【0105】
【表2】

【符号の説明】
【0106】
1,1A,1B 感光体、1Y,1M,1C,1K 感光体、2Y 帯電装置(帯電手段)、3Y,3M,3C,3K レーザ光線、3 露光装置(静電潜像形成手段)、4Y,4M,4C,4K 現像装置(現像手段)、5Y,5M,5C,5K 1次転写ローラ(1次転写手段)、6Y,6M,6C,6K クリーニング装置、16Y,6M,6C,6K トナーカートリッジ、10Y,10M,10C,10K 画像形成ユニット、20 中間転写ベルト(中間転写体)、22 駆動ローラ、24 支持ローラ、26 2次転写ローラ(2次転写手段)、30 中間転写体クリーニング装置、51 下引層、52 電荷発生層、53 電荷輸送層、54 導電性基体、55 保護層、56 単層型感光層、100 画像形成装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性基体と、該導電性基体上に配置されている少なくとも感光層とを有し、表面に互いに色が異なるトナー像が形成される複数の感光体であって、最表面層にフッ素系樹脂粒子と該フッ素系樹脂粒子の分散助剤を含むとともに下記式(1)を満たす複数の感光体と、
前記複数の感光体の表面をそれぞれ帯電する複数の帯電手段と、
帯電した前記複数の感光体の表面に静電潜像をそれぞれ形成する複数の静電潜像形成手段と、
前記複数の感光体の表面にそれぞれ形成された静電潜像を、互いに色が異なるトナーを含む現像剤により現像し、前記複数の感光体の表面にそれぞれトナー像を形成する複数の現像手段と、
前記複数の感光体の表面にそれぞれ形成されたトナー像が転写される中間転写体と、
前記複数の感光体の表面にそれぞれ形成されたトナー像を前記中間転写体の表面に転写する複数の1次転写手段と、
前記中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体に転写する2次転写手段と、
を有する画像形成装置。
0.5質量% ≦ A−B ≦ 2.0質量% (1)
A:前記中間転写体に最初にトナー像が転写される感光体の前記最表面層中の前記フッ素系樹脂粒子の含有量aに対する前記分散助剤の含有量bの割合(A=(b/a)×100(質量%))。
B:前記中間転写体に二番目以降にトナー像が転写される各感光体の前記最表面層中の前記フッ素系樹脂粒子の含有量aに対する前記分散助剤の含有量bの割合(B=(b/a)×100(質量%))。
【請求項2】
前記複数の現像手段のうち、前記中間転写体に最初にトナー像が転写される感光体の表面にトナー像を形成する現像手段が、イエローのトナー像を形成する現像手段である請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記感光体を3つ以上有し、前記中間転写体に二番目以降にトナー像が転写される感光体の前記最表面層中の前記フッ素系樹脂粒子の含有量に対する前記分散助剤の含有量の割合の差が、0.5質量%未満である請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−203691(P2011−203691A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−73499(P2010−73499)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】