説明

画像形成装置

【課題】揮発成分を有する液滴が着弾した際の面積を制御可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】記録媒体に対して揮発成分を有する液滴を吐出する液滴吐出ヘッドと、記録媒体の温度を検出する媒体温度検出手段と、記録媒体の温度と記録媒体に着弾した液滴の面積との対応関係を示す面積情報が記憶された記憶手段と、媒体温度検出手段により検出された記録媒体の温度、及び記憶手段により記録された面積情報に基づき、記録媒体に着弾した液滴の面積が予め定められた面積になるように、記録媒体の温度を制御する媒体温度制御手段と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に係り、特に着弾した液滴の面積を制御する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェット記録装置において、記録媒体に着弾した液滴の面積或いはドット径は画質に大きく影響を与えるものである。そこで特許文献1には、記録媒体表面エネルギーに対するインクの濡れ性によるドットの拡がり、及びインク粘度によるドットの拡がりを考慮して温度調整をすることで、所望のドット径を得る内容が記載されている。
【0003】
具体的には、記録媒体の温度を上げ、インク粘度を低減することでドット径を拡大する(ドット高さを低くする)。なお、特許文献1に記載のインクはUVインクを前提として上げられているのでインク揮発成分はほとんど0である。
【0004】
さらに、特許文献2には、インク打滴からUV照射までの間に、インク粘度に応じてドット拡がりが異なるという趣旨が記載されている。この特許文献2には、予めドットの拡がりデータを記憶させ、温度調整により、所望のドット径を得る内容が記載されている。具体的には、記録媒体の温度を上げ、インク粘度を低減することでドット径を拡大する(ドット高さを低くする)。なお、特許文献2に記載のインクはUVインクを前提として上げられているのでインク揮発成分はほとんど0である。
【0005】
また、特許文献3には、温度が変わると媒体の浸透速度が変わるので、ドット径が変わるが、この特性を考慮して、所望の発色特性(濃度)を得るために、インク吐出量を可変制御する内容が記載されている。例として記録媒体温度15℃、25℃の比較で温度の高い条件で「インク粘度は低下し、ドット径は広がる」等の内容が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−096277号公報
【特許文献2】特開2006−240009号公報
【特許文献3】特開2005−041011号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載された技術では、UVインクなど揮発成分を含まないインク材料に対し、描画エリアで記録材料、もしくは着弾近傍温度を制御して、最適な画像となるドット径を得る内容が開示されているが、着弾ドット径は温度VS粘度特性とUV硬化までの時間制約を受けるため、所望のドット径制御範囲が狭いという欠点と、UVインクは揮発成分を含まないため、薄膜の画像層を得ることは出来ないなどの欠点を有している(光沢性の悪化)。
【0008】
また、特許文献3に開示された技術では、インク粘度が異なる環境下(15℃、25℃)で着弾後のドット径差を吐出インク量の補正を行い着弾後のドット径が同一になるようにインク吐出量を補正し、画像を得る内容となっているが、インク量が異なるため、同一ドット径としたときには、色材厚みが異なることから、濃度差が生じる欠点を有し、またインク量を可変するため画像層の厚みが変化し(固体成分量)光沢性の変化が生じるという欠点を有する。
【0009】
このように従来の技術においては、揮発成分を有する液滴が着弾した際の面積を制御できないという問題点があった。
【0010】
本発明は上記問題点に鑑み、揮発成分を有する液滴が着弾した際の面積を制御可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、記録媒体に対して揮発成分を有する液滴を吐出する液滴吐出ヘッドと、前記記録媒体の温度を検出する媒体温度検出手段と、前記記録媒体の温度と前記記録媒体に着弾した液滴の面積との対応関係を示す面積情報が記憶された記憶手段と、前記媒体温度検出手段により検出された前記記録媒体の温度、及び前記記憶手段により記録された面積情報に基づき、前記記録媒体に着弾した液滴の面積が予め定められた面積になるように、前記記録媒体の温度を制御する媒体温度制御手段と、を有する。
【0012】
ここで、請求項1に記載の発明では、液滴吐出ヘッドにより記録媒体に対して揮発成分を有する液滴を吐出し、媒体温度検出手段により前記記録媒体の温度を検出し、記憶手段には、前記記録媒体の温度と前記記録媒体に着弾した液滴の面積との対応関係を示す面積情報が記憶され、媒体温度制御手段により、前記媒体温度検出手段により検出された前記記録媒体の温度、及び前記記憶手段により記録された面積情報に基づき、前記記録媒体に着弾した液滴の面積が予め定められた面積になるように、前記記録媒体の温度を制御するので揮発成分を有する液滴が着弾した際の面積を制御可能な画像形成装置を提供することができる。
【0013】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記面積情報は、前記記録媒体の種類毎に設けられたものである。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、同じ温度であっても、記録媒体の種類により面積が異なるので、記録媒体の種類毎に設けておくことで、さらに精度良く面積を制御できる。
【0015】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において前記媒体温度制御手段は、前記記録媒体の温度を、前記液滴が揮発する温度の範囲内で制御する。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、揮発する温度の範囲内で制御することで、揮発成分を揮発させることができるため、さらに精度良く面積を制御できる。
【0017】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の発明において、前記液滴の温度を制御する液滴温度制御手段をさらに有し、前記液滴温度制御手段は、前記液滴の温度が、前記記録媒体の温度と略等しくなるように制御する。
【0018】
請求項4の発明によれば、記録媒体と液滴の温度を略等しくすることで、温度が上下されることを回避できるため、さらに精度良く面積を制御できる。
【0019】
また、上記目的を達成するために、請求項5に記載の発明は、記録媒体に対して揮発成分を有する液滴を吐出する液滴吐出ヘッドと、前記液滴吐出ヘッドにより吐出された液滴が前記記録媒体に着弾する着弾領域の温度を検出する着弾領域温度検出手段と、前記着弾領域の温度と前記記録媒体に着弾した液滴の面積との対応関係を示す面積情報が記憶された記憶手段と、前記着弾領域温度検出手段により検出された前記着弾領域の温度、及び前記記録手段により記憶された面積情報に基づき、前記記録媒体に着弾した液滴の面積が予め定められた面積になるように、前記着弾領域の温度を制御する着弾領域温度制御手段と、を有する。
【0020】
ここで、請求項5に記載の発明では、液滴吐出ヘッドにより記録媒体に対して揮発成分を有する液滴を吐出し、着弾領域温度検出手段により前記液滴吐出ヘッドにより吐出された液滴が前記記録媒体に着弾する着弾領域の温度を検出し、着弾領域温度調整手段により前記着弾領域の温度を調整し、記憶手段には前記着弾領域の温度と前記記録媒体に着弾した液滴の面積との対応関係を示す面積情報が記憶され、着弾領域温度制御手段により前記着弾領域温度検出手段により検出された前記着弾領域の温度、及び前記記録手段により記憶された面積情報に基づき、前記記録媒体に着弾した液滴の面積が予め定められた面積になるように、前記着弾領域の温度を制御するので揮発成分を有する液滴が着弾した際の面積を制御可能な画像形成装置を提供することができる。
【0021】
また、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記面積情報は、前記記録媒体の種類毎に設けられたものである。
【0022】
請求項6の発明によれば、同じ温度であっても、記録媒体の種類により面積が異なるので、記録媒体の種類毎に設けておくことで、さらに精度良く面積を制御できる。
【0023】
また、請求項7に記載の発明は、請求項5又は請求項6に記載の発明において、前記着弾領域温度制御手段は、前記着弾領域の温度を、前記液滴が揮発する温度の範囲内で制御する。
【0024】
請求項7の発明によれば、揮発する温度の範囲内で制御することで、揮発成分を揮発させることができるため、さらに精度良く面積を制御できる。
【0025】
また、請求項8の発明は、請求項5〜請求項7のいずれか1項に記載の発明において、前記液滴の温度を制御する液滴温度制御手段をさらに有し、前記液滴温度制御手段は、前記液滴の温度が、前記着弾領域の温度と略等しくなるように制御する。
【0026】
請求項8の発明によれば、着弾領域と液滴の温度を略等しくすることで、温度が上下されることを回避できるため、さらに精度良く面積を制御できる。
【0027】
また、請求項9の発明は、請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の発明において、前記液滴吐出ヘッドにより吐出された液滴が前記記録媒体に着弾する着弾領域の温度以上の温度で、前記記録媒体に着弾した液滴に含まれる揮発成分を揮発させる揮発手段をさらに有する。
【0028】
請求項9の発明によれば、より早く揮発させることが可能となるため、形成された画像の質を向上することができる。
【0029】
また、請求項10の発明は、請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の発明において、前記液滴は、顔料、染料、及びポリマーを含むものである。
【0030】
請求項10の発明によれば、液滴として顔料、染料、及びポリマーを含むものを用いることができる。
【0031】
また、請求項11の発明は、請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の発明において、記録媒体加熱装置を着弾エリア上流側に配置し、着弾領域温調温度と略同等に記録媒体を昇温することを特徴とする。
【0032】
請求項11の発明によれば、記録媒体の温度と着弾領域の温度を略同等にすることで、記録媒体の温度がより早く着弾領域の温度になるため、さらに精度良く面積を制御できる。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、揮発成分を有する液滴が着弾した際の面積を制御可能な画像形成装置を提供することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】実施の形態に係るインクジェット記録装置の全体構成図の一例である。
【図2】インクジェット記録装置の印字部周辺の要部平面図である。
【図3】ヘッドの構造例を示す平面透視図である。
【図4】ヘッドの構造例の一部を拡大した拡大図である。
【図5】液滴吐出素子の立体的構成を示す断面図である。
【図6】インクジェット記録装置のシステム構成の一例を示すブロック図である。
【図7】温度とドット径又は面積の関係例を示す図である。
【図8】インクが広がる様子を示す模式図である。
【図9】濃度と光沢、面積と光沢との関係例を示す図である。
【図10】面積制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】パイルハイト制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】シャトル方式における各ヒータの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本実施の形態における液滴(以下、インクと記す)は常温における粘度が11cpであり、顔料、染料、及びポリマーを含み、その成分は顔料6%、樹脂7%、有機溶剤80%となっているが、これに限るものではない。ただし、揮発成分を必ず含むインクである。
【0036】
図1は、本発明に係る画像形成装置の一実施形態を示すインクジェット記録装置の全体構成図である。同図に示すように、このインクジェット記録装置110は、黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各インクに対応して設けられた複数のインクジェット記録ヘッド(液滴吐出ヘッド:以下、ヘッドという。)112K、112C、112M、112Yを有する印字部112と、各ヘッド112K、112C、112M、112Yに供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部114と、記録媒体たる記録紙116を供給する給紙部118と、記録紙116のカールを除去するデカール処理部120と、前記印字部112のノズル面(インク吐出面)に対向して配置され、記録紙116の平面性を保持しながら記録紙116を搬送するベルト搬送部122と、記録紙116の温度を調整するプレヒータ140と、インクが記録紙に着弾する着弾領域の温度を調整する着弾領域ヒータ134と、記録済みの記録紙116に着弾したインクに含まれる揮発成分を揮発させる乾燥ヒータ142と、記録紙の温度を検出する媒体温度検出部200と、着弾領域の温度を検出する着弾領域温度検出部202と、記録済みの記録紙(プリント物)を外部に排紙する排紙部126とを備えている。なお、本明細書でいう「印字」とは、文字の印刷の他に画像の印刷も含む。
【0037】
インク貯蔵/装填部114は、各ヘッド112K、112C、112M、112Yに対応する色のインクを貯蔵するインクタンクを有し、各タンクは所要の管路を介してヘッド112K、112C、112M、112Yと連通されている。また、インク貯蔵/装填部114は、インク残量が少なくなるとその旨を報知する報知手段を備えるとともに、色間の誤装填を防止するための機構を有している。
【0038】
図1では、給紙部118の一例としてロール紙(連続用紙)のマガジンが示されているが、紙幅や紙質等が異なる複数のマガジンを併設してもよい。また、ロール紙のマガジンに代えて、又はこれと併用して、カット紙が積層装填されたカセットによって用紙を供給してもよい。
【0039】
給紙部118から送り出される記録紙116はマガジンに装填されていたことによる巻きクセが残り、カールする。このカールを除去するために、デカール処理部120においてマガジンの巻きクセ方向と逆方向に加熱ドラム130で記録紙116に熱を与える。このとき、多少印字面が外側に弱いカールとなるように加熱温度を制御するとより好ましい。
【0040】
ロール紙を使用する装置構成の場合、図1のように、裁断用のカッター128が設けられており、該カッター128によってロール紙は所望のサイズにカットされる。なお、カット紙を使用する場合には、カッター128は不要である。
【0041】
デカール処理後、カットされた記録紙116は、ベルト搬送部122へと送られる。ベルト搬送部122は、ローラ131、132間に無端状のベルト133が巻き掛けられた構造を有するように構成されている。
【0042】
ベルト133は、記録紙116の幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引穴(不図示)が形成されている。ローラ131、132間に掛け渡されたベルト133は吸引吸着方式又は静電吸着方式によって記録紙116がベルト133上に吸着保持される。
【0043】
ベルト133が巻かれているローラ131、132の少なくとも一方に図示しないモータの動力が伝達されることにより、ベルト133は図1上の時計回り方向に駆動され、ベルト133上に保持された記録紙116は図1の左から右へと搬送される。
【0044】
縁無しプリント等を印字するとベルト133上にもインクが付着するので、ベルト133の外側の所定位置(印字領域以外の適当な位置)にベルト清掃部136が設けられている。ベルト清掃部136の構成について詳細は図示しないが、例えば、ブラシ・ロール、吸水ロール等をニップする方式、清浄エアーを吹き掛けるエアーブロー方式、或いはこれらの組合せなどがある。清掃用ロールをニップする方式の場合、ベルト線速度とローラ線速度を変えると清掃効果が大きい。
【0045】
なお、ベルト搬送部122に代えて、ローラ・ニップ搬送機構を用いる態様も考えられるが、印字領域をローラ・ニップ搬送すると、印字直後に用紙の印字面をローラが接触するので画像が滲み易いという問題がある。したがって、本例のように、印字領域では画像面を接触させない吸着ベルト搬送が好ましい。
【0046】
ベルト搬送部122により形成される用紙搬送路上において印字部112の上流側には、上述したプレヒータ140が設けられている。プレヒータ140は、印字前の記録紙116に加熱空気を吹き付けることで、記録紙116の温度を調整する。
【0047】
印字部112の各ヘッド112K、112C、112M、112Yは、当該インクジェット記録装置110が対象とする記録紙116の最大紙幅に対応する長さを有し、そのノズル面には最大サイズの記録紙116の少なくとも一辺を超える長さ(描画可能範囲の全幅)にわたりインク吐出用のノズルが複数配列されたフルライン型のヘッドとなっている。
【0048】
図2に示されるように、ヘッド112K、112C、112M、112Yは、記録紙116の送り方向に沿って上流側から黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の色順に配置され、それぞれのヘッド112K、112C、112M、112Yが記録紙116の搬送方向と略直交する方向に沿って延在するように固定設置される。
【0049】
ベルト搬送部122により記録紙116を搬送しつつ各ヘッド112K、112C、112M、112Yからそれぞれ異色のインクを吐出することにより記録紙116上にカラー画像を形成し得る。従って、インクが記録紙116に着弾する領域は同図に示される着弾領域210となる。
【0050】
このように、紙幅の全域をカバーするノズル列を有するフルライン型のヘッド112K、112C、112M、112Yを色別に設ける構成によれば、紙送り方向(副走査方向)について記録紙116と印字部112を相対的に移動させる動作を1回行うだけで(すなわち1回の副走査で)、記録紙116の全面に画像を記録することができる。これにより、記録ヘッドが紙搬送方向と直交する方向に往復動作するシャトル型ヘッドに比べて高速印字が可能であり、生産性を向上させることができる。
【0051】
本例では、KCMYの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組合せについては本実施形態に限定されず、必要に応じて淡インク、濃インク、特別色インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出するインクジェットヘッドを追加する構成も可能である。また、各色ヘッドの配置順序も特に限定はない。
【0052】
図1の説明に戻り、印字部112の下部に設けられた、インクが記録紙に着弾する着弾領域210の温度を調整する着弾領域ヒータ134は、弾着直後における温度を調整するもので、インクの乾燥蒸発に伴う粘度と表面エネルギーのバランスをとるようになっている。着弾領域ヒータ134の具体例として、例えば着弾領域210を直接加熱するフィルムヒータ或いは、着弾領域210における描画面を直接輻射熱で加熱するIRヒータ、カーボンヒータなどが挙げられる。
【0053】
ヘッド112Yの後段には上述した乾燥ヒータ142が設けられている。乾燥ヒータ142は、着弾したインクに含まれる揮発成分を揮発させるものであるが、特に本実施の形態では記録紙116を媒体温度検出部200により検出された温度以上で暖めることで揮発させるようになっている。或いは、実験により予め着弾領域210の温度を検出しておき、その温度以上で暖めることで揮発させるようにしても良い。
【0054】
以上説明したプレヒータ140、着弾領域ヒータ134、及び乾燥ヒータ142はいずれも記録紙116を暖めるものであり、特に着弾領域ヒータ134は、記録紙116に加え、着弾領域210を暖めるものである。なお、本実施の形態では、記録紙116等を暖めるもののみを示しているが、必要に応じて冷却する手段を加えるようにしても良い。
【0055】
多孔質のペーパーに染料系インクで印字した場合などでは、加圧によりペーパーの孔を塞ぐことでオゾンなど、染料分子を壊す原因となるものと接触することを防ぐことで画像の耐候性がアップする効果がある。
【0056】
乾燥ヒータ142の後段には、加熱・加圧部144が設けられている。加熱・加圧部144は、画像表面の光沢度を制御するための手段であり、画像面を加熱しながら所定の表面凹凸形状を有する加圧ローラ145で加圧し、画像面に凹凸形状を転写する。
【0057】
こうして生成されたプリント物は排紙部126から排出される。本来プリントすべき本画像(目的の画像を印刷したもの)とテスト印字とは分けて排出することが好ましい。このインクジェット記録装置110では、本画像のプリント物と、テスト印字のプリント物とを選別してそれぞれの排出部126A、126Bへと送るために排紙経路を切り換える不図示の選別手段が設けられている。
【0058】
なお、大きめの用紙に本画像とテスト印字とを同時に並列に形成する場合は、カッター148によってテスト印字の部分を切り離す。また、図には示さないが、本画像の排出部126Aには、オーダー別に画像を集積するソーターが設けられる。
【0059】
次に、ヘッドの構造について説明する。色別の各ヘッド112K、112C、112M、112Yの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号150によってヘッドを示すものとする。
【0060】
図3はヘッド150の構造例を示す平面透視図であり、図4はその一部の拡大図である。また、図5は1つの液滴吐出素子(1つのノズル151に対応したインク室ユニット)の立体的構成を示す断面図(図4中の33−33線に沿う断面図)である。
【0061】
記録紙116上に印字されるドットピッチを高密度化するためには、ヘッド150におけるノズルピッチを高密度化する必要がある。本例のヘッド150は、図3、図4に示したように、インク吐出口であるノズル151と、各ノズル151に対応する圧力室152等からなる複数のインク室ユニット(液滴吐出素子)153を千鳥でマトリクス状に(2次元的に)配置させた構造を有し、これにより、ヘッド長手方向(紙送り方向と直交する方向)に沿って並ぶように投影される実質的なノズル間隔(投影ノズルピッチ)の高密度化を達成している。
【0062】
なお、記録紙116の送り方向と略直交する方向に記録紙116の全幅に対応する長さにわたり1列以上のノズル列を構成する形態は本例に限定されない。
【0063】
各ノズル151に対応して設けられている圧力室152は、その平面形状が概略正方形となっており(図3、図4参照)、対角線上の両隅部の一方にノズル151への流出口が設けられ、他方に供給インクの流入口(供給口)154が設けられている。なお、圧力室152の形状は、本例に限定されず、平面形状が四角形(菱形、長方形など)、五角形、六角形その他の多角形、円形、楕円形など、多様な形態があり得る。
【0064】
図5に示したように、各圧力室152は供給口154を介して共通流路155と連通されている。共通流路155はインク供給源たるインクタンク(不図示)と連通しており、インクタンクから供給されるインクは共通流路155を介して各圧力室152に分配供給される。
【0065】
圧力室152の一部の面(図5において天面)を構成している加圧板(共通電極と兼用される振動板)156には個別電極157を備えたアクチュエータ158が接合されている。個別電極157と共通電極間に駆動電圧を印加することによってアクチュエータ158が変形して圧力室152の容積が変化し、これに伴う圧力変化によりノズル151からインクが吐出される。なお、アクチュエータ158には、チタン酸ジルコン酸鉛やチタン酸バリウムなどの圧電体を用いた圧電素子が好適に用いられる。インク吐出後、アクチュエータ158の変位が元に戻る際に、共通流路155から供給口154を通って新しいインクが圧力室152に再充填される。
【0066】
画像情報から生成さるドット配置データに応じて各ノズル151に対応したアクチュエータ158の駆動を制御することにより、ノズル151からインク滴を吐出させることができる。図1で説明したように、記録媒体たる記録紙116を一定の速度で副走査方向に搬送しながら、その搬送速度に合わせて各ノズル151のインク吐出タイミングを制御することによって、記録紙116上に所望の画像を記録することができる。
【0067】
上述したフルラインヘッドと用紙とを相対移動することによって、上述した主走査で形成された1ライン(1列のドットによるライン又は複数列のドットから成るライン)の印字を繰り返し行うことを副走査と定義する。
【0068】
そして、上述の主走査によって記録される1ライン(或いは帯状領域の長手方向)の示す方向を主走査方向といい、上述の副走査を行う方向を副走査方向という。すなわち、本実施形態では、記録紙116の搬送方向が副走査方向であり、それに直交する方向が主走査方向ということになる。
【0069】
本発明の実施に際してノズルの配置構造は図示した例に限定されない。また、本実施形態では、ピエゾ素子(圧電素子)に代表されるアクチュエータ158の変形によってインク滴を飛ばす方式が採用されているが、本発明の実施に際して、インクを吐出させる方式は特に限定されず、ピエゾジェット方式に代えて、ヒータなどの発熱体によってインクを加熱して気泡を発生させ、その圧力でインク滴を飛ばすサーマルジェット方式など、各種方式を適用できる。
【0070】
図6は、インクジェット記録装置110のシステム構成を示すブロック図である。同図に示したように、インクジェット記録装置110は、大きく分けて、システム制御部250、及びプリント制御部180を含んで構成される。
【0071】
システム制御部250は、通信インタフェース170、システムコントローラ172、画像メモリ174、ROM175、モータドライバ176、ヒータドライバ178、ヒータ189等を備えている。なお、ここでのヒータ189は、上述したプレヒータ140、着弾領域ヒータ134、及び乾燥ヒータ142をまとめて表現したものである。
【0072】
通信インタフェース170は、ユーザが当該インクジェット記録装置110に対して印刷の指示等を行うため等に用いられるホスト装置10とのインタフェース部である。通信インタフェース170にはUSB(Universal Serial Bus)、IEEE1394、イーサネット(登録商標)、無線ネットワークなどのシリアルインタフェースやセントロニクスなどのパラレルインタフェースを適用することができる。この部分には、通信を高速化するためのバッファメモリ(不図示)を搭載してもよい。
【0073】
ホスト装置10から送出された画像情報は通信インタフェース170を介してインクジェット記録装置110に取り込まれ、一旦画像メモリ174に記憶される。画像メモリ174は、通信インタフェース170を介して入力された画像を記憶する記憶手段であり、システムコントローラ172を通じてデータの読み書きが行われる。画像メモリ174は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなど磁気媒体を用いてもよい。
【0074】
システムコントローラ172は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、所定のプログラムに従ってインクジェット記録装置110の全体を制御する制御装置として機能するとともに、各種演算を行う演算装置として機能する。すなわち、システムコントローラ172は、通信インタフェース170、画像メモリ174、モータドライバ176、ヒータドライバ178、プリント制御部180等の各部を制御し、ホスト装置10との間の通信制御、画像メモリ174及びROM175の読み書き制御等を行うとともに、搬送系のモータ188やヒータ189を制御する制御信号を生成する。なお、プリント制御部180に対しては、制御信号の他に、画像メモリ174に記憶された画像情報を送信する。
【0075】
また、ROM175には、システムコントローラ172のCPUが実行するプログラム及び制御に必要な各種データなどが格納されている。ROM175は、書換不能な記憶手段であってもよいが、各種のデータを必要に応じて更新する場合は、EEPROMのような書換可能な記憶手段を用いることが好ましい。
【0076】
画像メモリ174は、画像情報の一時記憶領域として利用されるとともに、プログラムの展開領域及びCPUの演算作業領域としても利用される。
【0077】
モータドライバ176は、システムコントローラ172からの指示に従って搬送系のモータ188を駆動するドライバ(駆動回路)である。ヒータドライバ178は、システムコントローラ172からの指示に従ってヒータ189を駆動するドライバである。ヒータ189を駆動すれば着弾領域210や記録紙116の温度は上昇し、駆動しなければ着弾領域や記録紙116の温度は低下するので、これにより着弾領域210や記録紙116の温度を調整することができる。
【0078】
プリント制御部180は、システムコントローラ172の制御に従い、システム制御部250から送信された画像情報から吐出制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号処理手段として機能するとともに、生成したインク吐出データに基づいてヘッド150の吐出駆動を制御する。
【0079】
次に、図7を用いて着弾領域210又は記録紙116の温度と、記録紙116に着弾したインクの面積との対応関係を示す面積情報、及び着弾領域210又は記録紙116の温度と、記録紙116に着弾したインクのパイルハイトとの対応関係を示すパイルハイト情報について説明する。なお、本実施の形態では、着弾したインクであるドットはほぼ円形であるので、ドットの面積とドット径とを同一視して表現している。
【0080】
同図(a)は、着弾領域210又は記録紙116の温度(横軸)と、記録紙116に着弾したドット径(縦軸)との対応関係を示し、同図(b)は、着弾領域210又は記録紙116の温度(横軸)と、記録紙116に着弾したドットのパイルハイト(縦軸)との対応関係を示している。
【0081】
なお、いずれのグラフにおいても、記録紙116は塩ビシートを用い、インクは上述したように常温における粘度が11cpであり、その成分は顔料6%、樹脂7%、有機溶剤80%となっている。
【0082】
ドット径は、表面エネルギーとインク粘度のバランスにより決定される。記録紙116の表面エネルギーが低い場合、図8(a)に示されるように、濡れ広がりによりドット径は大きくなる。一方、インク粘度が大きい場合、図8(b)に示されるように、表面エネルギーの広がり力を増粘効果により抑制することでドット径は小さくなる。
【0083】
図7(a)、(b)のいずれもおよそ25℃を境に、25度以上(領域B)で揮発成分の蒸発による増粘効果によりドット径が定まる傾向があることを示している。
【0084】
一方、25℃以下(領域A)では蒸発による増粘効果は小さく、インクの粘度と温度特性の影響が大きい。従って、25℃以下で温度制御した場合、環境等の外乱により、安定したドット径の制御は困難である。よって、本実施の形態では、インクが揮発する温度の範囲である領域Bの範囲でドット径を制御する。
【0085】
次にパイルハイトであるが、パイルハイトはドット径に反比例するので、同図(b)に示されるグラフとなる。パイルハイトは、光沢に影響を及ぼす。具体的に図9を用いて説明する。図9(a)に示されるグラフは横軸が濃度、縦軸が光沢度を示している。また、図9(b)は横からドットを見た図であり、パイルハイトを示している。いずれの図も、点線が着弾領域210又は記録紙116の温度が35℃の場合を示し、実線が着弾領域210又は記録紙116の温度が45℃の場合を示している。
【0086】
同図(a)に示されるように、35℃の場合は、濃度が大きくなるほど緩やかに低下していくのに対し、45℃の場合は、ある濃度(1.8付近)より大きくなると急激に低下している。
【0087】
また、パイルハイトは、同図(b)に示されるように、より多く蒸発する45℃におけるドットの方が広がりにくいため、35℃のパイルハイトと比較して大きいパイルハイトとなる。このようにパイルハイトが大きいほど光沢は低下するので、光沢が必要な場合は図7(b)に示される領域Bの範囲内におけるより低い温度とすれば良い。
【0088】
以上説明した図7(a)、(b)の各々に示される面積情報、及びパイルハイト情報は、予め実験により得ておき、テーブルとして、或いは数式示す情報としてROM175に記憶しておく。また、記録紙116の種類により面積情報及びパイルハイト情報は異なるので、記録紙116の種類毎に面積情報及びパイルハイト情報を設け、それらを記憶しておくようにしても良い。
【0089】
次に、面積制御処理、及びパイルハイト制御処理の流れをフローチャートを用いて説明する。なお、面積制御処理、及びパイルハイト制御処理は、システムコントローラ172のCPUにより実行される。
【0090】
まず、面積制御処理の流れを、図10を用いて説明する。ステップ101で、予め定められた面積Sを取得する。この予め定められた面積とは、例えばオペレータが指定した面積などである。このとき、記録紙116の種類も取得するようにしても良い。記録紙116の種類は、オペレータによる入力、光沢による自動検出、記録紙116の先端或いは予め記録紙116に付与された判別マーキングを用いて検出してもよい。
【0091】
次のステップ102で、着弾領域温度検出部202により着弾領域210の温度か、若しくは媒体温度検出部200により記録紙116の温度Tを検出する。次のステップ103で、図7に示した面積情報から面積Sとなる温度を取得する。
【0092】
そして、ステップ104で、温度Tとなるようにヒータ189を制御した後に、ステップ105で画像形成を行なって処理を終了する。
【0093】
このように、ステップ102〜ステップ104では、着弾領域210又は記録紙116の温度、及び図7に示した面積情報に基づき、記録紙116に着弾したインクの面積が予め定められた面積Sになるように、ヒータ189を制御する。
【0094】
次に、パイルハイト制御処理の流れを、図11を用いて説明する。ステップ201で、予め定められたパイルハイトPを取得する。この予め定められたパイルハイトとは、例えばオペレータが指定したパイルハイトなどである。このとき、記録紙116の種類も取得するようにしても良いことは図10と同様である。
【0095】
次のステップ202で、着弾領域温度検出部202により着弾領域210の温度か、若しくは媒体温度検出部200により記録紙116の温度を検出する。次のステップ203で、図7に示したパイルハイト情報からパイルハイトがPとなる温度Tを取得する。
【0096】
そして、ステップ204で、温度Tとなるようにヒータ189を制御した後に、ステップ205で画像形成を行なって処理を終了する。
【0097】
このように、ステップ202〜ステップ204では、着弾領域210又は記録紙116の温度、及び図7に示した面積情報に基づき、記録紙116に着弾したインクのパイルハイトが予め定められたパイルハイトPになるように、ヒータ189を制御する。
【0098】
なお、以上説明した各フローチャートの処理の流れは一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で処理順序を入れ替えたり、新たなステップを追加したり、不要なステップを削除したりすることができることは言うまでもない。
【0099】
さらに、システムコントローラ172が、インク貯蔵/装填部114にインクの温度を制御するようにしても良い。この場合、インク貯蔵/装填部114を暖めるヒータを設け、システムコントローラ172は、インクの温度が、記録紙116又は着弾領域210の温度と略等しくなるようにインクの温度を制御するようにしても良い。なお、略等しくとは、等しいか若しくは機差や検知機器等により生じる誤差等を含んでほぼ等しいことを意味する。着弾領域の温度については、着弾領域温度検出部202により着弾領域210の温度を検出してその温度とインクの温度を略等しくしても良いし、実験により予め着弾領域210の温度を検出しておき、その温度とインクの温度を略等しくしても良い。
【0100】
また、上述した実施の形態では、シングルパス方式を用いたインクジェット記録装置10を例にしたが、ヘッドを往復走査し画像を形成するいわゆるシャトル方式であっても良い。
【0101】
具体的に、図12を用いて説明する。図12は、シャトル方式における各ヒータの構成例を示す図である。シャトル方式の場合の構成は、同図に示されるように、ヘッド310、プラテン300、副走査ローラ314、ロール給紙部310、記録紙巻き取り部312、プレヒータ140、着弾領域ヒータ134、及び乾燥ヒータ142を含んで構成される。
【0102】
シャトル方式では、副走査ローラ314で、ロール給紙部310から送られた記録紙116を間欠送りして記録紙巻き取り部312に巻き取らせ、ヘッド310を主走査方向(記録紙116の移動方向の垂直方向)に移動させながら、記録紙116にインクを打滴して画像を描画するようになっている。
【0103】
そして、着弾領域ヒータ134は、プラテン300を介して着弾領域を昇温する。乾燥ヒータ142は、記録済みの記録紙116に着弾したインクに含まれる揮発成分を揮発させる。プレヒータ140は、記録紙116の温度を調整する。プレヒータ140は、記録紙116の温度を事前に、着弾領域ヒータ134の温度まで昇温調整する。
【0104】
このように、記録媒体加熱装置(プレヒータ140)を着弾エリア(着弾領域210)上流側に配置し、着弾領域温調温度(着弾領域ヒータ134の温度)と略同等に記録紙116を昇温する。
【0105】
このようなシャトル方式のインクジェット記録装置であっても、本実施の形態を適用することができる。
【符号の説明】
【0106】
110 インクジェット記録装置
112 印字部
134 着弾領域ヒータ
140 プレヒータ
142 乾燥ヒータ
172 システムコントローラ
174 画像メモリ
175 ROM
178 ヒータドライバ
180 プリント制御部
200 媒体温度検出部
202 着弾領域温度検出部
250 システム制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に対して揮発成分を有する液滴を吐出する液滴吐出ヘッドと、
前記記録媒体の温度を検出する媒体温度検出手段と、
前記記録媒体の温度と前記記録媒体に着弾した液滴の面積との対応関係を示す面積情報が記憶された記憶手段と、
前記媒体温度検出手段により検出された前記記録媒体の温度、及び前記記憶手段により記録された面積情報に基づき、前記記録媒体に着弾した液滴の面積が予め定められた面積になるように、前記記録媒体の温度を制御する媒体温度制御手段と、
を有する画像形成装置。
【請求項2】
前記面積情報は、前記記録媒体の種類毎に設けられた請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記媒体温度制御手段は、前記記録媒体の温度を、前記液滴が揮発する温度の範囲内で制御する請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記液滴の温度を制御する液滴温度制御手段をさらに有し、
前記液滴温度制御手段は、前記液滴の温度が、前記記録媒体の温度と略等しくなるように制御する請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
記録媒体に対して揮発成分を有する液滴を吐出する液滴吐出ヘッドと、
前記液滴吐出ヘッドにより吐出された液滴が前記記録媒体に着弾する着弾領域の温度を検出する着弾領域温度検出手段と、
前記着弾領域の温度と前記記録媒体に着弾した液滴の面積との対応関係を示す面積情報が記憶された記憶手段と、
前記着弾領域温度検出手段により検出された前記着弾領域の温度、及び前記記録手段により記憶された面積情報に基づき、前記記録媒体に着弾した液滴の面積が予め定められた面積になるように、前記着弾領域の温度を制御する着弾領域温度制御手段と、
を有する画像形成装置。
【請求項6】
前記面積情報は、前記記録媒体の種類毎に設けられた請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記着弾領域温度制御手段は、前記着弾領域の温度を、前記液滴が揮発する温度の範囲内で制御する請求項5又は請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記液滴の温度を制御する液滴温度制御手段をさらに有し、
前記液滴温度制御手段は、前記液滴の温度が、前記着弾領域の温度と略等しくなるように制御する請求項5〜請求項7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記液滴吐出ヘッドにより吐出された液滴が前記記録媒体に着弾する着弾領域の温度以上の温度で、前記記録媒体に着弾した液滴に含まれる揮発成分を揮発させる揮発手段をさらに有する請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記液滴は、顔料、染料、及びポリマーを含む請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
記録媒体加熱装置を着弾エリア上流側に配置し、着弾領域温調温度と略同等に記録媒体を昇温することを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の画像記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−207176(P2011−207176A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−79612(P2010−79612)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】